1 :
通常の名無しさんの3倍 :
01/10/31 23:51
2 :
新スレおめあげ :01/11/01 00:03
もしもし・・・もしも・・・ ああ、母さん? 僕だよ、ヒロシ。 急なんだけど・・・明日、出撃なんだ。 行く前にどうしても母さんの声が聞きたくなって・・・ ・・・ 泣かないで、母さん。 僕は絶対帰るから。 死んでも帰ってくる! あ、死んだらダメかぁ! ハハハハ ・・・とにかく! 今は泣かないで。 その涙は本当に僕が帰らなかった時に為にとっておいて。 その時は、誰にも知られずに死んでいった僕の為に 泣いて欲しい。 だから・・・ 今は・・・ 泣か・・・ない・・・で。 実はコレ、誤爆スレにネタで書き込んだヤツです(ワラ 新スレなのにあいかわらず電話ネタでスマソ。
3 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/01 00:05
おめage
けたたましい電子音がウェルディアを急き立てていた。 −どうして目覚ましなんか掛けたんだっけ? 彼女は考えた。寝起は良い性質の筈なのに、何故か今日は頭の中が霞か靄でもかかったかの 様にはっきりしない。寝ぼけているのだろうか? −セルマとショッピング...は来週だし、レポートはおととい全部提出した...よね。 彼女は考えた。だいたい今日は日曜日だ。それならいつも朝10時までは寝ている習慣だっ た。別に早起きする理由は無い。 −そういえばゆうべは、振られたミリィを慰めるってみんなで飲んだんだ...っけ? 彼女は考えた。頭の芯がズキズキと痛む。少し吐き気もする。でも、少し飲んだだけで直ぐ に顔が朱に染まるのが恥ずかしくて、二日酔いする程の深酒などしたことは無い。 −あ、アインシュタインか... 彼女は考えた。いつも彼女の顔を見ると千切れんばかりに尻尾を振って遊び相手をせがむ、 ゴールデンレトリーバーの愛嬌のある顔が思い浮かんだ。そういえば、母親から散歩の当番 を替わって欲しいと言われていた様な気もする。 −ごめん、アインシュタイン。あと15分で良いから寝かせて、お願い... 心の中で飼い犬に謝罪しながら、目覚まし時計を止めようと伸ばした手は、しかし目的の相 手には辿り着かなかった。 −あれ?時計...どこだっけ? 手探りでいくら探しても枕もとにある筈の目覚まし時計は見つからない。 よく聴けば、いつも愛用しているアンティークの目覚まし時計とは電子音が違っている。 でも、それは確かに聞き覚えのある音であり、しかもその音には何か重要な意味が込められ ているのも知っていた。じゃあそれなら、この音は一体...? ...そこで、我に返った。 着ているのはコットンのパジャマでなくパイロット用のノーマルスーツで、 背中の下にあるのは柔らかいベッドでなく耐Gシートの背もたれで、 鳴っていたのはアンティークの目覚まし時計でなく... コックピット・ブロックからの酸素流出を知らせる警報だった。 背筋が総毛立ち、冷たい汗が首から一雫、伝って落ちた。 −気絶してた?何分? −ここは一体何処?戦闘は? −味方は?302は?小隊長は? 状況が把握できなかった。自分が何処に居るのか。味方はどうなったのか。 矢継ぎ早に浮かぶ疑問への答を推測しながら、指をコンソールの上で懸命に踊らせた。 彼女の乗るボールのコックピット・ブロックの内殻は、それぞれ可動部分を持つ個々の小さ なユニットが幾層か、パズルの様に組み合わされて構成されている。被弾時の酸素流出はこ のユニットの配列と可動部分の操作で、ある程度まで食い止める事ができた。 この操作で対処できない量の酸素流出が生じる損傷を受けた場合は、時間の問題でその機は 墜ちる。機体を捨てて逃げる事を考えた方が安全だった。
コンソールを叩き続けてどのくらい時間が経っただろうか、コンディションディスプレイの 酸素流出箇所を示す表示が次々と減っていき、やがて警報が止まると同時にすべての箇所が 安全を意味する緑色表示に変わった。 取り敢えずバイザーに嘔吐した胃液を拭こうとヘルメットを脱いで、彼女はため息をついた。 記憶が徐々に戻ってきた。初めての出撃で敵のモビルスーツに蹴り飛ばされ、マシンガンの 連射を浴びてメインバーニアにも姿勢制御スラスターにもダメージを受け、何も出来ないま まコックピットの中で振り回され、失神して...今ここにいる。 つまり、仲間から逸れての単機漂泊だった。 こういう状況での対処方法は、特に念入りに訓練で教え込まれていた。 先ずは機体と自分自身の状況を的確に把握しなければ何も始まらない。 彼女はコンディションディスプレイをチェックした。 ...直ぐに、しなくても同じだったと後悔した。 外装パーツ類はほぼ全滅だった。180ミリ砲は中ほどからへし折れ、マニュピレータは 左右ともに基部から喪失している。比較的ダメージに強い設計のそれらのパーツがその状況 なのだから、センサーやカメラ等のデリケートな部品が無事で済む筈も無く、辛うじて使用 可能なのは可視・不可視を問わず敵機からの照準用レーザー照射を探知するロックオンアラ ートと、失神する直前、最後の射撃に使った180ミリ砲マウント基部のサブカメラのみ。 内装システムは損傷の程度こそ軽微だったが、役割からすればそれも大した意味は無かった。 火器官制システムも通信装置も使用に問題は無いものの、前者はもはや180ミリ砲の弾薬 切れを知らせる事しかできず、自分の位置が解らない現状では、後者を使っての救援要請は まだ出せない。何故なら、自分の位置が解らない故に味方の位置も解らない為、救援要請は 一定の範囲に相手を特定せずに発信する無指向通信しか出来ず、その無指向性の救援要請は、 つまり自分の位置を敵に対しても知らしめる可能性を孕んでいるからだ。 ところが統合策敵システムは、外装パーツのセンサーに受けたダメージが深刻で、策敵限界 範囲が驚くほど狭くなっており、策敵範囲内に敵影が無いからといって、それが滞在宙域で の敵機不在の証にはならない。更に、どうにか流出は止めたものの、酸素残量はノーマルス ーツのバックパック分を入れても約2時間足らず... 機体を隅々まで調べても、状況が好転する様な材料は何一つ無かった。 このまま誰にも見つけられずに、この宙域で自分は1人きりで死ぬのだろうか... 戦場でのパイロットの死とは、もっと速やかな、瞬間的なものだと思っていた。 敵機に撃墜されて爆死、ビーム兵器でコックピットを撃ち抜かれて蒸発、そういうものだと 思っていた。こんな、酸素残量のインジケータを見つめながら己の命の残り時間を指折り数 える様な、緩慢で静かでそれでいて確実な死など、考えていなかった。こんな残酷な死など、 考えては、いなかった...
ウェルディアはどんな状況でも最後まで自分の力を信じるタイプの人間だったし、そうい う自分の性格を誇りとして今まで生きてきた。だから、自分の身に死が訪れるというのなら、 突き付けられた銃口が火を吹くその瞬間まで、死神の鎌の冷たい刃が首に触れるその瞬間ま で、残された可能性を探して足掻き続ける覚悟で軍に入隊もした。 だが、たった一人で静寂の闇に放り出され、損傷だらけの機体に乗ったまま何処とも知れぬ 空間に漂う今の状況では、迷路に嵌った思考が陰鬱な方向に向かってしまうのを、彼女自身 にも止められなかった。 −こんなところで...一人ぼっちで... 涙が一粒、零れて落ちた。今日一日で何度も流して、もう枯れてしまったかと思っていた涙 がまた、流れてきた。いっそ、本当に枯れてしまえばいいのに...彼女は思った。 −ん?あれ? 見落としに気付いたのは、その時だった。サブディスプレイの一つ、今では唯一外界の状況 を光学的に捕らえることができる180ミリ砲のマウント基部に設置されたサブカメラの映 像が、一瞬前と違っていた。彼女はノーマルスーツの袖で慌てて涙を拭いた。 −なんだろ、これ...ザク? 彼女は目を凝らした。最大望遠にしてみてもそれは小さく、殆ど周囲の残骸に隠れてしまう 程の大きさでしか映っていなかったが、間違いなくザクだった。しかし、無人の残骸が漂流 していると言われればその様にも見えるし、機体に気を使い慎重に進んでいる様に見える。 −あ、まずい。 不意に方向転換したザクは、小さなサブディスプレイからフレームアウトした。 ウェルディアは、半死半生の姿勢制御スラスターを総動員して、ザクをディスプレイに収め るべく、コントロールスティックを操った。 しかし、推進系へのダメージは彼女が思っていた以上に酷く、コントロールもままならない。 見失う訳には行かなかった。もしあのザクが残骸でないのなら、助かるかも知れない。 その時、悪銭苦闘する彼女の耳に、不意に鳴ったその通信は届いた。 『ザッ...そこの連邦軍パイロットに告ぐ。投降せよ。...聞こえている筈だ。コード を合わせろ。もう一度繰り返す。速やかに投降せよ...ザッ』 独特な訛りのある口調で高圧的に語られるその内容。それは間違いなくジオン軍の、そして 恐らくは、サブディスプレイから消えたあのザクのパイロットからの通信だった。 あのザクは残骸などではなかったのだ。 一人でないのなら、生還の可能性が生まれ、新しい可能性ができれば彼女の頭脳は冴える。 既に彼女は天性の、およそ新兵に似つかわしくない程の冷静さで、 自分が打つべき最良の初手を静かに考え始めていた。
まずは新スレ、おめでとさんです。 長文スマソです。旧スレからの続きで、タイトルは "Reach For The Sky"と言います。(;´Д`)
8 :
誰が為に球は泣く3/8 :01/11/01 08:05
「やべぇな・・・」 ひりひりと痛いほど喉が鳴る。 その時、視界の隅で何か光った気がした。 俺は咄嗟に外部の光源を全て落とす。 周囲が途端に闇に包まれた。危なっかしいが、それどころじゃない。 そのままゆっくり機体を左に滑らせながら、目を凝した。 千切れ飛んだブリッジがゆっくり移動しながら漂っているのが微かに見える。 その脇に、やけにこの場にそぐわない影が寄り添っていた。 小型艇・・・? 突然複数の光が忙しなく明滅した。 発光信号! 「ひよこども逃げろ、全速で逃げて応援を呼べ!」 俺の叫びと同時に、さっきまで俺がいた空間で爆発が起きた。 衝撃波に煽られる。 船体の一部にでもあたったのだろうか。とんでもなく正確な射撃。こいつら只者じゃねぇ。 次いで広がる巨大な光の輪。照明弾だ。 明らかに分が悪い。俺は右旋回しながら一目散に逃げた。 至近でいくつも爆発が起きる。上手い具合に破片が守ってくれているらしい。 悪いが火葬は宗旨に反する。天国を目指す身としては、当たるわけにはいかねぇのよ。 小さい残骸には構ってられん。 ガンガン跳ね飛ばしながら、もと来た道をぶっ飛ばす。 「おい、逃げてるんだろうな。下手な色気出したら俺が殺すぞ!」 残してきた二機から返事がないのが余計俺を焦らせた。 ああ、くそ冗談じゃねぇ。追尾されてるのは見なくても分かる。 もしあいつらが妙な義理なぞ感じて待ってたりしたら、ますます手がつけられない。 ガラクタの海が途切れた。 今度こそ全速で逃げ切ってやる。 こいつら一戦やって弾薬も推進剤も心もとないはずだ。 逃げ回っていれば、いつかは諦めるはず。さもなきゃ味方の懐に呼び込んで・・・ 目まぐるしく計算している俺の思考を、一気に停止させる光景が飛び込んできた。
9 :
誰が為に球は泣く4/8 :01/11/01 08:08
ボールが、ボールが、二つ。ぷかぷかと浮いてやがる。 コクピット辺りにぽっかりと丸い穴をあけて。お前ら、何を、仲良く一緒によぉ。 おれぁそういうの、笑えねぇんだよ。嫌いなんだよなぁ。 道理で返事がねぇわけだ。 死んでるんじゃあ、しょうがねぇよなぁ。 おっと、いたよ、まだいたよ、お前さんがやってくれたのかぁ。 なんだ、ザクじゃねぇな。見たことねぇ面だ。 新型かぁ、なんかごっつくてつよそうだな。へぇ、その棒みたいので、突いたわけねぇ。 へへ、へへへっ。 やったな。 やりやがったな・・・ 「てめぇえええっ!!」 ドスン。 急加速で背中がシートに押し付けられようとする。 だが身体が前に、前に、出ようとして抑えられねぇ。 新型も棒を手にこっちに突っこんで来た。 一瞬で距離が詰まり、野郎の棒が突き出される。 ばぁかが。 そんな長い獲物、この相対速度で当てられるかよ。 微かに上に流して、俺はそいつをかいくぐった。 目の前一杯に広がった十字型のモノアイに、俺は右のマニピュレーターを突っ込む。 激しい振動。マニピュレーターは根元から折れたらしい。 「ふぐぁっ」 俺はスロットルを全閉にして左右のスティックを力任せに捻り、間髪入れず全開に戻す。 教本にゃ絶対載ってねぇ強度限界無視の機動だ。 気が遠くなる程の複雑なGが俺の身体をベルトとシートに叩きつけ、脊髄が音を立ててきしむ。 あらゆる筋肉を動員し、力の限り歯を食いしばって俺はそれに耐えた。 機体は思い描いた動きで、完璧に新型の背後を取る。 無理にぶん回して照準に狂いが出ていてもおかしくは無い。 だが、この距離なら関係ねぇ。 俺は一瞬の躊躇いも無くトリガーを引いた。 鈍い反動と共に打ち出された180ミリ砲弾は、真っ直ぐ背中から腹に抜けていき、新型は動かなくなった。 口の中を何かが転がっている。 俺はヘルメットを脱いでシートの後ろに放り投げた。 吐き出してみると、血にまみれた奥歯だった。
10 :
腐ったミカソ ◆CFyZAKU2 :01/11/01 09:00
親愛なるボブへ 久しぶり、元気にしてるか?突然の手紙でびっくりしてると思う、俺もこんな手紙を 書くなんて、何年かぶりだ。ところで、アジア方面はもう落ち着いたんだろうな、オデ ッサはどうだった?おまえの事だから、きっと何機か落としてるに違いないよな。 俺の方は明日、軍の招集が決定したよ。俺もいよいよ実戦に参加するって訳さ、おまえに 負けないように頑張るよ。またいつか、士官学校のいた頃みたいに、酒を飲める日のために。 トリアーエズでの訓練後の奢り・・・今でも忘れなていからな。ちゃんと返せよ。 俺は生きて帰る、必ずな。あんな人型に負けはしない。 0079.12.07 リーク=アンダーソン
11 :
名も無きNT :01/11/01 09:37
ザク3・・・ドム2・・・友軍は・・・ほぼ壊滅か・・・! ・・・駄目よ!私達の負けは、もう決まったのよ! だけど、捕虜になる訳にはいかない!この船を・・・逃がすことぐらいはできる! 駄目!ジムで・・・ジム一機で何ができるの!? 俺がここまで戦い抜いて来れたのは・・・お前のお陰なんだ・・・ 艦長!・・・俺の女神は任せたぜ・・・! 艦長「すまん・・・後のことは・・・任せておけ・・・」 メカニック「ボール射出!少尉、ご武運を・・!」 艦長「よし!全速前進!・・・少尉の為にも、人型に捕まるな!!」 行ったか・・・さぁ!来い!ドムを墜とした実力!見せてやる!! ジオン兵「へっ!邪魔すんじゃねぇ!」 効率よく相手を・・・!センサーを狙えば! ドムのジャイアント・バズを寸でで避け、刹那 B・サーベルで頭部を串刺しにする。 ジオン兵「な!何だこいつは!?ま、まさか・・・NT・・・!?」 ・・・ちっ!!そこか!? ビームスプレーガンをザクの体に叩き込む。 ジオン兵「がっ!?あああ・・・母さんっーーー!」 ・・・!な・・・なんだこの感覚は・・・!!き・・・気持ち悪い・・・! ジオン兵「動きが停まった!頂くぜっ!」 ・・・・ か、艦長!うわぁぁぁーーー!ど、ドムがぁぁぁーー!! ジオン兵「へへ・・・階級章は頂きだっ!!!」 右舷エンジン、ひ、被弾! 艦長「くっ・・・」 今回の作戦・・・よかったのですかな? ふっ・・・連邦にとって兵士など・・・腐るほどある・・・シュミレーションのコマさ・・・ それに、敵基地は、特定できたのだ・・・無駄死にではない・・・ はっ・・・
新スレおめあげ〜!
13 :
女流新人 1/2 :01/11/01 10:50
お初に書かせていただきます。よろしくお願いします。 TRRRR… TRRRR… 『ありがとうございます。『Cat's House』でございます』 「ああああ、あの…あの…」 受付の、ボーイさんて言うのかな…黒服の人の声が聞こえてきて、僕は緊張でどもってしまった。 体がふるえてる。…これも緊張のせいなのかな? 「ああ…あ、あの、ツキコさん、いらっしゃいますか?」 『申し訳ございません、従業員と直接のお電話はご遠慮いただいておりますが……』 やっぱり。 予想してたけど、ああいう店の女の子といきなり電話で、なんて、やっぱり無理…みたいだ。 僕はそれでもほんの少しだけ勇気を出してみる。 「え…あの、そ、そこをなんとか…」 『大変申し訳…あ、…え?…………お客様、少々お待ちいただけますか?…』 突然、電話が保留音に変わった。 僕、なにかまずいことでも言ったのかな、と思っていると、メロディがとぎれた。 「あ…」 『hello?』 どきん、と心臓がものすごい音を立てた。 「えっ…ツ、ツキコ…さん?」 『くすくす…あなた、この間の兵隊さんでしょ?お友達と二人でみえた』 「あ、はい!ヤンニ・カレンコフ伍長であります!」 …………しまった。 思わずしゃっちょこばって、声までひっくり返して受話器を握りしめる僕。 ここが電話ボックスじゃなければ、他の連中にまで見られてるところだ。 『今日…出撃じゃなかったの?』 かちん、しゅぼっ…と電話の向こうでライターの音がした。 彼女がベッドの上で吸っていたタバコの香りが、急速に脳裏に蘇る。 「はい…あと1時間で、出撃……です」 『そんな堅苦しいしゃべり方やめなさい。リラックスしないと、宇宙に出る前に血管切れちゃうわよ?』 「はい…う、うん…」 きゅうっ、と下半身に血が集まるのが分かった。う、は、恥ずかしい…。 『…で?』 「え?」 『怖くなったの?』 ずきずきと痛みすら伴うほどに、心臓が高鳴っている。 興奮と、恐怖。 『正直に言ってごらん。…宇宙に出るのが、怖くなったんでしょ』 そう。いや、違う。 言いかける喉が、乾いてひりつく。 『怖くなって、誰かに泣きつきたくなって、私に電話してきた…でしょ?』 「……………」 答えられない。 『うふふ…。ヤンニ、やっぱり素直ね』 「…え?」 『自分は男だから、兵隊だから、パイロットだから…そんなカッコばっかりつけてても、わかるの。 ホントは今だって、毛布をかぶって部屋の隅で隠れていたい気分なんでしょ? 自分がそうやって隠れている間に、戦争が終わればいい…そう思ってるんでしょ?』 「ぼ、ぼっ…僕は、そんな…こと…」 だめだ、完全に否定できないや。 ボールなんかに乗りたくない。乗ったら死ぬ。 このまま彼女が、それとも誰かが許してくれたら、僕は… たとえ逃亡罪になろうと、この場から身一つででも逃げ出したいんだ。
14 :
女流新人 2/2 :01/11/01 10:52
汗ばんだ受話器を握りしめながら、どう返事しようか、と思っていたら、受話器の向こうからは 意外な言葉が続けられた。 『ミエ張らなくても大丈夫。そう思ってるの、あなただけじゃないもの。 あなたと一緒に出撃する人たち、みんなみんなそう思ってるわ。 多分…多分、そうね。あなた達の指揮をする隊長さんも、ううん、もっと上の指揮をする人も、 あの…なんて言ったかしら、白いMSの…アムロ・レイ?あのエースパイロットだって、 きっとどこかでそう思いながら、その弱気をねじ伏せて、宇宙へ出ていっているはずよ』 「どうして…どうしてそんなことが言えるんだ?」 『だって』 ふうっ、と軽い吐息。タバコの煙を吐き出したんだろう。 『…私のベッドで泣いてた兵隊さんは、あなた一人じゃないのよ』 ………………知ってたんだ。 休暇の最後の夜を過ごした彼女のベッド。 薄暗い街の、やけにネオンの明るい窓の外の景色がぼんやりとにじんでいたっけ。 泣いてた。 僕は、彼女の胸に顔を埋めながら、涙をこぼしていたんだ。 『でもヤンニ、あなた、そんなに怖がらなくてもいいかも知れないわ』 「えっ?」 『だってあなた、ラッキーガイよ。ものすごくラッキー。普段なら私、こんな時間に、しかもフロントの 電話になんて出られないもの』 「あっ」 『くすくす…私、たまたま外へ飲み物を買いに出ていたの。戻ってきたら、フロントの電話から私の名前が 聞こえたから、取り次いでもらったの。あなたの声、よく通るわ。 そう、それに私、お客もとってない「空き時間」だったのよ』 ラッキー、か。 どろどろしてどきどきしていた僕の心臓が、少しだけ平静さを取り戻していた。 『だから、大丈夫。それに、あなたの帰りを待ってる人がいるわ。その人のためにって思うと、根性出ない?』 「……いないよ…話したじゃないか。僕の父も母も兄弟も親戚も、みんな…オーストラリアに住んでたんだよ」 『ん、もう』 「?」 『…私、言わなかった?「またのご来店を心よりお待ちしております」……って。あれ、只の挨拶じゃないの。 あなたみたいな人たちの、本当に無事な顔をまた見せて欲しいから、必ず戻って来れますようにって 祈りながら、玄関まで送るのよ』 僕が何かを言いかけたとき、ボックスの外が騒がしくなった。 −−−各自、出撃準備…最終チェックを……−−− 「…ありがとう、ツキコさん。僕…僕…必ず」 『敵を倒すことなんか考えなくてもいい。どんなにみっともなくても、生きて。そして、戻ってきなさい。 何があっても、あなたのことを待っている人間がここにいるわ。約束して』 「うん。…約束だ」 不思議と、その言葉は必ず実現できる気がした。 泣きそうな気持ちも、不安も、ツキコさんの言葉で溶けていってしまったみたいだ。 「じゃあ、行ってきます」 『……またのご来店、心より…お待ちしております』 受話器を置く。 僕は、もうふるえていなかった。
15 :
ソロモン戦線異常なし :01/11/01 11:22
最初僕らの小隊は20人いた。昨日の一回の出撃で半分が帰ってこなかった。 僕らは腹ペコだった。食糧係が20人分3日分の食料を持ってきたのだが、 僕らが10人しかいないことがわかると10人分だけ置いていって後は持って帰ろうとした。 僕らは奴のまわりを囲んで「お前はおれたちの小隊の分の飯を持ってくるのが仕事なんだ。 おれたちが何人かってのはお前の知ったことじゃない」と説得し、やっこさんの 胸ポケットに10本の煙草を押し込み、何とか納得させた。僕らはたっぷりと食べた。 1人2人分。しかもその中の10人3日分は今食べたって構わないわけだ。 そんなにめったにこんな豪勢な量にはありつけはしない。
16 :
誰が為に球は泣く5/8 :01/11/01 12:19
なにか右背後を影が覆った気がした。 もちろんメインカメラの範囲外だったが、俺はその感覚に衝き動かされて咄嗟に後進をかけていた。 衝撃が機体を揺すぶり、一瞬前につんのめる。 考える前に俺はスロットルを叩き込んでいた。 急加速する中、サブディスプレイに損傷個所が示される。 唯一の武器である180ミリ低反動砲が撃てないと、有り難い警告音付きでお知らせだ。 どうやら砲身を半ばから切り落とされたらしい。 後部のカメラから敵はさっきのと同じ新型と分かった。 全速で新型の周りを旋回しながら加速をつける。 よほど射撃に自信があるのか、残弾がすくねぇのかしらねぇが、偏差射撃なんぞ狙ってやがる。 俺に武器がないと思ってんだろうが、これがまだ一発撃てるんだよなぁ。 バズーカの発射炎を見た瞬間、俺は一気に敵に向かって捻り込んだ。 この弾かわすのは、ちょっと骨だぜぇ? ノズルがすっ飛ぶぐらいの全速で、俺は野郎の腹目掛けて突っ込む。 このスピードにこの質量。新型がどれほどの物だろうと、中の人間は確実に殺れる。 もし俺の部下がやろうとしたら、ぶん殴ってでも止めるような馬鹿を、俺はやった。 目の前が真っ暗になり、とんでもない衝撃が走った。 コンソールから火花が走り、機体が悲鳴を挙げる。ボキボキと不吉な音が頭蓋に響いた。 だが・・・ 意識を取り戻した俺は、まだ生きている自分に、そしてそれが暗示する事実に愕然とした。 予備電源が落ちていたメインカメラに再び灯を入れる。 受け止めやがった。 咄嗟に武器を捨てて後退しながら手で受け、衝突の威力を殺したらしい。 実際たいしたパイロットだよ、おめぇさん。 コントロールスティックに反応がない。 FBWがいかれたらしい。予備もアナログも死んでる。 鉄砲玉なんぞやらせたから、拗ねちまった。
17 :
誰が為に球は泣く6/8 :01/11/01 12:21
新型が手を離す。 身じろぎ一つできないまま、ゆっくりと離れていく互いの距離。 新型の左肩に302と白い文字が見えた。 背中の棒っきれを抜いて、奴が俺を見る。 ああ、こいつ、仲間が死んで悲しいんだな。 唐突に、そいつの考えている事が分かったような気がした。 自分を責めて、駆り立てて、いつかこんな風になるまで、辞められない。 疲れただろう、兄弟。お互い、この辺で幕にしようや。 非常用発射レバーの安全装置を外す。 180ミリ砲弾はまだチェンバーに残っている。 このまま手動で撃てば、砲身爆発は間違いない。残弾も誘爆して綺麗な花火が上がるだろう。 男の散り際はこうでなくちゃあなぁ。 奴が棒っきれを振りかぶった。 よし、いい子だ。もっと側に来な・・・ 俺もレバーを握る手に力を入れる。 今まさにレバーを引こうとした瞬間、突然302の野郎が身を翻した。 唖然として見送る中、数条の火線が奴の消えた方に伸びていく。 おい、おいおい、どこ行くんだよ。 鈍い振動。味方だろう。接触回線で無事かどうか呼びかけているようだ。 うるせぇよ。 頼むから、少しの間、放っておいてくれ。 母艦に回収され、コクピットから引きずり出された俺は、いきなり担架に縛り付けられた。 喋ろうとすると酸素マスクで口を塞ぎやがる。 医務室への道すがら、俺はいろんな事を考えた。 死なせちまった二人の事。俺が倒した新型。それに乗っていたパイロット。 それに、302の野郎。 俺はなんとなく全部分かった気がした。 みんな宇宙の上で、地球の下。そんな場所に帰るんだな。 そして俺はまだその狭間で、ごろごろ無様に転がり続けるらしい。 ひどく疲れていた俺は、いつの間にか眠っていた。
18 :
腐ったミカソ ◆CFyZAKU2 :01/11/01 12:27
−巡洋艦サラミス内部の炊事班− 炊事班 「班長!!311戦隊…3人分飽きましたけど…握り飯…どうします?」 班長 「馬鹿野郎!!…それでも握るんだよ!!」 炊事班 「にしてもわかんねぇッスよ…どうして帰ってくる筈のない人間の分まで…」 班長 「おいっ…おめぇ今何言った?」 炊事班 「えっ?」 班長 「おまえには、兵隊さんの気持ちってのがわかんねぇのか?」 炊事班 「班長…」 班長 「いいか?俺たちには、戦争なんて関係ねぇ…腹を空かした奴のために握り飯をつくるんだ 何人減ったかなんて関係ねぇ…どんな事があっても握るんだよ!!人数分をよぉ!!」 炊事班 「…」 班長 「人数分、てめぇの気持ちしっかり込めて握れ!!てめぇの不細工な形の握り飯で、どんだけの 兵隊が生きる希望を持つかわからんのか? どんだけ喰えねぇ奴の分まで食って、生き延びよう とする兵隊がいるかわからんのか? そう言う馬鹿のために、俺たちは人数分握らなきゃ いけねーんだ!!たとえ宇宙にほっぽり出されても、握るのだけはやめるんじゃねぇ いいな!?」 炊事班 「班長…」
19 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/01 12:36
新スレおめage 仕事忙しくて、一週間くらいROMしかしてねぇ(;´Д`)
前スレ225のマ・クベスレってどこにあるか解る方いませんか? 過去ログを一通り探してみたけど、見つかりません…
21 :
誰が為に球は泣く7/8 :01/11/01 19:29
目が覚めると、案の定。俺は医務室のベッドの上にいた。 軍医の話じゃアバラが何本か折れてた以外は異常ないらしい。 我ながら頑丈とは思うが軍医も呆れていた。 だからといってコルセットだけはめて追い出すのは、ちょっと冷てぇんじゃねぇか? 医務室を出た途端中隊の面々が俺を出迎えてくれる。 「よう、死に損ない。形見分けしてたのに、よくも生きてやがったな」 「さすが先任です!ボールで初見の新型を落とすなんて!」 ぴよぴよ纏わりつく連中を俺は鬼の形相で追い散らして部屋に帰りついた。 ようやく一服出来る。 報告は俺の都合により後回しに決定。 ベッドに腰掛けて俺は煙草に火を点した。 大きく息を吸うと胸に痛みが走る。 少しずつぷかぷか楽しんでいると、俺が起きたことを聞いたのだろう。 中隊長がわざわざ俺の部屋まで出向いてくれた。 「大変だったな。お前の機体、分解寸前だったらしいぞ。リミッターを切るのは感心できんな」 俺は整備長に頼んで機体制御のリミッターを外していた。 確かに、あんな機動は二度と御免だが、お陰で生き残れたとも言える。 「二人は残念だったな・・・」 中隊長が遠慮がちに口を開いた。家族へ送る手紙に書く事がなくて困っているのだろう。 「ヨルゲン・シュラーゲスタ伍長と、マヌエル・ホソン伍長。どちらも長男で、未婚。 ヨルゲンは周りに気が回る奴で、整備に差し入れとかまめにやってたみたいです。 良く国の話をしてました。 家の側に森があって、昼寝は最高らしいです。母親の刺繍の腕は、国で一番って自慢でしたねぇ。 戦場じゃ割と大胆で、先祖の血かって聞いたら、笑ってましたよ。 男前のくせに照れ屋な奴でした。 マヌエルは身体は小さいが元気な奴でね、いつも若い連中とふざけあってて、いい笑い方するんですよ。 両親を早くに亡くして、家族を養ってた所を、徴兵に遭ったそうです。 いつも弟妹達に電話してました。 ヨルゲンのお袋の話が好きで、自分の親のことのように、色々聞いてましたよ。 まだ、甘えたい年頃だったんでしょう」 俺は煙草をもみ消して、すぐさまもう一本に火を点ける。 「二人とも、一月保ちませんでした・・・」 中隊長は頷いて、目を閉じた。
22 :
誰が為に球は泣く8/8 :01/11/01 19:30
・・・・・まぁ、これがその時の一部始終だ。 何しんみりしてんだよ、だから俺は嫌だっつったんだよ。 あん?まだ聞きてぇっていい加減にしろよ。 うるせぇ、今日はこれでしまいだ。 続きが聞きたきゃ生き延びろ。 死んだら教えてやらない。 おら、散れ散れ、そんなところで寝るなこの馬鹿っ!! 後で聞いた話では、俺が見た302ってのは、どうやら部隊名らしい。 ジオン側では戦意高揚の為、優秀な部隊を宣伝するらしいのだが、 その中に302哨戒中隊ってのがあったそうだ。 奴らは沈めた船から情報を収集していた。 ソロモンに俺たちが向かっていることも知られてた訳だ。 まぁその後の経過は御存知の通りなんだがな。 ちなみに例の302の新型。まんまと逃げおおせたとの事だ。 そしてその三日後、俺は略式だが軍事裁判に掛けられた。 部下への指揮を放棄して二人を死なせた容疑だそうだ。 なるほど、そういう見方もできるだろう。 俺はどうとでもしてくれと、一切抗弁しなかった。 だが中隊長の数十ページに及ぶレポートと、中隊の連中の嘆願書が効いたのだろうか。 結局不問に処された。 正真正銘の万年曹長になったのは決定的だが。 そんなわけで、俺は未だに新兵達のしりを叩きつづけている。 兵隊って人種は良く喋り、良く笑う。 自分達の事を少しでも覚えていて貰う為に。 忘れられる事の辛さを一番知っているのは、兵隊だ。 ウソだと思うなら試して見るといい。 あんたを忘れないって言ってやりな。 新兵はおろか、どんな歴戦の強面だって 無垢なガキみたいに笑うだろう。 あの時俺が感じていた苛立ちは、多分 周りの人間が、そして俺自身が、何も残さず消えることへの恐れだった。 だから俺は話を聞く。頼まれれば話もする。 二度とその瞬間に取り乱さないように。 こんなやり方、302のあのパイロットは笑うだろうか。 だが、これがあの日の夜、俺が出した答えだ。
>13-14 ツキコさん、いい女すぎ。
「冗談じゃねぇ!!」 『繰り返す…各隊帰投せよ……』 俺にとって嬉しくも何ともない連絡が流れるだけのスピーカーを叩き付ける ふざけるな……ふざけるんじゃねぇ 戦闘が終わった?勝利?…何の意味がある まだ俺は戦える… 何度も死線をくぐり抜けてやっと乗れたガンキャノンで 家族を消し、ダチを奪い、女を殺したジオンに 一泡吹かせてやれるって時にもう終わりだと…… 認めない!絶対に認めない!! 目の前ではザクがマシンガンを捨て フラッグを上げてやがる… 「ざけるなぁ!!」 ザクの両腕をつかみホールドし、キャノンを向ける 『な…なんでっ』 接触回線で狼狽した声が聞こえてくる 「そうだよ…怖いだろ、だがなそれは俺のダチも同じだったんだよ!!」 砲弾をたたき込み蹴り飛ばす …爆散 次はどいつだ!!俺の獲物は何処にいる!!
