★富野監督より高橋監督を称えるスレ★

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291通常の名無しさんの3倍
 『装甲騎兵ボトムズ ザ・ファーストレッドショルダー』吉川惣司
   あとがき −野暮のルーツ−

 あのジルベスター・スタローンが日本のファンから送られたビデオ<装甲騎兵ボトムズ>を見て、「キリコは俺にしかできない」と熱狂したことは不思議なほど知られていない。
 彼は自分の筋肉過剰もかえりみず、<ブレード・ランナー>のリドリー・スコット監督にボトムズ映画化の夢を語った。<ウド篇>に、彼がスコットを連想したのは無理もあるまい。
 スコットはまず<ボトムズ>の脚本に驚嘆したという。しかし、彼は<クメン篇>を見て一言つぶやいた。「これは、コッポラの仕事だ……」と。
 スタローンはその意見にしたがい、フランシス・コッポラを打診した。たまたま見せたのが<クエント篇>だった。コッポラは大興奮し、こともあろうにあのスタンリー・キューブリックにその場で電話したそうである。
キューブリックは巨匠らしく、初めはとりあわなかったが、スタローンの執拗さに負け、ビデオを見た。それは<クメン篇>だったが、彼は理由を一言もいわずに断った。
彼の<フルメタル・ジャケット>の企画書ができあがったのは、それからわずか二日後だったという……。
292通常の名無しさんの3倍:02/08/27 18:13 ID:???
 結局<ボトムズ・ハリウッド映画化>は実現しなかった。
昨年のローリング・ストーン誌に小さく報じられたその理由−フィアナ役の候補にあげられたマドンナが、
スタローンの筋肉が気持ち悪いといったため、というのはむろん事実無根である。
 真相は日本側にあった。スタローンの申し出を拒否したのはぼくらだったのだ。
 その理由は簡単だ。ぼくらは<ボトムズ>をメジャーにしたくなかった。
「いかにマイナーに徹するか−それがテーマです」
 最初の企画会議のとき高橋良輔監督はこう宣言した。ぼくは本来メジャー指向であるが、
その心意気に感動し、全面的協力を申し出た。
 マイナーへの挑戦はやりがいのある仕事だった。いかにして視聴率を低く保つか?
だれの興味もひかないようにするには、どんな話にすればいいか……
努力の甲斐あって、シリーズが終了してもそんな番組があったことさえ知る者はなかった。
ハリウッド映画化なんてとんでもない、そんな悪夢を拒否するのは当然だった。