「クモと教授 SSヘルマリオンV」
【ロシア 西シベリア サモトロール油田】
「きゃははははは 真っ黒、真っ黒ぉ〜〜〜」
マリオンヘイルにより採掘設備が破壊され、黒煙が上がる・・・・・。
パイプラインもあちこちで寸断させられ修復不可能なくらいの損傷を受けている。
ロシア軍はヘルマリオンの攻撃を事前に察知し、万全の警戒体制をとっていたが、マリオンヘイルの侵入と同時に空軍はSu27、Mig31等の
戦闘機で迎撃に当たるも易々と突破され、油田では陸軍が最新鋭の対空自走砲、2K22ツングースカなどを配備して防空陣地を作り、迎え
撃ったのだが、あっさりと撃破された。
【モスクワ クレムリン(ロシア大統領府)】
「大統領閣下、この攻撃により、我が国の経済は大打撃を受けました。ヘルマリオンに早速、報復してやりましょう。」
「当然だ。」
「アメリカと共同歩調を取りますか?」
「ヤンキーどもは信用できない。独自行動で行く。我がロシアの恐さを連中に見せてやるのだ。チェレンコフ。」
ロシア大統領、モストボイはヘルマリオンを叩き潰すことを心に誓った。
「対外情報庁(SVR)のキリバノフを呼べ。」
大統領府長官、チェレンコフに命じた。SVRはソ連崩壊後に作られた泣く子も黙るKGBの対外情報部門を受け継いだ組織である。
「それと・・・チェレンコフ。陸軍と空軍の油田現地の軍管区司令官を更迭する。すぐに辞令を出しておけ!」
「かしこまりました。閣下。」
「失礼します、閣下。キリバノフです!お呼びでしょうか。」
「よく来た、同志。早速なんだがな・・・・」
モストボイはSVR長官、キリバノフと対応について協議し始めた。
【アジト 研究室】
「ムハハハハハハ、笑いが止まらぬ。そうか、そんなに利益が出たか?カナブンマリオンよ!手柄じゃ。」
ディーリングルームのカナブンマリオンからテレビ電話で報告を受け、骸教授は大喜びしていた。
「ところで、スタグビートルマリオンよ!ロシアとやらの連中は動きそうか?」
自分の傍に控えているスタグビートルマリオンに興味深げに聞いた。
「はい。おそらくSVRが主体となって報復に出るでしょう。我々の流した情報の誘導に乗って・・・・・。」
「ホホホ。そうか。相変わらず陰湿な連中だわい。恐れ入るのぉ・・・・・・」
「スタグビートルマリオンよ、この調子で、しばらくロシアへの工作活動を継続してくれ。それにしても本当に知恵があるのぉ、お前は。」
「了解しました。骸教授様の足元には全く及ばぬ知恵ではございますが。ハハハハ」
スタグビートルマリオンは一礼して部屋を後にした。
【アジト 通路】
「お疲れ様。スタグビートルマリオン」
「やあ、スパイダーマリオン。今日も一段と残酷さがにじみ出てるよ」
「やだぁ・・・・お上手なんだから、スタグビートルマリオンは・・・・・」
スパイダーマリオンは顔を紅潮させた。
「なんだ?また赤くなって。エネルギーが欲しくなったのか?」
スパイダーマリオンはうなずいた。
俗にいう立ちバックで2体はドッキングした。
「ハァ・・ウゥゥゥゥ・・・・・・・・・」
スパイダーマリオンが喘ぎ声を漏らし始めた。
「キャハハハハ!およ?蜘蛛ちゃん、クワガタくん、合体中?」
2体は『補給中』にロシアから戻ったマリオンヘイルとバッタリ出会ってしまった。
「は・・はぁ・・・い・・・・・お疲れ様でございます・・・・・マリオン・・・・ヘイルさま・・・・・こんな体勢で・・・・ハァ・・・・申し訳ご・・・いませ・・ん」
「こ、これはマリオンヘイル様!失礼しました!このような体勢で・・・・・・」
スパイダーマリオンは悶えながら、そしてスタグビートルマリオンは慌ててモノを引き抜こうとしながら挨拶とした。
「およ?そのまんまでもいいよぉ・・・・・」
マリオンヘイルは大らかな性格のため体勢のことなど全く気にしていなかった。
「きゃはは、いつも仲良しさんだね。ちゃば〜〜い」
「ホホホ。本当、仲がよろしいですこと。スタグビートルマリオンさん、私もあとで補給してもらおうかしら。」
教育・世話係のセンチピードマリオンがマリオンヘイルの後に続く。
「アァァァ・・・・イクゥ〜〜〜〜」
スパイダーマリオンは口から大量の糸吐き、股間からは粘り気のある液体を漏らしながらイッた。
【アジト 訓練場】
「きゃはははははははははは、待て待て待てぇ!」
「ヒィ〜〜〜〜」
いつものごとく遠征からもどったマリオンヘイルはフンコロガシマリオンを追い回して体のバランスを調整する。
