リレー小説でガンダムを作ろう

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1通常の名無しさんの3倍
みんなのリレー小説形式で
新しいガンダムを作ってみよう、というスレッドです。

一応リレー小説ですが、世界観統一等の為に
幾つかルールを設けておきます。
***************************************
1、リレー小説は"次回予告形式"で進めていきます。
2、自分が書いた次回予告の話の内容に関して
  5レス以内でストーリー説明を入れて下さい。
3、話数は全部で52話とします。

詳しくは説明書き参照
2説明書き:05/01/25 12:59:09 ID:???
*次会予告形式リレー小説とは?
次回予告をリレーしていくリレー小説です。
一番手が、"新番組予告"を書き、
その後に5レス以内で第一話の内容を書きます。

第一話の内容を確認して他の人が第二話の次回予告を書きます。
第二話の次回予告を書いた人がその後に5レス以内で
第二話の内容を具体的に書きます

第二話の内容を確認して、他の人が第三話の次回予告を

以下延々と続き、最終話までを完成させていく形式です
3通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:02:28 ID:???
最終話

糸 冬
4企画書1:05/01/25 13:07:34 ID:???
<<新ガンダム企画書>>
タイトル:機動戦士ガンダムN(ネオ)
世界観:地球の周辺にスペースコロニーが存在し、人類の約半数が
    スペースコロニーや月で過ごす様になった時代。
    地球圏連合政府、スペースコロニー連合
    月面連合政府の3つの勢力によって統治されていた。
    地球圏連合政府は、スペースコロニー連合、月面連合政府を
    地球圏連合政府の統治下に置こうと考えていた。
    これに対し、スペースコロニー連合政府は反発
    地球圏連合政府とスペースコロニー連合政府の関係は
    険悪な状況になる。
    そんな中、月面連合政府は、極秘裏にある計画を進めていた
    それは、人類の外宇宙移民計画"コロンブス・プロジェクト"だった。
5通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:09:17 ID:???
>>3
      \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ,,、,、,,, / \〇ノゝ∩ < 1000取り合戦、いくぞゴ……!!       ,,、,、,,,
    /三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,
     /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,                       ,,、,、,,,
 ,,、,、,,, U (:::::::::::)  ,,、,、,,,
      //三/|三|\       ,,,,    ,,、,、,,,
      ∪  ∪
  ,,          ,    ,,,,    ,,、,、,,,       ,,、,、,,,
,,,,,    ∧_∧ うまいモナー,,,,,   、 ,,,,,,   ,,,,,,,,    ,,,,,
 ,,,   ( ´∀`)___,,,,___ ,, ∧_∧ ゲンキニ シテルカナ・・・___,,
  / ̄ ( つ日ヽ   ∧_∧    (    )               /
/    (__))   (´∀` )   (    )    ∧_∧∧_∧ / マターリモナー
 ∧_∧∧_∧ドーゾ (日ノ )  | | |    ( ´∀`) ´∀`)
 ( ´∀`) ´∀`)    ((__)  ,(_(_) (○)⊂   ) つ日⊂ ) モーナー
―(つ⊂  ) つ⊂ )―――――――――――ヽ|〃(⌒)(⌒) (⌒)(⌒)
   (⌒)(⌒) (⌒)(⌒)グーグー
6通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:16:53 ID:???
1000!
7通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:18:40 ID:???
まず一枚の紙を想像して下さい。サイズはB5くらいで構いません。
紙の種類も珍しいものである必要はありません。コピー用紙のようなものでいいでしょう。
できればまだ何にも使われていない、新品の真っ白なものを想像して下さい。
できましたか?
つぎに頭の中でその紙の両端を親指と人差し指で、親指が下になるように水平に持ってください。
最後にその紙を水平に保ったまま眼球に紙の端を密着させ、そのまま一気に横にスライドしてください。
てきましたか?
8企画書2:05/01/25 13:21:22 ID:???
主な登場人物
ノア・バルクーレ(主人公) 16歳
地球圏連合政府軍所属、青髪の少年。
銃の扱いが下手。短気だが普段は冷静。
ベルファとは同期で、チェスのライバル
作戦行動終了後にその作戦の結果や過程に
ついてベルファと議論する関係。
経歴
14歳 地球圏連合政府軍入隊
15歳 新兵として、アラブの内戦地域に派遣MSを初めて操縦する。
16歳 長期休暇を取り、観光に行った地球圏連合派寄りの
    スペースコロニー"コロナ03"で事件に巻き込まれ
    ガンダムを操縦する事になる。

ベルファ・ドートレッド 17歳
ノアと同期入隊した地球圏連合政府軍の軍人
沈着冷静、作戦立案系科目の成績はトップであり
階級はノアより1階級上。ノアの上官でありながら
ノアには友達として接する。
アラブ内戦で、初めてMSを操縦する
現在は、準指揮官用MSに乗っている
9通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:22:31 ID:???
ノア爆死

                         糸冬

 
10通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:22:44 ID:???
うは、面白そうな企画
参加希望
11企画書3:05/01/25 13:30:51 ID:???
主な登場人物2
ゲイン・ラッドストア (主人公のライバル)16歳
スペースコロニー連合軍所属
生まれ故郷のスペースコロニー"ベクター04"は、地球圏連合との
戦闘地域となり5年前に地球圏連合軍に占拠される。
この時、母を目の前で地球圏連合軍の兵士の操縦するMSに
惨殺されている。
避難船でスペースコロニー連合政府の総本山"デウス01"に避難した
ゲインは、地球圏連合軍に対する憎しみを抱いていた。
スペースコロニー連合軍に12歳で入隊し、宇宙戦闘訓練積み
スペースコロニー連合軍特務隊シェイド・コミュニティに所属
表向きはスペースコロニー連合に賛同体制を取りながら、不穏な
動きの見え隠れする"コロナ03"に内偵調査の為に赴き、ガンダムを
操縦する。
12通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:33:04 ID:???
>>8
14歳で軍隊にぶちこまれんのかよ。地球連合こえぇな。
13企画書4:05/01/25 13:38:12 ID:???
主な登場人物3
ヴェル・アイザ・エルクラン (ゲインの上官) 20歳
スペースコロニー連合軍特務隊、シェイド・コミュニティ隊の隊長
常に顔を仮面で隠している。過去に事故に遭い顔に大きな
傷を負ったからだと言われている。その素顔を見た者はいない。
沈着冷静、作戦に於いては最大の戦果を短時間であげる事を
目的とし、その為の作戦を立案する事を心がけている。
また、シェイド隊は特務隊であり、敵軍にその存在を知られない様に
する事が課せられているため、シェイド隊と交戦状態に入った敵軍は
必ず壊滅させ、生存者を出さないようにする事に常に注意を払っている。
部下からの信頼は厚い。
14通常の名無しさんの3倍 :05/01/25 13:39:20 ID:???
主人公の年齢は18〜20歳に設定した方が良い。
子供達をMSに乗せて戦わせる話は良くない。
子供が戦争に参加するのは不自然であり大人が子供守らなければならない
イラク戦争などの報道で子供が戦争に巻き込まれている様子は見るに耐えない。
子供に戦争の手助けなどドラマ企画遊びの中でもあまり良いとはいえない。
これらの事を守って作ってください。
15企画書5:05/01/25 13:49:14 ID:???
主な登場人物4
ミネア・エフィナ・シークウッド (ヒロイン)16歳
月面連合軍所属、ポニーテールの似合う少女。
15歳で志願して軍に入隊。銃の扱いは同期入隊の中ではトップ。
"コロンブス・プロジェクト"に人類の未来を感じ
プロジェクト阻止を画策するスペースコロニー連合軍に対して
敵意を持っている。また月面連合を統治下に置こうとする地球圏連合
に対しても、あまり良い感情を持っていない。
地球圏連合が新型兵器の開発をスペースコロニー"コロナ03"で行っている
との情報を入手した月面軍は、その新兵器を奪取するために
少年、少女兵による潜入工作隊を組む。その内一人として"コロナ03"に
潜入したミネアは、新兵器、ガンダムを奪取する事に。

エフィード・ライアス 30歳
ミネアの上官。月面連合軍旗艦"アルテミス"の艦長
軍隊に志願する少年、少女の存在に心を痛める部下思いの艦長。
その優しさ故か、月面連合軍艦長の中ではあまり有能ではない
と言うレッテルを貼られているが、アルテミスクルーからは
信頼されている。
アルテミスクルーに戦争による犠牲者が出ない事を願っている。
16企画書6:05/01/25 13:50:44 ID:???
その他の登場人物
リレー小説の過程で新キャラ登場は随時可
1714:05/01/25 13:52:51 ID:???
人の話を聞いてますか?
18通常の名無しさんの3倍:05/01/25 13:55:29 ID:???
ハァ?何でお前の要求聞かなきゃならんのよ
19通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:00:28 ID:???
>>14
うはっ
その前にお前の池沼なお子様に虚構と現実を教えてやれよww

ぼく、ポケモ−ンと二階の窓から飛び出す前に
2014:05/01/25 14:01:39 ID:???
もし日本で戦争が起こったら、北朝鮮軍が攻めてきたら
テロや紛争が起こったら、あなた達は現実に目覚め考えも変わるでしょう。





所詮、戦争をショーか何かだと思ってるいる人たちがあなた達。
21通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:03:36 ID:???
なんだ?コイツ?
>>14>>20に繋がりがあんのか?

22企画書7:05/01/25 14:04:56 ID:???
"コロナ03"事件の概要
表向きはスペースコロニー連合寄り水面下では地球圏連合派スペースコロニー
コロナ01〜04、この内。コロナ03では地球圏連合の新型MS
タイプG(ガンダム)1号機〜3号機が開発されていた。
コロナの不穏な動きを察知したスペースコロニー連合は
特務隊シェイド・コミュニティにコロナの内偵調査を任せる。
時を同じくして、新型機の開発の情報を入手した月面軍は
旗艦アルテミスの少年、少女兵五名をコロナ3に工作隊として忍び込ませる。
時を同じくして、長期休暇をもらい、コロナ03へ来ていたノア
新型MS"コロナガンダム"1号機〜3号機はそれぞれ
1号機はミネアに、3号機はゲインに奪取されてしまう
唯一奪取を免れたコロナガンダム2号機に乗ったノアは、コロナ03で
開発されていた地球圏連合アポロ級新型艦"フレア"に暫定措置として配属される
コロナ03を脱出したフレアの運命は・・・
23通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:05:20 ID:???
道義的にいいかよくないかはどうでもいいがコドモの正規MSパイロットなんて
おとぎ話だろ?ファーストみたいな巻き込まれ型ならまだ納得できるけどさ。
24通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:06:29 ID:???
フィクションなんだから、いいじゃん
そこまで拘らなくても
と言うか、そんな下らない事に拘ってる奴が痛い
25企画書8:05/01/25 14:15:38 ID:???
"ベクター事件"の概要
地球圏連合とスペースコロニー連合との政治摩擦が激化した結果
地球圏連合とスペースコロニー連合の関係は冷戦化していた。
その冷戦の最中、スペースコロニー"ベクター01〜05"で
反地球圏連合思想を持つ過激派によって、地球圏からスペースコロニー
"ベクター01〜05"に移民して来た人達に対する弾圧が始まる。
これに対し、地球圏連合は移民者の保護を名目に
MS部隊を送り込み、過激派の抹殺及び"ベクター01〜05"の制圧
を行う。この際、過激派に仕立て上げられて惨殺された
コロニー住民が多数いたと言う話だが真相は定かではない。
その後、"ベクター01〜05"は地球圏連合政府統治下に置かれるが
今現在"ベクター01〜05"についての情報は全て地球圏連合政府に
よってシャットアウトされている。
この事件が起こったのは、コロナ事件が起こる4年前だった。
26通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:16:07 ID:???
>>24
ああそう。ドラえもんとか作るんならそれでいいんじゃねw
まあスモールライトと地球破壊爆弾とかでもガンダムに装備させてくれやw
きっとちょー強いぜw
27通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:16:48 ID:???
企画書  終

後はキャラクター、設定等
小説をリレーしていく上で随時追加していって下さい
28通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:21:51 ID:???
リレー小説は>>40から開始します
参加希望者は>>30までの設定をよく読んでから
参加して下さい

また、13話(1クール)毎に、設定等の整理のため、総集編を
設ける予定です。
総集編は話数に含みません。
29通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:23:25 ID:???
>>1さん
次回予告書く時はage進行の方がよくないですか?
30通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:23:51 ID:???
あなた達は幼稚だ、架空の世界だから何をやっても良いと思っている。
アニメのことしか考えていないようだ。僕も前はそうだった。2chの
アニメ板の常連だったし。アニメ声優になりたくて声優の養成所に通い
芝居の勉強をしていた。でもえ表現とは演劇のことだけじゃなくて舞踏
というジャンルを知ってアニメをやめてその世界は入り、今は吉祥寺の
舞踏団体にいる。この世界は奥が深いしアニメのような2次元の薄っぺ
らな世界じゃないことを知った。舞踏家として日本の自衛隊が戦争にか
かわることへの反対運動にも参加した。そこで戦争で傷を負った人たちの
話を聞いた。だからあなた達にも解ってもらいたい。ガンダムとイラクや
北朝鮮の報道のどちらが大切か解ってほしい。
31通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:24:42 ID:???
>>30
スレ違い、逝って良し
32通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:27:07 ID:???
>>29
そうですね
次回予告を書く時は
名前欄に"第○話次回予告"と入れて、ageで
内容に関しては名前欄に"第○話内容と書いて
ageるかsageるかは書く人の判断で
33通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:29:03 ID:???
それから、ガンダムのスペックに関しても書いた方が
34通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:29:50 ID:???
>>33
あっ、そうですね
では、ガンダムの武装等について
35通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:39:29 ID:???
コロナガンダム
共通武装
頭部120ミリバルカン×2
腕部内蔵ビームサーベル×2

コロナガンダム1号機(接近戦主体型)専用武装
ビームダガー(ビーム式アーマーシュナイダー)×2
小型シールド
ソードバックパック(奪取時換装済み)(対艦ソード×2、ビームガン×2)

コロナガンダム2号機(中距離戦主体型)専用装備
ビームライフル
大型シールド
フライトバックパック(起動時換装済み)(航続距離、機動力アップ)

コロナガンダム三号機(長距離戦主体型)専用装備
三号機専用バズーカ砲
ランチャーバックパック(奪取時換装済み)(大型ランチャー×2、ミサイルポッド×6)
36通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:42:15 ID:???
さあ、もうすぐ新番組予告の時間ですね
37通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:43:59 ID:???
ワクワク、ワクワク
38通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:45:38 ID:???
前番組 糸冬了
39通常の名無しさんの3倍:05/01/25 14:47:39 ID:???
「カガリ・・・・・どうして」
唖然とした、過去の彼女はもっと凛とした表情んお女性だった
今はもうその面影は無くアスランは自分の無力さ悔いた
そう、カガリ=ユラ=アスハは正体不明の敵(通称GODDES)
とアークエンジェルの闘いの中自らの命を散らせていたのだ
アスランがアークエンジェルの元にたどり着いた頃には時すでに遅し
残っていたのは、アークエンジェルの残骸のみだった
アスランは泣いた、しかしアスランにとってこれは最後の涙となるだろう
これから彼は鬼としていきていくのだ

次回 「轟く!名称」
ついにせまりくるタイムリミット!
軒先に残るサンマ3尾
退席する自民党、残るラクス
血を血で洗う闘いを続けていたアスランはついにバルディオスと相対する
一体天はどちらに未来を授けるのか
40新番組予告:05/01/25 14:54:48 ID:???
地球、コロニー、月が三つどもえの争いを続ける時代
三人は運命の邂逅を果たす
人類の未来を導き出す計画の行方とは、ガンダムが動き出す時
時代の歯車は回り始める
新番組、"機動戦士ガンダムN(ネオ)"
第一話「コロナ03」
人の未来は、人が決める
41通常の名無しさんの3倍:05/01/25 15:01:45 ID:???
42第一話内容-1:05/01/25 15:40:48 ID:???
プロローグ
(月、地球、コロニーが映る映像、ナレーション)
地球の周辺にスペースコロニーが存在し、人類の約半数が
スペースコロニーや月で過ごす様になった時代。
地球には地球圏連合、コロニーにはスペースコロニー連合
月には月面連合の3つの勢力が存在し
地球、コロニー、月は各政府によって統治されていた。
(MSによるコロニー内での戦闘、ベクター事件の映像)
地球圏連合政府は、スペースコロニー連合、月面連合政府を
地球圏連合政府の統治下に置こうと考えていた。
これに対し、スペースコロニー連合政府は反発
地球圏連合政府とスペースコロニー連合政府の関係は険悪な状況になる。
(月の地下らしき、場所で建造される巨大戦艦の一部が映る)
そんな中、月面連合政府は、極秘裏にある計画を進めていた
それは、人類の外宇宙移民計画"コロンブス・プロジェクト"だった
(オープニング、提供クレジット、CM)

一機のシャトルがスペースコロニーの宇宙港に入港していく。
その窓に一人の少年の姿が映る。
『本日は当機をご利用下さり、誠にありがとうございます。
当機はまもなく、コロナ03宇宙港に入港致します。』
窓際の席に座っていた少年は小さくため息をつく。
(第一話サブタイトル「コロナ03」)
43通常の名無しさんの3倍:05/01/25 15:49:41 ID:???
44第一話内容-2:05/01/25 15:59:41 ID:???
宇宙港の入港審査区画らしき所でパスポートチェックを受ける少年。
入港審査区画付近からは、重力がある。
パスポートチェックを受け、審査区画を抜けると、辺りをきょろきょろ見渡す。
突如、少年の左側から声がする
「ノア・バルクーレ君だね?」
声のした方向を振り向き、目で声の主を捜す、ノアと呼ばれた少年。
声の主を見つけると、その声の主の方に歩み寄ると、スーツの胸ポケットから
IDカードの様な物を出し、声の主であるスーツを着た屈強な男に渡す。
「待っていたよ」小声で呟く男に、ノアは小声で聞き返す「他の・・・二人は?」
「一人は、3日ほど前に着いている。もう一人は、既に・・・始めているよ。」
(地上へ降りるエレベーターの中)
「初めてなんです。コロニーに来るの。」「そうか。あまりゆっくりしていけるかどうか
解らないが、楽しんで行ってくれ。」視線はエレベーターの外の世界に向けたまま、ノアの
呟きに答える。
(エレベーターが地上に着き、扉が開く。エレベーターの出口から道路が延びており
 その先に金網と検問が見える。金網からエレベーター側には車が何台か置かれている。)
「駐車場だよ。まるで検問みたいだろ」男は、ノアの肩を叩きながら自嘲気味に言う。
(車の中、窓の外の町並みを眺めてボーッとしてるノアと、車を運転する男。)
「新型機のテスト、と言う名の休暇か。」男が呟く
暫く間をおいて、「えっ、あっ、そうですね。」と答えるノア
「名目上は長期休暇、その実はコロナ03へ赴いて、新型機の操作訓練、だろ?」
「ええ、軍内部でも、この新型機の事は極秘扱いになってるんでしょうか?」
疑問を口にするノア
それに対して男は笑いながら答える。
「敵を欺くには先ず味方からさ。味方にも筒抜けの情報じゃ、敵にはだだ漏れの
可能性もあるからな。」
(工場区画の様な所へ向かう車)
45通常の名無しさんの3倍:05/01/25 16:01:02 ID:???
46通常の名無しさんの3倍:05/01/25 16:04:31 ID:???
敵は早漏の可能性もあるからな、と言うセリフに

メガワロスwwwwwwwwwwwwwwwwww
47第一話内容-3:05/01/25 16:16:41 ID:???
(車が向かった工場区画の様な方向を町中から眺める一人の少年)
「怪しいのは、あそこだな。」
その少年の横に立った青年が答える
「見つけたら、どうする?」
少年はそれに大して青年の顔も見ずに答える
「奪取できるようなら奪取、無理なら破壊だ。」
「やれやれ、破壊ったってどうやって破壊するんだよ?おれたちゃ生身なんだぜ。」
少年は、工場区画とは反対方向を向くと、そっちの方向を指さす。
「あれを使う。」
その方向には、コロニー連合軍の軍事施設がある。
「やましい事がなければ、この書類を渡せば、機体を貸してもらえるだろうからな。」
青年は、にやりと笑うと少年に変わって言葉を続ける。
「例えば、コロニー連合の軍施設というのは建前で、その内部は地球圏連合賛同派
とかでなければ、か。」
(コロニー連合の軍施設付近の公園、そこから工場区画を眺めている少女)
片手に持ったトランシーバーで誰かと連絡を取っている
「そこから、見える?」
<<ああ、見える>>
「あのBー13工場とCー17工場とF−8工場の大きさ」
<<MSが隠してあってもおかしくないな>>
「ええ、十中八九間違いなく。」
<<他にも怪しい所はあるけどな、その工場だけ警備が厳しい。>>
トランシーバーの通信を切ると、少女は工場区画に向かって歩き出した。
48通常の名無しさんの3倍:05/01/25 16:17:15 ID:???
49通常の名無しさんの3倍:05/01/25 16:43:58 ID:???
「池沼」という蔑称で知的障害者を差別している汚い人間が2chにはひしめいている。
50第一話内容-4:05/01/25 16:47:22 ID:???
(場面変わって宇宙空間、コロナ03のレーダーの範囲外の宙域)
一機の戦艦が待機している。その艦橋で交わされる会話。
「艦長、本当に彼らに任せて大丈夫なんでしょうか?」
艦長と呼ばれた男が答える。
「さあな。だが、彼らならあまり警戒されるまい。
私は不本意なんだがな。MSを奪取すると言うことは、危険の伴う任務だ。」
「ですよね、艦長。」
「だから、私は彼らにこう言ったんだよ。『軍本部からは命に替えても奪取しろ』
と言う命令が出ている、しかし、命に替えても奪取する必要は無い。
自分の身の安全を第一に考えるんだ、諦めるのも勇気だ。とね」
「艦長らしい、今のは聞かなかったことにしておきますよ。」
(Aパート終了、アイキャッチ、CM、アイキャッチ、Bパート開始)
工場区画C−17工場に入っていく車。
その様子を、一人の少年が眺めている。手にはトランシーバーを持っている。
(Cー17工場内)
工場の真ん中に置かれた機体を見上げながらノアが呟く
「これが、新型機」
先ほど車を運転していた男がノアの横に歩み寄ってくる
「そう、地球上では精製できない、"ルナチタニウム合金"製の素材を装甲に
使ったMS、このコロニーの名前を取って、"コロナガンダム"と言う名前が付いている。
正式な型式番号は"EFSXG-0002M"だ。」
ノアはEFSXG-0002Mを見上げながら呟く「これが、俺の乗る機体・・・、コロナ・・・ガンダム」
51第一話内容-5:05/01/25 17:14:47 ID:???
(空が暗くなり始めた頃、工場区画の側の公園)
10人ぐらいの少年、少女が集まっている
「じゃあ、俺とアッシュとナックでC−17工場をやる」
その言葉にそれぞれが答える
『了解』
「B−13工場は、わたしとシャミアと、ジェスでやる」
先程コロニー連合軍施設付近の公園から工場区画を眺めていた
ポニーテールの少女が言う。
それに対し、アッシュと呼ばれた少年が答える
「ミネア、しくじるなよ。」
ミネアは真剣な目で答える「そっちもね。」
(同じ頃、工場区画に向かって、一台の車が走っていく)
車を運転しているのは、先ほど町中から工場区画を眺めていた少年。
その横には一緒にいた青年が座っている。
「上手く奪取できればいいけどな、民間人の居住区に被害を与えずに。」
「そうだな。」
青年の意見、それに答える少年。
「ベクター事件の事、覚えてるか?」
今度は、少年が青年に問う。
「ああ、資料として見た程度だが、悲惨な事件だった。」
呼応するかの様に少年が答える
「あの事件を起こした地球圏連合の奴等・・・俺は許せないな」
(コロニー内の照明は、いつの間にか夜の照明になっている。)
52第一話内容-6:05/01/25 17:45:52 ID:???
(Cー17工場内、コロナガンダムのコックピット内で
計器類の調整中のノア、スーツから軍服に着替えている)
昼間、ノアが工場に来る時に車を運転していたスーツの男が、軍服を着て
コロナガンダムのコックピットを覗き込み、ノアに話しかける
「熱心だな。」
「ええ、自分の乗る機体ですからね、明日から訓練も始まりますし、少しでも
慣れておかないと。」
「真面目だねえ。俺の若い頃とは大違いだ。」
(F−8工場入り口前、少年と青年が、Fー8工場の警備員と話をしている。)
少年は、一枚の書類を警備兵に見せる。
「スペースコロニー連合総統府直々の内部査察だ。」
その書類を見せられた警備兵は驚いた顔をする
「しっ、しかし、ただ今・・・この工場の担当の者は不在でありまして。」
口調から、焦っている様にも感じられる。しかし、少年はその警備兵に向けて
「構わん、総統府直々の査察だ、担当者が不在だろうが、内部の査察を行わせて貰う。」
と言うと、工場内に入って行く。
(Fー8工場の内部を調べて回る、少年と青年、そして、その後について回る警備兵。)
Fー8工場の中でも一番大きな建物に少年と、青年が入ろうとした時
突如、工場の建物の陰から銃声が聞こえる。
「何だ!」驚く青年、急いで建物の中に入る少年。しかし、背後からマシンガンの
音が・・・そして、青年が少年を庇うように撃たれる。
「ジニーっ!」叫ぶ少年に向かって、青年は建物内のMSを指さし
「ゲイン、俺達の目的は・・・」その言葉を聞いた、ゲインは、建物内のMSの
コックピットに向かって走る。
53第一話内容-7:05/01/25 17:59:23 ID:???
突然襲撃してきた、マシンガンを持った四人に応戦するFー8工場の警備兵。
その間にコックピットに入り込むと、機体の起動プロセスを開始するゲイン。
「この機体、やはりコロニー連合軍系統の機体とはシステムに違いがある。
だが、起動プロセスの基本に大差ないのがせめてもの救いか。」
MSの目に光が灯る。
そして、ゆっくりと立ち上がるMS。
工場の入り口では、マシンガンを持った4人に集まった警備兵が応戦している。
(同じ頃、Bー13工場でも異変が起きていた)
工場の建物内、MSを中心に銃撃戦を繰り広げる
Bー13工場の警備兵とミネア達3人
54ガンダムフロンティア第1話:05/01/25 18:16:41 ID:8qbHYt3v
目が覚めた、クリアスクリーンで外を見ると周りの空はいつも同じ。宇宙船に乗って崩壊コロニーから脱出した
そんな時、後ろから1つ違いの義姉のイリ−が出てきてこう言った
「もうちょっとがんばろうよ、もうすぐ地球だよ」
少年はこの家の子ではなく、養子としてきた、実の家族は宇宙の沢山のコロニーに散らばり、コロニー崩しの標的になり死んだ
ゼル「う…うん」
ゼルは素晴らしい才能を持ち何をやってもそれなりでき、自信家だったがこの義姉だけにはどうしても恥ずかしくて内気になってしまうようだ。
イリー「MSがこの近くを飛び回ってるのよ」
ゼル「だいじょうぶだよ、たぶん」
数百人を乗せた宇宙船は無事地球に着いた
55第一話内容-8:05/01/25 18:24:47 ID:???
突如、ミネア達のトランシーバーに通信が入る
『Fー8工場は失敗だ、撤退する。ラディーが負傷した。』
「ラディーが?」一瞬驚きの表情をするミネア
そして、ミネアは何かを決意したような表情になるとジェス、とシャミアに
小声で話す
「今から、コックピットまで走る。二人で援護して。もし、途中でわたしが
撃たれたら、二人は撤退して。」
二人が頷くのを確認し、ミネアは工場の真ん中に置かれている機体のコックピットまで
銃弾の飛び交う中を走る。
途中、足に銃弾がかすり、足から血が滲むが、それでも何とかコックピットに
滑り込むと、コンソールパネルを叩き、起動プロセスを開始する。
「情報通り、いける。」
ガンダムの目に灯りが灯り、ゆっくりと立ち上がるガンダム
(同じ頃、C−17工場では)
Cー17工場内に潜入した3人と工場の警備兵、そして軍服の男が銃撃戦
をしている中、コックピット内で起動プロセスを行っているノアの姿が
「こんな形で、いきなり実戦になるなんてな。」自嘲気味に笑うと起動プロセスの
最後のキーを叩く。
ノアの乗ったガンダムが起動する。
56第一話内容-9:05/01/25 18:31:15 ID:???
夜の闇の中、工場区画に三機のガンダムが立ち上がった。
ゲイン「一機だけじゃ、無かったか。」
ミネア「Fー8の奴はしくじったみたいだけど、Cー17のは
    誰が乗ってるの?」
ノア「どうやら、あの二機味方ってわけじゃなさそうだな。」

第二話に続く
57通常の名無しさんの3倍:05/01/25 18:34:22 ID:???
と言うわけで、新番組予告と第一話書いてみました。
つぎの方、第二話の予告と、第二話の内容をお願いします
58通常の名無しさんの3倍:05/01/25 18:36:52 ID:???
あの〜、第二話書いてもいいですか?
59通常の名無しさんの3倍:05/01/25 18:38:35 ID:???
>>58
どうぞ
60通常の名無しさんの3倍:05/01/25 18:40:34 ID:2mAZfXnt
では、お言葉に甘えて
61ガンダムフロンティア第一話その2:05/01/25 18:42:04 ID:8qbHYt3v
宇宙船を降りると帝国軍からの歓迎を受けた
幹部A「いやー、大変でしたね、帝国軍を恨んでるとはいえ罪の無い我が国民を殺すなんて」
幹部B「ほとんどのコロニーが連邦軍に壊されて生き残ってるのはあなた方だけです、幸運ですよ、あとで集会所に集まって説明会を開きますので、後ほど」
ゼル「ちょっと待ってください、僕達が船に乗っている時に見たザクと戦っていた白いモビルスーツの名前なんていうんですか?」
幹部A「あー…あれは連邦軍の最終兵器ガンダムですよ、恐ろしい悪魔の兵器です、宇宙歴という歴史に何度でたことか…質問はそれだけですかな……それでは失礼させて頂きます」
ゼル「あれがガンダム……」
62第二話予告:05/01/25 18:45:12 ID:???
闇夜に目覚めた三機のガンダム(炎上する工場区画に立つ三機のガンダムの映像)
世界に火を放つためか、それとも
(スペースコロニー連合軍のMSが三機のガンダムに攻撃をしかける映像)
三人の出会いは炎の戦艦(ふね)フレアを目覚めさせる
(コロニーの外壁からフレアが発進する映像)

次回、"機動戦士ガンダムN(ネオ)"
第二話「炎の戦艦(ふね)、フレア」
未来は見えぬ闇の中
63通常の名無しさんの3倍:05/01/25 18:46:25 ID:???
フロンティア厨うぜーーーーーーーーー
>>1-40まで読んでこい
ネオが終わったらフロンティアの企画書出せや
64第二話内容-1:05/01/25 19:02:34 ID:???
「炎の戦艦(ふね)、フレア」

夜の闇の中、炎上する工場区画に立ちにらみあう三機のガンダム。
不意に、ミネアの持つトランシーバーに通信が入ってくる。
「Cー17工場の作戦は失敗だ、撤退する。」
その言葉を聞いて、ミネアはCー17を敵と判断する。
しかし、どの機体もにらみあったまま動こうとしない。
どちらかに攻撃をしかければ、もう一機の攻撃を受ける隙を作ってしまうからだ。
 その頃、コロニー連合軍施設にも工場の異変は伝わっていて
コロニー連合軍施設から工場に向けて数機のMSが出撃していた。
工場区でにらみあったままの三機に攻撃をしかけるコロニー連合軍機。
ゲインとミネアは、その瞬間を好機と判断し、コロニー連合軍機を迎撃しながら
ミネア機は外壁の"河"に向かって、ゲイン機は宇宙港に向かって飛んでいく。
ビームライフルを構るが、コロニーへの被害を考えトリガーをひけないノア。
そんなノアの機体に軍服の男からの通信が入る。
「何をしている、ノア、撃て。奴等をこのまま逃がす気か?」
「狙いがはずれたら、民間人に被害が出ます。」
"河"の一部を破壊して宇宙に逃げるミネア機、宇宙港からコロニー外に出るゲイン機
ノアの機体の横に降り立つコロニー連合軍機。ノアの機体に銃を向け
「そこの機体、軍施設まで同行を願う。」
 翌日、軍施設の一室で取り調べを受けるノア、コロナ03のコロニー連合軍
施設を総括する指揮官がノアと話をしている。
「あれが、噂の連合の新型機か。こうなってしまった以上、このコロニーに
あの機体を置いておくわけにもいくまい。二機を奪取したのがもし
我々の上層部だとしたならば、我々の立場も危うくなる。
できるなら貴官らを匿いたいが、そうすれば本国から何を言われるか
わかったもんじゃない。下手をすればコロニーの住民である民間人が
本国に人質にとられるやもしれぬ。」
65第二話内容-2:05/01/25 19:22:03 ID:???
言葉を続ける指揮官
「協力したいのはやまやまだが、民間人のために、君たちには
このコロニーから逃げ出して貰いたい。」
『逃げ出す』と言う言葉で全てを察するノア。
つまり、コロニー連合軍の"コロナ03"警備隊は、地球圏連合の
新型機が"コロナ03"で開発されていた事を「知らなかった」
と言うことにしたいのだ。
この話はノアだけでなく、新型機開発に関係した全ての人に
既に伝わっていた。
コロニーの"地下"に当たる部分で開発されていた地球圏連合の
アポロ級新造艦フレア、これに、唯一奪取を免れた
コロナガンダム2号機を乗せてコロニーから離れる、これが
たった一つ選べる道だった。
フレア出航の準備に追われるガンダム開発関係者と
地球圏連合軍。そして、フレアの艦長席に座っている
艦長ヴァルモンテ・サラディンとは、ノアが乗った車を運転していた
あの男だった。
66第二話内容-3:05/01/25 19:59:58 ID:???
その頃、ゲインが奪取したコロナガンダム3号機は
スペースコロニー"コロナブロック"の存在する宙域に停泊している
シェイド・コミュニティ隊の母艦に着艦していた。
報告を受けたヴェル・アイザ・エルクランは、地球圏連合は
コロナ03から逃亡し、地球圏に向かうだろうと次の手を予測。
「ジニーが戦死した事は残念だが、もたもたしているわけにはいかない。」
とゲインに言い放つ。しかし、ゲインは
「ジニーは戦争の中で死ねたのです、兵士としてこれより誇り高い事はない
悲しむ必要は無いです。」と答える。
報告を受けたヴェルは、三機のガンダムのうち一機は月面連合に
奪取されたと推測する。そして、月面連合軍が奪取したと言うことは
コロナブロックのレーダー圏外のどこかに月面連合軍の戦艦が待機している
可能性を考える。
そして、シェイド・コミュニティ隊は隠密を旨とする部隊である以上、ここで
地球連合の艦を沈めてしまえば、月面軍にその存在を知られてしまう可能性が
あるとも考える。
シェイド隊の旗艦"カオスハンガー"はステルス機能を有する戦艦であり
その利点を活かし、地球圏連合軍のガンダムを乗せた新造艦が、月面軍を
振り切ったところで、攻撃をしかけるまたは、地球圏連合軍艦を沈めた月面軍
艦を沈めてしまうのが得策、と考え、コロナブロックエリアから艦を遠ざけると
月面軍艦の捜索を開始する。
67第二話内容-4:05/01/25 20:28:55 ID:???
同じ頃、ミネアが奪取した、コロナガンダム1号機は
コロナ03に潜入した月面軍の潜入部隊のメンバーで
撤退・脱出に成功したメンバーと
宇宙空間で合流し、彼らを連れてアルテミスに着艦していた。
潜入部隊10人、全員生存、但し、4名負傷の報告を受ける
エフィード・ライアス艦長は、全員が生きて帰ってきた事を喜ぶ
それと同時に、コロニー連合軍、または地球圏連合軍からの追撃の
可能性を示唆する。
報告を兼ねて、月面連合本国への帰還を決定する艦長

出航準備に追われるノアの前に現れた、奪取されたコロナガンダム
1号機と3号機のパイロットになる為に訓練を受けてきた二人。
二人はノアに詰め寄る。
「何で、お前のガンダムだけが奪取されなかったからって
お前があのガンダムのパイロットに選ばれるんだ。」
「俺達だって訓練を受けてきたんだ、あのガンダムに乗る資格はある。」
ノアといがみ合うふたり。

そんな状況の中、逃亡の準備のできた新造艦フレアがコロナ03地下の外壁から
星の海へ発進しようとしていた。
フレアの艦長が自分がコロナ03に来たときに出迎えた男だった事に
驚くノア。
そして、ガンダムのパイロットになるために訓練を受けた二人を乗せて。

第三話に続く
68通常の名無しさんの3倍:05/01/25 20:42:14 ID:???
つたない上に、リレー小説書くの初めてですが
第二話書いてみました。如何でしょうか?
第三話書く方、がんばって下さい
69通常の名無しさんの3倍:05/01/25 21:16:54 ID:???
第二話に補足案なんだけど
第二話の最後で、シェイド・コミュニティ隊の艦が
アルテミスをレーダーに捕捉した事にしてはどうでしょうか?

仮面の人が
「やっと見つけたぜ、子猫ちゃん」(実は数時間探しただけ)と言ってみたり
70通常の名無しさんの3倍:05/01/25 21:19:33 ID:PUNrclM1
あっそ
71通常の名無しさんの3倍:05/01/25 21:20:56 ID:???
>>69
その辺は、次の話書く人が細くすればいいんでない?
72第三話その1:05/01/26 03:34:38 ID:???
んじゃ、僭越ながら第三回。

「今ならまだ間に合います!敵を撃つべきです!」
"カオスハンガー"の個室でのゲインの進上に対して、ヴェルは思案していた。
今回、新型機の奪取に成功したまではよかった。奪ったが最後、すぐに新型機を本国に持ち帰れば済む。
だが彼にも誤算があった。任務を遂行する上で誤算は確かにある。
だが、新型機が一機のみでなく複数存在し、残り2機のうち一機もまた強奪されたのは計算外の事であった。
「強奪された機体の動きからして、慣れたパイロットの動きではありませんでした。今なら破壊・・・いや、上手くすれば強奪もできます!」
「鎮まりたまえ、ゲイン。その新型機だけが敵ではなかったとしたら、どうするつもりかね。」
「・・・!」
「しかし・・・」
「敵の規模もわからずに戦いを仕掛けるのはあまり褒められた事ではないな。それにこれで新型機を失う事になれば隊や私の面目も丸潰れた。」
微笑を浮かべながらヴェルはゲインを嗜(たしな)めた。
「ここは、私の顔を立ててくれ。ゲイン。その代わり、勝てる戦ととなったら君を止めはしない。」
「・・・了解しました、隊長。出過ぎた真似をして申し訳ありません。」
敬礼をして、ゲインは部屋を後にした。

「まさか・・・・月から、か?」
ヴェルは一人ごちた。
あり得なくはない話ではある。自分たちが把握した情報を月の連中が知らない道理はない。
確かに今回の任務は達した。
かといって、自分たちの目の前を盗人(自分たちも盗人だが)に大手を振って逃げられるのも癪な話だ。
「さて・・・・ありがたく頂戴した玩具、何処で遊ばせたものか・・・。」
73第三話その2:05/01/26 03:36:24 ID:???
「私は運がいい。こうして新型機も手に入れ、君達も無事に戻ってこれたのだから。」
"アルテミス"艦長エフィード・ライアスは帰還してきた少年兵を抱きしめながらそう思った。
キャリアにして15年。「気がつけば生き残っている男」というあり難いやらあり難くないやら
のレッテルを貼られている。
何しろ、当人にしたって未だに自分が生き残っているのかが不思議で仕方がないくらい
なのだから。
敢えて言うなら生き残る才能には長けている、という事ぐらいだろうか。
それ故大した戦果を上げる事無くここまできており、自分が上層部の人間から
快く思われていないのも本人は重々承知している。
確かに新造ロールアウトされたばかりの旗艦アルテミスではあるが、新型機の情報を
上層部が真摯に受けとめていれば少年兵や"運が頼り"の艦長にこの任務を任せたりは
しない筈で、せいぜい新型艦の処女航海といった風情のものだったに違いない。
それゆえ、釣り上げた大物に驚く上層部の顔を思い浮かべると
ライアスは愉快で仕方が無かった。
もっとも、それ以上に一人として欠ける事無く戻ってきた少年兵の顔を確認できたのは
ライアスにとって無常の喜びであった。
「さて、こうしてはいられない。月へと戻るとするか。」
幸い、アルテミスの航行速度は普通の戦艦より遥かに優ったものである。
航行ルートの前方に隕石群が存在し、見目麗しきこの軍艦を多少傷つけるのは
心苦しかったが新型機と、そして何より少年兵達を本国へと戻してやれると思った。
そう、その後方に息を潜めて獲物を狙う敵艦の存在さえなければそうなった筈だった。
74第三話その2:05/01/26 03:40:40 ID:???
「あなたは・・・!」
ノアは驚いた。
「・・・やれやれ、君が騒動の元凶、か。」
顔を見るなりサラディンは何とも失敬な言葉をノアに投げつけた。
「そっ、そんな言い方しなくても・・・!」
「俺にとっては迷惑この上ないんだよ。いきなりこんな戦艦ノシつけられて、
しかも俺が艦長やれってさぁ。新型機に新型艦。こんな御大層なもん
いきなり押し付けられた気分って分かるかぁ?君に。で、03からは何か連絡あった?」
「いいえ、航行上で秘密裏に待機せよ。行き先は追って連絡する、との事だそうです。
相変わらず変わりありませんね。」
「・・・・ホント、どうしたいんだろうねぇ、コイツをさぁ。
あぁ、ええと、通信兵の眼鏡君、名前は?」
「ヴァージルです。フレデリック・ヴァージル。」
「あぁ、あとそれからそこの太っちょブサイク髭のレーダー観てる・・・って
お前なにこの最中にドーナツなんか食ってるんだよ!」
「あぁ俺?イエン。ホウライ・イエン。大丈夫、レーダーはきちんと見てるから。」
「わかったわかった。ヴァージルとイエン。何かあったら俺を呼んでくれ。俺は・・・」
と言うや否や「かーんちょー。」と間の抜けた声が。
「何だ、イエン!?ドーナツ欲しければこの艦にストアとか上等なモンを探してくれ。」
「11時方向に艦影確認。どうも月へ向かってるらしいよ。」
「つってもなぁ・・・・。こっちはどうする事もできねぇぞ。新型機と・・・・。」
「あと一応、それ以外にもう一機、ある事はありますよ。」
そう言ってブリッジにノアと同じくらいの少年が入ってきた。
少年はノアを見るとにこやかに微笑む。整った顔立ちに浮かぶ笑顔にノアは一瞬我を忘れた。
「いや、あればいいってモンじゃねぇんだ。動かす人間いなきゃ話にならねぇ。」
「あの・・・動かせる、と思います。一応。」
その答にいぶかしげに少年を覗き込むサラディン。
「名前と年は?」
「ベルファ・ドートレッド。17歳です。」
「かーんちょー。」再びイエンの間の抜けた声。
「何だァ!?現在取り込み中だ!」
「さっきの艦、なんか煙上げてる・・・あ、なんか火柱立った。」
75第三話その2:05/01/26 03:42:00 ID:???
「・・・どうやら、やってやれない相手ではなさそうだな。」
"カオスハンガー"の艦橋上でヴェルは"獲物"を見定めた。
「そうですか?見た所最新鋭艦のようですし、あまり手だしをしない方が・・・。」
副官のカイル・エンダースは相変わらず慎重だ。
「いや、どうも艦の動きがぎこちない。隕石を回避するのに無駄な動きが多すぎる。
最新鋭艦を動かすのに熟練の兵を充てきれていないのならば、他も推して知るべしだろう。
ゲインの報告にもあっただろう。パイロットも新兵あがりのようだった、と。地球軍の戦艦との位置はどうだ?」
「カオスの航行時速で見積もると約30分程の距離かと。」
「よし・・・20分でケリをつけるぞ!カオスはアステロイドを盾にターゲットを砲撃。モビルスーツ隊も出撃させろ!・・・私も出るぞ。」
艦橋からヴェルはモビルスーツ格納庫へと向かう。
「隊長!」
格納庫へと向かう途中、後から息を切らせながらゲインがやって来た。
「出撃ですか!?」
「そうだ。・・・思いの丈、戦えるぞ。よく我慢してくれた。」
「はい!」

「・・・・ふぅ。」
任務を終え自室でシャワーを浴びたミネアはタオル以外は一糸まとわぬ姿でベッドへと仰向けになった。
初めての実戦・・・とまではいかなかったが、流石に一線交えるのではという緊張感から開放され、頭の中は真っ白だった。
ふと、自室の窓から見える星の大海を見る。
名も無く煌く無数の星達。自分たちもあの星達の中の一つにしか過ぎない場所で生きている。
だから、だからこそ。
その場所から違う場所へと旅してみたい。
自分の手を伸ばしても掴めそうに無い遥か遠くへ。
その先に、何があるかを私は、知りたい。
自然と窓の方へと手を伸ばす。星をも掴めそうな錯覚を起こしそうな夢を一筋の閃光が打ち破った。
衝撃に揺れるアルテミス。
「・・・・何!?まさか・・・・攻撃を受けてるの!?」
少女は夢の世界から現実の世界へと戻る。苛烈な現実の世界へと。
76第三話その5:05/01/26 04:00:05 ID:???
コロナのランチャーとミサイルポッドを斉射し、迎撃用のミサイルを撃ち落していく蒼いカラーのコロナ3号機。
「ほう・・・・見事だ。が、対モビルスーツではこうはいかない、気をつける事だ。」
ヴェルの漆黒のモビルアーマー・ワルギルプスはアルテミスへの攻勢をかける。
コロナ3号機の前方、シェイド隊の量産モビルスーツ・バロックスによる攻勢も激化し、アルテミスの撃墜も時間の問題、かに思えた。
その刹那。
アルテミスの下方からオレンジの閃光の如く光が疾走する。
その光が数体のバロックスの体を遮った後、バロックスの胴体は真っ二つに裂け、光となって消えた。
ソード装備のミネアの動かす燈色のモビルスーツ・コロナ1号機である。
「これなら・・・ッ!」
「このオォォォォッ!調子に乗るなァァァッ!」
マシンガンを乱射するバロックス。だが、その弾丸は1号機に的確に当たりはするものの、装甲には傷一つつかない。
まるでそれは我侭な子供が暴れまわるかのような無駄の多い、滅茶苦茶な動きだが粉砕されていくバロックス。
「・・・・こうも違うと言うのか、新型機は・・・。」
半ば呆れ気味にヴェルはその戦い様を見ていた。
「貴様ァァァァ!よくもぉぉぉぉ!」
屠られる味方を目にしてゲインは1号機に向けてありったけの火器を浴びせつけた!

一方、フレアではデッキ上に待機しているコロナ2号機があった。
他の候補生二名には相変わらずぐだぐだ言われたが、「一番慣れてる奴がいいだろ」というサラディンの一声で一応、ノアが2号機に搭乗ということになった。
こうして、いつまでやってればいいんだろう・・・と思っていたその時。
フィィィィィ・・・ン!!!
「動いてる・・・・このモビルスーツ、動いてしまってる!」
「何だとォ!?馬鹿抜かせぇ!勝手にって・・・んな事あるかぁ!だったら止めろ!」
「止めろったって・・・駄目です!止まりません!コロナ2号機、発進します!」
そう言うや否や、フレアから赤いカラーリングの2号機が飛びだった。
「ヴェルト、奴を追っかけてくれ!一体何が起きてるんだ!?」
「了解しました。ベルファ・ドートレッド、出ます!」
果たして、2号機の運命やいかに?
そして1号機と3号機の対決は?

次回、「共鳴する宇宙(そら)」御期待ください。
7772:05/01/26 04:06:41 ID:???
えー、第三話その2が3つ程続いております。ミスです。申し訳ありません。
ついでに言わせて頂ければガンダムのカラーリングも勝手に決めさせて頂きました。
(確か今までの設定上なかったですよね?)
なんか、進めるに連れフレア側が随分ちゃらけた形になってしまいました。
なんせいきなり発進なんで体制整わないまま訳わかんないうちに積め込まれたのでは
という憶測で勢いにて書いた次第です。
あとはキャラは殺すなり活かすなり後の方勝手にやっちゃってください。
78通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:22:48 ID:???
面白くなってきたのはいいんですけど、第二話終了後の第三話予告を書き忘れてますよ
第三話書き主さん。

一応、流れとしては
自分の書く話数の話の予告(第三話を書く場合)
第三話の予告→第三話内容で一人の仕事です。
次の人、第三話書き主さんが第四話予告書いてしまってるので
第四話書く人は、第三話予告と第四話内容で埋め合わせませんか?

以降注意点

内容を書く前に、書く内容の話の予告
「簡略した話の内容とサブタイトル」を口頭で話す場合30秒以内で喋りきれる内容でお願いします
79通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:25:53 ID:???
具体的には>>2参照

一人の分担は

第○話予告(前話終了後の次回予告形式で)

第○話内容

これで、一人の分担、次の人は

第×話予告(第○話終了後の次回予告形式で)

第×話内容

以下延々と同じ分担でですので
お間違えなきよう
80通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:27:45 ID:???
サラディン艦長の声は子安だと思う俺は負け組
81通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:39:11 ID:???
次回予告の形式に、第一話や第二話で決めぜりふみたいなのあるので、それを必ず入れる
と言う定式にしませんか?
第一話、で「人の未来は、人が決める」第二話で「未来は見えぬ闇の中」なので
次回予告の、サブタイトル言った後に「○○の未来は××」みたいな感じで必ず入れると言うのは?

後、第三話の予告が飛ばされてるのがやっぱり勿体ないので、第四話書く人は
第四話書く前に第三話の予告と第四話の予告を書いてから、第四話内容に進んで頂けませんか?

このまま第三話の予告無しでとばしちゃうのは勿体ないので
82通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:40:50 ID:???
>>80
いや、俺もサラディンの声は子安だと思ってるから安心汁
83通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:44:33 ID:OVReMPVP
何なんだ、この良スレはage

後、第三話の予告、もしよろしければ俺、書いちゃいましょうか?
と言うか、第四話のサブタイトルまで第三話の人書いちゃってるから
第四話の次回予告と内容書く人大変だろうな
84第三話予告:05/01/26 10:49:37 ID:OVReMPVP
星の海へこぎ出すフレア、不敵に笑う仮面の男
コロナ03事件がもたらす結果とは
カオスハンガーに追いつめられるアルテミス
その時、フレアの若きパイロットはどう動く?
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第三話「エンカウント」
未来を阻む、敵がいる
85通常の名無しさんの3倍:05/01/26 10:52:46 ID:OVReMPVP
と言うわけで、第三話予告書いてみました
第三話(>>72以降)を読む前に(>>84を)お読み頂ければ幸いです

次の人、第四話の予告(サブタイトル、決まっちゃってるのでそのサブタイトルに繋げる
説明文)と、第四話の内容楽しみにしてます。
86通常の名無しさんの3倍:05/01/26 11:07:59 ID:???
第三話書いた人意外に上手い。
けれど、ベルファ・ドートレッドここで出てくるとは思ってなかった
てっきり、フレア地上降下後にフレアに転属されるノアの同期って感じで
登場してノアを驚かせる展開を期待してたのに
87通常の名無しさんの3倍:05/01/26 11:30:58 ID:???
あの、できれば、第四話でヴェルとミネアが戦うシーンを入れて頂けませんか?
ちょっと考えた事があって、後々への伏線に使いたいので。
88通常の名無しさんの3倍:05/01/26 11:31:59 ID:???
>>87
そしたら、ヴェルVSミネアの構図とゲインVSノアの構図を第四話で作っておいた方がよくない?
8972:05/01/26 12:15:30 ID:V2ZxTbK9
〉78
ももも申し訳ありません!
次回(やんのかい!)はルールきっちり守ります! 〉86 正直、二話のような状況でフレアが万全な状態で
出帆したとは思えずその後を考えてネオと二号機のみ
で戦況を切り抜けられるとは思えなかったので
ベルファ登場となった次第です。
あと・・・出し惜しみが嫌いなんですw
90通常の名無しさんの3倍:05/01/26 12:17:49 ID:???
相談している風に見えるが一人で書いてるな
9172:05/01/26 12:20:14 ID:V2ZxTbK9
〉89
ネオって誰だよ!
ノアですた・・・orz
92通常の名無しさんの3倍:05/01/26 12:26:11 ID:???
>>89
いえいえ、第三話面白かったですよ。
この後に続く第四話を書く人は相当なプレッシャーを感じるぐらい。
大概のガンダムは、第四話の終わりぐらいで次の目的地が決まりますから
第四話を書く人にはフレア、アルテミス、カオスハンガーの目的地選択権まで
出てくるわけで、その選択した目的地次第でストーリーがぐだぐだになるか面白くなるかの
分かれ目になりそうですね。
93通常の名無しさんの3倍:05/01/26 15:17:35 ID:???
第四話マダー?
94第四話予告:05/01/27 20:06:02 ID:???
逃亡するフレア、アルテミスを追うカオスハンガー、行く手を阻む者を倒すべく戦うアルテミス
三者三様の思惑は絡み合い、ミネアはその戦いの中で運命の邂逅を果たす
記憶の片隅に残る面影、漆黒の闇の中、ヴェルは何を思う?
95第四話予告-2:05/01/27 20:07:10 ID:???
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)
第四話「共鳴する宇宙(そら)」
絡み合う運命、闇の中の未来
96第四話内容ー1:05/01/27 20:08:23 ID:???
出撃したノアのコロナガンダム2号機を追って出撃する、ベルファのMS"キャノンダスター"
背面に大型キャノンを一門装備した、長距離用の機体である。
ベルファ「貴様、どうする気だ?」
ノア「前方に敵艦二隻か…。」
艦の進路の前で戦うアルテミスとカオスハンガーの戦闘の光の跡を見据え
ベルファ「まさか!」
ノア「道を開く。」
と、二人の機体にヴァルモンテ・サラディン艦長から通信が入る。
サラディン艦長「二人とも、どうする気だ?」
ベルファ「あいつに聞いて下さい。」(腹立たしげに)
ノア「艦の進路前方で正体不明艦二隻が戦闘中」
サラディン「…迎撃する気か!」
ベルファ「止めた方がいいですか?」
サラディン「ノア、お前の機体はまだ軍本部で正式に認可されたわけじゃない。艦と一緒に軍本部に
      一度持っていかなければならない。傷つけるなよ。」
ベルファ「しっ、しかし艦長!」
戦闘行為を認める艦長に対し反論するベルファその反論を遮りノアが答える。
ノア「なるべく、気を付けます。やばそうなら帰投します。」
そう答えながらも視線は目の前で戦闘を行っている敵を見据えている。
97第四話内容ー2:05/01/27 20:10:09 ID:???
その頃、アルテミスとカオスハンガーの戦闘は、カオスハンガー優位な状況で進んでいた。
ミネア「この機体、遠距離戦じゃ分が悪い。」
コックピット内で呟くミネア。その時、コロナガンダム1号機にエフィード・ライアス艦長から通信が入る。
ライアス艦長「ミネア、戻るんだ。その機体ではこの戦局を乗り切るのは不利だ。」
ミネア「ですが、艦長ここで敵を一機でも沈めておけばアルテミスの退路は確保できま………」
自分を犠牲にして艦を進めようとするミネアに対しライアス艦長は怒鳴り声を上げる
ライアス艦長「大馬鹿者!奪取したその機体を本国に持ち帰るのが我々の任務だろ!それに、ここで貴官が戦死しては
       アルテミスが無事でも、私が素直に喜べないだろうが!」
ミネアに対し通信で叫び終えた後、ライアス艦長は難しい表情になる。
軍本部はアルテミスの処女航海と、地球圏連合の新型機の奪取をライアス艦長に課した。
しかし、恐らく軍本部が新型機の奪取という戦果に対して期待していなかったであろう事は
百も承知である。だからこそ、新型機を本国まで持ち帰る事で、期待されていなかった戦果を
本国の連中に見せる事になる。
しかし、自分にとって戦果はどうでもいい、作戦に参加した皆が無事であればそれが何よりだ。
そんな想いで行動しているのに、先ほどミネアに吐いた言葉は何だ………まるで
戦果を上げる事を望んでいるようではないか。
「皮肉な事だな。」ライアス艦長は小さく呟く。
一番皮肉な事はこの艦に搭載されている機体が、奪取した新型を含め6機しかない事かもしれない。
ライアス艦長は、艦内通信を開くと、艦の護衛用のMS6機のパイロットに、ミネア救援の為すぐに出撃するよう命じる。
98第四話内容ー3:05/01/27 20:11:50 ID:???
アルテミスから、月面軍のMS"スプリット"が6機出撃してくる。
ミネアの操縦するコロナガンダム1号機の近くに集まると、コロナガンダム1号機と共に、艦に撤退しながら
追ってくる敵を迎撃する。
その時だった、ミネアのコロナガンダム1号機に向かって、ゲインのコロナガンダム3号機とヴェル・アイザ・エルクランの
モビルアーマー、ワルギルプスが攻撃をしかけてきたのは。
コロナガンダム3号機のミサイルポッドをかろうじて回避する6機のスプリットとコロナガンダム1号機
次の瞬間、ワルギルプスのミサイルポッドから発射されたミサイルがコロナガンダム1号機を襲う。
コロナガンダム1号機の周囲からビームライフルを浴びせてミサイルを打ち落とす6機のスプリット
打ち落とし切れなかったミサイルを、ミネアはコロナガンダム1号機の対艦刀で何とか切り払う。
睨み合いながら後退する月面軍、追い打ちをかけようとするシェイド隊機。

突如、両軍の間をビームライフルの弾が3発通り過ぎる。
ライフルの飛んできた方向を向く両軍、そこには両軍の間に割って入ろうとするコロナガンダム2号機とキャノンダスター
そして、その背後に、両軍の方に迫ってくる地球圏連合軍の新造戦艦"フレア"
ヴェルは、カオスハンガーに向けて通信を開き
「地球圏連合軍の物と思われる正体不明艦、データ登録しておけよ。以後、正体不明艦を
 フェニックスと呼称する。」と伝え、通信を切る
恐らく、コロナ03で極秘裏に開発されていた新造戦艦、コロナと言う高熱の中から生まれた不死鳥
何とも相応しい名前ではないか。
同じ頃、アルテミス艦内ではライアス艦長がフレアのデータをデータベースに登録していた。
「以後、あの艦をコロナX1と呼称する」
99第四話内容ー4:05/01/27 20:15:33 ID:???
両軍の間に割って入ろうとするコロナガンダム2号機。ゲインはコロナガンダム3号機を2号機の方に向けた。
ヴェル隊長、あの機体は俺が抑えます。
大型ランチャーのモードをビームに切り替え、2号機に向かって接近しながら2発打ち込む。
しかし、距離が離れているせいか、コロナガンダム2号機はそのビームを余裕で回避すると、速度を上げ
一気に3号機との間を詰め、腕の中に収納されたビームサーベルを抜くと、3号機に斬りかかる。
ノア「てやあああああああ!」
間一髪、腕部に収納されたビームサーベルを抜き、2号機の斬撃を受け止め3号機。
ゲイン「ここで、沈めてやるっ!」
切り結ぶ二機。

