おにゃのこが改造されるシーン素体12人目

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250ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU
「実験を開始しろ」
巨大な三角形の頭部に隈取をされた目鼻立ちが印象的な異形の男が、右手に持ったムチを振るう。
「イーッ!」
すっぽりと頭から白いマスクをかぶり、目鼻口だけを出した白衣の男が奇妙な声を上げてスイッチを入れる。
モニターの向こうには密閉された室内が映し出され、これから何が起こるのかと恐怖におびえる若い男女が不安そうな姿を見せていた。

やがて室内には天井から白い煙が吐き出される。
『く、苦しい! 出してくれー!』
『イヤァッ! 助けてぇっ!』
二人の男女は白い煙から逃れようと扉を叩く。
だが、外から鍵がかけられているのか、扉はまったく開こうとはしない。

『あ・・ぐ・・・ぐわぁっ』
『く、苦しい・・・ゲホッゲホッ』
白い煙が充満し、男女はいやでもそれを吸い込んでしまう。
すると、みるみるうちに男女の体は張りを失ってその場にくず折れた。
髪の毛は白く抜け落ち、歯もぼろぼろとなって頬にはシミができて行く。
皮膚もたるんでしわとなり、やせ衰えて骨と皮だけのようになっていく。
若い男女だったのが、わずか数分で百歳近い老人のような姿となってしまったのだ。
やがて二人の男女はその場で静かに死んでしまう。
老衰死を起こしたのだった。
251ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:02:18 ID:S97cy9j80
「ムハハハハハ、見たか我がショッカーの開発した老化細菌を」
モニターに映し出された実験結果に満足そうに笑みを浮かべる異形の男。
左手の鉤爪が金属質に輝き、蛇腹状の頑丈そうな体を背中のマントが覆っている。
「この細菌を殺人ゴキブリに付けてばら撒き、日本中の人間を老人にして大混乱に陥れてやるわい。早速ゴキブリ作戦を開始するのだ」
「「イーッ!」」
背後に控えていた黒尽くめの男たちがいっせいに右手を上げて奇声を発した。

「ねえ、あなた。もうやめましょう・・・」
うつむいてつぶやくように女が言う。
三十代ぐらいの黒髪の美しい女性だが、その表情は陰りを帯びていた。
「うるさい! お前は黙って言う通りにすればいいんだ」
わずらわしそうに女の方を見てそう言うと、男はまたスプレー缶になにやらガスを充填する。
脇には何本ものスプレー缶が置かれ、ラベルには『ゴキコロリ』と記されていた。
「でも、こんなの詐欺だわ。市販の殺虫剤を混ぜて小分けにして売るなんて・・・いんちきよ」
女がそう言った次の瞬間、バシッと音がして女は頬を押さえてうずくまる。
「黙ってろ! いいか、これは立派な商売だ。だまされるほうが悪いんだ。祭りの夜店なんかと同じなんだよ」
女を平手で張り飛ばし、男は平然と言いのける。
「お前はいいから言った通りにすればいいんだ。わかったな、早苗(さなえ)」
痛む頬を押さえつつ、早苗はうなずくことしかできなかった。

「そこの奥さん、最近お宅ゴキブリに悩まされてはいませんか? シューッと一吹き、ヤマトにワモンにクロチャバネ、ありとあらゆる種類のゴキブリに効く万能の殺虫剤がこれだ。その名もゴキコロリ。ぜひ一家に一本。今ならお買い得だよ。さあ、買った買った!」
団地の近くにある公園でゴキコロリを売る男。
だが、主婦たちは胡散臭そうに男を見るだけで、手に取ろうとは思わない。
252ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:04:26 ID:S97cy9j80
「あっ、ゴキコロリだわ。今日はここで売っていたのね。探した甲斐があったわぁ」
男の元にやってくる早苗。
まるで初めて会ったかのように振舞っている。
「おや、お使いいただいた奥様でしたかな?」
「ええ、おかげさまで家はゴキブリがまったく出なくなったのよ。たった一本ですごい効果だわ。近所の人にもうらやましがられて買ってきてって言われてたんだけど・・・ようやく見つけたわ。よかった」
そう言ってゴキコロリを二三本手に取る早苗。
すぐに近くの主婦たちもやってきて、早苗に効果のほどを聞いてくる。
「ほんとにすごいんですよ。ゴキブリがすぐに死んじゃうんです。しかもほかのゴキブリも近くに寄らなくなるので、ゴキブリは一切出なくなるんですよ」
早苗の言葉に主婦たちも納得し、ゴキコロリを買って行く。
瞬く間に男の用意したゴキコロリは売切れてしまうのだった。

