>>595 えーと、ファーストの中のセイラとアムロのやり取りの中で、セイラがアムロに
「藻前はどっちかつーとνつーよりオールドなタイプだ罠。おaだし(藁」
といってからかう一幕もあったしね。原作ではアムロもシャアもカミーユも
ハマーンもうじうじと過去を引きずる人物として描写されているので、厳密には
おaとニュータイプ云々に相関はないのでしょうが、まあ文脈上こんなところかと。
「妹を大切にしてくれているようだな」
「え、ええっ?」
一瞬、アムロは何を言われているのか分らなかった。しかしすぐにセイラのことだと思って、
「ま、まあな」
と答えてみたものの、俺は何を答えてるんだ、と恥ずかしくなってしまった。
見れば、シャアは唇の端に笑いを浮かべている。
「何を言わすんだ」
「その方が私にとってもありがたいのだよ」
コクピットに到着し、赤面したままのアムロが先に乗り込もうとすると、
「君に乗せてもらうことにして、よかったと思っている。今のままでは、すぐに落とされる」
およそシャアらしくもない気弱さを感じて、アムロは彼の顔を見た。
「迷うことはないはずだ。君しか、今のエゥーゴを率いる者はいないんだから」
サングラス越しの瞳が、今度はアムロを射るように見た。
「自分ひとりの運命さえも決断できない男がか?」
声音からは、皮肉と自虐と、その他いろいろな感情が潜んでいる。大舞台を前にして、シャア程の男であっても緊張してるのかなと思った。
だからアムロは、叱咤激励の意味も込めて、
「大衆は常に英雄を求めているのさ」
と言ってやった。
「自分に道化を演じろ、ということか?」
「あなたに舞台が回ってきただけさ。シナリオを書き替えたわけじゃない」
「アムロ」
「人は変わっていくものだろ?」
「ああ、そうだな」
目を見張るほどにまで復活したアムロに対して、シャアは頼もしさを覚えた。反対にアムロは軽く武者震いをした。
戦場へ再び戻ろうという緊張感のなせることである。
「いこうか」
「ああ、頼む」
かつて何回も血みどろの死闘を繰り広げた二人が、同じ席に乗り込んでいく。運命の女神がさせるのだが、何とも皮肉なことであった。
シャアもアムロもそれが分かっているために、無言だった。見ていたセイラにもハヤトにも、伝わる運命の皮肉はおかしく、また痛々しいものである。
>>596 ご丁寧にどうも。
まあまあ人間なんて、過去を引きずるものですしね。
そんな自分はやっぱりオールドタイプです。
いよいよクライマックスですね〜。楽しみです。
600ゲットだぜ!
職なりたんいつも乙だ!
乙です!
アムロとシャア。この二人のこゆ場面いいですね。
アルテイシアもそうですが。。
やっぱり、Zはこうであってほしかった。
あとちょっとなんでしょうか。
頑張ってください!
ダカール上空に到達したアウドムラを迎撃の防空ミサイルが出迎えた。指揮するハヤトはそれらを巧みに回避し、早くもモビルスーツ部隊の降下をさせる。
デッキの中から発進するアムロは、背後のシャアに、
「ミサイルに当たらない事を」
すかさず返事が返ってくる。
「祈っているさ」
降下するカラバモビルスーツ部隊の編隊を二つに分割した。片方にカミーユのゼータを編入して、ダカール基地の部隊を陽動させ、もう片方は自分がシャアを運んで、地上で待っているベルトーチカに引き渡すのだ。
「敵に降下地点を探られないように分かれよう。無駄な戦いは避けろよ」
「了解」
短いカミーユの返事を聞いてから、ディジェは旋回する。待ち合わせの場所はもうすぐそこであった。
「あそこか?」
原野に一台の車輌が見える。援護のネモを率いて、アムロは急降下させた。
ドダイ改が着地し、シャアはディジェから降りていく。一瞬、アムロを振り返り、
「では、いってくる」
「ああ・・・注意して」
シャアが笑った。そして近づいてきたジープに乗り込んでいった。
運転席のベルトーチカにも、
「気をつけて、ベルトーチカ!!」
「あなたも」
発進するジープを見送ってから、アムロは戦場に戻るため飛んだ。浮上の途中、接近する可変型モビルスーツが数機目に入った。
北米で執拗にアウドムラを追撃した機体である。
「モビルスーツ隊?シャアの演説が終わるまでは!」
せめてシャアの演説が始まるまでは近づけさせない、アムロは照準を定めていた。
アムロとカミーユが陽動のため必死に戦っている頃、シャアは急いで閉会間近の議会に乱入し、壇上に立った。
短期間でここまで工作ができたのも、ベルトーチカ以下スタッフの努力と、ニューホンコンに勢力を持つルオ商会の協力があったこそであった。記者を装い、憲兵や警備員が乱入者を摘み出すため壇上へ近づこうとすると制止する。
シャアはルオ商会の勢力が深く浸透していることに気づきながら、演説を始めた。
>599
クライマックスですよ。楽しんでもらえたらいいですのけれど。
>600
600getおめでとうです。(w
読んでくれてありがとうです。
>601
二人がじゃれあうとほのぼのします。(w
保守しときます。
いいね。
議会の方と、このテレビを見ている連邦国国民の方には、突然の無礼を許して頂きたい。
私はエウーゴのクワトロ・バジーナ大尉であります。話の前にもう一つ知ってもらいたいことがあります。
私はかつて、シャア・アズナブルという名で呼ばれたこともある男だ!!
