―あらためてスタッフに望むことはなんでしょうか。
「若いスタッフには、”ガンダムだから”という理由で鬱屈してつくらないでいって欲しいと願っています。
むしろ”プログラムピクチャーにはこういう良い所もあるぞ!”
”まさにこういうものがあるから、飽きずに次をつくっていけるんだ!”と
意識して欲しいのです。そういう気持ちを持っていれば、「SEED」は1年間しっかり保つでしょうし、
継続だってあり得る話だと思っています。
ですが、僕の立場を考えるとこれ以上のことは言えませんし、
これ以上のことは言ってはいけないとも思っています。
「SEED」をベースにして、3〜5年後にはどういう仕事をしたいか、
スタッフにはそういうことをぜひ考えて欲しいのです。
先ほど申し上げたように、時代が変わってきていますから、
来るべきときに対応できるよう、ここで体力をつけておくべきなのです」
―作品として、トミノ監督からごらんになるとどうでしょうか。
「あえて「SEED」で気になる事を挙げれば、物語は良いと思いますが、
キャラクターや作画が少し時代に迎合し過ぎているかな・・・・・・
そのままで突破口は見えるのだろうか、という多少の心配はあります。
とは言うものの、それで人気を得ているのですから、
もっときれいにつくって欲しい、そういう心掛けを忘れないで欲しいと思っています」
―”きれにつくる”というのは、絵柄のことですか?
「いえ、とてもわかりにくいんですが・・・・・・作画のこととかそういうことでなく、
簡単に言うと”もっとメジャーを意識しろ”ということです。
「ガンダムSEED」としての”きれいにつくる”ということを発見できれば、
完璧にメジャーになれますよ。そのためには、単なるメカ好き、キャラ好きだけではダメです。
それが乗り越えられれば、宮崎(パヤオ)さんの後釜だって狙えると思っています」