ガンダムの男で、女だったらいいなと思うキャラは3?
「なあ、ウーリン。お前だったら、男から何をプレゼントされたら、嬉しい?」
どうやらオデロは、エリシャに一目惚れしたみたい。
「こういうこと訊ける女って、お前しかいないんだよ」
いつまでたっても、いっつもソバにいる私の気持ちに気がつかないオデロは、こういうことを平気で訊いてくる。
だから私は、ちょっとイジワルしてみたくなった。
こんな無神経で鈍感なオデロなんて、エリシャに嫌われちゃえばいいんだわ。
「私だったら、花とかもらったら、嬉しいな」
「なるほど!そうか、花か!ありがとな、ウーリン!」
オデロの笑顔を見た瞬間、胸がチクッと痛くなった。
オデロが照れながら渡した小さな花束を、エリシャは、オデロの顔に投げつけた。
何が何だかわからないオデロは、怒ることさえできなかった。
「あなた、この宇宙で、植物がどれだけ大切なものか、知らないの!?
この宇宙では、空気も食料も、このハイランドの中で自給自足しなきゃいけないの!
地球で暮してきたあなたたちにとっては、花は美しいだけのものかもしれないけど
私達にとっては、何よりも重要な資源なのよ!」
エリシャが一気にまくしたてる。
「お、俺・・知らなかったんだよ、そんなこと・・」
しどろもどろに言い訳したオデロの頬を、エリシャの平手が打った。
「言い訳する男なんて、大嫌い!」
呆然とするオデロを置いて、エリシャはその場を去ってしまった。
その一部始終を、私は、廊下の陰から見てしまった。
これで私の思い通りになった。そのはずなのに・・・胸が痛い。
「どう・・・だった?」
知っているくせに、こんなことを聞くなんて、私は底意地の悪い女の子だ。
私の言葉に、オデロはニカッと笑いながら言った。
「エリシャさん、すっげー喜んでくれたよ。ナイスアドバイスだったぜ、ウーリン」
私を傷つけないようにと、無理して笑うオデロの優しさが、胸に刺さる。
私が好きな彼は、こんなに優しい男の子なのに、私は彼のことが好きになればなるほど、どんどん、嫌な女の子になっていく。
355 :
プロト ◆xjbrDCzRNw :03/02/24 00:06 ID:c/dhI690
もしもウォレンが女の子だったら・・試しに書いてみました。
ヤザンもそうですが
どうも「死なない脇役」は長編が考えられず、単発ワンシーンネタになってしまう・・・
356 :
CC名無したん:03/02/24 00:34 ID:VUa8fJlf
リュウ=ホセイ
見た目そのままで。
ドズル=ザビ
見た目そのままで。
ロラン=セアック
このままでも十分できるけど
358 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/24 04:06 ID:v9lE5CcM
『月と白き人形と妖精と』(ロラン&ソシエ性別入れ替え)
「クソっ!・・・なにやってんだ?俺は?」
セシルは、自室のベッドの上で、苦々しげに天井とにらめっこしていた。
仕事に遅れたことをジェシカに咎められていたローラ、
その上、その前にローラがどんな目にあっていたか一部始終知っていながら、
助け舟を出すことをせず、冷たく叱りつけてしまった。
『!・・・も、申し訳ありません、セシル、さん・・・』
悲しそうに俯くローラの、「使用人」の顔。
どうして、もっと優しい言葉をかけたりできたはずなのに。
全て見ていながら・・・いや、見ていたからこそ
ローラにいつものように接することができなかったのか?