新スレおめage ボールネタ考えてきたのに、いつの間にか新スレになっていた(W ここだったらジオンの熱い漢(オトコ)の話を書いてみたいなぁ
26 :
FAVORITE :01/11/01 23:29
「おい嬢ちゃん、生きてるか!?おい…!」 「…ん、んく…?くっ、このぉ!」 「まて、俺は味方だ」 「連邦の制服着てなに言ってんのあんた!」 「停戦だよ!」 「……え?」 「停戦だよ。もう終わったんだ。お前さんは、生き延びたんだよ」 嬢ちゃんの身体に、俺の言葉が染み渡っていくのがわかった。 長い、長い呼吸。 「…ほんと?」 「本当だ」 「もし嘘だったら?」 「鼻からスパゲッティ食って見せる」 「…くすくす」 笑った。嬢ちゃんが笑った。多分この笑顔が、嬢ちゃんの 本当の顔なんだ。 「…俺は、連邦のヒデユキ・ホリ准尉だ。嬢ちゃんの名前は?」 「わたし?わたし、ミア・ネコヤマ上等兵。その『嬢ちゃん』ってのは 勘弁して。わたしもう18よ。…あと2週間で」 そりゃ間違い無く『嬢ちゃん』だ!勿論口には出さないが。 「…なあ」 「なに?」 「…あのな」 「……?」 勇気を出せヒデユキ。大丈夫だ。自然に、さりげなく…。 「ね、なにかなー?」 「あっと…、生き残ったお祝いと、誕生日のお祝いに、 食事…付き合わんか?」 「……」 駄目か、やっぱり駄目なのか!? 「…ねえ、おじさん」 「その『おじさん』ってのは勘弁してくれ。俺はまだ26だ。 …2週間前まで」 「くすくす。それって間違い無く『おじさん』よ。…あ、しまった」 「……」 「…ね、怒った?」 「……」 「ね、機嫌直してよ。わたし大食いだけど、それでもいいなら 食事付き合うから」 「……」 「…ね?」 …きゅ。
>23 ありがとうございます。ツキコさんは自分的にもお気に入りです。 またひょっとしたらツキコさんでなにか書くかも知れません。
29 :
FAVORITE :01/11/01 23:40
>1 スレ立てお疲れ様です。そしてありがとうございます。 前よりもっと良いスレになると嬉しいですね。 >13-14 まさに『あの人に一言』といった感じですね。 次回作にもおおいに奇態しています。良作感謝。 >15、18 一括で失礼します。『ごはん』という題材は、ある意味 究極のリアリティですねナイス発想に拍手。
なぁちと質問… マニュピレーターで格闘という描写が多少見られるのだが あのマニュピレーターは作業ポッドの物としてで 戦闘に使えるもんじゃないとおもうんだが… 連ジにかぶれすぎていやしねぇか?
なに!?ラルの兄ぃがやられただと!?ちきしょう!なんてこったい!! 「戦場にあって常に戦いを忘れるな」が口癖のあのラルの兄ぃが。。 しかもよりによってハモンの姐さんまで。。 チンピラ、極道、愚連隊、ヤクザ、ロクデナシ、ごくつぶし、そんな形容がぴいったりだったこの俺が、 ラルの兄ぃに出会ってはじめて真の漢(おとこ)ってもんを見せられた。 それ以来俺はいつもラルの兄ぃのような漢(おとこ)になりてぇ、 ラルの兄ぃの背中に追いつきてぇとそれだけを目指してやってきたんだ。 いわばラルの兄ぃに漢(おとこ)にしてもらったようなもんさ。 今でこそこんな俺でも隊長なんざぁ呼ばれているが、 ラルの兄ぃがいなかったらとっくにクスリ漬であの世に行っちまってる、 まさしく無様に野たれ死んじまってたことだろうよ。 学校すらロクに出てねぇ馬鹿でがさつな俺とは違って、 ラルの兄ぃは熱い男気を持っていながら、知性や教養なども持っていなすった。 それでもそんなことはお首にも出さずに、いつも俺のことを可愛がってくださったもんさ。 俺だけじゃねぇ、ラルの兄ぃの傍にいたもんはみんなそうだ、兄ぃの漢(おとこ)としての器のデカさに惚れてたんだ。 ランバラル隊のメンバーもハモン姐さんだって。。 正直言って俺はハモン姐さんのことをお慕いしていた。。 もちろん兄ぃの女だ、手をつけようだなんて思ったことはねぇ、むしろ憧れってやつかもしれねぇな。 なりそめはどうだったかは知らねえが、兄ぃも姐さんのことをこの上ねえぐらいに大事にしていたし、 姐さんも兄ぃを立てることを常に考えて、誠心誠意兄ぃに尽くしておられた。 俺はそんな夫婦(めおと)としてのお二人に憧れていたのさぁ。 お二人はカタギの夫婦なんぞ足元にもおよばねぇような深ぇ絆でつなっがていたんだよ。 そういやぁ兄ぃに兄弟の盃を交わしてくだせぇとお願いした時、兄ぃはきょとんとしていたな。 これがジャパニーズヤクザのやり方ですって言ったら笑って二つ返事でOKしてくださったがな。 ホントは俺なんぞが兄ぃなんて呼ぶのもおこがましいんだが、 それでもあの方も気に入ったようで俺のこと「キョーダイ」って呼んでくれてたなぁ。 そんな兄ぃが死んじまうなんてよぉ。。 「いいかぁお前らぁ、明日の出撃はラルの兄ぃの弔い合戦だ 連邦の白いの見つけたら刺し違えてでもいいからぶっ殺せ!! ここにいる連中は俺と一緒でラルの兄ぃに漢(おとこ)にしてもらったようなもんだ。 ラルの兄ぃがいなかったら胸張って生きていけねぇ、負け犬に成り下がっちまってたのはまず間違いねぇ。 明日はラルの兄ぃに教えてもらった漢(おとこ)の生き様ってのを腑抜けた連邦の奴らに見せてやれ。 草葉の陰でラルの兄ぃに喜んでもらえるような戦いぶり、それこそがいい供養になるってもんだ。 ラルの兄ぃの漢(おとこ)の魂ここにありってところをな!!」
>>28 ありがとうございます!
>>30 恐らくそんな事は誰もが百も承知だと思います。
本来戦闘に使うべくも無いもので戦わされてる所に、
兵士たちの悲しさがあるのでしょう。
新スレおめでとうございます。 ネタの範囲が広がって、職人さんたちの更なるご活躍に期待いたします。 とりあえず、職人さんたちにありがとうといいたい。 そして、職人さんたちと登場人物たちにがんばれ、と。
妄想広辞苑 『狂球病』 1)連邦軍のMAボールがコンピュータウィルス(病原菌)に感染して、機能に障害を起こすこと。 症状は何の前触れもなく突然起こり、数分間だけ通常の1.5倍の性能に活動するも、 数分後にはオーバーヒートして全機能を停止する。 当初ボールOSのバグではないか?データ互換・バックアップの際に感染したのではないか? と諸説が流れたが、未だなお明確な原因はわかっていない。 それでもみんな「ボールなので仕方がない」ということで納得している。 類義語:V−MAX 「ダメだ!俺はまだこんなところでは死ねないんだぁ!あいつに電話で帰るって約束したんだから ん!?なんだ、どうしたんだ?急にすげぇ動きが良くなったぞ? すげぇ!すげぇ!普通のMS並に動くじゃねえか!これなら対等に戦えるってもんだぜ」 「ん!?今度は全く動かなくなっちまった。ダメだ、無線も全く使えねぇ。 結局、海の藻屑かい!!」
『ケイン!貴様何をしている!!』 聞き慣れた声がスピーカーから飛んでくる 「何って…決まってるだろ!ジオンのクソ野郎を片っ端から叩き潰すんだよ!!」 『なっ…もはや作戦は終わったんだ、帰投しろ』 いつもは力強く頼もしい声がやけに鬱陶しく感じる 「……うるさい!皆…皆ジオンに殺されたんだ!!俺が奴らを殺して何が悪い!!」 『ケイン………泣いているのか』 視界の隅に何かを連れるザクが見える ア・バオア・クーの残存兵を連れていた 「…死ねよ、消えちまえよぉ!」 ライフルを構える、、標準を合わせる、トリガーを引く 時間がゆっくりと流れている 光はザクの中心を貫き閃光に散ってゆく 「もっとだ!もっ…」 その瞬間俺の存在は消えていた 暴走を起こしたMSが光の槍に貫かれた後 一機のMSがただ力無く宙域に浮かんでいた 「それでは駄目なんだケイン……呪縛から逃れる事が出来なくなってしまう……」
さて・・・ >24 >35の作者です 戦争が嫌だ、戦いたくない 圧倒的にそう言う人が多いでしょう あえてああいう視点でやってみましたがどうでしょうか… 書いた後、職人さん達の技量に驚かされます でわ
妄想広辞苑 『狂球病』 2)別名:ボールマニアックシンドローム 日常生活のほとんどすべての時間をボールを愛することに使う人々の様態、その現象のこと。 最近では力がないが個性的な存在をこよなく愛することを呼ぶ一般呼称としても使われはじめている。 類義語:阪神ファン 「うぉぉぉしまった『月刊ボールマニア9月号』買うの忘れるとこだったぜぇ! 今月号のグラビア、カスタムタイプかっちょいいなぁ、萌えるぜハァハァ やっぱ俺もメーカーが出しているオリジナルパーツで改造しまくるかなぁ うぉぉぉ今度の集会はサイド6宙域かよぉ〜いきてぇ〜 なになに、ショッキングピングカラーのボールクィーン・珠代ちゃんも来るんかよぉ〜 こりゃぁもう高い旅費だしてでもいくしかないっしょ!」
38 :
「待ち人、来ず」1/2@初書き :01/11/02 04:27
あーあ、ついてねーなぁ……。思わず漏れる溜め息。 俺の乗る機体はア・バオア・クーの外壁に辛うじて引っ掛かっていた。 よりにもよって味方のザクの流れ弾を食らって、だ。 GM1機、玉ッコロ2機を撃ち落としてエース気分だったのによ。 今じゃコンソールは無反応、メインモニターも沈黙している。 MS用ドックまで戻ろうにも何も見えやしない。 ようやく曹長に昇進してドムを回してもらえたってのに、いきなりコレかよ。 白兵戦が始まった今、このドムだっていつとどめを刺されるか……。 こんな事なら、断っとくんだったな……。 チーメイ(姫美)のヤツとの出撃前のやりとりが思い出される。 「ミンレイ(鳴雷)、ちょい待ち」 「何?」 「あのさ、今度の防衛戦が終わったら、戦争も一段落するじゃない?」 「まあ、そうだろうな」 「そしたら、さ……その……一緒に……軍なんか辞めてさ。 どっか 静かなコロニーで、一緒に……えっと……一緒に暮らさない?」 「……恥かしいヤツだなお前」 「だーっ、もう! だからアタシから言いたくなかったのよ!」 「いや、まあ落ちつけよ」 「…………文句ある?」 「無い。……てゆーかな、正直、驚いてる」 「アタシがこれだけ恥かしい思いしたんだから、その程度じゃ足りないわよ」 「それもそうか」 「で、どうなのよ、返事は?」 「ばっか、今更聞くなよ」 「女ってのは、ちゃんと言葉にして言われないと不安になるのよ」 「こういうのはガラじゃないんだがなぁ……。まあアレだ、 謹んでお受けします、姫美伍長殿。……コレで満足か?」 「……うんっ!」 ………。こんな事思い出してもしゃーないか。 やられたのはコックピットブロックのコンピューターだけ。 嘘臭いくらいにキレイなやられ方しやがって。 こっから一番近いゲートは既に連邦の兵士で埋もれてんだろうな。 今更白兵に行っても、無駄に死ぬだけだろうし……どうしたもんか。 ん? 機体に振動……爆発じゃあないな……足音か? まさか連邦…… 「おい、生きてるか!?」 なんだ、味方かよ、驚かせやがって。 俺はハッチを手動で開けながら、完全にイカレた電気系統を恨んだ。 「なっ……!?」 仲間だと思っていた声の主は、連邦のノーマルスーツを着用していた。 「戦争は終わりだ」 ただの言葉の筈なのに、腹にズンと響く。 「……そう、か……負けたのか……」 だが、思ったほどの感慨は沸かなかった。 それよりも、死ななかった事への安堵感が大きいらしい。 「悪いが、捕虜になってもらうぞ」 「へいへい。今更暴れたりしませんよ」 捕虜……か。捕虜交換で……戻れんのはもっと上級階級のお偉方だよなぁ。 あーあ、本当についてねぇ。
39 :
「待ち人、来ず」2/2@初書き :01/11/02 04:28
よう姫美、久しぶり。元気でやってるか? 俺? 俺は勿論、元気……でもないか、風邪ひいちまってな。 ああ、まあ大した事ねーよ。2、3日寝てりゃ治る で、どうよ、そっちの住み心地は? ははっ、そりゃそうだろうよ、俺の故郷だからな! 何、味付けがキツイだと? バカお前、それがイイんじゃねーか。 宇宙食に慣れ過ぎたんじゃねーのか? あ? バカ言ってんじゃねーの。 こちとら味わえる程ウマい飯なんて食えねえよ。 そう、そうそう、そういうこと。解ってるじゃん。 だから、そう遠くない内に、……逢いに来いよ。 良い加減、声だけ……それも月1回じゃあ、アレだしな。 ……ばか! 恥かしい事言うなっての! この会話だって多分録音されてんだぞ? あーもう、後悔するくらいなら最初から言うなよ。 ま、直ぐには帰れないだろうけど……早く帰れるように努力はするさ。 なに言ってんだよ、本当だって。 俺がお前に嘘ついた事なんて無いだろ? あっ! あれはだなぁ……その、色々と事情がだな…… 何、知ってるだと!? こんのやろお……。 『残り1分です』 ……あー、もう時間か。 また来月……だな。あ? ああ。解ってるって。 そんな心配すんなって、男ばっかだからな。 うわ、お前、俺はソッチに走る趣味はねーぞ? ったく……逢おうと思えば逢えるんだから、 そんな神妙な声出すんじゃねーよ。 こっちまで暗ーくなってくるだろ? おし、そうそう。良い声だ。 ああ、解ってる、絶対だ。 愛してる。
40 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/02 05:33
はい...あ、お父さん?何? まぁ...元気。 あのさ、いい加減ほっといていいよ。お父さんに頼ること、何も無いから。 何でって...あのさ、言っちゃなんだけどさ、18年間そこに居て僕を変える事 できなかったじゃないの。何だかんだと怒鳴ったり殴ったりしてさ、それなのに 結局最後は自分で決めないといけないっていつも言ってたでしょ。そうだよ、 今俺、満足してるよ。自分で決めて動いた結果に、満足してる。 宇宙に出たら少しは変わるかもと思ってコロニーに来て、なんだかんだで兵士に なったけど、満足してるよ。自分で何をしてるのかよく解らないまま怒鳴られたり 殴られたりしてたあの頃に比べれば、何があったって大した事無いよ。少なくとも 今、自分の意思で動いてるという実感がある。子供の頃は、そんなの無かった。 そこに居る間そういう事に自分で気づかなかったし、お父さんも気づかせる事が できなかったでしょ。 正直、今俺の事を心配してると言われても、ピンと来ないね。いい加減訓練とかで 忙しいから、もう電話かけてこないでいいよ。 そんなに嫌かって?いちいち干渉されるのがね。べつに勘当してもいいからさ。 いっそもう戸籍も別にしてよ。 だから、怒鳴ればいいってもんじゃ無いっての。次電話しても、もう俺絶対出ないよ、 いい加減嫌だから。どうせ自閉症のボケ息子でそんなボケ息子を子供の頃に治す 事ができなかったんだからさ、もういい加減忘れてよ。 俺ももう忘れるから。 それじゃ。
41 :
元ネタは板垣 :01/11/02 05:41
あ、兄貴か。おれだ。 いよいよこの12時間以内に大規模な作戦が始まるらしい。 おれもボールで出撃する。 ボールの生還率は10%なんて言われてるが、そんなのは、 自分がいざ出撃する段になったら、 生きるか 死ぬか 2分の1 じゃねえか!そんなもんだってことにようやく気づいたよ。 もちろんおれは生きて帰るほうさ。じゃな。兄貴。
42 :
スレずれかも :01/11/02 11:18
よーし、お前ら! 明日はいよいよ出撃だ! ・・・なんだぁ?もう死んじまったみてぇな面ぁしやがって。 ・・・あのな。 ここで習ったことを忘れなきゃ、明日いちにちなんて、なぁんてことねぇの! ・・・なんだよ、オレが何を言ったか覚えているやつぁいねぇのかよ? ったく。しゃあねぇなぁ、もう一度だけ繰り返すぞ。もういわねぇぞ。いいな? 戦場に出たら、お前らが気にかけることはただひとつ。 生き延びるための努力を放棄することだけはしないこと。 これだけだ。 女でも金でもクスリでも賭博でも、なんでもいい。 この場を生き延びて、またそれらを手にすることだけ考えておけ。 以上だ。 ・・・気持ちはわかるが、あまり深酒はするな。もう寝ろよ。
--- もしもし? --- あ、オレだよ。元気だったかい? --- おう。明日ザクで出るよ。シャア少佐の命令。 --- 大丈夫。ただの偵察任務だって。詳しくは言えないけどさ。 --- おまえのためにも死には・・・・え? --- プロポーズされて迷ってる?お、オレというものがありながら・・・・ --- な、なに言ってんだよ、オレだってチャンスがあればすぐに曹長、いや少尉くらい・・・ --- よ、よしわかった!見てろよ、手柄立てて帰ってやるからな。そんな男のプロポーズなんか断っちまえ!わかったな? --- ああ、愛してるよ。あ、デニム曹長に怒られそうだから切るぞ。 ## 翌日、彼はサイド7にて功をあせり、連邦の白いMSに撃墜された・・・・
44 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/02 15:19
>> 43 名もない兵士じゃねーじゃん
「誕生日おめでとう、ミズ=ネコヤマ」 「ありがと。…でも正直、誕生日よりもこうやって『外に出て 美味しいものを食べさせてもらえる』って事のほうが嬉しいわ」 「ぼやくなよ。職業軍人やお偉いさんに比べれば、お前さんは 羽根が生えてるも同然。おまけにもうすぐ鳥籠も無くなるんだ。 これで文句言ってたらバチ当たるぜ」 「そうだけどー」 …いかん。こいつがそばにいると思うと、自然に頬が緩んでくる。 「んー、なにがそんなにおかしいのかな?」 そら来た。 「…思い出し笑いだ」 「なにをー?」 ちっ、しつこいなこの野郎。 「…ソロモン戦のあと、連邦のなんとかっていうお偉いさんが 閲兵だか視察だかに来たんだ。テレビ放送付きで」 「あっざとーい!」 「まあ聞け。その某が、カメラの前でいいカッコしようとしたんだろうな。 たまたま近くにいた俺に訊いた。曰く、『補給部隊に名を連ねる人間として、 今前線の兵士に一番送ってやりたい物は何かね?』とな。で、俺は答えた」 「なんて?」 「『リックドムを30機ほどであります』」 「……」 「いや、その効果の劇的だった事!2日後にはボール部隊配属の辞令が 飛んで来たからな。あんときゃ流石に自分のやった事に目が潰れたよ(笑)」 「…ばか!」 「仰る通りバカでした…。でもまぁ、おかげで人生最大級のラッキーに 恵まれたしな」 「んー、なんのこと?」 本当にしつこい野郎だな。こんな所で軽々しく口にしてたまるか。 あぁ…でも俺、もうこいつに捕まってるんだろうなぁ。いいけどね…。
TRRRRRRRRRRRR・・・・・・ ガチャッ・・ 「もしもし、エマーソンですが・・」 「親父か? 俺だよ、キース。明日、ついに出撃することになったんだ。聞いてくれよ、いきなり最新鋭機のゲルググだぜ。 赤い彗星も、紅い稲妻も、白狼も乗ってる代物さ。まるきり新兵の俺たちに、そんなとびきりの機体をくれるなんて、ギレン閣下も粋だと想わないか。親父は、閣下をよく思っていな・・いけね。盗聴されたらマズイか。 グレッグとカールも一緒さ。俺たちで一個小隊を編成するんだ、連邦のGMなんざぁ、メじゃねぇっての!! ・・じゃあ。ほかの兵隊も電話が空くのを待ってるから」 「生きて帰って来いよ・・」 「親父の息子だぜ、俺は」 ガチャ・・ 「俺たち、三人ともゲルググをくさすことは出来なかったな」 「そりゃそうだろう。あれをくさすってことは、自分たちが役立たずの新兵だってのを認めることになるからな」 「キースがギレン閣下をそれとなく、くさしただけでも上出来ってところだな」
47 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/02 19:00
最近長いの増えてきたな・・・ 一言ってより戦闘描写増えてきてるし。 戦闘描写は正直イランと思う。 出かける前の悲壮な感じとか帰ってこなかった人の周囲の反応とか その辺が肝だと思うのだが。 戦闘描写入れるなら別スレ建ててくれ。 ここは小説スレじゃないからさ。 #戦闘描写は好きなんだが、このスレでは違和感を感じるよ・・・
・・しかし、この格納庫も若い兵隊が多いねえ。青臭いくらいだよ。学徒動員だって? はっ、ジオンも終わりじゃねーのか? 旧世紀、学徒動員で悲惨な憂き目を見た国家があったがな。 『才人たる政治家は歴史に治世を学ぶ』 って言った政治家がいたよな。・・ったく、ザビ家の方々は何を考えているのやら。ジオンも終わりかな。・・戦争も終わるし、戦争の犬も終わる。 ・・よう、ヒヨッコ! これから出撃か? バコッ!! 悪いな。あんちゃんのゲルググを貰ってくぜ。死ぬのは、俺たち戦争屋だけで十分だからよ。・・衛生兵! この新兵が飛んできたスパナに当たって気絶してるんだ。打ち所が悪い、すぐに病室へ!!
>>47 24.35は戦闘描写かどうか聞きたいのですが
どうでしょう……
ここは小説スレじゃ無いとか、長いのはちょっと...とか 前スレでも時々言われて、その度にうやむやになってたけど、結局どうする? 辞めた方が良いならもう辞めるし、別スレでやれってんなら立てるけど。
俺は長居のあっても全然平気だけど 多分そうでない人の方が多いかもしれないね……
ネタやシチュエーションも一通り出尽くしちゃってる感じ、するからなぁ。 スレタイトル通りに制約つけると、そのまま沈んじゃいそうな気もするんだよね。 俺は長かろうが、戦闘描写あろうが、スレタイトルから逸脱してようが、 面白いのが読めりゃ、なんでもアリで良いけどね。
意見カキコ興ざめする人いるかもしれないけどゴメンネ。 私も書いているときは悩んだけど、この問題は「書き手」に拾捨選択させるんじゃなく、「読み手」が選択すれば良いと思ってます。 つまり書くのは自由。読む人は好みの作品じゃなかったら読み飛ばしちゃえば良いってこと。 新しくスレを立てる時も「長文は別にしようか?」「ジオンと連邦2つのスレを立てようか?」と一瞬悩みました。 けどスレを連立させるのはサーバーや他の利用者に問題が発生するし、スレをあっちこっちに分ける事で一つのスレ当たりの職人さんの数が少なくなって結局寂しくなると思ったんです。 だからスレを複数にせず、ネタの条件も拡大して旧スレで提案したら、一先ず反対が無かったのでこういう形になったわけです。 私はこう考えてますけど、皆さんはどう思いますでしょうか? (ホント、こんなこと書いちゃって純粋に作品を楽しみにしている人ゴメンナサイね)
意見カキコ書いちゃったついでにROMの人に提案して良いかなぁ。 自分の作品に「良かった」「悪かった」ってリアクションが来ると結構嬉しいんですよね。また、他の人のに付いてた時も「こういうのが受けるんだ」と学ぶ事もありました。 作品を料理に引っ掛けて「良い料理をまた味わえるように、ご馳走様って言おう」って言ったのはなんていう作家か忘れたけど、ネタが尽きても感想が来ると「またやってやろう」と思えるんです。 「>○○○ よか」だけでも結構ですんで時々書いてもらえないでしょうか?(他の職人さんもそう思いませんか?) この提案、皆さんどう思います?
55 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/02 23:51
漏れも何か書きたいからage
長文、スレタイトル制限逸脱常習犯です^^;スマソ 俺がコテハンなのは俺の作風が嫌いな人は飛ばしてねって意思表示のつもりでいます。 なので読み手に選んでもらうってのは賛成ですね。 いろんな作風があった方がこのスレの可能性広がると思ってますし、 制限厳しくすると、スレが他にも立って、 サーバに負担かける、参加者減、ネタ分散とデメリットの方が大きいような気が。 ただあまりにも長文ばかり続き過ぎると、ご新規さん入って来られなくなるというのもありそうなので、 長文、短文、泣き、笑いバランス取れているのが理想ではありますよね。 実は俺ここが2chカキコデビューだったのですが^^; みんなのを見ていたら書かずにはいられなかったというか、 そういうご新規さんへの間口の広さってのも残していきたいですよね。 書き手と読み手がスレの流れを読むという2chの醍醐味はどんなスレでも変わらないように思います。
>>53 ,54さんの言うようにちょっとでも感想が聞きたいというのはありますね。
読んでくれて感想返されるのが何よりもネタ職人の嬉しい瞬間ですよね。
俺なんかネタ出すのがほとんど夜中なので(しかもおそろしくスレずれ^^;)
その日の最終便、ネタストッパーを最近自認しつつあったりします^^;
そういう時は、やべぇみんなを引かせちまったか?ってヒヤヒヤもんです(w
この辺が俺の意見なんですが、
もし他スレでやることになったら教えてくださいね^^
お前の作風はイヤとか言わないでくださいまし(w
とりあえずここの様子見ながら今日のネタ書いてますんで(w
>>53-54 読み手としては「長文&駄文スマソ」みたいな書き込みは見たくない
それこそこっちで取捨選択すりゃいいんだから
WINDUBARD@いつも感想だけ です。 >54 この意見に賛成。 私は申し訳ないことに、作品を作る時間が少ないので、いつも感想ばかり 投稿しています。職人さん方のネタにはいつも楽しませていただいており、 せめてものお返しにと感想を投稿しています。 本当は、どの作品にも感想言いたいぐらいです。 私個人としても、昔小説を書いたとき、感想をもらって次回作品の糧に なったことが何度もあります。だから良いとは思うのです。 一方で、ここはやはりネタスレです。感想の投稿が多くなると、 ネタの比率が減ってまずいのかな・・・ そんな風にも思ったりします。 適度(これが難しい!)に感想があがってくればよいのですが。
60 :
腐ったミカソ ◆CFyZAKU2 :01/11/03 00:03
長文書いてる人の作品、編集しちゃってイイですか? 読みやすいよう個々にまとめて
>>60 編集終わったらCDロムに落として
俺んちに郵送してください。よろしく。
62 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 00:16
えーっと、じゃあ... ・長いのアリ、嫌いな方は読み飛ばしてください ・読んで面白かったら何か一言レス、気が向いたらよろしくね ...ってのがこのスレの進め方って思って良いのかな?
相変わらずここの作品を拝借してるもんですが、305戦隊シリーズなんかの 『魅力のある長文』は惹き込まれますよ。 前スレの作品を見返すと、なかなかよろしいもんです。 ただ、やっぱiモードだとつらいんで、長文になりそうなら 区切って投稿してくださいな。
64 :
近接格闘用必殺花束 1/3 :01/11/03 00:41
「よお久しぶり。元気か?」 「…たった今あんたのせいで不機嫌になりました」 「相変わらず口が悪いな(笑)元彼が久しぶりに声が聞きたくて 電話したっていうのに」 「どのツラ下げて言ってんだか。自分の立場わかってんの?」 「どのツラだっていいさ、どうせサウンドオンリーなんだし」 「用が無いなら切るわよ」 「まあ待て。…最後のケンカのこと、覚えてるか?」 「今再び私の不機嫌度がアップしました。切るぞ」 「まてっちゅーに!ええとあの時お前は俺が浮気したんじゃ ないかって問いつめたよな」 「そう、小一時間は問いつめました。あんたは最後までシラを 切り通したわね」 「そう言ってお前は俺の言うことをまるで聞いてくれなかった」 「つまりその時点で致命的だったってことよ。もういいよね?」 「まて。頼むから待ってくれ。あの時俺は最後まで浮気は 濡れ衣だと言った。俺を信じてくれと言い続けた」 「そーゆーところが男らしくないっての。他に言うことは?」 「ある。……今だから言う。あの時お前が言ったとおりだ。 俺は確かにジュイミンにちょっかい出してた。悪かった」 「……!?」
65 :
近接格闘用必殺花束 2/3 :01/11/03 00:42
「あの時は明るいジュイミンが何だかかわいくて、つい調子に のっちまったんだ。悪かったと思ってる」 「…今更」 「だけど、ジュイミンと少しつき合ってすぐわかったんだ。 彼女と居ると楽しいけど、辛いとき悲しいときに傍に居て 欲しいのは彼女じゃない。…お前だってことを」 「……待って」 「勿論悪いのは俺さ。けど、そのことでお前を失うのが怖かった。 だから嘘を言ってでもお前をつなぎ止めておきたかった。 …まあどっちみち同じだったけどな」 「……待ってよ。待ちなさいよ」 「とにかく、お前は何も悪くない。全部俺が悪かったんだ。 それを謝りたかった。…じゃあな」 「…待てっていってんだろゴルァ!!何で、何で今更そんなこと わざわざ謝るのよ!?一年も経って今更!?」 「……」 「知ってるわよ!あんた連邦軍のパイロットにに志願したっていう じゃない!決戦も近いって街でも噂になってるわよ!あんたまさか」 「…じゃあな。本当に悪かった」 「待ってよ!!」 プツッ、ツー、ツー、ツー
66 :
近接格闘用必殺花束 3/3 :01/11/03 00:42
「…待ってよ…待ってよ…ふざけんじゃないわよっ!!!!!! 今更何よ、今まさに何よ!今それを受け入れたら、あたしあんたを 見送ったことになっちゃうじゃない!今それを聞き届けたら、あたし あんたの遺言を受け取ったことになっちゃうじゃない!! じょおっだんじゃないわよ!!あたしが何のためにこの一年独りで 待ってたと思うのよ!?明日も明後日もあんたに謝らせるためよ! 謝らせ続けるためよ!!明日のない男の謝罪なんか欲しくもないわ!!」 ツー、ツー、ツー 「聞かなかったからね!!絶対聞かなかったから!!聞いて欲しかったら、 生きて帰って謝りなさい!謝り続けなさい!!帰ってきたって許さない けど、帰ってこなかったらもっと許さないわよ!!わかった!?」 ツー、ツー、ツー 「……ばかオトコがぁ…情けないあんたでいいからあ…男らしくない あんたでいいからさあ…傍にいてよ…そっちにいかないでよお…」 宇宙世紀0080新春、一人の男が地球に帰ってきた。 家族にしか知らせてないはずなのに、出迎えたのは家族ではなく 大きな花束を持った一人の女だった。 女は不機嫌そうな表情できょとんとする男に近づき、持っていた花束を 思いっきり男の顔面に叩きつけた。花びらが周囲に飛び散った。 女はそのまますたすたと歩き始め、その後を男が大声で抗議しながら 追っていった。 その後二人がいつまでも幸せに暮らしたとは聞いていないが、 二人が別れて暮らしたという話も聞いていない。
一応電話ネタなんだけど長くなっちゃった。ちなみに初投稿(w 読みにくかったらスマソ。 ネタ職人達へ。本当は感想の方がいいのかもしれないけど、 少しでもお返しが出来ればと思って作品で返してみました。 皆様の作品楽しませていただいてます&これからも期待します。
68 :
FAVORITE :01/11/03 00:55
どもです。えっと、基本的には>62に賛成です。ただ、書き手の方も 文章を”なるべく”スリムにするよう心がければ良いと思います。 作品の後に『長文スマソ』とか書いてあったら確かに興醒めしますし。 え〜、己を例に挙げますと、前スレ>729なんかは、連絡を受けた時の シスターエレンの胸の内とか、みんな(自閉症気味のマグダレナは除く)が フィアナさんを迎えに行きたがったけど金が無いから駄目だったとか、 そういう描写を一切排してます。キリが無いですしね。ういでわ。
69 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 04:50
「なんであんな無茶言う上官の下についちまったかなー。 『俺の許可無しに死ぬ事は許さん』だってよ。 ああ? 良い上官じゃないかって? 冗談! ちょっとミスすりゃすぐ殴るし、問題に答えられないと馬鹿にされるし。 え? いや、まあ確かに実戦でミスったら死ぬけど。 そりゃあ、そうだけどさ……。 だけど……まあ……うん。……ったく……解ったよ。 あ、そんじゃ召集かかったから行ってくるわ。ああ。ああ。“また”な」 数時間後。 「ほう? 少しはマシなツラになったじゃねーか」 「……言っときますけどね」ツカツカと歩み寄って睨め上げながら。 「何だ」 「俺は別にアンタに言われたから生還したワケじゃ無いからな」 「理由は何でも良いんだよ」 「ケッ…」 「よく、……戻ってきてくれたな」ここで突然、雰囲気が変わる。 「ふん……アレシアさんと約束したからな。 アンタの悲しむ顔は見せない、ってな」 「っ! 半人前のバカ息子が、いっちょまえなクチを利くな!」狼狽。 「はん、これでも、バカな親父が我侭な女と再婚した所為で苦労してんだぜ?」 「………」 「………」長い沈黙。 「今の言葉は上官への侮辱と見なす! 罰として……」 「……」 「今夜は付き合えよ」踵を返し、酒を飲む仕草。 「……了解」ニィッとヌルい微笑み。
70 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 04:58
スリムになるよう心がけてみました。意味、勘違いしてる?
