213 :
1:03/02/24 18:15 ID:???
少女は窓を見る。外の景色を見る。
相変わらずの凄い雨だ。夜に降る雨は、まるで黒く着色さている様に思える。
天の底が抜けてしまったんじゃないかと思えるような滝の雨だ。
こういった雨を見ると、まるで世界は悲しみに包まれているかのような気さえする。
そこには救いがないような気がする。
圧倒的な何かがそこには存在している。決して抗えない運命のような息も吐かせない雨の中に。
そんな事を考えながら、外を眺める。
その時、空に一条の閃光が走り、強い雷光が、辺りを照らした。
その一瞬の光の中で、豪雨の中に傘も差さずに立っている少年を見つける。
少女は目を彼にやったまま、その場で固まった。
少年は激しい雨の中で、覚束ない様子で虚ろに見えた。
だが、一瞬の光の後、また世界は静かな闇に戻る。
少年の姿はまた見えなくなる。
214 :
1:03/02/24 18:17 ID:???
少女は、反射的に、玄関に向かう。
そしてそのままの格好で、外に出る。出た瞬間に小石のような雨の粒が少女に激しく当たる。
目を開けて前を見ていられないほどだ。
風も激しい。ずぶ濡れになるのも構わず、少女はとにかく走る。
もっともそんなに距離はない。
少年がいるのは家のすぐ先の部分、川のところだ。
少女が今朝、洗濯をしたときに座っていた辺りのところに少年は立っていた。
びしょ濡れになっている少年は川の水面をじっと見詰めている様だった。
絶え間ない雨の所為で、水面は激しく波立っている。
その隣に少女は立つ。どうしてかは判らないが、少年に触れられなかった。
少年は、隣の少女にまるで気がつかないように、黙って水面を見詰めていた。
何と話し掛けていいのかわからない。少女は一瞬顔を挙げて、また、俯く。
少女もまた水面を見詰めて押し黙った。
215 :
1:03/02/24 18:23 ID:???
川の水は、今にも溢れそうなほど増水していた。少女は不安になる。
もしかしたら、水が氾濫してしまうかもしれない、と思ったからだ。
水面に生じた波紋は、広がることも出来ずに新しい波紋によって飲み込まれていく。
そしてその波紋もまた別の波紋に含まれていく。
どのくらいそうしていただろう。身体の芯まで完全に冷え切ってしまった頃だ。
突然、少年の声が聞こえたので少女は驚いた。
それはあまりにか細い声だったので明瞭に聞こえなかった。
だから、少女は、え、と隣の黒い影に聞き返した。
その直後、巨大な落雷がすぐ近くに落ちた。
まるで世界を二つに引き裂くかのような凄まじい閃光だ。
耳を劈くような轟音が、響き渡り空間を震わせる。一瞬地面が震えたように見えた。
それは暗示の様に圧倒的な何かを含んでいる。天と大地を繋ぐ光。
光の繋がり。
また閃光が走った。
少女は反射的に身を震わせる。
216 :
1:03/02/24 18:29 ID:???
今度は多少遠くに落ちたみたいだった。だが、それでも激しい音が辺りを震わせる。
すぐにまた雨の音だけが残る。雨がまた全てを流していく。
少女は少年がこちらに目を向けていることに気がつく。少年と視線を合わせる。
少年の瞳は、どこか罪悪感といった感情が含まれている。
手紙の内容を少女は、思い出す。その一節を思い出す。
貴方を恨みます
突然、少年が、少女の身体に手を伸ばすと、引き寄せた。
そして少女を激しい雨から庇うように頭を自分の胸に抱え込む。
そして消え入るような声で一言、僕は卑怯だ、とだけいった。
少女は何も言えなかった。
217 :
1:03/02/24 18:48 ID:???