「・・・なんだって、ローラのことなんかでこんな・・・」
祭の日のローラの肌の感触、ホワイトドールの機械人形、
父親の死、そしてローラの笑顔、
色々なモノがぐるぐると頭の中が回って気持ち悪かった。
コツ、コツと、窓を叩く音がする。
セシルの部屋はハイム家の二階にあるので、このようなことをするのは一人しかいない。
こんな時に・・・やれやれと、ベッドを立ち窓を開きに行く。
「メシェー、たまにはちゃんと玄関から来いよな」
開かれた窓から、メシェーが靴を片手に慣れた足取りでセシルの部屋へ入りこむ。
「いいじゃない!こっから入るのは私だけの特権なんだからさ」
べっと舌を出しておどけてみせる。
「まあな、キエル姉さんとローラ以外に俺の部屋なんかに来るヤツなんてお前くらいだしな」
それとなく口から出た名前に、メシェーの顔が一瞬不機嫌になるのにセシルは気づかなかった。
「ローラねぇ・・・ま、いいや・・・それより、いつまでそうやって女々しく篭ってるつもりなのさ?」
「・・・うっせえな」
チクリと痛い言葉に、つい目を逸らしてしまう。
「ね、私達であいつらに一泡吹かせようよ。お父さんの仇、討ちたいでしょ?」
「親父の仇・・・」
オウム返しに繰り返す。
「そうだよ!・・・・うちの飛行機使ってさ。セシルも大分上手くなってるし、絶対うまくいくよ!」
「飛行機・・・」
机に向かうお勉強が嫌いなセシルがメシェーに誘われてのめり込んだのが飛行機の操縦だった。
が、セシルが納得いかないのは、随分後から練習を始めたローラにあっさり追い抜かれてしまったことだが。
と、またローラのことを連想している自分に気づき、頭を振る。
「・・・ねえセシル、またローラのこと考えてたんじゃないの?」
「な、なんでだよ?・・・ほら、行くぞ!」
360 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/24 04:08 ID:v9lE5CcM
「ふぅ、お野菜はこれでよしっと・・・」
カチューシャの位置を直しながら買い物籠の中身を確認するローラはそれだけで絵になる。
顔見知りの花屋を交わし、気持ちのいい風に目を細める。
「さ、今日はセシルさんの好きな野菜のシチューにしよう。・・・少しでも元気を出していただかないと」
「ローラ!ローラでしょ?」
不意に呼び止められ、振り向いたローラの顔がほころぶ。
「フラン?久しぶり!会いたかったよ〜」
親友に抱きつき、再会の感動を抱擁で示す。
「ローラ、よかった。元気そうじゃない」
「うん、あ、フラン?」
フランの肩にかけられているカメラに気づく。
「スゴイ!新聞記者になったんだ!」
「え?ああ、今は非常事態だし、猫の手も借りたいってさ」
「でもすごいよフランは・・・私なんて」
少し、寂しそうな目をするローラに、フランはすぐ側のカフェを指差す。
「ね、ちょっと寄っていかない?私お給料いただいたところだし奢るわよ」
361 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/24 04:08 ID:v9lE5CcM
「どう?こういうところで飲むコーヒーもいいもんでしょ?」
「え?う、うん・・・」
あまり慣れない店の雰囲気に、どうも落ち着かない。
「・・・フランはよくこういうお店に来るの?」
「まさか。たまによ、たまに。それより、ローラ」
静かにコーヒーカップを置き、一呼吸挟む。
「・・・キースから、聞いたよ」
途端にローラの表情が翳るが、フランは構わず続ける。
「キースもさ、あれで不器用だから・・・まあバカだよね」
まだ黙ってコーヒーカップの中に視線を落し続けているローラの顔を覗き込む。
「やっぱり、気づいてなかったんだ。あいつがあなたのこと・・・」
黙ったまま頷くローラに、溜息をつくフラン。
「多分、地球帰還作戦の随分前から、そういう感じだったよ」
「私・・・」
ようやく、口を開く。
「私、キースに酷いことしちゃったのかな」
(う〜ん、ちょっとズレてるなぁ・・・)
「あー、それははっきり伝えずに暴走したキースが悪いんだから、キースもそれで謝りたいって・・・」
362 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/24 04:09 ID:v9lE5CcM
その仲介を、キースはフランに頼んだのだった。
「だからさ、キースの話だけでも聞いてやって欲しいの。
その後、引っ叩こうが絶交しようが、それはローラの自由だし・・・」
