仮面ライダーバトルロワイヤル THE NEXT Version.6
当スレッドは、「仮面ライダーシリーズに登場するキャラクターでバトルロワイヤルをしてみよう」という趣旨のSSスレです。
企画の性質上、登場人物が敗北・死亡する描写や、残酷な表現が含まれています。
また、二次創作という性質上、本編のネタバレを多く含んでいます。
閲覧の際は、その点をご理解の上でお願いします。
企画の性質を鑑み、このスレはsage進行でお願いします。
また、このスレの話題を他のスレに持ち込んだりしないでください。
■作品の投下と進行について
予約なしでも投下は可能ですが、予約をする場合は、投下までの期限は一週間となります。
申請により、三日間の延長が可能です。
投下後、作品に明らかな問題があると判断されたときは、NG(修正・破棄)が発議されることがあります。
NG発議をする人はレス一行目にそのことを明記し、発議の理由を具体的に述べた上で
以下の議論スレへの誘導を行ってください。
http://www6.atpages.jp/riders/bbs/test/read.cgi/talk/1210423244/l50 ただしNGを発議出来るのは、以下の条件を満たすときに限ります。
1:文章そのものが小説の体をなしていない(日本語として意味が通らない・台本形式等)
2:作品の中に矛盾がある、時間の進行が明らかにおかしい、重要な出来事の描写がない、状態表と本文が一致しないなど、内容的な不備がある
3:原作設定からみて明らかに有り得ない展開で、それがストーリーに大きく影響を与えてしまっている
4:前のストーリーとの間で重大な矛盾が生じてしまっている(死んだキャラが普通に登場している等)
5:全体のバランスをこわしかねない展開やアイテムが含まれている(ただし、あらかじめ相談の上、住人や他書き手の承認を受けている場合を除きます)
6:企画の基本的なルールを逸脱している場合(予約されているキャラを別の書き手が投下、参加者の追加、制限の無視等)
以上の条件を満たさないNG発議は無効です。
「贔屓キャラが死んだ」「先の構想が潰された」などの主観的な不満は愚痴に過ぎません。
毒吐きスレで存分に吐き出してすっきりしてください。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1182007206/ 投下ルールについて、詳しくは、以下のページを参照してください。
http://www8.atwiki.jp/rnext/pages/36.html
■参加者名簿■
主催者 村上峡児
【初代】3/4
○本郷猛/●一文字隼人/○死神博士/○ゾル大佐
【アマゾン】2/4
○山本大介/●モグラ獣人/○十面鬼ゴルゴス/●立花藤兵衛
【クウガ】4/5
○五代雄介/●一条薫/○ゴ・ガドル・バ/○ゴ・バダー・バ/○ン・ダグバ・ゼバ
【アギト】4/5
○葦原涼/○風谷真魚/○北條透/●水城史朗/○風のエル
【龍騎】4/5
○城戸真司/○東條悟/○香川英行/○手塚海之/●芝浦淳
【555】5/5
○木場勇治/○長田結花/○海堂直也/○北崎/○澤田亜希
【ブレイド】4/5
●剣崎一真/○橘朔也/○金居/○城光/○志村純一
【響鬼】4/4
○日高仁志/○桐矢京介/○和泉伊織/○歌舞鬼
【カブト】4/5
●天道総司/○影山瞬/○乃木怜治/○加賀美新/○風間大介
【電王】4/5
●モモタロス/○ハナ/○桜井侑斗/○デネブ/○牙王
【FIRST・NEXT】5/5
○本郷猛/○一文字隼人/○風見志郎/○三田村晴彦/○緑川あすか
l | / / ヽ- |(/ヽ
! !;;, /' / __ ! ! ヽ !
|、 l;;;;;;.. ,'/./ ,、_) ヽ 「 |/ /
| ヽ !;;;l;;;;;;,. // ゝ二ノ /ヽ | / /
!、 ,;, | '!;;;;;;;;, // /ヽ !/ /
├ ` =、 | ヽゝ;;;;∠ 'ノ` ー┬┐_ニ´/ ! ノ
! ト-ヘ ハ |, ヘ;;;;;;;;,,,`ニ三二 ニ¨ ├'´|
iヽ、  ̄ ∨/ノ「、 「 ̄ ゙';;;;;;;;,,, ̄ ̄ -┬n ! |
| ';;;;三ニ;;;// ヽ ゙゙';;;;,゙゙''゙゙ / !| !
! ゙;; ̄';;;/ ! ,. ゙゙'' / 」´ } ! l
| ;; ;;, ト. ' r‐ / / r' / !
ハ ';;, ';;;, ` _ -‐ ~_/ ̄ // /
/ \;;,, ゙';;,、\、_ -‐ ¨ __ -‐'´ ノ / /
ハ / \ ';;, \Y´ ̄ _ - ´ /
__ .イl. , -- ミ 、 ,ィ
/ `く. l/ , - 、: .` ==、___/ノ!
ヘ , ' . : . \l //: : :、:、: . .__ : : ´/ィ
.∧ .イ: / /: :__!{ム___ヽ:、: : : :--‐: ´:/イ
∧ /. ヽ| { {/ ,.ィ l ,{ `\、: :‐--‐: : ! .ィ
V .∧ i、iゝ_j ヽヽ==彡' ノ i `=r 、_`===彡'′
.∨ .∧ 丶三. //: ト:l _三. r ィfヾ:.:.、ヽi: : : : :/
V .∧ 、z‐彡': :/ l|イ ゚ , ノ | f:.l:.:.:.、:.ヽ:.\: :ニ=‐'′
∨ ∧ `¨Z イ ノ' ‐彡' | l:.:.、:.:.:.ヽ:.:ヽ:.V_,,
∨ ∧ ハ ヘ , i〉ゝ:.:',:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
. ∨ ∧ ィ: ゝヘ __ }:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.l:.:|
∨ ∧/: l: : l ヘ /一'{ }:.:.:l:.:.:.:l:.:.:.|:.|
∨ .∧ : l: : :ゝ .\ 〈、___j} ,|:.:.:.`:.:.:.:.:.:.:.:l、
__/:∨ .∧ | : : ヽヽ \ ` ニニ´ j|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:./: \
<: : : ∨ ∧l: : : : \\\ 〃:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.;': : :\_
: : : 、: : ∨ ∧: : : : : ` 、`_`ニニ.||:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:ム: : : : \__
、: : : \: ∨ ∧ : : : : r‐ 、| | |ニ||:.:.:.:.:.:.:.://:ヽ: : : : : : `丶
、\: : : \ ∨ ∧: : : : : ⌒ヽ.| | ゝ:.:.:.:.:.:.:/:.:.:.:.\: : : : : : :
警告!!
当スレは、あくまで二次創作の企画です。
本編中の作品等への影響、また関連性は皆無とお考え下さい。
あくまで パロディ として作品をお楽しみいただければ幸いです。
l: : : : : : : : : : : 彡 ヽ
|: :ミ: : : : : : : : : : : ヽ l
|: : 彡: : : : : : : : : : : : : : : : :ノ / ハ: . l:、 ヽ l |
|: : : : : : 彡: : : : : : : : : : : : : : ./ /:::::::l: |: ', | |リ
|: : : : : : : : : : : : : 彡: /: :///::::::::::::l: l/j/ヽノ
|: : ソ: : : : : : : : ;. ''´:: ̄ ~" メ、:::::::::::: レイ f
|: : : : 彡_:_: i:!:|:::::::::::::::::::::::::::::::ヽ::::::::..,,ム 'フ/
:l: : : : / r‐|: : :| "、´ ̄(ッ ̄~"フシ く'゙′ /
l: : : :.| i: :lN: |:::: :::::::::::: ̄:::: .::::::::::', . /
!: : i.!ヽ :、ヽ、:|:::: .::::::::::::::::', ./
|N: : : :\_ノヘ::::::::. .::::::::::::::::::::::::', .
/|:!: : : : : /::::ヽ::::::::....:::::::::::::_::`:-ァ.、_'、
/ |l: : : /::::::::::::::ヽ::::::::::::::::'^::ー ´ /
三三;;;;\´::::::::::::::::、::::::\::::::::::::::::-‐:: /
三三三;;;;;:丶、:::::::: ヽ:::::::丶、:::::::: /
三三三三;;;;;:::::`::-:、 ヽ:: /;;`丶、_/
三三三三三;;;;;:::::::::`:.‐-'、::::_く
10 :
名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:41:31 ID:4BBpqWAw0 BE:680993055-2BP(1)
12 :
名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 20:42:04 ID:ye7jL8MpO
クソスレ乙!
俺のほうが気付くの速かったな愚図将軍
テスト
_,..--/\--..._
;( );
| `` ------- '´´.|
| ○ ○ |
((__)) ,|、__ VV _,...--'7
|| / `--`-v--'´--''´~\
``=|,,,,,;; ;;;;;;;;; ;;; >
└'´|;;;; O ;;;;;;;;;;;|`'||
|;;;; O ;;;;;;;;;;;;| ||
| ;;;; ∧ ;;;;;;;;;;;;;|((~))
't--、_ハ__,... ----┤
``||~```~~~~||~ ̄
.||、 .||、
/ > < \
<__/ \__ >
スレ立て乙です!
そして全スレの橘さんSSの感想を。
投下乙です!
橘さんw真剣なのはわかるが……その発想はだめだwww
橘さんが暴走している分、ゾル大佐がかっこいい!特に北崎相手に臆せずに、騙しまで行うのは凄い!
マグナギガまで駆使して闘う北崎さんが怖い……原作のキャラの持ち味が良く出てると思います!
オーガもそろそろきそうなので期待できますね!
GJ!
52 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:06:59 ID:nH10lx4+0
>>51 労力を無視しているつもりはありません。
ただ延長を『権利』だとは思っていなかっただけです。
>>46さんの例を考えると
延長3日までが『期限』と考えている方と期限までに投下する方では『期限』が違うのかもしれませんね。
結局、本スレで意見している方は後者だったというだけで。
考え方を前者と同様にするよう改めることにします。
できればガイドラインの『どうしても』間に合わない場合という『』内を消して頂きたいところですが。
53 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:09:11 ID:62INpPME0
>>52 延長は『権利』です。
これ以上話したくもありません。以上。
54 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:09:41 ID:YdUkBTJw0
>>52 少し他のロワを見て回って来てはいかがでしょう。
いろいろと面白い発見があると思いますよ。
55 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:17:19 ID:nH10lx4+0
>>54 ありがとうございます。
ですが、全部までは見ていませんが幾つかは見ています。
今まで見ていたロワが偏っていたんだと思います。
予約が少なくはあってもここまで延長の多いロワは初めてだったので。
その『権利』を他にどうしようもないから使うのならわかる。
けど、「気軽に行使していい」ものとして使うのはそれこそルールにのっとってないんじゃないかって思う。
意見言う場であるところの議論スレで
>>52-53みたいに一方的に排斥するのが普通だというなら、たしかにもう話すことはないが。
57 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:22:20 ID:YdUkBTJw0
>>55 >今まで見ていたロワが偏っていたんだと思います。
そのようですね。
では、よいネットサーフを。
>>56 自由に、気軽に行使していいから「権利」なんですよ。
そして権利は使っても使わなくても自由です。
使わない人間が使う人間に云々する筋合いの物ではありません。
58 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:25:22 ID:/ocLlSJ+0
通常の期限を一週間にしているから、延長した人も何とか10日以内に書き上げられるのかも知れませんね
取りあえず、次のテンプレに「飽くまで緊急措置なので可能な限り延長は避けるようにしてください」
とか、「延長が慢性化している書き手には注意が行く事もあります」
とかを付け足してみたらどうでしょう
流石に、「延長する」と言う行為をあんまり軽く見て欲しくないので
:名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:30:06 ID:/ocLlSJ+0
>>57 一応、「次は出来るだけ気を付けよう」位は考えるようにして欲しいです・・・
60 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:30:09 ID:YdUkBTJw0
とりあえず、半年ROMってくださいね。
流石に、「執筆する」「スレを運営する」と言う行為をあんまり軽く見て欲しくないので。
橘さんが良すぎる、まさにダディクールって感じ
20 :
名無しより愛をこめて:2008/06/15(日) 22:38:11 ID:ye7jL8MpO
ライダーきっく
良くも悪くも一直線だったTVの橘さんと比べて映画の橘さんはよく分からない人だったがまさかここまでとは…
22 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 01:44:17 ID:/fbEgekzO
それで?
>1
いつも将軍氏に立てて頂くのもアレなので(好きでやってらっしゃるのなら
何も言いませんが。スレ立て連続でやるのもいろいろと大変でしょう)。
ここは皆さんで協力して運営するべきスレですので、次回は私が
立てましょう。安心してください。
このスレ立てたの将軍じゃねぇけどな
言ってやるなよwwwwwwwww
26 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 04:29:13 ID:/fbEgekzO
チャット仲間の誰かだな
ようするに将軍からみて住人よりチャット仲間のほうが信頼できると
それでもヤツのことだからスレ立てしてくれたやつにも文句の一つは言ってるだろうな
大佐カワイソス…
まさに橘さんの組織は「内部崩壊」されたわけなのですが。
しかし橘さんは最高です!(ボロボロな意味で)
28 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/16(月) 05:13:08 ID:NnVJyKds0
確かに橘さんは最高だ!(ボロボロ的な意味で)
そして突然な上新規ですが東條悟予約します。
/
>>28 期待してます!
頑張って〜。
結構二週目キャラが増えてきたなぁ。
>>28 頑張ってください。出来れば延期はしないように。
>>24 事故にでもあって大怪我すればいいのにと思います。
休ませてあげるにはそれ位してあげたらいいと思うので。
というかライダーロワに彼はいらないと思います。
本郷(R)、ダグバ、手塚のSSですが申し訳ありませんが予約延長を申請します。
それで以前自分が投下した死神、牙王、ゴルゴス、影山のSSですが申し訳ありません。牙王の現在位置を間違えていました。
幸い予約も入っていないようなので、牙王の現在位置をH-5南西部からG-4南西部に変更してもよろしいでしょうか?
今頃こんな事言ってもうしわけありませんがよろしくお願いします。
34 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 17:14:59 ID:/fbEgekzO
カスが!!
許されるわけねぇだろ
>>33 良いと思いますよ
間に合うようにがんばってください
>>32 ヒドス・・・
さりげにマーダー予備軍ですよね、ダディ
予約延長は権利ですが位置変更…どうでしょう。
37 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 18:21:26 ID:2K/IOoVM0
>>36 間違いだから直さないとまずいだろ。
死神、影山と別れた筈の牙王がまだ二人と同じ位置にいて、
牙王の後に着いてきていたゴルゴスが一人だけ離れた位置にいるのを放置しろと?
それは確かにまずいなw
>>33 という訳でよろしくお願いします
39 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 19:26:24 ID:/fbEgekzO
あまり将軍をいじめてやるなよ
あいつは自分が全て正しく正義であり反対するものは悪であると考える特撮板らしいやつなんだから
普段は問題ないが客観的にみてもおかしい時にまで自分が正義と盲信するだけ
それに叩きやすい将軍が消えると色々とやりにくい
奴が消えない程度にいこうぜ
皆さんどうもありがとうございます。
それではwiki内の本文、現在位置を
>>33の内容で変更させてもらいます。
ご迷惑をお掛けしました。
>>28 楽しみにしています。
ところで、ご利用のトリップはキーが公開されています。
数字だけでないキーを使ったトリップへの変更をおすすめします。
>>33,40
了解です。
それでは、今から投下します。
本郷は荷物の中に押し込んだ一文字の首輪を思った。
これをそのままにしていれば、一文字を生き返らせることができたーーーー少なくとも放送はそう言っていた。自分のしたことを考えて、気持ちが揺らがないわけがない。
だが、頭ではわかっている。あの連中の手を借りて一文字を復活させるには、誘いに乗って他の参加者を抹殺せねばならないのだ。
応じた所で彼らが約束を守ると言う保証はなくーーーーいや、たとえ保証があったとしてもそれは自ら悪に堕すると言うことであり、己の心が許さない。
一刻も早く首輪の秘密を探り、これを解除して主催者たちを打倒しなければ。本郷は気持ちを改めて地図を見直した。
首輪の解析手段がある場所といえば研究所か、あるいは大学か。いずれにしても地図では北方に記されている。
丸々歩いたのでは時間がかかりすぎる。この状況で、時間は何よりも貴重だ。
先ほどの放送によれば、近いうちに列車が通過するゾーンの一部が禁止区域になるという。つまりその後は、せっかくの交通手段が分断され、北まで抜けるには電車を一度降りて禁止区域を迂回しなくてはならなくなるわけだ。
ならば今のうちに、列車を使って一気に北に抜けてしまった方がいい。
関連施設が北に偏っている以上、首輪を解除しようと考える人間の多くが北に集まって来るだろう。仲間を見つけることも可能なはずだ。
幸い、今自分のいる場所からは駅のありそうな放送局が近い。彼は地図を畳み、目指す方向に向けて歩き出した。
市街地の町並みはこぎれいに整っていて、とても死の遊戯の舞台とは思えない。大都市というほどの賑やかさではないのが、余計に違和感を醸し出す。
四階建ての小さな放送局の前に、駅はあった。
道路を横切る踏切は僅かに錆び付き、鮮やかなはずの黄色は朝の赤みを帯びた陽光に痛々しく濁っている。開け放たれた改札を通ってホームに登ると、壁から半端に剥がされたポスターが目に入った。
彼らは何のために、わざわざこんな大掛かりな惨劇を仕掛けたのだろうかと思う。規模も大きければ、結果も深刻なものだ。ショッカーと同じかそれ以上の技術と勢力がなければ、発案も実現も不可能だろう。
やはり何らかの形で世界を支配することを目的としているのか。
だとすれば、止めねばなるまい。なんとしてでも。
彼は荷物の中から、鈍色の首輪を取り出した。冷たい表面に指で触れるだけで、友を失った悲嘆が胸に込み上げて来る。その感情を押し殺しつつ、せめて待ち時間を有効に使おうと金属の固まりに目を落とす。
輪の内側は中が見えないほどに細かいメッシュ状になっている。なにより気になったのは、そこにこびりついた白い汚れだった。指でこすり落としてみると、粘りはないがしっとりとした感触がある。灰とも違うし、汗の塩分が固まったわけでもなさそうだ。
試しに匂いを嗅いでみるが、ほのかに甘い香りがするだけで特に刺激臭はない。これを調べれば、何かわかることもあるだろう。そう考えているうちに、列車が到着した。
普通に乗り込もうとした直前、本郷はふと思い付いて車両の連結部に駆け寄った。
車両内では死角が多く、もし悪意のある存在が乗り込んで来た時に気づくのが遅れれば致命的な事態になりかねない。
幸い、この車両にはパンタグラフがない。線路上の警告表示を見ると、地上から電気を供給しているのだろう。となると、屋根の上に潜伏していれば安全に他の乗降客を見定めることができる。
彼は窓枠を手がかりに電車の屋根に登ると、先頭車両の最前部まで歩いてその場に膝をついた。こうすれば、端から見ても目立ちにくいはずだ。
軽やかなチャイムとともに列車が動き出す。静かに揺れ動く町並みは、彼を名残惜しげに見送るようにもみえた。
* * *
風のエルは、朝の大気に乾いた唇を今一度舐めた。
そろそろ放送の時刻だが、そのことすら忘れていた。仮に覚えていた所で、誰が死のうと、御使いには関係のないことだ。
彼が求めるのは力ある者、死に敗北するものたちではない。創造主の掟を犯すものを狩り、リヴァイアサンのごとく飲み下すこと。自分はそのために翼を得たのだと、風のエルは血に酔った魂で考えていた。
力持つ者たちの血は、まさに力を持つがゆえに甘い。主がアギトを憎む理由がその力であることを、彼は漠然と理解している。創造主の愛すべき羊として飼われるために生まれた人間どもは、己の足で立つべきではないのだ。
だが……己の足で立つことを覚えた者たちの血は、水よりも濃く、甘い。
墜ちた天使は飢えた猛禽の瞳で、森の木々が途切れる方角を見た。
街灯が一つずつ消えて行く様子で、そこに人の子が歩む道があることを知る。
ならば我は人の前に立ちはだかり、彼らを狩るのみ。
風のエルは浮ついた足取りで、道の開けた方角へと向かう。禁断の果実を味わうために。
その背には、神から授かった翼の名残りが刻まれている。
道路と線路が並走している辺りに、くたびれた駅がある。柵のペンキははがれてまだらになり、ホームの半分ほどを覆う屋根もいくらか破れ穴が空いていた。
風のエルは空を求めるように線路からホームへ、ホームから柵へ、柵から屋根の上へと飛び上がった。さざめく木々の間、水平線から弱々しく漏れ出した暁光に浮かび上がるシルエットは天使とも悪魔ともつかない異形の美しさだ。
耳障りな音を立てて、鋼鉄の蛇が駅へと滑り込んで来る。無造作に屋根に飛び移ったエルを乗せ、列車はゆっくりと走り出した。
* * *
立たせたあとも自分の手を握ったままで離そうとしないのは、おそらく不安の現れだろう。
「歩ける?」
訊ねると、真魚は小さく頷いた。そっと手を解きながら、澤田は続けた。
「彼らの後を追いかける。いいよね」
彼の言葉に、少女がはっと目を見開く。やはり恐いのだろう。それはわかっているが、今は彼女の不安を取り除くよりも先を急がなければならない理由がある。
相手が無力なうちに、息の根を止めなくてはならない。
むろん、今は澤田自身も変身出来ない。そのかわりというのもおこがましいが、真魚に支給された銃がある。
ライダーとはいえ所詮は人間。変身を封じられた状態であれば、銃でも殺せるはずだ。問題は、相手がオルフェノクのような怪人であった場合だが……。
不死身の参加者はいない。詳しいことは知らされなかったが、少なくともすべての参加者は殺すことができるということを、彼は村上に確約されていた。
一発で倒せないなら二発。それでも駄目なら三発。すべての弾を使いきってなおとどめをさせなかったとなれば、そのとき改めて逃げればいい。全弾を空撃ちでもしない限り、追走を送らせる程度の傷は負わせることができるはずだ。
現実的な計算を巡らせる澤田と裏腹に、真魚の顔は青ざめている。誰かを傷つけることを恐れるのは、人間ならばありがちの感情だ。
「君のためなんだ。ああいう連中をどうにかしないと、そのうち君が殺される」
ーーーーそんなことになったら困る。君を殺すのは俺でなくちゃいけない。
真魚と自分自身、二人にそう言い聞かせると、彼は真魚の荷物から予備弾を取り出してリボルバーに詰め直した。銃とともに支給された弾はこれが総て。もともと生身の人間にしか効かない非力な武器だが、これでは本当に気休めどまりだ。
その分自分が彼女を守らなければならない、ということになる。
それもいい。それだけ心を砕いた相手すら、自分はこの手で殺せるーーーーそのことを見せつければよいのだから。
もしここにラッキークローバーの誰かがいれば、彼女を守ると言う事実そのものが澤田が感情に振り回されている証拠だと指摘したかもしれない。そして、彼はなおさら自分自身への怒りにとらわれたことだろう。
それをする者がいないのは幸いなことなのか、それとも不幸なことなのか。今は誰にも答えようがなかった。
木々がまばらになって来たあたりで、苛立たしいアラーム音が響き渡る。打たれたように足を止めた真魚をそのままに、澤田はポケットから携帯を取り出した。
白々しい女の声が、無造作に死者の名を告げる。澤田は同じくらい無造作にそれを聞き、数を数えた。まだ八割がたの障害が残っている。先は長い。
傍らを見やると、真魚は今にも泣き出しそうな顔をしている。
「知ってる人、いたの?」
少女は黙って首を振った。
「そう。俺は少しだけ安心したよ」
「え……?」
驚いて目を見開く真魚から顔をそらしたまま、澤田は言葉を継ぐ。
「君を傷つける人が減ってくれたんだからね」
それは彼の本心でもあり、本心を偽る言葉でもある。それを聞いて、真魚は足を止めた。
歩き続ける澤田の背後から、苦い問いをぶつける。
「みんな、怪物なんですか」
「そう思わないと、傷つくよ」
少年は、その場に立ち尽くす彼女を振り返った。
「君には、傷ついてほしくない。誰にも殺されてほしくないんだ。だから……」
誘うように腕を伸ばす。
少女はその手にすがるしかないことを、彼はもう確信していた。
* * *
駅前へと続く大通りが見えて来た所で、荷物が軽やかな音を立てた。
「デネブ、ちょっと待ってくれ」
「どうした加賀美。忘れ物か?」
「違うって。荷物の中……」
デネブに担がれたまま、バイブ機能を手がかりに携帯を引っ張り出す。サブディスプレイに刻まれた時刻はちょうど六時。放送が予告された時間だ。
急いで携帯を開くと、そこには既に女の無機質な笑顔が張り付いていた。
丁寧に読み上げられる名前。幾つ目かを聞いた所で、加賀美の手から携帯が落ちる。
「……そんな……天道、が……?」
愕然と呟く加賀美を背負ったまま、デネブは黙って携帯を拾い上げた。そのまま足を速めて駅へと急ぐ。
デネブの胸板を、加賀美の握りこぶしが叩く。
「くそっ、天道……お前が……ッ!」
「加賀美……」
デネブは不意に足を止めた。
「ごめん、力になれなくて」
大仰に頭を下げる仕草で、加賀美の身体も揺すぶられて痛みがぶり返す。
「そんなんじゃない」
加賀美は苦しげに吐き出した。
「そんなんじゃないんだ。お前のせいじゃない……」
* * *
本郷の目が、彼方に列車の姿をーーーーそして、その上に立つ影を捉えた。
その姿は遠目にも人間のものではないことが見て取れる。なにより、電車の屋根に立っているなど、正気とは思えない。もっともこの点に関しては、彼の言えた義理ではなかったが。
本郷は全身を緊張させながらも、身を低くして相手の様子を伺った。
互いに速度を落とさずに、二つの列車がすれ違おうとする。
目が合った瞬間、怪人の瞳が朱く煌めき、舌なめずりをするのが見えた。
危険だ。本能的にそう思う。と同時に、あることに気づいて本郷は振り返る。
ーーーーあの怪人は、市街地に向かっている。
どれほどの参加者が市街地にいるのかはわからない。だが、あの瞳は紛れもなく、獲物を求める獣のそれだ。今ここで見送れば、どれほどの被害を出すかわからない。
止めなくては。
彼は頭脳ではなく心でそう判断すると、列車の最後尾に向かって走り出した。間を計り、対向列車へと飛び移る。
その場に手をついて体勢を立て直した彼の目の前で、屋根が軋んだ。
揺れる列車の上、獲物を狩る猛禽の瞳がこちらを見据えている。
「お前の血は、何色だ」
羽衣を風に揺らせながら、その獣は問うた。
朝焼けを照り返す羽は血がにじんだような奇妙な色に染まっている。なによりその瞳に宿す飢えと狂気が、見るものに畏れを抱かせる。
ただの人間であれば、恐怖に駆られて逃げ出してもおかしくない。
本郷猛は決して臆病ではなかった。それでも人ならぬもの、人の手にすらよらぬものの気配に、一瞬たじろいだ。
その隙をつくように、風のエルが飛びかかる。
踏みしめられた列車の屋根が悲鳴を上げる音は、レールの苦しげな呻きにかき消されてほとんど聞こえなかった。素早く身を交わした本郷が、傾いだ屋根に足を滑らせて倒れ込む。最前まで彼が立っていた場所は、風のエルの鋭い爪に貫かれていた。
列車が緩いカーブにさしかかり、その勢いで本郷の身体が流れる。屋根の縁に手をかけてどうにか落下を免れた本郷を、風のエルは冷たく見おろした。
苛むのではない。助けるのでもない。見守る、と言う言葉が一番近いだろう。風のエルは待っていた。見守っていた。目の前の人間がその力を示し、這い上がって来るのを。
本郷は腕に力を込めて身体を引き上げた。目の前に、風のエルの白い羽衣が揺れている。
「そうだ、それでいい」
姿勢を立て直す本郷に、風のエルが腕を延ばす。本郷はそれを振り払い、数歩下がって距離を取った。
「変……身!」
足下を鋭く踏みしめ、宙へと舞う。
再び降り立った時、その身は深緑の表皮に覆われていた。
相手が力を得た人間であることを、風のエルは即座に理解した。
と同時に、自分が今完全な力を出せないことも感じている。今は逃げるべき、その考えは頭にあるが、闇雲に背を向けたのではすぐに追いつかれるだろう。血を求める衝動を完全に押さえ切れていないというのもある。
エルはろくに確かめてもいなかった荷物の中から手に触れたものを引きずり出し、それを握って殴りつけた。
仮面ライダーの力を得た両手が、グレネードランチャーの銃身を押さえ込む。変に力がかかった影響で引き金が引かれ、弾が至近距離からライダーの腹を捉えた。
目立った傷を負うほどではないが、衝撃を受け止めた一号が一歩後ずさる。二人の間に煙が立ちこめ、風のエルが僅かにひるんだ。
厚い煙幕の中、本郷は相手に鋭い蹴りを浴びせた。グレネードランチャーがそれを受け止めた勢いで跳ね上げられ、線路脇へと落ちてゆく。
敵わない。
神の英知を分け与えられた怪人は確信した。辺りに煙が立ちこめているのを幸いに、車輛から飛び降りる。そのまま嫌悪を感じながらも列車が向かうとは逆の方向、市街地へと走り出した。
いまここで危険な怪人を見送る法はない。首輪の解析はまだ頭にあったが、本郷はそれよりも目の前の敵を仕留めることを優先すべきだと判断した。幸い、路線の一部が禁止エリアの一部になる前に、もう一本電車があるはずだ。それが来るまでに決着をつける。
* * *
ストーブの消えた駅員室で、加賀美はデネブが自分の手当をするに任せている。
デネブは余計なことは何も言わない。ただ、黙々と消毒をし、包帯を巻き続ける。駅員室に救急箱が置かれていたのは助かった。
最後の傷に包帯を巻き終え、デネブが手を下ろす。空になった救急箱を見つめたまま、加賀美は呟いた。
「デネブ、お前結構器用なんだな」
……ちょっとやり過ぎだと思うけどな。ミイラと見まごうほどぐるぐる巻きにされた腕を見つめながら、加賀美は思う。怪我したのは腹だが、sp例外も包帯まみれにされたことについて贅沢は言わない。誰かが側にいて、一緒に戦ってくれるだけで心強い。
天道が死んだ。その事実そのものが、彼を絶望的なまでに打ちのめす。
常に孤高を保ち、矜持を抱き、その態度にふさわしいだけの実力を備えた男。傍若無人ぶりに苛立つこともあったが、それでも認めざるを得ないほどの輝きを天道総司という男は放っていた。それが一夜のうちに陰り、墜ちるとは。
この場所はどこまで危険なのだろう。
部屋の隅でお茶を入れ始めたデネブのデイパックはやけにふくれている。ここまでの途上でかき集めた山菜類ばかりではなく、支給品に含まれていた大量の弾丸が場所を取っているからだ。
弾丸。銃すらない状態で。
まだガタックに認められる以前、加賀美は銃だけを手にワームと渡り合ったことがある。小口径の銃は言うまでもなく、特殊部隊用のマシンガンブレードすら、よほど上手に使いこなさない限り蛹ワームを倒すことすらおぼつかない。ましてや弾丸だけで何をしろというのか。
強くならなければ、と思う。誰かを守れるほどに。誰かを信じられるほどに。
デネブがプラスチックのお盆を側のテーブルに置いた。
「なあ、デネブ」
山と詰まれたデネブキャンディーとにらめっこをしながら、加賀美は呟く。
「お前は、一人で戦えって言われたらどうする?」
「戦うよ。当然じゃないか」
デネブは答え、ゆっくりとマグカップに緑茶を注ぐ。
「はい、どうぞ……誰かに戦えって言われることは、誰かが何処かで戦ってるってことだ。だから、その人に出会う時のために、できることをすればいい」
「もし、その人がもういなかったら?」
加賀美の問いの意味を察して、デネブが静かに腰を下ろす。
「天道とはもう合流できないーーーーそれは本当かもしれない。でも、天道と同じ気持ちで戦ってる人は、どこかに必ずいるはずだ。だから、その人のために!」
奇麗事だ、とあしらうのは簡単だった。だが、デネブもおそらくそれをわかって、あえて正論を口にしているのだろう。
なにより、天道は奇麗事すら実現してしまう男だった。ここで諦めたら、あの世で笑われる。
加賀美は湯気を立てるお茶を一気に飲み干して立ち上がった。
「もうすぐ電車が来る。ホームに降りよう」
「あ?うん」
手で口を押さえて駅員室を出て行く加賀美を、デネブが追いかける。
「どうした、加賀美。だいじょうぶか?」
半ば涙目の加賀美は、問いかけられて呟いた。
「……お茶が熱かったんだよ。舌を火傷した」
「そうか。ごめん!」
深く頭を下げるデネブをよそに、加賀美は顔をしかめたまま階段を駆け下りた。
* * *
必死に市街地を走り抜け、物陰に身を隠す風のエルをライダーが追う。傍目には奇妙な風景だったが、追われる側に取っては深刻な現実だった。
人間。アギト。アギトではないがそれに匹敵する力を持つ人間。人間でもアギトでもない存在。この世は主が破滅を望むのも無理ないほどに汚れている。だがその穢れは禁断の蜜の味。人が溺れても不思議はない。
力あるものの血の味を知った御使いは、そう考える。
エルは荷物から戦いに使えそうなものを一つだけ引きずり出し、残りを捨てた。翼を折られた身には僅かな道具も重荷になる。
羊の皮を被ったこの狼たちを屠るためには、主から与えられた力を出し切らなければならない。その状況に畏れと同時に喜びを抱く風のエルは、もはや御使いと呼ぶにふさわしくないのかもしれないが。
畏れ、怒り、恐怖、歓喜、あらゆるものの入り交じった陶酔感に浸りつつ、エルはその場を見渡す。
辺りは何の変哲もない市街地だ。つぎはぎだらけの塗装を施された道路の所々に、かさぶたよろしくマンホールが埋まっている。淡い光の中、風景はモノクロの写真のように沈黙していた。
研ぎすまされた五感を駆使して、本郷は地に落ちた天使の居場所を探る。
市街地の入り組んだ道路と建造物が視界を遮り、わずかな足音も人が消えた町の生命反応を維持する生活音に紛れて満足に聞きとれない。
僅かになにかが軋むのを聞き、振り返る。
朝日を背に負った影が剣のようなものを振りかざす姿に、本郷は地を蹴った。風のエルが振り下ろしたパーフェクトゼクターが、アスファルトに当たって深い亀裂を刻む。
ライダーは空中で体勢を整えると、足を突き刺さんばかりに延ばして舞い降りた。とっさに剣で受け止めた風のエルが、一瞬の後衝撃で背後に吹き飛ばされる。
本郷が駆け寄るより先に起き上がった風のエルは、身を翻して脇の路地に消えた。本郷も即座にそれを追う。
が、角を曲がった先には誰もいなかった。
次の交差点まで走り抜け、目を凝らして確かめるが、どこにも人の気配はなかった。疑念を抱いたその時、変身が解ける。
無防備になったのでは仕方がない。本郷は一旦追跡を打ち切り、駅へと戻ることにした。逃げた所を見ると、おそらく剣のほかには戦う手段も限られているのだろう。同じように戦う手段を断たれた自分が追いかけても、時間を無駄にするだけだ。
彼は状況を見誤るほど冷静さを失ってはいなかった。
途中で出会ったものたちには、あの怪人に警戒するよう伝えるとしよう。そう心に決め、再び駅を目指して歩き出す。小一時間の無駄ならば、そこまで致命的な事態も起こすまいと信じながら。
彼がまたぎ越したマンホールの一つが、僅かにずれていることには気づかないまま。
* * *
一本目の列車には誰も乗って来なかった。このまま待ちぼうけになるのは困るが、とはいえ加賀美も傷を負って疲れている。次の列車までは待ってみることにして、加賀美はホームの椅子に腰を下ろした。
線路を吹き抜ける風は僅かに湿っていて冷たい。それが傷の痛みを打つおかげで、却って頭が冴えて来る。
それは現実の厳しさを思い知らせる感触でもある。
奇跡は起こらない。希望は叶わない。ただ待ち続け、望むだけでは。
だからこそ、この手で掴まなければ。天道が、自らその手で未来を掴んでみせたように。
「なあ、デネブ。せっかくだから、お前の仲間たちのことをもっと話してくれないか」
「いいとも!」
腰に手を当て、胸を張って話し始めるデネブの言葉に、加賀美は全力で聞き入った。柄じゃないのはわかってる。そんな器じゃないかもしれない。でも、早く、たくさん仲間を集めて脱出する。それが、一人では道を切り開けない自分の戦い方だから。
*
腰に刺した銃に違和感があるのか、真魚は時折ベルトの辺りに手を当てている。澤田はそれに気づかぬ振りで歩き続けた。彼女が不安ならむしろ好都合だ。自分だけを頼り、信じるように仕向ければいい。
先ほどは高速で離脱されたとはいえ、青いライダーの消えた方角とその場にある道から方角は北東だろうと見当をつけた。道なりに森を抜けると、東から湿った大気が吹き付けて頬をねぶり始める。
向こうの方に見える明かりは駅だろうか。もし他の参加者が合流していれば厄介なことになる。接触の際は気をつける必要があるだろう。なにより、真魚が疑いを抱かない方法で殺しを受け入れさせたい。
一旦足を止めて振り返ると、真魚が心配そうにこちらを見つめる。
「心配しないで。君は俺が守るから」
自分に言い聞かせるように呟いて、再び歩き出す。真魚は小さく頷いてあとを追った。
駅前の通りには店が建ち並び、その明かりと朝陽に照らされたロータリーの花時計が鮮やかに空を仰いでいる。改札口にも、その付近にも人の姿はない。
駅員室の扉が開いたままになっていることに気づいていれば、澤田も真魚を置いてホームに降りたかも知れない。気づかなかった結果、彼らは連れ立って跨線橋を降りることになった。
ゆっくりと入線する列車のせいで、彼らの足音はかき消されている。だがそれは他の音についても同じだった。
最後の数段を残した所で、ようやく澤田が人影に気づいて立ち止まった。
ホームには黒装束の怪人が突っ立って、なにやら誰かに話しかけている。気取られないようにと壁に張り付いたところで、気づいた真魚が小さく悲鳴を上げた。
怪人とベンチに座っていた男が同時にこちらを見る。
「お前……ッ!」
男の声で発砲の体勢を取ったデネブを見て、澤田はとっさに真魚を庇った。次の瞬間、愚かだったと自嘲する。が、今更突き放すわけにも行かない。
腕の中でぐい、と真魚が自分の服を握りしめるのがわかった。彼自身も覚悟を決めて身を堅くする。
次の瞬間聞こえたのは、火薬がはぜる爆音ではなくーーーー何かが崩れるような轟きだった。
* * *
人は恐怖に襲われたとき、世界を否定しようとすることがある。
もともと生まれたばかりの赤ん坊は、己の欲求が満たされない時には世界にその原因を求める。
成長するうちに少しずつ彼我の距離を覚え、悲しみを受け入れるようになって行くものの、受け止めきれない重荷にぶつかった時には理性ではなく感情が爆発するのも時には避けられないことだ。
彼女を襲った感情も、それだった。
怪物への恐怖、死の不安、そしてなにより今の状況に対する絶望と怒りが胸を貫き、胃の腑を激しく焼き焦がす。そこにたまった痛みを、彼女は全力で吐き出した。
大気が冷たく震え、背の高いフェンスを揺さぶる。そよ風すら吹いていないにも関わらず広告が歪み、擦れ合った金属が忌々しい音で辺りを引き裂いた。
隣のホームに入って来た列車が、輪をかけて空気を軋ませる。
それが頂点に達した時、一瞬の青い閃光に続いて、耳をつんざくような轟音が響いた。
何かが爆発でもしたかのようにホームの天井が崩れ、降り注ぐ破片で一瞬視界が塞がれる。
「加賀美!」
瓦礫の山を振り返ったデネブが慌てて叫ぶ。
先ほどまでベンチのあった場所は、完全に瓦礫に埋もれていた。
完全に動転した様子の怪人が、一歩一歩こちらへと近づいて来る。
「お、お前たち、何をしたんだ??一体、何がどうなって……」
身体を離して辺りを見回した澤田の目に、銃に絡まる真魚の白い指が映った。
少女は震える手でコルト・パイソンを構え、威嚇するように黒装束の怪人に向ける。その動きだけで、相手は動きを止めた。
ほっとしたように、真魚の緊張が緩む。
澤田は素早く彼女の身体を後ろから抱き寄せると、銃を握る手に自分の指を重ねた。
「え……!?」
悲鳴のような喘ぎを無視して、彼は引き金を引いた。
一発目は肩に。
二発目は腹に。
三発目は胸に。
四発目は崩れ落ちた相手の額をかすめ、五発目と六発目は屈んだ相手のどこに当たったかもわからない。
澤田はトリガーが虚ろな音しか響かせなくなったことに気づき、弾を込め直そうとした。が、倒れ込んで来た少女の身体の重さに拒まれる。
黒い人影はホームに倒れ込んだまま動かない。彼は片腕で真魚を支えてベルトに銃を返すと、床に落ちた相手のデイパックを拾い、彼女を抱き上げてその場を離れた。
相手は攻撃の態勢を取ったが何もできなかった。とすれば、ちょうど弱体化している時間だ。あの距離から銃弾を複数打ち込まれれば、無事ではすまないだろう。
胸元を引っ張られる感触に視線を落とすと、真魚が彼のパーカーを掴んで顔を埋めているのが見えた。
* * *
真魚はロータリーを望むベンチに腰掛けたまま黙りこくっている。その頬を伝う涙が服に落ち、膝の辺りに大きな染みを作っていた。
怪人とはいえ、自分が殺した。その考えに苛まれているのだ。
他人を殺すことで胸のつかえを下ろしてきた澤田にとって、彼女の苦しみは理解出来ないーーーーいや、理解出来るからこそしたくないものだった。
誰かの死に痛みを感じるのは人間の心を持つからこそ。そんな感情はもはや人ではない自分には必要ない。
……その心を持つならば、自分という存在は許されない。
憂鬱な思考にまどろむ意識を振り払おうと、彼は荷物を探った。
今手に入れたバックパックから、泥まみれの山菜と一緒に弾丸のケースが出て来る。どうやら手持ちの銃に使える弾もあるようだ。これで少しはマシになる。
他にも使えそうなものを選んで自分のデイパックに移す。
作業をしている間、真魚はずっと黙ったままで俯いていた。
どう言葉をかけたものかと考えて、ふと自分に支給されたくだらない道具を思い出し、それを引っ張り出す。
参加者への粗品と言うにはあまりに場違いな、最新型のiPod。裏にはご丁寧にスマートブレインの社章が刻印されているが、携帯電話と違って記念品というわけではないだろう。
あらかじめ結構な数の曲が入っていることを確認すると、澤田はイヤホンの片方を差し出して訊ねた。
「何か、聞く?」
真魚は頷いてそれを受け取り、黙ったまま耳に挿す。
彼はもう片方のイヤホンを自分でつけ、適当に指を動かした。流れて来た静かなピアノの旋律は好みではなかったが、彼女が大人しくしているのでそのままにしておく。
ポケットに残っていた紙を深い考えもなく折っていると、真魚が自分の方にもたれかかって来るのを感じた。出来上がった紫陽花の花を差し出すと、細い指がそれを受け取る。
一瞬触れ合ったときの体温には、痛みと同時にかすかな懐かしさがあった。
* * *
風見志郎は、屋根のついたバス停のベンチで放送を聞いた。放送が終わるとすぐに携帯を閉じ、デイパックにしまい込む。その仕草に感傷は見られなかった。
少し考えて立ち上がり、バスの路線図に目をやる。駅の場所を確かめるためだ。
わざわざ誘いを聞かされたのだ。早速列車を利用しようと思うものがいるだろう。移動手段を持つ人間が少ない以上、明確な目的地がある場合は列車を使わざるを得ないという現実もある。
参加者同士が分断され、連絡手段も持たない現状では、数多くの参加者が一斉に特定の駅に集まることは考えにくい。ならば現れた順に各個撃破すればいい。彼にはその力があるし、そうせねばならない理由もあった。
勝利を得て、たった一人のかけがえのない妹に新たな生を与えること。僅かな希望に念を押すような言葉もまた、先ほどの放送にはあったのだ。
あとは何人死んだかだけが重要だった。誰が死んだ、などと言う情報は彼に取ってはさほど意味がないーーーーただ一人、葦原涼の名が挙がらなかったことには驚いたが。
安堵と言ってもいい感情が湧いて来たことに、我ながら疑念を感じる。
彼は改めてポケットからピンクの時計を取り出した。
上品なつくりの文字盤に重なる針はもう動かない。
二人の間で止まってしまった時を、ちはるの失われた未来を、再び繋ぐことができるのなら鬼にでもなろう。どれほど罪深くても、それが自分の心が求める戦いなのだから。
来る宛のないバスは、この場所を経由して研究所ともう一つの駅を繋いでいたらしい。地図と放送の限りでは、東方にある連絡駅がそれだろう。おそらくその駅が、最も大きな「狩り場」になる。
再び戦えるようになるまでの時間稼ぎもかね、彼は一旦バイクを駆って西へと向かった。線路沿いに駅を確認しながら進み、工場脇のガソリンスタンドで一旦ガソリンを補給する。
工場の敷地を鉄条網に絡んだビニール紐が風に煽られ、所在なげに揺れている。寂れた敷地に佇む工場の搬出口は閉ざされ、非常灯の黄ばんだ光が朝の日差しに抗うように弱々しく窓に張り付いていた。
途中で30分発のジャンクション行きに追いつく。確認したところ、人が乗っている気配はない。そこで風見はあえて列車を追い抜かず、並走することを選んだ。
電車と一緒ならばエンジン音も多少はカバーされるし、自分の気づかない所に人目があっても列車に気を取られる可能性が高い。
四両編成の車輛は空き地の多い郊外を静かに駆け抜けてゆく。店の増えて来た辺りで、風見は一旦道ばたの時計を確認した。そろそろ前回の変身から二時間たつ。これでまた安心して戦えるようになったということだ。
ジャンクション駅が見えて来た辺りから、線路が交錯していて並走は難しくなった。見通しの良さを考え、やや上り坂になっている道を選ぶ。
絡まった糸のように迷走する線路の上を、ゆっくりとホームに滑り込んで行く列車。底には既に人影があった。窓枠に遮られてわかりにくいが、ホームに一人、階段際に一人か二人。互いに向かい合っていて、まだこちらには気づいていない。
とはいえ、物陰に人がいることも考えられる。
陽動をしておくのが無難だろう。
風見は自分の荷物からあるものを取り出すと、もう片方の手に携帯を持って素早く何かを打ち込み、人のいるホームの屋根に向かって放り投げた。
支給品の中にあった最新式の爆薬。彼は知らなかったが、試験的に合成されただけでコストを理由に量産されていないタイプの爆弾だった。そんなものを支給できるというだけで、このゲームを主催する会社の素性に疑いを抱くものもいるだろう。
別の列車が隣のホームに滑り込んで来るのを見て、風見は指に力を込めた。
シグナルを受信した爆薬が、ホームの屋根を吹き飛ばす。
爆風を遠くに感じながら、風見志郎は自分の心を覆い尽くす仮面を手に取った。
*
静かに駅へと滑り込む列車。車窓に映った光景に、本郷は思わず立ち上がった。
隣のホームの屋根が吹き飛び、一部が完全にホーム上に崩落している。自然に起きた事故ではないことは、わずかな閃光から明白だった。
ゆっくりと速度を落とす列車の窓から、何か黒いものが瓦礫の側に倒れ込むのが見える。彼は列車が止まるのももどかしく、窓を開けてホームへと飛び降りた。
身を起こし、向うのホームに駆け寄る彼の前で、別の影がホームに姿を現す。
足先で確認よろしく黒いものをつついたその人物は、彼の足音に気づいたのか鋭い動きで振り向く。
「……お前は!?」
赤い仮面に光る深緑の目。銀の胸甲を朝陽に輝かせるその姿は紛れもなく仮面ライダーだ。それも、ただの仮面ライダーではない。
もしも、自分が新たな仮面ライダーを作ることになっていたら。そんな考えの元に思い描いたものと寸分違いのない姿がそこにあった。
悪夢か、それとも希望か。その姿に、一瞬本郷は考えを惑わされた。
むろん本郷は、きたるべき未来が訪れていれば実際に彼が目の前の男とよく似た仮面ライダーを作ることになっていたとは知るべくもない。そして皮肉なことに、ここにいる風見志郎は彼を敬愛し、結果として彼と一文字によって命を救われた男ではなかった。
誤解ですらない一瞬の困惑は、すぐに痛みに取って代わられた。
本郷の背から、自然にはない素材がが覗いている。
赤く煌めく刃の先からは鮮血が滴り、コンクリートの床が少しずつ染みで汚れてゆく。
変身した仮面ライダーの全力でデンガッシャーを突き刺されたのだ。いかに改造人間とはいえ無事で済むはずがなかった。
それでも本郷は力を振り絞り、目の前の男の仮面に手をかける。
「君は……仮面ライダーじゃないのか!」
その言葉は疑問ではなく叱責だった。己の心を持つならば、誇りを持つならば、何のために戦うべきかを糾す言葉だ。皮肉なことに、それはつい先刻風見を救おうとした男が投げかけた言葉に似ている。
ーーーーまだ、お前は仮面ライダーじゃない。
本郷の最後の力が風見から仮面をはぎ取り、端正だが感情に欠ける顔を朝陽の元に晒す。風見はそれを厭いもせず、握った剣に力を込めた。
彼は仮面ライダーではない。ただ、己の心を仮面の下に隠している戦士にすぎない。
仮面ライダーになろうとすら思わないーーーーそれが、ちはるを見捨てることになるのであれば。
自らが手にかけた男の名を知っていれば、あるいはその変身した姿を見ていれば、風見はもっと動揺していたかも知れない。本郷が彼が作った本物のV3を知っていれば、また違った結末もあり得ただろうか。
だが残されたのは「一人の男が別の見知らぬ男を殺した」という現実、ただそれだけだった。
* * *
血塗られた剣を抜き、風見志郎は改めて高架を仰ぐ。
ホームに降り立った直後、聞こえた足音は階段の向うへと去ってゆくものと、隣のホームから駈けて来るものとの二つ。
目の前の男への対処を優先したが、もし去って行った方にも戦闘力がないのならば潰しておきたい。もしくは奇襲を避けるため、完全に相手が退避したかどうかを確かめる必要もある。
階段を上がる途中の古いポスターで血糊を拭う。にこやかに健康茶をアピールする女性の顔が、赤茶けた汚れで塗りつぶされた。
足音を潜めて改札口の外に踏み出し、息を整えて辺りを見回す。
物音がしないせいで誰もいないのかと考え、数歩進んだ時、視界の端で何かが動いた。
*
深い吐息の音が耳をつき、澤田は弾かれるように立ち上がった。耳からイヤホンが外れ、高音のアルペジオが虚しく地面を打つ。
改札口に立つ若い男。それが彼が聞きつけた吐息の主だった。その手に握られた奇妙な形の剣は、鈍い赤に輝いている。
その姿に殺意を感じ、彼は身構えた。背後で真魚が恐怖に怯えているのが、その息づかいでわかる。
しばらくは戦う手段を封じられている以上、さっさとこの場を離れておくべきだったのだ。列車が新たな参加者を連れて来る可能性、そして列車を目的に集まって来る参加者がいる可能性を考えれば、駅前などと言う目につきやすい場所にとどまるのは明らかに間違いだった。
わかっているのに出来なかったのは、真魚の様子が心配だったからだ。いまだ感情に流されている自分が嫌になる。
ーーーー違う。彼女を守るのはあくまで自分のためだ。自分が感情にとらわれていないことを証明するためだ。
彼は少女を守るように大きく腕を広げた。
*
怯える少女を守ろうとでもいうように大きく腕を広げる少年。その様子で、風見は二つの推測を立てる。
一つ、あの少女には戦闘力がない。
二つ、あの少年は今は戦えない。
爆発の後ホームから退避したのは身の安全のためだったのだろう。
一方、自分にはもう一つ変身手段がある。そして武器も……。
「銃を貸して」
少年が叫ぶ。
「え……?」
「銃だよ!」
震える手でリボルバーを差し出す少女を見て、風見は生身で戦うという選択肢を捨てた。相手がただの青少年に過ぎないにしろ、まぐれ当たりと言うこともある。まだ四十人以上の敵を倒さねばならないのだ、危険は冒したくない。
彼はデンガッシャーを足下に落とした。緩んだ手にホッパーゼクターが飛び込んで来る。
*
相手がゼクターを握りしめるのを見て、澤田の身体が緊張する。変身されれば銃だけではまず対抗出来ない。かといって、いまさら逃げ隠れする手段もない。
それでも、僅かな可能性を信じて、かれは手に触れたものを掴んだ。
ーーーー銃じゃない。
銃にしては丸く滑らかな感触。そしてなにより軽い。はっと視線をずらすと、手の中には何か黒い物体が収まっていた。その形は真夜中に彼の目の前で灰になった男が操っていた虫に似ている。
人としての命を失った悲嘆か、過去の自分への憎しみか、それとも少女への歪んだ愛情か。ダークカブトゼクターが彼を選んだ理由は誰にもわからない。知りたいと思うものもいないだろう。今ここで意味があるのは、それが自ら望んで澤田の手に収まったという事実のみ。
そしてそれがどう言う意味かーーーー察しがつかないほど、少年も愚鈍ではなかった。
素早く荷物からベルトを取り出し、身につける。
「変身」
二台のゼクターは当然のようにベルトに収まると、ほぼ同時に発せられた二つの声をそれぞれに復唱した。
*
ホッパーの鋭い前蹴りを片腕で受け止めたダークカブトが、クナイガンを手に斬り掛かる。ホッパーは洗練された身のこなしで後ずさると、一歩深く踏み込んで宙へと舞う。
澤田はベンチの側に立ち尽くす真魚に駆け寄り、彼女を抱えて跳躍した。背後で甲高い破裂音が響き、ホッパーの蹴りを受け止めたベンチがタイル張りの壁ごと砕け散る。
ロータリーの中央に少女を下ろすと、ダークカブトは二車線越しにホッパーとにらみ合った。
ベルトに手をかけ、「キャストオフ」と呟く。
砕け散る灰色の破片を、ホッパーは素早く交わした。
それはともに一人の少女を守るための戦いであり、少女に救われるための戦いだった。許されざると知るが故にその足は退くことを拒み、赦しを望むが故にその拳にためらいはない。
同じシステムを使った先ほどの青いライダーを真似て、ダークカブトがゆっくりと腰に手を延ばす。ホッパーもまたそれを真似る。
クロックアップの宣言とともに、二人の戦士の姿は少女の視界から消えた。
プリムラの花時計の上に座り込んだまま、真魚は風が唸りをあげて相争うのをぼんやりと見守った。
自分が守られている、そのことだけは確かに感じる。どれほど恐くても、どれほど心細くても、守ってくれる人がいるのならば自分はここにいるべきなのだろう。
その人が帰る場所を守るために。
吹き抜ける風が少女の腕を取り、抱き上げる。真魚はその手を信じて身を任せた。
* * *
彼は力を込めて、目の前を覆う金属製の板を跳ね上げた。
ベンチの背と落ちて来た瓦礫の隙間に押し込まれ、辛うじて重症を負わずには済んだものの、衝撃を受けた身体は鈍く痛む。
それでも瓦礫を押しのけてどうにか這い出した加賀美の手を、誰かが掴んだ。
「加賀美……」
囁くように自分を呼ぶ声に、彼は驚いて顔を上げる。
「侑斗を、よろしく」
「デネブ?……おい、デネブ!デネブゥゥゥゥゥゥ!!!!」
ホームに倒れたままの身体ににじり寄り、激しく揺さぶる。だがそれはもう答えない。
幾度となく名前を呼び続ける加賀美の背後で、不意に足音が響く。
加賀美は振り向き、掠れた声で呼んだ。
「風間……ッ!」
*
二人組を取り逃がし変身を解いた風見志郎は、立ち去ろうとして駅の方から聞こえて来た叫び声に足を止めた。
見逃したつもりはなかったが、何処かにまだ隠れていた人間がいたのだろうか。確認のために階段を下りる。
先ほど屋根を爆破したホームで、青年が足下の死体を揺さぶっている。線路上に倒れたままのもう一人には気づいていないようだ。
背後で足を止めると、青年は振り返って目を見開いた。
「風間……ッ!」
聞き間違いかと眉をひそめ、言い間違いかと肩をすくめる。が、どうやら見間違いではなかったらしい。
「良かった……逢えて、良かった……。けど、お前が、あと少し早ければ……」
立ち上がった青年に手を強く握りしめられ、風見は思わずそれを振り払いそうになった。
ーーーーなぜ、皆自分を知ったような口を聞く?なぜ、この苦しみを理解しているような顔をする?
