おにゃのこが改造されるシーン素体14人目

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528初代仮面ライダー2号・外伝1(中編1/8?)(通算6)
 見知らぬ教員と学生たちが、にこやかな笑みを浮かべ、ごく自然な
様子で研究室に入ってきたとき、毬子は、彼らが部屋を間違えたの
だろうと考えた。
「あの、もしやお部屋を……」
毬子が口を開いたとき、ふいに差し出されたスプレー缶が甘いガスを
放射し、そのまま毬子の意識は暗転した。
 やがて目覚めた毬子は、全身が麻痺したような状態のまま、真っ暗な
箱の中に閉じこめられているのに気付いた。ああ、うう、という
くぐもった声しか出せないまま、窮屈な姿勢で身動き一つとれない
こんな状態を、毬子は悪夢に違いないと考えた。薬物で混濁しかけた
状態にあった毬子は、早くこの悪夢が覚めないものかと願った。
 そうして、悪夢なのか現実なのか分からない状態が続いた。やがて
自動車のエンジン音らしきものが停止し、しばらく、がらがらがら
という音が続いた後、毬子の目に、不意に光が差し込んだ。自分が、
悪夢でも何でもなく、現実にスーツケースの中に押し込まれていた
ことを、毬子は確認させられた。
 スーツケースが開かれるとほぼ同時に、麻痺がまだ残り、未だ
ぐったりしている毬子の両腕を、何者かが両側から抱え上げた。
「ひいっ!」
 傍らに立つ人影に目を向けた毬子は、思わず悲鳴をあげた。そこに
いた二人の女性の顔が、全面、けばけばしい赤と青で彩られていた
からである。しかも、間近で見る肌の質感は、その色彩が塗料に
よるものではなく、素肌の色そのものなのではないか、と感じさせる
生々しさを帯びていた。
 真っ黒なレオタード、網タイツ、赤いサッシュという奇妙な衣装に
身を包んだ女たちは、人間の力とは思えない腕力で毬子の両腕を
抱えていた。同じ姿の女はもう数人いて、その内の一人が毬子の前に
かがみ込むと、毬子のジーンズのボタンを外し、ジッパーを下ろし、
ジーンズを脱がせ始めた。
529初代仮面ライダー2号・外伝1(中編2/8; 通算7):2012/01/26(木) 20:58:31.62 ID:xf94FuFR0
 毬子は抵抗を試みたが、麻痺が抜けきっていない上に、背後に
回った別の一人が、白衣をまくり上げ、腰をホールドしてしまった
ために、身動きがとれなかった。そうしてなすすべもないまま、
毬子はジーンズを脱がされ、さらには、その下に履いていた白い
パンティも下ろされてしまった。
 背後から、あらわになった臀部にしっかりとしがみついている女性は
異様なほど冷たく、人間的な温もりがまったく感じられない。
まるで機械みたいだ。と毬子は感じた。自分の下半身を抱えて放さない、
鉄骨のようなその腕もまた、毬子のそんな印象を強めた。
 下半身が固定されると、両側に立った二人は上半身の衣類を脱がせ
始めた。白衣、セーター、ブラウス、ブラジャーと、手際よく衣類が
はぎ取られていくにつれ、その下に隠されていた、均整のとれた
豊満な肉体があらわになっていく。それまで無表情だった女たちは、
それを目にすると、ほんの少し目を大きくし、かすかな溜息を漏らした。
 すべての脱衣が終わり、もはや白い靴下以外何も身につけていない
毬子に向かい、脱がせた衣類を取りまとめていた女が話しかけた。
「手術の間に、洋服はクリーニングしておく。ただ、この安物の古い
白衣は捨ててしまいましょう。代わりに、我がショッカー特製の、
特殊繊維で織られた白衣を支給するわ。あなたはこれから、怪人
としてだけでなく、科学班の一員としても働くことになるのだから」
 「手術」という言葉は、この強制的な脱衣の理由を説明していた。
だが、その説明は、毬子を納得させるというよりは、むしろその
不安を増大させた――自分はつい最近定期検診を受けたばかりだが、
