【最狂】激しくフレイ様part35【悪女】

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361勝手に予想
戦闘配置のアナウンスが流れる中、キラはロッカールームへと急いでいた。
「キラ……」
十字路になった通路、その右方向から不意に呼び止められ、
少年は立ち止まるとその声の方へ向いた。
声の主は紅の髪を持つ少女―――、
「フ、フレイ! こんなところにいちゃダメじゃないか、
 もう第二次戦闘配置の最中だってのに……!?」
そこまで言ってキラは気付いた。
フレイが、彼女には珍しい不安げな雰囲気をまとっている事に。
「これから大きな戦闘が始まるんでしょ? アナタ、ちゃんと帰ってくるわよね?」
「ン………」
断言は出来ない。その自信のなさから、思わず視線を横に流す。
フレイはその心境を敏感に感じ取ったのか、急に語調を強めた。
「ねぇ、ちゃんと返事してよ。私とこの子を、これからもまた守ってくれるって言ってよ……ッ!」
その瞬間、フレイは思わず両手で口にあてた。まるで言葉を飲み込むように。
キラも気付いた。聞き慣れない単語が、彼女の口から放たれた事に。
「『この子』って……まさか、フレイ!?」
トスッ。
キラが聞き返した時には、フレイは彼の身体を軽く突き飛ばし、
その反動で通路の奥へと向かっていった。
キラも一瞬呆然とした後、すぐに彼女の跡を追いかける。
362勝手に予想:03/01/19 07:17 ID:???
そこに、彼女はいた。
ドアを開けっ放しにした自室で、出口に背を向けたまま肩を震わせている。
キラはその姿を見ると話し掛ける事をやや躊躇った後、
まるで確認するように声を絞り出した。
「フレイ……今聞いた事だけど」
「この間、先生に言われたの。もう3ヶ月にさしかかるんだって」
キラの言葉を遮る感じで、あまり抑揚のない口調のままその先を続ける。
「私も信じられなかったわ。まさか、って。でも事実なのよ」
「……………」
「アナタ、以前に私に言ったわよね。『AAを守る、君も守る』って」
「あ、ああ」
すると、フレイは急にこちらに向き直ると、まるで怒ったように言い放つ。
「じゃあ、最後まで自分の言ったことに責任を持ちなさいよ! 
 一人では逝かないって約束してよ!
 『私たち』を守って、守って、この戦争が終わるまで守り抜くの!
 でなきゃ、でなきゃ……許さない………から…っ……」
最後は涙声になりながら言葉を結ぶと、フレイはキラに飛び込んできた。
キラは戸惑いながらその華奢な身体を受け止める。

小さな嗚咽と共に身体を揺らすフレイに、キラはようやく応えた。
「フレイ……約束する。もう一度ココに戻ってくるって」
「キラ………」
見上げる顔と見下ろす顔。その二つが絡み合った時、二人の唇は自然と重ねられた。
短い、だが深いキス。
ハァッ……。
触れ合った部分を離し、互いに熱い吐息を漏らしたあとで改めてキラは話し掛ける。
「死ぬもんか、この戦いで。生き残ってこの先の未来を掴み取ってみせる。
 僕のためにも、そしてキミ達のためにも」
そしてフレイの身体から離れると、最後にこう言った。
「だから………そうなるよう信じててくれ」
363勝手に予想:03/01/19 07:17 ID:???
『ストライク、発進準備完了」
「了解、ストライク、カタパルトにセット」
『キラ、死なないでね?』
「ああ、ミリィ。わかってる」
ガシュンガシュン―――
「キラ=ヤマト、ストライク、出ます!!」

ラストシーン、避難ルームで、両手を組み目を閉じているフレイ―――、

―――あんなに一緒だったのに〜♪  

ついでに
『次回予告』
二人の間に宿った種(いのち)。
その事実は、否応無しに子ども達を大人の段階へと押し上げた。
自分より守るべき存在がある事を知った時、少年は少女の想いを胸に秘め、
混乱を極める戦場を閃光の如く駆け抜ける。

次回、機動戦士ガンダムSEED
『自らの子(シード)の為に』
未来への道を、その手で切り拓け、ガンダム



後半に入って、なんかフレイの企み(?)も自分から暴露して、
キラも少し理解は示したけど、明らかにギクシャクした後に〜・・・・・・ってな感じで。
キラが未だにストライク乗ってたり不自然だけど、そのへんはご勘弁。