【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6
「じゃあさ、じゃあさ! 」シンイチはおじさんのそばにかけよった。
「おじさんの魔法は、なんのためにあるの?
光の国に帰るエネルギーをつかって、魔法はなんの役にたつの? 」
おじさんはどんどん遠くをみているようだった。
その視線のさきで、川面の水が糸のように天にむかってのぼりはじめた。
「水の糸」は、シンイチの目の前でさまざまな結晶のもようを作った。
「うわあ! きれいだ! 」
感嘆のこえをあげるシンイチ。
「シンイチ君、僕の手品が魔法だってことは、君と僕だけのひみつだよ。
すてきな秘密をもつと、ちょっとどきどきして、ちょっとうれしいだろう? 」
「うん……」
はにかみながらこたえるシンイチ。
「奇跡なんて、魔法なんて、ちょっとうれしくなるくらいが、ほんとうはちょうどいいんだよ」
その日の夜、シンイチはベッドの中でなんども目をさました。
おじさんの指先からでる光りには、タネも仕掛けもなくて
ほんとうのことなんだって考えるだけで、胸がどきどきした。
夕飯のあとは、ママがおじさんの影響でこりだした手品の練習につきあわされたけど
ママはやっぱり、まだまだしろうとで、おじさんの本当の魔法にはぜったいにかなわない。
本当の魔法をいつまでもみたいから、おじさんとの約束はぜったいにまもろうと
シンイチはベッドの中でなんども誓うのだったが、そう思うたびに、ねむけは冷めてしまった。