手術の必要な疾病や傷害などは、なかった。そもそも、この異様な
場所は病院の類であるようには思えない。ということは、自分は
治療とは異なる目的の「手術」をこれから受けることになるのか……。
 「ショッカー」や「カイジン」といった意味の分からない単語が、
毬子の不安をさらに倍加させた。何か恐ろしい、取り返しのつかない
運命が自分を待ち受けているのではないか、と、毬子はぼんやりと
した予感を抱いた――その予感はまさに的中するのだ。
530初代仮面ライダー2号・外伝1(中編3/8; 通算8):2012/01/26(木) 20:59:03.90 ID:xf94FuFR0
 ほぼ全裸となった毬子は、異相の女たちに両腕を抱えられ、部屋の
奥へと引っぱられた。なけなしの力をふりしぼり、抵抗を試みた
毬子は、女たちの腕が万力のようにびくともしないことを、改めて
思い知らされた。たとえ麻痺が完全に抜けたとしても、この腕を
振り払うことは不可能に違いなかった。
 もがきながら、毬子は部屋の中央に置かれた、大きな丸い台の
ようなものに向かって引きずられていた。コンクリートに囲まれた、
窓のない薄暗い部屋は、用途の分らない複雑な機械や薬品類があちこち
に置かれている。唯一、インテリアらしきものとして、壁に巨大な
レリーフが掲げられている。猛禽類が地球に爪を立てている図案で、
何かまがまがしい意志を感じさせる。
 丸い台の上には、大きな、白い繭のようなものが置かれていた。
周囲に立っていた、やはり異様な隈取りを施し、白衣に身を包んだ
男たちの一人が、猛禽のレリーフに向かい片手を高く掲げ、確認する
ように言った。
「イーッ。これより、改造人間ヒドラーゲンの、無菌カバーを
除去します」
 その言葉と共に、別の白衣の男がはさみを手にし、繭のような
カバーを切り裂き始めた。毬子は知るよしもないが、そのカバーは、
脳改造後の感染症を予防するための、ショッカー科学陣の考案物
だった。強化細胞が十分に活性化した後でならば、感染症のリスクは
ほとんど無くなる。しかし、それはまた、本郷や蜜子のような危険な
未完成品の脱走を生じさせるリスクがある。それゆえ、脳改造は、
肉体改造後迅速に行われるべきである。そんな要請が、このような
処置を考案させたのである。
 「カイゾウ人間」という耳慣れない言葉と共に切り裂かれていく
「繭」の中から現れたものを見て、毬子は息をのんだ。
 取り除かれた「繭」の中にあったのは、横たわる、人間のような
形をした「何か」だった。
531初代仮面ライダー2号・外伝1(中編4/8; 通算9):2012/01/26(木) 20:59:29.77 ID:xf94FuFR0
 首から下のラインは、それが女性であるらしいことを示している。
その輪郭は、まだ二十代になるかならないかの、張りのある、毬子よ
り未成熟だが、それでも十分に均整のとれたボディラインを描いて
いる。だがその体表は、人間というよりは、水産の無脊椎動物の
ようなぬめぬめした質感で、全身を、水色の体表をベースにした、
黒い網目模様が覆っている。腰には、壁に掲げられているのと同じ
エンブレムを刻んだ金属製のプレートが、ベルトのようなものに
よって固定され、足はブーツ状になっているが、しかし、それ以外は
まるで全裸のように見える。それはまた、その青と黒の網目模様の
体表が、衣服や彩色ではなく、この生き物の皮膚のようにしか見え
ない、ということでもある。
 肉体以上に異様なのがその頭部である。首からあご、そして口元
までは、やはり青地に黒の網目模様で覆われているとはいえ、
若い女性を思わせるラインを形成している。だが、本来鼻がある
部分からは、白く平たい触手のようなものが長く伸び、その白い、
やはり無脊椎動物のようなぬめぬめした組織は、顔の上半分に、
ちょうどアイマスクのように、上弦の三日月模様を描き、その中央部