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前半はここまでです。
後半「in the letter 」は、また暫く後になります。
簡潔にならなくて申し訳ありません・・
乙
改行多すぎ
こんばんは、リアルタイムで見さしてもらいました。
少年>アムロだと思いますけど・・・
少女ってベルトーチカ?小説よんだからそうだと思います。
おつかれです、
>>1さん
ウッソとシャクティかと。後半楽しみにしています。
エピローグキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
後半も楽しみにしてます
なるほど、教えてくださってどうもっす。
>>221さん。
224 :
kanrinin:03/02/25 21:42 ID:R6owRL8j
470故、age
書き忘れただけだろ
ろうろんは天然っぽいし(w
尺、嘘、刈るの意味がわからなかったものと思われ
ほしゅるるるる〜
落ちるageる
231 :
bloom:03/02/27 08:48 ID:1Al4bfAj
>>220 ちゃんと内容を理解してればエピローグにアムロが出てくる
なんて思うわけないよな
そんな間抜けなこと言い出す奴に「面白かったです」なんて
言われても職人さんも素直に喜べんわな(W
>>232 まぁまぁ。マターリしようよ
漏れは結構ろうろん好きだぜ
素直だし(w
保全
もう少し保全
236 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/01 06:17 ID:tsAhgyUZ
あげます
sage保守
238 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/02 00:38 ID:LIKt+ExF
保守
もうそろそろこのスレも終わりか。
1さんも時間がないのか、飽き始めてるのかわからないけど、以前のような書きスピードもないし・・・
まぁでもこの約4か月間すごく楽しかったよ。1さんバイバイみんなバイバイ
まだだ、まだ終わらんよ
243 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/03 12:36 ID:Z6YpoNRJ
age
うざい
とにかく俺は待つ
このスレと別れるのは後編を読んでからでも遅くない
完結したら、もう一度読みなおそう
完結したら、知り合いのガンダム好きにもこのスレを教えよう
1さん、俺は待ってるよ、いつまでも
すまん、変にかばったばかりに…
>>247 そんな事はどうでもいい。
保守にさえなればな。
上げ
どーでもいい、さっさと書けよ
まぁ、あせるな諸君。
いままで待ったんだから、あと、もう少し待ったところで
どうこうなるもんではない。
さらっと読んだ、サイコフレームって便利だな
あと時間軸整えないのは激しく読み辛い
速読してたら少し混乱した
でもそれなりに面白かったよ
sage保守
>252
一応「錯時法」という名の小説の技法なんだがな。
まあ肌に合わない人はいるかもしれないが、俺は逆に錯時法を見事に使いこなしている、
という印象があって興味深かったな。
>>254 俺はマジダメだった、その「錯時法」とかゆうの
たまに見かける書き方だけど、なんか不親切な使われ方
大事な所だけに使ってくれよと思った
同時進行のそれほど大した事じゃないのまでそれで描写されたから、無駄に混乱させられた
書いてる人がこれからも何か書くんなら、少し抑えて欲しいかも
書きたい気持ちがあるだろうけど読み辛いと思った
それでもハゲより読みやすかった
>255
作品自体への批評は1さんがエピローグ書き終わってからにしません?
1さんガンバレ!
259 :
258:03/03/06 22:47 ID:???
255=258ね
うぜぇ
261 :
1:03/03/07 01:27 ID:???
皆様、長い間お待たせしてスイマセン。
ずっと気になっていたんですが、なかなか暇がなくて来れなくて・・
ようやく、ある程度の時間が取れるようになって今、後編を書き上げています。
ですので、もう少し(あと3,4日ぐらい・・多分)お待ちください。
本当に読んでくださってる人には申し訳ないですけれど。
>>246さんのレスにはちょっとじんときちゃいました。ほんと感謝です。
PS.
感想はどんなのであれ頂けるとてもうれしいです。
次回書くときの参考にもなりますし、反省点を見つけることができますから。
確かに、時間の軸が色々入れ替わるところは自分でも、これは読みにくいかな、と思いましたし・・
自分としては1さんが負担無く楽しんで書いてもらえるのが一番です。
お仕事無理せずにがんばられてくださいね