怒り、苛立ち、嫌悪に近い感情が胸にわき上がる。それが世界と自分自身、どちらに向けられているのか、今の彼には判断がつかなかった。
【時刻:一日目・朝】【現在地:D-9から移動中】
【澤田亜希@仮面ライダー555】
[時間軸]:34話・真理再生前
[状態]:中程度の疲労。体の各部に打撲。
ダークカブトに変身中。カイザ、スパイダーオルフェノクに1時間変身不能
[装備]:カイザギア(全装備付属)
[道具]:基本支給品、通話発信可能な携帯電話、不明支給品×3(本人確認済み)
ライダーベルト+ダークカブトゼクター、ディスクアニマル(アカネタカ)
iPod(動画再生機能付き) ファイズアクセル
[思考・状況]
基本行動方針:参加者を皆殺しにして自分が完全なオルフェノクであることを証明する。
1:風谷真魚を守る。あくまで、最後に自分の手で殺すために。
2:他の参加者を殺す。
3:なるべくオルフェノク態で戦う事を避ける。そのために一つでも多く変身装備が欲しい。
[備考]
※ダークカブトに資格者として認められました。ベルトはカブトのものを流用しています。
※能力制限等のルールについて、あらかじめ大まかに知らされています。
※澤田の携帯電話は特別仕様のため、通話の発信機能が生きています。
現在の所、通話可能な相手は主催者(村上社長・スマートレディ)のみです
【時刻:一日目・朝】【現在地:D-9から移動中】
【澤田亜希@仮面ライダー555】
[時間軸]:34話・真理再生前
[状態]:中程度の疲労。体の各部に打撲。
ダークカブトに変身中。カイザ、スパイダーオルフェノクに1時間変身不能
[装備]:カイザギア(全装備付属)
[道具]:基本支給品、通話発信可能な携帯電話、不明支給品×3(本人確認済み)
ライダーベルト+ダークカブトゼクター、ディスクアニマル(アカネタカ)
iPod(動画再生機能付き) ファイズアクセル
[思考・状況]
基本行動方針:参加者を皆殺しにして自分が完全なオルフェノクであることを証明する。
1:風谷真魚を守る。あくまで、最後に自分の手で殺すために。
2:他の参加者を殺す。
3:なるべくオルフェノク態で戦う事を避ける。そのために一つでも多く変身装備が欲しい。
[備考]
※ダークカブトに資格者として認められました。ベルトはカブトのものを流用しています。
※能力制限等のルールについて、あらかじめ大まかに知らされています。
※澤田の携帯電話は特別仕様のため、通話の発信機能が生きています。
現在の所、通話可能な相手は主催者(村上社長・スマートレディ)のみです
【風谷真魚@仮面ライダーアギト】
[時間軸]:31話・サイコキネシス発現後
[状態]:健康。激しく動揺。強い自己嫌悪。
[装備]:コルトパイソンA@クウガ(装弾数6/6、マグナム用神経断裂弾)
[道具]:基本支給品一式x2(真魚・天道)
不明支給品(本人確認済み)、首輪(天道)
特殊効果弾セット(マグナム用神経断裂弾54、ライフル用神経断裂弾20、
ランチャー用非殺傷ゴム弾5、ランチャー用催涙弾5、ランチャー用発煙弾5、ランチャー用対バリケード弾5)
[思考・状況]
1:澤田についていく。離れたくない。
2:自分の能力と支給品の銃を嫌悪。
3:怪物だらけのこの世界に対する恐怖。
4:帰りたい。でも、どこに帰ればいい……?
[備考]
※制限もしくは心理的な理由で超能力が不完全にしか発揮できません。
現状では、サイコメトリーで読めるのは断片的なイメージだけです。
※以下のように事実を誤解しています。
・サイコメトリーで見えた灰色のモンスターの正体は天道=カブト。
・灰色の怪物(海堂)と赤い怪物(モグラ)は殺し合いに乗っている。
・青いライダー(ガタック・ライダーフォーム)に変身して自分を守ったのは澤田。
・加賀美(名前は知らない)は自分がサイコキネシスで殺した。
※共通事項※
澤田がダークカブトに変身し、真魚を連れて移動中です。行き先は次の書き手さんにお任せします。
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 早朝】
【現在地:D-9 駅のホーム】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:激しい疲労と痛み。脇腹に刺し傷。頭部に打撲、肩に裂傷。
強い怒りと悲しみ。ガタックに1時間変身不能。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:風間大介(実際には風見志郎)を連れ、他の仲間、特に桜井侑斗と合流する。
2:危険人物である澤田と真魚(名前は知りません)を倒す。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚(警戒)
【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【1日目 早朝】
【現在地:D-9 駅のホーム】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: やや疲労、全身打撲、大。両腕、腹部にダメージ大。V3、キックホッパーに2時間変身不可
【装備】:ジャングラー 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:不明支給品(未確認)0〜3。基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、FOX-7+起爆装置(残り4)
【思考・状況】
1:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。
【風のエル@仮面ライダーアギト】
【1日目 朝】
【現在地:G-6 市街地・下水道】
[時間軸]:48話
[状態]:頭部にダメージ。全身に大程度の負傷・行動原理に異常発生。1時間能力発揮不可。
[装備]:パーフェクトゼクター
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:優勝して帰る。 帰還した暁には、主に未知の力を報告。
1:「仲間」を持つ「強き者」を狙う。
2:人を殺すことに、快楽を覚えた。
3:アギトの力、及びそれに似た力を持つ者との戦闘は避ける。
[備考]
※デネブの放送、および第一回放送を聞いていません。
※首輪の制限時間について考え始めました。
【デネブ@仮面ライダー電王 死亡】
【本郷猛@仮面ライダー(初代) 死亡】
【残り 42人】
※風のエルの基本支給品と不明支給品1つがG-6エリアのどこかに落ちています。
※グレネードランチャー(ARWEN 37)がF-6エリアの線路の近くに落ちています。
残り弾数は4/5(発煙弾)です。
※南北線の列車の中に、基本支給品2セット(本郷猛(O)・一文字隼人(O))
ならびにラウズアブゾーバー、V3ホッパー、一文字(O)の首輪(ひび有り)が残されています。
※デネブのデイパック(基本支給品と新鮮な山菜入り)が駅前の壊れたベンチの側に残されています。
※ジャンクション駅とショッピングセンターの間には、最低1つの駅があるようです。
以上です。ご指摘などありましたらよろしくお願いします。
>>68と
>>69がミスでだぶってしまいました。申し訳ありません。
76 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 21:27:26 ID:OWAH/N/p0
なぜ殺したし
投下乙。
本郷さん……デネブ……ああ、無情。
ダークカブトを装着する澤田がんばれw マーダーなのにラブコメしている件について!
デネブ殺した分、まだがんばっているけどw
相変わらず語彙が豊富で、展開も引き込まれました。
GJ!
本郷さん、おやっさんの死はスルーか…
79 :
名無しより愛をこめて:2008/06/16(月) 21:33:30 ID:/fbEgekzO
さすが愚図将軍!
二人殺しおめでとう
投下お疲れ様です!
ほ、本郷さぁぁぁぁん! デネブぅぅぅぅぅぅ!
風見の冷徹さと、迎えるべき未来に似た結末を迎えた本郷がよかったです。
そして加賀美、そいつは危険だ!澤田もダブトを手に入れて本格始動してきたw
以降への流れを期待せざるを得ない、いい作品でした。GJ!
投下乙です
本郷さんにデネブ……合掌。
ヘタレ臭が漂い始めていた澤田がマーダーらしくなってきましたね。
そして地味にパーゼクを持ってるエル……危険すぎるw
投下乙です!
本郷さん……デネブ……お疲れ様。
澤田がダブトすらも手に入れて、好調で何より!
加賀美……よりによって風見を風間と間違えるとはwさすがwww
>>78 言われてみれば確かに不自然ですね。こちらの手落ちです。
デネブの放送への反応も含め、描写を追加したいと思いますがいかがでしょうか。
よろしければ、出来るだけ早く、仮投下スレの方に追加部分を投下するようにします。
投下乙です!
ジョーカー澤田の本領発揮ですね!まさかダブトになるとは思わなかった!
真魚ちゃんを連れてこれからどこへ行くのか、どうなるのか大変気になります!
本郷さんを殺した風見とデネブを失った加賀美の二人も予想がつかないです。
GJ!!追加もお待ちしております!
ただ今より、海堂直也、歌舞鬼、山本大介、三田村晴彦、桐矢京介投下します。
「てんめえええええええッッ!!」
荒野に海堂の叫びが木霊する。この叫びは先ほど逝ったモグラへの鎮魂の叫びだ。
この島に来てから始めて出合ったモグラ。多少形は変わっていたが、それでも気心はそれなりに通じ合っていた。
それに、先ほど聞かされた仮面ライダーへの尊敬の念。ある種の、テレビに映るヒーローに憧れる様なものだった。
自分も少しだけ、ほんの少しだけ、会って見たいと思った。会って一言、褒めてやりたかった。
そして――――思いのほか、とても早く出会えた。出会えたのに殺された、よりにもよってその「仮面ライダー」にだ。
相手の棘が頬を掠るが、不思議と痛くはない。いや、むしろ痛みを感じない……心は、もっと、痛いから。
「ケケケーッ!!」
目の前にいるこの獣……こいつがモグラの言っていたヒーロー、「仮面ライダー」なのか?
嘆き苦しむ人の元に駆けつけ、
どんな悪にも消して屈したりせず、
最後には必ず助け出してくれる、ヒーロー。
――――嘘だ。
今目の前にいるの奴は、ヒーローは、自分を慕ってくれる奴を引き裂いたりなんかはしないはずだ。
こんな惨い事をしたなら、最早ヒーローでもなんでもない。それはもう、人を殺すオルフェノクと同じだ。
そんな奴をただただ信じて、憧れて、モグラは殺されたのか――――ふざけるな。こんな理不尽な事があってたまるか。え、腐れ神様よォッ!!
「ッアアアァァァアァァアアア!!」
激情に身を任せて叫び、濁った白のような体色と同じ色の剣を構え、突進する。
切っ先がアマゾンの喉笛を襲う、だが左腕の棘で阻まれ、さらにはベルトから取り出された何かで弾かれてしまった。
「ケケーッ!」
それは手斧にも、ロープにも、鋸にもなるアマゾンの武器。コンドラーだ。
武器が交差するたびに、放たれる火花が顔を照らすが、互いのその仮面に隠された表情は読み取れず。
夜も明け朝日が差し込む中、二人の戦いを見ているのはただ一人の男、歌舞鬼。彼は徐に携帯を取り出して、大声で二人に話しかける。
「おーい、そろそろ放送とやらの時間だけど聞かないのかー?」
「ッルセェ!!」
怒声と共にスネークオルフェノクの斬撃が地面を抉る。すぐさま飛んで回避したからいいものの、あと少し遅ければ八つ裂きにされかねなかった。
ヘイヘイそうですか、と愚痴をこぼしながら携帯の電源を入れ、二人に向かって聞こえるようにする。
ちょうど放送のタイミングだったのか、画面からは映像と共にスマートレディの声が流れてきた。
――――ハァ〜イ。参加者のみなさん、おはようございます。よく眠れましたか?
いけ好かない声だ、と今更ばかりに歌舞鬼は思う。実際、目が覚めてからは歩き続けで一睡もしていない。
目の前の蛇――――男が変化した魔化魍が反応を示した辺り、何かしらの関係はあるのだろうか。歌舞鬼の考えを他所に放送は淡々と進められていく。
……九人、多いようで少ないような数。とりあえずヒビキの名が呼ばれていないことに安堵する。
尤も、ここに居るヒビキは「彼の知る」ヒビキではないため、放送されたところで彼が分かるかは怪しいが。
最後に呼ばれたモグラ獣人という名前、それが今目の前に転がっている首の名前だろう。あの蛇もそう呼んでいた。
ただ……一つ引っかかるのはそのモグラの言動だ。あの反応は確実にアマゾンを知っていた、が当のアマゾンの方は全くその様な素振りを見せず、結果はこの様だ。
「ハア、仕方ねぇな。」
取りあえずは二人を止めなくては。まだ立ち位置を決めていないとはいえ、無駄な争いは体力を消耗するだけだ。
懐から取り出したのは、黒い鬼の顔が刻まれた奇妙な音叉。腕に軽く弾かせ、美しい音色が響き渡る。
キィィィ――――――ッイン!
一際高い音と共に、歌舞鬼の体を紫の篝火が包み込む。何処からともなく降り注ぐ桜の花びらが、見事なまでの舞を見せる。
メラメラと、一枚一枚が炎となって燃え上がり、太陽の光にも負けないほどに輝きを増していく。
「――――ハァッ!!」
炎を払うように腕を振り下ろし、中から現れたのは色こそアマゾンと同じ赤と緑の二色だが、姿は全く違う異形。
降り注ぐ桜吹雪は、純粋な信念の証。左右で色と長さの違う角は、人ならざる「鬼」の証明。
人を捨て、世を捨て、醜き大人を見限った戦士――――――戦国の世に駆ける歌舞伎役者、仮面ライダー歌舞鬼。
「さぁて、止めにいく……ガッ!?」
音叉剣を構え、いざ行こうとした時、首元に違和感と苦痛が同時に押し寄せてくる。首輪の所為かと考えたが、直後にそれが違うと悟る。
振り返った時に見たのだ、自分の首元にまきつく黒い鞭と、それを操る――――もう一人の蛇を。
◆
「……ん?」
「あ、起きた? 」
廃墟の中で目を覚ました三田村が最初に見たのは、自分とそう変わらない少年の姿だった。
痛む頭で時計を見ると、既に針は六時を回っていた。
「あ、放送の内容ならメモしておきましたよ。」
そういって少年は紙切れを差し出してきた。記された名前は死亡者、場所は今後の禁止エリアらしい。
その中に一文字隼人の名を見つけた時、一瞬心が歪むような感覚を覚えた。自分の中では仇も同然だというのに。
「あの……もしかしてお知り合い、が?」
「……いや、別に。」
おずおずと聞いてくる少年に対し、晴彦は素っ気無く返した。どうせ、いつかは殺さなくてはならないのだから。
「君、名前は?」
「えっと、桐矢京介です。」
「そう、僕は三田村晴彦だ。」
京介と名乗ったその少年は、まるでどこか怯えているかのように感じられた。
「京介……だっけ、どうして僕を助けたんだ? もし僕が人を殺すような奴だったらどうするんだよ。」
まず最初に浮かんだ疑問を投げかける。間に『もし』と入れた理由は、三田村自身にも分からなかった。
「いや……」
顔を俯けた京介が少し口篭るが、その後すぐに答えを話し始めた。
「……例え人を殺すような奴でも、見捨てていったら、多分俺後悔すると思うんです。
俺、正直今もちょっと怖いです。けど……逃げたら、たぶん父さんに顔向けできなくなるから。」
恐怖。実にありふれた感情だと思う。この言い方から察するに、父親は勇敢な人間だったのだろう。
それに比べて、自分はどうだろうか。愛した人のために他人を踏み台にしようとする、自分の行動に、思わず反吐が出そうになる。
――――ハァッ!!
突如、男の声が響き渡る。二人は視線だけで意思疎通し、外へ出て声のした方向へと走り出す。
少し走っただけで京介は疲れていたが、割と近場だったのが幸いした。
目の前で繰り広げられているのは、斑色の怪人と灰色の怪人が争っている姿。そして――――
「――――鬼ッ!?」
そう、そこには京介の世界に居た、鬼が存在していた。
鬼は人のために魔化魍と戦う戦士たち。合流すれば、きっと保護してくれるだろう。そんな甘い考えが過ぎったその時。
「な……三田村さ……」
首筋に鋭い痛みが走ったかと思うと、体中から力が抜けていく――――京介の視界が閉じる前に映したのは、黒い蛇のような怪人だった。
◆
音叉剣で鞭を斬ろうとするが、その前に首から手元へと伸縮し一気に間合いを詰められる。
歌舞鬼の目が見開かれる前に拳を握り、手元に漆黒の気を収束、すぐさま開放。
「……グァッ!」
全く想定外の出来事に戸惑う暇もなく、歌舞鬼はコブラのアッパーを諸に食らい、宙へと舞うのだった。
襲撃者の存在に気づいたアマゾンはスネークオルフェノクを無視して跳躍し、鋭い爪とコンドラーを構えてスネークに飛び掛った。
コンドラーのロープ部分に鞭が絡みつくも、追撃のひれカッターがコブラの仮面を襲う。しかし、ここで邪魔が入る。
「さぁぁぁぁせぇぇぇぇるぅぅぅぅかぁぁぁぁぁぁぁッッ!!」
スネークオルフェノクが遅れて入り、アマゾンを引き剥がしてジャイアントスウィングの要領で投げ飛ばす。
吹き飛ばされるも、そこは野生の申し子。素早い反応と身のこなしで即座に受身を取り、二人を睨み付ける。
「どうして助けた?」
「勘違いすんな。俺はあいつが許せねぇだけだ。」
問いに対する海堂の返答は、あまりにも冷たい物だった。人柄を多少知っている者が居たなら、その違和感に気づいただろう。
モグラの死に直面した海堂は、本人も与り知らぬところで激高していた。
恐らく、元の世界に居た時にモグラと出会い、この結末を迎えても同様の反応をしていただろう。だが今回ばかりは勝手が違った。
憧れていた仮面ライダーに殺された。この事実が海堂に更なる怒りを上乗せしていたのだ。
「あー、痛え……。」
遅まきながら立ち上がった歌舞鬼も状況の異様さを掴んだが、何故か――――笑みを浮かべていた。
その笑みが何を意味するのか、実際のところ誰にも分からない。もしかすると、仮面が笑みを浮かべているように見えただけかもしれなかった。
次の瞬間、四者が音もなく、全く同時に空中へと飛び、それぞれの武器を構えて激突する。
スネークオルフェノクの剣を歌舞鬼の音叉剣が受けとめ、アマゾンのコンドラーをコブラの鞭が捕まえた。
「アマゾン! その黒い奴は任せた、俺はこっちを引き受ける!」
「ケケケーッ!」
その声を合図に、アマゾンとコブラが地を駆け、組み合いながら猛スピードで走っていく。
「待っ、勝手に決めてんじゃねぇ!」
スネークオルフェノクが追いかけようとするが、歌舞鬼の音叉剣がそれを遮り、両者の視線が交差した。
「行くんなら、まずは俺を倒してからにしな。」
――――そして戦いは、両方が一対一の形へ戻った。
鈍い金属音がし、二人の持つ武器が接触。互いの顔に火花を散らして鬩ぎあう。
「ウラァッ!」
その時スネークオルフェノクの膝蹴りが炸裂した。鍔迫り合いに気が向かっていたため歌舞鬼の下半身はがら空きになっていたのだ。
音叉剣も弾き飛ばされ、思わずひるむ歌舞鬼を尻目に、スネークオルフェノクは剣を振り上げる。その剣はまっすぐ歌舞鬼の体を――――
「……かかったな!」
「!?」
――――斬らなかった。歌舞鬼が不敵な笑いと共に、何かを眼前へと展開する……それは、傘だった。
「なっ!?」
切っ先が唐傘によって阻まれ、スネークオルフェノクの顔が驚愕に染まるが、視界を遮った歌舞鬼には届かなかった。
傘を挟んだ向こうでは、歌舞鬼が右手で音叉剣を構え、腕を目いっぱい引き――――一瞬の後、傘の前へと突き出した。
「ガァッ……」
この傘はヒビキと戦ったときに使用した戦法。ヒビキ相手ならともかく、他の奴ならまだいける筈だと踏んだのだ。
腹部に痛みが走り、崩れ落ちるスネークオルフェノク。その隙に歌舞鬼はベルトの音撃鼓を取り外し、叩きつける。
警戒されるよりも早くつまみを調節し、大きさを拡大してターンテーブル並みの巨大な「太鼓」が出現した。
マウントポジションを取った歌舞鬼がベルトから緑色の音撃棒を取り外す。輪を指に引っ掛けて一回転させ、叫ぶ。
「音撃打、業火絢爛ッ!!」
ドンドン、と。まるで太鼓を叩いて演奏するように、音と共に鼓動を叩き込む。
それもただの音でなく、清めの音だ。その響きは確実にスネークオルフェノクに牙を向き、その体を蝕んでいく。
太鼓での演奏を終え、最後に締めるべく二本を同時に掲げる。そして、止めを刺そうと音撃棒を振り下ろした。
「舐めんじゃ、ねぇぇえぇぇええぇ!!」
突如、それまで虫の息だったスネークオルフェノクが、無理やり音撃鼓を引き剥がして脱出する。
当然止めの音撃は空回りし、歌舞鬼が呆気に取られている間に二本の剣がその頭を切り落とさんと襲い掛かる。
「貰ったッ!」
「……拙い!」
手元には音叉剣も無く、瞬間的にそばにあった物を掴み、盾の替わりとして手前に突き出す。斬った感覚と、斬られた感覚が双方に訪れる。
――――もしも、二人が「それ」の正体に気づいていたのなら、後の悲劇は起こらなかっただろう。
「……ッ……!!」
ひらり、と一枚。首輪から――――青い薔薇の花びらが零れ落ち、地に付く前に二つに千切れた。
一瞬にも永劫にも感じられる静寂。やがてそれを破るかのように海堂の叫びがあたりに木霊する。
「モグラアアアアアアアアッッ!!」
叫びに呼応するが如く、モグラ獣人の体が崩れ落ちる。海堂が抱きかかえたその体は、驚くほどに軽かった。
体を斬られ血が抜けていたのもあるが……原因はもう一つ。モグラ獣人の体が、海堂の腕の中で崩れ去っていく。
「何で……何で何もしてないのに崩れちまうんだよッ!」
いつの間にか変身を解き、歌舞鬼が居るのにも拘らず涙を流す。海堂の悲痛な声は、モグラ獣人の「残り物」と共に風に吸い込まれていった。
「あ……あぁ……」
急いで灰を捕まえようとするが、その指は空しく宙を切るだけ。全身から力が抜け、その場に座り込んだまま動かなくなった。
「……チッ」
戦闘意欲が失せた事を悟り、軽くしたうちを打ちつつ歌舞鬼は海堂を残して駆け出していった――――。
◆
一方、アマゾンとコブラの戦いも熾烈を極めていた。
鞭が撓り、アマゾンの首を絡めとったと思えば、力を込める前に駆け出し振り上げたアームカッターがコブラの胸板を切り裂く。
対するコブラは切り裂かれた事には目もくれず、体勢を低くして漆黒の拳を打ち出す。吹き飛ぶアマゾンを再び鞭で引き戻し、頭部に回し蹴りを打ち込んだ。
だがアマゾンは何でもないと言った風で足を掴み、鋭い牙でその足を貫いた。マスクの中で三田村は苦悶の表情を浮かべるが、構っていられない。
黒い気を左の拳に集め、右足ごとアマゾンの額へと殴りつける。苦しむアマゾンに続けて拳のラッシュを浴びせた。
しかしここで先ほどの胸や足の傷から火花が飛び散る、傷ついた体に負荷がかかりすぎたのだ。その隙にアマゾンは抜け出し、コンドラーを展開させる。
ロープを街頭に引っ掛け、まるでジャングルの蔦の様に移動、コブラを撹乱させる。鞭を伸ばすも、あまりの動きについていけない。
アマゾンは、コブラをゲドンの怪人と認識していた。だからこそ容赦はせず、全力で倒しにかかる。
それに対し、戦法も行動も、全くと言っていいほど違うのに――――コブラは、アマゾンにかつて自分と戦ったホッパーを重ねていた。
――――と、ここまで見ればコブラのほうが多少優勢に見えるが、実際は五分五分だった。
確かにアマゾンはスネークオルフェノクとの戦いで多少疲労が残っているが、それは北崎と戦ったコブラも同じ。
つまり、ここで勝敗を左右するのは個々の戦闘センス。コブラの幸運はアマゾンがまだそれほど戦闘経験を積んでいない時期から呼ばれたことだった。
故に、この戦いはどちらが勝ってもおかしくは無かったのだ。
「ガウーッ!」
コンドラーを元の形に戻し、飛び降りたアマゾンの爪がコブラの装甲を貫き脇腹へと突き刺さる。痛みを感じる暇も無く引き抜かれ、大地を蹴って跳躍。
空中で一回転を加え、左腕を天高く振り上げる。腕に嵌っているギギの腕輪が怪しく輝き、アームカッターの先にエネルギーが集中していく。
「ケケケ――――ッッ!!」
元から持っている切れ味、空中から落下する際の重力加速、そしてギギの腕輪から発せられる超古代エネルギー。そしてその三つを纏め上げるアマゾンの野生の勘。
それらすべてが折り重なり、いつかの未来で「大切断」と呼ばれるその技は、まっすぐにコブラの体を切り裂いた。
「グゥァッ……」
とっさに飛び退いたものの、右肩から左足にかけて深い傷を負ってしまった。だんだん意識が遠のき、視界が真っ暗になって――――
――――赤い糸で繋がってたりして、私たち。
「……美代子、さんッ!」
今はそばに居ない、愛する人の声がオーバーラップする。そうだ、自分はこんなところで倒れてなど居られない。
震える体に文字通り鞭を打ち、拳を握り締める。着地したてでまだ足元がおぼついているアマゾンを押し倒し、白いマフラーをつかみ出す。
一瞬、アマゾンの赤い瞳に自分の姿が写った。無機質な仮面に覆われた、別の自分の姿が。
開いている右手に有りっ丈の黒い気を込めて、構える。そして、一瞬の迷いも無く振り下ろした。
「……ガウ?」
しかし、その拳がアマゾンに届くことは無かった。不思議に思ったアマゾンが軽く手を触れてみると、その体はいとも簡単に倒れた。
連続戦闘による疲労、改造人間としても見過ごせないほどの傷。改造された時につけられた自己防衛機能が、三田村の肉体を気絶へと追い込んだのだった。
◆
遅れて歌舞鬼がやってきた時には、もうすべてが終わっていた。
変身が解けたアマゾンの傍には、あの仮面をつけた、貧弱な青年が転がっている。先ほどと比べると、別人ではないかと疑うほどに違いすぎた。
貧弱さではここへ来る途中で拾った少年と、いい勝負かもしれない。取りあえず二人を横たわらせ、生死を確認する。
――――やっぱり、子供は嫌いになれない。
アマゾンのデイパックを漁りつつ、歌舞鬼は人知れずそんなことを考えていた。
支援
【朝】【F-6エリア】
【山本大介@仮面ライダーアマゾン】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:アマゾン本編1話終了後
[状態]:健康、2時間変身不可(アマゾン)
[装備]:ギギの腕輪、コンドラー
[道具]:治療用の植物、ルール説明の紙芝居、不明支給品x1(歌舞鬼確認済み)、基本支給品
[思考・状況]
1:……ガウ?
[備考]
※1:言葉は人と会話をしていけば自然と覚えます。
※2:コンドラーはナイフやロープ代わりになります。
※3:ギギの腕輪を奪われるとアマゾンは死にます。
※4:第一回放送をまるで聞いていません。
【桐矢京介@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]36話、あきらに声を掛けた帰り
[状態]:疲労大、軽い擦り傷、空腹、気絶中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料紛失) ラウズカード(スペードの10、クラブの10)
[思考・状況]
基本行動方針:生き残る
1:三田村と行動する。
2:激しい恐怖(特にダグバ・ゾルダに対して)
3:響鬼が助けてくれることへの僅かな期待
※自分を助けてくれた男性(水城)の生存の可能性は低いと予想
※食料は移動中に紛失しました。
【三田村晴彦@仮面ライダー THE FIRST】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:原作での死亡直前から
[状態]:中程度の疲労、胸に強い痛み、気絶、2時間変身不可(コブラ)
[装備]:特殊マスク、鞭
[道具]:基本支給品・不明支給品×1
[思考・状況]
基本行動方針:彼女を救いたい。
1:望みを叶える為にも、バトルロワイヤルに生き残るしかない。
2:いざとなれば迷わない……?
[備考]
※廃墟内に支給品(基本支給品・不明支給品×1)が桐矢のデイパックと隣り合わせに置いてあります。
◆
誰もいなくなった場所で、一人海堂は座り込んでいた。
モグラの仇を討てなかったこと。自らモグラの遺体を切り刻み、灰にしてしまったこと。
さまざまな激情が体の中を駆け巡り、それらはやがて「仮面ライダー」への怒りに昇華されて行く。
赤と緑色をした、二人のライダー。顔は既に覚えた、次にあった時はもう情けはかけず、容赦もしない。
だから――――今は、墓を作ってやることしか出来ない。遺灰を寄せ集め、ガーベラの種をまいて水をかける。
全部が終わったら、改めて償いをする。だから、今は我慢していてくれ。
天を仰ぎ、仮面ライダーや人の命を奪う怪人、そしてこんなふざけた場を用意したスマートブレインへの怒りが沸き立つ。
「俺様はもう屈しねえっ! こんな殺し合いになんか負けねえし、スマートブレインだってぶっ潰してやる!」
力の限り叫び、最後に一番大事な思いをぶちまける。
「これが! お前らの言う正義なのか!? 俺はもうお前らを絶対にゆるさねえ、だから覚悟しとけ――――」
一度だけ呼吸を整え、憎き者どもの名前を、正義を騙り、友を奪った外道達の名を叫ぶ。
「――――ライダァァァァァァ――――ッッ!!」
【F-5エリア】【朝】
【海堂直也@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-5エリア】
[時間軸]: 34話前後
[状態] :健康。激しい怒り、2時間変身不可(スネークオルフェノク)
[装備] :なし
[道具]:基本支給品、ゼロノスカード(赤)×3、ディスクアニマル(ニビイロヘビ)、戦国時代のディスクアニマル(イワベニシシ)
[思考・状況]
1:「仮面ライダー」を許さない。
2:赤と緑のライダー(アマゾン、歌舞鬼)の危険性を伝える。
3:まだ対主催。
※ 澤田の顔はわかりますが名前は知りません。また、真魚の顔は見ていません。
※ モグラ獣人の墓にはガーベラの種が植えられています。
※ 第一回放送は知っている名前がモグラのみ、ということしか頭に入っていません。
以上、投下終了となります。本スレで支援してくださった方、代理投下の方、ありがとうございました。
----
以上で代理投下終了です。
投下&仮投下乙!
一つ指摘というか、ちょっとした違和感。
京介が参戦時期的に綺麗過ぎるかなと。
まあ、それはおいといて。
海堂さぁぁぁぁん! がんばれ、死ぬほどがんばれ!
アマゾン……そりゃ放送を理解できないわ。
カブキが甘いのはしょうがない。ああ、春彦くんはどこに向かうのか?
GJ!
投下乙です。
なぜだろう、海堂がとてつもなく主人公に見えて来る……w
アマゾンは残る唯一の昭和ライダーなのに、とてつもなく微妙なポジションにいますね。
あとはやや不安因子の少年二人を拾った歌舞伎の子供好きがどう出るか。
乞うご期待、といった感じの幕切れが素敵でした。
投下乙です!
モグラちゃん灰になっちゃった…
海堂に頑張って欲しいなぁ、ていうかオルフェノク3人組は全員人間不信になりつつあるのか…
ところで一つ抜けてる点を
歌舞鬼の状態表はいずこに…
投下&代理投下乙です!
海堂ーーー!!頑張ったのに……カブキが怪人のように見えて不思議w
アマゾンとコブラの戦闘も好かったです!恋人の声で覚醒はいい!
なにげに桐矢にも期待ーw
えと、すみません。歌舞鬼の状態表を忘れておりましたorz
【歌舞鬼@劇場版仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:響鬼との一騎打ちに破れヒトツミに食われた後
[状態]:健康、2時間変身不可(歌舞鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈翠
[道具]:基本支給品(ペットボトル1本捨て)、歌舞鬼専用地図、音撃三角・烈節@響鬼
[思考・状況]
0:子供……か。
1:アマゾンと行動を共にする……今のところは
2:モモタロスがここまで来たら…戦闘か、共闘か。来ないでほしいものだが。
3:響鬼に会ったらその時は…
[備考]
※1:歌舞鬼専用地図はアルファベットの部分が歌舞鬼にもわかるよう当て字の漢字が使われているだけです
※2:モモタロスに同情の念は抱いていません。虚をついて水容器の毒味をさせたぐらいにしか思ってません。
また、名前を聞いていないので死んだことも知りません。
投下乙!
海堂がんばれ…!
春彦くんはこのままサラマンダー道を突っ走るのか!?
澤田、オルフェノク能力以外にもカイザ、ダブトって多すぎでは?
>>132 自然な流れですし、北崎はゾルダ、オーガ、オルフェノクとありますし、問題はありませんね。
コーカサスにケタロスのブレス、ハイパーゼクターにパーフェクトゼクター、ダブトゼクター
まさにあの人は自分の思うように書けるってわけだ
さすが自分で言うだけあって、企画に貢献してる人は違うね
おまえらいい加減気付けよ
チャットにいる奴等、数人の意見が一致したら他の住人全てが反対しても荒らし扱いされて終わりなんだよ
ライダーロワの本スレ、毒吐き、議論スレ
どこに持っていこうが書き手チャット内で決められたことの方が奴等にとっては上
何か意見が出てもチャット内数人でハイハイ荒らし乙で終わってるわけ
チャットは別に構わない。誰がどこで何しようとロワに直接被害がない限りはな
だがライダーロワは間違いなく書き手チャットが有害になっている
それが本当ならおかしいと思います。
今回だっていきなりダークカブトが出てきたから、
これまでにあった伏線を見逃したのかと慌てましたよ。
137 :
名無しより愛をこめて:2008/06/17(火) 07:47:40 ID:f7/CyEfP0
とりあえず
おやっさんやモモの死に対する描写はないとな。
>ダークカブトゼクターが彼を選んだ理由は誰にもわからない
本当にわからない。突然すぎるし描写も理由もないんじゃ?
>>138 理由は、ダブトゼクターが澤田君を黒総司に重ねたんじゃないか?
ゼクターは、自分達で使用者を選ぶし。例外もあるけど。
>>139 それを本文中で、自然な流れで書いてないから色々いわれる
>>136 ライダーロワに以前から粘着している人なんで、相手する必要はないですよ。
意見があるなら議論スレに。
ここでの話は正直信用できないので。
昭和ライダーはアマゾンだけか
正直、本郷にはもっとがんばってほしかったなぁ…
本郷さんはスペックがチートすぎるからな……
首輪を入手してしまった時点で早期の死は覚悟してた
まあ、東條とのバトルを見て、案外いいところまでいけるんじゃないかなと
思っていたんだけど<本郷>
平成の中でどこまで行けるか見たかったな・・・
あと、デネブも侑斗に会えずに逝っちゃった・・・
せっかくたけのこを掘ったのになあ
145 :
名無しより愛をこめて:2008/06/17(火) 14:59:51 ID:8zJ+uAXR0
前回のロワはお気に入りのキャラが死ぬにしてもカッコよかったからな〜。
今回は現実の非情さが前面に出ている気がする。
デネブが京介と侑斗を間違えたり、
本郷(初代)と一文字(リメイク)のライダーダブルキックを妄想したのはオレだけじゃないはず。。。
新人がフラグ潰すのはダメ。
古参ならフラグ潰したり道具追加するのはOK。
ふしぎ!
パーゼク追加とかやりたいほうだいだよな
わかってるよ、こういうのは全部スルーするんだべ?
どうせなら変身アイテム全部出しちゃえばいいのにw
変身アイテムが多いのがNEXTの醍醐味だと思って眺めてたんだがやっぱ違うのか
新しいのが出る度に「おお今度はこれが来たか」とか思ってた
>>148 単に前回が基本支給品一人につき一つだったけど、今回は一人につき三つまでOKだからってだけ。
変身アイテムの上限がバイクのように決められていない以上、
変身アイテムが増えるのは自明の理。
てか、毒吐きと本スレの使い分けができない荒らしに構うな
まだ一回めの放送終わったとこで他の人は自粛してる中、一人だけやりたい放題?
>>149 前回もひとり三つじゃなかったっけ?>支給品
浅倉デルタとか良かったなあ。
前回は一人一つだな。
当たりつきは二つだけど
ふと思い出したんだけど、親父と一緒にTV見てたらNEXTのCMが流れてて
「あ、NEXTだ」って俺が言ったら「何?仮面ライダーなのか」って聞いてきたから
「現代版リメイクみたいなもので、今度はV3が出るんだ」って説明した。
その時は「ふーん」って興味なさげだったんだけど、
しばらくしたらちっさい声で
「♪あ〜まい〜あま〜ぁい〜 甘いマスクのV3〜」って替え歌歌い出した。吹いた。
まあその、誤爆だすまん。
香川英行、桜井侑斗、金居を予約します。
お二方共、投下乙です。
サイコキネシス発動?と思いきや実は風見の仕業だったとは。
真魚と海堂は精神的にかなりやばそうだな。
◆CIPHER0/kY氏
カブトのベルトが使えたのはまだしも、「なぜダークカブトゼクターが澤田を資格者として認めたのか」
まったく理由がわかりません。
各ゼクターが資格者と認めなければ変身できない筈です。
資格者として認めた理由を明らかにして欲しいです。
できれば理由も添えて書き直して欲しいね
じゃなかったらボツだな
>>156 >>65の
>人としての命を失った悲嘆か、過去の自分への憎しみか、それとも少女への歪んだ愛情か。ダークカブトゼクターが彼を選んだ理由は誰にもわからない。
の一文を読む限り、ダークカブトゼクターがいずれかの理由で選んだのではないでしょうか?
もしくは認めた「理由は分からない」という演出なので、指摘が少し無粋かなと思います。
それと、原作中ではっきりとしたした理由をもって資格者を選んだゼクターは少ないです。
カブトとガタックくらいでしょうか。
前回も含め、資格者を選ぶという点においては、書き手任せでいいとかと。
ゼクターで他作品のキャラが変身はすでに通った話もありますし。
俺は電王の所持アイテムのデンガッシャーを問答無用で使っている
風見の方が大問題だと思うぞw
横から失礼しますが自分も
>>156氏と同じで資格者として認めた理由を明らかにして欲しいです
あくまで要望レベルなので嫌でしたらスルーしてもらって構わないですが
>>160 ゼクターの選定理由は
>>158氏が挙げてくれた3つのいずれか、
もしくは全てかと思われます。後に付いているのは演出と解釈すべきでしょう
日高仁志、風間大介、城戸真司を予約します
思ったより早く出来たので香川英行、桜井侑斗、金居を投下します。
血塗られた戦場に似つかわしくない女性の声が彼らにも朝の訪れを告げていた。
G−3放送局。カブトムシの異形との激戦を終えた一行はそこで休息をとっていた。
「…9名ですか」
未だ気を失っている侑斗の携帯を借り、放送を聞く香川は決して少なくはない犠牲者に思いを馳せた。この中にも東條による被害者がいるのだろうか。
放送の中で特に気になったのは死者の蘇生に対する制限。東條に殺される寸前までしか覚えがない自分がこの場にいる以上、スマートブレイン社にそのような力があっても不思議ではない。
しかし、灰化や重要な部位が欠けた状態からは蘇生出来ない。これはどういうことだろうか。
「やはり…詭弁ですかね…」
ぽつりと呟いた一言に黙って放送を聞いていた金居も香川の方を向いた。
「何のことだ?」
「先程の蘇生に対する制限の話のことです。恐らく半分以上は嘘でしょう」
「…何故そう思う」
金居の目が香川の言葉を全く信用していないことが明らかに分かった。
「灰化などは本当に蘇生不可能かもしれませんが、あの放送で実際に伝えたかったことは"首輪を取るな"ということでしょうね。灰化もせず、体の重要な部位も欠けずに首輪を取ることは出来ない。それに仲間の蘇生を餌に闘いを誘っている可能性も…」
的を射た正確かつ納得出来る意見が次々と飛び出してくる香川の姿に金居は若干の期待を取り戻した。戦闘力には欠けるがこの頭は十分武器になる。
「ところで…これからどうしますか? 桜井君が起きたら電車にでも乗って北上しますか?」
地図によれば北には研究所や大学がある。主催者が牽制をかけてくるからにはそれらの場所で首輪を解除出来る可能性は高い。もっとも、主催者がそんなに簡単に事を運ばせてくれるとも思えないが…
「電車はやめておこう。誰が使うか分かったものじゃない」
「…そうですね」
自らの提案が受け入れられ、金居は内心ほっとした。犠牲者の名前には知り合いがまだ残っている。不特定多数が利用する場に行けば橘のような知り合いに会う可能性が高い。
「…ここは?」
ようやく目を覚ました侑斗は上体を起こすと辺りをキョロキョロと見渡す。
「G−3にある放送局の中です。先程、放送がありまして……」
香川は放送内容の要点を何も見ず、尚且つ寸分違わずに話し続ける。あまりの記憶力に侑斗、金居はただただ驚くばかりである。加えて先程の戦闘の顛末も語られていく。
「……以上です」
「そうですか…すみません……」
自分の不甲斐なさが香川に多大な迷惑をかけてしまった。その事実が若い侑斗にはひたすらに辛かった。
それに加え、呼ばれたモモタロスの名。知り合いの死は誰にとっても、どんな相手であっても気分の良いものではない。
そんな中、唯一の喜びは呼ばれなかった2つの名前。未来の自分が存在をかけて守った娘"ハナ"、最高の相棒"デネブ"。
「俺はもう大丈夫です…行きましょう!」
力強く立ち上がる侑斗の姿を見て香川、金居も後に続いた。
「6時間で9人。思ったよりも闘いはハイペースです…急ぎましょう!」
「はい!」
何としてもこれ以上の闘いを阻止する。2人はその決意を再び込めた。
(まだ1日は長い…もう少し頑張ってくれよ…)
彼らの決意溢れる背中と懐に忍ばすた写真を見比べる。金居の企みもまた静かに進みつつあった。
【香川英行@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3放送局】
[時間軸]:東條悟に殺害される直前
[状態]:強い決意。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。1時間変身不可(オルタナティブ・ゼロ)
[装備]:神経断裂弾(三発)、シグザウアー SSG-3000
[道具]:煤けた首輪、双眼鏡
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:侑斗の生存を優先。
3:北崎(名前は知らない)を倒す。
4:東條、北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を警戒
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は信用できない。邪魔になるなら切り捨てる。
7:侑斗を生存させるため、盾となるべく変身アイテム、盾となる参加者を引き入れる。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
※神経断裂弾の残りの弾数、首輪の損傷具合は不明です。
※死者の蘇生に対する制限はスマートブレイン社の詭弁。首輪はそう簡単には外せないと考えています。
【桜井侑斗@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3放送局】
[時間軸]:最終回直後
[状態]:深い悲しみ、強い決意。ハナ、デネブの無事に安堵。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。1時間変身不能(ゼロノス)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、ゼロノスカード4枚、不明支給品1〜3(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立たない)
一条の支給品0〜1(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立てない)
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:香川と行動しつつ仲間との合流を目指す
3:自分と同じ顔をした少年(桐矢)への疑問。保護が必要ならそうする。
4:北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を倒す。
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は気に食わないが戦力が必要。坊やって言うな!
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
【金居@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:G−3放送局】
[時間軸]:45話終了後
[状態]:疲労と負傷共に中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、コーヒーセット、デジタル一眼レフ(CFカード)、望遠レンズ
Lサイズの写真(香川の発砲シーン)
[思考・状況]
1:可能な範囲で殺し合いの内幕をさぐる。
2:橘とは会いたくない、というか知り合いに会いたくない。
3:東條が参加者を減らしてくれる事に期待。
4:利用できる参加者は利用し、障害となる参加者は状況によっては殺害する。
5:この二人を利用して上手く生き残る。邪魔になるなら殺す。
6:香川英行の高い知能ならば首輪を解除する方法を思いつくのではと期待。
7:二人の戦闘力に僅かに落胆。
[備考]
※香川・侑斗と簡単な情報交換を行いました。しかし、仮面ライダーとの敵対や東條と約束を交わした事など、自分に不利になる情報は伏せました。
※ライフル・首輪を香川に譲渡しました。
※桐矢と侑斗は別人だと認識しています。
共通思考
※不特定多数の人物が利用する電車はリスク回避のために使用しない。
以上です。
投下乙
香川は電車を警戒しましたか。彼らしいです。
侑斗のモモへの反応も乱暴なものの、彼らしい。
金居の暗躍は続く
GJ!
>>173 投下乙です!
やっぱり香川先生は頼れるなぁ…
しかし何より筆の速さが何よりも羨ましい!実に羨ましい!
山本大介、歌舞鬼、桐矢京介、三田村晴彦 予約します
投下乙です。
決意を固め直した侑斗の活躍に期待です。
見事な繋ぎ、GJでした!
投下乙です。
慎重な香川先生と金居の方向性が一致。これが吉と出るか凶と出るか……。
冷静な二人の間で唯一隠れ熱血の侑斗がどうなるかも気になります。
>>156-157の意見に共感できる。
見てても単に「澤田をダークカブトにしたかった」からとしか思えないよ。
>「なぜダークカブトゼクターが澤田を資格者として認めたのか」
>できれば理由も添えて書き直して欲しいね
>じゃなかったらボツだな
>>173 投下乙です。
相変わらずの文章力、上の上のSSでした。
3人とも上手くイメージを崩さず書かれていると思いました。
投下乙です!
香川と金居の二人がとりあえずは目的を同じとする……いいようのない不気味さがありますね。
首輪の事について考えを述べる香川がいいですね。
侑斗はこの先彼らの個性に負けずやっていけるか楽しみw
それでは本郷(R)、ダグバ、手塚を投下します。
「……ッ! 俺は……」
朝日がさんさんと差し込む大地。
エリアD-7の一角で仰向けに倒れていた一人の青年が苦しそうに声を上げる。
真っ黒でつやがある短髪を生やし、今まで気絶していた青年――
本郷猛が深く沈んでいた意識を再び取り戻す。
未だ足取りはおぼつかないが、両脚で地を踏みしめ、本郷は上空に昇る太陽の陽気に少し両目を眩ませる。
普通の人間とは違い、改造手術を受けているため本郷は身体の丈夫さには自信があった。
だが、そんな事実とは裏腹に本郷の全身には所々負傷が見られ、彼の呼吸の荒さから疲労感も垣間見える。
その負傷と疲労には数時間前、ハナと共にン・ダグバ・ゼバや仮面ライダーライアと闘った事が関係しているのはいうまでもない。
しかし、直接的な原因には先程、本郷を襲った出来事が関係していた。
「あの男は一体……それに何故、彼女が俺を……?」
先程、本郷に対し、明確な殺意を突きつけてきた緑川あすか。
そんなあすかを庇うように出てきた金髪の青年、葦原涼――
進化した人間の一種、ギルスへと姿を変えた男と本郷は闘い、そして敗れた。
どうやら命は見逃してくれたらしいが、手段カブトエクステンダーは奪われている。
また、最後まで自分の話を聞いてくれなかった葦原も気になるが、本郷は彼よりもあすかの方が気になり、同時にある疑問を抱いていた。
そう。あすかが恋人の仇と称し、自分を執拗に狙い続ける事について。
確かに、以前本郷はショッカーの支配下にあり、あすかの恋人の死には自分が関わった。そして、その罪は完全に償えたと本郷は未だに思ってはいない。
だが、本郷は約二年前、あすかとは和解しているので、何故あすかがあれ程までにも自分を憎むのかは本郷にとって不可解な事だった。
まるで、二年前のあすかがいいようのない狂気に取り付かれていたような感じさえ、本郷には感じる事が出来た。
そして、本郷は徐に携帯を操作し、口を開く。
「兎に角、大分時間も使ってしまった……一旦、一文字達の所へ戻って、その後あすかさん達を追おう。
今度こそ、俺の話を聞いてもらわないと……!」
どうやら自分は二時間程、気を失っていたらしい。
携帯に表示される時刻を確認し、直ぐにデイバックに仕舞い、本郷は前方を見据えた。
大分気分は良くなり、頭も軽くなったような気分さえある。
キザでどことなく皮肉屋な一面はあるが自分の無二の親友――
一文字隼人と一時合流した後、本郷はあすかと葦原を追う事に決めた。
自分とあすかの問題ともいえるため、出来ればこのまま直ぐに彼らを追いかけたい気持ちもある。
だが、カブトエクステンダーに乗っていると思われる二人の速さには追いつけそうにはなく、彼らが何処へ向かったのかもわからない。
そのため一時、一文字達と合流してから、彼らを追跡する手段を話し合っても悪い考えではないハズ。
そう考え、本郷は一文字達の元へ戻るために歩き出した。
暫く歩き続け、本郷は川の辺まで辿り着く。
携帯の地図の画面を開き、順調に一文字達が居ると思われる場所に近づいている事を確かめる。
この調子で歩き続けようと、本郷は更に足を踏み込もうとするが――
「やぁ、また会ったね」
思わず立ち止まり、声のする方へ本郷は振り返る。
其処には真っ白な衣服を着た青年が微笑を浮かべながら立っていた。
やがて青年は、先程本郷と拳を交えた青年は姿を変え――
“究極の闇”を齎す存在、ン・ダグバ・ゼバが本郷を見ていた。
鍬形虫を模した黄金の四本の角が生えた、見るものに恐怖を与える顔。
白色の身体中に己の強さを誇示するかのようにこれまた黄金の装飾品が彩る。
ダグバがじりじりと本郷へ近づく。
「ッ! どうやらそうみたいだな……!」
「そういえば名前を聞いてなかったね。僕は……ダグバでいいや。
そう呼んでよ。君の名は?」
「本郷……猛だ……!」
「なるほど、本郷……ね」
咄嗟に身構え、本郷はデイバックを投げるように降ろす。
勿論、変身を行うために必要なマスクは既に右手で握り締めながら本郷は鋭い目つきでダグバを睨む。
既にダグバの危険性、そして強大な力を知っている。
自分とハナという少女二人掛かりでも仕留められなかった程にダグバは強い。
だが、本郷にはダグバを前にして、逃げるような選択は出来ない。
(こいつはショッカーと同じだ……人の命をなんとも思わない。
逃がすわけにはいかない、なんとしても!)
恐怖を打ち消すほどの決意を燃やし、本郷は構えを取る。
右腕に掴んだマスクを顔の方へ持っていく。
「へぇ……姿が違うね」
「これが俺の本当の姿だ……!」
カシャン、と機械の音が鳴り、本郷の身体を強化スーツが覆い、マスクが装着。
緑色の仮面とクラッシャーを備え、赤いマフラーを風に揺らし、ダグバに対し構えを取る。
現れた者は美しきもののために、秘密結社ショッカーと闘い続けた異形の戦士。
「今度こそ、お前を倒してみせる、ダグバ!」
「ハハ、やってみせてよ……緑のリントの戦士」
本郷はホッパー1号へ変身を完了し、ダグバとの二度目の闘いに身を委ね始めた。
◇ ◆ ◇
支援
190 :
名無しより愛をこめて:2008/06/17(火) 20:47:09 ID:RGeulv9r0
支援
時間は数時間程遡る。
ダグバは本郷とハナ――仮面ライダー龍騎と仮面ライダーナイトに変身した彼らと闘った。
その戦闘を一時離脱したダグバは次に、川に流されていく手塚海之を見つける事になる。
どうやら気絶しているらしく、手塚はどんどんと下流へ流れていく。
別にダグバにとってリントが一人死んでいく事になんの興味はなく、感想は湧かない。
しかし、手塚が自分を楽しませてくれるような――
『仮面ライダー』という存在であるならば多少の興味があった。
そう。ダグバに最後まで抵抗してくれた剣崎一真こと仮面ライダーブレイド。
そして、五代雄介こと仮面ライダークウガのように。
そのために、ダグバはわざわざ川に足を踏み込み、手塚を回収した。
たとえ、能力を発揮できずともダグバは人外の存在。
手塚を担ぎ、川から引き上げる事は造作もない事だった。
「……よく寝てるね。
それにあまりおもしろくなさそうだな……」
手塚の身体を乱暴に地に落とし、ダグバは暫く観察してから、少し不機嫌そうに言葉を漏らす。
手荒に扱ったのは手塚の眼が覚める事も期待した上での事。
まぁ、そもそもリント如きの身体を案じるダグバではないのだが。
そして、未だ眼も覚まさず、一向に起きようとはしない手塚にダグバは内心失望した。
川に流されている時はよくわからなかったが、手塚の全身には生傷が癒えず、闘っても面白くなさそうに見えた。
闘うのならもっと強い存在がいい――
だって自分は最強の存在なのだから。
そんな事を思いながら、ダグバは手塚の持ち物も碌に確認せずに、その場を立ち去った。
その行動には、自分の期待に応えられなかった手塚などの身体を、わざわざ確認するのが億劫だとダグバが感じたせいかもしれない。
支援
「さて……こっちに行ってみようかな?」
先程戦闘を行った本郷達ともう一度闘う為に、元来た道を戻るのも良いかもしれない。
しかし、どうせ闘うのならばまた違った相手を選べば新鮮味もある事は事実。
ダグバは暫し考えてから、結局後者を取った。
そう。中心部ではなく、東側の方へゆっくりと。
何処に転がっているかもわからない獲物を見逃さないようにゆっくりと進んだ。
色々と周囲を観察しながら、回り道を経て、ダグバは川の近くまで辿り着く。
そんな時だ。
「……ん、あれは……へぇ、奇遇だな」
何処かへ歩き続けている一人の青年がダグバの視界に映る。
その青年はダグバにとって見覚えがある人物。
そう。その青年は本郷猛であり、彼はダグバに見られている事に未だ気づいていない。
一度闘った事もあり、本郷は仲間と共に仕掛けてきたにも関わらずダグバを倒せなかった。
正直、本郷に自分が求める強さを要求するのは酷な話かもしれない。
そのため、一瞬、ダグバは本郷を無視し、別の獲物を狙おうとするが――
気が変わった。
「見覚えのある眼をしている……クウガやあの青い仮面ライダーみたいな眼だね」
本郷の両眼の輝きがどうにもダグバの興味を惹いた。
何かを決意したような瞳、自分には到底理解できない馬鹿げた意思。
そして、思わず口に出したようにクウガとブレイドと同種とも思える本郷。
どうせ、時間制限など何もなく、少し遊ぶくらいならいいかもしれない――
そう思い、ダグバは本郷に気づかれぬように後から近寄り、言葉を掛けた。
「やぁ、また会ったね」
とても優しげな声、同じく優しげな笑顔を浮かべ、ダグバは本郷を再び選択した。
自分と遊んでくれる戦士の役目を。
非情にも、ダグバは本郷に押し付ける。
無邪気さを孕んだ、狂気を全身から滲ませ――
“究極の闇”と称される身体へと姿を変えた。
◇ ◆ ◇
「くっ!」
己の正体と感情を仮面に隠した存在、本郷が変身したホッパー1号が横へ飛びのく。
バッタの能力を付加された事によって得た、超人的な跳躍力。
まるでバネのように身体を飛ばしたホッパー1号が居た場所に、赤々と燃える炎が出現。
何も発火物はなく、急に出現した炎にホッパー1号は冷静に回避する。
通常では有り得ない超常現象をその眼で見ても、ホッパー1号は驚く事も竦む事もなかった。
何故なら、ホッパー1号はその炎の正体を――
原理は全く不明だが、どこから放たれたかを知っているから。
倒れかける身体を引き戻し、体勢を整える。
休む事なく、ホッパー1号は前方へ身体を傾け、再び地を蹴り飛ばす。
「へぇ、流石に慣れたのかな?」
だが、ホッパー1号は前方へ飛ぶ事はなく、再び出現した炎を横っ飛びに避けた。
炎が発生した直線状には白色の異形の者が一人。
ダグバはホッパー1号が居た場所へ手を向けながら、どこか感心したように口を開く。
そう。先程から炎を、“自然発火能力”と呼ばれる力を行使していたダグバは数時間前、ホッパー1号に対しこの力を使った事があった。
その時の経験からホッパー1号は少なからず、ダグバの炎を避ける事に慣れたのだろう。
ホッパー1号の身体にダグバの能力による負傷は一切見られない。
支援
(兎に角だ、立ち止まるわけにはいかない……!)
そんな時、十メートル程の距離を置いて、ダグバの周囲をホッパー1号は駆け巡り始める。
幾ら制限を受けているといえども、脚を止めていれば炎の餌食となるのは明確。
視線を動かし、ホッパー1号の動きをダグバは片腕を構えながら追いかける。
どんどんと加速していくホッパー1号の走行にダグバは少し表情を濁す。
その表情には無駄な事をよくもやるものだという見下した感情がはっきりと映っている。
しかし、ホッパー1号はダグバの事など知ったことかと示すように、更に加速を掛けた。
やがて、狙いをつける事が億劫だとダグバが感じ始めた瞬間。
ホッパー1号は狙い済ましたように地を蹴り、跳躍した。
「やぁぁぁぁっ!」
飛ぶように宙へ浮いたホッパー1号が叫ぶ。
右肩を後ろへ引き、眼があったダグバに対し、狙いを研ぎ澄ませる。
キックよりも素早く行える、右拳によるパンチを選択。
ショッカーにより強化されたホッパー1号のパンチの威力は強大。
まともに喰らえば、幾ら人外の者でも負傷は免れないだろう。
ようやく自分の方へ顔を向けてきたダグバに対し、ホッパー1号は引いていた右腕を突き出した。
固く握り締められたホッパー1号の右拳がダグバの顔面に捻りを帯びながら迫る。
「ふん」
だが、ダグバは右腕でホッパー1号の右腕を器用に逸らす。
一切の焦りはなく、只、自分に向かってきた虫を振り払うかの如くの落ち着き様。
ダグバにより捌かれたホッパー1号の右腕は予定していた軌道から外れ、彼の顔面から遠のく。
後はこちらの反撃を行うのみ。
余裕綽々に視線をホッパー1号から放す。
己の左腕に視線を落とし、更にその左腕を返し、握り拳を作り、力を収束させる。
超古代の戦闘種族であるグロンギの長であるダグバの力はホッパー1号のそれと比べ物にならない。
一撃一撃が規格外の衝撃を打撃を打ち付ける代物。
そして、ホッパー1号の身体へ拳を叩き上げるべく腰を落とし、ダグバは構えを取った。
「まだ、終わってない!」
そんな時、まるで予想していたかのようにホッパー1号は叫ぶ。
その言葉にダグバは一瞬、ピクンと反応し視線を上げる。
そこには、訝しげに見上げるダグバに再びホッパー1号の拳が迫っていた。
只、先程の右拳とはなく、今度は左拳であるという違いはあったが。
ダグバによって逸らされた右腕を、腰を回しながら直ぐさま引き抜き、ホッパー1号は左腕を突き出す。
同時に、回転を加えた腰の動きに更に逆の勢いをつけて回転。
その腰の動きを伝達し、充分に勢いが乗った左腕が風を切って、ダグバを襲う。
再び、ダグバは不機嫌そうに視線を動かす。
面倒だが、急遽左腕に力を抜き、ホッパー1号の腕を先程と同じように適当に捌こうと腕を動かした。
「おぉぉぉぉっ!」
「……なかなか速いね」
しかし、ホッパー1号の予想以上の拳の速さにダグバは捌く事に失敗した。
仕方なしに左腕でホッパー1号の左拳を掴み、受け止める。
途端にダグバの左腕に襲い掛かるホッパー1号のパンチによる衝撃。
“ライダーパンチ”と称されるに相応しい威力に、ダグバはほんの少し唇を噛む。
本来ならば圧倒的な力、生命力を誇るダグバだがこの殺し合いでは特に能力が制限されているらしい。
再びその事実を認識させられたダグバは忌々しげに主催者への怒りを燃やす。
だが、それでもダグバの力がホッパー1号に劣っている筈もない。
力比べで自分に挑むとはなんとも愚かな事だろうか。
そんな事を思いながら、ホッパー1号の左拳を握り潰そうと力を込めようとする。
「やらせるかッ!」
しかし、ダグバの拘束が強まるより早く、ホッパー1号は空いた右足でダグバの胸板を蹴りつけた。
ホッパー1号の蹴りを受け、ほんの数歩後ずさるダグバ。
勢いは乗っていなくとも、ホッパー1号の蹴りもまた強力なものだが、ダグバにさしたるダメージはなかった。
元々、ダグバの能力が飛び抜けて高く、制限を受けようとこれくらいは問題にならない。
しかし、ホッパー1号もダグバと闘うのは初めてではなく、彼の強大さは身を持って知っている。
そして、ホッパー1号は考えなしに闘う人間ではない。
そう。ホッパー1号はダグバに負傷を与えるために蹴りを放ったわけではなかった。
拘束が緩んだ左腕を引き抜き、ダグバを蹴り飛ばした衝撃でホッパー1号は後返りを行いながら、大きく宙へ飛び――
右足をダグバに向け、ホッパー1号の身体は彼に向かって落ちるように向かった。
(重力の力も利用すれば……いけるはずだッ!)