には人間に似た目が閉じられている。頭の上半分は毒々しい原色の
黄色に彩られた組織で、そこから、顔の周りに放射状に並んだ十本
ほどの黄色い触手が生えている。頭部には髪の毛の類はなく、
緑色のグニャグニャした組織がそれを覆っている。
 ――そこに横たわっていたのは、ちょうど、ヒドロ虫と人間を
合成したらこのような姿になるのではないか、と思われるような
異形の生物であった。
532初代仮面ライダー2号・外伝1(中編4/8; 通算9):2012/01/26(木) 20:59:56.67 ID:xf94FuFR0
「イーッ。ヒドラーゲンは改造手術後、特殊な移植細胞の安定化に
時間を要したため、起動電源が未投入です。これより、起動電源投入の
準備をします」
 白衣の男の一人が、先ほどと同じ調子で壁のレリーフに報告した。
 それに続いて始まった処置を目にした毬子は顔を赤らめ、やがて、
目をそむけた。
 男たちは、明らかに女性の姿をしたその生き物の両足を大きく
開くと、メスを取り出し、局部の皮膚を縦に切り裂いた。切られた、
ごく薄い皮膚の下からは、人間の女性器と変わらないように見える
ピンク色の粘膜が現れた。
 科学者の一人が、その粘膜を左右に押し開いた。別の科学者が
レバーを引くと、台の、ちょうどその下の部分が開き、中から細長い
こけし人形のようなものがせり上がってきて、開かれたスリットの
中に押し入った。
「起動電源、投入」
 科学者がその言葉と共に別のレバーを引くと、計器が明滅し、
異形の女性の肉体がびくびくっと痙攣した。
「ああ、ああ、いやぁぁぁぁぁぁ」 
 怪物じみたその姿からは想像できなかった、曇りのない目が開き、
その口からは、透き通った、上品な声が漏れた。
 生き物は、何かに怯えているように震えながら叫んだ。
「だめ! ああ、そんな、恐ろしいこと!」
 まるで、目に見えない何かから必死で逃れようとしているようだ。  
「いや! いやよ! …………え? ………え?」
 生き物の声は、何か恐ろしい事実に気がついたように、狂乱の
色彩を帯び始めた。毬子は、いったんそむけかけていた目を、再び
その生物に注いでいた。いったい何が、この生き物、いや、
「彼女」に生じているのか?
533初代仮面ライダー2号・外伝1(中編6/8; 通算11):2012/01/26(木) 21:01:20.46 ID:xf94FuFR0
「………いやだ! こんなわたしは、いや! いやだ! ……
い゙……や゙……だ…………」
 「彼女」は、他でもない自分の「内側」に恐怖の対象を見つけ
出したようだった。同時に、その声は当初の清らかさを失い、急激に
濁った、禍々しく、どす黒い色彩を帯びたものへと移行していった。
同時に、その目には狂気と、とげとげしい情念の炎が宿り始めた。
「……あ゙……あ゙……あ゙……あ゙……い゙……や゙……だ……い゙
……や゙……だ…………あ゙…………あ゙あ゙あ゙あ゙っっ」
 生き物は全身を弓なりにのけぞらせ、びくん、びくんと痙攣した。
その叫びは、恐怖というよりは歓喜と悦楽の響きを思わせた。
 痙攣が収まった「彼女」は、しばらくの間びくりともせずに
横たわっていたが、やがて口元を歪め、小さな声を発した。
「……うふ。うふ。うふ。うふふふふふふふふ……」
 笑い声は声量を増していった。見開かれた目はぞっとするような、
冷たく濁った狂気と憎悪をたたえていた。
 そのとき、壁に彫られた猛禽の目が光り、地の底から響くような、
低く太い恐ろしげな声が響いた。
「改造人間ヒドラーゲンよ。立つのだ」
 その声を耳にした彼女……いや「生き物」は、跳ねるように上体を
起こして台を下り、あの科学者と同じ、右手を上げる姿勢でレリーフ
に向かって、声を発した。
「ヒャヒャヒャーッ! 大首領閣下! あなたに永遠の忠誠を誓います!」
 「鳴き声」としか形容できない異様な叫びと共に、理解しがたい
