【ワンダバST】痛すぎる特撮サイト【假特隊】6
おじさんはそう言いながら立ち上がり、シンイチ達に向けて手を伸ばした。
握手をするように差し出されたその手は、ゆっくりと握り締められ
そして、やがて広げられたその手からは、煙のように紫の光が立ち上った。
「うわぁ」
子どもたちは静かに声をあげ、息を呑んでその光を見守った。
紫の光は淡く輝きながら、おじさんの頭の上くらいまで上り、弱く消えていった。
「すげぇ! 」
光が消えたのを合図のように、子どもたちが騒ぎ始めた。
「今のなに!? おじさん、今なにをやったの? どうしたの!」
「ねぇ見せて! もう一回見せて! 」
おじさんは、さっきより困った顔になった。
でも笑っていた。シンイチには確かに、おじさんは笑っていたように見えた。
「これはね」おじさんが口を開いた。「いつでもすぐ出来る手品じゃないんだよ。
今は特別に、やってみせたんだよ」
でも、シンイチの友達のミキもケイもおじさんの言葉なんか聞かなかった。
「やってみせて! 」「もっと見せて! 」子どもたちはおじさんの袖を引っ張った。
「仕方ないなぁ……」