「野望教授 SSヘルマリオン」
1.骸のつぶやき
ワシの名は骸教授。秘密結社ヘルマリオンの幹部じゃ。新しい創造主が降臨し、おかげさまで、組織は復活した。
組織が復活するまでの約3年の間、ワシの身の回りにはいろいろなことが起こった。
きっと下等動物の社会での経験は・・・・・何の役にも立たないな。まったく、要らぬ苦労をさせられたわい!
【約3年前】
「骸教授よ・・・・・私は創造主より頂いていたエネルギーを全く感じなくなった。おそらく一時的なものかと思うが、
エネルギーを再び頂けるその日が来るまで眠ることにした。組織の活動も停止することにする・・・・・・・・・・・・・
骸教授よ!それまでアジトやソルジャードールどもの管理はお前に任せることにした。頼んだぞ・・・・・・・・・。」
「ハッ!お任せくだされ。首領様。」
首領様の命令により、ワシは早速、ソルジャードールやプペロイドたちを冷凍睡眠カプセルに収納した。
その後、ワシは下等動物どもの動向を探るため、孫娘マリオンヘイルを連れて東京に潜入した。
孫娘マリオンヘイルは隠れ家の近所にある小学校にとりあえず通わせることにし、その間、ワシは研究に勤しむつもりであったのじゃが、
研究活動には資金が要ることに気づいた。しまった、ワシとしたことが・・・いくらか資金を首領様から頂いておけばよかった。
とりあえず、アジトに戻り、通帳と印鑑を持ち出したワシであったがヘルマリオン名義の預金残高は300万円しかなかった。
おそらく首領様の隠し口座に資金の大部分があるに違いない。
首領様をたたき起こして問いただすなどワシにできるはずもなく、仕方がないので労働とやらをしてみることにした。
ワシほどの人物ならば、日本国のトップが相応しい。そこで首相官邸とやらに行ったら警備の警官に止められてしまった。
暴れてやったら、このいたいけな年寄り相手に発砲してきよった。4,5人殺した気がするが、下等動物の命などどうでもよい。
巷ではテロ事件と騒ぎになったようじゃが、ワシの知ったことではなかった。
首領様を裏切り、他の同業者に加わることも出来ず、謙虚にハローワークとやらに行ってみた。
「あなたねぇ・・・・・そんな条件、一国の独裁者しかありませんよ・・・・・・ふざけてないで・・・・」
ハロワの説教臭い下等動物が話し終わる前に短気なワシはヤツの首を刎ねてやった。
ワシは途方にくれた。当面の生活費は300万で何とかなるとして、問題はワシの研究開発費じゃ。う〜〜む・・・・・・
生活場所は、懇意にしてた同業者バOO の幹部が個人的な好意で6畳の1LDKの木造モルタルアパートを提供してくれた。
正直、ボロくて不満はいっぱいあるが、贅沢は言ってられんのぉ・・・・
資金援助は同じ目標を持つライバル組織の幹部であることを理由に受けられなかった。
フン、どうせ不景気で資金がないんじゃろ。どこも同じじゃのぉ・・・・・
「ふ〜 困ったわい・・・・・何も出来ないではないか・・・・・・」
仕方がないので、地道にアルバイトとやらをすることにした。規模は小さかったが、学習塾とやらの講師になった。
ワシのような知的な者には相応しい。
「よいか!愚民どもよ!貴様らはヘルマリオンが将来、世界を支配したとき、奴隷となるのじゃw 器量よしの娘はワシがソルジャードールに
してやるがの。フハハハハハハ」
ワシの神聖な講義はどうじゃ?イケてるじゃろ
どういうわけか、3日でクビになった。塾長は老舗の名門組織の戦闘員上がりだったので、殺さないでやったが、困ったものじゃ。
名門とはいえ、バッタの改造人間に滅ぼされたくせに。組織を復興するならともかく、下等動物に迎合して生きているのが許せん!
「骸さん、ヘルマリオンってなんですか?詳しく教えてください。」
そういえば、下等動物ではあるが、ワシの高尚な思想に興味を示した奴が現れた。同じ塾で講師をしておるT大生の山本とかいったかの・・・・
『世の中、馬鹿ばっかりで困る。子供の頃、自分のことをガリ勉とからかい、イジメた愚民どもに復讐し、支配してやる!』
とも言っておったの・・・下等動物のなかでは珍しく、みどころのあるヤツだったので、組織が復興したら、ワシの右腕にしてやろう。
そうそう、引越し屋でアルバイトをしたこともあったのぉ。ワシは年寄りかも知れぬがパワーは若い下等動物には負けぬ。
「ジジィ!もたもたすんな!」
く、若僧が・・・・元ヤンキーかなんかは知らぬが無礼者め・・・・・さっきからワシに文句ばっかりじゃ。
ワシはヘルマリオンの大幹部、骸教授じゃぞ!