一方、1号機と交戦中のヴェルは何か違和感を感じていた。
ヴェル「この機体の戦い方、どこかで…」
放ったミサイルを対艦刀で切り払う1号機、その切り払い方に妙な癖がある。
ミネアも違和感を感じていた。
ミネア「この戦い方、どこかで…」
ミサイルを目くらましに使い接近しようとする戦法
機動力はあるが方向転換の難しいモビルアーマーで行われているからともかく
これがモビルスーツに行われていれば、こうまで上手く裁けていなかったかもしれない。

切り結ぶ2号機と3号機、2号機を援護するキャノンダスター
次の瞬間、2号機3号機両方にそれぞれの上官から通信が入る
ヴェル、サラディン艦長「撤退しろ!」
それに対して両パイロットが答える
ゲイン・ノア「しっ、しかし。」
ヴェルがゲインに対し言葉を放つ「敵は戦艦二隻、これ以上戦えばこちらが不利だ。バロックスが5機、落とされている。」
ゲイン「………………。」
ヴェル「それに、その機体、一度軍本部に持ち帰らねばならんだろ。」
ビームライフルで威嚇しながらフェニックスに帰投しようとする2号機を眺めながら
ゲインはカオスハンガーに帰投する。
100第四話内容ー5:05/01/27 20:17:26 ID:???
同じ頃、スプリット6機と1号機も全機無事にアルテミスに帰投していた。
艦橋では艦長と操舵手の会話が交わされている。
「しかし、艦長あのコロニー連合軍の艦、一体なんだったのでしょう?データに存在しない艦でしたよ。」
ライアス艦長「わからん。だが、手強かったな。追撃を受けん内に、全速で月面に戻ろう」
「はっ、機関最大。目的地"ツィオルコフスキークレーター"月面連合軍基地」
ミネアは、帰投するとすぐ自室に戻り、ベッドに倒れ込み、さっきの戦闘の事を思い出していた。
記憶の片隅に埋もれていた戦い方、シュミレーションで何度もやり合った事のある戦い方。
「………兄さん………?」小声で呟く

フレアに帰投したノアとベルファは艦長に呼ばれ、艦橋に行く
サラディン艦長「何とか、道は開いたな。」
ベルファ「ええ、ですがこのまま大気圏降下コースを辿る時間を考えると、ありあわせの物資だけでは不足するでしょう。」
サラディン艦長「だろうな………。さて、どうしたものかねえ。」
それぞれが、策の浮かばないまま沈黙する。
一番最初に口を開いたのはイエンだった。
イエン「かーんちょー」
サラディン艦長「何だ、ドーナツが欲しけりゃ厨房に通信でも入れて作って………」
イエン「そうじゃなーくてー」
サラディン艦長「じゃあ何だ、ホットケーキか?」
イエンは機器を弄ると、艦橋の大画面モニターに、幾つかの航路パターンを表示する。
イエン「このまま大気圏突入コースをとった場合の物資残量の目算と、別のコースをとった場合の
    物資残量の目算をしてみーましたー」
101第四話内容ー6:05/01/27 20:53:56 ID:???
サラディン艦長はその航路パターンと、それぞれのパターンの横に表示された数字を見ながら
「この、中継地点は…」
イエン「そーうでーすよー」
サラディン艦長「地球圏連合軍の宇宙要塞"ラオゼリア"か!」
イエン「ここならー、補給も受けられると思いますよ。」
二人の会話を聞いていたノアが口を挟む。
「でも、このルートを通ると、一旦月へ迂回してラオゼリアに入る事になるから、月面軍の防衛網の範囲内を通ることに…」
ノアの言葉をサラディンが遮る。
「月面軍の防衛網か…。危険な賭けだが、このまま大気圏突入コースを選ぶよりはマシかも知れんな。」
艦橋にいた全員が艦長の方を振り向く
「目的地、ラオゼリア。機関全速、モタモタするなよ。」

第五話に続く
102通常の名無しさんの3倍:05/01/27 20:56:16 ID:???
と言うわけで、第四話書いてみました
ノアとゲインのライバルフラグ1と
ミネアとヴェルの兄妹フラグ1を入れてみました
つたない文章な上、次書く人に設定丸投げする事になりますが
楽しんで頂けたら幸いです
第五話書く人頑張って下さい
103通常の名無しさんの3倍:05/01/27 21:11:03 ID:???
第5話予告

一方の宇宙要塞ラオゼリアでは、宇宙のネルソン提督ともいえる男、
バックランド一等司令官率いるメネラオス級ブラスホッパーが月面軍と交戦真近だった。
104通常の名無しさんの3倍:05/01/27 21:19:55 ID:???
第四話の感想

>サラディン艦長「何だ、ドーナツが欲しけりゃ厨房に通信でも入れて作って………」
>イエン「そうじゃなーくてー」
>サラディン艦長「じゃあ何だ、ホットケーキか?」

こういう細かい笑い所は良いと思う

>記憶の片隅に埋もれていた戦い方、シュミレーションで何度もやり合った事のある戦い方。
>「………兄さん………?」小声で呟く

この二人、何年前に生き別れた兄妹かが謎になってくる描写ですね
105通常の名無しさんの3倍:05/01/27 21:20:47 ID:???
>>103
ちゃんと次回予告の形式に則って書いて下さい
その表現だけじゃ次回予告として成立してませんよ。
106通常の名無しさんの3倍:05/01/27 21:24:40 ID:???
サラディン艦長のイメージがどんどん子安で固まっていくな
107第五話予告:05/01/27 21:47:21 ID:???
>>105
スマソ
眠気と酔いで適当になってた。
ではまじめに

新型艦フレアが要塞ラオゼリアで補給を受けるとの通信が入る
一方要塞の防衛についたばかりのフリゲート級戦艦ブラスホッパーは説明もないまま戦闘に突入することになった
艦長のあまたの戦いに勝利し、英雄的扱いを受けてきた彼は宇宙のネルソン提督ことバックランドは要塞を死守する為に圧倒的に不利な戦いに挑む
味方の艦が次々と落とされていく中で機転と頭脳を働かせ敵艦隊を突破していくが・・・
次回、起動戦士ガンダムN(ネオ)
第五話「英雄、宇宙に散る」
あまたの戦いの中、また一人星の屑に
108第五話-1:05/01/27 22:07:04 ID:???
宇宙要塞ラオゼリア港口にて
バックランド一等司令官が月面軍との戦闘開始との旨を聞いたのは、連合軍戦艦ブラスホッパーがラオゼリアに入港した時だった。
初老の、憂鬱そうな、かげりのある顔の、軍人らしくきりっとした一等司令官は暗闇のような軍服に立派な肩章という軍服姿だった。
「宇宙要塞ラオゼリアにようこそ。バックランド司令官」
ブリッジのモニターにしっかりした顔立ちの男が映し出された。
リッチアーディ「私はショーンワイスと言います。このラオゼリアの司令官です」
バックランド「有難う。現在をもってここの防衛につくバックランドだ。話によると補給を受ける船が入港するはずだが」
彼は奥に広がるいくつもの船を見回した。入港したばかりで修理に補給に大忙しといった船は見当たらないので入港はまだなのだろうとバックランドは思った。
リッチアーディ「失礼ながら館長。本来ならあなたのような方は歓迎式でお迎えしたいところなのですが、今はそんな暇がない。敵艦隊が近づいてきているのです」
バックランド「構わんよ。私もそういった形式的なものは嫌いなのでね」
表情を変えずに冷淡な口調で言い放つと、リッチアーディはなんと言っていいのかわからない顔をした。
バックランドはこういうのが嫌いだ。すぐにモニターを切ってしまった。
「総員、話は聞いたな?ではフォレスター君、我々の任務はなんだね?」
目の前で手を後ろに組んでいた男が振り返った。
鷹のような鋭い目に無精ひげを生やした男、ウィリアム・フォレスター副長ははっきりした口調で言った。
フォレスター「要塞ラオゼリアの防衛であります、艦長」
バックランドからため息が出る。
バックランド「我々の任務に『守る』なんてものはない。任務は敵艦隊を沈めることだ。聞いたな?ただちに艦を出向させろ」
109通常の名無しさんの3倍:05/01/27 22:52:57 ID:???
ブラスホッパーはバックする形で港から出た。大型のフリゲート艦なため小回りが利かないのだ。
このフリゲート級は時代によってさまざまな形態をしてきたが、ここ宇宙では26〜38門の対艦用砲を搭載した戦艦のことである。
ブラスホッパーは両側に16づつ32門の砲門を搭載しており、大型ミサイルも搭載している。
しかし艦としては強力だが、モビルスーツを収容できるスペースが無いのが欠点である。
バックランド「よーし、止まれ。前方に全砲門を合わせろ。戦い方は同じだ。この前月面軍を破った時にようにやるんだ」
彼の威勢のよい声がブリッジに響き渡る。
フォレスター「準備が整いました。幸い要塞からも援護があるようでして・・・ええと、そう巡洋艦8隻、フリゲート級4隻モビルスーツ部隊が16とあるようで・・・」
バックランドはまたため息をついた。フォレスターの何か不安げというか落ち着かないところが嫌いなのだ。
自分とさほど歳がはなれていないのにいまだに三等副指令なのは、そのせいだろうと思っている。
バックランド「はっきり言いたまえ。私がどういう人物かはよくわかっているだろう?」
フォレスター「それは誰もがご存知のことでしょう。あまたの月面、コロニー艦隊を破り、立派な肩章を二つもつけた艦長などあなた以外にいますまい」
バックランド「アー、ハン。質問をよく理解していないようだな。要点をうまく捉えられないようでは・・・」
言いかけた言葉が止まった。
索適手「前方に敵艦隊を確認。30から40は確認できます」
バックランド「これよりラオゼリア所属艦は我々の統率下に入る。全艦発進せよ」
次々と戦艦が発進していく。
敵である月面軍も迫ってくるため距離がだんだんと縮まってくる。
110通常の名無しさんの3倍:05/01/27 22:55:20 ID:???
バックランド「慌てるな。敵艦に向けて32門砲をすべて喰らわせてやれ。その間に右舷旋回し横付けする形でさらに砲を喰らわせてやるんだ」
フォレスターが要約して指令を下す。
フォレスター「操舵手!右舷旋回!X50、Y70座標地点だ!砲撃手!前方の艦に向けて全門集中射撃!」
艦は大きく右舷旋回した。遅れて敵艦からビーム砲が発射されたが当たらなかった。
バックランド「止まれ!全門発射!」
艦が敵艦と横付けにする形で並び、すかさずブラスホッパーの砲門が一斉発射された。
索適手「敵艦撃沈。やりましたぜ」
ブリッジに歓喜が起こる。
だがバックランドはあくまで冷静だ。部下には冷静で的確な判断を下す司令官という印象を与えておきたいがために、このような態度を取るのである。
ブリッジからは味方フリゲート艦が敵艦に集中砲火を浴びせ、破壊する模様が見えた。
フォレスター「やりましたな、艦長。と、あれは我が軍のフリゲート級ジェラルド・・・敵フリゲート艦を見事なまでに粉砕しておられるようで」
バックランド「フリゲート艦を二隻沈めただけだ。まだ5隻も残っている。だが戦況はだが戦況は有利に立っている。恐れることは無い。熟練した我が艦にとって坊やの指揮する船など恐れるに足りん」
111通常の名無しさんの3倍:05/01/28 18:56:40 ID:???
第五話の続きマダー?
112通常の名無しさんの3倍:05/01/28 19:14:36 ID:???
読むの楽しみなんだから、毎日書いてくれよー
113通常の名無しさんの3倍:05/01/28 19:25:21 ID:???
読むのにかかる時間と書くのにかかる時間と、どっちが長いんだろうね
114第五話-4:05/01/28 23:10:57 ID:???
バックランド「モビルスーツ部隊を前方に展開。巡洋艦は後方支援、フリゲート級はブラスホッパーに続け!」
前方に展開されたモビルスーツ部隊は、瞬く間に戦闘状態に突入した。
敵もモビルスーツ部隊を前面に展開させていたためである。
フォレスター「ざっと数えて巡洋艦28、フリゲート級7といったところでしょうか。正面からぶつかって勝てないことはありませんが・・・モビルスーツ部隊が厄介です」
バックランド「そんなことはわかっている。しばらくすれば新型艦フレアも補給完了後に支援につくだろう。そうなれば『防衛』ではなく『撃滅』になるわけだ」
二人が話しにふけていると目の前に敵のフリゲート級が砲門をこちらに向けているではないか。
索適手「このままでは回避できませんぜ。艦長、どうします?」
バックランド「慌てるな。敵艦に向けて32門砲をすべて喰らわせてやれ。その間に右舷旋回し横付けする形でさらに砲を喰らわせてやるんだ」
フォレスターが要約して指令を下す。
フォレスター「操舵手!右舷旋回!X50、Y70座標地点だ!砲撃手!前方の艦に向けて全門集中射撃!」
艦は大きく右舷旋回した。遅れて敵艦からビーム砲が発射されたが当たらなかった。
バックランド「止まれ!全門発射!」
艦が敵艦と横付けにする形で並び、すかさずブラスホッパーの砲門が一斉発射された。
索適手「敵艦撃沈。やりましたぜ」
ブリッジに歓喜が起こる。
だがバックランドはあくまで冷静だ。部下には冷静で的確な判断を下す司令官という印象を与えておきたいがために、このような態度を取るのである。
ブリッジからは味方フリゲート艦が敵艦に集中砲火を浴びせ、破壊する模様が見えた。
フォレスター「やりましたな、艦長。と、あれは我が軍のフリゲート級ジェラルド・・・敵フリゲート艦を見事なまでに粉砕しておられるようで」
バックランド「フリゲート艦を二隻沈めただけだ。まだ5隻も残っている」
とはいえ戦況は数では月面軍が上である。フレアが補給を受け次第、傷だらけの戦艦は帰還して補給を受けるようにと指令を下っている。
115通常の名無しさんの3倍:05/01/29 00:04:54 ID:???
バックランドはフレアが支援に来るということは確率的にありえないという結果を出した。
後続の巡洋艦が破壊されていく中、フリゲート級とモビルスーツ部隊が敵艦隊の中を突き進んでいく。
巡洋艦は敵艦に足止めを喰らっており、進撃するブラスホッパーには追いつけないでいる。
囮のようなかたちで相手の気を引いているが、バックランドにはそのような考えはない。
フリゲート級はいまだに無傷で4隻とも残っている。
バックランド「フリゲート艦を分散させろ。ジェラルド、ヴィクトリアは敵艦隊の外へ出て支援に回れ。ブルーヴァード、ジャスティニアンは私に続け」
指令を受けた2隻は敵艦の外へ出ようとする。残る2隻はそのままビーム砲で敵をかく乱しながらついて来ている。
勝利は見えた。こちらのモビルスーツ部隊は壊滅したが敵もほうも同じだ。ざっと見て巡洋艦は8隻、フリゲート艦は4隻しか残っていない。艦の性能はこちらのほうが上である。
バックランドの頭にはすでに敵が壊滅している姿が思い浮かんだ。
だがそんな妄想を断ち切るかのように後続艦で大きな爆発が起こった。
ブルーヴァード、ジャスティニアンの2隻である。
索的員「2隻とも撃沈!生存者なしです。フリゲート艦2隻が沈むなんてふつうありえませんよ艦長」
バックランドは苛立ちながらも「わかっている!」と答えようと思ったがやめた。
あくまで冷静な艦長というイメージを崩さないためにも部下には冷酷で無口でいたいのだ。
バックランド「まだ我が艦と外からの支援がある。流石に月面軍もブラスホッパーと知ってか、なかなか手は出せんようだな」
月面軍はバックランドに何度も手痛い攻撃を喰らっている。そのためブラスホッパーの恐ろしさをよく知っているのだ。
バックランド「大型ミサイル用意。前方のフリゲート艦1隻に向けて全弾発射」
フォレスターがミサイルの発射を的確に砲撃手に命じる。
砲撃手は慎重に狙いを定めミサイル発射のトリガーを引いた。
8つのミサイルが1隻の艦に向けて発射された。敵艦は弾幕を張りながら、なんとか撃退しようとするが当たらない。
全弾命中だ。爆発がエンジンに引火し、艦は爆発した。
116通常の名無しさんの3倍:05/01/29 00:06:27 ID:???
バックランド「おそらく今破壊したのが司令塔だろう。これで撤退するはずだ」
フォレスターはまた見事な勝利を収めたという顔でブリッジから宇宙を見ていた。
すると次の瞬間。
バックランドらがいるブリッジの下にあるサブブリッジで爆発が起こった。
索的員「サブブリッジに被弾です!攻撃したのは左右のフリゲート艦!」
フォレスター「急いでローマックスに連絡を取れ!サブブリッジを閉鎖しろとな」
艦内では動揺が続いていた。バックランドは動揺せず相変わらず無言だが、外に回った2隻がなぜ、敵艦を沈められなかったかという疑問点について悩んでいた。
バックランド「ジェラルドとヴィクトリアはどうした?外に回ったなら敵艦を破壊しているはずだ。何にせよこのままでは我々が沈むぞ!」
フォレスターはすぐに味方艦との通信を取ろうとした。だが応答はない。
フォレスター「駄目です。応答しません。あちらから意図的に拒否しているものと思われます。ん?モニター上にある2隻の艦が撤退していきます。ジェラルドとヴィクトリアだ!支援ではなく逃げやがったんだ!」
バックランド「落ち着け。要塞の連中が役に立たないのはわかっていた。こうなれば我々だけでなんとかするしかあるまい。敵前逃亡などしたら言い訳ができんぞ」
索的員「砲門がやられた!残っているのは大型4門砲だけだ艦長!」
バックランド「敵の動きは鈍い。大型砲を慎重に狙って撃てば両方とも沈められる。砲撃手!しっかり狙え!」
うまくポイントを合わせていき、敵艦が射程距離に入ったらすかさず撃つ!ただその時を待つのだ。
フォレスター「今だ!撃て!」
その瞬間、敵艦から全門発射された。一方は沈んだが、ブラスホッパーにはほとんどが命中し、爆発寸前だ。
バックランド「残った砲門をすべて敵1隻に撃て!あと1隻だ!巡洋艦はどうにでも・・・」
指揮を下す寸前にブラスホッパーは爆発した。
バックランドが覚悟を決めていたかどうかはわからない。だが最後の言葉からして絶対に勝ちに行くというところからしてまだ艦は持つと思っていたのだろう。
艦の爆発はフレアからも見えていたが、爆発したのがバックランドのブラスホッパーということを知るのは要塞についてからだった。

第6話に続く。
117第6話予告:05/01/29 00:59:46 ID:???
先行して6話予告だけ先にアップさせてください。
本日昼頃には本編アップとさせていただきます。

ラオデギアの健在の代償となったのは名将の命。
その命の喪失が呼び覚ますのは味方の喚起か、敵の勢いなのか。
月の光とともに敵の意図と、そして捨て去られた筈の悲劇が呼び起こされる時、
散った筈の三つの炎が再び一つに集う時間がやって来る。
それは偶然の悪戯か、必然の宿命か。

次回、「暁の現在(あかつきのとき)」

封ぜられた想いが今、解かれようとしている・・・。
118第6話−1:05/01/29 12:52:31 ID:???
ラオデギアを背にバックランドの墓標としてブラスホッパーは砕け散った。
「ブラスホッパーが・・・落ちた・・・?」
ラオデギアの軍司令部でその壮絶な戦いを見守っていたエイショウ・トウマはその瞬間、頭の中が真っ白になった。
あの「コスモ・ネルソン」と謳われ、尊敬していた名将の元に自分は今日、配属される筈であった。
それが・・・こんな事になるなんて。
だが、ショックに打ちひしがれている場合ではない、彼が命を張って守ったものを私は継いでいかなければ。
別にバックランドとの認識は無い彼ではあるが、軍人として遺され、活かされた彼は生き残っていかなければならない。
新たな行き先が書かれた配属書を握り締めながら、彼は零れ落ちる涙を拭おうとせず、直立不動でその画像に向けて
敬礼した。

バックランドを墜としたとの報告が入った。
ほう・・・。それは喜ばしい事ですな。あの忌々しい要塞を落とす上での障壁がまた一つ減ったと。
あの要塞がある限り、我々は枕を高くして新世界へと旅立つ事ができませんからな。旅立ったとたん後ろから狙い撃ちされるのはたまったものではない。
プロジェクト・C。人間と宇宙の新たな可能性を求める上で我々は更に広い世界を見る必要があるというのに・・・地を這いつくばう者共は何故それが解らぬのか・・・。
何はともあれ、最大の障壁が取り除かれるまでもう一押し。
そういえば、あの落ちこぼれ達が戻ってきたようですな。
あぁ・・・彼らにとっては勿体無さ過ぎる宝を携えて、な。なんとも扱いに困る事をしてくれたものだよ。
よいではありませんか。データだけ取れば後はラオゼギアに向かわせれば。それでライアスとあの娘とが犠牲になれば丁度よい厄介払いにもなりましょう。
「サンタマリアW」・・・我々は忌むべき過去を捨て去り、前へと進まねばならぬのだからな。
119第6話−2:05/01/29 12:57:28 ID:???
「じゃあ、行ってくるよ。」
「ちゃんと寄り道せずに帰ってくるのよ。まだ『戦い』の決着はついてないんだから。」
「ハハッ、かなわないなぁ、ミネアには。」
兄はそうして列車に乗り込む
そう、いつも通りの風景。だのに、胸騒ぎがするのは何故だろう。
兄さん・・・こっちを向いて兄さん・・・声に出さなければ。
だのに、こういう時に限って声が出ない、どうして、どうしてよ!
兄さん・・・兄さん・・・

にいさーん!!!!

声を発した瞬間、自分の今いる場所が駅ではなく自分の寝室のベッドの上で
ある事に気づいた。
「・・・・相変わらず嫌な夢。」
兄を亡くした時、幾度となく見た夢。ここ暫くは見ることもなかったのに何故?
コロナ03からツィコルフスキーへと向かう最中に遭遇し刃を交えたあのモビルアーマー。
「何、バカなこと思ってるんだろ、私・・・。」
溜息と、けだるい思いとともに言葉を吐き出す。あの壮絶な事故の爪痕を見たではないか。
10000度の高熱にも耐えられる機体は見る影もなく宇宙の藻屑へと四散し、
乗組員のノーマルスーツすらも蒸発して消えていた、あの事故の爪痕を。
諦めたではないか。
だのに、未だに亡くなった人のことにまだ捕らわれていた自分がいるというのか。
涙と悲しみは全てあの事故現場へと置いて来た、その筈だったのに。

120通常の名無しさんの3倍:05/01/29 13:01:10 ID:???
バックランドのことだからフォレスターだけ逃がしたかと思ったらあっさり死んじゃった。
121第6話−2:05/01/29 13:17:45 ID:???
卓上の映像付き連絡機が鳴り、エフィード・ライアスの顔が浮かび上がったのはその時だ。
「やぁ、ミネア・・・・・!?す、すまん!もう起きていたものだとばかり・・・」
思わず右手で顔を覆うライアス。無理も無い。通話相手の格好がTシャツと下着、しかもそれが少女なのならばなおさらの事。
「・・・・イヤッ!す、すいません、小父(おじ)様。」
急いで近くのシーツで体を覆う彼女は寒さに耐える愛くるしい小動物のようだ。
「良いニュースと悪いニュースが一つずつある。どちらから先に聞きたいかね?」
「・・・悪い方を。先にいいニュースを聞いて後で興ざめになるのはイヤ。」
「わかった・・・アルテミス隊は2日後0700をもって、地球圏連合要塞ラオゼギアの攻略隊に配属される事となった。」
「そんな・・・月から戻ってきたばかりで、ですか!?小父・・・いや、艦長。」
「上層部(うえ)は例えそれが小さい力でも使えるものは使おうということなのだろう。・・それだけならばよいのだがね・・・・と、悪いニュースはここまで。
ここからは、いいニュースだ。フレディが今日は休暇で1日体が空いているらしい。」
「フレディ兄さんが!?」
「ということで、だ。任務の事は今日だけはすっぱり忘れて食事でも一緒にと思うのだが、どうだい?」

ツィコルフスキークレーター都市最大の街・ライカのスプートニク広場。ひときわ目立つせいたかのっぽの茶髪の青年は待合人を首を長くして待っていた。
「フレディにいさーん!」
「やぁ、ミネア。また暫く見ないうちに綺麗になったかい?」
駆けてきた少女に快活な笑顔を向け、フレデリック・ライアスは機嫌を伺った。
「ありがとう。お世辞でも嬉しい!」
そう答えると彼女はのっぽのフレディの頬にキスをした。
「でも、私としては今は綺麗になるより、強くなりたい。」
「えっ?」
「強くなれば、私は軍人として上に行けるし・・・そうなればサンタマリアにだって乗れる可能性は大きくなる。それに・・・そうなればフレディ兄さんとも一緒になれる。フレディ兄さんの事は私が護る。そう決めてるの。」
「なんと・・・かわいらしい騎士にここまで慕われているとは、光栄の至りだね。」
「おーい、二人ともー!早く乗れよ!話はそれからでもいいだろう!」
彼の自家用車からエフィードが顔を出して声を掛けた。
122第6話−2:05/01/29 14:34:16 ID:???
「しっかしまぁ・・・、ラッキーだったよなぁ。」
ラオゼギアに降り立ったコロナからサラディンはイエンを連れて要塞本部に向かっていた。
「(要塞の前でドンパチやってた分、後ろから何の攻撃もなく入航できたってのはラッキーだったよなぁ、艦長。)」
「だからお前は物食いながら喋るなっつの!まぁこれでお役御免、になってくれりゃあいいなぁ。アニーにリューアン・・・・あぁ、お前達に逢いたい!」
と戦場の最中にいるとはとても思えない弛緩した二人を前に、宇宙軍の士官服を来た30手前と思しき男が前からやって来た。
その将校は挨拶・・・いや、挨拶代わりにサラディンの顔めがけて拳を見舞った。
「おぉ、跳んだ。」
「こっ・・・何すんだテメェ!」
「こんな・・・こんな奴等の為にバックランド大将は・・・・!」
肩を振るわせながら涙を流す士官。
「あ、あの・・・・お兄さん?」
「本日付で、フレア配属となったエイショウ・トウマ大尉だ!
砲撃戦術担当として尽力させていただく!」

コロナのロビーで何度と無く続くチェス。
戦いの過程は違うとはいえ、勝負の結果はいつも一緒。
青い髪とは対照的に顔を真っ赤にして「フンッ!」と駒をグシャグシャにするノア。
「あーあー!酷い事するなぁ。」
苦笑しながら駒を片付けるベルファ。
「あー、もう!なんで勝てないんだぁ!」
「わかりやすいんだよ、君は。自分が有利であると思った時や、不利になった時とかも全て顔や仕草に出る。」
「それは・・・俺が子供っぽい、って事?」
「んー、まぁ、そうとも言う、かな?」苦笑しながらストレートにベルファは物を言った。
へこむノア。
「でも、それくらいじゃないとモビルスーツ乗りはやっていけないのかもしれない・・。」
「え?」
「ゲームと戦場は一緒じゃないよ。命のやりとりがかかったら冷静であろうとしてもなかなかできないものさ。無謀と思った事でもそれを切り抜けようとする意思の方が状況に克つ場合もあるし。」
「この前のノアなんか、いきなり敵陣に飛び込んで、それでもどうにか切りぬけただろ?普通なら怯んでしまって何もできなくなるところだもの。」
「・・・今は誉められてる?」
「誉めてるのが半分。呆れてるのが半分。」
「・・・何だよ、それぇ!」
123第6話−5:05/01/29 14:42:28 ID:???
「今日はありがとうございました。小父様、フレディ兄さん。とっても美味しかったです。」
「あぁ、また帰ってきたら食べに来よう。」
食事を終えて、ミネアを彼女の家に送り、ライアス兄弟は車を自宅へと走らせた。
「訓練の方は、順調なのか?」運転しながらエフィードが口を開く。
「ええ、まぁ。いつ本格的に動くモノかはわかりませんけど、いつでも旅立てるよう準備だけは怠りなく。」
「今回の作戦が上手く行けば、いよいよプロジェクトは本格的に動く事になるかもわからん・・・。喜ばしいというか、何と言うか・・・複雑な心境だよ。昔携わっていた人間からすれば、ね。」
「僕は・・・兄さんの立場にはなれないからその心境はわからない。でもね・・・あの時、かけがえの無い仲間を失った身を斬られるほどの哀しみと痛みを感じたのは一緒だ。だから、僕はその友が抱いた夢を一緒に抱えて生きていこう。そう思ってる。」
「ロジャー・・・・。あれからもう3年、か。しかし、俺達より最も悲しい想いをしたのはあの娘だ。」
「私が護る・・・そう言われましたよ。」
「ん?」
「今日会った時に言われました。フレディ兄さんは私が護る、そう決めてるの・・・って。」
「・・・亡くなったロジャーの分まで・・・・って事か。」
「それしか彼女は言わなかったですけれど、ね・・・。」

ライアス兄弟の車を見えなくなるまで見送ったミネア。
ふと、空を見上げる。
満天の星を見ながら、彼女はいつしか兄の事を思い出していた。
夜が明けるまで星を見上げながら銀河の事を語り合い、
いつかあの星へと旅に出ようと約束していた兄の事を。
「・・・・兄さん・・・。」

そのミネアの視線の彼方に広がる星の大海の中とあるコロニーから艦船が出発しようとしていた。
コロニー連合特務隊シェイド・コミュニティのカオス・ハンガーである。
「・・・これもまた、宿命と言うやつ、かな・・・。」
仮面の男・ヴェル・アイザ・エルクランは呟き、唇の端を少し歪めた。


                                                       続く
124五話の中の人:05/01/29 14:45:28 ID:???
五話はフレア以外にも死闘を繰り広げてる味方がいるということでバックランドを出してみた。
まあ最終的に主人公にはバックランド越える大物(パイロット階級でいう最上級クラス)になってもらいたいものですが・・・
125第6話編集後記:05/01/29 14:56:14 ID:hn0I+CSw
てことで、今回は物語が再び動き出すまでのインタールード的なものとなりましたが、
いかがだったでしょう。
新キャラと月の連中の思惑も差し挟んで、これからどう動いていくのか楽しみです。

>120

自分もフォレスターは生き残って・・・っていう形を想像してたんでどうしよう・・・と
思いまして。
現状、フレアの上官連中がちゃらキャラが多いんで場を締める(種でいうナタル)的
存在が欲しいと思ってて、それを状況次第でフォレスターがやるのかな、と思って
たら・・・・と。
んで、新キャラ・トウマさん登場となったわけです。
冗談も融通も利きそうに無いバカ(いい意味でも悪い意味でも)軍人とフレア連中
がどう交わるのかが楽しみです。


126通常の名無しさんの3倍:05/01/29 15:10:50 ID:???
「ダメ、やめて、私まだ鎖国中なの」
「いいだろ、ルナマリア」
オレはそう言ってルナマリアの政所を弄り始めた
「あっ、ダメだって言ってるのに」
「ルナマリア、そんなこと言っても君の政所の弾幕は薄すぎるぜ」
127第七話予告:05/01/29 15:21:41 ID:???
バックランドの告別式が行われるなら、責任を感じたリッチアーディは謀反を企てる
要塞ごと破壊し、月面軍に寝返ろうというのだ。
狂気をかざすリッチアーディにフレア、ドレッドノートは苦戦する
三等指揮官に昇進したノアはドレッドノートのMS部隊を指揮する
リッチアーディの計らいででクレスコ艦長が死んでしまいそれを自分の責任だと思い後悔するノア
リッチアーディやノアを悩せる責任とは何なのか
次回「謀反の行い方」
狂気に駆られる男は敵か味方か、どちらに悩まされるのか
128第六話-1:05/01/29 15:38:54 ID:???
 バックランドの死は地球連合軍本部にまで伝わっていた。
連合軍の雄、ウィリアム・ハモンド一等艦隊司令官は朗報に驚きを隠せなかった。
ハモンド「そうか・・・それは残念だ。バックランド大将(一等司令官は大将クラス)もさぞ無念のことだろうな・・・」
英雄という存在はたった一人で戦況を変えてしまうほどの人物である。死ぬ時も孤独に散るというのも定めかもしれない。
ハモンド「だが悔やんではおられんぞ。彼が守り通したおかげでフレアは無事だった。上等な遺産だ。」
彼がモニター越しに話をしている男もまた肩章を付けている。司令官クラスの人物であることは間違いない。
ハモンド「私は今から直接フレアに会いに行く。敏腕パイロットがいるとの噂だからな。クレスコ司令官、彼を三等指揮長(MS部隊を3つまで指揮できる隊長)」
クレスコ「了解しました。ドレッドノートが援護する形で向かいます」
会話が終わったのか、モニターが真っ黒になった。
 宇宙要塞ラオゼリアではバックランド司令官の告別式が行われていた。その一方でリッチアーディは自室でコップ一杯のウィスキーを飲み干していた。
リッチアーディ「私の責任だ・・・終わりだ・・・。英雄を死なせたんだ!どう弁明しようが死刑だ!畜生!」
そういってウィスキーを荒くれた酔っ払いのように飲み干した。
リッチアーディ「もう少しでクレスコ二等司令官率いるドレッドノート艦隊が来る・・・フレアの乗員が昇進する一方で私は死刑だ!縛り首だ!」
もはや軍人のかけらもないほど堕落していた。無能な人間ほど気がおかしくなるものだ。
湾口には先程の攻防戦から生き残ったわずかな巡洋艦と、味方を見殺しにした2隻のフリゲート艦があった。もちろんフレアの姿も。
ノア「バックランド司令官・・・聞いたことはあります。英雄だったそうですね・・・。我々を守る為に死んだなんて」
悲しげに語る口調からは無念の意が隠せない。
と、そこへサラディン艦長がやってきた。
129通常の名無しさんの3倍:05/01/29 15:41:04 ID:???
スマソ
第七話でした
130第七話-2:05/01/29 15:58:12 ID:???
サラディン「こんな時に何だが・・・君の昇進が決まった。断るなよ。三等指揮長だ。正式な受理はクレスコ中将が来てからだが・・・昇進させてくれたのはハモンド大将だ」
ノア「三等指揮長?英雄が死んでおいて、一方で昇進なんて・・・呑気なものですね」
少し嫌気がさしたような口調で言った。
サラディン「軍は英雄を求めている。その存在は圧倒的カリスマ性を生むものだ。君に期待して下さっているんだよ。上層部の方々は」
そこへベルファが浮かない顔でやってきた。
イエン「一等司令官といえば4人いましたね。バックランド、ハモンド、スタインズ、あと一人は・・・え〜」
「スティーブ・ドリューだ。軍の司令官の名前くらい覚えておけ小僧」
さっきまで酔っ払っていたリッチアーディが出てきた。話を聞いていたのか嫌味を言ってきた。
リッチアーディはふらふらとしながらコントロールルームへ向かった。
「謀反しかない・・・このまま要塞ごと沈めて月面軍に寝返るしかない・・・畜生!バックランドやフレアのせいで俺は破門だ!クソ!」
港口のほうではクレスコ率いる中級艦隊が入港寸前だった。
「こちらクレスコ一等艦隊指揮官。フリゲート艦ドレッドノートの艦長だ。入港許可を要請する」
オペレーター「港口信号青。許可されました。入港を開始します」
副長が各自に入港準備を命令する。
ノア「ドレッドノート(恐れ知らず)か。フレアより遅いけど新型艦らしいですね」
サラディン「両砲門併せて42門砲搭載だからな。所属しているモビルスーツパイロットもかなりのもんだ。君ならエースパイロットになれるのではないかな指揮長殿」
からかうように言ったが、ノアは無反応だ。
話にふけこんでいると、ドレッドノートに歩行用のレールが伸びて、中から指揮官が出てきた。
「バックランド大将の死。私も残念に思う。だがいつまでも悔やんでいては終わらない。今日はそれらを払いのけるための告別式だ」
ノアがまじまじと話を聞いていると、クレスコが歩み寄ってきた。
クレスコ「ノア・バルクーレ君。先に話は聞いているだろうが、君を二等指揮長に任命する」
ノア「有難うございます」
だがその顔には喜びは感じられず、依然として無表情だ。
131通常の名無しさんの3倍:05/01/29 16:06:39 ID:???
この辺で皆さんの感想が聞きたい
132通常の名無しさんの3倍:05/01/29 17:58:10 ID:???
第四話で立てられた兄妹フラグを第六話であっさり覆しちゃったのに驚き
兄妹フラグを続ける人、第六話で書かれてる事故の描写からどう兄を生き残らせるかで
腕が問われるな
133第七話-3:05/01/29 18:15:14 ID:???
クレスコ「若い者なら上に上がるという野心があるはずだ。君もそうではないかね?」
ノア「野心?・・・自分はやるべきことをやっただけです。そう・・・任務ですから」
クレスコ「そうか。任務に励むのは当然のことだ。君には期待している。それと、今日の告別式のモビルスーツ指揮隊長は君だ。うまく先導するように」
そう言ってクレスコは要塞の中へ去っていった。
 一方のリッチアーディはというと順調に謀反の準備を整えていた。
リッチアーディ「どうせこのままでは死刑だ。ジェラルド、ヴィクトリアはドレッドノートクラスは相手にできるし、モビルスーツ部隊もオートパイロットにしておけばいい」
ジェラルド艦長「俺も死んだ身だ。どうせなら月面軍へ寝返ってやる。だが問題はドレッドノートとフレアだ。あの2隻を相手にするのは危険だ」
ヴィクトリア艦長「確かに。あのドレッドノートの42門砲にどうやって対抗するんだ。おまけにモビルスーツ部隊も強力だ」
リッチアーディが口元に拳を当てて、「アー、ハン」と咳払いした
リッチアーディ「クレスコはまるっきり無能だ。輸送船一つ指揮できない男だからな」
『バックランド一等司令官の告別式を行う。全員各配置に就くように。
いよいよ反乱の時だ。リッチアーディらは部下を説得した。
手なずけるのは簡単だ。一人の責任は全体の責任。つまりは連帯責任である。
「我々ととも謀反を起こすか。それとも残って好きな死に方を選ぶか。答えは簡単だ。吊るし首か銃殺刑が待ってる」
リッチアーディは反狂信的だが、頭の切れる男だ。
ブリッジを含めて全員が残った。たるんだ指揮官の下で働く者は皆同じ考えだ。
ヴィクトリア艦長「月面軍に援軍を要請しました。第17艦隊が攻撃を仕掛けるので、その隙に内乱を起こせと」
リッチアーディ「*シップ級2隻、フリゲート6隻、巡洋艦8隻か。十分だ」
*フリゲート並の大きさと攻撃力を持つ大型艦。輸送能力も高い。
 港口では艦が並んでMS隊も整えられている。
クレスコは式典用の高級軍服に着替えている。
「これよりバックランド一等司令官の告別式を行う」
その後クレスコがマニュアルのような文章を長々と読む。
134通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:27:43 ID:???
フレア内ではサラディンはブリッジでだるそうな顔をしている。
「しかしこんな形式的なものに何の意味があるんだろうな。こういうのが性に合わないのってやっぱり職業適性がないからかね」
「私も退屈ですよ。早くブラックジャックでもやりたいですよ」
イエンはだるそうに言った。
隣で聞いていたトウマ大尉はクレスコの話をまじめに聞くフリをしながら二人の会話を憤怒の気持ちで聞いていた。
こんなやつらの所に転属なんてふざけた話だ。おまけに大将のことなどまるで人事。そう思いながらも、彼らもクレスコから認められるほどの活躍をしており、決死の戦いをしてきたんだなと考えて、なんとか怒りを収めていた。
やがてクレスコの話が終わり、一同に起立し、敬礼をした。
イエン「さてと。私はコンピュータとブラックジャックでもしてきますよ。ったくクレスコ話長いってんだ・・・艦長!レーダーに味方ではない反応が!」
リッチアーディの内乱を成功させる為の囮艦隊だ。
サラディン「クレスコ中将に敵艦だと伝えろ!戦闘準備!総員配置につけ!」
要塞を固めていた艦が次々に動き出す。
クレスコ「痛い目に合ったのに懲りないやつらだ!全軍進撃!モビルスーツ部隊を前面に押し出しつつフリゲート艦で応戦しろ!」
ノア「了解。ドレッドノート部隊は俺に続け!」
「隊長!ドレッドノート部隊で隊長を務めております、ベルトランであります!隊長として初陣かもしれませんが落ち着いて対処すれば大丈夫です!」
ノア「有難うベルトラン君。だが気遣いは無用だ。君は副隊長を勤めてもらう。行くぞ!」
ここでサラディンから通信が入った。
「装備をドレッドノート隊のものに換装しておいた。有線式クローアームと高出力ビームサーベルだ。近接戦闘用だがうまくやれるだろ!」
早速、ノアの前に5機のモビルスーツが立ちはだかる。黒いボディのジムに高出力バーニアをつけた様なのが月面軍の主力MSだ。
ノア「新しい武器がどの程度か見せてもらうぞ!」
敵がビームサーベルで切りかかるのを寸前で避けると、肩のクローアームがコクピットを貫く。
ベルトラン「お見事です!隊長!」
ノア「そんなことを言っている暇は無い。ほら左から!」
ベルトランの機体を払いのけると左肩のクローアームで敵のコクピットを貫く。
ノア「このままフリゲート艦も落とす。続け!」
135第七話-5:05/01/29 18:28:24 ID:???
 その頃ドレッドノートの艦長にはMS戦は善戦との吉報が届いていた。
クレスコ「ハモンド大将の目は正しかったようだな。あのノアというパイロット、なかなかのものだ。よし、我々も負けんように進軍だ!」
その時だった。後方からいくつものビームが発射されドレッドノートを貫いた。
クレスコ「な、なんだ!なぜヴィクトリアが攻撃してくる!?そうかやつらはどうせ死刑だ!だから謀反を働いたんだ!ノア隊長!すぐに要塞防衛艦を攻撃しろ謀反者どもだ!」
ノア「無理です!戦線のど真ん中から後方まで戻れなんて。分隊を回します」
クレスコ「戻らなければ我が艦が沈んでしまう。早く戻って来い・・・」
通信が途切れた。最後のほうで悲鳴らしきものが聞こえた。
ノアはまさかと思い振り返ると、後方でドレッドノートが爆発していた。
ベルトラン「な、なんだ!隊長!なにがあったんだ」
ノア「俺のせいじゃない・・・謀反者のせいだ・・・」
すると意外なことにリッチアーディから通信が入る。
「今のは君の責任ではないかね?隊長なら黙って命令を聞くべきだ。命令に反することは死刑に処されるからな。ノア隊長!あんたも私と同じ責任というものに呑まれておかしくなるだろうよ」
リッチアーディのフリゲート級38問搭載フラジャイルが出向した。

続く
136通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:29:59 ID:???
続き頼みます。
フラジャイル、ヴィクトリア、ジェラルドはブラスホッパークラスの攻撃力+輸送能力は持ってると思います。
137通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:35:53 ID:???
一応、フレアって地球圏連合本部のある地球を目指してるんですよね?
あまりもたもたせずに第一クール中盤(10話ぐらい)で地球に降下させて13話ぐらいで
本部に到着して一段落した所で第二クール突入ぐらいの展開希望
138通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:36:49 ID:???
第七話まで読むと、ガンダムSEEDより面白そうに思えてくる不思議
139通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:39:50 ID:???
>>137
んでハモンドが犠牲になって大将クラスがどんどん減るとw
140通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:46:18 ID:???
ざっと読んだけどバックランドといいクレスコといい、お偉いさんが死にすぎじゃない?
141通常の名無しさんの3倍:05/01/29 18:53:26 ID:???
第六話誤植多すぎ
ラオゼギア→ラオゼリア
コロナ→フレア
ですよね?
142通常の名無しさんの3倍:05/01/29 19:07:01 ID:???
第八話書いてみようかな
メモ帳に下書きしてきます
143通常の名無しさんの3倍:05/01/29 19:08:30 ID:???
連合軍の司令官って一等司令官以上はいるの?
144通常の名無しさんの3倍:05/01/29 19:32:08 ID:???
ドレッドノート仕様の優先式クローアームってコンティオか?
145通常の名無しさんの3倍:05/01/29 20:59:47 ID:???
いっそ誰かキャラデザインとかメカデザインとかしてイメージ掴みやすくしてくれないか?
146通常の名無しさんの3倍:05/01/29 21:16:37 ID:???
バックランドとかクレスコとか、そういう上層部の連中の解説きぼん
147通常の名無しさんの3倍:05/01/29 22:13:30 ID:???
七話描いたんで、一応解説

クレスコ 38歳
二等司令官(中将)
リッチアーディの言ったとおり無能。本人は自覚していない。
コロニー連合に艦隊を率いて攻撃を仕掛けるが、ドレッドノートを除いて全滅という失態を晒す。
しかし父親が大将(当時)ということもあってか、次々と出世していく。
主な搭乗艦 ドレッドノート(フリゲート艦、42門砲搭載)

ハモンド 47歳
一等司令官(大将)
地球連合軍の第3艦隊の艦隊指揮官。シップ10隻、フリゲート25隻巡洋艦40隻と最も数が多い。
連合軍で現在最も大きいフリゲート艦サンタンデールの艦長。24門ビーム砲、4門のメガ粒子砲を搭載する。
148第八話予告:05/01/29 22:34:44 ID:???
追いつめられるフレア、ラオゼリアが目の前で陥落する。
退路しかない、やるせない思い。、
同じ頃、シェイド・コミュニティとアルテミスは
新たな動きを見せていた。
重力に引かれる者達の運命は?
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第八話
「敗北の重さ」
その重さ背負って、明日へ飛べ
149第八話ー1:05/01/29 22:40:19 ID:???
ラオゼリアから出航したフラジャイルはラオゼリアの港口前に陣取る。
時を同じくしてリッチアーディの息のかかった部隊が、
ラオゼリア内部で謀反を起こし、司令室を占拠していた。
銃を突きつけられ、捕虜となるハモンド一等司令官。

艦橋の艦長席に座り、リッチアーディは叫ぶ
「月面軍への手土産だ。ラオゼリアとハモンド司令を奴等に渡す!」
後方でラオゼリアへの地球圏連合軍の接近を阻止するフラジャイルを
視界に入れ、ノアは呟く
「くそっ、あいつ…」
月面軍MSの攻撃を間一髪かわし、有線式クローアームを伸ばすと、敵MSの
腹にぶち当てる。
「数が多すぎる」
ノアがそうぼやいた瞬間ベルファのキャノンダスターから通信が入る
「ぼやいてる暇はない、一機でも多く倒すんだ。」
レーダーに目をやり、キャノンダスターの居るであろう位置を見る。
そこはノアの居る位置よりもラオゼリア寄りの位置だった。
ふと、キャノンダスターが後方支援用遠距離キャノン砲を両肩に装備した
機体であった事を思い出すノア。
フレアの艦橋で、戦局を見ながらサラディン艦長はため息をつく
「まいったね、どーも。こりゃ挟み撃ちって奴じゃん。」
何とも気楽気に言うが、その顔は笑っていない。
そんな艦長に対し苛立ちまぎれにトウマ大尉は言葉を投げつける
「どうするんですか、艦長。このままではフレアが沈むのも時間の問題…」
その言葉を遮るとサラディンはトウマ大尉に向かって怒鳴る
「んなこたぁわかってるよ!じゃあ、何か、この状況を一手で覆せるような奇策でもあるのか?」
普段のおちゃらけた姿とは違うサラディンの威圧感にトウマ大尉は返す言葉がない。
「この状況で俺に考えられる手段なんて、この戦域を離脱する事ぐらいだ。」
「なっ…しかし。」
状況的にそれ以外にフレアが生き延びる方法は無い。それはトウマにも痛いほど解る。
150第八話ー2:05/01/29 22:43:25 ID:???
サラディンは少し間をあけて言う。
「しかし、ここで戦域を離脱すればあんの裏切り者野郎と月面軍にラオゼリアは占拠されちまう
ハモンド司令だけでも助けたいが、その余裕もない。後味悪すぎるぜ。
しかも、その責任の一因は確実にこの艦の乗員に向けられる。」
トウマ自身も葛藤していた。上官からの命令は無い、この艦はこの場を独自の判断で
動かなければならない。兵士として死ぬべきか、生き延びて、本部に新兵器と新型艦を運ぶか
迷った末出した答えだった。
「しかし…我々は…兵士である以上、ここで…最後まで…戦うべき…だと…判断します。」
自分で発した言葉が重くのしかかる。

その頃、ノアやドレッドノート隊は月面軍とフラジャイルの挟み撃ちを受けていた。
多勢に無勢、次第に圧されていくノア達。

その様子を見ていたサラディン艦長は各機に通信を送る。
その通信の内容に驚くベルファ
「帰投命令…まさか、ラオゼリアを放棄すると…?」
通信は帰る母艦を失ったドレッドノート隊の三機にも送られた
『ドレッドノート隊、ノア・バルクーレ機、ベルファ・ドートレッド機はフレアに帰投せよ。
この戦域を脱出し、地球降下コースをとる』
まさかの通信の驚くノア、そしてノアの部下になったドレッドノート隊副隊長 ベルトランは
ノアに通信を入れる。
「隊長、帰投命令です…。」
「解ってる。」
力無く答えるノア
地球圏連合の宇宙戦の橋頭堡とも言えるラオゼリアを放棄、そして撤退
その事実が認めたくない程に苦しい事実だ。
「隊長」ベルトランは再度隊長に呼びかける。
「ドレッドノート隊、全機、フレアに帰還せよ。」
そう言うとノアもコロナガンダム2号機をフレアの方に向け急加速する。
フレアに帰投するノアとドレッドノート隊、そのしんがりをベルファのキャノンダスターが務め
各機はフレアに帰投した。
151第八話ー3:05/01/29 22:44:16 ID:???
全機がフレアに帰投すると、サラディン艦長は命令を下す。
「艦首回頭、宇宙要塞ラオゼリア宙域より全速離脱。」

ラオゼリアは謀反者の手によって、月面軍の手に渡った。
フレア乗員にとっては痛恨の敗北であった。

フレア格納庫で、機体から降りると、ベルファとノア、そしてベルトランの三人は
艦橋に向かった。艦橋に入るが、艦長に対してどう声をかけていいか迷う三人。
サラディン艦長が口を開く。
「ラオゼリアで物資の補給は済ませてある。これより、本艦は地球へ向かい、大気圏内に降下する。」
ノアも、ベルファも艦長も互いに決して視線を合わせようとしない。
この敗北がそれぞれに重く響いているのだ、ドレッドノート隊の三人も含めて。

ラオゼリアが陥落し、フレアが戦域を脱出し地球へ向かっていた頃もう一つの動きがあった。
地球周辺に浮かぶ衛星要塞"パンドラ"この要塞は、コロニー連合軍の要塞であり、コロニー連合軍の
地球侵攻の為の足がかりだった。
この要塞に、一隻の戦艦が入港していた。カオスハンガーである。
152第八話ー4:05/01/29 22:45:00 ID:???
港に入港すると、仮面をつけた男が部下を引き連れ艦から降りてくる。
パンドラの責任者らしき男に近寄ると
「これはこれは、イルフェーズ司令官、わざわざお出迎えご苦労です。」
そう挨拶する男…その男は顔に仮面をつけていた。ヴェル・アイザ・エルクランである。
イルフェーズと呼ばれた男はヴェルに敬礼する。
「ここへ、当艦が来たことは、内密にお願いします。」
カオスハンガーのシェイド・コミュニティ隊。通称幽霊部隊、正式には"存在しないこと"になっている
部隊である。この部隊を動かせるのはコロニー連合政府軍事総括官の命令だけである。
それ故に、この部隊は常に隠密行動をとっている。
イルフェーズ司令官は敬礼を解くと、仮面の男に問う
「今回の目的は、地球への降下だと総括官から伺っておりますが?」
「ああ、あの艦(カオスハンガー)は宇宙専用艦、地球では使えないからな。」
シェイド・コミュニティ隊が地球へ降下する命令を受けた場合、カオスハンガーは必ずパンドラに寄港する
そして、そこからは地球のコロニー連合軍施設行きのシャトルが出ている。
シェイド・コミュニティ隊が地球で活動する間、カオスハンガーはパンドラに停泊しているのである。
「既にシャトルの準備はできていますよ。」
イルフェーズ司令官は仮面の男に伝える。
「そいつは有難い。早速積み込み作業を始めさせて貰おう。ゲイン、ここで2日間の休暇を与える
明後日1000時にシャトルは出発する。乗員に積み込み作業を行うように伝えておけ。」
仮面の男はイルフェーズに答え、ゲインに指示を下すとイルフェーズと共に、パンドラの司令官室に入っていく
153第八話ー5:05/01/29 22:49:01 ID:???
同じ頃、月面でも動きがあった。
月面、ツィオルコフスキークレーター軍事基地から一隻の戦艦が出航しようとしていた。
「各乗員に告ぐ。各員は四日間の休暇、ゆっくり身体を休められたものと思っている
先ほど、軍に連絡があったが、地球圏連合軍の要塞ラオゼリアが我が軍によって陥落したそうだ。
これより、本艦はラオゼリアに向かい、ラオゼリアの防衛の任務に就く。
各員、気を引き締めて作業に取りかかるよう。」
艦内通信機を切ると操舵手に向かって指示を出す
「アルテミス、出航」
アルテミスがツィオルコフスキークレーター軍事基地を出航して行く。

少しずつ月が遠ざかっていく。その様子を艦の窓から眺めながら思い詰めた表情のミネア
コロナ03で戦ったモビルアーマーのパイロット、その戦い方は兄に似ていた。
いや、兄と違いが全くなかった。
「兄さん……」
あの事故の思い出が過ぎる。しかし、あの絶望的な事故の中でも兄が生きていた可能性を捨てきれない。
だとしたら、何故兄がコロニー連合軍に所属していたのか…。考えれば考えるほど
解らなくなるばかりである。

「しかし、あまり気にくわんな」
エフィード・ライアス艦長は艦の進む先の星々の瞬きを目にしながら呟く。
今回のラオゼリア陥落の裏に地球圏連合の裏切り者がいた事もそれとなく
連絡として伝わってきている、そしてラオゼリアに到着後その裏切り者を
自分の部下として扱わなければならないことを。
「当面は、コロニー連合軍からのラオゼリアの防衛が主な任務になるな。」
防衛任務であるため生存率は高い。部下を死なせずに済む。
それだけが唯一の救いだった。
154k.w ◆Mc.k.w/a1A :05/01/29 22:50:08 ID:???
>>7
ワラタ
155第八話ー6:05/01/29 22:50:59 ID:???
二日後、ラオゼリア宙域を脱したフレアは大気圏手前に差し掛かっていた。
大気圏降下シークエンスに入るフレア
「降下シークエンスセカンド」
降下シークエンスが第二段階に入る。
サラディン艦長が指示を出す。
「降下ポイント、JAP(日本)ポイントの南東の太平洋上。」

同じ頃、丁度地球の裏側に当たる位置にあるパンドラからシェイド・コミュニティ隊の
MSを搭載したシャトルが数機と、パイロットやその他スタッフを乗せたシャトルが
地球に向けて出発していたシートに座り、指令書を読んでいた仮面の男は
それを隣の席に座っているゲインに渡す。
「今回の指令だ。」
渡された指令書に目を通すゲイン
『南米、ブラジル沿岸基地に降下後、南米戦線の援軍となる事を命ずる。』
地球圏とて一枚岩ではない地球圏連合に協力する国家もあれば、コロニー連合に協力する土地もある
南米は、そういったコロニー連合軍支援地域の一つである。
その南米を勢力下に置こうと地球圏連合軍は南米に攻撃をしかけてくるが、コロニー連合軍は
何とか五分五分の状態で保っていた。
そこに支援に向かい、南米から地球圏連合軍を撤退させる手伝い、それが今回の指令である。

同じ頃、宇宙要塞ラオゼリアに一隻の戦艦が入港しようとしていた。
アルテミスである。
「全く、気に食わん。」
艦長席で小さく誰にも聞こえないように呟く艦長
ラオゼリアの独房に入れられているハモンド司令と彼が秘密裏に接見するのは間もなくの事である。

彼らの未来にこれから先何が起こるかはまだ解らない。

第九話に続く
156通常の名無しさんの3倍:05/01/29 22:51:15 ID:???
ハモンドって地球じゃないの?
157第八話ー7:05/01/29 22:52:47 ID:???
二日後、ラオゼリア宙域を脱したフレアは大気圏手前に差し掛かっていた。
大気圏降下シークエンスに入るフレア
「降下シークエンスセカンド」
降下シークエンスが第二段階に入る。
サラディン艦長が指示を出す。
「降下ポイント、JAP(日本)ポイントの南東の太平洋上。」

同じ頃、丁度地球の裏側に当たる位置にあるパンドラからシェイド・コミュニティ隊の
MSを搭載したシャトルが数機と、パイロットやその他スタッフを乗せたシャトルが
地球に向けて出発していたシートに座り、指令書を読んでいた仮面の男は
それを隣の席に座っているゲインに渡す。
「今回の指令だ。」
渡された指令書に目を通すゲイン
『南米、ブラジル沿岸基地に降下後、南米戦線の援軍となる事を命ずる。』
地球圏とて一枚岩ではない地球圏連合に協力する国家もあれば、コロニー連合に協力する土地もある
南米は、そういったコロニー連合軍支援地域の一つである。
その南米を勢力下に置こうと地球圏連合軍は南米に攻撃をしかけてくるが、コロニー連合軍は
何とか五分五分の状態で保っていた。
そこに支援に向かい、南米から地球圏連合軍を撤退させる手伝い、それが今回の指令である。

同じ頃、宇宙要塞ラオゼリアに一隻の戦艦が入港しようとしていた。
アルテミスである。
「全く、気に食わん。」
艦長席で小さく誰にも聞こえないように呟く艦長
ラオゼリアの独房に入れられているハモンド司令と彼が秘密裏に接見するのは間もなくの事である。