まあ、話を聞いた時に既に自分が引っ叩いておいたのだけでも、と
一つ咳払いを挟み、
「2人だけで会うのが嫌だったら、私が一緒についててあげるし・・・」
そこまで一気に喋ってローラの様子を伺う。
仲介を引き受けた手前、ここで断られたら・・・
「うん、でも一人で大丈夫だよ。キースは大事な友達だし、絶交なんて・・・」
「そう、よかった」
友達、か・・・とは言えなかった。
キースとローラじゃ友達以上にはなりそうもないか・・・
「ところで、ディアナ・カウンターが侵攻してきた日、」
周囲を伺い、声を落す。
「山から出てきたMSにローラが乗って戦ったってキースに聞いたんだけど・・・」
本当なの?と目が問うている。
「え・・・戦った、なんてもんじゃないよ・・・でも」
また、ローラの顔が曇る。
「どうなっちゃうんだろうね・・・」
「そうね・・・」
2人の戸惑いは、地球に馴染み始めたムーンレイスならではのものであった。
「とりあえず、今自分が出来ることをするしかないんじゃない」
そういいながら、フランは膝に乗せたカメラを抱きしめる。
「できること・・・」
「そうよ、ねえローラ?」
不意に笑顔で顔を寄せる。
「あなた、好きな人とか・・・いないの?」
363 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/24 04:10 ID:v9lE5CcM
・・・お待たせしますた。
長〜く間隔が開いてしまい、非常に申し訳ないです。
(そろそろ忘れられる悪寒・・・)
しばらく忙しかったのと、前の書き貯めがロストしてから、
中々スイッチが入らなかったので、お待たせしてしまう羽目に・・・
折角なので、当初の話とちょっと変えて書くことにします。
また、今日の午前中にうpできれば・・・と思います。
ご批判、お待ちしております。
>>プロト様@女ヤザン
(・∀・)イイ!です!個人的にはシロッコとの絡みや、
ΖΖ編が見たい気がしますた!
>>Z-E様
お待ちしてますた!
もう、続き読めないのかと、(´・ω・`)な気分だったとこですた
>>ゾ・・・様@
つ、続きキボンヌゥウゥゥウ!!!
本編以上の泥沼の悪寒・・・
>>プロト様@Vガン
Vガンは序盤の序盤しか見てませんが、
プロト様の書く年頃の女の子の心象はいつも勉強になります〜
いつも、保全してくださっている皆様、エールを下さる皆様、ありがとうございます!
月並ですが、SSでしかご恩返しができない身なので、ガンガリます〜
一人称が「私」になってる以外ロランはあんまり本編とかわらんなw
「僕」の方が好きだな。
「僕」口調の女の子って、かあいいじゃないっすかぁ。
366 :
通常の名無しさんの3倍:03/02/24 06:24 ID:RNAlxemD
ロランは女になっても全く違和感ないな(w
>>365 現実の「僕」口調の女の子ってオタク(つか腐女子)というイメージだが。
たしかに知り合いに一人僕口調の女がいたけどライトノベル読んだりヲタっぽかった。
でも顔が良かったから全て許せた。
370 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/25 00:59 ID:TW+bI/cZ
「月と白い人形と妖精と」(ロラン&ソシエ性別入れ替え)
「好きな…人?」
フランの問いに意表をつかれたローラは、
湯気を出さんばかりに真っ赤になってしまった。
「そ、一人くらいいるんでしょ?そういう人」
ローラの反応を楽しむように、頬杖をつきながら微笑む。
「そんな…そういうの、まだわかんないよ」
「でも、成人式…済せたんでしょ?じゃあ、もう大人じゃないの」
「あ、でもあれは…その」
なるべく、考えないようにしてきた。
白いMSのコクピットの中、布一枚を隔てて
セシルにきつく抱き締められた。
普段からはわからないがっしりとした腕。
全く身動きの取れない束縛の中、
肌に伝わる体温と耳にかかる吐息に、
なぜか、解放を予感していた。
「奥手」なローラも、それが『大人』のする行為への
前段階であることは知っていた。
371 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/25 01:00 ID:TW+bI/cZ
「途中であの、襲撃があって、うやむやになっちゃったし…」
「そっか。あ、そういえば、お勤めしてるお屋敷の年下の子と
成人式一緒だったんでしょ?…その子はどうなの?