温厚なワシにも限界がある。この身の程知らずの元ヤンキーを殺そうとしたそのときじゃった、
「この人は年寄りだろ!少しは大目に見てやれ!動きは遅いかもしれねーけど、
正確に仕事こなしてるじゃねーか!」
別の下等動物の若者が割って入ってきた。筋肉馬鹿が余計なことをしおってからに。・・・・
「じーさん、ほらよ!じーさんみたいな年寄りに冷たいこんな世の中どうかしてるぜ・・・・変えれるものなら変えたいよな・・・・・」
仕事が終わると、さっきの力だけはありそうな下等動物の若僧が缶コーヒーをワシに投げてよこした。
下等動物から施しを受けるなど屈辱じゃが、寛大なワシは受けてやることにした。あれ?なんじゃ?目から水が出てきたぞ。
斉藤とかいったな・・・・組織の活動再開の暁には、貴様はワシの部下にしてやろう。有難く思えよ・・・・・
【現在】
あれから地道な労働は性に合わないらしいことに気づいたワシはデイトレーダーとやらになった。はじめからこうすればよかったのぉ・・・・
3年間、株取引ばかりをして過ごすと、300万円の資金はあっという間に1000倍以上になった・・・・・・が、空しいのは何故じゃ・・・・・・・・
何はともあれ、ワシの生活レベルはいくところまで上がってしまい、住まいも友人提供のボロアパートから六本木ヒルズに引っ越した。
そんな中で戯れにネットサーフィンをしていると、なんと、組織に新しい創造主が現れることを偶然に知ってしまった・・・・・
デイトレードのほうが美味しい・・・いや、そうじゃなかった(汗) やむを得ぬ事情のためアジトの管理がおろそかになっていた。
どうなっているのか見に行くのが恐かったのじゃが、幸いなんともなかった・・・・・
そういえばマリオンラーヴァから少し異臭がしたが・・・・・・まぁ、大したことはなかろう。ヘルマリオン万歳!
【アジト】
六本木ヒルズを引払い3年ぶりに戻ってきた・・・・・・・
孫娘マリオンヘイルは大喜びじゃ・・・・・こら!マリオンラーヴァに触れるでない!
おお、わが傑作たちよ・・・・・目覚めの時は来た!
冷凍睡眠を解除し、蘇るソルジャードール、プペロイドたち・・・・・
そして・・・・あのお方も・・・・・・
「よく戻ったな・・・・骸教授よ・・・・・ご苦労であった。私は新しいエネルギーに満ちあふれ、力がみなぎっておる・・・・・」
首領様も復活なさったようじゃ
「無事復活なさり、骸もうれしゅうございます。」
「ところで、骸教授よ・・・・・変な臭いがするようだが、ちゃんと管理はしていたのであろうな?」
(ウゥ・・・やばい)
「も、もちろんですとも。首領様。マリオンラーヴァも、かなり久しぶりの活動ゆえ・・・・やがて臭いも収まりましょう・・・(不安じゃが・・・)
そ、それよりもささやかではございますが、手土産がございます・・・・50億円ほどの資金と2体の優秀な改造素体でございます・・・・・・」
「そうか。なかなか気が効くな。期待しておるぞ。ではとりあえず、50億円の通帳と印鑑をとりあえず私によこすのだ・・・・・・」
「かしこまりました・・・・・(いくらか抜いておけばよかったのぉ・・・・まあ、よいか・・・・)」
【アジト マリオンラーヴァ】
「じーさん、俺たちに何をするつもりだ!」
斉藤とかいう筋肉質のフリーターが大声で叫んだ。
「ハハハ 貴様らの世の中を変えたいという願いをかなえてやろうと思っての・・・・・・」
「骸さん・・・・もしや僕らを改造するというのでは?」
T大生の山本が言った。何やら期待している表情じゃの・・・・・
「さすがじゃのぉ・・・・その通りじゃ。貴様の復讐を手伝ってやろう。」
(微笑を浮かべておるぞ、コヤツ・・・・・嫌がるのが相場なのじゃが・・・・まあ、よいわ。)
「改造?おい、冗談じゃないぞ・・・・・」
斉藤がまだ、わめいている。往生際の悪い奴だ。
「斉藤とかいったのぉ・・・・ワシに親切にしてくれた礼じゃ。礼は組織に貢献することで返してくれ。」
「おい、じーさん、俺は承知してないぞ!」
「若人よ。遠慮はするな。さらに強靭な肉体をくれてやろう。」
プペロイドに命じて、手術台に載っけて放り込んだ。
数分後、ヘラクレスオオカブトムシをモチーフにしたソルジャードールが誕生した。
(マリオンラーヴァの異臭もどうやら収まったようじゃ・・・・やれやれ)
「骸教授様、改造していただきありがとうございます!組織に忠誠を誓います!」
跪いて、ヘラクレスマリオンは言った。(はて・・・・・・脳改造も勝手にやってくれたんじゃったかの?手間が省けたわい。)
細かいことは気にしないでおこう。まあ、マリオンラーヴァのことは正直よくわからん。
「うむ。立派なボディじゃのぉ。ヘラクレスマリオンと名乗るがよい!」
久々のこのセリフに感動して目から水が出てきてしまった・・・・・・・
調子に乗って、山本を放り込む。
山本はクワガタムシのソルジャードールになった。
「お前は・・・・(クワガタって英語でなんじゃったかのぉ・・・・・)」
3分ほど沈黙してしまった・・・・・・ちょっと、感極まったせいじゃろうな・・・・
決して分からなかったわけではないぞ。言っておくが・・・・
「スタグビートルマリオンと名乗るがよい・・・・(ふぅ・・・)」
「ありがたき幸せ・・・・・・」
久々の仕事は楽しいものじゃ
うれしいものじゃから、つい彼らは通常のソルジャードールの3倍の戦闘力としてやったわい。
「そうじゃ、お前らコンビは『マリオンビートルチーム』と名乗るがよい。」
「か、かしこまりました。あ、ありがたく、その名を頂戴いたします・・・・・・・・」
ワシのネーミングセンスって相変わらず素晴らしいのぉ・・・・・グゥ〜
(こいつら、あまり嬉しくなさそうじゃが・・・気のせいか?)