どよめき。ジオンの赤い彗星が、生きて、目の前にいる。
議員達も放送を見ていた市民も固唾を呑んで発言を待った。
私はこの場を借りて、ジオンの意志を継ぐ者として語りたい。
勿論、ジオン公国のシャアとしてではなく、ジオン・ダイクンの子としてである。
ジオン・ダイクンの意志はザビ家のように欲望に根ざしたものではない。ジオン・ダイクンがジオン公国を作ったのではない。
現在ティターンズが、地球連邦軍を我が物にしている事実は、ザビ家のやり方より悪質であることに気づく。
人が宇宙に出たのは、地球が、人類の重みで沈むのを避けるためだった。
そして、宇宙に出た人類は、その生活圏を拡大したことによって、人類そのものの力を身につけたと誤解して、ザビ家のような勢力をのさばらせてしまった歴史を持つ。
それは不幸だ。もうその歴史を繰り返してはならない。
「兄さん」
アウドムラのテレビに映った兄を見つめながら、セイラは呟いた。
兄を「鬼子」と呼んだこともある。できもしないことに執念を燃やした兄のことを、そう表現した。
宇宙に出ることによって、人間はその能力を広げることが出来ると、なぜ信じられないのか!
我々は地球を人類の手で汚すなと言っている。ティターンズは、地球に魂を引かれた人々の集まりで、地球を食い潰そうとしているのだ!
人は長い間、この地球というゆりかごの中で戯れてきた。
しかし、時は既に人類を地球から、巣立たせる時が来たのだ。
その期にいたって、なぜ人類同士が戦い、地球を汚染しなくてはならないのだ!
地球を自然のゆりかごの中に戻し、人類は宇宙で自立しなければ、地球は水の惑星ではなくなるのだ!
このダカールさえ砂漠に飲み込まれようとしている!
それほどに地球は疲れ切っている!
今、誰もがこの美しい地球を残したいと考えている。
ならば、自分の欲求を果たす為だけに、地球に寄生虫のようにへばりついていて、よい訳がない!
動揺する議員達、いやルオ商会の息の掛かった議員達だけではない、ダカールを守る連邦の兵、ティターンズの兵士達の一部ですら、演説に聞き入る者がいた。
しかしたった一人、キリマンジャロから追い掛けてきたジェリド・メサだけが違った。
ジェリドは演説を阻止すべく、放送施設の破壊を思い立つ。それがまたテレビに撮影されることになった。
現にティターンズは、このような時に戦闘を仕掛けてくる。
見るがいい、この暴虐な行為を。
彼等はかつての地球連邦軍から膨れ上がり、逆らう者は全てを悪と称しているが、それこそ悪であり、人類を衰退させていると言い切れる!
テレビを御覧の方々はお分りになるはずだ!
これがティターンズのやり方なのです。我々が議会を、武力で制圧したのも悪いのです。
しかしティターンズは、この議会に自分達の味方となる議員がいるにも関わらず、破壊しようとしているっ!
