【総集編スルホド】SEED大失敗の理由91【ネタナイヤロ】
稚拙な演出のせいで扱いの酷いキャラの代表例としてイザークを挙げてみる。
現時点では明らかに「ストライクを付狙う仇敵」として位置付けられているが、そんなご大層な位置付けとは思えないほどキャラが薄っぺらい。
例えば作品の根幹である「ナチュラルとコーディの対立」部分において画面からはイザークが何を考えているのかさっぱり分からない。
もしナチュラルを蔑視しているなら「ナチュラルが開発したMSを愛用し、またパイロットがナチュラル(だと思っているはず)のストライクに敗北続きである自分自身」をどう受け止めているか分かる描写が必要。
また「ナチュラルだろうとコーディだろうと関係無い」と思っているならそれをハッキリ描写すべき。
(仮にナチュラルを蔑視していたとすれば、当然自信を失い悩む事だろうし、それならそれでニコルの気休めに逆ギレしたり、アスランがイザークに真相を告げるかどうか悩むといった別のドラマも生まれただろう)
また地上編に入ってからはキラとの圧倒的な差を見せ付けられているだけだが、この結果イザークは「砂漠において歴然とした差を見せ付けられていながら、それについて何も考えず、次の戦闘でも完敗するただのバカ」になってしまった。
つまり普通なら精々2、3話で消えていくキャラに「仇敵」役をやらせているのであり「分不相応な役を負わされているザコキャラ」がイザークの実像である。
言ってみればコンスコンが仇敵となって何度もホワイトベースに立ちはだかって来るようなもの。
しかもまずい事に製作者サイドはイザークを殺す気が無く、それでいて「キラに鮮やかに勝たせる」ように仕向けている。
例えばキラは地上編に入ってから明らかに敵パイロットを殺すために攻撃しているとしか思えない真似を何度も行っているにも関わらず、25話のように「胴体を切るより遥かに難しいであろうビームサーベルの発光部だけ切り落とす」と言う不自然きわまり無い描写が出てくる。
しかもそれをやらせるために重大なトラウマを残した筈のイザークのシャトル撃墜をキラが思い出しもしないというおまけがつく有様。
なぜこんな事になるのかと言えば、まず制作者サイドが「引き立て役」の何たるかを分かっておらず、ただキラの優越を見せることしか考えていないのと、主役ばかりに気がいって「仇敵」に対し全く感情移入していないからだろう。
しかし制作者が感情移入していないキャラが視聴者に感情移入して見ることが出来る筈がないし、そんなキャラを何度打ち倒ししたところで、視聴者には何も伝わってこない。
今後イザークを「仇敵」としてキャラ立てするとした場合、ジェリドのように「なりふり構わずがむしゃらに主人公に食いついていく」キャラにせねばなるまい。
だがこのタイプとのやりとりは基本的に「泥仕合」になる。「がむしゃらに食いついてくる相手」に対し「華麗に勝つ主人公」ではキャラの意味がないからだ(実際、カミーユとジェリドの戦いは「互いの大切な人間を殺し合う」と言う完全な泥仕合)。
要するに今の「キラ最強〜!」展開を続ける限り、イザークは「分不相応なザコキャラ」の地位を脱することは不可能であり、ハッキリ言って望み薄である。