相手の身体を蹴り飛ばす衝撃を利用した、俗に言う反転蹴り。
反転キックというに相応しい蹴りをホッパー1号は行う
重力に引かれ、ホッパー1号の身体は加速しながらダグバの元へ殺到する。
速度は速い。先程の蹴りよりも充分に勢いは乗っている。
上方から蹴りを行える自分の方が向うよりも蹴りに勢いは乗せやすく、状況は有利。
自分の真下に立ち尽くすダグバに蹴りを叩き込もうと、ホッパー1号は更に力を込めた。
この距離では炎は使えず、避けるのも容易ではない。
「なっ!?」
だが、その瞬間、ホッパー1号の全身をいいようのないプレッシャーが襲う。
強化マスクに隠れた本郷の顔から思わず、冷たい汗が流れ始める。
思わず体勢が崩れ始めるホッパー1号の身体。一体何が起こったのだろうか。
自分の急激な変化に驚いたホッパーは思わず視線を飛ばす。
そして、ホッパー1号はその眼で確認した。
そう。ホッパー1号に強大なプレッシャーを与えた存在は不敵に笑っていた事を。
「調子に乗らないでくれるかな?」
以前、ダグバは数百メートルも離れた位置からクウガを見つめ、その威圧感でグローイングフォームまで追い込んだ事がある。
圧倒的な暴力と残虐性を兼ね備え、対峙する者に強大な威圧感を与える事が出来る存在にしか出来ない行為。
勿論、ダグバにそれが出来ない事はなかった
それほどまでにも強烈なダグバのプレッシャーをまともに受け、ホッパー1号は思わず体勢を狂わせていた。
そんなホッパー1号を迎撃するかのようにダグバが右足を振り上げる。
碌に腰も回さず、只足を振り上げただけにしか過ぎないダグバのハイキック――
だが、足を振り上げた時の勢いで周囲に風圧が起きた事がその威力の大きさを物語っていた。
体勢を崩しながらも、必死に体勢を戻し、左脚を向けるホッパー1号。
その蹴りにダグバの右足が咆哮を上げる猛獣のように迫り――
「ぐはぁッ!」
ホッパー1号の身体を左脚ごと蹴り飛ばす。
左脚に痛みを示す電気信号が駆け巡り、生じた痛みの感覚がホッパー1号を襲う。
思わず、苦しみに塗れた声を漏らすホッパー1号。
ダグバの蹴りの衝撃で宙へ弧を描くように飛んでいくホッパー1号は宙で一回転を行い、地に降り立つ。
頭や背中から落ちる事は避けたため、着地に際には特に気になるダメージはない。
だが、蹴りの衝撃は完全には消え去ったわけでなく、思わず片膝をついてしまう。
「ほらほら、休まない」
そして、その隙を逃す程ダグバはお人好しではない。
左腕をホッパー1号へ向け、力を込める。
数秒もしない内に出現した炎がホッパー1号を襲うが、前転を行い、なんとか避ける事に成功する。
だが、体勢が崩れていた事もあり、そのタイミングはかなり危うい。
背中にほんの少し炎が掠ってしまい、スーツが焦げる匂いが周囲に漂う。
しかし、そんな事を気にしている暇もない。前転を終え、直ぐにホッパー1号は立ち上がる。
恐らく、もう一度放ってくるだろうと思われるダグバの炎を見極めようとホッパー1号は視線を彼の方へ飛ばす。
「残念、考えが外れたね」
ふいにホッパー1号の顔に衝撃が走り、彼は自分の脳が大きく揺れたような心地を覚えた。
その原因はいたって単純。
前転を行い、炎から逃れたホッパー1号の元へダグバが一瞬の内に近づき、彼に拳を叩き込んでいたから。
横殴りに打ち出した拳がホッパー1号の左頬を抉るように突き刺す。
強大な衝撃により手放しそうになる意識を必死に繋ぎとめ、ホッパー1号は反撃の拳を返そうと、左腕を引いた。
距離は近く、直ぐにでも拳は届く。
口の中に広がる血の苦味を意識の片隅に置き、ホッパー1号は拳を突き出そうと前方へ踏み込む。
「これならッ!」
ホッパー1号が固く握り締めた右の拳を、弾丸のように撃ち飛ばす。
“力の1号”と称されるホッパー1号の剛拳が唸りを上げ、一閃の軌道を描いた。
不敵に笑うダグバの胸部に向かって、一直線にホッパー1号の拳が進んでいく。
「ハハ、よくやるよ」
しかし、ダグバの不敵な笑みは止まない。
迫り来るホッパー1号の拳に合わせる様にダグバは左腕を引き、突き出す。
やがて、ぶつかりあうホッパー1号とダグバの拳。
肉と骨が互いにぶつかり、耳障りな音が周囲に響く。
拳から伝わる痛みにホッパー1号はほんの少し、腰を落としながら苦痛に身を震わせる。
一方のダグバはというと――
無常にも、さしたる痛みを感じているようには見えない。
「ふん!」
「がっ……うおぉぉぉぉぉっ!」
左腕を引き、今度は右腕を振るい、ダグバは肘鉄をホッパー1号の胸部へ打ち込む。
伊達に究極の闇は名乗っておらず、ダグバのスペックは全ての面で異常な水準を維持している。
強烈な衝撃と痛みに耐え切れず、ホッパー1号は思わず後方へよろめく。
だが、ホッパー1号は直ぐに下げていた頭を上げ、前方へ踏み込み、踏み足とは逆の――
左脚を振り上げ、ダグバに中断蹴りを仕掛ける。
斜め上を蹴り上げるようにホッパー1号の強化された左脚が弧を描くように、文字通りダグバの脇腹に向かって飛び込む。
左脚が振りぬく速さは充分に速い。
体勢が崩れながら放ったのにも関わらず、タイミングもいい線をいっている。
やがて、ダグバの脇腹に捻じ込むようにホッパー1号の蹴りが決まった。
手ごたえを感じ、ホッパー1号は仮面に隠された表情に僅かな安堵の色を浮かべるが――
(なっ…………に?)
直ぐにその色は消え失せ、ホッパー1号は己の眼を疑う。
完全に勢いは乗っていないため、これでダグバが仕留められるとホッパー1号は思っていなかった。
しかし、それでも多少の効果はあったに違いない。
そう。たとえば後ろへよろめくといったような動作を起こす筈、とホッパー1号は確信していた。
足の裏からジンジンと感じる感触はホッパー1号の、その自信を裏付けるためには充分過ぎる。
「……そろそろ、つまらなくなってきたね」
だが、ダグバは一歩もたじろぐ事なく、その場で立ち尽している。
依然、ホッパー1号に余裕有りげな微笑を浮かべながら――
右肘を真下に下ろし、自分の脇腹にめり込んでいるホッパー1号の左脚を叩き落す。
脛の辺りに響いた、電撃のような痛みに耐えかね、ホッパー1号は直ぐに決断を下した。
左脚を自分の方へ思いっきり引き戻し、ダグバの攻撃から逃れる。
ほんの少し、後へ体勢を傾けながら、ホッパー1号は再び左肩を引き、左腕を振りかぶる。しかし、ホッパー1号のその動作は遅かった。
「――ッ!」
「疲れてきたのかな……?」
ホッパー1号の拳が繰り出される前にダグバが右の鉄拳を叩き込む。
咄嗟に両腕を前方にクロスさせ、ホッパー1号はその衝撃を受け止める。
ミシミシとホッパー1号の腕の骨が軋む音が響き、彼は後方へ吹っ飛びまいとその場で耐え切る。
そんなホッパー1号の様子に少し、嬉しそうな表情を浮かべ、ダグバが更に腕を振るった。
二撃目はホッパー1号の左腕よりの箇所を叩きつける。
間髪を入れずに打ち出された三撃目はホッパー1号の右腕よりの箇所へ。
グラっと、右の方へ少し身体を傾けるホッパー1号をダグバは少し感心したような表情を浮かべた。
かと思いきや、今度は四撃目の拳を下方から掬い上げるように打ち出す。
辛うじて反応したホッパー1号は再び、両腕でその暴力的な拳を受け止める。
ここ一番の大きな、聞くに苦しい音が響き、ホッパー1号は両腕に積もりきったダメージにより、気を失いそうになる心地さえした。
(強い……、だが、ここで負けるわけには……!)
だが、決してそのホッパー1号の身体が地へ崩れ落ちる事はなかった。
決して引けぬ思いを抱き、寸前の所で消え行く意識を手放しはしない。
今度こそ、ダグバの猛攻よりも素早く、拳を叩き込む。
そう思い、ホッパー1号は今一度、ダグバの懐に飛び込んだ。
バッタの跳躍力をバネにし、己の身体を一陣の突風に換える勢いで――
ホッパー1号は大きく、右腕を振りかぶる。
「ああ、わかったよ……」
しかし、非情にもホッパー1号の拳が届くよりも速く、ダグバの拳が突き刺さった。
己の攻撃のために防御を捨てていたホッパー1号の鳩尾に衝撃が走り――
彼の身体がいとも容易く後方へ吹き飛ぶ。
「どうやら君は、僕を笑顔には出来ないってコトがね」
みるみる内に自分から離れていくホッパー1号にダグバは小さく呟く。
今まで遊んでいたおもちゃが壊れてしまい、急に興味を失くした子どものような表情を浮べながら。
ダグバは右腕をホッパー1号の方へゆっくりと向け始めた。
◇ ◆ ◇
「さて……どうしようかな?」
ダグバは右腕を向けながら、考える。
直ぐに倒れては面白くないため手加減を行っていたダグバ。
だが、幾ら手加減を行っていたといえどもダグバの連打を受けてはホッパー1号も只ではすまない。
後方へ吹っ飛ばされ、ピクリとも動かず沈黙を保っているホッパー1号をダグバはチラリと見やる。
このまま、炎を放てば簡単にホッパー1号の命を消す事は出来るだろう。
ホッパー1号の不甲斐無さに、ダグバは思わず小さなため息を漏らす。
所詮、複数で闘っても自分に勝てなかったホッパー1号にここまで期待するのは無謀だったのかもしれないが。
そんな時、ダグバにある考えが閃く。
「そうだ、これは放っておいて違う所へ行こうか?
僕を笑顔にさせてくれる……『仮面ライダー』に会いにね」
もしかすればホッパー1号を一度、此処で逃せばまた自分に会いに来てくれるかもしれない。
今度は自分をもっと楽しませてくれる、笑顔にしてくれるほどの強さを得て。
そんな事を考えれば自然とダグバは不思議な高揚感に襲われる。
そうだ。それがいい。それなら自分も満足だ。
その間、自分は別の相手――
出来れば『仮面ライダー』なる者と遊べばいい。
そう考え、ダグバはホッパー1号に向けていた腕を下ろし、踵を返す。
最早、脆弱なお前にはなんら興味はない。
変身は解かず、背中からそう語り掛ける様にダグバはその場を立ち去ろうとする。
支援
「へぇ、驚いたな」
そんな時、ダグバは振り向きをせずに立ち止まる。
漏らす言葉は少し驚いたような声。
その言葉には少し、嬉しそうな様子さえ垣間見えた。
「今度こそ、僕を楽しませてもらえるのかな……君は?」
ゆっくりと立ち上がった男に対し、ダグバは同じようにゆっくりと振り向き、問いかける。
そう。再び立ち上がった男――
ホッパー1号こと本郷猛に対して。
◇ ◆ ◇
ダグバの拳を受け、ホッパー1号は辛うじて意識を保っていた。
それはダグバが出来るだけ長く闘おうと手加減した事が関係していたかもしれない。
兎に角、変身が解除されなかった事も考え、ホッパー1号はかなり幸運であったといえる。
だが、それでもホッパー1号が受けたダメージは甚大なもの。
ダグバの強烈な拳を何度も受け、最早使い物になるかすらもわからない。
最後に貰った鳩尾への手痛い一撃が引き起こす痛みにより、ホッパー1号はなかなか起き上がる事は出来なかった。
しかし、ホッパー1号は今、現に立ち上がった。
ボロボロな身体で、両腕から大量の血液を流し続けるホッパー1号はダグバを見据える。
「お前も知ってるのか……? 城戸さんが言っていた仮面ライダーという人達を…………」
ポツリポツリとホッパー1号は疑問の言葉を口にする。
『仮面ライダー』――
城戸真司がホッパー1号こと本郷猛に言った言葉。
ミラーワールドに飛び込み、ミラーモンスターを倒し、自分の望みのために闘うしかない存在。
城戸はそんな悲しい仮面ライダーの闘いを止めるべく闘っていたらしい。
仮面ライダーという存在が本当に正しい存在なのかはホッパー1号にはわからない。
先程、自分達を襲ってきた赤紫色の参加者も恐らく仮面ライダーの一人なのだろうから。
だが、ホッパー1号は信じた。
たとえ、仮面ライダーの全員がホッパー1号の想像する人柄ではなかったとしても――
ホッパー1号の仲間、城戸真司は紛れもなく信頼できる人間だから。
ホッパー1号は『仮面ライダー』という存在を信じる事に決めた。
「知っているさ。クウガともう一人の青い仮面ライダー……二人ともそれなりに面白かったよ。
まぁ……片方は死んじゃって、クウガは泣いちゃったけどね」
口を開き、ダグバはホッパー1号の元へ歩を進める。
最早、何もしなくても勝手に倒れ、死んで行ってってしまいそうなホッパー1号。
わざわざ、自然発火能力を使う必要もないだろう。
当然、ホッパー1号の話が終わるまで律儀に待つ必要もなく、ダグバとホッパー1号の距離は縮んでいく。
だが、何故かホッパー1号はダグバの接近に興味はなく、何かに対し驚いたような表情を浮べていた。
ダグバが口にした言葉を聞いた事によって。
「ふん!」
ホッパー1号のそれ以上の言葉を聞くことなく、ダグバが右腕を横なぎに払う。
既に距離は十分に詰めきっており、ホッパー1号の身体は横へ吹き飛ぶ。
度重なる負傷によりホッパー1号は抵抗する事も出来ず、彼の身体は勢い良く地面を転がっていく。
何度目かの回転を経て、ようやくホッパー1号は川沿いの場所で止まる。
それは奇しくも、ホッパー1号が最初にデイバックを投げ捨てた場所と同じ。
また、力なくうつ伏せに倒れたままでホッパー1号の身体はぴくりと動かない。
最早、傷だらけの身体に疲労と負傷は限界。
ホッパー1号の身体はそれ以上、立ち上がる事はなかった。
「…………だったら、未だ倒れるわけにはいかない……」
いや、それは間違いだった。
ピクリと地を掴む腕を動かし、ホッパー1号は全身に力を込めた。
もう一度立ち上がる。
揺ぎ無いホッパー1号の意思は未だ消えていない。
ゆっくりと立ち上がり、両膝を叩き、少し驚いたようすを見せるダグバを睨む。
『意思』という二文字に燃え滾る瞳を、マスクの下に潜ませながら。
「……結構丈夫だね」
「ああ、負けられない理由が増えたからな……!」
ホッパー1号の鋭い視線を受け、ダグバが再度口を開く。
その様子には全くの動揺は見られない――
というわけではなかった。
ダグバはこれほどまでにもホッパー1号がしぶといとは思ってもいなく、正直憎憎しい気持ちがあった。
自分の攻撃を貰い、これほどまでに存命している事実ははっきりいって気に入らない。
そのため、ようやく少し本気を出そうとダグバは語気を強める。
だが、ホッパー1号に一向に竦む様子はなかった。
支援
「俺には一文字や風見、城戸さんや志村さん達が……仲間が居る。
それに……大切な人、あすかさんが居る限り……俺は生きるコトを諦めない!
そして……お前を逃がすつもりもないんだッ!」
立ち止まり、こちらを不敵に眺めてくるダグバへホッパー1号は声高らかに宣言する。
この殺し合いに呼ばれる前に出来た掛け替えのない仲間達。
この殺し合いで知り合った、大切な仲間達。
そして、今は居ない、ホッパー1号が愛すべき人――
緑川あすかの笑顔を浮べながらホッパー1号は両の拳を握り締める。
その姿には後退の意思は、撤退の意思などない。
只、ダグバに対し、ありったけの闘志をぶつける事しかない
「お前と闘った彼らのためにも俺は負けられない……。
全てを壊しつくすお前に……これ以上何も壊させない!
美しいものは何一つもッ!!」
ホッパー1号が吼える。
その咆哮が指し示す内容はダグバをなんとしても打倒する事。
一度も会った事はなく、ホッパー1号にとって、彼らの本当の名前がどんな名前からも知らないブレイドとクウガ。
だが、ホッパー1号はそんな彼らの二人の意志を受け継ぐ決心をする。
ホッパー1号には彼ら二人を信用出来る理由が十分にあったから。
そう。自分と同じようにダグバと闘ったから、信頼できる。
それ以上に――
「だから、俺は彼らの……『仮面ライダー』の意思を貫く!
きっと皆を……守りたいものを守るために闘った彼らのように……。
そうだ、俺は…………!」
彼らは『仮面ライダー』だったからホッパー1号には信じられる。
ダグバと闘い、命を散らしたブレイド、そして悲しみに沈んだクウガの意思を無駄にしない。
自分の先輩ともいうべき存在達の意思を此処で消させるわけにはいかなかった。
そして、ホッパー1号は無意識的に構える。
両の足を軽く開き、腰を少し落とす。
その構えはいつでもダグバに対し、攻撃を仕掛ける意思を示す。
そして、ホッパー1号はありったけの大声で叫ぶ。
自分の意思を証明するための――
宣言ともいうべき言葉を。
「俺は、仮面ライダーホッパー!
美しいものを……人間の命を守るために闘う!
そこに……俺の命を掛ける価値は充分にあるから!!」
『仮面ライダー』の名前を借り、一人のライダーとして闘う事を決意するホッパー1号――
いや、仮面ライダーホッパーがダグバを鋭い眼光で射抜く。
瞬間。
ホッパーは地を疾走した。
その速さはまさに一陣の風というに相応しい速度。
最早、満身創痍な身であるにも関わらずにホッパーは駆けた。
ホッパーとダグバの距離は三十メートル程離れているため、直ぐには距離は縮まない。
ダグバは少し表情を曇らせたが、ゆっくりと右腕を翳す。
右腕がホッパーに向けられ、自然発火能力を行使し、ホッパーの身体が紅蓮の炎に包まれる。
既にボロボロなホッパーの身体を炎が燃やし、外部装甲の一部を黒い消炭に変えていく。
装甲の成れの果てが次々に漕げ落ち、節々から生身の部分が痛々しく露出し始めた。
支援
「な……に?」
だが、何故か、ホッパーは初めから避けようとはせず、炎に包まれながら走り続ける。。
その事に驚き、ダグバは言葉を漏らす。
ホッパーが何故自分の炎を避けなかったにも多少の驚きはあった。
だが、それよりもダグバは目の前の光景に思わず眼を疑う。
既にボロボロの身であるホッパーには炎一発で楽に命を奪える。
ダグバはそう思っていたのだが――
依然、ホッパーは立ち止まることなく、走り続けていた。
「う……うおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!」
吼えるホッパーが大地を蹴り飛ばし、宙へ大きく跳躍する。
その時、今もホッパーの身体を無常にも燃やし続ける炎がゆらゆらとゆれた。
再びホッパーの身体から新たな消炭が落ち、彼の強化スーツの損傷度が進んでいく事を示す。
遂にマスクの一部分すらにも炎が侵食を始めた。
(まだだ……持ってくれよ、俺の身体……まだ、終わっていないんだからな……!)
だが、ホッパーは気にしない。終われない。諦めきれない。
それよりも大事な事に――
ダグバを倒すために意識を傾ける。
ホッパーは気にすることなく右足を伸ばし、右の蹴りをダグバに向けた。
「――ッ!」
少し焦りのような、苛立ちのような感情を含ませながらダグバが右腕を向ける。
第二撃目の炎が撃ち出され、ホッパーの身体を更なる炎が襲う。
肉が焦げる匂いが一段と強くなり、ホッパーの周囲におびただしい炎が纏わり付く。
噎せ返る匂いで、呼吸をする事すら億劫になってくる。
しかし、マスクの下に隠れた本郷の表情には曇りはない。只、一点を凝視し続けていた。
その瞳に諦めや後悔といった感情はなかった。
(…………ッ! もう少し…………もう少しだッ!!)
ホッパーの勢いは止まらない。止まれない。止める事など誰にも出来やしない。
ホッパーの意思は――
『正義』は壊すための炎では燃え尽きらせる事は出来ない。
「ライダアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァッッッッッ――」
ふいに、ホッパー1号は叫んでいた。
今まで技を繰り出す事はこんな事を叫んだ事はなかった。
だが、何故か根拠はなく、不思議な事だが叫ばなければならない様な気がしていたから。
そのため、ホッパーは叫ぶ。
燃え盛る炎の勢いに負けないように、強大な意思を伴いながら。
今も炎が波のようにつたう、伸ばしきった右足をダグバへ向け、ホッパーが咆哮を上げる。
「キイイイイイイイイィィィィィィィッッッッッックッッッッッッッッ!!」
真っ赤な炎に包まれながらキックを――
『ライダーキック』をホッパーは繰り出す。
――その姿はまるで炎に包まれながら、ちはるに向け、ライダーパンチを放ったV3のように。
――その姿はまるでファイナルベントを使い、ドラゴンライダーキックを放つ仮面ライダー龍騎のように。
――その姿はまるで、封印エネルギーを足に溜め込み、マイティキックをダグバに放った仮面ライダークウガのように。
そして――
その姿はまるで、全てのものを守るために、ダグバにライトン二グ・ソニックを放った仮面ライダーブレイドに似ていた。
弾丸の如くホッパーは――
『仮面ライダーホッパー』が神速の勢いでダグバへ突撃する。
「ぐぁっ!」
胸部に――
奇しくも、ブレイドがライトニングソニックを蹴りこんだ箇所に、ライダーキックを受け、ダグバの身体が後方へ吹っ飛ぶ。
ライダーキックを受けた箇所に鋭い、痛みが走り、思わず歯軋りをする。
今までホッパーの攻撃に対し、碌な反応を見せなかったダグバ。
だが、予想以上の動きを行ったホッパー1号に驚き、ライダーキックをまともに受け、したたかに大地に背中から落ちていく。
支援
無様にも一撃を貰ってしまった自分。
幾ら制限で力が劣っているといえども、こんな事は有り得ない。
ホッパーの強さに嬉しい気持ちもあったが同時に疎ましく思う感情もある。
自分をそんな状況に追い込んだホッパーはとても気に障る存在だ。
今度こそ、直ぐにホッパーの息の根を止めようとダグバは立ち上がる。
立ち上がった時に胸部に鋭い痛みが生じたが、そんな傷は直ぐに癒えてくれるだろう。
気にせずに、ダグバはホッパーの方を見る。
「…………くっ……」
しかし、ホッパーはダグバが何もしない内に急に足取りがふらつき始める。
当然消す暇も手段もないため、ホッパーの身体を燃やす炎は健在。
確実にホッパーの体力を蝕み続け、既に立っている事も限界なのだろう。
必死に立ち続けようとするが、それも叶わずにホッパーの身体はフラフラと傍の川へ近づく。
「……く…………そッ……」
ホッパーが川に向かって崩れるように倒れこむ。
だが、川の中へ倒れこむ瞬間。
ホッパーは身を強引に逸らし、傍に放置していた自分のデイバックを引ったくった。
やがてデイバックを抱えたままホッパーの身体は川に流され、ダグバの元を去っていく。
どうやら気を失ったらしく、変身も解け、本郷猛の姿に戻っていた。
そんな本郷をダグバは暫く眺め続けるが、やがて彼から眼を離す。
何か紫色の変な物体も続けて川に飛び込んだような気もしたが、直ぐにダグバの関心は消えていった。
◇ ◆ ◇
「ふん……まぁ、また後ででもいいさ。
そう……君が生きていればの話だけどね」
変身を解き青年の姿に戻る、ダグバはライダーキックを受けた胸の辺りを押さえながらそう口を開く。
もう、川に流された人間の回収は既に一回経験し、とても面白くない事だとわかっている。
そのためダグバはあっさりと本郷を諦め、徐に立ち上がった。
一歩一歩と移動するダグバ。
既にダグバの興味は別の方へ向いている。
「本郷だったっけ? 彼が言っていた一文字、風見、城戸、志村っていう四人のリントは……多分そうだ。
きっと彼らも『仮面ライダー』なんだろうね……だったら、いつか会いにいかないと」
それはいうまでもなく、他の強者との――
仮面ライダーとの闘いに対して。
そのため、本郷の話しぶりからして弱者と思えるあすかにはなんら興味はない。
まだまだ自分を少しは楽しませてくれそうな参加者が居る事に思わず、ダグバの歩幅は広くなり、歩く速度は速くなっていく。
また、ダグバには他の事に関しても興味があった。
それはダグバが剣崎一真と五代雄介から奪った支給品に事に対して。
一つ目は剣崎から手に入れたラウズカード。
そして、もう一つは五代から奪い、移動している間に確認した支給品。
「『仮面ライダーナイトをサバイブ態へ変身させる』か……。
良くわからないけど、面白そうだね」
奇妙な羽が描かれたカード。
サバイブ『疾風』のカードを手に取り、ダグバは不敵に笑う。
その笑みに人間味のようなものを一切感じ取る事は出来なかった。
支援
【ン・ダグバ・ゼバ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:昼】
【現在地:D-6とD-7の中心の境界】
[時間軸]:47話、クウガアメイジングマイティに勝利後。
[状態]:脇腹に刺し傷、胸部に蹴りによるダメージ、二時間戦闘不可(ダグバ)
[装備]:無し
[道具]:基本支給品×3 ラウズカード(スペードA〜9、ハートQ〜K)、サバイブ『疾風』
【思考・状況】
1:究極の闇を齎す。
2:強くなったクウガ、龍騎、ホッパー1号と再戦 。
3:『仮面ライダー』と思われる一文字隼人、風見志郎、城戸真司、志村純一と戦う。
※自身の戦闘能力に制限がかかっていることを何となく把握
※どこへ向かうかは次の方にお任せします。
◇ ◆ ◇
(ここは……?)
川に流された本郷がぼんやりと意識を取り戻し始める。
だが、とても声は出せず、こんどこそ立ち上がる事は出来なかった。
何故なら、長時間ダグバの炎に焼かれ続け、川に落ちた事で大量の血液を失った本郷。
体温は冷め切り、顔も青白いものになっている。
最早、本郷に助かる術はないといっていい状況といえるだろう。
(未だだ……俺は未だ、ダグバを倒せていない……あすかさんの誤解も解いてない……
死ぬわけには……)
だが、本郷はその事実に屈せず、諦めずに立ち上がろうとする。
しかし、思うように身体が動かせない本郷は辺りを見渡す。
確かに本郷は川の中で気を失った筈だった――
なのに何故か本郷は今、川の水に身体を浸してはいない。
固い大地の上に仰向けに倒れていた。こんな状態で、自力で陸へ這い上がれるわけもない。
という事は誰か親切な人間が自分を救ってくれたのだろう。
そう考え、本郷は自分を救ってくれた人物を探すために視線を回した。
自分の直ぐ傍に強化マスクが落ちている事を確認したが、構わずに探し続ける。
そして、本郷は見てしまった。ぼんやりと、碌に見えはしないが確かに本郷は見た。
彼がよく知る人物を――
「い、一文字…………?」
一文字隼人が怪訝そうな表情で本郷を眺めていた。
支援
「そうか、一文字……俺を追ってきてくれたんだな……。
結局、バイクも奪われちゃって…………悪かった…………」
己の親友である一文字が目の前に居る事に本郷は純粋に喜びの笑顔を見せる。
だが、その笑顔はとても弱弱しいもの。
既に消耗しきった身体では碌に表情を動かす事も出来ない。
しかし、本郷は自分の命が確実に磨り減っている事実に嫌な顔は見せなかった。
だって、これで本郷はやり遂げる事が出来ると確信できたから。
「けど……悪いけど、頼みたいことがあるんだ……一文字…………」
そう。一文字に全てを託す――
それが出来るとわかっただけで本郷は思わず嬉し涙さえ流せそうな気がした。
だから、本郷は最期の力を振り絞り始める。
自分の最期の仕事を成し遂げるために。
「一文字…………これ……を………………」
あまりにも小さすぎる声。
掠れきった声で本郷は自分のデイバックを差し出す。
中に入っているものは基本支給品一式と以前ダグバから奪い取ったサソードヤイバー。
未だ使い方はわからないが、きっと何か隠された力があるのだろう。
震える腕でそれを差し出す本郷を一文字は少し様子を見てから、受け取る。
相変わらず素直ではない性格に本郷は少し可笑しさを覚えた。
しかし、本郷の口は未だ動き続ける。
「一文字……風見や…………城戸さんや志村さんとハナさん……それに……クウガという人と……一緒に……。
あすかさんを……守ってやってくれ…………」
自分が知りうる仲間達。
心強い仲間達の名を託し、本郷は一文字に己の遣り残した事を告げる。
一時はあすかを取り合った仲だが、彼女を守るのにこれほどまでに的確な人物は居ないだろう。
以前、何も言わない一文字だが本郷は何一つ嫌な顔はしなかった。
きっと、自分の身勝手な頼みに少し呆れているんだろう――
心の中で苦笑しながらそんな事を本郷は思う。
「あと、白い怪人…………ダグバには気をつけてくれ…………あいつは強い……仲間と一緒に……倒してく……れ……。
これ以上…………あいつの……好きにさせ……ないため……に………………。
だか……ら…………いちもん……じ……お前は…………」
次第に本郷の漏らす言葉の間隔が広くなっていく。
それは本郷が意図しているわけではなく、自然とそうせざるを得なかった。
何故ならもう、碌に喉から言葉を搾り出す事も出来なくなってきたから。
だから、本郷は出来るだけ眼を開き、口を動かし大声を上げようとする。
殆ど力が入らず、既に大した感覚も残っていない腕を震わせながら。一文字へ差し出した。
直ぐにその手を一文字は握り返した事により、手に温かい感触が宿り始める。
自分の身体がいかに冷め切っている事がわかり、本郷は心の奥底で一文字に謝罪の言葉を連ねた。
もう殆ど声も聞こえないため、残念ながら何を言っているのかわからない一文字に向けて。
そう。押し付けがましい事はわかっている。
だが、どうしても聞いて欲しい。
受け継いで継いで欲しい。
とても大切な事だから――
この意思は。
「闘ってく…………れ……仮面……ライダー……として……人間のため……に………俺の分も……頼……………む………」
自分の――
『仮面ライダー』としての意思を一文字に伝える。
『仮面ライダー』の事を知らないと思える一文字には良く意味はわからないかもしれないと言った後でふと、本郷は思った。
しかし、本郷は直ぐにまぁいいかと思い、深く考えない事にした。
何故なら、一文字は少し性格に癖があるが無二の親友。
きっと、いつかは本当の意味を知ってくれるだろう。
ふと、身体が持ち上げられた感触を覚え本郷は顔を見上げる。
(なんせ…………お前は……本当に良いやつだからな…………自分が気づかなかった……くらいに…………な………………)
いつか、自分を助けに戻ってきてくれた一文字が言った言葉、そしてあの時の顔を思い出す。
一文字なら大丈夫――
そう思い、本郷が差し出していた腕は除々に下がり、意識が沈んでいく。
やがて、意識は沈みきり、本郷の視界はまっくらとなる。
最期の最期に本郷は何故か自分の手に何か感触を感じた。
それは少し暖かく、力強い感触。
その感触の心地よさに思わず微笑を浮かべ、本郷は眠った。
そして、本郷が眼を覚ます事はもう二度となかった。
最期の最期に本郷の手を握りしめた一文字隼人を――
彼が一文字隼人と思い込んでいた人物を。
「……ッ」
手塚海之を残して。
◇ ◆ ◇
288 :
名無しより愛をこめて:2008/06/17(火) 21:24:02 ID:KIUIHq2m0
数時間前の事。
ダグバにより陸に引き上げられた手塚はあの後、直ぐに眼を覚ましていた。
元々ダグバに手荒に扱われていたため、気を取り戻すのは特にきっかけもなく、あっけないもの。
意識を取り戻した手塚は直ぐに携帯の時計を確認し、自分が放送を聞き漏らした事を知った。
禁止エリアの追加情報を知る事が出来ないのは明らかな失敗。
一時は少し焦りもしたが、試しに携帯の禁止エリア情報調べたところ直ぐにその懸念は解決した。
何故なら、禁止エリアと死亡者の情報は携帯に送られており、その画面で確認する事が出来たから。
そして、手塚は直ぐに移動を開始した。
特に目的地はないが、今の疲弊した身体では先程の闘った相手――
仮面ライダー龍騎、仮面ライダーナイトと闘って勝ち目はないだろう。
もし、彼らに未だ仲間が居れば勝ち目は今以上に薄くなる。
そのため彼らから離れるために、取り敢えず、東の方へ歩き出した。
「あれは……?」
そして手塚は川の辺に近づいた所で本郷を見つけた。
先程、自分と同じように川に流されている本郷を。
城戸を生き残らせるためにこの殺し合いに勝ち残る事を選択した手塚にとって、本郷の事はどうでもいい。
だが、もしも本郷が何か役に立つ支給品を持っていたのなら話しは別だ。
どうやらここではカードデッキのルールが自分達の世界とは少し勝手が違うらしい。
いや、改変されたというべきなのだろうか。
兎に角、先程ナイトに変身した者は声色からして間違いなく女性であり、本来の契約者、秋山蓮ではなかった。
支援
ならば自分も別のライダーのカードデッキを使えるかもしれない。
正直、ライアのカードデッキに入っているコピーベントはライダー同士の闘いでは有効だが、それ以外ではあまり意味を成さない。
王蛇のカードデッキを手放した事を少し、勿体無かったと思うが直ぐに意識の片隅に置く。
再び川に入り、手塚は本郷を陸に引き上げ、適当な場所に仰向けに寝かせた。
本郷が大事そうに抱えていた奇妙な虫の顔を模ったマスクを取り上げ、傍に置く。
そんな時、また水浸しになってしまった自分の服を見つめ、手塚はふと対策を考える。
東へ行くよりも、市街地で換えの服を探した方がよかったかもしれない。
恐らく一刻も早く、先程戦闘を行った彼らから逃れようと思うあまり少し冷静さを欠いていたのだろう。
自分の行動に少し反省しながら、今は目の前の事に集中しようと手塚は本郷へ近づいた。
さぁ、持ち物を確認しよう――
そんな時だ。
『い、一文字…………?』
(なっ……に?)
本郷の声を聞き、手塚は思わず表情を顰める。
死亡、もしくは気絶していると思っていたばかりの本郷の意識があった事に手塚は少し焦る。
しかも声からして本郷は先程、龍騎となり自分と闘った相手であったと手塚は知った。
何故ならあの時と同じように自分の事を一文字と呼んだ事がなによりの証拠。
恐らく、瀕死の状態であり、碌に眼も見えていないのだろう。
しかし、そんな事は知った事でない。
銃器など扱った事はなく、先程使用を躊躇ったマシンガンブレードを使い、いっそ始末してしまうべきか。
そんな考えが手塚の脳裏を駆け巡る。だが、手塚はどうしても出来なかった。
何故なら、視点が合わない眼で必死にこっちを向こうとする本郷の姿が、瞳がだぶってしまったから。
あの時、自分にライアのカードデッキを託し死んでいった親友、斉藤雄一の瞳に。
そしてどんな時でも諦めずに、ライダーバトルを止めると言っていた男――
運命を変えられるかもしれないと思った城戸真司の瞳ともだぶってしまった。
『そうか、一文字……俺を追ってきてくれたんだな……。
結局、バイクも奪われちゃって…………悪かった…………』
(そうか……)
そして、手塚は本郷の話しを黙って聞き始めた。
自分を一文字という男と思い込んで話す本郷に事実は伝えずに。
その事実を伝えてしまっては本郷が可哀想に思えたから。
その感情は手塚が持つ、優しさが為せる行為だったのかもしれない。
『けど……悪いけど、頼みたいことがあるんだ……一文字…………』
(俺は一文字じゃない……聞く義理もない……)
別に手塚がやってあげる義理はない。
そう。本郷がここで死のうと手塚には関係なく、参加者が減り、喜ばしい事だ
だが、何故か手塚は真剣に耳を傾けた。その行為の理由は今でも彼にはわからない。
今にも死にそうな本郷からは眼が離せなかった。理由はわからずのままだが。
『一文字…………これ……を………………』
(ん……?)
本郷から力なく差し出されたデイバック。
自分の当初の目的は本郷の支給品だった筈。
手塚は意気揚々とそのデイバックを受け取る――筈だった。
(……何故、手を伸ばせない……?)
しかし、手塚はデイバックに手を伸ばせない。受け取る事が出来ない。
何故かそのデイバックは自分には相応しくない。
修羅の道を選んだ自分には相応しくないと考えてしまったから。
だが、ここで受けとらなければわざわざ川に入った意味もない。
迷いを振り切り、手塚はデイバックを受け取った。
中に入っていたものは一振りの剣、サソードヤイバー。
龍騎のカードデッキがなかった事に手塚は疑問に思った。
『一文字……風見や…………城戸さんや志村さんとハナさん……それに……クウガという人と……一緒に……。
あすかさんを……守ってやってくれ…………』
(なんだと…………?)
デイバックを確認している間、再び本郷から聞かされた言葉に手塚は大きな驚きを見せる。
城戸と自分の知らない人共にあすかという女性を救ってくれ――
もしや、この男は、本郷は城戸の協力者だったのだろうか。
『本郷さーん! あすかさぁーんっ!』
数時間前、確かに城戸は叫んだ。
あの時は自分が殺し合いに乗っている事を知られたくなく、逃走を図った手塚。
だが、冷静に考えればあの言葉は紛れもなく、城戸と本郷が友好関係にあった証拠。
多分本郷が龍騎のカードデッキを持っていたのは、何らかの事情で城戸から借りたのだろう。
先程闘った時も本郷からは芝浦のような命を軽視する性格、浅倉のような凶暴性はなかった。
どちらかといえば共に闘っていたナイトに対する自分の攻撃を庇うなど、心優しい人柄に見えた本郷。
他人の命を優先するあまり、自分の命をいつの間にか燃やし尽くしてしまいそうな性格。
そう。本郷はあの城戸と同じようなタイプの人間に思えた。
あの時は焦りすぎて、自分でも何故そんな簡単な事がわからなかったのか不思議でしょうがない。
今、状況が落ち着いたお陰でその意味を冷静に考える事が出来る。
城戸をこの殺し合いに生き残らせるには、何も自分が全ての敵を倒す必要はなかった。
そう。誰かに城戸を守ってもらえればそれでもいい。
未だ、40人以上も参加者が残っているこの状況では当然城戸が脱落する可能性もある。
ならば、今は城戸と友好関係を取るものは積極的に生かした方がいいだろう。
なのに、自分は城戸の仲間と闘ってしまった事実。
そして、自分との闘いの傷も関係してしまったのかもしれない。
本郷はみるみる内に衰弱していっている。
(俺は……俺は、自らの手で城戸に危険を……!)
本郷が死んでしまえば、城戸の仲間が減ってしまう。
それは即ち、城戸の生存率を下げる事に等しい。
今更城戸と合流を行おうとしても、ナイトに変身した女性――
恐らく本郷が言ったハナという女性は自分の声、そしてライアの姿を覚えている。
彼女が居る限り、自分がおめおめと城戸の下へ戻る事は出来ない。
何故なら、自分は本郷とハナと闘い、そのせいで本郷は命を落とそうとしているから――
城戸に合わせる顔はない。
(ならば……運命を変えてみせる、この男……本郷猛を救うコトで……!)
名簿で既に本郷の本名は知っている。ここで本郷を死なせるわけにはいかない。
手塚の表情に緊張と決意の色が滲み出る。
直ぐに救急箱を取り出し、手塚は応急処置を施そうとする。
『あと、白い怪人…………ダグバには気をつけてくれ…………あいつは強い……仲間と一緒に……倒してく……れ……。
これ以上…………あいつの……好きにさせ……ないため……に………………。
だか……ら…………いちもん……じ……お前は…………』
「わかった……わかったから……もう口を開くな!
このままでは命に関わる!」
支援
支援
しかし、本郷の言葉は終わらない。
ダグバという参加者は長い名前だったため、名簿に載っていた事は覚えている。
そして、白い怪人といった所恐らく本郷が数時間前に闘っていた白い怪人と同じ。
ダグバの事を手塚は深く記憶に留める。
そして、思わず声を出し、本郷の行為を戒める手塚だが本郷は特に反応を見せなかった。
もう、既に本郷の身体は限界で碌に自分の言葉すら聞こえないのかもしれない。
そうなれば本郷を待つ運命は――
言うまでもなく、死しか待っていないだろう。本郷が差し伸べしてきた手を手塚はしっかりと握り返す。
「死ぬな!……俺はお前に謝らないといけない……。
お前は死ぬべきじゃない……!」
これでもかというくらいに大声を上げる手塚。
危険人物に襲われるかもしれない?そんなコトは知った事か。
いつしか城戸の仲間だからといって死んで欲しくない気持ちは失せていた。
自分が今にも死のうとしているにも関わらず、自分に危険人物を教え、闘うように願う本郷。
本郷のその想いに自分の仇討ちを願うような感情は見られない。
きっと、本郷は弱き者のためにダグバと闘ったに違いない。
だから、こんなにも自分の身の危険を顧みず純真な言葉を口に出せるだろう――
あの、城戸真司のように。
そんな時、本郷の表情にやわらかな小さな笑顔が生まれ、手塚に僅かな希望が灯った。
しかし、直ぐにその希望は手塚をあざ笑うかのように消えてゆく。
支援
『闘ってく…………れ……仮面……ライダー……として……人間のため……に………俺の分も……頼……………む………』
「諦めるな! 運命に屈するんじゃない……俺がお前を救う!
だから……生きてくれ……本郷猛ッ!!」
『仮面ライダー』――
神崎士郎が仕組んだライダーファイトで闘う事を運命付けられた存在。
各々の願いのために闘う彼らを正義や悪に定義づけるのは難しい。
だが、本郷はまるでライダーの事を希望の象徴のように言った。
何故? 決して、誇れるような存在ではないのに。
人を殺す事に躊躇がない芝浦淳や浅倉威のような存在さえはいうまでもなく、自分のような者もライダーの一人だというのに。
その事実が手塚を激しく混乱させた。
恐らく、本郷はライダーとは城戸のような人物の事を指し示すのではないかと結論づける。
しかし、今はそんな事を詮索している場合ではない。
必死に呼びかけを行い、手を握る力を強める。
なんとしてでも救う。只、ひとえにそう強く願ったのに――
「……ッ」
――本郷の手から力が消えてしまった。
とてもあっけなく。
そして同時に手塚は知った。
本郷猛は……死んだのだと。
311 :
名無しより愛をこめて:2008/06/17(火) 21:34:21 ID:p7dUKk9P0
支援
「うああああああああぁぁぁぁぁぁッッッ!!」
手塚には只、無様に叫ぶ事しか出来なかった。
本郷の生気のない手を握りながら、天を見上げありったけんの大声で絶叫する手塚。
そんな手塚を本郷の背中付近に隠れた蠍のような物体――
ダグバとホッパーの闘いを見届け、彼が川に流された時も必死に付いていったサソードゼクターに気づかない。
そう。手塚を興味深そうな瞳で見つめるサソードゼクターに。
だが、それはしかたのない事だろう。
何故なら手塚はどうしようもない悲しみ、衝撃を受けてしまったから。
一人の男の命を――
本郷猛の命を救えなかった事に対して。
そして……自分が本郷の死という運命を帰られなかったこの忌々しい現実に。
手塚は叫ぶしか出来なかった。
本郷の言葉――
『仮面ライダーとして闘ってくれ』という言葉がいつまでも自分の記憶に残っている。
そんな事をぼんやりと思いながら――
手塚は叫び続けていた。
【本郷猛@仮面ライダーTHE FIRST&THE NEXT 死亡】
【残り41人】
【手塚海之@仮面ライダー龍騎】
【一日目 現時刻:昼】
【現在地:E-7 南西部の川沿い】
[時間軸]:死亡直後
[状態]:全身打撲。深い悲しみ
[装備]:カードデッキ(ライア)
[道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、救急箱、サソードヤイバー @仮面ライダーカブト、強化マスク
【思考・状況】
基本行動方針:???????????
1:???????????
[備考]
※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っています。
※その為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。
※川は下流に向かって流れていきます。
※サソードゼクターが本郷の死体に隠れ、手塚の様子を観察し、興味を持っています。
※本郷の言葉から一文字隼人、風見志郎、ハナ、志村純一、クウガ、ダグバの事を知りました。
※放送を聞き逃したため、スマートレディの言った参加者の蘇生に関しては知りません。
※携帯にデータがのこっていたため、死亡者と禁止エリアについては知っています。
支援
投下終了です。
長い間支援どうもありがとうございました。
それでは感想やご指摘などお願いします。
投下乙
ああ、ダグバ強い。
本郷ことホッパー1号の奮闘が熱かったです。
戦闘描写も相変わらず細かくて巧み。
炎のライダーキックに燃えました。
手塚の行方も気になります。
GJ!
投下乙です!
ダグバの強さがマジ半端ない…
だがそれ以上に本郷が熱かった!炎のライダーキックはいいなぁ、いいなぁ!
手塚はこれから先どうなるかな、楽しみが増えるなぁ…
投下乙です!
本郷……!凄くかっこよかった、凄く熱い戦いだった…!
美しいものを守るという信念を貫き通して戦い抜いた姿に涙!
ダグバの相変わらず底の見えない強さに戦慄。
そして本郷に一文字だと思われて想いを託された手塚が
これからどうなるか、サソードゼクターの登場も合わせて気になります!
超GJ!!!
ここに来て各人物の『仮面ライダー』への思いがそれぞれ違っておもしろいなー!
本当に楽しみです!
炎のライダーキックすごいカッコよかった!
死んでしまったのは残念だけど、手塚が本郷(R)の遺志を継いでくれると信じたい。
あとサソードゼクターもひっそりと可愛いですねw
投下乙です。
本郷は二人立て続けに脱落か……。放送の時に新たな混乱を生みそうですね。
そして不気味なダグバと激しく動揺する手塚のこの先が良い意味で不安です。
こちらからも連絡を。
昨日の修正分を仮投下して来ました。ご指摘等ありましたらお願いします。
なお、ダークカブトの資格に関しては、
>>158さん、
>>161さんがおっしゃっている通りです。
ダークカブトゼクターは試作型という特質上資格者選定はせず、実験体である擬態天道のみに付き従うようになっている
らしいんだが・・・
>>328 スマートブレインが弄った、で良いでしょ
そんなことを突っ込んだら参加者に持ち主がいないゼクターやデンオウベルトの支給は全部無効になるもの
>>328 本編にそんな設定が出て来た覚えはないけど、出典は?
どっちにしても、
>>329の解釈で問題ない。
資格選定がある、のと最初から無理、とは違うんじゃない?
それならブレイド系のツールだって弄ればよかったって話だし
>>329 では強引過ぎるよ、
>>331の言うとおり555系のスマブレの作ったベルトだって
弄ったから誰だって出来るでよくなってしまう。 鍛えられた参加者が鬼なってもよい
って事もありえちゃうよ
ルールに明記されていないものなら、ある程度の互換性を持たせても良いのでは?
整合性が優先されるばかりに、話としての面白さが潰れてしまうなら、本末転倒ですし。
仮面ライダーホッパーの誕生、そして死…
今回の戦いで自分的に一番良かった話になりました。
ああ、本郷猛は両方とも死んでしまったのか…
手塚がこれからどちら側になるのか楽しみです。
あと、何点か指摘が。
>>181 ×手段カブトエクステンダーは奪われている。
○移動手段にしていたカブトエクステンダーは奪われている。
>>246 ×彼らの本当の名前がどんな名前からも知らないブレイドとクウガ。
○彼らの本当の名前がどんな名前かも知らないブレイドとクウガ。
>>258 ×ダグバにライトン二グ・ソニックを放った仮面ライダーブレイドに似ていた。
○ダグバにライトニングソニックを放った仮面ライダーブレイドに似ていた。
>>328>>332 ならその設定が乗っている公式の物を上げてください。
デルタのときは、『劇中で暴走している描写がある』のにもかかわらず、超全集のページ数まで上げなくてはなりませんでしたし。
もしその設定があるのなら、公式と分かるもの、かつそれがどこにどのページであるか、ご説明をお願いします。
>>336 ダブト絡みでケチつけてる方々よりはよっぽどマシに見える件
そういえば華麗にスルーされてるけど、
デンガッシャーって電王変身解除後に残るものだったか?
劇中だと変身前は電王ベルトだけで、電王に変身した後に現れてるけど。
デンカメンソードやケータロスは単体で出てくるけど、
デンガッシャーだけ変身前に出てきた記憶がない。
意見言うだけでケチつけてるときた
超全集は持ってるの? 持ってるならダークカブトの所を読んでみなよはっきりするよ
話の修正が必要になるレベルの意見なんてのは本スレじゃ対象外なんだよ
議論スレでしかるべき態度でもって話せば「矛盾点の修正を求める」意見だが
本スレで話せばそれはケチにすぎない。
ダブト絡みで色々言ってる奴は皆遠回しに「ダブト出すな」で共通してるんだし
議論スレで公式資料提示して意見してくれば良い
またその意見を通すことで他の支給品に与える影響も加味した上でな
結局ダブトを唐突に出したのが原因じゃないか。
まぁ、古参の書き手なら何しても許されるってのは違うと思うよ。
俺もダブトは唐突だと思った。
それはさておき、投下乙です。本郷が死んだのは残念。
>>341 でもその議論スレって結局は、◆CIPHER0/kY氏の立てた議論板だよね。
彼がその気になれば、気に入らない意見は其処場で排除できるし、2chよりも
匿名性もなければ公共性も無いと思うけどなぁ。
まぁ、簡単にいえばロワの私物化だよ。
気に入らない意見は、議論スレに行けで排除。
自分たちに都合のいい意見、心地の良い意見しか耳を貸さない。
紳士的な振りをして、やってることは下劣だよね。
どう考えてます?◆CIPHER0/kY さん。
>>346 これ以上、本スレで話しても発展は見られないでしょう。
議論スレが強制IDなのは、自演を防ぐなどの意味合いも強いですし、
建設的な議論を交わしたいなら、議論スレへ行くべきと思います。
まぁ、簡単にいえばテンプレ嫁だよ。
気に入らない書き手なら、テンプレのルールなんて無視。
自分に都合のいい意見、心地の良い意見しか耳を貸さない。
紳士的な振りをして、やってることは下劣だよね。
どう考えてます?ID:CiPFyG6J0さん。
荒らしと思わせるような改変をして誤爆スレに特攻
確かにやることが卑怯。
議論スレも管理している以上◆CIPHER0/kY氏関係の議論の場合、中立性が一切ない
議論の中立性ねえ。
強制IDが表示されてる中で、どういう偏向ができるのか具体的に例示してもらえるかな?
まさかいきなりホスト規制される危険があるとか、そんな笑える意見が出るとは思えないけど。
>>349 いつもの鸚鵡返し君か。
そこまでして独裁者の書き手を守りたいのか。宗教みたいで怖いよ。
建設的な意見なら言ってるじゃない。
中立性がない議論板なんて立てても誰も寄り付かない。
ここで意見を交換するのが一番中立的だよ。
どの 書き手の 管理下にもないんだから。
>>352 よし、じゃあ早く意見を出すんだ
肯定派の意見は出揃っているぞ
建設的な意見ってどこにあるんでしょ。
「議論ならルール通り議論板池」→「怖いからやだ、ここで駄々こねる」
まさかこれのこと?
>>352 守りたいのは氏ではなく、スレの運営です。
ここは議論を交わしあう場ではありません。
どういう経緯で立てられたにせよ、議論スレがある以上は、議論スレにてお話し下さい。
このままでは、感想を話したい方も話しづらい状況になっています。
>>352 議論板は文字通り議論をする場です。
そこで議論をするのは至極当然の行為だと思うのですが。
それに行ってすぐにアク禁される訳ではないでしょう。
昨日の教授チームの話、現在時間が早朝のままなので修正を要求します。
>>334 ご指摘ありがとうございます。
ではその方向で修正しますね。
それと修正箇所が見つかったので申告を。
以前ダグバはホッパー一号の姿を見ていたのでその点を修正。
ダグバと手塚の時間帯を昼から午前に変更します。
>>353 肯定派の意見ってなに? ダークカブトはルール変えても書き手の信者だから
誰でも変身OKってこと? 古参の主なら変身アイテムをご都合主義で出しまくるは
素晴らしい行為って事?
>>359 ゼクターは基本、書き手任せで装着者を決めていい、がルールなので、今回だけ駄目、
というのは逆にルール違反な上筋違いですね。
でもダークカブトは555でいう所のオルフェノク専用みたいなもんで天道虫の専用なんじゃ
ないの?
テレビで描写されていない設定は基本無視。
キリがないし、誰でも確認できるわけじゃないから。
ってのが、各パロロワの基本ルール。他も見てくれば?
専用云々でいったらデンオウベルトは支給できなかったしな
じゃあ、鍛えれば鬼になれのは描写されてるわけだし、参加者が轟鬼や斬鬼さんに
なるのも問題なしという事でOK?
>>365 本編通り、一年しっかり鍛えたならいいんじゃね?
その前にロワは終わるけどな。
鬼は一人一人違う姿になるから無理だと思うね
オリジナルライダーは現行禁止だから
>>357 分かりました。ウィキ転載時に早朝から朝にします。
24時間制限の前に書き終わったので予約しないで手塚海之、志村純一を投下します。
日がだいぶ高く上った頃、その光の眩しさに志村はようやく長い眠りから目を覚ました。日の高さからすればもう10時頃。束の間の休息としてはあまりに長すぎた。
「大丈夫か?」
思わぬ程の時間の経過に少なからず焦りを覚える志村にかけられる優しい言葉。彼の目には言葉をかけた主、"あの忌々しき男"の姿が映った。
『闘ってく…………れ……仮面……ライダー……として……人間のため……に………俺の分も……頼……………む………』
手塚は本郷の言葉を胸にひたすらに歩き続けていた。修羅の道を歩むことを決め、城戸の仲間を襲ってしまった自分にはもはや持つことなど許されぬはずの気持ち。どう言い表していいかもよく分からぬ気持ちを胸に抱き始めていた。
この気持ちのやり場に困った手塚はただひたすらに歩き続けた。その後ろを小さな蠍がついてきていることにも気づかずに。
休むことなく歩き続けた手塚の視野に見慣れぬ存在が飛び込んできた。
体中を人外の証である緑色の血で染め上げ、深い眠りについている男。明らかに人外の存在に手塚は警戒する。
だが彼が城戸の協力者でないとは言い切れない。仮に敵ならば目を覚ました後に闘えばいい。まずは城戸の協力者である可能性を優先すべきだ。同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。
「今度こそ変えてみせる…死の運命を……」
志村が目を覚ましたのは手塚の懸命な治療によって傷が癒えてきた頃のことだった。
志村にとっては恩人であるはずが彼が手塚に送る視線は敵対心を剥き出しにしている。
「貴様…何のつもりだ? 何故とどめをささなかった?」
「何のことだ……?」
「とぼけるのもいい加減に……」
そう言いかけたところで志村は目の前にいる男の様子に違和感を覚えた。嘘を言い慣れているからこそ気が付いたのだが、この男は嘘をついていない。
「本当に…別人なのか?」
「ああ…他の奴にも言われたよ。よっぽど俺は一文字とやらに似ているらしいな…」
「一文字…」
まさかこれほど似通った赤の他人がこの閉鎖的な環境に集められているとは志村も手塚も考えもしなかった。
ただの偶然か、それともこれもスマートブレイン社の狙いなのか。どちらにせよこの奇妙な状態は志村に新たな策謀を抱かせた。
「実は…君に実に良く似た男がいたんです…」
手塚は志村の言葉に真剣に耳を傾ける。
「そして、彼は闘っていました…僕に瓜二つな相手と…」
「お前にも似ている相手がいるのか!?」
普段ならばこの程度の嘘で人など欺けはしない。だが手塚は度々一文字と間違われている。人は自らが体験した事実には共感したがるものだ。
「僕の偽物は君の偽物…恐らく一文字という人と闘っていました。僕はどちらの味方をしていいものか迷っていましたが、やがて僕の偽物は敗走を始めました。そこを僕と出くわして……僕はあなたに治療してもらうことになったというわけです」
「そうか…ところで、俺は手塚という。あなたの名前は?」
「…志村といいます」
「志村!?」
その名は手塚の頭にまだ残っている。本郷が言い残した大切な名前。
「じゃあ…あなたは城戸の仲間なのか!?」
「ええ…彼ら、城戸さんと本郷さんは僕を庇って白い怪物と闘ってくれた…あなたも城戸さんのお知り合いですか?」
「俺は…何があっても守らなければならない……城戸のことを!」
ただならぬ決意に志村は思わずその身を震わせた。この純粋なまでに強い思いは利用する価値がある。
「それでは…一緒に城戸さんと合流しませんか? 個人で動くにはこの闘いは厳し過ぎる…」
差し伸べられた志村の手を手塚は取ることが出来ない。
「俺には…そんな資格は……」
「何があったか知りませんが…あなたの城戸さんを守りたいという言葉、思い。それだけであなたが悪い人物でないことは分かります…何かあったら僕が力になります……一緒に行きましょう!」
「…はい!」
差し伸べられた手を取る手塚。その姿に志村は心の中でほくそ笑んだ。
これだけ信頼していれば大丈夫。彼は誰に対しても自信を持って語ってくれるに違いない。一文字がどんな敵と闘っていたのかを、"自分から聞いた通りに"。
普通ならば自分の偽物が襲っていたなどという話を一文字が信用するとは思えない。だが、もし一文字が自分と瓜二つな人間の存在を目の当たりにしたら…? 志村は危機を1つ乗り越えたことを確信した。
ダブトを理由や資格の描写もなしに唐突に出したりするからこんなに荒れるんだよ
【手塚海之@仮面ライダー龍騎】
【一日目 現時刻:昼】
【現在地:C-5エリア】
[時間軸]:死亡直後
[状態]:全身打撲。
[装備]:カードデッキ(ライア)
[道具]:基本支給品、マシンガンブレード@仮面ライダーカブト、救急箱、サソードヤイバー @仮面ライダーカブト、強化マスク
【思考・状況】
基本行動方針:運命を変えないように何としても城戸を守り抜く。
1:志村の力を借りて城戸の協力者のグループに参入し城戸の力となる。
2:自分にそっくりな男、一文字(R)への興味。出来れば本郷(R)の死を伝える。
[備考]
※城戸が自分と同じ時間軸から連れてこられたと思っています。
※その為、城戸が死ぬ事は運命を変えられなかったことに相当すると考えています。
※川は下流に向かって流れていきます。
※サソードゼクターが手塚に興味を持っています。
※本郷の言葉から一文字隼人、風見志郎、ハナ、志村純一、クウガ、ダグバの事を知りました。
※放送を聞き逃したため、スマートレディの言った参加者の蘇生に関しては知りません。
※携帯にデータがのこっていたため、死亡者と禁止エリアについては知っています。
※志村から一文字(R)と志村に瓜二つな敵が闘っていたという話を聞き、信じています。
【志村純一@仮面ライダー剣・Missing Ace】
【1日目 現時刻:昼】
【現在地:C-5エリア】
[時間軸]剣崎たちに出会う前
[状態]全身に軽い痛み
[装備]グレイブバックル@仮面ライダー剣・Missing Ace
[道具]支給品一式、ラウズカード(クラブのK)@仮面ライダー剣、蓮華のワイヤー内蔵型指輪@仮面ライダーカブト
【思考・状況】
基本行動方針:人間を装い優勝する。
1:移動して集団に紛れ込む。(市街地に拘らない)
2:橘チーフに合流。
3:『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という情報を流す。
4:誰にも悟られず、かつ安全な状況でならジョーカー化して参加者を殺害。
5:他の参加者の戦力を見極めて利用する。自分の身が危なくなれば彼らを見捨てる。
6:『14』の力復活のために、カテゴリーKのラウズカードを集める。
[備考]
※デネブの放送について(長田が聞いた範囲で)知りました。 また桜井侑斗は危険人物(?)、デネブは生きていると考えています。
※志村は橘から『仮面ライダーブレイド』の存在は聞いていますが、ライダーシステム資格者が『剣崎一真』という事は知りません。
ですが、志村は此処に連れてこられる前に独自に調査を行い、剣崎一真がブレイドであるいう事、彼の顔なども知っています。
※城戸、本郷(R)に『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』と話しました。
※『自分の協力者、長田結花が東方の人間に協力を求めるために行った』と城戸と本郷に話してあります。
※長田結花は市街地の方へ向かったと思っています。
※手塚に一文字(R)と闘っていたのは自分ではなく自分に瓜二つな男だと話しました。
以上です。予約出来ないですみませんでした。
投下乙。
志村のステルスが復活。
手塚は一文字と似ていることが災難になりましたね。
志村の暗躍に期待。
GJ!
