歴代ライダー主人公が兄弟だったら24

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788夏が来れば思い出す1/4
明日の題名のない音楽会にワクワクしつつ投下。


※一号ライダー(フィリップ含む)が兄弟。
※兄弟たちはライダーになってから、家に住むようになる設定で。
※過去スレ(3スレ)の影響を多大に受けてます


真司「あ〜腹減った!」
一真「お腹と背中がくっつきそうだ〜」
巧「一真兄が言うと妙にリアルだからやめろよ」

夏の昼下がり。腹を空かせた兄弟たちが、リビングに集まってくる。

真司「総司〜メシまだ〜…って誰もいないじゃん」
良太郎「テーブルの上に何かあるね」

テーブルの上に何か発見した良太郎。
それは余程急いで書いたのか。少し乱れた字の、総司からの置き手紙だった。

翔太郎「なになに…『兄弟たちへ。天堂ソウジから、至急応援を頼む旨の連絡がきたので、様子を見てくる。
    橘と伊達と浅倉と泉信吾、それに地獄兄弟。この6人が天堂屋に一気に襲来したため、店の食材も底をつきかけているらしい。
    家から少し持って行く。申し訳ないが、今日は残った食材で皆で協力して何とかしてくれ。総司』…だと。」
渡「そっかあ。残念だけど、総司兄さん忙しいなら仕方ないね」
巧「…で、どうする?翔一兄はまだレストランで仕事。雄介兄は今海外だからポレポレカレーもなし」
ヒビキ「あ、じゃあ俺がシチュー作ろっか?」
良太郎「…え〜っと」
翔太郎「…よーし弟たち、まずは冷蔵庫の中身の確認をするぞ。走れ!」
士「全員急げ!玉ねぎとか人参とかルーを発見した場合はすぐに隠すんだ!」
ヒビキ「おーい」
映司「まあまあヒビキ兄さん。今日は暑いし、どっちにしろシチューはやめとこって。ね!」
ヒビキ「俺もエプロン似合うって一部で有名なのになぁ…」
789夏が来れば思い出す2/4:2011/07/31(日) 01:19:23.25 ID:/zv8kIvC0
危機を何とか脱した兄弟たちは、台所に移動し、各々食べれそうなものを探しだす。

真司「冷蔵庫は〜っと…(ガパッ)卵3コと、ネギと、調味料しかないじゃん…これじゃ餃子も作れねーって」
一真「米もないからお粥も無理だなー。お、奥にオロC発見」
巧「予想はしてたけど、やっぱレトルト系やインスタント麺は見つかんねーな」
フィリップ「…翔太郎。そこの棚の中が怪しい。探してみてくれ」
翔太郎「へーへー、っと…(ゴソゴソ)おっ!『素麺』が沢山あるじゃねーか。これ茹でて食おうぜ。楽だし」

ヒビキ・真司・一真・巧・良太郎「「「「「!!(ピクッ)」」」」」


翔太郎のその言葉に、ヒビキ・真司・一真・巧・良太郎の5人が動きを止める。
しかし数瞬後には、目を見張る様な俊敏さで行動を再開していた。

ヒビキ「(ダッ)この辺りだったら確か、近所の山の麓に竹林があったっけ?じゃ、ちょっと行ってきま〜す(シュッ)」
一真「さーて虎太郎に連絡しなきゃな〜、それとも今日は家の庭でやるか?」
良太郎「岬さん達が作ってくれた設計図どこに仕舞っちゃったかな…(キラキラ)」
真司「(指折りしつつ)…志村純一と海東純一、ザンキさんとガルルだろ?あと真理ちゃんと深央ちゃんとユウキさん、始と了と鈴木刑事のオヤジさん…
   おお!今年は『トリプル・どっちが○○でshow!』が出来るぞ!」
巧「なあ翔太郎兄、本気でやるのか?責任取れるか?こんな急にやって大丈夫なんだろうな?
  …おい良太郎。その戸棚は確かBOARD特製だ、探すのちょっと待っとけ。今行くから!」
翔太郎「お、おい!巧?何なんだよ一体…」

