おにゃのこが改造されるシーン素体10人目

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443ダイレン
「暗雲の覚醒」


ずっと一緒だった。幼稚園、小学校入学から4年生でのクラス替えを経て今も。
誰よりも付き合いが長い友達からの告白を受け、由美は驚愕と同時に頬を真っ赤に染めあがってしまう。
「……うそ………純君が……あたしを?」
コクっと頷いた純。彼は多くの女子の告白を受け、それらを全て断っていた。その理由が自分だとしたら………
「あたし、あの……どうして?……それに、幼稚園からって……」
緊張の余り途切れ途切れになる言葉を冷静に受け止めている純。真剣なのだということは伝わってくるが、真意はわからない。
幼稚園からということは7年ほども自分に好意を抱いていたということになる。そう思うと由美は頭が混乱しそうになってきていた。
「俺、未熟児だったから病気になりやすくて、幼稚園に入ったの遅かったろ?。誰も友達いない時、最初に遊ぼうって声をかけてくれたのはお前だったんだよ」
そんな事もあったか、とくらいにしか覚えていない。でも、純はずっと胸に秘めていてくれたのだろう。
「嬉しくてさ。それから俺は友達も増えて、体も強くなってったよ。全部、由美のおかげなんだ」
優しさに惹かれた。当たり前のように人が持つ感情を真っ直ぐに引き出せる由美に。純もまた、普段は出さない恥ずかしげな顔を見せる。
「でも、そんなの普通だし………それに、純君に相応しいくらいに可愛くないよ………」
「……………プッ、ははははは!!」
急に笑い出した純。由美は余計に恥ずかしい思いになり、少しだけイラッときた。
「何よ!何かおかしいこといった!?」
「ははは……いや、ごめん。俺はお前のそういうとこ好きだし、心配するなよ。充分可愛いし、学年でも人気あるぜ?」
純に言われるとからかわれているような、嬉しいような様々な感情が奮起してくる。
444エピソード5です:2008/05/20(火) 19:14:48 ID:cpvcjhE1O
笑いを止めると、純は由美の前髪を横に逸らす。すると顔を近づけてきて、由美の顔の目の前まで迫る。
(うそ……キス?)
徐々に迫ってくる純の唇。由美は動けずにいた。緊張と驚愕が同時に心を支配したため、体を動かせないでいたのだ。
由美もまた、純の気持ちに呑まれて目を瞑ってしまう。2人の唇は今まさに重なろうとしていた。

゙由美ちゃん゙


「………きゃっ!………」
そこで由美の意識は戻った。健一の顔と声が浮かび、気がついたら両手で純を止めていた。
息を切らしてまだまだ顔が赤い由美は純の顔を見れなかった。純は少し顔を伏せ、口を開いた。
「ごめん。……そりゃ……無理だよな……」
「ううん……違うよ……でも、急すぎて何か……」
由美は慌てて謝る。純は後ろを向いた。その顔は見えはしなかったが、雰囲気はやや悲しそうだった。
「健一となら出来たのに…………?」
「え?見てたの……」
見透かされているようだった。確かに健一としてしまった。でもあの時は……
「あれは………勢いっていうか………流れっていうか………」
「じゃあ……俺と健一、どっちが好きだ?」
「…………!!!??」
ストレートな質問に余計由美は困惑した。確かに健一には他の男子には抱かない気持ちがあるのを自覚している。
でも、こうしてはっきりと好意を伝えられ、自分の中で純が大きくなったのも事実になっている。
「……あの、まだ……わかんない………」
「そっか………」
純は振り向いてそのまま歩き出した。それにくっ付いて由美も歩を進める。
無言のまま由美の家に着いてしまう。純とは手を振って、そこで別れた。
445ダイレン:2008/05/20(火) 19:15:56 ID:cpvcjhE1O
翌日、由美は学校へ行っても昨日の純の言葉をずっと気にしていた。彼を目で追ってしまうと、そんな自分に気づいて目を伏せてしまう。
そんな様子を見て、渚は困惑していた。健一は由美が好きで、由美もまた………。そう思っていたのに純が好きだったら?
「やべ………」
どちらを応援すべきか?女としては由美の気持ちのが大事だが………