71 :
腐ったミカソ ◆CFyZAKU2 :01/11/03 05:55
アムろー「長文ウザイ発言をこのスレに付ける!!それでは長文職人が書き込まなくなってネタが尽きる… スレの冬が来るぞ!!」 シャー 「長文を書く者は、自分達の自己満足しか考えていない。だからこの私が粛正しようと言うのだ アムろー!!」 アムろー「同じガンオタならそんな事だって乗り越えられる!!ネタばかりが全てじゃない!!」 シャー 「ならばその英知で、全ての者に感動を与えて見ろ!!」 アムろー「エゴだよ!!それは!!」 台詞がちょと違いますが、長文職人さん頑張れ!!ミカソは長文職人さんを応援します。 >61 ダミーのサイトにtxtUPすればいいじゃんかぁー(w
72 :
腐ったミカソ ◆CFyZAKU2 :01/11/03 07:19
グリマー上等兵っ、グリマー上等兵っ あたしの小隊から戦死者なんて出さないからねっ、あんた達っ、 総員360度監視っ、グリマーのボールを捜すんだよっ、見つけるまで晩飯抜きだからねっ、 なにっ?帰還命令?そんなもんっ全員無視しなっ、 うちの子が一人迷子なんだよっ。 グリマーっ、グリマーっ、返事しなっ、グリマーっ。 ------------------------------------------------------------------------- 少尉殿っ、作戦中のアルコールはご法度です、憲兵に見つかったらどうするんですかっ。 やばいですよっ。 うっさいっ、ウチの子を見殺しにした軍なんか知ったこっちゃないね、アンダースン、 おまえだって聞いたろ?司令部は、行方不明者の捜索を30分で切り上げたんだよっ。 あと少し、あと少しだけ捜していたら、グリマーは助けられたんだっ。 きっと、きっと、あの子は待っていたはずなんだ、あの子は辛抱強い子だから泣き言ひとつ 言わないで待っていたはずなんだ。あたしが捜してやらなきゃ、あたしが・・・。 あたしはねぇ、戦果が少ないって言われようが、命令違反が多いって始末書書かされようが、 15年の軍歴であたしの手下からは、たったひとりの戦死者だって出したことが無かったのが 自慢だったんだ。 洟垂れトニーも、ちびりのアイザックも、あたしの小隊で育てた子はどいつもいまじゃ いっぱしのエース様におなりだよ。グリマーだって、あの子だって・・・。 グリマーはねぇ、あの子は、まじめすぎたんだよ。あたしなんかに忠義立てして、 いっちょまえに盾になんかなりやがって。あたしの後ろにいれば死なせやしなかったのに。 >これって305小隊? なんだい、まだいたのかい?さっさとションベンして寝ちまいな。夜更かしはガキには毒だよ。
73 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 08:11
ふっ、戦場でメールとはな…
74 :
ボール搭乗員(匿名希望) :01/11/03 08:50
ま、のんびり戦艦乗ってるよりはボールにでも乗ってたほうが生き残りやすいかもな。 戦艦の整備員なんてお前、自分じゃ自分の生死に関して何も決められんぜ? ブリッジの連中が上手く弾避けるのを祈るばかりじゃねえか。 死ぬときだって外の様子さえ見れんかもしれん。いきなり部屋が押しつぶされて爆発して一巻の終わりさ。 それにくらべりゃあ、おれら自分の技量が少しは反映されるじゃねえか。 あんま悲観的にならずに行こうぜ。
>67 泣けたyo! タイトルもイイし、やっぱ、ハッピーエンドは読んだあと幸せな気分になれるね。 微妙に2ch用語が入ってるのもgood! 今後も投稿されるのならぜひ、コテハンに・・・ってか、ぜひ書け!(藁
長文職人さん、1行概ね40文字弱で 改行してくれると読みやすくて嬉しいです。
77 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 11:30
「やっほー!起きてる?夕べ隣の猫がうるさくってさあ・・・。」 「頼む今戦闘中だから頼むああゲルググがゲルググがママーッ!!」 ・・・・・・・・ツー、ツー、ツー、ツー・・・・・・・・・。 「・・・さ、さて寝直そっかなっ。ア〜タシ〜のせい〜じゃないよ〜っと・・・。」
78 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 11:35
まぁいいよ、長文は読まないし
79 :
◆YSo.f4Pk :01/11/03 16:03
・・・繋がったぜ!ハハハ!あぁ、オフクロ、俺だよ。 やっぱ今夜の俺は特別だな♪まるで負ける気がしねぇ! ん?へへ、ちょいと同僚とポーカーを、ね。大勝ちだぜ。 怒るなよ!もう親のスネなんざ齧ってねぇんだから!俺の好きにして悪いかよ! 給料四ヶ月分稼いだんだぜ!送ってやるから待ってろよ。孝行モンだろ?俺。 あ?ヨソ様にメーワクかけるな?運を使い果すなだぁ? 負け野郎の捨て台詞みてぇな事言うなよ、賭けに乗って負けた奴が悪いんだ 俺はツイてるんだ。大丈夫だよ!心配すんな! 言ったろ?今夜の俺は無敵なんだ!カンオケの中だろうがジオン野郎のタマなんざ逃げていくぜ! 今度もしっかり稼いで帰るぜ!じゃあな! ガチャ。 ・・・・・確かに、こんなのは産まれて初めてだ・・・・・ 「サイオーガウマ」とか言うコトワザ、あったっけな・・・ 翌、出撃時間。 彼は新兵の頃、初陣を前に怯えて一睡もできなかった事を思い出していた。 ちょうど今朝のように。だが今は別人のように自信に満ちた表情で 空っぽのサイフをお守り代わりに握りしめていた。 生きて、帰る。
80 :
アミーゴ♂(マ・クベ1/2) :01/11/03 17:31
「そうですか、マ・クベ様が戦死なされたのですか、おいたわしい、、、 私めは先祖代々マ・クベ様の一族にお仕えさせていただいております執事でございます。 もちろんマ・クベ様にもご生誕のおりよりお仕えさせていただいてまいりました。 マ・クベ様のご一族は中世貴族の末裔でございまして、 鉱物資源の事業で代々財をなして今でもこのような暮らしをされております。 マ・クベ様がオデッサで鉱物資源に関わっておいでしたのも、 ご一族のコネクションを活かしたいという公国の意向からでございました。 マ・クベ様は誇り高い方でいらっしゃいましたなぁ。 中世貴族の末裔である一族を誇りに思っていらっしゃいました。 確かに手段を選ばぬきらいはございましたが、 それもこれも『勝って誇りを守り抜くため。 敗北に誇りはない、誇りある敗北などは単なる妥協に過ぎない』 と常々私めにこぼされておりました。 マ・クベ様は貴族の末裔であるが故に、歴史に大変興味を持たれておいででした。 骨董品などをご趣味とされていたのもその関係からでございましょう。 そうですかぁ、最後はギャンで戦われたのですか。 マ・クベ様はあの機体は騎士道に通じるものがあるとお喜びでございましたから、 きっと本望であったことでございましょう。 マ・クベ様の最後はまさにあのお方の誇りをかけた戦いだったのでしょうな。 いくら罠を仕掛けていたとはいえ、今噂の『連邦の白い悪魔』に単身で戦いを挑まれる方など 『赤い彗星』をおいて他におりましょうや? マ・クベ様は『赤い彗星』にもライバル心を燃やしておいでのご様子でした。 直情的な熱い漢(おとこ)の方が多いジオンの中で、冷静沈着かつクールで気取り屋、 その辺りが自分のキャラクターと被っているというのも気に入らないようでございましたな。 ジオンの内部でもマ・クベ様のことを狡猾であるとか、計算高いなどと、 おっしゃられる方も多くおいででしたが、 その方は自身と一族とそして何よりジオンのために、 その胸の内には誰よりも熱い想いを持っておいでだったのですよ。」
81 :
アミーゴ♂(マ・クベ2/2) :01/11/03 17:31
「爺ぃ、なんだお客人がおいでだったのか?」 「坊ちゃま、マ・クベ様が戦死なされたとのことです、、」 「なに!?叔父上がか!?そんな馬鹿な!!、、、」 「坊ちゃま、いかがなされました? 大好きな叔父上がご逝去なされたのです、、 涙を堪えなくてもよろしいのですよ、、」 「爺ぃ、私は泣かん!私は泣かんぞ! 叔父上は常日頃より私に『いついかなる時も一族としての誇りを忘れるな』とおっしゃておいでだった、、 人前で涙など見せる訳にはいかんのだ、、 叔父上にいただいた戦場からのメッセージにもいつも『誇りを持って生きよ』とあったのだ、、 私は絶対泣かん!!泣くものか!!、、、、、」 「お坊ちゃま、、ご立派でございます、、マ・クベ様もさぞやお喜びのことでショウ、、、」 「マ・クベ様の誇りは確実に若い坊ちゃまに受け継がれているようでございますな、、 魂を継ぐことは血を受け継ぐよりも濃いと私めは信じております。 スペースノイドのこの時代に、一族の誇りなど馬鹿げていると思われるかもしれませんが、 私めはこの一族の方々を心より愛しております。 私めも誇りを持って、生涯この方達にお仕えさせていただこうと思っております。」
>>80 終わりから2行目
訂正>その方>あの方
一番肝心なところで誤植、、欝
83 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/03 22:20
部屋の中、不器用な手つきで一生懸命に鶴を折る男がそこにいる。 彼らの小隊が戦場の町に降り立ったとき、 そこで見たものは家族も住むところも失い、路頭に迷う人々であった。 それが彼らの戦いの結末であることを思い知らされ、 誰からともなく「自分達が実際に撃った相手の代わりに、 せめて彼らのために援助のための積み立てをしよう」と言う声があがった。 が、手元に金があるわけでもないので、請求書代わりに印として鶴を折ることになった。 敵を撃ち落としたら色つきの折り鶴を。仲間を失ったら白色の折り鶴を。 いわば彼らの、もう一つの撃墜マーク。 戦争という狂気の中で、染まりきらなかった者だけが持つことの出来るマークでもある。 折り終えた彼は、脇に置いてある一回り大きな白い折り鶴を手に取った。 それは彼が前にいた小隊全員の分であった。 「オレが生きて帰っても、みんなのことは決して忘れない。情あらば見守ってくれ・・・」 部屋に帰ってきてからようやく、彼は言葉を発した。 彼らは今日も、明日も、明後日も戦う。 1日も早く戦争が終わることを祈りながら。 悲しい人たちが増えることのないよう祈りながら。 そして自分たちの志を伝えるためにも、誰かが生き残るのを祈りながら。
「おい、聞いたかよぉ?女スパイの噂」 「今頃遅ぇんだよ(笑)今何処へ行ってもその噂でもちきりだぜ」 「なんでも例の木馬に潜入して、突然連絡が取れなくなって、それっきり消息不明になっちまったって言うじゃねぇか」 「まだ年端もいかない少女だったって話だぜ」 「なんでも親を亡くして、その娘が弟達を養っていくために、稼ぎのいいスパイやってたってんだろ」 「かぁ〜泣かせるねぇ〜」 「でもよ、その娘どうしちまったんだろうな?」 「う〜ん、やっぱ死んじまったのかなぁ?連邦の奴らに見つかって殺されたとか。 もしくは見つかって捕らえられているとか。」 「木馬の連中が鬼畜だったら、拷問とか、もっと酷いことされたりしてんじゃねぇのか?」 「・・・・・・」 「早く戦争終わらせないとな・・・」 「・・・そだね・・・」 「おじちゃんだあれ?」 「ああ、おじちゃんはね、おねえちゃんの知合いだよ。 おねえちゃんにね、坊やたちにこれを渡してくれって頼まれてね。 いいかい、おねえちゃんはお仕事で遠いところへ行ってしばらく帰って来られないからね。 その間このお金を大事に使って、おねえちゃんが帰って来るまでいい子にして待っているんだよ。 、、、おねえちゃんがいなくても強く生きていくんだヨォ、、、」 「ねぇねぇ、またおねちゃんの知合いが来たよぉ、もうこれで5人目だよぉ〜」
>>75 …うわ、ありがとう(チョト感激)素直に嬉しいっす。
あんま才能無いんで、また何か思いついたら書きます。
「少しでもお返しが出来ればと思って作品で返してみました」って書いた
けど、直接の感想って効くなあ(w これからは感想も書こう。
>>84 いきなりツボ…ガンペリーから落っこちた人だよね…
大好きだったのよあの娘…(;;)
>>69 どんな形でも
少しでも貴方の心に何かを残せた作品を作れたのなら
私は幸せです
ありがとう
昨日哨戒中に救難信号拾ってさ、急いで駆けつけたんだ。 ボディたたいても応答なくてさ、ハッチ飛ばして中のぞいたんだよ。 でも、パイロット、もう死んでたんだ。 コクピット血だらけでさ、 即死じゃなくてずいぶん辛かったろんだろうなぁ。 でさ、手にメモが残っててさ・・・。 「誕生日、バラを贈るって約束したけど、もうだめかもしれない。」 そしてメモにバラが描いてあるんだよ、たくさん。 で、最後にたった一言・・・・・。「愛してるよ」 早く終わらせたいな、この戦争。
>>86 サンクス ジオンは題材多いよね、いくらでも書けそう(w
誉められたからのお世辞では決してなく(書くのに夢中でまだ読んでなかった^^;)
>>64-67 セリフ回しが絶妙、リズミカルで軽快。セリフできちんと人物像が伝わる。
絶対周りにこういう女いる!と思わせるリアリティ。というか知合いにいる(w
俺もかなり好き、是非あなたの作品もっと読みたいです。
ここじゃなくても他でも書いてたら教えてください^^
「、、そうですか、、あの子は、、大気圏突入の際の熱で、、燃え尽きて、、、 さぞ、、熱かったでしょうね、、苦しかったでしょうね、、うわぁぁぁぁぁ!!」 「、、ご子息を亡くされた心中お察しいたします、、」 「しかし彼の尊い犠牲のおかげで、船に乗っていた多くの仲間が救われたのです。 彼が連邦の白い新型MSの2機のうち1機を道連れにしてくれたおかげで。 現在、この残りの1機にも我々は手を焼いている程で、 もう1機あったならば我がジオン公国に大きな災いをおよぼしていたことでしょう。 そうした意味でも私は彼の行動はジオン十字勲章ものであると上に進言しているのですよ。 そうだな?」 「!?、、ハッ!彼が身をていして我々を救ってくれたのであります!」 「突然、あんなことを言われるので、冷汗をかきました。。」 「私とて人の子だ。残された者にはせめてもの救いがなければな。 でなければ悲し過ぎる、そうは思わんか?」
久しぶりに来たら随分と駄スレになったなぁ・・・・
カチャ あっ……もしもしフィリアかい僕だよ えっ、いや何となく声が聞きたくなって ははっそんなことない元気してるよ 疎開先にはもうなれたのかい? そっか… 今度そっちに遊びに行くよ うん、解ってる それじゃまたね カチャ、ツーツーツー サヨナラ……
92 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/04 05:58
>>84 いや、ミハル(ですよね?)の兄弟のその後って気になってたんですよ。
こんな風に名も無い人たちに見守られてたくましく育ってくれてたらいいなぁ・・・
>13-14,43,87 特によか 心ふるわされました。
あ、もしもし、俺。うん、まだ生きてるよ。 初陣のオッズは450倍だったけど今じゃオッズ16倍だもんな。 歴戦の勇士だ?運がいいだけだっつーの。 やっぱボール乗りは辛いよ。 でさ、この間さ、対MS戦用の試作180mm弾が配備されたんだ。 技術少佐が言うには「軍機Sクラスの秘密兵器」だって。 しかも、「歴戦の勇士の貴官しか使いこなせない」っておだてるんだ。 で、ゲルググ一個小隊に出くわしてさ、早速使ったわけさ。 トリガー弾いたら、ひゅるるるぅぅぅぅって感じで向かったんだよ。 え、真空で音がするわけないって?細かいこと言うなよ。 で、ゲルググの目の前で、どーんってはじけて、赤い光が玉状に散らばってさ。 それだけ、当たっても何ともないの。 やっとのことで逃げ帰って 「秘密兵器が打上げ花火はねぇだろぉ!!」って少佐を問い詰めたら、たった一言 「ボールだけに玉屋」 *****ちっ、はずしたか*****
>>92 > いや、ミハル(ですよね?)の兄弟のその後って気になってたんですよ。
>
> こんな風に名も無い人たちに見守られてたくましく育ってくれてたらいいなぁ・・・
・・・・・・・・・。(TДT)
ネタのリクエストはアリ?職人指名で。
97 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/04 17:52
保守あげ
>>96 ありでしょう
>>***と言う指名で当たれば私は書かせていただきます
昔のアニメージュに付録で付いてきたオマケ文庫で フォウ・ムラサメの過去話モノがあり、そこにミハルの 弟(ジル・ラトキエ)が施設で訓練を受け、実験中に死 亡したという裏設定がある。(誰も知らないから非公式)
あ、母さん? ・・・そう、なんとかソロモン戦生き残る事が出来た。 これも父さんのおかげかな・・・ 時々パトロールでサイド1宙域を回ることがあるんだ。 僕らの町はまだ形がしっかりしていたよ、あの中が人の住めない世界とは思えないくらい・・・。 話は変わるけど、また大きな戦いに参加する事になったんだ。 ・・・大丈夫、今度も生き残るよ。だから泣くのはやめて。 ねえ、母さん? もうすぐ戦争は終わる。そうしたら軍を辞めて、また作業艇に乗るよ。 そしていつか帰ろうよ。サイド1へさ。 父さんが、みんなが待ってる僕らのふるさとへ・・・
「さて、どう出る?」 投降勧告を突き付けたザクのコックピットの中で、彼はひとりごちた。 無論、傷つき生命維持と近距離通信がやっとという状態の彼のザクでは、敵機の武装解除も パイロットの身柄拘束も出来ないし、するつもりもない。しかし、苦し紛れのハッタリでも 当然、ない。彼の真意は別のところにあった。 動体センサーの反応から、敵機は恐らくボール。 ボールの装備は貧弱だから、長時間の単機行動は基本的にまず有り得ない。 従って、投降を拒否して強硬な態度に出るなら、それは周辺宙域の敵戦力の存在を意味して おり、となれば自力で排除できない以上、彼は回収に来る味方機の安全を確保する為、出来 得る限り敵戦力の情報を掴んでおかねばならない。それも、センサー類がアテにならない以 上、彼自身が敵機のパイロットから聞き出す必要がある。 投降すると言うならそのまま無視してしまっても、この場合大した障害にはならない。 味方機の到着後に拘束すれば良い。 何れの場合にせよ、相手が嘘をついているか否かぐらいは見破る自信が、彼にはあった。 「さて、どう出る...」 彼がもう一度呟いた時、通信機は敵のメッセージを伝えた。 『ザッ...投降などしない。繰り返す、投降などしない...糞喰らえだ。』 その下品な言葉使いとあまりにも不似合いな声とのギャップに、彼は苦笑した。 −女かよ、しかも何だぁ?この若い声は...ったく世も末だな。神様、俺はもう引退する ぜ。 これなら押し切れる。相手の声からそう読んだ彼は、通信機に向かって告げた。 「...ならば攻撃するが依存ないな?」 『ザッ...できるものならやってみるが良い。』 一瞬の沈黙と躊躇を挟んで返ってきた返答は、またしても声に不似合いな内容だった。 今度は、彼が次手を考える番だった... −この降伏勧告はブラフに違いない。 それが、ボールのコックピットの中でウェルディアが辿り着いた結論だった。 最初に接触があってから一度もロックオンアラートは鳴らず、威嚇射撃も無い。 通信をしてきた機体の残弾が尽きたかあるいはダメージで何もできないだけだとしても、 現状を考えれば示威行動は必要な筈で、投降を勧告するだけの優位性が本当にあるのなら、 周囲に待機している僚機に指示してでもやるべき行動の筈だった。 少なくとも自分ならそうしている。 だが、この敵は示威行動をとらない。 そもそも、モビルスーツの開発において連邦に数歩先んじているジオン軍が、前線に投入さ れて間もないとはいえボールごときに関する情報を必要とする筈もなく、この程度の貧弱な 機体に重要なポストに居る兵士が乗っていると考える道理もない。つまり、彼女の機体は発 見され次第墜とされている筈なのだ。それが成されない場合はただひとつ、やらないのでは なくて、物理的に出来ない時だけだ。 だから、ウェルディアはこの勧告がブラフだと判断した。 頭に血を昇らせようと、自分が思いつく限りの最低に下品な言葉で挑発もしてみた。 撃てるものなら撃ってみろと言ってもみた。だが、撃ってこない。 確証を得る為にもう一押し、してみようか...彼女は思った。
『ザッ...まさか、そちらに装備が無いからといって、こちらにも無いと考えてはいない だろうな?』 ザクのコックピットの中で、彼は再び苦笑いを浮かべた。この通信で全てが解った。 周辺に敵機以外の移動物体が無い今の状況で、敵が彼を撃たない理由は無い。本当に攻撃で きるのなら、彼が投降勧告を突き付けた時点で攻撃していた筈だ。今になってわざわざ警告 する意味があるとすれば、こちらの位置を特定する手がかりを引き出そうとしているか、そ もそも攻撃など出来ないのにハッタリをかましているか、何れかだ。彼はハッタリに賭けた。 「要するにそっちは何も出来ないんだろ?前言撤回するぜ、一時休戦といこうじゃねえか。 フェアにな...」 『...了解した。』 互いに行動不能寸前の機体の中で、2人のパイロットは同時に安堵の溜息をついた。 「先にぶちまけるぜ。こっちもヤラレ過ぎて何もできねぇ。煙草はあるがライター無くした から、一服すら出来ねぇ。我ながら笑っちまうぜ。」 『...状況は似たようなものだ。こちらも何もできない。』 相手のその口調に違和感を感じて、彼は笑った。 「よせよせ、さっきの糞喰らえもそうだが、凄み利かせようったって全然似合ってねぇよ。 普通に素で喋んな。」 『...そうします。実は自分でも無理っぽいと思ってました。』 「そうしな。そっちの方が似合ってるぜ。」 ひとしきり笑って、彼はポケットから煙草を取り出した。 「ま、それはともかくアンタ火ぃ持ってねぇかな?煙草吸いてえんだが...」 『私は煙草は吸いません。それに、宇宙でモビルスーツに煙草持ち込むなんて、連邦では規 則違反です。そうでなくても酸素の浪費です。』 「んだよ、堅ぇヤツだな。もう良いんだよ、仲間が回収に来るまでに少しぐらい酸素無駄に 使ったってな。」 その彼の言葉に、相手は意外そうな声で返答を返してきた。 『あ、もう味方に連絡ついたんですか。』 「ついたんですかって、アンタはどうなんだよ?回収要請か救難信号、出したんだろ?」 『...いえ、まだです。味方から完全に逸れてしまって、無指向通信かけるのに、先ずは 敵戦力の調査をって...』 ボールのコックピットに入ってきた敵機からの返答は、ウェルディアが拍子抜けする程あっ けなかった。 『じゃあ、さっさと信号打っちまいなよ、この宙域にいるのは、俺とアンタだけだ。』 「はい、そうします。」 それはウェルディアが最も聞きたかった回答だった。これで安心して救難信号を出せる。 ウェルディアはコンソールを叩いて、無指向・同一内容ループに設定して、救難信号を発信 した。
『しかし、アンタも糞真面目なヤツだなぁ。敵戦力の調査なんて悠長な事言ってたら、回収 間に合わなくて死んじまうかもしれねぇだろうが。』 「はい、実際さっきまでは死ぬの、覚悟してました。」 『そういう時は後先考えずに打っちまうんだよ。敵に傍受されたって、いくらなんでも救難 信号出してる機体を叩き墜とそうなんてヤツぁ居ねぇんだからよ。』 言われた言葉をひとしきり噛み締めてから、ウェルディアは答えた。 「でも、捕虜になる訳には行かないんです。」 『...あん?、なんでよ?』 「お父...いえ、父親を探してるんです。戦闘機のパイロットだったんですけど、行方不 明で...だから、捕虜になるわけには行かないんです。」 答えた後に来る言葉は、予想が出来た。 『アンタ、気持ちは解るがそりゃ無謀ってもんだぜ。MIAの帰艦率、知らねぇって訳でも ねぇだろ?それに、一兵卒に何が出来るよ?軍隊ってのは上に行かなきゃ自分の意思なん て無ぇも同然なんだぜ?解るだろ?』 ウェルディアの沈黙に対して、相手は饒舌だった。それは彼なりに思うところがあっての事 だったが、無論、それは今のウェルディアには想像すらできるものではなかった。 『親父さんだって、自分を探す為に娘が戦争やってるって知ったら、たとえ会えたとしたっ て喜ばねえと思うぜ。娘の幸せを先ず第一に考えるのが父親って生き物だからな。』 何度となく人に言われてきた言葉だったが、通信機の向こうにいる筈の、顔も知らない敵兵 のこの言葉には奇妙な説得力があった。でも、今更ウェルディアの覚悟は揺るがない。 『おい、どうした?黙るな!応答しろ、こら。』 「...いろんな人にそういう事言われました。私だって頭では解ってるんです。でも、ど うしようも無いんです。自分で確かめるって決めたんです。後悔はしません。」 ウェルディアは一言づつ、ゆっくりと呟いた。まるで自分自身に言い聞かせるように... 『...ま、アンタの人生だからな、下手すりゃアンタ殺してたかも知れねぇ俺が何か言え た立場じゃねぇわな。悪かった、気にしないでくれ。』 「あ、いえ、こちらこそ。気にしないで下さい。」 それきり、お互いの言葉は紡がれなくなった。敵同士でありながら、何故か気まずい沈黙が 残った。...先に耐えられなくなったのは、ウェルディアの方だった。 「え、えーと、じゃああなたは何故パイロットをしているんですか?」 『俺か?俺は...忘れちまったな。入隊したのは随分昔の話なんでな。』 沈黙が苦手だったのは相手も同じだったらしく、それで会話は終らなかった。 『今は...そうだな、帰艦してからの熱いシャワーと旨い煙草にありつきたくて、頑張っ て戦争してる。』 ジョークのつもりなのだろうか?ウェルディアは訳も解らずクスッと笑った。 「...なんですか?それ。」 『へヘッ、なんだろうな、巧く言えねぇや。』 敢えて言葉にするなら、自分が無事に生き延びたという充実感。それを味わう為なのだろうが、 初陣のウェルディアにそれが実感できる筈もなく、彼女は文字通りの意味に捉えて、言った。 「コロニー育ちの人は、煙草吸わないと思ってました。空気の汚れに敏感だって聞いてたの で。」 『ま、世の中にゃいろんなヤツが居るわな...はははっ』 通信機越しの笑い声は、直ぐに途切れた。 『おっと、どうやら味方が来たみてえだ。名残惜しいが、この辺でお別れだな。』 「あ、あの私は...」 『名前だったら聞かねぇぜ。俺は敵の名前は聞かねぇし、教えねぇ主義だ。』 名前を聞こうとしたウェルディアを遮って、彼は続けた。 『今度どこかで会ったら、そん時ゃまた敵同士だ。名前なんか知っちまったら俺は相手を撃 てなくなる。アンタは撃てるのか?名前知ってる相手を...』
ウェルディアには返す言葉が見つからなかった。 『だから、俺とアンタはたまたま出くわした敵同士。それで良いんだ。俺の心は関節負荷表 示パネルのヒューズよりも繊細なのよ。』 「あの、例えが良く解らないんですが...」 『んー、球っころに乗ってるアンタには難しかったかな...まあいいや。さてと...』 彼は真面目な口調に戻って、言った。 『Yesって答えはありえ無いだろうから、”一緒に来れば命は助かるが、どうする?”と は聞か無え事にするよ...そうだろ?』 「はい、そうして下さい。」 『あとは...そうだな、ま、あんたは敵だが、今だけは俺の女神に祈っておくぜ、無事に 母艦に帰れる事と、親父さんに会える事...あと他になんかリクエストあるか?』 「もうありません。ありがとうございます...ところで良いんですか?他の女の為に祈っ たりしたら、女神様がヤキモチ焼くんじゃありませんか?」 『ザッ...ヘッ、大丈夫だよ。俺の神様は慈悲深いんだ。おっと、んじゃな...ザッ』 それきり、通信機は何も言わなくなった。 ジョークを言う余裕が出来たのが、ウェルディア自身にも意外だった。 ボールとの通信を切った彼のザクに、また別のザクが一機近づいて来ていた。 接近するザクは旧い機体らしくそこかしこに使い込まれた形跡があったが、リペイントかそ れとも補給を受けた新品のパーツか、そのザクの所属を示す葉巻を咥えた黒ウサギの部隊章 と、機体番号403のマーキングが唯一記された右肩のシールドだけは、真新しかった。 彼のザクを発見した事に安堵のため息をついて、パイロットは母艦への通信を入れた。 『ザッ...こちらスモーキング・バニー403。401を発見、合流しました。これより 帰投します...ザッ』 モノアイをきょろきょろと忙しなげに動かして、回収に来た部下の機体を捕らえると、彼は 通信を割り込ませる。 「遅いぞ、待ちくたびれた。周囲に敵影なしって言っといただろが!」 『ザッ...いや、警戒じゃなくて、見つけられなかったんスよ。小隊長、ブレードアンテ ナ付けないし、シールドも無いって言うから部隊章でも探せないし...ザッ』 迎えに来たのは彼の旧知の部下だった。彼は、端正な顔だちに不似合いな大きな傷を左頬に 持つ、気の良い若い男の顔を思い浮かべながら、軽い口調で言った。 「おいおい、小隊長機ってのはいつも敵のベテランに真っ先に狙われるんだぜ、俺はそんな のはゴメンなんだよ。なんだったらお前にツノ、やるよ。」 『ザッ...遠慮します。ところで、また随分ハデにヤラレたもんですね。小隊長らしくも ない...ザッ。』 「新兵が多かったんだか何だか、敵が妙に脆くてな。ついつい突っ走り過ぎちまった。だが きっちり仕事はしたぜ。敵艦こそ叩けなかったが、俺のシールドぶった切ったヤツも入れ てガンダムもどき3に、球っころ9だ。」 そこまで言って彼は数え直した。
「...あ、いや、撃墜確認できなかったのがいたから、球っころは8だな。」 『ザッ...確認できない?何でまた?...ザッ』 「横から邪魔が入ったんだよ。んでそいつ片付けてたら、背中と右肩に1発づつ...あれ が止めだったな。もう、引き上げるしか無くなった。」 『ザッ...背中って...流れ弾ですか?...ザッ』 「いや、そうじゃ無え、あれはキッチリ狙って撃ちやがった感じだ。ロックオンアラートも 鳴らなかったから、下手すりゃ目視照準だ。ま、当たるとは思っちゃいなかったかも知れ んがな。」 照準・測距用のレーザーデバイスが当てられれば機体のセンサーが反応し、警報を鳴らす。 機体の障害でなければそれが鳴らなかったということは、パイロットが目で見て砲口の角度 を調整し、照準した事になる。彼の常識でもそれは考えられなかったが、不可能ではない。 『ザッ...目視照準なんて、んな馬鹿な。旧世紀じゃないんですから...ザッ』 「いや、連邦にも肝の座ったヤツが居るってこった。おめーも油断すんじゃねぇぞ。」 『ザッ...流れ弾か偶然だと思いますけどねぇ...ザッ』 「まだ言いやがんのか?産まれて初めて喰らった背中への直撃が、偶然だの流れ弾だのであ ってたまるか...あ、まてよ、ひょっとしてあれは、あいつが撃ったのか...?」 それは彼にとって久々に味わう屈辱だった。戦闘機からモビルスーツに機種転換して以来ず っと同じ機体に乗っているが、無防備な背中に攻撃を受けたのは、今回が初めてだった。 確率は低いが、もし再び戦場で巡り合う事があったら、その時は... 『ザッ...あいつって、その、撃墜確認できなかったっていう?...ザッ』 「ああ、そいつだ。あの球っころ、303って書いてあったぜ、気ぃつけろよ。また出くわ すかも知れねぇしな。ま、そんときゃきっちり借りを返してやるが...」 『ザッ...よっぽど悔しかったんですね。マーキングまで覚えてるなんて...ザッ』 「女房の誕生日なんだよ、3月3日だ。もう切るぞ。」 『ザッ...あ、ちょっと、小隊長、奥さんって...ピッ』 つい勢いで口を滑らせて、彼は後悔した。 −チッ、肝心な時にゃいつも忘れてたくせに、どうでも良いときに思い浮かびやがる... 苛立ち紛れに煙草を咥え、ライターが無いことを思い出して更に苛立ち、彼は一度咥えた煙 草を折って、捨てた。苛立っていたのは機体番号303のボールに対してか、それとも他の 何かに対してか、その時の彼には解らなかった。
ボールのコックピットの中で、ウェルディアはサブディスプレイを見つめていた。 その小さいフレームには、彼女の小指の爪よりも小さく、通信機が黙るのと入れ替わる様に して、連れ添って戦域を離脱する2機のザクの姿が映っていた。 −あれが...敵。 ジオン兵も生身の人間であるという当然の事実を、ウェルディアは今更改めて実感した。 悪魔でもモンスターでも無く、それぞれに家族があり、それぞれに生き方があり、それぞれ に大切な物がある、ただの人間であることを痛感した。 小隊の仲間を殺した敵。コロニーを落とした敵。もしかしたら、既に自分から父親を永遠に 奪っているかもしれない、敵。解っていた。無論、あえて言葉にする迄も無く解っていた。 だが少なくとも、ついさっきまで会話を交わしていた相手を憎むべき敵と認識することは、 もはや彼女にはできそうに無かった。 −名前なんて、聞くまでもないじゃない... ウェルディアは思った。 それからどれ程の時間がたっただろう。 永遠に破られる事が無いとすら思える重苦しい沈黙に、再び支配されていたボールのコック ピットに、その声は届いた。 『ザッ...こちら第2連合第11艦隊3番艦フィラデルフィア。貴官を捕捉した。生存し ているなら応答されたし。繰り返す、生存しているなら、何でも良い!とにかく応答され たし!』 その、あまりに唐突で、それまでのウェルディアの想いからすればあまりにあっけない通信 を救い主の声と認識するまでに、一瞬の間が空いた。 「こ、こちら第67戦隊所属第2MS中隊第3小隊ウェルディア・シルバーバーグ伍長。 周辺宙域に敵影無し、救助を乞う。繰り返す、周辺宙域に敵影無し、至急救助を乞う!」 『ザッ...こちらフィラデルフィア。OK解った、シルバーバーグ伍長。今GMが2機迎 えに行った。周辺警戒を続行されたし!繰り返す、救難信号を停めずにしばし警戒続行さ れたし!...』 「こちらシルバーバーグ伍長、傍受を感謝します。傍受を...感謝します...ありがと うございます...ありがとう...」 嬉しさのあまり、言葉の後半が普段の口調になってしまった彼女を気遣ってか、フィラデル フィアの通信兵はいたって真面目な口調で続けた。 『ザッ...こちらフィラデルフィア、戻ったらお礼に一杯付き合ってもらいたし!繰り返 す、戻ったら一杯...イテッ、何すんだよ...あっ、これにて通信を終る。以上!』 ウェルディアは、クスッと小さく笑った。気遣いが嬉しかった。涙が一粒零れた。 GMの小隊長機を墜とした黒ウサギの401はどうなった? 初めての仲間だった味方の小隊のみんなはどうなった? 自分を助けてくれた302のパイロットは脱出できたのか? たった数時間でいろいろな事があった。いろいろな事を考えた。 それは彼女にとってあまりに現実離れしていてまだ実感を持てずにいるが、おそらくは、 少し後に途轍もない喪失感となって彼女を襲うだろう。 それは彼女の心を壊しかねない程の強力な感情となって、彼女を襲うだろう... でも、今は取り敢えず自分の生存を喜んでおきたかった。それだけが純粋に嬉しかった。 彼女はひとつ大きな深呼吸をして、ゆっくりと目を閉じた... 漆黒の空は再び死の静寂を取り戻した。 歯車がひとつ狂えば全てがここで終わっていた筈の皮肉な一瞬の邂逅を、遥か彼方で微かな 煌きを放つ星々だけが、ただ静かに見つめていた。 : :
途中で巧く切れなかった。(;´Д`)
108 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/05 02:30
本格的長文、ご馳走様でした。 こういう渋い展開好きだなぁ。 考証にも気合入ってますね。 お勉強になります。 今後も頑張ってください。
>>88 なんか誉められすぎでカユイです(笑)ありがとう。
他で書いてるのは…あずまんが公王ですこし…(笑)
>>101-107 長いっす。そして長いだけのことはあります(笑)。ジオン小隊長がイイ。
おつかれさま&いいものありがとうでした。
それはそれとして「戦場での敵味方の交流」も結構出てきましたね。
今後はうまくやらないと難しいかも…
>>ミハルネタ、レスくれた方々サンクス
ミハルエピソードはみんな好きなんですね^^
次はククルスドアンか?(w
>>109 元ネタ知らないので読んでわかるかなぁ^^;
コテハンは連投になっちまった時がツライのでこれからは名無しも活用します
文体で一発で分かるとは思うけど(w クセあるからなぁ俺
111 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/05 11:08
未確認機発見! 数9! キーロフ中隊,確認に向かいます. ……センサー確認.データ照合.登録なし. 連邦の新型機のようです. ……なっ,なんだあれは!? 目,目玉です!! いや,目玉のような小型戦闘艇か? 203被弾爆散! いかん,敵の姿に新兵たちが動揺して…… 止まるな! 201,301,小隊を統制しろ! 違う103! あれは怪物じゃない! 連邦の兵器だ! 302被弾撃破! 102背を向けるんじゃない! 前進しろ! くっ,102被弾爆散! 303,301衝突爆発…… おい,落ち着け! 落ち着いてくれ!! 敵は怪物じゃないんだ! 201被弾爆散…… 202被弾撃破……ああ,……103被弾……な,なんてことだ…… ……あ……悪夢だ…… 青白い目……赤い瞳……イービルアイ…… 悪魔の目玉が……こちらを睨んで……光る…… ガッガッ……キュィー……ピピー……ガッ……
112 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/05 12:01
あげ
>>108 >>109 拙作、読んでいただいて、どもありがとさんでした。
喜んでいただけた様でなによりでございます。
さてこの”Reach For The Sky”時期はソロモン戦の直前から終戦まで
なので、実はまだまだ続いたりします。
最近、書く時間を取るのがちょっとキツくなってきましたし、
このスレもなんだか沈みがちな様なので(俺の長文の所為か?)
