キラ☆ヤマトの種な日記7冊目【七葉】

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879通常の名無しさんの3倍:04/07/24 15:38 ID:???
>>875

じゃ前まではキサカがカガリの夜伽してたのか・・・いいのか、アスラン(´д`;)?
今日、オーブ宮殿に侵入者が入った。相変わらず突っ走る性格のカガリは
「私が犯人を捕まえる!!」とか言って犯人を捕まえに行ってしまった。逆に捕まるのは目に見えている。
めんどくさいとは思いつつも後を追ったら早速犯人の人質にされていた。アホだ。こいつ。
仕方ないのでザラ家に伝わる秘拳「覇血阿須拳」を使い侵入者どもをあっという間に片付けてやった。
(覇恥阿須拳・・古代中国の伝説の武人綺羅橋大佐「?〜801年」が生みだした伝説の拳法である。
綺羅橋大佐はその恵まれた八頭身の体格とすさまじい動きにより宿敵の耶麻徒将軍をどこまでも追い掛け回し、
ついには彼を討った。このことから、名の後ろに「大佐」がつくのは古代中国では大変な名誉であった。
 民明書房刊「毛種歩」より)



叩きのめしついでに、犯人たちの財布から財布を抜き取っておいた。今日はわかめサラダが買えるな。
そんな事を考えていたら、俺の華麗な活躍に感動したのかカガリがいきなり抱きついてきた。
奴が言うにはさっきの俺の鮮やかな動きを見て無人島でのプレイを思い出してしまったそうだ・・・
結局30ラウンドまで相手をしてようやく満足した。ララァ・・太陽が黄色く見えるよ・・・
さすがに初めての相手に「縛り」はやばかったなあと後悔する今日この頃・・・
犯人供はブルコスの残党らしい・・何か不穏な空気が持ち上がってきたな。
髪に影響してきそうだ。せっかくリアップの効果が出始めてきたのに・・

今日は55本抜けた     先月との比較 0[mm]後退
882通常の名無しさんの3倍:04/07/24 23:27 ID:???
>>868>>881
二倍になってるぞ、アスラン・・・(゜д゜)
883通常の名無しさんの3倍:04/07/25 00:16 ID:???
>>882
抜け毛予防に遣り続けるしか道はないのだよ。




回数に比例していくのか?
884通常の名無しさんの3倍:04/07/25 05:08 ID:???
種運命の予想を書きためていたら、やたら長くなってしまったのだけど、
ここに投下して良いでしょうか?

日記ではないし、雑誌情報を元にしただけの内容ですが。
885通常の名無しさんの3倍:04/07/25 07:14 ID:???
>>884 100レス分も無いならokかと(´∀`)
886通常の名無しさんの3倍:04/07/25 07:42 ID:???
いや、さすがに100レスまでは。
次スレに気をつけつつ、人がいない時間を見て投下させてもらいます。
887百合:04/07/25 10:57 ID:???
どうしてあの子のことがこんなに気にかかるのだろう。
腹が立つ。イライラする。
どうして私がこんなことで悩まなきゃいけないのよ!
いたら…全部話してすっきりするのに。友達でもイイ。
おしゃべりができないことがこんなにはがゆいなんて思わなかった。
あ〜、もう。

友達と一緒にショッピングを楽しむのも好きだけど、
彼と一緒にいるのが一番好き。
でも、あの子は、みんなとは違うの。
当たり前だけど、彼とも違う。だって、女の子だし。
何かひっかかる。自分の中の恥ずかしい部分を暴かれるような…

って、何言ってるのよ。
本当、あの仮面みたいにはりついた笑顔をはがしてやりたい。そして…
だから、一体あのピンクの髪の娘に何を期待してるのよ。
しっかりしなさいよ。
あ〜、やっぱり彼に電話しよう。
別に夜中だってかまうものか。
888通常の名無しさんの3倍:04/07/25 23:54 ID:???
>887
誰?
889通常の名無しさんの3倍:04/07/26 00:45 ID:???
>>888
種運命の予想だったりしてw
890通常の名無しさんの3倍:04/07/26 12:13 ID:???
アスラン・ザラのボディガード日記 テーマソング

