「野望教授の孫」
【フランス共和国 ストラスブール】
「キャハハハハハハ!」
少女のような笑い声が聞こえると同時に強烈な爆音が響き、爆風によって人々が木の葉のように吹き飛ばされていく。
ドイツ国境近くの中堅都市は正体不明の物体に攻撃されていた。
TGVが停車する駅舎が吹っ飛び、フランスらしく洒落た外見を持つ欧州人権裁判所、欧州議会などのEUの主要施設の建物も次々と破壊
され、ユネスコの世界文化遺産に登録された旧市街も炎に包まれていく。
ヨーロッパ有数の伝統都市はわずか時間のうちに灰燼に帰した。
ラファール戦闘機やルクレール戦車などの強力な兵器を装備しているフランス軍も、謎の物体の前にあっさり撃破された。
「ホッホッホ、大統領よ。名はイヌコジとやらだったかの?無駄な抵抗はやめるのじゃ。次はマルセイユかリヨンか?いっそのこと貴様のいる
パリでも焼いてやろうかのぉ・・・ホッホッホ」
骸教授の『ご挨拶』のメッセージを受け取り、フランス大統領イヌコジはエリゼ宮の執務室で呆然としていた。
モニターには廃墟と化したストラスブールの街並み、無数の市民の焼死体、フランス軍の兵器の残骸が映っていた・・・・・・
対ヘルマリオン強硬派で知られる彼に反撃を躊躇させるのには充分なものだった。
【アジト】
「たっだいま〜 じいちゃん!」
「ホッホッホ、おかえり。今帰ったのか。楽しかったか?」
「うん、いっぱい殺しちった。へへ」
骸教授がフランス帰りの孫娘と楽しそうに会話を交わす。
「そうか。よかったのぉ・・・。それじゃ、フンコロガシマリオンとでも遊んでおいで」
「は〜い!」
マリオンヘイルはマリオンラーヴァの前を高速で走りぬけていった。
その折にプペロイドが2体跳ね飛ばされてしまった。
「こりゃ!もっと静かに行くのじゃ!」
すれ違うソルジャードルたちが立ち止まって最敬礼する。
「ちゃ!トンボちゃん元気ぃ〜?」
「カゲロウちゃんも姉妹仲良しだね」
ソルジャードールたちに愛想よく声をかけていく。
「きゃはははは まてぇ〜!」
「ヒィ〜〜〜」
「フンコロガシ、今度捕まったら、キック3発ねぇ〜 きゃはははははははは」
涙目でフンコロガシマリオンがフンを転がしながら逃げ回る。邪念獣ガッジーラもマリオンヘイルの後に従って飛び回る。
フンコロガシマリオンは実質マリオンヘイルのウォーミングアップに使わている。やみくもに汚物を転がすだけのものを養っておくほど、
ヘルマリオンも構成員に優しくはなかった。
「マリオンヘイル様、専用エネルギー『ドールビタンD』でございます。」
遊び終えたマリオンヘイルにスパイダーマリオンが哺乳瓶を跪いて差し出す。
「ねえねえ、クモちゃん、今度、人間狩りに行くんだって?ヘイルもついて行っていい?」
「はぁ・・・・構いませんが、骸教授様のお許しを得たほうがよろしいのでは?・・・・・」
「うん そうだね。クモちゃんはいつもみんなのお世話してエライね」
「いえ、そんなこと・・・・・・」
スパイダーマリオンは謙遜した。
「じゃあ、じいちゃんがいいよっていってくれたら、約束だよぉ!ちゃば〜〜い!」
エネルギー補充が終わると、通路を猛スピードで走り去っていった。プペロイドを3体ほど吹き飛ばしながら・・・・
【都内S区】
プペロイドを数十体引き連れて、人間狩りのターゲットポイントに現れた。
建物の中では、私服姿やブレザーやセーラー服などいろいろなタイプの制服に身を包んだ高校生が席に座って
参考書を読んでいたり、ひたすら問題集の問題を解いていたり、息抜きに友人と談笑したりしている。
「よかったですね。骸教授様のお許しが出て。」
「うん。でもねぇ、ホーネットちゃんがダメ〜って言ってんだけど、じいちゃんが怒っちゃって、結局、OKだってさ。へへへ。」
マリオンヘイルは無邪気にスパイダーマリオンと会話する。
「ねえねえ、クモちゃん、あそこで人間狩りするの?」
「左様でございます。あそこは予備校というものでございまして、手ごろな素材がウヨウヨいます。どうやら今は休憩時間らしいですね。
改造前に私も夏期講習だとかでお世話になりました。」
「ふーん。クモちゃんもいたことあるんだ?ねぇねぇ、楽しかった?」
「いいえ、退屈なところでした。ですから、マリオンヘイル様、選ばれし者だけでも『楽しい』場所に連れていって上げましょう。」
「うん!で、誰を連れてけばいいの?」
「はい。今回は容姿にすぐれたメスがターゲットでございます。マリオンヘイル様のスカウティングセンサーにも反応が出ると思いますので、
反応のあったものをお捕まえください。」
「反応無しのとかオスは?」
「フフフ、そうですね〜 殺しちゃいましょうか。」
邪悪な微笑がスパイダーマリオンに浮かぶ。
「では、参りましょうか。」
「うん!」
「川井塾」という看板のある建物に2体とプペロイド達が突入した。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!」
予備校の建物の中から悲鳴があがる。
学生達や職員や講師たちが逃げ惑う。