「おい、スパイダーマリオン、こいつらを連れてアジトの中を案内してやれ。」
「はい、かしこまりました。」
スパイダーマリオンは素直で気の効く良いコじゃからこいつらの案内係にはちょうどよいじゃろ。
「こりゃ!スパイダーマリオン、何を見とれておるのじゃ!早くこいつらを連れていけ!」
「も、申し訳ございません、骸教授様。さあ、新人さんたち、どうぞ、こちらへ・・・・・・・」
とはいえ、スパイダーマリオンがああなるのも、仕方ないわな・・・・
2体ともイケメンじゃったからのぉ・・・・・・
女性型ソルジャードールどもからも黄色い声が聞こえるわい
ちなみに、あいつらには女性型ソルジャーマリオンたちに様々なエネルギーを注入できるようにしておいた。
巻貝のように変形したドリルのような股間がエネルギーの供給源じゃ。
おっと、ワシは誰に説明しておるのじゃ?はて・・・・・・???
・・・・・1時間は過ぎたようじゃが、あいつらめ、何をしておるのじゃ?
「ただいま戻りました!骸教授様」
「遅かったのぉ・・・・・お前たち。まぁ、とりあえずご苦労じゃった、スパイダーマリオンよ! ん? 貴様、顔が紅潮しておるようじゃが・・・・
具合でも悪いのか?」
(やばいのぉ・・・・長い間、放置したせいかのぉ・・・・・マリオンラーヴァがうまいこと治ったというのに・・)
「い、いえ・・・骸教授様、なんでもございません・・・・遅れて申し訳ありませんでした・・・・」
「そうか。スパイダーマリオン、お前はもう下がってよい。」
「はい 骸教授様」
(壊れてたときの言い訳でも考えておこう・・・・・・・・・)
「よし、マリオンビートルチームよ!早速命令じゃ!街へ出て18歳前後のメスの改造素体を確保してくるのじゃ!」
「かしこまりました!骸教授様!」
フフフ、どんな娘を連れてくるか、楽しみじゃのぉ・・・・
1.5 マリオンビートルチームとソルジャードール
【アジト】
「ここが武器庫です。プペロイドが装備することが稀にあります。」
スパイダーマリオンが親切かつ丁寧にマリオンビートルチームを案内する。
「で、こちらが格闘訓練スペースです。あ、今、スコーピマリオンがプペロイド相手に訓練してますね。」
「スパイダーマリオン、ちょっと入ってみてもいいか?」
ヘラクレスマリオンが言った。格闘訓練に加わりたいらしい。
「少しの間だけなら構わないと思いますけど・・・・」
「よし、そうこなくちゃ」
ヘラクレスマリオンはコロシアムのような格闘訓練スペースに入っていった。
「そんな雑魚相手じゃ、つまらんだろ?俺が相手してやるぜ」
スコーピマリオンを軽く挑発する。
「新人さん?でも少しは楽しませてくれそうね・・・・」
スコーピマリオンとヘラクレスマリオンが格闘訓練を始めた。
「うぅ・・・・・」
始めて1分もしないうちに、みぞおちに強力な一撃を喰らい、腹を抱えてスコーピマリオンがうずくまった・・・・・・
「ハハハ、まだまだだな。尻尾の動きが丸分かりだ。」
「く、くやしい・・・・・・・もう1回・・・」
この後、3回、闘うがスコーピマリオンはすべて秒殺されてしまった。
「なんで? 何度やっても勝てないの!」
悔しがるスコーピマリオン。
「お前にはどうやら新たなエネルギーが必要みたいだな。」
「エネルギー?」
「しいて言えば戦闘力アップのエネルギーかな?」
「今から補給してやるよ。尻尾を上げてケツを突き出してみろ?」
「はい・・・・」
立ちバックスタイルで股間のドリル状の器官をスコーピマリオンの器官に挿入する。
男性型ソルジャードールはドリル状の器官を女性型ソルジャードールの女性器のような器官に挿入し、ピストン運動の摩擦によって
得られる刺激によって女性型ソルジャードールに必要なエネルギーを放出する。