あと筆が早いww
>>380 一つ指摘というか、要望というか。
時間が昼なのはこのチームだけ進みすぎではないでしょうか?
午前のほうが、周りのチームと矛盾を少なくしやすいと思いますが。
手塚の超占い能力にも制限がかかってるのか? あんまり露骨な嘘が通る奴だとは
思えないけど
投下乙です。
まさかの志村ステルス復活!!上手い事言ったなあw
これからも場を引っ掻き回してくれることに期待!
手塚も本郷との出会いで動揺している所に付け込まれましたね。
GJ!
投下乙です。
面白い話でしたが一つだけ。
手塚に志村がついた嘘の一つに自分に似た顔の〜とありますが今回の参加者に志村と同じ顔の参加者はいないのでその話はすぐに嘘とわかるような気がします
なんか苦し紛れでついた嘘みたいにみえるようで…
すごいぜぇ、毒とはいえ
書き手は一流、読み手は三流が前回から続くダメ伝統。
今回はまだ まともな読み手+数の多い書き手 だから過疎だった前回よりはマシかなー。
人格攻撃がデフォだし。
こんな事を言えるなんてまず鏡を見てから書き込めといいたいよ
というかマジで集団オナニーを見せたいだけで掲示板の意味が無いなら
特撮板か消えろよ
投下乙です。
志村上手いことやったなー。
手塚が今後どうなっていくか先が気になりました。
>>386 毒吐きで書かれた物をこちらで書くのは、マナー違反ですよ。
そのような行動は、三流と言われても仕方ないのでは?
投下乙
志村の復活具合いがうめー。
手塚がこの上占おうもんなら死ぬなw
>>385 実際にいないからこそいいんじゃね?罪が自然消滅しそうだし。
残り人数が減ってきて顔を知らない奴がいなくなったらばれそうだけど。でもワームならありか。
乙!
まさかのステルス復帰w
志村の策略は止まることを知りませんね。
どこまで嘘を突き通せるか楽しみです。
391 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:50:50 ID:KzFJ8PB60
今から東條悟投下します。
392 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:51:24 ID:KzFJ8PB60
嘗て其処はリゾート地と呼ばれていたのだろうか。
微かに潮の香りのする風が吹き抜けている。
綺麗に舗装されたアスファルトや、つい最近まで手入れされていたのであろうコンクリートの壁が空虚な空間に映えていた。
そして其処に降り注ぐ朝の白い太陽の光が、アスファルトの一成分である骨子や硝子片に反射している。
其処だけを見てしまえば、キラキラと光り、綺麗で幻想的な街なのだろう。
それ程までに、その空間は綺麗だった。
そんな表通りから裏へ一本入った路地に、男が呆然と立ち尽くしていた。
影の差した白い壁に背を預けているその男――東條は、しきりに何かを呟いている。
傍から見ればその状況は異様なものなのだろう。
当の東條はまっすぐと視線を正面の壁へと向けていたが、その目は何も見ていなかった。
394 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:52:22 ID:KzFJ8PB60
時々頬を撫でる生温い潮風には眉を顰めながらも、東條は闇だけを見つめている。
「僕は英雄にならなくちゃいけないんだ」
先刻から繰り返されるその言葉は、もう呪いめいてさえいた。
虚ろに闇を映す瞳には、彼の正面にある白い壁さえ、黒く染まっていた。
闇に染まりつつある思考の端、東條は先刻の青年との戦闘を思い出していた。
デストクローを弾く灰色の大剣。
白の装甲を打ち抜いた赤い閃光弾。
自分を吹き飛ばした赤の光。
そして、その青年が自分に掛けた言葉。
『英雄じゃない』
395 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:52:54 ID:KzFJ8PB60
強い口調で己を否定され、東條はその否定を、否定した。
首から上だけを、表通りの方へと向ける。
其処にはキラキラと光るアスファルトがあったが、それは東條の闇を和らげることも無く。
“英雄”という言葉を発し続けて大体30分は経過した頃、東條は背を預けていたコンクリートの壁から離れる。
走ったり戦闘したりと蓄積されていた疲労も幾分か軽くなった為か、口許は笑みの形に歪められていた。
先刻東條と木場が戦闘を行ったのが今東條がいる場所から東へ1エリアずれたくらいの場所だろう。
北へ進んでしまえば其処はとっくに禁止エリアと指定されている場所である。
幸い地図上の禁止エリアだけは把握していた。
西や南に行ったとて、特に目立った施設は無いだろう。
それなら東へ戻り、また先刻の彼と戦うのも悪くない。
397 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:53:24 ID:KzFJ8PB60
東條は思案しながら口元の笑みを一層に深めていた。
ふらりと、そんな言葉が合うような覚束ない足取りで東條は歩みを始める。
向かう先は先刻木場と戦った海岸沿い。
キラキラと光るアスファルトに東條自身の影が差し、光は闇に消えていった。
闇の中ではどんなに明るい色だって、黒に染まっていくものだ。
398 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:53:54 ID:KzFJ8PB60
【東條悟@仮面ライダー龍騎】
【1日目 朝】
【現在地:G-2 市街地の路地裏】
【時間軸:44話終了後】
【状態:ダメージ・疲労共に極大。1時間30分変身不可(タイガ)。】
【装備:タイガのデッキ、ガイのデッキ】
【道具:基本支給品×2、特殊支給品(未確認)、サバイブ烈火@仮面ライダー龍騎、芝浦の首輪】
【思考・状況】
基本行動方針:全員殺して勝ち残り、名実共に英雄となる
1:『ある程度の力を持つ参加者を一人でも多く間引く』
2:できれば最後の仕上げは先生(香川)にしたい
3:殺した奴の首輪をコレクションするのも面白い。積極的に外す 。
4:木場(名前は知らない)に自分が英雄であることを知らしめたい。
備考
※東條はまだ芝浦の特殊支給品(サバイブ烈火)を確認していません
399 :
◆rHrf1Gi4EI :2008/06/18(水) 22:56:28 ID:KzFJ8PB60
タイトルを付け忘れてしまったので此方に書かせてもらいます。
闇の中では
がタイトルです。
以上で投下終わります。
感想や御指摘の程お願いします。
投下乙です。
指摘というには微妙ですが、メール欄という項目にsageを入れてくれると助かります。
荒らしが寄り付かない意味で。
それはさておき、心理繋ぎ乙です。
東條の狂気がよく描写されていると思います。
奴の英雄への執着の行方が気になります。
GJ!
>>400 指摘と感想有難うございます。
これからは気をつけたいと思います。
投下乙
東條の狂いっぷりがいいなー
おもしろかった
投下乙です!
見事な心理描写、引き込まれました。
東條のこれからに大きな期待をさせてくれた良作だと思います、GJ!
東条はトップクラスのマーダーになる、俺の占いは50%当たる
投下乙
放送の描写がなかったけど、これは単に気付いてないって事?
教授生存中に少しは反応するんじゃないかなと思ったので
それはさておき、東條のやばい成長に期待しつつGJ
>>405 感想と御指摘有難うございます。
香川先生についての描写はyFvLIBbl9I氏が既に書かれていたので此処で付け足すと蛇足になってしまうかと思い、外しました。
そういえば手塚で出てるの奴お得意の占いはまだ出番なしか。
TVから久しぶりだから見てみたいけど、占いが先か死亡が先か・・・
>>382 失礼しました。前の状態表をコピペしたのでそのままでした。
時間帯を午前に訂正します。
修正乙です。了解しました。
410 :
名無しより愛をこめて:2008/06/19(木) 17:18:57 ID:pvZbK7Ea0
109 :名無しさん@THE NEXT:2008/06/19(木) 16:41:10 ID:Gj4VCnzk0
>>108 設定上ダークカブトゼクターは擬態天道専用であり
資格者を選ばないのですからダークカブトの資格者理由が
本文にあったとしても、その理由が設定に反するということにはならないでしょうか?
またカブトのベルトを使用しましたが同様の理由でガタックのベルトもカブトに流用可能と
いう扱いになるのでしょうか。
さらにデンガッシャーの件ですが、私には映画「クライマックス刑事」にてオーナーが理由もなく使うコメディシーンが正論で
ハナがデンライナーの壁をぶち破る威力のパンチやカブトゼクターとガタックゼクターが人間の言葉で会話するシーンを極論とする基準が分かりません。
もう少し具体的に説明していただいてもよろしいでしょうか?
110 :名無しさん@THE NEXT:2008/06/19(木) 16:53:22 ID:lcVnpLlw0
>>109 ダークカブトの設定はTVで明かされているものでなく、かつwikiにも乗らないマイナーな設定であるため、
遵守する必要のある設定とは言いがたいです。
TVの描写を元に、当ロワでは他ゼクターと同じ扱い、つまり資格は書き手任せという方向です。
デンガッシャーに関しては、オーナーが持ちえる武器=他人が使える武器である。
コメディで使ったことが問題ではありません。
コメディ描写で死人が出るような話は問うロワでは必要ないので、死人が出ないような、
また非変身者が変身者に勝つような描写は省くべきです。
それに、ハナのコメディシーンはロワ内で風間相手にちゃんと描写されています。
それと、
>>102に対して
>>103の対応は正直、議論する気がないと取られても仕方ありません。
ハナのコメディ描写、ガタックゼクターの喋る要素は、今回の話とは何の関係もない、話題逸らしでしかありませんので。
当話題、本スレ荒らしが出していることもあり、正直一日二日も長引かせるのもほかの議題に失礼ですので、
『問題ない』ということで結論をつけさせてもらいます。
以降、この話題はなしの方向で。
411 :
名無しより愛をこめて:2008/06/19(木) 17:24:46 ID:WwNFeSF5O
議論スレ読んだが相変わらず凄いな
どうせ議論にならず適当な御託並べて排除、最後には荒らし扱いされるのがオチなんだから諦めろ
今回のカブト関連は今、議論するより次に修正要望がきたときにカブトの時はよかったのになんで今回は駄目なの?
のほうがいいと思うぞ。
それにしても議論スレが意見排除スレになってるとはライダーロワは独裁政治そのものだな
>>411 分かった。独裁的なのは認めてやる。
だから文句のある書き手、読み手は二度と来るな!
書き手数人いれば廻る、お前らみたいに足を引っ張る奴らはいらない。
特に読み手はいらないから今後読み手は一切書き込み禁止
>>410 議論スレでの議論をこちらに貼るのはマナー違反ではありませんか?
何のために、議論や毒吐きが避難所に作られているのか、良くお考え下さい。
>>412 まあまあ、落ち着けって。
相手にすんな。ごみを相手にして自分の価値を下げる必要もないじゃないか。
415 :
名無しより愛をこめて:2008/06/19(木) 18:21:20 ID:WwNFeSF5O
議論になってないとアピールしたいんだろ
後ろめたい気持ちがあるから嫌なのが丸見え
もう嫌だ。板移動しようぜ。
こんな奴らがいる限り、まともなスレ運営なんてできねぇよ。
スルーにも限度がある。
>>416 ごみどもに折れて撤退は嫌。それでも移動したいなら議論スレに来い
くだらない意地ぶらさげてんなよ。
もうこの板の民度は分かってるだろう?なんで俺たちで動こうとしないんだよ。
少なくともIP握れる板なら、荒らしなんて規制できるんだ。
まぁ2ちゃんねるの特撮板でやりたいならこれくらい当たり前だと思わないとな。
荒れるの嫌なら2ちゃんから出てけばいい。
その勇気もないのなら諦めろ。
ここはそういうところなんだよ。
議論っていっても所詮、少数というか書き手側じゃない意見は数の暴力で叩かれるだけ
基本的に一番多いのは「別にどうでもいい」人たちなので、マトモに良いものしたいと思う
発言でも荒らしと同じ様な扱い、または馬鹿扱いを受けてしまう。
>>411の言うとおりで
議論という名を借りて「大勢で馴れ合いをごり押しで通す場」に過ぎない。
だから読み手に発言力は一切ないって言ってるだろ
議論という名を借りて「大勢で馴れ合いをごり押しで通す場」に過ぎない。
その大勢以外の住人はいらない。以上
・「マトモに良いものしたい」と思う人たちは、何故書き手になってロワに貢献しないのでしょう。
・SS書きとしてロワに貢献している書き手が「マトモに良いものしたい」と考えていないとする根拠は何なのでしょう。
移動したところで荒らしは執念深くいつまでも荒らしに来ると思う。
てか、荒らしも暇だねえ、大方決着のついた話題をいつまでも持ち出してさ。
傍から見たら、いつまで騒いでんだって思われるぞ。
424 :
名無しより愛をこめて:2008/06/19(木) 18:49:52 ID:WwNFeSF5O
板移動は荒らし対策のうちの一つ
やらないよりはやったほうがいいという考えにならないのが不思議
>>415 後ろめたいとか、嫌だとかそういう話じゃなくて、
単に隔離されてる物を持ち出してくるのはおかしいんじゃないか?
しかしこのスレではあれだけ多様な単発IDを含む大勢で暴れてた連中が、
IPバレする議論スレだと「まともな反論もなく大勢にごり押しされる」側になる不思議
第三者が見ればどっちがアレなのか一目で分かっちゃうよねw
現状に文句があるなら、今すぐこのロワから去ればいい。それだけ
書き手・読み手のNEXTキャラ把握のためにDVD販売後にロワ開始したのに、
DVD化されてないクライマックス刑事からネタの根拠引っ張ったのはちょっと微妙だったけどね。
まあ、今後荒れないようにあやふやな部分があれば仮投下に落として意見聞いた方がいいと思う。
他ロワでも少し微妙な部分が出たら本スレ投下の前に仮投下で意見聞いてるみたいだし。
とうとう伝家の宝刀「お前が書け」が出たね。 マンセーだけ欲しいならHPを作って信者を
相手にオナニーしてたほうが建設的だよ、人にオナニーを見せるなら自分だけじゃ気が
ついて無い部分を指摘されるのは当然
>>422 邦画の作り方そのものの発言ですね
何故デンガッシャーの登場回ではこんなに暴れなかったんだろうね
あそこで止めとけばガッシャーに関しては全て丸く収まったのに
ていうか、ここまで荒れた元々の原因は「理由・資格描写もなく突然ダブトを出したから」だな。
あれの書き手はどんな気持ちで見てるんだろ
「理由、資格描写がされているにも関わらず、突然描写無しと捏造して指摘したから」の間違いだろ?
>>432 理由や資格描写はあったじゃん。
演出が入ってたから、平易じゃなくて、
読み取れない人は読み取れなかったのかも知れないけど。
上の方でも挙げられてるし。
いやいや、あの描写はおかしいでしょ。
事前にゼクターに選ばれる描写か、最低でもその場でゼクターに選ばれる描写がなきゃ駄目でしょ。
あの描写ではいつの間にかゼクターに選ばれてたみたいだけど、その描写が一切無いし。
ここまで、ダブトに選ばれる描写を加える修正を薦める声がない件
>>435 そこで君には風見がキックホッパーに初変身した回を見てきてもらいたい。
ベルトはデイパックから取り出されるまで不明支給品だったし、
読めば分かるが今回同様選定理由は非常に暖味だ。
類似した前例があるのに今回のケースに限り描写云々で否定するのは、
@今までの話を読んでない
A指摘したにも関わらず今までの類似ケースでの事例を再確認していない
B今回の書き手に対する私怨
どれかでしかないと思うのだが。
それ以前にダークカブトは擬態専用なのが問題だったんじゃないの、それを書き手任せ
とか今回の開始前の専用ベルトの定義が台無しになってるのが議題なんじゃないの。
資格選定うんぬんより影も形もなかったのにあまりに突然に湧いてきたダークゼクター
がいいのか? サソードゼクターのような描写は絶対に必要だったんじゃない
専用ベルトの定義?
開始前議論で専用化が決まったのはブレイド、ギャレン、レンゲル、ファイズ、オーガ、サイガのみなんだが…
議論で専用化しなかったものを議論スレも通さず
今更勝手に専用化する方が議論を台無しとする行為と言えるね。
ゼクターの唐突な登場は上でも書いたが初めての事例じゃない。
前例が通った上での今回のケースなのにそれを通さないのは理不尽だね。
だから納得できないなら去れと何回言ったら
読み手の一人や二人消えても一切構わないから無駄なレス繰り返すな
>>441 自分で書いた
>>412をよく見ろよ。
読み手は黙れが同じ読み手であるお前のスタンスだろ?
自分で守れずしてどうするよ
ん? 一応書き手なんだが……
三話以上書いてないと書き手じゃないとか言われたらそれまでだが
書いてれば書き手だわな
>>412のような発言、他の書き手からは迷惑以外の何物でもなさそうだが
いい加減しつこいからみんなの本心を代弁したまでだが?
実際、議論スレをみても
>>412を遠まわしに言っているのと変わらない。
投下数2話以下で数人いれば廻るなんて言えるんだから、かなりの書き手なんだろうな
是非予約をして話を廻して欲しいところだ
>>438 じゃあ、これから新人の書き手でも変身アイテムやら便利アイテムやらを、なんの脈絡もなくバンバン出しても構わないって事ですよね?
パーゼクやらダークカブトゼクターやら唐突に出しても文句無いんだから。
>>447 それが他書き手多数にロワが破綻しないと判断されたら。
まあ、言うだけならただだよね。書き手だと偽ったり
>>440 やっぱ理解出来てないんだね・・・ あれは結局、専用ベルトに関する話し合い
だったわけだろ、その時に浮かばなかったからといってダークカブトのベルトが専用でも
関係が無いって乱暴すぎるよ。 そもそも前回は通ったから今回も当然とか焼畑農業
みたいな考え方はやめたほうがいいよ。
>>448 他にはフラグだのいうのに、今回のような悪例を信者補正で通すのに
他の人で展開が気に入らなかったら数の暴力で圧殺って事?
>>449 デンオウベルトは設定改変で良太郎やタロスから離れてても支給品として常時実体化させておいてOK、
ホッパーゼクターは特にフラグも無かったけど唐突に登場して資格者選んでOK、
でもダークカブトゼクターが設定改変で資格者を決めたり唐突に登場するのはNGか。
前例を踏まえた上で通したくない理由は?
前例は認めたのに今回の例にはフラグや設定遵守を要求する理由は?
アンチ補正まるだしの乱暴論と話のすり替えは飽きたから、理由出せなきゃ返さなくて良いぞ
>>448 じゃあ、風見がバイクで風のエルと戦った話を没にした理由を教えてくれよ。
別にロワが崩壊する様な話じゃないのに「多数の書き手」とやらが没にしたんだったよな?
あのやり方を見たら、「多数の書き手」とやらの想定するトーリー以外は認めない様に見えるんだけどね。
あれは単純に「今はマーダー殺すのが都合が悪い」っていう理由だから。
どこのロワにもマーダーを殺してはダメなんてルールはない。
それを書き手の押し付けたから、あぁなった。
そこら辺はある程度のエゴがあって、書き手を潰したともいえなくもない。
もっと言い方はあっただろうし、あれは故意に潰したともいえる。
現に、チャットであそこまで追い詰めた一部の書き手の罪は重いよ。
ましてや、それが正しかったと思っているのが余計に痛い。
自分たちが悪者になって、事態を収拾したなんて勘違いもいいところ。
本当は、よってたかって1人の人間の人格を攻撃しただけに過ぎない
あの人は仮投下後一度本スレに批判が書き込まれただけで破棄したんだぞ
>>453 はぁ?
「多数の書き手」とやらがチャットに来いっつってたろうが。
あの書き手がチャットに行ったかも、どんな事言われたかも分かんないけど、チャットに呼ばれただけですごいプレッシャーだろうが。
全く非がないのに、自分達の思い通りの展開にしたいが為にプレッシャーかけたんだろう。
あの作品のどこにロワの破綻があったか教えてくれよ「多数の書き手」さん。
過去ログ読め
あの馬鹿が破棄宣言したからなるべく修正で済ませようと呼んだんだろ。
何自分に都合のいいようにネジ曲げてんの?
最低だな。ここの連中。
議論スレから新人叩き出しといてスルーかよ。
一部のメンバーだけでやりたいなら不特定多数が集まる2ちゃんから出て行ってくれないか。
>>450 電王ベルトの設定は変わってない。良太郎が実体化させたものが支給されたと考えられる。
タロスがそのベルトを使っても変身解除後には消えないのは本編であった通り。
ホッパーは投下後に修正があったのを忘れたのか?
>>454 チャット云々は本人が破棄宣言した後だが。
圧力で破棄させたとか妄想にも程がある。
誇大妄想にも程があるだろ。
>>455が言うように、あの時はなるべく修正で折り合いをつけようとしたのに作者がいらん事言うから話がこじれたんだよ。
第一、別に正式な破棄要請もないうちから自ら破棄したんだし、あの話は本当は作者が破棄した時点で終わるはずだったんだ。
そろそろいい加減この話題やめないか。
もうあらかたの決着はついているんだし、作品も許容できるものだろ。
どれほど走ったのか分からない。体中が悲鳴を上げているのが分かる。それでもただひたすらに走った。彼女を背負いながら。
* * * * *
木にもたれかかる二人を朝日が優しく包む。疲労困憊した二人の周りを黒いカブトムシが飛び回っている。
うたた寝している澤田の顔を真魚はそっと覗きこむ。
灰色の怪物。青いカブトムシ、クワガタムシ、そして黒いカブトムシ。頭の中を駆け巡るイメージ。何が真実で何が虚構か。
「帰りたい。でも、どこに帰ればいい……? 」
力も何も要らない。ただ純粋に、この場から消えてなくなりたい。そう願う彼女の手にはケースが握られていた。
【時刻:一日目・朝】【現在地:D-8】
【澤田亜希@仮面ライダー555】
[時間軸]:34話・真理再生前
[状態]:大程度の疲労。体の各部に打撲。 うたた寝中。
ダークカブトに2時間変身不能
。カイザ、スパイダーオルフェノクに1時間変身不能
[装備]:カイザギア(全装備付属)
[道具]:基本支給品、通話発信可能な携帯電話、不明支給品×3(本人確認済み)
ライダーベルト+ダークカブトゼクター、ディスクアニマル(アカネタカ)
iPod(動画再生機能付き) ファイズアクセル
[思考・状況]
基本行動方針:参加者を皆殺しにして自分が完全なオルフェノクであることを証明する。
1:風谷真魚を守る。あくまで、最後に自分の手で殺すために。
2:他の参加者を殺す。
3:なるべくオルフェノク態で戦う事を避ける。そのために一つでも多く変身装備が欲しい。
[備考]
※ダークカブトに資格者として認められました。ベルトはカブトのものを流用しています。
※能力制限等のルールについて、あらかじめ大まかに知らされています。
※澤田の携帯電話は特別仕様のため、通話の発信機能が生きています。
現在の所、通話可能な相手は主催者(村上社長・スマートレディ)のみです
【風谷真魚@仮面ライダーアギト】
[時間軸]:31話・サイコキネシス発現後
[状態]:健康。激しく動揺。強い自己嫌悪。
[装備]:コルトパイソンA@クウガ(装弾数6/6、マグナム用神経断裂弾)
[道具]:基本支給品一式x2(真魚・天道)
ライダーパス、首輪(天道)
特殊効果弾セット(マグナム用神経断裂弾54、ライフル用神経断裂弾20、
ランチャー用非殺傷ゴム弾5、ランチャー用催涙弾5、ランチャー用発煙弾5、ランチャー用対バリケード弾5)
[思考・状況]
1:澤田についていく。離れたくない。
2:自分の能力と支給品の銃を嫌悪。
3:怪物だらけのこの世界に対する恐怖。
4:帰りたい。でも、どこに帰ればいい……?
[備考]
※制限もしくは心理的な理由で超能力が不完全にしか発揮できません。
現状では、サイコメトリーで読めるのは断片的なイメージだけです。
※以下のように事実を誤解しています。
・サイコメトリーで見えた灰色のモンスターの正体は天道=カブト。
・灰色の怪物(海堂)と赤い怪物(モグラ)は殺し合いに乗っている。
・青いライダー(ガタック・ライダーフォーム)に変身して自分を守ったのは澤田。
・加賀美(名前は知らない)は自分がサイコキネシスで殺した。
>※ダークカブトに資格者として認められました
何でだよw
そこまでしてダブトを出したいのか(笑)
>>455>>458>>459 それは、お前らが当事者だからそう思ってるんだよ。
第三者から見たら
>>454の通りだから。
別にチャットに呼ばなくても破棄不要って言えばよかっただろうが。
それよりも、早く教えてくれよ、あの作品が破棄(修正)させるほどロワを破綻させると思った理由を。
>>464 >それは、お前らが当事者だからそう思ってるんだよ
当事者なら、その言葉は正しいね。それで終わり。
過去ログ読んだけど、修正要請も破棄要請もなかった。
書き手が自分で破棄している姿しか見えなかったね。以上。
あ、後この話題はスルーで。荒らしの投下した話の話題なんて面倒だ>all
マーダー一桁状態の時に、マーダー殺し・マーダー改心させたからでしょ?
片方に天秤を傾けると、戻す時に反動がきついよ。それこそ、ロワを傾けかねないほど。
>>466 それは破棄理由じゃなくて、毒を吐かれた理由だね。
破棄理由は書いた人が破棄宣言したから。
毒吐かれた理由は
>>466 区別しないと。だいたい、毒吐きとはいえ他書き手を誹謗中傷するような奴は書き手ではありません。
ただの荒らしです。
たまたまそこに落ちてたのを掴んだって事なのか?
>ライダーパス
470 :
名無しより愛をこめて:2008/06/20(金) 16:18:05 ID:DJQ7IbMZ0
なんか相変わらず馬鹿ばかりだな。
ライダーパスは変身アイテムとは限らないだろ。
時の列車に乗る一般客は普通に持ってるんだから、脱出アイテムだろ。
>>470 そういえば優斗もハナもパス持ってないんだよな。
二人がパスを手に入れて制限解けた場合、ライナーに乗れるとしたら立派な脱出フラグだな。
>>470 一般客が持っているのはライダー「チケット」。
これ以上は議論スレでどうぞ。
まあ一般客かどうかはわからんが、パス持ってる一般人ぽい人はいたけどな
要はアレだろ、澤田&真魚のケータイ小説みたいな激安コンビが
本ロワのメイン扱いなのが気に入らないだけだろw
だが俺は本ロワのメインが橘さんと志村であるという見解をここに表明しよう
何気に影山に注目しているやつは俺だけでいい……!
だが、ダブル高野八誠のカッコ良さはガチ
ここは何気に活躍中の3オルフェノクでしょう。
最終的には芦原さんが主役をかっさらうんですね、わかります
いや、主役は一条さん
>>465 凄いね、大勢で潰したほうが「俺が正しい」と思えば正しいと言うのか、しかも
文章力はともかく荒らしの投下したとか言っちゃうのかよ、お前らが荒らしに変貌させた
だけじゃねーか、そもそもその書き手を誹謗中傷したのはお前らじゃねーか、腐ってる
なんてもんじゃねーな、もはや自分が正義と信じきってる、宗教やグリーンピースと
同じ感じだな
482 :
名無しより愛をこめて:2008/06/20(金) 20:07:48 ID:sq3h4hCk0
ダブト登場は問題ないどころか叩く奴らを荒らし扱いなのに
ライダーパス出しただけで破棄要求とかおかしいだろ
ダブトを突然出したSSを破棄すれば荒らしが半分は減るよ
>>480 私を忘れるとは、心外ですね、って香川教授が。
ここまでで北條さんの名が上がらないとは
なぜみんな死神博士をあげない!
ゾル大佐の今後が心配です…
電王勢で気を吐く、牙王さまの名が何故あがらぬ!
侑斗をよろしくってデネブが。主役争奪戦的な意味で
正直、主役は五代さんだと思ってた。
ダグバがラスボスっぽいし。
491 :
名無しより愛をこめて:2008/06/20(金) 22:48:17 ID:g6VORGoC0
手塚が改心してくれる事に期待
十面鬼が、最低でも4回目の放送まで生き残ると信じている奴は俺だけじゃないはずだ。
/ | ヽー- ._
. / | \─`-
| /, / / | \
l/ //′ / /l. / ∧ | \ ヽ
/ 〃 / _./-ァ' |/ ,' -H.、 ! '.、 ',
///' ,/ /// j/ / '.| :|l | ヽ |
/' | i´i /:fr≠=r | /ァ=ォ !| | '.|
(⌒ー、 /, ´ヽ|. / N!ら、_リ ,! ' ん, ソ' ! /,ハ ,′ はいはいワロスワロス
\ { __ / l |/ :| ‘ー‐' , ー-'/N// |/
l ∨ y | 'l. |>、._ ーー'_ ノ !ル'
l. './, ,ハ | | ヾミこ彡'ヽ| ||
| .f / ,.'/ ____'. '. _/ ̄ ̄ ̄¨¨¨丶、__, ' ´ ̄ ̄〉
/////レ'´,. -‐-'、,ノ´ v / 7 _/.
{ ( /l/' K「 '´ ̄ ヽ.`) / / r'ーf
主役は響鬼さんに決まってるだろ。アホか。
ここまで一度も名前の出ない城戸涙目
/ | ヽー- ._
. / | \─`-
| /, / / | \
l/ //′ / /l. / ∧ | \ ヽ
/ 〃 / _./-ァ' |/ ,' -H.、 ! '.、 ',
///' ,/ /// j/ / '.| :|l | ヽ |
/' | i´i /:fr≠=r | /ァ=ォ !| | '.|
(⌒ー、 /, ´ヽ|. / N!ら、_リ ,! ' ん, ソ' ! /,ハ ,′ はいはいワロスワロス
\ { __ / l |/ :| ‘ー‐' , ー-'/N// |/
l ∨ y | 'l. |>、._ ーー'_ ノ !ル'
l. './, ,ハ | | ヾミこ彡'ヽ| ||
| .f / ,.'/ ____'. '. _/ ̄ ̄ ̄¨¨¨丶、__, ' ´ ̄ ̄〉
/////レ'´,. -‐-'、,ノ´ v / 7 _/.
{ ( /l/' K「 '´ ̄ ヽ.`) / / r'ーf
497 :
名無しより愛をこめて:2008/06/20(金) 23:25:38 ID:g6VORGoC0
なぜかガライとリンクする三田村だろ
ヽ、ー----------イヽ---
_,.>‐: : : : : : : : : {: : : : : : : :.`ヽ
/ ;: : : : : :/: : :./: : /l: : : : 、: : : : ヽ:\
/:ィ´: : : : :./: : : /: :./ !:.:.ト、: :\: : : :.\}ミヽ、
///: : :/: : :/: :.:.;.ィ: :./ l: :.| ヽ: :.ヽ: : :ヽ:\:::::::\
/: : :/: : : l: : :/ !:./ |: 十‐弋⌒ト: : : :i:.:.:|::\::::}
. /: :.ィ:.!:. : :.:|:''7⌒|:.l l:.:.:{ \:|: : : : ト、:{::::::::Y
l: :./{ :| : : : |:./ l/ \ヽ \:. :.:.:|:.トゝ:::::::〉
|:.∧| :!: : :/l/ 、 ヽ,. - ヽ :.:|/:::::::/
l/ !:.| : ∧ ==ミ ≠⌒ミ ∧: |- イ
|: l: :.lハ , {r }:}: : :|
ヽハ:.ト、_} ::::::: r―‐┐ ::::::: /_ノ|/!: : |
|: ヽ!: : ゝ、 `ー-‐' ,.ィ : : : : !: : |
|: :l: : : : : :|>- .,_ ,.. <´ |: : : ::.:.!: : |
|: :l:.!: : : : :l__,ノ:.:r'`¨¨´{.i:.:.└-|: : : ./^i : |
|:.:.l:!: : : : :.|:.:.:.:.:.|___/:.:.:.:.:.:.:|: : : { | :.|
|: : !: : : : : |:.:.:.:.:.| ! :.:.:.:.:.: |: : : .〉 `ヽ、
|: : !: : : : : |: :.:.:.:.l |: :.:.:.:. /lr--' { { )-、
|: : !: : : : : ト、:.:.:. | l:.:.:.:.:.//|`ーt入_ノノイ》 ヽ
主役ならやっぱ城戸だな。
あいつこそ元祖仮面ライダーバトルロワイヤルの主人公みたいなもんやし。
502 :
名無しより愛をこめて:2008/06/21(土) 00:15:53 ID:yd9DOzVmO
将軍ムカつくわー
ナイトになってパワーアップしたハナさんも、忘れないで下さい
>あいつこそ元祖仮面ライダーバトルロワイヤルの主人公みたいなもんやし
つーか龍騎自体がライダーバトルありが前提の話で、ライダー同士の戦いがウケたから後輩の555やカブトでもあったんだろうな。
「ライダー同士の戦いが前提」という設定を数年も前に考えた脚本女史は凄いと思う。名前忘れたけど。
505 :
名無しより愛をこめて:2008/06/21(土) 00:22:43 ID:yd9DOzVmO
将軍ゆるせん
>>503 腹ぺこ虎姐さんの事も忘れないで下さい。
加賀見・・・
加賀美
509 :
名無しより愛をこめて:2008/06/21(土) 05:47:46 ID:yAnXfb9K0
http://www.sanspo.com/geino/news/080621/gnj0806210504015-n1.htm ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」の3代目セーラームーンとして活躍し、映画「バトル・ロワイアルII」などにも出演した女優
神戸みゆきさんが18日午前4時8分、心不全のため川崎市内の病院で急死していたことが20日、分かった。24歳だった
昨年2月、舞台「レ・ミゼラブル」を体調不良で降板してから入退院を繰り返していた神戸さん
女優のみならず、ファッション関係の仕事を夢見て回復を信じていたが、それもかなわなかった。
バラエティーから舞台、映画と幅広く活躍していたアイドルが24歳の若さでこの世を去った。
所属事務所「ルージュ」の本田正樹社長(45)は、サンケイスポーツの取材に「親族に見守られて亡くなりました。(遺体は)安らかな表情でした」と事実を認め、
「繊細な子で自分をギリギリまで追い込んで、持っている力以上のものを演技に出せる子だった…」と突然の訃報に肩を落とした。
神戸さんは昨年2月、同6月公演の舞台「レ・ミゼラブル」を体調不良を理由に降板。川崎市内の病院に検査入院して以降、入退院を繰り返していた。
ただ、今月9日に東京・渋谷区の事務所で社長と会った時には元気な姿を見せていた。
以前から古着をアレンジして洋服を作るなどファッションへの関心が高く、9日も「自分のやりたいことは演技だけじゃなく、
ファッションを写真で表現するような仕事もしてみたい」と意欲を燃やしていたという。
だが、今週に入って体調が急変し緊急入院。親族が見守る中、静かに息を引き取った。
神戸さんは平成12年上演のミュージカル「美少女戦士セーラームーン」のオーディションで約500人の中から主役の月野うさぎ役に選ばれ、芸能界入り。
一躍人気となった。その後も映画「バトル・ロワイアルII」、ドラマ「仮面ライダー響鬼」など話題作に出演。
体を張った演技は定評があり、「レ・ミゼラブル」降板後も製作の東宝から「体調が良くなったら来てほしい」とオファーを受けていたという。
また、ある関係者によると、神戸さんは人を喜ばしたり驚かせるのが好きで、エープリルフールには「事務所辞めた」などとビックリメールを送ってきたことも。
明るいキャラクターで誰からも親しまれる存在だった。
葬儀は21日、川崎市内の斎場で近親者のみで執り行われる
書くたびに破棄させられてたらたまったもんじゃないですよ。
前回は出落ちにしたこちらが悪いですが今回は破棄要求の理由自体がおかしいでしょ。
破棄要求は受け入れません。
もっともな意見です。
了解しました。
次からは投下前と投下後に宣言をお願いします
流れ切っちゃって悪いんだけど、ちょっと質問
クウガの封印エネルギーって正確にはどういう効果だったっけ?
ジョーカーはあれで苦しんでたけど、人間以外を苦しめる効果なんだったかな?
封印エネルギーのおかげでグロンギの奴らは破片まで残らず爆発してたんだっけ?
514 :
名無しより愛をこめて:2008/06/21(土) 11:34:29 ID:yd9DOzVmO
避難所で聞けクズ
>>514 てめえがクズだろwたびたびageて、普通はsageるだろw
それくらい分かれよ、屑がw
>>513 封印の刻印がグロンギのバックルに到達してから爆発している。
まあ、ライジングとかになったら爆発の規模も変わっているし、そういうキックだと思うが。
517 :
ネタバレ:2008/06/21(土) 12:34:41 ID:e80U2ksO0
最終的には4人のてつをと4人の良太郎が戦いに介入してラスボスをフルボッコにします。
続きマダー?
早く書けよ糞が
ネタバレやめろよ…まぁ光太郎ならしょうがないが
どう見ても出鱈目だろ。
今回ブラックもRXも出てないんだしw
外部介入は余程の事がないと無理だ。
前回のRXの雑魚ッぷりには泣けた、制限なしのバイオなのにあの弱さ、首輪解除係に
まで落とされた
まぁ実際のRXなら奇跡でなんでも解決しちゃうから弱体化させないと扱いにくいよな
五代雄介、城光 予約します。
牙王、一文字隼人(R)、ハナ、ゾル大佐、橘朔也を予約します。
>>526 了解、お待ちしていますが、風間は予約忘れでしょうか?
風間は予約入ってますね
牙王、一文字隼人(R)、ハナ、ゾル大佐、橘朔也を投下します。
清々しいはずの朝の空気も今の彼らにとっては重苦しく感じられた。血腥い戦場にそのような安らぎなどは存在しないのだろうか。
ひたすらに歩み続ける一組の男女。"一文字隼人"、"ハナ"。バトルロワイヤルからの脱出を試みる彼らは共に闘う仲間を求め、進路を南に探索を続けていた。
長い道中、彼らはこれまでのことを少しずつだが語り合った。
「…本郷に注意しろだと? 馬鹿な…」
「でも確かにあすかさんはそう言って…」
「彼女がそんなことを…?」
一文字には理解出来なかった。彼女が何故そのような発言をしたのか。
「…一文字さん?」
困惑した表情を気にしたハナは一文字に優しく問い掛ける。
「…本郷のことは気にするな。さっきバイクで走っていった男が…といってもお前はそのとき寝ていたか。とにかく、本郷は敵じゃない。俺が保証する」
いつになく真剣に語る一文字の姿からはとてもその話が嘘だとは思えない。かといって、あすかさんが嘘をついていたとも思えなかった。
常日頃、時の列車に巣くう青い嘘つきなイマジンの話を聞かされているハナは人よりも嘘を見破るのが得意なはずだった。だからこそあすかも、一文字もどちらも嘘をついているとは思えなかった。
「橘! ぼやぼやするな!」
軍服に身を包んだ男"ゾル大佐"は激を飛ばす。その後ろに続くのはスーツ姿の男"橘朔也"。
「何をしている! 急がんか!」
変身制限がかけられた今、敵に襲われる危険は計り知れない。落ち着ける場所を見つけるまでは歩みを止めるわけにはいかない。痛みをこらえて歩き続けるゾル大佐は苛立ちを隠せなかった。
一方、橘も考えていた。先程の戦闘の疲労は相当なもの。それにも関わらず平然と振る舞い続ける目の前の男に確信を深めた。ゾル大佐はやはり主催者との内通者であり、自分の監視役であると。
「…待て」
どこからともなく聞こえてきた声に2人はとっさに身を潜めた。
「隠れても無駄だ…全部まとめて…喰ってやる!」
男の手から零れ落ちたマスターパスは宙を舞い、腰に巻かれたベルトにセタッチする。
「変身!」
「Gaoh form」
鳴り響く荘厳な音楽と共に男"牙王"はベルトから放出される粒子によって闘いの鎧をその身に纏った。
ゾル大佐は木陰に身を潜めながら様子を窺っていた。恐れていた最悪の事態。だから急げと言ったのに。だがいまさらそんなことを言っても始まらない。この危機を乗り越えるには……
橘も近くの木を盾にし、考えを巡らせた。目の前の男は現実の存在か、はたまた内通者が呼び寄せた作為的なマーダーか。どちらにせよ変身出来ぬ今、選択肢は一つ。如何にしてこの危機から逃れるか。
「…いつまで隠れてるつもりだ!?」
「Full charge」
ガオウは光り輝く剣を大きく振るった。
「…もうだいぶ歩いてきたみたいね」
そう言いながらハナは時計と地図を確認する。響鬼達と別れてからまもなく一時間が経過しようとしていた。
「もうこんな時間か…お前と一緒にいると時間の経つのが早い……」
さり気なく肩へ回してきた一文字の腕をハナは華麗に避け、何事もなかったかのように会話を続ける。
「往復のことを考えたら、そろそろ引き返しましょうか」
「そうだな……伏せろ!」
一文字がハナを庇うように倒れ込むと彼らの頭上をドリル状の光の刃が駆け巡り、辺りの木々を薙ぎ倒した。
「……4人か」
ガオウは隠れる場所を失った獲物をじっくりと見定める。どうせ喰らうならなるべく強い方がいい。
先程も会った男にデンライナーに乗っていた女。この2人はどちらも大したことはない。1人は闘いから逃げ、もう1人は変身出来ないただの女。だが、残りの2人も逃げ場を失って尚変身しないところを見ればたかが知れている。
「さあ…誰から俺に喰われたい? それともみんなまとめて喰ってやろうか?」
一文字はそっとハナの前に立つ。
「下がってろ…俺がやる」
「そんな! 私も…」
いきり立つハナの口を手袋に覆われた一文字の手が優しく塞ぐ。
「本郷との約束なんでね…」
"彼らを頼む。"あまり認めたくはないが唯一の"親友"の頼み。無碍に断るわけにはいかない。一文字はマスクを持ち、ベルトに手をかける。
「そこの大喰らい…俺が相手になってやる」
ベルトの起動と共に緑の戦士、ホッパー2号が飛び上がった。
「何!? 何故仮面ライダーが…」
ゾル大佐は驚きを隠せない。一号や二号に酷使した戦士の姿に。本郷と一文字以外にもショッカーの手によって作られたライダーがいたというのか?
少し考えてすぐに結論が出た。他にライダーがいても不思議ではない。参加者は別々の時間軸からつれて来られている。ならばあれはきっと自分が知っているよりも未来のショッカーが作った新たなライダー。
「…橘。今のうちにいくぞ」
ショッカーのライダーならば援軍に等しい。彼が戦闘しているうちに逃げて体制を立て直す。ゾル大佐はそう判断した。
「分かった…」
一方、橘も考える。突如現れた男は恐らく先程自分達と闘った敵と同じ存在。そしてそばにいる2人組のうち、どちらかが現実の人間。またどちらかが奴を呼び寄せた主催者との内通者だろう。そしてゾル大佐の反応からすれば…
(緑色の仮面ライダーとやらに監視されている女性が現実世界からつれて来られた人間か。今は無理だが…いつか必ず助ける。だから…許してくれ)
橘とゾル大佐は急いでその場を後にした。
535 :
ネタバレ:2008/06/23(月) 16:58:46 ID:sH0sasgz0
一文字が死にます
【橘朔也@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア北部から移動中】
【時間軸】:Missing Ace世界(スパイダーUD封印直後)
【状態】:全身に疲労。 ギャレンに2時間変身不能。
【装備】:ギャレンバックル
【道具】:基本支給品一式、ラウズカード(スペードJ、ダイヤ1〜6、9)、レトルトカレー、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:仮想現実から本当の現実に帰還し、主催者を打倒する為、勝ち残る。
1:とりあえず市街地からは離れる。
2:ゾル大佐と行動を共にし、利用する。
3:仮想現実とは言え本当に非情になり切れるか不安。
備考
※今の自分は仮想現実の中に居ると確信しています。
※自分以外にも現実世界から連れて来られた人物はいると考えてはいます。
※ゾル大佐は主催者との内通者であり、自分の監視役と確信しています。
※例え脱出の手がかり等があったとしてもそれらは全て仮想現実上の物であり、真に脱出する事は不可能と確信しています。
※ハナを現実世界から連れて来られた人物、一文字を主催者との内通者であり、ハナの監視役、牙王を一文字が呼び寄せた作為的なマーダーと判断しました。
537 :
ネタバレ:2008/06/23(月) 16:59:10 ID:sH0sasgz0
ハナが死にます
cW9wr8uD4Aが心臓発作で
【ゾル大佐@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア北部から移動中】
【時間軸】:三十九話開始直後
【状態】:全身に疲労。胸に砲撃によるダメージ。黄金狼男に2時間変身不能。
【装備】:なし
【道具】:基本支給品一式、特殊支給品×?
【思考・状況】
基本行動方針:生き残ってショッカーを再興させる
1:とりあえず市街地から離れる。
2:橘の態度に不信感。
2:後ほど一文字と本郷を倒しに行く。
備考
※基本支給品の携帯電話の使用方法を知りました。
※参加者が別々の時間軸からつれて来られている事に気付きました。
※変身制限に気付きました。
※剣世界について大まかな知識を得ました。
※死亡した一文字は同姓同名の別人と考えています。
※一文字(R)のことを未来のショッカーが新たに作ったライダーだと思っています。
その頃、ガオウとホッパーの闘いは激しさを増していた。
力だけでいけばガオウの方が明らかに優勢だった。ガオウガッシャーの一太刀一太刀が重く、力強く、辺りに空気を切り裂く鈍い音が響いていた。
しかしホッパーはその剣筋を見定め、どんなに体制が崩れようと一つ一つ確実に回避していく。そしてどのような体制からでもまるで舞うように軽やかに振る舞い、正確に蹴り込んでいく。その華麗な足技はまさに技の2号の名に相応しいものだった。
蹴りの一撃一撃の威力は微々たるものだが度重なることで確実にガオウにはダメージが蓄積されていく。
「こざかしい!」
ガオウが袈裟掛けに振り下ろしたガオウガッシャーをホッパーは一歩下がって避けようとする――が、何度も同じ手を喰らう相手ではなかった。ガオウは斬り込みながらも強引に前進し、ホッパーの胸を力ずくで切り裂いた。
まともに一撃を浴び、ホッパーが多少怯んだ隙をつき、ガオウはがむしゃらに切りかかる。何度も振り下ろされる刀に合わせ、火花が周囲に飛び散る。
「この程度か…」
「Full charge」
再び鳴り響く電子音声。ガオウガッシャーの刃先に光が宿っていく。
「一文字さん!」
思わず駆け寄ろうとするハナをホッパーは手を広げて制した。
「女に心配してもらうほど…俺は柔じゃない…」
そしてホッパーは勢いをつけ、空高く飛び上がった。
_ -───- _
, '´ `ヽ
/ \
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! ウホッ! いい男・・・
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐-
ホッパーはガオウに強烈な一撃を叩き込むために右足を向ける。
だがガオウも黙っていない。光迸るガオウガッシャーを振り上げる。
回転しながら宙を舞うドリル状のオーラソードの軌道にホッパーのキックが重なる。
力比べで分が悪いことを一文字は重々承知していた。それでも止まらずに迎え撃つ。光の刃と逞しき脚が空中でぶつかり合う。
信頼する友のためか、惚れた女のためか。何にせよ一文字はまだこんなところで死ぬわけにはいかなかった。
「…何!」
ガオウは驚きを隠せない。力比べで自分が負けるとは考えられなかった。
「うおぉぉぉぉぉぉ!!」
ひたすらに突き進む緑の矢が光の刃を跳ね飛ばし、ガオウの体を捉えた。
轟音と共に激しい土煙が舞い上がる。たなびく煙の中から現れたのは――マスクを外した緑の戦士。
「一文字さん!」
思わず喜びの声を上げるハナ。
「…さて、そろそろあいつらが待ってる頃だろ…帰るか」
フラフラと歩き、ハナに近づく一文字。
「STRIKE VENT」
土煙を掻き分けやって来た炎の竜が一文字の背中に激突すると、一文字はそのまま力無く吹き飛んだ。
ハッ
僕、本郷猛がそう思ってると
突然一文字は僕の見ている目の前で
ツナギのホックを
はずしはじめたのだ・・・!
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
「前菜は終わった…メインディッシュの始まりだ!」
ようやく消え行く土煙の中から現れたのは竜の牙を持つ王"仮面ライダーリュウガ"。
「…しぶとい…やろうだ…」
リジェクションによる負荷と激戦の痛みが全身を襲い、一文字は気を失ってしまった。
「一文字さん!」
「眠るにはまだ早いんだがな…」
じりじりと近寄るリュウガの姿にハナは決断し、デッキを構える。
「ほお…少しは楽しませてくれそうだな…」
「変身!」
花の騎士と竜の牙を持つ王。漆黒の鎧を纏った戦士同士が対峙した。
「NASTY VENT」
不可思議な超音波がリュウガを不意に襲った。
「…く!」
「ADVENT」
たじろいだ一瞬の隙をつき、ナイトは即座に次のカードを読み込む。ペットボトルから飛び出してきたコウモリがリュウガの視界を覆い、気がついたときには既にナイトと一文字の姿はなかった。
「逃がしたか…」
後には変身を解除したガオウが1人残った。
一文字を抱え、コウモリに捕まりながら空を飛ぶハナ。気絶した一文字を庇いながらの闘いを不利と考えての判断だった。
気絶した一文字を気遣いながらハナは目的地へと急ぐ。響鬼達との合流を信じて。
、 ヽ
|ヽ ト、 ト、 ト、 、.`、
/|l. l. | |l l | | l |l.| |l. l
/' j/ ノ|ル'/レ〃j/l |
-‐7" ヾー---┐|_.j
 ̄ ./゙ニ,ニF、'' l _ヽ
:: ,.,. |ヽ 」9L.` K }.|
l' """ l ) /
h、,.ヘ. レ'/
レ′
r.二二.) /
≡≡ ,イ
. / !
\ / ├、
::::::` ̄´ / !ハ.
【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 朝】
【現在地:F-4エリア北部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:全身にキックによるダメージ、ガオウに2時間変身不可。 リュウガに2時間変身不可。
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式、ランダム支給品1~3(未確認)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:適当に歩き回り、参加者を喰らう。最終的にゴルゴス、死神、影山も喰う。
2:一文字、ハナ、加賀美新、風間大介、天道総司を倒したと思われる参加者を喰らう
3:機会があれば煩わしい首輪を外す。
4:ガオウライナーを取り戻して村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※何処へ向かうかは次の人にお任せします。
※木場の生存には未だ気づいていません
【一文字隼人@仮面ライダーTHE FIRST】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア北部から移動中】
[時間軸]:FIRST終了後。
[状態]:全身に強い衝撃、リジェクションによる負荷と苦しみ、気絶中、ホッパーに2時間変身不可
[装備]:特殊マスク
[道具]:基本支給品
【思考・状況】
基本行動方針:バトルロワイアルからの脱出
1:頑張れよ、本郷。
2:出来る限り、戦闘は避け状況を把握する。
3:後ほど本郷、及びあすかとの合流。
4:俺や本郷と同じ名前……偽者か、それとも?
5:余裕があれば首輪を回収に行く。
6:ハナに興味。風間、ハナと行動する。後ほどヒビキたちと合流。
[備考]
※死神博士の事を自分を改造した老紳士だと思っています。
※FIRST終了後の参戦のため、風見志郎の存在を知りません。
※変身解除の原因が、自身のリジェクション(改造手術による後遺症)によるものだと考えています。
※首輪について:
金属製のフレームに吸音用の穴と紅いダイオードが一つ。詳細不明。
さほど重くなく、表面にはスマートブレインのロゴがプリントされている。
無理に外そうとしたり禁止エリアに入ると起動、装着者は灰になる。
※自分が戦った高笑いの男(志村)は戦いに乗っている、また策謀を巡らせている可能性を考えています。
;ヾ、,.、,、.、rツ ッッシ、:':' r':' _,、-'゙_, そういえばこのショッカー基地は
,、,、,ミッン、,._ _,、-'゙_,、-'゙. ハッテン場の基地があることで
、ィッ ,:、 ゙''ゞ=ミ、~.: _,、-'゙_,、-'゙ __, 有名なところだった
}; ヾ ゙' {!li;:,. _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,::|_|
ゞァ''゙ぐ _,、-'゙_,、-'゙ _,、-'゙,、-''" .|_ いい男に弱い僕は誘われるまま
,ヘ:'_,、-'゙_,、-'゙..::「┴_,エ ┴ ''"_|_| ホイホイと改造手術に
└i'゙-ニ,ニエ,.:|ニ「 _エ ┴ ''"_|_ ついて行っちゃったのだ
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ __.|_|_
|エ | ニエ, |ニ「 _エ ┴ 「fj.||__|__| _|
|エ | ニエ, |[8] _エ ┴ └‐_|_|__l__,|⊥ |__
|エ | ニエ, |二 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |┴ _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__|
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |__|__| _|_|_
|エ | ニエ, |工 _.エ 二.._ |_|__l__,|⊥ |__
-,-=''┷━━|┬ニエ ┬-- .|__|__| _|_|_
''ーニ_''ー::、_ ゙┷ 工_二'‐-、,_|_|__l__,|⊥ |__
二二二`''ーニ`_''ー-、_¨''━、L|__|__| _|_|_
二二二二二二二`''ーニ_''ー 、_ |⊥ |__
人. 食 か .俺 | / つ ホ よ
間 っ ま は | l い イ か
な ち わ ノ ! 〉 て ホ っ
ん ま な ン | | き イ た
だ う い ケ | | て の
ぜ で だ | ヽ か
ヽ っ ! l \ /
ノ!\__ て / | 〃''7´
{ l ̄`ヽ( ヽ ! / ,;〈
j| / `ヽ;;,, ヽ
/ / l! ',; ',
/ / |
/ l ! l
,.イl! l! /, l!
ゞ{l , , ,;;;ノ、,,,
r''l ' ' ' ' ''l;;;''''''
、 | |;;
.ヽ! ! |;
__」 l |ヽ
<! ヽ | ヽ
こんなこと初めてだけどいいんです…
僕…一文字みたいな人 好きですから…
うれしいこと言ってくれるじゃないの
それじゃあ
とことんよろこばせてやるからな
言葉どおりに
彼はすばらしいテクニシャンだった
僕はというと
性器に与えられる快感の波に
身をふるわせてもだえていた
【ハナ@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-4エリア北部から移動中】
[時間軸]:劇場版・千姫と入れ替わっている時
[状態]:疲労ある程度回復、悲しみと強い決意、ナイトに2時間変身不可
[装備]:冥府の斧@仮面ライダーアギト、カードデッキ(ナイト)
[道具]:支給品一式、洗濯ばさみ、紙でっぽう、戦国時代の衣装、ミニカー7台
【思考・状況】
基本行動方針:脱出する
1:一文字と行動。後ほどヒビキたちと合流。
2:仲間を探して一緒に脱出する
3:イマジンに対する自分の感情が理解出来ない
4:牙王、影山瞬、死神博士、ゴルゴス、仮面ライダーグレイブ(志村の名前は知りません)に気をつける
5:モモタロスの分まで戦う
6:本郷猛は敵? 味方?
