最強の仮面ライダーは誰だ？！Fanal Stage！

「お聞きくださいこの歓声！　会場内、ファイナルバトルへのカウントダウンが響きます！
遂に決勝！　仮面ライダー最強の栄光は果たしてどちらの手に！？」
「いずれも究極、最強の伝説を持つ戦士たちですね。
闇の王子と見初められ、数奇な運命に翻弄されつづけた逆境の王子、仮面ライダーブラックＲＸ、
そして闇の伝説に巻き込まれ、光り示すものとして戦いつづけた求道の勇者、仮面ライダークウガ」

「暗黒の業を持つものと闇を刈る戦士、象徴的ですね」
「ここまでの戦いから、そのようなイメージが定着してしまいましたか。
しかし裏を返せば、東光太郎はその暗黒の業と戦いつづけ、光の道を選んだ勇者。
また五大雄介は、闇を刈るための力と引き換えに暗黒に近しき力に蝕まれ行き、あるいは次なる暗黒の王子にもなり得た存在」
「確かに。この二人の運命は、背中合わせの関係にあるのですね。最も近く、最も遠い」
「限りなく近く、限りなく遠い。二人の戦いの結末にも当てはまります。いずれもその力ゆえに悩み、業を負い、その姿を消した」
「しかし今！　ヒーローたちは帰ってきています！　辛い戦いのためでなく、ただ力と力を競うために！　１人の戦士として！　敵ではなく、仲間たちの待つこの競技場へ！」

「二人の能力について、もはや言うべきことはありません。最強の王子と不屈の勇者、互いの実力は伯仲。
勝負を分ける点があるとするなら、それは両者の精神、戦士としての志の違い」
「私などはこの二人の、多彩な能力の衝突に目が言ってしまいますが。
精神といいますと、両者の戦闘に置ける意気込みの違いでしょうか」
「純粋にスタイル、そして目指してきた方向の違いですね。
勝利に対する信念の面からみた場合、分はＲＸにあります。ただひたすら戦道を歩んだ男。振り返ることすら許されぬ戦いの中、堅く硬く研ぎ澄まされた勝利のプライド」
「世紀王としての戦いのなか親友の情すらも断ち切り、そして世界を狙う侵略者に対しては、その帝国もろとも滅ぼした男！
ただそれが正義へ続く道と信じ！　勝利以外許されぬ孤独で険しい道のりを歩みきった信念！」

「そしてその対極に当たるのがクウガ。彼の戦いは勝つためでなく、守るための戦い。先の見えぬ絶望の中、己が痛みを噛み殺し、希望の灯であり続けた果て無きメンタリティー」
「目的すら見えぬ敵、あまりに異質なる恐怖の来訪！　その中でただ、目的は一つ。みんなの笑顔、それだけを守るため！
涙を覆う鬼神の仮面、怒りを晴らす微笑の仮面！　伝説を乗り越えるまで！　内なる暗黒と戦いつづけた慈愛の心！」

「この二人はお互いがえられなかった、望みつづけたものを持ち合うもの同士。それだけに辛い勝負でもあります。
捨ててきたもの、封じ込めた感情。その体現者とどう向き合うか。
・・・先に自分の過去、暗黒面、そして希望の側面の写し身と、心の中で、本当の決着をつけた側が勝者となるでしょう」
「これは・・・深い、深すぎる！　力と力を極めた果ての、精神と精神の戦い！　勝利の鍵は敵でなく、己自身の心の中に！」
「いずれにせよこの若き、新世代の英雄たち。彼らはこの戦いで新しい何かを掴む。それだけは確信しています」
「究極に至ったものたちが、戦いの果てにめざす次の未来とは！！」