【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6

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467名無しより愛をこめて
「じゃあなんで、いつもここにいるの?」

聞きたくてたまらない一方で、見知らぬ大人と二人きりの状況では
質問しか出来ない自分がそこにいた。
そんなシンイチの心情を察してか、おじさんは笑顔で川面を見つめながら口を開いた。

「かんたんには説明できないんだけどね。
おじさんは、僕は、とても大事な人と旅をしていたんだ。
そうだなぁ、シンイチ君のパパにとっての、ママみたいな人かな。
その旅の途中でここに立ち寄ったんだよ」

「その人は今どうしてるの? 」

「死んじゃったんだ。ここでね。嵐の夜に」

「どうして!? おじさんはすごい力をいっぱい持っているじゃないか。
どうしてその力で、助けてあげなかったの? 」

「どうにもならなかったんだよ。僕も必死にがんばったんだけど、その人を助けられなかった。
ぎゃくに……ぎゃくに僕はがんばりすぎたから、元いた場所へ帰ることができなくなっちゃったんだ」

「あんまり意味がわかんない……です」

「あっはっは、だから言ったろう?
じゃあシンイチ君だけに教えてあげよう。
僕のあの力はね、本当は手品じゃないんだ。手品なんかじゃなく、本当の魔法なんだ。
でもね、あの魔法は本当は、ああやってみんなを楽しませるために使うんじゃなく
もっと大事なことのために使うように、僕には生まれながらにそなわっているんだよ」

「え! 」シンイチは思わず声をあげてしまった。
突拍子もない夢物語だったが、ここまでの話をシンイチは信じられていた。