以上で投下を終わりにします
______ |
,,..-‐";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;` 、 i あ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;、 ヽ つ あ
/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| 〉 ぎ :
|;;;;i "'`~ "`~ `i||i" '' ゙` " |;;;;;;| / は :
|;;;;| ヽ` u |;;;;;| | シ
.|;;| ,-;;;;;;;;;;"フノ ヾ`;;;;;;;;;;;;;;;ヽ |;;;;| | ョ
,,ト;| ',,_==-、く >゙-==、 |/ i | ン
|i 、| ' ̄"彡| || | | べ
|'. (| 彡| |)) | .| ン
! 、| i,"(_ ,, 、, |" i | だ
ヽ_| ` .|_/ ノ_
.|゙ 、,.−-‐ 、,, | ヽ、_,,,、_ノ
.i ゙、 '  ̄ニ ̄ /|
| 、  ̄ ̄ , ' |
| i ` 、 ( , " |
| ` ー---― "| |
| | i |
,. '" _,,. -…; ヽ
(i'"((´ __ 〈 }
|__ r=_ニニ`ヽfハ }
ヾ|! ┴’ }|トi } このぶんだと
|! ,,_ {' } そうとうがまんしていた
「´r__ァ ./ 彡ハ、 みたいだな
ヽ ‐' / "'ヽ
ヽ__,.. ' / ヽ
/⌒`  ̄ ` ヽ\_
/ i ヽ \ 腹ン中がパンパンだぜ
,' } i ヽ
{ j l }
i ヽ j ノ | } l
ト、 } / / l | .|
! ヽ | ノ j ' |
{ | } | l |
ヽ | i | \ l /|
{ | l | | / |
l ! | l / |
|ヽ
,ヘノ:::::ヽ
/:::::::::::::::::ヽ
/| /::::::::::::::::::::::::::ゝ
/::::|/:::::::::::::::::::::::::::::::::::〉/!
|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://|
|::::::::::::::;;;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|
|\:::::::::/ `、::::::::/ ヽ:::::::::::::::|/ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ:::::::::/ !::::/ !:::::::::::/ |
\::::::::> V __<,,=-、/ |
ヽ「`|〒=。,_;' 。=〒|#l) |
>>554 ‐ゝ、!  ̄",└≡=ナ-┘ <
`∧ i=`==、 ∧´ \_貴様、なかなかやるな。だが、次の一撃で終わりだ________
―┬─┬―i⌒/ \ー='/ ヽ⌒i―┬─┬─┬―
! ! | | |. ハ`ー'´ハ | | | ! ! !
乙です
橘さん、その調子で勘違いを続けて話を複雑にしていってくださいm(..)m
感想よりAA荒らしのほうが多くて吹いた
560 :
名無しより愛をこめて:2008/06/23(月) 19:02:25 ID:zvWYgrjNO
まぁあんま盛り上がらない話やからね
死人もでとらへんやろ
盛り上がらない話っていうか、明らかに他の書き手との技量が・・・
技量が劣っていたら感想も書かないというとこですね、わかります。
投下乙です。
ハナさんを守って闘う一文字が格好良かったです。
ハナさんもただ守られるだけの女性ではありませんね。
無事に響鬼さん達と合流できれば良いのですが、
相変わらず斜め上の考察を繰り広げる橘さんに、ゾル大佐の苦労がしのばれました。
GJです。
投下乙!
橘さん……貴方は相変わらずwゾル大佐とのコンビはやっぱりいい。
一文字もカッコいいですね。牙王との闘いは絵になります。
ハナさんがもうすっかりナイトを使いこなしてて凄い……今後が気になります。
乙。
橘さんがウザくなってきたなw
投下乙です
牙王相手に奮闘する一文字が印象的でした。
ヒビキさん達の動向と合わせて今後が気になります!
それと相変わらずの橘さんは……w
>>554 投下乙です。
一文字の男っぷりが良かったです。
ゾル大佐のショッカーライダーという判断はらしいですねw
ああ、橘さん……
今後も荒らしに負けず、頑張ってください。応援しています。
最後にGJ!
相変わらずの速筆乙です。
止まらない橘さんの妄想が若干ガオウや一文字を喰ってるw
投下乙です。
た、橘さん、いつになったら颯爽とヒーローしてくれるのか……
牙王相手に、残り2人がどうなるのかと思いましたが、
ハナの冷静な判断で、逃げる事にしましたが、この先どうなるのやら。
しかしハナって、電王で4種類のライダーの戦い方を間近で見ているから、
引き際も心得ているのでしょうか。
お前らよくやった! これでお前らは戦力外住人卒業だ!!!!!
571 :
名無しより愛をこめて:2008/06/23(月) 22:23:59 ID:HhNprONlO
愚図が喚くな
572 :
名無しより愛をこめて:2008/06/24(火) 16:25:09 ID:cblaKmA8O
ライダー住人の得意技
意見を言う住人を荒らし扱い
投下します。
夜が明けて間もない時間帯が生み出す肌寒さと、昇った太陽が本領を発揮する寸前という時間帯の呼び込む微量の陽気。
それら二つの反発が作り出す春先独特の気候は、三角形を形成しながら歩む三人の男性にとっても心地が良いものだ。
全身に風格を漂わせながら先頭を切って進む男の名は、ヒビキ。
一目でその実力が分かる鍛え上げられた肉体と、確固たる意思を宿した瞳。「漢」と呼ぶのが相応しいだろうか。
ヒビキの後ろから追従する二人の男は、対称的な様子で道を踏みしめている。
その一人、城戸真司は正面を真っ直ぐに見据えている。心の奥底に秘めた悲しみを牢から解放はせず、明るく振舞うことに徹している。
一方、風間大介は視線をあちらこちらへ滑らせ続けている。風向を次々と変える気まぐれな風の様に。
内心後悔していた。ハナを一文字任せにしてしまったことを。彼女に殴られた鼻の痛みが増した気がした。
現在は殺し合いの真っ只中であり、いくらハナが戦闘手段を持ち同行者付きと言っても安心は出来なかった。
また、大介をもう一つ悩ませる要素が存在した。緑川あすかのことである。
真司に支給されたデルタギアを強奪し去った彼女は、大介からすればハナの次、二番目に出会った参加者にあたる。
あの場にいた他の参加者よりも同行時間が長かったにも関わらず、彼女を止められなかったのも自分の力不足が大きい、と大介は思い込んでしまう。
だが過ぎたことはどうしようも無い。風らしく、大介は次の目標を定める。
(女は花……ならば、全ての花は私が救ってみせましょう)
そうと決めてから歩みが速まるまでに時間はそう掛からなかった。三角形の並びから先頭のヒビキを抜き去り、列を崩す。
早急に仲間を集めて、再びハナと合流した上で、更にあすかも連れ戻す。
その意思を汲み取ったのか、三人の辺りを吹く疾風は追い風となり、彼らを後押しせんとしている。
「よし……じゃあ少しペースを上げるか」
たちまち大介に追い付いたヒビキが少しばかり笑みを含む。
それに真司も合わせる様にして大介に並び、三角形はその内の一角の奮起から直線へ変化した。
◆
エリアE-5の中央で三人は、ほんの一時的に歩みの速度を緩めながら平淡に繰り返される景色を眺めながら進む。
その過程で真司は、自身に妙な感覚を覚えていた。
リゾートと呼ばれる地であると言うのに、視界に入るそれらはどれも見覚えがある様な構図で、懐かしさすら感じてしまうのだ。
ジャーナリストの端くれとして各地を取材して回ってきたことで、一般人より多くの景色を記憶してきた真司の脳がそう思わせているのかも知れない。
辺りを見渡せば見渡す程、この場で行われているゲームと自身を取り巻く周囲の雰囲気とのギャップには悪い印象しか浮かばない。
彼がこのゲームに参加する前に投じていた戦い「ライダーバトル」。それはほんの一握りを除いて関係者以外に知られることは無かった。
普通通りの進行を見せる現実の抱える静寂中で、戦いは行われていたのだから。
ライダーバトル同様、外部の者に知られることなく進み、幾多の命が絶たれていくこのゲーム。
真司にとって、このゲームの開催はそれが再び繰り返されたことに等しいものだった。
今度こそ止めなくてはならない。ライダーバトルの時は試行錯誤を繰り返してきたが、今回のゲームではハッキリと方針を固める動機がある。
戦いを止めることができず、尚且つそれが長期化した際に起こる悪夢――,一般人への被害拡大。
ライダーバトルの最終局面におけるミラーモンスター――レイドラグーンの大量発生。それと似た現象が起こるのを真司は恐れていた。
方針は則ち、ゲームとの無関係者をも巻き込んだ惨劇への発展を阻止すること。
集団との一時的な合流、三人になってからの行動中に経た思考から、主催者であるスマートブレインがその惨劇を起こせるだけの力を持っていると真司は確信していた。
真司からすれば、死者蘇生を可能にするという村上の発言に嘘は無いと考えるのが普通だ。
実際に彼の知る命を落とした筈のライダーが複数人ゲームに参加しているのだから。
たちまち人間を灰化させた首輪といい、彼の危惧している事態を起こせるだけの力を必ず持っている筈――そう考えるのもおかしくないだろう。
だからこそ放っては置けない。必ず仲間を集めて、スマートブレインを討つ。
その信念は何処へ向かうのか、その結末は、不透明のままだ。
ハッ
僕、本郷猛がそう思ってると
突然一文字は僕の見ている目の前で
ツナギのホックを
はずしはじめたのだ・・・!
, '´  ̄ ̄ ` 、
i r-ー-┬-‐、i
| |,,_ _,{|
N| "゚'` {"゚`lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
/ ∨ l |! | `> | i
/ |`二^> l. | | <__,| |
_| |.|-< \ i / ,イ____!/ \
.| {.| ` - 、 ,.---ァ^! | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄l
__{ ___|└―ー/  ̄´ |ヽ |___ノ____________|
}/ -= ヽ__ - 'ヽ -‐ ,r'゙ l |
__f゙// ̄ ̄ _ -' |_____ ,. -  ̄ \____|
| | -  ̄ / | _ | ̄ ̄ ̄ ̄ / \  ̄|
___`\ __ / _l - ̄ l___ / , / ヽi___.|
 ̄ ̄ ̄ | _ 二 =〒  ̄ } ̄ / l | ! ̄ ̄|
_______l -ヾ ̄ l/ l| |___|
580 :
支援:2008/06/24(火) 18:13:12 ID:jLyYhLbZ0
/ .な い あ も ヽ
| い い い う | 、
| か ん つ ! ヽ /
ヽ な じ 一 全 / ,.>‐r=t‐/
\ ゃ 人 部 / /、_ソニi'_>、
ヽ ヽ/ で / |::::::.ヽ・/:::::::::l ,,.-‐
\,.--、/`ー-----‐‐ ゝ |ト;;;;:::::! !:::::;;;;ノ! ,.-'"
,<`゛ . "ヽ ヽイv'=`vソ!レt=ニ二 _,,.-‐
rt'⌒i.__!⌒i ) ,..rrヽヽニニイ/ノ!ttrr,,.、=ニ-‐
└!-イニヽヲ' ,.rr'T! !.:::::i. ヽ!ニニイ' ,,/,.-i::''//`rrr
-‐t::i"ヾ、!三!ソ,ト、,、 /ッr-‐´:::.、ヽー--..:::/ /.:/ ̄ ̄!::::
ヽ. U `゛==="ノ::/ !フ ,!=/:!_ `" ヽ::/ ̄ `´ .!::::
l l ノ:::/ /.リ. /ニメ:::t== l ノ.::::
メ ,...、 l (;;;;ノ /.:::::リ/‐/.:::::::!_ | ='"-;::::
ヽヽノ::ノ .l ノ ヽ::::/=ノ.:::::::rヽ== ! _,,..-‐'".:::::
582 :
支援その2:2008/06/24(火) 18:13:40 ID:jLyYhLbZ0
N'~ 〃 ミミ:、 ヾ,)z
i 川川川/ '´彡ミミ Y',
/ ミミヽ、ミ州州州,.=-=-、 ミミ 災ヾ、 ハ
フ ,;彡=-'"~´ `ヾ:ミ ミミ彡'
、j; {"´:.:.:. ゞミ ミ=-' ';"
゙i; ;i:.:.:.:. :. .: _,,.、 `ヾ:、 ;彡'
ツ j:.:.:.:.. 、ヾ:.、 , /〆´ ゙{:ミ、{ iY
゙=-、 }:. {`ー--、 j ハ -'"r雅ア 川'j /
ぐ;ハ:.. `<草;` ゙.:: :.、~´ ' .: ハ_ノ
゙j;ヽ:. ,:' .::. fミ{、
ナjヽ:. .:::. `i、;:.. /χ彡
゙j"ヽ:. 、r-、.ノ~` ヾ:, : ル彡'
〃 ゙ヽ:. ,. -yー,ィェェゝ : イミ:、 ,.
`xナヽ:. ,ィ-'、ェエエ'"´ `` |' ゙"
、,;メヽ:. ー-: | ̄ハ
/ `ト:、:. ' ゙ / i;;;/ ヽ
__,.:-:一'"フ~ ヽ:.:`.:.-:─:.´ 」:/ ヽ.、_
/" ̄ ;' | \:.:.:.:,; ;,. /;:;/ \ ` ̄`
,..-‐'" ;, | ヾ:\ /;:;:;:;/ i ;,
;, | ヽ;:;:\ /;:;:;:;:;:;/ | ;,
583 :
支援その3:2008/06/24(火) 18:14:05 ID:jLyYhLbZ0
|
| /| |ヽ
| / | |:::ヽ
| / / /⌒ ヽヽヽ
| / < | ο | >::::ヽ
| ヽヽ:⌒:: | /⌒:: /
| ヽヽ:::ノ ¥::::ノ/
| \∧ M ∧/
| // _ヽ::W::/ \
| __/_::ヽ__彡ミヽヘ
|\:::::::\/━━─┐彡::::::::
|ヽ\:::::::ヽ ::::::::::::::::::》《 ::::
| \ \::| ::::::::::::: /::::\:::::::
|/>/::ノ: :::::::::::::::/::::: :::\::
|/::\:::::::>::::::::::/ :::::::::::::>::
|ゝゝゝゝ\:::::\:::\::::::::::/::
||::::::::/ \::\::::::\::\/::ヽ:
◆
それにしても、何とむさ苦しいことか。決して外観のことではない。むしろ、真逆。
足元で断続的に咲き乱れる花達はそのままでも美しいし、空を青く染めている太陽はその美を可能な限り高みへと引き上げている。
リゾートを名乗るだけあって環境にも気を配っているらしい。空気は澄んでいるし、定期的に耳へ飛び込む動物や鳥類の鳴き声も心地良い。
環境の腐敗した都市を思わせる大規模な建物も、喧騒もこのエリアの周囲には存在していない。美しいものを愛する自分にとっては決して悪くない環境。
それをむさ苦しいものへと墜としているのは、間違いなくこの二人だと断言できた。
ヒビキ、城戸真司。面構えだけ見れば決して悪い男では無く、むしろ上の部類。
ヒビキの肉体は相当鍛えていることを思わせたし、城戸も先程から雰囲気が変わっている。
おそらくは自分と同様、この戦いにおける目標を固めたのだろう。確かに二人共一線の外から見れば、外面的にも内面的にも優れているという第一印象を持つ。
しかし実際に一歩踏み込んでみるとどうだろうか。ヒビキはいつ女に見られるか分からない状況で変身後全裸になっても平然としている呆れた神経の持ち主。
城戸は城戸で発言の節々から、上辺だけで何も考えて無い、馬鹿の臭いがする。
それはそれで言い換えれば「愛すべき馬鹿」とか「良い意味での馬鹿」に族するということなのだろうが。
とにかく、馬が合うタイプではない。勿論協力者としては信頼に足る存在であるのは間違いないと理解しているが。
早朝のヒビキの戦いぶりや、手段はどうあれライダーバトルという殺し合いにおいて最後の二人にまで残ったという城戸の話を聞く限り、戦闘力は素人の自分よりは上。
実力者である以上、守るべき対象である花さえ咲いていればこれ以上無い用心棒と捉えることができる。
……のだが、肝心な探し求めている花がどこにも咲いていない。
初めに名簿を見た時点で女性らしい名前が少ないのは把握済みだった。
それでも二人の女性にいきなり同行することができたことから、楽観視していたのかも知れない。
地面に膝を下ろすハナを見て、軟派そうな男が1人近付く。
先ほどのヒビキとは違い、ハナの肩を抱くようにして顔を近づけてみせる。
「どうした?哀しいなら、俺の胸で……泣けばいい。さぁ、遠慮はいらないぜ?」
軟派男の名は、一文字隼人。先ほどの放送で呼ばれた男と同じ名前を持つ者。
そんな一文字の姿を見て、対抗心を燃やしながらハナに近付く風間。
一文字の手を払うと、ハナを自分の手に抱き寄せゆっくりと微笑む。
「貴方はまるで女性の扱いがなってませんねぇ……もっと花を扱うように。
そう、ゆっくりと優しく……!?」
――「あんた達 い い 加 減 に!!」――
全てを言い終える間もなく、風間の顔面をストレートの一撃が襲った。
吹っ飛ばされた風間は、鼻血を垂らしながら気絶してしまった。
「……あ、やり過ぎちゃった。ごめんなさい!!」
その様子を見ていた一文字が、ハナを見てニヤリと笑う。
こういう女性も悪くないと。
(殴られた風間は災難だが、俺はこういう攻撃的な女も好きだぜ……)
新たな「獲物」を見定めた男は、この戦いでもう少し生きてみようと心に決めた。
3人のやり取りに気付き、ヒビキと城戸もその輪に加わる。
まず、ここでやるべき事はお互いの持つ情報の交換。
「まずは……お互いが知ってることの整理だな。
一文字っていうんだろ?さっきの放送と同じ名前だろ?」
「あぁ、俺は一文字隼人だ。だが、さっきの奴とは名前だけが同じなだけで
587 :
支援その4:2008/06/24(火) 18:16:08 ID:jLyYhLbZ0
イf{_,.ィ__ャ、__}jハ
| lハ} | | {/V |
l ヽ\Y// l
「l /l `ヽl /´ li
| L. ヽv _,、」|L,、_ vリ
」V⌒ヽヽ〈ハ ハ〉 /_ __
| 》 -、ノ刀V`T´Vイ´ ̄\〉
_」《__」 辷ミ三三ソ ーr―l辷ァー-、
, イタ{{三三} ー― \l/ー‐ _l| 「└ュ._ l\
/l タ / l /⌒ \ l / l|ノ / l] 八
| タ ∨ l{ ノ 人ゝ ノlk/ ̄「タソ
}ター/ / l 〉 T≦ _j_ ≧T Yl〈 ノl|┘
/ /k |」\!l Y´ l `ヽ ノ}∧l| | `l
しイ⌒ヽ.ノ⌒//Y´ >l< 〈⌒ハ l\ l
ゝ{__ノ | // l\人 j 人/V| V \ハ
〈./ \ ` ´ /リ }_.ノーヘ
rf77フl , ィヒイ辷ヒテLト《 〈 / ),
」_」_」_」! |〈爻《_X__》爻〉l丁l V ハ
|`|`|`|] 人_T ト こ イT__ノ」! | V 〉
 ̄厂 / \| |/ \| ̄ } ム}
| / ∧ 厂广弌
しかし、最初から二人と合流できた時点で気付くべきだった――残りの女性はほんの僅かだということを。
もし気付けていれば、こんな決意は生まれなかっただろうに。
しかし今更方針を変える訳にはいかない。そんなことをすれば、疼きながらも心情に共鳴し、躍動を続けてくれている両足にも申し訳が立たない。
だから進み続ける。悲願達成の為に、脱出の為に。
ふと城戸に目をやると、地図を取り出しながら口を開きだした。
「俺達、どこに行けば良いのかな?」
そう、未だ行き先は決まっていない。D-5とE-5エリアをうろつきながら形式的な捜索をしているだけ。
その言葉を聞いてふと、グループの問題点を垣間見た気がした。自分も含め、優れた統率者足る人物がいないのだ。
確認したところ、ハナさん達との再合流時間は別れてから二時間後だという。さすがに短すぎる。
気絶していて提案できなかった自身にも非があるのだが、せめてその位はうまく調整して欲しかったと思う。
「まあ南下していますし、人影のありそうな都市部の主要施設をいくつか確認するのが妥当ですね」
どうせだから自分の意思を伝えておく。といってもこのルートでは、他にできそうなことは無いが。
「都市部って……合流時間まで後三十分しか無いのに……」
「だからといって収穫無しで戻る訳にはいかないでしょう。これだけ時間を掛けて短距離を捜索しても、辺りに気配は無いですし」
この程度の距離を探索するならば、グループを分断する必要も無かった筈だ。危険を冒した以上、結果が無ければ気に入らない。
「でも俺達だけで勝手に行動したら、二人が戻った時心配を掛けちゃうし……」
当然の反応を返す城戸。ヒビキか城戸が提案していたら自分もそうしただろう。
「一人だけ戻って、ハナさん達と合流。その後どこかの施設で落ち合う、でどうでしょうか。私達は皆変身できますし、最低限の襲撃は防げます」
「もし一人じゃ対応できない相手に襲われたらどうする? 真司やハナが戦った白い奴みたいに」
今度はヒビキが返してきた。やはりこれも妥当な問い掛けと言える。
「そのレベルにまでなれば何人でも同じです。……そんなに心配なら私が行きましょう。ハナさんのことも気になりますしね……」
彼女に殴られた鼻を右手でそっと押さえてやると、辺りを旋回していたドレイクゼクターが左肩に舞い降りた。
クロックアップのことを考えれば、この中で一番その役目に相応しいのは確かに自分ではあるのだが。この二人はその能力を知らない。
悪いがこちらもこの状況下で無駄足を踏むつもりは無い。自分が戦闘の素人だとしか話していない以上、どちらかが、名乗り出る。
「怏々としているな……分かった。それは俺に任せてくれ」
「ヒビキさん!?」
――この様に。
「いや、あの場でまとめちゃったのは俺だから。計画変更なら俺が伝えなきゃ駄目かな、って思ってさ。……それで、合流地点はどうする?」
「病院辺りでどうでしょうか。治療具やらも調達できるでしょうし。時間は指定せず、先着組は待機しましょう」
ヒビキが頷いたのを認めた後、城戸に視線を動かす。ヒビキに全幅の信頼を寄せているからか、それなりに納得した表情だった。
「じゃあ急ぎましょうか。場所が場所ですしね」
現在地は三十分も経てば禁止エリアと化すE-5。長居は無用だ。城戸に合図しながら歩き出すと、三歩終えて再び呼び止められた。
向き直ると、ヒビキが何かを投げてくる。片手で掴みとり、瞬間的に握った拳を解く。
簡易的だがカブトムシを連想させる一本角が目立つゼクター。天道総司の物とは違い、銀が基調になっており、「ZECT」の刻印。
「その蜻蛉を見てたら、お前に預けとくのが一番良さそうに思えたからな」
既に見慣れた感のあるポーズを見送り、進行路に向き直る。ヒビキが走りながら来た道を戻っているのが足音から推察できる。
少々早めのペースで歩き出したことで、ヒビキと自分の距離は広まっている。
しかしこの謎のゼクターは無反応……実におかしい話だ。
592 :
支援:2008/06/24(火) 18:18:18 ID:jLyYhLbZ0
f^゙l /゙l
|_.リ| ト、_l
゙^|~、__ ,l |
__ リ__〉 l__,=、_=、_,=、 ||__,|
|| ヽ ノ:..:..:..::.|:::| |::| |:::| | ト-|.:.:..::.l /|
|l | /:..:..:..::..::.l :| |::| |:::| |:|::::|..::..:..:.ヽ | ||
|l l //:..:..:..:..:..:.::l:| |::l_j:::l_j:|::::l.:.:..:..:..:..:゙、 | |;|
|;l l f/:..:..:..::.:.:.:...:..:lj |::〔二〕:|::l..::..:..:..:..:..:..゙、 | |;;|
|;;l ∨:..:..:..:.:.:.:.:.:.:..:.l |::<>:|:l..::..:..:.:.:.:...:..:..jノ. |;;;|
f、 |;;;;l l.:.:::..:..:::.:.:.:...:..:..:l::::f=7::::|..:.:.:::::..:::::::..:..::| l;;;;リノ|
|\,j;;;;;;| l.:.:.::::..:::::.::::......:.|:::∨::::l..::..::::...::::::...::..:ノ/;;;i|,ノ| 「ぎぃやぁああああ皮が剥けたぁあ」
l | |;;;;;;;;;| |:::::..:::::..::::::::::::..:}::::::::l..:..:::::::::::::::::::::.:l l;;;;;;;レ .l
.| l l;;;;;;;;;;l l:::::::::::::::::::::::::..:..|:::::|..:.:.:::::::::::::::::::://;;;;;;;ノ ノ_.
::|| l t;;;;;;;;;;;l |:::::::::::::::::::::::..:|:::::::|..:.::..:::::::::::::::f/;;;;;;;;/ f^゙||
::::|| \\;;r-l. |::::::::..........::::::ノ:V:::l..:::::::::::::::::....|ト、__/__|-、||
::::::|:| | | | |ヽ...:..:..:..:..:..イ、.._,,....ヽ_::::::...../|| | l´ | | | |
:::::::::|:| \ |\ ̄ ̄ .||二二二|| ̄ ̄ ./|| | | _,.j_
|::::::_,-l. \_|| ヽ l. _.||二二二||_ ./ /|_/| | ̄''''|
.|-'~;;;;;| / /\ \l .||二二二.|| ../ /、___|_/| |
..|;;;;;;;;;;;|レリ_j |;;;;;;;;\ 丶.____/./ | f;;;;;;;;| | |__
,.-ヽ;;;;;;;f=、| l;;;;;;;;;;;;;ヽ._____/__./ {;;;;;;;;| | _j ̄
\;;;;;;;_j| \;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/ ./;;;;;;;;;| | /
何故ゼクターが単体で存在しているのか。ライダーへの変身はゼクターにツールを組み合わせることで完了する。
天道のベルト、影山のブレス、そして自分が何故か所有しているグリップ――ゼクターならばそれらを持つ者に追従している筈なのに、こいつは動く気配が無い。
対応ツールが無いのか。だとすれば何故支給されているのか。用途は何なのか。
マニュアルがあれば話は別だが、ヒビキなら持っていた場合は渡してくる筈。
……謎だらけではあるが、意味のある存在であることは間違いないだろう。
この場からの脱出、戦場に咲く花たる女性達の保護に加え、こいつの調査。これらの目的をいかに効率的に消化するか。最短ルートは――――
【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:E-5エリアからD-5エリアに向けて移動中】
[時間軸]:最終回前
[状態]:疲労回復、顔面に傷
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、不明支給品×1(確認済)、猛士の刀
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:一文字達と合流後、迂回して病院を目指す。
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。金色のライダーに変身する男(志村)に気を付ける。
4:あすか、どうしたのかな。
5:この刀(猛士の剣)に付いているのは自分の名前だが……?
※猛士の剣は現在切れ味の悪いただの剣ですが、ある条件を満たすと……?
※一文字の話から、茶髪の男―仮面ライダーグレイブが戦いに乗っていることを知りました。
【日高仁志(響鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:最終回前
[状態]:疲労回復、顔面に傷
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈火
[道具]:基本支給品一式(着替え2着と元の服を含む)、野点篭(きびだんご1箱つき)、釘数本、ハイパーゼクター、不明支給品x1、猛士の刀
【思考・状況】
基本行動方針:出来るだけ多くの仲間を守って脱出
1:この刀(猛士の剣)に付いているのは自分の名前だが……?
2:何で鬼になれない?
3:もっと仲間を捜す。金色のライダーに変身する男(志村)に気を付ける。
4:あすか、どうしたのかな。
5:2チームに分かれて仲間を探す。後ほど一文字たちと合流。
※猛士の剣は現在切れ味の悪いただの剣ですが、ある条件を満たすと……?
※一文字の話から、茶髪の男―仮面ライダーグレイブが戦いに乗っていることを知りました。
知りました。
【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:E-5エリアからF-5エリアに向けて移動中】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:鼻痛(鼻血は止まっています)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)、ハイパーゼクター
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:城戸と共に都市部を探索した後、病院へ向かう。
2:協力者を集める(女性優先)
3:謎のゼクターについて調べる。
4:何故変身出来ない?
5:移動車両を探す。
6:影山瞬に気をつける
※気絶していた為、一文字からの情報をまだ知りません
※ハイパーゼクターはジョウント移動及び飛行が不可能になっています。マニュアルはありません。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:D-5エリア】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に激しい痛み、芝浦の死に悲しみ
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
1:戦いを止める。絶対に。
2:スマートブレインに対する強い怒り。
3:大介たちとの情報交換、ヒビキ、風間と行動する。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
6:金色の仮面ライダー(グレイブ)に注意する。茶髪の男?まさか…?
[備考]
※志村を信用しています。彼から『白い怪物と剣崎一真は共に殺し合いに乗り、尚且つ組んでいる』『桜井侑斗は危険人物』という話を聞きました。
白い怪物はダグバのことだと思っています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事、連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
(チーム:ヒビキ、風間、城戸)
次にどこへ行くかは書き手さんにお任せします。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:E-5エリアからF-5エリアにむけて移動中】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に軽度の痛み、芝浦の死に悲しみ
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
基本行動方針:早期に殺し合いを止めた上でのスマートブレイン打倒
1:市街地へ向かう。風間に同行。
2:金色の仮面ライダー(グレイブ)に注意する。茶髪の男?まさか…?
3:本郷ともできれば再度合流したい。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※不信感を多少持ちましたが、志村をまだ信用しています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事から、スマートブレインが死者蘇生の技術を持っていると考えています。
※連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※志村について話していません。
※道中での情報交換により、危険人物及び友好的人物、要注意人物に対してのある程度の共通認識を持ちました。
敵対的:白い怪物(ダグバ)、金色のライダー(グレイブ)
友好的:本郷猛(R)、一文字隼人(R)、ハナ、手塚海之、桐矢京介、和泉伊織(イブキ)、加賀美新
要注意:香川英行、東條悟、桜井侑斗、影山瞬
※都市部の探索ルートは次の書き手さんにお任せします。
投下終了です。
この様な短文にまで支援をしてくださり、ありがとうございました。
599 :
支援:2008/06/24(火) 18:21:08 ID:jLyYhLbZ0
', ヽ、
ヾ ヽ、___
入ノ:.:.>-ニヽ
,イ:.:::::::.:/ ̄ ̄ニヽ、
ト、_,ィ‐==-:.:.:.::\
iト、___/::∧:.:.:.:.:.:.:.:| 埋めるでぇ
Lr−--t-'-tテ-、:.::|
| i/ニヽ,j| / { ヽj
∧∧} リ〃 `-'__ヽ,:.∧∧イィィミ
≦ ヾー-‐'´:.:.∠ ≧
≦ ≧:.:.:.:.:.:.:.:.:Z ≧ __
, ヘ、 _ < ≧ー―≦ 入 _ ≦、 ,イ ヽ、
// / ≦_ ____Z ンww>wwwwミww∠ ヽイ ヽ、 \
// , ' <ニ) /ヽ==il o i|/ ミ r=ヽ、 ヽ, ',
// iイi _ ,/<二) {//:.:.:::|| l| ミニニヽ、|l i| i |
| l |l //し/ / L_」:.:.:.ノ|l o l| ミ |:.:.:.ヾ、 l|−-|_!
 ̄ |iリ:.:.:.:.:しし'⌒  ̄ ̄`ー-‐'l ミ |:.:.:.:.:.:}} リ
i|:.:.:.:.ミ リゝwwwwwwwwwwwwヾ ノ:.:.:.:.:.:.:i| /
600 :
支援:2008/06/24(火) 18:21:48 ID:jLyYhLbZ0
┌、 「'、
\ヽ、 ! '、
ヽ \ __! Y  ̄{
\ゞ´ ト_} ヾ:、
/, , ' __ノ /、::ヽ お前の支援をwwwww
{、 {-‐'~) (:::::::::`:::i ちょ・・・荒らし扱いしないでwww
ト' ` ̄´ `ヽ::_::::!
V-'∨¨「T一_`::::::Y
l∨ー'l_,ノノ /_::/]-─-、
, -‐'アヽ、`L/」.-‐<_´ /´( ひノ
/ /::ノ>'7''¨て ̄´,-、ヽ_ゝ、 `
, -─‐-=='ノ;::::::{ /⌒! ,.、_〉 /、_::::::`::::、 ̄ ::::
| て二ノチ=ー-≧、__ /:;;;:::::::`:::::-::::::::::::::::
.!、 ´二ヽ /:::::::::`ー-)ー-、_ ::::::::::::::::::
ゝ、_ `ト !:::::::::::;/´〃_〃 \:::::::::::::
` ̄`"ー-、>{´ヽ | /'´ /´::::::::::::::
ド、 |' /::::::::::::::::::
ヽ::ゝノ´:::::::::::::::::
|::::::::::::::::::::::::
投下乙
風間のチェックの速さに笑いましたw
ヒビキさんが一人になりましたが、これが吉と出るか凶とでるか。
信司は愛すべき馬鹿ですw はい
GJ!
投下乙です!
風間がハイパーゼクターを…まぁ使えないけどどうするのかなぁ?
いや、今一番心配なのは響鬼さん!変身した後ポロリをフォローしてくれる奴がいないぞ!やばいぞ!
投下乙です。
むさ苦しさに不満を抱いてる風間に笑いました。それどころじゃないだろうw
響鬼さんは相変わらず飄々としていていいですね。
GJです
投下乙です!
三者三様の思惑や心情の描写が良かったです!
風間、真司の事馬鹿ってw
ヒビキさんはやっぱり何だか頼れる感じがしますね。
さらに分割された集団がこれからどうなるのか、先が楽しみです!
GJ!!
58 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:25:22 ID:/ocLlSJ+0
通常の期限を一週間にしているから、延長した人も何とか10日以内に書き上げられるのかも知れませんね
取りあえず、次のテンプレに「飽くまで緊急措置なので可能な限り延長は避けるようにしてください」
とか、「延長が慢性化している書き手には注意が行く事もあります」
とかを付け足してみたらどうでしょう
流石に、「延長する」と言う行為をあんまり軽く見て欲しくないので
59 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:30:06 ID:/ocLlSJ+0
>>57 一応、「次は出来るだけ気を付けよう」位は考えるようにして欲しいです・・・
60 :名無しさん@THE NEXT:2008/05/26(月) 01:30:09 ID:YdUkBTJw0
とりあえず、半年ROMってくださいね。
流石に、「執筆する」「スレを運営する」と言う行為をあんまり軽く見て欲しくないので。
感想の数々、ありがとうございます。
状態表の時刻が朝になっていますが、文中で触れた時刻と矛盾するので
午前に修正します。
山本大介、歌舞鬼、桐矢京介、三田村晴彦 延長願い…ます
今日中には…今日中には…!
>>606 投下&修正乙です!
それぞれの考えや行動がらしくてGJです!
ヒビキさん単独行動ですが、吉と出るか凶と出るか…
>>607 了解いたしました、楽しみにお待ちしております!
ただ今から五代雄介、城光 投下いたします。
引き戸に嵌められた磨り硝子から漏れるぼんやりとした陽光が、旧式の家屋の一室を照らしている。
そこに座り込み、何事かを思案するように黙ったままの男女。
美しい顔立ちにどこか獰猛な雰囲気を纏った女―――城光は疎ましげに腹部の包帯を見つめる。
研究所で出会った男に付けられた傷。不死生物である彼女にとって致命傷にはなり得ないが、じくりとした痛みが体を苛む。
幸いなるかな、民家にあった救急箱で出来る限りの手当てはしたものの、完治には時間が掛かるだろう。
驚異的な生命力を持つアンデッドも、首輪の制限の元では人間の治癒能力と大した差はない。
光は赤い唇を噛み締めた。つくづく、あの男に北條の身柄を取られたのが悔やまれる。
圧倒的な堅さに目視出来ないほどの素早さを兼ね備え、自分と息吹鬼、そして傍らの男を相手にしてあしらって見せた。
現状唯一とも言える、忌々しい首輪を外す方法を断たれた事に苛立ちを覚えながら、同じくありもので手当てを施している男を見やる。
男は手際よく包帯を巻き終えると、まっすぐに光の目を見つめ返して口を開いた。
「……それで、貴方はこれからどうするんですか?」
「聞いてどうする。お前こそ何か目的はあるのか」
「俺は、研究所にいたあいつを倒します。 俺たちの代わりに捕まったあの人を助けないと」
黒い重たげな前髪から覗く双眸は、先ほどあれだけ痛めつけられたにも関わらず強い決意を宿している。
その事が、僅かに光にこの男へ興味を抱かせた。
「言っただろう、無茶は止せ。今の私たちが向かっても勝てるとは思えん」
この事実を口に出す事は光の矜持を少なからず傷つけた。
だが、放送に聞くブレイドの死、北條の言葉、そして何よりも対峙した研究所の男の強さに認めざるを得ない。
「ありがとうございます……それでも、行かなくちゃいけないんです。もう、誰の笑顔も失いたくないから…」
微笑んでみせる男。―――その笑みは、全身に負った怪我の痛みに少々歪んでいた。
光は嘆息する。そんな状態で、一体どうやって戦えるというのか。
自分の強さを過信するのは愚かな事だ。その力に引き摺られて自らを失うのならなおさら。
ふと、光の脳裏に少年の姿が浮かぶ。闇の力と本来の自分の持つ甘さに惑わされる弱い存在。
だが、自分の弱さを自覚してなお、向かっていくのはもっと愚かだ。
「……なら、少なくとももう少し休んでいく事だ。あの様子なら、すぐに殺されるということもあるまい」
そんな光の言葉に、男は優しさを感じて笑みをいっそう深くした。
「そういえば、自己紹介がまだでしたね。俺は五代雄介。いつもは名刺があるんですけど……」
「名刺? そんなものはどうでもいい。 ……城光だ」
ひとなつっこく告げる五代に対して、ぶっきらぼうに返した光はおもむろに自分のデイパックを引き寄せて中身をあさり始めた。
つかみ出した乾パンを少し日に焼けた畳の上に放り出し、溜息をつく光を見て五代が尋ねる。
「いらないんですか?」
「こんなものでは腹の足しにもならん。お前にやる。私は他の餌を探す」
そう言って立ち上がろうとした光の目に、デイパックから覗く白地に金の浮き彫りが施されたカードデッキ―――ファムのデッキが映った。
儚げな佇まいの少女、長田結花の顔が思い出される。イブキと共に脱出はしたが、彼女の変身手段はここにある。
―――最も、あのようにかよわいただの人間が、変身した所で戦えるとは思えないが。
「お前、私にどうするつもりかと尋ねたな」
「え? はい」
「私は研究所に居た他の人間を探しに行く」
唐突な光の言葉に五代が目をしばたたく。光は目線をデッキに注いだまま言った。
単独行動は危険だと知った光は、おそらくまだ研究所周辺にいるだろう二人を捜索する事を選んだ。
結花はともかく、イブキは多少なりとも戦力になる。
それだけが理由ではない。光は縋るような結花の態度に我知らず庇護欲を抱いていた。
「じゃあ、俺も一緒に探しますよ。二人一緒の方が危険が少ないでしょう?」
申し出る五代に、勝手にしろと言わんばかりに立ち上がる光。
「あ、食べ物探すんですか?俺も……」
「お前は休んでいろ」
ぴしゃりとそう言い捨てて、光は部屋を出て行った。
※※※
光の背中が見えなくなって、五代は部屋に一人残された。
研究所で行われていた戦闘に思わず加勢したが、少女を庇い戦う光はやはり優しい心の持ち主だった。
虎に似た異形の姿に変化した事には少し驚いたものの、こうして出会ったばかりの自分にも口は悪いが労わりの言葉を掛けてくれる。
自分を助けてくれた彼女の力になりたい。五代はそう思っていた。
ふと、投げ出されたままの光のデイパックに目が止まる。口が開いたままのそれ。中身が僅かに見える。
五代ははっと目を見開き、デイパックにいざり寄った。
見えたものは、少し大ぶりのカード。
繊細な縁取りの中に、意匠化された様々な生き物が描かれたもの。剣崎が持っていたカードと同じ種類の物だ。
思わず手に取り眺める。二枚あるうちの一枚には、青と金に輝く甲虫様のものが描かれており、嫌が応にも剣崎を思い出させた。
「これは……」
「何をしている?」
頭上から降ってきた声に五代が弾かれたように顔を上げる。
ビーフジャーキーの袋を抱えた光の鋭い眼差しが五代を見下ろしていた。
手に持っているカードに気が付いた光が、目を細めて尋ねる。
「お前、それを知っているのか?」
「……はい、俺と……一緒にいた、剣崎さんが持っていたものと同じ類のカードです……」
「剣崎……ブレイドか」
「!? 剣崎さんと知り合いなんですか!?」
今度は五代が勢い込んで光に尋ね返す。光が僅かに頷くと、五代は俯き、カードを握り締めて呟く。
「剣崎さんは……俺と、殺し合いを止めるために戦っていたんです。笑顔を守るために……それが『仮面ライダー』なんだって。
でも、俺が……あの人を殺してしまった……俺の力が足りないせいで……!!」
切れ切れに、低く呟く五代の言葉に光は眉をひそめる。
五代はそれを、剣崎を守れなかった自分への憤りだと解釈した。自分のしてしまった事を悔やむのは簡単だ。それでも。
「それでも、俺はあの人の思いを無駄にしたくない! だから、辛くても、戦い抜くって決めたんです」
再び顔を上げ、強い決意を込めてそう告げる五代。悲しみと痛みの果てに導き出した自分の道。
不屈の精神が瞳に輝く。
「―――どういう事だ?」
だが、その瞳をまっすぐ見つめたままの光の声は、あくまで冷ややかだった。
「ブレイドは『白い怪物』と共にこの殺し合いに乗っている、と私は聞いた」
光の言葉が耳を打った瞬間、自分の心が凍りつく音がしたような気がした。
こめかみがズキリと痛み、見開いた目が乾く。どくん、どくん、という胸の鼓動がやけに大きく聞こえる。
剣崎さんが、殺し合いに乗っているだって?
「……一体、誰がそんな事を」
自分でも驚く程硬い、冷たい声だった。光はそんな五代の様子を訝しみながらも答えを返す。
「研究所に来る時に私に着いて来た、結花という人間だ。そいつも、誰か他の者から話を聞いたと言っていた」
「そう……ですか」
五代は拳を握り締める。動揺を治めようと目をきつく閉じるが、瞼の裏の闇の中に、『白い怪物』―――ダグバが浮かぶ。
ダグバと対峙した時に流れ込んできたイメージを続けざまに思い出し、五代は戦慄する。
黒い姿のクウガ。それが一体何を意味するのかは、今の彼にはわからない。
ただ、その闇の色が自分の心を侵食していくような感覚がひたすらに恐ろしかった。
夜空の元、ダグバの蹂躙と剣崎の死を前に感じた絶望と憎悪が五代の胸に蘇る。
『仮面ライダー』として人を守るために戦い果てた剣崎が、『白い怪物』と組んで殺し合いに乗っている。
何者かが故意に、そんな情報を流したのだとしたら。
その『誰か』に対して湧き上がる、様々な負の感情を歯を食いしばる事で押さえつけ、不信がる光に無理に笑顔を作ってみせる。
「……剣崎さんは、そんな事はしていない。剣崎さんと俺は、その『白い怪物』と戦っていたんです。どこかで、何か誤解があったに違いありません」
目を伏せたまま、それでもきっぱりと断言する五代。光は何も言わずに座り、持っていた袋を開ける。
ばりっ、という乾いた音が部屋に響いた。
※※※
五代はそれきり黙ったまま、背を向けて手元のカードを見つめている。
無論、光は額面通りに五代が剣崎を殺したなどとは思っていない。
彼女が不信に思ったのは、こちらで手に入れた剣崎の情報と、五代の語る話が全く異なっているという点だった。
光はアンデッドである。BOARDの仮面ライダーとは敵対関係にある。
そのため、ブレイドである剣崎の事を特に知っている訳ではなく、多少の違和感を感じつつも光は結花からの情報を受け入れていた。
先の発言も、五代を頭から疑ってのことではない。
結花は動揺していたし、彼女に剣崎の事を伝えたその人物も、こういう状況なら偽りの情報を流し漁夫の利を得んとする事も充分ありえる。
だからこそ、実際に剣崎と行動を共にしていたという五代へと純粋な疑問を投げかけただけの事だった。
対する五代の反応。力及ばず剣崎を守れなかった自分と、殺した相手への怒りにも見える。
だが、それだけではない。光は、五代がそれを不自然な形で心に閉じ込めている事を察していた。
(何かに怯えている……?)
怯えているとしたら、剣崎を殺したという『白い怪物』に?
―――違う。先ほど見せた強い決意は嘘ではない。ならば、一体何に?
しばし五代の背中を見ていた光だったが、考えても仕方がないと目線を外した。
五代の言う『白い怪物』。ブレイドを下したというその強さは気がかりではあったが、現在の問題ではない。
今なすべき事は、出来うる限り早くイブキと結花と合流し、戦力を増強する事。
そして、研究所にいる男を倒して北條を奪還する。首輪を外して、このゲームから脱出するために。
「光さん、そろそろ行きましょう―――俺はもう大丈夫です」
光の思惑が伝わったのか、五代が口を開く。その顔にはまた何時ものように、頼もしげな笑顔が浮かんでいた。
笑顔の下で自分を殺し、望まぬ戦いに身を投じる男と、戦うために存在する誇り高い獣の化身。
二人の交わりが何をもたらすのかは、まだ誰にも解らない。
【城光@仮面ライダー剣】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所西の民家】
[時間軸]:40話、トライアルについて知った後
[状態]:膝などに軽い擦り傷。腹部に裂傷(中程度:応急手当済み)。
[装備]:カードデッキ(ファム)
[道具]:基本支給品・トランシーバー・ラウズカード(スペードQ/K)
[思考・状況]
基本行動方針:このゲームから脱出し、金居とは正統なバトルファイトで決着をつける。
1:長田結花・イブキとの合流を目指す。
2:首輪解除にもっとも近い道を選ぶ。五代と共に、北條の奪還。
3:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。
4:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。
5:五代の態度に僅かに興味。
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所西の民家】
[時間軸]:33話「連携」終了後
[状態]:全身打撲、負傷度大(応急手当済み)、疲労中程度。小程度の動揺。
[装備]:警棒@現実、コルトパイソン、ホンダ・XR250(バイク@現実)
[道具]:警察手帳(一条薫)
[思考・状況]
基本行動方針:絶対殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る
1:北條(名前は知らない)を救出。
2:城光に協力。そのため、共に長田結花・イブキと合流する。
3:白い未確認生命体(アルビノジョーカー)を倒す。
4:金のクウガになれなかったことに疑問。
5:ダグバを倒す。
6:長田結花の剣崎への誤解を解きたい。
※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能
※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです。また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。
※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。
※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました。
以上です。
お手数ですが、どなたか本スレへの転載をお願いいたします。
以上で代理投下、終了します。
猿さん規制のため、こちらに投下させていただきます。
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所西の民家】
[時間軸]:33話「連携」終了後
[状態]:全身打撲、負傷度大(応急手当済み)、疲労中程度。小程度の動揺。
[装備]:警棒@現実、コルトパイソン、ホンダ・XR250(バイク@現実)
[道具]:警察手帳(一条薫)
[思考・状況]
基本行動方針:絶対殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る
1:北條(名前は知らない)を救出。
2:城光に協力。そのため、共に長田結花・イブキと合流する。
3:白い未確認生命体(アルビノジョーカー)を倒す。
4:金のクウガになれなかったことに疑問。
5:ダグバを倒す。
6:長田結花の剣崎への誤解を解きたい。
※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能
※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです。また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。
※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。
※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました。
読了
投下乙です。
城光と五代の心理描写お見事。
長田さんを何気に心配する城光がなんともまあw
GJ!
代理投下かぶったーw すみません。
投下&代理乙です。
剣崎はまたしても死んでから他人に影響を与えるか……。
剣のライダー勢が脱落&頼りにならないしな現状、虎姐には奮起を期待したい所です。
グロンギの活躍で影の薄い五代も頑張れ。超頑張れ。
投下乙です。
相変わらず前話の流れをいかした繋ぎ、GJです!
無事に二人はイブキさん達と合流できるのか……
暗躍しているのが志村だと五代は気付くのか、非常に気になるところです
投下&代理乙です。
不安定さが残る五代が、城光相手にどうするのかと思いましたが、
協力体制を組む事にして、再度戦いへ。
五代を待つのは、光か闇か。
続きが楽しみです。GJでした。
投下&代理投下乙です!
五代どうなるかなぁ…堕ちちゃうかぁ?堕ちちゃうのかな!
城光姉さんのかっこよさが剣勢の救いな気がします、本当
研究所組と合流できるかどうか、これからが楽しみです!
山本大介、歌舞鬼、桐矢京介、三田村晴彦 投下します
――俺の名前は歌舞鬼。人の為に鬼となり…人に絶望し、仲間を裏切り外道となった男。
まぁ結局は響鬼との対決に敗れて、挙句の果てには最後の最後で甘さを捨てられずに、ヒトツミにバリバリグシャグシャバキバキゴクン。
と、なるはずだったのが生きながらえ、こうして殺し合いに参加させられている。その割には多少の騒動があるとはいえ平和な物なのだが。
仮に神様がいるとしたら、一体俺に何させようってのかねぇ?――
アマゾンと合流した俺は今現在の周囲を確認してみる。辺りにはまるで俺達がいるこの場所を、木々達が守るかのようにそびえ立っている。
本来は動物達の休息場所?とでも言うのだろうか。この場所なら休むのも悪くない。
とりあえずの安全を確認すると俺はアマゾンのデイパックを漁る事にした。
持ち主であるアマゾンは横たわっている二人の少年に付き添ったままで、こちらを気にする様子はない。
支給品の確認を改めて行なう。いくらなんでも変てこな紙芝居だけって事はない筈。何かしら使える物があるはずだ、俺の烈節のように。
中に入っていたのは透明の…あーいや、これは水だな確か。俺に支給されたものと同じやつだ。
それに地図やらなんやら…要するに俺のと内容は同じだったわけだ。ただ一つの物を除けば。
黒い持ち手に、朝日に照らされキラリと光る銀の刃。この短刀がアマゾンに支給された武器なのだろう。
だが…この短刀の刃はあまりにも、短い。辛うじて先端が見えているという程度だ。
デイパックから取り出し、軽く振るってみる。使い勝手は悪くないが、使い道が見えてこない。
だが何度か振るっているうちに今まで短かった刃が突然伸び、俺は驚いて思わず声を上げてしまった。
何かごそごそと作業していたアマゾンは、その声に何事かと思いこちらを見ていた。
俺は何でもない、と手で伝えるとアマゾンは再び何かの作業に没頭する。
どうやら振るっているうちに、持ち手についている引き金のような物を押し込んでしまったらしい。
引き金を引くと刃が飛び出し、使用できるという仕組みか。なかなかよくできていると感心する。
俺は刃を元に戻し、少し考えて懐にしまいこんだ。あまり必要とも思えないが、いざという時には使えるかもしれない。
デイパックの中身を元に戻し、再びアマゾンを見やる。アマゾンは未だに何かをゴリゴリと…擂っているのか?あれは。
「おいアマゾン。何作ってるんだ?」
興味本位で訊ねてみる。アマゾンは振り向き、何か伝えようとしていたが、少し苦い顔をして再び擂りはじめた。
どうやら言葉が思い当たらないらしい。まぁアマゾンに思い当たる言葉と言えば「アマゾン」か「カブキ」か「ケケー」程度の物だろうが…
つまり少なくともアマゾンや俺に関する物では無いらしい。さて何だろうか?まぁ大体の見当はついてるんだけどな。
俺の予想通り、アマゾンは完成した『それ』を、未だ目覚めぬ少年の身体へと塗りつけていく。
「『クスリ』、か?」
「…!アウ!ク、『クスリ』!」
何かピンとくる物があったらしい。アマゾンは何度も頷くように首を振り、『クスリ』を少年に塗りつける。
しかしあの少年は確か…アマゾンとつい先ほどまで戦っていたはずだ。
少年の側に置かれた仮面がそれを証明するかのように不気味に光っている。
「なぁ、アマゾン。おめぇ何で自分で傷つけた相手を治療してやってるんだ?」
アマゾンは手を止め、悩みだす。直後に俺は(まずい事を言ったな…)と思った。
俺はアマゾンの側に近づき、頭をクシャクシャと撫でる。
「わりぃわりぃ。難しい理由なんてわかんねーし、いらねーよな。おめぇが治したいから治す。それでいい」
ニッと笑うとアマゾンもそれに連られて笑顔になる。いい笑顔だ。
アマゾンは再び少年を治療し始める。これでいい。下手に考え込んで、暗い顔になってほしくない。
俺の我侭なのかもしれないが、アマゾンには笑っていて欲しい。子供のように。
子供といえば、だ。並んで横たわっている二人の少年を見比べる。どちらも歳はそれほど離れてないような気がする。
仮面をつけ、アマゾンと戦った少年と…途中で気絶していた少年。この二人には何か接点があったのだろうか?
今まで一緒にいたのかもしれないし、或いは…仮面の少年が気絶していた少年を襲った犯人なのかもしれない。
(嫌な考えだ…大体、子供を戦わせようって考えが気に食わねぇ)
確かに、そういう考えや育て方もあるのだろうが…少なくとも俺は嫌いだ。
腰をドッガと下ろし座り込む。とりあえずはこの二人の少年が目覚めるのを待つために――
* * *
アマゾンの治療が終わってしばらくして、気絶していた少年がゆっくりを身を起こす。どうやら気がついたようだ。
「よう、気がついたか?」
「…あれ…俺…う、うわあ!?」
気がついた少年は隣に横たわっていた仮面の少年に気がつくと、物凄い勢いで飛びのいた。
反応から察するにどうやら先ほどの嫌な考え通りらしい。まったく気に食わない話だ…
「殺されて…!?いや、俺は生きて…あ、こいつケガを!?いや、治されて…?」
「おいおい、落ち着けよ。おめぇが気絶してて、俺が助けた。おめぇの隣に寝てるのは、アマゾンと…あ、そこの半裸の男の名前な。
アマゾンと戦ってた少年だよ。何か知ってるのか?その仮面の少年の事。まぁまずはおめぇの名前が知りたい所だがな」
錯乱している少年をなだめてやる。まずは情報が必要だ。例えどんな些細な情報であろうと――
「なんでこいつを治したりしたんですか!こいつは化け物…いや、確か魔化魍?そうだよ!魔化魍なんだこいつは!」
…こいつは驚いた。起きてそうそう何を言い出すかと思えばまさか魔化魍発言とは。
だが俺の知る限りわざわざ仮面を被る魔化魍なんて聞いた事がねぇ。何か勘違いしているみたいだな。
「まぁ、そいつが魔化魍かどうかは置いておこうぜ。それよりおめぇの名前だよ名前。名前が呼べないと不便だろ、色々と」
「え…お、俺の名前は、きりや、桐矢京介」
「そうか、京介ってのか。俺の名前は歌舞鬼。人を護る事が仕事の『鬼』、だ」
魔化魍という言葉を知っているなら、まず間違いなく『鬼』という言葉には反応するだろう。問題はどう反応するか、なんだが――
「え、鬼!?もしかしてあの緑と赤の鬼が、あん…じゃない、貴方なんですか!よ、よかった。これで助かった…」
京介は安堵からか、へなへなと座り込む。うーん、鬼に嫌悪の感情はないようだ。ないようだが…
なんとなーくだが、気に食わない。まるで護ってもらうのが当然であるかのような、その言い草が。
まるで俺が大嫌いな大人の連中のようだ。第一印象は悪いぜ。
「…え、なんで!なんで貴方は鬼なのに魔化魍を放置するんですか!今のうちに倒すなり、最低でも縛るなりしないと!」
京介の言いたい事はわかるし、まぁ正論なんだろう。
だが俺はどうにも仮面の少年を拘束する気にはなれなかった。
無差別に襲い掛かる魔化魍のような人物なら京介が生きているはずがないのだから。
理由があるのならば、聞いてみたいものだ。こんな少年が殺し合いに乗ってしまうほどの、理由を。
まるで動こうとしない俺に京介は見切りをつけたのか今度はアマゾンに話しかけはじめた。
「貴方…アマゾンさんでしたっけ?アマゾンさんもそう思うでしょう!こんな危ない奴は放置しちゃ駄目なんです!」
「ガウ?」
「アマゾンにそんな難しい事聞くなよ…アマゾンは言葉が不自由なんだぜ?」
京介は拳をわなわなと震わせ…涙を流し始めた。随分と感情の起伏が激しいな、こいつは…
「俺…まさか本当に三田村さんが人を殺す人だなんて…思ってなくて…それに…魔化魍だなんて考えもつかなくて…
こいつは、人を騙して、人を殺す!そんな奴なんですよ!だから…っ!」
突然の涙にアマゾンはオロオロしている。なるほど、仮面の少年の名前は三田村。
三田村と京介は短い間とはいえ一緒に行動し、三田村が裏切ったといったところか。
俺は腰を上げるとポロポロと涙をこぼす京介に近づき、先ほどのアマゾンにしてやったように乱暴に頭を撫でた。
「そんな簡単に泣くんじゃねぇよ…三田村だって何か訳があったんだろうし、それを聞いてから判断しても遅くないだろう?
それに本当に殺し合いに乗ってるなら、お前を生かしたりはしないさ。大体こんな種族の魔化魍いねぇし」
「…でも…俺…」
「デモもストライキもないだろ。まぁ会ったばかりの俺を信じろってのも難しいだろうがよ…ちょっとは頼ってくれよ、な?」
俺はまだ涙目の京介の頭をさらに乱暴に撫でる。一皮剥けば中身は歳相応の少年、か。
難しいお年頃って奴なんだろうなぁ、素直になったほうが楽なのによ…
「まぁ、今は待とうや。この三田村が目覚めるのをよ」
* * *
まるで腰を掛けてくださいと言わんばかりの切り株に俺は座り込んでいる。
左側には未だに目覚めぬ三田村少年。アマゾンの治療の効果がどれほどのものかはわからないが、そろそろ目覚めそうな気がする。
右側には京介がアマゾンに対して意思疎通を図ろうと四苦八苦している。うーん、目と目で通じ合うとか、無理なもんだろうか?
「やっぱりこういう人と話すときはまずは言語能力を確認するべきだよな…よし!」
「ガウ?」
「…トウキョウ」
「(ピク)!」
「歌舞鬼さん見ました!?東京に反応しましたよ!アマゾンはやっぱり言葉がわかるんだ!」
…俺はどういう反応をしてあげればいいのだろうか。ただ一つ分かる事はこのやり取りが限りなくアホらしいという事だけだ。
「な、なんですかその疑いの眼差しは!」
「いや、アマゾンが言葉わかるのは俺知ってるしな。ところでトウキョウってなんだ?」
「え?歌舞鬼さん、またまたご冗談を…」
京介がニヤニヤしながら再びアマゾンと触れ合っている。まぁ、いいか。笑う余裕ができただけ、めでたいめでたい。
なんとなく、俺は三田村の仮面を手に取ってみる。蛇の頭を模した、お世辞にもいい趣味してるとは言えない仮面だ。
こんな仮面があっちゃ笑顔にはなれねぇだろうなぁ…三田村は。
「…あ…、か、歌舞鬼さん…」
「ん?どうした?」
その声に首を右に向けると京介が口をポカンと開けて俺の後ろを指差している。
その隣ではアマゾンが今にも飛び掛らんとばかりに両手を向けている。
「おいおい、どうした。熊でも出たかぁ?」
だが俺が後ろを振り向く前に、今まで手の中にあった蛇の仮面が無くなった。
ふんふんと頷きながら俺はゆっくりと身体を回す。
予想通り、三田村が蛇の仮面を抱え、こちらを睨んでいた。
「お目覚めか…三田村よ。まずは自己紹介といこうか?俺は人を護る事が仕事の…」
俺の言葉を無視し、三田村は仮面をゆっくりと被る。その仕草はなんとなくだが、親の言葉に耳を塞ぐ子供のように見えた。
「人の名前くらいは聞いてくれよ、寂しいなぁ」
蛇の仮面を装着した三田村…蛇小僧ってとこか?三田村は右手を振り上げ、俺の顔面一直線に振り下ろす。
俺は咄嗟に左手でその拳を受け止める。…あれ?受け止められたぞ?