ジェリド・メサだけを責めるのは気の毒であろう。彼はカミーユ・ビダンを憎むが故に、ひいてはエゥーゴとカラバそのものを憎んでいた。
だから任務に忠実であろうとし、放送施設を破壊しようとした時、仲間と信じていたティターンズの他の兵士達から妨害されたことを喜劇だと思った。
「戦闘中止命令です!」
「この戦いはテレビで報道されています!!連邦の国民を敵に回す訳にはいきません。上からの命令です。撤退して下さいっ!!」
「ちっ、エゥーゴの戦術に乗っちまって、それでいいのか!」
シャアは己を茶化してみせたが、実はこの日、一番の道化になってしまったのは、復讐に熱く燃えていたジェリド・メサであった。
>604
どうも。
>605
どうもです。
二回載せましたが、実はGWに伴って、出掛けます。
次に書くのは・・・5月3日頃です。
では、また。
はぁ〜い、乙です。
職なりさん乙!
しばらく充電するのも気分転換になってイイかもね。
今年は熱海の温泉でのんびり過ごすよ。
保守
セイラさんとアムロの短編も読んでみたいですね。
三日まで待ち遠しいなぁ〜
本当なら彼には1週間の休暇を与えたいとこなのだがな…
(ウロ覚え w)
職なりさん乙!3日まで股間を熱くしてまってるぜ!
寂しいからセイラの同人誌買いあさってる今日この頃。
保守
617 :
通常の名無しさんの3倍:03/04/30 23:40 ID:6I2Io3y9
保守
移転記念
帰ってくるまでは保守
621 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/01 11:00 ID:LfiTaQcl
age
後少しです。保守
もうちょっとだね。
624 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/03 01:18 ID:WxWgo40b
保守
職なりたん可愛い
騒ぎに紛れて脱出したシャアとベルトーチカを回収したアウドムラは、再び大西洋へ抜け出た。
やはり今回も殿を務めたアムロがデッキに降りると、意外にもベルトーチカが待っていた。
ベルトーチカは明るく、
「アムロやったわね!」
「君のお陰さ。作戦参謀は何だかんだって君だものな」
嬉しそうな笑顔につられてしまった。
ベルトーチカはモジモジしていたが、やがて手を後ろに組み目を閉じた。
「じゃあ、ご褒美」
とキスをせがむのである。
アムロは呆気に取られたが、辺りを見回した。
(誰もいない)
ベルトーチカ達工作班がよくやってくれたのも分かっている。セイラがいてくれないということに少し気分を害しているのもある。
しかし期待するベルトーチカの思いとは異なり、くちづけは一瞬だけ額に触れるだけに留まった。
「あん、ケチ!」
「みんないるしさ、じゃ、またな」
名演説だった、というハヤトの賛辞に対して、シャアは笑ってみせた。笑顔はどこか寂しく、グラスを片手にしたアムロにはそれが気になる。
(シャア、どうしたのだ?)
と、そのままシャアは部屋を出ていった。
気づけば、飲み物を配っていたセイラが手を休めてアムロを見ていた。その眼差しの、何と切ないことか。
手を上げて合図を送った。俺に任せて、との意味である。
祝杯を交わす同志達の間を潜り抜けて、アムロも外に出た。
>609
どうもです。
>610
気分転換してきました!
熱海ですか・・・渋いですね。
>611
どうも。
>612
短編ですか。難しいですよね。
>613
すいませんでした。
>614
一週間!!欲しいです。(w
>615
ど、どんなの入手しました?
>616,617
どうも。
>618
???
>619
移転したんですよね。
>620
ありがとうです。
>621,622,623,624
どうも。
>625
可愛い?
そうですか?鏡見てきます。
お待たせしました。
移転して人大杉も解除ですね。
保守して頂いてありがとうございました。
職なりさん!帰っておいで♪
鯖が死んでいたときはどうなるかと思いましたが
職なりさん復活乙です。
お、シャア板が復活している。
職なりさん、お早いお帰りを♪
パーティー会場となったブリーフィングルームのすぐ外で、夕日を浴びるクワトロ・バジーナ大尉ことシャア・アズナブルは、独りたそがれていた。
グラスで唇を湿らし、また外を眺める。美しい金髪に沈む夕日が反射していた。
(考えてみれば、こんなシャアを見るのは初めてだ)
昔は死闘を何回となく繰り広げた。今はどういう縁なのか、共に戦っている。追い掛けてきたアムロは、運命の不思議さを感じずにはいられない。
(おっと、こうしちゃいられない)
「どうしたんだ?」
「いや」
「君のお陰で、エゥーゴもカラバも今までになく盛り上がっている」
シャアは外を向き、ぽつりと言った。
「しかしな、これで私は自由を失った」
珍しいシャアのぼやきにアムロは苦笑した。
「ふふ、そういうことか」
「ああ」
「地球に居残った人を宇宙に上げようというのだ。こんな大仕事に一人や二人の人身御供はいるよ」
「私は人身御供か?」
若干拗ねたような口振りである。
だからアムロはグラスを差し出し、
「人身御供の家系かもな」
と、シャアのそれに重ねてやった。
グラスの澄んだ音色が響き、二人は乾杯する。シャアもアムロも微笑を浮かべて。
ほんの一時の安らぎである。
633 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/07 04:10 ID:UgOwiwlu
>>615 >>627 お帰り〜。で、同人誌の購入リストは、以下↓
20世紀最後の金髪さん、Andorogynous2、ArkAngel
Click!_A.D.2000、Custom3、FZA15、GamePalVII
kinpatuA、Next3、Next8、PotatoMasher14
UnderBlue2000a、UnderBlue2000e
散、エルピー・プルさん、ガンダム、リリーナ様は死なない、
634 :