彼らの未来にこれから先何が起こるかはまだ解らない。

第九話に続く
158第八話後書き:05/01/29 22:55:07 ID:???
うわあああああ、最後二重投稿してしまったあああ
大ボケかましてすみません。
後、ハモンド司令官は地球にいるのか、ラオゼリアにいたのか
よくわからなかったので、ラオゼリアにいたと言う事で話進めてみました。
アルテミスの艦長にハモンドの身柄をゆだねる事になるので
多分殺されたりする事はないでしょうが。
159通常の名無しさんの3倍:05/01/29 22:57:10 ID:???
9話書いてもいいですか?
160通常の名無しさんの3倍:05/01/29 22:59:38 ID:???
脳内補足してハモンドはクレスコのドレッドノートに乗艦していたということにすれば辻褄があう。
このまま見殺しにしたらサンタンデールの勇士も見れずに終わりそう。
161通常の名無しさんの3倍:05/01/29 23:04:25 ID:???
>>160
それだと、ハモンド司令ドレッドノートが沈んだ時に死んでる事になるのでは?
162通常の名無しさんの3倍:05/01/29 23:07:20 ID:???
ハモンドが降りたってことにしとけばいいじゃない?
163通常の名無しさんの3倍:05/01/29 23:07:27 ID:???
>>159
どうぞ
164通常の名無しさんの3倍:05/01/29 23:08:52 ID:???
それなら、今のままの設定で
ライアス艦長にハモンド司令の運命をゆだねて
地球圏と月面の人質交換の取引材料にするとかすればいいんじゃないの?
165通常の名無しさんの3倍:05/01/29 23:10:52 ID:???
降下ポイントが、日本の南東と南米って、つまり地球の裏側?
166第9話予告:05/01/29 23:32:31 ID:???
捕虜となったハモンドはライアスに地球と月面側で講和条約を提案する
困惑するライアスからの答えは・・・
一方地球に降下したフレアは太平洋へ降り立っていた
そこでは地球圏で活動するコロニー軍が!
弟九話「太平洋、嵐の戦い」
平和か戦乱、どちらの道を歩むのか
167第九話−1:05/01/30 00:03:29 ID:???
ラオゼリアの独房で、ハモンド司令官は俯いたままぼうっとしていた。
しかし彼の頭では緻密な脱出計画が練られていた。
ここから最も近い地球連合コロニーには彼が指揮する戦艦サンタンデールがある。連絡を取ってこちらに向かわせれば約2時間で着く。
だがその通信手段を確保しなければならない。なんとかならないものか。
彼が脱出計画の構想を考えていると、独房に足音が聞こえた。段々大きくなってきている。と、足音は彼の独房の前で止まった。
「貴方が地球軍司令官ウィリアム・ハモンドですか」
ひょろ長く、鋭い目つきの男が立っていた。
「もう少しマシな食事を用意してくれんかね。好物の海老があったはずだ」
ハモンドは相手が食事を持ってきたのではないと知りながら、からかってみせた。
すると男は「私は食事係ではありませんよ。エフィード・ライアスです。司令官たるものが今では捕虜とは・・・」
「お前達ミカヅキどもに寝返ったどあほうどものせいでこんな目に合っているんだ。本当なら今すぐにでも出たいがね」
ミカヅキとは月面軍を軽蔑するために用いられる言葉だ。
「釈放することができますよ。あなたを我々の人質との交換という形でね」
「部下もだ。だが貴様らを信用することなどできるものか。・・・実は先程まで脱出計画を考えていてな。それもやめたよ。ある条件を思いついてからな」
彼は何かをひらめついたかのような余裕の態度を見せた。
「人質との交換より上等なものなど出せるのですか?司令官のあなたならできないことはないでしょうけど」
ハモンドはにやりと笑った。
「人質?そんなものよりもっとすばらしい提案だ」
「で、その提案というのは?」
「はっきりいって君達月面軍には地球軍、コロニー連合と2大勢力を相手にするのは厳しいだろう。そこで出てくるのが・・・地球軍とミカヅキ・・・失礼、月面軍との間で講和条約を結ぶというわけだ」
ライアスは驚いた。宇宙移民を馬鹿にしているような地球軍が講和条約を結ぶなどは恥すべきことではないのかと。いや。もしかしたら罠かもしれない。
「考えさせてください・・・上層部へお伝えせねばなりませんしね・・・」
168通常の名無しさんの3倍:05/01/30 00:09:47 ID:???
地球に降り立ったフレアは、連合軍基地があるメキシコに向かうため、ひたすら太平洋を駆けていた。
「さすがに一日中夜な宇宙より、青い空が見える地球がいいなあ。これも地球人の性ってやつかだろうね」
緊張感の感じられないサラディン艦長の言葉はいつもどおりだ。
ノアとベルファはというと、休憩室でチェスをしていた。
苦笑いしながら落胆混じりにノアの声が聞こえてきた。
「またかよ〜。仮にも俺は隊長なんだから勝たせるってことをしないのか〜?」
「あいにくチェスにまで先を越させるわけにはいかないさ」
ベルファは余裕の表情で言った。
と、そこへノア達とよく似た感じの青年が来た。
「お、士官候補生のクレイ君か。何のようだ?」
ベルファが声をかけた。
「あ、お二人を作戦指令室へ連れてくるようにと・・・艦長の命令です」
「わかったすぐ行くと伝えてくれ」
「敵襲か?太平洋権はほぼ地球軍の手中だろ?」
ノアが疑問に思いベルファに問う。
すると彼は真剣な顔になって
「いや、最近はそうでもないらしい。コロニー軍が次々と軍を投下してきたせいで苦戦しているとか。今までの警戒がたるんでるせいもあるもしれないけどな」
「要するに地球圏へ簡単に入れされる我々軍が悪いってわけね。ハモンドは捕まってるし、最高指揮権がドリューだけじゃあ厳しいもんなあ」
ノアは半呆れ顔で言うと、休憩室を後にした。
169通常の名無しさんの3倍:05/01/30 00:20:54 ID:AFGhEu1e
バックランドは絶対玄田が合ってる
170通常の名無しさんの3倍:05/01/30 00:34:21 ID:???
「我々はあとしばらくで戦闘に突入する。ハワイ付近でコロニー軍が攻撃を仕掛けてきたそうだ」
作戦司令室では地球の平面図をバックにサラディン艦長が説明をしていた。
「了解」
ノアとベルファは作戦の内容を聞くと、すぐに部屋を出ようした。
「おい、まだ話は終わってないぞ。注意点がある。ハワイは一般市民も住んでいる。市街地での戦闘や爆発はさけるようにな。では各自戦闘時まで待機!」
今度こそ二人は部屋を後した。パイロットスーツに着替えて待機室にてくつろぐ二人。
「知ってるか?太平洋圏を指揮してる司令官、レナード・ストラマーっていうんだが、なんでも船酔いで何度も吐いてるらしいぜ」
ノアが面白げにいった。
それを聞いてベルファは
「船酔い艦長か。だが司令官の侮辱的発言は控えたほうがいいぞ。聞かれたら謀反と思われて死刑だ」
「誰も聞いてやしないって。と、もう時間だ。そろそろ搭乗しないとな」
そういってノアはモビルスーツデッキへ繋がるエレベーターに乗った。
コクピットに乗ると、彼はさっきまでとは別人のように落ち着いている。
サラディンから連絡が入る。
「そろそろ戦闘区域に入る。準備はできてるな?」
「アイ・アイ・サー艦長。海軍風の了解です」
装備は以前と変わらずドレッドノート仕様である。近接戦闘用に特化されているとはいえ扱いやすさは変わらない。
モビルスーツデッキのハッチが開いた。
「ノア・バルクーレ、出る!」
カタパルトから射出されたコロナガンダムは一面青に広がる空に飛び立った。
「副長ベルトラン、出るぞ」
「ベルファ・ドートレット、出る」
二人はドレッドノートに配属されていかハイスペックモビルスーツ、ロイヤルスウィッシャーに搭乗した。
この機体は連合軍イギリス部隊のスウィッシャー技師が開発したことからそう呼ばれている。
銀色の機体にジムの頭を取り付けたような風貌。ロングレンジランスが2つに両肩には金の十字マークのついたシールドがついている。
バックパックには高出力バーニアを搭載しており、相手に猛スピードで接近し、ランスで突き刺すといった近接戦闘を想定して開発されたモビルスーツである。
まさに名機コルセアを思いただせるようなモビルスーツである。
171第九話ー4:05/01/30 01:08:29 ID:???
ノアがハワイ諸島に着くと、いくつの銃弾の光が見えた。
「あれだな」
空から急降下していくと、敵のモビルスーツが見えた。
すれ違いざまにビームサーベルで切り刻む。
「おい、調子に乗りすぎるなよ。敵の懐の堂々と突っ込んでいくなんてまっとうな作戦とは言えないぞ」
ベルファは注意するようにノアに言った。
「まあまあ。あれほどの技量の持ち主ならそう簡単にはやられますまい。ドートレット仕官も隊長のように大胆さをお持ちになったほうが良いかと」
「口を慎めよベルトラン。上官に対して意見するとは随分株を上げたもんじゃないか」
焦るようにベルトランが「申し訳ありません。では、私も戦闘に入ります!」
彼は自分と半分以上も歳の違う上官たちを息子のように見守っていた。そのため少々度の過ぎることを言ってしまうこともあるのだ。
その頃ノアは交戦区域の中心部で敵を蹴散らしていた。
ノアは通信回線を開いて、連合軍に呼びかけた。
「フレアより援護に来た。俺はモビルスーツ隊隊長ノア・バルクーレだ!全モビルスーツは続け!」
通信をしている間に敵が懐に回りこんできた。しまった!そう思ったときにはもう遅い。
だが味方に恵まれた彼は、ベルファの放ったワイヤー尽きのランスによって危機を回避した。
ランスに串刺しになった敵モビルスーツはピクリとも動かず、今にも爆発しそうである。
「気を抜くなと言ったろう!敵はすぐそばだ。ベルトランを援護に行くぞ!」
ベルファのロイヤルスウィッシャーは敵を海に放り捨てると敵の水上船がある方へ向かった。
すぐに追いつこうとしたが、さっきまで無反応だった通信が突如邪魔をした。
「こちら連合軍艦ブラスター、私は艦長のレナード・ストラマーだ!攻撃を受けている!近辺を援護してくれ!」
「了解。直ちに」
172弟九話ー5:05/01/30 01:11:08 ID:???
ノアはなんだ、今頃という表情で真下にある連合軍艦ブラスターに急降下した。
「座礁している。まるで蜘蛛の巣にかかったチョウだな」
比喩的なことを言うと、その周りにまとわりつく蜘蛛こも敵モビルスーツをクローアームとビームサーベルで振り払った。
地球権では有線は役に立たないので、クローアームをつなぐ為の縄の役割に過ぎない。
「待ってろよ船酔い艦長!」
そういって暗礁に引っかかっている艦首をコロナが持ち上げる。だがバーニアをフルにしても艦首は動かない。
「ブラスター所属モビルスーツ!艦首を持ち上げるにはパワーが足りない。至急艦首に来い!」
一人で艦首を支えていると、突然ガクンと機体が動いた。海面にはモビルスーツの影があった。
ガンダムと同じアンテナが見える。振り向くとそこにはコロニー軍仕官用モビルスーツクラウゼンの姿があった。
ビームキャノンをバックパックに2門搭載し、高出力ビームライフルを2つ持っている。
コロナは座礁船から手を引くと、ビームサーベルを取り出し、大型シールドにビームコーティングを作動させ、突撃していった。

続く
173第九話続き:05/01/30 01:12:33 ID:???
主力モビルスーツとかが設定されていないようだったので、勝手に作りましたが
説明していると結構説明に食うので、事前に主力モビルスーツの解説お願いします。
174通常の名無しさんの3倍:05/01/30 01:39:39 ID:???
>>173
一応第八話までで出てた機体とパイロット
この辺は、前の流れをしっかり読んでるかどうか
が解ってしまうところでは?
ベルファがキャノンダスターから他の機体に乗り換えて
しまってますが、その辺のつじつまをどうやって合わせるか
後方支援方から接近方に急に乗り換えるのはあまり
リアリティがないような

パイロット名       機体名             タイプ
地球軍
ノア         コロナガンダム2号機    中距離戦用
ベルファ      キャノンダスター       後方支援用

月面軍
ミネア        コロナガンダム1号機    接近戦用

コロニー軍
ゲイン        コロナガンダム3号機    後方支援、遠距離戦用
175通常の名無しさんの3倍:05/01/30 01:43:14 ID:???
後、出てくるMSの説明をする時、過去のガンダム作品のMSから
持ってきてる人いるけど、それあんまりしないで欲しいですね
一応、ガンダムとは別の世界観でやってるみたいなので
ジムとかが存在してる世界観ではないわけでしょうから
ジムとかを説明に使うのは不適切な気がします
何処までオリジナルな用語でMSの特徴を説明できるかも
書き手の能力だと思うので
176通常の名無しさんの3倍:05/01/30 01:47:17 ID:???
>>175
あー、それは確かに感じる。あくまでもオリジナルなガンダム作品なんだから
MSの形状の特徴の説明とかは既存の説明のしかたに頼らない方がいいかな
177通常の名無しさんの3倍:05/01/30 01:53:29 ID:???
<<174
ベルファは新型に乗せるより、キャノンダスターで後方支援させた方が良かったかな
今までのキャラのイメージから後方支援タイプの、通称砲台イメージがついてたから
178通常の名無しさんの3倍:05/01/30 01:55:44 ID:???
>>173
そういうのは、設定されてたかどうか
人に聞くんじゃなくて第一話から自分が書く前の話まで
きちんと読んで、自分でデータベース作成しておくもんだよ
179通常の名無しさんの3倍:05/01/30 02:05:36 ID:???
ロイヤルスウィッシャーにベルファまで乗せたのはまずいと思う
機体損傷させてでもキャノンダスターに戻した方が扱いやすい
180通常の名無しさんの3倍:05/01/30 02:29:34 ID:???
まあ10話の人がうまく辻褄合わせてくれるだろう。
ベルトランはどこまでついていくんだろうか。
181通常の名無しさんの3倍:05/01/30 10:02:54 ID:???
>>180
寧ろ、ノアやベルファとチーム組んで最後まで付いてくるぐらいの勢いで
ノア、中距離戦用
ベルファ、遠距離専用
ベルトラン、近距離専用
ぐらいの扱いで
182通常の名無しさんの3倍:05/01/30 15:48:44 ID:???
10話マダー?
183通常の名無しさんの3倍:05/01/30 17:11:47 ID:???
英雄と言われたバックランドやハモンドがベクター事件引き起こしたとおもうと恐ろしいなこいつら
184通常の名無しさんの3倍:05/01/30 20:52:44 ID:???
age
185通常の名無しさんの3倍:05/01/30 20:54:07 ID:exMxhnip
186通常の名無しさんの3倍:05/01/31 11:26:02 ID:???
>>183
その辺の真相も後々開かされていきそうな予感
第三クールぐらいでベクターに行ってベクターがどうなってるか真実を見る様な展開希望
187通常の名無しさんの3倍:05/01/31 11:26:51 ID:???
キャラデザとか、誰かにやって欲しい
188第10話予告:05/01/31 12:19:40 ID:???
ハモンドの回想の中、スペースコロニーベクター01〜05にて状況を調べに行ったバックランド
そこでは過激派と称された一般市民を達を弾圧する連合軍の姿が
そこでバックランドはハモンドの思想や連合軍はいったい何なのかと考える
次回、「隠された記憶」
真実はどこにあるのか
189通常の名無しさんの3倍:05/01/31 12:22:38 ID:???
第九話からの戦闘そっちのけで第十話ですか?
通称ワンピ展開?
190通常の名無しさんの3倍:05/01/31 12:36:55 ID:???
そもそもリレー形式だとやりにくいんじゃない?
191通常の名無しさんの3倍:05/01/31 12:46:19 ID:???
>>190
そのやりにくい事に敢えて挑戦し
巧く辻褄を合わせれるかどうかが
書き手に求められてる技量だろ
書き手が評価されるのがこのスレなんだよ
192通常の名無しさんの3倍:05/01/31 12:46:56 ID:???
とりあえず10話でハモンド黒幕決定したな
193通常の名無しさんの3倍:05/01/31 13:09:26 ID:???
ハモンド黒幕と決定するのは早くないか?
裏でハモンドを操ってた上司がいるとか
そういう展開かも知れないし
194弟10話−1:05/01/31 17:45:35 ID:???
明かりもなく、薄暗い牢獄でウィリアム・ハモンド一等司令官は、ベットに腰を下ろして考え事をしていた。
思えば4年前のベクター事件。バックランドは反対だったが、なんとしても実行しなければならない任務だった。
我々は地球軍。宇宙民より地球からの移民の保護が優先だ。
 ハモンドは回想に走った。
地球軍大将の一人、ハモンドが駆る戦艦サンタンデールはバックランド率いるブラスホッパーと共に永遠に続く暗闇のような宇宙で、あるコロニーを目指していた。
「今回の任務。真に遺憾だ。評議会の決定とはいえ、住居コロニーを弾圧など」
そういってバックランドが椅子に腰掛けた。
「評議会の決定では仕方あるまい。大将といっても所詮は上層部に従うしがない軍人だよ。最高司令官も議会に口を挟むほどの器ではあるまい」
ウィスキーをコップに入れながら話すのはハモンド。一杯飲みほすとバックランドの客人席の前にある自分用のデスクの椅子に腰掛けた。
「だが連中は焦りすぎだ。新型機の製造ラインに着手したかと思うと、ヨーロッパ連合とのごたごたやコロニー鎮圧。山のように仕事を振りかける」
「それでもその連中のおかげで地球上の80%というほぼ全域を指揮下に治められるということも事実だ」
呆れたように言うバックランドに対して極めて現実的なことを言うハモンド。
現実主義者とはこうも扱いにくいものなのかとバックランドは思っていることだろう。
そう思っていると彼らのいる艦長室に連絡が入った。
「バックランド艦長。まもなくベクターコロニー帯ですので、帰還をとのことです」
「わかった。すぐ戻るとフォレスター君に伝えてくれ」
そう言い残すと通信を切り、部屋を後にした。
「では、ハモンド艦長。後ほどコロニー内で」
サンタンデールからブラスホッパーへ向かう途中、移動用の小型シャトルでバックランドは、遠くに見えるコロニーを見つめていた。
「あれがベクター群か」
195第10話ー2:05/01/31 19:26:06 ID:???
 バックランドがブリッジに戻ると、窓からはコロニーの入港口が見えていた。
「まもなくベクター01に入港します」
通信員が言った。
コロニーから誘導線が出ると、それに沿って艦はゆっくりと進んでいく。
入港口の中にはすでにハモンドのサンタンデールの姿があった。
バックランドがブラスホッパーから出ると、怒鳴り声が聞こえてきた。
「そこ!慎重に運べよ!おおい、止まれ!おい!そこのお前だ!」
一足先に艦から降りていた、三等軍尉のコールマンだ。
「サラディン君!もう少し慎重に指示したまえ」
「アイ・サー」
棒読みの返事が返ってきた。
「サラディン君、ちょっとこっちへ」
やる気のなさそうな、ボタンをはずし軍服もまともに着ない男がのそのそと歩いてきた。コールマンは男の顔を見上げて言った。
「サラディン君!君の怠慢から物資が無駄になるところだったんだぞ!上官に対して気の無い返事をするんじゃない!」
「アイ・サー」
コールマンの言ったことには全く無頓着で間の抜けた返事をすると、持ち場に戻っていった。
「今のは?」
「ここの整備士達に物資を運ばせていたところです。ですが少し目を離すとすぐにさぼるやつらばかりなんですよ。特にサラディン君は悪い。手に負えませんよ」
バックランドの問いにコールマンが説明した。
「監督が行き届いていればそんな面倒にはならんのだがな。しっかり見張っておけ。それとサラディン君」
「なんでしょうか、司令官」
さっきよりはマシな返事が返ってきた。
「君はコロナ群に転属だ。当分地球には帰れないと思いたまえ。これは司令官命令だ。取り消しはできんぞ」
そう言い残してコロニー内部に入っていった。サラディンは何も言わずに立ち尽くしていた。
196通常の名無しさんの3倍:05/01/31 21:29:14 ID:???
誰もいない予感
197通常の名無しさんの3倍:05/01/31 22:04:33 ID:???
地球軍の階級表ってないの?
とりあえず大将から軍尉まではわかってるみたいだけど。
198通常の名無しさんの3倍:05/02/01 17:00:38 ID:???
10話の中の人さぁ。読む側も続き書く側も生殺しにすんなや。
プロット捻り出すんに苦労してんのならせめて中断するならコメントの一つぐらい残しなよ。
199通常の名無しさんの3倍:05/02/01 17:47:26 ID:???
age
200通常の名無しさんの3倍:05/02/01 18:01:08 ID:???
ノア死亡



終了
201通常の名無しさんの3倍:05/02/01 22:54:22 ID:???
というわけで、改めて10話を書き直すってことでFA?
このまま終わらすのは勿体ない!
202通常の名無しさんの3倍:05/02/02 00:24:06 ID:???
途中から書けばいいじゃん
203通常の名無しさんの3倍:05/02/03 16:35:49 ID:???
以上自作自演でした
204第6話編集後記:05/02/03 23:28:51 ID:eXn/MMwd
どうも動きねぇんで、一気に書かせてもらいます。

----------------------------------------------------------------
ベクター・・・・か。
指令とはいえ、今まででもっとも忌むべき作戦であった事は間違いない。
だが、ああでもしなければベクターの治安は守れなかった・・・。ハモンドはそう言い利かせ続けた。
我々は、軍人なのだ。我々の独断によって作戦が実行されることはあってはならない。
バックランドは「これは軍人のやる事ではない。ただの虐殺ではないか。」と憤ってはいたが。
だがしかし、侵攻を決めたのは我々ではなく、評議会の連中だ。
仕方がなかったのだ。
現に、最後まで任務を拒絶したドリューの事を考えてみろ。
奴は・・・。

苦い思いを反芻していると、独房へと進む足音が聞こえてきた。
ようやっと、話がまとまったか、ライアスとやらめ・・・・。
だが、彼の前に現れたのはライアスではなく、意外な人物であった。
「これはこれは・・・地球連合軍第一司令官ともあろうお方が、なんとも無様な事ですなぁ。」
「・・・貴様!」
ハモンドをこの独房へと追いやった張本人、ショーンワイス・リッチアーディである。

時をさかのぼる事数分前。
アルテミス艦長エフィード・ライアスと要塞防衛司令官ショーンワイス・リッチアーディとの会見が開かれていた。

「貴官がリッチアーディ少佐ですか・・・。指令本部もこの度の働きには感謝しているとの通達を受けています。」
「いえいえ、宇宙(そら)の生活のうちに、地球に住む者達の了見の狭さには辟易しておりました。地球を離れ、我々は新たな道を開く・・・月の可能性に我々は賭けたのです。で・・・」
「で、とは?」
「いえ、それ以外に月本部からの通達は・・・。」
私こそが月の連中をここに導いた人間だ。その事を感謝されこそすれ、非難される謂(いわ)れはない。きっと何かしらの見返りが来るはず・・・リッチアーディは完全に舞い上がっていた。
だが、次の言葉はリッチアーディを奈落の底へと突き落とすものだった。
「ああ、忘れていました。ショーンワイス・リッチアーディ少佐、本日付をもってラオゼリア司令長官の任を解く。今後は新しい司令長官であるエフィード・ライアスに任務を引き継ぎ、その任務を補佐するよう・・・以上です。」
205第10話−4:05/02/03 23:30:02 ID:eXn/MMwd
「な・・・!?」
そんな馬鹿な、何もないどころか、降格だと!?そんな馬鹿な!?
「お、お待ちください!何かの間違いでは?」
「何かの間違いも何も、月司令部からの直接通達です。この通り辞令も。」
渡された辞令を食い入るように見るリッチアーディ。
「これは・・・これは何かの間違いだ・・・。今回の最大の功労者であるこの私に・・・この仕打ちなどッ!」
「リッチアーディ少佐。」
その口調は静かながら、反論も許さない調子でライアスは続ける。
「貴官の働きは認めます・・・。ですが、裏切り者を心の底から信じる事が出来る程、我々は能天気ではありません。」
ライアスの指示と同時に会見場に入ってくる兵隊達。一斉にリッチアーディへと銃の標準を向ける。
「言っておきますが、現ラオゼリアの地球軍の兵士達も既に拘束済みです。速やかに指揮権を譲渡いただきたい。」
「それから私からの第一の指令ですが、地球軍総本部へ貴官が直接出向き、今回の状況を報告する事。それから場合によってハモンド長官からの月・地球間の講和文書提案を直接届ける事。それが私からの指令です。・・・準備に2日間の猶予をお与えしましょう。」
・・・・呆然とするリッチアーディ。「こんな・・・こんな馬鹿な・・・・。」
「少佐、自己の責任は全うしていただけますな。」


206第10話−5:05/02/03 23:30:59 ID:eXn/MMwd
「この裏切り者が!今更ノコノコ何をしに・・・」
「裏切り者?うらぎりものぉ?これは面白い事をおっしゃる。我が身可愛さに講和条約提案をするお方にそのような事を言われるとは・・・」
「黙れ!・・・で、講和の方はどうなった・・。」
「さぁ?・・・ただあの司令官は「場合によって」と言っていましたからねぇ。可能性は少なからずある、という事でしょうよ・・・・。クックック・・・クックック・・・・」
「貴様・・・何がおかしい。」
「おかしい?おかしいじゃありませんか。同じ裏切り者同士なのに私の命は風前の灯、しかし貴方は駆け引きが成功すれば命は助かる。これほどおかしな事はないじゃないですか、ねぇ?」
「でもね・・・私はこの状況を逆転する方法を思いついたのですよ。」
そう言うとリッチアーディは懐の銃を取り出し、ハモンドへと銃口を向ける。
「貴様!何をする!」
「賭ける物が少なかったのですよ私は。月要塞と講和条約。たしかにこれでは私の負けだ。だが・・・そこに司令官の首を賭ければ、どうなると思います?しかも賭けの相手は自然と降りる事になる・・・。」
「止せ!血迷ったか貴様!」
「私の勝ちです。司令長官。」
鈍い爆発音。一瞬にして額を貫かれた物言わぬ司令長官の骸は音を立てて崩れた。
「クックック・・・これで私は助かる、助かったぞぉ!アハハハハハハ・・・・アーッハハハハハハハ!」


ショーンワイス・リッチアーディは心神喪失症と判断され、ラオゼリアの独房の中で「保護監察」となった。
彼の一応の望み通り、「賭け」には勝ったという事にはなった訳である。
そして、このハモンドの謎の死は、地球連合内として「月連合の暗殺」として片付けられる事になった。
真実の一切も公表される事もなく・・・。

                                                                                                             続く

20711話予告:05/02/03 23:46:20 ID:???
読んでたら書きたくなってきたので

ハワイ湾でなんとかコロニー連合を退けたフレアは、南米支部のあるメキシコへと進路を進める。
そこで知るハモンドの暗殺。しかし決断力に乏しいドリュー提督は、何もせずに黙っているべきだという。
やむなくドリュー提督とフレアは最高司令官スタイルズのいる英国支部へ向かうのだった。
次回、「燃える海上」
208通常の名無しさんの3倍:05/02/03 23:57:03 ID:???
余計な世話なんだろうが、なるべく早く原稿はあげてくれた方がいいと思う。
頑張ってくれ。<11話の中の人>

で、ふと疑問に思ったんだが、
南米に向かっているシェイドとの戦闘はなしなのか?
折角メキシコに向かっているんだから南米から陸路北上した
シェイド隊とフレア隊の激突なんていいかなと思ったんだが、
そのままイングランドへスルーなのか?

まぁ予告編出た時点でもはや遅しだし、そこらへんはきちんと考えて組み立てて
いくだろうなと思ってるが。

何にせよ、いい形で次の人に引き継いでくれ。

20911の中の人:05/02/04 00:18:40 ID:???
>>208
基本的にハワイ戦の続きからドリューに会うまでってことで、続き的な感じにしようと思っています。
210通常の名無しさんの3倍:05/02/04 02:37:17 ID:???
あのさ、次回予告〜内容まで時間おかないように、内容とかメモ帳に上げてから
連続的に投下するようにしてくれないかな?
211通常の名無しさんの3倍:05/02/04 02:46:05 ID:???
とりあえず10話の中の人、乙!
212通常の名無しさんの3倍:05/02/04 02:52:36 ID:???
>>210
そういうルールを付け加えればいい

追加ルール
・次回予告を書く場合は、次回予告〜内容の投下終了までの間を1時間以内に納める事
213通常の名無しさんの3倍:05/02/04 13:11:19 ID:???
てか連合軍最強のサンタンデール誰が指揮するの?
214通常の名無しさんの3倍:05/02/04 15:59:38 ID:???
>>213
うわっ、言っちゃったよ
ところで、11話の内容まだ?
215通常の名無しさんの3倍:05/02/04 16:03:45 ID:???
11話書く人に希望
9話ラストで敵MSに攻撃しかけていく所で終わってるから
冒頭と言うか前半使ってその戦闘に片付けてから先に進めて下さい
216通常の名無しさんの3倍:05/02/04 16:04:48 ID:???
と言うか、10話書いた人明らかに前の話読んでないだろ
戦闘シーンの途中で終わってるのに次の話が回想シーンで始まるとか無茶苦茶過ぎ
やっていいことと悪いことがある
217通常の名無しさんの3倍:05/02/04 16:49:24 ID:???
俺的に脳内補正したんだが、階級表

最高司令官:1人。ほとんど指揮することはない。
大将:通称提督。艦隊はレッド、ホワイト、ブルーに分けられ、それを指揮するのが提督。軍部に数人あり
中将:上と同じ。
少将:上と同じ。
戦列司令官:准将クラス。提督にはまだ早いが指揮を執るには十分と認められた階級
軍佐:大佐とかをひっくるめて軍佐。任命されたのが早い順から一等〜五等まで。3年以上じゃないと大佐クラスはなれない。ふつうは軍佐では呼ばれない。艦長にもなれる
准軍尉:軍佐と軍尉の狭間。艦長にはなれる。
軍尉:大尉とかをひっくるめた意味。他は軍佐と同じ。
以下ほかもろもろ

こんな感じか?
21811話ー1:05/02/04 17:03:56 ID:???
ノアの駆るコロナガンダムとビームサーベルを交える敵仕官用MSクラウゼン。
相手のほうがわずかにパワーが上なのか、コロナは弾き飛ばされた。
ノア「くそ!コロナが出力で負けるなんてあるのかよ!」
再びバーニアをフルにして突撃していく。
敵はビームサーベルを振りかざした。
ノア「そこだ!」
腰に携帯しているビームサーベルをそのまま作動させた。
イエローのビームが相手のコクピットを貫いた。
ベルトラン「やりましたな隊長!この勢いなら勝てますよ!」
倒す瞬間を見ていたベルトランが褒め称える。
やがて敵の増援隊がやってきた。市街地へ降りると次々と軍部関係施設を破壊していく。
コロナガンダムはすぐに陸へと降り立って、敵を破壊した。
レナード「おい!市街地戦には持ち込むなよ!俺の船は座礁して動けないが固定砲台として援護する!」
ノア「わかってますよ!でもこいつら、関係の無い人間を殺すなんてどうにかしてる!」
怒りを振りかざし次々と敵モビルスーツを破壊していく。やがてコロニー軍は撤退していった。
レナード「よくやったな坊主。だが町の有様を見てみろ。しばらくは復興作業だ」
ビルは半壊し、軍事施設の爆発に巻き込まれた市民の死体が転がっている。
ベルトラン「帰還しましょう。後はここの人間がなんとかしてくれます」
慰めるように言うとノアを含めた連合軍は帰還していった。
21911話ー2:05/02/04 18:45:35 ID:???
 艦に戻るとベルファが待っていた。
ベルファ「やっぱり接近戦用MSは俺の性に合わない。整備が遅れているからといって無茶はするもんじゃないな」
ノア「よくやったほうじゃないか?俺ほどじゃないけどな。」
二人が喋っていると、ブラスターの艦長レナードが呼んでいる。
レナード「二人共!会議室に来たまえ!」
ノア「船酔い艦長がお呼びだ」
そういって会議室に向かった。
すでにサラディン艦長がレナード艦長となにやら話しており、どちらも真剣な表情だ。
レナード「月面軍どもの暗殺らしい。軍上層部の捕虜を殺すとは、ふざけた話だ」
サラディン「私にはなんて仰えばよいのやら。とにもかくにもメキシコ支部に来いとのことですよ。ドリュー提督から」
そこへノアとベルファがやってきた。
ノア「何のようですか?」
レナード「部下によく伝えておくんだな。私は艦に戻り、君達を護衛する」
二人が来たと知るや否やレナードは部屋を後にした。
ノア「何のようですか?」
サラディン「ハモンド提督が暗殺されたんだよ。それで地球下にいる各艦長は近くの支部で至急会議だそうだ。やってられんねまったく。それだけ。じゃ解散」
用件を伝えると、すぐに会議室を出て行った。
ノア「もう寝る。しばらく戦闘は無いだろうしな・・・」
部屋に戻った彼はベットに倒れると深い眠りについた。再び目を覚ます時まで。
一行の目的地は地球連合軍アメリカ大陸連合支部のあるメキシコだ。
実は連合軍内には本部は存在しない。それは相手をかく乱するためであると言われたり、噂では南極や北極にあるのではないかとも言われている。真相はわからない。
「おい!起きろ!着いたぞ」
その太い声の主はイエンだった。
ノア「ん?もう着いたのか・・・」
イエン「何度呼んでも起きないから頭殴らせてもらったよ。寝過ぎはほどほどにな」
22011話ー3:05/02/04 18:47:54 ID:???
一行がメキシコ支部のあるラパスへと着いた。
ここはほぼ軍事施設となっており、一般市民はほとんどいない。
基地は港になっており、フレアは誘導線に沿って進み、着艦地点で停止した。
「長旅ご苦労。内部でドリュー提督がお待ちだ」
基地でサラディン艦長を出迎えたのはひょろ長い当直仕官だった。
サラディン「出迎えご苦労。では提督のところへ。ノア隊長、船員に自由行動時間だと伝えろ」
ノアにクルー全員に用件を伝えるように言うと、基地内部に入っていった。
内部といってもほとんどが野外施設なので、室内的な部分はほとんどない。各倉庫にはモビルスーツが立っており、港には連合軍所属海軍が巡回している。
と、当直仕官が「サラディン。君も出世したな。かつてはバックランド提督にコロナに飛ばされた男が、いまやフレアの艦長で、しかも地球帰還まで果たそうとは」
サラディン「どうもコールマン中尉。整備管理者だった俺も今じゃ艦長よ。結局はあんたのおかげってわけさ。給料もアップするしよ」
コールマン「それが驚いたことに、何かの因縁か、私は君の艦の副長を勤めることになってな。よろしく頼む」
サラディン「どうも。ってあんたが副長かよ。」
握手を交じわす二人。やがて平行エスカレーターを辿っていくと、大きな施設が見えてきた。
施設内に入って、道草せず一本道に司令官室へ向かう二人。しばらくすると茶色い扉に金のノブのついた部屋が見えてきた。
コールマン「着いたぞ。入りたまえ」
ノブを回し、ドアを開けるサラディン
サラディン「サラディン二等軍尉、失礼します」
「ご苦労。座りたまえ」
正面の椅子に腰掛けた男が言った。
「ここまでの経緯知りたい。話を聞こうとは思わん。航海日誌だけ置いてくれるかな」
サラディンは右手に持っていた航海日誌を渡した。
サラディン「失礼ながらドリュー提督。バックランド提督とハモンド提督が戦死したことについてはどうお考えで?」
ドリュー「確かに失礼な質問だな。私はどこにも動く必要はないとは思う。バックランドやハモンドのように動き回る提督ではないんだ」
サラディン「・・・失礼申し上げました。では」
コールマン「もう終わったのか?まあいい。とりあえず士官室に来てくれ」
221通常の名無しさんの3倍:05/02/04 19:13:41 ID:???
二人は士官室へ向かった。
そこにはこの基地の艦長及び指揮官が集まっていた。
 しばらくして説明が終わり、総員が士官室を出ようとした時、ドリュー提督がやって来た。
ドリュー「基地防衛?勝算はあるのか?でなければ英国支部にでも逃れたほうが・・・」
上層部の男「失礼ながら提督。勝算の問題ではありません。軍人として基地を守るのは当然のことでしょう?それを基地を放棄して英国支部へ撤退しろと?彼は出迎えてくれるでしょうが鼻で笑われますよ」
ドリュー「そうか・・・。そうだな。君達に任せる。で、では私も指揮を執る。我が艦・・・」
コールマン「1級フリゲート艦サンタンデールであります」
言い出せないドリューに変わってコールマンが補助する形で言った。
ドリュー「ありがとうコールマン君。そう、サンタンデール。ハモンド提督が死亡したので彼の艦の改良艦は私が指揮を執ることになる。ではよろしく頼むよ」
彼が部屋を出て行ったのをサラディンが確認すると
サラディン「あの提督大丈夫か?他の二人に比べるとどうも劣るような気がするんだよなあ」
コールマン「彼は評議会の決定に異議を唱えたとして英国支部から、前線基地であるメキシコに転属になった。4年前にな。だが指揮を見ている限り有能とは思えんな。内部での喧嘩や怠慢にすら気づいてない人物だからな」
士官室のドアにこっそり耳を潜めていたドリュー提督は、何も言わずにこそこそと部屋を離れた。
ドリュー「私には提督という地位が重すぎる。ただ能が無いのかもしれない・・・」
一人ぽつりと呟く提督であった。
22211話ー5:05/02/04 19:15:15 ID:???
司令官室の前を通るサラディン。するとドリュー提督が
「サラディン君。ちょっとこっちへ」
部屋へ誘導され入手するサラディン
ドリュー「君は防衛戦と聞いてどう思う?私はどうも賛成できんが・・・。偵察隊によれば相手はコロニー軍のシェイド隊の他にフリゲート艦が10隻だ。シェイド隊は知っているだろう?バックランドでさえ手こずった連中だ」
なんといっていいのかわからないサラディンは適当な言葉をつなぎ合わせて
サラディン「ですが提督。今更逃げたところでどうにかなるんですか?英国支部がそれほど役に立つとは思えませんよ」
にやりと笑うドリュー
ドリュー「英国支部は地球軍一の海軍を持っている。そうかつて大英帝国と呼ばれた時代のようにな」
事実、英国支部の海軍は脅威であり、依然として宇宙を拠点する軍が地球軍統率地区に近寄れないのは英国支部のおかげでもある。
ドリュー「フレアだけはなんとしても救いたい。考え直すのも手だ。どうしてもというなら私もサンタンデールUで出る。・・・行っていいぞ」
サラディンは疑問に思いながら退室した。
なぜドリューはそこまでしてメキシコから出たいのかと。
 一方、メキシコから南部にあるグアテマラではシェイド隊率いる分隊が刻々と迫るメキシコ基地攻撃の準備をしていた。
「知将、バックランドを退けさせたシェイド隊と聞いて連中がひるまないはずが無い。メキシコ陥落は目前だな」
仮面の奥に笑みを見せるヴェルであった。

つづく
223通常の名無しさんの3倍:05/02/04 19:18:06 ID:???
急いで描いたのでかなり雑な文章になりました。すいません・・・
とりあえずドリューはヘタレということにしておきました。
英国のことばかり言うのは元いた国へ戻りたいからということで。
224通常の名無しさんの3倍:05/02/04 20:27:39 ID:???
地球軍へタレ多すぎじゃないか?
メキシコも占領されそうだし、イギリスへ逃げて最強海軍とコロニー軍とかとの激突とかもおもしろそう。
225通常の名無しさんの3倍:05/02/04 21:08:19 ID:???
11話面白かったです。
今までの話を上手くまとめられていて。
さあ、後は12話と13話で1クール終了、14話からは2クール目ですよ
種ガンダムなら14話からオープニングとエンディングが変わったりしますが
ガンダムネオはどうなるのか、今から楽しみです
13話を書く人は
13話で1クールをすっきり締めるか、13話14話で前後編にして1クール目の興奮を2クール目に持ち込むか
責任重大ですね。

その前に提案。
過去ログより、13話終了後に1クール分の総復習と状況整理等の為に総集編(話数に含まれない)が入るそうですから
この総集編の予告を13話書いた人に任せると言うのはどうでしょうか?
13話予告を書く人は、「13話予告」、「13話内容」、「総集編予告」を書いて
その後に、今までの流れと、登場した機体やパイロットをデータ化して2クール目を書く人に状況が解りやすい様にして
それが終了した後14話から続けると言うのはどうでしょうか?
226通常の名無しさんの3倍:05/02/04 21:23:18 ID:???
無能のドリュー率いるサンタンデールUがどんな活躍するのか楽しみ
227通常の名無しさんの3倍:05/02/04 21:47:07 ID:Zxb7BoXN
頼む!次かく椰子は巨大ガンダムを敵キャラでだしてくれ!
228通常の名無しさんの3倍:05/02/04 22:43:31 ID:???
12話きぼんぬ
229通常の名無しさんの3倍:05/02/04 23:22:24 ID:???
>>227
それは2クール目終わり頃に持ってきた方が盛り上がりそうな予感
230通常の名無しさんの3倍:05/02/04 23:36:56 ID:???
サンタンデールはフレアと同等の戦力と考えてよろしいか?
231通常の名無しさんの3倍:05/02/05 02:34:32 ID:???
>>230
いや、地球圏連合最大の戦力だろ
でなければ指揮官クラスが安心して乗れるわけが
つまりフレアの5〜6倍の戦力は持ってるかと
232通常の名無しさんの3倍:05/02/05 03:39:15 ID:???
5分で想像のサンタンデールをノートに描いてみた。
砲門24って実際に配置してみると結構難しいな。
マジでフリゲート級って最強だと思った。
23312話の前に:05/02/05 12:16:19 ID:2nmyx1Ho
えーと、12話を前に。
前以て謝らさせていただきます。

本来1話リレー方式である事のルール違反を今から行います。
これから、12話・13話分を一気にアップさせていただきます。

理由としては、個人的にいい展開が書けたにもかかわらず、尺を飛び出てしまった事。
それと、今まで読んできた中で自分の中で腑に落ちない点が色々あり、
それを消化する上でどうしてもここでケリをつけたいと(個人的に)思っていた事の
二点です。

読者の方とこのスレを立ち上げた方には大変我侭な行為である事も認識の上です。
その点は大変申し訳無く思ってます。

ただ、我侭を通す上でそれなりのものをあげて楽しんでいただかねばと思って書きました。

では。12話・13話分をお楽しみください。

23412話予告:05/02/05 12:17:20 ID:2nmyx1Ho
ハワイを後にし、北米メキシコに到着したフレア。
一方、南米を北上していく一つの影。
影はいよいよ逃した獲物に牙を突き立てる。
次回「漆黒に染まる森」
彼等は、本物の敵に遭遇する。
23512話予告:05/02/05 12:17:59 ID:2nmyx1Ho

コロニー軍北米反攻拠点・グァテマラ。
ヴェル・アイザ・エルクランとゲイン・ラッドストアは陽が落ちようとする時間でさえも自分の体力が奪われそうなまとわりつく外気を避けようと、大通りのカフェを見つけて出撃前の夕食を取っていた。

「ゲインは地球は初めてだったな。どうかね?」
「嫌な場所ですね。この暑さといい、太陽の眩しさといい、淀んだ空気といい・・・おまけに飯も不味い。
こんな場所で住んでいる人間の気が知れませんよ。大地の奴等が嫌いな分、なおさら好きにはなれそうにないです。」
「ハハ・・こうも苛烈な環境のコロニーはないからな。始めて降り立った場所がこれでは、そうもなるか。」
「任務を終えて早くコロニーに戻りたいですよ。苦もなく星を間近で感じることのできる場所に戻りたいです。」
「確かに・・・ここは星を間近で見るには苦労する場所だな。が、いつも間近で見れればいい、というものでもないのだよ。宇宙は。」
「それは、どういう・・・?」
「こんな話を聞いたことがある。ある時、とある宇宙飛行士が事故により乗っていた宇宙船から離れ、ノーマルスーツのみで数日間、宇宙を漂った・・・。その時、彼は何を思ったと思う?」
「いや・・・想像がつきませんね。」
「恐怖しか感じなかったそうだよ。自分が思い焦がれていた世界へと望みどおり思うがまま感じることができる空間であったというのにな。だが実際は自分の呼吸以外はひたすらに静寂が支配し、そしてどこが上で、何処が下だと言うのか・・・・。」
「・・・・」
「ゲイン。我々が住み、戦っているコロニーやモビルスーツ越しの空間はそういう側面もあるという事を覚えておく事だ。宇宙は人が思うほどに人に優しくはない。」



23612話予告:05/02/05 12:18:51 ID:2nmyx1Ho
そう言うと彼は残っていたコーヒーを静かに飲み干した。
「さて・・・こうしている時間も惜しい。そろそろハイキングの時間だ。少しばかり厳しい道のりではあるがね。」
「よぉ、やっぱりあんたが来たか。」
ゲインの後ろの方でヴェル達に親しげに近づいてきた男がいた。
赤銅色に染まった人懐っこい柔和な表情。そしてヴェル達より多少小柄ながらも締まった体。
見る人間が見れば、百戦錬磨の男である事は想像がついた。
「ご苦労様です。"スネーク・エディ"。」
「どこの誰かと思ったが、やっぱりアンタか。"ヴェル・ザ・レイヴェン"。」
その男・エドゥアルド・カンピオは仮面の男と久しぶりの遭遇に笑みを見せた。
「外の黒い奴、見せてもらった。いかにもアンタが好みそうなヤツだな。」
"黒い奴"、とはヴェルが今回の作戦に合わせて地球に下ろした専用のモビルスーツのことである。
シェイド主力の空戦用MS・ゲイラよりはその体躯のスケールはむしろ薄目だ。
だが、夕闇を背にして立つその黒き姿は彫刻を思わせる程に整い、美しい。
「フギン・ムニン・・・・コロナ03の時に間に合えばよかったのですがね。奪ってきた新型機に比べればスペックこそ落ちますが・・・まぁ私にはこれくらいのものが相応ということです。」
「フン。これくらい、ねぇ。アンタのこれくらいと普通のやつとのこれくらいは訳が違うからな。」
「まぁ、アンタと俺とを組ませた、って事はメキシコ攻略を本気でやろうとしてる、って事だろうよ。期待してるぜぇ、"レイヴェン"。俺はアンタの後で美味しいところだけもっていかせてもらうさ。」
「やれやれ・・・相変わらず楽する事ばかり考える人だ。では、行きましょうか。」
23712話−3:05/02/05 12:19:57 ID:2nmyx1Ho
「防衛戦をやるかどうかって俺に聞かれても・・・ホントにやる気があるのかね、ドリューのおっさんは。」
サラディンはフレアの艦橋上で考え込む姿を見せつつ疑問を口に出した。
「サラディ・・・いや、艦長、口を慎んでもらえますか。仮にも第一司令長官をそんな蔑称で呼ぶなどと・・・。」
コールマンがたしなめる。
「なぁ・・・・副長・・・・。」
「何ですかな、艦長?」
「うちら・・・・地球連合って大丈夫だと思うか?」
「・・・はぁ?」
仮にも敵との戦闘直前にこの男は何を考えているのだ?
「考えてもみろよ、ここ数日で第一司令長官を二人も失って、で残った人間といやぁ、あのドリューのおっさん・・・。言っちゃあなんだが・・・・これが第一司令長官か、って思ったよ。」
「・・・・な、なんたる事を!か、いやサラディン君!今の発言は艦長とはいえ聞き捨てならないぞ!」
「・・・・・・ハァ。」
サラディンは大きく溜息をついた。
別にこの男や司令長官達に恩義を感じて軍にいる訳ではない。が、周りの人間や上につく上司達が有能であった方がいいに越した事はないのだ。
まだ二十歳に満たないはねっかえりのパイロットや謹厳実直すぎて融通の利かない男や、暇さえあればドーナツを食う男など、そりゃ問題のある奴等は多い。だが、彼等なりに一生懸命やってはいることをサラディンは感じ取ってはいた。
彼等の頑張り、ましてや俺達を護るために散っていった命を考えるとそれを無にはできない・・・だが、自分たち護る対象の人間が「これ」では・・・あまりに俺達は哀れではないか、と思う。
「もう、降りようかなぁ・・・・ってうわ!」
軽く口に出そうとしたが、止めた。
自分の目の前にエイショウ・トウマが立ち塞がってきたからである。
「・・・・」
「な、何よ、大尉。」
「不安なのは・・・・貴方だけではありません。」
「・・・大尉?」
「ですが・・・・我々は戦いぬいて行かなければなりません。上がそんな調子では、他の人間の士気に響きます。せめて我々は・・・どうにか・・・・。」
苦渋の表情でトウマは諭した。
「・・・・悪かったよ。もう弱音は『人前じゃあ』吐かねぇ。・・・・ありがとうよ。」
その時だった。イエンのいつもより緊張した声が聞えてくる。
「艦長・・・来ましたよ、奴等。」

23812話−3:05/02/05 12:21:11 ID:2nmyx1Ho
「正面から、まともに、か!?」
ドリューは驚いた。
「はい、フリゲート級10、情報通り、基地正面からです。」
「・・・・私達を、舐めるにも程があるぞ、シェイド!」
机を叩き、ドリューは激怒した。
・・・だが、それならそれでいいのではないか。敵がこちらを舐めているのであれば、こちらにも勝機がある。
奴等が我々の「至宝」の存在を知らないのであれば。
「よし、敵をギリギリまで引きつけろ。サンタンデールの射程距離に入るタイミングで一世放射をかけ、サンタンデール発進。一気に敵を蹴散らすぞ!」

「くっそ!まさか正面切ってくるとは思わなかったぜ!」
サラディンは敵と応戦しながらも、何かしらの違和感を感じていた。
しかし・・・・何かがおかしい。
敵が本当にあの「シェイド」なのだとすれば、こんな正面から勢いで潰すような攻勢をかけるだろうか。そんな勢いだけの戦いでいままでの戦局を乗り切って来れたのか。
少なくとも、こんな戦いは戦術の素人がとる戦いだ。俺でもそんな事は解る。
だが、そうこうしているうちに、後方からメガ粒子砲の一斉照射により、シェイドのフリゲート艦の2隻が落とされた。
「こりゃあ・・!」
「あれが・・・・サンタンデール!」
連邦軍の象徴である、白亜の旗艦・サンタンデールが24の砲門をフル活用して、基地から発進、攻勢を仕掛ける。瞬く間に落ちて行く敵機モビルスーツとフリゲート艦。流石は連邦軍の誉れ高き艦である。

が、そのサンタンデールを暗闇で冷静に見つめている人間がいることを彼等は知らない。

「相変わらずの大艦巨砲主義か・・・。
そんな時代はとうの昔に終わっていると言うのに・・・・哀れな。」
そこに味方からの連絡が入った。
「隊長!サンタンデールの他に、奴等が・・・!照合確認しました!驚かないでくださいよ・・・フェニックスです!コロナ03で遭遇したヤツです!」
「あぁ、こちらも確認している。逃した大物を再び狩るチャンスが来るとは・・・・労を厭わず降りてきた甲斐があったな。行くぞ、ゲイン。」
23912話−5:05/02/05 12:36:07 ID:2nmyx1Ho
「よし、このままシェイド隊を蹴散らすぞ!!」
が、その瞬間。サンタンデールの前方の砲門が次から次へと破壊されて行く。
「な・・・・何だと!?」
敵からの砲撃からは距離外。上空にモビルスーツの影も見えない!?
「ど・・・どうなっているッ!?」
ドリューが前を凝視すると、揺らいだ空間から、漆黒のモビルスーツが現れた。
「・・・・あれは!?」
擬態モードでサンタンデールに近づき、破壊していたミラージュ・コロイド武装の"フギン・ムニン"である。
「ぐわっ!?」
艦の下部から衝撃が走る。地上の森に潜んでいたコロナ3号機からの火砲一斉照射により、艦はバランスを失った。隙を尽き、艦橋へとりつく"フギン・ムニン"。
「あ、あああああ・・・・・・・!」
艦橋にビームサーベルを付きたて、黒いモビルスーツはサンタンデールから去る。無数に起こる爆発の華を置き土産にして。

「なっ・・・!?あれは!?」
敵モビルスーツを迎撃していたノアはサンタンデールの落ちる様を目撃していた。そして、そこから立ち去る黒いモビルスーツの姿も。
「あの赤いヤツか。だが・・・!」
そう言うや否や、単身コロナ2号機へと突っ込んで行く。
ビームライフルで照準をあわせ、発射するノア。だが、その攻撃をことごとくかわして前進する。
「モビルスーツを乗りこなすとは・・・こういう事だッ!」
前進しつつビームサーベルを腕に持ち、2号機へと斬りかかる。シールドで受けとめる2号機。
が、そこから即座に後方へと回り込むフギン・ムニン。
「!?いつの間に後ろに・・・!」
ビームライフルを放つ2号機。だが、至近距離からの攻撃も軽やかに交わし2号機の腹に蹴りを放り込む。
「なん・・・!?」
「だから青いと言っているッ・・・ゲイン!」
一瞬動きの止まった2号機の隙を逃さず、3号機から全火器が地上より浴びせかけられる。
北米への道程の最中の模擬戦で何度となくヴェルに教え込まれた連携攻撃!
「ぐあァァァァッ!」
対空砲火により制御を失った赤い機体が漆黒の森へと姿を消した。
「獲物は追い込んだ・・。あとは貴方の出番だ、"スネーク"。」

                                                     続く
240第13話予告:05/02/05 12:37:56 ID:2nmyx1Ho
認めたくなかった、だが認めざるを得なかった。
自分が非力であったという事に。
絶体絶命の危機の中、ただひたすらに戦ってきた少年は
残酷な真実を突きつけられる。
果たして、その時少年がとった行動とは・・・。

次回、「嵐の過ぎし後(のち)」

宿命に打ちひしがれた時、人は何を思うのか。

241第13話-1:05/02/05 13:03:43 ID:2nmyx1Ho
「ノア隊長の応援に行く!ベルファ、ここは頼むぞ!」
「ベルトランさん!ノアをお願いします!」
やれるのか?ベルファ・・・・いや、やれるかどうかじゃない。やるしかないんだ!
すぐさま、フレアのサラディンと連絡を取るベルファ。
「ノア機が戻るまで自分が代わりに指揮を取ります!今は、戦線を維持してください!艦長!フレアの状況は!」
「こっちはまだまだ大丈夫だ・・・だが、これが続けばこっちもヤバい。」
「こちらの戦線が崩れはじめる時が勝負と考えてください!艦は今は速度維持で!」
「了解だ。トウマ大尉!フレアの砲撃はまだ保(も)つか?
「こちらはまだ大丈夫です!」
「よーし、今は無駄弾は極力使うな。カミオミンデ(艦搭載対空ミサイル)中心に迎撃してくれ。スピキュール(メガ粒子砲)は極力使うな。攻勢をかける時期はこちらで指示する。」
「トルーカ基地からの応援は!?」
「援軍到着までどう急いでも30分近くかかるとの連絡です!」
「30分だぁ!?ここが落ちたらお前等だって首だって言えば10分は早くなるんじゃねぇのか!」
「イエン!状況変化があれば即時報告だ!この期に及んでドーナツ食ってたらテメェの体を輪切りにして揚げてやるぞ!」
早く戻って来い・・・ノア・・・・!