もう少し衝撃がくると思っていたのだが、これでは本当にただの少年の攻撃だ。
三田村の(まぁ蛇の仮面だが)白い目が驚きで丸くなったような気がした。
今度は左手の正拳が俺に襲い掛かる。俺は首だけを動かしその拳を避ける。
俺は空いている右腕を三田村の腰に回し、正拳の勢いを利用して後ろに放り投げる。
「歌舞鬼さん!」
「カブキッ!」
「手ぇ出すな。俺一人で相手する」
立ち上がりながら俺は加勢しようとする二人を制する。さて、三田村が立ち上がってくる前に確認しとかねぇとな。
全部が全部見てたわけじゃねぇが、三田村のこの蛇仮面を装備した状態はアマゾンの変身した姿と互角の戦いを繰り広げていたはず。
その三田村の攻撃を鬼の姿になってすらいねぇ俺がこうして捌ききれるわけがない。
それに三田村の仮面越しに感じた驚きの表情。恐らくは力を発揮できていないのだろう。だがそれはつまり…
――キィーーーッン……――
音角を手甲に当て、音波を生み出し、額にかざしてみる。本来ならば鬼の紋章が額に浮かび、体中に鬼の力が漲るのだが…感じられない。
あぶないあぶない、これで『歌舞鬼ッ!』と宣言して変身できなかったらと考えると…かっこわるくて泣けちまうぜ。
「歌舞鬼さん!なんで鬼に変身しないんですかっ!相手は魔化魍なんですよ!」
京介の叫び声が聞こえるがとりあえずは無視。変身できない、とわざわざ言う必要はないだろう。
アマゾンが京介をこれ以上戦いの現場に近づかせないように手で遮っている。乱入の心配はしないで済みそうだ。
投げ飛ばされた三田村がようやく起き上がる。力を発揮できないだけじゃなく、どうやら体力自体ろくに回復していないようだ。
「おい三田村無理すんな。フラフラじゃねぇか…何がお前をそこまで動かすんだよ?なな、俺にだけでいいから教えてくれよ」
三田村は歩きながら…いや、本人は駆けているつもりなのだろう。
だが悲しいかなその速度は歩行するのとほとんど変わらない。
右手から繰り出される腕だけの正拳を俺は受け止めず、あえて避ける。
腰も入っていない。仮に食らったとしてもダメージ等無いに等しいだろう。
今度はえぐるような…(豆腐もえぐれねぇぜ、そんなのじゃ)…左手の拳を俺は右手で抱えるように押さえつける。
左手を三田村の首に絡ませ、ぐいっと引き寄せる。見方によっては抱擁にも見えるかもしれんね。
「三田村…三田村、なぁ頼むよ…おめぇみたいな若いのが、なんでそこまでボロボロになってまで…戦う?」
三田村は言葉に耳を貸すことはなく、唯一自由な右手を俺の腰に駄々をこねる様にぶつけてくる。
が、どうやらそれはフェイクだったらしくーっ!――
「三田村、それは犯則だっ!くぅ、この意地っ張り!蛇!蛇頭!」
俺は三田村から離れると右手で股間を押さえる。
そう、あろうことか三田村はあの組み合った体勢から膝蹴りを俺の股間にぶつけてきたのだ。
流石の俺もこれは痛いし、ちょっと怒ったぞ!
「ちっ、しょうがねぇな。京介!三田村の名前なんてんだ?」
「えっと…確か晴彦、晴彦です!」
「そうか、晴彦!晴彦くん!晴彦ちゃん!はるちゃん!晴彦さん!」
色々と名前を呼んでみる。一瞬だが、晴彦が反応した。
俺はその隙を逃さず両足を大きく広げながら飛び込み、晴彦の胴体を挟み込む。
その勢いに任せたまま晴彦の背中を叩きつけ、馬乗りのような体制になる。
これが魔化魍との戦いなら雨のような打撃を繰り出す所だが、相手が相手だけにそうはいかねぇ。
すっ、と両手を晴彦の仮面に掛ける。意外な事に仮面は簡単に取り外す事ができた。
中から出てきたのは晴彦の素顔。疲れが溜まりに溜まっているのだろう。目の下に隈ができ、折角の端整な顔立ちが台無しだ。
「やっぱこうやって顔と顔を合わせないとちゃーんとしたコミュニケーションは取れねーぜ。この仮面は俺が没収する」
その言葉を聞いた瞬間、まるでどこにそんな力が残っていたのか、晴彦が馬乗りの不利な体勢から強引に起き上がる。
俺はというと晴彦が起き上がる寸前に転がり、ほんの少しだが距離をとっていた。蛇の仮面は勿論離さない。
「…返せ…」
「ようやく口を開いたなぁ、晴彦。この仮面がそんなに大事か?それとも、勝つために必要不可欠だからか?」
晴彦は小声で返せ…と呟くばかりで何も答えてくれない。だが後一歩で何か崩れそうな気がする…
そんな予感ともう一つ感じたもの…悪寒だ。晴彦から今までとは桁違いの気迫を感じる。
それほどまでに大事なのか、勝ち残り、得られる物が。そこまで執着できる物がある事が、ほんの少しだけ、羨ましい。
「返せっ!」
両手を広げ、晴彦が俺に襲い掛かる。その速度は今までのどの動きよりも素早い。
だが悲しいかな、俺はその攻撃を受ける事はない。俺は晴彦と衝突する寸前に素早く身を屈め、踏み込む。
晴彦はその動きに即座に反応する事ができず、俺の背中を転がるように飛び越え、地面へと投げ出される。
「晴彦…何のためだ?金か?権力か?それともただ生き残りたいがための執念か?」
「五月蝿い!」
『僅かばかりの不信』において指摘が。
>>584 ×族するということなのだろうが
○属するということなのだろうが
晴彦は再び立ち上がり、俺に襲い掛かる。今度はさっと横に避け、すれ違う瞬間に足を引っ掛けてやった。
またしても晴彦は地面に倒れこむ。
「違うよなぁ、おめぇみたいな若いのがそこまで一生懸命になれるとしたら、一つだよなぁ」
地面にうずくまり、それでも尚、立とうとする晴彦の側へと近寄り、しゃがみ込む。
「女か」
「!」
晴彦が顔を上げ、俺を見る。当たりだな…よかった、ここで外れたらかっこわるかった。
「俺の知り合いにも愛した女の為に鬼を一時やめた奴がいた…。愛かぁ、羨ましい限りだぜ」
「だから…どうした!」
「聞いて驚け。おめぇのその真っ直ぐな気持ちが気に入った!どうだ、俺達と一緒に行動しねぇか!」
その言葉に晴彦だけじゃなく、京介も驚きの表情を浮かべている。だが変えるつもりはねぇぜ!
「歌舞鬼さん!本気ですか!?そいつは…」
「まぁ、京介は黙ってな。晴彦…おめぇは勝ち残りたいんだろ?だったら丁度いいじゃねぇか。
最後の最後、後は俺達だけって時まで…協力しようじゃねぇか?どうだ?」
晴彦はまだ渋っている。渋る理由はねーと思うがなぁ…
「何故、そんな提案をする…」
ようやっと口を開いたかと思えばそんなことか…
「おめぇが気に入ったからだよ。最後までおめぇの進む姿を見てみたい。それじゃ悪いか?」
ま、半分嘘だけどな。こんな危なっかしいの放っておけねぇって、マジで。
このまま一人で進ませたらそのうちパンクしちまう。誰かが側にいてやらねぇと…
三田村はまだ何か聞きたい事があるようで、ゆっくりと言葉をつづる。
「お前は、『正義の味方』なんだろう?そんなのが、僕を助けるなんて…」
「悪いが、鬼は別に『正義の味方』じゃねぇ…と、少なくとも俺は思っている。
自分が護りたい物を護るために戦う、それが鬼だ」
そう、護りたい物があるからこそ、響鬼達はあれだけ強かったんだと今なら思える。
そこにあるのは…まぁ、正義もあるのは確かだろうが、それだけじゃない。
愛とか、ともすれば執念とか、或いは使命とかも…ともかく、正義だけの味方じゃねぇんだ。
だから、『正義の味方』じゃなく、『鬼』なんだと思う。
「ともかく決定事項だからな、こいつは返すぜ」
蛇の仮面を晴彦の側に置く。晴彦はその仮面を抱きかかえるようにうずくまり…泣いていた。
誰かの名前を呟いたような気がしたが、聞かなかったことにする。
「アマゾン、京介。悪いな勝手に決めちまって」
「…ガウ!」
「そうかそうか、流石アマゾンだ。よくわかってるなぁ」
まぁ本当に理解してくれたかはわからないが、アマゾンは優しい奴だし多分同意してくれてるだろう。
問題の京介は…ふてくされた顔をしている。やはり一度裏切られたというだけあって、そう簡単に迎え入れる事はできないのだろう。
「歌舞鬼さん…あいつはいつか必ず…」
「ま、安心しな。どうなろうとおめぇの身は護ってやるからよ」
そういう問題じゃ…と京介が呟くがその顔はどこか嬉しそうな気がした。
まぁ、あれだな。時間も時間だし…
「とりあえず飯にするか、な!」
【山本大介@仮面ライダーアマゾン】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:アマゾン本編1話終了後
[状態]:健康、1時間変身不可(アマゾン)
[装備]:ギギの腕輪、コンドラー
[道具]:ルール説明の紙芝居、基本支給品
【思考・状況】
基本行動方針:ケケー!
1:……ガウ!
【備考】
※言葉は人と会話をしていけば自然と覚えます。
※コンドラーはナイフやロープ代わりになります。
※ギギの腕輪を奪われるとアマゾンは死にます。
※第一回放送をまるで聞いていません。
【桐矢京介@仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]36話、あきらに声を掛けた帰り
[状態]:疲労大、軽い擦り傷、空腹。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品(食料紛失) ラウズカード(スペードの10、クラブの10)
【思考・状況】
基本行動方針:生き残る
1:歌舞鬼、アマゾン、三田村と共に行動する。
2:激しい恐怖(特にダグバ・ゾルダに対して)
3:三田村に対し少し警戒。
4:響鬼が助けてくれることへの僅かな期待。
【備考】
※自分を助けてくれた男性(水城)の生存の可能性は低いと予想
※食料は移動中に紛失しました。
【三田村晴彦@仮面ライダー THE FIRST】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:原作での死亡直前から
[状態]:全身に強い疲労、胸に強い痛み、1時間変身不可(コブラ)
[装備]:特殊マスク、鞭
[道具]:基本支給品・不明支給品×1
【思考・状況】
基本行動方針:彼女を救いたい。
1:望みを叶える為にも、バトルロワイヤルに生き残るしかない。
2:生き残る為に歌舞鬼、アマゾン、桐矢と共に行動する。
3:いざとなれば迷わない……はず。
【備考】
※変身制限がある事をなんとなく把握しました(正確な時間等は不明)
飯の準備をしつつ…ふと、疑問が浮かぶ。俺は何のために…晴彦や、京介、アマゾンを護りたいと思うんだ?
そこには愛も正義も…ないなこりゃ。まさか、罪滅ぼしとでも思ってるのか?俺。
あー、くそっ、上手い言葉が思い浮かばない…ともかく護りたいから護る!それでいい!
響鬼ならこういう状況でどう動くんだろうか?考えるだけ無駄か、わかりきっている。
あいつの事だからきっと迷うことなく、誰かを護るんだろうな…
晴彦の真っ直ぐな思いも、響鬼の真っ直ぐな生き様も、俺には眩しくて、ちょいと羨ましいぜ…
俺にはあるか?そんなものが。だが、それを見つけられない限り…俺は中途半端なままに終わる気がする。
死ぬ事に恐れはないが、晴彦達を放って死ぬ事だけは、できそうにない気がした。
【歌舞鬼@劇場版仮面ライダー響鬼】
【1日目 現時刻:朝】
【現在地:F-6エリア】
[時間軸]:響鬼との一騎打ちに破れヒトツミに食われた後
[状態]:健康、1時間変身不可(歌舞鬼)
[装備]:変身音叉・音角、音撃棒・烈翠
[道具]:基本支給品(ペットボトル1本捨て)、歌舞鬼専用地図、音撃三角・烈節@響鬼、GK―06ユニコーン@アギト
【思考・状況】
基本行動方針:子供は護る。
1:アマゾン、三田村、桐矢と行動する。
2:俺はこの状況下で、何がしたい?
3:響鬼と決着をつけてみるのもいいが、今のままでは勝てない気がする…
4:そういやモモタロスはついて来てねぇな。
[備考]
※歌舞鬼専用地図はアルファベットの部分が歌舞鬼にもわかるよう当て字の漢字が使われているだけです
※モモタロスに同情の念は抱いていません。虚をついて水容器の毒味をさせたぐらいにしか思ってません。
また、名前を聞いていないので死んだことも知りません。
※変身制限がある事をなんとなく把握しました(正確な時間等は不明)
以上です。代理投下してくださった方、ありがとうございました
さるさん手ごわくなったなぁ…
以上で代理投下終了
『コントラスト』において指摘が。
>>611 ×自分と息吹鬼
○自分と威吹鬼
読了
投下乙
京介のKYっぷりがいかにもw
カブキ……そうだよな。子供が参加しているって、きにくわねーよな。
各人の描写が丁寧でよかったです。
GJ!
投下乙です!
歌舞鬼の飄々とした態度に覗く子供への優しさがいいですね!
結構なでこぼこチームですが、うまいことまとまるでしょうか。
アマゾンとコミュニケーション取るのは難しいぞ京介w
GJ!!
投下&代理乙です。
お子様×2、野生児の面倒をみる羽目になったカブキさん、
どこぞの引率の先生のようで、「とりあえず飯にするか、な!」には、笑ってしまいました。
GJでした。
662 :
名無しより愛をこめて:2008/06/25(水) 02:36:51 ID:tAVj6FT00
/ // / // ______ / // /
/ // /| r'7\ ,.ヘ‐'"´iヾ、/\ニ''ー- 、., / /
/ / | |::|ァ'⌒',ヽ:::ヽrヘ_,,.!-‐-'、二7-ァ'´|、__
`'ー-‐''" ヽ、_'´ `| |:::::|'" 二.,_> ,.へ_
/ //__// / / / `ヽ7::/
か っ も | / // メ,/_,,. /./ /| i Y //
ァ て う. |'´/ ∠. -‐'ァ'"´'`iヽ.// メ、,_ハ , |〉
| 約 ク ヽ! O .|/。〈ハ、 rリ '´ ,ァ=;、`| ,ハ |、 /
| 束 ソ > o ゜,,´ ̄ . ト i 〉.レ'i iヽ|ヽ、.,____
| し ス / ハ | u ,.--- 、 `' ゜o O/、.,___,,..-‐'"´
| た レ | / ハ, / 〉 "从 ヽ! /
| じ は |,.イ,.!-‐'-'、,ヘ. !、_ _,/ ,.イヘ. ` ヽ.
ッ .ゃ .立 |/ ヽ!7>rァ''7´| / ', 〉`ヽ〉
! ! な て .', `Y_,/、レ'ヘ/レ' レ'
い .な ヽ、_ !:::::ハiヽ. // /
で い ./‐r'、.,_,.イ\/_」ヽ ', / /
す / `/:::::::/ /,」:::iン、 / /
〈 ,,..-‐''"´ ̄ ̄77ー--、_\.,__ /
,.:'⌒ヽ ´ | | , i |ノ `ヾr-、
感想少ないな
ゴ・ガドル・バ 予約します
了解です!楽しみにお待ちしております。
お待ちしています!
遅ればせながらGJ!でした
珍しい一人称SS、歌舞鬼らしさがバリバリに出てたと思います
子供達を上手く纏める歌舞鬼のカリスマ性から、歌舞鬼の少しおどけた面まで、素晴らしい描写だったと思います。
響鬼や鬼という存在の認識の仕方まで、とても丁寧な描写で、凄く読みやすかったです
また目が離せないチームが一つ増えたw
またの予約を楽しみにしています
最後にもう一度、GJ!でした
668 :
名無しより愛をこめて:2008/06/27(金) 14:50:58 ID:ZblPcnrJO
age
最近予約少ないなー
楽しみにしてるのに
東條悟、木場勇治、海堂直也、北崎を予約します。
671 :
名無しより愛をこめて:2008/06/27(金) 19:00:31 ID:ZblPcnrJO
避難所の返事がないのにチャットにいたりしないよな?
>>671 僕はこんな長文で奥がストーリーはとても作れないよ
なんせ中2だからさ
>>670 楽しみにしてます!
がんばって下さい。
>>670 楽しみにしております!
執筆頑張ってください!
皆さん投下乙です。
風見志郎、加賀美新予約します。
>>678 了解しました!
楽しみにお待ちしてます!
>>678 楽しみにお待ちしています。
頑張って下さい!
乃木怜治、北條透、五代雄介、城光、和泉伊織、長田結花、ゴ・バダー・バを予約します。
>>681 了解です、投下を楽しみにお待ちしてます!
頑張ってください!
>>681 がんばって下さい!
投稿楽しみにしています!
>>681 バッタがクウガへのリベンジをやるのかどさくさに紛れて乃木に挑むのかWktk
685 :
名無しより愛をこめて:2008/06/29(日) 04:03:39 ID:2ULCM8BM0
/ // / // ______ / // /
/ // /| r'7\ ,.ヘ‐'"´iヾ、/\ニ''ー- 、., / /
/ / | |::|ァ'⌒',ヽ:::ヽrヘ_,,.!-‐-'、二7-ァ'´|、__
`'ー-‐''" ヽ、_'´ `| |:::::|'" 二.,_> ,.へ_
/ //__// / / / `ヽ7::/
か っ も | / // メ,/_,,. /./ /| i Y //
ァ て う. |'´/ ∠. -‐'ァ'"´'`iヽ.// メ、,_ハ , |〉
| 約 ク ヽ! O .|/。〈ハ、 rリ '´ ,ァ=;、`| ,ハ |、 /
| 束 ソ > o ゜,,´ ̄ . ト i 〉.レ'i iヽ|ヽ、.,____
| し ス / ハ | u ,.--- 、 `' ゜o O/、.,___,,..-‐'"´
| た レ | / ハ, / 〉 "从 ヽ! /
| じ は |,.イ,.!-‐'-'、,ヘ. !、_ _,/ ,.イヘ. ` ヽ.
ッ .ゃ .立 |/ ヽ!7>rァ''7´| / ', 〉`ヽ〉
! ! な て .', `Y_,/、レ'ヘ/レ' レ'
い .な ヽ、_ !:::::ハiヽ. // /
で い ./‐r'、.,_,.イ\/_」ヽ ', / /
す / `/:::::::/ /,」:::iン、 / /
〈 ,,..-‐''"´ ̄ ̄77ー--、_\.,__ /
,.:'⌒ヽ ´ | | , i |ノ `ヾr-、
686 :
名無しより愛をこめて:2008/06/29(日) 19:07:30 ID:2ULCM8BM0
/::.::.::/:// .::.::.::.::.::.:./ ! .::.::.::.::.::.::.::.::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.::.
\ ゝ‐<::./::./ .::.::.::.::\/ | .::.::.::.::.::.:: /::.::.:|::.::.::.::.::.::.::.:::
\ 〃 / _ ヽ:/::.::.::.::.::.:/\ |::.::.::.::.::.:: /::.::.:: |::.::.::.::.::.ヽ::.::
{{ / / __ ヽ ',.::/::./ `ー |::.::.::.::.:: / |::.::.:/|_::.::.::.::.:l::.::
. ── | ! /r ) } |イ斤テ左≡ォz /::.::.::.::/ 斗七 !::.::.::.::.::.::.|::.::
. ∧ ヽヽ _/ /::! レヘ :::::::::/ /::.::. / j / | .::.::.::.::.:: |::.::
. , -―ヘ `ー /.::.| rー'゚:::::::/ /::.:/ テ左≠=ヵ::.::.::.::.::. |::.::
____/ { /.::.::.| ゞ辷zン // う。::::::7 /イ .::. |::.::.::.|::.::
彡_/ ヽ イ ::.::. | /ヘ:::::::/ |.::.::.:|::.::.:∧::.
〃 V ヽ ヽ.::.: | ヾ辷:ン /:l::.::./!::.:/
l { ∨ }__.::.|\ <! ・ /::.l::|::./│/
ヽ ヽ {  ̄ ̄ ̄`ヽ _ イ::.: l::|:/ j/
、 \ \ } ) / ̄ ̄ ̄l7::.:|::.::.j::l′ /
本スレでも毒吐きでも、雑談はもっと盛り上がってもいい
その辺は読み手が気を利かせないと
投下します。
「糞…喰い損ねたか…」
苛立つガオウに気づくことなく近寄ってくる三人。
「何だ、この跡は?」
なぎ倒された木々を金居は怪しむ。
「向こうからやって来たか」
ガオウは三人の前に飛び出す。
「お前は!」
驚く侑斗をよそにガオウはマスターパスを手にとるが何の反応もしない。
「何?」
「変身には制限がかけられているんですよ」
「何だと?」
「こちらは変身出来ます。話し合いましょう」
* * * * * *
「…つまり、お前は俺から見たら過去のガオウなのか」
「未来の俺があの赤鬼達に喰われたなんて信じられんな」
「主催者は時間への介入さえ可能というわけですか…ガオウさん、私達と行動しませんか?」
「何だと?」
「変身制限がある以上、個人の行動は大変です。それに、時の列車に詳しい方は一人でも多く一緒にいた方がいいと思いますよ」
「俺の制限が解けたらお前らを喰うかもしれんぞ?」
「そのときは俺が相手になってやるよ」
侑斗はゼロノスのベルトを見せつける。
「いいだろう…時の列車を見つけたら俺が頂くがな!」
ガオウはゼロノスのベルトを見る。
(いざとなったら奴の列車を頂くという手も…)
侑斗は香川とガオウを見る。
(とりあえず変身制限の間は闘わないで済んだが…香川さんはどうするつもりなんだ?)
金居はガオウを見る。
(この男は…使えそうだな…)
香川はガオウを見る。
(まさかもう一人の時の列車に関係する人物に会えるとは…桜井君を守る盾としては充分過ぎる実力。もしくは、この人のパスさえ手に入れられればあるいは…)
【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 朝】
【現在地:F-4エリア北部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:全身にキックによるダメージ、ガオウに2時間変身不可。 リュウガに2時間変身不可。
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式、ランダム支給品1~3(未確認)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:適当に歩き回り、参加者を喰らう。最終的にゴルゴス、死神、影山も喰う。
2:一文字、ハナ、加賀美新、風間大介、天道総司を倒したと思われる参加者、モモタロスを倒したと思われる参加者を喰らう
3:機会があれば煩わしい首輪を外す。
4:とりあえず侑斗達と一緒に行動して時の列車を探してみる。邪魔なら喰う。
5:ガオウライナーかゼロライナーを手に入れて村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※未来の自分が電王にやられたことを知りました。
※変身に制限がかけられていることを知りました。
※木場の生存には未だ気づいていません
【香川英行@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:東條悟に殺害される直前
[状態]:強い決意。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。
[装備]:神経断裂弾(三発)、シグザウアー SSG-3000
[道具]:煤けた首輪、双眼鏡
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:侑斗の生存を優先。
3:北崎(名前は知らない)を倒す。
4:東條、北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を警戒
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は信用できない。邪魔になるなら切り捨てる。
7:侑斗を生存させるため、盾となるべく変身アイテム、盾となる参加者を引き入れる。
8:ガオウライナーも脱出に使える。機会があればマスターパスを手に入れたい。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
※神経断裂弾の残りの弾数、首輪の損傷具合は不明です。
※死者の蘇生に対する制限はスマートブレイン社の詭弁。首輪はそう簡単には外せないと考えています
【桜井侑斗@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:最終回直後
[状態]:深い悲しみ、強い決意。ハナ、デネブの無事に安堵。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、ゼロノスカード4枚、不明支給品1〜3(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立たない)
一条の支給品0〜1(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立てない)
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:香川と行動しつつ仲間との合流を目指す
3:自分と同じ顔をした少年(桐矢)への疑問。保護が必要ならそうする。
4:北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を倒す。
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は気に食わないが戦力が必要。坊やって言うな!
7:ガオウに警戒しながらも当面は共に行動。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
【金居@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:45話終了後
[状態]:疲労と負傷共に中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、コーヒーセット、デジタル一眼レフ(CFカード)、望遠レンズ
Lサイズの写真(香川の発砲シーン)
[思考・状況]
1:可能な範囲で殺し合いの内幕をさぐる。
2:橘とは会いたくない、というか知り合いに会いたくない。
3:東條が参加者を減らしてくれる事に期待。
4:利用できる参加者は利用し、障害となる参加者は状況によっては殺害する。
5:三人を利用して上手く生き残る。邪魔になるなら殺す。
6:香川英行の高い知能ならば首輪を解除する方法を思いつくのではと期待。
7:二人の戦闘力に僅かに落胆。 ガオウに期待。
[備考]
※香川・侑斗と簡単な情報交換を行いました。しかし、仮面ライダーとの敵対や東條と約束を交わした事など、自分に不利になる情報は伏せました。
※ライフル・首輪を香川に譲渡しました。
※桐矢と侑斗は別人だと認識しています。
共通思考
※不特定多数の人物が利用する電車はリスク回避のために使用しない。
投下終了です
>>696 投下乙です。
正直、リレーになっていないほどガオウと侑斗の思考が変だと思います。
組むにしても、心理描写、組むまでの理由が弱すぎます。
侑斗から事情を聞いていた香川教授が誘うのも、正直キャラからしてないかと。
思考の矛盾は修正が必須だと思いますが。
これ以上は議論スレでお願いします。
>>697 投下乙です。
これ以上は議論スレでお願いします。
お前は何が言いたいんだとw
間違えてプロットを貼っちゃったんだろう
きっとそうだ
感想が一つもなしで指摘、議論だけか
や、プロットにどう感想しろと
お前ら文句言うだけで自分で書こうとはしないんだな
それで何か変わるわけねーだろ
修正版投下します
激しい戦闘の音が鳴り響いた。
「近くで戦ってますね」
香川達は慎重に近づく。
「糞…喰い損ねたか…」
苛立つガオウに近寄ってくる三人。
「向こうからやって来たか」
ガオウは三人の前に飛び出す。
「お前は!」
驚く侑斗をよそにガオウはマスターパスを手にとるが何の反応もしない。
「何?」
「変身には制限がかけられているんですよ」
「何だと?」
「こちらは今、変身出来ます。話し合いましょう」
ガオウは侑斗を見る。
(ゼロライナーの主か…生身で戦うのは危険だな)
「いいだろう。少しくらいなら話に付き合ってやる」
* * * * * *
「…つまり、お前は俺から見たら過去のガオウなのか」
「未来の俺があの赤鬼達に喰われたなんて信じられんな」
「主催者は時間への介入さえ可能というわけですか…ガオウさん、私達と行動しませんか?」
「何だと?」
「香川さん!?何を言ってるんですか!こいつは危険です!」
「変身制限がある以上、個人の行動は大変です。それに、時の列車に詳しい方は一人でも多く一緒にいた方がいいと思いますよ」
「俺の制限が解けたらお前らを喰うかもしれんぞ?」
「解ける前に俺が倒してやるよ!」
侑斗はゼロノスのベルトを見せつける。
「制限が解けるまでで結構です。私はいろいろと話を聞いてみたいもので…」
ガオウはゼロノスのベルトを見る。
(いざとなったら奴の列車を頂くという手も…)
「面白い…また喰えるようになるまでは一緒にいてやる」
侑斗は香川とガオウを見る。
(とりあえず変身制限の間は闘わないで済んだが…香川さんはどうするつもりなんだ?こいつは信用出来ない。少しでも危険な素振りを見せたら…)
金居はガオウを見る。
(この男は…使えそうだな…)
香川はガオウを見る。
(まさかもう一人の時の列車に関係する人物に会えるとは…桜井君でなくともこの人物を説得出来れば…もしくは、この人のパスさえ手に入れられればあるいは…)
【牙王@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻: 朝】
【現在地:F-4エリア北部】
【時間軸】:最終決戦前。
【状態】:全身にキックによるダメージ、ガオウに2時間変身不可。 リュウガに2時間変身不可。
【装備】:ガオウベルト
【道具】:マスターパス、基本支給品一式、ランダム支給品1~3(未確認)、リュウガのデッキ、コンビニから持ってきた大量の飲食料
【思考・状況】
基本行動方針:全て喰らい尽くした上で優勝
1:適当に歩き回り、参加者を喰らう。最終的にゴルゴス、死神、影山も喰う。
2:一文字、ハナ、加賀美新、風間大介、天道総司を倒したと思われる参加者、モモタロスを倒したと思われる参加者を喰らう
3:機会があれば煩わしい首輪を外す。
4:とりあえず制限が解けるまで侑斗達と一緒に行動してみる。邪魔なら喰う。
5:ガオウライナーかゼロライナーを手に入れて村上も喰う。
※会場のどこかに時の列車(予想ではガオウライナー)が隠されていると推測しています。
※未来の自分が電王にやられたことを知りました。
※変身に制限がかけられていることを知りました。
※木場の生存には未だ気づいていません
【香川英行@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:東條悟に殺害される直前
[状態]:強い決意。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。
[装備]:神経断裂弾(三発)、シグザウアー SSG-3000
[道具]:煤けた首輪、双眼鏡
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:侑斗の生存を優先。
3:北崎(名前は知らない)を倒す。
4:東條、北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を警戒
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居、ガオウは信用できない。邪魔になるなら切り捨てる。使えるようなら説得して仲間にする。
7:侑斗を生存させるため、盾となるべく変身アイテム、盾となる参加者を引き入れる。
8:ガオウライナーも脱出に使える。機会があればマスターパスを手に入れたい。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
※神経断裂弾の残りの弾数、首輪の損傷具合は不明です。
※死者の蘇生に対する制限はスマートブレイン社の詭弁。首輪はそう簡単には外せないと考えています。
【桜井侑斗@仮面ライダー電王】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:最終回直後
[状態]:深い悲しみ、強い決意。ハナ、デネブの無事に安堵。全身に中程度のダメージ、中程度の疲労。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、ゼロノスカード4枚、不明支給品1〜3(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立たない)
一条の支給品0〜1(確認済・このメンバーでは戦闘に役に立てない)
[思考・状況]
1:殺し合いの阻止
2:香川と行動しつつ仲間との合流を目指す
3:自分と同じ顔をした少年(桐矢)への疑問。保護が必要ならそうする。
4:北崎(名前は知らない)、ガドル(名前は知らない)を倒す。
5:五代雄介に一条薫の死を伝える。
6:金居は気に食わないが戦力が必要。坊やって言うな!
7:ガオウに警戒しながらも香川を信用し当面は様子見。
[備考]
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※剣世界の事についておおまかな知識を得ましたが、仮面ライダーやBOARDの事など金居が伏せた部分があります。
【金居@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:早朝】
【現在地:F-4エリア北部】
[時間軸]:45話終了後
[状態]:疲労と負傷共に中。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品×2、コーヒーセット、デジタル一眼レフ(CFカード)、望遠レンズ
Lサイズの写真(香川の発砲シーン)
[思考・状況]
1:可能な範囲で殺し合いの内幕をさぐる。
2:橘とは会いたくない、というか知り合いに会いたくない。
3:東條が参加者を減らしてくれる事に期待。
4:利用できる参加者は利用し、障害となる参加者は状況によっては殺害する。
5:三人を利用して上手く生き残る。邪魔になるなら殺す。
6:香川英行の高い知能ならば首輪を解除する方法を思いつくのではと期待。
7:二人の戦闘力に僅かに落胆。 ガオウに期待。
[備考]
※香川・侑斗と簡単な情報交換を行いました。しかし、仮面ライダーとの敵対や東條と約束を交わした事など、自分に不利になる情報は伏せました。
※ライフル・首輪を香川に譲渡しました。
※桐矢と侑斗は別人だと認識しています。
共通思考
※不特定多数の人物が利用する電車はリスク回避のために使用しない。
投下終了です
修正版、乙です。
ですが、正直小手先の言葉を少し弄っただけで、
問題点が解決しているとは思えません。
なにより、修正版は本スレではなく仮投下スレに落とすものです。
投下の前に、まずは基本的なルールとマナーを確認して来ては頂けませんか。
基本的なことはすべて、このスレの>>1-
>>4までとそのリンク先に書かれています。
まずは議論スレにおいでになって、トリップ付きで修正の意思を伝えた上で
きちんと修正なさったものを仮投下スレに投下して
投下した旨を本スレに報告してください。
議論スレや修正スレに書き込めない場合は、あらためてこちらで相談してください。
議論スレと仮投下スレの場所については
>>3をご覧下さい。
乙です。
正直修正が足りなくこのままでは採用は無理かと思います。
他の方が言われますように先ずはルールにしっかりと目を通す事が必要かと。
712 :
名無しより愛をこめて:2008/07/01(火) 13:06:46 ID:BVmfw5cLO
そこまで言うならテンプレにレベルの低い作品は即破棄です。を付け加えたら?
714 :
名無しより愛をこめて:2008/07/01(火) 20:57:48 ID:eVKA9TiM0
修正内容に問題なさそうだから別によくね?
716 :
名無しより愛をこめて:2008/07/01(火) 21:44:10 ID:8ksQyWLL0
>>715 だから問題点解決するだけの記述あるんだからよくね?
細かいルールは次回から気をつけてもらえばいいじゃん。
>>716 本気でいっているの?
小説にすらなっていないものが、問題ないか。
面倒臭いから破棄でいいですよ。
ここまで馬鹿が多いとやりにくいな。
次はちゃんと馬鹿のレベルに合わせた作品にしますよ。
>>719 そのレベルに合わせた作品とやらを是非とも宜しくお願いいたします。
期待しておりますので。いやいや本当に。
>>719 Never come.
あ、もしかして英語だから分からないかw
作品の良し悪しは別として、暴言は良くないと思います
それと、そのトリップは簡単過ぎますので、偽者防止のためにも
変える事をお勧めします
こんな低級荒らしのことで盛り上がれるんだったら普段も雑談してたらいいのに
このロワの毒吐きの音沙汰の無さはすごいや
ちょっと聞きたいんだけど、誰が異議を申し立てたら破棄とか変更になるの?
ダークカブトが出た時、結構な数の異議が出たのに完全スルー。
なんで?
当たり前の事だけど、異議は「誰が」ではなく「何を」申し立てたかの問題だよ。
あと、ちゃんとした手続きを踏んでいるかどうかって言うのもある。
ダークカブトの件は、意義を申し立てた側がきちんとした根拠も示せず前後との矛盾も特になく
なおかつ擁護意見に対して「破棄すべき」と言うだけで筋の通った反論ができなかった。
つまり手続きにのっとって論破されたから無効、というだけ。
今回は逆に、意義に対して回答もせず、問題点の修正も不十分、つまり決定的な結論の出ていない状態で
書き手さん自身が破棄を決定したから破棄されただけのことだ。
加えて、テンプレに明記されてる手続きを尊重をしなかった、というのもあるけどね。
前回は論破ってよりも、何言っても無駄だから引っ込んだんじゃないの?
今回の方が全然問題無いないと思うけどな。前回は、ダークカブトゼクターとパーゼク同時に出してたし、ダークカブトゼクターの出し方も変だったし、問題点有りすぎなのに、保護者多数で完全スルー。
>>726 異義を唱えた連中の大半が議論スレに参加してすらいない時点で引っ込むも糞もない
それどころか多数の擁護意見完全スルーでwiki管理フォームに破棄申請するとかルール違反するし
728 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 19:05:18 ID:l1ERFOwp0
どうでもいいが、この板から出て行け!
>>726 はっきりいって、ここはオナニーロワだからね
>>725とか
>>726みたいな信仰心の
厚い人間しかいない、上から目線で言いくるめようとするだけ、良くする気なんてないんだから
黙ってオナニーみてるしかないよ。 ライダー好きを自称する連中が腐ってるんだから
よくわからんね
730 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 20:05:27 ID:l1ERFOwp0
一通り読んだ。前回通しているのに今回は通さないのはおかしいな
第三者の意見だから参考になるぞ
731 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 20:25:53 ID:m9c+nKOc0
845:元書き手◆cW9wr8uD4A 07/02(水) 09:00 Ezfsgvn00 [sage]
あの、このスレで暴れるならまだしもここの書き手の方のトリつけて自演して
他のスレを荒らすのはやりすぎではないですか?
ここの荒らしは人としてどうかと思いますよ。
もし、私と違い、このスレを見限っていない書き手の方がまだ残っていらしたら
こんな荒らしに負けずに頑張ってください。
849:07/02(水) 19:52 l1ERFOwp0 [sage]
>>845 は? 何でそんなこと言われないといけないのか説明してもらいたい。
証拠もないのに人としてどうか?
そこまで言うなら行ってやるよ、もう行ったけどな
>>730 だから無駄だって毒吐きの管理人までグルになってコミュを結成してるんだから
オナニーならmixiとかでやれよって言っても、新たな信者を掴み絶賛されたいから、
いつまでも2chの板に固執してるんだぜ、とにかく頭が悪いという事に自覚が無いから
、また自覚してるからこそなのか常時上から目線、仮面ライダーという既存の借り物で
よくある企画に乗っただけで心から書き手とか言っちゃっう真性たちなんだから
2931 :やってられない名無しさん:2008/06/28(土) 13:44:38 ID:???0
俺も書き手デビューは14で中2だったぜ!
……それが今じゃハタチかあ、年くったな
↑ こんな奴ばかり筋金入りの低脳集団だからな
734 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 20:55:39 ID:JkTqNkuk0
とりあえず本当に自演なのかどうかを説明してもらわないとな。
本当にそうならば出ていってもらわないと。
だが、もし間違いだったら誰がどう責任とるのかな?
ここの責任者がクラインスレに詫びでも入れるか?
詫び入れるのは喧嘩売った奴だろJK
736 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 21:01:49 ID:EaAdNi9s0
>>735 責任者が一言くらい詫びろや。
書き手の面倒も見られない奴がこんな企画の責任者やってんじゃねえよ!
とりあえず喧嘩売ってきたやつか責任者に匹敵するほどの影響力をもつ誰かが謝罪にこいよ
個人の行動だから無視とか言うなら、そいつを足切りすると考えていいんだな?
740 :
名無しより愛をこめて:2008/07/02(水) 21:23:04 ID:DFFmsuBs0
>>739 読んだよ。どちらもどうしょうもない駄文。
同一人物に間違いないですね。わざわざ証拠をありがとうございます。
早く詫びろや!
>719で破棄宣言が出ているので終了。
ゴ・ガドル・バ 投下します
薄暗い道路をゴ・ガドル・バはバイクで走り抜ける。
バイクを従わせている腕は右腕のみ。左腕はというと…ガドルのバッグの中だ。
先ほどのゼロノスとの戦闘により左腕を切断されたガドルは傷を癒すため、地図に記された保養所を目指していた。
病院に向かう事も考えたが、ある事実が病院に向かう事を断念させた。
ゼロノスと同行していた香川から、取引の代償として受け取った首輪探知機。
その首輪探知機が病院の周りに多くの参加者がいる事を探知していた。
本来ならば多くの者と戦える事はガドルにとって願ったり叶ったりな事なのだが…なにぶん状態が悪い。
左腕の欠損もそうだが、全身に広がる疲労も無視できない。おまけに変身もできないのだ。
もっとも、完全に変身できないわけではない。香川から受け取った首輪探知機以外の代償、オルタナティブゼロのカードデッキ。
これを使えば戦う事自体は可能だろう。だがそれでは意味が無い。
(本来の力を出し切れぬ状況で戦い、それが何になる?その状態で勝っても負けても、得る物は悔いだけだ)
ゴ・ガドル・バの目的はあくまでも強き者と戦い強くなる事。そしてダグバを倒す事だ。
その為の糧にならない、ただ自分の身を護るだけの戦いなど、ガドルには意味が無い。
だがダブルライダーやオルタナティブゼロ、ゼロノスとの戦い。彼らのような強き者との戦いは正にガドルが望む戦いそのものであった。
願わくば再び彼らと…いや、まだ見ぬ強き者とでもいいし、クウガでもいい。戦いたい、ガドルの本能はそう呟く。
だがその本能を理性で抑え、ガドルはバイクを北へと走らせる。空はいよいよ明るくなり、夜の時間は終ろうとしていた――
* * *
風と一体になるように、バイクは走る。
馬とは違う、その走り。ガドルは運転に慣れ余裕ができると、次第にこのバイクという物が中々良い物だという事を実感できるようになってきた。
単に移動手段として優れているだけではない。言葉にできないが、あえて言うならば浪漫という奴なのだろうか?
(バダーが気に入るもの頷ける…)
ゴ・バダー・バ。現代の馬ともいえるバイクを愛した彼は、自らのゲゲルにもバイクを使い、殺戮の限りを尽くした。
そんな彼もあと一歩という所で、クウガに敗れた。そう、敗れたはずなのだ。
だが彼の名前がダグバや自分の名前と共に名簿に載っていた事は事実。しかしそれがどうした。
何故だとかどうしてといった感情はない。あるのは自分が求める強き者が増えたという事だ。
彼の実力は十分理解している。同じ『ゴ』として、しのぎを削るのも悪くない。
強き者との戦いに思いを寄せるガドルを現実に呼び戻すかのように、場違いな音楽が流れ出す。
こんな音が鳴ったままでは参加者を呼び寄せてしまうかもしれない…ガドルはそう考え、バイクを止めてバッグを漁る。
その動作はまるで長年片腕であるかのように淀みが無く、ガドルの適応能力の高さを物語る。
音源の正体は携帯であり、何やら女の声が聞こえてきていた。
その声は煩わしいが、内容が内容だったので、ガドルは一語一句漏らさぬように、その放送を聴いた。
* * *
放送を聴き終え、ガドルは息を一つ吐くと、空を見上げた。空は明るく、これから一日が始まる、そんな思いも過ぎるが…
(この空を見ることなく、絶えた者もいるのだな…)
ガドルにとっては電車の情報は興味を引くものではない。禁止エリアの情報も、少なくとも今の自分の場所を考えると関係ないと言える。
だが死亡者の情報は…この中に或いは強き者がいたかもしれない、そう考えると惜しく感じた。
出会うことなく絶えてしまった者達を想いつつ、ガドルは携帯を操作する。
携帯を取り出したついでに首輪探知機を使用し、辺りの状況を確認する事にしたのだ。
一つ、反応があった。
ガドルは辺りを、いや、反応があった方向だけを見つめる。だが人のいる気配はない。
しかし地面にほんの少しだけ違和感を感じ、ガドルはその場へゆっくりと近づく。
近づくにつれ違和感の正体がはっきりする。周りの土と比べると、その場所だけ何かを埋めたようになっているのだ。
しばらく悩んでいたが意を決し、携帯を懐に仕舞い込み、土を掘る。
一度掘り返したのだろうか?意外なほど土は柔らかく、右腕だけでも簡単に掘り起こす事ができた。
眠っていたのは、男だった。所々に火傷のような傷があり、中でも胸にできた傷は特に痛々しい。恐らくはこの傷が致命傷となったのだろう。
だがそれほどの傷を負って死んだにも拘らず、男の顔は…自分を貫き通した顔をしていた。
(…強き者であったのだな、貴様も。先の放送のどれかが、貴様の名前なのだろう…)
ガドルはしばらく男の顔を見つめた後、周りの土を再び男に被せ、掘り起こす前と同じ状態にする。
(貴様と戦えなかった事が惜しい。せめて…貴様と戦い、生き残った者とは、戦ってみたいものだ)
ガドルは何事も無かったかのようにバイクの元へ戻り、再びエンジンをかけて走り出す。
本来なら首輪の反応等無視し、まっすぐ保養所へと向かうべきだったのだろう。
だが強き者が数多くこの地にいる。その事実がガドルの精神を高揚させ、傷ついた肉体に少なからず、影響を与えていた。
* * *
しばらくバイクを走らせると灰色の建物が見えてきた。派手な看板等は無く、質素な印象を受ける。
地図と照らし合わせ、この建物が目指すべき保養所だということがなんとか確認できた。
バイクは建物の裏手へと運んでおく。こうしておけば少なくとも表から見た限りでは誰かが中にいると即座に気づかれる事はないだろう。
ガドルはバイクを隠すとバッグだけを手に持ち、再び保養所の表へと戻る。
(…うん?)
来たときには保養所自体に目が行き気がつかなかったが、よくよくみるとあたりにはタイヤの跡がいくつか残されている。
中には地面が削れたような跡もあり、どうやらこの場所で戦闘が行なわれたらしい。
もしかしたら、この施設内に残っているかもしれない。この戦闘を行なった参加者が…
ガドルはオルタナティブゼロのカードデッキをいつでも取り出せるようにし、警戒しながら中へと踏み込んだ。
ロビーはこざっぱりとしていて、ソファーや小さなテーブル、そんな中で目を引くのは古ぼけた大時計といった所か。
外とは裏腹に中は随分と綺麗なものだ。中も多少は荒れていると考えていたガドルは拍子抜けした気分だった。
そのままガドルは一階を探索し…探索を終える頃には警戒心をすっかり解けていた。
右手に握られた首輪探知機のおかげだ。一階を探索している間、常に探知機の反応を見ていたが、結局一度も反応する事は無かった。
探索中、誰かがいた形跡はあったが、あいにくこれといった物は見つからない。随分前にこの場を後にしたらしい。
階段をギシギシと軋ませながら、二階へ移る。その右手には探知機は無い。
既に安全と分かったという事もあるが、電池の減りが思っていたよりも早く、乱用は禁物のようだ。
ガドルは階段に一番近い部屋を選び、ドアを開ける。質素ではあるが、陽の光が差し込み、悪くはない部屋だ。
バッグを部屋に放り出し、座り込む。このまま休んでもよかったが、先ほど一階を探索している間に見かけた浴場――
(…一度味わってみるのも悪くはない、か)
ガドルは部屋にあった備え付けの浴衣を手に取り、階下の浴場へと歩を進めた。
浴場の入り口は二つあったが、なんとなく青いのれんが掛けられた方を選ぶ。
片腕だけで器用に衣服を脱ぎ去り、棚の中に置いてある篭へと放り込んでいく。
ガラガラとガラスの戸を開けると青い空が見えた。露天風呂、という奴だろうか。
ヒンヤリとした石の感触を素足に感じ、ガドルはキョロキョロと辺りを見渡し、目当ての物を見つける。
こういう所ではまず身体を清めるもの、と記憶している。この状況で気にする必要があるかどうかは別として。
流し場にいくつか置いてある木製の椅子に腰を下ろし、目の前の加賀美を見つめる。
自然と鍛えられ、盛り上がった筋肉が外気に震えている。
左肘から先は欠損し、注意深く見ればそこかしこに小さな傷もできている。
ガドルは左肩にできた切り傷にそっと触れてみる。自身の治癒能力はある程度制限されてはいるが、健在のようだ。
時間さえ掛ければ、あるいは左腕を接合する事も可能かもしれない、そんな事を考えつつ蛇口を捻り、桶にお湯を溜める。
お湯に浸したタオルに石鹸を滲み込ませ、なるべく傷口には触れないようにしながら身体にこすり付けていく。
今度は別の蛇口を捻る。シャワーから勢いよくお湯が飛び出し、身体に纏わりついた汚れや垢を泡と一緒に流していく。
そのまま頭を濡らし…手が止まる。目の前には二つボトルがあり、恐らくどちらかがシャンプーと呼ばれる物なのだろう。
だがもう一つは?仮に間違えた所で何の問題も無いとは思うが…ガドルは悩んだ末に両方とも使い、髪を泡立て、洗い流していく。
身体を清め終わったガドルは立ち上がり、風呂へと向かう。確かに身体を清めるのは悪くはない、が――
(分からん、何故単なるお湯に身体を浸ける事をリント達は好むのだろうか?)
右足をゆっくりとお湯へと浸ける。多少熱く感じるが、我慢できないほどではない。
そのまま左足。しばらくそうして仁王立ちをしていると、少しずつだが身体に熱がこもってくる。
そのまま腰を下ろし、風呂の中の段差に座り込む。下半身は完全に浸かりきった形だ。
(なるほど…確かに、悪くはないな)
多少傷口に沁みるが、緊張が解される感覚が心地よい。左手の負傷が無ければ全身を浸からせていた所だろう。
しかしこの心地よさ。もしも全身を浸からせていたらあまりの心地よさに眠ってしまうのではないだろうか。
「おぉ〜……」
思わず声を漏らし、ガドルは初めての温泉を堪能した。
少々長湯しすぎたようで、ガドルは多少のぼせてしまっていた。
もやもやとする頭で浴場を抜け、身体を乾いたタオルで拭いていく。
(風呂とは心地よいが、危険だな…)
そう心に刻み込みつつ、浴衣に着替え、二階の部屋へとふらふらとした足取りで戻っていく。
部屋にたどり着き、扉を閉めた所でついに限界を向かえ、バタリと倒れこんでしまう。
這いずるようにバッグの側まで近づき、左腕とカードデッキを取り出し、カードデッキは懐に仕舞い込む。
これで突然の襲撃にも備えられるだろう。そして左腕は傷口とピタリと合う所で固定させる。
治癒能力が健在ならば、こうしておけば目覚めたときには接合されているかもしれない。そう上手くいくとは思えない、が…
ともかく、今の状況でやれる事はやった。ガドルはそう判断し、身体を休めるため、ゆっくりと目を閉じた。
【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:C−3保養所二階】
[時間軸]:ゴ・ジャーザ・ギのゲゲルを開始後
[状態]:左腕の肘から先を破損。右足部装甲破損。全身の負傷中。ぽかぽか。睡眠中。
[装備]:オルタナティブゼロのデッキ、基本支給品×1、首輪探知携帯、YAMAHAのT MAX
[道具]:破損した左腕
[思考・状況]
基本行動方針:強き者と戦い、強くなる。
1:リントの戦士を倒す。
2:再びあの二人と戦う。
3:桜井侑斗と決着をつける。
4:戦闘を繰り返し、強くなる。
5:最終的にダグバを倒す。
備考
※ガドルは自分にルールを課しているため、抵抗しないただのリントには攻撃しません。
※バイク(YAMAHAのT MAX)は保養所の裏手に隠されています。
投下終了です…誤字脱字、矛盾点等のご指摘よろしくお願いします。
支援してくださった方々、ありがとうございました
>>751 投下乙
まずは指摘から。
>>751で、加賀美とありますが、鏡の間違いでしょうか?
あと、左腕はゼロノス戦でなく、ダブルライダー戦で失われています。
それはさておき、男のサービスシーンww
ガドルの風呂シーンの力の入れように吹きました。
描写も細かいw
GJ!
投下乙!
こう、何というか男男しい風呂と言うのもいいものだなw
それはそれとしてもガドルかっこいい。この掘り下げをいかした今後の活躍にきたいだぜ。
投下乙です。
気になった点が一つ。
以前の話で、首輪探知機能の適用範囲は500mという記述がありましたが
病院周辺の参加者の首輪を感知するのなら500mでは足りないのではないかと思われます。
(一度病院の近くまで行った、という文があれば良いかも)
そして感想ですが、
ガドルさん初めての温泉www和んでる姿を想像して吹いたw
書き出しのカッコよさとのギャップがまたたまらない!
素晴らしいサービスシーンでした、GJです!
書き込めるかな…?
ご指摘ありがとうございます!一時投下スレの方に修正稿上げておきました。
鏡はともかく…左腕と探知機範囲の勘違いは本当に申し訳ないです…
サービスシーンキターw
和みシーンのくせにやけに風格があるのは流石ガドル閣下。
でも傷がひどくならないかな……グロンギだから大丈夫か。
この先の動きに要注目ですね。乙でした。
投下乙です!
ガドルのかっこいい入浴シーンktkrww
今はただ休息を取ることにしましたが、この後大暴れなるか!?
面白かったです!GJ!
しかしヒビキさんに続きガドルまで……
ライダーNEXTが男のサービスシーンに定評のあるロワになるのも時間の問題だな!
>男のサービスシーンに定評のあるロワ
勘弁してくれよwwww
次のサービス要員は牙王辺りか?
GJです。マターリ癒されました
767 :
名無しより愛をこめて:2008/07/03(木) 07:34:40 ID:khA7mp8O0
さあさあ早く謝罪しろよ。
結局自演ではないと証明されたんだからよ。
ライダーロワの削除依頼でも手土産にして謝りに来いよ!
768 :
名無しより愛をこめて:2008/07/03(木) 09:06:54 ID:tCVwbdrHO
他スレに迷惑かけといて
普通に作品投下できるなんて素晴らしい企画ですね
指摘です。
>>741 ×(バダーが気に入るもの頷ける…)
○(バダーが気に入るのも頷ける…)
埋められていたのは一条さん…だったか。
なんという因縁。
なんだかガドルのキャラが日々進化している気がします
>>768 それはあの書き手が現れた時に言うべきだな
>>758 投下乙です。
なんで、じっくりお風呂を堪能してるんだwガドルwww
放送や一条さんの亡骸を見て感慨深げなガドルがかっこよかったです。
サービスシーン楽しませていただきましたw
GJです。
初めまして。クラインスレに作品を投下していた書き手です。
クラインスレの荒らしがこちらのスレにまでご迷惑をおかけしたようで申し訳ありませんでした。
私のトリップが簡単だったこと、暫くクラインスレから離れていたことが原因です。
もしこれ以上クラインスレの荒らしと同一IDからこちらのスレを荒らす書き込みがあるようならば私が責任をもって通報します。
なので、どうか◆cW9wr8uD4A氏は引き続きこちらのスレに参加することをお許しください。
長文になりましたがどうかよろしくお願いします。
この度はご迷惑をおかけし、大変失礼いたしました。
加賀美新、風見志郎投下します。
「お前……風間だろ?」
知りもしない男から掛けられた言葉。
風見志郎は、この男が自分を何者かと勘違いしているとすぐに分かった。
よほど自分に似た知り合いがこの男にはいるのだろうか。
風見は、男が近寄ってくるのを無視するように男とは逆方向へ歩き出す。
「俺は風間なんて名前じゃない。人違いだな…」
あくまで否定したつもりだった。だが、男はそれをそのままに受け取ろうとはしない。
「風間!!お前、なんでそんな事言うんだよ?俺たち、一緒に戦ったこともある仲じゃないか。」
風見は、この男が馬鹿なのではないかと思った。
こちらが否定しているのに、あくまで風間という男だと思い近づいてくる。
本来ならば、ここで倒すべき相手だが…
(今は、変身したばかりだ。こいつに付き合ってやるのも時間潰しにはなるか。)
「……そうだった……な。」
あくまで、風間になり切ろうとは思わなかった。だが、1人で今はいるよりも
2人でいた方が助かる可能性は高い。今はまだ戦いの後の傷が深いのだから。
ならば、何者かを盾にする事も考えなければならない。
愛する妹を救う為には、方法など選んでいられない。
今はまだ、死ぬわけにはいかないのだから。
男は、自分の返した言葉に小さく笑みを浮かべると、肩に手を置き馴れ馴れしくしてきた。
どうやら、本当に単純な男らしい。
「お前、水臭いじゃないか。どうして他人の振りなんかしたんだ?
なんかワケがあるなら話を聞くからさ。
天道が死んで……デネブまで。俺、こんな争いは止めたんだ。」
風間という男が、この男と友好関係にあるのは間違いなさそうだ。
ならば、風間の振りをしてこの男から必要な情報を聞き出すのも悪くはない。
「君は、戦うつもりはないんだな?俺は、戦うつもりだ……自分の為に。
あの子の為にも…」
単純な男、加賀美新は風間の振りをした風見の決意を聞いて深く溜息をついた。
よほど、自分の反応がショックだったようだ。
「あの子……って。お前、まさかゴンの為に?
ゴンの為に、お前は戦うっていうのか?」
どうやら、この男は自分の語ったあの子が「ちはる」ではなく
「ゴン」だと思っているらしい。
自分が不意に口にしか言葉が、相手を勘違いさせてしまったようだ。
「ゴン……だと?それはいったい……」
否定しようとすると、加賀美は風見の肩から手を離していく。
「俺は、それでもお前は戦うつもりはない。絶対に、この戦いを止めてみせる!!
