【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6
まんざらでもない笑顔で応えるおじさん。
おじさんは、今度は空に向けて人差し指をさすと、じっと指先を見つめ始めた。
「見ていてごらん……。指の先の空……あの雲を」
おじさんの指先を見つめていたみんなの目が、誘導されるように同時に空を向く。
その指の先では、青空の中に浮かぶ雲が動き始めていた。
「え……! 雲が……動いてるよあんなに早く! 」
「動いてるっていうか、集まってる雲が」
ケイの言うとおりだった。
おじさんの指の先に広がる空では、雲がモクモクと動き始め
それらが一つになって、大きな生き物のような形になりつつあった。
「ホラ、見てごらん。アレは何に見えるかな?」
指先に神経を集中しながら、おじさんが子どもたちに言った。
牛、象、熊、口々に動物の名前を叫ぶ子どもたち。
「レッドキング! ……違うなゴモラかな?」
クラスの中でも怪獣博士で通っていたショウゾウが怪獣の名前を口にした。
僕にはテレスドンに見えるな……シンイチはそう思ったが言葉にはしなかった。
「怪獣か」ショウゾウの言葉を聴いたおじさんがにやっと笑った。
「では怪獣っていうことにしよう。ホラ怪獣だよ!」