「分かった、心の準備はしておくよ」
「おいおい、頑張っちゃうの前提かよ!」
笑う一真に髪をかき混ぜられた映司は、ふと自分の頬が緩んでいることに気がついた。
一人になってから、知らず知らずのうちに気を張り詰めていたのだろう。
何がなくとも、俺達がついてるから。
そう言って、一真はぽんっと映司の背を叩いた。
かつて友のためにと覚悟を決めて、人ならざるモノへとその身を変えた兄。
彼を目の前にして、映司は自分にそこまでのモノが背負えるのかと自問する。
そんな映司の心境に気づいているのかいないのか。
一真は焚き火の周りで焼いていた魚の串を指さし、おどけたようにまた笑った。
「なあ映司。コレ食っても良いかな」
「え!?……いいけど、それ違う人の得意技じゃ」
「ふふん、一回言ってみたかったんだー!いただきまーっす!」
全然似ていない一真の物真似に、映司は思わず吹き出した。
すっかり冷めてしまった手元の魚をもう一度頬張ると、さっきとは違う優しい味がした。
* * * * *
途中で入りきらないことに気がついて番号増えました。すみませんorz
最近の映司見てると、なんだか剣終盤の一真がかぶって仕方ないのは自分だけ?
同じ決意はして欲しくないけど、どうなるんだろう。