どこまで行けるか解りませんが、今後ともお付き合いいただけると嬉しいです。
114 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/05 21:29
まだだ、まだ終らんage
>113 長文、お疲れ様です。毎回楽しみに読ませていただいてます。 いつか読んだような・・・と思ったら、前スレ419を探し当てました(w 個人的に気に入ってた作品だったので記憶に残ってたのですが。 敵同士の交差することのない友情って感じがイイですね。 特に片方女性なのがチョト萌えたりして(藁 続きも楽しみにしておりますが、あまりご無理なさいませんよう。 ・・・あと、職人さん達にお願いがあるのですが、続き物の場合 レス番つけて、「・・・のつづき」みたいにしていただくと、ありがたいのですが。 たまに続き物と気付かず読んでることが・・・(汗) 読ませていただいてる分際で身勝手とは思いますが、 出来ましたらよろしくお願いいたします。
「ね、ホリさん。軍隊って歌が好きだよね」 「そりゃそうさ。歌でも歌わなきゃやってられねえよ。 金も、手間もかからないしな」 ♪どうせ俺たちゃ安物さ ガムの4枚タバコは5本 それでも戦うポンコツ兵さ ここにはいない誰かのために・・・。 「連邦の歌?」 「勿論公式の軍歌じゃない。いわゆる『流行り歌』ってやつだ。 誰が作ったのかは…、多分誰も知らないだろ」 「うん…、そだね」 きゅ。 「…みんな、辛いから歌うのかな。苦しいから歌うのかな」 「どうして、そう思う?」 「いつも歌ってた子がいたの。辛かったり苦しかったりすると、 ひとりで泣きながら歌ってた。鉢に水あげながら歌ってた」 ♪スカボローの市場へ行くのかい パセリ セージ ローズマリーにタイム そこに住むあの人に伝えておくれよ 昔、本当に好きになった人なんだ・・・。 「…その泣き虫、今どうしてるんだ?」 「うん。多分、幸せなんじゃないかな。そう言ってたよ」 「そうか。そりゃ、何よりだな」 「うん」 「……」 「……ね。今日、お酒飲んでも…いい?」
>84 お見事です。最初は「なんだよ有名人ネタかぁ?」と 思ったのですが…。浅慮でした(笑) 良作感謝。 やはり、『印象に残る一言』があるのは良いです。 >115 26-45-116です。こんな注釈なんぞ無くても わかってもらえるような文が書きたいナリ(笑)
>>115 読んでくださいまして、どもありがとさんです。
御指摘の 419 に留まらず、前スレに名無しで書いてたヤツには、
本来こちらの話が元ネタのものも幾つかあります(笑
前スレ時点では、この話をそのまま書くつもりは毛頭なかったので、
シチュエーションだけを切り出してちょっと弄ってネタにしてましたが、
そっちの方も気に入っていただけてたとは嬉しい限りでございます。
次回、お目にかける時期はちょっと未定ですが、
きちんと”続きモノ”表示入れておきますんで、
よろしくお付き合い、お願いします。
なんか、文章が硬いな。(;´Д`)
もしもし、俺だよ。 え、いつ帰るのかって? まだもうしばらくかかるよ。 え、戦争は終わったんじゃないかって? うん、まぁな。でもまだやり残した事があるんだよ。 この宙域は、まだ機雷が多くてさ、 それ片付けないことには帰れないんだ。 え、強制じゃないよ、志願したんだよ。 俺らしくないって?そうかもしれないな。 それに、ものすごく危険だし。 え、金じゃないんだよ。 俺たちが処分しなきゃ、輸送船が安心して出られないだろ。 せっかく戦争終わったのに、このままじゃコロニーの子供たちが飢えたままだし。 え、死ぬのが怖くないのかって? そりゃ怖くないって言えば嘘になるよ。 でもさ、運悪く機雷に食われても、戦争よりは納得できるさ。 あの時の目的は敵を倒すためだったけど いまは人を助けるためなんだ。 自分一人の未来が閉じても、子供たちの未来は開けるんだよ。 あ、辛気臭い話でごめんよ。 明日また出動なんだ。 また戻ったら連絡する、じゃな!
120 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/06 02:05
ダメだ、震えがずっと止まらない、、 本当か?本当にやるのか?やれるのか? こんな空気がなくなっただけで誰も生きていけなくなるようなコロニーで 本当に毒ガスをばら撒くというのか?この俺が!? 許されるのか?許されるハズがない 必要なのか?ホントに意味があるのか? 大きな犠牲を出さないために小さな犠牲は止むを得ないのか? これは小さい犠牲なのか?単なる大量虐殺ではないのか? 選民思想?選ばれた民なのか? このコロニーの奴らと俺と何処が違う? 連邦の奴ですら俺と全く変わらぬ人間だったんだぞ? 連邦の腐れた奴らではダメなのはわかっている 目的のためには手段を選ばない?それでは殺戮者ではないのか? 俺は甘いのか?甘いのかもしれない 上官にも仲間にも甘ちゃんだと笑われていた 俺は軍人失格なのか?こんなことなら軍人にならなければよかった 正義はあるのか?戦争に善も悪もないだろう? 自分の信じた道を来ただけだ その結果がこれなのか?俺は間違っていたのか? 俺は本当にやるのか?この手で多くの生命を・・・ ダメだ、震えがずっと止まらない、、 「・・・もしもし・・・」 「・・・お前の声を聞いて気持ちも決まった・・・ いいかい、よく聞くんだ、もう俺はお前に会うことは出来ないかもしれない・・・ でも俺はお前に顔向け出来ないようなことは決してしない・・・ お前に胸を張れないようなことだけは・・・決して・・・」
>>Squaronさん 非常に良かったです。 新作を楽しみにしています。 何かと叩かれがちな長文ですが、ファンは結構居ると思いますよ。
ふと、キャプテン・フューチャーのエンディング、「ポプラ通りの家」を思い出しました。 あの歌詞思い出しながら、このスレ読むと涙涙(;´Д`) って、若かったら知らんわな……(^ ^;
>121 Squadronさんだよ〜(藁
もう、バカ! やっと帰ってきた! ユキがどれだけ心配したかわかってる? 毎晩毎晩、眠れないくらい心配したんだよ? まぁ、おかげで少しやせたのは、得したかもしれないけどさ…… でもね、お兄ちゃんがいなくなってから、ユキはすっごく寂しかった。 だってお兄ちゃんは、たったひとりの家族なんだから。 お父さんの顔も、お母さんの顔も知らないユキにとって、お兄ちゃんだけが大切な家族 なんだからね? それなのに、ユキをおいて戦争に行っちゃうなんてバカだよ。そんなことしたってユキが 悲しむだけなのに。 いっぱい、いっぱい、泣いちゃうだけなのに。 ユキを守るためだってお兄ちゃんは言ったけど、いつでもそばにいて守ってくれた方が ずっと嬉しいんだから。 それなのに、いっつも自分の思うままに行動して……人の気も知らないでさ。だから お兄ちゃんはユキにバカって言われるんだよ。 はー、なんか文句言ってたらどうでもよくなってきちゃった。こうして帰ってきてくれた ことだし、許してあげる。 ユキはお兄ちゃんが帰ってくるのを、ずっと待ってたんだから。 でもね―― 「こんな冷たい身体でなんて……帰ってきて欲しくなかったのに……バカ……」
126 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/06 18:12
>125 最後の1行が泣ける・・・。
127 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/06 18:29
128 :
まきろんG :01/11/06 20:55
あ、もしもし、俺。うん、まだ生きてるよ。 この間のさ、技術少佐、また来たんだよ。 ほら、秘密兵器だっつーて打上げ花火もって来たやつ。 あの秘密兵器さ、「情けなくて秘密にしておきたい兵器」だったんだってさ。 殴ってやろーかと思ったよ。いや、実際殴ったけどな。 で、目が合うなり「今度こそマジな話、秘密兵器。もうびっくりするぞ!」って言うの。 なにやら高機動型ボール試作機らしくて、下駄みたいな推進ユニット二つを アームで機体下部につけてるの。んー、今度はまともに思えてさ。おれ新しいもの好きだし。 最初は良かったんだよ。結構加速するしさ。 ボールで一撃離脱できるなんて、信じられるか?。 それくらい良かったの! で、またあのときのゲルググ1個小隊に出くわしちまってさ よっしゃ、高機動ボールの恐ろしさを見せてやる!って パワー全開にしたらさ、アームがへたってて ユニットだけDocoooooooN!ってすっ飛んでたの。で、大当たり。 いやぁ、こっちも驚いたけど、向こうも「たまげた」だろうねぇ。 (お後がよろしいようで・・・・)
>128 ナイス、落ち(藁
130 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/06 22:49
>>125 ここまでやったちゃったよ!的な思い切った大どんでんがえしがいい
>>128 人間魚雷!?こういうネタあると安心するよな(w
>128 うまい! >130 推進ユニットが外れて飛んでいっただけで、ボール本体が飛んでいったわけでは ないです。ですよね?>128
>126 >127 >130 感想ありがとうございます。 反応があると、泣きネタを読むより感動します(藁 それにしても、前スレでも兄妹ネタ書いたし、なんか設定的趣味が非常に バレバレでいかん。 それ以上に、仕事の都合上、今日からネットのない生活に突入させられる のが痛い……書けないよりも、人のネタを読めないのが。 このスレ好きだからなー。
>>132 >なんか設定的趣味が非常に
>バレバレでいかん。
‥‥‥ってことは、もし俺がもう一作書くとしたら、小学生少女を出せってことか‥‥‥
いや、そっちの趣味があるわけじゃないんだが (- -;;;
ちなみに、書きかけのネタには小学生少女はでてきましぇん。
そのかわり、確かに微妙にパターン化してるけど (_ _;;;
134 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/07 12:45
ぼくのおじいちゃん ぼくのおじいちゃんはコロニーを作るしごとをしていました. サイド3のコロニーをいくつも作ったんだ. なかでもマハルというコロニーはおじいちゃんのじまんの出来だって. ぼくはいつかおじいちゃんの作ったサイド3のコロニーを見てみたいと思います. −−−−− 次の戦場はア・バオア・クー,これを抜けるといよいよサイド3か. サイド3というと,いつもじいちゃんのことを思い出すな. サイド3は2つ目の故郷だって言ってたじいちゃん. ジオンが公国制になった日,急に元気がなくなって, つぎの日ぽっくりと死んじまったじいちゃん…… そういや,俺の乗ってるボールってのは, じいちゃんの乗ってた作業ポッドの子孫になるんだよな. じいちゃん,オレはこのボールで, じいちゃんの作ったサイド3のコロニーをジオンから取り返してやるぜ. “本艦はあと2時間で主力艦隊集結宙域に到着する. パイロットは最終ミーティングを行うので……”
>>133 うっ、じゃ7歳の男の子を出してしまった私はショ・・・(核爆
136 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/07 20:15
305戦隊待ちあげ
137 :
まきろんG :01/11/07 20:53
「戦慄恐怖の精神兵器」 諸君、これから最終ブリーフィングを行う。今回の作戦は新兵器の実戦投入テストである。 予備試験での性能は設計を大きく上回っている。運用方法等の詳細は技術特務少佐から説明がある。 全員、傾注! ども、皆さんよろしくお願いします。 今回の兵器は、物理的に破壊することなく敵の戦意を喪失させるのが特徴です。 いわゆる「人道的兵器」です、花火や下駄ではありません。ご安心を。 さて、今回皆さんの機体には、180mmキャノンの代わりに球形の広域帯通信ユニットを装着してます。 機体名称は「雪だるま」・・・・そこ、あきれないでください。 で、この広域帯通信ユニットを用いて、このディスクに収納した必殺ジョークをジオンの通信システムに送り込みます。 これを聞いたジオン兵は、その素晴らしさに笑い転げます。で、戦意喪失・・・・。 え、何です、その目は。疑うんですか? え、聞かせろ?だめですよ、危険すぎます。被験者の98%が反応したんですから。 作戦エリアに入ってから、耳栓を使用して作動してください。 では、無事生還を祈ります。 -------- ったくよう、ジャブローの連中は何考えてるんだ? こんなディスク一枚で効果あるのかよ。 なぁ、みんな。どんなのか聞いてみようぜ。 Pi! 「○△□....×●△■・・・・」 うっ、くっ、ぷぷっ・・・ どひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ ---------------- 「第69特務小隊、全員笑い転げてます。応答ありません。作戦失敗です」 「あーぁ、だから言ったのに」
138 :
まきろんH :01/11/07 21:18
ん、んーーーーーっ! あぁよく寝てたなぁ。 シミュレーター中に寝るなんて不謹慎かも。 おっ、また再開かよ。 今回の作戦名・・・シャワールームか。 「近接防衛ラインを突破してコロニー外壁からG3ガスを内部に注入せよ」 おいおい、ひでぇ内容だな。ま、シミュレーションだしな。 実践だったら絶対拒否して脱走もんだけど。 *** さて、ようやくたどり着いた。えと、俺だけかよ。 ま、昔からこういうの得意だったしな。 では穿孔ユニットにガスチャンバーをつけて、と。 さて、作動開始。ん、OKOK。 「作戦完了、帰還せよ」 今回も楽勝だな。敵もほぼ撤退したみたいだし、あとはオートモードで帰還っと。 あー、なんだか眠くなってきたな。 明日こそは、実戦に戻ってまたMS乗りたいなぁ。 ------- 「大佐、作戦成功です・・・・・が」 「どうした、いまさら良心の呵責か?貴様も無関係ではないのだぞ」 「ですが、ここまでやる必要があるのですか?」 「有能なパイロットは最後まで軍務についてもらわないとな」 「だからといって、負傷したパイロットの脳だけを取り出してMSに乗せるなんて」 「では、光も音もない世界で生き続けさせるのか?」 「そこまでは・・・・・」 「彼はあくまでもゲーム感覚で作戦についてもらってる、なぜだかわかるか?」 「いえ・・・・・」 「現実だと知ったら、絶望するだろ。生きる希望を与え続けてるのだよ。」 「それは、慈悲のおつもりですか?」 「さぁな。でも、あんな彼でも我々よりましな点がある。正直うらやましいくらいだ」 「そんなばかな!!」 「彼は良心の呵責を感じないですむだろ?われわれは一生さいなまれた挙句、地獄に落ちるよ」 「・・・・・・・・・・」
ども、前スレから駄文でおさがわせしております。 感想を書き込んでくださる皆様、「感謝の極み」でございます。 ストーリーや世界観のしっかりとした長文は素晴らしい職人さんにお任せして アイデア勝負の短文で仕上げていこうと思います。 つーか、世界設定に詳しくないのであまり長文は書けないの。 ちなみに、まきろんはしみじみ系、Gはお笑い、Hはブラック風味です。 では、またいつか。
このスレ廃れたら俺も完全にA級戦犯だが、
このまま品評会のようなマターリ進行も味わい深くて良いのではないかと思えて来た(W
>>117 サンクス いつも最後の決めセリフだけは気にしています、その割には誤字脱字だらけだけど^^;
>>139 漏れも設定わからんのでメカの描写が全く書けん(w それでもネタ出せるこのスレは偉大だ
ネタ書きとめておいたファイルがどこかにいってしまって鬱
142 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/08 10:02
Squadron 待ちあげ
>>141 なんか突然だけど...
これ、最終的な着地点は何を目指してるのかねえ?
俺的には自分でネタ考えるのが楽しいんで、半ば出来上がってる
他人のネタには何も関与できんけど。
144 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/08 14:49
親愛なるリリィへ。 おそらくお前がこのメールを読んでいる時には、私はこの世にもういないといないだろう。 これは何ら確率的なものではなく確定した事実だ。 私が軍医として帯同している艦を護るモビルスーツは最早一体も存在しない。 そして、この艦自体ももう長くは持たないだろう。 私はもうお前の前に姿を見せてやることは出来ない。 だから、私を待つな。 葬式は簡略で良い。 以前からお前に言ってきたように、金は生者の為にだけ使え。 私が死んだことが確認されて、もし軍から金が貰えたらその金は全てお前の為に使え。ドレスでも良い。指輪でも良い。お前がしたいように使え。 単なるセンチメンタルの為に金は使うな。 すまない。 これが最後のメールであると言うことが私が一番判っている筈なのにいつものように説教くさいことを書いてしまった。 だが、これだけは覚えておいてくれ。 私は軍医として立派に最後を迎える。 この艦が爆発する最期のその時まで私は怪我人を介抱し続ける。 そう、お前の母親がボールに乗って最期まで闘い続けたように。 私は私の戦場で逝く。 最後に、お前を十分に愛してやれなかった、この馬鹿な父親と母親を許してくれ。 [微妙にスレ違い……すまん。]
>>143 突然な書き込み失礼しました、
>>141 の者です。
最終的にはWeb小説、もしくはデジコミの線になる予定です。
その結果が非常に好評なら、サンライズに持ち込みもあるかもしれません(笑
もし興味をもたれた方がいましたら、ぜひ一度ご覧下さい。
窓口は、新規参加者の為に議論の要点にリンクを貼っています。
146 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/08 23:22
誰か新作はないの?
147 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/08 23:31
3面で構成されたメインスクリーンに映る戦術情報を切れ長の黒い瞳がすばやくチェック していく。"准尉、北天3時、30度上方、距離1万っ"スラスターをふかし軸線を合わせる。 敵の射線をはずしつつ自身の射界は確保する。慎重に、迅速に。 不意にシートが振動し、スクリーンがアラートで埋まる。瞳は原因を求めてコクピットを さまよう。またもシートが激しく振動する。もう致命傷に近いかもしれない。 冷静に原因を突き止めようとする自分とコンソールを殴りつけて叫びだしたい自分が格闘 している。 そしてモニターが沈黙した。
148 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/08 23:39
ハッチが強制開放して少尉殿と先任が覗き込んできた。"チェン?"私は顔を上げることが できない。"ジン メイ チェン准尉っ"少尉殿が鋭く呼ぶ。不承不承、顔を上げた私は、ヘ ルメット越しに見てもそれとわかるくらい、ひどい顔をしていたらしい。 少尉殿の声がやさしくなる。慰めてくれているのかもしれないが、同時に訓練を始めた 曹長や伍長にすら及ばない成績では、士官とはいえない。逃げ出したい衝動をかろうじて 抑えられていたのは、ここが上海ではなく、逃げ場の無い戦闘航行中の軍艦の中だからに 過ぎない。 予備訓練にはこんな敵は出てこなかった。自分の機体で追いかけられないような機体は。 先任のポールがさもあきれたといった声をあげる。"ジン メイ チェン、おまえさんが 死にたくないと思っているのと同じくらい敵さんも死にたくないって思ってるってこった、 もひとつおまけに敵さんは人手不足だからわが社とちがって兵隊に死んで欲しくないと 思ってる。だから強力な機体を兵隊にあてがってんだよ、兵隊が死んだら陸から持ってきて 補充すれば済むと思ってるこっちのお偉方とはえらい違いだ。転職できるなら転職したいね" 時々この人は本気で人を落ち込ませようとしているのか、慰めようとしているのか解らない 事を言う。少なくとも生きて、実績を上げて、私の実力を認めさせるためにはこのボールで あの機体を撃墜しなくちゃいけないってことだけは理解できた。 "チェン、シミュレータをいくらやってもホンモノを撃墜できるようにはならねぇぞ?長生き がほんとうにしたいなら適当なところで切り上げてさっさとクソして寝な" 練習なしに実戦に出て撃墜されるわけにはいかない。私は連邦宇宙軍士官でパイロットなの だし、実績を挙げて私を認めさせなければならない。私を必要だと言わせなければ。 私はそれだけの値打ちのある人間だってことを認めさせなきゃいけないんだ。 再びコクピットは3面マルチスクリーンの明かりだけが頼りの閉ざされた世界に戻った。
149 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/08 23:55
遅レスすまそ。
>>53 賛成です。
>>63 お褒めに預かり恐縮です、ところでiモードだと
1レス当り何文字以内くらいが都合よいんでしょ?
>>72 あ、それは拙作の305戦隊第二話と第三話です。ちなみに第一話は旧スレ189です。
旧スレ前半には同じく拙作の「まーにいちゃん&のりちゃん」シリーズと「テレコム公社」も
ありますんでお目汚しですがご案内まで。
>>136 新スレ移行後ちっとも書き込んでなかったのに待ってていただいて恐縮です。
このところ本業が多忙でもうしわけないす。
一日一話くらいは書きたいんですけど、ねぇ。
コックピットに貼られた写真の少女は、いつも微笑んで 彼を見つめていた。中央アジアでも、ミッドウェイでも、 オデッサでも、ジャブローでも。少女は彼を、彼だけを 見つめていた。 そして、このソロモンの海でも、少女は彼だけを 見つめている。 もう動くことのない彼を。 彼が一番愛した笑顔で。
ソロモン戦後、巡洋艦ラザルの発進デッキにて 「あの・・・少尉・・・・・・」 「ん、この機体はユリちゃんが整備した機体だ。無傷で持って帰るよ」 「はい、この子は大人しい子なんで大事に扱ってくださいね」 「そうする。この丸い奴は愛嬌があるしな」 「そうですね・・・あの・・・・・・これ」 「俺にか?・・・中にはなにが入ってる?」 彼女が渡したロケットには「おまもり」が入っていた。 「いいのか?」 「はい、絶対帰ってきてください」 「・・・・・・そうするとしよう」 「絶対ですよ」 「あぁ、絶対だ」 「201中隊出るぞ」 少尉の中隊が巡洋艦を発進した直後、大きな爆発音がした。 「なに?なんだ?この・・ララ・・という音は」 「少尉、アラン少尉、母艦が!ラザルが・・・ザサ・・・」 少尉に呼びかけた部下の機が火急と化した。 「マークス軍曹!クッ」 「チィ、散開しろ!敵の狙撃だ」 ふと気がつくと少尉の目に涙が溜まっていた。 「ふん、なにを泣く。戯れに慰み物にした少女が死んだのが悲しいのか? 俺らしくもない。国へ帰れば婚約者が待つ身だというのにな」 周りを見ると少尉の部下達が次々と火球と化していくのが分かった。 「これは・・俺のボール、俺の中隊では荷が重いな・・後退するか?」 少尉は一瞬目を瞑った。 「生き残りの全員に告げる。ラザルの敵討ちだ。奴を仕留める」 少尉はそう言うとフルスロットルで敵に向かって突進した。 「ふん、遊んだ女のためにすることじゃないな。馬鹿馬鹿しい」 結局、少尉の中隊は半数を失って帰還することになった。 「結局、奴の勝ち逃げか。面白くない」
「ねぇ、そのロケットはなに?肌身離さず付けてるみたいだけど」 「ん?これか?戦友の形見だ」 巡洋艦メフメットUに異動したアラン少尉は例によって新しい 親密な女友達を得た。 「ならいいけど」 「それより明日は出撃だ。君の小隊には期待しているよ」 「あら、中隊長殿はボールが戦力として機能すると思ってるの?」 彼女、ミリィ准尉が軽く笑った。 「言うね・・俺も丸い棺桶とは思ってるけどね」 「所詮、浮き砲台でしょ」 「まぁな、お陰で新兵は出撃前に遺言電話をかける始末さ」 「みたいね」 「オイオイ、君の初陣は明日だろ?旦那に電話しないのか?」 ミリィは軽く肩を竦めた。 「ここは何処?」 「俺のベットだ」 「なら、なぜ、私がここにいるの?そういうこと」 「そういうことね・・・・・・」 「それに貴方が言う事じゃないわね」 「それもそうか」 「でも、明日電話はするわよ。薄情だと思われるのも嫌だし」 「ん、」 「それより少尉・・・」 ミリィの手がアランの腰に伸びた。
巡洋艦メフメットUのハンガー内 もしもし、ダグ?あたし、ミリィよ 急になんって?忙しい?ルナUにいる癖になに言ってるのよ こんど前線に・・え、前線に出るって貴方・・そう、レビル将軍の幕僚として・・ なら安心じゃない。え、私?これから初陣よ。ボールで・・・・ え、パイロットになるなんて聞いてない?それもボールなんて? 忙しいから言わなかったのよ。 それに戦艦に乗って自分の運命を他人に委ねるよりマシだわ 生還率?関係ないわよ。それよりもお義母様は元気?そう、元気なら良いわ。 ミリアムは元気?いま一緒?何でよ?え、今日の勤務は二時間後で今は官舎にいる? そう、なら変わってくれる。そう、ありがと ミリアム、ママはね、これからお仕事なの。ひょっとしたら遠いところに行くかも知れないけどね うん、出来るだけ早く帰るつもりよ。だからパパと仲良くしてね え、ママの方が良い。そう言って困らせないでよ。ね?そう良い子ね それとママは貴女のことを誰よりも愛していますからね。それだけは覚えていてね。 え、パパと変わる?・・・・いえいいわ、もう時間が無いから切るわね。 ・・・・ミリアム、愛してるわ、え?そう、ありがと。じゃあね ミリィは電話を同僚に譲ると自分のボールに向かった。 「ミリアム・・ご免ね」
巡洋艦メフメットU 初陣 「少尉、二時の方角から・・ザザ・・」 「モーリス曹長!また一人減ったか、奴は初陣だったのにな」 戦闘が終わり、少尉が母艦に帰るといつも通りの整備兵の笑顔が出迎えた。 「どうです、少尉。戦果は」 「ザク一機撃墜だ。これで五機目、エースの仲間入りだ」 「さすがですね」 「だが、二人無くしたよ」 「・・・・・そうですか」 アラン少尉は亡くしたとは言わずに無くしたと言うのが常だった。 「で、ミリィ・レオの小隊とトム・ナンの小隊は帰還したか?」 「トム准尉の小隊は全機帰還しました。ミリィ小隊は・・・・」 「どうした。ミリィ小隊は?」 「レオ中尉の小隊は一機喪失」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった」 アランは苦笑すると士官食堂に向かった。 「中尉、二階級特進か・・俺はご免被るね」 アランはポケットウィスキーを取り出して一口飲んだ。 「戦うママに乾杯」 「また、新しいベットを捜さないといけないな。悪い癖だ」
155 :
伝えたい想い −その1− :01/11/09 12:47
「『親父の国』、か...」 ベッドの上で天井を眺めながら、首にかけたチョーカーを視線の先に 持ってくる。首から伸びたその輪っかの先には、銀色に光るY字型の アクセサリーがぶら下がっている。 「まだ、ご利益が残ってればいいがな...」 願掛け骨(ウィッシュボーン)。 1年ほど前、親父から無理やり渡されたお守り。 縁起でもない、と嫌がる俺の上着のポケットに強引にねじ込まれた、 親父の最後の願いの結晶。 そしてそのまま...後方勤務であったはずの親父は、艦隊勤務を志願 したとの連絡を受けたまま、サイド5空域での戦闘を最後に、未だ 音信不通のままである。
どうも。お初にお目にかかります。 前スレからずーっとROMりまくって、時には職場なのにウルウルしまくり、 時には職人さんの巧の技に魅了され、 「いつかオイラもこのスレに」 願いつづけて約1ヶ月。 ようやっと願いかなって、構想2日の作品が完成致しました。 ただ、作品を読んで一言。 「...長い」 何回分割すれば完結するんだろ。 (といっても、30とか50までは行きませんが) まぁ、少しずつ小出しにしていきますんで、よろしくお願いしますm(_ _)m
157 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 14:04
>>156 Hey,Hey もう出来てるなら小出しなんて言わずに一気に行こうYO!
