新特撮 婦警マン

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435場違いの荒らし
−後編−
瓦礫から婦警マンを抱え上げる早苗。制服のためか、婦警マンは怪我一つなかった。だが、早苗の腕の
中で震えている。
「婦警マンなんて……婦警マンなんて、もう、いや……」
婦警マンの瞳から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちる。
「婦警マンじゃなきゃ、あんな事されなかったのに……」
早苗は黙ったまま、婦警マンを病院に連れ帰った。

病院に戻った二人、小児病棟を通り抜けるとき、いつものように子供達が駆け寄ってくる。
「あ、婦警マン、泣いてるぅ」
「ホントだ、泣いてる」
「ねぇ、どうしたのぉ。ねぇ」
「痛かったの?」
子供達は、心配そうに婦警マンに話しかける。
「ほら、みんな心配してるよ」
早苗が婦警マンの涙を拭きながら話す。
「しっかりしなよ、あんたの体は守られてるんだ。あんたが自分から望まない限り、何も起きないんだよ」
婦警マンは、子供達を見ていた顔を早苗に戻す。
「この子達は、あんたが守るんだ」
早苗がそう言うと、婦警マンは小さくうなずいた。婦警マンの心が、はっきりと蘇っていくのを早苗は感じた。
「さてと。今日はやさしくしちゃおうかな」
婦警マンを抱えて再び歩き出した早苗は、婦警マンの頬にそっとキスをした。