「・・・・俺は・・・?」
「隊長!大丈夫ですか!」
森林へと落ちたノアに対してベルトラン機が近づく。
「あぁ・・・打ち身はするけど、大丈夫だ。」
「よかった・・・。すぐに戦列復帰できそうですか。」
「ああ、まだ機体は動けるようだ。」
2号機が体制を立て直そうとしたその瞬間。密林の奥から何十本という光条がノア達に向けて放たれた。
「くっ!?」
必死でシールドで防御が、機体を外れたビームはノア達の周りの樹木を次々となぎ倒す。
そしてその倒木の数本がノア達に向かってくる。
「ぐわっ!」倒木があらぬ方向から2号機に向かい、避けきれずにバランスを崩すノア。
「隊長!」
その中、必死にサーベルで倒木を寸断し、隊長機を守るベルトラン。
鋭いクロー状の腕と足を持った森林仕様のモビルスーツ・グラッツ隊がエドゥアルド指揮下の元、二体のモビルスーツへと襲い掛かる。
「ありがとうよ、ヴェル・・・美味しくいただくことにするぜっ!」
242第13話-2:05/02/05 13:13:55 ID:2nmyx1Ho
「このぉぉぉっ!なめるなァァァァァっ!」
再び体制を立て直し、ビームライフルで敵を迎撃しようとする2号機。だが我を忘れかけている彼は倒木により足場がおぼつかなくなっている事に気が付かない。バランスを崩して照準を外してしまう2号機。その間にも次々と襲い掛かるグラッツ隊。
それを助けたのはベルトランだった。
周りに倒れている倒木を所構わず蹴りつけ、投げつける。
向かってきた倒木を避けられずにぶつかる機体。そしてその煽りを食ってバランスを崩す者も続出する。
「クッ・・・!一筋縄じゃいかねぇか・・・・!」
巧みにあちらの攻撃を避けながらもエドゥアルドは苛立ちを感じていた。

一方、上空ではシェイド隊の攻勢に前線が破られようとしていた。
相手がコロニー精鋭部隊のシェイド隊でである。上空からはフギン・ムニン中心のモビルスーツ隊の攻勢を受け、下からはコロナ2号機の容赦ない火器放射で、基地のモビルスーツ部隊は次々と落とされていく。
「さて、いよいよ終幕といくか!」
前線の薄い所を突き、一気に勝負を仕掛けるヴェル。
前線と"フェニックス"間との距離からして、その地点ならフェニックスの攻勢が届くことなく一点突破し敵を叩ける。そう踏んでの勝負であった。"フェニックス"との最初の遭遇であの距離からの攻撃はないと頭に入れていたヴェルの判断である。
だが、相手は最新鋭艦である事をヴェルは忘れていた。いや、忘れていたわけではない。ただ、その攻撃範囲が常軌を逸脱していただけの話である。
「よっし、敵さん食らいついてきた。ありったけの弾丸(たま)ァ正面にぶつけてやれ!」
「了解!スピキュール・カミオミンデ12時方向に斉射!ってーーーーーーーーっ!」
夜の闇を光の光線が遮る。
「何・・・・・だとっ!?」
ありえない距離からの砲撃にシェイド隊の数機・そして艦の一部が光に飲み込まれた。
「あそこから届くというのか・・・チィ!」
「よっしゃ!モビルスーツ隊と各艦隊に連絡!各機帰還せよ!機関全速後退!敵さんがひるんだ隙に俺らを殿(しんがり)に巣に戻るよう連絡だ!」
「待て、そんな勝手な指示が全部隊に通ると思うか!?」コールマンが諌める。
「ここで退かなきゃ全滅だって事ぐらいみんなわかってるっしょ!命が惜しけりゃどんな指示だって従いますよ!」
243第13話-3:05/02/05 13:21:24 ID:2nmyx1Ho
「隊長!帰還命令が出ました!空へと逃げましょう!」
「わかった!」
息も絶え絶えながらグラッツ隊の攻撃を何とか退けていたノアとベルトランはタイミングを見計らって空へと逃げる。
密林専用機体で軽量化を行っているグラッツにはバーニアという「無駄」なものは省かれていた。二人はどうにか窮地を脱し・・・たかに見えた。
「おいおい・・・メインディッシュを下げてくれるなよ!」
しなりの利く樹の数本をジャンプ台にして、その天辺から跳躍して空へと飛び上がるエドゥアルドのグラッツ。そのままコロナ2号機へとクローを伸ばして襲い掛かる。エネルギー切れ直前でバーニア移動をするだけの2号機は思うように動けない。
「うあああああっ!?」
「もらったぁぁぁぁぁっ!」
グラッツのクローは機体の腹部を貫いた。

「な・・・・っ!?」
そう、確かにグラッツのクローはモビルスーツの機体の腹部を貫いた。2号機の前に身を挺して踊り出たベルトランの機体を。
「隊長!・・・・早く艦船(ふね)へ・・・・・!」
それがベルトランの最後の言葉だった。2号機の目前で爆発とともに四散するベルトラン機。
「ベルトラアァァァァァン!」
ノアの声が空しく2号機内に響く。
そしてその爆風に押しのけられ地上へと降下して行くグラッツ。
「・・・・邪魔が入ったか・・・!」
出来る限りのモビルスーツ部隊を回収し、最大船速で戦線を離脱するフレア初めとした基地部隊。
「くっそ!このまま終われるか!」
地上に着地し、なおも追いかけようとするエドゥアルド率いるグラッツ隊。
「スネーク・・・申し訳ない。」そこにヴェルからの通信が入った。
「いや、あんたのせいじゃないさ。」
「そうじゃない・・・どうやらメインディッシュは後回しにせざるを得ない。」
「何だぁ?アンタらしくねぇなぁ。俺達ァまだ戦えっぜぇ。」
「トルーカの増援部隊がどうやらあと数分で来るとの連絡が入りました。これ以上の戦いは・・・・。」
「・・・あ"〜。そっか。もう少しだったのに、よ・・・。」
「好物は一番最後にとっておけばおくほど、旨味は増す、そういう事にしておきましょう。」
「・・・もっとも、そろそろいい加減ありつきたいものですが、ね。」


244第13話-4:05/02/05 13:25:29 ID:2nmyx1Ho
フレアに着艦したコロナ2号機。
ようやっと、そこからノアは下りてきた。
が、そこに隊員のある一人が憤然とした顔でノアへと噛み付く。

「何をやってたんですか・・・・!」
「おい、止せって。」
「俺達の仲間が次々に落とされていく時に、隊長は一体、何をやってたんですか!」
頭の回路が繋がらない。何か言われているのはわかっている。けれど、それが何なのか理解できない。
「今日こそ、今日こそ言わせてもらうぞ!アンタ、最新機のモビルスーツさえ使えればそれでいいって思ってんだろ!自分が敵機を落とせば何もかも済むって思ってんだろ!
アンタ、これまで月からここまででどれだけの仲間が命を落としたのか考えた事あんのかよ!アンタにとっちゃただの駒かもわからねぇけどな。俺達にとっては月で戦ってきた仲間なんだよ!
・・・ベルトラン隊長がどんな気持ちで俺達を宥(なだ)めていたかわかってんのか!
「彼は若い、俺達が支えていこうじゃないか。」って・・・・その人が亡くなったっていうのに・・・アンタは何も言わねぇ。どういう事だよ!どういう事なんだよ!」
なおも何か言おうとする隊員。仲間達が必死で押し止める。
「離せ!離せよ!畜生!」

何か、遠くで声がする。自分の心の外で声がする。
一体、何を言っているんだろう?ああ、責められているのか、俺は。

「・・・ったくなぁ、見たかよ。2号機。」
「あぁ、ボロボロじゃねぇか。おまけに副長さんまで失ったんだろ?」
「なんだかなぁ・・・自分の機体がたまたま奪われなかったからパイロットになっただけでさぁ。ちょっと調子に乗ってたんじゃねぇ?」
「ハモンドの事責めてたけどさぁ、テメェだって殺しまくってんじゃねぇの、まぁ英雄さんって敵にせよ味方にせよ殺した人間の分だけ偉くなるらしいからよ。これからも自分は生き残ってどんどん英雄になる・・・」
「・・・・・オイ!」

虚ろな目をしながらノアは声のした方を見る。が、その目はその場にあるものを見てはいない。

わかってる、わかってたさ。俺のせいで何人も味方が死んでった。
それを認めたくなかっただけだ。
何が悪い?望まれもしない立場に立たされた俺の気持ちなんか誰がわかるもんか。
どいつもこいつも、俺に押しつけやがって。
もう、うんざりだ、こんな事は。
245第13話-5:05/02/05 13:28:02 ID:2nmyx1Ho
「う”ぁぁ・・・どうにか生き残ったな。」
一つ背伸びをしてサラディンは緊張をほぐした。
「お疲れ様です、艦長。」
砲撃指示室から出てきたトウマが毅然と声をかける。
「おう、お疲れ様・・・にしても、いつ何時でも肩肘張ってんねぇ大尉は。少しは力抜けばいいんじゃないの?」
「いえ、あの・・・軍に入ってずっとコレで通してるので、今更変えろといわれても・・・。」
「イエン、ようやっとたらふくドーナツが食えるな・・・。」
「う”−ん、地球のドーナツってなぁんかこう、いつも馴染めないんだよなぁ、脂臭くて。」
しかめっ面をしながらも次々とドーナツを腹の中におさめるイェン。
「ってもう食ってんのかよ・・・・。」
そこに悄然としたノアが入ってきた。
「おう・・・・ご苦労さん。」
サラディンがノアに近づこうとする、その前に彼は自分の右手を差し出した。その掌の上には二等指揮長の階級章が。
「もう・・・俺、下ります。」
「あん?」
「この艦、下ろさせてください。コロナも他の人に譲ります。」
「・・・・おいおい。ちょっと待・・・」
「何かあったら俺の責任にされて・・・もううんざりだ、もう沢山なんだよ!なんで俺がそんなことまで背負わされなければならないんだ!」
階級章を叩きつけるノア。
「そもそも隊長なんかやりたくなかったんだ・・・これでせいせいしますよ・・・失礼します。」
背を向けて艦橋を後にしようとするノア。
が、その前に一人の男が立ち塞がった、トウマ大尉である。
「どいてくださいよ・・・・」
無言でノアを凝視するトウマ。
「どけって言って・・・!」
そうノアが啖呵を切ったと同時にトウマの拳がノアを撃った。もんどりうって艦橋に倒れるノア。
「っ痛・・一体何す・・」
「甘ったれるな、小僧ッ!」
艦橋が割れんばかりの奮えあがりそうな声で恫喝するトウマ。

246第13話-6:05/02/05 13:32:38 ID:2nmyx1Ho
「隊長なんかやりたくなかった、だと?せいせいする、だと?だったら最初っから隊長など引き受けるな!みんなが必死で生き残ろうとしている中で、生き残れなかった人間もいる中で自分一人がそんな我侭を言うのか!
そんな我侭を言う隊長に亡くなった者たちは、ベルトラン副長は命を託した訳ではないぞ!ここでお前が下りるという事は、ベルトラン副長の死も無駄死になるという事だぞ!それが何故解らない!」
「トウマ大尉、もういいだろ。」
「いや、しかし・・・!」
「もういいだろう!・・・大尉の言いたい事は伝わっただろうよ。」
呆然とするノア、そこに近づくサラディン。
腰をおろすと、彼は前からノアをそっと抱きすくめた。そしてゆっくりと、諭すように話す。
「悪かったな・・・俺が『断るなよ』って言ったばっかりによ。」
そうしてポン、とノアの方を軽く二、三度叩く。
「けどよ、お前さんだけじゃねぇんだ。俺にしたって、大尉にしたって・・・いや、このフレアの中にいる連中殆ど、望んでこの艦船(ふね)に乗っている訳じゃねぇんだ。
そこを逃げたい気持ちをずっと押しとどめて、生き残るために必死こいてやってんだよ。お前さんだって、そうだろ。だから・・・頼むから俺達を置いて行かないでくれよ。
何だかんだ言ってお前さんの事は頼りにしてるんだ。ここにいる人間、そりゃ確かに未熟モンの集まりかもしれねぇ。でも、だからこそ俺達は離れることなく、固まって互いを補っていかなきゃ生きていけねぇんだよ。
いいんだぜ、力抜いたって。頼りにしてくれたって。未熟モンでも頼りにしてくれりゃ、意気に感じて動く気持ちはあるんだ。年下の頼みを年上がどうにかするのが仕事みたいなもんだからよ。」

あぁ、そうか、そうなのか。俺はいつも一人で戦っていた。
一人で意気がって、どうにかしなけりゃと思っていた。
月での時にしても、その責任に押し潰されちゃいけないと、気丈にふるまってた。
俺が駄目なら全部駄目になる、そう思っていた。
けど、そうじゃなくていいのか。
自分で全部、背負い込まなくてもいいのか。

「・・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい・・!」
慟哭の中、ようやっとノアは言葉を紡ぎだした。後は言葉にならなかった。    

続く
247第13話-誤植訂正:05/02/05 13:43:31 ID:9JWPMcu+
〕242

>相手がコロニー精鋭部隊のシェイド隊でである。
>上空からはフギン・ムニン中心のモビルスーツ隊の攻勢を受け、
>下からはコロナ2号機の容赦ない火器放射で、
>基地のモビルスーツ部隊は次々と落とされていく。

×コロナ2号機 → ○コロナ3号機

うわ、やっちまった・・・。
ノアが自分の味方攻撃してどうするよ・・・。申し訳無い。
248通常の名無しさんの3倍:05/02/05 17:34:29 ID:???
こりゃマジで英国支部行かないと駄目だな
249通常の名無しさんの3倍:05/02/05 18:36:41 ID:???
12話〜13話書いた人
総集編予告書き忘れてるよ
総集編予告を書くときの注意点
・総集編は話数に含まない
250通常の名無しさんの3倍:05/02/05 18:46:43 ID:???
12話について突っ込み
シェイド・コミュニティ隊はコロニー連合軍の中でも上層部しか存在を知らない特務部隊
地球圏連合軍にその部隊名が知れ渡ってるのはおかしくありませんか?
>>238参照
251第12・13話の中の人:05/02/05 19:06:36 ID:l30zlWUW
>249さん

いや、提案レベルの話と思ってたので、いらねぇかなぁと思ってました。(汗
次レスで改めて予告書きます。

>250さん

やっぱ突っ込み来ると思ってました。<有名化してしまったシェイド隊>
これについては11話「燃える海上」の222の下りで

>ドリュー「君は防衛戦と聞いてどう思う?私はどうも賛成できんが・・・。
>偵察隊によれば相手はコロニー軍のシェイド隊の他にフリゲート艦が10隻だ。
>シェイド隊は知っているだろう?バックランドでさえ手こずった連中だ」

>なんといっていいのかわからないサラディンは適当な言葉をつなぎ合わせて
>サラディン「ですが提督。今更逃げたところでどうにかなるんですか?
>英国支部がそれほど役に立つとは思えませんよ」

って出ちゃってるんですよ。
こう話として出てしまうと辻褄が合わなくなってしまうので、名称を出さざるを
得ないと思った訳です。

252通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:10:07 ID:???
13話までの所で、シェイド隊の部分は、「コロニー連合の中隊クラス」または単に「敵さん」に置き換えて読むように
しませんか?
253通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:10:28 ID:???
総集編やろうと思ったけど、年代と月日がわからない
254通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:11:24 ID:???
>>253
総集編と書いて
別名、今までの流れを図にしてまとめる
と読む
255通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:13:14 ID:???
>>251
11話のその部分

>ドリュー「君は防衛戦と聞いてどう思う?私はどうも賛成できんが・・・。
>偵察隊によれば相手はコロニー軍の他にフリゲート艦が11隻だ。
>中には歴戦の強者もいよう」

と言う風に書き直しの方向で
256通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:14:15 ID:???
総集編で1クール分のキャラクターの状況
世界の動き、フレアとアルテミスとカオスハンガーの航路を別個にまとめて
次から書く人はそれをきっちり読んでから書くようにして欲しいかな

>>250でも言われてるけどこういうキャラの立ち位置を間違えるような初歩的なミスは
はっきり言って読む方萎えます

シェイド・コミュニティ隊の扱いについては
地球圏連合軍に存在を知られていてはまずいので、
今後、以下の共通設定で統一しませんか?

シェイド・コミュニティ隊
コロニー連合軍上層部ですら隊名しか知らない特務隊
コロニー連合軍総帥からの直接の命令で動く
基本的に隠密行動を主とするため総帥命令でどこかの隊に配属され
配属先では、常に配属先の隊の最下級階級として扱われる(例:南米戦線)
このため、シェイド・コミュニティ隊は転属命令が多い
また、何故か軍上層部からの司令で、配属先の隊の最下級階級なのに隊の最新型の
機体を回される
また、総帥からの命令によってはシェイド・コミュニティ隊単独で行動をする事もある(例:コロナ03)が
隊単独で行動する際は、コロニー連合軍の他の隊が持たないシェイド・コミュニティ隊のオリジナルMSを
使用し、識別信号もコロニー連合と別の物を使用し、どこの軍に所属する部隊か
決して正体を明かさないように行動する
また、独立行動中に遭遇した軍(地球圏連合、月面連合、コロニー連合)は全て口封じのために
撃破する事が義務づけられている
そのため地球圏連合や月面連合軍、コロニー連合軍上層部(総帥と、その周辺の者)以外は
シェイド・コミュニティ隊と遭遇した者が(100%死亡するため)存在せず
シェイド・コミュニティ隊と言う隊を認識できるものは現在の所コロニー連合軍上層部以外に存在しない
257総集編予告:05/02/05 19:14:26 ID:l30zlWUW
始まりは、2機のモビルスーツの強奪だった。
いや、本当はずっと前から始まっていたのかもしれない。
穏やかに時が流れていたように思われていた時代は、
その小さな事件を種火として、紅蓮の炎に焦がれる時代へと移り変わる。
紅蓮の炎に染まる宇宙。
果たして人は、その炎からひたすらに逃れるのか。それともその炎へと
敢然と立ち向かうのか。

次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)総集編「宇宙を舞う焔(そらをまうほむら)」。
燃えあがるのは、時代と、そして、人の心。
258第12・13話の中の人:05/02/05 19:22:16 ID:l30zlWUW
>256

>>250でも言われてるけどこういうキャラの立ち位置を間違えるような初歩的なミスは
はっきり言って読む方萎えます

いや、ホント申し訳無いです。
11話時点で読んでる自分からしても「有名になっちゃってるじゃん、シェイド!」って
頭は抱えてたんですよ。
まぁ、ぶっちゃけると
「だったらはよ突っ込め!(自分が)」と今更ながらに思うのですが。

一度アップされたら感想で半日ぐらいインターバル置いた方がいいかもわかりませんね。
自分もシェイド隊以外のところで今まで「あれぇ・・・」と思っていたところは色々とあったので。
259通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:30:15 ID:???
逞しいんだな、オレも似たようなことしたけど速攻で潰れたぜ
260第12・13話の中の人:05/02/05 19:44:00 ID:l30zlWUW
>259 さん

えーと、私のことをおっしゃってます?<逞しい>
んー、ただ、正直「有名となってしまったシェイド隊」については鋭い人からは
突っ込み来るんじゃないかなぁとは思ってたんですよ。
なので、ある意味予想通りの突っ込みだったんで、ショック自体はそんなにありません。

むしろ2エピソード勝手に書いてしまった事とか、サンタンデールをあっちゅう間に沈めて
しまった事が槍玉にあがるのではないかとガクブルだったんで。
(これから来るのかなぁ、ひょっとしてw)

まぁ、これでリレー小説の質があがれば言う事ないです。

261通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:44:11 ID:???
そうですね、誰かが一話書く毎に、突っ込み所、設定の矛盾点を列挙してそれに対処してから
次の話にと言う流れの方が良いですね
書く人も、単に書くんじゃなくメモ帳に先ず書いておかしなところがないか、前の話と照らし合わせて構成してから
メモ帳に書いた物をコピーして投下する様にすれば案外防げるかと
262通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:47:20 ID:???
>>260
二話連続した事については、突っ込み所が案外少なかったので
問題無いと思います
これで突っ込み所が後3〜4カ所あればどうだっつたかな〜ですが
ヴェル・ザ・レイヴェンと言うのはヴェルの肩書き?
設定資料にフルネーム書かれてるし
それと、南米でヴェル達と一緒にいた人は南米戦線の指揮官クラスじゃないと
ヴェル達の素性を知れる立場にない上にヴェル達と過去にも面識が
あるから、そこら辺階級をしっかりさせて欲しかったです
263通常の名無しさんの3倍:05/02/05 19:56:31 ID:???
サンタンデールは早めに沈めておいて正解かも
後々まで残すと始末するのが難しくなりそうだから
それと、ノアを庇って死亡したノアの部下、12話自分が書く事になったら
同じ事しようと思ってたので、出し抜かれたって感じです

自分の練ってた構想では

南米戦線のコロニー連合軍の北上

コロニー連合軍の中にシェイド隊が含まれている
(地球連合側はコロニー連合の本隊とシェイド隊を合わせて
南米のコロニー連合部隊の2個大隊隊程度にしか思ってない)

それとは気付かずにコロニー連合の中隊内の
シェイド隊機と交戦に陥るフレア

ヴェルの遠距離ミサイルで目くらまし、接近して全弾発射
(コロナ03でミネアとヴェルの戦いで見せた戦術)が
ノアのコロナガンダム2号機を捉える

ノアのコロナガンダムを庇ってノアの部下の機体がヴェルの機体の
ミサイルの直撃を受け、更にそこに全弾一斉発射を受け
機体爆散

戦闘終了後、爆散した機体の胴体の部分を見つけて駆け寄るノア
しかし、コックピットには血まみれの部下の死体がシートに横たわっているだけ

こんな風に考えてたので殺し方こそ違うものの
ほぼ同じ流れで殺されてたので、面白かったです
264第12・13話の中の人:05/02/05 19:59:59 ID:l30zlWUW
>262 さん

えーと、12話・13話の補足ということで。

#"ヴェル・ザ・レイヴェン"(大鴉のヴェル)

ヴェル・アイザ・エルクランの通り名です。
シャアの「赤い彗星」や、ゼクス・マークスの「ライトニング・カウント」みたいなもんですね。
やはり仮面をつけた男に名称は必須!ということで勝手に名づけさせて頂きました。

ちなみにモビルスーツの「フギン・ムニン」については北欧神話のオーディーンの肩に止まった2匹のアオガラスの名称「フギンとムニン」からついたものです。

#エドゥアルド・カンピオ

やべぇ、階級とか何も考えてなかった・・・(死)
ヴェルとエドゥアルドの過去に付いてはまた後々誰かが考えてくれるものかと(ぉぃ
いや、ちょっと後出しでも良いんで総集編を書いていただけている間に補足で出せれば
出します。


265通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:02:33 ID:???
>>263
ベルトランをそろそろ殺そうと想っていた人挙手


えっと、12話か13話でベルトランを殺そうと思っていた人の一人です
同じ考えの人が二人もいるとは思いもしませんでした
266通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:07:03 ID:???
>>265


13話で戦闘中に前に出すぎてゲインに攻撃されるノア
ノアの援護防御に入ってゲインに殺されるベルトラン
ぶちきれたノアがゲイン機を撃退
その後艦に戻ってコックピットから降りた瞬間
ベルファに修正されるノア
ベルファの一言「新型機の力を己の力と過信するな、戦争にワンマンプレーは禁物だ」
ノア「後方支援しかできない奴にはお似合いの言葉だな」(皮肉)
ベルファとノアの関係に摩擦を生じさせて第二クールへ
と言う考えだった
267第12・13話の中の人:05/02/05 20:07:04 ID:l30zlWUW
>263さん

お褒めの言葉ありがとうございます。
私も「闇にまぎれたシェイド隊」って感じでやりたかったんですけど、ね・・・。
えーん、11話の人責任とってYO!フォローしてYO!(責任転嫁かよ!)

にしても、ベルトラン(なのかな)のあぼーんのシーン。考えられたやつ、
面白いですねぇ。
「なるほどぉ!そういう手もあるか!」と思わず感嘆しました。

268通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:08:34 ID:???
ベルトランって、そんなに扱いに困るキャラだったのか
殺そうと思う人が多いキャラなんて
269265:05/02/05 20:10:13 ID:???
>>263
俺も、「しまった先超された」と思いましたよ
ベルトラン殺そうとする人に共通するのが
ノアのワンマンプレーを戒めるためにベルトランを殺そうとしてる所ですね
270通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:11:54 ID:???
サンタンデールは、ここでシェイド隊が沈めておく事で
後々のフレアVSシェイド隊フラグとして使えそう
271通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:13:23 ID:???
>>267
そこは責任転嫁認めます
11話書いた人・・・ミス多すぎ
272通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:15:22 ID:???
>>265
>ベルトランをそろそろ殺そうと想っていた人挙手

殺し方はほぼ同じ
ヴェルかゲインの攻撃からノアをかばって死亡コース
273第12・13話の中の人:05/02/05 20:16:13 ID:l30zlWUW
やっぱその流れを考えた人多いんだなぁと実感してます。<ベルトランあぼーん>

>268さん

取り扱いに困る人はベルトランさん以上に色々いると思いますよ。
でも、正直、話の流れでベルトランさんを殺「さざるを得なかった」というのが
正直なところです。

>269さん

>俺も、「しまった先超された」と思いましたよ
>ベルトラン殺そうとする人に共通するのが
>ノアのワンマンプレーを戒めるためにベルトランを殺そうとしてる所ですね

あぁ!「コイツ(ノア)なんて勝手ばっかやってんだ!」って思ってたのが俺一人
じゃなくて嬉しいです!(ぉぃ)

274通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:19:34 ID:???
ベルトランはキャラ立てしにくかったし殺して正解
ここで殺しておく事で殺した人VSノアのフラグ成立に繋がるし
275通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:20:32 ID:???
1クール目を読み終えた感想。
正直多少いじれば種より面白くなりそう。
バックランドとか大将クラスがあっさり死んでいくのも。戦艦よりMSが重視されてきていることがわかる。
276通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:20:55 ID:???
ノアの立ち位置が、今日の種運命でアスランに修正されてたシンみたいに見え…
禁句ですか?
277通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:21:15 ID:???
14話描いていいですか?
278通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:23:44 ID:???
>>277
その前に総集編
1クールの登場キャラのデータ整理と
MSのデータ整理と
キャラと操縦するMSの位置づけと
フレア、アルテミス、カオスハンガーの辿ってきた道筋と
ベクター事件のあらましと、コロナ事件のあらましと
地球、月、コロニーの関係を整理するまで暫く待ちませんか?
279通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:25:26 ID:???
>>276
うわ、思い出しちゃった
あのシンとアスランのやりとりを見て
こら、そこでアスラン殴れよ、んでもって「そんな大人修正してやる歯食いしばれ」って言えよ
で、殴られながら「これが若さか」って言えよアスラン
と思ったのは俺だけか?

アニメ板の種スレ逝ってきます
280第12・13話の中の人:05/02/05 20:25:53 ID:l30zlWUW
>276さん

うわ、言っちゃいますか、それ!(笑)

その場面を見ては無かったんで、後から新シャアのスレみて知ったんですけど、

福  田  め 、  俺  の  ま  で  パ  ク  ッ  た  か  と  。 (違)

281通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:29:22 ID:???
寧ろ、11話〜12話を今日の種死を見た後に読むと
あれ?・・・あれれ?
282通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:30:29 ID:???
間違えた
12話〜13話を今日の種死の後に読むと
あれ?あれれ?・・・今日の種死の話と激しく酷似
283第12・13話の中の人:05/02/05 20:33:44 ID:l30zlWUW
>282 さん

むしろ俺がパクってる違うんか!と。

うひゃあ、そうか、そうだったのか・・・。(汗)

あの、ホント今日の放映の内容、全く知りません。
OAチェックもまだです。
てか、俺の内容が嫁と同レベルって事ですか・・・(泣)
284通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:34:39 ID:???
>>279
それを言うなら先々週の話のラストのアスランとシンが二人だけのシーンで
シン「何故、ザフトに戻ってきたんですか?」
アスラン「君を笑いに来た、そう言えば君の気が済むのかね?」
を期待した人が何人いたか
285通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:39:40 ID:???
>>283
どっちかと言うと嫁の無理難題に耐えながら脚本を書く野村と同レベルかも

今日の種の内容簡単に
インド洋沖で連合と戦闘に陥るザフト
連合軍機30機、ザフト、ミネルバと潜水艦1機
カオスと一騎打ちを始めるセイバー
隊長機(ネオ搭乗)を仕留めようと深入りするインパルス
アスラン(フェイスなので、階級上シン達の上官)「シン、出過ぎだぞ下がれ」
待ち伏せ(?)していたガイアに攻撃されるインパルス
戦闘の最中、連合軍基地を発見
連合軍基地施設内で付近の民間人が強制労働させられてるのを目にしたシン
アスランに基地発見の報告もせず独自の判断で基地を破壊、民間人を逃がす
艦に戻ってアスランに殴られるシン
「戦争はヒーローごっこじゃない、力を持ったならその力の使い方を考えろ。」
286登場人物:05/02/05 20:39:43 ID:???
まだ紹介されてない人物

ヴァルモンテ・サラディン
地球連合軍所属フレアの艦長。かなり気の楽なことを言うが、指揮には問題ない。
階級はおそらく大尉よりは上(トウマ大尉より上なため)准軍尉か軍佐といったところ

コールマン軍尉
元サラディンの上司でありよき理解者、後にフレアの副長に任命される。
艦長に威厳することから見て階級は同じか、年上であると推測される。

バックランド大将(提督)
コスモ・ネルソンと慕われる地球連合軍大将。フリゲート艦ブラスホッパーの艦長。
おそらくアメリカ連合所属と思われる。どのカラーの艦隊を指揮するかは不明。
ラオゼリア攻防戦にて戦死。

ウィリアム・ハモンド大将(提督)
同じくアメリカ連合所属と思われる。地球軍最大の戦艦サンタンデールの艦長。
保守的で現実主義者。発狂したリッチアーディにより射殺される。

ドリュー大将(提督)
同じくアメリカ連合所属だろう。上の二人に比べると威厳が無く、むしろ無能といった感がある。
英国支部から転属になるが、メキシコ攻防戦にてサンタンデールUとともに沈む。

ベルトラン
元クレスコのドレッドノート隊隊長。ドレッドノートが破壊された後はノアの部下に付く。
パイロットとしては優秀であり、自分と親子ほど歳の違うノアをよく見ていた。
メキシコ攻防戦にてノアを庇い死亡。
287通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:40:28 ID:???
書き忘れ、アスランに殴られながらもアスランに反論するシン
「俺は、間違ったことをしたつもりはありません」
288259:05/02/05 20:42:27 ID:???
返信ありがとう、頑張ってくれ
289通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:44:49 ID:???
はっきりいって種って軍人らしさが描かれてないな。
上官には敬礼だけしとけばいいってもんじゃないだろう。
ふつうなら死刑になってもおかしくない。
290通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:52:11 ID:???
>>285,>>287
重要な書き忘れがあるぞ
水中で戦闘を行うアビス、空中戦で敗北したネオから通信が入る
ネオ「アウル、撤退だ」
アウル「撤退?」
ネオ「借り入れた機体が全滅だ、それに大きな戦果も上げられてないしな」
アウル「大きな戦果を上げれば良いんだろ?間抜け」
ザフトの潜水艦に急接近、突撃、潜水艦を沈めて撤退
部下に間抜けと言われるネオの扱いも相当なものだったぞ
291通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:53:18 ID:???
と言うことから教訓
種と同じような運命を辿らないためには
主人公にスタンドプレーをさせない事
チームワークを重視する第二クールの展開希望
292通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:54:14 ID:???
遺作と痔が勝手に動いてレセップス轟沈

シン・アスカ、命令無視した上に独断で敵基地撃破

凸、テロリスト軍に参加な上に結果論で英雄扱い



うん。ザフトに軍記はないな。
293通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:56:27 ID:???
ところでまとめ誰がするんだよ
294通常の名無しさんの3倍:05/02/05 20:59:03 ID:???
誰かまとめする人お願いします
まとめる項目は

・1クールの登場キャラのデータ整理
・軍別のMSのデータ整理
・キャラと操縦するMSの位置づけ
・フレア、アルテミス、カオスハンガーの辿ってきた道筋
・ベクター事件のあらまし(ハモンド大将の回想視点と初期設定視点の両面を合わせて)
・コロナ事件のあらまし
・地球、月、コロニーの関係を整理
295通常の名無しさんの3倍:05/02/05 21:57:53 ID:???
14話一応描いてますけどまとめされてないからまだ出さないほうがいいですよね?
296通常の名無しさんの3倍:05/02/05 22:11:44 ID:???
>>295
ですね、いっそまとめする人貴方が立候補してみては?
297通常の名無しさんの3倍:05/02/05 23:04:01 ID:???
期待age
298通常の名無しさんの3倍:05/02/05 23:18:45 ID:???
まとめってどういう風にまとめんだ?
14話きぼん
299通常の名無しさんの3倍:05/02/06 00:00:40 ID:???
>>298
キャラクターなら
>>286みたいにまとめる

MSなら
コロナガンダム2号機
カラーリング:・・・・
特徴:・・・・
主武装:・・・・
の様な感じで

キャラクターと操縦するMSは
以下のように
コロナガンダム2号機:ノア・バルクーレ

各戦艦の流れは(フレア)
コロナ03を出発

コロナ03外宙域でアルテミス、カオスハンガーと交戦

ラオゼリア入港
等のようにまとめればいいと思う
まとめかたはまとめる人が、見る人が見て解りやすいようにまとめればいい
300通常の名無しさんの3倍:05/02/06 00:52:36 ID:???
っていうか1回しか名前の出てないスタインズ提督どうしたんだろ
301通常の名無しさんの3倍:05/02/06 01:34:36 ID:???
ドリュー提督が戦死し、指揮官を欠くメキシコ支部の軍人達。
サラディンは北米全軍を召集し、今やコロニー連合配下にある南米に総攻撃を仮作する。
一方南米でもメキシコ陥落作戦を企てるコロニー連合。もはや前面衝突は避けられない状態になった。
次回、「急行せよ、連合艦隊」
決戦の時、迫る
302通常の名無しさんの3倍:05/02/06 01:46:58 ID:???
ゲインの設定は『ノアのライバル』なのに、今のところ大した因縁が無いのが残念かな?第二話でちょこっと戦ったくらいだし。
今からでも、何かフラグが欲しいと思うのだが…
303通常の名無しさんの3倍:05/02/06 01:57:42 ID:???
フレアの軌道
コロナ03出向、艦長サラディン。この際にコロナ01、03は奪取される

アルテミス、カオスハンガーと戦闘

補給を受ける為に宇宙要塞ラオゼリアに向かうが、まもなく戦闘に突入する。

ラオゼリア内で反乱。同時に地球降下を決定。

太平洋上へ降下。そのままハワイ諸島にてコロニー連合と戦闘突入

召集命令によりメキシコ支部へ向かう。コロニー軍と交戦。なんとか追い払うも第二波の予感?

カオスハンガーの軌道
コロナ03にてコロナガンダム03を奪取

コロナ03出港、アルテミス、フレアと戦闘

衛星要塞パンドラに着く。その後シャトルでシェイド・コミュニティ隊降下

アルテミスの軌道
コロナ03にてコロナガンダム01を奪取

フレア、カオスハンガーと戦闘

月のツィコフスキーへ向かう

30414話ー1:05/02/06 02:10:28 ID:???
レアの士官室で艦長ヴァルモンテ・サラディンはコーヒーを片手に無言のまま立ち尽くしていた。
「メキシコ艦隊はほぼ壊滅。第二波がくれば確実に落とされるな・・・おまけに指揮官不在。悩みの種は尽きないもんだな」
そこへコールマン一等軍尉がやってきた。
「たった今から君がメキシコ軍指揮官代理だ。つまりはドリュー提督の艦隊(識別色はホワイト)は君の指揮下で動くということだ」
「俺が提督代理?無茶はよせよ。代わりはいくらでもいるだろ?数千人の部下をまとめるのは楽じゃないんだぜ」
「だが君は提督が次々と倒れる戦乱の中を生き抜いてきた。実力というやつだ。誇りを持て」
しばらくサラディンは黙り込んだ。そして意を決して
「わかった。引き受ける。だが南米からの第二波が問題だ。数が圧倒的に足りない上に、今は補給すら完全じゃない」
「確かにな。最も近い援軍はキューバ・ドミニカ連合だが、連中は非協力的だ。となるとゲリラ戦で何とかするしかないな」
同調するようにコールマンが言った。
「ゲリラ戦?艦隊じゃ無理だ。モビルスーツだって少ない。援軍を呼んでも時間稼ぎにしかならない・・・ドリューの言うとおり英国へ逃げたほうが正解だったかもしれないな」
「何を馬鹿な。俺達は軍人。なら敵の数が何倍だろうが家を守るのは当然のこと。それにドリュー提督のやり方では英国支部で軍法会議にかけられ縛り首がいいところだ」
呆れるどころか怒りをあらわにするするコールマン。根っからの軍人らしい意見だ。
そして再び沈黙。
「わかった。俺も覚悟を決める。この状況で死刑を免れ、かつ勝利するには方法は一つしかない」
「なんだ?」
コールマンが問う。
「北米軍全軍召集をかける。コロニー軍の地球降下部隊よりは何十倍もの戦力だ。フリゲート艦だって四十隻はいるぞ」
「確かに援軍は呼べるかもしれん。だが全軍は無理だ。北米軍全軍召集?メキシコ以外はがら空きだ」
現実主義者のコールマンは想像力に乏しい。頭の働きも鈍い。サラディンはそう思った。
「アメリカ大陸においてメキシコは最大の拠点だ。ここを落とされると南米からは敵が押し寄せてくる。だから連中にとっても絶対に落とせない。全軍集めたっていいはずだ」
「だが・・・もし動かなければ特攻をかけてでもメキシコを守るしかない。そんな無謀なことが成功するとは思えない」
30514話ー2:05/02/06 02:11:15 ID:???
あ〜、まったくという感じでサラディンは
「確かにこれは大きな賭けだ。コイントスの何倍ものスリルだ。現実的意見もわかるが、時には賭けに出ることも必要だ。やってみなけりゃわからないってことに挑戦するのもありだと思うよ俺は」
そう言ってサラディンは士官室を出て行った。
一人残されたコールマン。
「賭け・・・か。ここは一つそれに期待するか」
ぽつりと呟いて士官室を後にした。
 「通信を開け。北米連合支部のある、ニューヨークへだ」
サラディンは軍部通信等へと来ていた。
「繋がりました。どうぞ」
通信担当員がそう言うと、モニターには上層部らしき人間の顔が映っていた。
通信ができたことを確認すると、サラディンは
「メキシコ支部の司令官ヴァルモンテ・サラディンです。いきなりですが援護を要請したいのです」
モニターの男が口を動かす。
「私は北米支部指揮官ロワール・エドリントン少将だ。唐突な要請だが・・・全軍というのは無理なことではないかね?」
「無理ではありません。メキシコが陥落すればそちらにもコロニー軍が流れ込む。そうなるのはあなた方も望んではいないことだ」
「だからといって全軍を動かすことはできない。それにキューバの連中の手を借りるという手もある」
「キューバは非協力的。さらに弟二波がくれば残党軍でしかない我々は間違いなく全滅する。貴官はそのようなことになってよろしいと?失礼な意見で申し訳ない」
必死に反論するサラディン。彼にはいつもの気楽さは微塵も感じられない。それほど追い詰められた状況なのだ。
「いや、君の意見はよくわかった。問題は相手の戦力だ。弟一波ではどのくらいだ?」
「フリゲート艦が11隻。それにステルス機能を搭載した艦が1隻。たった12隻です」
ステルス機能を搭載した戦艦。それを聞いたとき、エドリントンは驚愕した。
「ステルス機能!?それは本当か?わかった。全軍出してやる。期待して待ちたまえ」
「ありがとうございます。司令官。では」
そういってサラディンはモニターを切った。
「やったぜ!北米軍が全軍動いてくれるぞ!」
全員に歓喜が起こる。
一方のエドリントンは不吉な笑みを浮かべていた。
「ステルス搭載。間違いない・・・シェイド隊だ。モビルスーツ乗りとして必ず仕留める。待ってろよヴェル」
30614話ー3:05/02/06 02:12:28 ID:???
 上機嫌な顔をして艦長席に座るサラディンの前にコールマンがやってきた。
「全軍召集成功しただと?いや実に見事だ」
褒め称えるコールマン。
「なに。これが俺の実力ってやつよ。上の連中もすねをかじる息子にたじたじってわけ」
ますます天狗になるサラディン。
「えー、本題に戻ろう。なぜエドリントン提督は全軍出してくれたんだ?それが腑に落ちん」
コールマンが問う。
「なぜか知らないが、ステルス機能を持つ艦ありと言ったら、急に驚いてよ。すぐさま全軍出すってよ。何がなんだかさっぱりだ」
ふむ、といった顔で天井を見上げるコールマン。
「話によれはエドリントンは提督には珍しくモビルスーツに乗るらしい。それも軍でも1、2を争うほどの腕だと。たしか専用のナイトメアガンダムをお持ちだ」
それを聞いていたノアが
「ナイトメア?コロナ以外にガンダムはあったんですか?」
「うむ。過去に試作機として何体か作られたようだ。どれも不安定だったため廃棄または使いこなせるパイロットに与えたらしい」
「コロナは換装タイプで状況に応じて臨機応変に対応できますが、その、ナイトメアというのは?」
「私にもよくわからんが、何度か目にした事はある。黒い機体で、メガビーム砲のようなものを持っていた。それ以外はわからん」
「そうですか。でも自分以外にガンダムパイロットが地球軍内にいたというのは初耳でした」
するこサラディンが話しにつけこんで
「じゃ、ノア隊長。君もそれに負けじと頑張ってくれたまえ。もちろん提督を驚かすようなほどにね」
彼らが余談に走っていると、ブリッジクルーの一人が叫んだ。
「おい!北米から艦隊が来るぞ!こりゃあすげえや」
サラディンが立ち上がった。
「お、ようやくお出ましか。さすがにあれだけの艦隊を見ると素晴らしいねえ」
艦隊はメキシコ支部湾内に入った。
まもなく指揮官のエドリントン提督が降り立った。
30714話ー4:05/02/06 02:14:09 ID:???
「どうもエドリントン司令官。指揮官のサラディンです。ドリュー提督の死で代理を務めております」
「こちらこそ。朗報実に素晴らしきものだ。戦場では早く相手を沈めたいものだ。・・・あーそれと、私のことは司令官ではなく准将で呼んでくれ。」
コールマンとサラディンは呆れた顔をしている。
「サラディン司令官。ちょっとこっちへ」
サラディンが艦へ戻ろうとする足を止めた。
「なんでしょうか、准将」
「君もこの時期に艦の指揮官なんてやらされてさぞ参ってることだろうと察するが、一つ頼みを聞いてほしい」
「頼みといいますと?」
「私の部下、つまりは亡きハモンド提督の息子である、ジョシュ・ハモンド君を君の艦に配属してもらいたのだが」
「指令・・・いえ准将の頼みごとなら引き受けますが。していかほどの戦力に?」
「指揮官用ボアズスピアーに搭乗してもらう。それとノア君は1等指揮長に昇進だ。上層部から伝えるようにと言われていた。では頼むぞ」
そういい残してエドリントンは旗艦に戻っていった。
やがてそれぞれが準備に取り掛かっていると、コールマンとサラディンが話しにふけていた。
「モビルスーツ乗りと聞いてはいたが、かなり好戦的な人だねありゃ。大丈夫か?」
「安心しろ。提督はああ見えても指揮は一流だ。モビルスーツの操縦もそりゃもう。すれ違いざまに10機を落とすほどの活躍だ」
「じゃ、期待していいな。俺はしばらく寝るよ」
「ゆっくり休め。夜明けには戦闘開始だからな」
 一方、南米に拠点を置くコロニー軍は、シェイド隊を始め、降下部隊をすべてパナマに集結させていた。
「隊長。南米軍総攻撃とは本当ですか?残党しかいないメキシコごときに」
ゲインがヴェルに疑問げに聞いた。
「どんな時でも相手を侮ってはいけない。君はあのガンダムしか眼中にない。違うかね?」
「隊長の言うとおりです。あれだけ手こずるなんて自分自身が許せない。・・・すいません。口が過ぎました。」
ゲインが謝る。
「別に構わんさ。とはいえ、敵が援軍を呼んでも微々たるものだろう。少々時間を稼ぐ程度だ」
流石のヴェルにも北米軍全軍召集は読めなかったようだ。いや何人たりともそんなことを知るはずもない。
双方は軍を整えつつある。今まさにアメリカ大陸最大の決戦が行われようとしていた。

つづく
30814話解説:05/02/06 02:27:21 ID:???
とりあえず第二クールとっ始めから戦闘に繋がる話にしました。
ナイトメアガンダムは『廃棄される予定だった試作機の1つ』ということでオーバースペックな部分ありと考えています。
エドリントン准将の操縦テクニックに関しては15話以降の人に任せます。
ジョシュ・ハモンドは、提督には息子がいてもいい年齢じゃないかと出してみました。
ボアズスピアーはロイヤルスウィッシャーの発展型として考えいます。
それでは後はお願いします。
309通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:36:09 ID:???
ガンダムのバーゲンセール化はやめて欲しかったなと言うのが一つ
14話の内容見ると、ただナイトメアガンダム出したかっただけっていう
わがままな感じにしか見えないし
第二クール終了までガンダムはコロナ1〜3号機以外出すべきではないでしょ
試作器とか何て言うか、設定の後先考えてない感じがするし
ナイトメアガンダム以外にもう一機ぐらい試作機出してどっちもあっさり破壊して
コロナガンダム以外残さない展開希望
310通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:38:40 ID:???
>>308
同感、ガンダムの安売りは種運命で飽きてる
はっきり言って厨っぽいので書く前に出すべきかどうか
みんなの意見を聞くべきだった
しかも総集編が終わらない内に14話突入してるので
勝手すぎ
311通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:38:59 ID:???
ナイトメア死んだらエドリントンが情けないな。
312通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:40:38 ID:???
ナイトメアがガンダムじゃなくて、オーバースペックなジムみたいな感じだったらよかった
313通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:40:50 ID:???
この14話の内容には異議あり
何でガンダムを同型の3機で始める企画だったか
裏を返せば同型を使う3人の能力差を魅せれる話にしたかったのだろうし

しかも総集編が終わってないのに14話してるので14話無効
後、ガンダムは無闇に出すな
314通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:41:57 ID:???
>>308-309
と言う意見も出てるので
総集編をきっちりやってから14話にしませんか?
先に書かれた14話は没案として無効にして

賛成が多ければその流れでもう一度、総集編からきっちりやりましょう
とりあえず、>>330までに賛成が10人以上でたら今回の14話は無効と言うことで
315通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:42:55 ID:???
このままいったら総集編誰もやらなそうな予感。
まあ続きが見れただけでも満足だが、ガンダムにすべきではないな。
316通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:44:03 ID:???
>>312
オーバースペックなジムみたいな物でも異議ありですね
そういう強さのインフレとか、ガンダム沢山出して人気取ろうなんて
種で飽きてます、種の反命題になるような
土台のしっかりとして、読者を種より惹き付けるようなガンダムにして欲しいので
ナイトメアガンダムとか糞展開は無効賛成
317通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:44:46 ID:???
>>315
総集編やりましょうか?
14話の書き直しも含めて
318通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:44:48 ID:???
俺は14話のキャラと作戦だけは引き継いで、後は他の人に新しく書いてほしいと思う。
ナイトメアはガンダムではなく、特殊機として。
319通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:46:13 ID:???
>>314
無効賛成。
この展開、作戦内容、あっさりと新型ガンダムを出す等
SEED展開に毒されすぎ
320通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:47:54 ID:???
>>318
無理、新型機としてコロナガンダム3機が存在すると言うことは
普通に考えたら、現状それより秀でた機体が存在しない
と言うことになるし、階級だけで特殊機に乗る上官とか
激しく矛盾する。
14話そのものの書き直しを求める
321通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:48:03 ID:???
やり直しには賛成。
でもエドリントンは個人的に好みなキャラなので出してほしい。ナイトメアは微妙だな
322通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:50:01 ID:???
14話糞すぎ
作戦内容、ガンダムにするか否かは別として特殊機の存在等
そういう糞展開にはしないで欲しい
一騎当千系の機体は少ないから良い
ナイトメアガンダムとか出した時点で糞
323通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:52:45 ID:???
やり直し賛成、14話書いた人多分10話書いた人と同じのような感じがするけど
何というか前のストーリーをきっちり読み込んでない+後の人に話が繋げにくい+自分が書きたい物だけ書いてる
と言う三拍子な感じがする

リレー小説の基本は
前のストーリーから矛盾無く繋げ、後の人が続きを書きやすくい物をでないと
自分が書きたい物を書いて他人がその続きを楽に書けるかどうか想像して書いてくれ
324通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:53:07 ID:???
やり直し決定でよろしいか?
あと14話書く人、エドリントンだけきぼんw
325通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:53:28 ID:???
書かれてる総集編が済んでから14話の忠告無視してるし14話は無効の方向で
326通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:54:18 ID:???
>>324
これだけ意見が出てるならやり直し決定でいいでしょうね
14話やる前に総集編をしっかりやって下さい
327通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:56:56 ID:???
自分が書きたい物だけ書いてる
そう言う意味ではロイヤルスウィッシャーの出し方も書き手が前の話を読んでないのがよく分かるな
ベルファにはキャノンダスターという後方支援用機が存在しているわけで、それはしっかり
読んでれば解るのにそれを忘れてるかのように出してる辺り、前の話を読んでないだろと
328通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:57:50 ID:???
10話のいきなりの回想もかなり強引で無茶苦茶だった
今後こういう強引で前の人の流れを無視したり
後の人が書きにくい展開をする人には書かないで欲しい
329通常の名無しさんの3倍:05/02/06 02:59:33 ID:???
個人的には12話13話の書き手が気に入ってます
1話〜11話までの話をしっかり読んで、極力矛盾点を出さないように
努力してる跡が見られる上に、後に続く人が書きやすい流れにもなってる
330通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:00:52 ID:???
1クールを読む限り
糞展開だった話、9話、10話
この二つの展開さえ無ければすごく良かったのに
マジでこの2話は福田嫁の脚本レベル
331通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:02:19 ID:???
反対意見が見当たらないので14話は書き直し決定
14話を書く人は総集編が終了したのを確認してから14話に突入して下さい
332通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:02:21 ID:???
ロイヤル・スウィッシャー
英国支部開発。地球連合軍の量産機。
近距離戦闘を得意とする。ワイヤー付きランスによって中距離への攻撃も可能

コロナガンダム(ドレッドノート仕様)
換装システム搭載により宇宙〜メキシコ攻防戦あたりまで使用。
近距離〜中距離用のクローアームを筆頭にブースターの出力を上げており、万能的な能力を発揮する。

戦艦の解説

シップ級:戦闘はもちろん輸送能力も高い。あまり多くは存在せず、艦隊に2〜3つ配備されているだけである
フリゲート級:多くの砲門を搭載し、モビルスーツとも渡り合える戦艦。巡洋艦についで数が多い。ほとんどの艦長及び提督はこれに搭乗
巡洋艦:フリゲート級の小型版のようなもの。
333通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:03:40 ID:???
>>332
ロイヤル・スウィッシャーは黒歴史化希望
あの無理展開で出されたと考えると、今後一番出てきて欲しくない機体
334通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:04:36 ID:???
>>333
それを言うならドレッドノート仕様もはっきり言って要らない
335通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:05:14 ID:???
階級表(>>217より引用)
最高司令官:1人。ほとんど指揮することはない。
大将:通称提督。艦隊はレッド、ホワイト、ブルーに分けられ、それを指揮するのが提督。軍部に数人あり
中将:上と同じ。
少将:上と同じ。
戦列司令官:准将クラス。提督にはまだ早いが指揮を執るには十分と認められた階級
軍佐:大佐とかをひっくるめて軍佐。任命されたのが早い順から一等〜五等まで。3年以上じゃないと大佐クラスはなれない。ふつうは軍佐では呼ばれない。艦長にもなれる
准軍尉:軍佐と軍尉の狭間。艦長にはなれる。
軍尉:大尉とかをひっくるめた意味。他は軍佐と同じ。
以下ほかもろもろ

>>333
そうなるとベルトラン達は何に乗ってたことになるんだ?
336通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:05:27 ID:???
ドレッドノート仕様とロイヤルは今後使用不可にしてくれ
337通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:07:10 ID:???
>>333
ベルファはずっとキャノンダスターに乗ってた事にして
ベルトランはダスター(キャノンダスターからキャノンを外してビームライフルと
シールドを付けた機体)に乗ってたことにすれば
338通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:08:06 ID:???
>>337
その意見賛成、安易な乗り換えもあまりにあれすぎて
つまらないし、機体に愛着を持たせる意味でも
ずっと同じ機体に乗せる方が良い
339通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:09:09 ID:???
とすると、ダスターが地球連合の汎用機という感じか
MSVとかだったらカラーヴァリエーションいっぱいありそうで面白い
340通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:09:42 ID:???
とりあえずリッチアーディの考案者として解説

ショーンワイス・リッチアーディ(ショーンワイスはリッチアーディの前に考えていた名前で、実は間違いですw)
宇宙要塞ラオゼリアの司令官。階級は中佐(二等軍佐) 年齢39歳
神経質で頭の切れる男。フリゲート級フラジャイルの艦長でもある。
バックランドの死を引きずっており、死刑を免れようと発狂し、ハモンド提督を殺害する。
その後保護観察へ。
341通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:14:55 ID:???
補足
リッチアーディという名前は実在する人から取ってきました。(ぐぐるとよろし)
ショーンワイスも同じ(正式にはショーエンワイス)
バックランドは某小説に出てきたキャラで役割は無能な海尉。それを逆手にしか感じというわけで。
342通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:15:20 ID:???
ドレッドノート隊はドレッドノート隊カラーのダスターに乗ってた
と言うことにして
コロナガンダムのドレッドノートパーツはアームバックパックだった事にして
ラオゼリア宙域で換装して出たが破壊された事にして
その後はずっと以前と同じでフライトバックパックにしてたと言うことにすれば
同型機で強奪時にソード、ランチャー、フライトとそれぞれのバックパックが別だった事から
ソードVSランチャーとかフライトVSランチャーとかフライトVSソードみたいに
同型機だけど最初に強奪された時のバックパックの違いから
長所と短所ができて、その長所と短所を比較しながら戦う同型機って感じで
考えてたからドレッドノートパーツが出てきたときはまじ萎えた
343通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:16:13 ID:???
とりあえずまとめ終わったのか?
344通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:16:40 ID:???
>>340
リッチアーディは良いキャラだと思う、ハモンドもだけど
10話でリッチアーディにハモンドを殺させた展開には
呆れた
ハモンドは上手く使えば展開を面白くできる可能性があるキャラだっただけに
345通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:18:05 ID:???
>>343
まだ、部分的にまとめられてるけれど、それをリスト化されていない
346通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:20:28 ID:???
9話、10話、幻の14話みたいな展開は後の人が書きにくいので今後なるべく
避けるようにと言うことですね
確かに、9話の終わった後10話に繋げにくかった
10話でハモンド殺した辺りは無茶苦茶に感じた
14話、論外
347通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:21:07 ID:???
バックランドとフォレスターはいいキャラだと思った。
歴戦を潜り抜けてきた猛者コンビって感じで。
348通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:22:14 ID:???
それだけにバックランドとフォレスターはもう少し上手く使って欲しかった
349通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:22:40 ID:???
>>344
どうも。
ハモンドにはこのまま生き延びて、サンタンデールを指揮。という勇士を見たかったのですが
案の定無能なドリューが乗ることになってしまったようですね。
350通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:24:13 ID:???
>>349
私は、ハモンドとエフィード・ライアスが意気投合して
上層部に内密である条件を前提にライアス艦長がハモンドを逃がす展開を
考えていた
351通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:24:55 ID:???
提督クラスはうまくキャラが立ってる。
バックランド 戦闘がうまく英雄といった感じで態度も大きい
ハモンド バックランドほどではないが提督のまとめ役みたいな感じ
ドリュー いかにも小物という感じ。提督には向かないという爆弾発言も
スタインズ ?
352通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:27:52 ID:???
誰かまとめやらないのか?
353通常の名無しさんの3倍:05/02/06 03:35:43 ID:???
コールマンが良き理解者として副長になったのは良いと思う。
良い意味では11話は話をまとめていたと思う。
354通常の名無しさんの3倍:05/02/06 11:33:13 ID:???
3大勢力の関係

地球と月は完全に敵対状態。すでに戦闘が行われているが、戦艦重視の地球軍は各地で悪戦苦闘。
一方、それほど表面化していなかったコロニー連合との関係もハモンド暗殺とのことで一気に悪化。
敵とみなしたため、コロニー軍も降下部隊を投下。第一降下部隊は英国支部海軍によってほぼ壊滅させられる。
月とコロニーではそれほど衝突は見られないため、やはり地球軍が本命か。
355通常の名無しさんの3倍:05/02/06 11:43:55 ID:???
>354
なんでハモンド暗殺でコロニー軍と悪化すんの?
暗殺したのは月面軍って事になってんじゃないの?
356通常の名無しさんの3倍:05/02/06 11:48:18 ID:???
スマソ
逆でした
357通常の名無しさんの3倍:05/02/06 11:57:17 ID:???
ベクター事件
連合軍の最高決定権を持つ評議会によって決められたのこと。
ハモンドとバックランドはベクター群に向かうことになるが
任務の内容と一致しない民間人の大量虐殺で評議会に疑問を抱く。
結局民間人の殺害は止められたものの、多大な被害を出してしまった為に反抗勢力の抑止という形でまとめられた。

コロナ事件
月面軍、コロニー軍によってコロナガンダム01、02は盗まれる。02は無事。
両軍に情報が漏れていたことから内通者が存在すると思われる(真相不明)
この時、協力的なコロニー連合軍の警備隊はコロナガンダムの開発を知らなかったことにしてフレアを発進させる。
その後アルテミス、カオスハンガー、フレアは宇宙で戦闘に突入する。
358通常の名無しさんの3倍:05/02/06 14:52:25 ID:???
age
359通常の名無しさんの3倍:05/02/06 16:00:23 ID:???
これでまとめ終わったんじゃないか?
早く14話きぼん
360通常の名無しさんの3倍:05/02/06 17:09:28 ID:???
では、14話書かせて頂きます
36114話予告:05/02/06 17:14:32 ID:???
地球圏連合軍本部のある英国へ向かう事を命じられたフレア
時を同じくしてラオゼリアのライアスは一つの決意をする
戦火の上がる北米を大西洋に抜けるフレアクルー
北米へ進行するコロニー連合、そして時代の影で蠢く計画
次回、機動戦士ガンダムネオ第14話
「意志、継ぐ為に」
忘れるな、北米の炎
36214話内容-1:05/02/06 17:48:06 ID:???
イギリス首都ロンドン、その町の豪華な建物の会議場の様な一室。
二人の男が居る。一人は窓から外を眺めている男、もう一人は椅子に座り
机に頬杖をつき、窓から外を眺めている男の背中に視線をやっている。
どちらも年齢は60台手前ぐらいに見える。
「ついさっき報告が入りましたよ、"サンタンデール"が落ちたそうです。」
外を眺めていた男が、そのまま窓の外を眺めながら言葉を紡ぐ
「ほう、ではメキシコ基地は?」
それに対し机に頬杖をついていた男が問う。
「コロニー連合軍を何とか撃退できたようです、しかしサンタンデールが落ちた今
陥落は時間の問題でしょう。」
窓の外を眺めている男が答える、その答えに対し
「南米に続いて北米も放棄、ですか…やれやれ、オーストラリアもコロニー連合が
優勢だと言う時期に。」
ため息をつく男…大気圏内の領土争いはオーストラリアと南米をコロニー連合に
占拠された状態、更に北米まで占拠されれば地球圏連合の戦力は一気に削がれる。
「で、現在の状況は?」
頬杖をついた男が更に問う
「メキシコ基地の残存部隊はニューヨーク基地へ退避しました。北米の全戦力が
ニューヨーク基地に集まったと言って過言ではないでしょう。」
「ミカヅキどもがスペースノイドどもを多少なりとも牽制していれば、こうはならなかったろうな。ところで…例の新型艦は?」
「奴等にそれほどの戦力はないでしょう。例の艦は…英国基地へ来るように命令を出しました。
間もなく指令が艦の方にも届くでしょう。」
「艦認証IDとその他の引き継ぎを行った後は?」
「オーストラリア戦線に送り込み、マスドライバーの奪還作戦に協力させます。」
「アデレード基地の奪還か、難儀な作戦だ。」
頬杖をついている男の横には情報端末の機器がある。
その機器にはオーストラリアの地図を背景に、その上に被さるように"ベクター04"の写真、そして
一機のMSの設計図が映し出されていた。その設計図の上には、機体コードと機体名らしき文字が並んでいる"Vector-GUNDAM"
「コロナ計画は多少の結果を出している、こちらの計画も動かさねばな…。軍内部にすら情報封鎖をしてるんだ。
ぬかるなよ。」
36314話内容-1の注釈:05/02/06 17:55:56 ID:???
ニューヨーク基地:北米最大規模の基地にして、北米の地球圏連合軍の最重要拠点
         ここが落とされる事は、事実上北米の陥落を意味する。
ミカヅキ:地球圏連合によって付けられた、月面連合軍の蔑称。
スペースノイド:総じて月、コロニーに済む人間の事を指しているが、今回の場合コロニー連合を指し示している。
アデレード基地:オーストラリアには地球圏連合軍の基地が"キンバリー基地"、"アデレード基地"、"シドニー基地"の
        三カ所存在し、アデレード基地にはマスドライバーが存在する。オーストラリア地区の総司令部は
        シドニー基地であるが、現在シドニー基地、アデレード基地はコロニー連合軍に占拠されており
        オーストラリア戦線の地球圏連合部隊はキンバリー基地に全戦力を集結させて
        アデレード、シドニー基地の奪還を目指して戦っている。
Vector-GUNDAM:第三クールで登場予定の主人公用新型機
36414話内容-2:05/02/06 18:29:34 ID:???
北米ニューヨーク基地、今正にフレアがこの基地に入港しようとしていた。
基地の管制搭から管制官が基地司令部に連絡を入れる。
「フレア、入港します。」
ニューヨーク基地のエドリントン司令官は司令室の通信回線をフレアの周波数に合わせて繋ぐ
「久しぶりだな、サラディン君。」
艦橋の大画面モニターに映ったエドリントンの顔に向かって、艦長席に座ったまま敬礼するサラディン。
「教官…いえ、司令座ったままで失礼します。士官学校時代以来でありますね。」
「ははははは、構わんよ。あの頃から君は軍規違反が多かったな。」
昔話に花を咲かせる二人、その様子を眺めながら艦橋の隅っこで、横に立ったベルファの肘をつつくノア
「艦長の知り合いなのかな?」
「私が知るわけないだろ、艦長に直接聞いてみたらどうだ?」
ノアの小声での問いかけにうんざりした顔で小声で答えるベルファ