警察庁へ招かれた猛は待合室にて長田と顔を合わせる。彼らは大学時代からの信頼関係がある旧知の仲である。
「藤宮、ヘルマリオンの基地で由美ちゃんを見かけたよ。大きくなったよな……」
「ええ。いい子に育ってくれてます………それで、ヘルマリオンについての……」
「必要ない」
飲んでいたコーヒーをテーブルに置き、長田は窓の外を見た。その視線は聳え立つビルに向けられている。
「もう横流しする必要はない。警察組織全てが………いや、日本そのものがヘルマリオンとの戦いを決定したらしい」
「そうですか……。この間、ロシアでの結果を見せつけられたばかりなのに………」
「奴らに屈するわけにはいかんからな。最も、有効な手段は我々は持ってないわけじゃないがな」
「??」
協力体制がこれから築かれるとはいえ、まだまだ非公開である資料を提示した。その中にはビーマリオンについての記述がなされているのである。
「自衛隊から来た情報だ。彼女は帆村みさき。洗脳を免れたソルジャードールで、奴らと戦っている」
食い入るように猛は資料へと目を向かせる。彼女が多くのソルジャードールを倒してることから、きっと信頼できるだろう。
「今の世に現れた仮面ライダー………ってところか。彼女の情報から対ヘルマリオンの武器も開発が行われている」
446ダイレン:2008/05/20(火) 19:17:25 ID:cpvcjhE1O
そしてもう1枚、猛は気になる資料を見つけた。そこにはカテゴリーWと仮称が付いたソルジャードールについての資料だった。
「目撃情報によるとこの子もヘルマリオンと戦っているらしい。また、ソルジャードールを人間に戻す力を持っているとか……」
撮影されてるのは後ろ姿からなのだが、子供だとハッキリと断定できる。このような小さい子まで改造するようなヘルマリオンに怒りを感じざるをえない。
さらに長田は別の資料を提示してきた。それは古い新聞と同時に出され、中にはある子供の写真があった。
「これは……」
「神原 健一。そう、由美ちゃんと同じクラスでまだ行方不明の子だ。そして8年前に変死した彼の父親、神原 直樹だ」
神原 直樹は優秀な科学者だった。万能細胞の先駆けとなるような人工細胞の開発、再生医療のための技術開発に長けていたという。
逸材と言われ、彼の生み出した技術は現在の医療や技術の先進に大きく役立てられている。
「………そんな彼が原因不明の死を遂げる。背後にはヘルマリオンがいるってことですか?」
「確証はない。だが、神原 直樹は遺伝子レベルでの再生技術を開発していたらしい……その応用・発展型が改造装置だとしたら?」
空には暗雲が広がっていた。天気予報では夜には雨になるらしい。猛は嵐がこないことを、これほど望んだことはなかった。