「フンコロガシ!今度、捕まったらムチ打ち30発よ。簡単に捕まったら、マリオンヘイル様の調整にならないでしょ!ねぇ、そういえば、
聞いたんだけど、改造前はT大の学生だったそうじゃない?同じT大でもスタグビートルマリオンさんとは大違いね・・・・・」
いかにも見下した顔でフンコロガシマリオンに言い放った。
「アヒィ〜〜〜! ムチ打ちいやだぁ〜〜」
ビビって泣きながら汚物を高速で転がすフンコロガシマリオン。
「ほい、タッチ!捕まえたぁ〜 きゃははははは」
「のわぁ〜〜〜〜〜!お許しください、お許しください!」
フンコロガシマリオンは泣きながら許しを乞う。
「このクズが!妹は立派なのにね。どうして兄妹でこんなにも違うのかしら?」
容赦なくセンチピードマリオンはムチを浴びせた。さらに蹴りも入れる。
「マリオンヘイル様、『ドールビタンD』でございます・・・・先ほどは失礼いたしました。」
スパイダーマリオンが訓練場にやってきた。そして専用のエネルギー減が入った哺乳瓶を手渡す。
「わーい! ありがとう!クモちゃん」
「あ、センチピードマリオン、エネルギー補給に行くのなら今のうちですよ。スタグビートルマリオンはこの後、忙しくなるようですから。」
その間、マリオンヘイル様のご面倒は私が見てますので。」
「あら。よろしいの?ではお言葉に甘えて・・・・・」
センチピードマリオンはうれしそうに訓練場から出て行った。見送るスパイダーマリオンには少し嫉妬心が芽生えた。
(・・・・・できることならスタグビートルマリオンを独占したいなぁ・・・・)
「いってらっしゃーい!ムカデちゃん。きゃはは」
マリオンヘイルは無邪気な笑顔で送り出した。
「ねぇねぇ、クモちゃん。」
「はい、なんでしょうか?マリオンヘイル様」
「クモちゃんは下等動物のとき何してたの?」
「はい。高校生でした。手芸部にいたんですよ。」
「へぇ〜。ねえねえ、高校って何?手芸部って何?」
スパイダーマリオンは質問攻めにも嫌な顔をせず、丁寧に説明した。
「ふ〜ん。そっか〜。で、クラゲちゃんに連れてきてもらったんだね」
「はい。その通りでございます。マリオンヘイル様。」
「80人連れてきていただいたうち、ジェリーマリオンを除くと、私が最初にソルジャードールにしていただいたんですよ。」
「へえ〜 確か、その後で逃げたミツバチちゃん、連れ戻しに行ったんだっけ?」
「はい・・・・あの時は酷い目に遭いました・・・・」
スパイダーマリオンはそのときの話を始めた。
【伊豆諸島M島 とある漁村】
「ビースラッシャー!」
ビーマリオンの放った刃が、腹部の左側を切り裂いた。
「・・・・うぅぅぅ」
即死は免れたが、スパイダーマリオンは行動不能となり、地面にバッタリ倒れこんだ。
裂けた腹部から大量の緑色の血が流れ出している。
「ごめんね・・・・小夜子・・・・・」
ビーマリオンは飛び去っていった。
(・・・待て・・・ビー・・・・・マリ・・・・・・・・オ・・・・・・・・・・・・・・ン・・・・・・)
「・・・!」「・・・・???」「・・・・」
スパイダーマリオンに操られていた漁村の人たちが正気に戻った。
「・・俺、なにしてたんだ?」
駐在所の警察官、山田巡査も正気に戻ると、その右手にはホルスターから抜かれたピストルが握られているのに気がついた。
「お〜〜い、みんなぁ〜、こりゃ〜なんだ!?」
砂浜で高校生ぐらいの女の子にも見える奇妙な生き物が倒れていると、島民が騒いでいた。
山田巡査は騒ぎに気づき、砂浜に駆けつけた。
「なんじゃこりゃ・・・・まるでクモ人間だ・・・」
山田巡査は驚いた。怪我をして意識を失っているようだ。血液と思われる緑色の液体が大量に裂けた左側の腹から出ている。
「こりゃぁ・・・・三宅島の本署に連絡した方が良さそうだな・・・・・・・」
島民たちに決して「蜘蛛人間」に触れないように言って、慌てて駐在所まで自転車をこいで行った。
翌日に本署から応援が来るまで、島民たちは簡単な見張り小屋を建てて、スパイダーマリオンを交代で見張っていた。
「しょうがないわね・・・・スパイダーマリオンってば・・・パピオ・ヒプノウシス・・・」
救出に来たパピオパリオンが羽を静かに羽ばたかせ、催眠効果のある鱗粉を巻き散らす。
「・・・なんか・・・・眠い・・・ぞ・・・・」
バタバタと見張り小屋の島民が倒れ、深い眠りに就いてしまった。