シャンプーをする度に髪が抜け千切れてる 髪が抜ける痛み感じている
寂しさに耐えかね ズラを買った それ以外の何かを知らないから
生える前髪 目覚める毛根待ち焦がれる
早すぎる髪の喪失に晒されて 増毛じゃ届かない ハゲそうな髪じゃ
絡み合う髪の残したい生え際を 何から守ればいい?
俺がいつか欲しがった髪の毛 そこにあるから
 常夏の島、煙の立ち込める街。その片隅で、人の群れがうごめいていた。
 服も顔も薄汚れ、誰もが疲れ切った顔つき。着のみ着のまま、もつれる足を懸命に動かしている。
 遠くで建物の崩壊する地響きが聞こえ、人々のはるか頭上を光弾が飛びかっている。
 かん高い空襲警報が耳鳴りのように頭から離れない。
 状況を楽観していた政府によって遅れた避難体制。しかし批難の声はどこからも上がらない。非
民主的な主張国家において、市民が国政に関与できる余地は元より少ない。
 黙々と避難する群集の中、携帯電話を片手にもてあそんでいる少女が母親に手を引かれていた。
少し前に、荷物を背負った父親と兄らしき少年が歩く。
 不通の携帯電話をながめる少女の顔は、モニタの明かりでぼんやりと光っていた。
 ふいに群集の波に押され、母親と引き離されるように少女が転倒した。カラカラと軽い音をたて
て携帯電話が地面を滑る。黒髪の青年……といっても十五歳くらい……がそれを拾った。
 引き返してきた少年が手を差し伸べ、少女を起き上がらせた。少女は唇を噛んで涙を耐えている。
 それを見て安心した少年は、青年から受け取った携帯電話をポケットに入れ、少女の手を引いて
歩き出した。
「シン、どこにいるの?」
 母が少年の名を呼んだ。戻ってきた両親と兄妹は、二度と離れないよう固まって歩き始める。
 ややあって群集はシェルターまですぐ近くの大通りにたどりついた。
 しかしシンは大通りに向かおうとした両親を呼び止めた。それを聞いた周囲の者も足を止める。
 爆風によってか、大通りに面したビルの窓やショーウィンドーは破れ、道路にガラス片が散乱し
ていた。風で火の粉も舞っている。煙の向こうで、大通りを進んでいった者の叫び声が聞こえた。
 シンを先頭に、人々は建物の崩壊が少ない山ぎわを進みはじめた。
 粉塵が高く舞い、快晴の正午というのに空が暗い。
 避難民は吹きあがる煙にせきこみ、涙の流れる目を細めている。シンは妹の口にハンカチを当て、
身をかがめるようにして進んでいく。
 後方では何人もの脱落者がいるらしいが、シンは妹の手を引き、前だけを見つめていた。
 MSの駆動音が、射撃音が、足音が、左右からせまってきている。
 衝撃波の作る轟音が鳴り響き、続いて後方から砲声が聞こえた。オーブか大西洋連邦かは判らな
いが、後方から砲撃されているらしい。シンは妹の手を引いたまま走りはじめた。横を走る両親は
粉塵を吸い込み、むせた。
 海側の空から風を切る音があり、前方のビルに青い物体が落下した。数人があわてて道路に身を
伏せる。突風が前方から吹き、砂粒が顔に当たる。
 MSが倒れ込んだビルは、パイのように細かい破片を散らしながら崩れていった。
 ややあって土煙が落ち着き、妹に覆いかぶさっていたシンは体を離した。
「あたしは大丈夫。お兄さん、先にあの人を……」
 すぐ前に、先ほど携帯電話を拾った青年が倒れ、足を押さえてうめいている。少年は青年にかけ
より、足からガラス片を抜いた。血もほとんどなく、傷は浅い。
「あ、ありがとう。僕なら平気だよ」
 青年は苦笑いしつつ一人で立ち上がろうとし、地響きに足をすくわれて尻餅をついた。
 地震のような振動が断続的に起きる。震源は少しづつ近付いてきて、前方の瓦礫で止まった。
 瓦礫から立ち上る煙を割り、巨大な腕が現れた。青年とシンが見守る前、煙から現れた青いMS
がビームサーベルをかまえた。
 シンの足下で、青年が情けない悲鳴を上げた。
 青年の悲鳴を聞くシンの視界に、自動車くらいの物体が回転しながら割り込んできた。物体は
建物を破壊しながら青いMSに向かっていく。青いMSは機体をそらし、物体が上半身があった
はずの空間を切り裂いただけだった。
 物体は楕円軌道を描き、シンの後方へ飛んでいく。振り返った先には、巨大な翼の赤いMS。
回転していた物体は、赤いMSの肩部に回収された。
 青いMSがスラスターを噴射し、赤いMSに向かって跳躍する。一気に数百mも飛んだかと思
うと、そのまま赤いMSに切りつけた。
 赤いMSも長大なビームサーベルをかまえ、一瞬光が交錯する。
 青いMSは腰から上下に切断された。下半身が回転しながら放物線を描き、大通りの方へ落ち
ていく。上半身は慣性の法則に従って赤いMSの後方へ。
 赤いMSはサーベルを収納すると、ゆっくり近づいてくる。
 シンは妹とともに逃げようと視線をさまよわせ、硬直した。妹と両親がいたはずの場所には、
回転する物体が作ったらしい瓦礫の山ができていた。
「危ない!」
 青年が飛びついてきて、虚脱したシンを脇道に押し込んだ。赤いMSが瓦礫をふみつけ、空を
見上げる。MSは二人を見向きもせず、白い煙を吹き出しながら、ゆっくりと上昇していった。
 飛行する赤いMSを見る青年が、呆然として言う。
「あのモビルスーツは……ガンダム」
 ガンダム。
 青年がつぶやいた名前が、眼前の光景とともにシンの心に焼きついた。
 シンは青年に引きずられるようにしてシェルターに向かった。いつの間にか、空襲警報は鳴り
やんでいる。
 カガリは移動中の船窓から宇宙空間を眺めつつ、一人のボディーガードに演説をしている。
「核は関係ない。マスドライバーが無くなったから、オーブは国際的な発言力を失ったのだ」
 カガリはそっと嘆息した。
「今になると、父はとんでもない事をしてくれたと判るよ」
「仕方がないよ。あの時は非常時だったのだから」
 カガリはボディーガードをにらみつけた。
「この世に仕方がない事なんてない。自分が選んだ道なら、そんな言葉は口にできないはずだ」
 ボディーガードは顔をふせ、全くその通りだな自嘲するように笑った。
「氏族ごとに分割する事で、オーブはどのような状況でもどれか一国は存続できるようになった。
将来連合から脱した時に、我々とミナ派が合流する。最終的には血族政権の停止。しかし連合下
の暫定政権といっても、人の流れは民主主義に向かうだろう。ミナにはサハク派もついている。
私の支持基盤は父から利権をもらっていた連中しかいない」
 ボディーガードを見て、カガリは笑顔でつけくわえた。
「ああ、もちろんおまえは別だよ」
 真面目な顔つきに戻り、カガリは続ける。
「平和になって、私も普通の人間になれば二人だけで暮らせるようにもなる。でも今はだめだ」
 ボディーガードは静かにうなずいた。
 遮光された船窓からアーモリーワンが近づいている。地球連合の影響力が強いL4で、オーブ
の技術を取り入れ建造された円筒型コロニーだ。
 相対速度を合わせている様子を眺めつつ、カガリはつぶやいた。
「今の私は、あれだけ非難した父達と似た事をしている。配下の暴走を黙認し、各国に媚びへつ
らい、極秘にMSの開発に協力。本当に、何も変わっていない」
 プラント評議会新議長との会談まで、後わずかの時間だった。
 ルナマリア・ホークがアーモリーワン港のMS格納庫に入ると、隊員も整備兵もほとんどが
出はらっていた。
 目に止まったのはザクウォーリアの操縦者一人だけ。それも昼食を取っている最中だ。
 軍から支給された味気ないパンを、コーヒーで嫌々流し込んでいる。
「どうしてこんなに不味いんでしょうかね、アーモリーワンのレーションは。前に来た時は、
ここまでひどくありませんでした」
「軍批判は極刑ものだ」
 冗談半分に答えたルナマリアは、だだっ広い格納庫の大きさを楽しむよう、ゆっくりと周囲
を見渡す。
 多神教の神殿遺跡のようにMSが何体も屹立し、ちっぽけな人間を見下ろしている。
「ニューミレニアムシリーズの乗り心地はどうだ」
 ルナマリアに尋かれ、年上の兵士はザクウォーリアを見上げた。ニューミレニアムを称する
新世代MS。ジンと比べて曲線が少なく、無骨な印象を与える。
「過剰なジン系に比べて簡素なザク系は扱いやすいですね。補修もやりやすいし、新兵もすぐ
使えるようになる。古参には愛着あるジンが良いと言う者も多いですが」
「そうか、私のザクファントムはジンとあまり変わらないからな」
 ルナマリアが振り返った先には、ザクウォーリアより一回り大きな印象がある白いMSが立っ
ている。ザクファントム。
 次期主力MSであり、部隊長であるルナマリアの乗機だ。小さいながらも翼や鶏冠を持ち、
部分的にジンへ退化している感もある。
「ところで、他はどこに行った。昼食には早いはずだが」
「オーブの客が来てますから。同じ食堂で食べる気になれないのでしょう。全員がそう思って
いるわけでなくても、何人かが主張すれば、他の者も追随しますし」
 年長の部下は涼しい顔で答えた。
 ルナマリアは声を低くして尋いた。
「まだナチュラルを嫌う人間が多いのか? ここの部隊は新兵が多いだろうに」
「むしろ若い者の方がひどいです。三年前の戦いは、実質上の敗戦でしたから。劣等感を無意
識的に感じている者が多いです。しかも勝機があった戦争を長引かせて負けたと、上への不信
感までいだいています」
「たしかにザフトの訓練所では、年長を低く見る同年代が少なくなかったな」
 ルナマリアは隊員の横に腰を下ろした。年齢差からすれば親子のようにも見えた。
「少し良くない話になりますが。若者の方が、新しくて進歩した遺伝子操作をされていますか
らね」
「その流れでナチュラル蔑視か。我々もナチュラルも先のナチュラルから産まれたというのに」
「デュランダル議長の言葉ですね。議長はたしかにプラントの大多数から支持されています。
しかし正論だからこそ、少数派となった反地球や反ナチュラルの感情を煽り、鬱屈した若者の
一部に反発されてもいます。彼等と話していると、暴発の危険をしょっちゅう感じます」
「正義を行っても、傷つく者は相応にいるものだ」
 ルナマリアは溜息一つつき、部下からパン一斤を受け取った。一口かぶりつくと、顔をしか
める。
「どうです。まるで紙粘土でも食っているようでしょう」
「我慢しよう。今は苦しい時期だ」
 水気がなくて弾力があるパンを、ルナマリアは平気な顔で食べようとする。
 しかし無理に呑み込んだために激しくむせ、それを見た兵士は黙って水筒を差し出した。
 アーモリーワンの港口。オーブ側の連絡艇やザフト軍艦が係留されている。
 港を管理する建物は無機的で合理的な構造になっている。
 しかしそれでも人の眼がとどかない場所はできてしまうものだ。
 人通りの少ない通路の片隅で、二人のザフト兵が一人の少女を倉庫に押し込もうとしていた。
少女は小麦畑のような金色に波うつ髪を持ち、民間会社の物によく似た制服を着ている。
「オーブから来たんだろう。なあ?」
 少女の腕をつかんだザフト兵が尋ねた。少女は口を閉ざしたままで、ザフト兵は眉をしかめる
と平手で叩いた。
「優秀な遺伝子を残せるんだ。喜べよ」
 少女の前に立つ兵士が笑いかけた。顔立ちはきわめて整った、醜い男だった。
 少女は幼さを感じさせる顔立ちに似合わず、強い意志を持って野卑た男から目をそらさない。
「喜べよ」
 少女は鼻で笑い、つぶやいた。
「たしかに喜ばしいかもしれない。優秀な遺伝子と、知性に関連がない事を示す実例が目の前に