>>157 了解です。ただ、他の職人さんのペースもあると思いますので、
そこはタイミングを見て。
では本編へ。
「勝手すぎるさ,親父...俺たちがあの後、どれほど苦労したか...」
いつもの愚痴。親父が家を出て3ヵ月後、俺が軍に志願する直前に、
お袋は過労で死んだ。その後、妹のルーシーは叔母のところに引き
取られている。
「あんたが出て行ってから、お袋は一人で戦ってたんだぜ...」
親類の話では、親父の家はサイド3からのいわゆる「逆移民」であった
らしい。何でも俺が生まれるかなり前に死んだ婆さん−−−つまり親父
の母親−−−が、どうしても
「造り物の大地に足がなじまない」
とのことで、半ば気が触れた状態になってしまった母親の為に、再び
地球へ戻ってきたと言う話だ。やがて時が経ち、婆さんも愛する本物の
大地へと還っていったが、爺さんも親父も、二度と宇宙へ戻る気は無く
なったらしい。
そして親父もお袋と結婚し、俺や妹が生まれ、そして−−−
『誰を恨んでもいけないよ...戦争さえなければ、こんなつらい思い をあんた達にさせることはなかっただろうにねぇ...』 お袋の最期の言葉。今でも瞼の裏に蘇る、申し訳なさそうな表情。 『すまなかったよ...最期まで、戦争が終わるまで、父さんが帰って くるまで、あんたたちを護ってやれなくてさ...』 (やめろ!やめてくれ、母さん!!俺もルーシーも、自分を守れない ほど子供じゃない!!だから...) 『...父さん...あたしも頑張ってみたけど...』 そして...お袋の瞼が力を失う。 二度と目覚めぬ眠りへと誘われるままに。 (誰も恨むな?...母さん、あんた、本当に誰も恨まず生きてこれた のか?) 親父が家を出て間もなく、どこからともなく親父一家の前歴が近所の噂 となった。 その時から、俺たち3人は近隣一帯の「仮想敵」とされたのだ。
ボブやない、ダグだったYO
お袋は日々の買い物にも、家から120Kmも離れた町まで出かけ なければならなかった。 ハイスクールでクラスの人気者だった妹は、しばらくは無理に笑顔 を作りながらも学校に通いつづけていたが、ある日ボロボロになって 帰ってきてからは、そのなけなしの笑顔さえも見ることが出来なくな り、学校どころか、外に出るのもおびえて嫌がるようになった。 俺は...家に来る勘違い野郎共から家族を守るため、殆ど用心棒に 近い生活を送っていた。時折、何度も自分で親父の消息を確かめよう と考えたが、日々の生活に疲れきったお袋や、無粋な来訪者におびえ きった妹の姿を見るたびに、やり場のない怒りを胸に、又いつもと 同じ生活を繰り返したものだった。 (無理だよ...俺だけならいい、母さんやルーシーをこんな目に あわせた奴らを許せるわけないじゃないか) お袋の死後、妹を遠くの親戚に預け、俺は軍に志願することを決めた。 そして俺は、自らの故郷と『決別』した。 お袋を、妹を、そしてささやかながら大切なものであった俺達家族の 幸せを奪った全ての者達から『逃げる』事しか出来ない、自分の力の 無さに絶望感を噛みしめながら。
「出て来たぜ、親父...あんたのいる宇宙へ...」 宇宙での初仕事はいきなりソロモンだった。 小さく広がっては消える、幾つもの光。 全てを焼き尽くす、大きな光の塊。 どの光の中にも自分は飲み込まれずに、辛うじて生き残った。 自分から守るべきものを奪った敵を叩き潰す為に。 自分たちを置いて逃げた親父を探す為に。 そして... 『だめだだめだ、坊主。そんな眼をした奴の機体の整備なんざ、 お断りだな』 弾薬切れのため、俺は母艦へ一旦帰艦した。 機体の再調整状況をチェックしにデッキへでた俺を、古参の整備 兵が呼び止めた。 『お前さんの眼には恨みしか写ってねぇ。わしらが万全の整備を したって、そういう眼をした奴が生きて帰ってきた例なんて ありゃしねぇ』 「...」 『お前さんの機体の整備なんて、やったって無駄だって言ってる んだよ』
164 :
伝えたい想い −その6− :01/11/09 17:13
何も知らない奴が、えらそうに。 あんたがどれだけのパイロット見てるか知らねぇが、俺と同じ 境遇の人間を見たことがあるのか? 「...相手を恨まずに人殺しやるなんて、俺はそんな神経持っちゃ いませんよ」 当然俺より階級は上だろうが、知ったこっちゃない。整備兵は 機体を万全に仕上げるのが仕事だ。その仕事を難癖つけてサボろう なんていう奴は、例え将軍だろうが提督だろうが俺は認めない。 『...そういうこっちゃねぇ』 ジジイの声のトーンが沈んだ。 『お前さんの眼に写った「恨み」は、そういう「恨み」じゃない んだよ。 まぁ、どんな「恨み」か根掘り葉掘り聞き出すなんざ、わしには そんな権限もなければ趣味もない。ただな...』 「...」 『...お前さんに似たような眼をしてた奴を、一人知ってるよ』 「...?」 『ルウムの時だったな...パイロットの割にはえらく年配で、こんな おっさんまで最前線に駆り出すようじゃ、こりゃ負けだなって思っ たよ。ただな、眼だけが異様にギラギラしてて...そう、今のお前 さんのようにな』 「...俺はあんたの昔話を聞きに来たんじゃない」 『奴もそう言ったな。その目つきで』 「...」
前節、間違ってageちゃいました。申し訳ない。 まぁ、週末なんで他のスレがガンガン伸びちゃってるから、ということで 勘弁してくださいませ。 じゃ、本編どうぞ。 その整備兵は俺に隣に座るよう促した。どうやら最後まで付き合わ ないと、俺に最終チェックすらさせない雰囲気だ。俺は観念してその ジジイの隣に腰を下ろした。 ジジイは俺にノーマルスーツのバイザーを下ろすように身振りで要求 した。 「...?」 ジジイのバイザーが閉じられた後、俺もヘルメットのスイッチを 操作した。俺のバイザーが降りたのを確認し、ジジイは一度大きく 頷いた後、自分の頭を俺のヘルメットに接触させた。 どうやら、あまり人には聞かれたくない話らしい。 ジジイは俺のことを、『戦死確定』と見定めたらしいが、これから 死ぬ奴なら秘密も漏れることも無いと考えたのか。 俺は一瞬躊躇したが、もうしばらくジジイの座興に付き合ってやる ことにした。 (俺が生きて帰ってきたら、慌てるだろうな) 『あまり大声で言えないがな...その男、ジオンからの再移民だった そうだ』 「!?」 『詳しいいきさつまでは聞かなかったがな。子供の頃の話だと言っ てたから、まぁ、どちらかの親が宇宙の水に合わなかったんじゃ ろう』 ...何を言ってるんだ、このジジイは?
『本人ももともと軍属だったが、後方勤務専門でな。そんなのが いきなり戦闘機のパイロットだから、これは物資でもちょろま かしたのがバレたりしたんだろうな、と勝手に想像したもんさ』 「...」 『ところがじゃ、さっきの話を聞いてびっくりしたね。で、聞いて みたよ。 「あんた、家族はどうしたのさ?」って』 ジジイは一度頭を離して、一呼吸置いた。 何やってるんだ、このジジイ。とっとと続きを話せ。 俺は初めてこのジジイに対し、「リアクション」ではなく「アクション」 を起こした。逃げたジジイの頭を、俺のヘルメットが勢いよく追いかける。 がつっ 互いのヘルメットに衝撃と耳障りな音が響く。 『何じゃい、年寄りを脅かすもんじゃないわ!』 「...続きは?」 『...あん?』 「その話の続きは!?」 ジジイはびっくりしたようだが、すぐにニヤリと得心したような笑みを 浮かべた。 『少しは眼の色が変わってきたようだな...』 「...」 『そいつはこう言った。 「家族は...捨ててきた」と』
俺の視界が、どす黒く濁った赤に染まるのが判る。 やはり、あいつは憎むべき存在だったのだ。 お袋を、妹を、そして俺を捨てた男。 守らなくてはならない存在に、自分が背負うべき業を押し付けた男。 『話を最後まで聞けい!!』 今度はジジイが俺のバイザーを叩く。 一瞬、強烈な憎悪にとらわれた俺の思考が解放される。その隙を突いたか のように、ジジイの一言が俺を突き刺すかのように放たれた。 『奴は...自分と家族との繋がりが断たれれば、自分の背負った業が 残された家族に降りかかる可能性が少なくなると考えたんじゃ』 「!?」 『それどころか、残された家族は「ジオンに利用された可哀想な奴ら」 と、同情してもらえるかもしれない。少なくとも、自分と一緒に 暮らすよりは、危険が少ないと思ったんじゃろう。もっとも、その 賭けが成功するとは限らんし、失敗した場合を考えると...』 ...そうさ、親父は失敗したんだ。 そんな賭けさえしなければ、お袋はあんな苦労をすることもなかった。 そんなバクチさえ打たなければ、ルーシーはあんな辛い目に遭わなかった んだ。
『わしは奴に言ったよ。 「何でそんな馬鹿なバクチを打ったんだ!父親抜きの家庭が、どこ まで世間の冷たい仕打ちに耐えられる!?」 とな』 「...」 『そうしたら、奴はこう言ったんじゃよ。 「大丈夫。俺が一番信頼している漢に、最高のお守りを渡してきた から。我が家の護り神をな」 とな』 「!!」 ...熱い。 ものすごく熱いものが、俺の中からこみ上げてきた。 いや、俺の胸の辺りから...そう、うまく言えないが、 「力強く、激しく、暖かい『何か』」 が伝わってくる感覚が渦巻いていたのを今でも覚えている。 その『何か』が、俺の心を激しく揺さぶり、そして−−− その感覚に身を任せて...俺は、久しぶりに泣いた。 声をあげて、激しく、身悶えるように。 ジジイ...ノーマン曹長は、一瞬びっくりした様であったが、俺の肩を 2,3度ポンポンと叩き、そのまま何も言わず俺の前から去ろうとした。
「待って下さい!」 『ん?』 一瞬、迷いが生じた。が、すぐに思い直した。全ては「知って」から 決めればよいのだ。 「...その人...それからどうなりました?」 爺さんは我が意を得たかのような笑みを見せ、もう一度俺のメットに 頭を寄せた。 『...それは、お前さんが帰ってきてからのお楽しみだ。その方が張り があるじゃろうて』 「...」 『まぁ、今のお前さんなら大丈夫じゃろうて。さっきとは眼の色が違う。 それにお前さんにも、帰りを待つ人の一人もいるじゃろ、ん?』 爺さんがもう一度、俺の肩を叩く。今度はさっきより力をこめて。 『心配するな。少なくとも、整備不良で墜とされるようなヘマはせんわい』 「...」 『...とな、わしが出撃前にタンカ切った奴は、絶対生きて帰ってくるん じゃよ、これが』 爺さんは再びニカッと歯を剥いて笑った。バイザー越しに写る髭の下の 歯は、思ったより白っぽく見えた。
『さて、早速仕事に取り掛かろうかの...お前さんの機体、最後に回して おくからの』 「?」 『その間に、そのベトベトの面さっぱり洗いなおして、もう一眠りして 来い!! 休むのもパイロットの仕事だからな!!』 爺さんは最後に一発、ありったけの力をこめて俺の肩を叩いた。靴底の マグネットが効いていなかったら、永久にその場で前転を繰り返していた に違いない。 そしてそのままくるりと背を向けて、爺さん...ノーマン曹長は、床を蹴って 自らの仕事場へと向かっていった。 「...約束ですよ!!」 『あん!?』 「さっきの話!必ず!!」 爺さんは俺の方を向き、自分の胸を一度バンと叩いた。
...約束はあっけないほど簡単に破られた。 ソロモンから出撃した敵の化け物MAからのビーム斉射で、俺の母艦は 瞬時に沈められた。 あっという間の出来事で、誰も脱出出来なかったらしい。 俺は運良く生き残り、ボールでザク2機、スカート付き1機撃墜という出来 すぎの戦果を挙げた。 会戦終了後、俺は軍曹から曹長へと昇進し、第523小隊を率いることに なった。 乗機もボールからGMへと変更になった。そして、向かう先は−−− ジオン公国最終防衛ラインに位置する、宇宙要塞ア・バオア・クー。
自室のベッドの枕もとには、さっきまで読んでいた妹からの手紙が置いて ある。 叔母が妹を、正式に養女としたいとの事だった。妹は 「戦争が終わって、お兄ちゃんが帰ってきてから」 と返事を引き延ばしている。叔母は妹を実の娘の様に可愛がってくれている らしく、手紙の端々から感謝の気持ちが滲み出している。最近では妹もよう やく打ち解けてきてはいるらしいが、まだまだ心機一転という訳にはいか ないようだ。無理もない。だが−−− 「ま、取りあえずは一安心か...」 叔父と早くに死に別れた叔母には子供がいない。それ故、一日も早く妹を 正式な養女にしたいらしいが、そうすると俺は叔母に恨まれているのかも しれない。だが、それは紛れもなく妹への愛情の裏返しに違いなく、妹への 手紙の返事を書く際には、必ず叔母へも謝辞を同封するようにしている。 これでいい。例え俺がソロモンで見たような宇宙の光の一つになろうとも、 あいつだけは幸せになって欲しい。その想いだけは、家を出たときから 変わらない。いや、時を経るごとにますます募る一方だ。 妹への返事は、必ずこう言って締めくくるようにしている。 『お前が本当に俺を愛してくれるのなら、これだけは守って欲しい。 お前の人生にも、幾つもの選択肢があるはずだ。 どれか一つを選ばなければならない場合は、必ずお前が一番幸せになる 道を選べ。 お前がこれからの人生を幸せに過ごすこと。 それがお袋、そして俺が望んだ一番の願いなのだから』
俺はアクセサリーを左手でもてあそびながら、空いているもう一方の手で 妹からの手紙を取り上げた。短めで、最後はいつも 『お兄ちゃん、早く帰ってきてね』 で終わっているはずの手紙。しかし、今回はいつもより長い言葉が綴られていた。 便箋にまぶされた、所々に見えるかすかな染み。それは、鋭利な針となり 俺の胸に突き刺さる想いの形。 『お兄ちゃん、あたし知ってるよ。 お兄ちゃんが何故戦争に行っちゃったのか。でもね。 ...ううん。きっとお兄ちゃんはあたし達の分も戦ってくれているんだよね。 あたし、覚えてるの。「あの日」、お母さんが汚れた私の身体を抱きしめて、 「どうして、どうしてこの子がこんな目に遭わなければいけないの!? グレンも、ルーシーも、子供達には何の罪もないというのに...」 ずっと、ずっと、あたし達の為に泣いてくれたの。 お母さん、あたしたちにいつもいつも、最期まで言ってたよね。 「誰を恨んでもいけないよ」って。あれ、きっと自分にも言い聞かせてたん だと思う。最近、ようやく判ったんだ』
「...俺もだ、ルーシー」 強くなった。素直にそう思えた。 間違いなく、俺よりずっと辛い思いをしてきた妹。そんな彼女に、繰り返し同じ ことを言い聞かすお袋に、何度俺は食って掛かっただろう。 俺は『真実』を聞く事が出来て、ようやくお前と同じ想いにたどり着いたのに、 お前は自分の足で再び日の光の下に立とうとしている。 『お兄ちゃんが軍に入って、あたし本当に心細かった。 叔母さんは本当に優しくしてくれるけど。 ほんとの事言うとね、あたし、お兄ちゃんに捨てられたんじゃないかって 思ってた。 結局、お父さんと同じ事してるんだなって。でも、違うんだよね。 ようやく気づいたの。 お兄ちゃんはあたし達の代わりに、「けじめ」を付けに行ってるんだって。 「戦争が早く終わるように、自分の力が少しでも役に立てば」って、あの時 お兄ちゃんは言ってたけど、今考えると笑っちゃうよね...あ、ごめん。 でも、正直言ってそんなの建前だよね?』 そんなことも言ったっけか? まぁ、あの時の俺なら、間違いなく口からでまかせぶちかましたんだろうが。 大体、人一人の力なんてたかが知れたもんだ。そもそも、そんな力があの時の 俺にあったなら、家族の誰一人、あんな悲惨な目には遭わなかったはずだ。 あのソロモンの化け物だって、噂ではガンダム1機で撃破したようなことを 言っているが、本当に一人で倒せるのなら、MS10個小隊束になってかかれば もっと早くかたがつくだろうに。 そんな想いに囚われながらも、何故か口元に笑みが浮かんでしまう。
『あたしは信じてるよ。 きっとお兄ちゃんは、昔の優しいお兄ちゃんに戻って帰ってくるって。 だから...どんなに時間がかかってもいい。必ず帰ってきて』 手紙はそこで終わっていた。便箋の2行先には、ひときわ大きい染みが 残っていた。左手の指先に力がこもる。 ピピピピピピ... 甘酸っぱい想いの満ちた静寂を破る、枕元から鳴り響くアラーム。 俺は手紙を無造作に枕元に放り投げると、ベッドから飛び起きた。作戦開始 3時間前。最終ブリーフィングの時間だ。 机の上に上がったヘルメットを小脇に抱え、だらしなく途中まで下げられた ノーマルスーツのジッパーに手をかけた。その視線に再び入る『願掛け骨』の アクセサリー。 「...親父、待ってろよ。あんたが生きていようが死んでいようが、あんたの 想い、必ずもって帰るから。だから...見ていてくれ、後一回だけ−−−」
きっと、俺は護られてきたんだ。自分を愛してくれている、いろんな人の 「想い」に。 俺や妹が暗い闇の中に取り込まれないよう、自らの辛さをかみ殺してまで、 最後まで「人の心」を諭してくれたお袋。 明日をも知れぬ俺の帰りを、ただひたすら信じて待ちつづける妹。 俺にもう一度、「生き抜く理由」を遺してくれた、整備兵のノーマン曹長。 そして...未来への希望を俺に託し、かなわぬ願いに身を焦がした... ひょっとしたらまだ業火の中で苦しんでいるかもしれない親父。 あんたがもし生きていたら、一発殴った後、真っ先にこう言ってやるよ。 『どうだい、強くなっただろう。だがな、ルーシーの一発はもっと効くぜ』 ってな。だから−−− 俺の胸元に光る、俺の護り神。 ノーマルスーツの上からその『想いの結晶』に手を当てて、目を瞑り、深く 深呼吸する。そして−−−胸元のジッパーを一気に引き上げる。 「523小隊、グレン・ウィッシュボーン曹長...行ってくるぜ、親父」 再び眼を開けた俺の視界には、暖かい光が拡がっていた... − Fin. −
177 :
伝えたい想い −あとがき− :01/11/09 18:50
...ようやく終わりました。長々と申し訳ありません。 とっぱなから長編、しかも殆ど他の職人さんのカキコもない状態で、 スレ一つ私物化してしまったような印象を与えてしまったのではないかと。 全くもって汗顔の至りでございます。 職場からのアクセスですので、カキコできる時間は限られております。 今度はおそらく週明けになるでしょうが、その間読者の皆様方から、 いろいろなご感想を聞くことが出来ましたら幸いです。 (家からも接続は出来ますので、ひょっとしたら休み中に覗きに来るかも しれませんが) 再び機会がありましたら、今度はもっとキレのあるショート・ストーリー にも挑戦したいと思いますので、今後ともよろしくお願い致します。
178 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 18:51
いや〜やっぱりガンヲタは腋臭やね。臭くて〜〜≡(((`Д´)ビクーリ ニゲロォ! 先週近所のコンビニから帰る途中、コンビニの裏手の選挙事務所の脇から 35〜36歳ぐらいのガンヲタがモノ欲しそ〜にこっちを見てたんで コンビニのゴミ収納物置にあった賞味期限切れの牛丼をポイッと投げてあげたんよ。 最初は警戒してた様子で牛肉だけを咥えて奥に入って行っちゃったんだけど 相当お腹が空いてたんだね〜、食べ終わってもまだ足りないみたいで 「旦那様ァ・・・」とダミ声で鼻水たらしながらこっちに寄ってきたのよ、ウシシΨ(`∀´)Ψ 殺気を悟られないよう優しさ120%の笑顔と猫なで声で呼んだら 遂に足元に土下座してきたんだよね〜うひひバカめ。('ー ' *) こっちも警戒を解くためにシャアザクのプラモをちらつかせつつガンヲタの横面を 「そうかホレホレ・・・」と言いながら百式とプリントされた安っぽいTシャツで叩いてやった。 俺のこと完全に信用したみたいだな〜 さて〆るか...(`´)キッ コミケで買ったらしい同人誌を燃やしても大人しいぞ〜ウンウンそのまま震えていてね。 燃え残りを放り投げたら火を消そうと両手で押さえています。「アツィのォ,ママァ!」だって。 隠していたセル画を焚き火にくべ、シャアザクをバキッと踏み潰します。 涙を流して嬉しそうに叫んでくれます。「だめぇぇぇっ!」「ララァ!」だって。(W すっかりセル画が燃え尽きたら電光石火のごとくSDガンダムに着火!! のははははは、直ぐに目の前で暴れ出しました!ガンヲタが悲しがっています! ガンプラぐらいではガンヲタが引き篭ろうとするのは過去経験済みなので とりあえずガードマンのアルバイトをさせます。(これ大事^^) とまあ、このように軽〜く〆社会復帰させたガンヲタが鶴見で労働しているのですが、 職場に馴染めず、通行人になじられ、パチスロですり、茫然自失になってます。 そろそろサラ金も借りれないようなので、ロシア船にでも売っちゃおうかなと思ってます
179 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 19:24
155〜の伝えたい想い 長すぎ。 ありきたりな話。 伝わってくるものがない。 キツイこと言ってすまんが、これ素直な感想。 頑張ったってのは分かるんだけどね・・・
もしもし、うん、元気だよ。 デッキで聞いたんだけどさ、そろそろ戦争終わるかもしれないってさ。 もちろん、クリスマスには間に合わないけどね。 え?終わったらどうするって?うん、やっぱり大学に行くよ。 あは、別に父さんに言われてたからじゃなくってさ。 うん、設計開発をやりたいんだ。 どうしてだって? ・・・・・・・・実はさ、昨日も救難出動だったんだ。 ジオンの連絡艇でさ、船体に異常はなかったんだけど、生命維持装置が壊れてて。 みんな死んじゃってた・・・・酸欠で。 工具箱、点検ハッチ、開けられるものはみんな開けて、 レーションの袋まで開いてたんだよ。 袋の中の空気なんて、雫ほどもないのに。 少しでも新鮮な空気を吸いたかっただろうな。 ・・・・・・。 遺体を搬出してて涙が止まらなかったよ。 で、泣きながら思ったんだ。 星の海は決してロマンだけじゃないなぁ、 ジオンだろうが連邦だろうが無差別に殺すんだなって。 だからさ、僕は技術者になるよ。 安全なシステムを作るんだ。 敵はジオンなんかじゃない、宇宙そのものなんだ。 あ、また待機シフトに戻らなきゃ。 また電話するから。
戦場からあの人に『一言』・・・ですよね? 自己満足の長編小説は飛ばしてます。 3回を越えるシリーズ物も飛ばしてます。 前スレは、短い中にもギュっと思いが込められた佳作良作が 多かったので読んでいましたけど・・・今は飛ばしまくってます。 こんな私は逝ってよしですか?
>180 そうそう! これこれ! こういうの! 『感動した!』
183 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 22:16
まあ取捨選択は読み手の勝手ってことで決着ついてるみたいだし 長編が好きな人間もいるみたいだし、いいんじゃん?別に。
184 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 22:25
つーか、こういう掲示板に書いてるネタっつーのは 長短関係なく基本的に全て自己満足だろ?違う? 俺は自己満足じゃないぞって職人さん居る?
「おかえりなさい」 ドアを開けると妻が俺を出迎える 「トムもずっと待っていたのよ」 そうだ俺のかわいい子だ 「ずっと心配してたのよ、もう帰ってこないんじゃないかと」 暖かい家、大切な家族 俺は帰ってきたんだ 「もう、どこにも行かないでね」 あぁ…行くものか ずっと、ずっとお前達と一緒だ 『……ギルダー准尉、応答してください!ギルダー准尉』
186 :
まきろんG :01/11/09 23:00
あ、もしもし、俺。 悪ぃけどさ、また愚痴付き合ってくれよ。 そう、例の技術少佐のやつ、また来たよ。で、また新型のボールで出撃だよ。 最近はジオンの連中、特にあのゲルググ小隊にマークされちまってるみたいだし・・・。 今度はさ、ステルス対応だってさ。 え?ステルスだから黒塗料なんだろって? いや、それはそれでいいよ、まだ納得できるさ。 あの野郎、機体の前で言うの。 「ステルス=黒の常識を打ち破る革新的な機体ですっ! この機体は、宇宙の星に溶け込みます」 確かに、常識は打ち破ってくれたよ。 反射光で恒星に偽装するだぁ? いくらなんでも機体色を金色にするこたぁねぇだろ! きっとジオンの奴は言うんだろうな、この金玉野郎って。 あー、もうやってらんねぇ。
187 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 23:05
また呼んでくれや
188 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/09 23:08
長文キモイ
今なんか妙にこの板荒れてるね
190 :
FAVORITE :01/11/10 00:24
「…注いで」 「はっ。ホリ准尉、注がせていただきます」 「…んっ、んっ、んく、はああ〜。…注いで」 「…ネコヤマ上等兵閣下、お酒を召されるのならもっと…」 「……」 「失礼しました。出過ぎたことを申しました」 「ん。んっ、んっ、んむ〜…」 「あなた、どうしてこれ食べないの〜?」 「いや、魚が苦手なもんで…」 「好き嫌いして大きくなれると思ってんのぉ!?」 「別にこれ以上大きくならなくても…」 「はい。あ〜んしなさい」 「聞いてねえだろおめぇ」 「…重いぞお前!何キロありやがるんだこの野郎!?」 「んふ〜ん♪ 17.2トンよぉ」 「車呼ぶ。ボールほどもある女をおぶってられるか」 「やだぁ!おぶってけ〜!おぶってけ〜!」 「ちぇっ、なんでよりによってこんな女に…」 「はしれ〜!きゃはははは…!」
191 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 00:26
もしもし? ヒロユキか? もう知ってる? ガンダムの新作映画。 ∀ガンダムの同時上映らしいんだけど・・・ そう! 富野が監督するんだってよ! えっ? タイトル? 聞いて驚け! その名も「機動戦球ボール」。 うん。ボールが主役らしいよ。 うんうん。やっぱ来年はワールドカップだしね。 「ボールは友達! こ、こここ怖くない・・・」 ってか(笑
305戦隊かスコードロン、どっちでも良いから早く戻ってきてくれ。(;´Д`)
『オレの生涯で一つだけ誇れる事がある・・・君を愛した事だ。』 彼は結婚したばかりの最愛の妻にそう言って電話していた。 彼はオレと同じ部隊で、頼り甲斐のあるイイ奴だった。 でも、オレが生き残って彼は死んでしまった・・・・
おーい、コーヒー。 ん、ありがと・・・・。 あ、そうそう、変な玉っころの話だったな。 最近よく出くわすんだよ。 花火打ってきたり下駄飛ばしてきたり、先週なんか、金色だぜ。 もう思いっきり目立ってんの。 金玉にキャノン砲・・・遊んでるつもりなのかねぇ。 テレビ中継、どうすんだ?モザイク入れなきゃまずいかもな。 勝ってるからっていい気になりやがってよ、ったく。 う・・・このコーヒー、大豆かよ。 機体の予備パーツすら員数足りんから、コーヒーなんて贅沢品は無理だよな。 でさ、うちの隊もやばいみたいでさ、俺たちのゲルググ、長刀使えないよ。 明日出撃だってのにさ。。 そ、ジェネレーターのコアが届いてなくてね。 で、補給の連中に怒鳴り込んだらさ、明日までには代わりの装備を用意しておくってさ。 ま、そういうこった。じゃな。 (12時間後、発艦デッキにて・・・・) おい、背中についてるのって、ただの金属パイプじゃねぇか! ん、メモが着いてる・・・・「かっ飛ばせ!ホームラン」 おいおい、ボール相手だからってそれはないだろぉぉぉぉ。 この後、彼の所属小隊は、集団で肉薄して金属パイプで滅多打ちにするその戦術から、 「いてまえ小隊」として連邦のみならず味方でも有名になるのであった。 で、渡されたのが金属バット。 野球じゃないっての! もうこの戦争、負けだな。
195 :
FAVORITE :01/11/10 00:49
>150 自分にレスポンス。眠い時に書き込みなんかするもんじゃ ありませんね。練り込みが足らん。ネタひとつ無駄にしちゃったい。 >155さん 『長々と申し訳ありません』と思うのであれば、もっと 文を絞ってみてはいかがでしょうか。なにも設定全部を 説明する必要などありませんし、それを抜きにしても 全体的にくどい気がします。次作に期待。 >181さん いえいえ、逝ってなどいけませぬ。たまにツッコミいれて くれたほうが、書く方も引き締まると思います。 ところで、3回以上はあぽ〜んですかぁ…。各回独立して読んでも 大丈夫なように心がけているつもりですが…。う〜む。 >305戦隊さん お帰りなさいませヽ( ´∇`)丿
196 :
「戦場の1シーン」 :01/11/10 01:11
満天の空に月が輝く。 男は力無く、ストンと岩場に腰を落とした。 男はそのまま、うつろな目で空を見上げ、月をじっとみつめている。 この世の終わりかとも思えるような静寂の中、 時折吹く冷たい風が男の頬を突き刺し、髪を嬲る。 どれくらいの時が流れた頃であろうか、やがて男は空を見上げたまま、 上着のポケットをあちこちまさぐり、タバコを取り出す。 タバコを咥え火をつけ、一息して白い煙をはきだす。 白い煙が頭上に広がる無限の空へと吸い込まれていくかのようだ。 辺り一面砂漠しか見えないような場所で、 遠くに主のいない連邦のMS1機とジオンのMS2機が中破されたまま放っておかれている。 男はまんじりともせず空を見上げタバコを吸う。決して下を見ることはない。 「、、、MSにずっと乗ってたから気づかなかったけど、、、 、、、俺達がしているのは殺し合いなんだな、、、」 男の目の下には、頭をカチ割られた血まみれのジオン兵の2つの死体が横たわっている。 撲られて絶命したようだ。 男は血まみれになったその手でタバコを吸いつづける。 流れて肘のあたりまでを赤く染めた血も、時間が経ったため茶色く変色していた。 「、、、早く、戦争終わらねぇかな、、、」 砂漠の岩場に腰をおろし、身動きひとつしないその男を、月はいつまでも照らしつづけていた。
197 :
「UC版シンドラー?」 :01/11/10 01:13
「艦長、ア・バオア・クー宙域に到着しました、、、って戦闘ほとんど終わってますね」 「味方がア・バオア・クーをおとしたようだな」 「間に合いませんでしたね、、、途中のエンジントラブルがきいたなぁ」 「まぁいいさ、グレート・デキンが沈んだという報らせもきている、これでやっと戦争も終わるだろうぜ」 「ザクがジオン兵ワイヤーで引っ張ってますね、、、なんか泣けるなぁ、、、」 「宇宙空間での戦闘など、実際に弾にあたって死ぬ確率は低いものだからな。 酸素切れ、燃料切れ、吹っ飛ばされてそのまま慣性で何処かへいっちまって死ぬのがほとんどだ。 そうだな、せっかく来たんだし、うちも救助活動でもしていくか。 ボールの奴ら救助活動に出させろ。 もうこれで戦争も終わりだ、味方・敵にかかわらずひとりでも多く救助して来いって部隊の奴らに伝えろ。 整備班に出来ることならボールの砲身外せと言え、まだ血の気の多いジオン兵もいるかもしれんからな。 間に合わないようだったらボールに白旗でも持たせておけ。 通信班、ボールが人命救助に向っていると流せ。敵兵にも伝わるように出来るだけ多くの回線でな。 もうこれで戦争も終わりだから、無駄に命を捨てるなと言っておけ。」 『現在、我々は宙域にて連邦の作業用ポットを使い救助活動を行なっている。 これは人道的救助活動を第一義としたものであり、どちらの陣営に偏ったものではない。 救助した人間は連邦・公国それぞれの陣営の船に還すことを約束する。 これは降伏勧告などではない。 今回の戦闘で戦争は終結すると思われ、我々は同じ人間がこれ以上無駄に宇宙に命を散らすことを望まない。』 ア・バオア・クー宙域を白旗を持って飛びまわるボールの群れ。 連邦もジオンも関係なく1本の同じ命綱につかまっている多くの兵達。 「俺は前から思っていたんだがよぉ、 ボールってのはありゃぁ戦争より平和の方が似合う機体だな。。」 この戦闘の後、この行為によりこの船の艦長は軍法会議にかけられるが、 連邦兵、ジオン兵の間から激しい抗議があり、 ジオン公国からも政治的圧力が加えられるなどの異例の事態もあり、 この艦長が罪に問われることはなかったという。
198 :
「もしも、友とよべるなら」 :01/11/10 01:14
すまん!!許してくれぇ!! 決してお前を見捨てて逃げたわけじゃないんだ! コワカッたんだ、パニくって頭の中が真っ白になって、 無我夢中でお前のことを考える余裕なんてなかったんだ そんな恨めしそうな顔で俺を見ないでくれ そんなうめき声で俺の名を呼ばないでくれ すまなかった、許してくれ!! 夢か、、、またあの時の夢を見た。 幼なじみだった友を俺は戦場で見捨てて逃げ出した、、、 敵の罠にはまり、俺と友のザク2機は突然無数の敵とハチあわせ 目が眩む程のビームライフルの閃光が数多飛び交う中 俺はパニックになって、無我夢中でただひたすら走り、戦場を離脱した だがふと我に帰った時、傍に友の機体はなかった、、、 友か、、、もうあいつは友だとも思ってくれてはいないだろう あいつに会って心から謝りたい、、、 だがあいつはもうこの世にはいない、、、 「ユゥ、、、」 我を忘れる前に、途切れ途切れの無線から聞こえたあいつの俺を呼ぶ声。 その友の声が今も俺の耳にこびりついて片時も離れない。 おそらくその後も絶命するまで恨めしい声で俺の名を呼びつづけたに違いない。 俺の心の中にあるのは、 大いなる絶望、どうしょうもない自分への嫌悪、死にたくなるような鬱感、、、 毎晩見るあの時の夢、夢のようにあいつが俺を恨み呪い殺してくれたらどんなに楽だろう。 なぜ俺は友を見捨てて逃げ出した? なぜ俺は友を見殺しにした? なぜ俺は友を裏切った? なぜ俺は卑怯者なのだ? なぜ・・・ このまま俺はあいつに謝ることも許されることもなく、生涯裏切り者のまま生きていかなくてはならない あんなに時を同じくし、楽しいこともツライこともわかちあった、心を許しあった友なのに 次の戦闘があったら俺は生きて帰っては来たくない 友を見殺しにしておいて自分だけ生き残っていくなんて俺にはできない そう考えると次の戦闘が待ち遠しい、呼集の鳴り響く音を今か今かと待ち続けている 頼む早く俺を戦場に出してくれ、早く俺を楽にしてくれ あの時の交戦記録が残っていた?機体から発見された録音テープもある? やめろ!やめてくれ!!そんなもの聞きたくもない!! これ以上俺を苦しめるのはやめてくれ!! !! 、、、、、、友よ、、、、、、 『ユゥ、、、逃げろ!、、、死ぬな、、、生きろ、、、俺の分まで、、、』
