【マイ】馬鹿親アズラエル3【エンジェル】

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彼らは、
「なんで俺のカラミティだけ飛べねぇんだよ、ゴルァ!」
と叫びながら重力に反してコクピットまで走ったり、
「ウザーイ! この窓ウザイーッ みんなウゼーッ」
と窓を割れんばかりに叩いたて回ったり、
「撃滅! 隠滅! 壊滅! 族滅! 明滅! 潰滅! 死滅! 寂滅! 自滅! 撲滅! 必滅! 誅滅! 目の前点滅! 今日は仏滅! お前ら入滅!」
と動けずにいる乗務員へ暴行を加えたりしている。
当然、シャトル内は今だかつてないパニックに陥った。
「窓叩いちゃダメー!」
「ドアの緊急開閉ボタン押すなー!」
「コクピットに入るなー!!」
「君達! 落ちつきたまえ! ゲフッ」
「こ、この薬を飲み…ゴフッ」
…数分後。
なんとか大気圏を離脱、上空に待機していたシャトルとドッキングして回収してもらう。
私は鼻血を吹きながら辺りを惨状を見わたした。
一般の席に座っていた者は半数が暴行を受けた。
窓にはいくつもヒビが入り、壁にも穴が…。
コクピットではパイロットが流血して倒れている。ドッキングまではなんとか意識を保っていた勇者だ。いくつも機器を破壊されているから相当困難だったに違いない。
想像を絶する息子達の潜在能力だ。

惨状の原因の息子達も、今は力尽きて後部で三人、団子状になっている。
ヘロヘロした口調で彼らは言った。
「このシャトル〜、もう使い物にならないかもなァ〜」
「ヨワイ〜」
「ロケット並の耐久力〜。幻滅〜。」
さっきの話聞いてたんか、お前ら。
つーか、この大暴れはわざとか。わざとなのか。

(終わる、終われ。)