歴代ライダー主人公が兄弟だったら24

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732兄と弟と長い夜。1/4
流れをスキャニングチャージして
>>583-585と、>>684-686のネタをお借りしました。兄弟は絆設定。
初投稿なんで口調とか間違ってたらごめん


***

日付もとっくに変わった、真夜中の1号家。

「ただいまー」
「遅かったな、ヒビキ兄さん」
「うわっ、総ちゃんまた起きてたんだ……もしかして待っててくれたの?」
「あぁ、今日は兄さんに言いたいこともあってな」
「……?」

総司は無言でリビングに入っていく。
ヒビキがその背中を追っていくと、自分の為に用意してくれただろう軽めに盛った白いご飯と味噌汁、翔一特製の漬物と、薬味付きの焼き魚が目に入った。

「いただきます」

席について食膳に手を合わせる。一口噛み締めるほどに、素材を生かした風味豊かな食材本来の味が口一杯に広がった。
味。
暖かな食事の、風味、豊かさ、幸福感。当たり前に感じるこれらを“当たり前“に感じることができなくなってきている弟のことを想い、ヒビキは目を伏せる。
733兄と弟と長い夜。1/4:2011/07/24(日) 21:52:40.66 ID:pdF8Unsg0
「ヒビキ兄さん」
「ん?」
「映司のことを心配しているのは家族全員同じ気持ちだ。だから、そんなに背負い込まないでくれ」
「……ばれた?」
「あぁ、わかるさ。家族の健康管理を担っているのは俺と翔一だからな」

ヒビキが情けないといった風に頭を掻くのを見て、総司は深いため息を吐く。
いつもそうだった。ライダー兄弟の長男として、一人の戦士として。ヒビキは総てを見守ってきていた。
そして、今回の戦いも。

「わかってはいるんだけどね、俺達は見守るしかないってこと。でも、新しい弟達が来るたび嬉しくて仕方ないのに、こうやって戦いが激しくなってくると――」
「俺はずっと天道の家で待っていた。戦う時が来るのを、そして……この家に来ることを」
「え……?」
「おばあちゃんは言っていた、絆は血よりも深く、濃いと。自分達の戦いは自分達で解決しなければならない。だが、その後に帰る家があることが……兄さんや皆が居るこの家に帰るとわかっていたから、戦えたんだ」
「総ちゃん……ありがとう」

真っ直ぐな総司の視線を受け、ヒビキは顔を綻ばせた。と同時に総司も滅多に見ることのない優しい微笑を一瞬浮かべ、しかし次の瞬間には険しい表情になる。
734兄と弟と長い夜。1/4:2011/07/24(日) 21:54:56.00 ID:pdF8Unsg0
「だから、ヒビキ兄さんはヒビキ兄さんの戦いに集中してくれ。魔化魍が増えるこの時期に余計な体力を使っている場合ではないとわかっているはずだ」
「ははは、そうだね。じゃあ総ちゃんのご飯食べたら早めに休むことにするよ」
「そうしてくれ。俺は明日の仕込みをやっているから、食べ終わったら食器はそこに置いておいてくれて構わない」
「うん、ありがとう」

ヒビキが元気良くご飯を頬張るのを見て、やっと安心したのか総司は席を立ってキッチンに向かっていった。

「どうだった?ヒビキ兄さん」
「翔一……寝たんじゃなかったのか」
「うん、寝てたけど……俺も気になって」

キッチンに入るや否や、壁に凭れていた翔一に話しかけられた。総司は驚いた風もなく、蛇口を捻って水を出し、手を洗う。

「映司は大丈夫だよ、だって俺達の兄弟なんだから」
「わかっている。だからこそ」
「うん。おいしいご飯作って、待ってなきゃ、ね?」

総司の言葉を引き継ぎ、翔一はにっこり笑う。
同い年の兄弟のことを想い、ライダー兄弟の主夫二人はテキパキと素晴らしい料理を作り上げていった。
735兄と弟と長い夜。おわり:2011/07/24(日) 21:57:28.40 ID:pdF8Unsg0
ごめん、3分割で終わってしまった上に番号直すの忘れた!
適当に脳内変換してくれると嬉しい

皆書いてたけど、台所の守護神二人と三つ子な映司が味覚がなくなってくる
ってのがある意味運命的な気がして…今日の放送見て思ったんだ、待ってる
のも戦いだって。
毎年毎年この時期になると辛くて仕方ないけど、必ず乗り越えられるって
信じてる。
ライダー兄弟に幸あれ!