「ははははは、笑いが止まらんな。見ろ、今日はこんなに儲かったぞ」
財布に詰まった札を見せる男。
「ねえ、あなた。お願い、もうやめて。こんないんちきはそのうちばれるわ。まともな商売をしましょうよ」
早苗は男の背中にすがりつく。
まっとうな仕事で稼いだ金で二人で暮らせればどんなにいいだろう。
早苗はそれだけが望みだった。
「うるさいぞ。ほら、お前の取り分だ。好きに使え」
男から数枚の札を渡されるが、早苗は受け取る気にはなれない。
主婦たちをだまして得たお金など使う気にはならないのだ。
でも、二人で暮らすには金が必要。
早苗は生活に必要な最低限のお金だけ受け取ると、残りは男につき返した。
「ふん、お前を食わせているのは俺だってこと忘れるな。お前は俺のいうとおりにしていればいいんだ」
背を向ける男から逃れるように、早苗は夕食の支度を始めるのだった。
253ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:05:49 ID:S97cy9j80
夜半、一台のトラックが団地の脇に停車する。
「よし、始めろ」
「イーッ!」
トラックの後部の幌を跳ね上げて黒尽くめの男たちが外に出る。
全身タイツのようなその衣装には、白いあばら骨のような模様が染められている。
彼らは頭からすっぽりと黒いマスクをかぶり、さらにその上に防毒マスクをつけていた。
そして荷台からいくつものカプセルを取り出すと、そのカプセルを持って団地の中に忍び込んで行く。
やがて、黒尽くめの男たちはカプセルのふたを開け、かさこそと乾いた音を立てる黒光りした虫を団地の周囲に撒き散らした。

「何だと? ゴキブリ作戦が失敗した?」
巨大な三角形の頭部を持つ異形の男、地獄大使は報告に耳を疑う。
「イーッ! 団地の住民の幾人かを老化させることには成功しましたが、細菌をばら撒くべき殺人ゴキブリが殺虫剤で全滅です」
黒尽くめの男、ショッカーの戦闘員が自分の責任ではないと言いたげに恐る恐る報告する。
地獄大使の八つ当たりを受けてはかなわないのだ。
「どういうことだ? 殺虫剤ごときでは死なないはずのゴキブリではなかったのか?」
白衣の科学戦闘員を問い詰める地獄大使。
ゴキブリ作戦の失敗はまたしても首領の評価を下げてしまう。

「お待ちください、地獄大使」
白衣の科学戦闘員の声も心なしか上ずっている。
「今回の失敗は偶然性によるものが大きいのです」
「偶然性だと? どういうことだ」
ムチをたわめて科学戦闘員のあごを持ち上げる地獄大使。
「ハッ、死んだ殺人ゴキブリを分析した結果、複数の殺虫剤の複合効果で死んだことが確認されました」
「複数の殺虫剤の複合効果? わかりやすく言え」
顔をゆがめる地獄大使。
「ハッ、どうやら『ゴキコロリ』なる殺虫剤が出回っており、これは市販の殺虫剤を混ぜ合わせて作ったまがい物の殺虫剤なのですが、どういうわけか殺人ゴキブリにはてきめんに効果を発揮したらしく・・・」
「それで全滅したと言うのだな?」
「はい・・・」
声が震える科学戦闘員。
ショッカーにとって失敗は死なのだ。
恐怖を感じるのも無理はない。
254ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:08:20 ID:S97cy9j80
「そのまがい物を作った奴を連れてくるのだ。わしに考えがある。いいな」
ムチを降ろして笑みを浮かべる地獄大使。
「「イーッ!」」
戦闘員たちはいっせいに右手を上げて敬礼し、命令に従うべく飛び出して行く。
「ムハハハハハ・・・」
あとには地獄大使の笑い声だけが響いていた。