__:03/05/07 04:10 ID:???
お休みです。ごめんなさい。
ゆっくりと書いてください。
お疲れ様です。
「お前も一緒に飲もう」
声に振り向けば、グラスを持ったセイラ・マスことアルテイシア・ソム・ダイクンが少し心配そうな顔で立っていた。
アムロは黙ってセイラにグラスを掲げた。兄も妹にグラスを掲げた。
セイラは本当は二人に抱きつきたかった。兄も恋人も愛しく、この手に抱きしめたい。
「こっちにきて飲みましょうよ、セイラさん」
「敬語を使ってるのか、アムロ君は?」
「・・・年下だからな、俺は」
兄とアムロが雑談をしていると思った途端、セイラは、胸の奥が締めつけられるような思いに捕らわれた。
・・・こんな和やかな雰囲気、私がずっと探していた感じ・・・
頬を伝う一筋の涙。あっと思った時には、すでにもう流れ、床に落ちていた。
「セイラさん?」
「何でもないの、さあ、兄さん、アムロ、飲みましょう」
再び三つのグラスが重なった。
セイラは途轍もない幸福感の中で笑った。だが笑ったつもりなのに涙が止まらない。心配するアムロが慌てて差し出すハンカチで涙を拭き、また笑った。
>633
これはまたたくさん買いましたね〜
>636
どうもすいません。
>637
いえいえ、どういたしまして。
640 :
通常の名無しさんの3倍:03/05/08 16:57 ID:/NVjZmue
やべぇよ
本気でじんとしちまった・・・
641 :
640:03/05/08 16:58 ID:???
うっかりageちまったスマソ・・・
アムロは、シャアの事お義兄さんと呼ぶのか。
じゃあ逆シャは、兄弟喧嘩だなぁ。セイラさんも大変だねぇ〜
目を覚ましてくれよ、と呟いたカミーユは、フォウの頬を撫でてみた。
生きている証明は、暖かい温もりとすべすべした陶器のような肌が示している。が、しかし。
しかしフォウは目を開けない。瞼を閉じたままである。
「フォウ」
眠れる森の美女のようなフォウの額に自分の額を押し当てる。
ベッドの下に手を入れて手を握った時、カミーユの目から涙がこぼれていった。
作戦はすべてうまくいった。キリマンジャロは陥落し、ダカールでのクワトロであるシャアの演説も上首尾に終わった。そして、その後の脱出もうまくいった。
後は宇宙に戻るだけなのに、フォウだけが。
「起きてくれよ。せっかく一緒にいられるっていうのに」
シャアやセイラに反発するものの、やはりフォウを連れていくことはできないと頭では分っている。なのに、納得できずにいるのは、ハートの問題である。
フォウ・ムラサメから離れたくないのだ。
「こんなんじゃ、次に戦闘があったら、俺、死ぬかもしれないな」
自嘲気味に自分のことを皮肉ってみせた。おかしいのは、渇いた笑いを出せる余裕がまだ自分にあることだった。
「ダメよ、カミーユ君」
険を含んだ厳しい声に振り向くと、ドクターが白衣のポケットに手を突っ込んで立っていた。
「ドクター」
セイラは恐い顔でカミーユを射るように見ている。なまじの美貌のために迫力があった。
思春期の常で、多少の憧れを持って接している年上のエマ・シーンの怒った顔より恐ろしいとカミーユは思った。
>640
あらあら。ではハンカチをどうぞ。
>642
壮大な義兄弟ケンカになってしまいますね。(w
645 :
通常の名無しさんの3倍:
職なりさんHしよう!