翔太郎を筆頭にポカーンと呆ける残りの兄弟たち。
士「…どうやら皆して変なスイッチが入ったようだな。目がキラキラしているぞ」
フィリップ「…検索を完了した。この家では以前、皆で協力して大々的な流し素麺大会を行ったようだね。それ以来、『素麺』という単語を聞くとどうも張り切ってしまうらしい。
      そして翔太郎。巧兄さんの発言から察するに、君は今回の素麺大会の発案者兼、責任者として認識されたようだよ」
翔太郎「マジかよ!流し素麺大会の責任者って…ハードボイルドじゃねえなあ…」
フィリップ「情緒があって良いんじゃないかな」
映司「…でも前のはちゃんと、総司が中心になって計画して、日時も決めてやったんだよね?今日みたいに突発的にやったら、総司怒るんじゃないかなあ」
渡「それに今日やって無事に終わればまだ良いけど、トラブルの真っ最中に総司兄さんが帰ってきたりしたら…」
790夏が来れば思い出す3/4:2011/07/31(日) 01:21:09.68 ID:/zv8kIvC0
その会話に、テキパキと行動していた5人が再び動きを止める。
そしてその姿勢のまま、想像に没頭し始めた。

(想像中)

総司『…大量の竹の残骸と壊れたザル。吹き零れた鍋。色んな物をひっくり返したような探し物の跡。妙にカラフルなペンキが溢れた畳。
   この家の惨状はどういうことだ。説明してもらおうか』
総司『…流し素麺大会をしようとした、だと?…まさかあの巨大なボール状の白い塊が素麺だと言うのか』
総司『なに、外装を作るのに夢中で素麺を茹でてるのを忘れてた?………(カブトゼクター構え)全員正座しててもらおうか。
   おばあちゃんが言っていた。男がやってはいけないことが二つある。女の子を泣かせることと食べ物を粗末にすることだと。
   俺はちょっと過去に戻って全員伸してくる。食べ物をこんなにムダにした罪は重い。これも愛のムチだ!(ハイパークロックアップ)』

(想像終了)


良太郎「…総司兄さん、時間改変はしちゃだめぇぇぇ!」
ヒビキ「ごめん総ちゃんごめん、竹刈るの久しぶりだったから張り切っちゃって…」
真司「『ペンキで竹の外側塗ってカラフルにしよーぜ!』って言い出したのは俺なんだ、皆は悪くないんだー!」
一真「変身して転んでザルに頭突っ込んで壊したのは俺だ!ごめん総司ー!」
巧「ちゃんと掃除すっから、そんな怒んなよ総司兄…俺が悪かったんだって!」

翔太郎「(ビクッ)…な、なんか急に皆して謝りだしたぞ!」
士「皆、同じような総司兄さんの説教を想像をしたようだな。大体分かった」

総司の恐ろしい説教を受けた気分になり、懺悔の姿勢(正座)から立ち直れないヒビキ・真司・一真・巧・良太郎。見かねた映司が翔太郎に発言を促す。

映司「翔太郎兄さん、ここは大会の責任者(暫定)としてどうにかひとつ」
翔太郎「…分かったよ、あー、とりあえず全員立て立て!んで普通に茹でて、普通に食うぞ!」
フィリップ「そういえばさっきサクランボの缶詰めを発見したよ」
士「でかしたフィリップ。ほら兄さん・弟たち、彩りをゲットしたぞ。薬味のネギと薄焼き卵もある。これで我慢しろ」

真司「(ムクッ)…サクランボの双子は俺のもんだー!」
一真「うぇ!?じゃあピンク色の素麺は俺のものだー!」
巧「早いうちに氷作って凍らせとくか」
良太郎「そうだね」
ヒビキ「じゃあ俺ちょっと竹取り道具片付けてくるね」

翔太郎「全員立ち直りはえーな相変わらず!」
渡「まあまあ翔太郎兄さん、せっかく皆やる気取り戻したんだし」
キバット「家庭内素麺大会、開始だぜ〜ぃ」(バサバサ)