ビーマリオンを捕獲するためM島に送り込まれたスパイダーマリオンであったが、逆に返り討ちに遭い瀕死の重傷を負ってしまった。
そして、あまりにも帰還が遅かったので骸教授が心配してパピオマリオンを偵察に遣したのであった。
「ビーマリオンは取り逃したみたいね・・・・とりあえずアジトに帰りましょう。スパイダーマリオン・・・・」
パピオマリオンはスパイダーマリオンを抱え、アジトへと飛び去った。
翌日、「蜘蛛人間」が逃走したと大騒ぎになったところに、三宅島の本署から係員が来たが、事件性も見受けられなかったので引き上げて
行った。しかし、数日後、島には本土から様々な人間がやってきた。本庁の公安の人間が島民からその一件について聴取したり、自衛隊の
中央特殊武器防護隊の人間が血液がぶちまけられていたあたりの砂を採取したりしていった。島の近くでは頻繁に海上自衛隊の哨戒機や
米軍機、もしくは艦艇が目撃されるようになった。
また、島の中学生がデジタルカメラで撮影した蜘蛛人間の画像がネット上で公開され、一部の人々の間で話題となっていた。
【アジト】
歩けるまでに回復したスパイダーマリオンが骸教授の前で跪く。
「申し訳ございません!骸教授様!ビーマリオンを取り逃してしまいました・・・・・・・」
「ホッホッホ、スパイダーマリオンよ、無事に戻って何よりじゃ。」
骸教授はスパイダーマリオンが任務に失敗したことを咎めるつもりは全くないようであった。
「スパイダーマリオンよ、お前には新しい任務を与えよう。下等動物の素材確保じゃ。16〜25歳ぐらいのメスをターゲットに捕獲しろ。
とくに容姿が優れた者をじゃ。汚名返上に励むがよかろう。ホッホッホ。」
「ありがとうございます!骸教授様・・・・」
やがてスパイダーマリオンは素材の捕獲で名を上げ、骸教授の絶大な信頼を得るようになった。
スパイダーマリオンは話を終えると、ふとマリオンヘイルの方を向いた。
「ふ〜ん、酷い目に遭ったんだね・・・クモちゃん、かわいそう・・・・・」
マリオンヘイルが泣きそうになっていた。彼女は泣き出すと超強力破壊音波を出す。
(た、大変・・・・せっかくの新アジトが崩壊してしまう・・・・・・・)
「マ、マリオンヘイル様、昔のことですので・・・・ほら、私はピンピンしてますよ・・・ほらこの通り・・・・」
口から糸を吐いて見せた。
「あ、糸、糸ぉ〜〜〜きゃはは」
マリオンヘイルは機嫌がなおったらしく、小さい子供が父親の吐くタバコの煙で遊ぶかのように、糸を切ったり、手繰ったりして遊び出した。
(ふぅ・・・・・危ないところだった・・・・・)
スパイダーマリオンは笑顔を見せたが、どこか引きつっていた。
「すぱいだーまりおん様!骸教授様カラ出撃命令ガ出マシタ。」
スパイダーマリオン専属のプペロイド4体がスパイダーマリオンを呼びに来た。
「わかりました。ご苦労様。あ、そうだ、04号、センチピードマリオンをここへ呼び戻しなさい。スタグビートルマリオンにエネルギー補給を
受けてるところだと思うから。それと、ちゃんと私が骸教授様の出撃命令で彼女の代役が出来なくなったという旨も必ず伝えるように。
(誰かさんみたいに関係がこじれるの嫌だから・・・・・)」
「ハイ。カシコマリマシタ。すぱいだーまりおん様!」
スパイダーマリオンは他のソルジャードールとの関係には、人一倍気を使っていた。
「マリオンヘイル様、少しの間、お一人で、御辛抱してください。」
「うん、フンコロガシと遊んでる! クモちゃん、ちゃば〜〜い!」
「01号、任務を言いなさい!」
「ハイ。骸教授様カラノ命令ハ・・・・・・」
スパイダーマリオン部隊は01号のレクチャーを受けながら任務へと向かった。
【アジト 研究室】
骸教授は研究室から午後の海辺の景色を眺めていた。
が、空は生憎の曇天模様、やがて雨がポツポツと降り出してきた。
(ううむ・・・・なにやら不快な気分じゃ・・・・読書でもするか・・・・)
しかし、読書もイマイチ気分が乗らない・・・そして、最近の幹部会議の記憶が蘇ってきた。
「イレギュラーコード02をウイングマリオンとする。危険度AA、排除対象とする。これはDr.骸、あなたに任せます」
「ワシが?」
「あなたの指揮下で出たんですよ?ツケは取っていただけますよね?」
・・・・・取っていただけますよね?・・・・・取っていただけますよね?・・・・・取っていただけますよね?・・・・・取っていただけますよね?
(ぬぅあぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜)
思い出す度に腹が立つ。骸教授は手にしていた本を思わず放り投げてしまった。
骸教授は執念深かった。(ドールメイ・・・・・こしゃくなヤツだわい。)(あの慇懃無礼な態度・・・・許さん。殺す・・・・・)
(ワシは組織のナンバー2じゃぞ!たかが12人衆の末端幹部の分際で・・・・うぬぬぬぬ・・・・・・・)
骸教授の心の中に色々な思いが駆け巡った。「思い出し怒り」は最高潮に達していた。
(・・・そうじゃ。下等動物どもにやらせよう。コイツを油田攻撃の首謀者ということにして、ロシア人とかいう輩にのぉ・・・ホッホッホ)
骸教授はまた新たな謀略を考えついた。
「スタグビートルマリオンはおるか?・・・うむ。至急、研究室まで来るように言え!」
骸教授はテレビ電話で応対したプペロイドに命じた。
「お呼びでしょうか?骸教授様。」
呼びつけてから2分ほどで、スタグビートルマリオンが研究室にやってきた。
「うむ。早速じゃがな、スタグビートルマリオンよ・・・・」
密談が始まった。
【在日ロシア大使館】
「ドールメイさん。本日はありがとうございました。ロシア政府はヘルマリオンにどんな協力でもいたします。首領様によろしくお伝えください。」
ロシア大使館の主要メンバーがヘルマリオンの『12人衆』と呼ばれる幹部の1人と会食していた。
「ええ、わかりましたよ。貴国は賢い選択をしましたよ。我々にはもう1国、配下となった国あるのですが、どうも信用できないのです。あの国
は(筆者自粛)で(筆者自粛)ですしね。自国の少数民族を狩り放題にすることを認めるとか条件を提示してきて、向こうから、尻尾を振って
来たのです。全く、彼らは何を考えてるのか分からないですねぇ。人口の大多数を占める(筆者自粛)はきっと(筆者自粛)なのでしょうね。
「その点、貴国は信頼が置けます。世界征服の後も貴国には、ある程度の自治権と他の地域への優越権を認めて差し上げましょう。
私に任せて下さい。」
「それはありがたいですな。ぜひお願いしますよ。我が国自慢の酒、ウォッカです。どんどん召し上がってください。」
大使館員の1人がウォッカを勧める。
【東京近郊C県 国道XX号線】
ロシア大使館から出てきた黒いリムジンは東のアジトに向かっていた。中にはドールメイが何体かの護衛のプペロイドとともに乗っている。
リムジンの中で、ドールメイは得意満面の表情を浮かべていた。
(大収穫だ。早く首領様に報告しなくては。ロシアが屈服した。首領様もお喜びになることでしょう。ふふふ)
左側に小高い丘がある地点にさしかかった時だった。
ビクン、ビクン・・・・・・カタカタカタ・・・・・・
ドールメイは突如、自分の体が震え出し、おかしくなるのを感じた。
(おや?私は・・・・・・どう・・したんで・・・・・・しょ・・・う・・・・・)
(ワタ・・・ワタ・・ワ・・・・・・・・・・・・・・・タ・・・シ・・・・・・・・・ハ・・・・・)
ドールメイは機能を停止した。
ロシア大使館を監視していた警視庁公安部外事1課(監視対象;ロシアなど欧州の旧共産圏諸国の大使館等)の実働部隊の1つ、「工藤班」
が長田たち3課の応援に回され、ロシア大使館で密会したヘルマリオン幹部、ドールメイとロシアの関係についての情報分析と行動監視を
行っていた。工藤班とさらに応援に駆けつけたC県警警備部外事課の実働部隊がリムジンと距離を置いて尾行中、事件は起きた。
ボォーーーーーーン!