本人が思っていた以上に長くなってしまった、タイミング悪いな^^;
>>180 まきろんさんとなんかネタ被り気味、毒ガスネタも被ってたし(w
考えることが一緒なんでしょうか?(w
巡洋艦メフメットU 昇進 「中尉に昇進ね・・ジムに転換する方が良いんだが」 「ま、給料も上がるし、贅沢は言えないな」 「おう、リー伍長、電話か?」 「はい、アラン中尉。出撃前の遺言代わりに」 「あんまり恥ずかしいことは言うなよ」 「そう言えば、中尉は電話なさいませんね」 「ん、俺か?俺は戦闘が終わって帰還後に連絡するときめてるんでね」 アランはここまで言ってから少し照れくさそうに笑った。 「それに、出撃前の電話は初陣連中のために空けてやらないとな」 「ついでに香水の臭いのする戦闘に余念がなくてな」 「中尉殿らしいです」 「っと、電話が空いたようだぞ」 ふと見るとリーの前の兵が電話を終えたようだった。 「では、失礼して」 「あと、30分だ。遅刻するなよ」
>>200 なんか、ちゃんとした設定とかありそうだから
小説形式にしちゃえば?今のこのスレの空気だと罵倒されそうだけど。
>>201 長々と書くと読み辛いんでショートショートで逝きますわ。
設定?1スレ5分程度しか使ってないし・・・・・書いてる内になんとか・・
同人屋なんで、書くのは楽です。ネタ的には色々と固まってきてますけどね。(^^;)
巡洋艦メフメットU 遺言 ツルルルル・・・・・カチャ あぁ、僕だ。リーだよ。うん、また出撃さ、そしてこれで六度目の遺言だ。 うん、そう、資産や今後の身の振り方は変更無し。 ・・・昇進?次の辞令はそれなりに期待してるんだけどね。 うん、そう、愛してる。戦争が終わったらね。 今度こそ生きて帰れないかも・・・え?聞き飽きた? うん。だけど、変に安心して油断したら本当に帰れなくなるからね。 これが最後だという覚悟が欲しいんだ。 うん、期待しないで待ってる?・・・・そうだな、じゃ行ってくる。 じゃ、これが最後かも知れないけど・・・愛してる。誰よりも
204 :
「戦地の人々」 :01/11/10 04:04
神様 どうもありがとうございました 今日もまた 今日という日を生きていることができました 僕はもう寝ますが 生きて明日という日を迎えることができますように・・・
205 :
「戦地の人々」 :01/11/10 04:09
神様 どうもありがとうございました めずらしいことに今日一日はこの地で戦闘がありませんでした そんな日がまたあると嬉しいです・・・
>149 305戦隊さん、いつも拝読させていただいてます。 あなたがいなかったら、俺はこのスレ見続けてなかったかも(w 今はコテハンの職人さんも増えて、いい作品もたくさんありますが、 前スレ「まーにいちゃん&のりちゃん」&「テレコム公社」はおそらく今までで一番好きな作品です。 お忙しいようですが、305戦隊シリーズ(なんだか特撮みたいだがw)も楽しみにしておりますので、 無理されない程度にがんばってください。
207 :
まきろんG :01/11/10 10:38
あ、もしもし、俺。 また試作ボール来ちゃった。で、また明日、評価出撃だよ。 ソロモンも落ちたし、来年には戦争終わるかもしれないってのにさ。 こちらが優勢なのに、何で新兵器ばっか持ってくるんだろうねぇ。 技術本部、酸欠で頭いかれてんじゃないのか? 今度の奴は、遠距離狙撃型システムだそうだ。 戦艦波のメガ粒子砲のっけてアウトレンジ攻撃だとさ。 え?ジェネレーターどうするって? そこだよ、そこ。ボール二個繋いで、片方まるまるジェネレーターに使ってるの。 どんな形か想像してみろよ。 ボール二個の間にでっかいメガ粒子砲だぜ・・・・・・。 おれ、もう恥ずかしいって。
208 :
まきろんG :01/11/10 10:53
「隊長、あっちに変なMAがいます!」 「う・・・・なんだありゃ?ボール・・・だよな」 「二個繋いで間にでっかい大砲積んでますよ。先っぽがてらてら光ってる・・・あ、撃った!」 「ち、メガ粒子砲かよ。ばけもんだな。」 「ええ、すごいMSですね。記録、撮ります」 「・・・究極の秘密兵器だな」 「どうしてそう思うんですか?」 「あの形、誰がどう見ても、チンポだぜ。モザイクかけないと画像公開できないよ。」 「なるほど!」 「それに・・・・パイロットも恥ずかしくて秘密にしておきたいだろうしな」 「まさに、秘密兵器ですね・・・・・」
>>202 いや、つーか、短いのは良いんだけど、説明不足過ぎて意味解んないんだよ
>>201 が言ってるのもそーゆー事だと思うよ。
210 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 16:28
これまでずっとROM専だたーよ つか、まきろん氏、すげーワラタ、最近下ネタばかりだけどw アンタ、モンティパイソン好きだろw
211 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 17:20
いやだーっ! 死にたくない!こんなのやだ! なんで俺がこんな目に遭わなきゃいけねえんだよ! 助けてよ、助けてよ母さん!母さん!! ・・・なんて言う勇気すらないのか、俺は。 軍の回線だからって。 最低だな・・・。 「母さん、行ってきます。連邦の正義と平和のために。」
>181 スレを荒らすつもりはないので、こういうヤツもいるよって 感じのひとつの意見としての書き込みでした。別にルールを固定 しようなんておこがましいことは全然考えていませんから。 「3回を越える=4回以上」なので、私の場合は「3回くらいなら普通 に読むよ」ってことです。これが5回の人もいれば、1回の人もいるで しょう。これもまた一意見ということで。長編マンセーの人もいますし。 良スレですから、沈めたくないという気持ちは私も一緒です。
どうやら私は、戦場から一歩ひいた視点の物語が好きなようです。 ゲーツではないロバートの方のキャパ(w が切り取った写真も、 最初は生々しい戦場を主体としたものでしたが、次第に戦争という 避けようの無い現実に翻弄され、しかし冷静かつ貪欲に生を求める 民間人を主体としたものになっていきましたよね。 戦場+軍人は当たり前のように見えますが、戦場+民間人という 一種異様な組み合わせは、もしかすると戦闘シーンよりも生々しく 戦場を映し出すのではないでしょうか。 そういう意味で、「軍人=TEL=民間人」という前提が好きなのです。 これもまた個人的な意見なんですけどね。0080好きですから。(笑) 勿論、民間人のからまない作品でも良い作品が多い良スレですから これからも楽しませてくださいね。>職人の皆さん 好き勝手書いてすみません。一意見として聞き流してください。
214 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 20:45
たしかに長編はうざい。 どちらかというと、星新一の「ショート&ショート」程度の 長さがよいのだが。(まぁ、ショート&ショートのなかにもたまに長い物があるけどな)
215 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 21:52
前スレで何故長編物が良作とされたか 基本的にショートストーリーがほとんどだった中で いきなり長編しかも名作 これに尽きるのではないか 俺は長編読むのも好きだから良いが 長編があまり好きではない人に今の長編乱立は辛いかと やはり基本は短編の方がよさげ
216 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 21:58
屑長編が増えると誰も読む気が無くなってせっかくの傑作も埋もれてしまう
217 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/10 22:53
ありゃりゃ、久しぶりに貼ろうと思ったら・・・ ずっと名無しだし、さして評価されてる訳でもないしなぁ。 しばらく様子みますかねぇ。 中編ぐらいになっちゃったし。
218 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/10 23:39
地球光に照らされたコンパートメントに祈りを捧げる男のシルエットが浮かぶ。 その姿を見る者があったなら、重力に繋ぎ止められていない男は瞑想しているようにも、 また、すすり泣いているようにも見えただろう。 20年前、地球圏統合派の武力による併呑に反対し独立を守るために銃を取った男は、政府の 降伏文書署名と共に地球連邦軍に編入され、今、20年前の自分に銃口を向けることを要求さ れていた。 "主よ、" 数千年の昔から人々に呼ばれつづけたその名を男は呟く。呼びかけられた者は、極まれに、 その呼びかけに答えて御標しを顕すと言われているが、彼の呼びかけにはまだその必要を 認めていないらしい。 "主よ、" どことなく彼自身に似た少年と少女の写された古いプリントアウトが壁から微笑みかけて いた。 "エマ・・・" 哲学者の瞳を持つ男は静かにコンパートメントに別れを告げた。
219 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/10 23:41
与圧デッキのざわめきが私は大好きだった。手際よく己の仕事をこなしていくエンジニア の手元を覗き込み、時たま手隙の年長者に頭を乱暴に撫でられ、子供をあやすように、こ こは間に合っているから向こうへいっといでと背を押されるのが好きだった。 食堂のざわめきが私は大好きだった。キッチンカウンターで料理長に焼きたてのベーコン を一切れもらってラウンジのゲーム板でクリケットを眺めるのは楽しかった。10ドル紙幣 を賭けて行われるその手のゲームに自身が参加することは決してなかったが、巧者の神業 に近い妙手に歓声をあげ、財布を空にしてしょげる敗者の自棄酒に付き合うのが楽しかっ た。 私は常に誰かに守られていた。父に、母に、兄に、ラウルに。 今度は、私が誰かを守らなければならない。私は一人前の兵士として、私を守り育ててく れたすべてのものを守るために。 "伍長?、こっちにおいで、食事は済ませたのかい?"少尉殿が呼んでいる。厳しい人だが 嫌いではない。髪のにおいがどことなく母に似ていた。
>204 >205 こういうのにグッとくるんです。(自分、マニアックかなぁ) これが、まだ年端もいかない子供だったらと考えると、本気で目頭が 熱くなります。オジサンだからかなぁ。 とにかく切ない・・・。 >211 軍の回線・・・つまり内容をチェックされる可能性があるために、 戦争に対する怒りとか、逃げられないやるせなさとか、叫び出したい 欲求すらも抑え込まなければいけない不条理さが伝わる良作です。 自分では作れないくせに、意見とか感想ばかりで申し訳ないです。
>185 (ToT) ギルダーサン・・・ >196 戦争はMSだけがやっているのではないという現実と、気付いた ところでどうにもならないという、やるせない空虚感が伝わってきます。 >197 救いがあって良い話ですねぇ。ボールがマニピュレータで白旗 とか赤十字の旗を持つ映像って、不思議と似合いそうです。 最近、長編を飛ばす癖で、良作短編まで見逃してました。 ・・・宇宙の果てまで逝ってきます。
222 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/11 00:46
>>220 うっせーな、申し訳ないと思うなら書くな。てめーしつけえんだよ。
ネタ書きもしない評論家気取りが自分の趣味押し付けてんじゃねえ。
ネタ職人達に失礼だろーが。
223 :
RB-79 :01/11/11 00:50
「ちくしょう!離せよ!この野郎」 どんなに機体を制御しようとしても 半壊した俺のボールは何も反応しなかった まだ生きているモニターにジオンのザクが見える そう…捕らえられてるんだ 「俺はまだ死ねないんだよ!」 そうだ、生きて帰るって約束したじゃないか 家族に親友に恋人に 絶対に死ねないんだ 「離せ…離せよぅ…」 抗う術も持たないまま死んでいくなんて…… 『坊主、無線はいかれてるのか?』 「えっ」 接触回線を伝って来る疲れ切ったとも取れる声に 半ば狂乱していた意識が戻る 『戦争は終わったんだ、もう坊主は戦わなくて良いんだ』 「本当……なのか」 『嘘でこんなこたぁいわねぇよ、ほれ味方の艦まで運んでやるよ』 「そんな必要は……」 『坊主、いくつだ?』 「さっきから坊主って!俺はもう18だガキじゃない」 『俺の息子も生きてりゃ同じ歳だ…坊主じゃねぇか』 「あんた……」 『何も出来なかったんだ だから坊主おめぇは無事に帰って親を安心させてやれ』 艦長!ケビンのボールです。あれは、えっ…ジオンのザク? ザクがケビンをケビンを…… そろそろコテハン作ろうかなと……
隊長が死んだ。 Sフィッシュとボールで、ザクやリックドムと正面きって渡り合い、 9機を落とした艦自慢のエースだった。 いつも豪快で、酒とタバコと女が好きで、副官の私もことあるごとに誘われていた。 親の教えで婚前交渉はしないって言ったら、天を仰いで笑っていたっけ。 そんな隊長もついさっき死んでしまった。 10機落としたら結婚しようと言ってくれていたのに。 母艦に帰った、私はこうして彼の遺品を整理している。 いつも豪快で、酒とタバコと女が好きだった彼が、日記をつけていたことをはじめて知った。 『死にたくない、助けてくれ、泣きたい、戦いたくない、逃げたい』 そんな言葉だけが延々と連ねられた日記帳。 私はそれをそっと懐にしまった。 私は、彼と結婚するのだ。相打ちとはいえ、彼は確かに10機目を落としたのだから。
スレ違いだね、ごめん。
226 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/11 01:01
>24 >35 >91 >185 >223 などの作者です >220-221 感想がもらえるだけで書いてる方としては嬉しいです >222他の人はどうか解りませんが私は感想もらえるだけで舞い上がりますw
>225 226に激しく同意です
・・・あっという間に宇宙の果てから帰ってきました。 こうなりゃヤケ。このスレの、私のお気に入りを一気にアップ。 >15 どことなく味のある話です。 >40 親の心、子知らず。ぜひ彼には生きて帰って、親の喜びと涙を 見てもらいたいです。そうしたら彼も少し大人になるのでしょう。 >42 口は悪いけれど、戦場では常に新兵に気を配れるような、良い 上官なのでしょう。隊では「オヤジ」なんて呼ばれているのかも? >48 この兵隊さんには、ぜひ無事に帰還してもらいたいものです。 >59 つまるところ、私の意見や感想も、職人さんへの「ありがとう」の 気持ちと、感想が次への肥やしとなるのなら・・・という気持ちなのです。 感想ばかり連続投稿で申し訳ないです。以後は落ち着きますので・・・。 >74 なるほど。言われてみればその通り。私がボール乗りで戦場に 行くなら、こんな上官がいいですね。でなければ怖くて逃げ出すかも。 >87 >119 >180 まきろん氏、あなたは私のツボです。お笑いも好き。 >120 >125 >150 なんていうか、もう・・・たまらんです。(泣) >185 >196 >197 の感想は >221 です。 >204 >205 >211 の感想は >220 です。 私の場合、長編は嫌いなのではなく「苦手」なのです。 他の長編と合わせ毎日読んでいるうちに、だんだん設定が混乱 してきちゃうもので・・・阿呆ですみません。とほほ。
>229 を書いていた間にアップされていた >222 を見てヘコミ。 おとなしくROMに戻ります。で、最後の感想。 >223 どちらも最後まで生き残って、家族に再会してほしいです。 >224 べたべたしない愛の描き方が秀逸です。まさに「哀・戦士」。
231 :
ザビ山ドズル :01/11/11 02:05
ジョディ母さん 今日はおかずを作りすぎたから 隣のテムさん所におすそ分けを持って行って頂戴 息子 アボーン はーい アボーンが小さな鍋を持って 隣のジャンク屋に向かうが、すぐに帰ってきてジョディにこう逝った 息子 アボーン 隣のテムおじさん、階段の下で、寝ているよ アボーンは、持っていた鍋をテーブルにおいて、不安そうな気味悪そうな表情で 息子 アボーン そうういえば、さっき母さんが買い物逝っててお留守番しているときに、テムさんの笑い声が聞こえたんだ ジョディ母さん しょうがないねぇ まあ あのテムさんだからねえ どれ、様子を見に逝ってこようかねぇ・・・・ end
お疲れ様でした^^たまにはこういう総評というのもいいかと<みんながこれやるとウザイけど(W 少なくとも一人は確実に私の作品を読んでくださったのだなと安心しています 一番時間をかけたの以外はみんな評価をいただけて嬉しかったです(w この辺の書き手と読み手のギャップを知るという意味で感想というのはありがたいです^^
233 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/11 02:23
戦場からマチルダさんへ一言 Gアーマー使えないっぽいです 明日出撃? 護衛ですか?また使えないもん持ってきて余計な仕事増やさないでください 匿名希望17歳
艇長!艇長!大変です!ア…ア・バオア・クーが陥落しました! 戦争は…戦争は終結しました! 煩いぞ、中尉。そこまで大きな声を出さないでも聞こえる。狭いジッコの中だからな。 そうか。とうとう終わったか。やはり祖国は、負けたのだな。 長すぎたな。私達は、多く失いすぎた。それでも私は生きているのだがね。 艇長、どうしましょう。このまま潜伏作戦を続行しますか?それとも投降しますか? 途切れ途切れの無線で、どうも小惑星帯に行く連中もいるみたいですけど… もう、戦争も終わった事ですし、無理に戦闘を仕掛ける事も無いと思うのですが… 中尉、あぁ、中尉。君の戦争は今日で終わりだ。 しかし、私の戦争はこれでは終われない。私は、まだ生きている。 中尉、君に最後の命令だ。今日かぎりでこの小隊を解散する。 君は次なる戦場を、自分で選び、自分で戦いたまえ。 私はこれより、我が小隊最後の戦場へと撤退する。 君はもう、ジッコから降りたまえ。若造が一緒に死ぬ事は許可できん。 さよなら、だ。 さようなら、艇長。御武運を。 『艦長、最終戦闘地点より報告入ります。MS3機降伏。 リック・ドム5機撃破。ザク12機撃破。ジッコ13機撃破…』
235 :
まきろんG :01/11/11 07:24
あ、僕だよ、僕。みんな元気?うん、うん。それは良かった。 でさ、ちょっとおじぃちゃんに代わって。 あ、じぃちゃん?この間はありがと。羊羹って言うの、あれ。おいしかったよ。 でさ、地球に住んでたんだよね? ちょっと聞きたいんだけど・・・・ゴキブリの良い退治方法ない? うん、この間地球から引き上げた部隊から補給受けたんだけど どうやら荷物に紛れ込んでたみたいでさ、艦内中ゴキブリだらけなんだ。 うん、この間なんか、スープに入ってたし・・・・。 え?真空にしちゃえばいいって? そっか、そうすりゃいんだ!さすがじぃちゃん! じゃ、早速、艇長に提案してみるよ。 ------ 「先任、総員退出したか?」 「はい、点呼取りました。艦内のハッチは全て開放しております」 「よし、これであのゴキブリどもも全滅だな。おい、ハンス二等兵、どうした?」 「あ、その、さっきからスーツの中が変なんです」 「え、まさか・・・・?」 「あ、かさかさ這いまわってます。っぉぉ、う、うなじのあたりを!!」 「おい、落ち着け、慌てるな」 「だめです、あ、耳かまれちゃった,痛てててて」 「やめろ、ヘルメットを脱ぐな、みんな、ハンスを押さえつけろ」 「いやだぁぁぁたすけてぇぇぇ」 ***カチッ、プシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ*** 「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・」
感想を寄せていただいた皆様、ありがとうございます。 自己満足ですが、反応があるとうれしいですね。 批判も含めてこれからもよろしく。 ちなみに、もとネタはいくつかありまして、 できるだけ分解して痕跡が残らないようにしておりますが 中には、しっかり匂いが残ってしまったものも・・・・。 (モンティパイソン、フレッシュゴードン、結構好きです、はい) 追伸:Squadron さん、FAVORITE さん、アミーゴ♂ さんをはじめ 長編連作職人さん、泣かせ話をお待ちしてます。 小生は当分ギャグ系に走りますです。
>235 ・・・名前間違ってないか?(藁 まきろんHさん、もしくはまきろんG&Hさんな気が・・・。 なんか背中をイヤな汗が流れるような気がしたyo! いや、面白かったんだけどね。・・・ゴキブリダメナンダヨネ(藁 個人的にはまきろんGさんのギャグ系は好きです。 ・・・このスレでは結構異色ですし(藁
で、長編の扱いは結局どうしましょう? 長いのウザイとか、屑長編の所為で良作が埋もれる、というのは そもそものスレ趣旨からすれば当然のご意見ですし、 長いのはダメと言われればもう辞めますが。 前スレの後半から始めた拙作は、登場人物に一言を言わせるための状況説明と、 その一言に意味を持たせる為の前振りの意図があって長々書き始めたものなので、 ”一言”スレは承知の上なのですが。 久々にこのスレ見たらなんか冷や汗出てきたので、スレの方向性、ご意見賜りたく。
239 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/11 13:23
238さんに同感です。 ネタよりも議論の方が多くなるのは不本意ですし、その原因が長編にあるなら 書くのを辞めたほうが賢明でしょう。長編乱立の一因を作ってしまったという 戦犯意識もありますので読者および短編作者各位のご判断にお任せします。
すんません、アゲてしもた。
ここもsage進行か…
>Squadronさま&305戦隊さま そ、そんな・・・・悲しすぎまする。 小生の短編は、あくまでも端休め。 例えて言うなら、牛丼の紅生姜でございます。 紅生姜しかない牛丼は、もはや牛丼ではないのであります。 か、かくなるうえは・・・・・・・どうしましょ。
243 :
ウッチャレ :01/11/11 18:05
あー明日は正念場だー 殺されるかモナー モナーモナーオマエモナー チンポかゆい おまえのことがニダー
>>184 同意だ。所詮ネタ掲示板なのだから、書きたければ書け。
他人にいちいち評価を求めるな。
ageてしまった・・・鬱。
246 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/11 19:41
あげてしまったとか無駄なことかいてレス消費すんナダボ
247 :
テレコム公社再び :01/11/11 22:35
主任〜、もう引き返しましょうよ、こんなとこ飛んでたら流れ弾にあたっても文句言え ないっすよ。せっかく公社に就職して徴兵免除されたのに、こんなところで死んだら、 しゃれにもならないですよぉ。最近じゃ、ジオンも連邦も殺気立ってて公社のボートだ って判ってても平気で弾ぶちこんでくるんすよっ。 うっせぇクソガキ、お前、電話屋舐めてんだろ?のろしや伝令を使ってた大昔から通信 屋の仕事は命がけだったんだぞ?おめぇマラソンの起源は伝令だったの知らないのか? そんな昔の話なんかどうでもいいっすよ。俺走るの嫌いだったし。 300有余年前、グラハムベルが電話を発明したその日から、電話屋は人間様が一人でもい るところならどこにでも出かけていって電話器を取り付けていったんだ。山脈を越え、海 を渡り、ありとあらゆるところにケーブル這わせていったんだよ。軍隊がミノフスキー粒 子を辺りかまわずばら撒きやがってからこっち、携帯電話なんざほとんど使い物にならな くなっちまったが、それでもレーザー通信はまだ使える。伝える手段があるなら、それを 使って電話をかけられるようにするのが俺たちの仕事だ。俺は糸電話しかつかえなくなっ たったら今度は糸を張り巡らしつづけるぞ。 なに考えてんすか。だいたいミノフスキー粒子ばら撒いてる連中のために衛星直して歩い て、流れ弾にびくびくしなくちゃいけないなんてなんか間違ってるんじゃいすか? よ〜く覚えとけ?軍隊と兵隊は別だ。あいつらだって好き好んで殺し合いしてるわけじゃ ない。好き好んで家族や恋人やダチと6000kmもはなれた宇宙まで出かけてきているわけじゃ ないんだ。一言でいい、話させてやりてぇじゃねぇか。これが最後かもしれねぇんだしよ。 よっしゃ、これで直った。レーザー交換機のLEDがめまぐるしく明滅を始める。 おう、引き上げっぞ。 ------------------------------ "あ、繋がった、もう無理だと思ってたのに。神様、ありがとう、もしもし・・・"
248 :
テレコム公社再び :01/11/11 22:37
ども、305戦隊です。長編は取り扱いで揉めてますんで読みきり短編を出してみました。 箸休めにどうぞ。
気に入った作品の感想だけしか書かないつもりだったんですが、チョトだけ。 ウザイといわれてそれがイヤなら書かなければいいし、 長編がイヤなら読まなければいい・・・それだけのコトじゃないですか? スレ違い?スレなんて住民によってどうとでも変わっていくものだし、 だからこそ新スレでボールとか電話とかやめたんでしょ? 途中であんま細かいことに気にすんのはよして、 もし次スレに逝くならその時考えればいいコトだと思います。 ココはネタスレなんだから、職人さんがいなくなれば自然に廃れていくし、 煽りや荒らしの耐性が低くてもそう。 2chなんだから、ドコに逝ったって程度の差はあれ、そういうもんだし。 だいたい、長編のせいで、いい短編が埋もれるなんてことは無いと思いますよ。 いい物はいいし、ダメなものはダメ。 もちろん個人の趣味や考え方で評価なんてまったく逆になることもあるでしょう。 結局誰かが決めれるものではないし、個人個人の裁量で判断するしかないんですよ。 議論したって、どうせ対立する意見が出て不毛なだけだし。 ・・・だからSquadronさんや305戦隊さんがそこまで気にすることじゃないと思う。 俺はお二人の作品好きですから、読めなくなるのは淋しいですが、 もし気になってそれが苦痛なら無理にとはいえません。 ・・・俺の意見はこんなトコです。 意見出しといて申し訳ないが、俺は議論する気は無いので、ホントにROMに戻ります(w そもそも意見にレスつけると余計に荒れる元ですので、俺の意見も放置されることを願います。 今後もマターリ続くようなら、気に入った作品に名無しさんで感想書くこともあるかもしれませんが。
「副長。実は、昔私は医者を志していたのだ。 外科、特に脳外科の分野に興味を持って、柄にも無く 猛勉強などしていたものだ」 「は。以前、伺った事があります」 「うむ。その時から私なりに感じていたのだがな、副長。 やはり人間は、それ自体が究極の芸術品なのだ。似たような 経路で生まれてきた者達が、それぞれに全く異なる感情と 個性を有している。言い換えれば、我々一人一人は、どうでも 代用のきかない、唯一無二の存在なのだよ」 「……」 「然るに、だ。それを万単位で消していくこの所業が、 罪でなくて何なのだろうな?」 「あえて申し上げます。我々の戦いは…」 「わかっている。愚痴だ。忘れてくれ。さて、私も自分の 職責を果たすとしよう。サボタージュしたところで、事態が 好転しようはずもないからな」 『諸君、我々は遂にここまで来た。あと一息、あと一息で 我々は勝利を手にするだろう。諸君等の勇気が最後の…』
>204-205 貴方の今後の活躍に激しく期待。 >211 電話で伝える勇気が無かった。ならば尚の事、 生きて帰らねば。ご無事でありますように。 >224 副官さん、どうか幸せになってください。 >181さん 感想ありがとうございます。気が向いたら、また 書きこんでやってくださいませ。 >236 あ、私も長編だったのでありますか…。(笑) ともあれ、応援ありがとうございます。ぺこり。 >305戦隊さん テレコムだ〜!うれしいよ〜…。もし御筆が進むようであれば、 のりちゃん&まー兄ちゃんもお願いいたしまする。
母さん?僕だよ、ムタファだよ。 とうとう僕の連隊も第3次降下作戦で地球に降りることになったんだ。たぶん連絡がしばらく取れなくなると思うから、さ・・・。 ・・・ううん、僕は大丈夫。僕より母さんのほうがさびしいんでないかい?ははは・・・ 僕はジオンのために軍に入ったんだ。新しい理想郷を作るためにね。 他の中央のコロニーの部隊にはいつも馬鹿にされるけど、僕らのような辺境のコロニー出身者でもやれるトコを見せてやるんだ。 悪い連邦のやつらをすべて僕の手で倒してやる! そして出世して母さんをマハルからもっといいコロニーに移してあげるよ。 ・・・なんだい、母さん泣いてるのかい? えっ、「馬鹿なことは考えずに、無事に帰ってきておくれ」だって?なに言ってるんだい、僕は母さんの・・・ やべっ、点呼の時間だ。向こうで電話できるようならまた連絡するから。それじゃあ元気でね・・・
253 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/12 00:01
ビルさん?僕だよ、アナルだよ。 とうとう僕の連隊も第13次降下作戦で火星に降りることになったんだ。たぶん連絡がしばらく取れなくなると思うから、さ・・・。 ・・・ううん、僕は大丈夫。僕よりビルのほうがさびしいんでないかい?ぐへへ・・・ 僕はジオンのために軍に入ったんだ。新しいしゃぼんだまを作るためにね。 他の中央のコロニーの部隊にはいつも馬鹿にされるけど、僕らのような辺境のコロニー出身者でもイケルッてことを・・・ビッグマグナムを見せつけてやるんだ。 悪い連邦のやつらをすべて僕の手で小一時間ほど問い詰めてやる! そして出世して母さんをマハルからもっといいコロニーに移してあげるよ。 ・・・なんだい、母さん泣いてるのかい? えっ、「馬鹿なことは考えずに、無事に帰ってきておくれ」だって?なに言ってるんだい、僕は母さんの・・・ やべっ、点呼の時間だ。向こうで電話できるようならまた連絡するから。それじゃあ元気でね・・・
母さん?俺、ムタファだよ。 何だよ、いきなり泣き出すなよ・・・。ああ、無事生きてる。 えっ、地球かい?驚くことばかりさ、空気がすごい匂うんだ。それにむせ返るような熱気も。 ジャングルの中に入ると連邦のほかに虫や病気にも気をつけないといけないのも大変さ。ここは地獄だよ・・・。 そっちはどうだい?・・・そうか、そんなに不景気なんだ。 ・・・えっ「いつの間にか自分のことを『僕』じゃなく『俺』という様になったのね」って?戦場は人間を荒ま、たくましくするのさ・・・。 実はさ・・・、なんかそっち外が騒がしいみたいだね。 ん?いや、また落ち着いたら話すわ。じゃあ・・・また連絡する。
「前略 母上様 夏に電話して以来電話が通じなくなったので、本土に戻る友人にこの手紙を託します。 地球での戦況悪化により、わが連隊も宇宙に戻ることになりました。 私たちは幸運な方です。いまだ南方戦線では補給もままならず飢えと病気に苦しみながら宇宙に戻れない戦友が沢山います。 あの日、電話したのは自分の志の揺らぎを聞いてほしかったからです。 理想と現実は違うものでした。 戦場は決してかっこいいものではなく、気高きジオンの理想とはかけ離れて私たちは地球を壊し、ジオン将兵の中には連邦と同じく己の利己の為に悪事を働く姿を地球で見ました。 私は果たして正しいことをしているのでしょうか?の問いに答えてほしかったのです。 しかし、本土各地出身の戦友や母さんの弱った声を聞き、自分は母をそして後方に控えるジオン国民のために戦っているのだと考えを改めました。中央も辺境もありません。 いまなら出発前に母さんが「馬鹿なことを考えずに」といった意味がよくわかります・・・。 私はこのあとア・バオア・クーに行き、MSパイロットとして祖国の防衛にあたる様命令を受けております。 歩兵の私がMSに乗れというのはそれだけ国力が疲弊している証拠なのでしょう。 それでも私は母さんや本土の人たちを守る為、地球に残った戦友の為にも戦うつもりです。 馬鹿な息子とお笑いください。 もし、生きて帰れれば、今度は母の為だけに生きていきますのでどうかお許しください。 それではお元気で。 0079 11.20 あなたの息子 ムタファより」
シャブじゃけんのー
257 :
テレコム公社再び :01/11/12 00:41
おい、ハキム、水、まだあったか?いや、アジズ、んなもんねぇよ。お湯ならあるけどな。 ペットボトルの中でいい具合に温まった液体を振ってみせる。 なあ、アジズ、なんで俺たちの車にゃ屋根がねぇんだ?ハキム、屋根だけじゃねぇよ、 エアコンもぶっ壊れてるぜ。なあアジズ、今ってほんとにUC0079年なのか?駱駝で砂漠を 渡ってたのは俺のひいひいひいひい爺さんじゃなくて、俺の兄貴だったんじゃないか? いや、ハキム、たしか先週のドンパチまではUC0079年だったよ。それに少なくとも荷台に 括り付けてる光交換ボードはUC0077年製だよ。タグが間違ってなければね。 なあ、ハキム、そういやなんで俺たちはこんなメに会ってるんだっけ?確か今朝は俺たち 出張所のコンソールの前でエアコンで涼みながらコーラ飲んでたよな? あー、そりゃアジズ、先週、連邦の新型戦艦とジオンの陸戦艇がドンパチやってしこたま ミノフスキー粒子ばらまいて交換機をぶっ壊していったからだろ? 迷惑な話だな、ハキム。ああ、迷惑な話だ、アジズ。 いかれたボードを交換して開通試験と報告を兼ねて出張所に接続する。 "はい、こちらテレコム公社カシュガル出張所、ただいま設備故障のためタクラマカン地方の 通話は繋がりにくくなっております、緊急の際は番号共通00・・・" おっしゃ、繋がったな、ハキム、引き上げるとするか。おう、ところでアジズ、水がもう 無いんだが。は?お湯だってんだろ?いや、それももう無い。 おいハキム、この砂漠のどまんなかで800kmも水無しかよ? アジズ、せっかくだし電話で助けでも呼ぶか?
