おにゃのこが改造されるシーン素体12人目

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 仕込が肝心とは佐藤がこぼした言葉だが、幸子が入れられた改造カプセルは
極々初期の改造プロセスを行うもので、衣服を溶かし、ナノマシンを皮膚全体に
浸透させるものだった、浸透は三日かけてゆっくり進むが、ナノマシンとの
相性が不適合な者は死に至る訳。佐藤にしても後腐れの少ない自殺志願者とは
言え、手間隙かけて集めた被験者の第一関門での歩留まりが少しでも良いこと
を願わざるを得ない。被験者の資質は自分が関与できるものではないのだが、
上司のS博士はそういうのは無視して成果ばかり求めてくる。組織とはそういう
ものだと判っちゃいるが・・・。佐藤は大きくため息をついたが、立ち上がると
改造カプセルの定時チェックに向かった。やれやれ、半分はダメか。ナノマシン
との拒絶反応で死んでしまった被験者のカプセルには赤い回転灯が異常を示して
ピーピー鳴っていた。佐藤は警告音と回転灯を止めると、カプセルの蓋を開け、
溶けた衣服とナノマシンを含む溶液でヌルヌルの遺体を引っ張り出すと、カプ
セルの横にたたまれていた大きなズタ袋に放り込んだ。あと一日。残る三体の
カプセルのうち、最後まで生き残るのがいくつあるだろう。自分の成績も考える
と気が重くなる佐藤だった。
424392:2008/10/23(木) 23:09:11 ID:e/6fg55W0
 幸運というべきか、幸子は眠ったままだったが、その裸体には肉眼で見えない
特製のナノマシンが肌に浸透しつつあった。ナノマシンが浸透した人間は、軽い
洗脳を受けた状態になる。本人にとって思い入れが強い記憶が呼び覚まされない
限り、思考能力がぼんやり低下した状態となる。また思念波による会話も短い
距離なら可能になるので、下働きのような奴隷の仕事は任せられるし、アジト
から逃げ出すこともない。だが高度な作戦を任せられるような改造人間は、
そんな思考力では使い物にならない。本部の指示を理解しつつ、状況の変化に
応じて臨機応変に対応できるプロフェッショナルな怪人を作りあげることが
この基地の最終目的なのだ。奴隷状態からでもある程度は教育でカバーできる
とは言うものの、自ら死を選ぶような人間にそういう資質があるのだろうか。
素体の調達、選定方法に問題があると上司に具申しようとも思った佐藤だが、
逆鱗に触れるとただでは済まない事例を耳にしているだけに、大人しくするしか
ない。悪の組織も官僚化しているよな。遺体の入った袋を証拠隠滅専門の部署の
人間が回収に来た。サインをすると詰め所に引き揚げる佐藤。自分も改造された
おかげで睡眠を取らずとも任務は遂行できるが、それでも三日の不寝番はキツい。
佐藤にとっても幸子にとっても長い一日が始まろうとしていた・・・

細切れでスマソ