いる」
 ザフト兵は笑顔のまま、少女の腹に拳をめりこませた。少女は濁音混じりの嗚咽を漏らし、床
に崩れ落ちた。
 二回目の拳が振り上げられ、中空で止まった。ザフト兵が廊下の反対側を振り返る。
 少し離れた場所に、赤服を着た若いザフト兵が立っていた。オーブの艦船と統率者を見に来た
シン・アスカだった。シンは無表情で三人に近づいていった。
 シンは簡単に質問した。純粋に疑問だったからだ。
「そこで何をしている?」
 少女がゆるゆると顔を上げると、赤服を着たザフト兵が見下ろすように立っていた。
「なんだ、先約でしたか。それは知らず、先にいただこうと思いまして」
 少女の前に立っていた兵士が鼻で笑った。それでも赤服の効果はあったのか、少女の後にいる
兵士は腕をはなし、敬礼した。
 少女はたたらを踏むようにしながらも前に出た。
 少女の髪をいじっていた兵士も形式的に敬礼したが、目の前を通る少女を再び捕まえた。
「おい、逃げるなよ。二人から三人に増えただけじゃないか」
「少し静かにしてくれ」
 振り向いたザフト兵が浮かべた疑問の表情に、シンの拳がめりこんだ。拳を離すと、鼻から赤
い霧がふわりと広がった。
 シンは次に少女をつかんでいる腕をひねりあげ、ザフト兵の重心を崩して突き飛ばした。もう
一人のザフト兵を巻き込み、豪快に倒れる音が鳴った。
「怪我はないか?」
 シンの問いに、少女は無言でうなずき、次に顔を引きつらせた。
 鼻血を押さえながら、ザフト兵が壁に寄り掛かって立っていた。片手に拳銃を握っている。そ
れを見たシンも半身を開いてかまえる。ザフト兵はだらだらと鼻血をたらし、野良犬のように息
遣いを荒くしている。
 ふいに、対峙する二人の緊張を破るように、長身の少年が片手を上げて近づいてきた。
「おい、こんな所にいたのか。早く行こうぜ」
 突然現れた少年に、ザフト兵は錯乱して叫びながら飛びかかった。シンの制止は間に合わない。
 少年は上体をそらしてザフト兵の視界から消えた。そのまま体をそらした反動で蹴り上げる。
ザフト兵はもんどりうって後頭部を壁に打ち、昏倒した。
 コーディネイターの一人を蹴り飛ばした少年は、櫛を取り出して乱れた頭を整えた。もっとも、
整えた後の方が滑稽に思われるような髪型であった。
 少年は手鏡で髪型を確かめてから、シンに握手を求めた。
「俺の名前はスティング・オークレー、よろしくな。すぐ有名になるから、おぼえておいて損は
ないぞ」
 シンは差し出された手を無視し、スティングを上から下までながめた。
「ナチュラルか。オーブから客が来るとは聞いていたが」
 スティングはにやにやと笑って少女の肩を抱いた。すぐに少女が振り払う。
「そうそう、俺とこいつはすぐナチュラルと判るんだよね」
 しかし、と続けて振り返ると、無表情の少年が後に立っていた。身長差のためシンからは気づ
きにくかったらしい。
「こいつは可愛いからさ、よくコーディネイターと間違われるんだわ」
 たしかにその少年は線の細い、比較的整った顔をしていた。
「それは私が可愛くないという事だろうか?」
 つぶやいた少女に、スティングはあわてて否定する。
「いやいやまさか。そんなわけじゃ……おや」
 すでにシンは三人を放って、姿を消していた。倒れていたザフト兵もいない。
 シンの去った方向を見続ける少女を見て、スティングは小声で忠告した。
「ステラ、あいつに良心でも感じたか。それなら忘れろ。戦場で敵一人一人の正しさを測って倒
すなんて、もういない神にしか許されていない」
 無言でうなずく少女に、スティングはつけ加えた。
「もっとも、奴とは戦わずにすめば良いけどな」
 スティングはすぐにシンと戦う事になるが、もういないなどと言われた神が怒ったわけでは、
もちろんない。
 後に知ったスティングが、面白い運命だと軽口を叩いた程度の偶然にすぎない。
 ギルバートの執務室に入ったルナマリアは、会談中の部隊配置の報告をしつつ机上に目をやった。
 多数の窓を開いた電子書類、紙製の地球儀、最後に食器を載せた盆に目を止め、疑問の表情を浮
かべた。食器には合成タンパク肉や錠剤を飲んだ後、そして水とパンが一かけら。
 ギルバートは最後のパン一かけらを口に入れ、水で流し込んだ。
「不思議かね? 私が軍用食を食べているのが」
「いえ、ですが……」
「MSすら単独開発できない今、贅沢をする余裕はない。もっともこれは兵士にも不評らしいが……
どうなのかな?」
「そのパンは味がなくて粘土を食べているようだと、人気は低く……私は問題ないと思います」
 ナプキンで手を拭きつつ、ギルバートは微笑んだ。
「原料の質が悪いのはすまない。病気や害生物への抵抗力、促成栽培だけを重視した品種だ。しかし、
私にとっては千金の価値がある」
 ルナマリアは首をかしげた。
「再建した農業プラントから、初めて出荷された小麦が原料だ。私の悲願だったよ」
「……もうしわけありません、議長。自分はそのような事さえも知りませんでした」
「いや、しかたないさ。地球が注目しないよう、一部にしか教えていないし、むろん市場にも出さな
い。これからは、食事を作った者を思い浮かべつつ食べればそれでいい」
「は、もちろんです」
 堅苦しく敬礼するルナマリアに、ギルバートは苦笑した。
 ルナマリアが退出すると、ギルバートは机上にある紙製の地球儀に眼をやった。
 一人になり、笑いをおさめたギルバートは地球儀を片手にしてつぶやく。
「ここまで育てた宇宙だ。地球に簒奪させはしない。オーブにも」
 ギルバートは、てのひらの地球を握りつぶした。
 すでにカガリは会議室に案内され、会談が執り行われている。ボディーガードをしていたアス
ランは会議室から離れ、別室にて待機していた。会談中の警護はキサカに一任してある。
 アスランはかつての英雄であり、知る人が見ればそれとわかる。逆に終戦直前時の行動で、各
方面に多大な迷惑をかけ、禍根も残している。ある程度の免罪はされたが、オーブに正式に亡命
したわけでもなく、合議の席に堂々と顔を見せるわけにはいかなかった。
 元より名前を変え、影となってカガリを助ける決意をした身だと、アスランは覚悟している。
 出入りする人間の様子で、会議の内容はそれとなくわかる。どうやらオーブの情報提供で建造
できた新型MSの権利主張部分で争っているらしい。
 宇宙における国境問題、ジャンク屋や傭兵の扱い、ミナ派との関係、まだまだ争点は山積みだ。
 情報を集めた範囲では、ギルバートはたしかにナチュラルとコーディネイターの融和を考えて
いる。プラントにわざわざナチュラルを呼び寄せ、要職につけたりもしているらしい。
 しかしその政策と、地球と宇宙の平和を指向するのとは別問題のようだ。
 コーディネイターの出生率問題を考えれば、プラント存続のためにナチュラルを受け入れるの
は合理的な判断だ。逆にいえば、ギルバートの目的はプラント存続にあるという事。
 単純な理想主義者と考えていると、足をすくわれかねない。そうカガリに忠告したのを、アス
ランは今さらながら思い出した。
 考え込んでいるアスランは、天井のカメラにずっと監視されていた。アスランは気にしていな
かったが、映像を見ているシンはアスランを入室以前から気にしていた。
 シンはギルバートの忠告を思い出す。今、アスランを殺しても何の意味もない。アスランは戦
後の宣伝通りにプラントを核攻撃から守り、地球をジェネシスから守り、オーブも守った英雄と
思われるままだ。名前を隠してオーブに協力している事も、オーブとザフトの関係が悪化しない
限りは汚名とならない。
 誇りを失わせ、惨めで、無意味な死を与えなくては意味がないのだ。
 前触れなく、爆発の煙が会談中の会議室近くで立ちのぼった。
 警報が鳴り響き、警備兵が会議室周辺に集まっていく。その中にはアスランの姿もある。
 爆発は小規模で、最小の爆弾が使用された事からわかるように、あくまで陽動だった。元から
警備が厳重な会議室に破壊工作できるとは誰も思っていない。
 オーブ側の人間を装っていたスティング達は、警備が薄くなった港からミネルバに潜入しよう
としていた。
 港の警備室は、部屋中が赤く塗装されていた。床には銃撃で削られた肉塊が散乱している。港
の警備兵は、敵の攻撃に気づく前に死亡した。おそらく苦しみはしなかった事だろう。
 ただ一人生き残り、警報機に伸ばそうとしたザフト兵の手をナイフが貫通した。ナイフを刺し
たのは、コーディネイターに間違わると言われたほどの、線が細くて顔の整った少年、アウル・
ニーダ。その顔は、ナイフを抜く時も繊細に整っていた。
 ザフト兵は刺さされた左手を押さえながら、痛みにゆがんだ顔で振り返った。鼻に綿を詰め、
眼の周囲が青あざになっている。
「おまえ達だったのか。あの時、あの赤服が邪魔さえしなければ……」
 先ほどステラを倉庫に連れ込もうとしたザフト兵だった。ザフト兵は笑った。
「赤服は間違っていた。俺の直感は正しかった。俺が正しかった」
 ステラは拳銃を逆に持ち、無言で銃把をザフト兵の頭部に打ち付けた。ザフト兵はすぐ静かに
なる。
「惜しかったな」
 ステラは一言つぶやいた。三人は見張りや開錠を分担し、それぞれの役割に集中した。
 ステラ達は専門的な訓練を受けていたが、それでもコーディネイターの体力を甘く見ていた。
 倒れたふりをしたザフト兵が、寝転んだまま拳銃をかまえた。背中を見せている三人に迷わず
狙いをつける。
 銃声が鳴り、ザフト兵が右手に持つ拳銃が弾け跳んだ。
 電子錠を操作していたはずのスティングが、いつの間にか短機関銃を片手でかまえている。
「そんな、ナチュラル風情にそんな動きが……」
 目を見開いたザフト兵は、しばらくたつと嘲るように笑った。
「ハッ、そうか。おまえ達は強化人間だな」
 スティングは表情を曇らせた。
「お笑いだ。しょせん薬漬けの……」
 ザフト兵は言葉の途中で勢いをつけてのけぞり、自らの後頭部を床に叩き付けた。頭部に大き
な穴が開き、薄らと血がにじんでいる。
「アウル……」
 拳銃をしまいつつ、アウルはスティングを見返した。
「こんなところで時間をつぶすわけにはいかない」
 スティングはすぐさまうなずいた。
「そうだな。行くぞ、ステラ」
 残りの操作を終えると、ミネルバの係留口に繋がる扉が開いた。
 三人はうなずき、目的のMSに向かって走った。
 カオスに搭乗したスティングは、急ぎMSのプロテクトを外した。電子錠やパスワードを手に
入れても、それだけで起動できるとは最初から思っていない。
 数分かけて起動したカオスは、搭乗用の足場を崩しながら足を踏み出した。アウルの乗るアビ
スも続く。ガイアはまだ動かない。
 ガイアの立ち上げに時間がかかっているのを見て、スティングはアウルを呼んだ。
「アウル、おまえはカオスに乗れ。アビスはステラに使わせよう。水中用はここじゃ使いにくい」
 モニターの向こうで、アウルは首を振った。
「僕はこの機体で良いよ。大丈夫、ステラなら予定時間内に起動できる」
 アウルはモニターに映るコロニー窓を見やった。円柱型をした島三号独特の細長い窓が、日光
を取り入れて輝いている。
「それに、コロニーにも水はある」
 プラントの保有する砂時計型コロニーの多くは、内部に湖を持っている事が多い。美観のため
だけでなく、生態系維持の役目もある。