ニューヨーク基地内に艦が入港する、艦橋のクルー、ノアやベルファを連れてサラディンが艦を降りると
桟橋の所にはエドリントン司令が立っていた。
「司令自らお迎えですか。感謝します。」
普段とは違う、軍人らしい口調で言いながら敬礼するサラディン、それにつられてノア達も敬礼をする。
「メキシコ戦線の話は聞いている、大変だったそうじゃないか。」
フレアクルーの苦労を労うかのように声をかけるエドリントン司令
「ええ…。しかし、我々には何もできませんでした。」
それに対し、少し暗い声で答えるサラディン。
エドリントン司令は、クルー達から目をそらしフレアの艦橋の方に視線をやり呟く
「北米の最後の砦なってしまったな、ここも。だが、これだけの戦力ではいつこの基地も落ちるかわからん。」
36514話内容-3:05/02/06 18:48:44 ID:???
ノア達フレアクルーには機体のメンテナンスと休暇の時間が与えられた。
その間、エドリントン司令に連れられ司令室に赴いたサラディンは司令から、『英国本部からの通達』を聞かされる。
「新造戦闘艦フレアは英国本部へ入港せよ…ですか。」通達の書類に目を通しながらサラディンは真面目な声で言う。
「本部は北米を放棄するつもりなんだろうな。基地内の者にもそれとなく伝え、基地からの避難を指示してある。」
エドリントンの一言を、サラディンは右手に握り拳を作りながら聞く。
「基地の防衛システムも殆どはオートに切り替えてある。我々が北米を放棄した事を怪しまれないように
最低限の抵抗をし、奴等に北米を明け渡せ、と言うことなのだろう。勝ち目がないと判断すれば
放棄…。手段としては仕方ないのかもしれん。」
サラディンはラオゼリアの事を思い出していた。無力であるが故に拠点を放棄せねばならなかったあの時。
また同じ事を繰り返さなければならないと言う現実。
「辛いだろう、だが反撃のため今は耐えるしかない。」
その気持ちを察してか、エドリントン司令はサラディンの肩にに手を置いてそう言った。

その頃、放棄されたメキシコ基地はコロニー連合軍によって占拠されていた。
逃げ遅れた兵士を捕虜にするコロニー連合軍。
そんな基地内の混乱の最中、基地内を歩く二人の人物がいた、ゲインとヴェルである。
「チェックメイトって感じか。」周囲の様子を見ながら呟くヴェル
「は?」意味を理解しかねたゲインが答える。
「南米に続いて北米まで指揮下にできる、と言うことだよ。後はキング(ニューヨーク基地)の駒を弾くだけだ。」
そう言われてようやく意味に気付いたゲインが答える「しかし、あの艦とあの"ガンダム"と呼ばれる機体は仕留め損ないましたね。」
コロナ03宙域で交戦した艦、そして、コロナ03でゲインが奪った機体と同型の機体…。
ゲインはコロナ03で機体を奪取し、地球軍の新型艦と戦闘をした数日後、奪取した機体の計器チェックをしていて
そのデータを発見した、機体名称のデータである。そこには、"コロナガンダム3号機"と書かれていた。
ゲインはそのデータを見た時、初めて奪った機体が"コロナガンダム"と言う機体である事、バックパック換装システムを
搭載していた事に気付いた。ゲインは、そのデータを本国に戻った際、軍事技術局に提出していた。
現在、コロニー連合本国の軍事工場では、コロナガンダム3号機の換装用オプション、ブースターバックパックが開発中である。
その完成を見届ける前にゲイン達には、南米への降下指令が命じられたのである。
そんな事を思い出しているゲインにヴェルが声をかける。
「北米が片づいたら、恐らくまた転属だろうな。」
「今度の配属先では、少しゆっくりとしたいですね。」
ゲインは本音を漏らした。
366通常の名無しさんの3倍:05/02/06 18:48:57 ID:???
よくわかんねーけど
オレのキモLVではこのスレは辛すぎる
頼むからsageてやってくれ
36714話内容-2の注釈:05/02/06 18:52:46 ID:???
エドリントン指令:ニューヨーク基地の司令官。サラディンの士官学校時代の教官。
          部下思いで、部下からの信頼も厚い。秀才ではなく凡才と自身を評価している。
36814話内容-3の注釈:05/02/06 20:03:05 ID:???
ブースターバックパック:コロナガンダム2号機(ノア機)に標準で付けられているバックパック
              コロナガンダム3号機(ゲイン機)にも同じバックパックを付ければ
              完全に機体性能差の無い、パイロットによって勝敗の決まる戦闘ができる
              と言う考えから、ライバルフラグの一つとして入れてみました。
369通常の名無しさんの3倍:05/02/06 20:24:15 ID:???
14話終了?
37014話内容-4:05/02/06 20:38:09 ID:???
翌朝、メキシコ基地ではメキシコ基地から撤退しニューヨーク基地へ退避した
地球圏連合軍に対する追討作戦が始まっていた。
それぞれの機体に乗り込むコロニー連合軍兵達、その中にはシェイド隊のメンバーの姿もあった
「ゲイン・ラッドストア、コロナガンダム3号機発進する。」
「ヴェル・アイザ・エルクラン、フギン・ムニン発進する。」
発進していくヴェル機に向かってコロニー連合軍南米基地の司令官であり、現在メキシコ基地に
来ている男エドゥアルド・カンピオから通信が入る
「お前さんの事だ、する必要も無いと思うが健闘を祈る。」
かつて、エドゥアルド・カンピオがシェイド・コミュニティのメンバーであった事は
ヴェルと現在のシェイド隊のメンバーしか知らない。
2年前、正規軍に配属される時、シェイド隊に在籍していた経歴は抹消されているからである。
だが、かつてヴェルの"年上の部下"だっただけにこの男はヴェルの実力の程を知っている。
エドゥはシェイド隊にいた頃からこんな口のきき方だった、ヴェルが上官であるにも関わらずだ。
そんな事を思い出しながらエドゥに答える。
「雑魚を相手に健闘する必要などないさ。」

メキシコ基地からコロニー連合軍部隊が出撃したのはニューヨーク基地のレーダーで
すぐに確認できた。
臨戦態勢を整えるニューヨーク基地。同時に、英国本部への出港準備に取りかかるフレア
エドリントン司令から基地内全域に伝令が入る。
「ニューヨーク基地司令、エドリントンだ。基地内に残った者に告ぐ。敵に基地を放棄したことが
怪しまれない程度に防戦をした後、各員独自の判断で基地から脱出せよ。」
同じ頃、フレア艦内から3機のMSが発進準備を進めていた。
6機のコックピットにサラディン艦長から通信が入る。
「ノア、基地の奴等が逃げ始めたらお前も艦に戻ってこい。」
「了解。」ノアが答える。
「ベルファ、お前のキャノンダスターは艦の上で艦に近付く敵の迎撃をしろ。」
「難しいですね。」皮肉混じりに答えるベルファに「そこを何とか、頼む、な。」サラディンは冗談めかして言う
「ヤック、スウェルド、レスター、ファウンゼル、おまえらはダスターでノア機の援護と艦を防衛しろ。」
「…了解」ドレッドノート隊は全部で6人居た。しかしラオゼリアから逃げるときに3人が落とされている。
そして、またメキシコの戦闘でベルトランも落とされている。ヤックとスウェルドはドレッドノート隊の生き残りであり
ヤックは、ベルトランを見殺しにしたノアをあまり良く思っていない、その気持ちはスウェルドも同じだ。
レスター、ファウンゼルはそれぞれ、コロナガンダム1号機と3号機のパイロットになる予定だったパイロットだ。
彼らも、コロナガンダム2号機のパイロットがノアである事を渋々承知しているが、ノアに対して
良い感情は持っていない。
だが、作戦の為にはノアと享禄しなければならない。『了解』と言う言葉が重くのしかかった。
37114話内容-4注釈&訂正:05/02/06 20:41:28 ID:???
享禄→協力

ヤック:13話でノアにつかみかかった、元ベルトランの部下
スウェルド:元ベルトランの部下
レスター:コロナガンダム1号機のパイロット候補生だった人
ファウンゼル:コロナガンダム3号機のパイロット候補生だった人
彼らに関しては性格付けはあまりしないでおこうと思います。
ノアとベルファだけじゃフレア弱い気がしたので、この4人もずっと
フレアに乗っていたと言うことで。
37214話内容-5:05/02/06 21:12:31 ID:???
メキシコ基地から発進したコロニー連合の部隊が攻撃を仕掛けてくる。
ニューヨーク基地の、事前にオートモードにされていた砲台が敵の反応を
レーダーの中に捉え攻撃する。そんな基地の真ん中に降りると、ノアはビームライフルを連射した。
ノアのコロナガンダムの近くに降り同じようにビームライフルを連射するヤックのダスターに、ノアから通信が入る。
「………ごめん。」
ベルトランの事を言っている事にヤックはすぐに気付き、そして
「今はよそ事を考えてる場合ではないですよ。悪いと思うのなら、この戦い必ず生き延びて下さい。」
と答える。
フレアがニューヨーク基地を出港したのはコロニー連合側にもレーダーで解っていた。
「隊長、フェニックスです。」
データを照合し、ヴェルに伝えるゲイン。
コロニー連合の南米駐留軍の部隊長の機体から通信が入る
「地球軍の新型艦か、基地を攻撃する者と艦を追う者、二手に分かれよう。」
それを聞いた瞬間、ヴェルは部隊長機に通信を入れる
「我々もあの艦を追う部隊に入れて頂きたい。」
エドゥアルド司令官からヴェルの部隊の希望はなるべく聞くように指示を受けていた部隊長は
その要望を聞き入れる。
「ゲイン、お前は基地の方をやれ。我々は艦を追う」
そう言うと、ゲイン以外のシェイド隊のメンバーを引き連れて部隊長機の後に付いていくヴェル。

ニューヨーク基地で地球圏連合軍は防戦一方だった。
近付いて来る敵にビームライフルで応戦するノア達。
ノアのコロナガンダムをレーダーに捉えたゲインは部隊の副隊長に一言通信を入れる
「あの機体は俺がやります。」とだけ伝え、ノアのコロナガンダムの前に立った。
ビームサーベルを抜き、ノア機に向かって斬りかかるゲイン
「あいつは、俺が抑える。みんなは他の機体を。」ダスターに乗った4人に通信を入れると
同じようにビームサーベルを抜き、ビームサーベルを交えるノア。
なかなか勝負はつかない、いやノアの方が僅かに圧され気味な状況である。
「ここで貴様を仕留めれば!」サーベルを振り上げトドメを刺そうと叫ぶゲイン。
「ここで死ぬわけにはいかない、ベルトラン達の、命を継がなければならないから!」
そのサーベルをビームサーベルで受け止めると、盾をゲイン機の前に突きつけブースターをフルスロットルで噴射させるノア。
盾で押され、よろけて倒れるゲインのコロナガンダム3号機、倒れた3号機の喉元にビームサーベルの切っ先をつきつけるノア。
その時、ノア達ニューヨーク基地で戦闘をしていた機体にフレアから通信が入る。
「もういい、撤退しろ。敵さんがこっちに向かってる、ベルファ一人じゃやばい。おまえらを回収したら
全速力でこの戦域を脱出する。」
サラディン艦長からの指示に基地を放棄して艦を攻撃するグラッツ(コロニー連合軍のMS)の銃弾をかいくぐり
艦に戻るノア達。最後にベルファのキャノンダスターが着艦したのを確認するとサラディン艦長は
「機関最大、全速前進!」と操舵手に向かって叫んだ。
37314話内容-6:05/02/06 21:32:36 ID:???
全速力で逃げ出したフレアを見ながらメキシコ駐留軍の部隊長は言う。
「あの速度、MSでは追撃できんな。全機、ニューヨーク基地に降下せよ。」

コロニー連合軍がニューヨーク基地を占領した頃、ラオゼリアでは
ラオゼリアの指揮を任されたアルテミスの艦長エフィード・ライアスが何かを考え込んでいた
ライアスは通信機のスイッチを入れると誰かに通信を入れる。
「何か用かね?これから評議会なんだが。」通信機の向こうの男は身支度をしながら話す。
「少し、お話したい事がありましてな。」ライアスの目は真剣そのものだ。
「私に、か?。」椅子に座ったまま深くうなずくとライアスは答えた
「地球圏連合との和平について、です。」そう聞くと通信機の向こうの男は急に落ち着き払っていた。
「2分だけ、用件を聞こう。」

ニューヨーク基地の戦域を抜けるとサラディン艦長は艦長席の横に立った男に
声をかける。
「すみませんエドリントン司令…。あのまま基地に残して見殺しにするのだけは
どうしても納得できなかったので、軍人にあるまじき個人の感情で乗艦要請をしてしまい…。」
「言い訳をする必要はない。基地に残った者達が無事に逃げ切っていてくれればいいがな。」
戦闘が始まる前、出港準備をしながらサラディン艦長がエドリントン司令を必死で
説得していたのは、その時艦橋に居た者以外知る由もない。
エドリントン司令もまた、その説得を渋々ながら承知した。ラオゼリアの件を聞いていたからこそ
敵前逃亡という厳罰に処されるかもしれない事は承知しながらの判断である。
そして、フレアに乗艦する前に、基地に残った兵にある程度防戦したら独自の判断で基地から
脱出する事を命じたのだ。

ノアとベルファとヤックは艦内でコックピットから降りると艦の最後部のデッキの窓から遠くに見える
ニューヨーク基地を見る。炎上するニーヨーク基地の炎と煙が見える。
「また、逃げるしか無かった…無力だな。」
その光景から目を逸らし呟くノアの頭に手を置き、ベルファが諭すように言う
「無力だったのはお前だけじゃない、俺もだ。」
炎上するニューヨークの光景を見据えながらヤックが呟く。
「俺も、無力ですよ。ですが、一人で背負い込まないで下さいベルトラン隊長に失礼ですから。」

ラオゼリアに続き2度目の敗北、黒煙の上がるニューヨーク基地の光景は
三人の心に重い影を落としていた。

次回に続く。
374通常の名無しさんの3倍:05/02/06 21:43:29 ID:???
ゲインは放置プレイでつね?
375通常の名無しさんの3倍:05/02/06 21:58:04 ID:???
アニメにした場合30分以内に納める事を考えてるとこれ以上内容詰め込みすぎたらとんでもない事になりそうなので
ゲインは15話書く人に任せます。
376通常の名無しさんの3倍:05/02/06 22:04:12 ID:???
Vector-GUNDAMって100%ノアの乗る新型機にしなければいけませんか?
2クールのストーリーの流れで誰が乗るか変えても構いませんか?
377通常の名無しさんの3倍:05/02/06 22:06:44 ID:???
やっぱゲインがライバルとして薄いな
種で言うところの「逃げ出した腰抜け兵が」ぐらいの何かをしでかしてくれないと
ライバルとして存在感が薄すぎる気がする
378通常の名無しさんの3倍:05/02/06 22:31:22 ID:???
14話
詰め込みすぎ、これアニメで1話で観たら脳パンクしそうだ
14話と15話に分けて書くべきだったな
まあ一目したら話が進んでないように見えるから仕方ないのかも知れないが
379通常の名無しさんの3倍:05/02/06 22:38:08 ID:???
>>377
13話までがスローテンポだったから少し詰めて書かないと
と書き主は焦ったんだろうな
380通常の名無しさんの3倍:05/02/06 22:47:48 ID:???
フレアは英国支部ではなくアイスランドへと向かった。
表向きは中立国だが実態は地球軍のモビルスーツ試験場だった。
一方ニューヨークのシェイド・コミュニティ隊はヴェルとエドゥアルド・カンピオをフレア追撃隊に任命する。
次回、「静かなる戦い」
381通常の名無しさんの3倍:05/02/06 23:00:59 ID:???
ニューヨークというアメリカ最大の拠点を失った地球連合軍所属フレアは、大西洋を横断し、英国支部へと向かっていた。
フレアのブリッジ内ではいつでも戦闘が行えるよう、CIC担当員が常にレーダーに気を配っている。
そこへ先程乗艦しかエドリントン指令がやってきた。
「サラディン艦長、クレイトン航海長と一緒に会議室に来てくれるかな」
「わかりました。クレイトン!ちょっと来い」
二人は会議室へ向かった。クレイトンは面倒くさそうな顔をしている。
なにせ操縦士にほとんどをまかせっきりで、進路の取り方すら指示しない男だ。
会議室へ入るとエドリントンがモニターにこれから取るべき進路であると思われる矢印を示した地図を映し出していた。
「今後我々が取るべき進路を考えてみた。やつらのことだから英国へ向かったと思っているだろう。そこで一旦さらに北にあるアイスランドへ向かうというのが私の案だ」
「あー、アイスランドは連合軍下ではない地域でしたな。受け入れてくれますか?」
クレイトンが言う。
「表向きはな。だが実際には我々のモビルスーツ開発場だ。フレアのモビルスーツ補充もできるだろう」
「英国に向かえばまた戦火になるに違いない。補給のことも考えると、ここは司令官の案に従いましょう」
「そうですな。では私はこれで」
クレイトンがサラディンに合わせると会議室をそそくさと出ていった。
「サラディン艦長。私もこの艦に乗ったからにはできるだけ協力させていただけないかな?」
「ええ。司令官はモビルスーツの操縦が得意と聞いています。ひとつパイロット達に教えてやれることがあったらアドバイスしてやってください」
サラディンはそう言い残して部屋を後にした。
「北東に舵を取れ!目標はアイスランドだ!」
ブリッジ内に航海長の声が響き渡る。
382通常の名無しさんの3倍:05/02/06 23:06:46 ID:???
 コロニー軍の手に渡ったニューヨーク。といっても連合軍ビル以外にはさほど軍事施設はない。
「我々に支配されたというのに、市民は呑気なものだな。日常と何一つ変わりない風景だ」
仮面の男ヴェル・ザ・レイヴェンが連合ビルから町を見下ろしながら言った。
「軍部はできるだけ市民を圧迫しないようにと言っています。変に刺激すると暴動を起こしかねませんからね」
とゲインが言った。
「結局、軍人以外にはどうでもいいことなのだろうな。何一つ変わらぬ生活ができれば管理者が敵だろうが味方だろうが」
「少し散歩に行ってきます。セントラルパークという公園というところへ出向こうかと」
「今は戦闘警報は出ていない。少し羽を伸ばすといい。行きたまえ」
ヴェルは許可を得るとセントラルパークへ向かった。
内心、彼は苛ついていた。先程の戦いで、自分は死ぬはずだった。だが相手はあざ笑うかのように自分には目もくれず去っていった。侮辱的行為だ。
考えるだけで腹が立ってくる。
「くそ!何度も何度も邪魔ばっかりして!」
誰も居ない公園でベンチを蹴り飛ばした。
「今度こそ絶対に断ち切ってやる・・・」
しばらくして携帯電話に連絡が入った。
「私だ。フェニックスの追撃命令が出た。私は出られないため隊長はスネークが隊長だ。異議はないな?」
「もちろんです隊長。今度は必ずガンダムを仕留めます」
復讐に燃えるヴェルには、もはやコロナガンダム以外何も見えなかった。
 ハドソン川上流に浮かぶ中型輸送船「エイジア」にコロナガンダム02、グラッツ4期が格納された。
早速船に乗り込んだヴェルは艦首から海を見つめていた。
「そんなにあのモビルスーツが気になるか?」
後ろからエドゥアルド・カンピオが声をかける。
「仰るとおりです。あの時、とどめを刺さないのは戦いの場においては侮辱行為です。絶対に倒す」
「君の言うことがわからんでもない。だが戦いにおいて優先されるのは個人の感情ではなく、任務だ。私情は二の次だな」
歴戦の男こと、"スネーク・エディ"はそう言い残していった。
383通常の名無しさんの3倍:05/02/06 23:18:06 ID:YwyE9p16
382 なあ、執筆途中で悪いんだが。
ヴェルとゲインがごっちゃになってるぞ。
アップする前にちったあ見なおせ。
384通常の名無しさんの3倍:05/02/06 23:19:58 ID:???
あ、そう見たい。
妙に酔ってるから
385通常の名無しさんの3倍:05/02/06 23:32:17 ID:???
ついでに言うなら話数もちゃんと書いてくれ
38615話ー3:05/02/06 23:38:32 ID:???
「ここ3日間も陸を見ていないと、なんだか寂しくなるね」
サラディンがぼやく
「宇宙ではそんなこと言ってられんだろう。一面真っ暗だ。それに比べればマシだな」
コールマンが言った。
「ま、そりゃそうだけど。アイスランドについたらまともな飯にありつきたいね。機内食じゃ飽きるっての」
「嫌なことでも我慢してみるべきだぞ。子供の頃ブロッコリーを何度も食べさせられた」
「それで?」
サラディンが話を続けさせる。
「見るのも嫌だ」
 格納庫ではエドリントンがモビルスーツを見て回っていた。彼はパイロットであるノアに近づいた。
「コロナガンダムか。いい機体だ。ダスターの何倍のパワーを持っていることか」
それに気づいたノアは敬礼をする。
「自分でもわからないくらい優れた機体です。制御できないほどに・・・」
「君は十分使いこなしている。戦いにおいて必要なのは力ではない。頭と神経を研ぎ澄まし敏感に反応する。それが重要なことだな」
よくわかってないような顔をするノアを見ると、エドリントンは他のモビルスーツパイロットにも話しかけていった。
38715話ー4:05/02/06 23:44:09 ID:???
「まもなくアイスランド港に入る。入港進路を取れ!」
クレイトンの声がブリッジに響き渡る。
「しかし艦長!港らしきところは見えませんがね!?一体どこにあるってんですか!?」
そう言っていると、前方の岸壁が大きく割れるように開いた。
「なるほど」
クレイトンはうなずいた。
入港すると、そこは大きな格納庫になっており、他にも3隻の船があった。
「しかしたまげたね。これじゃ見つからないはずだ」
「補給は今日中に済ませ、明後日には出港だ。ただし自由行動時間はない」
あっけに取られるサラディンを尻目に、コールマンが艦内に通達する。
エドリントンは逐一に艦を降りて、配備されているモビルスーツを観察していた。
「ほう、開発されたばかりのダスターUか。脚部バーニアからして機動力は高そうだな」
「それだけではありませんよ。他にも新型が1種類、4機届いてます」
整備士の男が案内するところには、またもや見慣れぬ機体があった。
「これは私が考案した、ジオーノスだな。新たな量産期として考えていたのだが、採用されるとはな」
「開発部からは絶賛だったようです。基本スペックはビームライフルとサーベル程度ですが、装甲にビームコーティングを採用してあります」
「なかなかの出来だ。フレアに2機配備してくれるかな。テストは結構だ。パイロットが優秀だからな」
エドリントンは有意義な顔をしてフレアに戻っていった。
38815話ー5:05/02/07 00:02:25 ID:???
輸送船エイジアはあと数時間で英国領海に入るという位置にいたが、未だに敵艦一機すら出くわさないことに疑問を抱いていた。
「フレアが入港したとなれば、もっと警戒態勢を取るはずだが。これは怪しいな」
艦長のJ.C.ロメロがブリッジに姿を現した。
「これ以上近づけば攻撃を受けますよ。潜水艇の一つや二つが這っていてもおかしくない」
「そうだな。速度を落とし、警戒態勢に入れ。グリーンランドの陸沿いを偵察する。
 一方、水中では地球軍潜水艦ハイランドが、エイジアの動きを随時英国支部へ報告していた。
「コロニー軍輸送船はグリーンランド方面へ向かったようです」
「了解。エドリントン准将の作戦では、フレアを出港させると同時に英国から発進させておいた第12海軍分隊での挟み撃ちとのことだ。すぐに配備すると伝えろ」
 エイジアはグリーンランドを目指し、アイスランドなどは目にも止まらなかった。
「グリーンランド。何もありませんよ。イギリスに行った気配もないとするとどこへ行ったんでしょうね」
すると地図を見ていたカンピオは閃いたかのように
「アイスランドだ。ここしか考えられない」
ロメロは鼻で笑った。
「失礼ですが、あそこは中立国ですよ。地球軍下になっているなんて条約違反だ」
「イギリスでもグリーンランドでもなく補給できる所といえばそこしかない。カナダなどに逃げ込んだところでアメリカと同じことだしな」
 エドリントンは英国支部から敵軍の輸送船がグリーンランドに向かったとの報を受けて、すぐさまサラディンのところへ向かった。
「サラディン艦長。敵の輸送船がグリーンランドへ向かったらしい。おそらく私達を追ってきたのだろう。このまま巡回してこちらへ来る可能性が高い。明日には出港だ」
「な、何を急に。それにその情報はどこから?司令官といえども明確な情報源がないと信用できませんよ」
慌てふためくサラディン。
「イギリス本土からだ。既に裏で打ち合わせていた。出港した分隊とフレアで輸送船を挟み撃ちにするという作戦でな」
「たかが輸送船一隻に?」
「ニューヨークが陥落するのを見ただろう?それだけ脅威なモビルスーツを所持しているということだ。この艦にはダスターUとジオーノスを配備しておいた。すぐに準備にかかるんだ」
「よーし。各員戦闘準備!モビルスーツは入念にチェック入れとけ!」
38915話解説:05/02/07 00:12:39 ID:???
条約:戦争において、所有地及び占領地はどの軍も明確に知る権利がある。
390通常の名無しさんの3倍:05/02/07 00:17:53 ID:???
お〜い、14話で英国本部からフレアに直々に英国入港の命令が出てるのに
アイスランドに行ったら命令違反になるのでは?
391通常の名無しさんの3倍:05/02/07 00:19:14 ID:???
>>388
ニューヨーク陥落は数の差だと思う
地球:コロニー軍の比率5:1ぐらいでは?
39215話ー6:05/02/07 00:28:56 ID:???
翌日、明朝7時にフレアは出港した。
「レーダーに敵艦あり!アイスランド北方に小型船ありです」
CIC要員が敵の位置を知らせる。
「やはりな。援護は後1時間ほどで来るはずだ。そろそろモビルスーツ隊は展開しておいたほうがいいぞ」
エドリントンがサラディンに勧告する。
「パイロットに告ぐ。ノア機、ベルファ機は艦上にて警戒態勢。残るはヤックを隊長とし、いつでも出られるように待機」
 「出撃命令だ。キャノンダスターUの性能もどのくらいか気になるところだな」
「さっさと着替えて待機してよう。今回の戦いも厳しそうだし」
話にのらないノア。
「ノア・バルクーレ、コロナガンダム出る!」
「ベルファ・ドートレッド、キャノンダスターU出るぞ!」
両機が格納庫から飛び出すと、すぐさま艦首に出て武器を構えた。
「そのキャノンダスターUの性能はどうなんだ?」
ノアが尋ねる。
「キャノンパックの出力を抑え、連射性を高めてあるようだ。ビームピストル2丁も追加されてる。それになにより、ダスターUの駆動性が高い」
「それはよかったな。後方支援は頼むよ」
「任せておけ」
ブリッジではレーダーにモビルスーツ反応が出ていた。
「敵小型艦、後方20マイル地点に発見!モビルスーツ5機を展開してきます!」
「迎撃準備!砲撃手、副砲撃手は弾幕を貼れ!」
 「ラッツは俺に続け。ゲインはあのガンダムを叩け」
「了解。見つけたぞガンダム!今度こそ!」
フルバーニアでコロナ02に突っ込んでいくゲイン。
ノアのコロナは急いでビームライフルを収納し、サーベルを抜き取る。
ブリッジではCIC要員が敵との距離を明確に測っていた。
「戦闘開始距離まであと5、4、3・・・」
「よし私もジオーノスで出るぞ」
エドリントンが威勢良く言った。
「は?」
サラディンはあっけにとられた。
「聞こえただろう?私はジオーノスで出る。準備をしろ」
つづく
393通常の名無しさんの3倍:05/02/07 00:31:28 ID:???
>>391
戦艦主義の地球とも日スーツ主力のコロニーでは、数より性能の差だと思われ。
ニューヨークも一般市民のほうが多いと考えると、全土から集めないと小隊程度の数だと思う。
39415話中の人:05/02/07 00:34:41 ID:???
>>390
それはエドリントンが作戦上アイスランドに向かったほうが良いと考えたので、そういう風に変えたことになってる。
仮にも戦列司令官の言うことなら、イギリスの提督クラスも納得するはず。
395通常の名無しさんの3倍:05/02/07 00:42:24 ID:???
>>394
でもその司令官は実はニューヨーク基地を結果的に放棄した
敵前逃亡罪扱いされても仕方ない可能性のある奴なわけで
戦犯の判断で目的地変更ってどうなんだろ
次書く人はその辺しっかりフォローできるだろうか
396通常の名無しさんの3倍:05/02/07 00:45:58 ID:???
>>394
戦犯どうは軍法会議で決まる。
それまでは准将としての指揮権はある。
まあ以前からそういうこと考えていたとか後付設定は後の人に任せますわ。
397通常の名無しさんの3倍:05/02/07 01:10:23 ID:???
ゲインとノアの第二ラウンドが始まりそうな雰囲気だけで楽しみ
「逃げ出した腰抜け兵が!」レベルに衝撃的なことをゲインがしてくれる事を期待
398通常の名無しさんの3倍:05/02/07 01:10:46 ID:???
ダスターUの性能はダスターとどう違うのか
399通常の名無しさんの3倍:05/02/07 01:15:02 ID:???
>>398
15話の内容から察するに
ダスター2の性能は
・ダスターより軽量化されている分運動性が上がっている
キャノンダスター2は
・ダスターより軽量化去れ多分運動性が上がっている
・ダスターより連射性の高いキャノンが搭載されている
というところか
400通常の名無しさんの3倍:05/02/07 01:16:39 ID:???
14話の良い点
艦長と副長のやりとり。
>「嫌なことでも我慢してみるべきだぞ。子供の頃ブロッコリーを何度も食べさせられた」
>「それで?」
>サラディンが話を続けさせる。
>「見るのも嫌だ」

この辺のやり取りはいい感じ
他はキャラとのやり取りか
401通常の名無しさんの3倍:05/02/07 01:19:53 ID:???
ジオーノスに関しては次回待ちだな。
エドリントンがどれほどの腕かはわからんが。
402通常の名無しさんの3倍:05/02/07 03:21:00 ID:???
設定的にエドリントンは歴戦のベテランパイロットだろ?
普通の戦闘では、何か「他の要因」が無いかぎり死なないだろうね。
とはいえ、さっさと退場して貰いたいキャラではあるからな…
403通常の名無しさんの3倍:05/02/07 03:23:30 ID:???
イギリス支部で軍法会議にかかるだろうから、今後ついてはいけないだろうね。
404通常の名無しさんの3倍:05/02/07 13:01:52 ID:???
>>402
俺は逆にエドリントンが最後の方まで生き残って
全面的にフレアを支援するタイプの指揮官として
活動する展開を希望するけどな
405通常の名無しさんの3倍:05/02/07 13:03:17 ID:???
>>400
そのやりとりは暗に機内食のメニューに
ブロッコリーがあった事に対する不満とも読める
406通常の名無しさんの3倍:05/02/07 13:05:24 ID:???
あの、14話で英国支部じゃなくて英国本部になってるんですけど
支部で行くのか本部で通すのかどっち?
407通常の名無しさんの3倍:05/02/07 13:25:51 ID:???
14話からの流れで、2クール目終盤(25話か26話)では
ブースターバックパックを装備したコロナ同士の戦いという展開期待
408通常の名無しさんの3倍:05/02/07 13:58:08 ID:???
>>406
本部は11話で
>実は連合軍内には本部は存在しない。それは相手をかく乱するためであると言われたり、噂では南極や北極にあるのではないかとも言われている。真相はわからない。
と言われている。英国が本部なのかもしれないし、どっか違うところにあるのかもしれない
409通常の名無しさんの3倍:05/02/07 16:22:04 ID:???
age
41015話解説:05/02/07 21:41:57 ID:???
ジオーノスの補足:とりあえず拡張性が高いので、現在の所、スピード重視のアサルトモードが開発済み。
411通常の名無しさんの3倍:05/02/08 21:26:07 ID:???
16話まだ〜?
412通常の名無しさんの3倍:05/02/09 01:44:54 ID:???
>>411
16話書きたいけど難しいんだよ
戦闘シーンが多くなりそうで
413通常の名無しさんの3倍:05/02/09 23:11:02 ID:???
The End?
414通常の名無しさんの3倍:05/02/10 13:45:14 ID:???
戦闘シーン上手く書ける人が16話を書けば
続くだろ
415通常の名無しさんの3倍:05/02/10 14:15:56 ID:???
別に戦闘シーン云々じゃねえだろ。
エドリントンのキャラが初期設定と違う上に軍規そっちのけで勝手やったんで
その後の辻褄合わせるのが厳しいのが最大の問題じゃねえのか?
416通常の名無しさんの3倍:05/02/10 16:28:30 ID:???
適当にバックランドのお気に入りってことにしとけば、彼の名誉を傷つけるわけにはいかないってことにしとけば。
それに軍法会議開くまでは指揮権あるわけだし。
41716話:05/02/10 21:11:09 ID:???
フレアを襲うエイジア。”スネーク・エディ”ことエドゥアルド・カンピオの地形を利用した戦い方に苦戦する。
苦戦するフレアのモビルスーツに、援護に搭乗したのはインディファティカブル(疲れ知らず)サムことサミュエル・エドリントン准将だった。
418通常の名無しさんの3倍:05/02/10 21:20:47 ID:???
イギリスの北西に位置するフェロー諸島。
この付近にて、地球連合軍所属艦フレアは、コロニー連合所属輸送船エイジアと戦闘を繰り広げていた。
「准将自ら出撃ですと?」
コールマン大尉が問う。
「本国からの援軍は予想より遅いようだ。一人でも多いほうが時間は稼げるだろう」
「失礼ながら准将。あなた方は現在北米支部を放棄して、我が艦に身を預ける状態です。おそらくイギリスでは軍法会議だ」
サラディンは否定的な言い方をした。
「私はみすみす死ぬようなことにはならない。イギリスで死刑になっても構わんから出る。いいな?」
「了解。作業員にジオーノスの出撃準備をさせろ!」
無理やり説得させるエドリントンにサラディンは従うしかなかった。
 甲板ではコロナガンダム2機の激しいぶつかりあいが繰り広げられていた。
三号機がビームサーベルを収め、浮遊する補助モビルアーマーから専用バズーカの改良型である高出力メガ粒子ビームキャノンを捕まえた。
それに気づいた二号機パイロットのノアはとっさにブリッジに通信を入れた。
「旋回してください!敵がメガキャノンを構えています!」
サラディンは慌てて「そんな急に言ってどうすんの!クレイトン!旋回!」
フレアは右舷急旋回したが、メガキャノンの射程距離内に収まりきっている。
「間に合わないなら仕方ない!」
ノアは二号機の大型シールドのビームコーティングチャージャーを最大にしてメガキャノンに向かって突撃していった。
「無駄だ!船ごと沈め、ガンダム!」
ゲインはトリガーを引いた。途端に緑色のプラズマのような粒子が、ものすごい勢いで発射された。
ビーム粒子は、二号機のシールドに直撃し、尚も押し続けている。
「バーニアの出力ならこっちが上だ!押し返してやる!」
ノアはバーニアをフルにして押されているシールドを補助した。
そして突然、シールドは砕け散り、粒子も消えた。
煙に紛れた三号機は、すかさずビームサーベルを抜き取り、キャノンを撃ちチャージ状態の二号機に特攻していった。
41916話ー2:05/02/10 22:04:02 ID:???
それに気づいたゲインはすかさず、遠隔操作するモビルアーマー状のフライヤーにキャノンを投げつけると、ビームサーベルを抜いた。
両機のサーベルが交じり合い、火花が飛び散る。
「コロナは1機で十分だ!いい加減俺の前から失せろ!」
思い切りビームサーベルをぶつける二号機。だがわずかに三号機のほうが押し気味だ。
なにせ、三号機は長距離用モビルスーツ、それに対して二号機は中距離用でどこからでも攻撃できるようにバーニアや各部出力が強化されている。
接近戦に持ち込めば二号機に勝ち目はないだろう。なんとかゲインの圧倒によって持ちこたえられている状態である。
「がむしゃらに振り回しても、隙を作るだけだ!」
ノアは三号機の一瞬の隙をついてビームサーベルを突き刺した。
ゲインは間一髪で回避しようとしたが、右腕が破壊された。
「なに!?こっちだけ喰らってたまるか!」
すかさず、後ろに控えていたフライヤーのキャノンが火を噴く。
流石の二号機もこれは避けきれず、頭部を破壊され、衝撃でフレアまで落下していく。
「しまった!衝撃が強すぎてブースターの軌道修正が精一杯だ!フレアへ、墜落する、コンテナゲートを開けろ!」
水面付近になってようやくコントロールできるようになると、二号機はネットのついたゲートに突っ込んだ。
「コロナは頭部を破壊か。スペアで補ってもメインカメラ系統の修理は結構時間がかかるぞ」
その模様をモニターから眺めていたコールマンが言った。
「フレアにはコロナだけじゃないぞ。ヤック隊長、ベルファを援護する形で敵を撃破しろ!」
コンテナゲートからヤック隊長以下4人が発進する。
 一方の甲板ではベルファのキャノンダスターUが悪戦苦闘していた。
「命中させようにも波の壁が邪魔だ。これでは当たらないな・・・」
エドゥアルド率いるグラッツ隊は、フレアの周りを旋回しながら、海面に向かってヘッド部分にあるメガ粒子砲を放つ。
大きな波が湧き上がり、キャノンダスターの目の前を覆い隠したところをすかさず後続のグラッツがクローを浴びせる。
なんとか避けているものの、いつまで続くかはわからず、パイロットの耐久勝負をやっているようだ。
「波を起こせ!私が突撃する。」
もう一度波を起こすと、今度はエドゥアルドのグラッツがキャノンダスターに襲い掛かる。
420通常の名無しさんの3倍:05/02/10 22:24:08 ID:???
ベルファは苛立ちを隠せない。
グラッツはキャノンダスターとすれ違った、瞬間、クビを180度回転させ、メガ粒子砲を浴びせる。
これはかわせず、右足を損傷した。同時に艦にも被害に及ぶ。
「艦に損傷だ!すぐに修理班を向かわせろ!」
コールマンがエンジンルームの整備士に向かって大声で叫ぶ。
「マジでやばいんじゃないの!新造艦なのに装甲は変わってないんだから!」
サラディンはお調子者なりに慌てるような台詞を吐く。
甲板では右足を破壊され、直立できないキャノンダスターが固定砲台のようにキャノンを連射していた。
「ベルファ機、右足損傷。このままでは標的だ。帰還する。ヤック隊は援護してくれ」
ヤック隊の二機がキャノンダスターを運び出し、コンテナに着陸させる。
甲板に戻ると、ヤック、スウェルド機がビームライフルを連射している。
そこへ先程のようにグラッツ隊が波を盾に攻撃を仕掛ける。
「おいスウェルド!グラッツが波の中から襲ってきたら、アサルトモード用のカッターシルードで切り刻め!」
「了解!」
そして規則化されたようにグラッツが波から飛び出してきた。
今だ!と言わんばかりに、スウェルド機のシールドからビームカッターが飛び出し、グラッツの腹部を真っ二つにした。
「カンピオ隊長!1機撃破されました!」
「補充は不可能だ。エイジア、ライナックス隊を出せ」
エイジアから3機のモビルスーツが発進した。
「敵艦からモビルスーツ3機が発進!データにない機体です!」
「モビスルーツの数はあっちが上というわけか。ここは准将に出てもらうしかなさそうですな艦長」
「まあ結果論でいくとそうなるわな。エドリントン准将!準備はよろしいか?」
サラディンがモニター越しにエドリントンに通信する。
「こちらは準備完了だ。アサルトモードとの適合性も100%で良好だ。出撃して構わんかな?」
「どうぞ准将」
「よし。サミュエル・エドリントン、ジオーノス、出るぞ!」
コンテナゲートからジオーノスが発進された。
それに気づいたグラッツが二機、ジオーノスに襲い掛かる。
鋭いクローがコクピット目掛けて襲い掛かる。
軋むような音がすると、グラッツのクローはジオーノスのシールドによって砕かれていた。
「機体の反応速度はまあまあだな」
42116話ー4:05/02/10 22:36:37 ID:???
シールドをグラッツのコクピットの突き刺すと、音もなく海へ沈んだ。
すぐさまビームサーベルとサーベルを抜くと、二機目に特攻していく。
「くそ!なんで効かないんだよ!」
慌てふためくグラッツのパイロット。
ビームコーティングを施してあるため、小口径からのメガ粒子砲程度なら無傷でいられる。
「うわあああ!」
サーベルが腹部から真っ二つに引き裂く。
それを見ていたエドゥアルドは「あの獲物は私が頂く。他モビルスーツを破壊しろ」
そう言ってジオノースに攻撃を仕掛けた。
クローを収納し、5本揃った指を出すと、腰に装備したビームサーベルを抜く。
ジオーノスもサーベルを構えて、互いにサーベルが激突した。
と、エドリントンは敵機の通信回線が開いていることに気づいた。
「貴行は地球軍有数のパイロットと見た。名をお聞きしたい」
戦闘中に何を血迷ったかと思いつつも、エドリントンは答えた。
「サミュエル・エドリントンだ。戦闘中に余談はよしたまえ」
それを聞いた瞬間、エドゥアルドはサーベルを弾いて、機体を退けた。
「エドリントン・・・”インディファティカブル(疲れ知らず)・サムか!ますます意欲が沸いてきたぞ!」
エドリントンはバックランド提督がブラスホッパー以前に、長年指揮してきたシップ艦ワイルドスプラッシュで名声を得た地球軍きってのエースパイロットである。
バックランド提督のお気に入りとして、ブルーヴァードを指揮しながらパイロットとしても活躍するという万能さを見せつけた。
 そしてエドゥアルドのグラッツがサーベルを2本取り出し、メガ粒子砲を連射しながら特攻してきた。
「これほど価値のある獲物はいない!エドリントン、もらった!」
エドリントンは特攻してくるグラッツの頭を踏みつけると、頭から落下する形でライフルを連射し、敵機体を海へ沈めるという操縦テクニックを披露した。
「グラッツが水中移動可能だったから助かったが・・・」
水中で固まっていると、部下から通信が入る。
「イギリス海軍小隊下分隊が接近しています!戦列艦クラスが六隻」
「わかった。撤退命令を出せ。イギリス軍艦六隻じゃ撃滅不可能だからな」
輸送船から信号が放たれると、モビスーツは次々に帰還していく。
「照明弾?撤退命令か」
分隊がと落ち合うのはこの20分後であった。

つづく
422通常の名無しさんの3倍:05/02/10 22:37:30 ID:???
終盤だらけたんで、文章が陳腐になったのは勘弁してください。
423通常の名無しさんの3倍:05/02/10 23:25:50 ID:???
二号機と三号機がごっちゃになりすぎ。
フライヤーとキャノンの説明が欲しい。
424通常の名無しさんの3倍:05/02/11 00:08:49 ID:???
フライヤー:とりあえずジャスティスのバックパックとか、トムリアットの分離した下半身みたいなもとでも考えておいてください。
キャノン:それに取り付けてある大型のメガ粒子砲キャノン。フライヤーに持ってきてもらってキャッチする。
425通常の名無しさんの3倍:05/02/11 01:12:43 ID:???
タイトル忘れてた
「海洋戦術」
426通常の名無しさんの3倍:05/02/11 01:44:43 ID:???
まあ難しい戦闘シーンをそこそこ描けてるからグッドだな
427通常の名無しさんの3倍:05/02/11 02:58:11 ID:???
エドリントンのキャラが14話〜16話で大分変わってるな

設定としては
過去のエースパイロットで、サラディンのが士官学校時代の教官にあたる
これだけは重要っぽいか
後、意外と年であること、それなりに年寄り臭い言葉遣いにした方が良かったかも
428通常の名無しさんの3倍:05/02/11 03:01:47 ID:???
馴染みのある人物であれ馴れ馴れしくしないところから根っからの軍人か。
429通常の名無しさんの3倍:05/02/12 20:31:06 ID:???
なんか連合軍へぼすぎない?
430通常の名無しさんの3倍:05/02/13 11:05:32 ID:???
>>429
それを言うならコロニー連合もヘボイ
さあ、17話突入ですか
43117話予告:05/02/13 11:47:28 ID:???
地球圏連合英国本部で軍法会議を受けるエドリントン司令
その結果は誰もが予期していなかった方向に事を運んだ。
「正しいとは思わない、でもそうせずにはいられなかった。」
そんな想いを抱えているフレアクルーに新たな命令が下される
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)「世界の裏で動く者」
その闇がもたらすのは、平和か、混沌か
43217話内容ー1:05/02/13 12:08:01 ID:???
「これより、地球圏連合英国本部に於ける軍法会議を開廷する。」
暗い部屋の真ん中、連合の上層部の者らしい人物が厳かに開廷を告げる。
「被告、ニューヨーク支部司令エドリントン・ファイネス准将
新造戦闘艦フレア艦長、ヴァルモンテ・サラディン大尉前へ。」
その言葉と共に、エドリントン准将とサラディン艦長が被告席に着く。
フレアの面々は、分隊と合流後、英国本部への同行を求められた。
そして、英国に着いたフレアの面々を待ち受けていたのは、エドリントン司令と
サラディンに対する軍法会議と言う処罰、ノア・バルクーレ他4名のパイロットの
事情聴取の為の拘束だった。
「エドリントン・ファイネス准将、ニューヨーク支部の放棄、所謂敵前逃亡罪。偽りはないな?」
裁判官役を仰せつかった連合上層部の男が淡々と用意された書類を読み上げる
「偽りはありません。私は敵前逃亡を行いました。」
罪を認めるエドリントン司令に苛立ち紛れにサラディンが叫ぶ
「ち、違う・・・」
敵前逃亡は、司令は拒否した、だがあの時ニューヤーク基地で司令を生かす事を
考えたのは自分だ、とサラディンは言おうとした。
だが、エドリントンはそれを制した。
「ヴァルモンテ・サラディン大尉、ニューヨーク支部離脱後、本部からの通達命令である
『新造戦闘艦フレアは英国本部へ入港せよ』の命令に背きアイスランド支部へ入港した
命令違反。偽りはないな。」
うつむき、握り拳を作り悔しさを隠しながらサラディンが罪を認めようとした時だった
「その判断を出したのは私です。」
エドリントン司令が口を開いた。
「ニューヨーク支部離脱後、追撃がかかる事は予測できました。となると、追撃してくる
コロニー連合の部隊をまかずに本部に入れば、敵を本部に連れてきてしまうようなもの。
その危険性を回避するための判断として、私が指示しました。」
法廷内にどよめきが走る。裁判長役の男が木槌を叩き言う
「静粛に。・・・エドリントン・ファイネス准将、今の言葉に偽りはないな?」
「ございません。」
速やかにエドリントン司令が答えた。
433通常の名無しさんの3倍:05/02/13 12:11:45 ID:???
サミュエル・エドリントンだよ
43417話内容ー1の訂正&注釈:05/02/13 12:19:17 ID:???
>>433
エドリントンってフルネーム出てないかと思ってないかと思ってました
すみません
訂正:エドリントン・ファイネス→サミュエル・エドリントン

サラディンを軍法会議にかけた理由
上層部は英国本部への命令を無視してアイスランドへ入ったのが
サラディンの判断と思っていると言うふうに考えれば
命令違反でかけれるのではないかと思ったから
43517話内容ー2:05/02/13 12:35:36 ID:???
裁判長役の男が木槌を叩き場内に響き渡るように叫ぶ
「これにて、本日の軍法会議を閉廷する」
エドリントン司令とサラディン艦長が、それぞれ二人ずつの兵士に連行されて
法廷室から出ると、独房へと連れて行かれる。

エドリントン司令は、自分の罪を被ろうとしている。サラディンは今日の
エドリントン司令の態度からそれをはっきり感じ取っていた。
独房のベッドに腰を下ろし「チッ」舌打ちする。
このままではエドリントン司令は良くて階級剥奪、悪くて銃殺刑になりかねない。
そして、下手をすれば自分はかつての教官に罪を押しつけて生きる事になってしまう。
サラディンの性格が、そんな事に納得させてはくれない。
そうして何時間考え込んでいたであろうか。ふと、足音が聞こえてきた。
足音はサラディンの独房の前で止まる。
「久しぶりだね、ヴァルモンテ・サラディン君。」
その声に、声の主の方を向くサラディン、そこにはスーツを着た60歳前後の男が一人立っていた。
「少し、話がある、入らせて貰うよ。」
独房の鍵を開け、中に入るとベッドに腰掛けたサラディンの前に立つ。
「エドリントン君は、嘘を言っている。違うかね?」
「久しぶりに会ったと言うのに、一言目がそれですか。」
「時間が惜しいからね。」
お互いに皮肉混じりで言い合う。
この男は、地球圏連合本部の幹部クラスの一人である。サラディンが士官学校時代
エドリントン司令の飲み友達だと紹介された事がある。
「何故、私にそれを聞くのです?エドリントン教官に直接聞けば良いではないですか。」
相手の真意を探りながら話すサラディンに対し、その男、アルザロッサ・シルヴェは
「エドリントン君が、罪を被ろうと決意していた場合、そう簡単に口を割ると思うかね?」
「割らない、でしょうね。」
「そこで君に聞きたい。」
アルザロッサはそう言うとニッコリと笑顔を作る。
「解りましたよ。」
サラディンはそれでアルザロッサが何を意図しているかに気付いた。
43617話内容ー2注釈:05/02/13 12:37:33 ID:???
新キャラデータ

アルザロッサ・シルヴェ:地球圏連合英国本部副司令官
            コロナ計画の総責任者。第14話の1で窓の外を眺めていた男
            エドリントン司令の飲み友達。
437通常の名無しさんの3倍:05/02/13 12:43:20 ID:???
新キャラデータ

ザラ・ヤマト:ザラ議長の息子とキラがフュージョンした結果できた産物
43817話内容ー3:05/02/13 13:03:45 ID:???
サラディンは、アルザロッサにニューヨーク支部での事、アイスランドへの入港判断の事を詳しく話す。
「ふむ、やはりニューヨーク支部の件は君の罪を肩代わりしようと考えていたか。エドリントン君らしい。」
アルザロッサは経緯を聞くと、そう呟く。そして、サラディンに敬礼すると一言
「私に任せておきたまえ、上手くやって見せるよ。」
そう言い残し独房を後にした。

同じ頃、ノア達はコロナ事件の事、本部到着までの経緯の事情聴取とそれぞのれ自機の
データの提出と報告の作業に追われていた。事情聴取のため、一応は独房内に入れられている。
独房内で、苛立ちから、壁に拳をぶつけるノア、隣の独房で黙々と読書を続けるベルファ
その横の独房内で腕立て伏せをして身体を鍛えるヤック、 考え事をしているスウェルド
運ばれてきた食事に手を付けるレスター、独房の隅に置かれた机に向かい、紙の上にペンを走らせるファウンゼル。

そして、再び軍法会議の時間が来た。前の軍法会議から三日後
そして、判決が言い渡される日である。
「サミュエル・エドリントン准将、前へ。」
裁判長役の男が木槌を叩き、場に静粛を求めてからエドリントン司令を呼ぶ。
「ニューヨーク支部に於ける敵前逃亡罪、及び、フレア艦内に於ける命令違反の煽動の
二つの罪により、現在の准将階級を剥奪、以後サミュエル・エドリントン中尉とする。
また、これと同時に配置の転属を行う。正式な内容は書類通知とする。」
この軍事法廷の裏に、アルザロッサが何かの働きかけを行ったのだろう。
でなければ、こんな温情判決のような判決、出るはずがない。
「狐め。」
小声で呟くサラディン。
「ヴァルモンテ・サラディン大尉前へ」
呼びかけに応え、サラディンが前に出る。
「敵前逃亡、及び命令違反、どちらも上官に唆されての判断であるとの事から
懲役1年とする、但し、執行猶予を半年とする。」
二人への判決が言い渡された。
「これにて、軍法会議を閉廷する。」

「エドリントン・・・中尉」
法廷室から出たサラディンとエドリントンの所に
大きな封筒を持ったアルザロッサがそう言いながら近寄ってくる。
「これが、転属命令だ」
エドリントン中尉に書類の入った封筒を渡す。
「古狸め、お前さんの入れ知恵かい?」
皮肉を言いながら封筒を開けるエドリントンの横でニヤニヤしているアルザロッサ。
封筒の中には『本日付で、地球圏連合軍所属戦闘艦 「フレア」へのパイロットとしての転属を命じる。』
と言う文字が書かれた一枚の紙が入っていた。その紙に目を通し
「古狸じゃないか、狐かもな。」
そう呟くエドリントン。
アルザロッサは、もう一枚の封筒をサラディンに渡す。
「次の命令書だ。」
「・・・狐、ですね」
エドリントンの横で小声で呟くサラディン
43917話内容ー4:05/02/13 13:33:28 ID:???
「早速準備に取りかかる。」
そう言い残しその場を去り、フレアに向かうエドリントン
「今夜は飲もう、降格祝いだ。」
エドリントンの背中に向けてアルザロッサはそう叫ぶ
振り向かず、手を振るだけで「わかった」と言う意志を伝えるエドリントン。
その場にはアルザロッサと、サラディンだけが残った。
「そう言えば、どうやってあの判決に?」
疑問を他の人に聞こえないように小声で口にするサラディンに
アルザロッサはあっさり答える。
「英国本部の司令官に事実を話した。司令官が裁判長にどんな圧力を
かけたかは知らないがな。まだまだ君たちには利用価値がある、と
判断されたというわけだ。」
「狐ですね。」
皮肉気に、わざとアルザロッサに聞こえるように口にするサラディン
「狐か、そいつはいい」
高笑いしながら去っていくアルザロッサを見送りながら、サラディンはその背中に
敬礼を送っていた。

その頃、地球圏連合軍ジブラルタル空港に一機の民間のシャトルが着陸していた。
このジブラルタル空港は地球圏連合軍のジブラルタル基地の隣に作られており
民間のシャトルはジブラルタル基地のマスドライバーをレンタルして宇宙に打ち上げられている。
このシャトルに一人の男と、それに随伴する一人の少女が乗っていた。
戦争でマスドライバーの利用が制限される中、宇宙〜地球間を行き来する民間シャトルは
シャトル乗員の目的地に合わせて着陸する場所を決めるか、シャトル乗員の目的とする勢力に
よって着陸する場所を決めるのどちらかである。
このシャトルは前者だった様だ。
税関を通り抜ける際、その男と少女は目的を聞かれ、「観光」と答えていた。
この男のIDカードが月面在住であることを確認した税関は別に怪しみもせず
「このご時世に月から観光とは、大変だね」と笑っていた。
宇宙港から出ると男はサングラスをかける
「地球の太陽の光がこうもまぶしいものだとはね。」
「ウェナさんも、地球は初めてなんですか?私も地球に来るのは初めてで。」
はしゃいでいる少女の様子を見ながら、ウェナと呼ばれた男はそれを制するように言う
「あまりはしゃぐなよ、俺達の目的は・・・・・・なんだ。」
ウェナ・ローシャス、月面連合評議会末端の和平推進派議員、シス・ローシャスの息子で
24歳になる男である。
そして、ウェナに随伴している少女は・・・ミネア・エフィア・シークウッドと言う名前である。
この二人が地球に来た理由はシス・ローシャスからの密命を受け、地球圏連合軍に同盟案を
水面下で提出する事と、地球連合軍が同盟を結ぶに足る組織であるかどうかの確認のためである。
ラオゼリア司令となっているライアスは、地球を観ておくいい機会だ、と言う理由と
ウェナのボディーガードという名目でミネアを随伴させる事を提案した。
「さてと、先ずはイギリスへ渡る手段を考えなくてははな。」
ライアス艦長がハモンドから得ていた情報では、支部に偽装されているが
地球連合軍の本部は英国である、と言う話だ。
ならば、本部へ渡りアポイントを取るのが正攻法だろう
と言うのがシスとライアス共通の意見であった。
44017話内容ー4注釈:05/02/13 13:35:16 ID:???
新キャラデータ

シス・ローシャス:月面連合評議会和平推進派議員
ウェナ・ローシャス:シス・ローシャスの息子年齢24歳
44117話内容ー5:05/02/13 14:02:33 ID:???
久しぶりにフレアの艦橋に戻ったサラディンは艦内通信のスイッチを入れ
アルザロッサから先ほど渡された封筒の中身をそのまま読み上げた。
「『地球連合軍"英国本部所属"戦闘艦 フレア 認証コード"U.E.F.C-301"は
明日より一週間、英国本部に於いて補給と整備のための休暇を申し渡す。
尚、休暇終了後はオーストラリア"キンバリー基地"に向かい、キンバリー基地の
部隊と合流。その後"アデレード基地"とマスドライバー及び"シドニー基地"の
奪回作戦に参加せよ。』ふーっ、堅っ苦しい書き方だねえ。」
そう言うと通信機のスイッチを切る
「艦長、最後の一言は不必要ではないですか?」
エイショウ・トウマ中尉の的確な指摘が入る。
事情聴取とデータ提出が終わり、独房から出され、艦に戻っていた
ノア達もその通信を聞いていた。身支度を整え、艦に荷物を運び込んでいたエドリントン"中尉"も。

その夜、軍施設内のバーでグラスを交わす二人の男がいた。
エドリントンとアルザロッサである。
「君の教え子も立派になったもんだな。」
「いえ、まだまだひよっこですよ。私のお守り無しに戦える様になってもらいたい。」
そんな言葉を交わす二人。
「親心というやつですか?」
「恐らく。」
本来は寡黙な二人の性格上か、バーの中には静けさが漂っていた。

北米、ニューヨーク基地で一つの動きがあった。
南米司令官から、アメリカ大陸司令官に肩書きの変わったエドゥアルド・カンピオが
ニューヨーク基地の司令室にヴェル・アイザ・エルクランと、その部下
コロニー連合軍総帥からシェイド・コミュニティと呼ばれている特務隊の面々を集め
コロニー連合軍総帥からの指令を伝える
「『オーストラリア戦線へ赴き、アデレード基地の部隊の指揮下に入り
キンバリー基地の奪取作戦に参加せよ。』だそうだぜ、ヴェル。」
「北米の次はオーストラリアか、総帥も人使いが荒い。」
「オーストラリア戦線は苦戦してる様だからな。」
「最近は指揮下入りしての行動ばかりだ。退屈では、ないがな。」
「明日の昼、ニューヨーク基地を出発、太平洋側の港から輸送船を出す、それで
太平洋側からアデレードオーストラリアに入り、アデレード基地へ向かってくれ。」
「心遣い感謝する。」
「お前さんの事だ、心配は無いが、死ぬなよ。」
「昔の上官に対して、相変わらずだな。だが、死なない程度に健闘はしてくるさ。」
そう答えると、部下を連れて司令室を出て行くヴェル
司令室から窓の外を眺めながら、北米、アイスランドの戦いで見た
エドリントンの機体とノアのコロナガンダム2号機の姿を思い出しながら
エドゥアルド・カンピオは呟いた。
「戦争は思い通りに進む物ではない、いつ何処で想定外の敵と出会うかも解らん。
気を抜くなよヴェル。」