車内のドールメイが爆発し、リムジンは片側2車線の左側車線を走行していたライトバンや後方を走っていた乗用車や巻き込み、
木っ端微塵に吹っ飛んだ。
「油田の報復か・・・・・ロシアめ・・・・・やりやがったか・・・・・・」
尾行していた工藤班の班員が呟いた。
【アジト 研究室】
「うむ。わかったぞ。死んだのじゃな。スパイダーマリオン、帰還していいぞ。ご苦労じゃったな。」
スパイダーマリオンからの報告を聞いた後、骸教授の高笑いが部屋中に響いた。
「ハハハハハハ、こんなに見事に決まるものかの?愉快、愉快じゃ・・・・見事なプランじゃ。スタグビートルマリオンよ。褒めてつかわすぞ。」
「ありがたき幸せでございます。」
「液体爆弾とはよく考えたものじゃのぉ・・・・」
「はい。特殊な超音波に反応して爆発する仕掛けにございます。こちらの工作員を使ってロシア人どもに渡しておきました。SVRは見事に
やってくれましたよ。会食でウォッカあたりに液体爆弾を混ぜたのでしょうね。ちなみに彼らには『毒薬』と言ってあります。」
「ホッホッホ、まさに情報は使いようによっては有効な武器に変わるのぉ・・・・・」
【東京近郊C県 国道XX号線沿い某所】
スパイダーマリオン直属のプペロイドが国道を真下に見おろす小高い丘で、そこに設置した奇妙な装置から超音波を国道に向け発信した。
そして、そこを通りがかったターゲットのリムジンが爆発した。
「ロシアと通じていたとは、幹部なのに最低ね。許せない・・・死んで当然よ。」
スパイダーマリオンは骸教授に任務完了の報告をした。『裏切り者の抹殺』を命令されていたのだった。
「さあ、撤収するわよ。」
プペロイドたちに命令した直後のことだった。
「翔子・・・・・・」
「朋恵、逃げよう!」
2人は農道を引き返して逃げようとした。
運悪く、自転車に乗った学校帰りの女子高生が2人がスパイダーマリオンたちと遭遇してしまった。
「見られたからには仕方ないわね。フフフ、殺してあげようかと思ったけど、気が変わったわ。
予定外だけど、仲間にしてあげる。フフフ」
「きゃぁ〜〜〜〜〜」
2人はスパイダーマリオンの吐き出した糸に絡め取られてしまった。
「お前たち、そいつらもアジトに連れて行きなさい。」
「ハイ すぱいだーまりおんサマ!」
プペロイドが身動きができなくなった2人を抱えた。
「助けてぇ〜」
2人は大声を出して、助けを求めたが、無駄だった。
野菜畑の真ん中で、逃げ込めそうな近くの民家まで300mぐらいだったが、その距離はスパイダーマリオンから逃げ切るのには遠すぎた。
仮に逃げ切れたところで犠牲者が増えるだけだったであろう。
現場には、空しく自転車と鞄が残されていた。
【アジト マリオンラーヴァ】
「ホッホッホ。スパイダーマリオン、任務を完璧にこなした上に土産まで持ってくるとは、本当に働き者じゃのぉ。」
「ありがとうございます。骸教授様」
スパイダーマリオンが恐縮する。
「ねぇねぇ、名前はなんていうの?てへへ」
マリオンヘイルが檻の中の女子高生2人に名前を尋ねた。
「ひっ・・・・・」
恐くて2人とも話すことができなかった。
「この下等動物ども!マリオンヘイル様がお尋ねになってるのです!しっかり答えなさい!」
センチピードマリオンがムチで床を叩いて言った。
「え、江上・・・朋恵です・・・・・」
「羽生・・・翔子です・・・・」
2人は怯えながら、恐る恐る小さな声で名前を言った。
「キャハハハハ、変な名前!」
マリオンヘイルは無邪気に笑った。
「フン!いかにも下等動物って名前ね。声が小さくて聞こえにくかったけど、もしかして恥ずかしい名前って自覚があって堂々と名乗れない
のかしら? アハハハハハハハハ」
センチピードマリオン高笑いが響く。
「どちらにしようかのぉ・・・・・・。そこのプペロイド、適当に連れて来い。」
「了解シマシタ! 骸教授サマ・・・・」
「い、いやぁ〜〜何するの! いやだぁ!」
江上朋恵を先に改造するようだ。2体のプペロイドが朋恵を、彼女の制服や下着を剥ぎ取りながら引きずって、手術台に載せる。
「いや〜〜〜助けて・・・・翔子ぉ〜〜〜〜!」
泣き叫びながらマリオンラーヴァに飲み込まれていった。
「あなた、羽生翔子さんとか言ったわね?よく見てなさい。お友達が先に『仲間』になるのを。フフフ」
スパイダーマリオンが檻の外から薄ら笑いを浮かべて言った。
翔子が怯えながら見つめる中で、朋恵は触手に巻きつかれながら、得体の知れない物体の溶液の中で昆虫人間のような姿に変わって
いった。
(朋恵・・・・・・)
「アハハハ、翔子さん、見て見て、朋恵さんは素敵に生まれ変わったわ・・・・」
翔子は大きな不安に襲われ、顔を伏せて体育座りの状態でうずくまっていた。
(・・・・もう、見たくない)
「ホッホッホ、セミかぁ・・・・しかし、コレはなんという種類のセミなのかのぉ?」
「骸教授様、エゾセミという、この国に生息するセミです。」
スタグビートルマリオンが骸教授にそっと耳打ちする。
「エゾセミとな・・・それではお前のこれからの名前はエゾセミマリオンじゃ。任務に励むがよい!」
「ありがたき幸せです!骸教授様。ヘルマリオンに栄光あれ!」
「うむ、エゾセミマリオン!早速、お前の友達が生まれ変わるのを手伝ってやれ!」
「はい、骸教授様」
(・・・・いや・・・・どうなちゃったの、朋恵まで・・・・恐いよ・・・・)
カツカツっと足音がして、顔を伏せ、うずくまっている翔子の前で止まった。
「翔子、さあ、立って」
いつもと変わらない朋恵の優しい声がした。
(・・・?朋恵は怪物になったんじゃ・・・・・・あれ?もしかして私、気が動転してたのかな?)