「お帰りなさい・・・また飲んできたの?」
早苗が心配そうに出迎える。
男は酔ってふらついた足取りで部屋に入ってきた。
すでに時間は深夜遅い。
こんな時間まで帰らない男を、早苗は黙って待っていたのだった。
「うるさいな。自分で稼いだ金で飲んで何が悪い。お前は黙って俺の言うとおりにしていればいいんだ」
「でも、こんなに酔って・・・体によくないわ」
「黙れってんだ! 最近何かと反抗的だぞ。こうしてやる!」
男の平手が早苗を打つ。
「キャッ」
頬を押さえて倒れこむ早苗。
こうなると男に逆らうことは更なる暴力を意味してしまう。
早苗はうつむいたまま黙るしかなかった。

「ふん、わかったか? お前が暮らして行けるのは俺のおかげだと言うことを忘れるな」
男が勝ち誇ったようにせせら笑う。
こうして早苗をいたぶることで自分の優位性を確認しないときがすまないのだ。
それだけ自分に自信がない証拠だった。
「布団を敷け。もう寝る」
よろよろと起き上がる早苗。
布団を敷くために奥へ向かう。
そのとき玄関の扉が荒々しく開かれ、黒尽くめの男たちがどかどかと踏み込んできた。
255ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:09:44 ID:S97cy9j80
「な、何だ、お前たちは?」
突然現れた全身タイツの男たちに驚く二人。
頭からすっぽりとマスクをかぶって目鼻口だけを出し、黒い全身タイツには胸のところに骨の模様が描かれている。
「貴様が黒木建蔵(くろき けんぞう)だな? 『ゴキコロリ』を作った張本人だろう? 来るんだ!」
「う、うわっ、や、やめろ」
たちまちのうちに戦闘員に押さえつけられる黒木。
「あ、あなた方はいったい?」
奥から何事かと思って出てきた早苗は、目の前で夫が取り押さえられているのを見て驚いた。
一瞬警察が来たのかとも思ったが、この黒尽くめの男たちはそんな連中ではない。
早苗は恐怖におののいた。
「女、お前も来るんだ」
「い、いやぁっ!」
恐怖にすくんでしまった早苗は、すぐに戦闘員に取り押さえられてしまう。
黒木と早苗の二人はいずこともなく連れ去られるのだった。

「くそっ、俺たちをこんなところに連れてきてどうするつもりだ!」
「お願いです。私たちを帰して。誰にも何も言いませんから」
ひんやりと薄暗い洞窟のような場所に連れてこられた二人。
それぞれ別の鉄格子の中に入れられている。
黒木にはそれがまた気に食わなかった。
何でこいつと別々なんだ。
この女は俺の女房だぞ・・・
くだらないことだがそう思ってしまう。
256ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:12:38 ID:S97cy9j80
「おとなしくしろ」
入り口に現れる巨大な頭部をした男。
ムチを片手に入ってきたのは地獄大使だった。
その異様な姿に早苗は思わず息を飲む。
「ふん、お前たちのせいでわれわれのゴキブリ作戦が失敗するところだったではないか」
「ゴ、ゴキブリ作戦? なんだそりゃ」
黒木には何のことだかわからない。
「黙れ! 貴様の作った『ゴキコロリ』がわれわれの殺人ゴキブリをことごとく殺してしまったのだ。どうしてくれる」
「えっ? あれが効いたって? こりゃ驚いた。あんな適当に混ぜて薄めた殺虫剤が効くなんて思わなかったぜ。ハハハハ・・・」
思わず笑ってしまう黒木。
その笑いがまた地獄大使の癇に障る。
「うるさい! 貴様があんなものさえ作らなければ今頃日本は大混乱に陥っていたのだ。殺しても飽き足りん奴め」
「ええっ?」
「そ、そんな・・・」
青ざめる二人。
「お願いです。殺さないでください。もう二度とあんな殺虫剤は作らせません。約束します」
「お、俺も約束する。二度と作らない。だから殺さないでくれ!」
黒木も早苗も鉄格子の中で土下座して哀願する。
二人のその姿を見た地獄大使の顔に歪んだ笑みが浮かんだ。