「由美!」
全ての授業が終わると、渚は由美に駆け寄った。どうも気になってしまうからだ。
「何?」
「あんた、その………純のこと好き?」
「ふぇ!?」
上げた声は裏声になっていた。今日見ていたのがバレてしまったのだろうか?
「てっきり、あんたは健一のこと好きだと思って……」
無理に写真を取らせたりしてしまったことを悔いている。わかっていれば純と撮らせていたのだが。
「あ……あたし、まだ、よくわかんないの……」
447ダイレン:2008/05/20(火) 19:19:51 ID:cpvcjhE1O
「わかんないって?」
一緒にいるのが当たり前で、色々なことをしてくれる純。楽しくて、安心できる健一。
どっちも男の子の友達では一番仲が良いし、恋愛対象としても不満な点などない。
「どっちも好きっていうか、どっちか選べないっていうか………」
渚は由美に好意を持っているのを何人か知っている。それでも、こう悩ますのはこの2人以外にはいないだろう。
「由美…………!!?」
頭にソルジャードールの気配が響いてくる。由美と渚、廊下にいた純はランドセルは置いたまま外へ出て行った。
「がんばれよーー!」
修一達クラスメートは窓から手を振って3人を見送った。それが自分達に
場所は近い。しかし、反応は1つじゃなかった。
「どうしよう………」
「RHR能力は由美しかないんだ……さて、どうするか……」
純が話しを始めた瞬間、まだら模様の紐の怪人が姿を現した。こいつは邪念獸であることがわかった由美は2人に先行して変身し、邪念獸の触手を斬った。
「みんな邪念獸かもしれないから分かれよう!でも、ソルジャードールだったらあたしが来るの待ってて!」
「ああ!」
変身した3人は分かれた。ジュンは左へ、ナギサは真っ直ぐに。
身軽なナギサは華麗とも言えるステップで家々を飛び越える。すると、目の前には自分達と同じくらいの少女が見えた。
逃げ遅れたのだろうか?。だが、その割には慌てている様子も怯えている様子はない。
「君、早く逃げな!。じゃないと、化け物が来るよ!」
自分も容姿は人間離れてしているが、そこはこの際どうでもいい。
「…………あれ?ユミユミじゃないんだね」
「え?」
少女はフランス人形のように可愛らしかった。しかし、その目は人間とは異質な゙何がを放っている。
448ダイレン:2008/05/20(火) 19:21:48 ID:cpvcjhE1O
「あんた、ソルジャードールね!」
「そんなんじゃないよ。あたしば特別゙だから」
如意棒を取り出して棒先を少女に向ける。それでも少女は無防備どころか、まだ笑みを浮かべている。
「赤尻がコードちゃんと戦っておけば良かったのに………。ユミユミと交換してきてよ」
「赤尻?……まさか、あたしのこと?」
プルプルと震える腕と如意棒。ナギサはここまでコケにされたのは初めてだった。
「そうに決まってんでしょ。はーやーく………」
顔に如意棒が迫るのを察知して右手で受け止める。ナギサは豪炎球を出そうとするが、先に少女は手からビームを出す。
避けはしたが、距離を取るための牽制であるのはナギサは察知した。
「あ〜あ………しょうがない。赤尻で我慢するよ……。ヘイルちゃんが遊んであげる」
そう言った瞬間、空気が変わった。遊びの範囲とはいえ、勝負事が好きなナギサにはそれを感じれた。
゙コイツはヤバい゙。そんな気持ちに支配された。ヘイルは助走を付け始めると、それは確信に変わる。
「よーーーい………ドンッ!!」
煙が生じるほどの勢いで跳びだしてきた。拳がナギサの腹に入り、その激痛で思わず押さえた。
続いてヘイルは蹴りを左耳の方から当て、吹き飛ばした。ナギサは避難が済んだ民家へと突っ込んでしまう。
ヘイルは大きく息を吸う。そして、追い討ちをかけるように口から巨大なビームを出した。
ナギサはすぐに抜け出したが、その民家から連なる家々は消し飛んでしまった。
「グリーティングキャノン、つおいでしょ♪」
「何がつおいでしょ……だよ………。あんたはここでくたばってもらうよ!」
ナギサは超熱球を精製し、ヘイルへ向ける。周囲の空気も少し暑くなってきても、ヘイルの笑顔は変わらない。
449ダイレン:2008/05/20(火) 19:23:20 ID:cpvcjhE1O
「紅蓮一式・烈火掌!!」
赤色の光波がヘイルへ迫る。片手でそれを受け止め、ヘイルの手の中で膨らんでいく。
「ニ式・重焔!!」
両手に変え、光波が膨張した。ヘイルも両手に持ち替えるが、次第に押されていく。
「へぇ……意外……でも、こんなもんでしょ?」
「そいつはどうかな?………四式・爆砕!」
光波が膨らんだとこで、それは爆発した。超熱波がヘイルを飲み込んだのである。
溶けてなくなったであろうが、ナギサは念のために近づいていった。
「烈火掌を素手で受け止めるとかどんな化け物かと思ったけど、あれをくらって無事なわけ……」
その瞬間、ナギサは空を舞った。なぜ?、痛みはその後に感じた。どうして?、と感じた時には既に拳の嵐の中にいるのを知る。
「あぐ……が……うああ!!!」
特大のヘイルレインを乗せてナギサは落下した。ヘイルも降り立ち、ナギサの胸を踏みつける。
「お気に入りの服だったのに………燃やして……」
グリッと足に力を入れる。胸の厚みを貫通してナギサには激痛を感じさせるその威力は強いのがわかる。
「少し……痛かったし…………ユミユミの前に痛くなったんじゃ全力で遊べないじゃん」
さっきのような笑みではなく、本当に悪魔のような顔だ。踏みつける力も相当強くなってきた。
「あ………あ………あああああああああああああああああ!!」
グリーティングキャノンをチャージしているように大きく息を吸う。ナギサの目には光の集約しているのが見えて恐怖する。
ここで死にたくはないと本気で思う。こんなことなら………
「………大輔……あんたに………」
「死んで」