ちなみに男性型ソルジャードールは快感を得られるのみである。
SEXのような行為であるが、ソルジャードールは生殖活動はしない。
このような形でエネルギー補給を行う必要はないのだが、骸教授の趣味によるところが大きい。
「はぅぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
スコーピマリオンの絶叫が響き渡った。
乳房だった部分と尻尾が脈を打って蠕動する。
そして股間からは少し粘り気のある緑色の液体が噴き出していた。
「うぉ・・・・・」
ヘラクレスマリオンはスコーピマリオンに補給するエネルギーを射精のような形で放出した。
2体はしばらくスコーピマリオンを下に重なった状態でうつ伏せになって地面に横たわっていた。
「しょうがないな・・・・ヘラクレスマリオンは・・・・・」
右を向くと、スパイダーマリオンが股間に左手をやり、右手で乳房を揉んで悶えていた。
「ス、スパイダーマリオン?」
「私にもエネルギー下さい・・・・・・・」
スパイダーマリオンが興奮気味に求めてきた。
スタグビートルマリオンは正常位の形でエネルギーを注入した。
スパイダーマリオンが興奮の余りに噴き出した糸で2体はグルグル巻きになっていた。
「ありがとうございました。これで次の作戦、頑張れそうです・・・・・・」
微笑みを浮かべ、スパイダーマリオンが言った。スタグビートルマリオンは昔感じたことがあるような
懐かしい感覚をおぼえた。そしてスパイダーマリオンも・・・・・
2.マリオンビートルチームのお仕事
【都内某所 閑静な住宅街】
「な、なんだ!お前は!」
安田と表札のある洋風の立派な家の主人が大声をあげる。
「アンタの息子に用があってね・・・・・」
スタグビートルマリオンが薄ら笑いを浮かべて言う。
「中学・高校とよく『遊んで』もらった御礼に来たんだよ。」
茶色く光沢のある体に甲虫類のような羽が背中にあり、頭部から2本のノコギリ状の角の生えた
まるでクワガタムシのような異形の者に安田家の家族はリビングの隅で身を寄せ合って怯えていた・・・・・
「ま、雅弘は旅行に行っている!当分、ここには帰ってこない!」
弁護士をしている父親が答える。
「見え透いたウソつくなよ、おっさん、バイトにでも行ってるんだろ?アンタって、たしか人権派弁護士とかだろ?
アンタの言うことなんかまったく信用できないよ」
ガチャ・・・・・玄関のドアの開く音がした
「ただいま・・・」
「雅弘逃げろ!」
父親が叫んだ。その声を聞き、安田雅弘という青年が反射的に外へ再び駆け出した。
「やっぱりな・・・この嘘つき弁護士が!」
スタグビートルマリオンは安田の父親の首を刎ね、母親の心臓の辺りを一突きして殺した。
「クク・・・・・お前は命だけは助けてやるよ・・・・」
安田の高校生の妹に向かって言った。両親を目の前で殺され、放心状態となっている。
プペロイドたちが安田を捕らえて戻ってきた。
「お前たち、ご苦労さん。安田ぁ〜 散々、俺のこと虐めてくれたよなぁ。アジトまでいっしょに来てもらうよ。妹さんといっしょにね。」
「その声は山本か?」
「昔、そんな名前だったかもなぁ。今はヘルマリオンの頭脳派戦士、スタグビートルマリオンだ。」
「俺たちをどうする気だ!虐めたことは謝るよ・・・・・・だから助けてくれ・・・・・な、頼む!」
「だめだね。散々、ガリ勉とか言ってクラス中の奴巻き込んで俺をバカにしやがって!骸教授様にお前の処遇は俺の自由にしていいことに
なっている。楽しみにしてろよ。お世話になった他の連中にも、天誅食らわすつもりだから。ハハハ。」
(思えばせっかく合格して入学した難関私立中学の1年生のとき、このバカと同じクラスになったせいで・・・・・・・・・!)