「お前たちにはその罪を償ってもらおう」
地獄大使の言葉に顔を上げる黒木と早苗。
「そ、それは?」
「あ、あの、どうすれば・・・」
「ムハハハハ、女、お前は我がショッカーの改造人間としての素養が充分にある。お前を改造し、ゴキブリ作戦を指揮を取ってもらおう」
不気味に笑う地獄大使。
「か、改造って・・・さ、早苗をどうするつもりだ?」
「改造って? 私をどうするつもりなんですか?」
図らずも二人の言葉が重なり合う。
「ええいうるさい! おとなしく改造を受けるがいい!」
右手のムチを床に叩きつける地獄大使。
床を叩く音が響き、早苗は恐怖にすくみあがった。
257ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:14:08 ID:S97cy9j80
「連れて行け」
背後の戦闘員たちにあごで命じる地獄大使。
すぐさま戦闘員たちが鉄格子を開けて早苗を連れ出す。
「いやっ、改造なんていやあっ!」
悲鳴を上げながら連れて行かれる早苗。
「おい、やめろ! 早苗を帰せ! やめろぉっ!」
「ムハハハハ、次にあの女と会うときを楽しみにしているがいい」
黒木の言葉もむなしく、不気味な笑みを残して地獄大使は去っていった。

「いやぁ、お願いです。私を帰してください。もうあんなものは売りません。あなた方のことは誰にもいいませんから」
円形の手術台に寝かされる早苗。
周囲にはさまざまな機器が明滅している。
それらがどのような用途に使われるものなのか、早苗には想像も付かない。
だが、何かよくないことが自分の身に起こることだけはひしひしと感じていた。
「黙るのだ!」
ピシッと言う小気味よい音を立てて地獄大使のムチが床を打ち鳴らす。
反射的にピクッと体を硬くする早苗。
必死の抵抗も空しく衣服をむしりとられ、下着すら身に着けない裸の状態で両手足を固定された早苗は、まさにまな板の上の鯉状態だ。
「お前にはこれより我がショッカーの誇る改造手術を受けてもらう」
「改造手術って、いったい何をするつもりなの?」
「ムハハハ、お前にゴキブリの遺伝子を注入しゴキブリ女へと改造する。そしてゴキブリ作戦を再開しその指揮を取ってもらうのだ」
真っ青になる早苗。
何が嫌いだといって、あの台所の隅でかさかさと蠢くあのゴキブリほど早苗が嫌いなものはない。
「いやぁっ! ゴキブリ女なんていやぁっ!」
必死で身をよじり逃れようとする早苗。
だが、がっちりと固定された手足はまったくはずれる気配を見せなかった。
「無駄だ。人間の力でその枷をはずせるものか。改造を始めろ」
「「イーッ」」
周囲に控えていた白衣の科学戦闘員たちがすぐさま早苗の改造に取り掛かる。
必死でいやいやと首を振る早苗だったが、麻酔のマスクをかぶせられ、すぐに意識が遠のいていってしまうのだった。
258ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:18:34 ID:S97cy9j80
すぐに始められる改造手術。
ショッカーの改造手術は基本的には遺伝子変化による動植物との融合と各種薬剤による組織や骨格の強化、それに付随しての機械埋め込みというものである。
つまり、あくまでも生命体としての融合強化が主であり、機械埋め込みはあくまでも補助強化に過ぎない。
今回は『ゴキコロリ』で死んでしまった殺人ゴキブリをさらに強力にした“新”殺人ゴキブリとも言うべきものを使い、その遺伝子を早苗の体に組み込むのだ。
遺伝子を変容させる薬品が注入され、ドロドロに解かされた殺人ゴキブリがチューブを通して早苗の体に流れ込んでいく。
そこに変異を人為的に進行させるために浴びせかけられる複数の光線の照射。
これによって遺伝子はまったく別のものとなることが可能になるのだ。
早苗の細胞は人間であることをやめ、新たに組み込まれたゴキブリの遺伝子を使って早苗の体を変えていく。
滑らかな白い素肌は、やがて茶褐色の硬い外骨格へと変貌していった。

