【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6
土曜日。
ママはパパのゴルフの準備をしてあげなくてはいけなかったので
シンイチは一人で川原へ行くことになった。
「おじさんがどんな手品でどんなことをやってくれたのか、後でちゃんと教えてよ!
ぜったいだからね! 約束だからね! 」
ママはこういうときは本当に、クラスの女子よりも子どもだな、とシンイチは思った。
シンイチは、ようやく補助輪が取れて乗れるようになった自転車を漕いで川原へ向かった。
今日は一等賞だった。誰もいなかった。
逆に誰もいないのは変だなと思いつつも
いつもの川原に、いつものおじさんを見つけたので、それ以上は気にしないようにした。
「おじさん! 来たよ! 」
「やあシンイチ君、今日は早いね」
おじさんは、川原に座って川面を見つめていた。
シンイチは、おじさんが手品をするたびにとても疲れてしまうのを知っていたから
手品をねだるのは、みんながそろってからにしようと思った。
「ねぇおじさん」
シンイチは、おじさんの横に並ぶように座って話しかけた。
「おじさんはどこから来たの? どこに住んでいるの? みんな気にしてるよ」
「うーん」おじさんはしばらく唸った。「遠いところから来たんだよとしか言いようがないかなぁ。
上手く説明できないな。きっとシンイチ君には、言っても分からないと思うんだ」