某兄弟のコナン化書いてたけど、皆さん食傷気味のようなのでやめとくわ。
代わりに大分寝かせておいた話を投下してみる。
※未来ネタです。苦手な方は要注意。
あとフィリップの設定に大幅な捏造あり。
* * * * *
ここはライダーハウス。昔から仮面ライダー達が住み続けてきた家。
築50年を超えてなお、古びた様相をまったく見せていない。
やはり当時、謎の最新鋭技術とやらで建てられただけある。
そんな家の中で、現在の住人である高校生が苦悶の声を上げていた。
「あーもう、終わる気がしなーい!」
中間試験まであと3日。
試験勉強真っ最中の幸太郎は、頭を掻き毟りながら数学の問題集と格闘していた。
「少し休憩したらどうだ、幸太郎」
「そんなヒマないっての」
紅茶を入れたトレイを手に、テディは宥めるように声をかける。
だが、お茶請けにと出されたクッキーに手を伸ばす幸太郎の表情は晴れない。
コンコン。
煮詰まった空気の漂う部屋に、戸を叩く音が小さく響いた。
「開いてるよー」
どうせこの家にいるのは馴染みきった顔ぶれだけだ。
幸太郎はドアを省みることすらせず入室を許す。
「よ、久しぶりだな幸太郎」
やってきた者の声に驚き、幸太郎はそこで初めて振り返る。
そこには1年ほど前に会って以来の、長身の家族が立っていた。
いや、実を言えば昨日会ってきたばかりなのだが。
そう、50年も前の彼に。
「一真さん、帰ってきたんだ」
「うん、たまには顔出しとかないと忘れられちゃいそうだからさ」
はは、と昨日見たのと同じ笑顔を浮かべて机に手をかける。
入れ代わるようにテディが部屋を出て行くのが見えた。
恐らく一真の分の紅茶を淹れに行ったのだろう。