「ミネバ様は、まだ、スウィート・ウォーターの、私めの宅におられまする」
「何......?」
「お連れ申すのが、いささか、面映うて......」
と、シャア・アズナブルが通常の3倍顔を赤らめ、
「申しわけもござりませぬ」
「申しわけがない......?」
「はい」
「すりゃ、いかがなわけか?」
「妻に、いたしましてござります」
「妻とは......?」
「ミネバ様を、私めの妻に......」
「何と言われる」
物に動じぬハマーン・カーンも、このときは、かなりおどろかされたらしい。
しばらくは、目をみはって、通常の3倍はずかしげな微笑をたたえているシャア・アズナブルを見つめたまま、
ハマーンは絶句してしまった。
「ジオン・ズム・ダイクンの息子、キャスバル・レム・ダイクンにては、御不満にござりましょうが......」
「なれど」
「は......?」
「無断で、そのような......」
「おゆるし下されますよう」
シャアは、いささかも悪びれずに両手をつかえて、
「つい、つい、契り合うてしもうたのでござります」