可愛い子なの?」
「ごほっ!?ごほごほ!」
「だ、大丈夫?どうかしたの?」
「ちょ、ちょっとコーヒーが気管に…」
「もう…で、どうなの?その子は」
「どうって…セシルさんはいい人だよ。
私にも優しくしてくれるし…」
「くれるし…なに?」
満更でもなさげなローラの様子に、興味をそそられる。
「え…でも、今は…その、セシルさんも大変だと思うし
…やっぱりわかんないや」
「そう。あなた、領主のグエン・ラインフォードの運転手もやってるんでしょ?
あの人って他の領のお嬢様と婚約が内定してるって話もあるけど、まだ独身じゃない。
玉の輿…なーんて、もしかしたらもしかしちゃうんじゃないの?」
372 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/25 01:01 ID:TW+bI/cZ
フランは冗談半分だったがローラは真面目に否定した。
「や、やめてよフラン。グエン様は真面目な方よ。
私みたいな子にも優しく接してくださるし…」
「へえ〜グエン・ラインフォードがね…」
フランが仕事を通して知っていた領主は、
好人物で優秀でもあるが、女性関係では色々と
浮いた噂も聞いていたので興味深かった。
「ホントだよ。この前なんて、私が私服が少ないからって、
服を買っていただいたし…」
「…へ?服…?ホントに?」
呆気に取られたようなフランの顔に、ローラは慌てて手を振る。
「あ、でも、そんな高い服じゃないよ。普通の…女の子っぽい可愛いの」
「う、うん」
「でね、お城で時々着せ見せてくれって」
嬉しそうに語るローラに、フランは黙ってコーヒーカップを口につけていた。
「……」
「フラン?」
「ローラ…あのね」
「うん」
「・・・ま、いいか!」
「?・・・話は?」
この子の場合、多少痛い目見るのもいい勉強か、と思うフランだった。
373 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/25 01:01 ID:TW+bI/cZ
「今日はありがとねフラン」
カフェの前で、2人は別れの挨拶を交わしていた。
「いいのよ、私も丁度よかったし」
「?」
キースの頼みも、半分叶えられたし、とフランは微笑む。
「ねえ、ローラ。好きな人くらい、見つけなさいよ」
「う〜。やっぱり難しいよぉフラン。そういうの。フランは、好きな人っているの?」
「え、私?そうね・・・でも今は仕事の方が楽しいから。
それに、私は、お互いが高めあっていけるような恋愛をしたいし」
「高めあっていけるような恋愛か・・・」
オウム返しに繰り返す。
「ああ、でもそれは理想だから・・・ローラは色々考えないで突っ走るくらいでいいよ」
「どうせ私は子供ですよーだ!・・・って、あれはサムさん?」
こちらに駆けて来るハイム家の使用人の姿に、お使いの途中だったことを思い出し青ざめる。
「お〜いローラ!ここにいたか!」
「サ、サムさんすいません!その、遅くなって・・・」
「そんなこといいんだ!セシル坊ちゃまが、ラダラム様のところの飛行機で無茶を・・・」
続きも聞かず、ローラの顔が真っ青になる。
「ホワイトドールでセシルさんを助けに行きます!フラン、またね!」
「頼んだぞローラ!セシル坊ちゃまを・・・!」
駆け出すローラを、フランは心配げに見送っていた。
「ローラ・・・怪我なんてしないでね」
374 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/25 01:03 ID:TW+bI/cZ
・・・予定より遅めでスマソ
>>364様
それがロランの魔力!・・・かな?