 しかし円柱型コロニーでは、水は全く別の存在意義がある。コロニーの多くは住民の心理上、
鏡で反射した陽光を窓から取り込んでいる。円柱型コロニーでは、同時に地面である内壁の約半
分を窓にしている。当然ながら、窓は他の内壁よりも強度が弱い。また真空の宇宙ならではの強
烈な直射日光で、窓は高い熱を帯びる。
 だから落下事故による破損を防ぎつつ冷却するため、窓一面にしきりをもうけ、水を張る。
 さらに水は、真空中にさらされると気化熱で凍る。小さな穴ならば氷となってふさぎ、応急処
置くらいにはなる。
 偶然ながら、円柱型コロニーの窓は川とも呼ばれる。
 シンが着いた時、ミネルバの甲板はタンパク質の焦げる異臭が立ち込めていた。二年前にも
嗅いだ、ある意味で懐かしい匂い。
 照明は落ち、非常灯のみが点灯している。予備電源も破壊されたようだ。壁のあちこちが切
り裂かれ、内部のケーブルまで切断されているのが眼に入る。数人の水兵が甲板を歩き、戦死
者を拾い集めていた。
 MS固定ハンガーが三ケ所、内部から破壊され、奪取されたのが三機と示している。シンは
MSが二体残されているのを見て、強奪したのは三人以上と判断した。
 残されたMSはセイバーとインパルス。無事なら、戦闘に使える。不幸中の幸いか、インパ
ルスはシンが操縦を任される予定の機体だった。扱い方は憶えている。
 シンは急ぎインパルスに搭乗するため、ハンガーに駆け上がった。
 操縦席までは問題なかった。手順通りにMSを起動させ、モニターに外部状況を映す。しか
し充電ケーブルからの送電を切ると、PS装甲が落ちた。内臓バッテリーからエラー信号が出
ている。
 ハンガーの固定を外させる信号も応答がない。シンは通信機を入れ、甲板上の整備兵を呼び
出した。
「インパルス搭乗者シン・アスカ、出る。すぐバッテリーを交換し、MSの固定を外してくれ」
 通信機の向こうから怒鳴り返す声があった。
「強奪時に、バッテリーと充電機器がほとんど破壊されている。交換には地上の設備が必要だ。
十五分はかかる。間に合うものか」
 シンは通信機越しに叫んだ。
「ケーブルをつけたまま出せ。全力で戦えなくてもいい。追いつけなければ意味がない」
 しばしの沈黙の後、どうなっても責任は取れないという、忠告とも責任逃れともつかない言
葉が聞こえてきた。
 インパルスを固定していたフックが外され、ケーブルからの電力供給を受けたインパルスは
PS装甲を展開させた。
 ギルバート達は会議室からミネルバの艦橋に退避していた。カガリ達、オーブの人間も
ミネルバの一室に通してある。破壊工作されたとはいえ、ただの連絡艇よりは軍艦の方が
安全だろう。
 ギルバートの周囲では、兵士が艦復帰のためせわしなく働いている。
 艦橋に甲板から通信が入り、ギルバートに繋がれた。
「議長。シン・アスカが強奪されたMSを追い、インパルスで出撃したようです。止めま
しょうか」
「そうか。いや、かまわない。放置してくれ」
「了解しました」
 通信が切れ、ギルバートは独り言をつぶやいた。
「彼はオーブに対して用意していた駒だが。持ち腐れるよりは良い、とでも思うべきか」
 外部状況を受け取りつつ、ギルバートは苦笑した。
「元より、何もかも思い通りというのは傲慢だな」
 艦橋の窓から、ケーブルを引きずりながら移動するインパルスが見えた。
 あれでは満足に戦えないだろうとギルバートは思ったが、さほど心配はしなかった。
 足止めになれば充分であり、シンもそう考えて出撃したのだろうと、ギルバートは判断
した。
 状況は良くない。強奪されたMSに搭乗する予定の者も、別件で連れてきていたシンし
かいない。
 オーブ側からMS操縦者の提供を打診された時も、ギルバートは受け入れる事にした。
 そもそも強奪されたMSは、共同開発したオーブ関係者の目に見せるため、用意してい
ただけだ。宇宙戦闘でのデモンストレーションに、実弾を使用する許可を与えるべきでは
なかったと、ギルバートは過去の自分を呪った。
 格納庫を出て、川についたカオスとアビス。ガイアはまだ動かない。
「MS部隊はまだ展開してない。しかし猶予があるとしても、三分だろう」
「設備は予定以上に破壊できたよ。五分は待てるだろ?」
 そうスティングが答えた時、真横の建物から充電ケーブルを引きずるMSが現れた。
 虚をつかれたスティングは機体を止めた。
 インパルスはビームサーベルを抜きつつ、ビームライフルをかまえている。ケーブルから供給
される電力で、エネルギー残量の心配はない。
 スティングが反撃しようとすれば振り向く間に撃たれる。シンが一体を撃てばもう一体が反撃
する。三体とも動けない。
 ややあって、ふいにインパルスが数歩後退した。スティングが横に目をやると、ようやく起動
したガイアが四足形態で姿を現している。
 アウルはアビスをひざまずかせ、右肩部の電磁推進機を川にひたした。
「水中用には、こういう使い方もある」
 電気分解された水が激しく泡立ち、衝撃波となってインパルスに襲いかかった。泡立った水は
霧となって周囲に立ちこめる。
 視界を奪われたインパルスは、地面すれすれを跳躍したガイアに充電ケーブルを断ち切られた。
「遅くなった。すまない」
 スティングは ステラの謝罪を笑って返した。
「いいや、最高タイミングだった。完璧だ」
 蓄電装置がまともに作動していないインパルスは、ケーブルに全エネルギーを依存していた。
 フェイズシフトダウン。インパルスの眼は光を失った。
 三機のMSが背にした川からは、コロニーの外、黒い宇宙空間がのぞける。MSならば脱出に
充分だ。
 しかし三機の周囲は完全に複数のザク小隊に包囲されていた。
 奪取された三体に性能では劣っていても、数の論理ではるかに勝る。ここが本拠地であるザク
部隊は補給の心配もない。
 充電の終わっていなかったインパルスは、時間稼ぎの役目を充分に果たしていた。
 スティングがぶっきらぼうに言った。
「おまえら、先に行けよ」
「……しかし」
 反対するステラをアウルがなだめた。
「スティングを信じよう。カオスは宇宙戦闘に最も適した設計だ」
「ああ、高速飛行形態にもなれる。適当に混乱させればすぐ追いつくさ。とろくさい水中用には
しんがりを任せられんだろ」
「それなら私の機体も高速運用可能だ。攻撃力も充分にある」
 ステラの反論を、アウルはいさめた。
「聞くんだ。陸上格闘専門のガイアが、コロニー内で多数の敵と戦えると思うのか?」
 アウルの言葉にステラは少し押し黙り、わかったと答えた。
 カオスがコロニーの天井へ向け、背部の火器をはなった。スティングは群がってくるザク部隊
を見て、楽しむように笑う。
「さあ、それでは軽くもんでやるか」
 調整されたカオスの攻撃はコロニー中心で弾け、強烈な光を発した。
 その光にまぎれ、アビスは川にランスを打ち込む。
 コロニー窓に開いた穴から、宇宙空間へ巨大な噴水が上がった。その流れの内にアビスとガイ
アの姿もあった。
 噴水は飛沫となって、すぐさま気化熱で凍りつき、ミラーの光をあびて宝石のように輝いた。
 カオスは機体をかたむけ、横回し蹴り。単独で突進してきていたザクウォーリアが、カオス脚
部のクローで大腿部を切り裂かれた。
「ほうら、どうした。どんどん来いよ」
 次にカオスは、横から斬り付けてきたザクウォーリアの腕と頭部を破壊した。メインの視界を
失ったMSはバランスを崩して建物によりかかった。もたれかかったMSは壁面を破壊しつつ倒
れる。
 不様な敵の姿を見て、スティングは声を上げて笑った。
 カオスの存在は他の奪取されたMSへの注意をそらす。
 復帰しはじめたミネルバも、少しづつ近づいてくるカオスの情報を部隊に伝達する事で、手一
杯だった。
 許可をもらってMAに搭乗したアスランも、情報を受け取り、カオスの戦闘を見て奇妙な嫌悪
感を持った。操縦席を傷つけず、機動力のみを削ぎ取る。親友の戦いによく似ている。だがその
本質が全く違う。
 脚部を破壊されたMSは、歩行はもちろん飛行時の平衡を保てず、倒れるしかない。それが他
機体が前進する障害となっている。流れ弾を考えれば射撃の手も弱めざるをえない。そう思って
見れば、行動不能になったザクは見事にカオスの周りを囲んでいる。
 カオスは間違いなく確固とした意志を持ち、合理的な方法を取って戦っていた。
 思考している間に、MAはカタパルトまで牽引された。アスランは首を振って雑念を振り払う。
「緊急だ、手順省略。セイバー出る」
 アスランの乗機はカタパルトから発進し、巨大な円柱形の空間に離陸した。
 カオスはザクウォーリアを盾にしてビームを受けた。ザクウォーリアの装甲が弾け、ビームが
操縦席を貫通する。搭乗者は味方のビームで戦死した。
「コロニーで、下手にビームライフルを使うなよな」
 味方を撃ってしまったザクウォーリアは、困惑しているかのように数歩後退した。
「わかったよ。すぐ同じ場所へ行かせてやる」
 スティングは棒立ちの敵を迷わず狙撃し、撃破した。
 残るザクファントム一体は、ザクウォーリアが障害となり、攻撃しあぐねている。
 スティングがザクファントムに狙いをつけた時、接近する巨大な熱源をカオスのセンサーが感
知し、警告音を発した。
 見上げると、ミネルバがコロニー中心近くを飛行している。精密照準の限界を超えていたが、
それでも撃沈される危険を考えれば、カオスに最大限接近している。
「どうしたんだ。落とされに来たのかよ」
 戸惑いながらも、スティングはミネルバに照準を合わせた。やや遠いが、数を撃てば充分に当
たる距離だ。
 狙いをつけたミネルバから、赤い物体が飛び出た。その物体にスティングは気をそらされた。
「……ヤマセミ?」
 ミネルバからヤマセミが飛び立ったかのように、スティングは錯覚した。コロニー独特の景色
と、ミネルバの大きさとで遠近感が喪失していた。
 映像を拡大し、スティングはようやくその正体を知った。
 赤い鳥に見えたのは、アスランの操縦するMA形態セイバーだった。
 腹の底から突き上げるような振動があり、頭上から粉がぱらぱら降ってきた。
 周囲を白く染めていた照明が落ち、そこここで小さな悲鳴があがる。コーディネイターの目でも
先を見通せない、真の闇。それでもシンは必死に周囲を見渡そうとした。
 ややあって黄色い非常灯が弱々しく点り、暗がりにうごめく人の姿が見えるようになった。
 赤子を抱くようにして眠る妻を、壁にもたれかけて眺める夫。火のついていない煙草をくわえる
老人。背筋を丸め、小さな鞄を抱えている女。膝を枕に眠る妹の髪を、静かにとかしている姉。
 シェルターの中に、シンの求める姿はない。シンは妹の名を叫んだ。
 名前を呼ぶ声は虚空に消えたかと思うと、シンを責めさいなむように反響した。
 薄暗く、狭い操縦席。
 自身の声で、シンは目をさました。
 シンは非常灯だけがついたインパルスの操縦席にいた。センサーは沈黙して外の様子が全く判ら
ない。
 手動での起動方法を複数試してみたが、インパルスは立ち上がらない。
 諦めかけた時、ぶつぶつと雑音が聞こえ、モニターの片隅に小さな受信記号が薄らと灯った。送
信してきたのはミネルバから。
「インパルス、聞こえるか。こちらミネルバ。デュートリオンビーム送電システムは実験的に稼動
可能。コロニー内での特別使用要請を許可する」
 合成音ではなかったが、機械的な語調だった。
「くり返す。使用要請を許可する」
