ディアッカと俺の関係

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675通常の名無しさんの3倍
ディアッカが黒い子犬を拾ってきた。
友達から預かっているんだと本人は言っていたが、
俺な。見てたんだ。
お前が、雨の中。ダンボールの中でうずくまる黒い子犬の前で、
何時間も立ち尽くしているの。
それに、お前に子犬を預けようって、無謀な奴いないし。

子犬はディアッカに随分となついているようで、
訓練時も、遊びに出たときも、いつもディアッカについてまわっていた。
ディアッカは、そんな子犬をウザイと強がってはいたが、まんざらでもないようだった。
しかし、そんな一人と一匹の幸せな時間も長くは続かなかった。
子犬は日を追うごとに、グングン成長し、
とうとうディアッカが住んでいる、アパートの大家に見つかってしまったのだ。

号泣するディアッカを説得し、大家に呼ばれて来た保健所の職員を追い返し、
子犬を地球にある保護施設に送るよう手配したのは、
意外なことに、いつもディアッカに辛く当たっていたイザークだった。
普段の態度からは想像できなかったが、イザークがディアッカに辛く当たるのは、
ディアッカの性格を心配しての事だったようだ。

その後しばらくしてから、ディアッカの元に手紙がくるようになった。
子犬は、成犬となり元気に暮らしている。という保護施設からの報告だ。
その手紙を何度も読み返し、満足そうに微笑んでいたディアッカは、いま地球に降りている。
会えると良いな。
あの黒い子犬−−バクゥに。