だからこそ、難しい・・・です
>>一人称
「ボク」・・・考えたけど、なんか‘違う’かな?とも思ったので
「私」・・・とさせていただきますた
そういえば、某スレで投下されていた萌え爆弾で、ロランの魔力を再認識しますた。
ガンガリます!
ps・・・今、うpりながら見てたらなんかグデグデですた
ウワァァァンヽ(`д´)ノ
クロノクルの女バージョンが見たいかも
age
>>175 それだったらカテとウッソの生別も変えないといけないな。
378 :
・・・・ ◆iFt60ZwDvE :03/02/26 06:30 ID:F/IQOGNE
・・・・PCがあぼ〜んしてしまったので、
うpできなくなっております。
どうしたものでせう…スマソ
379 :
名無しさん2号:03/02/26 08:51 ID:s7MJN+Dd
ラカンの女性版だったら、年の割には絶世の美女になりそうですね。
褐色の肌に金色の髪は似合いそうな予感が…。
ほぜ
382 :
通常の名無しさんの3倍:03/02/27 10:38 ID:PSbUodb5
穂
384 :
通常の名無しさんの3倍:03/02/28 01:40 ID:PGSOulji
ほっしゅ
385 :
通常の名無しさんの3倍:03/02/28 19:53 ID:utCHdpz3
ほ〜〜〜ほしゅ
386 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/01 02:33 ID:pZc3q5Dc
ほしゅしゅ
ほしゅ
388 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/01 03:29 ID:hIEqhhSJ
ほっしゅ〜!
389 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/01 03:54 ID:hIEqhhSJ
ってか、南極では、女性化祭りが始まっているのか?
女カミーユの盛り上がり方が、このスレとは、方向性が、かなり違うのだが。
漢向けお絵描きが
腐女子の巣窟になってるな…
>390胸付けただけの801だろあれ。
キラ女版
第十話「分かたれた道」より
まどろみの中。
赤い長髪の少年――フレア・アルスターは、夢を見ていた。
母親の夢だった。
地球連合外務次官でありながらも、家庭的で暖かかった母親。いつも自分に
優しくしてくれた母。
別れたのはついこの前だったはずなのに、もう永い間会っていなかったよう
な気がする。ヘリオポリスがザフトに破壊されてから、辛い事ばかりだったせ
いだろうか。
けれど、もうすぐ会えるんだ。
ママ。
話したい事がたくさんある。紹介したい友達も一杯いるんだ。
サニーとだってうまくやっているよ。彼女は素敵なガールフレンドさ。
だから、早く来てくれよ。
あの船だね。ママはあの船に乗っているんだね。
もうすぐ会えるんだよね。早く会いたいなあ。
え?
ザフトが攻めてきたって?
そんな!
ああ、でも大丈夫。大丈夫だよママ。
こっちにだってコーディネーターがいるんだよ。
コーディネーターのくせに、戦いが嫌いなんだって。おかしな奴さ。
そいつがママを守ってくれるよ。
だって、そいつがそう言ったんだ。
ストライクっていう、とても強いMSだってあるんだ。
それで守ってくれるって。ママを死なせはしないって。
だから……
あれ?
ママ、船がひとつ壊れたよ。
危ないよね。
ママの船まで壊れたらどうするんだ。
ママの船が落ちたらどうするんだ。
ママの船が。
ママの船?
ママの船だって?