天道や、デネブの分まで……俺が”ライダー”として戦う。
奪う為じゃない、守る為に俺は戦いたいんだ……」
風見は、加賀美の言葉に一時も自分の意思が揺るぐことなどなかった。
今の自分には、愛する妹のことしかない。
ライダーとか、正義だとか。そんな事からは今は何も感じられない。
「君には、何も分からないだろう。愛する者を失った悲しみや、絶望などは…」
自分には、もはや妹を取り戻す道しか見えない。
この男に、その悲しみや苦しみなど分かるはずもない。
だが、男が返した言葉は意外なものだった。
「……分かるさ。俺にだって。」
□
加賀美の脳裏に浮かび上がる情景。愛する者を失った、あの日のことを。
――「俺を消したり、しないよね?兄ちゃんは、挫折した俺にとってたった1つの自慢なんだ」――
あの日、自分は何も出来なかった。ただ、弟を殺し擬態したワームを呆然と見つめるしかなかった。
あの時、あいつがいなければ今の自分はいない。
天の道を往き総てを司る男の言葉が無かったら、今の自分はいなかった。
――「おばあちゃんは言っていた。人は人を愛すると弱くなる。 けど恥ずかしがることはない。」――
天道のあの時の言葉、総てを今でも鮮明に覚えている。
――「それは本当の弱さじゃないから。 弱さを知っている人間だけが、本当に強くなれるんだ…!!」――
自分は弱かった。弟の姿をしたワームを撃つ事も出来ず、ただカブトが倒すことを願うしかなかった。
――「天道!!いつか…俺は、お前を越えてみせる!!」――
そういった自分に、天道が投げ返したボール。
あの時の天道の笑みが、今でも忘れられない。
□
あの時の言葉、「いつか天道を越える」。
天道総司という自分にとって大きな存在だった男は、もういない。
あれほどに、尊大で強かった男がいない事が今でも信じられない。
だが、それでも加賀美には天道の思いが受け継がれていた。
「俺にだって、分かるさ。弟を、亮を…失った俺には。
だけど、俺にとっての亮はあの約束をした日に……死んだんだ。
失ったことは辛いさ。デネブも……天道まで。
悲しいからそれに折れそうになる。だけど、その弱さがあるから…」
妹を取り戻そうとする風見。一方で弟の死を受け入れ戦おうとする加賀美。
妹の為に、生きようとする風見にとってそれは単なる奇麗事にしか聞こえなかった。
「そんな事は、奇麗事だ!!俺には、俺にとってはあの子が総てなんだ。
お前に、それが分かるわけがない……!!」
加賀美は、その言葉を聞いても目を逸らそうとしない。
「でも、弱さがあるから俺は強くなれたんだ。
俺たち人間は、一度しか命が無い。だから、俺もお前も一生懸命生きてるんじゃないか?俺は、お前が戦うっていうんならそれを全力で止めてみせる……絶対に。」
2人はただ、見つめ合う。お互いに譲れない意志。
どちらが正しいというべきではない。どちらもまた、正しいのだ。
ただ1つ、言える事があるのなら”未来”の風見志郎もまた加賀美が望んだように、自らの手で「愛する者を解放する」道を選んだことだけだろう。
だが、自らが為した未来の選択の事を今の風見志郎は知る由もなかった。
□
「風間…どうしても、戦うっていうんだな。」
分かれ道に立ち、2人の男が言葉を交わす。
「あぁ……私は、戦う。それが私にとっての…ライダーとしての生き方だ。
いずれはお前も倒す。その時は、受けて立って貰おうか。
その時が来るまでは、君との決闘は預けておこう。」
自分は仮面ライダーなどではない。ただの改造人間。
ショッカーに改造され、今は妹を救うという崇高な願いを抱いて戦っている。
決して揺るがない思いが、言葉となって出ただけだった。
背を向けた風見へ向け加賀美が声の限りに、叫びながら追う。
「風間!!それでも俺は……お前と戦うなんて出来ない!!」
風見はその言葉を聞いても、振り返ろうとしない。
あくまで、彼は修羅の道へ進むのだろうか?
風見志郎は何も語らない。ただ、追ってくる加賀美の姿を後ろ目で追うだけだ。
情報を得る為に、今はこの男を利用する。
風見志郎には、その考えしか今は無かった。
加賀美と共に歩く風見志郎は、葛藤していた。
自分の願いと、妹への思いとの狭間で。
だが、彼に戦いを止める選択肢は無い。
彼にとって、今は愛する者が世界の全てなのだから。
それでもまだ、彼の心に残る「ライダー」という言葉。
それが何を意味するのか。今は誰にも分からない。
ただ1つその先に見えるもの、2人の行末を見守るように空に見える太陽。
その太陽は、親友の姿を見守るように輝いていた。
【風見志郎@仮面ライダーTHE NEXT】
【1日目 午前】
【現在地:D-9 駅のホームから加賀美と共に移動】
【時間軸:】THE NEXT中盤・CHIHARU失踪の真実を知った直後
【状態】: 疲労回復、全身打撲、大。両腕、腹部にダメージ大。V3、キックホッパーに1時間変身不可
【装備】:ジャングラー 、ホッパーゼクター+ゼクトバックルB、デンガッシャー
【道具】:不明支給品(未確認)0〜3。基本支給品×2セット、ピンクの腕時計、FOX-7+起爆装置(残り4)
【思考・状況】
1:殺し合いに勝ち残り、優勝してちはるに普通の生を送らせる。
2:ショッカーに対する忠誠心への揺らぎ。
3:葦原涼が死んでいなかったことに驚きと僅かな安堵。
4:加賀美新と行動。利用できる情報を得たい。
5:いずれこの男(加賀美)と決着を付ける。
【備考】
※モモタロスの死を受け止め、何か複雑な心境です。
※ホッパーゼクターを扱えます。
※FOX-7は基本的に、起爆装置を使った時にのみ爆発します。爆発の規模は使った量に比例します。
起爆装置は全携帯が内蔵している専用アプリに起爆装置のコードを打ち込んで操作するもの。
スイッチ式と時限式の両方の使い方ができます。
【加賀美新@仮面ライダーカブト】
【1日目 午前】
【現在地:D-9 駅のホームから風見と共に移動】
[時間軸]:34話終了後辺り
[状態]:激しい疲労と痛み。脇腹に刺し傷。頭部に打撲、肩に裂傷。
強い怒りと悲しみ。
[装備]:ガタックゼクター、ライダーベルト(ガタック)
[道具]:基本支給品一式 ラウズカード(ダイヤQ、クラブ6、ハート6)不明支給品(確認済み)2個。
[思考・状況]
1:風間大介(実際には風見志郎)を連れ、他の仲間、特に桜井侑斗と合流する。
2:危険人物である澤田と真魚(名前は知りません)を倒す。
3:風間(風見)といずれは戦うことへの迷い。出来れば戦いたくない。
[備考]
※デネブが森林内で勝手に集めた食材がデイパックに入っています。新鮮です。
※首輪の制限について知りません。
※友好的であろう人物と要注意人物について、以下の見解と対策を立てています
味方:桜井侑斗(優先的に合流)
友好的:風間大介、影山瞬、モモタロス、ハナ(可能な限り速やかに合流)
要注意:牙王、澤田、真魚(警戒)
※風間大介(実際には風見志郎)が戦いに乗っていることを知りました。
(風見、加賀美の移動先は次の書き手の方にお任せします)
投下終了です。支援感謝します。ありがとうございました。
投下乙
加賀美の決意が熱い。
風見とぶつかり合う日が楽しみです。
心理描写が巧みで、加賀美や風見が輝いていました。
GJ!
投下乙です。
加賀美と風見が対比していて良かったです。
加賀美この様子だと気付きそうにないなw
歪だけどどこか似ている二人のやり取り、GJです。
投下乙です!
加賀美のまっすぐな思いが眩しい…!
今は利用するために動向している風見がどう影響されるのか、
はたまた激しいぶつかり合いに発展するのか。
肉親を失ったという共通点のある二人の出会いがこれからどうなるのか
とても楽しみです!GJ!
投下乙!
加賀見……相変わらず熱い奴だ!w
風見の事に気づくのがいつ来るかも気になりますね。
しかし気づいていないのもまた加賀見らしいというかなんというかw
>>796 お疲れ様でした。
今まで書き込めなかった者ですが無事書き込めたのご報告です。
>>798 設置&移行乙です!
お世話になります。
帰宅時間が期限に間に合わないので、申し訳ありませんが延長をさせてください。
>>800 執筆乙です!了解いたしました、お待ちしております!
802 :
名無しより愛をこめて:2008/07/04(金) 17:00:41 ID:hXYEAA/pO
他スレに迷惑かけたロワ初めてじゃね?
803 :
名無しより愛をこめて:2008/07/04(金) 18:06:08 ID:8GZucGYA0
>>802 ここはやはり責任をとってロワを中止すべきだな
なんとわかりやすい自演コンボ
805 :
名無しより愛をこめて:2008/07/04(金) 20:34:51 ID:hXYEAA/pO
自演と思いたい気持ちはわかるが残念違う
荒らしが複数いることから目を背けるな愚図ども
806 :
名無しより愛をこめて:2008/07/04(金) 20:43:23 ID:iLYXdi8d0
兎に角、キレートを中止すべきだなをとってロワを作る。
平成終わったら私はやはり責任がまだまだ続くだろ。
この値のを最も確からしい。
日本語でおk
これより投下します。
何故疲労を隠そうとも、癒そうともしていないのか。尋ねる術は無いが、興味をそそる行動ではあった。
此処がリゾートの都市部であることを踏まえると、住宅街の一軒一軒がどの様な存在によって築かれたのかという事実を認識するのに多くの時間を必要とはしない。
それを理解したところで、人影――海堂には何の意味も無いのだが。
奇妙な程整ったその住宅配置は、主催者の威容を存分に見せ付け、参加者である自身との格の違いを海堂にまざまざと思い知らせるだけなのだから。
理解したところで今更止まる彼では無いし、逆に発達した主催者、スマートブレインへの憎悪という名の猛毒が海堂を蝕んでいくだけ。
ならば今は気にしない方が良いに決まっている。出来ることを一つ一つしていくことで、スマートブレインに対抗していく。これまでだって仲間達とそうやって来たのだから。
故に、走り続ける。今出来ること――スマートブレインの言うがままに殺し合いに乗り、仲間を、罪の無い参加者達を傷付けている外道「仮面ライダー」の打倒を達成する為に。
そう、「仮面ライダー」。この場所へ連れて来られる前の村上の話を海堂は思い出す。
仮面ライダーについて知っていて当然とも言うべきあの口振り。まるで身近に存在しているかの様な口調。
自分達オルフェノクは仮面ライダーでも何でもない。「それ以外の人智を越えた存在」の方だろう。
では、仮面ライダーとは何か? 一人の戦士が海堂の脳にフラッシュバックし、薄暗い疑問に一筋の光明をもたらした。
――ファイズ。以前海堂も変身したことがある。アマゾンがモグラを殺した時の様に、裏切り者のオルフェノクと戦った。
しかしながらファイズに現在変身している乾巧は参加者名簿に名前が無かった。
それどころかその乾の仲間もいない。「仮面ライダーとそのお仲間の皆さん」と発言していたくせに。
やはりファイズは仮面ライダーではないのか。そう思ったところでもう一つのベルト、カイザの存在を思い出す。
あれとは既に一度戦っている……と思考したところで、ようやく海堂はこの地でカイザに変身していたのが以前乾巧に同行していたのと違う人物であったことに気付く。
顔を必死に思い浮かべる。少しずつ記憶を引き出し、それが木場を狙ってきたスマートブレインのオルフェノクだったと気付く。
一つの答えを自分なりに組み上げた海堂。「スマートブレインの刺客が仮面ライダーに変身している」。
おそらくはファイズギアも再びスマートブレインに奪還され、刺客が使用しているのだろう、と。
多々の矛盾が存在することは間違いないのだが、仮面ライダーを打倒する大義名分を生み出した時点で思考は閉じ終えられていた。
海堂の走行速度が再び上昇する。スマートブレインの刺客がライダーだとすれば、仲間達が危ないと踏んだのだ。
モグラ獣人という新たに得たばかりの仲間を失った今、これ以上大切な存在を失う訳にはいかない。
木場、長田。同じ苦しみを味わってきた仲間達。
彼らにもまた自身にとってのモグラの様な存在がいて、それを奪われたら?
こんな場所でまで同じ苦しみを味わせはしない。必ず非道なライダー、怪人、スマートブレインの手から守り抜く。
たった一人の決意表明。この広いフィールドでそれを実践できるのか。不安は拭えないが、怒りが絶えることはない。
◆
木場勇治に休む時間は無い。いや、彼が休みたがらない……というのが正しいか。
動くことで、心の奥底へ寄生せんとする不安、憎悪、恐怖などの存在を押さえ付けられるならば。理想を手繰り寄せることができるのならば。
――動かないよりは、ずっと良い。
海岸線沿いに通っている都市南部の道路には、浜風が直に吹き付ける。
やがてそれが島の北へ向けて吹き抜けていくことを思うと、木場は声に出すこと無く尋ねていた。
「仲間達は無事ですか」――――と。
それはこの島にいる海堂や長田のことであり、彼を裏切った影山のことでもある。
更に言えば、この会場の外にいるファイズギア正装着者のことでもあった。
今、木場が所有しているのはファイズギアのみ。支給品の携帯をまだ持っていたなら、放送で会場内の仲間の安否を知れた筈。
ファイズギアが自分の下ではなく、「彼」のところに戻っていたなら――彼の無事を確信することもできた。
支給品の紛失とギアの所持という二点から、会場内外の「仲間達」の安否を確かめることも、無事だという確信を持つこともできないのが歯痒い。
故に、最優先事項はそれを把握することに外ならない。もっともそこに存在する動機は、マイナス思考から来るものではあるのだが。
どうしても「無事であることを一刻も早く知りたい」という思いより、「悲報を知るなら早い内に」という思考が先行してしまうのだ。
もちろん木場が彼らに望んでいるのは「生存」の二文字。ただ、自身が酷い目にあってきた以上、彼らもまた同じ目に会っているのではないか、と考えるのは至極当然だった。
不安の肥大化に合わせる様に吹き付けた疾風が、木場の目を細めさせる。
太陽が辺りの暗さを払拭することはあっても、心の闇を浄化することはない。
むしろ陽光の中に佇む闇は、漆黒の中で蠢いていた時のそれよりも存在感を増している。
道を踏み外すつもりはないという意思通り、舗装路を道なりにひたすら進む。
大きく口を開きながらも、満足に呼吸ができていない事実が辛い。
海を臨む海岸沿いに、狭苦しさも何もある筈ではないのに。
気を紛らわせる為に一歩毎に重ねる葛藤が、心への暗黒の侵略に対する仮初めの防壁にはなってくれている。
これまでと同レベルの苦難が姿を変えた闇ならば、おそらくは防いでくれるだろう。
問題は、それを上回る悪夢を見た時。例えば――
――これまでを上回る人間の汚さを目の当たりにした時。
――何かを喪失した時。
それらを媒介して闇が誕生したならば、易々と防壁は破られ、おそらく心は侵食される。
理解していてもその未来を切り捨てられない自身を木場は憎む。
枷となっていた闇はこれまで抗ってきた努力を認めるべく、己が木場の真なる原動力となるのを心待ちにしている。
その局面まで辿り着いた時初めて、木場は自分にとある権利が与えられているということに気付くのだろう。
全てのオルフェノクに等しく与えられた、その権利に。
◆
海堂がショッピングセンターへと辿り着いたのに深い意味は無い。
ただ道なりに駆け抜けて、たまたま目についたから足を踏み入れただけなのだ。
敢えて理由というものを添えるのであれば、病院や放送局といったものと同列の扱いでわざわざ地図に表記されており、誰かしらの参加者とは接触できるのではないか、と思考した為であろう。
自動ドアをくぐり、文字通り「入店」する。
明かりが付いていないということは、やはり無人なのだろう。ご丁寧にドアを開けてくれたのは助かったが。
もしモグラが隣にいたなら、どんな反応をするのだろうか。
時は戻らないというのに、そんなことを考える自分を海堂は激しく嫌悪する。
それでも店内を散策していく内に、少しずつ冷静になっていく自分に海堂は安堵する。
小奇麗に並べられた売り物。清潔感漂う壁、柱、床。精神の安定には丁度良かった。
ただその一方で不安が生まれる。出口へ近づくに連れて、辺りに荒れが目立ち始めたのだ。
しかし気配は無い。ならば原因は――――
一つの疑問は、確信へと姿を変えた。
「……こいつぁ…………!!」
海堂は言葉を失う。視界の片隅で沈黙する、砂混じりの灰が原因である。傍らに眠る鉢植えの存在が、妙に痛々しく感じる。
それが自分と同じ、同じ参加者の遺したものだと脳が判断するまで、長くはかからなかった。
床に無造作に散らばった物品や陳列棚、それらの破片は整理されたまま無人となったであろう店内の光景ではなく、明らかに戦闘が行われたことを示す痕。
そして山と盛られた灰は、その戦いの勝敗が決定済ということを意味していた。
辺りにはデイパックも、首輪も無い。持ち去られた、ということなのだと海堂は結論づける。更にそれを行った存在、戦闘の勝者が何者であるかも、同時に。
息が荒くなる。肩が上下に大きく揺れ、焦点がブレていく。視界の灰が歪み、一つの映像を繰り返し再生し続ける。
数時間前に体験した、二度と味わいたくない耐え難き悪夢。
ショッピングセンター内の静寂を背に、身体中が小刻みに震える。
握りしめられた拳は、怒りをぶつける対象が存在しないことを嘆き、空を切ることすら許さない主の心情を察している。
支援
震えが収まると同時に、海堂がその場に崩れ落ちる。同時に両膝を、次いで両手が床に密着。
ひんやりとした感触がそれらを襲うが、心まで冷やすことはない。むしろ、焼け石に水といったところだろうか。
「ちくしょう……モグラ……モグラァ……」
灰に降り積もる憎悪と悲哀の結晶は、容赦なく残ったそれを崩していく。
それでも膨れ上がる怒り。憎しみ。感情と肉体の離別を感じながらも、それを止める為に、ゆっくりと、確実に、右膝を持ち上げる。
続けざまに持ち上げる左膝。じっくりと、確実に、心を落ち着かせて。
ようやく左足が持ち上がり、二つの足裏が床を踏み締める。この感情を何処に向ければ良いのか。
その思考が答えを見つけだすより早く、床に転がった陶器の破片を砕く足音が静寂を破った。
「残念だなぁ……僕も、混ざりたかったのに」
余裕を痛い程に、憎たらしい程に感じさせる軽い足取りで、荒れたフロアを縫う様にして。北崎という名の少年は海堂の視界に入り込み、笑顔を見せた。
「てめぇ…………」
反射的に海堂は北崎を睨み据える。混ざりたかった? こいつは狂っている。間違いなく。
解かれた拳を一瞬で再度握りしめ、歩み寄る存在に視線を固定する。
「そんな怖い顔をしないでよ。……どうなの……そこで灰になってる奴は強かったのかい?」
「何を言ってやがる…………」
強かった? 答えられる筈がない。海堂がこの場を訪れた際、既に謎の参加者は灰と化していたのだから。
なら何故そんなことを聞く? 理由は唯一つだろう。北崎は海堂が参加者を手に掛けたのだと判断したのだ。
「そうなんだ……思い出すのも嫌なくらい、強かったんだね。もっと早くここに来れば良かったよ」
「……………………」
周辺の荒れ具合。北崎はそこから激戦を想像する。かなりの兵が関与していたのだろう、と。
事実その推測は正しい。既に灰と化したその存在ならば、間違いなく北崎を喜ばせることができた筈だった。……もちろん海堂の知る所では無いが。
しかし海堂は誤解を解こうとはしない。このままだと自分が何をするか分からない。感情を押さえ付けるので精一杯だ。
「でも……そんなに強かったなら、それに勝った君はもっと強い……そうだよね?」
北崎は笑顔のままポケットに手をねじ込み、長方形を取り出す。そしてそれを銀の天井に向けて放り投げた。
ただ呆然とその軌跡を見つめながら、海堂はその正体を知ろうと目を凝らす。
深緑が視覚に焼き付き、床に転がる無機質な音を聴覚が捉え、触覚がその硬さを認識した。
「ちょっと君の力を試させてよ……それ、使っていいからさ」
金で形作られた猛牛の紋章と、海堂の視線が一つになる。
北崎に飽きられた「玩具」。ゾルダのカードデッキである。
刹那、見上げた視線の果てで少年の笑みが深まる。笑顔を紋様が染め上げ、少年は邪龍へと転身した。
その灰を基調としたカラーリングの異形、オルフェノク。この場に来て初めての同属との邂逅は、海堂にとって最悪のものであった。
「どうしたの……戦ったばかりじゃ力が出せないでしょ? それをそこに翳して使えば、仮面ライダーになれるんだ。早くしてよ」
「……今、なんて言いやがった」
ショーウィンドウを指差しながら話す北崎の言葉に中に並べられた一つの単語に、思わず海堂が反応する。自身でも驚くほど、冷静に。
支援
「しょうがないなあ……もう一度言うよ。それを使って変身してよ。仮面ライダーにね」
「……ふざけんな」
カラン、という音を立ててデッキが灰と隣り合わせになる様に床へ落ちる。
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
怒りが爆ぜ、海堂の身体が発光する。ライダーであり心底この殺し合いを楽しむ眼前のオルフェノク。
こんな連中の為に、モグラの様な被害者がこれからも生まれていく。誰が認めるものか。
二人目のオルフェノク――蛇の名を冠す存在へと、海堂は姿を変えていた。
「へぇ、オルフェノクなんだ……でも、あまり強く見えないなぁ」
少々期待外れ、といった仕草でもってドラゴンオルフェノクは歩みだす。
一歩、二歩とその歩幅は広がっていき、瞬く間に両者の距離は一メートル程度まで縮まった。
向かってくるスネークオルフェノクの右拳を左腕で弾き、灰に染まった爪を振るう。
「グッ!!」
袈裟懸けに振り下ろされた爪が火花を撒き散らす。
スネークオルフェノクはその重みに思わず呻くが、構わず突き出し始めていた左拳を唸らせる。
「ウラァ!!」
しかし、厚い胸板を越えるのにその殴撃は余りにも力不足。
受けたダメージに比べてその戦果は明らかに乏しい。それでも、後悔はしない。
更に左足で地を蹴り、最大限の体重を乗せて一度弾かれた右腕による打撃を再行使する。
ドラゴンオルフェノクが一歩引き下がるが、先程スネークオルフェノクがして見せた様に構わず反撃をしてみせる。
アッパー気味に繰り出されたその一撃は、二度目の大きな火花と共にスネークオルフェノクに宙を舞わせた。
「どうしたの……全然面白くないよ?」
床に打ち付けられ、転がりまわるスネークオルフェノク。体勢を立て直す間もなく、腹部を最大限の力で踏み付けられてしまう。
その動作が五回程繰り返されたところで、ドラゴンオルフェノクが行動を蹴撃に切り替える。
再び転がることになったが、距離が離れた今が好機。もっとも起き上がりやすい体勢になるタイミングで回転を停止させ、素早く立ち上がる。
同じオルフェノクだというのに、こうも力量に開きがある。本当に神様は不平等な奴だと海堂は思う。
「うるせぇぇぇぇぇ!」
懸命に拳を突き出すが、それはいとも容易く受け止められてしまう。
その直後、三度にわたって大爪によるスネークオルフェノクへの侵略が開始される。
まず一撃目。上段から右爪をドラゴンオルフェノクが振り下ろす。到底押さえられる攻撃ではない。
スネークオルフェノクは左足で床を蹴りながら、右足を軸とした半回転でそれを避ける。
ドラゴンオルフェノクの視点から見ると、左へと回避したことになる。
左という回避方向を選択した理由として、左腕による追撃が予想できていたことが挙げられた。
両腕で爪による突撃という名の二撃目を阻止する。舌打ちを耳にして、スネークオルフェノクの両腕に力が篭る。
この行動が間違っていない、という確信を得たに等しいからだ。
支援
事実、有効な方法であったかも知れない。 ――北崎の力量が、戦闘時における余裕の持ち方が海堂と同程度まで低かったならばの話だが。
目標を失い、中断された一撃目がギリギリのコースで弧を描く。
振りを素早く、ブレを減らし、体重を乗せ。横振りという三撃目へ転化した右腕を、現体勢で出せる最大の力で叩き付ける。
それでも本来のドラゴンオルフェノクが出せる力の五割にも満たない威力。
いつの間にか行動目的を「攻撃の阻止」から「左腕の拘束」へ変えてしまっていたスネークオルフェノクを引き剥がすには、十分すぎた威力だったのだが。
両腕を拘束に回したが為にがら空きとなった腹部に深い圧迫感と衝撃を覚えながら、後ずさるスネークオルフェノク。
踏み止まれるタイミングを敢えてパスし、更に後方まで下がったのは、ドラゴンオルフェノクの追撃を本能が回避しようとした為だろう。
肉弾戦だけでどうにかなると万に一つでも踏んでいたのがここまでのアドバンテージを取られた最大の要因とようやく海堂は気付く。
虚空に出現させた剣で一度空を切り、感覚を持ち直す。ドラゴンオルフェノクとの間に広げた間合いは、最早半分まで縮まっていた。
「出し惜しみは、君ができる立場じゃあないかな…………さぁ、来てみなよ!!」
言葉通りスネークオルフェノクが剣を片手に向かってくる事実に、北崎は心から歓喜する。
(それでいいよ。最後まで諦めずに向かって来て……それを正面から、叩き潰してやる)
ドラゴンオルフェノクが振り下ろされた剣を受け止めると、一層高い音が辺りに響き渡った。
◆
海岸沿いの舗装路を西から東へ進むと、やがて市街中央へと到達することになる。
その際右……つまるところ南を臨むと、視界には港が広がる。
おそらくはここから自分達参加者が各エリアに連れて行かれたのだろうと木場は推測した。
それが分かったところで、脱出への道を構築できるという訳ではない。ただ、きっかけになれば良いと思う。
少なくとも現状において、逃げ場所が存在していない以上、道を切り開く為の手段はゲームという名の殺し合いに立ち向かうことのみ。
ほとんどの参加者は立ち向かっているのだ。ただゲームを「打倒」しようとしているか、ゲームに「勝利」しようとしているかという部分においてのみ異なるだけで。
現在は抑えてこそいるものの、隙を見せれば木場の闇は即座に彼へと語りかけてくる。
――いい加減迷うのは止めにしろ、と。
言葉の表面だけで言うならば、それには木場自身も心底同意している。迷えば迷う程、理想への吊橋は崩壊を早める。その前に渡り切らねばならないというのに。
しかし闇に従う訳にもいかなかった。闇が推奨する行為は、早急に吊橋を渡ることではなく、吊橋を渡るという行為自体を否定しろ、ということなのだ。
今は仮初めの壁で防いでいるだけの邪念と、なんとか決別したい。そんな望みのきっかけ。
それを生み出せただけでも、港に立ち寄った意味があるかも知れない。
木場は再び、北へと曲がっていく道路へと進路を預ける。一見無策だが、円滑な行動に不可欠な支給品の一切を失っている以上、この方法が一番効率的だ。
都市部の中央ならばある程度参加者に出会う機会も多い、と木場は考えたが、そういう訳でもないらしく、東條との戦闘以降新たな出会いは無かった。
故に振り子のごとき思考は均等に揺れ続け、こうして幾度も木場は葛藤しているのだが。
支援
平淡な道中、左右に連なる建物に行き着く。
入口の前に停車してあるバイクに、デイパックの存在を認めるが、手を出す木場の性格ではない。奪うどころか、中身の確認にすら至らなかった。
木場がデイパックから得るものは、「この建物内に参加者がいる」という情報だけ。
そしてそれを最大限に生かす決意を固める。吉と出るか、凶と出るかは別にしてだ。
迷わず入店する木場。背後からもう一台のバイクが迫っていたことなど、知る由もない。
昼間だというのに余りにも弱い店内の明るさは、僅かにだが木場を不快にさせた。
照明の大多数は沈黙し、非常灯が威勢を放つ現状は昼時という営業時間帯における本来のショッピングセンターにはあまりにも似合わないもの。
けれども、それだけでは不快という感情を生み出すには弱い。数瞬おいて、己に感情をもたらした真の要因を木場は知ることになる。
炸裂音。二つの凶器同士、あるいは一つのそれが何かに接触したことで響いたのだと判断するとともに、何故これほどに大きな音に入店してから今まで気付かなかったのか自問する。
自答はせず、すぐに駆け出す。遠くない――――というよりは、近いのだ。
木場が走行に合わせて肩掛けしていたファイズギアを腰に巻き付け終えたタイミングは、炸裂音の原因である剣を構えた蛇を模した異形と、それを強固な手甲で防ぐ龍人の姿を認めた瞬間と同時だった。
◆
「ウラァ!!」
スネークオルフェノクの剣がドラゴンオルフェノクの腹部を薙ぎ払い、軽い炸裂音と共に火花が散る。
正に一瞬だった輝き。火花はドラゴンオルフェノクの前進によって掻き消え、続けて突き出された凶爪がスネークオルフェノクを突き飛ばす。
尻餅をつく形になり、相手がこれまで以上に復帰への時間が掛かることをドラゴンオルフェノクは悟る。
「残念だよ……本当に、さ…………あれ?」
自分へと止めを刺そうとしたドラゴンオルフェノクが足を止め、視線を逸らす。
そんな不自然な光景に思わず、スネークオルフェノクもまた起き上がることを忘れ、顔を見上げる。
「ああ、君は確か…………」
緩やかに言葉を並べる北崎は、その場に出現した第三者に見覚えがあった。そう、確か以前抹殺を命じられたターゲットの――――
「木場…………」
腰に白銀のベルト――ファイズギアを備え、左手に対応ツール――ファイズフォンを握り、ドラゴンオルフェノクを睨み付けていたのは、紛れも無く海堂の大切な仲間、木場勇治である。
木場が左手首をスナップさせたのに合わせて、ファイズフォンが展開。
コード入力の為用意されたボタン群の中央に位置する「5」を続けざまに三度押し、更に上部に位置するENTERキーへと親指を滑らせた。
準備が完了したことを示す電子音が静寂を再び裂き、閉じられたファイズフォンが手の中で表裏を入れ替える為に回転させられる。
「ふぅん……」
「おいおい…………」
動作の完了を面白気に待つドラゴンオルフェノクと、驚愕した趣のスネークオルフェノク。
それらの視線の先、木場は「六つ」の眼が見守る中で、冷静に口を開く。
「……変身」
――――Complete――――
ゆっくりと斜めから差し込まれたファイズフォンが真横に押し倒され、電子音が鳴り止むのを待たずして閃光を発した。
ファイズギアから溢れ出る紅の輝きが光線を形取り、木場を包む様にして体中を駆け巡る。
刹那、紅色に染まったミッションメモリーがより一層輝きを増し、光線を軸に銀の装甲を形成した。
黄色に輝く複眼、装甲間を駆ける紅の光は輝き続け、時間にやや不釣り合いな薄暗さのショッピングセンターにしばしの間光を授けることとなる。
ファイズへの変身が完了したことを示していた。
ようやくスネークオルフェノクが立ち上がり、神妙な面持ちでファイズに近寄る。
「なんでそれをオメェが使ってるんだよ、おぃ!!」
ここに来る前、スマートブレインの刺客が変身する「仮面ライダー」の一人であろうと認識したばかりの存在。
ただその光景を見ただけなら「木場が俺達を裏切った」で切り捨てられる疑問だが、ファイズはドラゴンオルフェノクに戦意を剥き出ししている様に思えた。
間違いなく二人の敵は共通しており、海堂は木場が敵とは判断できなかった。
「話は後だ、海堂。 ……今は…………」
肩へと掛けられたスネークオルフェノクの腕を解き、ドラゴンオルフェノクへとファイズは向き直る。
この場へと連れて来られる前、既に木場はファイズとしてドラゴンオルフェノクに敗北している。
その強さ、危険性を知っているがためにここで倒すと誓う。
放置すれば間違いなく、被害者が出るだろう――いや、既に出ているのかも知れない。
そして、ここで目の前の悪を討てずしてスマートブレインを打倒などできるのか。答えはNOだ。
これは自分が闇に打ち勝てるということを証明する為の戦いでもあるのだから。
「木場勇治……かぁ。君はそっちの吼えるだけの奴とは違って、楽しませてくれるのかな?」
ドラゴンオルフェノクが両手を合わせる。あたかもそれは新しい友達と初めて遊ぶ時の期待に胸膨らませた子供の様で。
ファイズは戦慄を覚え続けるのを嫌い、ドラゴンオルフェノクに殴りかかる。
続け様に三発の拳を叩き込んだところで、力量を計るかの如く大きなモーションで振り上げられた爪が、ファイズの頭上に向けて降下する。
隙だらけのモーションであったが故に回避は容易だった。一歩下がっての左足が、振り下ろされた爪と入れ替わる様にしてドラゴンオルフェノクへ向かう。
平然と腹部でもって迎え撃たれ、左足裏は一切の妨害無くドラゴンオルフェノクの腹部に接触した。
直撃。しかし手応えは皆無で、すぐに左足を離す。少し腰を落としながら再び踏み込み、左右の脇腹目掛けてのコンビネーション。
それでもクリーンヒットの感触が得られないという事実は、改めてドラゴンオルフェノクの装甲の堅牢さを物語らせるものだ。
ならば守りの薄い場所を狙う。左足で踏み込み、腰を捻りながら握りなおした右拳に力を加え、顔面目掛けて放つ。
「あーあ……」
一撃が通れば確かにダメージは通ったかも知れない。しかしそれはあくまで通ったらの話。
ファイズは右ストレートをドラゴンオルフェノクの左腕によって容易く遮られ、自身の意図していた攻撃をそっくりそのまま返されることになる。
頬に走る確かな痛みに思わず顔を下げる。ファイティングポーズは決して解かないが、あっさりと戦意が落ちたことは否めない。
「君もこの程度? こんなのばっかじゃアレも宝の持ちぐさ…………」
「ウラッァァァァァ!!!!」
ドラゴンオルフェノク追撃に入る直前、ほんの僅かに隙を見せたところへとスネークオルフェノクが切り込む。
これまでで一番盛大な火花が散ると共に、ドラゴンオルフェノクが仰け反る。そこへ渾身のタックルを受け、遂に後ずさった果てに膝をつく。
ファイズがスネークオルフェノクを見上げ、それに答えるかの様な視線の一致を木場は体で感じ取る。
「確かに今はどうでもいいわな。 ……とりあえず、オメェはマシな仮面ライダーみたいで安心したぜ、木場」
「海堂…………」
スネークオルフェノクは剣先をドラゴンオルフェノクに向け、更に続ける。
「こいつはどの道倒さなきゃなんねぇ……ちゅうことで、こいつを倒したら俺様に話を聞かせてもらうからな」
「……ああ、勿論」
「一人ずつじゃつまらないし、丁度いいかな」
ゆっくりと立ち上がったドラゴンオルフェノクにファイズとスネークオルフェノクが挑みかかる。
先行したファイズの拳を片腕で捌き、もう一方でスネークオルフェノクの剣と相対する。
手の甲で受け止め、鍔迫り合いに近い形へと発展。下側に回りこませ、剣を持ち上げると、空いた片腕の襲撃。
ストロークの短さから威力が不十分だった為、スネークオルフェノクの動きを鈍らせたに留まる。
後方へ回り込んだファイズのことを考えるとそのまま追い詰める訳にも行かず、鈍っている間にターゲットを切り替える。
仲間を過信しすぎたか、単なる慢心か。ファイズの攻撃動作は威力重視の隙だらけで、向き直ったばかりのドラゴンオルフェノクでも簡単に対処可能であった。
ファイズの胸を覆う装甲が火花によって瞬く。数度に渡って動作を繰り返したことによってファイズが倒れこむ。
至近距離から背部へスネークオルフェノクが一太刀浴びせるものの、意に介さない。
ならば再び突撃して……などということを海堂が思考し、数歩下がった上でドラゴンオルフェノクへと走り出す。
ここで急に反転したドラゴンオルフェノクがスネークオルフェノクの首を押さえ込み、宙へと持ち上げた。
「同じ手は通用しないと思うよ……僕くらい、強くないとね」
「……ちっ…………く……しょう……がぁ…………」
拘束の力は緩まる所か強まる一方で、今にもスネークオルフェノクの息の根を止めてしまいそうである。
何度か蹴り飛ばしてみるが、力が入らない蹴りは当たっているのかすらどうか分からないものまで含まれていた。
到底拘束を解くに値する反撃ではない。更に持ち上げる位置が高まり、声が遠のいていく。
北崎は一秒にも満たない思考の中で判断する。これで一人目は――――
支援
「…………ッツ!!」
背後に焼きつく痛み。一点だけを、正確に攻めてくる痛覚。ドラゴンオルフェノクは拘束の解除を決定する。
数十センチ持ち上げられていたスネークオルフェノクは着地に失敗、座り込みながら息を整える。
決断してからの行動は見事なものであった。
即座に横へステップし、あわよくば自身を焼く物質がスネークオルフェノクへと照準を切り替えることすら狙って。
ドラゴンオルフェノクの接近に際し、ファイズが銃型に形状を切り替えたファイズフォンへのコードを入れなおす。
「103」から「106」への転化。すなわち、フォンブラスターが光線を長時間照射するシングル・モードから、連射を行うバースト・モードへの切り替え。
――Burst Mode――
五連射される光弾。一発目が胸板に着弾するが、当然単発でのダメージは互いに想定していない。
二発目。通ればおそらくは影響が出始めると判断。右腕に薙ぎ払われる。
まるで自分が直撃を受けたのではないかと勘繰ってしまう威圧感。その持ち主は三発目を左腕でガードする。
それでも、無茶な動きから残り二発の直撃は確実。そこで認識の違いが道を分かつのだ。
三発直撃させれば追撃の隙が生み出せ、尚且つその隙を突けると自身を過大評価――いや、相手を過小評価が正しいが――したのが木場。
この程度の銃撃、適当に遇えば支障なしと判断したのが北崎。
どちらの方がドラゴンオルフェノクの力を正しく把握していたのか。
ドラゴンオルフェノクは怯まない。フォンブラスターが銃声を紡ごうとしたものの、あまりにも遅すぎた追撃。
火花を散らした上で投げつけられ、スネークオルフェノクの前まで転がり続けたファイズ。
両者の様子が、全てを物語っていた。
この場における現局面に至るまでの攻防が、目の前の敵にとっては遊びだったことをファイズはようやく認識する。
本来ならばより早期にその事実を得ることはできた筈だ。
ファイズは、木場はドラゴンオルフェノクに温存している真の力がまだ残されていることを知っていたのだから。
呻き声を漏らす自分を尻目に立ち上がる、スネークオルフェノクをファイズは臨む。
改めて考え直すと、海堂との、信頼できる仲間との共闘により、自軍を過大評価しすぎていた節もやはり潜んでいた。
今回のパートナーが誰であるかと考えれば、そう思うのも無理は無い。影山と組んでいた時よりはまともな連携を展開する自信もあった。
事実互いにフォローをしながら対抗してきたつもりだが、結果はこれ。現実は無情だ。
じりじりと詰まる間合いに、再び圧迫感を催す。
物事にはスペック差などと違い、どう抗っても覆し様の無い差があることを痛感した。
明らかに「遊び」で戦っていた状態のドラゴンオルフェノクを討ち果たせなかったのだ。
ここから相手が段々とボルテージを上げてくるのか、一気に潰しにくるのか。それは判定できない。
付け入る隙だった慢心という名の急所を見逃した以上、これは負け戦というべきだろう。
それも、ファイズがドラゴンオルフェノクの特殊能力を知り、スネークオルフェノクの精神が燃え滾っているままでるが故に、撤退という二文字は選択肢すら用意されていない。
二人が選べる選択肢は二つのみ。
一、ここから逆転し、ドラゴンオルフェノクを打ち倒す。
二、二人で仲良く死ぬ。
思考が提示した選択肢の内、二人は即座に「二」の選択肢を切り捨てる。
守らなければならない人が、救い出さなければならない人が、導かなくてはならない人がいるから。
面倒みなきゃならない奴が、絶対に許してはならない奴等が、安心をさせてやりたい奴がいるから。
「ちょっとだけ痛かったよ。でもそろそろ、遊びは終わりに……ッ!!」
「喰らいやがれぇぇぇ!!!!」
不意打ちという形で今再びゴングが鳴り響く。咆哮と共に投げ付けられたスネークオルフェノクの剣が唸りを上げて空気を二分していく。
残り僅かの慢心、油断といった要素を全て消費させる可能性があるのはスネークオルフェノクも分かっている。
その決意に呼応したファイズが横たわるフォンブラスターを再び握り締め、放つ。
波状攻撃がドラゴンオルフェノクの行動を遅延させている隙に、両脚を揃えて飛翔。
左膝を曲げ、対照に右脚を突き出す。海堂が、スネークオルフェノクが憎む「仮面ライダー」を象徴する技に類似したモーション。
渾身のジャンプキックが頭部に炸裂し、一時的な思考の停止。それを再覚醒させたのは、音と色。
一定のリズムを刻む電子音が一層高い音程になった瞬間。
ファイズの腰から一定のスピードで動き始めた紅の閃光が、手甲に辿り着いて瞳に瓜二つな黄色の輝きを放った瞬間。
正に「気合一閃」とでも評すれば良いのだろうか。
チャージを終えたファイズショットでもって放つ現状における最高の殴撃――グラン・インパクト。
左腕を限界まで伸ばし――――その正面からの一撃がドラゴンオルフェノクの腹部に突き刺さる。
下手な小細工を挟まなかった為に、対応の余地を残さなかった。
数歩後ずさるドラゴンオルフェノクに染まり浮かび上がる紅色の「Φ」の紋章は、ファイズ達に勝利を――――
「アッハッハ…………面白い、面白い」
――――齎さなかった。「面白い」という言葉の内容とは裏腹に退屈そうな口調でドラゴンオルフェノクが呟くと、発生した紋章はあっさり掻き消えた。
次の瞬間、存在が失せていた筈の眼前に、再び悪魔が顔を出す。驚愕したファイズのボディを火花で染め上げ、反転。
スネークオルフェノクが異常に気付いた時には、三度に渡る痛みが全身を駆け巡っていた。
――――Exceed Charge――――
拡散した装甲から、ドラゴンオルフェノクが高速移動を開始したと判断したファイズがEnterキーを押す。
再チャージ。当然見逃される訳も無く、再反転が行われる。
正面から迫る刺突。ファイズはギリギリまで体を反らし――――躱してみせた。
更に追撃をガード。チャージが再完了したことを理解。
ファイズが初撃を阻止できたのは、ザビーとの戦闘を通して高速戦闘に対する対処法をある程度自分で固めていたからだ。
ドラゴンオルフェノクは装甲を薄くしている現状において、技を受ける危険性を察知する。
かなりの痛手となるのは間違いない。だからこそ、相手にしない選択を行う。
目障りなもう一匹――スネークオルフェノクを先に始末し、その上で正面から残ったファイズを打ち倒す。
ドラゴンオルフェノクは最後の反転を行い、連撃の果てに姿を元に戻す。
このプランが脆くも崩れ去ったのは、想定より早くスネークオルフェノクが接近していたことだ。
当然高速での攻撃を防ぐスキルがある訳では無い。ドラゴンオルフェノクの侵略による被害は、瞬く間に全域へと達する。
しかし距離が短縮されたことで、そこに第三者の介入する余地が生まれた。
即ち、止めの阻止。庇いに入ったファイズがスネークオルフェノクを貫こうと突き出された凶爪を受け止める。
そしてこの一瞬、ファイズショットがチャージ済みであるという事実を北崎は排除していた。
仮にここでクリーンヒットを浴びたとしても、自分は倒れない。最大限の自身を胸に、もう一方の腕をファイズへと叩き込む。
同タイミングで放たれたグラン・インパクトとの交差。両者が後方へ吹き飛ぶ。
違いはドラゴンオルフェノクが受身をとって床に倒れこんだのに対して、ファイズが壁に思い切り打ち付けられたことだろう。
変身が解け、叩きつけられた衝撃から木場はそのまま意識を失う。
「おい、木場、木場ぁ!!」
「どうやら僕の勝ちみたいだね。面倒だから……このまま殺してあげるよ」
九死に一生を得たスネークオルフェノクが叫び、ドラゴンオルフェノクが立ち上がる。
その場の二人は勝者が誰か判断を終える。
終えた後に鳴り響いた電子音の存在は、この形での決着を望まない者が存在することを意味した。
――――FINAL VENT――――
◆
東條がバイクに跨がって海沿いに都市部を疾走していたのは、ある人物との再戦を望んだからだ。
彼を乗せて駆けるバイクは「凱火」。名前こそこうであるが、武装を備えていたりする戦闘用バイクという訳ではない。
元いた場所へと戻る最中、道端に放置されたそれを見つけ、現在に至る。
可能な限り緩めたスピードでの走行中も、東條は念入りに人の気配を探し続ける。
既に姿を消し去っていた木場勇治、まだ見ぬ参加者、或いは自身も良く知るライダー達か。
その中でも特に木場との再戦を心待ちにする。正面から「英雄じゃない」と東條を否定した木場に、証明してやりたい。
道沿いに進んだ結果、その望みが思ったより早く叶うかも知れない。
東條は見たのだ。ショッピングセンターに入店する見覚えのある服装の男を。
胸が高鳴っているのを確かに感じ、東條が凱火を停車させる。
もう一台バイクが停車していることから、内部に木場とは別の参加者がいるのではないか、と推測。
可能な限り気配を殺し、店内へ入る。間もなく戦闘中であることを判断する東條。
本来オルフェノクが三人存在すれば何れかが東條の存在に気付く可能性は高い。
一人でも冷静に気配を探りに移ればアウトだが、三人ともその余裕は無い、もしくはつもりが無かったらしい。
ぶつかり合うニ体のモンスターは、シルエットこそ違えど、カラーリングは木場が最初に変身したモンスターと類似する。
おそらくは同族なのだと推測し、辺りを見遣る。変身に使えそうな物は見られるが、確実にここで変身すれば存在が知れる。
正直なところ一名を除けば残りニ名の生死に興味はない。むしろ相討ちで構わない位だ。
ならばどうするか。自分の持つ奇襲能力を存分に生かすべきだろう。
機会を見て木場が東條と戦わざるを得ない状況へ持っていく。
タイガのデッキなら、英雄の自分ならばそれが出来る筈。
念じる様にして場を離れる。木場の変身したファイズが放つ輝きの強さに目を細めながら。
◆
タイガへと変身し、遠距離から様子を伺っていた東條は驚愕する。
数で劣勢にありながら容赦なく攻撃を浴びせ続けるドラゴンオルフェノクの強さ。
その光景から東條は一つの仮定を生み出す。
(あいつも倒せば、また僕は英雄に近付けるのかも知れない……)
ターゲットが二人に増えたところで、カードを腰部のバックルに収められたデッキから抜き取る。
後はデストバイザーのワンアクションを挟むだけ。全ての準備が整った。
やがてドラゴンオルフェノクの攻撃でファイズが変身を解除され、更に変身していた男が気絶したことを東條は確認する。
この期を逃すと、木場が北崎に殺害されるのは誰が見ても明らか。つまり――
待ち望んだ奇襲を実行する時だ。切り札を最初から切る。この行為が、東條の並々ならぬ意気込みを端的だが表していた。
――――FINAL VENT――――
タイガの契約モンスター、デストワイルダーがショーウインドウから飛び出す。狙いは――ドラゴンオルフェノク。
戦闘の様子から、スネークオルフェノクが気絶した木場の仲間だと東條は考えた。故に放置して構わない、とも。
完全に勝利を確信していたドラゴンオルフェノクを、デストワイルダーが捕捉するのに苦労は一切無かった。
得物を連れて接近するデストワイルダーを、店外へ誘導する。自動ドアを十メートル程越えた先でクローを構え、待機。
摩擦を引き起こし、火花を舞い散らせながらの接近。ドアを越えたところで、東條がカウントダウンを開始した。
残り九、八、七、六メートル。しかしその先を紡ぐことは無く――――
「誰だか知らないけど、気に入らないなあ……」
支援
ドラゴンオルフェノクが右膝を振り上げ、デストワイルダーの進行を停止させる。
東條は疑問を持つ。余りにもドラゴンオルフェノクの迎撃に「苦労」という雰囲気を感じることができなかった為だ。
立ち上がったドラゴンオルフェノクの攻撃を無防備な状態で受け続けたところでようやく一つの答えにたどり着く。
(……こいつ、ワザとここまで引き摺られてきたのか!?)
ドラゴンオルフェノクが変化を解き、北崎の姿へと戻る。態々変身を解除したその余裕。
間違いなく「何か」を起こす気だと東條も判断し、タイガの変身を解く。
戦闘中における変身の解除は、別の変身を意味することを木場との戦いで既に学んでいる。
ならば切り札を使い終えたタイガよりは、万全の状態で戦えるもう一つの力――ガイへの変身を行使するべきと東條も判断したのだ。
「擦れて背中が熱いなぁ……へぇ、君も別の仮面ライダーになれるんだ」
北崎がバイクのデイパックから黄金のベルトを取り出す。
同じバイクのミラーへと東條がデッキを翳し、再度バックルを装着する。
手にしたベルト――オーガギアを、北崎も合わせる様に装備。オーガフォンを展開する。
――自分より強い存在が「0」であることを証明する為に。
――自分以外の参加者を「0」にする為に。
――それらの思いを束ねもう一度「0」のコードを入力し。
「試してあげるよ……変身」
「変身!!」
重なる二つの言葉は、再び幕が上がったことを示していた。
支援
◆
オルフェノクへの変身を解いた海堂は動転していた。突如出現した怪人が、オルフェノクを引き摺っていって。
どうすれば良いのかは判断しかねていたが、確かだと言えるのは「あのオルフェノクを放置してはいけない」ということ。
激戦の中床に佇んだままのデッキが視界に入る。
『それをそこに翳して使えば、仮面ライダーになれるんだ』
北崎の言葉を思い出す。やはり使う気にはならない。もう一度オルフェノクに――
「っておい、どういうこっちゃ」
――変身することはできなかった。もう一度力を込めるが、やはり結果は変わらない。
『戦ったばかりじゃ力が出せないでしょ?』
ようやく気付く。「一度変身を解いたら、すぐには変身できない」と。
かといって放置もしておけないのが海堂。デッキを掴み、すぐに走りだした。
去り際に目を覚まさない木場に目をやる。あれだけの攻撃を受けたのだ、気絶は当然の結果だろう。
「お前には助けてもらったからな……木場。 ……いいぜ、今回だけは使ってやる」
変身を終えたばかりの二人のライダーが海堂の出現に気付き、視線を浴びせ掛ける。
二人のライダーが勝敗を決した時、勝者は再びこちらを襲ってくるだろう。
ならばどうするか――――簡単だ、二人纏めて倒せば良い。
「仮面ライダーの、力って奴をよぉ!!!!」
非道なライダー達を必ずここで討つ。決意と共に、海堂はデッキを握り締めた。
【G-5 北東部 ショッピングセンター前】【午前】
【海堂直也@仮面ライダー555】
【時間軸】: 34話前後
[状態] :体の各部に中程度の打撲。激しい怒り、2時間変身不可(スネークオルフェノク)
[装備] :カードデッキ(ゾルダ)
[道具]:無し。
[思考・状況]
基本行動方針:「仮面ライダー」を許さない。
1:二人の仮面ライダー(オーガ、ガイ)を倒す。
2:赤と緑のライダー(アマゾン、歌舞鬼)の危険性を伝える。
3:まだ対主催。
※ 澤田の顔はわかりますが名前は知りません。また、真魚の顔は見ていません。
※ モグラ獣人の墓にはガーベラの種が植えられています。
※ 第一回放送は知っている名前がモグラのみ、ということしか頭に入っていません。
※ 変身制限について知りました。
【北崎@仮面ライダー555】
[時間軸]:不明。少なくとも死亡後では無い。
[状態]:全身に疲労。頭部、腹部にダメージ。背部に痛み。オーガに変身中。ドラゴンオルフェノクに2時間変身不可。
[装備]: カワサキのZZR−250、オーガギア
[道具]:基本支給品一式、不明支給品(0〜1個)
[思考・状況]
基本行動方針:殺し合いを楽しんだ上での優勝。
1:ガイとの戦いでオーガギアを試す。
2:五代雄介、「仮面ライダー」なる者に興味。
3:桜井侑斗、香川英行とはまた闘いたい。
4:ゾル大佐、橘朔也と会ったら今度はきっちり決着をつけ、揺ぎ無い勝利を手にする。
5:「仮面ライダー」への変身ツールを集めたい。
6:木場勇治はどうせだから自分で倒したい。
※変身回数、時間の制限に気づきましたが詳細な事は知りません。
※桐矢京介を桜井侑斗と同一人物と見なしています。
※三田村晴彦の生死に興味を持っていません。
【東條悟@仮面ライダー龍騎】
【時間軸】:44話終了後
[状態]:中程度のダメージ。疲労中程度。2時間変身不可(タイガ)、ガイに変身中
[装備]:カードデッキ(タイガ、ガイ)、「凱火」(Valkyrie Rune)
[道具]:基本支給品×2、特殊支給品(未確認)、サバイブ烈火@仮面ライダー龍騎、芝浦の首輪
[思考・状況]
基本行動方針:全員殺して勝ち残り、名実共に英雄となる
1:『ある程度の力を持つ参加者を一人でも多く間引く』
2:できれば最後の仕上げは先生(香川)にしたい
3:殺した奴の首輪をコレクションするのも面白い。積極的に外す 。
4:木場(名前は知らない)に自分が英雄であることを知らしめる為、自らの手で闘って殺す。
備考
※東條はまだ芝浦の特殊支給品(サバイブ烈火)を確認していません
【G-5 北東部 ショッピングセンター内】【午前】
【木場勇治@仮面ライダー555】
【時間軸:39話・巧捜索前】
[状態]:気絶中。全身に中程度の打撲。他人への僅かな不信感。全身に疲労大、背中等に軽い火傷。二時間変身不可(ファイズ)
[装備]:ファイズギア
[道具]:なし
[思考・状況]
基本行動方針:主催者及びスマートブレインの打倒、脱出
1:海堂が心配だ。
2:長田、加賀美の捜索
3:首輪の解除
4:死神博士、ゴルゴス、牙王、東條(名前は知らない)に警戒 。影山はできれば助けたい。
5:事情を知らない者の前ではできるだけオルフェノク化を使いたくない
※備考
※第一回放送を聞き逃しています。
※付近の海堂のデイパック[基本支給品、ゼロノスカード(赤)×3、ディスクアニマル(ニビイロヘビ)、戦国時代のディスクアニマル(イワベニシシ)]が放置されています。
※気絶中につき、思考・状況は気絶寸前のものです。
※東條の乱入をまだ知りません。
投下終了です。
支援してくださった方々、代理投下の方に感謝します。
----
以上、代理投下終了です
投下&代理投下乙です!
うおおおっ、オルフェノク入り乱れの戦闘に東條が乱入!!
息もつかせぬハイテンションバトルに釘づけになりました!
北崎、圧倒的な強さの上に今回初お目見えのオーガと怖いったらないぜ!
執念の東條、海堂との戦いの行方が気になりまくりです!GJ!!
投下&代理投下乙です!
戦闘描写が細かくかつイメージしやすいものでとても良かったと思います!
木場と海堂のコンビはやっぱりいいですね……北崎がオーガへ変身する時の描写も印象深い。
そしてガイ、オーガ、ゾルダの乱戦を示唆した引き……思わず期待せずにはいられません!
GJ!!
投下、代理投下ともに乙です。
混戦バトルが面白かった。
オーガへの変身もはらはらさせました。
GJ!
北崎VS東條の池沼ライダーバトルに参加できないダグバ涙目
投下、代理投下共に乙でございます。
更なる大混戦の幕開けを感じさせる引きに期待せざるを得ない!
◆N4mOHcAfck氏乙でした。
今の所無傷なファイズ勢5人中3人のガチバトルにヤバい子が……!
どう転がるかわからない幕切れにハラハラです。
ええと、こちらなのですが今日中はちょっとキツい感じなので延長をお願いします。
>>864 了解です!
楽しみにお待ちしております。
866 :
名無しより愛をこめて:2008/07/06(日) 02:04:47 ID:rwtWnSiUO
>>863 執筆がんばってください
しかし貴重な首輪解除役を仮想現実にされたりステルス候補ズガンされたり
尻拭い本当にご苦労さまです
先日はご迷惑をおかけしました。
死神博士、影山瞬、風間大介、城戸真司予約します。
思ったより早く上がったので死神博士、影山瞬、風間大介、城戸真司を投下します。
「行ってしまったか…」
朝日を反射させて輝きながら走り去っていく電車を死神博士と影山はただただ眺めていた。
「これでこの電車はもう使えんな…」
午前7時。線路の通るエリアが1つ禁止エリアとなってしまった。死神博士は再び地図に目を通すが、駅に関する記述はどこにも見当たらない。事実、彼らが駅を見つけられずに電車に乗りはぐったのはそのためだ。
「さて…どうしたものか…」
死神博士は考え倦ねる。駅の場所が分からない以上、この路線で北上するのは危険だ。禁止エリアに突入する前に安全に電車から降りられる保証はない。
「あの〜、死神博士。ちょっと宜しいでしょうか…?」
自信なさげに、それでいて甘い声を絞り出す影山。彼が自分よりも上に位置する人物と接するときはいつもこうだ。最も本心から目上の者を尊敬することもあまりないのかもしれないが。
「何だ…影山?」
「電車が使えなくなったのでしたら、徒歩で移動出来る距離にある施設に向かいませんか?」
影山は死神博士の見る地図上の放送局と病院を指で差し示す。
「特に…病院なんて…どうでしょうか? 治療器具は闘いに必要かと…」
影山の態度に死神博士はすぐに意図を察する。
「そうか。背中の傷が痛むか?」
図星を突かれた影山は一瞬たじろぐが、またすぐに平静を装って話し始める。
「…いや、そんなことは…ただ少しでも死神博士のお役に立ちたいだけでして…」
「もういい…確かに一緒に行動する以上、お前の治療もしておいた方が良い。病院へ向かうとするか」
「はい! ありがとうございます!!」
高く上り始めた日の光が彼らを照らした。都市部を探索するために別行動をとった"城戸真司"、"風間大介"。仲間との合流を願いつつ、彼らは都市部へと南下していた。
「そろそろ病院に着きますね」
そう語る大介は、出来れば都市部を探索した後、合流地点である病院へ向かうつもりであった。しかし、南下の途中で特に寄る必要性のある場所も見つけられず、予想よりも早く目的地へ到着する結果となった。
「城戸さん…」
大介は黙ってドレイクグリップを構え、城戸に見せる。
「…分かりました」
城戸もその意を汲み取った。病院に待ち受ける者が必ずしも友好的とは限らない。二人はそれぞれの変身ツールを用意して病院へと近づいていった。
「…っ!」
「やはり痛むか…?」
「いや! 大丈夫です! ありがとうございます!!」
病院の一室。影山の背中を治療しながら死神博士は影山から話を聞き出していた。人類に襲いかかる怪物"ワーム"。それに対抗する組織"ZECT"。そしてワームに対抗する手段"マスクドライダーシステム"。
"マスクドライダー"、すなわち"仮面ライダー"。自分の知るライダーとは人体に改造を施す必要性がないという点で大きく異なった。
(これならば一般戦闘員ですら強大な力を得られる。マスクドライダーシステム…是非ともショッカーに加えたい技術だ!)