17話終
18話に続く
44217話後書き:05/02/13 14:08:26 ID:???
と言うわけで軍法会議の話書いてみました。
後、ヒロインな筈なのにノアとのラヴフラグの立っていないミネアを
ノアとのラヴフラグを成立させるために登場させてみました
同時に、フラグを立たせないようにノア達に強引に1週間ほど休暇を与えてみました。
次回描く人にはノアとミネアのラヴフラグその1を立たせて欲しいなと願ってます
イギリスについたミネアと休暇中のノアの、相手の正体を知らない関係でのデート(?)
とかそんなラブラブ展開になってくれたら楽しみです。
44317話後書き:05/02/13 14:09:42 ID:???
>同時に、フラグを立たせないように

>同時に、フラグを立たせる為の伏線として
444通常の名無しさんの3倍:05/02/13 15:39:09 ID:???
読んでたら書きたくなってきたんで、18話書いてもよろしいですか?
44518話予告:05/02/13 16:53:58 ID:???
キンバリー基地へ向かうには、戦乱のヨーロッパを通らなければならなかった。
そこでノア達は、最高司令官直属の部隊、第42特殊部隊、通称”ファットボーイ”に出くわす。
最高司令官、そして裏で地球軍を操る最高評議会とは何なのか。
次回、「見えざる敵」
446通常の名無しさんの3倍:05/02/13 17:46:50 ID:???
>>444-445
書くのは良いんだけど
18話はヒロインフラグ立てるために1話丸々デートに費やす方向でお願いします
と言うか、17話の流れから来て18話でデートが無ければガンダムじゃないだろ
447通常の名無しさんの3倍:05/02/13 17:52:16 ID:???
>>446
次回予告もミネアとノアの出会いやデートメインの話と
読んだだけで解るような内容で
448通常の名無しさんの3倍:05/02/13 17:55:07 ID:???
>>444-445
書きたい気持ちは解るけど、前の話の伏線も消化せずに次の話に移るのは如何かと
脈絡を持たせる意味でも、ここはノア・ミネアフラグに1話費やすべき
戦闘を書きたいなら、この続きで戦闘を書いても不自然じゃないかを考えてくれ
とりあえず
Zガンダムのカミーユとフォウの香港デートみたいなの希望
449通常の名無しさんの3倍:05/02/13 18:10:54 ID:???
>>446
と言うことらしいので>>444-445は無効?
無効にするなら、18話のデートは思春期に差し掛かった少年少女の初デートな感じで書ける人期待
450通常の名無しさんの3倍:05/02/13 18:20:27 ID:???
無効でいいかもしれんな。
ヨーロッパでの激戦とファットボーイは後ほどで。
451通常の名無しさんの3倍:05/02/14 04:44:22 ID:???
>>449
無効賛成
折角17話で伏線が張られてるんだから
をれを18話を書く人にはそれを活用して
フラグを立てて貰わないと
今立てないとヒロインフラグが立たなくなりそう
452通常の名無しさんの3倍:05/02/14 04:45:54 ID:???
一応保守age
453通常の名無しさんの3倍:05/02/14 05:23:29 ID:???
要望ばっか多いが、実際に描ける人がいないとなあ。
ってか>>1どこよ
454通常の名無しさんの3倍:05/02/14 12:00:02 ID:???
一番の苦労人はコールマンか
455第18話予告:05/02/14 20:52:16 ID:4aBQ3biN
地球に住む少年
月に住む少女
交わるはずの無い二人。
その二人が地球のとある街で巡り合う。
互いの正体を知らないままに。
二人の行く先に待ち構えているものも知らないままに。

次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第18話
「ロンドン・アドベンチャー」
その未来を未だ誰も知らない。

-----------------------------
本編は遅くとも2時間内にアップ開始します。
456第18話-1:05/02/14 22:23:16 ID:k+4XVwIK
ピピピピ・・・・
目覚し時計が鳴る。
「うーんん・・・。」
背伸びをしながらノアは起き上がった。
「・・・・って、こんな早くに起きる必要もなかったじゃんか・・・。」
いつも通りの時間に鳴る目覚ましの音は今日は必要無かった。
急遽与えられた7日間の休暇の初日。
戦いに明け暮れ、そして厳しい査問を受けていた毎日が嘘のように静かな朝。
ロンドン都市部に借り与えられた英国支部用宿舎の寝心地は悪くなかった。
「さて・・・・って、あ。」
考えてみれば休暇を有効活用するにも先立つお金が財布にはない。
「銀行行くかぁ・・・それからどうするか考えっか。」
まだ醒めきってない頭にロンドンの冷え切った空気はちょうどいい。
散歩がてらに最寄の銀行を探しにノアは普段着を着て街に出た。


幸い銀行は歩いて10分ほどの所にあった。
とりあえず一週間分の生活費ぐらいは下ろすか・・。と銀行の階段を上ろうとしたその時。
銀行入口の回転ドアから軍人まがいの重装備をした二人の男が剣呑ならざる雰囲気で出てきた。
「近づくな!近づくとこいつの命は無いぞ!」
一人は銀行の入口に中を向けながら、もう一方は一人を背に片手で少女を羽交い締めにし、少女のこめかみに銃をつきつけながら
階段を降りてくる。
その羽交い締めに去れている少女は丸いグラサンに革ジャン、そして皮パンといかにもロンドンスラムにいそうないでたちで恐怖に震えて・・・・いるかと思いきや、不思議そうに自分を羽交い締めにしている男を上目遣いでじろじろと見ている。
なんだあいつ、怖くないのかよ・・・・。と思った瞬間、ノアは信じられないものを見た。
羽交い締めにされた腕を少女がすり抜けて、その手を捻り揚げて前へとまっさかさまに投げ落としたのだ。
もう一人の男が慌てて少女の方に銃を向ける。
「危ないっ!」
瞬間的にノアはもう一人の強盗にタックルを仕掛ける。
思いもしない方向からタックルを仕掛けられ、強盗はバランスをくずして階段を転げ落ち、もう一人の相棒に覆い被さるようにして失神した。

一瞬、目があうノアと少女。
「君、大丈夫?」
とノアは少女に声を掛けた、つもりだったが、少女はすぐに目線を逸らしてその場から軽やかに駆け去って行った。
「おい!ちょっと待てよ!」
457第18話-2:05/02/14 22:26:52 ID:k+4XVwIK
3分くらいの逃亡劇はノアが少女を裏路地でつかまえたところで幕を閉じた。
「・・・・お前・・・・なんで・・・・逃げるの?」
息も絶え絶えにノアが尋ねる。
「・・・っていうか・・・・君、足・・・速いよ。絶対逃げ切れると思ったのに・・・。」
少女も息も絶え絶えに答える。
「いや・・・そういう事じゃなくって・・・・・警察の事情聴取とか受けなきゃ。怪我とかあるかもわからないし。」
「怪我はないから・・・・それに、私、警察はマズいの。」
「どう・・いう・・・事?」
「私、この国の人間じゃないの。昨日イギリスに来たばっかりで・・・だから警察に捕まったら国に送り返されちゃう。だから、見逃してくれない?」
「そういう、事、ね・・・。わかった、見逃すよ。追いかけて悪かったな、それじゃあ。」
とノアが背を向けて立ち去ろうとすると、
「・・・ちょっと。」少女はノアのパーカーのフードを掴んで止める。
「なんだよ、見逃すって言っただろ。」
少女はサングラスを外した。
きめ細やかで後でまとめられた栗色の髪も目を引いたが、サングラスを外して見えた澄んだ大きな青い瞳が特徴的だ。
「あのね、こんな異国の地でこんなかわいい少女が一人寂しくいるのよ。それを君は放っておけるわけ?」
「・・・自分でかわいいって言うのかよ。」
ノアは呆れ気味に言いながらも、少女を見てそれも間違いじゃないという風に思った。
「・・・ってそれよりさぁ・・・・。」
「何?」
「ここ、どこか知ってる?」

「もう、ホント呆れたなぁ!道もわからなくて私を追いかけてた訳?」
「自分だって道もわからなくて逃げてたんだろっ!」
ブランチ代わりに近くのカフェに入ってサンドイッチを頬張る二人。
「あ!俺お金持ってない!」
「大丈夫、お金は私が持ってるから。」
「・・・・悪い。」
「あとでちゃんと返してもらえますからね。・・・で。」
「で?」
「私達、迷子同士な訳よね。」
「まぁ・・・・そういう事だな。」
「なら・・・思いっきり彷徨ってみない。今日1日。時間、あるんでしょ?」
「・・・断ったって、強引に連れて行くつもだろ?」諦め気味にノアは答える。
「・・・正解。」悪戯っぽく少女は答える。
「あっ、そういえば名前を名乗ってなかったね。私、ミネア。君は?」
「・・・ノア。」
458第18話-3:05/02/14 22:39:28 ID:k+4XVwIK
まったくそれにしても女の子というのはこうも忙しいものなのか。
1日中ノアはミネアに付き合わされてさんざそれを思い知らされた。
何しろガイドブックを買い込んで今日行けるところは全部行くんだ!
とサブウェイとバスを駆使して名所と言う名所を回らされる羽目になったのだ。
そりゃいろんなものを見れるのは楽しいけれど、こうもいろいろあっちに行ってこっちに行ってでは流石に疲れる。
おまけにいつサラディンや仲間にあらぬ所を見られて茶々を入れられないかと戦々恐々としながらの観光巡りだった。
それでも、心から楽しんでいる彼女を見ていると「まぁ、これもいいか。」と思えてくるから不思議なものだ。
そうして、二人が1日の観光巡りの最終地点に選んだのは夕闇迫る移動遊園地の観覧車であった。

「今日は・・・・ありがとう。」
「・・・どういたしまして。」
観覧車越しに聞えるピエロが回すのオルゴールと喧騒をBGMにしながら二人は向かい合っていた。
「私ね・・・遊園地って初めてなんだ。」
「えっ?」
「今まで、行ったことなかったんだ。写真では何度か見た事あって、私には無縁のものだと思ってたから・・・観覧車に乗りたくなって。」
「遊園地に行ったことないって・・・、どこから来たんだよ。」
「・・・遠いところ。ここからずうっと遠いところ。ノアは?」
「イタリア。そっちよりかは近いのか?」
「・・・うん、そうだと思う。」
「・・・・そう。」
ノアは何気に観覧車の下を見下ろす。
その中で一瞬、彼は幻を見た。
メキシコ戦線で自分の盾となり死んだ男、ベルトラン。
彼が両手に娘と妻らしき人を連れ、二人に満面の笑みを浮かべながら歩いていく姿。
もう一度目を凝らして見ると、それはベルトランとは違った男だった。
けれど、思う。
自分の代わりにベルトランが生きていれば。
ひょっとしたらこんな幸せな生活を送れていたのかもしれないと。

「・・・・私、ずっと損してたんだなぁ、こんなに世界っていろんなものがあるんだなぁ、って・・・聞いてる?」
話を振ってもずっと窓の外を眺めているノアをちょっと苛立たしく思いながら問い詰めようとするミネア。
しかし、彼の頬に落ちる一筋の涙を見て、問い詰めるのを止める。
「泣いてるの・・・・?どうして?」
459第18話-4:05/02/14 23:05:40 ID:k+4XVwIK
「・・・悪い。つい最近・・・でもないか。亡くなった人のことを思い出してた。」
「・・・何よ。デート中になんでそんな悲しい事思い出すかなぁ。」
膨れっ面でミネアは返す。
「でも、泣けるくらい、あなたにとってその人は大事な人だったんだ?」
「・・・違うね。」
「え?」
怪訝な顔をしてミネアは聞き返す。
「その人が生きている間は、俺、何とも思ってなかった。むしろ五月蝿い親父ぐらいにしか思ってなかった。けど、失って初めて分かった
。その人がどんな気持ちで俺を見守ってくれていたか。俺は・・・その人が生きている間は結局何も恩返しができなかったんだよ。それが悔しくて、苦しくて、どうしようもなかった。」
「・・・」
「ふっきったつもりだったけど、今こうして涙を流してるって事は、まだふっきれてないんだよな、結局。」
「・・・・そう。」
神妙な面持ちでミネアは俯(うつむ)く。
「・・・私も、実はそうだったんだ。」
思いもかけない言葉にノアは彼女の方に向き直る。
「私も前に、自分の大切な人を失ってね。やっぱりおんなじ風に考えた。こんな事になるならその人に対してもっと優しくしておけばよかった。もっといっぱい思い出作っておけばよかったって。」
「・・・」
「でも・・・そこで過ぎた事を悔やんだり、悲しみに暮れていたりしても、亡くなった人は私のそんな姿を見たいとは思わないでしょ。
そう思ったら、元気にならざるを得なくって。」
ミネアはかすかに微笑んだ。
「そうだな・・・・俺もどうにかこうにか、仲間のおかげで立ち直ってきてるし、その人達のためにも元気にならなきゃな。」
「そうそう、わかってるじゃない。・・・そうか、仲間がいるんだ・・・よかったね・・・・。」
寂しげな微笑をミネアは浮かべた。その言葉にノアは引っ掛かりを覚えて尋ねる。
「仲間・・・いたんだろ?そっちだって。」
「え?あぁ・・・いや・・・・私の場合は近くに年の近い友達もいなかったし、親もとうの昔に亡くなってたし・・。まぁいいじゃない、そんな事。」
「・・・・辛くなかったか、それ。」
ボソリとノアは言った。
460通常の名無しさんの3倍:05/02/14 23:22:06 ID:???
テスト
461第18話-5:05/02/14 23:24:59 ID:k+4XVwIK
「え?」
「俺はさ・・・多分仲間の助けがなければ今だって悲しみに暮れてたかもわからない。だから・・・仲間や悲しみを分かち合う人が近くにいないのに、たった一人でそこから這いあがってきたっていうのは・・・・すごく辛い事だったんだと思う。」
「・・・・」
「だとしたら・・・・よく、ここまで頑張ってきたんだな、と思うよ。・・・・ミネアが。」
ミネアはさらに俯いて、そしてノアの胸を軽く小突いた。
「・・・・何よ・・・・。何なのよ・・・・。今日初めて会った癖に分かったような口を利いちゃってさぁ・・・。」
言葉自体はキツいものだが、ミネアの口調自体は怒っていなかった。むしろ穏やかで、多少かすれ気味な声だ。
「・・・悪かったよ。」
「ねぇ・・・もう一度言って。」
「何を?」
「これまでよく頑張ったなって・・・・。できれば頭を撫でてくれたらもっと嬉しいかも。」
ぎこちないながらも優しくノアは栗色の髪を撫でた。
「これまでよく・・・頑張ったよな。」
「・・・・ありがとう。」

誉められたから嬉しいんじゃない。
自分の思いをこの世の中で一人だけでもわかってもらえる人がいた。
それが嬉しかった。

ぽろぽろと夕陽に映えて黄金色に照らされながら落ちるミネアの大粒の涙を美しいとノアは思った。

「じゃあ、ここで。」
外套の灯が煌煌と灯り出す頃、二人は別れようとした。
「送っていかなくていいのか?」
「ううん。逆にこっちが気を遣っちゃうからいいよ。それじゃあね。」
と立ち去るミネア。しかし彼女は何か思い出したかのようにノアの方へと戻ってきた。
「そうだ、今日のお礼、まだしてなかった。」
「え?」
そう言うや否や、ミネアはノアの頬に軽くくちづけをした。
「・・・!?」
「普段はこんな事しないんだからね!ありがたく受け取っとくように!」
悪戯っぽくウィンクして微笑むと、ミネアは駆け去って行った。

外套に照らされミネアの駆け去る姿が見えなくなるまで、ノアは時が止まったかのようにずっと固まったままだった。
                                                     続く
46218話の中の人:05/02/14 23:32:41 ID:k+4XVwIK
つーことで、恋愛モードで書いて見ましたわ18話。
いやぁ、どんなもんなんすかねぇ。
初々しさの一つも出てるかどうかかなり疑問で、かつ次回への伏線全く張れずにラブモード全開(?)でこんなんでいいのかと思いつつもどうにか書き上げました。

御意見、御批判いろいろいただければこれ幸いです。
463通常の名無しさんの3倍:05/02/15 00:13:42 ID:???
恋愛シーン描けない俺からすれば上手いと思う
46419話予告:05/02/15 02:01:23 ID:???
イギリスに駐屯するフレアを尻目に、戦乱の地イタリアでは最高司令官と評議会での
会議が行われていた。そこで最高司令官ウェーズリーは自らの思想ともいうべき、作戦のシナリオを発表する。
すべての物事を呼んでいたウェーズリーの目的とは何なのか。
次回、「司令官ウェーズリー」
46519話ー1:05/02/15 03:27:09 ID:???
ノア達フレア一行がイギリス支部で休暇を取っている最中、イタリア、ナポリでは業火に包まれた戦いが行われていた。
そんな最中に、前線基地へ降り立つ一人の男の姿があった。
立派な肩章を付けた厳しい表情の、上層部の者らしき人物は齢60を超えるかといった具合の顔立ちだった。
彼が地に足をつけると、将校の一人が「ウェーズリー最高司令官に敬礼!」と言うとずらりと並んだ兵士達が揃えて敬礼をした。
立派な肩章をつけた男の名はレナード・ウェーズリー。紛れもない地球軍最高司令官である。
「ご苦労。前線基地に案内してもらおう」
普通なら最高司令官たる者、一般兵士の前に姿を現すことなどありえない話だ。
現地将校は瓦礫の山となった道中を案内していくと、やがて機械的な自動ドアのある施設へ辿り着いた。
将校が近づくと、ドアは開き、地下深くへと続く階段を降りていった。
「ここまでで結構。後は私一人で十分だ」
ウェーズリー司令官はそう言って将校を戻させた。
道なりに進んでいくと、一つのドアに辿り着いた。自動ドアではなくノブ式の、木でできたドアである。
ノックしてからドアを引くと、長方形の机に10人の人間が腰掛けていた。
部屋は薄暗く、どういった人物かは見ることができない。
するとその内の一人が「南極からナポリまで直行とは、最高司令官も大変だな」
声から察するに、随分歳の行った人間と思われる。
ウェーズリーは何も言わずに、彼らの腰掛ける机の前にあるモニターの前に立った。
彼が位置についたことを確認すると、先程の男が「では、これまでの経緯を教えてもらおうか。ニュースにない事実を」
モニターに地球の勢力図が映し出される。アメリカ大陸は赤一色で染められており、他は青と黄色に分かれていた。
「皆さん、お分かりのとおり、これが現在の地球の状況です」
「実に不愉快だな。母なる地球の一部を、何一つ知らぬ宇宙移民に支配されるなど」
彼らの内の一人が言った。
「アメリカ大陸は支配され、ヨーロッパ、オセアニアともに激戦区だ。このまま負けては我々の面子が立たんよ」
「それに、ウェールズ君。バックランドとハモンド。この二人の提督の穴はどうやって埋めるつもりかな?」
ウェールズに対する彼らの罵倒や質問は止むことを知らない。彼は硬く口を閉ざしたままだったが、やがてその重い口が開いた。
46619話ー2:05/02/15 03:30:22 ID:???
「その通りです。彼らの穴埋めは到底できるものではないでしょう。一方は英雄、一方は政治面を有利に運ぶ。といった具合で有能な人物でした」
「その解決策を聞いているのではないか。下手な回答次第では、君の首が飛ぶよ」
評議会一同のぎらりとした視線がウェーズリーに向けられる。
「ご安心を。ジョーカーとエースはいくらでもあります」
彼は話を続けて「キングストン艦長を少将に迎え入れます。青色艦隊の指揮を任せます。バックランド大将の白色艦隊は、英国支部司令官フィンチ中将に」
すると評議会の一人が鼻で笑いながら「異動させればまたそこが空くだろう。どうするのかね?」
「バックランド大将とフィンチ中将の艦隊を併合させます。これらは地球進行隊撃退部隊に」
「面白い案だな。それは良いとしてヨーロッパとアメリカ奪還はどうする?」
ウェーズリーから見て、右手の男が言った。
「直属の42の特殊部隊をすべて派遣します。皆は”ファットボーイ”などといって恐れていますがね」
「それで奪還できるなら何を使っても構わん。そして次に私が気にかけることは、フレア、そしていつになったら宇宙民を出し抜けるかだ」
「フレアは英国支部がオーストラリアに向かわせたようです。あの船には期待していますよ。次の質問ですが、まあ・・・すべて私の思惑通りと考えておいてください」
「どういう意味かわからんが?」
「月面軍、コロニー軍、(そしてあなた方)どちらもすべて私の手中にあるということです。必ずや最高評議会の思惑通りに行きましょう」
彼の発言をよく思ってない連中が反発し、ざわめき始めた。
そこで評議会の男の一人が机を叩いて「これにて会議は終了とする。では解散」と言って場を閉めてしまった。
評議会の面々が退室する中、先程の会議を閉めた男とウェーズリーだけは部屋に残っていた。
「評議会の老人達も苦労している。察してやってくれ」
「わかっている。無能な者ほど操るのは大変だ。最高司令官とはいえ、肩身は狭い」
ウェーズリーは本棚を整理しながら言った。
「だが、すべてを掌握するシナリオは出来上がっている。評議会も、宇宙民も・・・」
彼の何か企みのありそうな目からは、何事も予想通りという感じがあった。
46719話ー3:05/02/15 03:32:24 ID:???
 イギリスでの休暇も終わりに差し掛かり、準備に取り掛かっているフレアのクルー。
ノアが戻ってくると、いつものごとくコールマンの怒鳴り声が聞こえてきた。
「しっかり働け!サボったら俺が精神を入れなおしてやるからな!」
手には精神注入棒と称した木製の細長い棒を持って、振り回している。
彼はノアに気づくと、振り返って「ノア君!モビルスーツの整備は完了したか?」
まずい、とノアは思いつつも「いえ、まだです。今から・・・」
するとコールマンはっむとした表情で「今まで何をやっていたんだ。女の尻を追っかけ回してたんじゃないだろうな?」
的中だ。だがはい、そうですなどと答えるわけにはいかない。適当に誤魔化そうと彼の口から出たのは
「人気の多いところに出るのは苦手でしてね。少し街中を散歩に」
見え透いた嘘だったが、コールマンは嫌いなことに努力する人間を好くタイプだ。適当なことを言っても通じる。
「よろしい。君は正しいぞ。私はいつまで経っても野菜は食べられんがな。それでも休暇といって家に帰ると妻はブロッコリーを出すんだ。まったく・・・」
話が長引くと察したノアはその場を離れてモビルスーツデッキへ向かった。
既にベルファが整備士と話あっており、エドリントンはコクピットでエンジン書き換えを行っていた。
エドリントンはノアに気づくと、コクピットを降りて、近づいてきた。
「ノア君、君のマシンのメンテナンスは私が行っておいた。ついでに君が使いやすいようにシステムを多少なりいじらせてもらった」
「すいません。本当なら私がやるべきなんですが・・・」
「浮かない様子だな。何かあったか?」
「いえ何も」
ノアは先程から嘘ばかりついている。自分に嫌になりそうだった。
「そういえば朗報があってな、ハモンド君がパイロットとしてフレアに配属されるそうだ」
「ハモンド?提督のほうなら死んだはずでは?」
確かにおかしな話だ。死んだはずのハモンド提督が、モビルスーツパイロットとして戻ってくるなどありえない。
「息子だよ。君より1つ年上だ。父親のコネで今じゃ少尉だ。怠け者でたるんでるがね」
「私の隊への配属なら提督の息子であれ厳しくするつもりです。ここは馴れ合いの場じゃない」
46819話ー4:05/02/15 03:33:17 ID:???
「その意気だ。我々もあと数日で戦乱のナポリに入り、そこからさらにオーストラリアに向かわなければならない。心して待ちたまえ」
エドリントンはそう言ってコクピットに戻っていった。
続いて艦内を散策していると、怠慢航海長のクレイトンと出くわした。
彼はタバコを吸いながら、窓を眺めていた。
「ようノア!このイギリスともおさらばだと思うと悲しいなあ。俺も軍隊やめたくなっちまったよ」
「本気で言ってるんですか?」
「まさに『戦争に呪いあれ』だ。戦争なんてなけりゃ今頃いい女捕まえて楽しんで・・・」
航海長というポジションは、ブリッジ階級では、少尉の次に当たる存在なので、結構威厳ある階級なのだが、彼からそんなものは微塵も感じられない。
それは同じのん気者のサラディンと違い、本当に無能だからだ。
「楽観主義ですね。そんなことで航海長が務まるんですか?」
「俺でも、航海長試験に合格できる程度の数学力はあったさ。まあ未だに太平洋のど真ん中にいるのに、計算したらアフリカにいるなんてこともあるがな」
そこへサラディン艦長がやってきた。
「二人共!あと1時間で出港だ。準備しておきたまえ」そのまま二人を過ぎていこうとしたとき、彼の足が止まった。
「あとクレイトン君!ナポリまでの正確な渡航進路を計測しておいてくれ!」
二人は艦長が見えなくなるまで敬礼した。するとクレイトンは制服のボタンをすべてはずし、またタバコを吸い始めた。
「俺に進路を任せるなんてな。ありゃ嫌がらせだぜ」
「艦長はチャンスをくれたんですよ。まともになる機会のね」
そのままノアはブリッジへ向かった。クレイトンには結局言葉の意味はわからず、首を傾げながら仕官室へ向かった。
ノアがブリッジに着くと、すでに出港の準備はできており、各員がいろいろといじっている。
「フレア、出港だ」
サラディンの合図とともに、いつものようにコールマンが各員に指示を与える。
こうしてフレアはイギリス支部を後にした。

つづく
46919話注釈:05/02/15 03:41:12 ID:???
レナード・ウェーズリー:地球連合軍最高司令官(元帥)。自らも特別艦隊司令官としてシップ級ヴィクトリーに乗船する
キングストン艦長:地球軍最高年齢の艦長。病的でほとんど乗艦することはない。
フィンチ中将:イギリス支部の司令官
評議会の面々:大企業や政府関係者。地球軍に意見するなどの権限を持つ。
470通常の名無しさんの3倍:05/02/15 20:05:44 ID:???
保守age
471通常の名無しさんの3倍:05/02/15 20:06:43 ID:???
age
472通常の名無しさんの3倍:05/02/16 16:17:01 ID:???
18話イイ、最高
何かこう、読んでるこっちが恥ずかしくなるぐらい
恋愛小説してて
473通常の名無しさんの3倍:05/02/16 16:28:46 ID:???
19話でいよいよオーストラリアへ向けて話が動きだした感じですね
さあ、イギリスを出発したノア達はすんなりオーストラリアへ行けるのか、それとも
途中で何かの邪魔が入るのか
そして、オーストラリアを支配下に置こうとするコロニー連合軍の指揮下に入った
シェイド隊の面々は・・・
水面下での和平交渉を推し進めるためにイギリスに派遣された
コロニー連合評議会議員シス・ローシャスの息子、ウェナ・ローシャス
そして、その護衛という名目でイギリスに来ているミネアは
2クール目終わるまでにオーストラリア戦と和平交渉に一段落付くのでしょうか
そして3クール目は?
474通常の名無しさんの3倍:05/02/16 23:07:07 ID:???
捕手age
47518話の中の人:05/02/16 23:31:10 ID:???
>463さん

お褒めの言葉ありがとうございます。
いやぁ、書いてるしょっぱなはホントこっぱずかしかったんですが
いつの間にやら書いてるうちにノリノリに・・・・。(爆)

>472さん

>18話イイ、最高
>何かこう、読んでるこっちが恥ずかしくなるぐらい
>恋愛小説してて

そこまで気に入っていただけるとホント書いた甲斐があります。
そうですかぁ、読んでて恥かしくなるくらいでしたかぁ。
観覧車の中のシーンは我ながら上手く書けたかなぁと思いました。
・・・実は書きながらちょっと涙目になったのは秘密です。(阿呆だ・・・)
476通常の名無しさんの3倍:05/02/16 23:32:14 ID:???
19話から察するに、最高司令官、初登場にして黒幕決定だな
477通常の名無しさんの3倍:05/02/16 23:44:01 ID:???
まだ何ともだがその可能性は高いな。<黒幕=ウェーズリー>
ただ、黒幕に足る謀略や度量を見せるかはこれからの書き手次第ってとこか。
これまでお偉方ってへっぽこばっかりのように思えるから(個人的には17話の
アルゼロッサの食えなさは好きだ)そろそろ骨のあるお偉方をキボンヌ。
478通常の名無しさんの3倍:05/02/17 04:22:03 ID:???
20話まだ〜?
479通常の名無しさんの3倍:05/02/18 18:12:15 ID:???
20話書いてみようかな
480通常の名無しさんの3倍:05/02/19 04:21:56 ID:???
きぼんぬ
481通常の名無しさんの3倍:05/02/20 12:07:57 ID:???
現在20話作成中
もう少しで完成予定
482第20話予告:05/02/20 22:36:21 ID:???
手に入れた力、それは追い狙う敵と同じ力
搭乗する機体に、新たな力を得たゲインは
その力を試すかの如く戦う、まるで
狙う敵が現れるのを待つかのように
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第二十話
「オペレーション、エアーズロック」
エアーズロックに戦火広がる
483第20話ー1:05/02/20 23:02:53 ID:???
オーストラリア、シドニー基地。ここは、かつて地球圏連合のオーストラリア地区の
司令部だった基地である。今は、コロニー連合軍によって、アデレード基地ともども占拠されている。
その基地内を、一人の仮面を付けた男が歩き回っていた。
彼は二日程前の事を思いだし、口元に「フッ」と一瞬だけ微笑を見せた。
「ふむっ、貴君らが本国からの連絡にあった援軍か。」ヴェル達の前に挨拶に出た男は
いかにも、厄介な物を押しつけられた、と言う風に言った。
「何の戦果も無い、頼りにもならなさそうな兵士を押しつけられるとはな。」ヴェル達に
わざと聞こえるように言う男の名は、マシアフ・グランルド、シドニー基地の総司令にして
オーストラリア戦線のコロニー連合軍総司令官である。
「しかも何か、そんな戦功の一つも持たない奴等が、敵軍から奪取した新型機や
 軍の最新試作MSフギン・ムニンのパイロットだと、本部もふざけた判断を下した
 ものだな。」
シドニー基地に入港したヴェル・アイザ・エルクラン達をシドニー基地の総司令は
決して歓迎はしなかった。
今までも軍本部の指示で色んな所に転属された時何度か似たような扱いは受けているので
ヴェルにとっては、こういった扱いは慣れたものだ。しかし、ヴェルの部下には血の気の多いのが数名居る。
この血の気の多い部下の中でも一番血の気の多い部下は、司令官の高慢な態度が腹に据えかねたのか
挨拶の間、ずっと司令官をにらみ付けていた。今にも殴りかかりそうな勢いで。
今、ヴェルが探してるのは、その部下の中でも一番若く、一番血の気の多い男である。
484第20話ー2:05/02/20 23:31:07 ID:???
その、血の気の多い部下は、ヴェル達に与えられた1個のハンガー(基地内の格納庫)の中
敵軍から奪取した新型機にして自分の愛機である"コロナガンダム3号機"のコックピット内で
来るべき戦闘に備え調整に入っていた。
ヴェルは、そのハンガーの中、コロナガンダム3号機のコックピット内に部下が居る事を
整備員から聞くと、ハンガーの入り口付近からコックピットの部下に向かって叫ぶ。
「ゲイン、お前宛に本国から物資が届いている!」
その声にコックピットから顔を出す、ゲイン・ラッドストア
「本国から?」
隊長に聞こえないように呟くとコックピットから身を乗り出し、ワイヤーロープで下に下りてくる。
そして、ヴェルの前に駆け寄ると
「一体何が?」と聞く。
「さあな。お前宛に、アデレード基地に運ばれてきている。
 マシアフ司令から、そいつを取りに行くついでに援軍部隊のメンバーは全員アデレード基地に
 移動せよ、と命令も受けている。最前線だ。」
そう呟くと微笑するヴェル。
そのヴェルの微笑に、ゲインは何か不気味な違和感を覚えていた。
この男、ヴェルは時々微笑を浮かべる、そんな時のヴェルは何を考えているかわからない所がある。
まるで、コロニー連合軍に所属していながらコロニーの為に戦ってるのではなく
他の何かの為に戦ってるような雰囲気を感じる。
コロニーの為に戦っているゲインにとって、そんな時のヴェルは奇妙な違和感と
些細な不快感と、威圧感を感じさせた。
「アデレード基地に出向する。4時間以内に準備をしておけ」
「はい……」
ゲインは、そんなヴェルの顔を直視できず、俯いて小声で返事をしただけだった。
485第20話ー3:05/02/20 23:38:36 ID:???
その頃、イギリスの水面下で一つの動きが起こっていた。
どこかの質素な応接室の様な所、その部屋の真ん中の机を挟んで二人の男が
ソファーに腰をかけている。
「アルザロッサ・シルヴェ英国本部副司令どの…ですか。」
「副司令…か。呼びたい奴はそう呼ぶが、あまり好きな肩書きではない。どうせなら総司令になりたいものだ。」
アルザロッサと呼ばれた男は笑いながら言う。
「月面からはるばるご苦労なことだ、ウェナ・ローシャス君。」
ウェナ・ローシャスは頬を掻き萎縮している。
「しかし、驚きましたよ。貴方の様な軍上層部の方に面会させて頂けるとは。」
その言葉にアルザロッサは鋭い目つきでウェナを睨み、スーツの胸の内ポケットからピストルを取り出す。
「月面連合評議会議員の息子、と聞いたからね。」
そう言いながら、銃口をウェナの眼前に突きつける
「………!」
突然の事に反応できないウェナ。
「わざわざ地球まで、しかも英国まで来て地球圏連合の上層部にコンタクトを取るとは
 驚いた。だが、こうなる事は覚悟していたかね?」
「…………」
言葉を返せずに居るウェナ
「ここは地球なのだ、君達にとっては敵地なのだよ。」
アルザロッサは銃の引き金に手をかける。
「私……達?!」
やっとの事で言葉を絞り出し、ボディーガードの名目で付いてきた
ミネア・エフィナ・シークウッドの事を思い出すウェナ。
面会の前、ミネアは別室に通され、面会が終わるまでそこで待つように言われた。
「きっ………き……さま!」
「今頃、あの少女も私の部下達の手によって………フフフフフ」
ウェナの脳裏に一瞬、最悪の事態が浮かぶ。
「あの少女も後からあの世に送ってやるよ、先にあの世に行きたまえ。」
応接室内に銃声が響き渡った。
486第20話ー4:05/02/20 23:50:02 ID:???
銃口から煙が上がる。
「………?」
自分が死んでいない事に気付き唖然とするウェナ。
そんなウェナの様子を見ながら銃を懐にしまい、再びソファーに腰を下ろすと
「悪い冗談だろ、空砲だよ。」
とニヤニヤとしながらウェナの顔を見るアルザロッサ。
「まったくですね。」
呆れと苛立ち紛れに言い放つと席を立ち、部屋を出ようとするウェナ。
「だが、ここに来たと言うことは、そのぐらいの覚悟はしていたのだろ?」
部屋を出ようとする足を止めるウェナ。アルザロッサの一言で気が付いたのだ。
確かにここは敵地、そして、今面会してる相手は敵軍の幹部なのだ。
もしかしたら暗殺するための面会になっていてもおかしくなかった、面会の相手が
アルザロッサでなければ…。
「座りたまえ、その覚悟があるならば、用件を聞こうじゃないか。」
ウェナにソファーに座る様に促すと、姿勢を崩すアルザロッサ。
「安心したまえ。あのお嬢さんにも、手は出してないさ。コーヒーは出すように命じたがね。」
ソファーに座ると苦笑いするウェナ。少し気持ちを落ち着けてから彼は一言呟く
「ご厚意には感謝しますが、彼女はコーヒーは苦手ですよ。」

その言葉が的中している様に、控え室で差し出されたコーヒーを口に含み、「苦い」と表情で表すミネア。
487第20話ー4:05/02/21 00:15:13 ID:???
アデレード基地に着いたヴェル達の部隊は早速MSの整備に取りかかる。
本国からの輸送物資を確認しに、物資の搬入された格納庫に入ったゲインは
輸送物資を一目見て口元を歪める。
そこにあったのは、"コロナガンダム2号機"と呼ばれる機体が背面に装備している
"フライトバックパック"と同じ形をしたバックパックの色違いだった。
「"ブースターバックパック"、完成したのか!」
本国の軍本部に提出したコロナガンダム3号機のデータから開発されたコロナガンダム3号機用の
オプションバックパックである。
即座に整備兵に、換装の準備に取りかからせるとコロナガンダム3号機の武装をランチャーバックパックから
ブースターバックパックに換装させるゲイン。

その夜、ヴェル達を含めたアドレード基地のパイロット達は基地内のブリーフィングルームに集められた。
オーストラリアの地図を広げて現在の状況を説明するアデレード基地の上官
「現在、地球圏連合の軍はオーストラリアの中心、エアーズロック周辺に戦力を
 配備し、キンバリー基地への我々の侵攻を迎撃している。これに対し、明日
 我々は総攻撃をかける。この作戦を"オペレーション エアーズロック"と名付ける。」
488第20話ー6:05/02/21 00:37:10 ID:???
ウェナとの2時間近くになる面会は有意義なものだった。アルザロッサは基地内の
自室に戻りながらそう思っていた。
ウェナが持ってきた話は、ハモンドの死についての真相、そして、ラオゼリア司令官、エフィード・ライアス提案による
月面連合と地球圏連合の和平案だった。
月面連合評議会の中には一部、和平推進派が居る事。無駄な血を流さずに停戦できるなら
それが一番良い、それはアルザロッサも考えて居た事だ。
ハモンドの死の真相については、今はまだ自分の胸の内だけに秘めておこう、いや
場合によっては墓場までその秘密を持っていこう。密かに決意する。
面会が終わった後、ウェナ達を見送る際に、アルザロッサはウェナにこう伝えた
「近いうちに、水面下で和平交渉を進める為、我が軍から密命を帯びた特使を
 ラオゼリアに送る。」
既にアルザロッサの頭の中では一つの考えが浮かんでいた。
アデレードのマスドライバーを奪還したら、フレアクルーにアデレード基地の
防衛を任せて、サラディンとエドリントンとノアの三名を
特使としてラオゼリアに向かわせよう、その為の準備をしなければ。
そう考えながら自室に向かうと、三人に持たせる書類の作成、地球圏連合
評議会に提出する、アデレード基地奪還後のフレアクルーの処遇についての案件書の
作成に取りかかった。三人をラオゼリアに向かわせる理由は、表向きには「諜報活動のため」
と書いておいた。まだ和平交渉の話は独断の範囲だからだ。

翌朝、アデレード基地からエアーズロックに向けてコロニー連合軍の部隊が飛び立っていった。
その中には、ブースターバックパックを装備したコロナガンダム3号機に乗るゲインの姿もあった。
同じバックパック、機体を使っている今、性能差は無い、仕留めたい相手が
エアーズロックに居る事を期待しながら彼はこう呟いた
「ガンダムのパイロット………お前は必ず俺が仕留めてやる!」

続く
489第20話注釈:05/02/21 00:39:54 ID:???
新キャラ解説

マシアフ・グランルド:コロニー連合のシドニー基地及びオーストラリア地区総司令官

用語解説

ブースターバックパック:性能はコロナガンダム2号機のフライトバックパックと同じ
490第20話後書き:05/02/21 00:50:48 ID:???
というわけで20話書いてみました。
書きたいこと多すぎて一話にまとめ切れませんでした。
20話で書きたいなと思ったのは
ウェナとアルザロッサの面会、ブースターパックへの換装
オペレーション エアーズロックの戦闘内容と結果なのですが
一番最後の
オペレーション エアーズロックの戦闘内容と結果が
書けませンでした。
21話を書く人にお任せします。
できればコロナガンダム3号機を活躍させて、エアーズロックの地球圏連合軍を
キンバリー基地まで撤退させてしまう流れで。
(↑そういう流れで書こうと思ってました。)

後、第20話ー6で書き忘れがあったので訂正しておきます

翌朝、アデレード基地からエアーズロックに向けてコロニー連合軍の部隊が飛び立っていった。
その中には、ブースターバックパックを装備したコロナガンダム3号機に乗るゲインの姿もあった。
同じバックパック、機体を使っている今、性能差は無い、仕留めたい相手が
エアーズロックに居る事を期待しながら彼はこう呟いた
「ガンダムのパイロット………お前は必ず俺が仕留めてやる!」

フレアがキンバリー基地に到着する三日前
エアーズロックの戦いの火蓋が切って落とされた。

続く
491通常の名無しさんの3倍:05/02/21 13:41:56 ID:???
20話の人、詰め込みすぎ
どれか一つに話をウェナのシーン削れば
エアーズロックの戦い入れることができた気はする
492通常の名無しさんの3倍:05/02/21 13:47:49 ID:???
>「ここは地球なのだ、君達にとっては敵地なのだよ。」
>アルザロッサは銃の引き金に手をかける。
>「私……達?!」
>やっとの事で言葉を絞り出し、ボディーガードの名目で付いてきた
>ミネア・エフィナ・シークウッドの事を思い出すウェナ。
>面会の前、ミネアは別室に通され、面会が終わるまでそこで待つように言われた。
>「きっ………き……さま!」
>「今頃、あの少女も私の部下達の手によって………フフフフフ」
>ウェナの脳裏に一瞬、最悪の事態が浮かぶ。
>「あの少女も後からあの世に送ってやるよ、先にあの世に行きたまえ。」
>応接室内に銃声が響き渡った。

この部分で、ミネアが地球圏連合の兵士に輪姦される
エロ展開想像した奴挙手

493通常の名無しさんの3倍:05/02/21 16:38:04 ID:???
>>492
494通常の名無しさんの3倍:05/02/21 18:42:46 ID:???
というか面会ならフィンチ中将がやるべきでは?
もう艦隊司令官に任命されてどっかいっちゃった?
495通常の名無しさんの3倍:05/02/21 19:33:24 ID:???
アルザロッサが自ら出向くと言い出したと推測
だとしたらアルザロッサって本当食えない奴だな
49621話予告:05/02/21 20:06:50 ID:???
各地の司令官の思いのままにさせる最高司令官がついに動く。
オーストラリア死守は連合にとって最重要任務とされていた。
特殊部隊を含め、フレア、ウェーズリーのヴィクトリー号が急行する。
次回、「オーストラリアを死守せよ」
497通常の名無しさんの3倍:05/02/21 21:06:48 ID:???
>>492
そこだけ読んでハァハァしちまった
498通常の名無しさんの3倍:05/02/21 21:09:10 ID:???
>「悪い冗談だろ、空砲だよ。」
>「安心したまえ。あのお嬢さんにも、手は出してないさ。コーヒーは出すように命じたがね。」
この辺のセリフ良い感じ
食え無さ加減がよくでてる
499通常の名無しさんの3倍:05/02/21 21:37:55 ID:???
>>496
次回予告の内容が支離滅裂
ちゃんと書き直して下さいね
500通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:00:15 ID:IGxUJQSG
496 てか、未だ本編アップなしってどういうこと?
なんか「幻の14話」とおんなじ人な気がしてならんのだが。
501通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:29:04 ID:???
三日前っての忘れてた。ということで予告書き直し。

戦闘を開始した両軍。特殊部隊を率いて、敵を撃滅するウェーズリー。
彼の思惑通りに動くコロニー軍に思わず笑いが出るほどだった。
そして悪魔の兵器と言われたサンダーボルトまでを持ち出す。
残忍なウェーズリーは正義か悪か。
次回、機動戦士ガンダムネオ第二十一話
「狂気の兵器」
502通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:29:14 ID:???
>>500
俺も>>496は「幻の14話」の作者と同じ人の気がする
「幻の21話」にならない為にも他の人が書いた方が良い気がする
503通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:30:38 ID:???
>>501
あのさ、今までのあらすじ読んでます?
「幻の14話」じゃないけど予告読んだだけでもかなり無茶な展開しようとしてる気がするんですが
504通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:32:12 ID:???
多分>>501はオーストラリアとオーストリアを混同してる気がする。
ウェーズリーが居るのはヨーロッパで
フレアが向かってるのは、オーストラリア。
オーストラリアの地図をしっかり勉強してから出直してこい。
505通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:34:13 ID:???
>>501
ウェーズリーを黒幕にしたいのは解るけど不自然
もっとアルザロッサみたいにキャラを自然になじませてから
黒幕的な側面をちょこちょこっと出す程度にしないと
はっきり言って、君、リレー小説書く才能無いよ
多分没になった方の14話と同じ作者だと思うけど
50621話-1:05/02/21 22:38:42 ID:???
 フレアが到着前というのに、すでにエアーズロック周辺では、特殊部隊を含めたキンバリー基地所属の攻撃部隊が戦闘を繰り広げていた。
特殊部隊は最高司令官直属の部隊であり、通常系統の部隊には命令権はない。だが彼らにはそれがゆるされており、仮に指揮したとしても指揮権の横領にはならない。つまりは独立部隊である。
今回オーストラリア中央部に向けられた特殊部隊は、第四一、四二、四三部隊である。特殊部隊の中でも酷いやり方をする部隊ということで、軍内では恐れられている。
 「オーストラリア軍はモビルスーツ隊を展開。特殊部隊を支援する形で四方からの攻撃に備えよ。特殊部隊は敵部隊の撃滅にかかれ」
指揮しているのは、最高司令官レナード・ウェーズリーである。自ら七十四砲門搭載一等級戦艦ヴィクトリーに乗艦し、前線で指揮を取る最高司令官は珍しい。
「敵部隊を確認。全部体攻撃態勢。特殊部隊はモビルスーツより戦艦への攻撃を優先。全艦前進!」
レーダーの距離では、コロニー軍との距離が五十キロ以内ということになっている。切り込み隊として特殊部隊が前進していく。
敵のランドクルーザータイプの戦艦が緑色のビームを発射していた。戦闘開始の合図だ。
 戦闘が続く中展開されるコロニー軍モビルスーツは無残にも破壊されていく。特殊部隊の勢いは凄まじい。その勢いはコロニー軍司令官に弱音を吐かせるほどだ。
「一機も落とせないとはどういうことだ!いままでの地球軍じゃないぞ!」
そう言っている間にジェットパック搭載の地球軍新型モビルスーツジオーニアスにブリッジを頭部バルカンで破壊された。
「敵はコクピットを仕留めろ!パイロットが生きていれば自爆だってできるんだからな!」
機能停止した敵艦の甲板でビームライフルを撃つジオーニアスのパイロットは第四十二特殊部隊隊長エド・ウィルアーツである。
他の敵艦も次々とブリッジを破壊されて機能停止に陥る。戦艦が指揮不能になれば、所属モビルスーツも行動の仕様がなく白旗を揚げるしかなくなるのである。だが、特殊部隊は容赦しない。降伏しようとするモビルスーツをも破壊していくのである。
それこそ”ファットボーイ”のやり方である。
結局コロニー軍攻撃隊は特殊部隊に、それも戦艦にも近づけずに壊滅したのである。
「我々の出るまでもないな。コンディションを警戒態勢に戻せ」
507通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:38:54 ID:???
>>501
ウェーズリーとかサンダーボルトとか種厨ぽすぎ。
それは置いといて、今までの話全部読んでる?
こんな前までのあらすじ無視したような強引な展開生み出そうとするのはマジ萎える。
20話の展開から考えたら
21話の内容は
・コロニー連合軍VS地球圏連合軍のエアーズロック付近での戦い
・ブースターパックを装備したコロナガンダム3号機の活躍
・地球圏連合軍の敗北、エアーズロックからの地球圏連合軍の撤退
・三日後、キンバリー基地に着いたフレアは、エアーズロックまでコロニー連合軍に占拠されてるのを知って驚愕
・ウェナとミネアのラオゼリア帰還までの余談
このぐらいを求められると思う
508通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:39:55 ID:???
そもそもウェーズリーって黒幕っていつ決まったの
509通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:40:44 ID:???
没決定だな。
で、誰が21書くの
510通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:41:26 ID:???
>>508
19話を書いた人の独断
その19話の内容も結構疑問点というか
強引な展開組み込みすぎてる感があって
何故幻の19話にならなかったのか疑問なぐらい
511通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:44:11 ID:???
どうでもいいけど、今21話を書いてる人に対する疑問
ウェーズリーは確かフランスかその辺にいるのでは?
何でフレアより先にオーストラリアに着けるんだ?
それと、最高司令官という物はそんな簡単に出すべきではない
それこそイギリス本部の奥深くでじっと情勢を見守ってる奴ぐらいの立ち位置にしないと不自然
512通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:46:12 ID:???
でも提督クラスは戦列司令官だし結構動くものだよ?最高司令官はどうか知らないけどさ。
この小説を読んでいて一番やっちまったって思ったのはハモンドがあっさり捕まって死んだこと。
513通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:49:25 ID:???
推測だけど、没になった方の14話、と19話と没になるであろう21話を書いてる人は
同じ人だと思う
ついでに言うと9話ぐらいを書いたのもその人だと思うけど、こっちは少し違う気もする
要するにこの話に関しては何というか、リレー小説として前の人から渡されたバトンを
落としてると言うか、前の人から渡されたバトンを持たずに走って次の人にバトンを渡した
つもりになってる気がする

10話も9話からの流れでベクター事件の真相を間に挟んだ点強引と言えば強引だが
こっちはまだ内容がちゃんとしてるので救いがある
514通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:50:44 ID:???
>>512
すみません、ハモンド殺させた原因作ってしまいました…8話書いた人です
本当にすみません。果てしなく勘違いからハモンドを捕虜にしてしまいました。
515通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:52:38 ID:???
>>507
それだけ今までの分から求められてる物解ってるなら
貴方が21話書いてみては?

それと、次から後書きに
次の人に、どんな展開にして欲しいか要望を
箇条書きで書くようにしません?
>>513の言うように、前の人が次の人にどんな展開を望むか
書いてないとバトンが上手く渡せない事もあるでしょうし
516通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:53:46 ID:???
個人的には、アルザロッサの登場した軍法会議の話書いた人は上手いと思う
この人の書き方だと、次の展開として何を望んでいるかが読みとりやすい
517通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:54:15 ID:???
海老好きのハモンドが、開放されて地球で美味そうに海老食べる描写が見たかった。
518通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:55:01 ID:???
ところで地球軍の階級ってどうなってんの?
わかりやすい略図ない?
519通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:56:01 ID:???
軍法会議の話とウェナとの面会の話で
アルザロッサの性格は「狐」の一言で言い表せると実感
520通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:57:37 ID:???
>>518
今のところ略図無し
誰か階級の略図書いて下さい

>>519
>「今頃、あの少女も私の部下達の手によって………フフフフフ」
この辺なんか観るとアルザロッサは役者だなって思う
521通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:58:37 ID:???
>>520
このガンダムがアニメ化されてたら
20話のアルザロッサとウェナの面会シーンの妄想ネタで
ミネア陵辱系の同人誌が出回っていたのではないかと予想
522通常の名無しさんの3倍:05/02/21 22:59:23 ID:???
>>518
>>217参照。
これに軍尉の下に航海長が来ると思われる。
523通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:01:09 ID:???
>>522
アルザロッサみたいな基地司令官は中将クラスかな?
524通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:02:16 ID:???
>>521

 待 て !

