【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6

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468名無しより愛をこめて
それはもちろん、シンイチの目にはあの手品が、とてもいつもテレビで見る手品などと同じではなく
本当の魔法だよと言われれば、素直に信じられてしまうものだったからだ。

「おじさん、もっと大事なことって、どんなこと?」

「それはね……」おじさんは空を見上げた。「本当に大事な人を守るためだったり
故郷へ帰るためだったり、そういうことに使うんだよ」

シンイチはそれを聞いて驚いた。
じゃあ……だったら……。
「だったらダメじゃないかおじさん! いつもみたいに手品を見せていたら
おじさんが故郷へ帰る分が、なくなっちゃうじゃないか! 」

いきなりシンイチが、生真面目な表情で声を荒げたため、おじさんは一瞬は驚いたが
すぐさま笑い、シンイチの頭をなで、また笑った。

「シンイチ君は頭がいいなぁ! きっと学校の成績も良いんだろうね」

笑い事じゃないじゃないか。シンイチはおじさんの手を振り払おうとした。
しかしおじさんは、そのままシンイチの頭をくしゃくしゃなでつづけた。

「心配しなくてもいいんだよ、シンイチ君。
僕にはもう、君と出会ったあの瞬間には、故郷へ帰るだけの力は残っていなかったんだ」

「……え? 」

「さっき言ったろう? 大事な人を助けられなかったって。
結果として僕はあの人を助けてあげることはできなかったけど
でも、僕なりに必死に、あの人を助けようとがんばったんだ。
シンイチ君だって、もしも大事なママやパパが大変なことになったら
じぶんにできるかぎり、必死にがんばるだろう? 」