 シンは残り少ないエネルギーを全て通信装置に注いだ。モニターに映る記号が明確な輪郭を持つ
ようになる。
「こちらインパルス。搭乗者、シン・アスカ。デュートリオン送電を要請する」
 言い終わった瞬間、モニターから光が消えて完全な暗闇となった。操縦席の空調も止まり、徐々
に室温が上がっていく。
 酸素を無駄に消費しないよう、シンは再び目を閉じた。操縦席は熱がこもるだけでなく、息苦し
くもなっていく。しかし頭には、逆に澄みきっていくような感覚があった。
 アスランの乗ったセイバーは、推力も火力もコロニー内の戦闘には過大な機体だった。
 わずかにスロットルを上げただけで、内壁に激突しそうになる。遅くしすぎると失速する。
アスランは円柱の内壁にそうように機体を操縦し、螺旋を描くようにして速度を保った。
 頭上の内壁、反対側の位置にカオスの姿が見えた。怪物的なMA形態となり、白いMSと格
闘戦を演じている。
 飛行型MAに変型するセイバーは、戦闘機や攻撃機としての機能も重要視される。そのため
武装はほとんどが銃火器であり、格闘戦装備は少なく、コロニーを傷つけない戦闘は難しい。
 アスランは遠心力に歯を食いしばりつつ、回転周期を測った。一周、二周……モニター中心
の光点、照準とカオスが重なり合う。モニターの中、ザクファントムを倒したカオスは、後背
部の火器をセイバーに向けている。
 一瞬の交錯。引き金に手をかけたアスランは、カオスがザクファントムを盾にしているのを
見た。
 良過ぎる眼で、見てしまった。
 わずかなためらいにより、セイバーの攻撃はカオスの足下をかすめるだけに終わった。逆に
セイバーの右翼は一撃で粉砕された。
 片翼をもがれたセイバーは、きりもみ回転でコロニー内壁に激突。そのまま川まで横滑りす
ると、盛大な水しぶきを上げた。
 盛り上がった水煙は、すぐ穴に吸い込まれて小さな竜巻きを作る。周囲の水や空気、機械や
動物までが吸い込まれ、虚空に消えていく。セイバーはMS形態になり、腕部を伸ばして窓枠
に張りつく。しかし川の崩壊に巻き込まれるのは時間の問題だった。
 MA形態カオスはザクファントムから爪を離し、追い風に乗るように大穴へ向かった。
 空調が追いつかず急速に減圧したコロニー内には、一面の霧が発生した。脱出にはうってつ
けだった。
 脱出しようとするカオスの後方で、コロニー中心部から内壁まで一直線に霧が薄れ、地面に
小さな爆発が起こった。
 地面が高熱を帯びて赤く熔融し、水分が爆発的に水蒸気になる。
 その中心部で、ゆっくりと一体のMSが立ち上がった。ビームの余剰を受けて機体各所から
火花を発し、PS装甲が変色する。
 霧が裂かれ、インパルスが姿を現わす。
 デュートリオンビーム送電システム。母艦のミネルバからエネルギー供給を受け、核エンジ
ンを搭載せずにMSの活動時間を飛躍的に伸ばす新技術。MSと母艦の双方が損傷して不完全
状態だったが、送電機能は設計通り作動した。
 ただ未調整だったためにコロニーの内壁を破損させ、小爆発を引き起こしたのは実用例が少
ないゆえの失敗だった。
「インパルス……さっき倒したはずだったのにな。ケーブル切るだけじゃ駄目か」
 霧の向こうでインパルスの眼が光をはなった。一方、カオスのバッテリーは限界に近い。
「ははっ、軽くもむとはいかないか……まあいい、来いよ。どうせもうまともに動けやしない」
 操縦席に身を沈めながら、スティングはまた笑った。気がつけば、肌が粟立っていた。
 インパルスはビームサーベルを抜き、カオスとの間合いを張る。
 一度捨てたザクファントムを、スティングは再び盾代わりに引き寄せた。しかしシンは全く
逡巡せず、カオスへの攻撃手段を考える。巨大な腕を持つMA形態カオスならば、近距離にも
ぐりこめば勝てる。ザクファントムは視界に入っていたが、ただの障害物と認識していた。
 インパルスが一歩踏み出す。歩みに合わせ、霧がふわりと乱れる。
 インパルスが歩みを進めている時、操縦席にザクファントムから近距離通信が入った。
「インパルスに乗っている操縦者。私ごとカオスを斬れ」
 言わずもがなな事を少女に命じられ、シンは眉をひそめた。脳裏で隊長級のMS操縦者
を数人思い浮かべ、ルナマリアの名を思い出す。
「カオスは私を盾にしている限り、満足に動けないはずだ」
 そのような通信をすれば、攻撃しづらくなる事に気づかないほど、混乱しているのだろ
うか。
 聞こえてきた時と同じように、ルナマリアの声は突然切断された。
 どことなく背伸びした少女の口調が、二年前の記憶と二重写しになる。オーブ攻防戦で
亡くなったはずの、妹の声。妹の顔。嗚咽。実際は聞こえなかった絶叫。瓦礫。煙。
 通信越しに聞いたルナマリアの声は、妹の声とどことなく似ているように感じた。シン
は唇を噛んでビームサーベルを収納する。 
 シンは操作盤を出し、カオスの背後で空気を排出し続ける大穴の画像を拡大させる。赤
い機体色のセイバーが、縁に食らいつくようにしているのが見える。
 シンは一息つくと、ザクファントムに照準を合わせ、ビームライフルを撃った。
 ビームは狙い違わずザクファントムに命中。カオスが握っていた方の腕を破壊した。
 MSという重りを失ったカオスは後方に転倒した。MA形態で踏ん張りの効かないカオ
スは、風に押されて大穴に転がっていき、セイバーと激突。
 二機はそのまま風圧と遠心力で制御不能におちいり、真空の宇宙へ吸い出されていった。
 カガリはミネルバに乗ったままで、アーモリーワンから避難していた。
 MSによる戦闘が行われたコロニーは崩壊の危険性が高い。自身の遠心力や空気圧、構造材の
張力によっても形を保つコロニーは、小さな破損が即崩壊に繋がる危険がある。
 長時間の戦闘と外壁損傷がありつつ、即時崩壊しなかっただけでも幸運と言えた。
「セイバーはまだ回収されていません。バッテリー残量も不明です。緊急発進だったため、情報
が残っていないらしく……」
 黙って報告を聞いているカガリは、じっと机上の資料を見ている。
「むろんセイバーは最優先で捜索します。また、強奪されたMSはおそらくミラージュコロイド
を使用し、移動中は見つからないでしょう。地球軍関係の港やMS運用艦、プラント反デュラン
ダル勢力、ジャンク屋を洗わせます」
 アーモリーワンでのMS開発や会談は全て極秘であったため、捜索の手を広げる事もできない。
せいぜい内通者の存在が推測されただけである。
 カガリはしばし黙考した末に、顔を上げた。
「……まず私は、なすべき事をしようと思う。アーモリーワンの警備体制の資料を揃えてくれ。
議長と再び会談の場を持ちたい。不備をつけば、こちらの有利に運べるかもしれない」
「了解しました」
「今回の強奪者は二年前と違い、全く無駄がなかった。コロニー崩壊までは至っていないし、一
般市民もほとんど戦闘に巻き込まれていない。彼等に非難される汚点はなく、責められる根拠は
こちらにある」
「強奪されたMSは、宣伝工作に使われる事を前提に対策します」
「思想戦を考えておこう。それから……」
「はい」
「今のあいつなら大丈夫だ。生き抜く決意を持ち、二度と死に逃げたりはしない」
 キサカは再び、はいとだけ答えた。
 ミネルバの格納庫でインパルスとザクファントムが補修を受けていた。残存するMSはコロ
ニー崩壊を避け、できる限り艦船に搭載するよう命じられたのだ。
 ルナマリアはザクファントムから降り、インパルスの操縦席をのぞきこんでいた。シンは操
縦席に座ったまま、機体の損傷度を調べている。
「どうしてすぐに撃たなかった」
 つめよるルナマリアに、シンはけげんな顔をした。
「撃てばカオスを取り戻せた。パイロットを生きたまま捕らえ、背後関係を探ることもできた
はずだ」
 シンは作業を終え、暗くなった操縦席からルナマリアを見た。
 ザフト軍服に身を包んだ少女が、再び妹の姿とだぶった。どこを見ても、共通点らしい共通
点はほとんど無いのだが。
「おまえは、死ぬ事が恐くはないのか?」
 不思議そうに尋ねるシンに、ルナマリアは激しい語調で答える。
「ザフトに入る道を選んだ時から、戦場での死を恐れた事はしない。迷って機会を逃し、無駄
死にする方が恐い。きっとザフトのほとんどは同じ気持ちだ」
 今回の戦闘が少女の初陣ではないかとシンは思ったが、あえて問いただす気力はなかった。
 言いつのるルナマリアから急速に興味をなくしたシンは、ぽつりとつぶやいた。
「聞こえたんだ」
「聞こえた?」
 けげんな顔をするルナマリアには目もくれず、シンはインパルスから降りた。
 妹の姿を見たと思った時、誰にも聞こえない声が、シンだけに聞こえた。
 声の内容は、短く単純な願いだった。
 ……あの男を殺せ。
 忘れるはずもない、あの赤いMSと、搭乗者。探し続けていた敵にようやく出会えたのだ。
英雄のまま死なせるなというデュランダルの話は頭から消えていた。
 ……これは俺の求めた運命だ。
 気がつけば、シンは二年ぶりの笑みを顔に浮かべていた。
 戦場での死は人の意志によるものだ。しかし、誰がいつどこでどのように死ぬかは、誰にも
予測できない。それは全くの偶然である。
 ルナマリア・ホークはミネルバの船内で、部下の一人が戦死した事を知った。
 カオスの盾にされ、友軍の攻撃で操縦席を撃ち抜かれたザクウォーリアがそれであった。強
奪事件が起きる直前、格納庫で会話を交わした男である。
 デュランダル派の下で、ナチュラルとの融和を願っていた部下が、ナチュラルではなくコー
ディネイターの手で戦死した事、それがナチュラルの盾にされたためである事に、ルナマリア
は運命の皮肉を感じ、すぐにその考えを否定した。
 戦前から戦後にかけて、部下は穏健派を支持しており、ザフトに身を投じるも、戦争におも
むく事と人種観は無関係だったとルナマリアは知っていた。
 しかし部下が一個人としてナチュラルとの対話を試み、戦後も積極的に地球と行き来し、歴
史に記録されない人々を見聞していた事は、遺品によって初めて知った。
 その行動は大局から見れば些事であり、再び戦闘の火蓋が切られた瞬間、水泡に帰す程度の
自己満足であった。
 彼自身もビームの一撃により操縦席内で蒸発し、死体は一片も残っていない。
 けして強くもなく、正史に名前も残らないような男。
 ただ彼の死が偶然によってであり、活動が無為になるとは死の直前まで誰も予言できなかっ
たのならば。
 戦争は、複数の人々の意志によって起こるのであって、動かしがたい流れで始まるのでない
と理解するならば。
 歴史が運命ではなく、人の意志で動かされる物であれば。
 彼という名も無き存在は、けして無価値でなかったはずである。
 エヴィデンス01が発見されてから数十年。
 それを記憶する者は少なく、外宇宙に目を向ける者はほとんどない。
 ただ記録に残らない外宇宙遠征が、一思想集団の手で秘密裏に行われたという噂が流れるのみ。
 かつて外宇宙への秒読みを聞いた者は、それが今も続きつつ、停滞している事を嘆くよりも先に
銃を手に取り、戦っている。
 人という種は、未だ外宇宙に出る資格を持ちえないのだろうか。時として戦争が合理的な外交と
なる社会しか構築しえないのだろうか。
 羽を持つ鯨は黙して語らず、ただ新しい戦争の幕が切り落とされるのみである。
 すでに幾多もの新情報と矛盾した物語、次はないと知らせつつも叫ぶ。