(楽しいものになるはずだった6年間が・・・・・・・)
スタグビートルマリオンの脳裏には色々な思いが駆け巡ってきた。
【アジト マリオンラーヴァ】
「ほうほう、これは上物じゃな。さっそくソルジャードールにしてやろう。」
安田の妹、有名私立女子高に通う理沙を見て骸教授が言った。
放心状態のままプペロイドに衣服を切り裂かれ、全裸にされ、手術台に載せられる理沙。なすがままにされていた。
手術台はマリオンラーヴァに飲み込まれていった。中では理沙に触手が吸い付き、ソルジャードールへと姿を変えられていた。
やがて、手術台が吐き出されてきた。そこには人間の名残を残しているが、触角が生え、側頭部には複眼がついている頭部を持ち、
黄色ベースのボディにアゲハ蝶のような羽を背中に持った改造人間が横たわっていた。
アゲハ蝶の化け物のような姿になった安田理沙という名だった少女は起き上がって手術台から降り、骸教授の前に跪いた。
「今日からお前はアゲハマリオンと名乗るがよい。お前は再び下等動物の社会に潜入し、ヘラクレスマリオンの作戦を手伝うが良かろう。」
「かしこまりました。骸教授様。」
アゲハマリオンは不気味な薄ら笑いを浮かべていた。
【アジト 格闘訓練スペース】
「おらおら〜!どうしたぁ!」
安田をスタグビートルマリオンがいたぶっている。
「ぐぅぅ・・・・・・も、もう許・・・し・・・て・・・下さ・・・・・い・・・・・・」
安田はスタグビートルマリオンの陰湿極まりない仕返しで、見た目がまるでボロ雑巾のような状態になっていた。
(お前に虐められた6年間はこんなものじゃないぞ・・・・そのうえお前が現役でT大に来てたらと思うとぞっとするよ・・・・・)
(10年虐められところだったよ・・・・・・・・・まあ、T大なんてもうどうでもいい話だがな。)
スタグビートルマリオンの脳裏には生まれ変わる前の辛い記憶が蘇っていた。
「ねえ、スタグビートルマリオン、こいつをどうするか、そろそろ決めないと・・・・・・。」
「そうだね、スパイダーマリオン。でも実はもう決めてあるんだ。」
そういうと、スタグビートルマリオンはスパイダーマリオンに耳打ちした。
スパイダーマリオンはニタリと笑った。
【アジト マリオンラーヴァ】
手術台がマリオンラーヴァから吐き出されてきた。
さっきまで安田と呼ばれていたソルジャードールが載っていた。
手術台から降りるとオロオロしている。
「よぉ!安田改めフンコロガシマリオン!お前は汚物を転がして一生笑われてろ。
それが任務だ。」
「ありがたき幸せです。スタグビートルマリオン様、頑張ります!」
スタグビートルマリオンは満足気であった。
フンコロガシマリオンには男性型ソルジャードールとしては例外的にドリル状の器官がついていなかった。
そして意味のない任務をフンコロガシマリオンはアジトの地下で続けることとなった。
【都内某所 某有名女子高】
きゃあ!女子高生の悲鳴がする。
「プペロイドどもよ!上質な改造素体を確保しろ!」
校舎内に侵入したヘラクレスマリオンがプリペロイドに命令していた。
比較的ルックスのいい女生徒が捕まっていく。
「なんだ、お前らは!生徒に手を出すな!」
体格の良い男性の体育教師が、不審者撃退用の刺股を持ってヘラクレスマリオンに向かってきた。
しかし、刺股をぶちかまされてもヘルマリオンの最強武闘派戦士はビクともしない。
「よせ。無駄なことだ・・・・・俺は弱い者は相手にしない。」
呆然と立ち尽くす体育教師。
「ふざけた格好しやがって!貴様ぁ!おれは柔道の元国体選手だぞ!」
弱者呼ばわりされて腹が立ったのか、刺股を捨てて、力ずくでねじ伏せようと立ち向かってきた。
「しつこい!」
ヘラクレスマリオンが一突きすると、彼は簡単に吹っ飛び、廊下の窓ガラスを突き破って、2階から地面に落下した。
その間もプリペロイドたちが次々と目ぼしい女生徒を捕獲している。
自ら直接拉致をせず、プリペロイドたちに指示するヘラクレスマリオン。
しばらくするとサイレンの音が聞こえてきた。校外に逃れた者が通報したのであろう。
校舎は機動隊によって包囲された。しかし、ヘルマリオンの一団は警察には目もくれず捕獲作戦を行っている。
「みなさん、お待ちしてましたよ。我々は獲物を運ぶ乗り物が欲しかったんでね。」
ヘラクレスマリオンが警官隊に声をかけた。
「な、なんだ!」
突如、頭上に姿を現した怪物に警官たちは動揺した。
カブトムシみたいな異形の者が3メートルほどの高さのところでブ〜ンという羽音を立てながら浮いているのだ。
「ば、化け物!・・・・・・」
パン!パン!
