【実況チャット禁止】SEED超失敗の理由を考える172
671 :ラクスの罪とは :03/07/26 01:00 ID:???
今回の戦争で地球軍(ナチュラル)とプラント(コーディネーター)側では戦争の結果には
大差があります。
まず地球側は負けても根絶やしにはされません(それをやったらプラントも自滅します)
コーディネーターの人権と独立を認め、プラントを正式に一独立国家として承認し、不利な
地位協定や交易条約を結ばされるだけです。
その後もブルーコスモスらのテロ活動は続くでしょうから政情不安は続きますが、少なくと
も地球側の国家はこの戦争に負けても完全に消えてなくなる事はないのです。
そして臥薪嘗胆、再度コーディネーターに反旗を翻す機会を狙う事も出来るでしょう。
対してプラント側はどうでしょうか?、彼らはこの戦争に負ければ根絶やしにされます。完全に
後が無いのです。地球側(ブルコス)の戦争目的が彼ら支配ではなく、存在の排除なのですから
始末におけません。
それに宇宙に浮かぶ90基余りのコロニーを根城にするたかが数千万人の少数民族を絶滅させ
ても地球側は痛くも痒くもありません。
だからパトリックが主張する様にプラントはこの戦争に負ける訳には絶対にいかないのです。
この点が今回の世界大戦における地球軍とプラント側の根本的な立場の相違です。
(続く)
672 :ラクスの罪とは :03/07/26 01:01 ID:???
まずこの事をしっかりと頭に入れておかないと、プラント側の指導者達が、この戦争に勝つか、
自らの生き残りを条件に講和の成立に必死なのかが理解出来ません。
さて、ではプラント側はこの戦争にどう決着をつけるべきでしょうか?
彼らの欲するものは自らの生存権です。迫害の歴史に終止符を打ち、地球側に自らの存在を認め
させる、これが彼らの戦争目的に他なりません。
その為には地球側を交渉のテーブルに引っ張り出し、自分達に有利な条件で戦争を終わらせなけ
ればなりません。しかし連合も無条件に交渉には乗っては来ません、それには交渉せざる得ない
状況作りと、地球側を交渉のテーブルに引っぱり出す協力な餌が必要なのです。
その為にザラ議長が考え出したのがアラスカ(ジョシュア)侵攻作戦でした。
講和に邪魔な地球軍主戦派を一掃し、戦局がプラント側に決定的に有利に導いて地球側穏健派と
の間での交渉の糸口を掴むのがこの作戦の目的であった筈です。
では、仮にアラスカ作戦を成功させ地球側の主戦派を一掃し、戦局を自軍に決定的に有利とした
上で地球側を交渉をテーブルに引っ張り出す餌の方はどうでしょうか。
これも用意されていました。Nジャマーキャンセラーを搭載したフリーダムとジャスティスです。
Nジャマーキャンセラーがあれば核兵器が使用可能になります。核兵器によりプラントは地球側
に対し絶滅戦争を仕掛けられるのです。
どうせ戦争に負ければ彼らは滅ぼされるのですから地球を絶滅させて自らも滅んでも結果は一緒
です。この必死の覚悟を示せば地球側も交渉のテーブルに付く可能性は大でしょう。
しかも戦局が地球側に不利となればなおさらです。また、Nジャマーキャンセラーがあれば壊滅
した核エネルギープラントを再興出来ます。これにより地球のエネルギー問題は大戦前の状態に
戻せるのです。これは地球側にとっても大きな魅力の筈です、終戦の交換条件として悪くは無い
筈です。
(続く)
673 :ラクスの罪とは :03/07/26 01:01 ID:???
さて、では現実にはこの素晴らしい終戦プランはどうなったでしょうか?
アラスカ侵攻作戦は作戦漏洩により失敗しました。そして、まさにその日に門外不出の超機密
Nジャマーキャンセラー搭載のフリーダムは内部の反逆者により敵性分子の手に渡り、強奪された
フリーダムはアラスカに飛んでザフト軍と砲火を交えた後、連合の戦艦と共に姿を消しました。
これによりNジャマーキャンセラーの秘密は外部に漏洩したと考えて良く(故にフリーダムに接触
した全ての人間・組織を壊滅せよとパトリックはアスランに命じたのです。Nジャマーキャンセラー
は地球側から有利な条件を引き出す奥の手であり、また地球軍に解析されれば核兵器を復活されか
ねません、彼らには決して渡してはならない機密なのです)
そしてこの一連の騒動の手引きをしたのが穏健派の筆頭、旧評議会議長シーゲルの娘ラクス・クライン
です。ここまでで、ラクスのしでかした事がとんでもない話しなのはお分かりですね。
結果、連合との講和を模索していた穏健派の動きやアラスカ作戦の機密漏洩やフリーダムの強奪は
全てラクスの存在によって関連づけられてしまいます。本来は独断によるアラスカ侵攻の大敗の責任
で失脚して当然のザラ議長は卑怯な裏切り者の存在、その責任を全てシーゲル率いる穏健派に転嫁
出来るのです。プラントの政治中枢から穏健派を一掃する絶好の機会を与えてしまったのです。
(続く)
675 :ラクスの罪とは :03/07/26 01:02 ID:???
さて、その後の展開はどうなったでしょう?
アラスカ侵攻作戦失敗の帳尻合わせで行われたザフト軍のパナマ侵攻は成功しました。
この結果、連合はマスドライバーを失い代替施設の奪取に必死となります。ザフト側は一時、地球軍
を地上に封じ込めましたが、連合もさるもの、新兵器のMS部隊を投入しオーブとビクトリアへ侵攻。
そしてオーブを占領し、ビクトリアは奪還され、これら軍事的な成果で戦局は連合有利と逆に傾いて
しまったのです。
この結果、プラント側は連合との橋渡しとなる大事な中立国を失い、連合を交渉のテーブルに引っ張り
だすタイミングも道具も失い、双方の穏健派も発言力を失って、主戦派のみが力を増し、ここに地球と
プラント間の講和による和平は夢と消えたのです。
ラクスは何もせずとも戦争は終わったのです、少なくともプラントのコーディネーター達は自らの迫害
の歴史に終止符を打つ事が出来たのです。ナチュラルとコーディネーターの共存をはかりたいのなら
それはまずこの戦争を終わらせ、自分達に有利な状況で地球とプラント間で講和条件を結び、その上で
両者の真の和解をじっくりと模索すれば良いのです。その為の運動をラクスはすれば良かったのです。
その全てぶち壊したのがラクス・クライン、彼女自身です。
プラント側にとって、平和の訪れの期待を悪夢の到来に変えてしまったラクス・クライン。
ガンダム史においてこれほど罪深いヒロインが他にいたでしょうか?
(完)