つんと上を向く形よい乳房は同心円状に節くれだち、ちょこんとした可愛いおへそがアクセントとなっている白い腹部も茶色い節が覆っていく。
肩の辺りから伸び始めた硬い外皮は、ぐんぐんとお尻の辺りまで伸びていき、つややかな輝きを持った硬い外翅になっていく。
もちろんその内側ではやわらかくも強靭な内翅が形成され、早苗の体を覆っていく。
両手は硬い毛と外骨格に覆われ、ひじから下には鋭いとげが、指先には鉤爪が作られる。
すらりとした滑らかな早苗の脚は、茶色の外皮が覆っていき、つま先が一体化してかかとがハイヒールのように尖っていく。
最後に頭部の髪の毛が変質し、硬い外皮となって頭を覆い額からは長い触角が生えてくる。
目はゴーグル状になり、無数の複眼が形成されて新たな目を形作る。
口元だけは人間のままのなまめかしさを保っているものの、あごの力は強化され硬い金属でも噛み砕くことができるようになっていく。
数時間かけて早苗の体はゴキブリと化し、柔らかいフォルムを持つゴキブリ女へと変化していった。
259ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:20:10 ID:S97cy9j80
次に行なわれるのが補助機関の埋め込みと脳改造である。
強化された肉体をさらに強化する補助機関を、科学戦闘員たちは早苗の体に埋め込んでいく。
機械心肺や補助脳などが埋め込まれ、完全なるショッカーの改造人間へと生まれ変わるのだ。
そして早苗の頭に付けられた電極がパルスを生じ、埋め込まれた洗脳チップと連動する。
人間のときに培われた社会的規範や忌避感を排除し、快楽的破壊衝動やショッカーへの盲目的信頼感などを植えつけるのだ。
やがて早苗の脳は自らをショッカーのゴキブリ女として認識し、ショッカーの一員であることに誇りを覚えるように仕向けられてしまう。
人間としての早苗の終焉だった。