「さあ、私なら何ともないよ。ねえ、翔子ってばぁ、行きましょうよ」
(そうだわ、幻覚よ・・・さっきのは。 今の科学力で人間が化け物に出来るわけないじゃない・・・・馬鹿ね、私って・・・)
(きっと、身体検査されただけだわ・・・・・検査された後は警察が助けにくるまでガマンすればいいだけ・・・・・)
翔子はそう心を落ち着かせ、安心して顔を上げた・・・・
「・・・・・・・!!!」
翔子は驚いた。やはり幻覚でもなんでもなく、現実であり、目の前にいたのは『セミ人間』みたいになった朋恵だった。
「きゃあ〜〜〜〜!」
翔子は悲鳴を上げたが、何事もないかのように、さっきまで「朋恵」だった生き物は翔子を引きずっていった。
「邪魔なもの取らなきゃね。手伝ってあげるね。エゾセミマリオン」
スパイダーマリオンが翔子のブレザーやスカート、スリップ、ブラ、ショーツを起用に脱がせ、彼女を全裸にした。
(・・・・・人質じゃなく、仲間にされちゃうんだ・・・・・いやだ・・・・・いやだよう・・・・・・)
「朋恵、私は怪物になりたくない!このままがいいの!お願い、離して・・・・・」
「朋恵?アハハ、さっきまではそんな変な名前だったけど、今はエゾセミマリオンっていう素敵な名を頂いたの。
翔子、怪物って言ったけど、この体は最高よ。あなたもきっと分かるわ、あの中に入って生まれ変われば・・・ふふふ」
(朋恵はおかしくなってしまった・・・・・・なんて力なの・・・動けない・・・・・神様お願い!奇跡を起こして・・・・・・)
奇跡など起こるはずもなく、翔子を載せた手術台はマリオンラーヴァへと吸い込まれていった。
(・・・・・・・・なんだろう、このぬくもり・・・・・ああ・・・なんか・・・・眠くなってきた・・・・・・・・)
翔子はグロテスクな触手に絡まれながら、先に生まれ変わった友人のように気持良さそうな表情を浮かべながら異形の者へ姿を変えてい
った。
「お、完成したようじゃな・・・・ホッホッホ。なんだ?気のせいかのぉ・・・・妙なプレッシャーを感じるぞい・・・・・」
骸教授はなぜか緊張していた。
「か、かいたことのない汗が・・・・・まあ、それはさておき、これは・・・・・・・これは、なんという種類の蛾なのじゃ・・・・?」
側頭部には蛾の複眼があり、額には蛾のような触角・・・・・・体は茶色ベースで模様が入っている。胸は蛾の腹部のような縞模様で、固く
て細かい茶色い毛のような物が覆っていた。
背中は蛾のような羽、股間は毛も無く剥き出しになっていて、茶色い股間から中の赤い秘肉が蠕動しチラチラ見え隠れしている。
ブーツのように変形した足、手袋をしたような腕・・・・・・・・まさに『蛾人間』のようである。
「骸教授様、これはどうやらエゾヨツメという種類の、先ほどのセミと同じくこの国に生息する蛾のようでございます!」
スタグビートルマリオンがさっきと同じように耳打ちする。
「うむ。そうであったか・・・・最近、マリオンラーヴァは細かいのぉ・・・・・・おい、お前、エゾヨツメマリオンと名乗るがよい!
