歴代ライダー主人公が兄弟だったら24

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寝ないで夜遅くまで起きている悪い奴の腹を空かせてやるためのテロ作品を投下。
フィリップは血縁兄弟でも絆兄弟でもいいや



その日は珍しく、夜ごはんの時間になってもほとんどの兄弟が家に帰っていなかった。
ヒビキはたちばなで鬼たちの宴会に参加、雄介はポレポレの手伝い、翔太郎は依頼のターゲットを張り込み、
真司は取材で遠くへ出張、一真はハカランダで仕事仲間と夕食、という具合に、ほとんどの兄弟が家にいない。
家にいるのは総司・良太郎・フィリップの三人だけである。

「総司兄さん、僕は今日は兄さんが作るサバ味噌が食べたい。作ってくれたまえ」
「サバ味噌か、いいだろう。今日は人数が少ないからサバは一匹で足りるな」
「あ、じゃあ僕がサバを買いに行ってくるね」

そう言ってお使いに行った良太郎が買ってきたのは、すでに二枚におろしてあるサバだった。

「良太郎。おばあちゃんが言っていた。魚料理は卸すところからすでに調理は始まっていると。
・・・なんだこのスーパーの素人が卸したようなサバは。そのままのサバを買ってくれば俺が卸したものを」
「およ、ごめんなさい・・・ でも、卸してないサバはちょうど僕の目の前で売り切れちゃって・・・」
「・・・さすがだね、良太郎兄さん」

まあいいだろう、と言って、総司は良太郎が買ってきたサバを持って台所へ入った。
その後をフィリップが興味深そうについていく。


総司はまずヤカンでお湯を沸かしながらしょうがを薄く切り、小皿によける。
そして、サバを三等分に切り分け始めた。
切り分けたサバに、斜めに一筋だけ切り込みを入れる。
「そういえば兄さん、魚の切れ込みはバツ印にして付けるものだと思っていたが、違うのかい?」
「バツ印に切り込みを入れてしまえば、切れ込みが交差しているところから煮崩れてしまう。味をしみ込ませるだけなら一筋で十分だ」
8332/2:2011/08/02(火) 01:10:13.75 ID:9fGTf8an0
切り分けたサバを金網のざるに並べ、最初に沸かしておいたお湯をかける。
フィリップが「これは何をしているんだい?」と聞いてきたので、「こうすれば魚の臭みが取れる」とだけ答えた。
「なるほど、興味深いね。(台所から顔を出し)良太郎兄さん、サバ味噌の作り方はなかなかに面白い。兄さんも見たまえ」

呼ばれた良太郎が台所に入ると、総司は「今日は人数が少ないからフライパンで十分だろう」と言ってフライパンをガス台に置き、
フライパンに水と、みりんと砂糖と味噌、最後に醤油をたらしていたところだった。
菜箸でよくかき混ぜて強火にかけ、沸騰させる。
沸騰したらすぐに中火にして、サバとしょうがを入れた。
「熱っ!」
「味噌は案外はねる。気をつけろ、良太郎」
総司はフライパンにふたをすると、しばしの沈黙の後、おもむろに二人の方へと向き直った。
「良太郎、フィリップ。笑わないで聞いてくれ」
「ん?」
「なんだい?」
「正直なところ・・・俺は今、妙に寂しい。今日はあいつらがいなくて、正直、静かで気が休まると思ったのだが。
不思議なものだな。俺は今まで、お前たちの世話を焼く立場だと思っていたのだが、どうやら俺もお前たちにかまってもらう側だったのかもしれん」
そう言いながらふたを開け、煮汁をサバにかける。味噌のいい匂いがした。
「兄さん、ぼ「珍しいね、兄さんが僕達に弱みを見せるなんて。なら今日は存分に僕達に甘えたまえ。からかいそうな兄さんたちもいないことだし。で、何だい?良太郎」
「ううん、何でもないんだ・・・」(僕達でよかったら今日は兄さんが僕達に甘えてよと言いたかった)

時々ふたを外して煮汁をかけて。いつもは長く感じる15分もこの夜は静かにのんびり、だがあっという間に過ぎて行ったような気もした。


サバ味噌の材料 (3〜4人分)
サバ:一匹
しょうが:一かけ
水:計量カップ1/2
酒:計量カップ1/4
みりん:大サジ3
砂糖:大サジ1〜2(甘いのが好きなら3)
味噌:大サジ3
醤油:大サジ1
お湯は多めに沸かして洗ったまな板・包丁・ザル・あと食器スポンジにかけろ(殺菌)