乾いた音が響いた。誰かが発砲したようだがヘラクレスマリオンは平気な顔をしている。
「無駄だよ。おまわりさん」
発砲した警官が宙を舞った。信じられない速度で移動したヘラクレスマリオンが蹴り上げたらしい。
SITと書かれたジャンパーの男が吹っ飛ぶ・・・・・・・・・
サブマシンガンで武装したSATの隊員がフルオート射撃で弾丸をすべてヘラクレスマリオンに撃ち込んだが無駄だった。
女子高を包囲していた警官隊はヘラクレスマリオン1体にあっさりと片づけられてしまった。
野次馬や報道陣もパニック状態になり、その場から逃げ出してしまった。
「相手にもならん・・・・・・」
ヘラクレスマリオンはつぶやいた。上空にはマスコミや警察のヘリの音が響いているがまったく気に留めてもいない。
ヘルマリオンの一団は機動隊の輸送バスを確保し、捕らえた50人ほどの女子高生達を乗せ、アジトへと急ぐ。
アジトに向かう輸送バスを警察のヘリが追跡してきた。
「アゲハマリオン、ヘリを始末しろ!」
「はい」
真後ろに拉致された女子高生の中の1人が立ち上がり、制服を突き破って羽が姿を現し、アゲハチョウの怪物のような姿に変わった。
「り、理沙・・・・・いやぁ〜〜〜〜!」
拉致された女子高生から悲鳴が上がる。
かつて、安田理沙と呼ばれていた女子高生はアゲハマリオンとなり、上空へ舞い上がるとヘリから乗員を放り出し、
輸送バスの後ろの車列に叩き落した。バスを尾行していた覆面パトカーもろとも警察の追跡部隊を殲滅した。
アゲハマリオンは改造後も擬態化して、かつての自分の高校に通い続け、ターゲットの選定など今回の作戦の手引きをしていた。
3.骸のアカルイ未来
【アジト】
「よくぞ、もどった。ヘラクレスマリオンにアゲハマリオン。初仕事は上出来じゃ!」
「ありがとうございます。骸教授様!」
ワシはとっても満足していた。新に50体、上物の素体が手に入ったからじゃ。
おっと、モニターではCNNのキャスターがボルチモアとやらが正体不明の敵から攻撃されて壊滅したと騒いでおるわ。
可愛い孫娘・マリオンヘイルがアメリカに挨拶したようじゃ ほっほっほ
それを見てワシはホワイトハウスに今後も歯向かうならNYやロスやシカゴやら、もっと大きいところを潰すというメッセージを送ってやった。
昨日は昨日で孫娘の遊び相手として造ってやった邪念獣・ガッジーラが奴らご自慢の原子力空母を1隻食べてしまいよったからのぉ〜
まぁ当分の間、我々には歯向かえまいて。
素直に某国のように我々の軍門に下ればよいのじゃ。献上品にあった化学物質たっぷりのギョーザとやらは美味かったわい。
下等動物のことはとりあえずこのへんにして、最近、ホーネットマリオンの態度が大きいのが気になるわい。
いざとなったら抹殺できるようにしておかねばのぉ
スタグビートルマリオンに知恵を出させるとするか・・・・・・さて、マリオンラーヴァでワシの生きがいに没頭しよう。
【アジト マリオンラーヴァ】
「ほっほっほ、そう怯えずともよい。命など取りはせぬ。お前たちはこれからソルジャードールとして生まれ変わり、
組織の為に働いてもらうのじゃ。光栄に思うがよい!」
檻の中で50人の女子高生が恐怖で顔を引きつらせていた。
「みんな、何も恐がることはないわ。こんなに美しくて素晴らしい体にしていただいたのよ。
組織に選ばれたことを光栄に思わないとね。」
アゲハマリオンが檻の前で饒舌に話す。
「理沙・・・・・いったいどうしたの?お願い、私達をここから出して・・・・」
友人の山口恵美が泣きそうな顔で懇願する。
「だめよ。みんな仲間になってもらわなくちゃ。恵美、親友のあなたから仲間にしてあげるね。」
アゲハマリオンはプペロイドに顔で指図した。
「り、理沙・・・・冗談よね?・・・い、いや・・・近寄らないで・・・・いやぁ・・・・・・・・・」
プペロイドに両脇を抱えられ、手術台まで引きずられていく。
「何マリオンになるのか楽しみだね。恵美。」
プペロイドのよって手際よく制服が剥ぎ取られていく。
全裸にされた恵美が抵抗を空しく続けながら手術台に載せられる。
「恵美ぃ〜 暴れちゃダメだよ。優等生なんだから、行儀よくしてなきゃ。」
「いや・・・いや・・・・助けてぇ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
手術台はマリオンラーヴァに飲み込まれていった。
触手が恵美に絡みつき、ソルジャードールに改造するための遺伝子情報を送り込む。
触手は不気味に蠕動する。額から触角、背中には羽が生えだし、女子高生を異形の者に作り変えていく。
数分後、山口恵美はジュウェルビートルマリオンとして生まれ変わった。
「ほほう、タマムシのソルジャードールか。美しいのぉ。傑作じゃわい。」
骸教授は狂気の笑みを浮かべていた。
「さて、お次はお前じゃ!」
骸教授はセミロングの女子高生を自ら捕まえ、泣き叫ぶ彼女を引きずりながら全裸にし、手術台に載せた。
骸教授の恐怖の儀式が続けらていく。
4.正義のミカタ
【獅子堂探偵事務所】
「御免ください。」
「はぁ〜い、いらっしゃいませ。」
紗希が応対すると、そこにはスーツ姿の男性が5人立っていた。
「我々は警視庁の者です。帆村みさきさんですね?あなたにお話があって参りました。」
「はぁ、どうぞ・・・・・」
紗希は応接間に案内する。所長はつい先ほど急用だとか言って出かけていったのだが、
おそらくこの人たちが何らかの手段を使って所長を外出させたにちがいないと思った。