258 :
「事務処理の女(ヒト)」 :01/11/12 02:17
私は毎日毎日モニターを眺めながらひたすらキーボードを叩いている。 人の名前やら所属部隊やら。 戦死者リストをつくるのが私の仕事。 毎日もうすでにこの世にはいない人の事をデータとしてせっせと打ち込んでいく。 知っている人の名前を見つけて、涙で曇ってモニターが見えなくなることもある。 でも最近はそれすらも慣れてきてしまっているかもしれない。 日々大勢の人が死ぬことをあたり前のことのように捉えるようになってきている自分がコワイ。 こうやってリストをつくっていると、 よくまぁ毎日毎日これだけ大勢の人が死ぬものだと呆れる反面、 もの凄く不安で、悲しく、怖く、鬱になる。 人類は一体どうなってしまうのだろう? みんなこのまま死んでしまうじゃないんだろうか? もうあたし達お終いなんじゃないだろうか? そう思うと胸が張り裂けそうになって、何故だかしらないけど涙が溢れている。 自分でも情けないと思うけど、そういう時は男が欲しくなる。 誰かに傍にいて欲しい、強く抱きしめて欲しい、ぬくもりが欲しい。 私はまだ生きているということを体の芯から感じさせて欲しい。 「お願い、誰か私に『大丈夫だよ』と言って、、、」
259 :
「学徒動員兵の嘆き」 :01/11/12 02:52
マジかよぉ〜、もう勘弁してくれよぉ〜 死体がいっぱいあってさぁ、なんか脳味噌とか内臓とかが飛び出しちゃってるの、、 もう俺さっきから何回吐いたかわかんないよ、出るもん無しって感じ、口ん中酸っぱいし そんでもう臭いの、鼻がひん曲がるんじゃないかってくらい、これ死臭っての? さらに蒸し熱くてさぁ、全身から滝のように汗ドワァーって流れてるし 泥と埃まみれでさぁ、不快指数100なんてとっくに越えちゃってんのよ、1000くらいはいってる うわぁやべぇ、素手で内臓触っちゃったよ、ぷにぷにって感触が、、 ちょっと待ってよ、あんた達 何、死体の上踏んでいくの?俺の屍を越えていけってそういうこと? 倫理的にとか、人道的にとか、そういうのはいいわけ? あんた達おかしいよ、顔色ひとつ変えずに人の死体蹴ったり、上歩いたりすんなよ なんか常人の感覚ってもう捨てちゃったわけ?そうじゃないとやってらんない? うわぁ、足元でグニグニって感触が、、 何?ここは地獄?地獄絵図ってまさにこういうこと? ねぇねぇ、さっきからおちゃらけてるけど、俺マジで気が狂いそうなんだけど もう何かすごいだまされたって感じなんだけど ここじゃ理想も思想も関係ないじゃない、もうそんなのスゲェー奇麗事じゃない ここにあるのは生存本能と闘争本能だけじゃない 無数の死体の山と頭のいかれた殺人者だけじゃない 母ちゃん、俺、マジ帰りたい、、、
今日はキツイの2本立てでマジすまんかった^^;あやうく3本になるとこでした(w
261 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/12 03:19
◎ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄) ___)___)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\\∩ノ\\ =| 皿皿皿 \\ =| / ̄  ̄\  ̄ ̄ ̄ / \ ちょ〜だーい!!/ / ――――――\ //◎\ /_|___ @) |⌒|  ̄| ̄| 「 | ∠⌒∧ | | | \\|◎))\ |((´∀` ||)|―――― ( ̄0) _|  ̄ \ \ | \ /| ( ̄ ̄0) ||||| _ \  ̄ ̄ ( ̄ ̄ ̄0)  ̄ //◎\___\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\  ̄| ̄| |)) )二二(◎)_)_____/ \\|◎ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄
なんか本当に戦争を知らない奇麗事ってのが出ててすばらしいね
>253 この中で一番面白かった。
でも途中までしか改変してないから手抜きだな
宇宙か…… 真っ暗なんだな…… ゆっくり見る余裕なんか無かったから 解らなかった… 地球って本当に青いんだな 何で……戦争なんかするんだろうな…… 戦争なんて哀しい人を増やすだけなのに 『…コントロール不能、機体を廃棄し脱出してください』 重力に縛られ青き星の周りを……
267 :
305戦隊、出撃です。 :01/11/13 01:17
肩に3052と書き込まれたその機体を眺めながら視線はマニピュレータに流れていった。 モビルスーツ特有の繊細なそれはいかにも細かな作業に向いていそうだった。 あのとき、こいつがあればルーシー ナイトを救うことが出来ただろうか?無駄なこと は分かりきっていたが彼は誰とは無し、つい問い掛けてしまう。 彼らの部隊はもうすでに4日もトサカ付きただ一機を捜していた。彼はこのまま、遭遇 できなければいいと思い始めていた。やつと出会うことさえなければ自分達はこの戦争 が終わるまで生き延びることができる。たとえ戦争が終わらなくても任期明けでおさら ばできる。軍を辞めたところで就職口の当てがあるわけではないが、少なくとも弾から 逃げ回る権利は手に入る。 どこか、戦争の届かない街でクリケットを売りにした小さなバーでも開いて飲兵衛ども から小銭を巻き上げて暮らすことができれば御の字だ。年増だが姐さんを女房にもらっ てさ。ありゃいい女だもんな。一人呟くと機体のメインキーを廻しジェネレータ出力を あげる。 システムテストは順調に機体各部をチェックしメインカメラが周囲を映し出す。モニタ に映るいつものハンガーを眺めながら、今日もトサカ付きに出会わないことを祈る。 姐さんのジムがカタパルトに接続した。後方視界をチェックすると隊のボールどもが わらわらと発艦順位を待っている。ふと、親蛙になったような気がして口元がほころぶ。 "3052、カタパルト接続、発艦位置へ"いつものオペのお嬢ちゃんがせかす。"あいよ、お 嬢ちゃん、姐さんの次に愛してるよ、帰ってきたら一発やらせろや""あら、浮気のお誘 い?キリコ姐さんを捨てられるなら考えてもいいんだけど?""そりゃ残念。3052、かる がも2番、ポールがジムでお出かけっ"シートに押し付けられながら姐さんのケツを探す。 俺のお気に入りのケツはあれ一つだ。 ガキども、きっちり付いてこいよ?
「北東40キロ!欧州派遣第228輜重隊が連邦哨戒網にひっかかりました! 救援要請が来ています!敵勢力はGM10機!あとは通信状態が劣悪で不明です」 「受信しなかった事にしろ」 「はっ!?どういう事ですか…?救援は」 「彼我の戦力差がありすぎる。我々に打つ手は無い。ここで救援を出したら、 我々の身を守る術が無くなる。上層部の命令は『無傷デ撤退セヨ』だからな」 「見捨てるのですか!?司令官、仮に228輜重隊が全滅したとしたら、次に標的にされるのは我々です。 我々には彼らを助ける義務があります。兵力の派遣許可を。 そもそも彼らは純粋な軍人ではありません。はっきり言えば民間人です。 彼らを無事に故郷に帰せなくて、何の為のジオン兵でしょうか。 ドムを…MS小隊の派遣許可を!」 「少尉。見捨てるのだ。最早なりふりなどかまっていられない。 オデッサ敗戦以後、我々は常に窮地に立たされている。虎の子のドムを派遣する訳にはいかない。それらはまさに、我々が必要としているからだ。次の戦場は宇宙だろう。 一人でも多く、逃げのびなくてはならんのだ。この罪は、私が受けよう」 「…司令!私の小隊だけでも派遣してください!装備は何でもかまいません!」 「おお、そうだ。予備戦力として、使い物にならない近接戦闘用のMSがあったな。 B3グフだったか?あれはそろそろ廃棄したまえ。それと、陸戦ザク2機だ。 これらの戦力は足手まといだ。公式文書に『廃棄』と記入しておけ。 上層部にはそれで通す。 …君の小隊も、ここで壊滅だ。あとは好きにしろ」 「了解しました、閣下!B3グフ及び陸戦ザク2機、1個小隊分の兵力を派遣いたします!指令…申し訳ありません」 「ん…武運を祈る。死ぬなよ」
駄文の海を〜積み重ね 涌き出あふるる妄想は 我らガンオタ〜果てしなく 恥ずかしげも無く書き連ね〜 オ〜ナ〜ニ〜オ〜ナ〜ニ〜 留まらない妄想は〜 いつでもオ〜ナニ〜オ〜ナニ〜 有り得ぬ日々を〜妄想しても〜 オ〜ナ〜ニ〜オ〜ナ〜ニ〜
>267 268 気合入れて書いたのは分るんだが、正直・・・。 253のような短く、かつ面白い文章を目指してください。
>271 私も、>253は脳内削除してました。笑えないのは ともかくとして、流石にアレはいただけないかと…。 ナンセンスがイヤな訳ではないのですがね。私も 安永航一郎の漫画とか好きですし。(笑)
273 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/13 13:26
シモネタ天国へ向けてAGE チンコマンコ
275 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/13 15:55
ま、あんまり長文乗せすぎも困るわな。
僅かに同意
>>274
下ネタも結構すきだけど、253は工夫が足りないっすね。 オナニーと揶揄する文を再利用してる時点でダメダメ。 揶揄するくらいなら、オリジナルで勝負してよね。 この批評を糧に、オリジナルな下ネタを期待、します。 別に下ネタじゃなくてもいいけど。 (ビッグマグナム・・・にはちょと笑った)
277 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/13 22:12
ボール×2+ハイメガキャノン(だっけ?)には、大笑い。 あれはいいな、最高だ(笑
長文増加のせいで駄スレの予感。
279 :
まきろんG :01/11/13 22:59
おう、わしじゃ。元気にしちょるか? 来年は小学校か?うむ、みなと仲良くやるんじゃぞ。 なに?また戦争の話ききたいんか?そうかそうか。 そうじゃのぉ・・・・あれはわしが輸送船に乗っちょった時じゃ。 あん時の船長は太ってての、人の3倍はレーション食いよったな。 で、サイド7に極秘の荷物を運ぶ途中でのぉ、急ぐために丸腰じゃったんじゃ。 はよ行こう思うてエンジン吹かし過ぎちょったのがいけんかった。 偵察中のザクにばったり出くわしたんじゃよ。赤外に引っかかったんじゃろな。 そん時はの、ザクっつーたら、そりゃ鬼みたいに強かった。 まだわしらにジムとかが出来とらんかったけんのぉ。 もうおしまいじゃぁ思っての、わしら下っ端は真っ青になったんじゃ。 ほしたらな、船長が落着いて言うんよ。 「バーニア噴射、腹をザクに向けろ」 あー、こりゃ船長とうとう逝ってもうたわって思うた。 で、自棄になっての何も言わずに向けたわ。 ほしたら、船長が言うんよ。 「トイレ排出弁開放、一斉放出開始」 すごかったんじゃよ。 トイレの排出タンクに貯まったウンコがな、 ザクに向かって一斉に、しゃばばばばばーーーーって。 なにせ宇宙は真空やろ、あっという間に固まってもうてな 散弾銃をぶっ放したみたいなもんよ。 そりゃ、ザクもたまらんわ。モノアイつぶれて、どっかんよ! そんなんで、まぁ何とか助かったんじゃ。 でも、みんなげっそりでな、船長もサイド7につくまで飯えんかった。 痩せてもうたわ。 でそのあとしばらくして、わしゃ船を代わったんじゃけどな、 あの船長はソロモンあたりで撃破されての、逝ってもうた。 きっと、あの時、ウンを使い果たしたんじゃろうなぁ。
おおっ305戦隊が帰ってきてる。 しかも新キャラ登場じゃん。なんか新展開? あんだけ前スレで絶賛されてたのになんで今タタかれてんの? なんか、泣かせ系減ってるし。泣かせスレじゃなかったん?
281 :
まきろんH :01/11/13 23:30
もしもし、僕。 ん、別に・・・特に理由ないけどさ、なんとなく話しておこうかなって。 この間船外活動してんだ。 ちょっと残骸回収の待機中でさ、ワイヤーかけてぶらぶらしてた。 そしたら、なんかキラキラした物がゆっくりと近づいてきたんだ。 手に取れるとこまで来たから、えいってつかんだんだよ。 手のひら開けると、透き通るくらいの赤紫色の宝石。 ものすごくきれいでさぁ、しばらく見惚れてた。 そしたら、たくさん流れてくるんだ。 流れてくる先を見たら、ボールの残骸。 パイロットの血だったんだよ。 地上では、人は死んだら星になるというけど、 宇宙では、人は死んだら宝石になるんだね。
>>280 ボールスレは・・・前スレでもう終わったんだと思う。
多分ここはもう、違うスレなんだろう。
>>282 まじ?Squadronも305戦隊もFAVORITももう書かないのかよ?
はなし変わるけど305戦隊とテレコム公社って同一人物だったのしらんかった。
まだ書きつづけてるまきろんがむばれ。俺は読むぞ。泣く気まんまんだぞ。
>>283 もう書かないってことは無いんだろうが、
ちょっとスレの空気がな...
このスレ荒らされたな。前スレでの人達が帰ってくるまでsageとくか
前スレの良質さからすれば この状態は充分荒れてる
ミサキおかあさん、私は明日出撃します しかしこの程度の敵、グランゾンの力を持ってすれば造作もありません
292 :
ぼーる乗りB :01/11/15 00:10
(連邦の病院にて) A「おーい、B! 見舞いに来てやったぞ!」 B「おお、ちょうど退屈してたんだ。」 A「そうそう、また戦死者名簿にお前の名前のってたぞ。」 B「またかよ、これで2度目だぜ。 死亡通知がまた実家に届くんだろうなあ。」 A「仕方ねえよ。 ボールで2回出撃して、2回生還してくる奴なんて珍しいもんな。 生還の秘訣とかあるのか?」 B「…秘訣か…。 いい友達を持つことかな…。」
293 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/15 00:45
>>291 どっちも長文オナニーなんだから、堅い事言うなよ
おーい、ビデオまわってるか?よし、本番! みなさんこんばんは。今日、ある前線基地からの中継です。 戦争がはじまって早6ヶ月、今夜はその状況をみなさんにお届けします。 こちらが、連邦の主力モビルスーツ、ボールです。 出撃が近いとの事ですが、ここでパイロットの皆さんに心境を聞いてみましょう。 (ジオンの連中を叩きのめす、見たいな勇敢な台詞が欲しいとこだな) 「・・・・・」 あの、ずいぶん緊張されているみたいですね。 では、今、一番欲しいものは何ですか? (かわいい恋人とかあったかい牛丼とか、ふざけた答えがいいな。苦しくても陽気な兵士、絵になるよな) 「・・・・・」 あの・・・・・ 「おい、恋人とか温かいスープとかこたえてほしいんだろ・・・」 あ、それは、その・・・・ 「もうそんなレベルじゃないんだよ。出撃の度に仲間が死んでいくんだよ。 もうたくさんだ。苦しいんだ。帰りたい、帰りたいんだ、死にたくないんだ。それだけだよ」 ・・・・・・カメラ停めてくれ。 (この企画、没だな・・・・・)
295 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/15 02:04
洋子・・・。俺だよ。久しぶりだね。 戦争、終わったよ。 俺たちの国が勝ったんだって。 いつかの約束、覚えてるかい。 戦争が終わって生きて帰ったら、 俺たち、一緒になろうって。 でも・・・。 ごめん、俺、帰れない。 違うんだ、お前のこと嫌いになったんじゃない。 愛してる。誰よりもお前のこと愛してる。 だけど、俺は・・・もう、昔の俺じゃないんだ。 俺・・・人を・・・殺したんだ。 一人や二人じゃない。 数え切れないくらいたくさんの人間を殺した。 俺の手は血で真っ赤なんだ。 だって、だってそうしなきゃ俺が死ぬんだ。 お、おかしいよな、宇宙で声なんて聞こえないはずなのに、 相手の断末魔が耳から離れないんだ。 それでさ・・・人を殺したときの、手、手ごたえが、 忘れられないんだ。ハ、ハハハ・・・。 俺・・・俺、おかしくなっちまったんだ。 もっと、もっとギリギリの戦場で人を・・・殺し続けたい。 そんなことを考えちまう自分が怖いんだ。 ダメなんだ、俺、もう戻れない。 俺は罪人なんだ。こんな血だらけの手じゃお前を汚してしまう。 俺にはもう、お前を抱く資格が無いんだ。 すまない・・・俺のことは忘れてくれ・・・。 もっといい男を見つけて、幸せになるんだよ・・・。 ・・・会いたい・・・会いたいよ、洋子・・・う、ううっ・・・。
>>292 これ最後がわざとらしいけどいいかんじだね、妙に作った感じがなくてさ
ボールノリイイ!
戦場で生き残ること 戦場で死ぬこと 愛する人を守ること 全てを捨てて孤独に生きること 敵を殺すこと 味方が殺されること 夢と現の狭間で俺達は何時まで生きれるのだろう 目の前の空はこんなにも蒼いのに
298 :
まきろんG :01/11/16 03:16
GoodMorning! 前線のみんな、元気?では早速お便り紹介。 匿名希望「ボール乗り」さん。 「今日、仲間がザクに蹴られて死んだ」 おいおい、いきなりヘビーだな。明るく行こうよ、明るく。 「この兵器では、奴らに勝てない」 んー、どこかで聞いたような、ま、いいか。 とにかく、死ぬときは死ぬんだからさ。気にするなよ。 そんな君に昔の名曲をプレゼント。 困ったときはこの曲思い出して元気出せよ! では、植木等「スーダラ節」 ♪そのうちなんとか、な〜るだろぉ〜さぁぁぁぁ
私はボール。 私はバックアップでした。 サイド7の空襲で、ご主人様がマニアの家から火事場泥棒で私を拾いました。 オリジナルは私と同じく丸かったと思います。 ご主人様は待機中に内緒で私をセットアップしました。 私はご主人様が好きです。 戦場でご主人様が気絶された時、そっと推進剤を吹かせ、帰還しました。 みんな、喜んでました。 待機中、私の中でご主人様は好きな女性の話をしました。 私は、そっと聞いていました。 また戦闘になりました。 破片がご主人様の胸にささりました。 ご主人様は好きな人の名を囁いていました。 私は通信兵に、そっと回線を開きました。 ご主人様は死にました。 私はご主人様を艦に戻しました。 今、私の中で通信兵はご主人様と会っています。 臭いを嗅げる彼女が羨ましいです。
ねぇフィアナさん。伝わりますか? わたしの声が。 ほら、わたしとヒデユキさんの娘です。はーいエレン、 フィアナお姉さんにごあいさつしましょうねー。 この子の名前、シスターからいただいたんです。わたしも ヒデユキさんも、シスターにはたくさんお世話になって…。 ねぇフィアナさん。母親になって、子を思う親の気持ちが 少し、わかるようになりました。 ねぇフィアナさん。このままのあなたを愛する気持ちは 嘘ではないけれど、シスターもきっと心に思っています。 あなたに話しかけてほしい。あなたに笑いかけてほしい。 あなたにキスしてほしい。 ねぇフィアナさん。伝わりますか? あなたを呼ぶ心が。 伝わりますか? 伝わりますか?
>299 そう来たか!思わぬネタが出てきたなぁ。なんとなく 谷山浩子さんの歌(知りませんよね)を連想しちゃったい。 不思議な感じですね〜。良作感謝。
302 :
ぼーる乗りB :01/11/16 23:37
(出撃前夜、兵士たちはポ−カーをしていた。) C「はい、またおれの勝ち。 ちゃんと金払えよ。」 B「明日払うよ。」 C「だめだ、いま全額払いな。 いいこと教えてやるよ、出撃前に財布の中身は空にしておいたほうがいいんだぜ。三途の川の渡し賃が払えなくなるから追い返されるんだとよ。」 B「はっ、じゃあお前は豪華客船で三途の川を渡りな!」 (Bは財布をCにたたきつけた。)
>302 シンプルでうまいなぁ。 戦争映画の序盤って感じだなぁ。 後は任せたので愚生は引退するぞな。 (感想なのでsage)
304 :
ぼーる乗りB :01/11/17 00:04
>>292 ,
>>302 (戦場にて)
B「すぐに艦に戻ります! どうか、持ちこたえてください!!」
C「ふざけるな! ボールが1体きただけで何とかなると思っているのか!」
B「ですが…。」
C「なぁに、おれのサラミスは多少の波風じゃあびくともせんよ。」
B「…豪華客船みたいに、ですか…。」
C「そうだ、棺桶とはちがうんだ。 おまえはとっとと逃げな!!」
(戦いは続く)
童貞臭がする
こないだ・・・夢を見たんだ・・・ MSが合体したんだぜ?合体 ははは・・・信じられるかい?まるでアニメだ、信じられないだろ? でも本当なんだぜ、俺のなくなった足が証拠だ 仲間もみんないっちまった あのアニメにやられてな・・・・ 馬鹿らしいや、俺らはいったいなんだったんだ? 馬鹿らしい・・・馬鹿らしいよ、ははっはは
307 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/17 20:36
クソスレハケン
父さん?・・・ウン、まだ俺生き残ってる。 ねえ父さん、ここは狂気で満ちてるんだ。 ボール大隊設立当時の戦友は先頭の度に櫛の歯が折れるように消えてゆき、生き残ったり新しく配属されたヤツも何人かは「糞があふれてる」「童貞臭がするんだ」など叫ぶようになるほど気か触れてしまったりするんだ・・・。 けどね、僕はくじけたり狂気に身を委ねたりしないよ。 ボールだって後方支援なら他の高性能MSにひけをとらないし、使い方次第ではジオンの試作機を撃墜したりドムを6機落としたり出来る。何よりボール乗りにはボール乗りなりのプライドがあるんだ! 前は家に電話するたびに「ボールなんて・・・」と愚痴ってばかりいたけど、もう僕は逃げない。 戦争は怖いさ。けどボールは友達、怖くない・・・。 次の出撃がきっと最後の戦闘だと思う。きっと生き残って家に帰るよ・・・
309 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/17 23:41
前スレのパワーがなくなってるなぁ。 短くて面白いのが少ない。
310 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/17 23:56
もう職人はいないな
軍から封筒が届きました。 指輪が一つ、入っていました。 某区域で発見しました、とメモ書きがありました。 爆発はものすごい高温で一瞬なのだそうです。 だから、苦しまずに逝ったよと。 義父はそう言いました。 指輪は。 そんな中でも残ってくれました。 さすがに表面はざりざりとささくれ、形も少々いびつです。 指輪は私のどの指にも大きすぎます。 鎖を通して胸にかけました。 運命は輪のようというけれど、 小さなこの輪は、胸の上で冷たく光るばかりなのです。 ああ、この輪の中で、あなたの指は蒸発してしまったのですね。 もう私の髪を、頬を、撫でてはくれないのですね……。
312 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/18 07:27
----- Transcript of session follows -----
550 <
[email protected] >... Host unknown (Name server: fren-glassnet.web: host not found)
From: 山本 <
[email protected] >
Date: Sun, 18 Nov 0069 05:55:21
To: <
[email protected] >
Subject: 元祖フレン本舗商事様
ユーザー番号:N2583869-s48
の山本です。
バカにしないで下さい!
先日からもう、何度もメールしているのに戻ってきてしまいます、
お宅の保証書のアドレスにちゃんと送っているのに!!
ウチの兄は初等訓練校から特進で、有名な教官にも気に入られているぐらいの人です。
5月から、フレン地区に配属になりました。貧乏な人と一緒にされないように、
本物のフレンのメガネを使っています。階級の高い方ならわかるはずです。
先月の善戦速報の後、フレン地区の様子もテレビで流れないけど、
ボールという新鋭のモビルスーツに乗っているぐらいのエリートなので、
すぐに指揮官になれます。そしたらおたくの会社ぐらい簡単に動かせます。
早く修理して、返した方が身のためですよ。
それはともかく Squadron のヤツだけは続きが気になる
あーあ、このスレももう終わりか 変なのいっぱい集まってきちゃったからな...
職人のネタに刺激された厨房がつたない処女作(しかも長編で人の影響受けまくってるのばればれなやつ)を ウプして酷評され出した直後から荒らしが現れた。よほど傷ついたらしいの。文才ないなりに読者に徹してれば イタイ思いしないですんだのに。
なんか静かになったし、このまま待ってたら Squadron とか 305戦隊 とか、帰って来るかな?
信じて待つのだ、彼等は必ず帰ってくる。 なぜなら彼等の文才はだまることはできないものだから
えーと...しばらく見ないうちに寂れちゃいました? 過去ログみたらなんか荒れてたみたいだし、 このスレはもう賞味期限切れって事なんでしょうかねえ 寂しいですね
動けるようになるまで1ヶ月。 ここに帰って来るまで更に1ヶ月かかった。 ほぼ1年ぶりの故郷、家族4人で暮らしていた あの故郷は、変わり果てた姿で俺を待っていた。 こんなはずではなかった。 本当なら、俺は戦場でそこそこ活躍して、 恩返しできるくらいの金と一緒に帰ってくるはずだった。 義父さんに殴られ、義母さんに泣かれたあと、 「おかえり」と抱きしめてもらえるはずだった。 そこへユリアナが現れて、俺の胸を何度も叩きながら泣く。 義妹の長い髪を撫でながら、俺は言う。 「ごめんな。もうどこにも行かないからな」 そして、無理に笑おうとするユリアナに指切りを させられる、はずだった。 瓦礫の山の我が家。 リビングだった所に座りこんでいると、不細工なぬいぐるみが 目に入った。家を出る前にユリアナにあげたものだ。 「おい。お前知ってるか?みんなはどこに行ったんだ…」 不細工は、答えてはくれなかった。 一陣の春風が吹いて、背後から小さな悲鳴が聞こえた。 立ち上がりざま振りかえる。 ユリアナだった。長い髪をばっさり切って、明らかに やつれてはいるが、スカートをおさえているその姿は 確かにユリアナだ。死んでも見間違うはずが無い。 泣きながら胸をぽかぽかと叩いてくる義妹の短い髪を 撫でながら俺も泣いた。
>318=squadronさん どうか、悲しい事をおっしゃいますな。 古き英雄達、そして新たな英雄達の登場を待ちましょう。
321 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/20 23:29
沈ませるにはまだ惜しいage
322 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/20 23:35
文才
323 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/21 01:14
短い付き合いだった。 思えば、コイツは一体なんだったのか。 シミュレーションの半分も動いてくれないコイツは。 ザクに蹴られただけで、ピクリとも動かなくなってしまったコイツは。 コイツ、本当にボールなのか? シミュレーターでのお前は、もう少し、逞しかったぞ。 でもまぁ、コイツが、何者でもいい、か。 むしろ、気に入って、きた。 ここ、シミュレーターの、なかよりも、 なんだか、あたたかい・・・・・ ・・・・・かあ・・・さん・・・・・
sage
325 :
ぼーる乗りB :01/11/24 00:31
>>304 (病室にて)
B「・・・・・・・」
D「あ、目覚めましたか。 どうですか、気分は?」
B「ここは・・・?」
D「あなた運がいいですよ。 二回も死亡者名簿に名前がのって、生きているんですから。」
B「死亡者名簿・・・。 まだ生きてますよ。」
D「ええ、あなたの母艦が落ちた時に一回。 あなたの壊れたボールが見つかって、蘇生不可能と診断された時に一回。 合計二回、名簿にのったんですよ。」
B「・・・・・。」
D「一度の人生で二回死ぬなんて珍しい、これはぜひとも三度目をつくらなくては!! って、うちの先生方がはりきっちゃったんですよ。 うちの先生もやれば出来るんですねぇ。」
B(気まぐれ…?)
D「まだ寝ててくださいね、完全じゃないんですから。」
B(だれの気まぐれ…? 医者?それとも神様…? ま、感謝しなくちゃな。)
326 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/26 11:05
>>315 の結論が全て。
ここは文才の無い者はすべからく排除される、非常に排他的なスレなのだ。
文才の無い新規参入者は氏ね。書き込むな。一部の才能のある人だけが、
ここに書き込むことのできる権利を有するのだ。
くだらない作品は煽り倒すぞ。ここには優秀な作品のみ書き込む事が許されるのだ。
327 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/26 11:41
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ここでボケて! | |_________| ∧∧ || ( ゚д゚) || / づΦ
元祖文才バカボン これでイイのだ
そんなに極端に一見さんが排斥される空気でも無いと思うんだがなぁ
>>329 初期の良質な作品が影をひそめたから。
うざい・長い・つまらない厨房作品が増えたせいだ。
よって排他的な空気は自浄作用であり、
まったく正しい。馬鹿は詩ね。
331 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/11/26 19:57
>327 排除〜っシルバー!!(を ごめんなさい吊って来ます。その前に…。
332 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/11/26 19:59
カチュア・ローウッド様 何度も申し上げたように、私はまだ戻るつもりはありません。 クドウ氏には、私のことは忘れてあなたの自由になる女性を お捜しあそばせ、とでもお伝えください。 お母様がおっしゃった言葉。 『あなたが辞めても代わりの方がいらっしゃるのでしょう』ですか。 なるほど、戦争を知らない方が言いそうなことです。 ここでは人手が、人手だけでなく薬品、食料、衣料、機材に施設、時間、 なにもかもが全く足りないのです。そのせいで、助けられるはずの人を 死なせてベッドで泣きながらのたうつ者の気持ちなど、お母様には 一生おわかりにならないでしょうね。 お母様、もう一度だけ、はっきり申し上げておきます。 私は戻りません。私がここを離れるのは戦争が終わった時か、 みんなの役に立てなくなった時だけです。 ベル・ローウッド
で、その挙句職人まで居辛い雰囲気にしちまってスレ終了ね(藁
335 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/26 21:26
職人は必要だが、職人気取りは邪魔なだけだからな。 一時は仕方ない。
あれ?ひょっとしてまだあの叩かれたあいつが書き込んでんのか?
337 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/11/26 21:59
英雄達が帰ってくるまでの場つなぎと思って 拙文晒してましたが、この言葉は、ね…。 とりあえず私もしばらく引っ込みまーす。 もっとも、ベルさんのように『あなたが辞めても 代わりの方がいらっしゃる』と言われそうですが(笑)
「なぁ、カルロ。あの装甲、何だと思う? ハイザックか?」 「連邦のハイザックはもっとくすんだ青ですし、この辺りに流れてく る屑(ジャンク)と言えば、・・・一年戦争の鉄砲玉(ボール)ですね。 どのみち金にはならないですから放っておきましょう。ミラーに当たる 前にコロニー公社が片付けてくれますよ」 「さっすが目利きのカルロだな。噂どおりの仕事をするじゃねえか」 「僕も生活がかかってますからね。ハハハ」 「ン? ちょっと待った……この破片(かけら)……メッセージがある ぞ。……血で書いたらしいな……高温であぶられたようになってるか ら黒ずんで読みにくいけど…… シャングリ …… 我が妻シェスタと 我が息 …… もうお前たちに …… もし生きて帰 …… ロよ、母 さんを守 …… すまない …… 幸せだった。ありが …… カイル ベルナ …… 15,Dec,0079 ……っと、これくらいしか読み取れない が、これがサイド1・シャングリラ宛てなら、ひとまず8年越しに何とか 辿り着いたってわけだが……ン? どうした、カルロ?」 「(……父さん……!?)」 「カルロ? どうした? 心当たりでもあるのか?」 「(シェスタ……カイル……カル……ロ)」 「どうかしたのか???」 「……8年越しの遺言なんて……父さん……」 「!?まさか!?」 「……父さん……僕……母さんを……守れなかったよ……」 「!」 「……母さんを……守れなかった……」 「カルロ……」 「……でも、今はまた二人とも一緒になれた……のかな……」 「……カルロ……もう、戻ろう。そろそろエア切れだ……」 「……父さん……母さん……」 「それはオヤジさんからの形見だ。大切にしろよ」 「………………父さん………………母さん………………」
340 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/27 13:07
「…」
昔の長文は読み応えがあったのにな・・・ 職人再降臨の日はこないのか!?