騒ぎも収束し、5人とも立ち直ったので、調理を開始した兄弟たち。
その後タイミング良く続々と帰ってきた姉妹たちの分も含め、人数分の素麺を茹でた。
お湯を切り、水にさらし、氷水を張った木桶に麺を移す。
木桶が食卓に運ばれ、めんつゆや薬味の準備も整う。全員席について揃って「いただきます」を言い、和やかに食事がはじまった。
791夏が来れば思い出す4/4:2011/07/31(日) 01:22:23.20 ID:/zv8kIvC0
途中サクランボの奪い合い・譲り合いがあったが、それ以外は平和に食事が進んだ。
たとえ流れない素麺であったとしても、薬味がちょっと少なくても。家族で食べる素麺はとても美味しかった。

真司「…と。っしゃ!良い記事書けたぞー!題して『夏の涼・家庭で楽しむ素麺〜隠し味は家族愛!〜』だ!(ズルズル)」
巧「…真司兄、食いながらパソコン打つなよ。壊れるぞ。あとそれもうただの日記じゃねーの?」
真司「…『追記。特に弟の巧は大喜びで素麺を食べ、「真司兄さん、素麺って美味しいね!ボク毎日食べたいな!」と言っていたので、その希望を叶えてやりたいと思う』」
巧「誰がンなコト言うかー!変なコト書くな!」
真司「だってたっくん『素麺冷えててうめーな、毎日素麺でも良いな』ってさっき言ってたじゃんかー!」
フィリップ「あれがジャーナリスト精神…実に興味深い!」
翔太郎「お前はミドリ色の素麺ばっか食ってないでちゃんと食べろフィリップ」
樹花「ハイハ〜イ!樹花も今日のコトを日記に書きま〜す♪」
愛理「あらいいわね〜、あとで総司くんに見せてあげるのね?」
樹花「そ〜の通りっ♪」
良太郎「(コソコソ)…日記を見て、その場に居れなかった悔しさで血の涙を流しながら歯軋りする総司兄さんが見える…ような」
渡「(コソコソ)良太郎その想像怖いよ!…樹花ちゃんが幸せそうなら、総司兄さんは全部OKなんじゃないかな?多分。」

そんな話をしていると、天堂屋の緊急事態を切り抜けた総司(心なしかボド…ボロボロ)が帰宅し、皆と共に食事に参加したので、良太郎と渡の心配は杞憂になったとか。
さらには翔一(玄関から)と雄介(窓から)も帰ってきたので、本日の素麺大会はもう少し続いたんだとさ。
792夏が来れば思い出す おまけ:2011/07/31(日) 01:24:20.85 ID:/zv8kIvC0
台所にて。飲み物を取りに来た良太郎と巧。

巧「オロCしかねぇ…」
良太郎「後で買いに行こうか。それより、去年のお中元でショッカーさんから貰った素麺が、棚の上の箱からいっぱい出てきたんだけど…」
巧「…その辺に置いとけ。何があるか分かんねぇし。総司兄のことだ、何か使い道があんだろ」


橘「剣崎。コレ食っても良いかな?」
一真「あ、ちょっと待って下さいよ橘さん。残り少ないし、今追加の分茹でて来ますから!」


良太郎「………」
巧「……使うか?」
良太郎「えええ、流石にそれは…」
一真「おっ、二人とも台所で何してるんだ?早く食べないと素麺なくなっちゃうぞ?育ち盛りなんだし、いっぱい食べて大きくなれよ〜」
巧「あ、ああ…って大きなお世話だ!」
良太郎「まあまあ巧!一真兄さん、後よろしくね」

台所を去る二人。
入れ替わりに台所に入り、棚の中を探る一真。

一真「え〜っと、素麺素麺…(ゴソゴソ)あれ?これだけ?ちょっと少ないな…おっ、台の上にいっぱいあるじゃん、
   良太郎たちが出しといてくれたのかな?(*0w0)さっそく茹でるぞ〜」



兄弟たちがショッカーさんからのお中元を食べてしまったのか、はたまた食べてもなんともなかったのか。
橘さんが全部食べてしまって兄弟たちは食べなかったのかは、今となっては誰にもわからない。
でも多分大丈夫。素麺は多少古くなってからの方が美味いと言うし。



※※※
過去スレ完走したので書いてみた。
映司は明日も大変そうだけど、せめて素麺の喉越し位は楽しんで欲しいなーと。