そのとき、博士達のいる病室の扉が開いた。
「何者だ!」
鋭い鎌を構えた死神博士に訪問者達は優しく語りかける。
「待ってください! 俺達は闘うつもりはありません!」
「あなた方は…影山!?」
「…風間か!?」
「それでは…あなた方はこの殺し合いには乗っていないんですね」
死神博士、影山に風間と城戸も加わり、情報交換を進めていく。といっても、死神博士だけは言葉巧みに自分のことは語らずに話を聞き出しているだけなのだが。
そんな彼らの周りを蜂と蜻蛉が飛び回っている。
「ああ、勿論だ。今は対抗する力と情報を集めているところだ。なぁ、影山?」
「は、はい! そうです!」
「じゃあ、二人とも俺達と一緒に行動しましょう! もうじき響鬼さん達も来るはずだし」
「ほう…まだ仲間がいるのか。それは頼もしい」
死神博士は考える。自分の知らない仮面ライダー達。彼らが自分の真の目的を知れば敵対することになるかもしれない。だが、ゼクターやカードデッキという未知のライダーシステムに強い興味を持った。影山は思っていた以上に自分に従順で彼からボロが出ることはなさそうだ。
(今暫くは…正義の味方に付き合ってみるのも悪くはないか…)
だが、博士は知らない。彼らの仲間に"もう一人の一文字"がいることを。
一方、大介も考えていた。影山は確かに信用出来る人物ではない。だが、今この場では事を荒立てるべきでもない。
(今暫くは…様子を見るか…)
城戸は新たな仲間との出会いを素直に喜び、影山は城戸のデッキと風間のハイパーゼクターが気になっているようだ。
あまりにちぐはぐな仲間達の未来は如何に…………
【死神博士@仮面ライダー(初代)】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:G-4 病院】
【時間軸】:一号に勝利後。
【状態】:若干疲労、擦り傷程度の傷多数
【装備】:鞭
【道具】:基本支給品一式、デスイマジンの鎌@仮面ライダー電王
【思考・状況】
基本行動方針:打倒本郷、及び一文字。この殺し合いをショッカーの実験場と化す。
1:影山を利用して戦いを有利に進める。
2:仮面ライダーを倒す、牙王とゴルゴスも倒す。
3:ゾル大佐?そいつは後回しでいい!
4:首輪を外す方法を研究する。その為にも研究施設へ向かう。
5:未知のライダーシステムの技術を可能な限り把握する。
6:影山をショッカーライダーとして導く……?
7:利用できそうな人物を集める、障害となりうるのであらば排除。
※一文字隼人(R)の事を一文字隼人(O)だとは信じていません。
また、第一回放送で呼ばれた一文字隼人(O)は一文字隼人(R)だと思っています。
※流れ星は一戦闘に六発まで使用可、威力はバイクがあれば割と余裕に回避できる程度。
尚、キック殺しは問題なく使えます。
※変身解除の原因が、何らかの抑止力からではないかと推測しています。
※風間と城戸の所持品、カブト世界、 龍騎世界について把握しました。
【影山瞬@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:G-4 病院】
【時間軸:33話・天道司令官就任後】
【状態】:全身に若干の疲労。背中に軽い裂傷。
【装備】:ザビーゼクター、ブレス
【道具】:支給品一式×2、ラウズカード(◆J)、不明支給品0〜2(確認済)
【思考・状況】
基本行動方針:生き残り、脱出する。
1:取り敢えず死神博士に協力する。
2:天道総司を倒した参加者、牙王は自分の手で倒す。
3:自分に使用可能な武器・変身ツールの確保。
4:木場とは出来れば会いたくない……。
5:仲間を集める。
※午前1時過ぎの時点でG-2のガソリンスタンドに乗り物はありませんでした。
※不明支給品は彼に戦力として見なされていません。
※風間と城戸の所持品、龍騎世界について把握しました。
【風間大介@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地G-4 病院】
[時間軸]:ゴンと別れた後
[状態]:鼻痛(鼻血は止まっています)
[装備]:ドレイクグリップ、ドレイクゼクター
[道具]:支給品一式、オロナミンC2本(ぬるめ)、ハイパーゼクター
【思考・状況】
基本行動方針:戦いはなるべく回避し、できるだけ早く脱出する。
1:都市部の探索。仲間との合流。
2:協力者を集める(女性優先)
3:謎のゼクターについて調べる。
4:あすかがどうなったのか心配。
5:移動車両を探す。
6:影山瞬に気をつける
※ハイパーゼクターはジョウント移動及び飛行が不可能になっています。マニュアルはありません。
※変身制限に疑問を持っています。
【城戸真司@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:午前】
【現在地:G-4 病院】
[時間軸]:劇場版、レイドラグーンへの特攻直前
[状態]:全身に軽度の痛み、芝浦の死に悲しみ
[装備]:カードデッキ(龍騎)
[道具]:支給品一式
【思考・状況】
基本行動方針:早期に殺し合いを止めた上でのスマートブレイン打倒
1:仲間を集めて主催者打倒 。
2:金色の仮面ライダー(グレイブ)に注意する。茶髪の男?まさか…?
3:本郷ともできれば再度合流したい。
4:志村の後を追い、長田結花との合流を目指すついでに話を紐解く。
5:手塚に似てるなぁー。
[備考]
※不信感を多少持ちましたが、志村をまだ信用しています。
※名簿に手塚、芝浦、東條、香川の名前がある事から、スマートブレインが死者蘇生の技術を持っていると考えています。
※連続変身出来なかった事に疑問を感じています。
※志村について話していません。
※カブト世界について把握しました。
[共通備考]
※死神博士を除く三人は互いに所持品、行動方針、出身世界程度の情報交換をしました。
以上で投下を終わります。
投下乙。
まさかこの四人が集まるとはw
死神博士が黒いが、どう動くのか。
一文字との再会がどう影響するのか。でも影山はしょせん影(ry
今後が気になる展開でした。GJ!
投下乙です!
影山が影山らしくてGJでした。
影山がいるんで風間のパーゼクの存在がどうでるか楽しみですね。
今後が気になります!
いつもながら速筆乙です。
先行き不安なチームの誕生ですね。一文字、ハナ、ヒビキが合流したらどうなることやら。
>>857 GJ!
海堂対北崎の本気バトルに震えました。愚痴りながらもゾルダをとった海堂に男気を見た……っ!
木場の葛藤に、二人の邂逅と仮面ライダーとしての疑心。あと北崎無双。
最後に乱入した東條相手に、ついにオーガきたああああああ!!
そして一人眠る木場……と続きが気になる引きでした。というわけで、
海堂直也、北崎、東條悟、木場勇治、金居、桜井侑斗、香川英行、風のエル予約します。
>>877 こちらもGJ!
まさかこの二組がくっつくなんて……影山は本当に影山だなぁwww
一文字との因縁も楽しみで、博士がなんか一人で輝いてるw
集結とそれに対する波乱の予感……後が楽しみです。
>>877 投下乙です!というかなんというちぐはぐな面々…
死神博士の渋さが一段と輝きそうな気がするw
志村純一、手塚海之、日高仁志、ン・ダグバ・ゼバ 予約します
>>877 投下乙です。なんてこったい……w
こちらもただ今より投下します。
Ring a-ring o’roses,
A pocketful of posies;
ashes! ashes!
we all fall down.
*
黒いテーブルとステンレス製のシンク、壁際の棚に並ぶガラス製の実験器具。ここが何か科学的な研究をしている場所であることは間違いない。正直な所、北條にとってはどちらかと言えば鬼門に近い環境である。
それでも情報を集めるだけ集めれば、ある程度糸口が見えて来るだろう。一度糸口を掴んだら、それを客観的に分析して行くことで必ず答えにたどり着けるはずだ。
孤高の瞳で自分を見据える男を引き連れて、北條は建物を一巡りした。可能な限りの手がかりを探すためだ。本当は連れの男にお前の首輪を見せろと言ってやりたい所だが、生憎冗談が通じる相手とも思えない。
三階の通路の突き当たり、関係者以外立ち入り禁止と書かれた部屋の奥からは低いモーターの唸りが聞こえて来る。北條はノブに手をかけて試してみたが、どうやら鍵がかかっているらしく一向に開かない。
「退きたまえ」
尊大な言葉に方をすくめつつ場所をあけると、乃木がゆっくりと扉に歩み寄った。
次の瞬間、扉が弾け飛ぶ。
乃木が扉を蹴破ったのだと理解したのは、彼がゆっくりと脚を下ろすのが見えたからだった。
やけに広い部屋の中は複数のモーターが回り続けるむずがゆい音に満たされていた。室温が外より高く感じるのは、おそらく電子機器の発熱のせいだろう。一面の壁を覆う棚には、隙間なくケージが並べられている。モーターは、そのケージの一つ一つにつけられているらしい。
手前の方のケージは空で、藁の回りに乾いた木の葉と砂が敷き詰められている。手前のカードに日付けが二つ書き込まれているところを見ると、中に入れられていた実験動物は後者の日に死んだのだろう。
奥に進むほどに、実験動物の生存期間は長くなっている。ここで行われていた研究が何らかの成果を生んでいた証拠だ。
黒い天板の傷にまで汚れのしみ込んだ中央の作業台には液体窒素のボンベが備え付けられ、不穏な雰囲気を漂わせている。それらはただ単に、実験動物から摘出した組織片を瞬間凍結するための道具に過ぎないのだが、それがわかった所で気休めになるものでもなかったろう。
向うの方で何かが鳴く甲高い声が聞こえ、北條がそちらを振り返る。棚の一番隅のほうで、モーターの駆動音に埋もれて何かが乾いた雑音を立てていた。
足を早めて近づくと、そこにいた生き物が怯えたのか、乾いた音が聞こえなくなる。だが迷うことはなかった。棚一つ、まるまる中身の残っている場所がすぐに見つかったからだ。
乃木がわざとらしく杖で棚を叩いた。その振動で、眠っていたように見えた鼠の身体がいくつか、粉々に崩れ落ちる。
どこかで見た現象だ。
それでもいまだ形を残し、所在なげにケージの隅で床を引っ掻いているモルモットが三匹ほどいる。
ケージのふたを開けてみると、げっ歯類独特の臭いに混じって独特のほのかにバラの香りがした。敷き詰められている木の葉と思っていたものは、花びらだったのかも知れない。
掴もうと延ばした北條の手を丸くなって避けると、モルモットは蓋の隙間から素早く逃げ出した。追いかける暇もない。不運な小動物は捕食者の毒牙を逃れ、弾けるような早さで棚の裏へと姿を消した。
* * *
厳しい目で窓の外を伺う城光の腹が、遠慮がちに鳴る。やはりおつまみ程度では腹の足しにもならなかったのだろう。
「あとでカレーでも作りましょうか」
嫌みでも社交辞令でもない,純粋な笑顔を浮かべて五代が問う。
苦悩など微塵も感じさせないこの表情に騙される者は多い。勝手に誤解したあげく、苛立ちを抱く者もいる。だがこの表情は、決して彼が痛みを感じないなどということを意味するわけではない。
どれほどの痛みに打ちのめされても、守るべき誰かの笑顔を胸に抱いて行きてゆける強さを現しているに過ぎない。
その笑顔が陰ったときこそ、彼が戦士クウガとして得た力に敗北するときだろう。
「勝手にしろ」
無愛想に切り捨てる光の言葉に、五代は更に笑顔を輝かせた。
「じゃあここの台所、ちょっと見てきますね。たまねぎあるかな……」
「たまねぎだと!私を殺す気か!」
一瞬前とは真逆の熱烈さで、光が噛み付く。
「あ、ひょっとして、野菜が苦手、とか……おにぎりのほうがいいですか」
「もっとまともな食いものはないのか?ステーキとか」
「ステーキカレー?」
「まずカレーから離れろ!肉だけでいい!」
文句こそつけているが、食べる気はまんまんらしい。五代は小さく吹き出すと,口元を押さえて台所へと消えた。
それを見送った光が、仏頂面のまま玄関へと歩み寄る。細い隙間を開けて覗く扉の外には、一台のバイクが止められていた。
どうにか使いこなす方法は覚えた、程度の技術であの場を逃れられたのは、単に相手が見逃してくれたからに過ぎない。屈辱的だが肯んずるほかない事実だ。
先にバイクであの場を逃れたイブキは、例のバイクを「自分のもの」と言っていた。ならば逃れる途中で大うつけをやらかすこともないだろう。後は、どうやって彼らを見つけ出すか、だが……。
玄関に生けられた花は萎れ、花びらも茶色くくすんで元の色は伺い知れない。ただ、ほのかに甘い香りが残っていることで、その花の美しさも漠然と想像がつく。
美しい花には毒がある。カテゴリー・クイーンのアンデッドである彼女は、そのことを誰よりよく知る身だったが。
奥でフライパンかなにかが落ちる明るい音が響く。光は肩をすくめて片足を玄関の扉に押し当てた。
靴底の形が、白い灰のようなものでくっきりと扉の上に刻まれる。
* * *
拳で弱々しく扉を叩き続けるような音が、いつまでもいつまでも当たりに響いている。
*
制服が濡れたまま、身体は冷えてゆくのに拳の痛みだけが鋭く差し込んでくる。骨の脆い折り畳み傘は、激しい風の一吹きでひしゃげたまま何処かへ飛んで行ってしまった。稲妻の閃きに身を縮めた次の瞬間、再び夜の暗い闇と残酷な雨の音が辺りを閉ざした。
カーテンの隙間から漏れるほのかな明かりは目の前にあるのに、手が届かない。
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…………。
許されないことを知りながら、少女はひたすらに扉を叩き続ける。それが開かれることを望んでいるのではない。ただ、ほかにどうすればいいかわからなかった。帰る場所も、自分を待っている人も、どこにもありはしない。
許されることも、受け入れられることも、守られることもない。その事実を知りながらも、彼女は憑かれたように扉を叩き続けた。水を吸って重くなった制服が胸にのしかかり、締め付ける。
ここを離れたら、私はもう消えるしかない。定められた絶望を受け入れるしかないのだから。
*
はっと目を覚ますと、肩からずり落ちた毛布が胸元で重なっているのが目に入った。
息苦しく感じたのはこのせいだろう。考える前にそれを肩まで引き上げて、結花はふと辺りに視線を巡らせた。
自分は見たことのない部屋のソファに横になっている。閉め切られた雨戸のほんの僅かな隙間からは、微かに光が流れ込んでいた。
何か小刻みに叩く音が聞こえて来る方向を振り返ると、そちらからも明かりが漏れている。誰かが動いているのか、床に影がちらついていた。
毛布をその場に置き、足音を潜めてそちらに近づく。
中を覗き込もうとした途端、ちょうど両手に鍋を持ったイブキと鉢合わせになる。
「おはよう」
「あ、はい……おはようございます」
「お茶碗とって来てもらっていいかな」
何か言われると逆らえないのは、対人恐怖症の気すらある彼女の難点と言っていいかも知れない。台所に滑り込むと、食器棚を開けた。シンクの上にまな板と包丁がそのままにされているのが気になって思わず手を伸ばしてしまう。
洗い桶を逆さにし、茶碗と箸を持って部屋に戻ると、イブキは雨戸を開けている所だった。
先ほどは暗くてそこまで気づかなかったが、部屋の中央にはテーブルがあり、無造作に鍋が置かれている。イブキは窓を閉めて席につくと、結花の手から茶碗を受け取った。
炊飯器があるのになぜか鍋で焚いたご飯。具がやけに小さいけんちん汁。皮の一カ所だけが黒く焦げたソーセージ。これだけ見ると単に稚拙にしか見えないが、イブキの料理の腕は主にキャンプで鍛えられたものだと知っていればそれなりに納得は行くだろう。
彼は茶碗に銀シャリを山と盛ると、それを結花の前に置いた。ついでにけんちん汁もどんぶりにたっぷりよそる。およそ女子高生には多過ぎる量だ。
「いただきます」
ご丁寧に手を合わせ、イブキが箸に手を伸ばす。黙々と半分ほど食べてようやく、結花が手を付けていないことに気づく。
「食べた方がいいよ」
簡単にそう言って、あさつきを散らしたどんぶりを押す。その手首の辺りは、赤く腫れ上がっていた。
「あの……痛くないですか」
「痛いよ」
にっこり。切れた口元に血をにじませたまま,イブキはお手本じみた笑顔を作る。
「大丈夫ですか」
「慣れてるしね。これが仕事だから」
そう言いながらも疲れか痛みか、僅かに頬が引きつっているのは致し方ないことだろう。だが結花にとっては重荷だった。自分の存在にはなんの意味も価値もない、そう言われているように感じて俯く。
「ごめんなさい」
ぽつりと呟くその声に、イブキが箸を止めた。
「ごめんなさい……私、何もできなくて」
許されない、と思いながらもそう口走る。
口走るからには、心の何処かに『許されたい』と言う気持ちがあるのは間違いない。幾度その気持ちを裏切られ、突き離されてきたことか。それでも諦めきれないのが彼女の一番の弱さだった。
鞭打たれることをむしろ期待すらしながら唇を噛む少女に向かい、イブキは不思議そうに首を傾げる。
「なんで謝るの?」
「だって、私……ぜんぜん、力になれなくて。迷惑ばかりかけて……」
「戦いたくなければ、戦わなくていいんだよ」
イブキは当然のようにそう言うと、けんちん汁の中身を箸ですくった。
「君みたいに、戦えない人たちを守るのが、僕たち『鬼』の仕事だよ。だから、任せてくれればいい。いまはまず、朝ご飯を食べるといいよ」
当たり前の事を、当たり前のように、当たり前の口調で答えるイブキ。その当たり前の事こそが、結花には最も縁遠いものだった。嬉しさよりも困惑が先に立ち、そのまま顔を伏せて泣いてしまう。
なぜそうなるのか、イブキには皆目見当がつかない。もともと宗家の人間として、ちやほやとまではいかないがそれなりの好意と尊敬に囲まれて育った彼からしてみれば、周囲の人間を信頼出来ないということ自体が想像を絶する。
先ほど対峙した男が口にした言葉が、ふと青年の胸をよぎった。
少女を不安にさせるのは、彼女自身が抱く影なのだろうか。それがどのようなものなのか、訊ねるのは酷だろう。それで問題が解決するとも思えない。
少なくともいま彼の目に映るのは、何かに怯える少女の姿、それだけだ。
自分は響鬼ほど強くない。斬鬼ほど達観しているわけでもない。どれほど不安でも、宗家の鬼として戦わざるを得ない星の元に生まれた以上は戦うしか、弱い者を守り続けるしかなかった。
弱い者。それが人であろうとも、そうでないとしても。誰かを守ることが自分の使命なら、それを果たすことでしか自分は生きていけないだろう。
迷いはある。恐れもある。だが迷いや恐れを抱いて立ち向かえるほど、戦いは甘いものではないと知っている。
だから今は彼女の正体に関する疑問はさておき、彼女を守ることが自分のなすべきことと心に刻む。この見込みが誤りならば、改めて『彼女から』弱い者を守るしかない。
イブキはまだ湯気の立つどんぶりを結花のほうに押しやった。
* * *
人気のない郊外を、ゴ・バダー・バは疾走する。その道のりは先ほど風見志郎が駆けたものと似通っているが、目的は異なっていた。
彼が目的とするのは場所ではなく、物だ。
地図に記された研究所の辺りを確かめてみるが、そこにバイクの影はない。
こうまで『ハズレ』が繰り返されると、さすがに苛立ってくる。もともとリントの数は東京より遥かに少ないのだ。この調子ではどれだけ獲物がいることか。
まあ、いざとなれば最初の放送で映っていたバイクの集団を狙えばいい。この会場全体を警護しているならばそれなりの数はいるだろう。少なくとも、ゲゲルの完遂に十分と言えるほどの数は……。
地図を片手に次の行き先を決めようと周囲を見渡したバダーの視線が、道路の上で止まる。
アスファルトに刻まれた、真新しい黒い轍。それが二筋、南へと続いている。
この場を逃れようとした者がつけた痕だが、そんな瑣末事など彼には関わりのないことだ。ただ獲物がいる、そのことだけを頭に轍を追い始める。
所々の角に残る黒いしるしは、逃亡者がいかに急いでいたかーーーーそして、いかに運転技術に精通していたかを物語っている。それらを手がかりに、バダーは乗り手の足取りを追った。
畦道の傍らには何かが刈り取られた畑が一面に広がり、シートを外されたビニールハウスの枠が朝の風に晒されて心もとなく立ち尽くしている。閑散とした風景の中、バダーは黙々とバイクを走らせる。それは狩人が……むしろ猟犬が獲物を追いつめる光景に似ている。
*
彼らの側を一人の戦士がかすめて行ったことなどつゆ知らず、北條と乃木はロビーに戻って来た。
北條の手には、ラットの飼育室から持ち帰って来た一冊のファイルがある。彼はそれを手にしたまま、壁に貼られた全島図を指でなぞった。
「この地図を見る限りでは、この島の住人は十二万七千余名、およそ十三万人です」
観光用なのか、所々にイラストや説明書きのちりばめられた地図は、人気ない建物の中でどこか物寂しく映る。北條はいたたまれなくなったかのようにそれから視線をそらし、乃木を振り返った。
「彼らは、どこに行ったのだと思いますか?」
「知らないな。私にはどうでも良いことだ」
すげなくあしらった乃木が、何かを聞きつけて眉を動かす。
「私は、彼らが皆殺されたのだと思います。スマートブレインという会社に」
北條はファイルを側のテーブルに置いて軽く繰った。そこにラットのケージの写真が何枚も並べられている。ケージの底に敷き詰められいるのは、なにかーーーー青いものだ。
「面白い」
乃木は呟くと、床に転がったの鉛筆を手に取った。ダーツのようにそれを鋭く放つと、甲高い鳴き声が上がる。
乃木がゆっくりと歩み寄り、鉛筆の突き刺さった鼠の死体を拾い上げる。
「実に面白い。狂気の沙汰だ」
喉を鳴らして笑う乃木の手の中で、小さな骸は少しずつ灰と化して崩れてゆく。
* * *
おそるおそる朝食に手を付け始めた結花をそのままに、イブキは荷物を確かめ始める。
自分が拾って来たのは本来自分に支給されたデイパックではなかったようだ。その中に入っていたものの一つに、彼は目を留める。
アサギワシ。使い慣れた青いディスクアニマルがそこにあった。
鬼の修行を積んだ者でなければ容易には扱えないこれが他人のーーーー北條の所持品に含まれていたことに驚くと同時に、自分の手元に回って来た幸運に感謝する。
式神は力でこそ鬼に及ばないが、使いこなせば大きな戦力になる。変身に制限が加えられている現状では心強い味方だ。
彼はアサギワシをベルトに吊るし、デイパックを閉じた。
振り返ると、結花が少しずつではあるが箸を動かしているのが見えた。少しは気持ちが落ち着いたのだろうか。やや安心しながら、イブキはあまり刺激しないように視線をそらすと、窓の外を眺めた。
庭は白い砂かなにかに覆われ、朝陽をまぶしく照り返していた。並んだ素焼きの鉢に寄せ植えされた花々は、水涸れしてか色鮮やかなままに萎れている。その中で、枝葉を残したまま首の部分だけが落とされている株があった。
余りに不自然なその立ち姿に疑問を抱いた時、不意に軽やかなチャイムが鳴った。
何の音なのか理解するまでにひと呼吸ほど。あれ、と思った瞬間に再びチャイムが鳴る。窓を少し開けると、ブロック塀の向うからバイクのアイドリング音が聞こえて来た。
すぐに玄関に回って靴を履いたイブキは、壁越しに甲高い悲鳴を聞いて慌てて外に飛び出した。
玄関の木戸が空き、誰かがバイクを外に止めたまま庭に入り込んでいる。それは彼が期待した人物ーー城光ーーではなく、土気色の肌に蒼ざめた唇を宿す男だった。
襟元の赤いマフラーが、朝の風に揺れる。
「君は……?」
声をかけると、男がこちらを振り返る。
鋭い視線だけでも、男が戦いを望んでいることが見て取れた。その気配に一瞬たじろいだイブキに向かい、相手はゆっくりと指を挙げる。
「おまえのものか」
青年は振り返り、その指が彼のバイクを示していることを確認した。
「そうですが、何か」
彼の言葉に相手はにやりと笑った。
「乗れ」
短く言い捨てて、外へと出てゆく。
イブキは狐につままれた様子で、それでもバイクに歩み寄った。外の道路では、男がひときわ高らかにアクセルを吹かして彼を誘う。
窓からおそるおそる顔をのぞかせた結花が、怯えた表情でこちらを見つめている。イブキは柔らかな笑顔でそれに答えると、竜巻のエンジンをかけた。
*
信号が赤く灯をともす交差点にバイクを止めた男が二人。それを見守るのは春の空に流れる雲と、天に祈るがごと大きく枝を広げたニレの樹のみ。
信号が青に変わった瞬間、二台のバイクが走り出す。
バダーは相手をあえて先行させると、一旦距離を置いた背後から一気に加速して迫った。ミラーに映る車影でそれと感づいたイブキが素早くコースを変え、高速のアタックをやり過ごす。
最初の一手を空ぶったバダーは、すぐにターンして竜巻へと突進して行った。が、攻撃態勢を整えるよりはやく、イブキは速度を上げてバダーとすれ違う。逆に背後を取られた格好のバダーは、ひとまず距離を広げて時間を稼いだ。
あらためて車首を巡らせ、相手を睨む。
今一度、交差点を挟んで二台のバイクが対峙した。
相手が自分の知るような存在ではないことを、イブキははっきりと理解した。
グロンギの中でも上位のゴ集団に位置するバダーは、魔化魍のように本能の赴くまま人を襲うわけではない。己と己が狩るバイクの性能を見定めた上で標的を狙う、計算高い狩人だ。
相手がただのリントではないことを、バダーもまた理解する。
おっとりとしたボンボンに見えるが、イブキはバイクに関してはかなりのマニアだった。弟子を取った都合で乗り換えたときですら古い愛車の面影を追って改造を施すほどのこだわりを持ち、ただの足としてのみならず戦いの道具としてバイクを乗りこなして来た。
バダーが脅威のライダーだとすれば、イブキは静かなるライダーと言えるだろうか。
数度の交錯を経て、バダーとイブキは互いの腕と意図とを理解した。相手を侮ることは敗北、即ち死を意味する。
バダーはゆっくりと腕を持ち上げた。
*
ようやく追いついた結花が、目の前の光景に愕然とする。
赤いマフラーを靡かせた怪人に睨み据えられたイブキは、黒く汚れた口元を引きつらせている。その手には音撃管があるが、変身はできないのだ。
このままでは、イブキが殺される。
その確信に、彼女は身を振るわせた。
イブキが死ぬということ、次は自分が襲われるであろうということ、そして木場や海堂もいずれは狙われるであろうと言うこと。どこまでの予測が彼女を不安にさせたのかはわからない。それでも、このままでは最悪の未来が待っていると言う警告は明確に意識を揺さぶった。
ぐっと拳を握りしめ、唇を噛む。怒りと憎しみに身を任せようとしたとき、先刻イブキが口にした言葉が脳裏をよぎった。
ーーーー戦いたくなければ、戦わなくていいんだよ。
その優しさに甘えたい、という感情と同時に、自分が怪物であることを知られたくない、という気持ちが胸を支配する。
彼女は荷物からトランシーバーを取り出し、スイッチを入れた。誰に聞かれるかなど考えもせず、必死に叫ぶ。
「誰か、来てください。助けて……!」
* * *
危険こそ犯さないとはいえかなりのスピードでバイクを飛ばす五代に、光の顔が若干ひきつっている。サイドミラーに映る姿でそれと気づくと、五代は明るく言った。
「恐かったらもっとしっかり捕まっていいんですよ」
「……なんだと?」
光が低く呻く。五代は片手で、自分の腰の上に乗った光の腕を叩いた。
「ほら、ここんとこ。もっと、ぎゅっとね」
「ふ、ふざけるな……!」
馬鹿にされたと思ったのか、光はついと顔を背けた。その割に腕には力が入っている辺り、やはり恐いのか。
くすりとしつつ、もう少し速度を上げようとした五代の耳に、甲高い雑音が届く。
「おい、ちょっと停めろ」
光の低い求めに、五代が慌てて従う。
デイパックの口からこぼれ落ちたトランシーバーは、助けを求めるように赤いランプを明滅させていた。
「結花か。どうした、今どこにいる」
訊ねる光の脇で、五代も耳をそばだてる。GPSを使って現在位置を確認させる間も、結花は恐怖を紛らわせようとでもいうように、今の状況をしゃべり続ける。
おおよその場所を把握して交信を切り上げると、五代は改めてハンドルを握る手に力を込めた。
「つかまってください!」
彼の言葉に光が頷き、荷物を背負って腰に手を回す。その感触を確かめると、五代は再び鉄の馬に拍車をくれた。
赤いマフラーを靡かせ、バイクを駆る土色の肌の男。それが『あのグロンギ』であろうことは想像がついた。むろんイブキがバイクに乗って脱出したことも記憶にある。だからこそ、今何が起こっているかもはっきりと理解できた。
イブキが奴の手にかかる前に止めなければ。
「変身、できますか」
前を向いたまま訊ねる五代に、光は片手で彼の服を握ったまま、もう片方の手でファムのデッキを取り出す。
もしもこれが使えなければ、こちらの打つ手はもはやないに等しい。なにより、あのグロンギが余計な標的に目を付けるのは避けなければ……。
黙ってバイクを走らせながらも、五代は必死に考えを巡らせた。
*
ショッカーがその技術の粋を駆使してカスタムアップしたハリケーンは、ただ走らせるだけでもずば抜けた走行性能を持つ。一方の竜巻は、イブキ自身の手で愛と情熱を込めて整備されているとはいえ、所詮はクルージング用に過ぎない。
ただ走らせるという意味での戦いならば、決着は始まる前についていた。
背後から車体をぶつけられ、バランスを崩しそうになりながらも、イブキが宙に印を描く。透き通る朝の陽から生まれ出でた燃ゆる翼がバダーの鼻先をかすめ、かろうじて追撃を妨げる。
だが体勢を立て直すや、前輪を高く掲げたバダーがサイクロンごと彼にぶつかって行った。
竜巻が横転し、空き地に投げ出されたイブキが肩を押さえて立ち上がる。
迫ろうとするバダーを今一度遮ったのは炎まとう式神だった。が、今度はバダーも恐れる様子がない。マフラーの先を焦がしながら、まっすぐにイブキへとつっこんでくる。
イブキは右手にディスクアニマルと音笛を握ると、ディスクをまっすぐにバダーの顔面に投げつけて笛を鳴らした。
透き通る清めの音が風を振るわせ、式神に魂を宿す。
アサギワシの鋭い翼に顔面を直撃され、流石のバダーも転倒する。その隙に竜巻に駆け寄ったイブキだが、車体を起こそうと力を込めると左手に激しい痛みが走った。
バダーはアサギワシを振り払い、悠々とバイクに跨がってアクセルを吹かし始めた。
痛みに顔を歪めながら辛うじて車体を立てたイブキを嘲笑うかのように、エンジン音が辺りに鳴り響く。
高まる騒音に、木陰から眺めていた結花は目を伏せた。汚れた翼を解き放つべきか、再び迷う彼女の近くを、何かが駆け抜ける。
はっと顔を上げると、白い翼を靡かせた戦士が駆るバイクが、まっすぐに戦場へと飛び込んで行くのが視界に映る。
ファムは道を遮るようにバイクを停止させると、結花を振り返りーーーー。
サムズアップをしてみせた。
*
五代としてみれば大真面目な選択だった。
バイクに乗ったグロンギのやり口は、バイクに乗った者をひき殺すということ。そして、同行者はバイクを自由に乗りこなすと言うにはほど遠い。
彼が……五代雄介が戦うしかないのだ。
純白の鎧に細身の剣、そして羽衣を思わせる背中のマント。おそらくは女性向けの装備なのだろうが、相手がわかっている以上贅沢は言えなかった。
光が無為に標的になることを避けるため交戦地点の少し手前でバイクからおろし、サイドミラーに向かって変身ポーズを切って現在に至る。
その光はようやく走って追いつくと、怯える結花を庇うようにその前に仁王立ちになった。
「下がっていてください!ここは俺がやります!」
白い翼の仮面ライダーがイブキに向かって叫ぶ。青年は頷くと、一旦愛車をそこに残して駆け出した。
狭い道を激しく競り合いながら並走する二台のバイクが離れたのは、先に戦闘態勢の解けたバダーが不利を察して一気に走り去ったからだった。去り際に一瞬バダーが振り返り、倒れたままの竜巻に視線を送る。
その様子は、何かを名残り惜しむようにも見えた。
どうにか仲間を守り切った五代が、車首を返して木陰へと戻る。
道に残された竜巻も傷はついているが、大きな破損の気配はない。
「怪我はないですか!」
変身を解いて声をかけると、イブキが顔をしかめてこちらを見る。
傍らに立っていた光が不意にイブキの腕を掴み、力一杯引っ張った。青年が思わず痛みに喘ぐ。
「これで戻ったろう」
乱暴すぎる脱臼の措置を終えると、光はそう言い捨てて手を離した。結花が心配そうにイブキの顔を覗き込む。
「痛みますか……?」
「大丈夫、これでも鍛えてるんです」
確かめるように腕を動かしながらイブキが答える。五代はひとまず笑顔に戻り、親指を立ててぐいと突き出した。
「とりあえず、平気そうですね」
その仕草に光は肩をすくめたきりだったが、その背中に隠れた少女はおそるおそる真似をした。
と、彼らの安堵を裏切るように電子音が鳴り響いた。光が慌てて自分の荷物に手を伸ばす。
デイパックから取り出すよりも早く、トランシーバーは嘲るような男の声を流し始めた。
「仮面ライダーの諸君!無事に生き残ることができたかな?」
その声と口調に、全員がはっと息をのむ。考えてみれば、先にトランシーバーを使ったのは彼らだ。それが現状を乃木に筒抜けにしてしまう可能性は当然考えてしかるべきだった。といって、他に選択肢はなかったのだが。
何の罪もないトランシーバーに罵声を浴びせそうな光に、五代が「ちょっといいですか」と声をかける。投げ渡された通信機を握り直すと、彼はいつもの調子を崩さずに返事をかえした。
「まあ、なんとかなりました」
「それは結構」
わざとらしい口調に、光が拳を握りしめる。腹立ち紛れに振るったそれに鳩尾を殴られ、イブキがその場に膝をついた。
「さて、君達は私から人質を取り戻したいと思っている。違うかな」
身をかがめてイブキを心配する結花を見守りながら、五代が答える。
「それはもちろん、そうですね」
「ならばチャンスをくれてやろう。これから私が任務を与えてやる。それを完遂するのだ」
任務だと、と苦虫をかみつぶした顔で呟く光の背後で、威吹鬼が立ち上がる。険しい顔をしているのは、痛みのせいではあるまい。
「一つ目の任務は、放送局から他の参加者に向けて告知を流すことだ。我々は研究所で首輪の解除を試みている、首輪の解除を望むならば研究所に集まるがいい、とな」
四人は互いに視線を交わした。
それが撒き餌であることは火を見るより明らかだ。この場から脱出しようという者も、ゲームに乗った者も、情報の真偽を問わずそれぞれの思惑で研究所を目指すことになるだろう。
「二つ目の任務はーーーー首輪と、『青いバラ』を手に入れて来ることだ」
この言葉には、彼らは先ほどとは違う意味で視線を交わさざるを得なかった。首輪はともかく、『青いバラ』が何を意味するのか、皆目見当がつかない。
それを問わせる間を与えず、乃木は続けた。
「この二つを成し遂げてくれたら、諸君ともう一度会ってやってもいい。むろん、諸君が北條君を見殺しにしてもいいと考える臆病者ならそれも結構!私としては、どちらも楽しみがいがある。では、諸君の健闘を祈る!」
交信の断たれたトランシーバーを、四人は黙って見つめる。彼らの胸に抱く思いをかき乱すように吹き抜ける春風が、砂か灰かで白く濁っていたのは気のせいだろうか。
*
バラの花輪ひとつ
ポケットには花束
灰に 灰に
みんな死んじゃった
(マザーグース童謡集)
【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所ロビー】
[時間軸]:43話・サソードに勝利後(カッシスワーム・グラディウス)
[状態]:健康。王蛇、カッシスワームに1時間変身不可。
[装備]:カードデッキ(王蛇)
[道具]: 携帯電話、その他基本支給品×3(乃木、イブキ、結花)、ゼクトマイザー、トランシーバーC
[思考・状況]
1:首輪解除のため、北條透と仲間の諸君をもう少し泳がせる。
2:ゲームの早期決着。
3:ZECTの諸君に関しては、早めに始末をつける。
【備考】
※ライア・ガイのデッキが健在の為、王蛇のデッキには未契約のカードが2枚存在します。
※ユナイトベントは本編で再現された3体の場合しか発動しません。
※変身にかけられた時間制限をほぼ正確に把握しました。
※天道について知っている訳では無いので、「カブトの資格者」が死んだことを知りません。
【北條透@仮面ライダーアギト】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所ロビー】
[時間軸]:最終話
[状態]:精神的に大きな疲労。 現状に関する若干の恐怖。
[装備]:なし。
[道具]:携帯電話・地図・マグライト
[思考・状況]
基本行動方針:無事に帰還し、スマートブレインを摘発する。
1:スマートブレインの危険性を懸念。
2:乃木を利用しつつ、首輪に関する情報を集める。
3:城光及び未確認生命体四号を現状では味方と認識。救出に若干の期待。
4:長田結花を保護すべき民間人と認識。
5:友好的な参加者と合流、敵対的な参加者を警戒。
【備考】
※首輪の外見についてほぼ正確に把握しました。
※灰化のメカニズムに関して懸念を持ちましたが、具体的なことはまだ把握していません。
【和泉伊織(威吹鬼)@仮面ライダー響鬼】
【1日目 午前】
【現在地:C-7 研究所南の交差点】
[時間軸]:35話付近
[状態]:多数箇所に負傷、腹部に裂傷(小程度)。左肩を打撲。威吹鬼に30分変身不可。
[装備]:変身鬼笛・音笛、音撃管・烈風、陰陽環 、ディスクアニマル(アサギワシ)
[道具]:携帯電話、北條のデイパック(地図・マグライトを除く基本支給品)、「竜巻」(HONDA Shadow750)
[思考・状況]
基本行動方針:戦いを止める。
1:長田結花を庇護対象の未成年者と認識。安全を確保する。
2:北條を心配。でもいきなり指令って?
3:デネブって人、どこにいったんだ?
4:友好的な参加者と合流。
5:あの怪人(バダー)、バイク好きなんだな。
※備考
※陰陽環の式神(火の鳥)は使用者から数メートルの距離までしか飛べません。また殺傷性能が低く制限されています。
※なぜか変身しても服が消えません。
※乃木の言葉から、長田結花が何らかの秘密を抱えているかもしれないと考えています。
【長田結花@仮面ライダー555】
【1日目 午前】
【現在地:C-7 研究所南の交差点】
[時間軸]本編第41話終了直後(武装警官を一掃する直前)
[状態]小程度の負傷、人間への不信感(軽度)
[装備]無し
[道具]ライダーブレス(ケタロス:資格者不明)、トランシーバーB
[思考・状況]
基本行動方針:木場、海堂と合流する
1:「人間ではない」城光に若干の好意。「人間」の「警官」北條には強い警戒心。
2:イブキや他の人間に嫌われたくない。オルフェノクであることは極力隠す。
3:指令なんて、どうしたら……?
【城光@仮面ライダー剣】
【1日目 午前】
【現在地:C-7 研究所南の交差点】
[時間軸]:40話、トライアルについて知った後
[状態]:膝などに軽い擦り傷。腹部に裂傷(中程度:応急手当済み)。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品・トランシーバーA・ラウズカード(スペードQ/K)
[思考・状況]
基本行動方針:このゲームから脱出し、金居とは正統なバトルファイトで決着をつける。
1:北條奪還のため、まずは『青いバラ』『首輪』の入手、『放送』の指令を遂行。
2:他の参加者とは必要以上に関わる気はない。邪魔ならば排除するが基本的に放置。
4:剣崎の死、北條の言葉、乃木との戦闘から首輪制限下における単独行動の危険性を認識。
5:五代の態度に苛立ちつつ、僅かに興味。
【五代雄介@仮面ライダークウガ】
【1日目 午前】
【現在地:C-7 研究所南の交差点】
[時間軸]:33話「連携」終了後
[状態]:全身打撲、負傷度大(応急手当済み)、疲労中程度。小程度の動揺。
[装備]:警棒@現実、コルトパイソン(残弾数6/6:マグナム用通常弾)、カードデッキ(ファム)
[道具]:警察手帳(一条薫)、ホンダ・XR250(バイク@現実)
[思考・状況]
基本行動方針:絶対に殺し合いを止め、みんなの笑顔を守る
1:北條を救出するために、『青いバラ』を探す。
2:首輪を奪うことには躊躇。放送の指令については困惑。
3:白い未確認生命体(アルビノジョーカー)、ダグバを倒す。
4:金のクウガになれなかったことに疑問。
5:長田結花の剣崎への誤解を解き、彼女の笑顔も守りたい。
※第四回放送まで、ライジングフォームには変身不能
※ペガサスフォームの超感覚の効果エリアは1マス以内のみです。また、射撃範囲は数百メートル以内に限られます。
※ドラゴン、ペガサス、タイタンフォームには変身可能。ただし物質変換できるものは鉄の棒、拳銃など「現実に即したもの」のみで、サソードヤイバーやドレイクグリップなどは変換不能。
※葦原涼の「未確認生命体事件」の終結を聞き、時間軸のずれに疑問を持ちました。
※北條・イブキ・結花・城光・五代の間で、ある程度の共通見解が生まれました。
敵対的:風のエル、「白い怪物」、乃木怜治、橘朔也(優先的に排除)
友好的:風谷真魚、日高仁志、桐矢京介、木場勇治、海堂直也
要注意:金居、桜井侑斗、葦原涼(警戒)
ただし剣崎一真に関する認識には齟齬があり、友好的な相手に対する方針も統一されていません。
【ゴ・バダー・バ@仮面ライダークウガ】
【時間軸:ゲゲル実行中(31-32話)】
【1日目 午前】
【現在地】C-7 道路
【状態】健康 グロンギ体に2時間変身不能
【装備】ハリケーン@仮面ライダーTHE NEXT
【道具】基本支給品 車両配置図 ラウズカード(ダイヤの7・8・10) ライダーブレス(コーカサス)
【思考・状況】
基本行動方針:リントではなく自分の「ゲゲル」を完遂する。
1:クウガ、イブキはいずれ自分で倒す。
2:(スマートブレイン勢力も含めた)「ライダー」の探索と殺害。
3:グロンギ族に遭遇しても、このゲゲルを終え、ゲリザギバス・ゲゲルを続行する為に殺す。
※バダーは「乗り物に乗った敵を轢き殺す」ことにこだわっています。
選択の余地がある状況ならば、上の条件に合わない相手は殺せる場合でも無視するかもしれません。
※「10分の変身継続時間」についての制限にはほぼ把握しましたが、
「2時間の変身不能時間」についてはまだ完全には把握していません。
※用意されたすべてのバイクが出そろったため、車両配置図は詳細地図としての価値以外なくなりました。
以上です。
投下を始めてから仮投下のほうがよかったかと後悔したのですが、
今回首輪関係のフラグを進めたことと、
それがHERO SAGAの設定を利用している点は議論のある所かもしれません。
ご指摘と同時に、その辺についてご意見を頂ければ幸いです。
投下乙です!
ガルドとイブキのバイクアクション、五代と光の関係、ファムへの変身wなど
みどころたっぷりな話で読んでいて楽しかったです。
何より研究所の描写の緊迫感が凄い。島民は灰化の研究の犠牲となったのですね……。
設定に関しては個人的には問題ないと思います。
ちなみにHERO SAGAの設定とはどのあたりか良ければ記述していただけるとありがたく思います。
912 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 00:46:44 ID:5A74JK96O
投下乙です!
貫禄のSSでした!
やっぱりライダーロワはあなたとドットーレさんがいれば十分ですね!
投下乙です。まさかの五代ファムwwwww
乃木さんの指令を受けて四人がどう動くか、バダーの活躍など見応えある話でした。
首輪は、個人的には現状問題ないと思います。
ただ私もHERO SAGAに関する部分を教えていただきたいと思っております
>>911 島民の失踪原因は北條の推測で、実際はまだ不明かと
感想ありがとうございます。
取り急ぎ、一点だけ。
HERO SAGAの設定は『青いバラ』についてです。
既に青いバラの花びらについての言及自体は先に「二匹の蛇は何を唄う」にあったのですが、
たしか劇場版ではなくHERO SAGAのプレストーリーの方に出た設定だったような。
今回割とメインに据えたので、何か問題があれば今のうちに議論しておいた方が良いかと考えました。
『青いバラ』はその花びらに触れるだけで効果があります。
触れれば、オルフェノクに覚醒するか、その資質を持たない人間は一瞬で灰化します。
つまり大量の人間を一斉に根絶やしにできると。
ちなみに既にオルフェノクである者が触れても何も起こりません。
村上がローズオルフェノクに変化すると、これを生み出す能力を発揮できます。
HERO SAGA -ロスト・ワールド-より
916 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 07:49:27 ID:fbVHUpIA0
首輪と青い薔薇の関係性に対する描写が中途半端で唐突な気がするんだよな。
なんか詳しい話や説明は丸投げしてる感じ。
誰かが首輪に関して上手に繋いでくれることに期待。
遅くなりましたが、投下乙です!
乃木のたくらみ、スマブレの強大な力、長田さんの心情、バイクファイト…と
これからを暗示するような物事がたくさんでとてもわくわくしました。
その中でも五代ファムwやりやがったwwwと思わず呟いてしまいました。
今後重要なアイテムになるであろう『青いバラ』に関してもとても楽しみです。
GJでした!
投下乙です。
大きな流れのきっかけとなる一作ですね
思わず読み耽ってしまいました。
イブキと長田さんの朝食のシーンが切なくて綺麗で暖かいと思いました。
ひとつだけ指摘ですが。
>>891 にっこり。切れた口元に血をにじませたまま,イブキはお手本じみた笑顔を作る。
にっこり。切れた口元に血をにじませたまま、イブキはお手本じみた笑顔を作る。
句読点に差異があります。
919 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 17:14:27 ID:uHKjxi9M0
青いバラなら研究所内に文字通り腐るほどあるのになんで取りに行かせたんだよ
投下乙でした!
イブキと長田さん切ないですねぇ。
まさかの五代ファムにも衝撃を受けましたがとても楽しく読ませていただけました!
>>919 オルフェノク以外が触ったら灰化するからでは・・・
921 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 17:57:52 ID:qQWCYdtR0
>>920 研究所のケージ内に腐るほどあるのに研究所の外にいる人間に探しにいかせた理由は?
922 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 18:04:01 ID:l6MMpysb0
青いバラを首輪に使ってるなら、青いバラ触っても灰化しないだろ。
じゃなきゃ首輪はめた途端に灰化しちまう。
923 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 18:05:26 ID:l6MMpysb0
仮に触ったら灰化するとしてなんで乃木が知ってるんだよ
924 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 18:32:11 ID:tRn/It/70
青いバラには無理があるんじゃね?
>※北條・イブキ・結花・城光・五代の間で、ある程度の共通見解が生まれました。
>敵対的:風のエル、「白い怪物」、乃木怜治、橘朔也(優先的に排除)
>友好的:風谷真魚、日高仁志、桐矢京介、木場勇治、海堂直也
>要注意:金居、桜井侑斗、葦原涼(警戒)
>ただし剣崎一真に関する認識には齟齬があり、友好的な相手に対する方針も統一されていません。
この部分っておかしくない?
結花は北崎と戦ったことがあるし、城も橘さんを優先的に排除するとかまで考えてなかったろ
北條はともかく実際に話した五代が葦原を警戒する理由もない
遅くなりましたが乙です。
青いバラの謎に興味を持ちました。
なので乃木怜治、北條透を予約します。
927 :
名無しより愛をこめて:2008/07/07(月) 19:11:25 ID:jaY7T5HG0
>>926 これだけ文句出てるのに青い薔薇の話をリレーするか?感性を疑うね。
>>926 投下した書き手本人から議論要望が出てる話を即リレーするのは不味いのでは?
結論が出て正式に通るまで予約はしない方が良いかと
>>898 >だが体勢を立て直すや、前輪を高く掲げたバダーがサイクロンごと彼にぶつかって行った。
サイクロンでなく、ハリケーンかと
それはさておき、投下乙。
五代まさかのファム変身w 色々吹っ飛びました。
しかし、大虐殺をしたスマートブレインの脅威が半端ない。
首輪に宿る青いバラの花びらがどう影響をもたらすか、気になりました。
GJ!
首輪に関しては、特に問題ないかと。
>>921 首輪の現物、花びらは手に入れていませんよ。
正直、話を読んでいるか疑わしい指摘もありますので、これ以上首輪の話は
「おかしい点」「代案」両方を持って議論スレに上げることを提案します。
感想&指摘、ありがとうございます。
とりあえず、今から答えをまとめて、修正案とともに議論スレの方に提出しますので
少しお時間をいただければ幸いです。
>>926 私がお願いするのも不自然なのですが、重要なポイントの議論中ということで
>>928さんもおっしゃっている通り、めどがつくまでこのパートを凍結させていただけませんか?
>>928 ageている方以外からは特に異論がないようなので大丈夫かと思ったのですが、やはり様子を見た方がいいですかね。
ageている方の不満を解消出来る繋ぎにはなると思うのですが。
では予約を取り消したいと思います。
ほんと信者どもはBOSSなら何を書いても一斉擁護かよ、あたまおかしーんじゃねーの?
もう ◆CIPHER0/kYこいつ一人でオナニーしてればいいんじゃねーの
933 :
名無しより愛をこめて:2008/07/08(火) 20:25:20 ID:mqjNih7+O
ニコニコに宣伝してた馬鹿は誰だよ!
いくらなんでも頭悪すぎ
934 :
名無しより愛をこめて:2008/07/08(火) 20:58:10 ID:mqjNih7+O
誤爆みた
俺がしたことになったか、あれは荒らしがやりました。
自分達は関係ありませんか
まあ一番いい展開だよな、荒らしの言うことだから俺じゃないって言っても信じてもらえないのは当然だしな
思ったより頭いいな、内心荒らしでもたまには役に立ってくれたと思ってるやつがいるだろうが、有り難く思えよ
935 :
名無しより愛をこめて:2008/07/08(火) 22:09:37 ID:jTckQaJo0
とりあえず話を続けてみて、他の書き手が青い薔薇を上手く扱えないようなら
◆CIPHER0の独りよがりということでまとめて破棄すればいいと思います
修正案を一時投下スレに出してきました。
青い薔薇…これは仮面ライダーコーカサスの登場フラグだったんだよ!
>>936 修正お疲れ様です!
問題はないと思います。
939 :
名無しより愛をこめて:2008/07/09(水) 07:27:02 ID:zchSo2oi0
問題ないならばすぐに話を続けてみて、他の書き手が青い薔薇を上手く扱えないようなら
◆CIPHER0の独りよがりということでまとめて破棄すればいいと思います
940 :
名無しより愛をこめて:2008/07/09(水) 08:44:18 ID:HbsiJELbO
940
修正お疲れ様です!
首輪にスイッチが入れば花びらの効力が出る、みたいな感じでいいのかな
首輪の謎で話が進みそうですね。続きに期待w
942 :
名無しより愛をこめて:2008/07/09(水) 19:04:56 ID:CI+s03AS0
今回は結果的に ◆CIPHER0/kYが◆cW9wr8uD4Aの話を潰した訳だ。最低だな。
>>942 修正案投下から24時間経過まであと約30分。
それまでに異議がなければ投下されるさ。気長に待て。
>>943 では、もうリレーしても大丈夫ですかね?
乃木怜治、北條透を投下したいと思います。
研究所内の静かな一室。普段は化学や薬学に従事する者達が利用すると思われるその部屋には茶褐色のビンに収められた薬品やガラス製の実験器具が並んでいる。
その部屋の中で腕を組み、立ち尽くす男"乃木怜治"は、何やら実験に勤しむ男"北條透"を見つめていた。
科学者の性か。目の前の謎に向かい合うことに集中していると恐ろしい怪物に監視されている恐怖も薄れていくようだった。いや、むしろそれ以上に緊張する実験をしているというべきか。
北條はケージの中に敷き詰められている枯れ葉のように干からびたバラの花びらをピンセットで優しく取り上げる。北條の頭をよぎるのは先程目の前で灰となって崩れ落ちた鼠の姿。慎重に慎重に花びらを取り出す。
取り出された花びらは予想以上に色褪せており、何の生気も感じられない。先程写真を見ていなければ青いバラであったなどと思えなかった。
その写真があったファイルには本来記録されているべき詳細なデータは残されておらず、実験に関する簡単な記述しかなかった。そこから分かったことは二つ。
一つは青いバラには動物を灰化させる何らかの働きがあること。
もう一つは鼠の入っていたケージに付けられていた装置にはそのバラの働きを抑える何らかの作用があること。
青いバラの"何が"動物を灰化させ、ケージに付けられていた装置が"どのようにして"その作用を抑制しているかは分からない。
しかし、どちらも北條の常識からは考えられない技術であることは間違いなかった。それでもあらゆる可能性を考慮しながら少しずつ作業を進めていった。
バラの残骸をカッターで細かく切り分けたものを小さめの容器に入れると、そこに背後のタンクから汲んだ水を注ぎ込んで軽く攪拌した。巨大なタンクの中は樹脂の詰められたカラムを通って精製されたイオン交換水で満ちている。
枯れ葉の如く茶色い花びらの欠片は水に濡れると若干白みを増しながら、溶け込んでいき、遂には白濁した溶液となった。
北條の知識にある青いバラといえば遺伝子組み換えによって多くの生物学者が完成を目指す夢の花。バラが持つ赤い花を咲かせる遺伝子を抑え込み、他の青い花の遺伝子を発現させた存在。
ならばこの青いバラも何らかの遺伝子組み換えによる産物と考えるのが自然であり、その結果、動物を灰化させる毒を得たに違いない。
濁った溶液の入った容器は遠心分離機にかけられ、花びらを構成する成分がその重さによって分離、抽出されていく。
北條は抽出された幾つかの溶液をマイクロビペッターで丁寧に採取してガラスセルへと注ぎ込んだ。
妖しく光るセルの数々を隣接する部屋へと運び、室内に並ぶ機器にセットしたところで北條はようやく胸をなで下ろし、ほっと一息をついた。
「飲むか?」
「…どうも」
北條は乃木から差し出された紙コップを受けとる。研究所で働く職員のための設備だろう。淹れたての温かいコーヒーが実験の緊張から解放された北條の心を和ませた。
「何か分かったか?」
「今、バラに含まれている成分を分析しているところで……出た!」
二人の前に並ぶモニターに赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法によって得られたスペクトルが映し出され、画面に犇めく様々な波形によってバラに含まれている成分が次々と特定されていく。
「どうだ…?」
期待の表れか。乃木の声はいつもよりも軽く上擦っている。
「普通のバラと…何ら変わりませんね…」
「何…?」
北條はケージの中から青いバラの残骸を一つ選び、つまみ上げる。
「この通り。触れたところで何の問題もない…」
北條が指を離すと干からびた花びらはどこか名残惜しそうにひらひらと宙を舞い、デスクに落ちると同時に脆くも崩れ去った。
「では…何故鼠は灰化した? 島民はどこに消えた?」
北條は困惑する乃木をよそに青いバラの写真の収められたファイルを手に取って語る。
「青いバラの成分に問題があるとしたら…実験室に残された残骸にはない成分かもしれません」
北條はバラの写真と残骸を並べる。
「つまり…問題なのはバラの色素…またはそれに準ずるもの」
「…成る程」
乃木は北條の働きに心の底から満足していた。この男を捕虜にしたことは間違いではなかった。
「では彼らに青いバラを探しに行かせて正解だったというわけか」
そう。後は先程、敢えて逃がした彼らが新鮮な青いバラと首輪を持ってきてくれることを願うのみ。
「青いバラの灰化作用と首輪の灰化機能が関係あるものかはまだ分からないけれど、調査するにこしたことはないでしょう。あとはケージに付けられていた装置の仕組み…」
実験に使用された鼠の生存期間が次第に伸びていたことから考えると全てが十分に働いているというわけではないのかもしれないが、モーター鳴り響くあの装置は確かに青いバラに触れた鼠の灰化を抑制していた筈だ。
事実、ケージの中で花びらに触れても尚、灰化することなく生き続けていた鼠を二人は見ている。
北條は少しずつ真実に近づいていく喜びを科学者として感じていた。しかし、その一方で不安を覚えた。閉ざされていた研究室。僅かながらも残されていた資料。自らの手の内を平然と晒すスマートブレイン社の余裕に何の不安も抱かずにはいられなかった。
「…どうした? 調査を続けてくれ」
「ええ…」
それでも今は直面する謎と向き合い続けるしかなかった。まるで先の見えない果てしなく長く暗い道を歩むように。
【乃木怜治@仮面ライダーカブト】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所・分析室】
[時間軸]:43話・サソードに勝利後(カッシスワーム・グラディウス)
[状態]:健康。
[装備]:カードデッキ(王蛇)
[道具]: 携帯電話、その他基本支給品×3(乃木、イブキ、結花)、ゼクトマイザー、トランシーバーC
[思考・状況]
1:首輪解除のため、北條透と仲間の諸君をもう少し泳がせる。
2:ゲームの早期決着。
3:ZECTの諸君に関しては、早めに始末をつける。
【備考】
※ライア・ガイのデッキが健在の為、王蛇のデッキには未契約のカードが2枚存在します。
※ユナイトベントは本編で再現された3体の場合しか発動しません。
※変身にかけられた時間制限をほぼ正確に把握しました。
※天道について知っている訳では無いので、「カブトの資格者」が死んだことを知りません。
【北條透@仮面ライダーアギト】
【1日目 午前】
【現在地:B-7 研究所・分析室】
[時間軸]:最終話
[状態]:精神的に疲労。 現状に関する若干の恐怖。 調査の進行に若干の喜び。主催に対する多大な不安。
[装備]:なし。
[道具]:携帯電話・地図・マグライト
[思考・状況]
基本行動方針:無事に帰還し、スマートブレインを摘発する。
1:スマートブレインの危険性を懸念。
2:乃木を利用しつつ、首輪に関する情報を集める。
3:城光及び未確認生命体四号を現状では味方と認識。救出に若干の期待。
4:長田結花を保護すべき民間人と認識。
5:友好的な参加者と合流、敵対的な参加者を警戒。
【備考】
※首輪の外見についてほぼ正確に把握しました。
※青いバラには動物を灰化させる何らかの働きがあり、それは色素などの新鮮なバラに含まれる成分によるものである可能性が高いこと。
また、鼠の入っていたケージに付けられていた装置にはそのバラの灰化作用を抑える何らかの働きがあることを知りましたが、具体的なメカニズムはまだ把握出来ていません。
※首輪の仕組みと青いバラの灰化作用の間にはっきりとした関係性はまだ見いだせていませんが、首輪のサンプルがあれば…?