その同人誌に

  ミ ネ ア タ ソ の フ ェ ラ シ ー ン は あ る ん だ ろ う な ?
525通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:02:42 ID:???
神絵師いれば挿絵っぽいの描けるんだろうけどなあ
526通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:04:47 ID:???
俺が気になるのは、このスレ立てた奴は何話を書いてるか、だ
後、このスレを立てた動機とか
527通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:06:22 ID:???
>>524
あったら、俺は買う
528通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:07:03 ID:???
思うにハモンドとバックランド考えた人は同一人物だと思う。
人物考えるのはうまいな。リッチアーディとか。
529通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:09:02 ID:???
>>528
それは俺も思った
このキャラの性格付考えた人は
キャラ作りが上手いな
530通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:12:46 ID:???
>>526
一応スレ立てた人ですが
スレ立てた動機、言っちゃっていいのかな
自分が書いたのは、1話と4話です
531通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:15:16 ID:???
アルザロッサが「タヌキ」ではなく「狐」と呼ばれるのは
「タヌキ」だと種の「赤くて三倍の人の声をした議長」とあだ名が被るからの様な気がする
種で議長がキシリア声の艦長に古狸と呼ばれたのが丁度同じぐらいの時期だから
532通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:19:18 ID:???
>>530
言えないような動機?
533通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:20:15 ID:???
機動戦士ガンダムN(ネオ)アニメ化希望
534通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:21:44 ID:???
>イエン「一等司令官といえば4人いましたね。バックランド、ハモンド、スタインズ、あと一人は・・・え〜」
>「スティーブ・ドリューだ。軍の司令官の名前くらい覚えておけ小僧」

未だに出てきてない、スタインズ提督どうなりましたか?
535通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:23:05 ID:???
>>534
スティーブ・ドリューもまだ出てきてないのでは?
536通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:26:56 ID:???
ドリューは死んだ
537通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:30:54 ID:SrkSFBjc
>>536
すまん
確認してきた
サンタンデールと共に沈んでるっぽいですね
538通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:32:27 ID:???
良いこと考えた
スタインズ提督をあそこに配備させちゃおう
第三クールでスタインズ提督を出そうと思うのでまだ出さないで下さい、お願いします
539通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:32:59 ID:???
>>528-529
ぶっちゃけると5話、7話、11話書きました。
540通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:35:17 ID:???
>>539
マジっすか?!
良いとこ全部じゃないですか
貴方が書いた部分と、アルザロッサが出てくる話と14話と8話が好きです
21話を、是非貴方に書いて欲しい
541通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:36:24 ID:???
18話もいいよね、ラブストーリーとしてしっかり成立してる
542通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:37:01 ID:???
>>539
バックランド、ハモンド、リッチアーディ、ドリュー、コールマン
いいキャラ揃いだな。
543通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:38:48 ID:???
>>539
アルザロッサは違ったんだ
あれも結構いいキャラだから気に入ってるんだけど
544通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:39:47 ID:???
>>540
21話が没?になったあたりから難しそうですね・・・
新キャラ出そうにも大して目立ちそうな部分ないし・・・自分的には逃げ帰ったスタインズを罰みたいな感じで攻撃部隊に入れたって構想していました。
545通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:41:03 ID:???
>>532
言えない様な動機じゃないんですけどね
ぶっちゃけると二番煎じなんですよ
あるホームページで、次回予告形式のリレー小説というのを見て
これをガンダムでやってみたいなと思ってしまって
546通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:42:42 ID:???
寧ろ、21話は既存のキャラを上手く立ち回らせて
如何にコロニー側を勝利に導くか
みたいなのが問われるからキャラ立て系の>>539さんより
第8話とか第12〜14話辺りを書いた人に任せてみたい
547通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:47:09 ID:???
私案
・スタインズが攻撃部隊に入れさせられる。
・ところが英国を追い出され、極度の戦闘地域で耐え難い日々を送っていた為人間不信に陥る。
・部下を次々と謀反者扱いしながらも、戦闘状態に入る。もちろん指揮官がおかしいので悪戦苦闘。
・部下も馬鹿ではなく上級仕官達で指揮権横領とわかっていても艦長拘束を決意する。
・なんとか全滅は逃れるも撤退することに。

こんな感じでどうでしょう?
548通常の名無しさんの3倍:05/02/21 23:53:52 ID:???
スタインズ提督をベクターの防衛部隊の提督にして
サラディン達との軋轢を生じさせるのはどうかと思ってます
Vector-Gundamも第三クールで出てくることですし、その時に一悶着起こしてもいいかなと
54921話予告:05/02/22 01:32:57 ID:???
火蓋を切って落とされたエアーズロック。
新米司令官が取った行動は吉と出るか、
はたまた凶と出るか。
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)
「司令官は一人」
無力とは、無能とは
550通常の名無しさんの3倍:05/02/22 01:37:48 ID:???
フレアがインド洋を横断してオーストラリアに向かう中、オーストラリア中央のエアーズロック周辺では、地球軍部隊が警戒態勢をひいていた。
「司令官が出動させた特殊部隊はまだか!我々だけで、あの大部隊を倒すのは不可能だぞ!」
通信機に向かって大声で怒鳴っているのは、地球軍オーストラリア支部司令官アート・バッキンガム大佐である。
「特殊部隊でなくても構わん!とにかく増援を!国中の戦力を集めたって勝てるかどうかわからんぞ!」
すると通信機越しの相手は「こんな時バックランド提督ならどうすると思う?機転を利かし、大胆ながらも緻密な作戦で乗り切ると思うぞ」
するとバッキンガムはさらに大声で「私はバックランドじゃない!もういい!」
そう言い放つと、回線を切断してしまった。
「良いのですか?」と、通信担当員が尋ねる。
「構わん。我々に死ねというのか・・・フィンチ中将も役に立たん男だ!」
バッキンガムは言葉からしても短気な男だが、いつもそうではない。
現在病気で入院しているキングストン艦長改め青色艦隊司令官代理を務めているのである。
流石に佐官クラスで、この戦時中に艦隊を指揮するのは並大抵のことではない。彼が苛立つ理由もわかる。
おまけに彼は艦を指揮した経験は無く、小型の輸送船の艦長を数回務めた程度というのだから正真正銘初心者司令官だ。
 次に彼は艦の無線室を出て、艦長室へ向かった。
机の上には数枚の資料と作戦内容が記憶されたディスクがある。
彼は椅子に倒れこむように座って、資料を読み上げた。
「配備するのは青色艦隊所属予定のオーストラリア軍所属輸送艦二十隻、四等級フリゲート艦五隻、そして即座に戦闘配備可能なサンタンデール級二隻である」
それをくしゃくしゃに丸め込むと、ゴミ箱へ放り投げてしまった。
「舐めてるな。サンタンデール級二隻?大艦巨砲は終わったというのに。おまけに最新機のジオーノスでさえ八機だけとは」
彼はぶつぶつと文句を言いながら、部屋を出る。今度はブリッジに向かった。
 「敵の様子はどうだ?」
「以前確認できません。衛星からの情報も途絶えています」
「オーストラリアの衛星まで連中にかかったとしか思えんな。偵察機にレーダーを撒かせろ」
55121話-2:05/02/22 01:39:38 ID:???
地球軍はそれぞれ衛星を持っていたが、戦争が始まると同時に、地球の情報を逐一に伝える衛星は危険だと見なし、スペースノイドは次々に破壊していった。
オーストラリア支部のも恐らくは−
 急にレーダーに熱反応が出てきた。
「艦長!敵軍です。予想通り大隊ですよ!」
ついに来たか。もはや逃げられはしない。流石に覚悟を決めたバッキンガムは意を決して「全艦進軍!なんとしてもキンバリー基地を落とすな!」
「ちょっと、副長。艦長室に用事を思い出した。しばらく頼む」
「っちょ、艦長!どこへ・・・」
副長のことなど無視して艦長室へ急ぎ足で向かうバッキンガム。
艦長室へ入って真っ先に、本棚を漁り始めた。
「確かあったはずだ!『バックランド戦術書』これの通りやれば艦対戦は・・・勝てる!」
するとその中の一冊に『Backland』の文字が見えた。すかさず「これだ!」
本を持ち出して、急いでブリッジに戻った。
 戻ってくるなり副長のフレッチャーから怒られる。
「艦長!どこへ行ってたんですか!あなたは艦隊司令官ですよ!勝手な行動は慎んでください!」
「わかっている・・・わかっているさ。勝つ為の秘策を探していたんだ」
「何があったかは聞きませんが、まもなく交戦状態に入ります」
「よおし、警戒レベルレッド!モビルスーツ隊展開!シベリア戦法で行くぞ!」
ここでバッキンガムは初めて威勢良く命令を下した。
「全艦、及びモビルスーツ隊は三角形状になりながら攻撃、後退を交互に繰り返せ!」
まさしく『バックランド戦術書』の第1章に書かれた内容だ。バックランドがシベリア降下部隊をたった四隻で破った時の戦法である。
攻撃と後退を繰り返すことで、相手の射程距離と目標をはずさせる作戦だが、一般に参考書程度を見ながら指揮する艦長などいない。
すると堂々と本を読む彼にフレッチャーが気づいた。
「艦長!戦闘中に読書など・・・軍人失格ですよ!」
「わかっている!これは戦術書だ!私のような素人に艦隊司令官を任された私の身にもなりたまえ!」
「な、戦術書って!それはシチュエーションによって変わってくるものです!あなた独自の判断を下さねばなりません!」
鳴り響く砲門の轟音に、フレッチャーの声も自然と大きくなる。
「ああ!?何を言っているのか聞こえん!とにかく指示通りに攻撃開始!」
55221話-3:05/02/22 01:40:31 ID:???
彼は聴いて聞こえぬふりをした。あくまで参考書通りの行動をするためである。用は勝利だ。過程は問題ではない。そう考えるバッキンガムには、恥などとは思わなかった。
 この参考書通りの戦法にコロニー軍も苦戦していた。
「地球軍め、妙な動きをしおって!」
攻撃部隊の司令官マシアフ・グランルドから思わず愚痴が漏れる。
地球軍はというと、一つの艦のモビスーツ部隊を二つに分け、三角形状になりながら、交互に前進、後退を繰り返すものである。直進するビームでもなかなか当たらない。
「ひとつ・・・あの妙な戦い方を崩してもらうとしよう。ゲイン!モビルスーツ隊を率いて攻撃を開始だ」
「了解」
格納庫にいるゲインから威勢の良い返事が返ってくる。
「ある程度近づいたら搭載したグレネードを投げて攻撃だ。その隙に艦に損傷を与えろ」
格納庫のハッチが開く。
「ゲイン・ラッドスドア、コロナ03出るぞ!」
ゲインのコロナに四機の新型モビルスーツが続く。コロニー軍最新鋭モビルスーツ、アンヴィシャスである。
エネルギー高出力を生かして、バックパックに取り付けられたプラズマランチャーは非常に強力だ。
「コロニー軍戦艦の一つから、コロナ03を発見!以下、データベースにない機体、恐らく新型と思われます」
「コロナだと!?奪った機体でのこのこと!叩き潰せ!ジオーノス隊発進だ!」
お世辞にもバッキンガムの指揮は上手いとはいえない。むしろ素人もいいところである。
そして彼は、参考書では役に立たないということを思い知らされることになる。
 「この雑魚が!俺はあのガンダムを倒すまで死ぬわけにはいかないんだよ!」
最大出力で戦艦に突撃していくゲインのコロナ。地球軍の攻撃が彼の機体に集中する。
だが、彼は熟練された操縦テクニックで見事にかわすと、一隻、また一隻とサーベルとライフルでブリッジを破壊していった。
「くそ!調子に乗りやがって!」
ジオーノスががら空きの背中に向かってライフルを構えた。しかし彼も後ろを狙われていることを知らなかった。
以前、アイスランド付近で使用した遠隔操作可能なフライングアーマーの芽がランチャーがジオーノスを貫いた。
「無駄なことだ!アンヴィシャス隊は各艦をグレネードで停止させながら破壊しろ!」
55321話-4:05/02/22 01:41:38 ID:???
シベリア作戦は脆くも崩れ去った。前進、後退を繰り返すものには、狙いを定めるビーム砲を当てるのは難しいが、無造作に投げるグレネードには止まってしまうのである。
「放つ前」のものをかく乱することはできるが「放たれた後」のグレネードには対応できなかったのだ。
地球軍旗艦アーチバイルでバッキンガムは唖然とする。
「馬鹿な!バックランドの戦法だぞ!破られるはずがない!」
「だから言ったでしょう!参考書など当てにならないと!わかったなら真っ当な指揮を!」
フレッチャーが当然のごとく言った。
「仕方ない。撤退だ・・・。フレア特殊部隊が来るまで待つ。それしか私にできることはない・・・」
「な、なにを仰る!あなたは指揮官としての役目を果たしていない!」
その一言にバッキンガムはいままで我慢していたものをすべて吐き出した。
「私は指揮官じゃない!こんなことできるわけがないんだ!今すぐ撤退だ!命令に逆らうなら今すぐこの場で射殺する!」
彼は銃をつきつけた。
「正気ですか・・・」
「正気もいいところだ!君のような反抗をする部下は実に不愉快だ!こいつを営倉へぶちこめ!命令違反としてな」
ブリッジの入り口に立っていた警備担当員が拘束して彼を連れて行った。
最後に彼は「あなたは間違っている!最後に言っておきます。リッチアーディの二の舞になりたくなかったら、絶対に謀反なんて起こさないでください!たとえ軍法会議になっても!」
彼の最後の声が聞こえなくなると、ほっとしたような気分になるのだった。
「撤退だ。聞こえただろう?すぐに撤退するんだ」
「しかし・・・」
操縦士がうろたえる。
「命令だ!早く撤退しろ!俺はキングストン司令官じゃない!」
狂ったように指揮するバッキンガム。
「ぜ、全艦後退!撤退する!残念ながらエアーズロックは明け渡すことになる!」
副長に代わって、オルソン少尉が言う。
バッキンガムの傲慢な判断により、艦隊は撤退した。
このエアーズロック戦がどのように響くかはわからないが、そんなことを知る間もなく、翌日、艦長室にてバッキンガムは自殺していた。
頭部を銃弾で貫かれており、右手にはピストルが硬く握られていた。

つづく
55421話詳細:05/02/22 01:47:59 ID:???
アート・バッキンガム:オーストラリア支部司令官。大佐。キングストン少将(正式な任命はまだ)が病気の為代理で指揮をしていた。
マーク・フレッチャー:三等級戦艦アーチバイル艦長。中佐。今回は旗艦で、バッキンガムが乗艦ということもあり、副長になっていた。
オルソン少尉:同艦所属少尉。艦長不在時は代理だが、普段はブリッジに命令を下している。
555通常の名無しさんの3倍:05/02/22 02:05:39 ID:???
内容的には短いけど上手くまとまってますね
1話丸々戦闘シーンって感じですか
第三クール目前、これからが楽しみです
556か ◆w6PF7xsKvs :05/02/22 05:24:07 ID:5sQ5HH1b
なかま
557第22話予告:05/02/22 13:11:38 ID:???
キンバリー基地に着いたフレア一行を待ち受けていたのは
更に窮地に立たされたと言う事実だった
アデレード、シドニー基地奪還の為に出撃するフレア
しかし、ノアの前にはあの男が立ちはだかる
次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第22話「執念の力」
エアーズロックに、ガンダムが倒れる?
558第22話ー1:05/02/22 13:27:18 ID:???
エアーズロックの戦いから三日後、オーストラリア北西部のキンバリー基地に一隻の戦艦が入港していた。
イギリス本部での命令を受け、アデレード、シドニー基地奪還の為に赴いたフレアである。
基地に入港したフレアの面々を歓迎したのはオルソン少尉であった。
「誠に言いにくい事だが………三日前、エアーズロック中継地点は宇宙民どもに占拠された。」
艦を降り、挨拶に赴いたサラディン艦長を前に、開口一番、オルソン少尉は現状を説明した。
その一言に驚きを隠せないサラディン。オルソンは言葉を続ける。
「キングストン司令が療養中の為、指揮を執っていたバッキンガム大佐は、その敗戦に責任を感じ、一昨日艦長室にて自殺している。」
オーストラリア奪還の為に援軍として赴かされたサラディン達だが、状況はより一層厳しくなったと言うことだ。
「現在、基地内に残っている艦は?」
サラディンは基地内の戦力がどの程度の物か、試しに問うてみる事にした。
「戦闘艦4隻、大気圏内用戦艦6隻、そして貴官らのフレアの、計11隻だ。エアーズロックからの撤退時
 敵軍の追撃の手によって艦の半数程が沈められてしまった。」
あまりにも少ない。サラディンはその数を実感した。
オーストラリア基地には元々、戦闘艦と言っても輸送機に毛の生えた程度の武装を持ち合わせた艦しかない
「ところで、大気圏内用戦艦というのは?」
予想は付いているが、サラディンは聞いてみた。
「俗に、ランドシップと呼ばれるホバーで動くタイプの物だ。」
ランドシップタイプ、ホバーで動く陸上戦艦、地球圏内での戦闘に於ける、地球圏連合軍の
所持する一般的な戦艦だ。つまり飛べない、地上や海上を走るしかない為、上空からの攻撃に対しては
対空砲火を浴びせるしかない。現状、キンバリー基地に集められている、地球圏連合オーストラリア基地の
総力の内、空を飛べる戦艦はフレアを合わせて5隻、残り6隻は地上を這い回るしか無い。
対して、敵軍はアデレードのマスドライバーを抑えている。
おそらく宇宙からの増援も来ているかも知れない。圧倒的な戦力差だ。
559第22話ー2:05/02/22 13:46:57 ID:???
状況の説明を受けたサラディンは、艦内に戻ると全員をブリーフィングルームに集め、今し方説明を受けた状況をそのまま伝える。
その戦力差の意味が解る者達の間で一斉にどよめきが起こる。
「はーい、静粛に。」
手をパンパンと叩き、モニターにオーストラリアの地図を出すサラディン。
「数では圧倒的な差がある、ならば奇策を持って応じるしかないだろ?」
そう言うと、どこから持ってきたのか教鞭を手にし、地図上の幾つかのポイントを指し示しながら作戦の説明を始める。
「エアーズロックは、オーストラリアのほぼ中央にある台地だ。この台地の周辺の敵さんを、先ず一掃する。」
再び、室内にどよめきが起こる。
「先ず、キンバリー基地から出撃した空中を飛べるタイプの戦艦は、真っ直ぐにエアーズロックを目指す。
 これが、俺達の役目だ。俺達がエアーズロックの敵を引き付けている間、ランドシップタイプの戦艦6隻は、
 キンバリー基地から出撃後、大きく迂回して、エアーズロックを左右から攻める。つまり、俺達を囮に
 手薄になった中継地点を挟み撃ちする、と言う作戦だ。」
「つまり、私達は敵を引きつける役目を行えば良い、と?」
椅子に座り腕を組んで何かを考えていたベルファが済ました顔で答える。
「そう言う事だ。言うのとやるのは大違い。難しいぞ。」
サラディンはそう答える。そして………
「さて、作戦内容を飲み込んだ所で、全員出撃準備にかかってくれ。」
そう言うと、パイロット達が次々とブリーフィングルームを飛び出し、格納庫に向かって走っていく。
同じ様に、格納庫に向かおうとしたノアを、サラディンは呼び止める。
「敵さんの中に、コロナガンダムが居たようだ。」
「!!」
その言葉に驚くノア
「しかも、そいつの装備していたバックパックが、ランチャーパックからフライトパックに換装されていたそうだ。」
「つまり、俺の機体と実質上の性能差は無くなった…と?」
「そういう事だ、多分向こうさんは出撃してきたら、お前のコロナガンダムを狙って来ると思う。」
その言葉に力強く頷くノア、メキシコ、北米、そしてアイスランドでの戦いを思い出す。
「そう…ですね。俺が、囮になります。」
そう聞くと笑顔で頷くサラディン。
「任せた、お前は奴が出てきたら奴との一騎打ちに専念しろ、奴を引きつけておくだけでも大分心強い。」
それだけ聞くと、格納庫に向かうノア。彼は同じ性能でも勝てるだろうと思っていた、この時は。
560第22話ー3:05/02/22 14:12:30 ID:???
キンバリー基地を数隻の戦艦が出撃する、その中にはフレアも混じっている。同時にランドシップも出撃した。これがキンバリー基地部隊の総力だ
フレアのカタパルトでは、各機が次々に出撃準備に追われている。
「カタパルトチェック完了、全機出撃して下さい。順番は、エドリントン機、ベルファ機、ノア機、ヤック機、スウェルド機、レスター機、ファウンゼル機、ハモンド機の順番です。」
アナウンス通りに、左右のカタパルトから交互に出撃する機体。
「サミュエル・エドリントン、ジオーノス、出撃する。」「ベルファ・ドートレッド、キャノンダスター2、出る!」「ノア・バルクーレー、コロナガンダム行きます。」「ヤック・フェイ、ダスター2、拳神の加護があらん事を。」
「スウェルド・イオ、ダスター2、出ます」「レスター・フェフ、ダスター2、行きまーす。」「ファウンゼル・アーク、ダスター2、システム、オールグリーン。」「ジョシュ・ハモンド、ダスター2出るぞ。」
ジョシュ・ハモンドは、あのハモンド提督の息子である。イギリスからの出港時にフレアに配属されたパイロットで、今回がフレア部隊としての初陣である。
他の戦艦からもMS"ジオーノス"数機とダスター2の大群が出撃している。
エアーズロック近辺に駐屯するコロニー連合軍のレーダーに、その様子はすぐさまキャッチされた。
迎撃の為、エアーズロック近辺に陣を築くコロニー連合軍。
エアーズロック占領後、コロニー連合軍のオーストラリア基地指揮官、マシアフ・グランルドはこの地を副官
エイジ・ロジャーに任せてシドニー基地に帰還していた。マシアフは前線に出るのが嫌いなタイプの指揮官だ。
エイジ・ロジャーから、エアーズロックの各部隊に伝令が伝わる。
「貴君らには、何も期待はしていないが、先の戦い程度の健闘はしろよ。」
ヴェル達の部隊にも伝令が伝わる。オーストラリアの部隊はこうも、新入りを余所者扱いする者なのか。
ヴェルは通信を切ると苦笑した。先の戦いでゲインが見せた活躍は、新入りのビギナーズラック程度にしか捉えられていない。
ヴェルは、フギン・ムニンに乗り込むとレーダーをチェックし、何かに気付き、ゲインに通信を入れる。
「ゲイン、フェニックスが来ているぞ。」
ゲインも、コロナガンダムのコックピットでレーダーをチェックして気付いていた。
「隊長、あのガンダムは俺に相手をさせて下さい。」
「勿論だ。」
「ヴェル・アイザ・エルクラン、フギン・ムニン出撃する!」「ゲイン・ラッドストア、コロナガンダムブースターパック、出るぞ!」

エアーズロックで再び戦いが始まった。
561第22話ー4:05/02/22 14:25:59 ID:???
ヨーロッパ、ジブラルタル基地に隣接するジブラルタル空港。基地のマスドライバーを借りて
空港から月行きの旅客機が出発する。この旅客機で月へ行こうとする民間人に混じって、二人の人物の姿があった。
水面下での和平交渉の為にアルザロッサとの面会を行った、ウェナ・ローシャスと、そのボディガードと言われているが
どう見てもボディガードはウェナであると言う風に感じられる少女、ミネア・エフィナ・シークウッドである。
二人は、民間人に混じって旅客機の搭乗手続きを行う。
「また、地球に来れるかな?」
空港の窓の外に広がる滑走路とマスドライバーを眺めながら、ミネアが呟く。
「また来たいか?この重力は、結構辛いぞ。」
背後で荷物を確認しながら愚痴をこぼすウェナ。
「うん…。」
窓の外を眺めながら、ミネアは答える。
イギリスで会った少年…ノアと言ったっけ?あの少年と一緒に観覧車から眺めた景色、綺麗だったな。
あの少年との出会いが、運命と言う物ならば、また会えるかな?また、地球に来たら彼に会えるかな?
そんな事を考えながら窓の外を眺めている。頬が少し赤くなっているのに自分でも気付いていない。
「何か、良いことでもあったのか、地球で」
荷物をまとめながらウェナが聞く。
考えていた事を見透かされた様な気がして、振り返ると、ミネアは慌てて否定する。
「そ、そんな事ないよ、た、ただ、地球って綺麗だなって思ったから、うん、そう。」
「その反応は、男だな?」
意地悪に言うウェナ
「ちっ、違うもん!」
必死で反論するミネア。

二人の搭乗した旅客機がマスドライバーに運ばれた。
そして、打ち上げられる旅客機。
遠く離れていくヨーロッパの大地を窓の外に見ながら、ミネアはボソッと呟く
「………ノア。」
また、会いたいな。
562第22話ー5:05/02/22 14:42:38 ID:???
エアーズロックの戦いは激戦を極めていた。
撃ち落とされていく両軍の機体、そんな中奮戦を続けるフレアのパイロット達。
コロナガンダム2号機のレーダーが、3号機が接近してくるのを捕捉する。
「あいつ、やっぱり…」
ビームライフルを構え、3号機をロックオンし、3発撃ち込む。しかし、3号機はそれを難なく避ける。
「見つけたぞ、ガンダム!性能の差は無い、腕の差で貴様を仕留めてみせる。」
3号機はビームサーベルを抜くと、2号機との距離を縮める。2号機もビームサーベルを抜くと、3号機に接近して行く。
ビームサーベルを交わす二機。
「今日を貴様の命日にしてやる。」
ゲインはコックピット内で2号機のパイロットに向けて叫ぶ。
空中でサーベルを交える二機のガンダム
「性能が同じなら、負けない」
ノアもコックピット内で叫ぶ。
ブースターを最大出力にして、3号機を振り払い、ライフルで仕留めようと考えるノア
しかし、3号機も同じようにブースターを最大出力にして2号機に引き離されないように追う。
そして、一瞬の隙をついて、3号機は2号機の胴体部に蹴りを入れる。
「うわあああ」
エアーズロックの台地の上にたたきつけられる2号機、それを上空からライフルを構え見下ろす
3号機、2号機が立ち上がり、ライフルを構えようとしたその瞬間、3号機のライフルの放った
ビームが、2号機の右肩を打ち抜く。2号機のライフルを持った右腕が胴体から離れ、大地に転がる。

3号機の前に、2号機が窮地に立たされているのを目撃したヤックは、2号機の救出に向かおうとする。
しかし、ヤックのダスター2の前にフギン・ムニンが立ちはだかる。
「悪いが、一騎打ちに水を差す野暮な真似はして欲しく無いのでね。」
そうコックピット内で呟くと、ヤックのダスター2に攻撃を仕掛けるフギン・ムニン
その二機の間にエドリントンのジオーノスが割って入る。
「ヤック、ノアを助けに行け、こいつは私が相手をする。」
563第22話ー6:05/02/22 14:48:15 ID:???
「了解しました。」
そう通信を入れると、フギン・ムニンをジオーノスに任せてコロナガンダム2号機を助けに行くヤック。

コロナガンダム2号機は、左手にビームサーベルを構えると、3号機に斬りかかろうと、大地から飛び立とうとしていた。
しかし、その瞬間を狙ったかの様に3号機のライフルのビームが、2号機の左膝を貫く。体勢を崩し、倒れる2号機
更に3号機はライフルの狙いを定め、2号機の左肩を打ち抜くと、エアーズロックの台地の上に降り立つ。
そして、ビームライフルの照準を2号機のコックピットに定めた。
「これで、貴様の負けだーーーーーーーーーーーーーーーー」
2号機に向かって、そう叫ぶ

次回に続く
564第22話補足:05/02/22 14:56:31 ID:???
戦艦タイプ
ランドシップ:ホバーで動くタイプの地上用戦艦

新キャラ
エイジ・ロジャー:マシアフ・グランルドの部下にして、オーストラリア戦線の
         コロニー連合軍副司令官

その他
ヤック、スウェルド、レスター、ファウンゼルの4人、名前しか出てなかったので
フルネームにしてみました

23話を書く人に要望
・敢えて、終わりを2号機大ピンチで終わらせました、ここから上手く繋げて下さい
・エドリントンVSヴェル、これはエドリントン死亡フラグととってもらっても可です。
・23話は22話の流れから行くとコロナガンダム2号機出番無し?
565通常の名無しさんの3倍:05/02/22 15:31:50 ID:???
21話、22話を書いた人へ
GJ
566通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:06:26 ID:???
密かに特殊部隊及びヴィクトリー艦隊が挟み撃ちにするってのは駄目かな?
567通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:18:22 ID:9LRi4z3C
23話、今日中にアップしますんでよろ。
568通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:39:31 ID:???
>>567
先に予告きぼん
多少なり展開が想像できるほうが面白いからさ。
569通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:48:24 ID:???
>>566
ランドシップで挟み撃ちって出てるから、特殊部隊出しちゃうと無理が出てくるから駄目かと
と言うか特殊部隊はヨーロッパ戦線で戦ってる(19話参照)様子だから無理があるだろ
570通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:50:50 ID:???
23話書く人は
大ピンチのノア救出と、一騎打ちの敗北と言う現実ににうちひしがれるノアと
ランドシップの挟み撃ちによって奪還されたエアーズロックと、アデレード基地奪還のための作戦案を
しっかり書いて欲しい
571通常の名無しさんの3倍:05/02/22 17:58:04 ID:???
ちょっと面白い事を考えてしまった
この戦いで破壊されたコロナガンダムはアデレードやシドニー基地奪還が済むまで
修理が間に合わずガンダム無しで戦うと言うのはどうだろうか?
572通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:04:28 ID:???
>>569
いや、流石に42もの特殊部隊全部をヨーロッパには向けないでしょ
573通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:07:24 ID:???
>>569
そもそも特殊部隊を42も作ってるところからおかしいけどな
574通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:10:32 ID:???
アメリカも空挺師団を100以上作ってるから問題ない
575通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:12:10 ID:???
2号機のビームライフルと3号機のバズーカは、それぞれの機体の専用装備だったはずだが、その辺は気にしない?
576通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:24:44 ID:???
>>575
ブースターバックパック作成の際に、ブースターバックパックのデータの中に
ビームライフルのデータも入っていたと言うのは?
577通常の名無しさんの3倍:05/02/22 18:28:06 ID:???
>>576
もしくはコロニー連合軍の機体が通常使用してるビームライフルを1個支給されたとかは?
578第23話:05/02/22 21:12:22 ID:???
「ぐわぁー!」
コロナガンダム2号機のコクピットをビームライフルでブチ抜こうとした刹那、
異様なシルエットの一機の巨大MAが突如姿を現したのだ。
突然姿を現したその巨大MAの攻撃によってコロナガンダム3号機は
吹っ飛び、右腕ごとビームライフルをバラバラに砕かた。
「くそ!一体何が起こったというのだ!!?」
ゲインはいきなりの事態に動揺を隠せない。またコロナガンダム2号機の
パイロットも状況が理解できていないようだ。
と、その時その巨大MAから通信が発せられた。
「フゥハハハハー!戦場は地獄だぜ!!俺様の名は地球連合のジャケット大尉。
このMAの名はデススティン!連合軍で極秘裏に開発された超高性能MAで
最新技術で造られた特殊迷彩を起動させれば肉眼はおろか
レーダーでも”コイツ”を捉える事はできない!!さらにコイツに装備された
ハイパーパイルバンカーはあらゆるモノを粉砕する!!!
コロニー軍のガンダムめ、これでとどめだ!!!!!!!!」
デススティンのハイパーパイルバンカーの狙いをコロナガンダム三号機の
胴体に定めた。
「ではいくぞぉ!」
3号機に向かってそう叫ぶジャケット大尉。

次回に続く
579通常の名無しさんの3倍:05/02/22 21:14:06 ID:CQ/6pdbD
age
580通常の名無しさんの3倍:05/02/22 21:22:04 ID:???
>>578
当然没
581通常の名無しさんの3倍:05/02/22 21:41:12 ID:???
>>578
うはwwwww却下wwwwwうぇっうぇwwwwwwww
582通常の名無しさんの3倍:05/02/22 23:35:27 ID:???
もしかして>>567か?
583第23話予告:05/02/22 23:37:28 ID:???
オーストラリア・エアーズロック。
そこは神が住む場所。
その神の住む場所で様々な力がぶつかり合う。
プライドを取り戻そうとする執念の力。
想いを力に生き残らんとする力。
そして今、神の摂理に反するかのような得体の知れぬ力が舞い降りる。

次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第23話「強欲なる刃」
その力の欲するものは、何なのか。
584第23話-1:05/02/22 23:40:14 ID:???
『ドレッドノート隊、ノア・バルクーレ機、ベルファ・ドートレッド機はフレアに帰投せよ。
この戦域を脱出し、地球降下コースをとる』
「隊長、帰投命令です…。」
「解ってる。」
あの時は辛かった。けど必死に突っ張っていた。

「隊長!・・・・早く艦船(ふね)へ・・・・・!」
ベルトラン。俺を助けてくれた男。

「悪かったな・・・俺が『断るなよ』って言ったばっかりによ。」
サラディン艦長。口は悪いけど、俺の苦しみを解ってくれた人。

「普段はこんな事しないんだからね!ありがたく受け取っとくように!」
ミネア・・・。

こんなところで・・・俺は死ぬのか。
死ねない・・・こんな所で俺は死ねない。
俺のために命を捧げた人を、俺を抱きしめた人の想いにまだ応えていない。
思いを継がなければ。俺の気持ちを解ってくれた人に報いなければ。
死ねない・・・まだ俺は何もしちゃいない!
ガンダムが在る限り!俺が生きている限り!俺が死ぬ事を許される時まで!
戦え、ノア・バルクーレ!

「うぉぉぉぉぉぉぉっ!」
まだ起動しているバーニアをフル稼働し、止めをさそうとしたコロナ03に体ごとぶつかるコロナ02。
「ぐわぁぁっ!?」
予想外の反撃にバランスを崩して倒れこむ蒼いガンダム。
その隙を逃さず、エアーズロックから離脱するノア。
「逃げられると思うかァ!」
仇敵を仕留めんとフルスピードで後を追うコロナ03。
後方からのビームライフルからの攻撃をバランスをとりながら回避するノアのコロナ02。
「うろちょろするなってんだ!」
追い詰められている状況は変わらないが、ノアは必死でこの状況を打開しようと考えていた。
「戦いにおいて必要なのは力ではない。頭と神経を研ぎ澄まし敏感に反応する。
それが重要なことだな」
エドリントンから言われた言葉を頭の中で反芻する。
「なら・・・・!」
コロナ02はエアーズロックを離れ、とある地点へと逃げ込んだ。
「そんなところへ逃げ込んだところで!」
コロナ03も後を追う。
マウント・オルガ。
エアーズ・ロックの西方30km余に位置する、36にも及ぶ岩が群れをなし、
数々の峡谷が存在するアボリジニ達の聖地の一つである。

585第23話-2:05/02/22 23:41:34 ID:???
峡谷の間に逃げ込んだコロナ02を追いかけ突っ込むコロナ03。
そこに片腕でビームライフルを放つコロナ02。
しかし、コロナ03の方向とははるか上方へその光線は逸れていく。
「照準までいかれたのか!哀れな事だな!」
ゲインはせせら笑った。
「哀れなのは、お前だ!」
コロナ02の標準は故障などしていなかった。
コロナ03の上方の岩盤はビームライフルで破砕され、コロナ03の上へと降り注ぐ。
フライトパックを装備したガンダムとはいえ、この不意打ちを完全に避けきる事は難しい。
それが狭い峡谷ならなおさらの事である。
岩を避ける際に、コロナ03の腕のビームライフルが叩き落される。
「なっ!?・・・ふざけた真似を!」
落ちてきた岩盤に潰されたビームライフルを諦め、ビームサーベルを構えるコロナ03。
さらに峡谷の奥へと逃げて行くコロナ02。
「悪あがきか・・・無様な!」
ゲインは逸(はや)った。
ニューヨークでの屈辱をもう少しで晴らせる。
片腕片足を失い、もはや子供だましの逃げの一手しか打てなくなったガンダムなどビームサーベルで造作もなく叩き落せる。
そうして急な角度の峡谷を曲がった瞬間だった。

ブウンッ!

峡谷の影に隠れていたコロナ02がビームサーベルでコロナ03へと襲い掛かる!
下から切りつけたビームサーベルの軌道はフライトパックの左バーニアとコロナ03の左腕を本体から切り離した。
「何だとおぉぉぉぉぉっ!?」
完全に虚を突かれたゲインのコロナ03。
間髪を入れずノアのコロナ02はコロナ03の腹部に対して蹴りを見舞った。
「ぐぼおぁっ!」
「さっきのお返しだ!」
フライトパックでのバーニア制御姿勢が崩れ、峡谷へとまっさかさまに落ちて行くコロナ03。
だが、追い討ちをかけて、止めを刺すにはコロナ02のダメージは大きすぎた。
586第23話‐3:05/02/22 23:42:47 ID:???
「こちらキャノンダスターU・ベルファ機。ガンダム・ノア機!聞こえるか!」
ノイズ交じりではあるがベルファからの連絡が入ってきた。
「・・・遅いよ!てか声を聞かせるより姿見せて助けてくれって!」
死地をどうにか脱したノアは安堵したのかキツい冗談を僚友に言った。
「・・・その元気があるならまだ戦えるな。」
通信機越しに苦笑したベルファからの声が聞こえる。
「冗談言うなよ。ちょっとフレアで休ませてくれ。流石に片腕片足じゃ戦うにはキツい。」
「わかった。お早いお越しを期待してるよ・・・ん?」
「どうした?」
「2時の上空に何か見えないか?」
「2時・・・?」
峡谷を抜け、2時方向上空を見上げる。陽光の中に黒点が5つほど見える。
地球からでも黒点が見えるのか?とノアは一瞬思ったのだが。
ベルファは違った。
「・・・・・あれは!まさか!?」

「エアーズロック一帯の戦闘行動を行っている者たちに告ぐ。
命を落としたくなければ、速やかに退散せよ。
命を落としたくなければ、速やかに退散せよ。」

「はぁ!?どこの馬鹿がこの戦場に立ち入ろうとしてやがるんだ!ふざけてるのも大概にしろって!」
「艦長のいつもの口調にふざけてますねぇ。」
イエンがこの状況に関わらずジョークを飛ばす。
「あんだとぉ!?」
「・・・艦長!一刻も早く退散してください!進攻中のランドシップにも連絡してください!一刻も早く!」
「どうしたベルファ?何かあったのか?」
「説明は後です、とにかく早く!」
587第23話‐4:05/02/22 23:44:35 ID:???
「FAT-PROT1,2,3,4,5。目標地点上空に到達。ハンガー・オフ。」
「了解。FAT-PROTハンガー・オフ。地上に到達と同時に制圧行動を開始せよ。」
そして、黒点から地上に何かが降り落ちてきた。
それは全身深緑に覆われた、古代の重装歩兵を思わせるフォルムのモビルスーツだった。
そのモビルスーツの盾には「FAT-PROT」と描かれている。
「新手か!だが、たった5機では何もできまい!」
コロニー軍の攻撃が新手のモビルスーツに襲いかかる。
だが、見かけとはかけ離れた俊敏な動きで交わすと同時に五体の深緑のモビルスーツは地を這う蛇のようにコロニー軍の攻撃をかわし、次々に敵を撃破して行く。
コロニー軍の中で歴戦のシェイド・コミュニティをもってしてもこの攻勢に対して攻撃をかわすのがせいいっぱいであった。
「なんだ・・・こいつら!?こんな奴等がいるとは聞いていないぞ!」
だが、その中で一人冷静に状況を見極め、反撃に転じる者がいた。
「なるほど、よく鍛えられた動きだ・・だが、慣れればどうという事はない!」
ヴェルのフギン・ムニンは敵のあまりに規則正しい動きを見抜き、空中からその一体に対してビームライフルの斉射を浴びせる。
そして、見事深緑のモビルスーツの腹部を光線は貫き、活動を停止する。
だが、その瞬間、ヴェルは得体の知れない感覚を覚えた。
「!?いかん!全員速やかに待避!」
その瞬間。
撃破されたモビルスーツの周りにいた敵味方のモビルスーツ全てが光に包まれ、消えて行った。
「・・・・・・なっ!?」
その光景を見た者は敵でも、味方でも戦慄したに違いない。
いや、戦場の中でたった4機。深緑の重装兵達は自分たちの仲間が撃墜され、凄絶な最期を迎えたにもかかわらずその間も次々に敵を蹴散らして行った。
それは炎に揺らめく地獄の中で咎人を容赦無く痛めつけて行く羅刹の如き禍禍しさであった。
「・・・ワイゼル。お前、生きてたらこんな事がしたかったのか、なぁ・・・。」
ベルファはその光景を哀しみと怒りの混じった瞳で凝視していた。
588第23話‐5:05/02/22 23:48:44 ID:???
イタリア・ナポリの地球圏連合支部地下シェルター。
レナード・ウェーズリーはエアーズロックの戦闘の画面を見ながら穏やかな笑みを浮かべていた。
「見事な手際だな。ES-1。」
ES-1と呼ばれた彼・・・それは男というよりむしろ年端も行かない少年のような出で立ちであった。
白亜の軍服に見を包み、銀髪と透き通るかのような白い肌。そして金色の瞳。
まるでこの世に存在するとは思えない美しさである。
「お褒めにあずかり光栄です。ウェーズリー長官。」
ES-1と呼ばれた彼は恭(うやうや)しく彼に向かって礼をした。
「彼等も間もなく「寿命」を迎えます。天寿を全うするに相応しい舞台で長官にも感謝している事でしょう。」
「成る程・・・これが君のジョーカーと言う訳か。」
先日の評議会で場を締めた評議会議長、パブロ・メンデルは納得したかのようにウェーズリーに尋ねる。
「これに比べればこれまで失った第一司令官達の命など捨て札に過ぎんよ。
切り札は最後の最後に切ってこそ価値がある。・・・相手が勝ったと思った時に、な。」
「まったく・・・色々な意味で敵に回さなくてよかったと思うよ。
にしても、他の司令官はこれを知っていたのかね?」
「いいや、堅物ばかりだからな。むしろ邪魔者が消えたという点では私にとっては僥倖というものだ。
私の切り札が整うまで彼等は充分時間を稼いでくれた訳だから、その点では感謝しているよ。
・・・あぁ、そういう意味ではフレアとガンダムにも感謝はしなくては、な。それにしても・・・。」
ウェーズリーは自分のデスクの資料に忌々しげに目を落す。
そこには「月面連合・地球圏連合間の休戦協定提案」というタイトルがあった。
英国副指令アルザロッサ・シルヴェから送られてきた資料である。
「全く余計な事をしてくれるものだ。ミカヅキと手を組む必要など最初からなかったのだがな。」
「どうするつもりだね。」
「こういうのはどうかね・・・ここ数日中にヴェローナ・シチリア・ナポリの3基地は付近市街地を含めて、
正体不明のモビルスーツ部隊により全滅させられる。」
「・・・・何だと?」
「その正体不明のモビルスーツの肩には月連合軍のエンブレムが確認される。私は命からがらシェルターで生き残り、
この不逞の輩に対して徹底抗戦を誓う・・。なかなかできた脚本とは思わないか?」
「・・・・改めて、君が敵でなくてよかったと思うよ。ウェーズリー。」
心底安心したかのような溜息をメンデルはついた。
それを見ながらウェーズリーは微笑を浮かべて、また画面の方へと向き直った。
EA-1の瞳に密かに宿りし炎を知ってか知らずか。

続く

                                                                        続く
589第23話あとがき&補足:05/02/23 00:20:59 ID:???
うわ、続く 続く って何なんや(汗)
てな事で期待を大きく裏切り(?)ノアVSゲイン、痛み分けと相成りました。
いや、ここで一方的にボロ負けこくと天国のベルトランに何言われるかわからんし
エドリントンの話を何聞いてたんだともなるし、必死こいて体裁つけました。
痛みを知ってなお全く成長しないって駄目ジャン!って話なもので。

で、ホントどうしようかと思いました。「ファットボーイ」。
ここで無敵キャラ出すとバランス大幅に崩れる事になるので、彼等に関しては
こういう枷を設けてみました。


【補足解説】
ファットボーイ(Fabulous and Terminative Boys Of YardBird)
通称:42連合特殊強襲機動兵師団。
レナード・ウェーズリー直下の42小隊から構成されるエリート師団。
42の小隊構成であるが、その小隊構成は少数のため、小隊が連合しての作戦が行われる事もあると思われる。
ファットボーイの育成に関しては14歳〜17歳までの2年間で薬物投与も含めたエリート戦士のカリキュラムが組まれ、
選びぬかれた者のみがこの師団に配属される。
これは成長の度合いが大きい事、そして思想的にも余計な影響を受けやすい世代を外界から謝絶し、純粋な戦士を
育成するという意図があるためのようだ。
ただし、薬物投与による人間の限界まで高められた能力は諸刃の剣で、師団所属後に精神を病んだ者、急激な老化現象に
悩まされる事が殆どで師団配属後の実働はもって一年半との説もあるが、レナード・ウェーズリー最高司令長官はこの説を
一笑に伏して否定したと言う。


590第23話あとがき&補足:05/02/23 00:26:15 ID:???
うわ、ファットボーイズ補足読みづれぇ。(汗)
すんません。
追記すべき箇所があったんでそれも合わせて。

【補足解説】
ファットボーイ(Fabulous and Terminative Boys Of YardBird)
通称:42連合特殊強襲機動兵師団。
レナード・ウェーズリー直下の42小隊から構成されるエリート師団。
42の小隊構成であるが、その小隊構成は少数のため、小隊が連合しての
作戦が行われる事もあると思われる。
ファットボーイの育成に関しては14歳〜17歳までの2年間で薬物投与も
含めたエリート戦士のカリキュラムが組まれ、選びぬかれた者のみが
この師団に配属される。
これは成長の度合いが大きい事、そして思想的にも余計な影響を受け
やすい世代を外界から謝絶し、純粋な戦士を育成するという意図がある
ためのようだ。
ただし、薬物投与による人間の限界まで高められた能力は諸刃の剣で、
師団所属後に精神を病んだ者、急激な老化現象に悩まされる事が殆どで
師団配属後の実働はもって一年半との説もあるが、レナード・ウェーズリー
最高司令長官はこの説を一笑に伏して否定したと言う。
なお、定かではないが彼等の登場するモビルスーツ「ハンニバル」には
彼等の生命維持と結びついた自爆装置がついており、
それは普通のモビルスーツ爆発時の数十倍の威力があるとされている。
591第23話あとがき&補足:05/02/23 00:28:01 ID:???
>なお、定かではないが彼等の登場するモビルスーツ「ハンニバル」には

「登場」→「搭乗」の間違いでした。
申し訳有りません。

592さらに誤植発見:05/02/23 01:02:09 ID:???
>>585

>コロナ02の標準は故障などしていなかった。

×標準 → ○照準

>>588

>EA-1の瞳に密かに宿りし炎を知ってか知らずか。

「EA-1」ではなく「ES-1」だよorz

すんません、ホントすんません。
593通常の名無しさんの3倍:05/02/23 01:09:02 ID:???
23話GJ
次はアメリカ奪還か?
594通常の名無しさんの3倍:05/02/23 11:42:13 ID:???
>>593
まだ、エアーズロックを奪還しただけでシドニーやアデレード基地を奪還してない
それにしても本当に23話は良い意味で期待を裏切ってくれたな〜と
595通常の名無しさんの3倍:05/02/23 16:53:18 ID:???
良い意味で期待を裏切ってくれたとは思うんだけどね
24話書きたいけど書けないよ、行方不明になったゲインはどうなったのかとか
42特殊部隊をキンバリー基地のメンバーに合流させるのは難しいから、こいつらの扱いをどうするべきなのかとか
もうね、面白いんだけど繋ぎにくい
これを上手く繋げる事ができた奴はプロだなと
596通常の名無しさんの3倍:05/02/23 16:54:32 ID:???
>>1
このスレを立てた動機が二番煎じと言うのはどういう事ですか?
その辺面白そうだから詳しく聞きたい
597通常の名無しさんの3倍:05/02/23 17:37:53 ID:???
このまま少数の歩兵を連れて基地潜入ってのは駄目?
598二十四話予告:05/02/23 21:15:31 ID:???
残された戦力。
彼らは勝利への望みを託し、またもや戦火に見舞われる。
憎しみに取り付かれた少年、勝利の為に犠牲を払う特殊部隊
彼らにノアは正義というものを見せ付けられるのか
次回、機動戦士ガンダムネオ
「豪州の衝突」
599二十四話ー1:05/02/23 21:29:04 ID:???
 エアーズロックでコロニー軍は撤退し、勝利を収めた地球軍一行は、キンバリー基地に帰還していた。
特殊部隊の登場によって、なんとか勝利できたものの、残党のコロニー軍が援軍を引き連れて戻ってくるのは時間の問題だ。
旗艦アーチバイルの忌まわしき艦長室、つまりはバッキンガムが自殺した部屋で、フレッチャーはサラディン以下、オーストラリア軍所属艦長を集めていた。
部屋の中は綺麗に清掃されており、机も新調され、位置も変わっている。
「で、この残りの部隊でどうするかだ。我々は国内軍のほとんどを失った。残るは数隻のランドシップと・・・我が艦とフレアのみだ」
深刻な状況は以前変わらない。全員の口が重く塞がり、しばしの沈黙が訪れる。
「これは良いことなのかはわからないが、キングストン艦長改め少将が明日現場復帰される。増援された艦隊司令官としてな」
暗い雰囲気の中、なんとか明るい話は無いかと考えた結果、このことが思いついた。
「艦隊?数はどれほどですか?」
ランドシップ艦長の一人が尋ねる。
「青色艦隊所属の三十二隻だ。旗艦は旧型のサンタンデール改造艦『インディアナポリス』(通称インディ)。戦力が整えば基地奪還も不可能ではないだろう」
彼の朗報は当然「良いこと」だ。なにせ青色艦隊が支援として来るのだから。
ここでサラディンが首を突っ込んで言った。
「ところで、あの連中はどうします?独立部隊ですから、我々に指揮権は無いでしょうし」
「特殊部隊か。彼らの処遇は少将が来てから決めても遅くはないが、あのまま野放しにしておくわけにもいかんな。とりあえず君の所で預かっておいてくれ」
特殊部隊をまるで荷物のように扱うフレッチャー。それもそのはず。特殊部隊は厄介者として見られているので、当然近づきたい者などいない。
「では、解散とする。各自、艦内で待機したまえ」
 サラディンが船に戻ると、入り口にコールマンが壁に身を寄せて、待っていた。
「で、会議はどうだったんです?」
「どうもこうも。明日には艦隊が到着するってよ。んで俺達はここで待機ってわけ。あと特殊部隊をあずかれって」
「彼らはエリート部隊です。根はしっかりしてるでしょうな。それより艦隊到着ならありがたい。これで潔く攻撃できるってわけだ」
誇らしげに言うコールマン。だがサラディンはいつもの彼らしくなく乗り気ではない。
600二十三話-2:05/02/23 21:40:44 ID:???
「とりあえず俺は仮眠を取るとするよ。夜襲があった時に備えて」
サラディンはそそくさとその場を離れていった。
 格納庫には、深緑に包まれたボディのハンニバルが四機格納された。
「こいつら特殊部隊らしいぜ。同じ仲間だけど近寄りがたいよ」
「エリート部隊だろ?俺達なんて話にならないって」
各自で、彼らの噂話が聞こえる。
やがてハンニバルの一機からパイロットが一人下り立った。
コクピットから下ろされるロープで地に付くと、ヘルメットを脱いだ。
中には、金髪の、鋭い目つきの男の顔があった。
コールマンが急いで彼の前に向かい、敬礼をする。
「地球連合軍大尉、ジム・コールマンだ。高速移動艦フレアの副長を務めている」
「挨拶は結構だ、大尉。私はジェームス・クライブ、第四十二特殊強襲機動兵師団隊長だ」
「艦長はわけあって出られなくてな。私が対応することになっている。とりあえず部屋に案内しよう」
彼が直接案内しようとすると、クライブは「いや、結構。場所を教えていただければ自分で向かう。私も随分と疲れているんでね」
コールマンは部下に場所を教えさせると、ようやく気を休める間ができたと思い、自室へ向かっていった。
 その頃ノアは、食堂で食事を終えて部屋に戻るところだった。隣にはベルファも同席している。
「さて、俺はもう寝るよ。随分疲れたし、ってあれ誰?」
食堂を出て、すぐ目に付いたのは見慣れない顔の男、ジェームス・クライブだ。
「知るか。特殊部隊の面々だろう」
彼はノアに気づくなり、こちらにやってきた。
「君があのガンダムのパイロットだな?勇敢な戦い方だ。だが多少無茶をし過ぎだな」
その言い方にむっとしたノアは「貴方達こそ。まるで仲間を犠牲にしているようだ」
クライブは鼻で笑って言った。
「過程は問題じゃない。俺達は目的を忠実にこなしただけだ。その為なら味方だろうが、民間人だろうがいくら利用しようと構わないだろ?」
その言い方にノアはさらに怒りを露にする表情になった。今にも胸倉に掴みかかりそうな彼の肩に手をやるベルファ。
「ノア隊長。もう行くぞ」
無理矢理引っ張っていくベルファ。
「おい、もう離せよ!」
するとベルファは立ち止まった。
601二十三話-3:05/02/23 21:43:05 ID:???
「私もやつらの言うことには反対だ。しかし戦争に勝つ為には奴らのようにやるのも手だ。正当なやり方じゃないにしても」
「今まで特殊部隊ってのはもっとまともな連中かと思っていたけど、がっかりだね。あんな血も涙もない連中なんて!」
言いたいことだけ言って、ノアは自室へ戻っていった。
ベルファは彼らのことを良いと思っていないながらも、推奨的なことをノアに言ってしまったことを後悔して、その場に立ち尽くしていた。
 アデレート基地まで撤退したコロニー軍。その中には、シェイド・コミュニティ隊のカオスハンガーの姿もあった。
基地内ではグランルドが、苛立ちを露にしていた。
「連中め!あんな化け物を使ってくるとはな!」
グランルドは隣に立っているヴェルを見ながらさらに
「やつらを止めるのも君達の仕事だろう?手痛い目に合わされたからと腰を抜かして撤退命令などふざけおって!」
「ですが司令官。あのまま戦っていれば、確実に我々が損害を負っていました。とにかくは、あれだけの爆発をおこした連中を調べるのが先です」
「次こそは確実に占領だ!君達もせいぜい手を抜かないようにするんだな」
嫌味を言い残してグランルドは司令室を後にした。彼はシェイド・コミュニティ隊を良く思っていない。それは軍内でも同じことである。
カオスハンガーの一室から、軋むような音が聞こえてきた。
「畜生!またガンダムめ!」
壁を思いっきり殴るゲイン。憎悪がにじみ出た顔をしている。
「次こそは・・・アレで確実に仕留めてやる!今度こそ絶対にな!」
彼は、今回の戦いでまたもや敗北を喫した。その敗北のたびに彼は強くなっていくのだった。憎悪を力にして。
夜が明けて翌日、明朝六時。まだ太陽が上がる寸前だというのに、コールマンはブリッジに出ていた。
副長が出ているのに、部下だけが出ないわけにはいくまいと、他のブリッジクルーも所定の位置についている。
早起きして仕事に就くコールマンには、まだ眠っていたい部下にはさぞ不満なことだろう。
すると、今日は珍しくサラディンが眠そうな顔のままブリッジに現われた。
「おはようございます艦長。今日は珍しいですな」
「おはようコールマン君。君はいつも早いな」
「三十分おきに起きて、ブリッジの様子を見ております。常に警戒心に気を配るようにと」
602二十三話-4:05/02/23 21:44:31 ID:???
「熱心だねえ。ま、その様子じゃあまり寝てないようだし、当直仕官は候補生のクレイ君に任せて君は寝て来てくれ。艦長命令ってことで」
コールマンを気遣うように言った。
「それに、後で戦闘中に眠気に襲われては困るからな」
軽いジョーク交じりで言うサラディン。
「そうですか。では、今回ばかりは甘えるとしましょう」
肩の重荷が取れたように、彼は軽い足取りでブリッジを出ていった。
しばらくして旗艦アーチバイルから通信が入った。
「私だ。まもなくキングストン艦長が到着する。各自粗相の無いようにな」
出てきたのはフレッチャー艦長だ。彼もやや疲れ気味らしく、乱れた髪を隠すように、帽子を被っているようだった。
「どれ、俺は甲板で少し散歩でもしてくるよ」
サラディンがそう言ってブリッジを出ようとした時だった。
「南東に反応!識別結果・・・コロニー軍です!それと、またガンダム!」
イエンの言葉がサラディンを止めた。すぐに振り返って
「またあの部隊か!戦闘準備!モビスルーツ隊準備だ!ああ〜まったくもう!散歩もさせてくれないのかよ連中は!しかも味方がすぐそこに来てるってのに」
再びフレッチャーから通信が入る。
「全艦、状況は分かっているな?艦隊にも到着次第すぐに戦闘参加できるように伝えておいた。しばらく持ちこたえてくれ!」
ブリッジにコールマンが急いで戻っていた。
「戦闘ですって?連中はいつ寝てるのかねまったく!」
彼もせっかくもらった睡眠を妨げられて苛立ち気味だ。
一方、旗艦アーチバイルでは、コールマンのような早起きはいないため、クルーのほとんどは睡眠状態だ。
交代要員がほとんどを占めている。
「キングストン少将に繋げ!今すぐにでも援軍が必要だとな!敵は大隊だ!今度こそ我々が潰される!」
コロニー軍は本気だ。傷ついた地球軍残党は、補給の完全な部隊に壊滅させられようとしている。援軍を目の前にして。
「こちら・・・キンスグ・・・妨害電・・・な・・・」
途切れ途切れに通信が入る。距離があるのと、妨害電波でなかなか通信が上手くいかない。
「ゴホ・・・ライゼル・キングストンだ。要請は受けた。ただちにき・・・」
モニターで副長がキングストンを支えている。どうやら病状は思わしくないらしい。
「マーク・フレッチャー艦長だ。一旦通信を終了する」
603二十三話-5:05/02/23 21:50:12 ID:???
通信を終了すると、彼は艦長席に座った。
「全軍進撃!旗艦に続け!」
フレアや各ランドシップ級からモビルスーツ隊が発進される。
その中にはノアや特殊部隊の面々もいた。
「あいつらに先を越されてたまるか!部隊は俺に続け!」
先走るノア。それを見つけるゲインは密かに笑みを浮かべる。
「ようやく来たなガンダム!今度こそこいつの餌食にしてやる!」
三号機には新たな兵器、メガビームキャノンが二門搭載され、プラズマランチャーが標準装備されていた。
さらには、無線操作指揮フライングアーマーも二つ操っている。
クライブもニヤニヤしながら、フライングアーマーを装着したハンニバル隊を進ませる。
「ようやくガンダムのお出ましか。今度も派手に潰してやるとしよう」
 カオスハンガーでも、ヴェルがフギン・ムギンにて出撃準備を整えていた。
後方にはアンヴィシャスの発展型、ヴィシャスが六機待機している。
「結局、戦火の中で勝利を納めるには血を流すしかないか。ヴェル・ザ・レイヴェン、フギン・ムギン出るぞ!」
不適な笑みを浮かべ、戦争を煽るかのような彼の態度にはどことなく、不思議な感じがする。
カタパルトから射出されたフギン・ムギンにヴィシャス隊が続く。
勝利への望みを繋ぐ為、また地球の呪縛を解くため、防衛戦が始まろうとしていた。

つづく
604通常の名無しさんの3倍:05/02/23 21:51:37 ID:???
ちょいまち、カオスハンガーって、シェイド・コミュニティ隊の戦艦の名前で
たしか地上運用はできない戦艦では?
605通常の名無しさんの3倍:05/02/23 21:55:06 ID:???
過去ログ参照
カオスハンガーは宇宙専用のシェイド・コミュニティ隊の戦艦
地上では運用できないのでシェイド隊が地上で活動する時は
衛星基地に預けてある
606通常の名無しさんの3倍:05/02/23 21:56:09 ID:???
>無線操作式フライングアーマー
これは幾ら何でも無茶だと思う
これは出すべきではなかったな
607二十四話注釈:05/02/23 21:56:52 ID:???
二十四話なのに、大間違いで二十三話になってしまいました。すいません。

インディアナポリス:通称インディ。一等級戦艦サンタンデールを改造して、砲門を取り払い、モビルスーツ格納庫を増やした。
            砲門はメガ粒子砲がなくなった代わり、ビーム砲32門搭載

