光の翼をやってしまいそうな件について

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583通常の名無しさんの3倍
デスティニーシステム(D-SYSTEM)

不確定性定理上での粒子の相互関連系(コズミック・ウェブ)の解である
ハイゼンベルク提唱のS行列をその基盤においてデザインされている、無補給擬似永久機関。
 現在を含むごく近未来の事象を可能性事象と捉え、
その中で能動主体(この場合D-SYSTEMを利用する人、モノ)に対し最も「都合の良い」事象を実在事象として顕在化させて
それによるエネルギーポテンシャル変位を利用するものである。
「事象」を「物質=エネルギーシフト準位」と「エネルギー位相分布」のニ次元面で表した場合
その面積はその直前の実在事象に対する確率の総和として必ず1となる。この面は時間軸に対しては平面の性質を持つが、
直前の実在事象に対しては面上の全ての点が等距離である曲面の性質を持つといえる。(つまり、「現在」から、ある一点で表される「未来」への距離は全て等しい。)
 ここで便宜上「物質=エネルギー準位」と「エネルギー位相分布」を両辺とする
面積1の正方形を垂直に積み上げた立体をモデルとする。
垂直軸は時間の流れであり、単位は相対性理論により可変であるが可逆ではないので、
一定のスケールで強制的に変化する物として表す事とする。
 ある実在事象は点に限りなく近い面積で表されるが、その事象に対する可能性事象はその直上の面全体である。
この面は全ての異なる事象の可能性の集合であり、それら一つ一つは面積を持たないものの、
その傾向により面積としてグループに分割可能であり、その面積の大小は実在事象に対する確率の大小に比例する。
このグループは、ビッグバンの0時間後には面積も数も0であり、ビッグバン直後から面積の総和は1、数は級数的に増えてきたことが予想される。
つまり、簡単に言えば、確率論的な概念で見た宇宙は、誕生の瞬間からその総量は変わらずに、複雑さが新たな複雑さを再生産して成長してきていると言える。

 さて、その雑多な可能性事象の中から、大抵の場合確率が低いことが予想される「能動主体にとって都合の良い事象」を選択するにはどうすれば良いだろうか? 
確率の低い可能性事象を狙いすまして選択するのは、事実上不可能である。
能動主体がその可能性事象を指向しようという行為自体が、その事象を変容させてしまうからだ。
そこでデスティニープロジェクトでは、逆に望んだ可能性事象の確立を増やして行き、
最終的にそれ以外の可能性を無くしてしまうことで「都合の良い」可能性事象の選択を可能たり得ようとした。
具体的には、完成したD-SYSTEMでは望みの「物質=エネルギーシフト準位」または「エネルギー位相分布」の値を中心として
可能性事象面を時間軸に対して傾けることにより、確率1を維持したまま相対的に望みの事象の確率を高めて行く、
という操作によって「都合の良い」可能性事象の確率を増大させる、という手法が採用されている。

早い話、細かいところに針をさす場合、そこだけ虫眼鏡で拡大すればイヤでも指すことができる、といった程度のことで
D-SYSTEMは可能性事象を傾けることにより虫眼鏡の代わりをしているわけだ。
 この後、実在事象が「望ましい」事象に移行した時点で可能性事象の傾きを戻してやれば、
操作前後のエントロピー変位からエネルギーを得ることができるわけだ。
現在の技術では、「エネルギー位相分布」軸に対して一元的にしか傾けられず、無限のエネルギーを取り出す、
というわけにはいかず、また代償となるエネルギーポテンシャルを能動主体外に求める必要がある。
 加えて、能動主体の存在する時空間的な系の干渉を受けるため、可能性事象のより多い系、すなわち絶対真空に遠い環境ほど効率が悪くなる。
しかし、理論上は能動主体も含めた、この宇宙全てのエネルギーが利用可能である。