その時、ユミと戦っていたコードウィルが炎上しながら倒れ込んできた。ヘイルはグリーティングキャノンを止めてそちらを見た。
「ユミユミだぁ〜」
煙の中からユミが現れた。ヘイルはナギサを蹴飛ばし、ゴミ捨て場へと飛ばした。
450ダイレン:2008/05/20(火) 19:24:41 ID:cpvcjhE1O
「ナギサちゃん………」
急いで駆け寄るユミ。ナギサは意識はあるもののひどい状態だった。こんなにまでするとは人のやることではない。
「ユミ……ごめん……」
「大丈夫。休んでて………」

静かに抜刀し、ユミはヘイルと対峙した。崩れた街並みは、由美は10年過ごしてきた場所なのだ。
「なんでこんなことするの?」
「楽しいからに決まってるじゃない」
「楽しいから?」
ふざけているのか。こんなに家々を破壊し、ナギサのような女の子をいたぶることが。
だが、ユミにはわかる。それは洗脳などではない彼女の意思だと。
「はじめまして。あたしはヘルマリオン12大幹部゙マリオンズ・トゥウェルヴ゙の1人、マリオンヘイルだよ。よろしくね、ユミユミ」
ぺこりと頭を下げる。そこに邪気はない。ただ、ユミに本当に挨拶してるだけなのだ。
「あ、ユミユミってのはユミだからだよ。可愛い?」
「………最低だわ」
ピクッとヘイルの眉が動いた。最低だと、ユミは言った。ヘイルにはそれが理解できなかった。
「可愛いと思うんだけどな………。早速なんだけど、遊んで」
「遊ぶ?」
「そ。ユミユミは他のソルジャードールと違う……きっとあたしを楽しませてくれる」
そう言ってナギサもやられたのだろう。戦闘力の違いがわかる。それでも、戦わなくてはいけない。
「あなたはここで倒す……」

ナギサも息を呑んだ。なぜなら、張りつめていた空気が自分にも襲いかかってきたからである。
そして、両者は飛び上がった。スワンサーベルを手首で止め、蹴りをユミの腹に入れる。
痛みをこらえてユミは第2撃として左の拳でヘイルの顔を殴った。ヘイルはそれをものともせずに、ナギサをダウンさせた拳のラッシュをユミにも浴びせた。
マシンガンのように繰り出されるヘイルの拳はユミに反撃の隙を与えない。
451ダイレン:2008/05/20(火) 19:26:15 ID:cpvcjhE1O
ユミは膝を入れて拳を止める。距離を取り、加速をつけてスワンサーベルで突く。
シュッと服が避け、ヘイルは右手にエネルギーを溜める。体を回転してヘイルレインを避けると右手に持ったスワンサーベルの切っ先ヘイルの顔に入り込んだ。
改めて距離を取るとダメージ総量は明らかにユミが多かった。しかしヘイルは顔に傷をつけられ、さらに興奮させられる。
「あたしの皮膚は人間の何十倍も硬くて、鉄を切るより難しいのに………やっぱり、ユミユミは遊び相手としてピッタシだね」
服を全て吹き飛ばし、携帯カプセルに入れられた戦闘服に着替えた。それはウエットスーツのように体に密着している黒い鎧だった。
ただし、これは肌の露出を防ぐだけであり、防御力は持ち主に比例する。つまり、ヘイルの防御力はそのまま最大限に発揮される。
「もう遠慮しないよ」
「……………」
ヘイルレインが黒く染まっていく。ユミは被害を出さないために上に飛び上がり、ヘイルにこちらを狙わせた。
すると、今までとは比べものにならない大きさ光線を放ってきた。ユミは避けた後にキャットマリオンへと姿を変えて着地し、肉弾戦に持ち込んだ。
「だあっ!」
だが、全てヘイルには見切られて打撃は当たらない。
「あれ?」
ユミは蹴り上げられ、さらには待ち構えられたヘイルに肘うちされた。ユミはグラムボールを作り、着地した瞬間にラピッドジャンプで飛び上がる。
「はあああッッッ!!」
突き出した掌は虚しく空を突き、代わりにヘイルの黒いビームがユミを地上まで押し戻した。
「きゃあああッッッ!!」
黒いビームの正体。それは重力で光を圧縮し、共に放づグラビティ・ヘイルレイン゙。
それを何発も追い討ちをかけて連続発射するヘイル。なるほど、これなら艦隊壊滅も可能なわけだ。
452ダイレン:2008/05/20(火) 19:27:28 ID:cpvcjhE1O
ナギサは僅かな戦闘シーンの間に悟った。゙絶対に勝てない゙。そんな恐怖を感じさせられる。
「ユミ……」
弱々しい声は聞こえはしない。ただ、ユミはそれでも刀を地面に突き立てて立とうとしていた。
そこにグラビティ・ヘイルレインを1発だけ撃ち込んだ。吹っ飛ばされたユミは力無くスワンサーベルを放した。
「う………あ……力が……入らない……」
腕も、足も、翼も動かない。痛みが全身を覆い、行動を全て抑えられている。
「おかしいな………もっとつおいかと思ったのに……」
彼女は高密度の重力を圧縮した球型ブラックホール、゙イレイズ・ノヴァ゙を作り出し、ユミに向けた。
もう飽きた、と言わんばかりに容赦ない攻撃。だが、あんなものを地上にぶつけたら大変なことになってしまう。
力を振り絞り、ユミは立ち上がった。光をスワンサーベルに集約させ、シャイニングハーケンを斬り出そうとしている。
「無茶だユミ……シャイニングハーケンじゃ………」
立つことすら難しいのに・ナギサは既に諦めていた。ジュンも急いで駆けつけたが、時は遅かった。
イレイズ・ノヴァはユミに向かっていく。誰にもめられない。
(死にたくない……みんなを助けてないのに………動け、あたしの腕……動け、動け……)
「うごけえええええエエェェェェッッッ!!!」

