歴代ライダー主人公が兄弟だったら24

このエントリーをはてなブックマークに追加
691681 1/4
むしゃくしゃしてやった。反省はしていない。
フィリップは家庭の事情でライダー家に引き取られているor翔太郎の相棒なのでルームシェア的に押しかけているということで(ミカベルのロケットボムみたいな感じ?)

人々も街も寝静まる深夜、良太郎は人が入っているトイレの前に立って嬉しそうに、にこにこと笑っていた。
「えへへ、「お兄ちゃん」か・・・」
トイレの中から、フィリップが
「僕が出てくるまで待っていてくれたまえ、「お兄ちゃん」。勝手に戻らないでくれたまえよ?」
と、どこか棒調子で話しかけてきた。


きっかけは、その日の夜に家族で見ていたホームドラマ。
内容自体は平凡だが、家族の温かみを重点的に表現しているドラマなので仲の良い人間関係がこれでもかというほどに描かれている。
一番じっと見入っていたフィリップは
「理解できないね。翔太郎、あの兄弟はどうしてどこへ行くにもずっと一緒について歩いているんだい?」
と不思議そうに尋ねた。
「お使いに行くときは、二人で一緒に魚屋と八百屋に行くんじゃなくて兄が八百屋、弟が魚屋と分担した方が効率がいいじゃないか。物を運ぶ時も、一人で十分運べる重さの物を二人で運んでいる。
夜にトイレに行く時なんて、弟が兄にわざわざ付いてきてもらう理由がわからないよ」
「ん?そりゃあ・・・」
ドラマを「ハードボイルド目線」として斜に構えて見ていた翔太郎だったが、フィリップの実家の中の事情を知っている翔太郎はフィリップが「仲の良い家族」とは無縁の生活を送っていたことを思い出して
「弟がいつまでもガキだからだろ」と言おうとした言葉をしまいこんだ。
言葉の切れ目をつなぐように、総司が言葉を続ける。
「おばあちゃんが言っていた・・・兄弟の絆は強い。そして友情の結びつきも強い。ならば兄弟で友人である者達の結びつきは誰にも断ち切れないほど強いと。だからあの兄弟も常に一緒に行動する。効率など二の次だ」
「なるほど。君たちもそうなのかい?だとしたら羨ましいね」
フィリップがわずかながらに肩を落とした事に気がついた空気の破壊者、士は
「お前がやりたいことは大体わかった」
と言うと立ち上がり、居間からどこかへ行ってしまった。
「彼は一体どうしたんだい?」
フィリップはそう言って総司に答えを求めたが、総司は今回は「さあ」と言うのみであった。