ママの
「うわあああああぁぁーッ!?」
少年は、そんな悲鳴をあげて跳ね起きた。
「は、っはァ、ふゥッ、はぁ、はァッ……」
「フレア……!しっかりして」
ベッドの上で胸元を握り締めてうずくまるフレアに、サニー・アーガイ
ルが駆け寄る。
「フレア」
優しくなだめる様に、サニーはフレイの手にそっと己の掌を重ねた。
と、フレアは、すがるようにサニーの手を握り締め、顔を上げた。
ひどく脅えた表情のまま、尋ねる。
「ママは……?」
「!」
サニーは、彼の震えた声に弾かれたように、肩を強張らせた。フレアはその
肩を掴み、がくがくと揺さぶりながら問い詰める。
「ママは、ママはどうなったんだ?」
「フレア、落ち着いて!」
「ママはどうしたんだよォ!」
ぎりぎりと腕を握り締めてくる、フレアの手の痛みに耐えながらも、サニー
は懸命に彼を抑えようとした。だが彼はあくまで母親の事を繰り返す。
「ママの船は!?答えてくれよサニー!ママはぁぁ!!」
答えは判っているのだろう。
それでも、彼には現実を受け止める事はできなかった。
彼にできる事は、ただ、泣き叫ぶ事。それしかなかったのだから。
居住区の一室から廊下に響く嗚咽とも咆哮ともつかない声は、通路を歩いて
いた黒髪の少女――キア・ヤマトの耳にも届いた。
(この声はフレア?)
「嘘だ!嘘だ嘘だァ!ママが、ママが死んだなんて、でたらめを言うなァ!」
「痛っ……止めて!」
「フレア、落ち着いて……きゃあ!」
部屋に入るなり、キアは咄嗟に、突き飛ばされたミリアリアの身体を受け止
めた。
「ミリアリア」
見れば、フレアがサニーに覆い被さるようにして、泣きじゃくりながら彼女の
身体にしがみ付いている。サニーは男の腕力でおもいきり抱きしめられ、苦痛に
顔をゆがめているが、それでもフレアを慰めるように抱き返していた。
「フ、フレア」
キアは彼の取り乱しようを見て、キアは――どうしようとした訳でもないが――
彼の名前を呟いた。
「……キア……か?」
ふと、フレアの動きが止まる。
そして、ゆっくりと。フレアはミリアリアの胸元に埋めていた顔を上げた。
「う、うん」
返事をしながらも、キアは彼の憔悴しきった顔に息を飲む。
フレアは、疲れたような笑みを浮かべながら、ゆっくりとキアに歩いてきた。
「……怪我は」
「えっ」
「怪我は、ないのか?」
フレアが口にした言葉に、キアだけでなく、サニーもミリアリアも目を見開
いた。
キアの事を、あれほどコーディネーターだからと忌み嫌っていた彼の口から、
このようなセリフが出てくるとは。
「うん……怪我は、ないよ」
キアは、僅かに頬を染めて俯いた。
嫌われていたと思っていたのに、自分の事を心配してくれるなんて。
やはりフレアは優しい人なんだ。
そのフレアの期待に答えられなかった自分の無力さが、恥かしく、キアは
フレアの目を直視する事ができなかった
「し、心配してくれて、ありがと」
「そうか」
フレアは、目を細めて微笑み、キアの方に手を置いた。
「…………か……」
「……え?なんて言ったの、フレア」
かすかなフレアの声音に、キアが聞き返す。
するとフレアは、作っていた笑いを憎悪の色に染めながら、はっきりと言い直す。
「俺のママが死にそうだったっていうのに、お前は怪我もしない程度にしか戦って
なかったのかよ……!」
「!」
「このッ――コーディネーター女がァ!」
だんっ!
「あっ!」
フレアはそのまま掴んだキアの肩を、壁に叩きつけた。
「何が大丈夫だ!何がママを守るだ!騙しやがって!騙しやがって!」
叫びながら、キアの肩を引き戻しては壁にぶつけ、引いてははぶつけを繰り返す。
「何であいつらを倒してくれなかったんだ!なんでママを見殺しにしたんだ!
