仮面ライダークウガを語れ・「笑顔」

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857高寺
 東映グループの一員に、東映化工という会社が在る。現像を行ったり、
ビデオテープの製作などを行っている部門である。

 この会社に今、用途がなくて持て余している機材があるという。
 しかもそれは、老朽化が進んで使えなくなったフィルム編集機といった
シロモノではない。この2年以内に購入した、最新鋭の機材である。
 ハイビジョン用の編集機。それを使っていたのは「仮面ライダークウガ」。
 「クウガ」のハイビジョン製作を提案し実現させたのは高寺氏であるから、
間接的にこの機材導入も高寺氏の意図したこととなる。

 しかし、「クウガ」に続く番組「アギト」は、通常のVTR収録である
という。現時点でハイビジョンで製作される予定の番組もないという。
 もちろん、BSデジタルも始まって、どこのTV局から何時どんな発注が
あるか分からない以上、最新のハードを持っていることはそれ自体営業用
ツールにもなるだろう。
 しかし、現実的な視点に立ったとき、(クウガ終了後)年に何回あるか
分からないハイビジョンの仕事のためにハードを維持していくのは、東映
グループ全体としてどうなのか?

 さらに分からないのが、「クウガ」のDVDのマスターは局納品のD2
素材だということである。

 そもそも、何のためのハイビジョン導入だったのか?
 ハイビジョンにしたため、いままでの怪人造形ではアラが目立ってしまい、
より緻密な造形を行うため日数がかかり、それが跳ね返って前後編の話数構成
になったのではなかったか? 当然、造形費用もかさんだのだろう。

 ここに、ちょっと面白い噂がある。高寺氏が戦隊シリーズを担当していた
頃、例年のオリジナルビデオ「VSモノ」が製作されるシーズンになった時
のこと。
 この企画は、形式上 東映ビデオが東映テレビプロダクションに発注する
ということになっている(発売元は東映ビデオとなる)。
 テレビプロから見積もりが上がってきたのだが、そこには人気俳優が複数
登場する人気シリーズVシネマの製作費の倍額以上が計上されていたそうだ。
 東映ビデオ側はこれを認めず突っ返した。何日かして再提出された見積もり
は、最初の半額になっていたそうである。

 予算を最終的に管理するのは、当然プデューサーの仕事であろう。金の
流れを決めている訳だ。

 ハイビジョン導入とそれに伴う「クウガ」制作費の高騰とその実態を
高寺氏は明らかにするべきではないのか?