皆は目を疑った。イレイズ・ノヴァは消滅し、ユミは翼を広げて飛んでいた。
それもただの翼ではない。光によって構築されだ光の翼゙である。
「あれは……」
ヘイルが手を動かそうとすると、ユミが一振りした。それも離れた場所なのに。
だが、ヘイルの鎧は3カ所も斬られていた。超スピードで接近してきたユミにヘイルは困惑した。
さっきまでとは別人だと。そして、それは自分を生命の危機に追いやるほどだと。
そう思っていると、ユミの斬撃がヘイルを斬り、鮮血が飛び散った。
だが、痛みを超えて感じる高揚感があった。それは彼女が求めていたもの。
453ダイレン:2008/05/20(火) 19:28:40 ID:cpvcjhE1O
「そう……あたしが待ってたのは………」
彼女が求めていたもの、それは………拮抗した実力を持つ者。それは目の前にいる天使なのだ。
「これだ!!」
「…………」
2人の戦いは衝撃波を引き起こした。刀を弾き、拳を受け止める彼女達の戦いは常識ではもう考えられない。

「ユミ……どうなってんの?」
さっきまでフラフラだったのに、しかもより強くなって。ナギサは頭が混乱していた。
「ユミはもう意識がない……あれは、きっとあいつの自我を超えた潜在能力なんだよ……」
そう言ったジュンの推測は正しかった。シャイニングハーケンを受け止めきれずにヘイルは吹き飛ばされ、ユミはさらに光を溜める。
「勝てる……ユミなら……」

「ハイマット・スパークルハーケン」
光の翼から直接スワンサーベルが光を集める。そして刀そのものが光を帯びて、ヘイルへと向かっていく。
「最高………キャハハハ……最高ゥゥゥォォォ!!!」
両手にイレイズ・ノヴァを作り出してユミに向かう。両者は空中で衝突し、反発しあったエネルギーは大きな輝きをした。
吹き飛ばされたユミをジュンが、その場にはヘイルが残っていた。威力は若干ヘイルが上回っていたが、ダメージも゙残ってしまっだヘイルのが大きかった。
「はぁ……はぁ…」
ユミは意識を取り戻し、何が起こったか自覚はしているようで、まだ刀を手放さなかった。
「ジュン君、今のヘイルなら2人でやれば……」
「あ、ああ」
最後の力を振り絞り、ユミはジュンと共にヘイルへ向かう。
「ハアアアアッッッ!!」
「その首もらった!」
両者の武器がヘイルを貫こうとしていた。が、ヘイルではない。何者かが両者の武器を受け止めたのだ。
それはよく知る顔だった。特に2人にとっては最も関係が深い。龍を象った鎧は以前の彼からは考えられない出で立ちだ。
「健一…………君?」

つづく