貴様の背中の、大きな4つの目玉のような模様がある羽からは催眠効果のある鱗粉などを撒き散らせるらしいぞ。
ホッホッホ、期待しておるぞ!」
「ありがとうございます!骸教授様!ヘルマリオンのため戦います!ヘルマリオン万歳!首領様、万歳!」
羽生翔子は蛾の姿をしたエゾヨツメマリオンとして生まれ変わった。
「さあ、私がアジトの中を案内いたしますので・・・・・こちらへ。フフフ、よかったですね。生まれ変われて。」
エゾセミマリオンとともにスパイダーマリオンに連れられていった。
【ロシア クレムリン(ロシア大統領府)】
「大統領閣下。我が国のサモトロール油田を攻撃したヘルマリオンの首謀者、ドールメイの抹殺に成功しました。冥土の土産に
『特製』ウォッカを浴びるほど飲ませてやりました。」
SVR長官、キリバノフがモストボイに報告する。
「我がロシアを見くびるからこうなるのだ。よし、キリバノフ、今度は我々が反撃する番だ。ソルジャードールを捕獲しろ。手段は問わない。
洗脳してヤポキンスキーどものように運用するのだ。我が偉大な祖国、ロシアの復権が貴様の肩にかかってることを肝に銘じておけ。」
「はい。大統領閣下!」
「ヤンキーどもはプペロイドを何体か保有し、その傀儡のヤポキンスキーどもは蜂のソルジャードールを保有している。奴らへの対抗上、
どうしても必要なのだ。分かっているな?」
「もちろんでございます。閣下。それに中国も直接ヘルマリオンに下ったことで、技術供与を受けている可能性が高いです。」
「うむ。かの国のしたたかさは嫌ほど知っておる。そして我が国はあのような恥知らずなことは出来ぬ。だが、軍事的に後れを取ることは
あってはならない!それこそ、我がロシアの衰退につながるのだ。」
「はい。閣下。それでは早速、ソルジャードール捕獲作戦の立案に取り掛かります。」
キリバノフはそう返答し、執務室を後にした。
【都内某所 喫茶店】
「あの時の記憶は戻りましたか?野々村紗希さん」
ヘルマリオン拠点攻撃作戦で負傷した紗希だったが、退院し、再び探偵事務所で探偵の仕事を続けていた。
そして、接見するときに使ういつもの喫茶店で、公安の長田から事情聴取と情報提供を受けていた。
「あの作戦で受けた外傷はもう完全に回復しましたけど、姉と戦ったあたりの記憶はまだ・・・・」
「そうですか・・・・」
長田はブラックコーヒーを飲む。
「ところで、紗希さん、この男について分かりますか?」
「さあ・・・・・知らないです・・・・スイマセン・・・・・」
ドールメイの写真を見せられたが、紗希は12人衆との面識はなかった。
「そうですか・・・・では結構です。それとヘルマリオンの動きですが、スパイダーマリオンが△○学院高校を襲撃するらしいという情報が入り
ました。対応よろしくお願いします。我々からは対プペロイド兵器で武装したSATが3チーム応援に行くと思います。」
「はい、わかりました。長田さん・・・・・・・(相手は小夜子か・・・手強いな・・・・・)」
【都内C区 △○学院高校】
「きゃあ〜〜〜!」
女生徒達が悲鳴を上げて逃げ回る・・・・・
「フフフフフ、逃げて無駄よ。」
シュルルルルル〜
スパイダーマリオンは逃げていた集団の最後尾の女生徒を口から吐いた糸で絡める。
「いや〜〜〜助けて!」
彼女はグルグル巻きになっても、ジタバタと動いている女生徒を片足で転がして自分が顔を見やすい体勢にした。
「あら?失礼。間違えました。あなたのような顔が気の毒な方には用はありませんから・・・・死んでもらいますね。フフフ」
罪もない女生徒を殺そうとしたそのときだった!
「ビースラッシャー!」
「!!!」
スパイダーマリオンは寸前でよけた。
「これ以上、人を殺したりするのはやめて!小夜子・・・・」
「そんな汚らわしい名で呼ぶな!ビーマリオン!・・・・喰らえ!スパイダーネット!」
ディソルバー・サキは素早く身をかわす。
「行け!プペロイド・スパイダー!」
スパイダーマリオン直属の4体のプペロイドがサキを囲む。
「ビーマリオン、教えてあげましょう。そいつらは普通のプペロイドの3倍の戦闘能力があるわ。フフフ」
「く・・・なんて強力なの!」
サキは苦戦しながら、1体を粉砕する。
「あ、04号・・・・・・・」
スパイダーマリオンは驚いた顔をした。
02号、01号と倒されていく・・・・・
「隙あり!小夜子!ビースティンガー!」
サキはスパイダーマリオン目がけ発射した。
(しまった!・・・・・当たってしまう・・・・私としたことが・・・)
「ギギ・・・・・すぱいだ・・・あ・・・・サ・・・・・・マ・・・」
直撃を覚悟した瞬間、03号が自分の前に飛び出し、自らスパイダーマリオンの盾となって倒れた。
「よくも・・・かわいい部下達を・・・・・・私を怒らせましたね・・・・・・・ビーマリオン・・・・・・」
スパイダーマリオンの全身から闘気が溢れ出した・・・・
「キェェーーーー!」
鬼神のような表情になったスパイダーマリオンは信じられない速度で手刀やキックを繰り出してきた・・・・