やがて手枷足枷がはずされ、ゆっくろとゴキブリ女が上半身を起こす。
茶褐色の外骨格に覆われた頭部と背中はつややかに輝き、節に覆われた腹部が蛇腹状に伸縮する。
かつての早苗の柔らかいラインはそのままに、全身をゴキブリへと変化させた美しい女怪人がそこにいた。
「ムハハハハ、どうだ、ゴキブリ女になった気分は?」
「フシュルルル・・・とてもいい気分ですわ地獄大使。私はショッカーの改造人間ゴキブリ女。どうぞ何なりとご命令を」
触角をふるふると震わせるゴキブリ女。
口元に浮かんだ笑みがなまめかしい。
「お前はこれよりゴキブリ作戦の指揮を取り、日本中を老人だらけのパニックに陥れてやるのだ。ムハハハハ」
「フシュルルル・・・お任せくださいませ地獄大使。私の可愛い殺人ゴキブリが、男も女もみな老人へと変えてやりますわ。オホホホホ・・・」
口元に手の甲を当てて高笑いをするゴキブリ女。
以前の早苗の持っていた優しさなどは微塵もない。
地獄大使はその様子に目を細めるのだった。
260ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 22:22:24 ID:S97cy9j80
「ムハハハハ・・・」
薄暗い洞窟に笑い声が響く。
その声に黒木はすぐに飛び起きた。
「貴様! 早苗をどうした!」
入ってきた異形の男地獄大使に詰め寄るように鉄格子を掴む。
「ムハハハハ、そんなにあの女に会いたいか?」
「ああ、あいつは俺の女だ。会いたいさ」
「ならば会わせてやろう。入って来いゴキブリ女」
地獄大使の右手が招くように振上げられる。
「フシュルルル・・・お呼びですか、地獄大使」
洞窟に入ってくる異形の存在。
「ひっ」
黒木は一目見ただけで悲鳴を上げそうになってしまう。
「どうした。お前の会いたがっていた女ではないか。ムハハハハ」
意地悪い笑みを浮かべる地獄大使。
彼の背後に立っている異形の存在も、口元に笑みを浮かべながら鉄格子に近づいてくる。
「ば、化け物・・・」
「フシュルルル・・・まあ、失礼ね。わざわざ会いに来てやったというのに」
「な、なんだって? 早苗、早苗なのか?」
黒木は唖然とした。
このゴキブリの化け物のようなのが早苗だと言うのか?
「フシュルルル・・・うふふふ、私はもう早苗などという女ではないわ。私は偉大なるショッカーの改造人間ゴキブリ女。これからはゴキブリ女様と呼びなさい」
「ば、バカな・・・」
あまりのことにひざをつく黒木。
あの優しかった早苗がこんな化け物になってしまうなんて・・・
黒木には目の前の事実を信じることなどできなかった。
261ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 23:27:33 ID:S97cy9j80
「ゴキブリ女よ、こいつは『ゴキコロリ』などという下らんものを作って我がショッカーの邪魔をした上、戦闘員にすらなれぬくずだ。始末しろ」
地獄大使の冷酷な声が響く。
「フシュルルル・・・地獄大使、それはお待ち願えませんか?」
「ムッ? どういうことだゴキブリ女」
命令に従わないゴキブリ女に驚く地獄大使。
改造人間が命令に従わないなどそうあることではない。
「偉大なるショッカーによって改造される前、私はこの男にさんざんいたぶられました。ですが以前の私はこの男を嫌いになることができませんでした」
思いがけぬゴキブリ女の言葉に黒木は顔を上げる。
「その気持ちが今もまだ残っているみたいなのです。戦闘員にもなれぬくずですが、この男の処置は私にお任せいただけませんでしょうか?」
「脳改造を受けたというのにこんな男に執着するとは。よほどこの男が気に入っていると言うのか?」
苦虫を噛み潰したような顔をする地獄大使。
強権を発動して男を始末させるのはたやすいだろう。
だが、ゴキブリ女がこの男をどうするのかも気になるところだった。
「まあよかろう。好きにしろ」
「フシュルルル・・・ありがとうございます」
ゴキブリ女は一礼する。
「うふふ・・・さあ、これからお前をこき使ってやるわ。ゴキブリ作戦のために働くのよ。いいわね!」
「そ、そんな・・・助けてくれるんじゃ・・・」
「フシュルルル・・・バカなことを。お前は今日から私の奴隷。死ぬまで働いてもらうわ。覚悟することね。オホホホホ」
黒木はがっくりとうなだれるしかなかった。

                       ******
262ショッカー代理人 ◆cVfFrJRnOU :2008/09/29(月) 23:29:43 ID:S97cy9j80
「フシュルルル・・・さっさと詰めなさい」
「は、はい、ゴキブリ女様」
つま先で小突かれながら黒木はスプレー缶に気体を詰めていく。
「うふふふ・・・今度の『ゴキコロリ』は殺虫剤ではないわ。私のフェロモンがたっぷり詰まっているの。これを知らずに撒けば私の可愛い殺人ゴキブリたちが・・・うふふふふ」
ソファに座って脚を組むゴキブリ女が笑みを浮かべる。
その姿は女王然として美しい。

「お、終わりました」
スプレー缶を箱詰めし終えた黒木が顔を上げる。
「フシュルルル・・・ご苦労様。よくがんばったわね」
脚を延ばしてつま先で黒木のあごを持ち上げるゴキブリ女。
数日の間に黒木はすっかりゴキブリ女の奴隷となってしまっていた。
「うふふふ・・・ご褒美が欲しい?」
「ああ・・・は、はい」
黒木がごくりと喉を鳴らす。
「いいわよ。お舐め」
「ああ・・・ありがとうございます」
恭しく両手でゴキブリ女の脚を持ち、つま先に舌を這わせていく黒木。
その顔には恍惚とした表情が浮かんでいる。
「うふふふ・・・いい子ねぇ。ゴキブリ作戦がうまく行けば今度はこっちを舐めさせてあげるわ。だからがんばるのよ」
自らもうっとりと指先を舐めながら、ゴキブリ女は股間を指し示す。
「ああ・・・がんばります、ゴキブリ女様」
興奮に打ち震えながら、黒木は舌でゴキブリ女の脚を舐めていく。
ある意味二人はお似合いのパートナーだった。

END