司馬遼太郎著「コロニーを行く」(二)

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434傷付きイザーク
キラの駆るストライクが旋回させたナイフはデュエルの脇腹にささった。
イザークは叫んだ。怒りからではなく、すさまじい泣き声であった。
根も張りもなく、イザークは、
「痛ぁい、いたぁい」と泣き叫んだ。
とっさに気づかったニコルではあったが、その泣きわめきかたが
あまりにも腑甲斐ないため、ついに粛正を行う決意をした。
本国のイザークママンに通信し、イザークのためにエビグラタンを
差し入れさせた。
なかに、むろん多量の毒薬を粉末にしていれてある。

イザークは母の愛に餓えていた。それを夢中で食った。
ところがこの男の肉体がよほど尋常でないのか、あくる週には
目の傷もろともけろりとしている。
(ああ、このおぱっかが)とニコルは嘆息した。

スマソ。。。