他力本願の群
母さん、オレだよ!ウンそう、地球から。 聞いてよ地球ってすごいんだ。まず「海」って本当に大きな水溜りがあるし、地平線が丸くないんだ。 だけど、一番すごいのは日によって同じ天気がまったく違うこと! 晴れた日もあれば曇りの日や雷雨の日もある。雲の動き一つとってもそれこそ千差万別。ホント地球って生きてるみいたなんだ! え、まるで遠足に行った子供みたいだって?ははは、軍曹にもそういわれて怒られた・・・。でも軍曹も本気で怒ってなかったからきっと気持ちは一緒なんだろうね。 みんな地球のすごさに感動してるんだ。 それでね、地球に来て早々ジャブローへの降下作戦に参加することになったんだ。そう、連邦の連邦の本拠地、地球一の密林地帯さ・・・。 ・・・地球ではたとえ死んでもその肉体は土に帰って地球と一緒になるんだ。 だからたとえ死んでも僕はそんな偉大な地球と一緒になってコロニーの母さんたちを見守っているから悲しまないでね・・・。 はは、俺なに云ってるんだろう・・・。ごめんね、不吉なこと云って。さっきまで部隊のみんなと酒飲んでたからちょっとおかしいわ・・・。 え?「地球の肥やしにならなくてもいいから無事に帰ってきておくれ」って?・・・うん、何とか頑張ってみる。 あ、だめだ、泣けてきた。このまま母さんとしゃべってたらボロが出ちゃうからもう切るな。 それじゃあ・・・。
(サイド3 展望台) おはよう、今日も元気そうね。 母さん今日もがんばるからね。 今日も母さんを見守っておくれ。 語りかけるその先には蒼い星ひとつ・・・
345 :
通常の名無しさんの3倍 :01/11/28 02:13
期待age
346 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/02 04:58
あげてみる
ザクのコクピットを出たジオン下士官の第一声 「空気が、空気が漏れてる! 全員、ノーマルスーツを……風?」
前スレが帰らぬ旅に逝った
349 :
一週間戦争って知ってる? :01/12/07 02:01
ソロモン攻略戦を前に、最終調整中のジムのコクピットの中で 僕は平和な頃のことを思い出してた 「あなた、今度の出張は地球なんでしょ?」 「うん、ちょっとジャブローに用事があってさ、でもすぐに帰るよ。」 「そう…体に気を付けてね。」 「例の伝染病か?あのサイド1のどっかのコロニーが全滅したってやつだよね。」 「ええ、眠るようにころっと逝っちゃうやつ、ニュースで見たのよ。」 「僕は大丈夫だよ、うん。レイラこそ気を付けろよ」 僕はあの時、確かに臭いセリフを付け加えた気がする。 「もう…レイラだけの体じゃないんだから」 「もう!」 赤い顔のレイラを置いて、僕はシャトル乗り場のゲートをくぐった。 久しぶりにシャトルの窓から見た僕のコロニーはすっかりくたびれてた。 外壁に見慣れない緑色の人型が貼りついて何かの工事をしていたよ。 お疲れ様。 徐々に小さくなっていく緑の土木作業員に僕はそう呟いた。 レイラがあの「病」にかかって死んだのは僕が出発した一時間後だったそうだ。 今はオーストラリアの砂塵に混じってしまったレイラ。 この戦いが終わる頃にはそっちにいけると思うから…。
350 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/12/07 04:31
>348 良き戦友達に敬礼。 …ログはとってあるけど。 >349 一週間戦争知らない人はここにはいないと思われ。 …ここがこのまま朽ちるのはヤだな。 求む、若い力。
妙な粘着に纏わりつかれちゃったのが不運だったな。 俺もこのスレと前スレ好きだったんだけどね
352 :
ジオン地上制圧軍 整備兵 :01/12/07 16:53
なあなあ、士官さん マゼラアタックなんて思い付いたのはどこの誰ですよ? 撃墜後は戦闘機としても運用できる戦車です はぁ?お題目だけは立派なマシンですねえ マゼラトップに乗ってる徴兵された奴等の通信、聞いたことがありますか? 怖い怖いよ、お母さん助けて、って言ってんですよ わざわざあんなもの付けたせいでこのザマですぜ 降伏したくても大砲が怖くてどこのジムも回収作業なんてしやしないんです ジミーもロイもみ〜〜んな、即殺されていったんですぜ どうせパニック状態でロクに撃てやしないんだから あんなもん取っ払っちまったらどうですよ? ただの飾りどころか、却って生存率下がってるじゃないですか ええ、最近じゃ操縦席をいきなり狙撃する奴等も増えてるんですよ、連邦の中には そりゃ、あんな子供だましのトリックがいつまでも通じるとは思えませんがね あ〜、すっきりした、これで俺も銃殺決定ですよね
353 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/07 17:03
>350 ガンダム関係の書籍(ジオン公国の新聞をデッチあげたもの)の中で G3ガスで死んだ人達をジオン軍は新種の伝染病による突然死ということにした という記述を見つけましたのでそこからネタを膨らませてみました ちょっと長すぎるかな、とは思いましたが…
350で長いんなら、もうまともな文章は読めないと思うが。 それともみんな、そんなにネタ話が好きなのかな。
355 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/07 18:22
>354 G3ってところからすると249が長いってことなんじゃないのか? 漏れはいいと思ったけど
>>350 あれはジオン側の報道新聞でしょ? 連邦側は知ってるんじゃなかろーかと。
ただ、0080に出てきた連邦兵はなぜかジトニーが無くなったこと知らなかったけど。
357 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/12/08 05:06
>352 確かにマゼラは嫌だ。ボールとどっちが嫌かな。(笑) >353 長すぎ、なんてことないですよ。スリムで イイと思います。これからも大活躍希望ナリ。 余談ですが、マゼラは戦車の上面装甲を打ち抜くために ああなったとか。でも戦車壊すなら航空機だよなぁ。 なんだかんだ言っても航空機は強いのではと思ふ。 オデッサとかでも。
201 :通常の名無しさんの3倍 :01/10/16 21:45 あ、あたし。具合どう?...そう、良かった。 え?うん、別に用ってわけじゃないんだけど、ちょっと声が聞きたくて...ごめんね。 で、あのね、決まったんだ、初陣。 うん、ア・バオア・クー攻略作戦。あと16時間後。 ...ねぇ、ひとつ聞いてもいい? 初めての出撃ってどんな感じだった?…怖かった?緊張した? ほんとはね、怖くて怖くて今も手、震えてるんだ。 ...そうか、緊張してあたりまえか...そうだよね。 ねぇ、あたしが死んだら、泣いてくれる? うそうそ、大丈夫だって、出撃するったって予備隊*1みたいなもんだし。 ...でも、ほんとにありがとう、ちょっとだけ落ち着いた。 もう切る。うん、これ以上話してると逃げ出したくなりそうだから。 じゃあね、そのうちまたお見舞い行くから。 うん、またね。 *1アニメの設定では本隊は壊滅してます 206 :サラミス艦内厨房にて :01/10/17 00:51 「よーし、全セクション食い終わったな。俺達もメシにするぞ。 「料理長!」 「何だ」 「食堂奥にまだ1人残ってるんスけど・・・」 「あん?今頃来ても遅せえよ。何してたんだ、そいつは?」 「いやそれが・・・メシも食わずに、食堂奥の電話ボックスでずーっと泣いてたんスよ」 「どのセクションの奴だ?」 「えーと、ボールのパイロットらしいっス」 「どれ・・・って、女の子じゃねえか」 「ええ、ちょこっと聞いちまったんスけど、恋人に電話してたみたいで」 「判った。ここはいいから、お前は厨房に戻ってメシ作りな」 「ウッス」 「曹長さんよ、ちょっといいかい?とりあえず涙を拭きな。落ち着いたか? あんた、明日の作戦が初陣なのか?そうか判った、厨房に来な。飯でも食おうや」 「ほれ、特別だぞ。俺の国の料理で『カツ丼』ってんだ。食った事あるか? 自慢じゃないが、いままでコレ食って出撃したパイロットで、帰ってこなかった奴はいねえ。 なぁ、みんな。 だからあんたも大丈夫だ、必ず生きて帰って来れるさ。さ、冷めないうちに食えよ。 食い終わったら、もう一度、彼に電話して、元気な声で言うんだぜ、『生きて帰る』って・・・」
211 :通常の名無しさんの3倍 :01/10/17 01:46 こちらハンガーデッキ2のAだ。聞こえるか? あーん?知ってるよ、待機中のコックピットへの私用が違反だって事ぐらいな。 かてぇこと言うなって。 あ?用?おう、実はな、俺の整備したボールによ、今にも死にそうなツラしたお嬢ちゃんが 乗り込んでくのを見てな、ウチの若ぇのに聞いてみたら、どうも新兵の初陣だっつーから、 ちょっと気になってな。まったく、あんな女の子まで動員して、何考えてんだか。 ...それはそうと、お前に貸しがあったよなぁ。へへへ。 ア・バオア・クーが落ちれば戦争なんて終わったようなもんよ。ここで死んだら、バカみてえじゃねぇか。 だから、その…あのコを支援してやってほしいんだ。うるせぇ、そんなんじゃねぇって、分かってる、分かってるって。 戦ってる最中にそんなことできねぇってことぐらい。でもよ… おーっ、そーか。やってくれるか。頼んだぞ。男同士の約束だからな。てめぇだけのこのこ戻ってきやがったら… おっといけねぇ、作戦開始3分前だ。そろそろマジにやべぇから切るな。 おう、頑張れ。 218 :通常の名無しさんの3倍 :01/10/17 03:00 曹長か。・・・声、震えてるぜ。今日が初めてなんだから、無理もねぇか。 ところで、今からお前にだけ戦場で死なない方法を教えてやる。 俺の機体の後ろについて離れるな。そんだけだ。いいか、絶対だぞ。 もし、俺が撃墜されたら機体No.871のGMの後ろに付け。 え、なんでそんなこと言うのかって?お前の機体整備した奴に頼まれたんだよ。そう、あのおっさん。 整備1000機目の記念の機体、墜とされたくねぇんだとよ。 バッカ野郎。んなの適当にやりゃあいいんだよ。 何発か弾丸撃ったら被弾したふりでもして戦艦の陰に隠れてやり過ごせ。自慢じゃねえが 俺なんざそうやって今まで生き延びたようなもんだぜ。 ここは一つ、俺を信じろ。逃げも隠れもするが、お袋の名前に誓って嘘はつかない。
...このスレももう終焉みたいだなぁ がんばって書いてた職人各位、楽しませてもらってありがとさん 俺は長文もきっちり全部読んでたよ またコレ系のネタスレ立ったら是非書いてくれ 俺、待ってるからさ
361 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/12 23:55
終わらんよ
んだぁ? たまに上がってるから見てみりゃ... ネタもねえのに上げんじゃねぇよ、ウゼェ
↑こーゆーのがこのスレの愛好者代表なんだね
↑違うと思うけど。。
すずやかに同意。
ある姉の日記 私達の両親は、兵隊に殺された。そして今私達は、 兵隊のおかげで生きている。 こんな事をしていると、自分がどんどん卑しい人間に なっていくのがわかる。それでも、私はやめない。 今の私があの子を育てるにはこれしかないから。 神様。どうか神様。あの子が大きくなったとき、 私の事を軽蔑したり、恥じたりしませんように。
ある弟の日記 ぼくはお姉ちゃんが大好きだ。父さん母さんもいなくなったけど、 ぼくにはお姉ちゃんがいる。お姉ちゃんはぼくのために夜おそくまで 仕事をしている。そしてときどきはいっしょにねてくれる。 お姉ちゃんはきれいで、いいにおいがする。だからぼくは 早く大きくなって、お姉ちゃんを守ってあげたいと思う。 ぼくはこれからもずっとお姉ちゃんが大好きだ。
368 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/12/15 01:26
美奈さんも沢山ネタ出しして欲しいでふ。 たまに>362のようなのが現れるけど気にしちゃだめでふ。 応援あげ。
応援sage 最近こちらも更新がとまっているようですが、また名作が読みたいです。 職人の方々のご活躍を心よりお待ちいたしております。
370 :
FAVORITE ◆FAIRySzU :01/12/16 02:59
僕が、お父様でもお爺様でもなく、初めて自分の力で得たものは このボール。出荷されてすぐ僕の所に来た、言ってみれば僕だけの為に 生まれたこいつに、僕はオッドアイ(風変わりな眼)という 名前をつけた。 このボールというやつは、とかくパイロット達に嫌われているらしい。 でも僕は、戦友であり、生活空間であり、恋人であるこの オッドアイが大好きだ。こいつの方も、僕の信頼と愛情に 応えてくれている。なにしろひよひよの新米であるこの僕が、 多くの熟練パイロットを差し置いてあのソロモン攻略戦を 生き延びたのだから。 もうすぐ次の、そしておそらく最後の出撃命令が出るだろう。 そしたら僕等はまた、一緒に宇宙を駆ける。そこにどんな 終幕が用意されているかはわからない。 が、一つはっきりしている。いかなる運命が待っていようと、 僕とオッドアイは最後の最後まで共にある、という事だ。
371 :
RB-79 :01/12/17 03:08
宇宙 本当はこんなに静かなんだ…… ゆっくり見る余裕なんか無かったから 解らなかった… 地球って本当に青いんだな 何で……戦争なんかするんだろうな 哀しい人が増えるだけなのに…… 『…を廃棄し……脱出して…い』 回り続ける重力に縛られ青き星の周りを
372 :名無し三等兵 :79/12/23 18:02 ♪聞いてアロエリーナ ちょっと言いにくいんだけど ♪聞いてアロエリーナ 明日ボールで初出撃なの それで家族に 連絡しとけって だけど 僕には伝える家族がいないから ♪聞いてくれてありがと 2chのひとたち \______ __________/ |/ ∧_∧ (○) (∀・ ) ヽ|〃 (∩∩ )  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
373 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/19 19:55
もったいないね
「おいアンナっ!俺のボールの整備は終わってるのか?そろそろ調整に入りたいんだがな」 「あー、少尉。待ってください。もうちょっとで出来あがりますから」 「幾らなんでも時間かかりすぎ……何やってる」 「えへへ。おまじないっていうか」 「『I Love ANNA』……ってハートマークまでつけて……俺のボールにでかでか とまあコノヤロウ」 「はいっ!綺麗に仕上げるのに時間かかりました、むしろ整備よりも!」 「……(;´Д`)」 「これで、わたしと少尉の愛のパワーが、きっと少尉を守ってくれます。きゃあ、言っちゃ ったわたしったら!」 「……アンナ整備士。もう時間がないので、仕方ないから明日はこれで出てやる。……そし て、アンナ。もし無事に帰ってきたら、そのときこそ俺は……俺は、お前を」 「ハ、ハイッ(*^ ^*)」 「お前を、殴る」 「何故っ!?Σ(TдT )」
よっしゃナイスネタ2連発!しつこくへばりついてた甲斐があった。 嬉しい…。合言葉は『枯葉になってもへばりつく』ですかね。 >372 ソロモン攻略戦の直前にラジオで…(涙) >374 微妙に萌え。
貴方への気持ち 思い出の場所 誓いの指輪 二人の時間 全て無くなってしまいました 全て奪われてしまいました だけどもう寂しくは無いのです 貴方の居る処へ行けるのだから
「せんせい。やくそくをやぶるのはいけないことなのよね?」 そうだよ。一度約束した事は、きちんと守らないとね。 「フェインおじさんは、ママとなかよしだったの。 ときどきあそびに来て、たかいたかいしてくれたの。 しんねんになったらもうどこにも行かずに私のパパに なってくれるって言ってたのに、どうして来ないの?」 ぁ、それは…。 「ママとおじさんけんかしたの?ママが泣いてばかりなのは だからなの?」 …多分、軍籍にある以上覚悟しておいて然るべき事態に見まわれて、 その旨君のママにも通知があったからだと思うんだが…。 「ふぇ?せんせいなんて言ってるの?」
378 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/25 00:13
あげ
宇宙戦艦の中だ。煙突なんて有る筈がない。 この一年戦争やってきた俺だ。到底『いい子』なんかじゃない。 でも、頼む。あえて頼む。サンタクロースよ。 俺の妹に、『幸せ』をプレゼントしてやってくれ。 0079の聖夜に
ここがどこかわかってるのかよ!! サイド6なんだぞ! 何だってこんなところで戦争なんかおっぱじめるんだ おまえらさえいなければ…… おまえらさえこなければ…… 連邦もジオンも好き勝手に暴れてんじゃねぇよ!!!
トゥルルル,トゥルルル,プツ. はい,……あっ,マーク…… ……そう,ソロモン戦で無事だったのね.おめでとう…… ……うん…… ……うん…… ……うん…… あっ,あのねっ! なんていったらいいのか…… さびしかったの……とってもさびしかったの…… わたしには,一人ですごすクリスマスは耐えられなかったの…… だから,あのっ…… さよなら. ……本当にごめんなさい! プツッ,ツーツー……
hello,ママ! テキサスは今ごろ冬でしょうか。 いや、サイド3にいるママにテキサス関係ないけどね。 さて、僕はといえば、ちょっと困ってます。 具体的に言うと、僕の乗ってるザクがお尻から打たれて、今まさに宇宙 を漂っています。 チェリーより先にヴァージン無くしてちゃ世話ないよね、HAHAHAHA!(ア メリカンジョーク) しかも撃ってきたのが、連邦のあのキ○タマMAとくれば、シャレにもなら ないよ、HAHAHAHA(アメリカンジョーク) 推進装置はもちろん、下半身もどっかにいってしまったのでAMBACも 出来ません。 10歳のとき、クリスマス前にお隣のジェニーにフラれたとき以来のBADな気 分だね。 まあ、原因は僕が浮気したからだけどね。 浮気相手はテレビのマイク・ハマーだったけどね。 おっと、そうこうしてるうちに緊急ブザーだよ。 エアー漏れ?ああ、ザクもオナラするんだね。HA-HAHAHAHA! こういうときはこれ!エア漏れ修理キットさ! ……穴大きくて、詰め物が入らないね。まったく、ガバガバなのはあんたの ワイフだけで十分だよ!HAHAHAHAHA(アメリカンジョーク) さて、思わず自分の指入れてパテで固定しちゃったけど、いいのかねコレ。 いいや、ちょん切れちゃったらザクの指でも接いでもらうさ……って、やめ てくれよオイ!(一人ボケツッコミ) そんなこんなで戦争はけっこう大変です。今取り込み中なので、また後で。 P.S. ママ。 たった今新たなピンチです。 現在友軍の救用カーゴが目の前を通っているのですが、指を固定したためシ ートの背後においておいた緊急灯に手が届きません。 おいおい。あんまり急ぐとポリスに捕まるぜカーゴ! ママ、今晩はちょっと帰りが遅くなりそうです。いや、もう一年帰ってない んだけどね。
「クリスマスに乾杯!」 高らかな声と共に、俺はカップを掲げた。目の前の 3人の悪友達も、今日ばかりは余計なツッコミを入れずに笑っている。 本当は酒が欲しかったが諸般の事情で手に入らず、 涙をのんでコーヒーで乾杯と相成ったわけだが、まあ仕方なかろう。 どうせ俺のおごりなのだ。文句を言わせるか。 「しかし、何だね。お前等も結構薄情だったんだな」 ちょっと意地悪く、ひとりひとりの顔を眺めてやる。 「グリフ。妹を紹介してくれるって話、どうなったんだ? ロックには金貸したまんま。レイヴにも代返の貸しがみっつほど あったよなぁ?」 連中は物言わず、ただ笑っているだけ。 俺はふと思い出して、連中の前に線香を一本ずつ立ててやった。 「今のお前等には、クリスマスキャンドルより相応しかろうな。 そっちでも精々達者でやれや。俺も、すぐ行くと思うからよ…」 連中はやはり、静かに笑っているだけだった。
>381 このスレの原点に則った造りA。 >382 なんかまきろん氏みたい(笑) それとも本人さんかしらんA。 ちょっとずつ作品が増えてきてるような気がしてナイス。 美奈さん雑音を気にすることなくれっつごー。
385 :
通常の名無しさんの3倍 :01/12/29 03:46
あげ
ガンルームの喧騒の中、俺は一人ボゥとしていた 巡洋艦チューリッヒも、完成して数年たつ 1年戦争後期した艦だけに、各所にすえた臭いが充満している まだこの部屋はマシな方だ 「先行していた偵察隊がティターンズの部隊と接触した」 俺の隣にいた奴がそう言っている 俺の意識は飛んだままだ。物事に集中できない 出撃はまだか、連中はそればかりを呟き続けている 何故彼らは出撃したがるのだ。あの地獄へ戻りたがるのだ 1年戦争、ア・バオア・クー防衛戦に出撃したあの日 ロクに操縦できる訳でも無く、出力の不安定な新型機に載せられ、 信じがたい程の大群と戦わされたあの日 未だ夢に見る 済し崩しで逃げ出し、敗残兵として合流した 俺はもう戦いたくない 薄暗いコックピットの中、そこでも俺は一人 戦闘だ。戦闘だ。戦場はとうとう俺に追いついた 『…兵曹長、出撃せよ。聞こえているか、出撃せよ』 「了解。…リックドム、出る」 逃げ出したい 静寂の中、そこでも俺は一人
皆が次々と宇宙に上がるのを尻目に、私はアフリカ行きを 希望しました。 卵の殻がお尻についているような新米パイロットでは、 宇宙に上がったところでミサイル艇かボールに乗せられるのが 関の山。私は何もしないうちにこの世から消え去るでしょう。 でも地上なら、このアフリカの砂漠でなら、私の機体は ジオンのモビルスーツとも十分戦えるはず。 わかっています。あの人は決してこんな事を望まないでしょうね。 それでもやらずにはいられない。多分私は、人間である前に ひとりの女なのでしょう。 「無理すんな!親父さんの敵討ちより、嬢ちゃん自身の ために生き残れよ!」 親切な誰かの声を聞きながら搭乗。窮屈なコックピットの中で私は、 いつものようにあの人の写真を抱きしめます。 ずっと伝えられなかった、伝えるわけにはいかなかった言葉を、 心の中でくりかえしながら。
あけおめです。 >386 アクシズの兵隊さんですか?それにしても、 変形モビルスーツ隆盛のこの時代にリックドムとは…(汗)
389 :
さくっとマフティー ◆rsi.gvb2 :02/01/06 18:06
のちみみついみみくらなかにとちすいかいすなのななのにのらかいみにもらい
入ってすぐ格納庫。ミサイルか何かが飛び込んだらしく 大変な様子だったが、ひとりだけ、まだかろうじて 息のある女性整備兵を発見。 任務の性質上、よけいな事に首を突っ込むのは許されなかったが、 彼女の切れ切れの声が聞こえてしまった。 「…あなたは、おみかたで…か…、てきで…か」 「…味方です。もう大丈夫。ご安心なさい」 そう答えてしまっていた。 手当てが必要なことはすぐにわかったので、一言叫ぶなり 彼女を抱えて猛スピードで引き返す。 「負傷のため、一時後退します!!」 * * * * …まぁそれからも、自分で自分の足を撃ったり軍法会議に かけられたりと色々あったけど、なんとかこうして生きているって わけです。いや、子供達が喜びそうな記事にならなくて 申し訳ないです。 え?そのときの女性ですか? 何やら彼女のほうにも 色々あったらしく、今は下の娘を迎えに保育園にいってますよ。 もうすぐ帰ってくるんじゃないですかねぇ。
>391 いい話だね。 しかし、最近マターリってよりは寂れ気味でチョト悲しいね。 そろそろ以前の職人さんたちも戻って来てくれるといいのにね。
不意に、目の前が光であふれた。 白い、白い世界を歩いてくる人は…、 「…あれ、エリサか?」 どうやらそうらしい。10年も前にはぐれた 俺の妹が、ここにいる。 「お前も、大きくなったな」 「綺麗になったな、くらい言ってほしかったな〜。そんなことだから お兄ちゃん、いまだに恋人のひとりもいないんだぞ〜」 「それはとても巨大なお世話」 「ま〜、いっか。これからはあたしがず〜っと一緒だしね。 さ、行こっか〜」 そして俺たちふたりは、手をつなぎ、歩く。 * * * * また、すべてが徒労に終わり、兵士は戦死者の列に加わった。 彼の懐から出てきた写真の、小さなふたつの笑顔。 それを見つめながら、無力な自分に涙する白衣の少女。 「ベルさん来てください!2号棟です!」 自分を呼ぶ声に、少女は涙をはらった。 それは、この時代にあっては珍しくもない、ごくありふれた日常。
>392 すずやかに同意。もしかして、私が知らないうちに 別スレが立って皆そっちへ逝ったのではないかと 疑いたくなるほどですな(苦笑)
君のアップルパイを食べに来たよ、艦のは美味過ぎて口に合わなくてね...違うな 俺がいないと屋根の修理、誰もやってくれないだろ?...ちょっとなぁ お届けモノです。お荷物は復員兵お一人...感じじゃないよなぁ え?そうだよ、家に帰ったら最初にカミさんに何て言おうかって... カミさん、俺が帰れるって電話したら、何か興味無さそうな返事してんのよ くやしいからさ、俺の方からは”君に逢いたかった”とか絶対言ってやらないんだ そんで考えてんの、クールな名台詞ってやつ。 いやいや、喜んでくれてんのは解ってんだけどね... 俺のカミさん意地っ張りだからさ、俺が戦争に行ってからこっち電話もかけなきゃ 手紙も出さなかった事、怒ってたのよ え?できないよ...だって電話して声なんか聞いたら帰りたくなっちまうし... だけどそんな甘い事言えないでしょうが?解るっしょ?運転手さんも男ならさ。 そうだよ、男のプライドってヤツだよ で、運転手さんだったら何て言う?...へ?隣の家と間違えたフリ? あ、いーねぇ、それやってみるわ、運転手さんありがと。 : : お、着いたね。はいこれ...お釣り要らないよ、多めのチップって事で...どういたしまして あ、そうそう客待ちなら基地が良いよ、家に帰る復員兵はだいたい気前良いからさ んじゃね、運転手さんも気をつけて。 : : よし、”失礼、マーチン・デイビスさんのお宅はこちらだと伺ったのですが...”なんてな さて、あいつめどんな顔するか見ものだな、こりゃ : ピンポーン...ガチャッ... : ...あ、えーと...ただいま...俺も...俺も逢いたかった。 ...泣くなよ、もうどこにも行かないからさ
>395 Squadron氏 おかえりなさい! 久々に帰ってきたのをSSで表現するところは流石ですね。 >...泣くなよ、もうどこにも行かないからさ ホントに?(w
397 :
通常の名無しさんの3倍 :02/01/10 22:40
保全age
>>396 どうもです
あれは単なるネタであって他意はありません
仰るとおりの意図があったら内容的にちょっと傲慢でしょ
いや、ほんとに(w
久々に見たら、このスレなんか寂しくなっちゃった様ですけど、
まぁ賑やかしってことで、ちょくちょく書かせてもらいたいな
と思っております
そんな大したネタは書けませんけど
保全sage
400 :
通常の名無しさんの3倍 :02/01/17 23:07
ijiage
401 :
通常の名無しさんの3倍 :02/01/21 16:47
保全
俺がスレ止めちゃってます?ひょっとして マズイな...
>399-401 保全お疲れ(w >402 そぉ思うなら、新作キボンヌ(w つか、一人じゃ辛いわな。 FAVORITE氏も来なくなったみたいだし、 305戦隊氏や、まきろん氏とか、もぉココは見てないのかね?
よし、ネタ考えるから待っててよ...というか、 俺あんまり短期間で数撃てるほど文才無いんだよね でもこのまま落ちていくのも惜しいしな
お、なんとなくマターリな空気がようやく戻ってきた気がする 職人と雑談とかしながら時々ネタを書くってのもイイかも知れない(w
そだね、ネタと感想だけじゃなくってもイイよね。 前スレとか読むので精一杯だったりしてたし(w このマターリ感は嫌いじゃないな。 落ちてしまいそうな危機感もまた・・・(w
とりあえず、保全しとく。
前略、元気ですか? そちらは相変わらず暑いんでしょうね。 こちらは雨ばかりです。 さて、明日いよいよ宇宙(そら)に上がることになりました。 士官学校も無事卒業して、念願のパイロットです。 ボールというのが、ちょっとあれですけど。 でも、仲間もいいやつばかりで楽しくやってけそうです。 だから心配しないでください。 でも、ちょっとだけ不安なことがあるんです。 宇宙でお祈りするとき、どこに向けばいいのかなぁ。 メッカの位置がわからないです。 あと、ラマダン(断食月)の過ごし方なんですけど 宇宙では日没も夜明けもないから、いつまで断食すればいいのかなぁ。 だれか教えてください。 あなたのムハマドより。
409 :
通常の名無しさんの3倍 :02/01/29 12:23
ageとこ
ハッピーバースディ!21歳の誕生日おめでとう! え?忘れてないって。明日12月31日だろ。 生まれたときからお隣さん同士だったんだ。 忘れるはずがないだろ。 でも明日は大きな作戦があって電話できないから今 日祝っとこうって。 うん、うん。大丈夫さ!オレには幸運の女神様がつ いてるんだから。 うん?大事な話?また今度って、いや今聞きたい。 でないと!・・・いや。 ・・・・・・今・・・・・・聞いておきたいんだ。 うん、うん・・・はぁ? それ本当か?本当に本当?ははっ、スゲェ・・・! 本当にスゲェ!! オレが!?オレがパパになるのか!? それじゃこんな戦争さっさと帰らなきゃ! そして帰ったらすぐその足で役所に婚姻届を出しに行こう!! だから用意して待ってってくれよな。 ・・・・・・始めてあった時からずっと、 ・・・・・・お前のこと愛してるよ。
411 :
通常の名無しさんの3倍 :02/01/30 03:21
前スレ読みました。 まーにいちゃん&のりちゃん最高!! マジナケタ・・・。
保守sage
保守
414 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/04 23:12
存続
じゃ、漏れも保全(w
416 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/07 07:25
ご無沙汰! 返事なかなか出せなくてゴメン。 こっちは相変わらずクソガキどものお守りでウンザリ。 パパやママに合いたいのはオメーらだけじゃないっつーの。 まったくジャングルの中で子守なんてダサダサだよねー。 ナースの資格のついでにナニーの資格とるなんでやめときゃよかった。 そっちはどう? 砂漠にはいい男いる? いても負傷兵じゃショボイか。 そーそー、今日へんなヤツらがいたよ。 戦争孤児乗せてきた、訓練兵の寄せ集めみたいな船なんだけど わざわざ運んできたガキども、また取り返して連れてっちゃった。 なに考えてんの? 戦場に子連れで行くなんて狂ってんじゃん? ま、ピーピーすぐ泣く、イヤなガキどもだったから別にいーんだけどさ。 でも、さ、やっぱ、気になるじゃん。 家族みんな死んじゃった子供が、寄せ集めの兵隊たちを家族代わりって 思ってるなんて……新兵同然のひよっ子兵士が子供たちと離れられない ほどの絆を作ってるって……ちょっとさ。 あーあ、あいつら宇宙(そら)へ行くのかなあ。 ま、私は地味にジャングルの基地で子守やってるよ。せめてクソガキどもの 無事を祈りながら、さ。
マジ倉庫落ちかと思たよ(w
418 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/09 21:18
よかった。ちゃんと生きてるやん。 とりあえず一回ageとくよ。
419 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/10 01:07
「ミサコ、喜んでくれ。 今日、ジオンのMSを3機墜とした。 ザク3機、リックドム1機、形式不明の新型1機。 新型は、君の祖国、日本の伝統「ナギナタ」の刃を二つつけたような武器を持っていた。 噂では「ゲルググ」というコードネームがあるらしい。 それにしても、ジムは使える。意外とな。 わかっている。 こんな話をしても、お前が悲しむだけだということは、わかっている。 俺が墜としたMSの中に、3年前家を出た私たちの息子が、乗っていたかもしれないのに、と 君は、罵るだろう。 だが、わかってくれ。俺は戦場でしか生きられない男なのだ。 生きていたら、いつかまた、君のつくったジャパニーズスープ・・ミソシルと言ったかな?それを飲みたい。 もっとも、それはかなわぬ夢なのだが。 遠く蒼い星、地球の大地で、永遠の眠りとともに愚息と愚夫を見守る妻、ミサコへ」
420 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/10 01:10
「あれ?それ、なんですか、大尉?」 「・・・なんでもねえよ」 大尉は、今は亡き妻と、行方の知れぬ息子の写真をポケットにしまった。
421 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/10 21:33
ブライト艦長が、今日、私たちに言いました。 「すまんが、皆の命をくれ」 昔、私たち3人はまだ幼く、ブライト艦長やアムロ大尉がとても大人に思えたものでしたね。 ですが、何の因果かロンド・ベルに配属され、彼らの下でMS乗りになった私は 彼らもまた、決して英雄などではなく、 悩みながら闘い、そして生き抜いている者たちだということを知りました。 もしも私がカツ兄さんやハヤト父さんの後を追うことになったなら レツ兄さん・・・母さんを、お願いします。 レツ兄さんだけは、決して戦場などに赴くことなく いつまでもフラウ母さんの側にいてあげてください。 我がままな妹を許して。 キッカ・コバヤシ
保守
423 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/17 15:43
妻と幼い子どもに手紙を書いていた同期のアイツは、サイド7に侵入し、帰ってこなかった。 ポーカーの弱いアイツが前日は勝ちまくっていたから、運を使いはたしたのだろう。 古女房に手紙を書いていた上官は、ジャブローに降りたまま行方がわからなくなった。 いつも作戦直前に一服していたのに、がらにもなく禁煙なんか始めたからかもしれない。 恋人とママに手紙を書いていた部下のアイツも、ソロモンで散った。 そういえば作戦前夜、いつもMSに乗る前に口づけしていた恋人の写真がなくなったと、騒いでいた。 誰かに手紙を書くと戻ってこれなくなるような気がして、いつも、手紙は書いていなかった。 だから俺は、お前に書きかけた手紙を、やはり破り捨てることにした。 ア・バオア・クーを生きて乗り越え、もう一度お前を抱くために。
424 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/20 21:06
age
425 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/24 13:48
age
426 :
通常の名無しさんの3倍 :02/02/26 13:02
コクピットに座ると、コンソールに写真が貼ってある。 とびっきりの笑顔を浮かべた女性達の写真だ。 もっとも、本物の写真じゃない。粗悪なプリントアウトだ。 「あなたは絶対、生きて帰れるよ! 幸運の女神様たちより」 賑やかな文字と人数分のキスマーク。 オペレーターの女の子達が、パイロットに配ってくれたものだ。 前の出撃の時、ボール全部のコクピットにコレが貼ってあった。 ただの粗悪なプリントアウト。だがこいつは間違いなく、幸運のお守りだ。 俺達の艦からは死者が一人も出てないからだ! 艦に帰ったらとびっきりのお礼をせにゃならん、と、誰もが考えていた。 しかし彼女たちは、もういない。 帰投のための誘導ビーコンは、俺達のとは違う艦から出されていた。 状況を告げるオペレーターの無理に押し殺した声が、冷徹な現実を伝えていた。 ブリッジに直撃だったそうだ。 やたらと口うるさくて、いつも俺達のあら探しばかり。 余計なお節介ばかり焼く、そんな女どもだった。 いまは、もう、いない。 「本当、あいつららしいよな」 開きっぱなしの通信回線から、小隊長の呟きが聞こえてくる。 「自分の運、他のヤツにくれてやるなんてよ」 しばらく間があってから、小隊長は自分に言い聞かせるように言った。 「だから、俺達は死なない・・・そうだな?」 誰も何も言わなかった。言うまでもなかった。 前はここに座るのが怖かった。 今は怖くない。 正真正銘、「幸運の女神様たち」がついてるんだから。
428 :
中央集配所局員A :
02/02/27 12:18 「親愛なる家族のみんなへ 久しぶりでごめんなさい。 通信は時間制限されてるので、手紙を書くことにしました。 今、僕は宇宙にいます。といっても、2ヶ月前からですが。 今までは後方支援とか哨戒任務とか、そんな任務ばかりでしたが、 いよいよ僕の船も前線に配備されることになりました。 正直言って、ようやく望んでいた任務に就ける、といった感じです。 母さんは、人殺しを喜ぶ僕を怒るでしょうね。 でも、今の僕にできることは、これぐらいしかありません。 僕が出来る限りの努力をしたいんです。早く戦争を終わらせる為に。 ・・・ いつだって、あなた達の事を忘れた事はありません。 エヴァおばさん、お小言は少な目にお願いしますね。 ジョージおじさん、煙草は程々に。 コレット、泣いてばかりいちゃだめだよ。 フランク、誕生日プレゼントを贈れなくてゴメンな。 父さん、僕も酒を飲める歳になりました。 おみやげにとびきり高い酒を買って帰ります。 母さん…僕を、赦して下さい。 それじゃ、行ってきます」 集配所で見つかったその手紙には、差出人も受取人も書かれていなかった。 宛先も一行だけだった。しかし廃棄処分にはされなかった。 後にこの手紙は連邦軍トリントン基地の好意により、 家族の元へと届けられた。 「シドニーのみんなに。今も変わらぬ愛を込めて」