▼▼ 特命戦隊ゴーバスターズ Mission54 ▼▼

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738名無しより愛をこめて
本編中にはそのようにハッキリとは言及されてはいません。
だが、それでもそうではないかと思う理由は、
結局このカードは最終話で陣の身体に移し替えられて簡単に破壊されているからです。
カード自体に自己防衛機能のようなものが備わっているのならば、
宿主がヒロムであっても陣の本体であってもどちらでも関係無く
カードに破壊の危機が及んだ時に防衛機能は発動するはずです。
なのに陣の本体に移されたカードはあえなく破壊された。

おそらくカード自体を守る機能などは無いのです。
カードが宿主を守る機能だけが備わっているのであり、
そしてヒロムが宿主である時には発動した防衛機能が
陣の本体が宿主である場合は発動しなかったということは、
カードは無条件に宿主を防衛するわけではなく、
宿主の条件によって防衛機能は発動したりしなかったりするようです。
ただ、それがあまりにもランダムな条件である場合は
果たしてヒロムを宿主とした場合にその防衛機能が発動するかどうか
エンターが予想することが出来ないので困ってしまいます。
だから必ずヒロムがその条件を備えているとエンターは予想していたはずです。
それゆえエンターは自信満々でヒロムと密着した状態で自爆することが出来た。
つまり、このカードの防衛機能発動の条件はかなり普遍的なものであるはずで、
それでいて何故か陣の本体が宿主の場合は発動しなかった。
ならばヒロムおよび多くの人間の持つ特徴と陣の本体の持つ特徴の差異を考えれば
自ずと答えは明らかです。
739名無しより愛をこめて:2013/04/07(日) 21:42:22.79 ID:TfM7VLEO0
ヒロムや他の人間は生きている普通の人間であるのに対して、
陣の本体は生きているとはいえないデータの塊に過ぎませんでした。
しかもカード破壊作業に着手した段階で陣は完全に生きることを諦めてしまっていました。
そして48話でのエンター自爆時にヒロムの見せた生への執着と死への恐怖の反応を考え合わせると、
カードの防衛機能は宿主の生きた人間ならば当然捨てきれない生きることへの執着と
死への恐怖に反応して発動し、
宿主の生きたいという欲求に応えて宿主の身体を守るのだと考えるのが
最も自然ではないかと思います。

ヒロムは48話で作戦が失敗した時、自分の決死の覚悟が所詮は虚勢に過ぎず、
死への恐怖をどうしても消し去ることが出来ないことを思い知らされた。
そしてカードがそうした自分の生きたいという欲求に応えて
自分を守ったのだということを悟ったのでしょう。
だから打ちのめされて、その後はもうカードごと自爆することなど試みることはなくなった。
次は取引などというまだるっこしいことではなく、
完全に死ぬつもりで自爆してみてもいいかもしれないし、
バスターマシンで捻り潰すとか核爆弾を使うとか、
あるいは48話で陣やリュウジが相談していたような、
一旦ヒロムを転送状態にしてヒロムがバラバラになって元に戻れなくなること前提で
強引にカードを抜き取って破壊するという方法など、いろいろ試す価値はあります。
しかしヒロムはそれらを試す意義はもはや無いと諦めた。
どのような方法を試してみたところで、ヒロムの心に生存欲求が僅かでもある限り、
きっとカードの防衛機能によって自分は死ぬことが出来ないのだとヒロムは理解したのでしょう。
740名無しより愛をこめて:2013/04/07(日) 21:43:45.88 ID:TfM7VLEO0
49話においてリュウジがヒロムに向かって、
ヒロムを削除しなければいけないのならその時は自分がやると熱く語りましたが、
それは絆や覚悟の確認というだけの意味でしかなく、
実際的にヒロムを削除することは不可能であることはリュウジも理解はしていたはずです。
そう考えなければ最終話で陣が自分が犠牲になると言い、他に方法が無いと言った時に
ヒロムやリュウジが対案を出さなかったことが説明がつきません。

ヒロムやリュウジはその時点でとりあえず誰も犠牲にならないで済むような解決策を
期待していたわけですから、そこに陣が犠牲になるような案を出されても、
それはヒロムが犠牲になる案と変わりないわけですから、
当然ヒロムやリュウジはヒロムが犠牲になる案を対案として出すはずです。
特に一旦ヒロムを転送状態にしてからカードを破壊する案は、
陣が自分の身体でやろうとしている案とほぼ同じ案であり、
陣の案の成功の可能性とヒロム転送案の成功の可能性は普通に考えて大差無いはずです。
陣の案だって偉そうなこと言っていますが試したことがあるような案ではないのだから、
ヒロム転送案に比べて大して優位な案ではないはずなのです。
まさか陣は犠牲になってもいいがヒロムは犠牲になってはいけないなどという
考え方をあの場に居た者の誰も持っているわけもなく、
陣が犠牲になるというのならヒロムが犠牲になる案が対案として出てきても全くおかしくはない。
また、ヒロムが宿主の場合は発動しているカードの防衛機能が
陣が宿主になった場合に発動しないなどという保証は無い。

陣が確実に出来るだろうと思っていることは、
ヒロムの身体から自分の本体にカードを移すことだけです。
その後どうなるのかは実は未知数であり、
だからこそ陣はこの案を「試す価値はある」としか言っていない。
もしかしたら陣の本体に移したカードも防衛機能を発揮して
陣の本体がバラバラになることを防ぐかもしれない。
その場合は陣は死なずに済みますが、カードも破壊されず
エンターは不死の存在であり続けてしまい、世界の危機は去りません。
そういう最悪の可能性もあるわけですから、
それならヒロムを転送状態にしてカードを抜き取る案だって十分立派な対案になるということは、
普通に考えればヒロムにもリュウジにも分かるはずです。
741名無しより愛をこめて:2013/04/07(日) 21:50:54.75 ID:TfM7VLEO0
なのにヒロムもリュウジも「対案があるのか?」と問う陣に何も言い返せず、
陣の案を受け入れるしかなかった。
それはつまり、ヒロムの体内にカードがある限り破壊は困難だと
納得してしまっているということであり、
一方で陣の本体にカードを移せば破壊は可能だと思っているということです。
そのヒロムと陣の扱いの差がどこから来るのかというと、
ヒロムやリュウジが「カードの防衛機能は宿主の生存欲求に反応して発動する」ということを
理解しているからだと考えるしかない。
ヒロムは普通に生きている人間の本能として、どうしても生存欲求を完全に消すことは出来ない。
しかしデータの塊に過ぎず、破損なども激しくてもはや生還は絶望的な陣ならば
生存欲求はゼロにすることは可能だと、陣もヒロムもリュウジも理解は出来たのでしょう。

もちろんそれとて100%成功確実な案ではない。
陣だってこれまで必死で生還しようとしてもがいてきたのですから生存欲求はあります。
カードのデータを自分の本体に移せば自分はバラバラになってしまうから諦めがつくとも言えますが、
もしそれでも生きたいと陣が思えばそれに反応してカードが
陣がバラバラになるのを防ぐ可能性もあり、
陣ならばその可能性も分かっているのですから、
そうしたあらぬ期待に心動かないとも限らない。
だから陣としてもこの方法が上手くいくかどうか、
本当に最後の最後まで確実な自信があったわけではないでしょう。
最初は陣は自分の本体がバラバラになることはヒロム達に告げずに
黙って自分の案を実行しようとしていましたが、
おそらくあのままやっていたら、ギリギリのところで陣の生存欲求が顔を出してしまい、
カードが陣がバラバラになるのを防いでしまい、
エンターを倒せなくなってしまったでしょう。