ジェームス・クライブ:第四十二特殊部隊隊長。特殊部隊所属の割には安定(?)しているが、やはり戦闘になると楽しむ傾向あり。

ヴィシャス:装甲を強化し、ダブルビームサーベル(サーベルを二つ繋げたもの。ナギナタのような感じのもの)にビームライフル、シールド、小型ミサイルを装備する。

三号機の換装装備:ランチャータイプの発展型。バックパックの出力が増えた為、メガビーム二門、プラズマランチャーが装備可能。
608通常の名無しさんの3倍:05/02/23 21:57:08 ID:???
24話没に一票
22,23話で受けたガンダムの損傷、そんな簡単に修理できるとは思えないので
ガンダム無しでの戦いぐらいにして欲しかった
609通常の名無しさんの3倍:05/02/23 21:58:57 ID:???
三号機の新装備
ここで出す必要性が感じられない
しかも、つい数話前でブースターパックが完成したばかり
もう少しブースターパックでの活躍を引っ張ってから出せば
610通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:01:33 ID:???
.>>608
微妙ではあるが24話没案に賛成
問題点
・前の話までで受けてたガンダムの損傷の修理にかかる時間の問題
・三号機の新装備を出すタイミングと意味が無い
・カオスハンガーがどういう戦艦か、過去ログを良く読んでから書いてくれと
特に三つ目が前の話をちゃんと読んでいるのかと思う部分でどうにも
他の所は問題ないが、そこだけでも充分没にすべきと思う
611通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:02:34 ID:???
いや、しかしシェイド隊、没14話でなぜかステルス搭載戦艦出てるし、どうしようかと悩んだんですが。
とりあえずランドシップタイプのものに置換しといてください。
>>609
元々ランチャータイプがメインなので。手痛い目にあってるので二度も馬鹿は見ないかと。
612通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:02:43 ID:???
>>610
他の部分はよくできてるだけに
致命的ミス三点が痛いですね
没と言うより、同じ作者にミスの部分だけ校正して
書き直しを希望
613通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:04:02 ID:???
>>611
手痛い目に遭ってるとは言っても、それでも相打ちまで昇華できてるんだから
ゲインの性格なら再びブースターパックで出て白黒つける事を望むのでは?
614通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:04:24 ID:???
ミス以外はよくできてるから、その間違った部分だけを変えて描けばよくできるんじゃないかな
615通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:05:30 ID:???
>>613
三号機の新装備に感じた違和感はそれかな?
何か、パイロットがこれで納得するのかなって感じ
ノアの2号機を倒す事を考えて、同じ装備なら腕の差でとか言うからには
先の話での相打ちでは納得できず、もう一度同じ装備で一騎打ちを、とか考えそう
616通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:06:21 ID:???
ゲインの性格が何となく、種の遺作タイプに感じられる様になってきた今日この頃
ミスの部分を書き直して再up希望
617通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:07:18 ID:???
そやね、ゲインの性格だとあの決着の付け方で、新しい装備に換装して勝っても喜びそうにない
618通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:08:24 ID:???
と言うか23話にも致命的ミスあるのに今気付いた
22話のラストでガンダムは、右腕、左腕、左膝を破壊されてるから
ライフル持てるわけがない
これであの反撃には無理があるわけでは?
619通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:10:09 ID:???
じゃあ右腕破壊取り消しとか
620通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:10:11 ID:duN06WHh
>>618
22話のラストでは、右足と左膝は打ち抜かれて取れてるけど
左腕は方の部分を打ち抜かれたから反応が鈍くなってるとかで
反撃が終わるぐらいまで何とか持ったけど、その後に左腕も動かなくなった、ぐらいに考えれば
多少無理はあるけど納得できる
621通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:10:58 ID:???
>>620
なるほど、機体も根性で動いてた様な状態か
622通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:11:44 ID:???
とりあえず「カオスハンガー」を「ランドシップ」に置換して考えてください。
-5にミスあるようなので、-5を書き直します
623通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:12:47 ID:duN06WHh
>>619
左腕破壊取り消しか、>>620の様な多少無理のある設定を付け加えて24話で
「右腕、左腕、左足が破損してるんだ修理と調整、どれだけ急いでやっても1〜2週間はかかる」とか
整備兵辺りに言わせて、アデレード奪還作戦にはガンダム出撃禁止にするとかすれば
上手くフォローできるのでは?
624通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:14:56 ID:???
>>622
もう一回、24話を最初から全部うぷし直して
追加点/訂正点
・ガンダムの損傷度に関するフォロー
・カオスハンガーの部分をランドシップに
・ゲインの出撃はブースターパックで(性格上)
この三点、追加と訂正を入れて
625通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:15:38 ID:???
>>623
それいい
24話書き直し時に何処かにその辺の内容入れてフォローよろしく
626通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:16:54 ID:???
特に変えなくても良いところはそのままですけどよろしいですか?
627通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:17:32 ID:???
ゲインの性格についてのミスは致命的かも
損傷のフォローは是非入れて欲しい
628通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:19:02 ID:???
>>626
致命的ミス三点(内一つ、損傷に関しては前の話があるからの不可抗力として)
>>624参照をフォローしてあれば
大筋は変えなくても良いと思います
629通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:19:44 ID:???
ゲインの性格ってイザークっぽいよね、確かに
630通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:21:08 ID:???
ミス以外の部分はしっかりできてると思う
それだけにミスが目立つ内容になってしまった感じ
100点を取ろうと力んで90点になってしまったと言うのかな
631通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:22:50 ID:???
>>628
はっきり言って、大筋は完璧、ガンダムらしい
それだけにミスが目立つと言うか
何て言うか
昔、エルガイムってアニメで
Aパートで「これしかありません」とか言われて乗って出撃した機体と
Bパートの戦闘シーンでそのパイロットが乗ってる機体が違う
ぐらいの違和感
632通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:25:18 ID:???
>>631
エルガイムはそういうミスの多いアニメだったよな
ミスが多すぎてあら探しに走った人もいたぐらい
633通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:26:17 ID:???
>>629
それだけに、第三クール以降での脱イザーク化を期待したいけれど
そうなると何かきっかけが必要かも
634通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:31:38 ID:???
コロナガンダム2号機の損傷修理と称して
パワーアップ(武装追加)等を希望
635通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:36:20 ID:???
>>634
話数的に後数話もすれば後継機が出てくるこの時期にか?
それはスポンサー的にやりたくない手段だろ
636通常の名無しさんの3倍:05/02/23 22:41:44 ID:???
>>635
つガンダムX
637二十四話−1:05/02/23 22:51:11 ID:???
 エアーズロックでコロニー軍は撤退し、勝利を収めた地球軍一行は、キンバリー基地に帰還していた。
特殊部隊の登場によって、なんとか勝利できたものの、残党のコロニー軍が援軍を引き連れて戻ってくるのは時間の問題だ。
旗艦アーチバイルの忌まわしき艦長室、つまりはバッキンガムが自殺した部屋で、フレッチャーはサラディン以下、オーストラリア軍所属艦長を集めていた。
部屋の中は綺麗に清掃されており、机も新調され、位置も変わっている。
「で、この残りの部隊でどうするかだ。我々は国内軍のほとんどを失った。残るは数隻のランドシップと・・・我が艦とフレアのみだ」
深刻な状況は以前変わらない。全員の口が重く塞がり、しばしの沈黙が訪れる。
「これは良いことなのかはわからないが、キングストン艦長改め少将が明日現場復帰される。増援された艦隊司令官としてな」
暗い雰囲気の中、なんとか明るい話は無いかと考えた結果、このことが思いついた。
「艦隊?数はどれほどですか?」
ランドシップ艦長の一人が尋ねる。
「青色艦隊所属の三十二隻だ。旗艦は旧型のサンタンデール改造艦『インディアナポリス』(通称インディ)。戦力が整えば基地奪還も不可能ではないだろう」
彼の朗報は当然「良いこと」だ。なにせ青色艦隊が支援として来るのだから。
ここでサラディンが首を突っ込んで言った。
「ところで、あの連中はどうします?独立部隊ですから、我々に指揮権は無いでしょうし」
「特殊部隊か。彼らの処遇は少将が来てから決めても遅くはないが、あのまま野放しにしておくわけにもいかんな。とりあえず君の所で預かっておいてくれ」
特殊部隊をまるで荷物のように扱うフレッチャー。それもそのはず。特殊部隊は厄介者として見られているので、当然近づきたい者などいない。
「では、解散とする。各自、艦内で待機したまえ」
 サラディンが船に戻ると、入り口にコールマンが壁に身を寄せて、待っていた。
「で、会議はどうだったんです?」
「どうもこうも。明日には艦隊が到着するってよ。んで俺達はここで待機ってわけ。あと特殊部隊をあずかれって」
「彼らはエリート部隊です。根はしっかりしてるでしょうな。それより艦隊到着ならありがたい。これで潔く攻撃できるってわけだ」
誇らしげに言うコールマン。だがサラディンはいつもの彼らしくなく乗り気ではない。
638二十四話ー2:05/02/23 22:52:48 ID:???
「とりあえず俺は仮眠を取るとするよ。夜襲があった時に備えて」
サラディンはそそくさとその場を離れていった。
 格納庫には、深緑に包まれたボディのハンニバルが四機格納された。
「こいつら特殊部隊らしいぜ。同じ仲間だけど近寄りがたいよ」
「エリート部隊だろ?俺達なんて話にならないって」
各自で、彼らの噂話が聞こえる。
やがてハンニバルの一機からパイロットが一人下り立った。
コクピットから下ろされるロープで地に付くと、ヘルメットを脱いだ。
中には、金髪の、鋭い目つきの男の顔があった。
コールマンが急いで彼の前に向かい、敬礼をする。
「地球連合軍大尉、ジム・コールマンだ。高速移動艦フレアの副長を務めている」
「挨拶は結構だ、大尉。私はジェームス・クライブ、第四十二特殊強襲機動兵師団隊長だ」
「艦長はわけあって出られなくてな。私が対応することになっている。とりあえず部屋に案内しよう」
彼が直接案内しようとすると、クライブは「いや、結構。場所を教えていただければ自分で向かう。私も随分と疲れているんでね」
コールマンは部下に場所を教えさせると、今度は、機体損傷が最も激しいコロナガンダムの方へ向かった。
「整備長。こいつは直りそうか?」
コロナを見上げてコールマンは整備長のコグシルに聞いた。
「スペア使っても、難しいですね。特に回路部分がやられてますんで、そればっかりは」
彼の言うとおり、破損部分は、中身の回路ケーブルが引きちぎれており、数日では直りそうにない状態だった。
「おまけに、ビームかなにかの攻撃を受けた時の火花のせいで、メインカメラをやられてる。こいつはスペアありませんぜ」
ビーム兵器がこすれた時は火花が飛び散る。装甲を貫通するくらいの熱量ならメインカメラ程度に損傷があってもおかしくは無い。
「つまりは出撃不可能ってことか。この一大事にエース機が損傷じゃ困るよ、まったく」
コールマンからため息が出る。
「少なくともこっち(オーストラリア)での修復は無理ですね。直せたとしても、パーツ総換えでまったく別物みたいですよ。ジオーノスのスペアでも流用しますか?」
「馬鹿言え。そんなことしたらプログラムを一から書き換えなきゃならん。それこそ時間がかかる」
639二十四話ー3:05/02/23 22:54:19 ID:???
怒鳴り口調になったが、すぐに平常に戻って「とにかく応急処置として接続だけしておけ。反応速度は鈍いだろうが、動くらいにはなるだろ」
そう言いのこすと、ようやく気を休める間ができたと思い、自室へ向かっていった。
 その頃ノアは、食堂で食事を終えて部屋に戻るところだった。隣にはベルファも同席している。
「さて、俺はもう寝るよ。随分疲れたし、ってあれ誰?」
食堂を出て、すぐ目に付いたのは見慣れない顔の男、ジェームス・クライブだ。
「知るか。特殊部隊の面々だろう」
彼はノアに気づくなり、こちらにやってきた。
「君があのガンダムのパイロットだな?勇敢な戦い方だ。だが多少無茶をし過ぎだな」
その言い方にむっとしたノアは「貴方達こそ。まるで仲間を犠牲にしているようだ」
クライブは鼻で笑って言った。
「過程は問題じゃない。俺達は目的を忠実にこなしただけだ。その為なら味方だろうが、民間人だろうがいくら利用しようと構わないだろ?」
その言い方にノアはさらに怒りを露にする表情になった。今にも胸倉に掴みかかりそうな彼の肩に手をやるベルファ。
「ノア隊長。もう行くぞ」
無理矢理引っ張っていくベルファ。
「おい、もう離せよ!」
するとベルファは立ち止まった。
「私もやつらの言うことには反対だ。しかし戦争に勝つ為には奴らのようにやるのも手だ。正当なやり方じゃないにしても」
「今まで特殊部隊ってのはもっとまともな連中かと思っていたけど、がっかりだね。あんな血も涙もない連中なんて!」
言いたいことだけ言って、ノアは自室へ戻っていった。
ベルファは彼らのことを良いと思っていないながらも、推奨的なことをノアに言ってしまったことを後悔して、その場に立ち尽くしていた。
 アデレート基地まで撤退したコロニー軍。その中には、シェイド・コミュニティ隊のランドシップの姿もあった。
基地内ではグランルドが、苛立ちを露にしていた。
「連中め!あんな化け物を使ってくるとはな!」
グランルドは隣に立っているヴェルを見ながらさらに
「やつらを止めるのも君達の仕事だろう?手痛い目に合わされたからと腰を抜かして撤退命令などふざけおって!」
「ですが司令官。あのまま戦っていれば、確実に我々が損害を負っていました。とにかくは、あれだけの爆発をおこした連中を調べるのが先です」
640二十四話ー4:05/02/23 22:56:18 ID:???
「次こそは確実に占領だ!君達もせいぜい手を抜かないようにするんだな」
嫌味を言い残してグランルドは司令室を後にした。彼はシェイド・コミュニティ隊を良く思っていない。それは軍内でも同じことである。
ジェイド隊仕様ランドシップ『レトリビューション」の一室から、軋むような音が聞こえてきた。
「畜生!またガンダムめ!」
壁を思いっきり殴るゲイン。憎悪がにじみ出た顔をしている。
「次こそは・・・確実に仕留めてやる!今度こそ絶対にな!」
彼は、今回の戦いでまたもや敗北を喫した。その敗北のたびに彼は強くなっていくのだった。憎悪を力にして。
夜が明けて翌日、明朝六時。まだ太陽が上がる寸前だというのに、コールマンはブリッジに出ていた。
副長が出ているのに、部下だけが出ないわけにはいくまいと、他のブリッジクルーも所定の位置についている。
早起きして仕事に就くコールマンには、まだ眠っていたい部下にはさぞ不満なことだろう。
すると、今日は珍しくサラディンが眠そうな顔のままブリッジに現われた。
「おはようございます艦長。今日は珍しいですな」
「おはようコールマン君。君はいつも早いな」
「三十分おきに起きて、ブリッジの様子を見ております。常に警戒心に気を配るようにと」
「熱心だねえ。ま、その様子じゃあまり寝てないようだし、当直仕官は候補生のクレイ君に任せて君は寝て来てくれ。艦長命令ってことで」
コールマンを気遣うように言った。
「それに、後で戦闘中に眠気に襲われては困るからな」
軽いジョーク交じりで言うサラディン。
「そうですか。では、今回ばかりは甘えるとしましょう」
肩の重荷が取れたように、彼は軽い足取りでブリッジを出ていった。
しばらくして旗艦アーチバイルから通信が入った。
「私だ。まもなくキングストン艦長が到着する。各自粗相の無いようにな」
出てきたのはフレッチャー艦長だ。彼もやや疲れ気味らしく、乱れた髪を隠すように、帽子を被っているようだった。
「どれ、俺は甲板で少し散歩でもしてくるよ」
サラディンがそう言ってブリッジを出ようとした時だった。
「南東に反応!識別結果・・・コロニー軍です!それと、またガンダム!」
641二十四話ー5:05/02/23 22:57:45 ID:???
エンの言葉がサラディンを止めた。すぐに振り返って
「またあの部隊か!戦闘準備!モビスルーツ隊準備だ!ああ〜まったくもう!散歩もさせてくれないのかよ連中は!しかも味方がすぐそこに来てるってのに」
再びフレッチャーから通信が入る。
「全艦、状況は分かっているな?艦隊にも到着次第すぐに戦闘参加できるように伝えておいた。しばらく持ちこたえてくれ!」
ブリッジにコールマンが急いで戻っていた。
「戦闘ですって?連中はいつ寝てるのかねまったく!」
彼もせっかくもらった睡眠を妨げられて苛立ち気味だ。
一方、旗艦アーチバイルでは、コールマンのような早起きはいないため、クルーのほとんどは睡眠状態だ。
交代要員がほとんどを占めている。
「キングストン少将に繋げ!今すぐにでも援軍が必要だとな!敵は大隊だ!今度こそ我々が潰される!」
コロニー軍は本気だ。傷ついた地球軍残党は、補給の完全な部隊に壊滅させられようとしている。援軍を目の前にして。
「こちら・・・キンスグ・・・妨害電・・・な・・・」
途切れ途切れに通信が入る。距離があるのと、妨害電波でなかなか通信が上手くいかない。
「ゴホ・・・ライゼル・キングストンだ。要請は受けた。ただちにき・・・」
モニターで副長がキングストンを支えている。どうやら病状は思わしくないらしい。
「マーク・フレッチャー艦長だ。一旦通信を終了する」
通信を終了すると、彼は艦長席に座った。
「全軍進撃!旗艦に続け!」
642二十四話ー6:05/02/23 22:59:35 ID:???
 シェイド隊のランドシップでも、ゲインやヴェルがフギン・ムギンにて出撃準備を整えていた。
後方には、ヴィシャスが六機待機している。
この格納庫のキャットウォーク上でゲインと整備士がもめていた。
「ブースターパックで出るから準備しろと言ったはずだ!」
整備士は頭を掻きながら言った。
「だから、さっきの戦闘での爆発が影響して、磁場操作がうまくいってないんだって。動かなくなっても知らんぞ」
「それを動くようにするのがおまえらだろ!基地に戻った時に修理は大方完了したはずだ。さっさと出させろ!」
ゲインにはガンダムを倒すことしか考えていない。たとえ目の前の敵がガンダムでなくても、邪魔をするものはすべて蹴散らすつもりだろう。
「早く準備しろよ!」
「わかったよまったく」
止めようとする整備士を押し切り無理矢理出撃させるゲイン。
ようやくカタパルトに乗るコロナ。前方のハッチが開く。
「ゲイン・ラッドストア、コロナガンダム!出るぞ!」
ブースターをフルににして飛び出していくゲイン機。まるで獲物を見つけたヒョウのようなスピードだ。
ゲイン機に続くように、ヴェル機もカタパルトに乗る。
「結局、戦火の中で勝利を納めるには血を流すしかないか。ヴェル・ザ・レイヴェン、フギン・ムギン出るぞ!」
不適な笑みを浮かべ、戦争を煽るかのような彼の態度にはどことなく、不思議な感じがする。
カタパルトから射出されたフギン・ムギンにヴィシャス隊が続く。
地球軍もモビルスーツを発進させるが、その中に、ノアのコロナガンダムの姿はない。
索的機能を使って、コロナ02を探すゲイン。
「ガンダムはどこだ!コロナを倒せるのはコロナしかいないということを連中は知らないのか!」
フレアでは、ベルファがノアの言葉を思い出していた。「俺がいなくても死ぬんじゃないぞ」
「わかってるさ。ベルファ・ドートレット、キャノンダスターU出る!」
隊長を欠くフレア隊からもモビルスーツが次々と発進される。その中には特殊部隊の面々もいた。
「あの坊主がいないってんなら、あのガンダムは俺が頂けるってわけね。ジェームス・クライブ、ハンニバル、出せ!」
ジェットパックを搭載したハンニバル四機が飛び出す。
勝利への望みを繋ぐ為、また地球の呪縛を解くため、防衛戦が始まろうとしていた。

つづく
643通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:14:11 ID:???
キングストン、最高齢ということは60代後半〜70代くらいなんだろうか?
644通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:21:03 ID:???
>>643
60代後半はやばいだろ
前半ぐらいで手を打ってくれ
645通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:22:34 ID:???
すげえ、内容がちゃんとガンダムしてる、24話ミス訂正したらすげえ面白くなった
続けて25話も書いて欲しいぐらいに
646通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:23:19 ID:???
ヴェルは・・・これ死亡フラグ?
こういうセリフ言われたり出撃時に言う奴って大概その戦闘でb(ry
647通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:24:06 ID:???
>>646
ヴェルじゃねーや、ベルファだ
ベルファ25話で死亡か?
648通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:31:12 ID:???
ここまでで定着してきた俺の中での各キャラのイメージ
ノア CV坂口大助
サラディン CV子安武人
ゲイン CV関智一
ベルファ CV関俊彦
ヴェル CV不明(山崎たくみか関俊彦)
ミネア CV村田秋乃(?)だったかな?ソシエの中の人
649通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:34:31 ID:???
>>648

サラディン(子安武人、ムウ・ラ・フラガ風に)とゲイン(関智一、イザーク風に)と
ミネア(村田秋乃、ソシエより少し気の強い感じで)とベルファ(関俊彦、レイ・ザ・バレル風に)は同じ
ノアは八尾一樹、ヴェルは(子安武人、ミリアルド風に)かな
650通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:36:50 ID:???
俺のイメージでは、ノアは児玉さとみかな
って、上のレスと比べて思った事
主人公なのにノアの声のイメージが定着してないね
651通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:39:47 ID:???
24話初搭乗なのでまだ断定しにくいけど
ジェームス・クライブの声は24話だけ観た感じ山口勝平だと思った
652通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:42:07 ID:???
>>651
うわ、すげーイメージピッタリだ
でもアニメ化したらギャラ高そう
653通常の名無しさんの3倍:05/02/23 23:47:22 ID:???
コールマンのイメージはホモで野心家な人の中の人
アルザロッサのイメージがなかなか難しいけど声はイメージ付いてるのに名前が出てこない
ちびまる子のおじいちゃんの中の人・・・微妙に違うな
エドリントンの中の人はバニングの中の人でガチ
654通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:02:03 ID:???
サラディンが子安武人は同意
と言うかあの性格で他の声考えられない
655通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:21:23 ID:???
俺の中のイメージ

ノア:石田彰
ミネア:矢島晶子
ゲイン:関智一
ベルファ:折笠愛
ヴェル:堀内賢雄

サラディン:子安武人
コールマン:立木文彦
エドリントン:納谷悟朗
アルザロッサ:小林清志

あくまで、俺の中だけど。
656通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:22:39 ID:???
キングストン:納谷五郎
657通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:28:48 ID:???
発狂男リッチアーディがいまいち思い浮かばん
65823話の中の人:05/02/24 00:39:03 ID:???
23話の者です。

てか、24話。すんげぇ面白いや。
俺がこの後継ぎたいくらいに(ぉぃ

>>593さん
お褒めの言葉ありがとうございます

>>594さん
>それにしても本当に23話は良い意味で期待を裏切ってくれたな〜と

ホント、ノアの反撃の件は捻り出すのに苦労しました。
都合よく種割れるかのようなオラオラモードになると読む皆さんもホント萎えるだろうなぁ
と思って。
まぁ、メキシコ戦線でヴェルやエドゥアルドにやられた経験が活きたってところでしょうか。

>>595
>24話書きたいけど書けないよ、行方不明になったゲインはどうなったのかとか
>42特殊部隊をキンバリー基地のメンバーに合流させるのは難しいから、こいつらの扱いをどうするべきなのかとか
>もうね、面白いんだけど繋ぎにくい

確かに、後半ファットボーイ登場の当たりから様々な情報をどかっと入れたので
それぞれの展開をどうするかというのは自由である反面、苦労はされるのではないかと思いました。
ファットボーイについては戦闘終了後のエピソードも加えられたらと思ったんですが容量ギリギリで諦めました。

>これを上手く繋げる事ができた奴はプロだなと

24話改訂版、まさにプロ並みとまで持ち上げるとどうかと思いますが力作になったかと思います。
作者の方,GJ。
>>618さん

ごふっ!(吐血)
うわぁぁ、致命的ミスですね。
自分の認識だと片腕だけ残ってたと思ってたので。
完全な読み込みミスでした。
619さんのフォロー通りの脳内補完でお願いいたします。
619さん、フォローありがとうございました。
659通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:40:49 ID:???
>657

リッチアーディ:野沢那智 でどうよ?
660通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:44:50 ID:???
二十四話、ミスを修正しましたが、どうでしょうか?
ちなみに「レトリビューション」の意味は”懲罰”的なことだそうです。
何度もやられてくるゲインにはちょうど良い(?)かと思いつけておきました。
661通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:46:19 ID:???
>>659
うわw想像したらなんかかなり合ってるんだけどw
662通常の名無しさんの3倍:05/02/24 00:48:07 ID:???
コールマンのイメージは、現実的できびきびしてるが、話すといい男って感じ。
嫁さんもいるみたいだし、年齢は33,4と予想。
663通常の名無しさんの3倍:05/02/24 02:58:49 ID:???
矢島晶子と言うとリリーナ様の声しか思い浮かばない俺は負け組
あの声ではミネアのイメージとは違うし
矢島晶子の他の役ってどんな声なんだろうか
664通常の名無しさんの3倍:05/02/24 03:05:36 ID:???
おまえら、サラディン(CV:子安武人)には誰も反論無しかよ
さすが第三次スパロボで
ムウ、ミリアルド、ガムリンの3キャラを演じる男
もしかしたらシュウも含めて4キャラか?
665通常の名無しさんの3倍:05/02/24 13:12:41 ID:???
クレイトン死んだ?
666通常の名無しさんの3倍:05/02/25 12:26:31 ID:???
期待age
667通常の名無しさんの3倍:05/02/25 14:23:34 ID:???
誰かが適当な設定画くれればスクラッチして作るんだけどなぁ
66825話予告:05/02/25 14:38:55 ID:???
対極をなす二人の男。二人の意思はどのようになるのか。
一方、憎悪を膨らませて暴れるゲイン。
彼を獲物とし、襲い掛かるクライブ。
そしてまた無残にも散る軍人の命
次回、機動戦士ガンダムネオ、「決着の時」
進むべき道は、敗北か、勝利か。
66925話-1:05/02/25 14:39:40 ID:???
 ロンドンの中心部に位置する地球連合軍イギリス本部ビル。
このビルに一人の男が、司令室へ向かっていた。
老いながらも、威厳のある顔立ちには見覚えがる。レナード・ウェーズリー最高司令官である。
ビルの五十階に位置する司令官室で、コーヒーを飲みながら、幾つもの資料に目を通すアルザロッサ・シルヴェ司令官。
フィンチ中将が艦隊司令官に異動になったため、序列順で彼の元いたポジションについた。
部屋にノックする音が聞こえる。
「シルヴェ司令官。最高司令官がお見えです」
「わかった。通して差し上げろ」
そう言いながらも不服そうな顔をするアルザロッサ」
ノブが回って扉が開くと、お待ちかねのウェーズリーが入ってきた。
アルザロッサはすぐに机の前に立ち、敬礼をした。
「ナポリからの長い道のり、ご苦労様です。今回はどういったご用件で?」
するとウェーズリーはいつもながらに怪しい考えをちらつかせる表情をして言った。
「私の許可なしに月との講和条約を締結したらしいな。その気になれば君を告発できるんだぞ?」
「敵が減るのは良いことです。司令官もそれをお望みかと」
ウェーズリーの言うことに、意見を曲げようとしないアルザロッサ。
「穏健派として、毎度毎度対立してくれるな君は。そんなに最高司令官になれなかったことが惜しいか?」
それを聞いてアルザロッサは顔が強張る。
「あれは仕方の無いことだろう?ドライアス司令官の急死。序列順で私に権利が来ただけだ。彼は君を後任へと指名していたそうだが、あいにく軍に遺言は通用しない」
「その死すら、不自然だと私は思いますが」
その一言に、ウェーズリーは睨みを利かせて言った。
「なに?あまりいい加減なことばかり言うと、消えてもらうことになるぞ。・・・まあいい。それより今日の用件を伝えてなかった。君は英国支部司令官に任命するとともに、大将に昇格してもらう。のうのうと地球に座っていられるのもしばらくの内だけだ」
「つまりは・・・例の作戦の準備ですか」
「うむ。すでに衛星軌道上には艦隊が集結しつつある。君には艦隊司令官としてフェニックス級に乗艦してもらう」
それを聞いてアルザロッサは躊躇いを見せる。
「引き受けてくれるな?私と君の仲ではないか」
アルザロッサは何を今更、と内心思った。
67025話-2:05/02/25 14:41:30 ID:???
「私を・・・またあの忌まわしき艦に乗せるのですか・・・」
「フェニックス級は一つしかなかったな。艦は、グランドフォークスへと名前を変えた。安心したまえ。内装も変えてある」
フェニックス級とは、かつでドライアス司令官が乗艦した船であり、全長四百五十メートル、百二門砲搭載の大火力船である。若かりし当時、二人は所属仕官として乗り込んでいた。
「では、私は失礼するよ。余談だがドライアスのことは忘れろ。君達にはヴィクトリー艦隊の一部として期待している」
ウェーズリーはそう言い残して部屋を出て行った。彼が出て行った後には、振り子時計の無常な音だけが鳴り響いている。
アルザロッサは椅子に腰を下ろして言った
「ウェーズリー、相変わらず嫌な男だ・・・。今更親友となど呼べまい」
 オーストラリアでは熾烈な戦いが行われていた。キンバリー基地で防衛をはかる少数の地球軍に対し、コロニー軍は大隊で戦いを挑んできたのだ。
「邪魔するな!落ちろ!」
その戦場で、鬼人のごとく暴れるコロナガンダム三号機の姿があった。
次々と、切り裂かれるダスターU。全く抵抗できない座間だ。
「あのモビルスーツを止めろ!大型粒子砲発射だ!」
フレッチャーの命令通りに、アーチバイルに内装された大型粒子砲のハッチが開く。
「撃てえ!」
大口径のビームは瞬く間に敵のモビルスーツを消した。その威力は敵のランドシップ二隻をも巻き込んだ。
「虫けらが抵抗しやがって!」
向かってくるダスターUを跳ね除けると、ゲインのコロナはアーチバイルに向かった。
その模様をモニターで伺っていたフレアで、命令が下る。
「いかん!アーチバイルはなんとしても落とさせるな!ベルファ、援護射撃だ!」
甲板上で砲撃を繰り返すキャノンダスターが、前方にいるアーチバイルに迫るモビルスーツに向けて砲撃をする。
射撃は正確で、迫り来るアンヴィシャスは次々と落ちていき、地面に叩きつけられるのだった。
それでもブースターで機動力の増したコロナは捉えきれずにいた。
「邪魔なんだよ!こそこそと狙いやがって!」
すべて避けきってブリッジの目の前にまで迫った。
フレッチャーは覚悟を決めるように固まった。が、窮地は救われた。
「!?]
アーチバイルの目の前でコロナがハンニバルに体当たりを喰らい、急降下していった。
67125話-3:05/02/25 14:42:18 ID:???
「お前は俺が倒すっていったろ」
「司令官、安心してください。こいつは俺が仕留める」
そう言ってクライブは急降下するコロナに迫った。
「なんなんだ一体!クズどもが反抗しやがって!」
ブースターでなんとか、落下を防ぐが、目の前にはハンニバルが迫っていた。
「終わりだ!死ねえ!」
ビームサーベルをランスのように突き刺してくるハンニバル。
すると、コロナはバックパックにつけてあった、大型のバレルをビームライフルに取り付けた。
「散れ!虫けら!」
トリガーが引かれた。途端にとてつもないエネルギーのビーム粒子が発射された。
「なに!熱粒子コーティング作動!」
ハンニバルが灰色に変色していく。ビームの粒子はクライブのハンニバルをも包み込み、そのままアーチバイルを貫通した。
「メインエンジン被弾!爆発します!」
「くそ!フレア!後は頼むぞ!私はもう駄目だ・・・」
とっさに通信を開いて後を託すフレッチャー。そして彼はアーチバイルの爆発に巻き込まれ無残にも散っていった。
「アーチバイルが撃沈だと!?フレッチャー中佐・・・」
拳を握り締めるサラディン。彼の後を託されたフレアは援軍が来るまで、この猛撃を耐え切らねばならない。
さらにCIC担当のイエンが、追い討ちをかけるように戦況を報告する。
「トリニダッド、ジェロニモ、撃沈!残るはフレアとランドシップ三隻だけですよ!」
「流石に今回ばかりはやばいかな。全艦後退だね」
のん気に言うサラディン。コールマンが無線を使って命令を下す。
「全艦後退!基地に撤退だ!」
後退していく地球軍部隊。
それを上空から見つめるヴェルのフギン・ムギン
「後退か・・・。だが手土産にあの旗艦は頂くとしよう」
高速でフレアに向かっていくフギン・ムギン。
一方、ビームを直撃したクライブのハンニバルはコーティングを解き、再びコロナに襲い掛かろうとしていた。
「まったく、危ねえもん作るぜ。さて、トドメと行こうか」
ビームサーベルを抜き取ると、エネルギーを労使して、停止状態のコロナに襲い掛かる。
「くそ!エネルギーを使いすぎたか。さっさと動け!」
レバーやパネルを弄るが、動く気配は無い。すぐにハンニバルが迫ろうとしている。
「死ね!ガンダム!」
67225話-4:05/02/25 14:43:36 ID:???
その瞬間、下半身だけが動き出し、ハンニバルのコクピットに向けて蹴りを喰らわせた。
「な!馬鹿な!?」
コクピットを潰され、パイロットが死んだハンニバルは停止状態で落下していった。
「下半身にエネルギー集中のおかげでなんとか、助かったが・・・やはり磁場影響もあるか」
やがて復活し、すぐにフレアを追うコロナ。
「ガンダム!出てこないというならフェニックスごと潰す!」
フレアのブリッジでは窮地に立たされたクルーが必死に命令をこなしていた。
「対空砲火!ビーム砲、全門発射!」
コールマンの声が響き渡る。彼は顔中に汗がべっとりだ。
「コロナ、フギン・ムギンが迫っています!それとランドシップが十隻!」
イエンの言葉に対して、一呼吸おいてコールマンが言った。
「これまでか・・・艦長、どうします?」
「諦めるなんて君らしくないねコールマン君。後方の映像を見てみたまえ」
モニターに敵のランドシップが破壊される模様が映し出される。
「これは・・・艦隊!?」
にやっと笑ってサラディンは「そう。つまり挟み撃ちになるってわけ。再び全軍進撃だな」
 後方の爆発に気を取られるヴェル。
「なに!?援軍か!」
グランルドから通信が入る。
「敵は三十以上の艦隊だ!挟み撃ちにされる!各隊分散しろ!うおああ!!」
はっとして振り返ると、グランルドが乗艦する旗艦が爆発していた。
彼は冷静になって指令を下す。
「撤退だ。我々に勝ち目は無い。アデレート基地へ向かうぞ」
追っ手を逃れながら、コロニー軍は分散していく。
その中には歯を噛締めながら苛立った表情をするゲインの姿もあった。
67325話-5:05/02/25 14:44:18 ID:???
 「すまんな・・・ようやく到着だ・・・」
フレアのモニターにキングストン少将の顔が映る。しわが多く、まだ病気といった感じの青い顔だ。
「なんとか助かりましたが・・・・フレッチャー中佐が・・・」
残念そうに言うサラディン。それに大してキングストンは
「私の責任だ・・・大切な部下を死なせてしまった。こんな老いぼれなばっかりに・・・」
そして咳き込みはじめた。
「ご無事で?」とコールマンが問う。
咳が収まるとキングストンはまた話し始めた。
「大丈夫だ。それより、これで基地奪還ができるな。シドニー、アデレートを取り返したら、今度はアメリカへ向かうぞ」
「了解。では、我が艦はこれより青色艦隊に合流します」

つづく
674通常の名無しさんの3倍:05/02/25 14:47:57 ID:???
25話注釈
ドライアス司令官:一代前の地球軍最高司令官。後任として、アルザロッサを指名していたが、退役を終える前に謎の死を遂げており、当時大将だったウェーズリーが後任として着任している。
フェニックス級:ドライアスの艦。現在はグランドフォークスへと名前を変えている。百二門砲搭載と砲門の数が最も多い
675通常の名無しさんの3倍:05/02/25 15:07:50 ID:???
細かい突っ込みで何だが、講和条約は批准されたのか?
されたとしても英国副司令がが勝手に締結できるほど軽いもんじゃないだろ。
676通常の名無しさんの3倍:05/02/25 15:20:01 ID:???
ウェーズリーが月面軍に襲われて、命からがら生きて変えるという設定っぽい
677通常の名無しさんの3倍:05/02/25 15:32:11 ID:???
ウェーズリー:山寺宏一
トグサっぽい声がイメージ
678通常の名無しさんの3倍:05/02/25 18:54:08 ID:???
質問なんですが、ウェーズリーって死んだはずじゃ?
679通常の名無しさんの3倍:05/02/25 21:19:09 ID:???
クライブ@フアットボーイが呆気なく倒されるのはまあいいとして、
死んだら爆発するハンニバルの自爆装置の扱いはどうフォローするんだ?
680通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:03:29 ID:???
26話まだ?
第二クールのラストなんだからビシッと締めて下さいよ
そして、26話を書いた人は総集編の予告もお願いします
681通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:09:49 ID:???
えっと、月面との講和条約についてはアルザロッサが面会で
ウェナからライアス司令官とシスが考えた案を受け取っただけで
まだアルザロッサだけが月面との講和条約の内容を知ってる段階としてあった方が良いと思います
アルザロッサの性格なら地盤を固めてから講和に踏み切るでしょうし、その為に
サラディン達を諜報の名目で、実はアルザロッサの密命を受けた特使としてラオゼリアに派遣しようとしていたようだし
その事をふまえて25話の書き直しを希望します
書き直すのは25話の1の月面との講和条約に関する部分で
講和条約の話はアルザロッサ以外誰も、ウェーズリーでさえ知らないと言うことにして
「最近の君は穏健派になってるようだしな」と言う感じに書き直し希望
682通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:12:54 ID:???
確かに、独断で講和条約を動かすのは、アルザロッサらしくないな
アルザロッサなら、外堀埋めて(軍内部の賛成派と月面軍の講和派とのコネを強化して)から
マスコミ立ち会いの下で講和条約を、ぐらいの知恵を持ってそうだし
その計画を悟られないように実行する能もありそうだから、25話の1はちょっとどうかと思う

>>679の部分もあるので
25話の部分的な書き直しor全面的な書き直し希望
683通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:15:59 ID:???
25話は全面的に書き直した方が良いと思う、に一票

ここ最近ずっと思う事ですけど、書く人は
一度メモ帳か何かに書く

自分が書いた話の前までの話を全て読む

自分の書いた話を全て読む

前の話と自分の話の間に矛盾点が無いかをチェックする

矛盾点が無ければ投下
と言う風にして欲しい
最近、特に、前の話との矛盾点が発生しまくっている
致命的な矛盾点は読んでて本気で萎えるので
684通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:23:23 ID:???
アルザロッサとかゲインみたいに、キャラが立ってきたキャラに関しては
前の話から、このキャラはこういう事はしないだろう、と思う様な事はさせないで欲しい
特にアルザロッサは狡猾な狸で、能ある鷹なイメージあるから
25話の月面との講和条約については、25話書いた人に文句言いたい
「それはやっちゃあかんやろ、アルザロッサは独断で動くんじゃなく、世論を味方に付けて動くタイプだろ」と
685通常の名無しさんの3倍:05/02/26 19:37:19 ID:???
>>675
細かくない、寧ろ重要なところ
なので上記25話は没の方向で
686通常の名無しさんの3倍:05/02/26 20:29:06 ID:???
没にするくらいならミスを書き直させたほうが良いのでは
687通常の名無しさんの3倍:05/02/26 20:29:47 ID:???
俺のイメージではウェーズリーはアルザロッサのさらに上を行ってる
688通常の名無しさんの3倍:05/02/26 20:31:59 ID:???
>>686
同意、25話のミス書き直しを希望します
689通常の名無しさんの3倍:05/02/26 20:51:17 ID:???
25話描いた人ではないのですが、書き直して良いですか?
690通常の名無しさんの3倍:05/02/26 22:53:03 ID:???
>>689
25話書いた人にその気が無いようであれば、と言うことで
一応、25話書いた人が来るかどうか明日一日待ってみましょう
691通常の名無しさんの3倍:05/02/26 23:01:47 ID:???
以上、>>1の自演でした
























692通常の名無しさんの3倍:05/02/26 23:40:05 ID:???
>>689
俺は書く気無いんでお願いします
69325話-1:05/02/27 00:48:36 ID:???
 ロンドンの中心部に位置する地球連合軍イギリス本部ビル。
このビルに一人の男が、司令室へ向かっていた。
老いながらも、威厳のある顔立ちには見覚えがる。レナード・ウェーズリー最高司令官である。
ビルの五十階に位置する司令官室で、コーヒーを飲みながら、幾つもの資料に目を通すアルザロッサ・シルヴェ司令官。
フィンチ中将が艦隊司令官に異動になったため、序列順で彼の元いたポジションについた。
部屋にノックする音が聞こえる。
「シルヴェ司令官。最高司令官がお見えです」
「わかった。通して差し上げろ」
そう言いながらも不服そうな顔をするアルザロッサ」
ノブが回って扉が開くと、お待ちかねのウェーズリーが入ってきた。
アルザロッサはすぐに机の前に立ち、敬礼をした。
「ナポリからの長い道のり、ご苦労様です。今回はどういったご用件で?」
するとウェーズリーはいつもながらに怪しい考えをちらつかせる表情をして言った。
「私に悟られまいと何か企んでいないかな?アルザロッサ君。君には全信頼を寄せて、今回は大将に命じたはずだが」
「企みなど・・・司令官のために死力を尽くしてそんなことを考える暇などありませんよ」
眼中に無いとは言わず、暇など無い、と何かを隠すように言うアルザロッサ。目上の人間に対しての態度も相変わらずだ。
「まあ、そんなことを考えていたとしても無駄なことだ。君にはグランドフォークスの艦長、すなわち艦隊司令官として宇宙に上がってもらう」
「例の作戦・・・ついに準備段階まで来ましたか」
「ああ。我がヴィクトリー艦隊の一部として加わってもらう。フェニックス級は不満か?」
躊躇いを見せながらアルザロッサは
「いえ。あのような上等な艦に乗艦できることは光栄です」
「戸惑うのも仕方あるまい。あの事故以来、私も名前を出すのですらつらいのだからな。ドライアス指令のことも」
彼はアルザロッサの表情を伺いながら話を続ける。
「まあ当初なら君が彼の後を引き継ぐ予定だったらしいが・・・任期満了の前に死亡とは、無念だ」
それを聞いて拳に力が入るアルザロッサ。静かながら怒りが混じっている。
「ドライアス指令の話は結構です。私も聞きたくありませんのでね。あの不自然な死は」
「どういう意味か理解しかねるね」
「特別な意味はありません」
694通常の名無しさんの3倍:05/03/01 09:52:10 ID:???
早よ書かんかボケ
695通常の名無しさんの3倍:05/03/01 11:57:48 ID:???
てか、25話これで確定なん?
作者フォロー頼む。
でなけりゃ誰か暫定で25話改訂版書くなりすれば?
作者には悪いんだが個人的には現25話一旦没にしても構わないと思う。
696通常の名無しさんの3倍:05/03/01 12:14:33 ID:???
真性ガノタの>>1が妄想を具現化したくてたまらないが為に
我侭のハシりで始めちゃったスレにいつまで突き合ってあげる
つもりですがオマイラ。自演連打してんぞ。

>>1は脳内妄想を披露したいなら角川にでも投稿汁。
こんなとこで活字オナーニに励むな。
697696:05/03/01 12:15:32 ID:???
突き合って→付き合って
698通常の名無しさんの3倍:05/03/01 16:49:18 ID:???
間違ってんなよw
699通常の名無しさんの3倍:05/03/01 19:22:43 ID:???
とりあえず、誰か25話の改訂版書いてくれよ
700通常の名無しさんの3倍:05/03/01 19:28:38 ID:???
>>1が描けよ
701通常の名無しさんの3倍:05/03/02 15:56:01 ID:???
俺が書いてみようか?
25話
702通常の名無しさんの3倍:05/03/04 10:54:48 ID:???
保守
703通常の名無しさんの3倍:05/03/07 05:12:09 ID:???
ほせ
704通常の名無しさんの3倍:05/03/07 05:13:36 ID:???
>701
ヨロ
705通常の名無しさんの3倍:05/03/10 00:46:05 ID:???
来ないな、続き・・・・。

というわけで、>>710さん、続きヨロシク。
706通常の名無しさんの3倍:05/03/10 19:46:24 ID:???
hosyu
707通常の名無しさんの3倍:05/03/11 13:58:31 ID:???
人来ないな。
708通常の名無しさんの3倍:05/03/14 20:27:49 ID:sX1XpUA5
保守
709通常の名無しさんの3倍:05/03/16 11:56:14 ID:???
25話書きたいんだけど、前話からの流れで上手く繋がる話がかけない
710通常の名無しさんの3倍:05/03/18 23:01:31 ID:???
人が来ないな・・・。
711通常の名無しさんの3倍:05/03/18 23:02:40 ID:???
確かに。
712通常の名無しさんの3倍:05/03/19 21:07:08 ID:???
保守
713通常の名無しさんの3倍:05/03/20 00:30:11 ID:???
そりゃ誰も25話書かないからな
と言うか24話からの流れで25話書こうとすると
繋げるのが本当に難しい
書いてて途中で断念した
714通常の名無しさんの3倍:05/03/20 09:44:07 ID:???
保守り
誰でもいいわ、誰か25話書けよ
そうすればこのスレに来る人増えるだろ
715通常の名無しさんの3倍:2005/03/23(水) 13:27:48 ID:IaETfJOV
もうだめだー
716通常の名無しさんの3倍:2005/03/23(水) 17:55:01 ID:???
とんでも設定でまとめるのは気が進まないしな・・・
717通常の名無しさんの3倍:2005/03/23(水) 17:56:30 ID:???
ここはここで独自路線か?
718通常の名無しさんの3倍:2005/03/24(木) 11:29:07 ID:???
俺書いていい?>25話
稚拙になるかもしれんが…
719通常の名無しさんの3倍:2005/03/26(土) 03:27:25 ID:???
>>718
躊躇わずに書いたら?
稚拙かどうか、読む人が判断するし
駄目だったら駄目だしが来るだけだから
720通常の名無しさんの3倍:2005/03/26(土) 03:36:06 ID:???
>>718
重要なポイントは
・第一話〜自分の書く話の手前までの話を読んでみて
それまでの部分と自分の書く内容に矛盾が生じないか
・自分の次に書く人が書きやすくなるように意図を絞って
上手くバトンタッチできるように書いてあるか
・展開が強引になってないか
この3点、これだけできてれば稚拙とは言わない
721通常の名無しさんの3倍:2005/03/30(水) 15:48:07 ID:???
そして逃げた、と。
722通常の名無しさんの3倍:2005/03/31(木) 12:02:29 ID:???
24話が無茶苦茶すぎて話が書きづらいんだよ
でも頭の中に25話〜26話の流れは生み出してしまった漏れ
書くべきか書かないべきか
723通常の名無しさんの3倍:2005/04/04(月) 15:17:20 ID:???
保守
724通常の名無しさんの3倍:2005/04/09(土) 05:20:34 ID:QE4k3JwY
ほしゅ
725通常の名無しさんの3倍:2005/04/13(水) 01:16:05 ID:???
誰も話動かす気ないなら、明日の晩25話アップするんでよろ。
ちなみに、23話書いた人間です。
何とか後にうまくつなげられるようできればいいなと思ってます。
72625話予告:2005/04/14(木) 01:45:07 ID:???
戦争の現実を知るには戦場にいればいい。
だが、戦争は戦場のみで起こるものではない。
様々な思惑が裏で蠢き、そして地球は更なる混沌の時代へと向かう。
戦場と、そして戦地から離れた場所とで、彼等が掴もうとする其々の未来。
果たして歴史に刻まれるのはどの未来か。

次回、機動戦士ガンダムN(ネオ)第25話
「ストラテジック・ジャンクション」
男達は、闘わずにはいられない。
72725話Part1:2005/04/14(木) 01:46:11 ID:???
「やられたよ。」
アルザロッサ・シルヴェは物憂げに通信の相手に新聞を見せた。
『シチリア基地に月連合侵攻』
「・・・こんな事は我々は!」
ウェナ・ローシャスは苦渋に満ちた表情を浮かべ、弁解をはかろうとした。
「わかっているさ。衛星上の敵を索敵せずに深々と局地的に攻め込まれる程、シチリアの奴等が無能だとは思わんよ。ましてや最高司令官がいる付近ならなおさらというものだ。で、こうなると、だ。」
「和平交渉打ち切り・・・ですか、副指令。」
「いや、私は今はめでたく指令となっている。そこで、だ。」
「?」
「幸い、私は現英国指令長官より部下達の人望は厚くてね。司令部内だけならば多少の融通なら利くのだよ。だから、君達と極秘裏にコミュニケーションをとっておいて、その通信記録をなかったことにしておく事などもできるという訳だ。」
「そんなに上手くいきますか?」
「舐めて貰っては困るね。我々の国は権謀術数と諜報活動でなりあがった国だよ。総合指令本部を騙すなど訳もない事さ。」
「わかりました・・・では、こちらも下準備は続けてということで。」
「うむ。こちらも厳しい事に変わりはないが宜しく頼むよ。大使殿。」
その会話を最後に通信は終わった。
「・・・・とは言うものの・・・。」
アルザロッサは流石に渋い顔をした。
何せ騙す相手は地球連合軍最高司令長官。しかも自らの目的のためにはどんな犠牲も厭わず、いかな時もその頭脳は冷静に動く。
さてどうしたものか、と思案したところにアルザロッサ付きの兵が部屋に入ってきた。
「失礼します、司令殿に面会したい方が・・・。」
「すまんが、今は断ってもらえるか。」
「いえ、それが・・・・。」
「つれない事を言ってくれるな、『フォックス』。」
その声の正体に気づいた彼は憂鬱を奥にしまい、穏やかな笑みを浮かべ振り返った。
「その呼び方はもう止めていただけませんかな。最高司令長官殿。」
レナード・ウェーズリーがそこにいた。
銀髪の少年とともに。

「士官学校で同期で銃を並べて育った仲だろう。水臭い事を言ってくれるな。」
「・・・その同期の出世頭がわざわざこちらに出向くとは何の御用ですかな。」
「これは残念ながら要らなくなった。」
懐から分厚い紙束を取り出し、机の上に置くウェーズリー。
それは数日前、アルザロッサから彼宛に出された月面連合との休戦案であった。
72825話Part2:2005/04/14(木) 01:49:07 ID:???
「私は握手をしようとして銃を突き出した相手と仲良くできるほど寛容ではないのでね。
君もさぞや無念だろう、こんな結果に終わるとは。」
「ええ。英国司令と言えど結局のところ、無力なのですな、私は。全く余計な横槍が次々と入る。」
「思うがままに駒を動かせる、貴方が羨ましい。」
「馬鹿を言うな。私にだって思い通りにいかない事はあるさ。」
「ですが、あなたは一度こうと決めたら退きませんからな。どんな犠牲を払ってでも最後は貴方の思惑通りに事を運ぼうとされる。」
「それが私の流儀だ。何十年これでやってきたのだから、今更変える訳にもいくまい。」
涼しげな目で笑みを浮かべながらウェーズリーはそう答えた。
「同感です。私にしてもそれは同じだ。」
穏やかな笑みを浮かべ、アルザロッサもウェーズリーへと向き直る。
数秒の間、柱時計が時間を刻む音のみが流れるだけの部屋。
「時が来たら、頼らせてもらう。それまではここでゆっくり茶でも飲んで休んでくれていいぞ、ただ。」
「ただ?」
「目を離した隙に、持ち場を離れて肝心な時に頼れないというのでは困るぞ。『フォックス』。」
「・・・肝に銘じておきましょう。」

「いきなりでしたね。まさか最高司令長官自ら釘を差しに来るとは・・・。」
ウェーズリーと銀髪の少年が支部を離れていくさまを窓越しに見届けた後
マシュー・ブリスト准尉はアルザロッサに向き直った。
諜報活動に長けた能力を持つ彼はアルザロッサには欠かす事のできない懐刀である。
「それもそうだが、一緒に随行していた少年兵・・・。」
「何か引っかかる事でも?」
「・・・・・わからんのだよ。」
「わからない?」
「50年生きてきて、人に対して「得体の知れなさ」を感じたのは久々だよ。
一人は今の最高指令殿だが・・・。何かあれよりも底知れぬ恐ろしさを感じる。」
「で・・・私の出番、という訳ですか。」
「ウェーズリーの意図、そしてあの少年の正体・・・・頼まれるか、マシュー?」
「まったく・・・いつも以上に無理難題をおっしゃる。」
「そう言ってくれるな。私が無理をいうのは無理が利くと見込んだ人間だけだ。それと・・・。」
「ジュリアス様への連絡、ですね?」
「そうだ。こういう時こそ彼には仕事をしてもらわねば困る。人を先導するのは老いた頭の硬い人間ではなく、
頭のいい若者にこそ、その役目は務まるのだからな。」
「随分とお褒めになるのですね。」
「親馬鹿も少しは入っているがね。」
穏やかな、しかし心中何かを秘めた笑いをアルザロッサは部下に向けた。
72925話Part3:2005/04/14(木) 01:53:08 ID:???
「そらそらそらぁぁぁっ!死にたい奴はどんどん前に出てきてくれていいぜぇ!」
グランルドによるコロニー軍側の大攻勢に、戦力を消耗している連合側が劣勢に追いやられよう
とする中、ジェームス・クライブをはじめとした深緑の羅刹達は次から次へとコロニー軍の
戦力を削いでいく。
それはまるで禍禍しい深緑の葉がオーストラリアの大地を蹂躙し、紅の業火の華を咲かせていく
かのように。
「ええい、何をしている!?早いうちに止めを刺さないか!その為の貴様達だろうが!」
シェイド隊の無線に基地に閉じこもったグランルドからの叱咤がとぶ。
戦場を離れている指揮官は状況を鑑みることもなく好き勝手な事を言うのだから
味方にとっても性質が悪い。
「くそがぁっ!調子に乗るな!」
グランルドの理不尽な物言いと、目当ての獲物も見えない苛立ちもあり、
ゲインは勢い込んでハンニバルへと突撃をかけようとする。
「逸(はや)るなゲイン、敵の思う壺だぞ。」
「!隊長!」
「自陣に深く入られる前に遠方からケリをつける。奴等の目をそらす事ができるか、
ゲイン。」
「やってやりますとも!」
「離脱するタイミングを逸するなよ。自爆の餌になる。」
わかっている、わかっているさ!まずはコイツを血祭りにあげて、それから「奴」だ!
ハンニバルの前でフライトパックを駆使し動きを攪乱しようとするゲイン。
確かに、ハンニバルの攻勢を巧くかわしてはいた。
だが、本来の機能通りの動きができないコロナ03はクライブにその動きを捉えられる。
「残念だよ、もっと遊べると思ったのにな!」
照準を合わせ、あとはライフルを発射すれば確実にコロナ03を落とせる。
その筈だった。
「・・・・・ッ!?」
その刹那、クライブの視界が急激に歪む。
その一瞬の隙をヴェルのフギン・ムニンは逃さない。
「今だっ!」
フギン・ムニンがクライブのハンニバルに向けてビームライフルを照射する。
その照準は間違いなくハンニバルを貫く筈であった。
だが、今度は飛び込んできたエドリントンのジオーノスがそれを防ぐ。
ハンニバルに光線が届く前にジオーノスはハンニバルに体ごとぶつかり、
照射線上からハンニバルを外した。
だが、そうなるとジオーノスも無傷では済まされない。
直撃こそ免れたが、ジオーノスの右腕は破壊される。その衝撃は本体にも届き、
破片の一部がコクピットのエドリントンの脇腹に刺さった。
「グッ!?」
「ありがとうよ!アンタの行為は無駄にしねぇ!」
クライブは軽い調子でエドリントンを気遣うこともなくまた戦線へと復帰した。
そうだ、まだまだだ。まだまだ俺は戦える。「寿命」なんかまだ来る訳がねぇ。
俺の背中と顔にべっとりとくっついた脂汗なんか、くそっくらえだ。
73025話Part4:2005/04/14(木) 01:55:40 ID:???
「ノア、包帯と薬を倉庫から持ってきてくれ!」
「わかりました!」
ガンダムで出撃できず、余剰のモビルスーツもフレアにない現状、
エースパイロットは負傷兵の救護のサポートを行っていた。
次々と運ばれてくる負傷兵の多さが、戦況の不利さを物語る。
感傷に浸っている場合ではない。だが、サラディンの言葉がふと頭に浮かぶ。
『このフレアの中にいる連中殆ど、望んでこの艦船(ふね)に乗っている訳じゃねぇんだ。
そこを逃げたい気持ちをずっと押しとどめて、生き残るために必死こいてやってんだよ。』
そうだ、何も好きこのんでこんな戦場に来たわけじゃあない。
そんな中でも、どうにか生き残ろうとして必死に今を生きている。
生きたくて生きたくて仕方がないのに、死んでいく者だっているのだ。
「頼むから・・・・みんな無事でいてくれ・・・。」
ノアが思ったその瞬間である。
「・・・・・!?何だ、これっ!?」
何かのイメージがノアの中に流れ込んだ。
そう、それは決して自分にとって好まざるイメージ。
「・・・エドリントン少尉?」

同じ頃、フレアの艦橋では地球連合の極秘裏の暗号を解読した内容が
コールマン副長に報告された。
「『カッコウの卵へ、親は他の巣へ移る。』・・・だと?ふっざけやがって!」
赤い顔をしてコールマンはそのメモを握りつぶした。
「この暗号の意味、わかるか、艦長。」
「いや。・・・・ってかかなり俺らにとっちゃあ悪いって事は察しがついた。」
「『我々はアデレード・シドニーを陥としに出る。それまで囮となってくれ』」
「・・・・また俺らはそういう役回りな訳、ね・・・・。」
「ジオーノス・エドリントン機。機体損傷の模様です。」
「余剰のモビルスーツもありゃしねぇしな、どうするよ、艦長・・・。」
頭を悩ましている所にノアが猛然とやって来て。通信をむしり取った。
「エドリントン少尉。聞こえますか。こちらノア・バルクーレ。
直ちに帰還して下さい。」
「おお、ノアか。大丈夫だ。私を誰だと思っているんだね。
機体の損傷ぐらいで・・」
しかし、ノアはエドリントンの言葉を怒号をもって制した。
「早く帰って来いっ!アンタ怪我してるんじゃないのか!?」
「!?」
「怪我人が戦場にいたって足引っ張るだけなんだよ!
だったら俺が出るからとっとと帰って来いっ!
・・・アンタにまで死なれてたまるもんか!」
「・・・・参ったな。それでは心遣いに甘えるとするか。」
「謝らないでください、少尉。俺が・・・なんとかします。
汚ない言葉使って、すいませんでした。」
73125話Part5:2005/04/14(木) 01:58:25 ID:???
「怪我って・・・エドリントン少尉が、か?なんでわかった?」
「なんとなく・・・ですよ。なんとなく、ね。」
「けど、機体はどうするんだ?」
「少尉のジオーノス自体はまだ動かせるみたいなんで、それで出ます。
少尉はガンダムの整備もやってもらってるし、機体の癖はある程度一緒だと思うんで。」
「・・・ノア」
哀しみと喜びとないまぜな複雑な心情でサラディンはノアを見つめた。
「嫌だなぁ。そんな顔しないでくださいよ。とにかく生き抜かなきゃ。
俺はもう、指をくわえたまんま、仲間が死んでいくのを見たくはないんです。
だから、行きます。」
「悪ぃな、いつもいつも・・・。」
「もう、艦長の無理強いには慣れましたから。」
そう言って、穏やかに笑いながら肩をすくめてノアは艦橋から格納庫へと
向かって行った。
「情けねぇな俺達は。こんな状況で小僧ッ子に頼るしかねぇなんてよ。」
頭を掻きながらサラディンは呟く。
「ですね・・・しかし、それでこそ我々はなお退けませんな。
我々が彼等を護らなければ。」
近くにいたトウマがそう応えた。
「わぁってるよ。大尉。俺達ァ、俺達の仕事を全力尽くしてやるしかねぇやな。」
「そう言うことだ。頼むぜ艦長。」コールマンが軽くサラディンの肩を叩いた。
「ベルファ。今からノアをジオーノスで出す。お守りの方を頼む!」

「補給と応急処置はどうにかした。機体の破損個所は塞いだが、右腕は勘弁してくれ。」
「最低限の動きさえできればどうにかやってみます!」

負傷したエドリントンが肩を担がれ戻って来る。
「…みっともない所を見られてしまったな。」
罰が悪そうにノアに向かって彼は言った。
「何言ってるんですか、俺はもっとみっともない所貴方に見せているのに。…いってきます。」
ノアはエドリントンに軽く敬礼を返して、ジオーノスのコクピットに乗り込んだ。
「…・俺が老いたのか、それとも彼が成長したのか…。両方、か…。」
その姿を眩しげに見送って、エドリントンは医務室へと助けを借りながら足を向けた。

「待ちかねていたよ。エースパイロット殿。」
「悪い、急遽席が空いたんでね。邪魔するぜ。」
「ああ、宜しく頼む。」
「ノア・バルクーレ、ジオーノス、出るぞ!」
蒼天の青空に向けて、傷つきながらも確固たる覚悟を胸に、
ジオーノスは飛び立った。

                        続く
73225話後書き:2005/04/14(木) 02:16:24 ID:???
ということで、一応話を動かしてみました。
ま、これでお気に召さないという意見が噴出すれば没になればいいだけの
話なんで(苦笑)

片腕を失ったジオーノスでノアはどこまでやれるのか?
そして地球連合の別働隊がコロニー側基地を攻め落せるまで果たしてフレア
筆頭とした部隊はもつのかどうか。

これがおそらく26話のポイントになるのではないかと思います。
(この25話でOKならば、っていう前提条件は勿論ありますが。)

ちなみに、新キャラについて

【マシュー・ブリスト】
地球連合英国支部所属。階級は准尉。
アルザロッサの諜報活動にはなくてはならない人材である。
英国支部はじめ、地球連合の極秘裏の情報まで彼が入手しようと
して手に入らない情報はないと言われている。
それは彼のクラッキング能力もさることながら、各支部への人脈
の多さも多いが故の事らしい。

【ジュリアン・シルヴェ】
現地球連合英国支部指令アルザロッサ・シルヴェの一粒種。
英国の与党である労働党書記長というポストに32歳の若さで就任している
新進気鋭の政治家として通っている人材。
この親にしてこの子ありと言うべきか、人を煙に巻く事も去る事ながら、
その類稀なる容姿もあって浮名を流す事に事欠かないというもっぱらの噂。
国内外に隠れたファンは多いらしい。
彼の口車とハッタリにノセられ(騙され)た政財界の人物は多い。
しかし、大言壮語を吐く時には確固たる根拠と計算・そしてタイミングで
しか言わないとの一面もある。
いろんな意味で「ただの軽い男」と見たら痛い目にあう事必死の男である。
733通常の名無しさんの3倍:2005/04/14(木) 13:34:36 ID:???
>>732
すげえええええええええ、繋げやすい繋げやすい
26話と27話ね前後編にしてもいいですか?俺が書いてもいいですか?
この25話読んでたら続き想像しちゃったんですが、その続きが1話じゃまとまりきりそうになくて
2〜3話ぐらいかかりそうな勢いになってきたんですが
書いて良いですか?
734通常の名無しさんの3倍:2005/04/14(木) 15:17:31 ID:???
その前に、26話の後の第二回総集編をどうにかして欲しいのだが
キャラクターどんどん増えてきてるし、この辺で人物相関図を描いてくれる職人さんの登場キボン
735通常の名無しさんの3倍:2005/04/15(金) 18:36:06 ID:???
今晩26話アップしようと思います
26話と27話、前後編という形にはなりませんが続けて書かせて頂いてもよろしいでしょうか?

それと、できれば26話と27話の間に総集編と称して
キャラクターの関係やMSの説明などを図付きで入れたいので
どなたかMSの絵が描ける方やキャラクターの相関図書いて頂ける方の登場を
心からお待ちしています
736通常の名無しさんの3倍:2005/04/15(金) 18:54:07 ID:???
キャラクター絵やMS絵や相関図描く人いるなら私の所のホームページ
に画像保存できるようにしましょうか?
737sage:2005/04/15(金) 19:15:02 ID:+oPdkyKe
具体的な特徴(メカ)を書いてくれるなら描いてみようかと思います
738通常の名無しさんの3倍:2005/04/15(金) 19:17:09 ID:???
間違えて名前sageちまった(;´д`)
739通常の名無しさんの3倍
こういう戦艦どうよ。
連合軍1等級戦艦アドミラル・ウェーズリー級
全長360m
ウェーズリーが最高司令官就任記念として4年前に作られた大型艦。
他にもバックランド級とか、英雄にちなんだ戦艦とか。