「宣誓」が発せられた。今しがた、清らかな声をあげ、恐怖におののき、
救いを乞い求めていた「彼女」と、目の前の生物が同じ存在であるとは、
毬子にはどうしても納得できなかった。
534初代仮面ライダー2号・外伝1(中編7/8; 通算12):2012/01/26(木) 21:01:45.63 ID:xf94FuFR0
「ヒドラーゲンよ。お前を改造した目的は、お前自身が産生する
猛毒の人体実験と、それをもとにした大量毒殺計画の指揮を執らせる
ことにある。
 だがその前に、やはりお前自身にしかできない務めがある。お前は、
こうして脳改造を受け、我が偉大なるショッカーの一員となる前に、
お前の双子の妹の居場所を、我が組織から隠した。お前の最初の任務は、
その妹を、我が組織へ拉致してくることだ。
 ヒドラーゲンは二体一組でその真の力を発揮する。お前と同じ
特異な体質をもつ妹の改造は、今回の計画に必要な一部分である」
「ヒャヒャヒャーッ! 愚かなふるまいをお許し下さい! 必ずや
妹を拉致し、同時に、周囲の者どもを処分してご覧に入れます」
 そう言うと奇怪な生物「ヒドラーゲン」は、異相の女に導かれ、
その場を立ち去った。

 全裸に剥かれて以降の狂気じみた展開を、毬子はただ茫然と眺めて
いたわけではない。毬子の中には、自分の身に大きな、とてつもない
危険が迫っているという予感が大きく膨らんでいた。それゆえに
毬子は、自分を捕縛している女たちが何か隙を見せないものか、もし
隙を見せたら逃げ出せないか、と、その機会を絶えず探ってはいたのだ。
 だが、女たちはあのヒドラーゲンと呼ばれた生物の前で毬子を
拘束したまま、まるで電源を落とした機械のように身じろぎ一つ
しなかった。その腕はまるで石像のようで、毬子がどれほど力を
込めても、ぴくりとも動かなかった。その事実を再度確認した毬子の
心の中で、不安と恐怖がより具体的な形を取り始めた。
535初代仮面ライダー2号・外伝1(中編8/8; 通算13):2012/01/26(木) 21:02:16.02 ID:xf94FuFR0
 聡明な毬子の知性は、この後に毬子を待ち受ける、逃れようのない、
それゆえに、知らずに済ませた方がましであるに違いない運命を、
冷静に分析せずにはいなかった。
 ――「ショッカー」というのがこの組織の名なのだろう。その
組織は人間の拉致、人体実験、毒殺といった恐ろしい行いを平然と
行う組織であるらしい。
 ――わたしが拉致された一つの理由は、多分あのクジャクの研究に
目を付けられたからだ。考えてみればあれは、悪用に転ずれば
恐ろしい災厄を招きかねない研究ではなかっただろうか。
 ――だが、それだけではないだろう。「カイゾウ人間」とは、
恐らく「改造人間」と書くのだろう。この生物は、もともとは普通の
人間であったらしい。それが、この姿に「改造」されたのだ。肉体
ばかりか、その精神まで、別の生き物に作り替えられてしまったのだ。
 ――どのようにしてか? 「手術」! つまり彼らの言う
「改造手術」によってだ! 手術!! 目の前のこの奇妙な台は
「手術台」に違いない! そして、先ほど、あの女性は何と言って
いた? わたしはなぜ全裸に剥かれてしまった? それは……それは…
… 毬子の知性が冷徹に結論をはじき出そうとしていたそのとき、
壁のレリーフの目が光り、耳を覆いたくなるあの声が再び響いた。
「それでは、田薄毬子の改造手術の準備をせよ!」
 毬子はその宣告の意味を完全に理解した。たちまち、毬子の心から
理性の灯が消え、変わりに恐怖と恐慌がそこを満たした。
「いやあぁぁぁぁぁぁっ! 改造手術なんて、いやよぉっ! 
放して! 放して! いやだぁぁぁぁぁっっ!!」
 毬子は絶叫した。かすかに残った理性が、その絶叫が無意味である
ことを告げ、その認識が毬子の絶望と恐怖をさらに倍増させた。(続く)