畜生!畜生!畜生畜生畜生!」
「……ッ!」
キアはいきなりのフレアの豹変に驚愕しつつも、なんとかその苦痛に耐える。
「フレアやめて!キアだって必死に!」
「コーディネーターめ……コーディネーターめぇぇえええ……」
ミリアリアが止めようとするが、そんな声は耳に入らぬといった風に、フレアは
壁に押さえ込んだまま、怨念のこもった目つきで睨みつけつつキアへ息を切らしな
がら呪いでも吐き出すかのように言葉を紡ぎ続けた。
「そうか……そうかわかったぞ……お前コーディネーターだから手加減してるんだな
本当はザフトに行きたいんだなナチュラルの俺たちなんてどうでもいいと思っている
んだなママよりも敵のほうが大事だってんだな奴等は仲間だから殺したくないんだな
きっとそうだいやそうに違いないこの売女め心の中ではどうせ笑っているんだろ今度
はザフトと密通して俺達を皆殺しにでもするつもりかコーディネーターめ!」
「違うよっ、ボクはそんなことっ……!」
「だぁまぁあああれぇええぁ!」
目を血走らせたフレアの両手が、キアの首筋に伸びた。
「!フレア、何を!」
叫ぶサニー。だがフレアはどす黒い表情で、キアの首を力の限り握り締め始めた。
「お前もママの苦しみを味わえぇっ!」
「かっ……っはっ……!」
憎しみに満ちたフレアの締め付け方は、酸欠どころかキアのか細い首をもへし折
ってしまわんばかりの力であった。
だが。
フレアのその両腕をキアの小ぶりな手が掴んだかと思うと、まるで万力のように
腕の骨をへし折らんばかりの力で握り返したではないか。
「ぎゃあ!」
たまらずキアの首を開放するフレア。
「ケホッケホッ……はァっ、はっ、はっ、はっ……」
ようやく自由になった喉を抑えて、キアは酸素を必死に吸う。
「……化物……」
「!!」
辛い呼吸を繰り返しながら目を上げると、自分の両腕を撫でながら、こちらを
睨むフレアがいた。
コーディネーターの防衛本能が、また作用してしまったのだ。
必死でキアは取り繕おうとした。
「これは……フレア、ボク、ボクこんなことするつもりじゃ!」
「今度は俺を殺すつもりか!この化物めっ!」
既にそのまなざしには、キアを人とすら見る感情もないかのようであった。
『化物』。
そう、彼にとって、もうキアは人間とすら映っていないのかもしれない。
「!……ぅ…………っ!」
かつて恋心すら寄せた少年のそんなまなざしに、キアは耐え切れず、部屋を飛び
出していた。
溢れる涙を、無重力の通路に振り撒きながら。
姓名 キア・ヤマト(女キラ)
階級 民間人
身長 158cm
体重 48`
3サイズ 72・50・79
髪型 黒髪のショート やや前髪長め
性格 平和的かつ内省的
趣味 パソコンいじり
大事なもの トリィ
好みのタイプ フレア(男フレイ)アスラン
恋敵 ラクス
口癖 「ボクは、こんなことをするつもりは!」
一人称 ボク
搭乗艦 アークエンジェル
コメント 「ボクはこんな力欲しくない……。
でも、みんなを守るためだったら、この力を使う」
こんな所でドウカシラ
399 :
通常の名無しさんの3倍:03/03/01 19:57 ID:KeJNN+XR
さいこーっフレアのキャラが「腐った男」ぶりを発揮していて
いいかんじっこのままザフトサイドにも
いって女イザの「壊れ女」ぶりも見てみたくなったっっ
本編よりも断然二人に感情移入できて(・∀・)イイ!
また続き楽しみにしてます。
綺羅は女の名前では
>>399 どうもっす。女イザーク…違和感ないなあw
>>400 光栄の極み。
そして400ゲトおめです。
>>401 そうなんですか?まあ、区別をつけるって事で…
403 :
通常の名無しさんの3倍:
ギンガナム御大将の女性版を、見てみたい。