「さ、小夜子・・・・・・」
サキは避けるので精一杯だった。
(あの優しくて内気な小夜子が・・・・・・こんなになってしまうだなんて・・・・・・)
サキは戦いながら悲しい気分になった・・・・・・
サキはスパイダーマリオンの作戦を阻止することに成功するのだが、お互い深い傷を負って勝負は引き分けとなった。
【アジト】
「申し訳ございません・・・・・・骸・・・・教授・・・・様」
スパイダーマリオンはアジトに戻ると、バッタリ倒れた。
倒れたところには傷口からあふれ出た大量の緑色の血で血だまりが出来た。
「な、なんてことじゃ・・・・・・しっかりするのじゃ・・・・スパイダーマリオン・・・・・」
骸教授が抱き起こして揺する。
医療用プペロイドがすぐに駆けつけ、治療室へスパイダーマリオンを運ぶ。
「なぜ、拉致作戦が公安に漏れたのじゃ・・・・・・・」
「スタグビートルマリオンよ・・・・・内通者を探すのじゃ・・・・・そして、殺せ・・・・」
骸教授は怒りに満ちた表情で命じた。
(特別仕様プペロイド4体に通常のプペロイド11体が倒された・・・・・11体はしかもSATに・・・・・・由々しき事態じゃ・・・
早急にプペロイドをバージョンアップさせねば・・・・・・・・)
「う・・う・・・じいちゃん・・・・・クモちゃんが・・・・・」
マリオンヘイルが泣きそうな顔になっている・・・・・
「おい、センチピードマリオンなんとかしろ・・・・・」
「はい!・・・」
やはり、スパイダーマリオンのようにはいかず、四苦八苦しながら、なだめていた。
(う〜む・・・・やはり、スパイダーマリオンのすごさがこんなときにわかるわい・・・・・)
【アジト 治療室】
溶液の入ったカプセルに酸素マスクをしてスパイダーマリオンは収容されていた。
そして、スパイダーマリオンは夢を見ていた。
「小夜子ぉ〜 一緒にお昼食べよう。」
昼休みの教室・・・・・・・
「うん、紗希、ちさと。」
「あ、小夜子、今日も自分でお弁当、作ったんだ?凝ってるよね〜。相変わらず手先が器用なんだからぁ〜。」
「そんなことないよ、ちさと」
3人仲良く、おしゃべりをして昼休みを過ごす。
(何気ない幸せ。ずっとこんな楽しい日常が続けばいいのにな・・・・・・・)
「・・・・クモちゃ〜〜〜〜〜ん」
「あ、マリオンヘイル様・・・・なぜ・・・こちらに?」
「きゃはははははは クモちゃん、人間狩りに行こうよぉ〜〜〜!」
「人間狩り・・・・・?」
「だって・・・私は・・・・・人間・・・・????」
(手術台にマリオンラーヴァ・・・・あれ?・・ここは学校じゃ・・・・)
「ホホホ、今日からスパイダーマリオンと名乗るがよかろう・・・・・」
「私は西村小夜子です!骸教授様!」
「???熱でもあるのか?スパイダーマリオン・・・・・」
(西村・・・小夜子・・・・じゃないんだ・・・・・あれ?)
「小夜子ぉ〜〜こっちこっち!」
(やっぱり学校じゃない・・・・・・)
「あ、ちさと・・・・・・ちさと?・・・・・」
(パピオマリオンって、ちさとだっけ?・・・・・)
「ビースラッシャー!」
制服姿の紗希が、窓際から、教室の入り口に来たパピオマリオンを攻撃する。
「紗希・・・・・やめて、それはパピオマリオン・・・・・」
パピオマリオンが上半身と下半身で真っ二つに切り裂かれる・・・・
「紗希、なんで・・・・なんで、友達を・・・・・・」
「覚悟、小夜子ぉ! ビースティンガー!」
「小夜子? 私はスパイダーマリオン!そう!ソルジャードール・スパイダーマリオン!」
「くらえ!」
シュルルルルル・・・・・・・・・
小夜子は口から糸を吐き出す。
「やめて・・・・くるしいよ・・・・・小夜子・・・・・・」
制服姿の野々村紗希が苦しそうな顔をしている。
「紗希・・・・・・・ああ、どうしよう・・・」
431 :
名無しより愛をこめて:2008/05/20(火) 05:44:18 ID:fOeDoDJM0
骸教授は治療カプセルの前に立ち、様子を見ていた。
「う〜〜む、うなされておるようじゃ・・・・・・・」
「じいちゃん、クモちゃん、助かるよね?・・・・・・」
「ああ。心配は要らぬ。だから、お前は泣くでないぞ!絶対にな・・・・・」
マリオンヘイルは黙ってうなずく。
「アト2日ハ、コノ状態ガ続クコトガ、予想サレマス・・・・」
医療用プペロイドが報告する。
「うむ・・・後は宜しく頼むぞ。メディカル・プペロイドどもよ。」
「ハイ 骸教授サマ。へるまりおん万歳・・・・!」
【アジト マリオンラーヴァ】
数多くのソルジャードールが骸教授の前に跪いている。その中の1体が名乗りをあげた。
「骸教授様!スパイダーマリオンの仇、私に取らせてください!」
「ほう。お前がか?まあ、良かろう・・・・・たまには本格的な格闘戦もよかろう。ホッホッホ。」
「ありがたき幸せです・・・・それでは!」
ソルジャードールがビーマリオンの抹殺のため、20体のプペロイドを率いて飛び出していった。
<完>