 次回、機動戦士 SEED DESTINY 嘘二回「果て無き秒読み」

 色々な運命にあらがえ、ガノタム。
919通常の名無しさんの3倍:04/07/28 05:37 ID:???
乙一文字。
濃厚な時間が味わえますタ
920通常の名無しさんの3倍:04/07/28 08:26 ID:???
面白。
921通常の名無しさんの3倍:04/07/28 12:35 ID:???
長すぎてまだ読んでないけど、完全に創作な話は
ちょっとスレ違いじゃないかな?
とりあえず長文乙だけど。
922通常の名無しさんの3倍:04/07/28 14:07 ID:???
文才あるね。尾津
923885:04/07/28 19:12 ID:???
>>891-918とアスランのボディガード日記、リンクしてると考えたらすげぇ味わい深い。
なんか>>890がオープニングテーマみたいな流れになってるし(w

>>884さん・・・ですよね?お疲れ様です。
今日は非番なので暇潰しに増毛方法の本でも立ち読みでもしようかとブックオフに行った。
50円コーナーのワゴンにラクスのCDが山積みにされていた。
悲しくなり俺は心の中で泣いた。なぜプレミアのある時に売っておかなかったのかと・・
そういえばカガリが「トリィみたいなロボットを私にも造れ!!」みたいなこと言ってたな・・
めんどくさいが雇い主の頼みだ。早速製作を開始しなくては。
奴に逆らったら無職だもんな・・俺。


今日は35本抜けた     先月との比較 0[mm]後退
925通常の名無しさんの3倍:04/07/29 03:31 ID:???
保守
926通常の名無しさんの3倍:04/07/29 04:11 ID:???
やはり現段階では完全な創作に近いですね。
念のため、アーモリーワンはMS兵器工場用で、普通のコロニーとは
全く違うという噂等もありますし、他にも新規ネタバレとの相違点は
かなり多いです。

>>923
その通り、>>884です。
927通常の名無しさんの3倍:04/07/29 06:53 ID:???
種本編の映像より、MSVプロモの方が印象に残っている為に、
赤いMSがソードカラミティ、青がシグーディープアームズだと勘違いしてしまったw
カガリに造ってやる予定だったペットロボットが完成した。
その名も「ゴリィ」。カガリがいつ突っ走ってもいいようにあらゆる護身機能をつけた俺の最高傑作だ。
ハロに付けた機能は全部付けたし、まさに機能美の集大成だ。
カガリに渡す時「お前をモデルにした」と冗談で言ったら、キレてぶっ壊しやがった・・・
俺の1ヶ月と給料3週間分を返せ!あとお前のお守りのストレスで抜けた髪も。

今日は59本抜けた     先月との比較 0[mm]後退
929通常の名無しさんの3倍:04/08/02 03:22 ID:???
本編登場時は禿げてるかと思ったが、実はあまり後退してないな。

まあいくらなんでもその年齢で後退しても困るか。
930通常の名無しさんの3倍:04/08/02 15:24 ID:???
ザァフトの発毛工学は宇宙一イイイイ!!ナチュラルごときに見破られることはないイイィーッ!
931通常の名無しさんの3倍:04/08/05 06:48 ID:???
なるほど、後退してないのはもはや額に一本も残っていないためなのですな。

抜けているのはすでに横毛だけ・・・
今日、行方不明になっていたラクスから手紙とビデオテープが届いた。
赤髪女とのハメ撮りビデオが流出して失踪中のキラをやっと捕まえたのかと思ったらそうではなかった。
手紙には今、東アジア共和国で今度の戦争をまとめたアニメを製作していて、
絶賛放送中なので全話送るとのことが書いてあった。
暇だったので見てみると酷い出来だった。まるで俺がホモみたいじゃねーか!!
キラも5倍位強く描かれてるし、何よりラクスが聖女みたいに表現されてんのがおかしいだろ!!
カガリにも見せてみた。「面白いじゃないか。これ。」
こいつやっぱバカだ。
あとラクス・・・ペンネーム「チアキ・モロサワ」はどうかと思うぞ・・

