新特撮 婦警マン

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215ピンチさん@風景画
「だけど主任、どうして闇討ちみたいな事したんですか?私、疑ったんですよ、主任が敵の・・・・」
「スパイじゃないかって?ハハッ・・・・・でも麻生、ドキドキしたろう?」
 明け方近く、“チャージ”を終えた二人はベッドの中で抱き合ったまま語らっていた。
「それに、どうして一度私のエネルギーを吸い取ったんですか?」
「あれはね、“メモリー効果”なんだってさ。バッテリーに貯めた電気は全部使い切った方が次にフル
 チャージ出来て効率が上がるんだそうだ」
 自分を電池に例えられてあまりいい気はしなかったが、確かに今までの戦いの後より気分は良い
 し、身体も軽くなったような気がする。それにしても・・・・
「主任がすごく乱暴で、私、怖かった・・・・ほんとにどうすればいいんだろうって・・・・・・・・」
 その時の恐怖感が甦ったのか、佐智子はまた身体を震わせる。だが、自分の弱味をさらけ出せる
 相手が出来て、口では言い表せないほど安心してもいた。胸に顔をうずめてくる後輩の頭を優しく
 撫でながら、早苗も佐智子の孤独と、耐えねばならなかった重圧を思って絶句してしまった。
「ごめんよ、あたしも初めてだから興奮しちゃって。それに・・・」
「・・・それに?」 早苗は佐智子の身体をギュッと抱きしめた。
「あんたが・・・婦警マンがあたしの腕の中でアンアン悶えるトコ見たくてサ!」
 耳たぶまで赤く染め、早苗を叩く佐智子。
「ひどオい、意地悪ウ〜〜!!」 しかしその顔は笑っている。早苗も、笑った。
「よし、ちょっと早起きだけど、シャワーでも浴びるか!」
「ハイッ-----------!!」
 窓の外には、晴れ渡った空に太陽のきざはしが顔をのぞかせていた。

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