そして彼らは普通の刑事や警察官とはまったく違う雰囲気を漂わせていた。
「我々は警視庁公安部の者です。あなたにとって有益な情報をお持ちしました。ディソルバー・サキさん。
いや、野々村紗希さんとお呼びした方がよろしかったですかね。」
「!!!」
紗希は彼らが自分の正体を知っていたことに驚いた。
「驚きましたか?こちらはあなたに関する情報はすべて把握しています。」
能面のように無表情な田中と彼らの中で呼ばれていた眼鏡の若い男が言った。
警視庁公安部・・・・得体の知れない人達だわ・・・・・紗希が彼らに対して一番強烈に抱いた印象だった。
「あなたや我々が戦っているヘルマリオンという組織、あなたのお姉さんが掌握してしまいました。
どこの組織でもみられる権力闘争というやつの結果です。」
「え、紗耶お姉ちゃんが!?」
「ただし、人間として心はもはや持ち合わせていません。ソルジャードールという改造人間として組織を掌握したようです。
今後も組織を率いて我々に挑んでくると考えるのが大方の見解です。」
「お姉ちゃんが組織のトップだなんて・・・・・・・ウソですよね?」
「いいえ。我々がヘルマリオン内部に獲得した超Aランクの協力者からの情報です。情報の確度は高いと見てます。」
「そ、そんな・・・・・」
「お辛いでしょうが、ヘルマリオンを倒せるのは野々村紗希さん、あなたしかいないのです。我々警察はおろか自衛隊でも現状では打倒する
のが困難な相手です。日本政府は全力を挙げて支援することを決定しました。こちらが、先日、協力者から提供されたあなたのお姉さんの・・
ホーネットマリオンの最新情報が記録された資料です。」
課長とよばれている長田という彼らの中の最上位者らしき男から資料を渡された。
「今後、我々、警視庁公安部外事第3課(監視対象:国際テロ組織)が窓口になりますので宜しくお願いします。お姉さんと戦わねばならない
心中お察しします。それと失礼を承知で言いますが、こんな小さな探偵事務所などでは手に入らない情報も我々は持っています。いつでも
我々にお尋ねください。情報面であなたをサポートいたしますので。」
警視庁公安部の面々はホーネットマリオンやそれ以外のソルジャードール、プペロイドなどのかなり詳細なデータやヘルマリオン絡みのもの
と考えられる事件の情報を渡し、それに関するレクチャーを一通り終えると去っていった。
そして紗希は姉を人類のため倒さなければいけなくなった状況にひどく憂鬱な気分になっていた。
5.骸の謀略
【3日前 都内某所 喫茶店】
「思えば、愚かなことをしましたわい。ワシのような科学を愛する者が、あのような輩に手を貸すなんて・・・・・・・」
「いえ、拉致されて洗脳されてしまったのでは仕方ありませんよ・・・・・藤沢教授。今、組織内で変わったことってありますか?」
長田がタバコを吹かしながら言った。
ワシは、とある組織が拉致して殺害した藤沢とかいう学者の戸籍を手に入れ、下等動物の社会に再度潜入していた。あるコトの為に・・・・・
「組織は今、ホーネットマリオンというソルジャードールに『完全に』主導権を握られておりますのじゃ・・・・・・」
「ホーネットマリオン?・・・・たしかサマースクールの大量拉致事件の被害者の1人、野々村紗耶か・・・・たしかあの事件、
地元の県警の刑事警察部門は全くお手上げだったようで、あちらさんでは謎の集団失踪事件として迷宮入りの状態らしいねぇ・・・・・・
しかし我々、公安部門では県警警備部公安課や外事課を通じてある程度の情報を掴んでましたがね。」
「さすがですのぉ。よくご存知で(公安め、侮れぬのぉ・・・)。ホーネットマリオンの奴が暴走しましてな・・・・・・・・・・
俗に言うクーデターとやらですかのぉ・・・・」
「なるほど。昔も似たようなケースがありましたね。たしか、S40年代ぐらいに・・・・ショッカーといいましたかね・・・・結果、滅亡しましたが。
おたくらも同じ道を辿ってくれると国家としては有難いのですがねぇ〜。」
長田は口からタバコの煙を吐き出す。
「まったくその通りですじゃ ほっほっほ(何を言うか!このたわけが!)」
「今日、コンタクトをとったのは、先日の女子高襲撃の際、拉致された生徒の中に、山口総理のお孫さんがいましてねぇ。
あなたのお力で解放していただけないかと思いまして・・・・・・・・・・マリオンラーヴァにはまだ入れられていないんでしょ?」
「ええ、もちろんですとも。ワシが実験材料にするということにして人間のままですじゃ。(ウソじゃけど)」
(バカめ。とっくの昔に全員、ソルジャードールにしてしまったわい。あの娘は何マリオンじゃったかのぉ・・・)
「そうじゃ、長田さんよ。今日はホーネットマリオンのアップデートしたデータと弱点となりうるポイントをまとめた資料をお持ちしましたのじゃ。」
「ほほう、それは有難いお土産ですね。遠慮なく頂戴します。」
「ほっほっほ。自衛隊にでも在日米軍にでも渡してくだされ。」
(おそらくビーマリオンのところにこのデータは行くはずじゃ。ビーマリオンがホーネットマリオンを倒してくれれば願ったりかなったりじゃ。
ホーネットマリオンをワシが直々に潰してやってもよいのじゃが、奴に人望がある分、厄介じゃ。下手すりゃ、組織を崩壊させかねん・・・・
そこでビーマリオンを利用して、邪魔者を潰したあとで、マリオンヘイルかマリオンビートルチームを差し向けてビーマリオンを倒す。
ワシって天才。ムフッ!)