今日は37本抜けた     先月との比較 0[mm]後退
933百合:04/08/11 21:44 ID:???
>>88
フレイ→ラクスだけど、???→ルナマリアのようにも見えますね。
934キラ=ヤマト:04/08/12 00:13 ID:???
今日はレーダー船影が移った。
連合とザフトから追われる身となり、隠れ家からも飛び出した今、僕は追跡者を極端に恐れている。
しかし、それ以上に日々の生活が辛い。
幸い今日接触した船影は無人の資材輸送用シャトル、地球から月へ物資を送る定期便だ。
慣性飛行をする船ならフリーダムの推力でも簡単に軌道を変えられる。
食品、水、薬品、消耗品関係を船ごとGET!
こういうとき核動力のフリーダムって稼働時間に制限がなくて便利だと思った。

収穫の中にアスランが喜びそうな医薬品もあったのでギルドを通して贈った。
これで仲直りできればいいな♪
935アスラン=ザラ:04/08/12 00:15 ID:???
キラからの贈り物!?
セキュリティー上開封して中身を確かめさせてもらったと断りを入れた主計科兵の
なんとも形容しがたい表情は何かを隠しているようだ。
同志の兵を疑うのは悪いと思ったが一応こちらでも中身をX線透視して確認する。
中身はなにやら液体の入ったボトル状のものが1ダースほど
一応密封してあるらしく漏れ出した様子はない。
意を決して箱を開けてボトルを取り出してみると市販品のようだ、ラベルを読む。

「 キ ィ 〜 ラ ァ 〜 〜 〜 ! ! ! 」(怒怒怒怒怒)

脱毛剤なんか贈り付けてきやがって憶えていろ!!!
936キラ=ヤマト:04/08/12 00:17 ID:???
あれ?
なんで育毛剤が残っているんだ?
ま、いいか。
マニューさんに頼まれた脱毛剤どこやったけ・・・
937通常の名無しさんの3倍:04/08/14 11:26 ID:???
次スレからもスレタイこのまま?
938通常の名無しさんの3倍:04/08/14 11:38 ID:???
IFもまだ続きあるし、両方入れとかないとなぁ。
スレ分けたらキラの方はすぐ落ちそうだし。

キラとシンの種な日記☆運命篇

あたりでどう?
939通常の名無しさんの3倍:04/08/17 21:59 ID:???
ここは一応SSスレ?
>>921みたいに創作NGって意見もあるけど、
日記という縛りをクリアすることが条件なのか。
940通常の名無しさんの3倍:04/08/17 22:56 ID:???
>>939
「日記です。」

SSとは違うね。要はキャラの1日を綴ったような感じが出せればいい。
過去スレとか作品集を見てもらえればだいたいの雰囲気はつかめるんじゃないかな。
そういう意味で>>891-918はちょっとスレ違いだけど、今はほとんど人いないから許容されてる状態。
以前だったら荒れてたと思う。
941通常の名無しさんの3倍:04/08/18 00:45 ID:???
>>891以下を書いた人間だけど、他に張る場所が思いつかなくて、
展開予想でも良いかと尋ねて、数日経ってから張ったわけ。
放映中じゃないから許可もらえたと思っているし、普通だったら
やはり不可だったと思っている。
自分が言うのも何だけど、推奨はできない。

ただ、IFのように形式が日記と違っていても現状は黙認されてる。
本編が終わってネタ切れだからだろう。
放映が始まるまでは、創作の要素がどうしても増えてしまうし。

ちなみに放映中は、基本的にレギュラーが日記を書く形式だったが、
ゲスト、名も無き人物、本編には出てない人もかまわなかった。
キャラ中心の描写なら独白でも良い。
本編と矛盾が大きすぎたり、先の展開予想が多すぎたりは個人の判断。
ハァ・・・最近プラントにいた時の事を良く思い出すようになった・・・・
そうだ・・あの頃俺はザフトの貴公子とか呼ばれてモテてたんだよな・・・
そう・・あえて名は書かんが奴と婚約するまでは・・・
それからだ!ストレスで髪が抜け始め、それまではちょっと凸の広い少年だった俺の
額の後退が始まったのは・・・
今では流れ流れてオーブのアパートでカップラーメンをすする毎日・・・
「僕達は・・どうしてこんな所に来てしまったんだろう・・」

今日は・・・数えたくない。  先月との比較・・たぶん後退した。
943通常の名無しさんの3倍:04/08/20 11:12 ID:???
>>940-941
じゃSSスレ別個に立てるか
944通常の名無しさんの3倍:04/08/20 11:16 ID:???
必要なし
一部の潔癖君がほざいてるだけ
945通常の名無しさんの3倍:04/08/20 11:18 ID:???
わざわざ分割しても住人が少ない以上意味なし氏
946通常の名無しさんの3倍:04/08/20 11:58 ID:???
>>940、941みたいなのは放映始まれば逆に人が増えると言ってるんじゃないの?
スレ違いそうでないの議論で無駄に荒れるならテンプレ改訂かもいっこスレ作るかどっちかやれば。

まあ放映中でもキラ母とかグレンとか創作ネタも出てた希ガスるので別にいーと思うけどさ。
スレ立てる人に任せとけば。
947通常の名無しさんの3倍:04/08/20 12:21 ID:???
厨が増えるほうが多いに1000福田
948通常の名無しさんの3倍:04/08/20 18:51 ID:???
「日記」って言うスレタイが重要かもしれない
949通常の名無しさんの3倍:04/08/21 00:56 ID:???
スレタイ変えて良かった例はあまり多くないからねえ。
派生したなら別だけど、できる限り前例にそって、
スレタイと内容が乖離してきた場合は>1で説明するとか。
950通常の名無しさんの3倍:04/08/22 00:19 ID:???
スレタイ変えるとしたら

SEEDキャラの日記【八葉】

か?
これだと外伝まで含まれてしまうが・・・しかし初代スレのキラ☆ヤマトの書き込みもないしな・・・・
951通常の名無しさんの3倍:04/08/22 01:20 ID:???
正直凸日記と(繋ぎ)とIF氏(本筋)によって支えられてるよな・・・このスレ。
952通常の名無しさんの3倍:04/08/22 01:32 ID:???
IFは一ヶ月以上も書き込みないからな。
それとスレルール的には凸日記が本筋で、IFが繋ぎ。

どちらにせよ、放送始まって人が増えるまでは
スレを別ける必要はないと思う。
あわてて別けても落ちるだけだろう。
953通常の名無しさんの3倍:04/08/22 07:03 ID:???
誰か、まとめサイトの意志を継ぐものはいないのか?
954通常の名無しさんの3倍:04/08/23 17:16 ID:???
IFって、続き読みたい方まだいらっしゃいますか?
955通常の名無しさんの3倍:04/08/23 17:22 ID:???
ノシ
956通常の名無しさんの3倍:04/08/23 18:33 ID:???
おれはずっと待っている
957通常の名無しさんの3倍:04/08/23 21:34 ID:???
居れもノシ
958通常の名無しさんの3倍:04/08/24 00:19 ID:???
朋友ハケーン ノシ
959通常の名無しさんの3倍:04/08/24 01:02 ID:???
新作発表でやる気をなくしたと思っていたぞ。
ノシ
960通常の名無しさんの3倍:04/08/24 11:55 ID:???
待ってるよー
ノシ
961ダコスタ日記:04/08/24 19:38 ID:???
やあ、お久しぶりですね。マーチン・ダコスタです。
何でも続編が出るそうじゃないですか。
ま、エターナルとアークエンジェル様ご一行は出ない事になるでしょうけどね。

前置きはそんなところで、今回は夏休みの日記をご紹介しましょう。

8月〒日 晴れ 気温32度

 今日はお姫様の前々からの計画に従いまして、みんなで海に行きました。
 戦闘艦3隻を連ねて地球に降下するのは、非常に骨が折れます。
 クサナギだけ大気圏突入のタイミングがずれまして、降下地点が変わってしまいました。
 そんなに大きな違いにならずにはすみましたが、おかげで2時間はロスしました。
 段取りがむちゃくちゃです(怒
 何でも、降下直前にオーブのお姫様がわがままを言って、舵を握ったということだったそうです。
 幸いにアスラン君が補正してくれたおかげで大きな違いにならずにすんだのですが、
 そのまま進んだら、北半球と南半球に別れるところでした。
 この時点でもう、暗雲が立ちこめてきましたが、まだまだそんなものじゃありませんでした。
 続く
 
 追伸 ラクス様とキラ君のおそろいの水着を用意するのは大変でした。
 結局、艦内の技術者を動員して仕立てて間に合わせたんです。
962ダコスタ日記:04/08/24 19:39 ID:???
 続き。
 ビーチはすいていました。
 と言うよりも、ここはマルキオ導師に教えてもらったところで、
 以前何かに使おうと思ったが、目的のためには大きさがちょうどよくないためにあきらめた島とのことですから。
 島の全体をスキャンしてみましたが、戦艦2隻が収容できそうな洞窟があったり、
 中心部付近に謎の空洞があったり、マスドライバーの全長分の遠浅の海岸があったりと謎が多い島です。
 
 私は周辺監視とスクランブル準備のために戦艦内に残りましたが、みんなはあれこれと楽しく過ごしていたようです。
 
 ラクス様とキラ君は、浜辺で語り合っているようです。
 集音マイクをそちらに向けてみましたが、
 ・・・
 なんと言いますか、その、凡人には理解できませんでした。
 こんな感じでした。

 君は・・・誰?
 ラクス・クラインですの。
 僕は、キラ・ヤマト
 キラ、刻が見えますわ。
 そうだね、ラクス、そうだね。
 
 もう何が何やらです。
 
 ほかの人たちの様子も後ほどお伝えしましょう。
 
963通常の名無しさんの3倍:04/08/25 04:41 ID:???
>>954
ノシ
964通常の名無しさんの3倍:04/08/25 14:05 ID:???
がんがれダコスタ君!
965ダコスタ日記:04/08/25 21:03 ID:???
アスラン君とカガリ嬢の様子

彼らの様子もまるで訳がわかりません。
岩場の方で水をかけあって遊んでいたんですが、そこまではまあ、ふつうでしょう。
ところが、アスラン君は何を思ったか、突然変な動きで岩に駆け上がったかと思うと、
大空高く舞い上がり、カガリ嬢の後ろをとり、激しく水をかけました。
何を水遊びで本気になっているんでしょう。
さらに、どういう訳だか、カガリ嬢が荷物を取り出そうとバックを開けてごそごそやっていると、
何かの拍子に、荷物の中に入っていた拳銃がポーンと空に舞い上がりました。
近くにいたアスラン君がカガリ嬢にすかさず飛びついて、伏せさせましたので、怪我はなかったようです。
彼女、アスラン君にこっぴどくしかられていました。
と言うよりも、何で拳銃なんか入れていたんですか!

