14 :
SMの友人:
がち
がり、がりりり
ぎち、こり、こり、こり、こりり
切開された腕、露出された骨
削られる骨のところどころに、何か機械とも、装飾用の輪ともつかないような何かが嵌められてゆく
『麻酔は本当にいいのかね?』無影灯が煌々と照らす空間のそと、この部屋のどこかから声が聞く
「……いりま、せん…わ…、こんな…こんなに、面白いの…に……」
『耐えられ無くなったら、言うがいい、無理をすると、損なわれるのは心の方になる
それはちょっと厄介になるし、勿体ない』
かり、かりり がりっ
「…な、にが…、かし、ら……、っ!」
『貴重なのだよ、洗脳もしていないのに、改造を望むというようなモノは、な』
「そうなの?……ぅ!」
『まして、君は志願者でもなく、拉致されてきたのだからな』
15 :
SMの友人:2010/05/08(土) 12:49:57 ID:/VdhI0SC0
こり、ぎち、こりり、かり、こり、こりり
「同じ……」
『何かな?』
「同じ…こと、くぅ、です…わ……、望んだとも思えない…そんな生き方するなら
あ、あは、い、痛い、痛いわ、いっしょ、一緒ですっ、あ、あははっ
う、う、うふふ、あは、あはっ…」
『む…麻酔を行なえ、おかしくさせてはならぬ』
「おやめになって…、このまま、これ、これがいいんです、あ、あははっ、痛い、痛いの
これ、これがいいんです、このままして頂けないなら、わたくし…死にますからっ!」
『やれやれ…、ではわたしは外すが、きつくなったら言うがいい、そこの者たちが
良いようにするだろう……』
…………………
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16 :
SMの友人:2010/05/08(土) 12:50:53 ID:/VdhI0SC0
「…さま?……メさまっ?………さま?」
「ん…こ、ここは…」
「サソリヒメ様ぁ眠っちゃやですぅ、今夜は眠らせないっておっしゃったのにぃ」
もぞ、もぞり
真紅の艶やかな外骨格が形づくる流麗なカーブ
それに寄り添うのは、つい先日までは短い毛が覆っていたはずのボディ
いま、その毛は抜け落ちて、その体色も青緑色に交じって茶色がましつつある
「くすっ、ごめんなさいね、ちょっと眠ってたかしらね」
「ね、もっと、もっと、もっとです、姫様ぁ」
「………いけない子ね」
「ぎゃうっ」
「『姫』は、だめって教えてあげたでしょう?うん?毒毛虫さん、ふふっそれとも
今は、蛹娘さんって呼んであげましょうか?」
「あ、あぁん、あん、あんあんっ、サソリヒメさまぁ、だめだめ、そこだめな、あぁんっ」
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17 :
SMの友人:2010/05/08(土) 12:52:06 ID:/VdhI0SC0
ほの暗い部屋
台の上に乗せられた巨大な椅子
その椅子に坐しているのがまた大きな蒼い甲冑
どこか博物館のカリカチュアのような図だが、もっと奇怪なのはその甲冑が
音も立てずに右手を開いたり、閉じたりを繰り返していることだろうか
どうやら、蒼い甲冑は、その手に以前あけられた穴、そしてその手のひらからこぼれ去った
何かを想っているようだった
END