歴代ライダー主人公が兄弟だったら24

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切り分けたサバを金網のざるに並べ、最初に沸かしておいたお湯をかける。
フィリップが「これは何をしているんだい?」と聞いてきたので、「こうすれば魚の臭みが取れる」とだけ答えた。
「なるほど、興味深いね。(台所から顔を出し)良太郎兄さん、サバ味噌の作り方はなかなかに面白い。兄さんも見たまえ」

呼ばれた良太郎が台所に入ると、総司は「今日は人数が少ないからフライパンで十分だろう」と言ってフライパンをガス台に置き、
フライパンに水と、みりんと砂糖と味噌、最後に醤油をたらしていたところだった。
菜箸でよくかき混ぜて強火にかけ、沸騰させる。
沸騰したらすぐに中火にして、サバとしょうがを入れた。
「熱っ!」
「味噌は案外はねる。気をつけろ、良太郎」
総司はフライパンにふたをすると、しばしの沈黙の後、おもむろに二人の方へと向き直った。
「良太郎、フィリップ。笑わないで聞いてくれ」
「ん?」
「なんだい?」
「正直なところ・・・俺は今、妙に寂しい。今日はあいつらがいなくて、正直、静かで気が休まると思ったのだが。
不思議なものだな。俺は今まで、お前たちの世話を焼く立場だと思っていたのだが、どうやら俺もお前たちにかまってもらう側だったのかもしれん」
そう言いながらふたを開け、煮汁をサバにかける。味噌のいい匂いがした。
「兄さん、ぼ「珍しいね、兄さんが僕達に弱みを見せるなんて。なら今日は存分に僕達に甘えたまえ。からかいそうな兄さんたちもいないことだし。で、何だい?良太郎」
「ううん、何でもないんだ・・・」(僕達でよかったら今日は兄さんが僕達に甘えてよと言いたかった)

時々ふたを外して煮汁をかけて。いつもは長く感じる15分もこの夜は静かにのんびり、だがあっという間に過ぎて行ったような気もした。


サバ味噌の材料 (3〜4人分)
サバ:一匹
しょうが:一かけ
水:計量カップ1/2
酒:計量カップ1/4
みりん:大サジ3
砂糖:大サジ1〜2(甘いのが好きなら3)
味噌:大サジ3
醤油:大サジ1
お湯は多めに沸かして洗ったまな板・包丁・ザル・あと食器スポンジにかけろ(殺菌)