(ホーネットマリオンよ!見ておけ。ソルジャードールの分際で出すぎた真似をすると、どうなるかをのぉ・・・・・)
6.骸と蜂の葛藤
【アジト】
「骸教授様!先日の作戦報告書です。」
(最近、勝手に作戦を立てて進めよって・・・・出過ぎた真似を・・・)
「うむ、ご苦労じゃった。後で読んでおく。」
ホーネットマリオンは一礼して、颯爽と部屋を出て行く
(ソルジャードールが!図に乗るでないぞ・・・・・・・)
「すごいね!ホーネットマリオン。骸教授様のお覚えもめでたくて・・・・」
「そうでもないよ、スコーピマリオン・・・・なんか骸教授様、最近冷たいんだよね。」
「期待なさってるから、厳しく接するんじゃない?ヘルマリオンの幹部入り間近だったりしてね。ハハハ。」
「おい、スコーピマリオン、直接戦闘訓練の相手をしてくれ!」
話に割って入る形でヘラクレスマリオンが声をかけてきた。
「うん、喜んで。あとでエネルギー注入してね。フフフ」
可愛い笑顔を浮かべ返事をした。
(いつも仲がよろしいこと・・・・・)
「じゃあね。ホーネットマリオン。気にすることないよ。」
そう言って、スコーピマリオンはヘラクレスマリオンと仲良く格闘訓練スペースに向かっていった。
【アジト マリオンラーヴァ】
「きゃあ!助けて!いやぁ〜〜〜〜〜」
スタグビートルマリオンが骸教授の代理で、ローズマリオンが拉致してきた女子高生を改造していた。
スパイダーマリオンと、いちゃつきながら、楽しげである。
ホーネットマリオンは天井の梁の部分に腰掛け物憂げにマリオンラーヴァの改造作業の様子を見おろしていた。
「フフフ、カマキリの能力を持ったお前は今日からマンティスマリオンと名乗るが良い!」
スパイダーマリオンが楽しそうに告げていた。スタグビートルマリオンに、このセリフを言ってみたいとおねだりしたらしい。
(能天気でいいわね・・・・・・)
ホーネットマリオンはアジトの中をさ迷っていた。フンコロガシマリオンを見ても笑えない。
偉大なヘルマリオンの為に頑張れば頑張るほど骸教授に疎まれていくような・・・・・・
ホーネットマリオンの心は満たされぬままであった。
(大戦果をあげればきっと・・・・・・よし!気にしないで頑張ってみよう・・・)
「ねえ!オードネートマリオン!模擬空中戦に付き合ってよ!」
ホーネットマリオンは気を取り直して、近くにいたソルジャーマリオンを訓練に誘った。
【都内某所】
「骸教授様!ぱぴおまりおん様ノDNA回収成功シマシタ。」
科学作戦用プペロイドの1体が報告してきた。
「おお!でかした!」
ワシは狂喜乱舞した。ホーネットマリオンの勇み足によってワシの傑作の一つパピオマリオンが損失したときは
運悪くワシの近くにいたプペロイド3体を怒りに任せて消滅させてしまったものじゃ。ワシとしたことが大人気ない・・・・・・・・
パピオマリオンよ、すぐに復活させてやるからのぉ。ホントによかった・・・・・・目からまた水じゃ・・・・・
ワシは基本的にソルジャードールどもが大好きじゃ。出来ることなら1体も失いたくはない。
そんなワシの心を知ってか知らずか、あのソルジャードールは・・・・・・不良品じゃのぉ・・・・・・
蜂タイプのソルジャーマリオンには構造的欠陥でもあるのかのぉ・・・・・スペックは申し分ないのじゃが・・・・
デザイン的にも最高じゃ・・・・・う〜む・・・・・・
「ビースラッシャー!」
物思いに耽っていたそのとき、妙な叫び声とともに目の前にいたプペロイドが5体ほど真っ二つになった。
・・・・・!? ワシは不意を突かれてしまった・・・・・
「見つけたわ!骸教授!覚悟しなさい!」
(ビーマリオンか・・・・とんだ邪魔者が現れたわい・・・・・・・)
「ヘラクレスマリオン、アゲハマリオン!あとは任せたぞ!」
「かしこまりました!骸教授様!」
「ビーマリオンよ、今、貴様の相手をするほどワシは暇じゃないのじゃ。」
ワシは戦線を離脱した・・・・待てとか卑怯とかほざいておるが、待てと言われて待ったり、卑怯じゃなかったら悪とはいわぬのじゃ、たわけ!
さて、アジトに着いたらパピオマリオンの復活作業でもしようかの・・・ホッホッホ
<完>