イザーク君の様子

彼はある意味分かりやすいですね。
みんなが波打ち際で遊んでいたところに、サーフボードを持って現れ、
「腰抜けども!俺はあの波に挑戦する!!」
と言って、ディアッカのMSが起こした波に乗ろうとしたんですが、
・・・結果は言わなくてもわかりますよね。
そう。案の定失敗して、キラ君に助けられていました。
おまけに、大波で一部の人たちが波にのまれたりしましたので、ディアッカともども
こっぴどく怒られていました。

それで、しばらくはおとなしくしていたんですが、
今度は海に向かって叫び出しました。
よく聞き取れなかったんですが、「見よ!東方は赤く燃えている!!」とか何とか叫んでいるんです。
そうそう。「師匠ーーー!!」とも叫んでいましたね。
いったい何のことでしょう。
まあ、みんなに無視されたので、寂しくなって何か夢でも見ていたんでしょうか。

続く。
966通常の名無しさんの3倍:04/08/26 19:53 ID:???
>>965
イザーク……(w
967ダコスタ日記:04/08/26 21:55 ID:???
マリューさんの様子

アークエンジェルの艦長さんですが、子犬をどこからか拾いまして、その名前が傑作です。
ブラックハヤテ号と、まあ、なんといいますか・・・ですね。
大事な人を失ったショックでしょうか。
常に拳銃を持ち歩き、しょっちゅう発砲します。
この前は、ゴキブリが出たと言うことで、マガジン全部うち尽くしたとピーコ君から聞きました。
それ以外では、非常に落ち着いた様子ですね。
他の艦のことですから、まあ、いいんですが、あちらのクルーからはまるで別人だとはよく聞きます。
今回のような場合、真っ先に水着に着替えて出て行くようなタイプだったんですが、
どういう訳だか、艦に残って拳銃の手入れをしていると言うことです。

モミアゲ艦長の様子

バルトフェルド隊長ですが、いや、もとい、艦長ですが、もっと変です。
失った片腕がどういう訳だかあるんです。
変な模様が入れ墨してあって、すごく異様ですよ。
いつの間にくっつけたんでしょうね。
それと、イザーク君にもらった傷テープでしょう。
額に大きなバツ印の傷を付けています。
そうして、サングラスをかけて、いつも口癖と言えば、
「賢者の石を・・・」とかですね。
あれほど熱心だったコーヒーもやめてしまったようです。
その異様な腕は、「破壊の腕」とか。
この間なんか、艦長室の扉に大穴を開けて修復にたいそうな手間がかかりました。
なんでも、扉がなかなか開かなかったので、摂理に従って無に帰させたとか言っていました。
お願いですから、少しはおとなしくしてほしいものです。

さらに続く。
968通常の名無しさんの3倍:04/08/26 23:06 ID:???
>>967
あれ、マリューさんは暗殺された子煩悩(?)
な方の奥方では?
969通常の名無しさんの3倍:04/08/27 19:00 ID:???
ぐふわぁ。私としたことがとんだ勘違いをしました。
ロスでもこんなこと、無かったぜ。
気を取り直していきましょう。

ディアッカの場合
弟のディアッカですが・・・その周りの集団は何ですか?
え? ”俺”?
そちらさんは? ”俺”?
そちらの女性は? ”俺”?
・・・???
はい、そうですか。ディアッカのルームメイトでしたか。
いつもお世話になっております。
あちらの集団はいないものとして扱ってくださいと言うことらしいので、そうします。
ディアッカのヤツときたら、相変わらずです。
”俺”たちとスイカ割りをしていたら、うかつにも、寝ていたミリアリアさんを踏んでしまい、
刃物を持って追い回されたり、
前にも書きましたが、イザークの頼みで波を起こしたら、大波になってしまい、
イザーク共々、正座させられて怒られたり、
ビーチチェアに寝ころんでH本を読んでいたら、マリューさんに取り上げられたりと、
たいした活躍ぶりです。

ああ、でも、彼が一番光ったのは昼食の時ですね。
例によって、チャーハンを作ったのですが、人数が人数ですのでとても間に合いません。
そのときです。
ディアッカの目の色が変わり、両手に中華鍋をつかみ、みるみるうちにチャーハンが量産されていきます。
あれって、種割れっていうんでしたっけ?
ただ、みんなの反応は意外にさめていました。
それがどうしたの?って具合です。
ただ、イザーク君だけは、驚くやら、怒り出すやら、妙なライバル心を燃やすやらと
過剰反応していました。

そんだけ。
970通常の名無しさんの3倍:04/08/27 19:02 ID:???
>>969
ひょっとして髪や服装の色も変わってませんでした?
971通常の名無しさんの3倍:04/08/27 19:37 ID:???
>970
実はもう一人いたんだよ。
972通常の名無しさんの3倍:04/08/30 16:35 ID:???
もう一回IFシリーズ、読みたいねえ・・・・
973通常の名無しさんの3倍:04/08/30 19:46 ID:???
IFじゃないものを延々とすみませんが、今日もまた。
974ダコスタ日記:04/08/30 19:47 ID:???
さて、みんなが昼食をとっていたとき、目視で哨戒していたクルーが怪しいものを発見しました。
レーダーの感度を上げると、反応がありました。
種別:船舶、大きさ:イージス艦、識別コード:不明、距離:10Km
何でこんな近くに寄るまで気がつかなかったかというと、この船からは熱源反応が無く、
また識別信号も発せられていなかったからです。
近くには漁船や一般船舶も多いので海上監視はゆるめにしていたと言うこともありましたし。
けたたましくアラートが艦内に響きます。
「総員、第1戦闘配備!!」
モミアゲが偉そうに叫びます。散髪してくださいよ・・・
「対空監視!なにやってんの!!」
あなたは・・・そんなにうれしそうな顔で言わないでくださいよ。
チャンスがあったら言いたいセリフ、No1だったんですね。
あわただしく戦闘準備が整えられますが、ズームして見ると妙です。
・・・あの・・・その・・なんといいますか、信じられない有様です。

なんと、その船を連邦のMS、ストライクダガーで引っ張ってこちらに向かっています。
あ、バッテリーが切れたらしく、沈んでしまいました。
今度は別の機体が引っ張る役になったようです。

・・・総員、あきれてものも言えなくなりました。
975ダコスタ日記:04/08/30 19:48 ID:???
向こうもこちらの姿に気がついたようです。
公衆回線にとぎれとぎれに声が入ります。
周波数が合ったようですね。はっきりと聞こえてきました。
「あー、あー。・・・マイク入った?・・・ゴホン。
我々は食料と燃料を要求します。おとなしく差し出すなら危害を加えません。
ですが、手向かうようなら、殺しちゃいますよ。」

どこかで聞いたような声です。・・・だれでしたかね?
「うわっ、何を、;fかjぁgjlk;ふじこぱfp」

???・・・何があったんでしょう。

「えー。先ほどの無礼な振る舞いを謝罪します。
ごらんの通り、私どもは漂流しております。
炊煙を発見しましたので、こちらになんとかたどりつきました。
どうか、食料を分けていただきたい。」

・・・さらに聞いたことのある声ですね。

3隻の艦長で協議した結果、食料はディアッカが少々作りすぎたので、
分けるのはかまわないという結果となりました。
燃料については、相手の船長と協議の結果決定すると。

警戒態勢の元、連邦軍籍のその戦艦から下りてきたのは・・・
976ダコスタ日記:04/08/30 19:49 ID:???
サザーランド艦長、そしてブルーコスモスのムルタ氏、そして、ナタル副長、
さらに常夏3兄弟でした。

モミアゲ艦長とサザーランド艦長ががっちり握手しました。
「お前さん、あの戦闘で死んだと思っていたんだがな。」
相変わらずストレートですね、艦長。

!そうですよ。みんなあの戦闘で命を落としたんじゃなかったんですか?

彼らの回答はといいますと、「セイフティシャッターのおかげ」らしいです。

こうして我々の休暇はおかしな方向に向いてきました。
977操舵主:04/08/30 20:54 ID:???
ナータン(*´Д`)ハァハァハァハァ
978通常の名無しさんの3倍
IF,今書いてます。

…スマソ