「フフフフ、もう逃げられないわ。」
スパイダーマリオンが口から吐いた糸がブレザー姿の可愛らしい顔の女子高生をグルグル巻きにしていた。
顔以外、糸でグルグル巻きにされ、一生懸命、体を動かして逃れようとしているが無駄な抵抗である。
マリオンヘイルやプペロイドは透明な拘束具を使って素材を確保する。
「きゃはははは、おもしろーい! アンタ邪魔!」
マリオンヘイルが男子高校生を払いのける。その男子高校生は飛ばされて、壁に叩きつけられて潰れ、肉片や血を撒き散らす。
予備校は地獄絵図の様相だった。
受付カウンターのテーブルの下で女性事務員が事務員が隠れて震えていた。
周囲が静かになったため、彼女はそっとあたりの様子を窺おうとテーブルから顔を出そうとした。が、そのとき、
「みーつけたっ!きゃははははは」
無邪気な笑顔で、西洋の少女人形のようなものがカウンターのテーブルの上に立っていた。
10歳ぐらいの小学生ほどの大きさがあった。
「い、いやぁ〜〜〜〜〜!」
制服姿の事務員が悲鳴を上げる。
「うん?反応しないな・・・・・・」
マリオンヘイルがそういいながら、ひょいっと彼女を片手で持ち上げる。
「どうしよっかなぁ・・・・・ねえねえ、クモちゃん、コレ、どうすればいい?きゃはははは」
一通り捕獲を終え、そばに控えていたスパイダーマリオンに聞いた。
「ちょっと拝見させていただいて宜しいですか?マリオンヘイル様。」
スパイダーマリオンはそういって覗き見た。
「あなた、綺麗な顔してますね。フフフ。年はいくつ?」
「に、に、23です・・・・・」
事務員は怯えきった顔で答える
「ふ〜ん。16〜18才に設定してたせいで反応がなかったのね。おめでとう。あなたも連れて行ってあげる。
マリオンヘイル様、ソレは素材でございます。」
スパイダーマリオンは糸を吐いて事務員を拘束する。
「じゃあ、終わったことですし、引き上げましょう。マリオンヘイル様」
「うん!おもしろかったね〜!クモちゃん」
「はい」
清清しい笑顔でスパイダーマリオンは返事をした。
獲物はプペロイドたちが抱えている。計34体を捕獲した。
玄関口を出ると、警官や野次馬やマスコミ関係者の死体が転がっていた。
「お迎えに上がりました。マリオンヘイル様。」
玄関口から出ると、ホーネットマリオンがそれまで腰掛けていた赤色灯のランプが叩き割られたパトカーから飛び降り、跪いて言った。
「スパイダーマリオン、ダメじゃない。モタモタしてたら!アンタたちが夢中で捕まえてるとき、すでに囲まれてたわよ。私がいなかったら
マリオンヘイル様に余計な手間をおかけさせてたところじゃない!」
「ごめんなさい・・・・ホーネットマリオン・・・・」
スパイダーマリオンが上下関係があるわけではなかったのだが、思わず謝ってしまった。
「え?手間じゃないよ〜 警察屋さんと遊ぶの大好きだしぃ〜 きゃはははは」
マリオンヘイルが無邪気にしゃべる。
「マリオンヘイル様、骸教授様がお待ちです。さあ、参りましょう。」
「うん!ホーネットちゃん!」
ホーネットマリオンがその場を仕切っていた。
スパイダーマリオンは何か言いたそうな目でホーネットマリオンを見つめていた。
【都心近郊M市】
「くそ!しぶといな!プペロイドのくせに!」
ビーマリオンは息が切れそうになっていた。
「ギギッ!」
プペロイドがまだ10体ほど生き残っている。
(・・・・まだ5体ほどしか倒してないのに)
ビーマリオンは焦りを感じつつあった。
公安の長田からS区にある予備校が襲撃される恐れがあることを知らされて、ヘルマリオンが来る前に迎え撃とうとしようとしたのだが、
ヘラクレスマリオン率いる一団に襲われていた。
「ハッハッハ!そいつらは俺直属の格闘戦強化型のプペロイドさ。通常のヤツの2倍の戦闘力。並みとはちがうんだよ!並みとはな!
お前たち!やってしまえ!」
ヘラクレスマリオンがプペロイドをけしかける。
「ビースティンガー!」
ビーマリオンは乳房を揉むように刺激して乳首から発射する。
かろうじて1体倒す。しかし、生き残ったプペロイドが、なおも襲い掛かる。
「ええぃ!・・・ビースティンガー!乱れ撃ち!」
さらに乳房を刺激し、針を連射する。
まだ3体ほど生き残っている。プペロイドに今までこんなに苦戦したことはなかった。
「俺様が手を下すまでもないかな。ハッハッハ」
「おい、ヘラクレスマリオン!」
スタグビートルマリオンが姿を現す。
(よりによって・・・・・ソルジャードールが、もう1体も・・・・)
「なんだって、もう少しだぞ・・・・」
スタグビートルマリオンに耳打ちされた後、ヘラクレスマリオンは狼狽した。
「骸教授様の命令だ・・・・足止めだけでいいそうだ。」
「ちっ!ビーマリオン!命拾いしたな・・・・・次は覚悟しておけ!」
ヘラクレスマリオンたちは姿を消した。
ビーマリオンはその場で倒れこんでしまった。
そして激しい雨が降り出し、容赦なく大粒の雨がうつ伏せに倒れたビーマリオンをたたきつけていた。
やがて、公安の面々が駆けつけ、ビーマリオンをワゴン車でどこへともなく運び去った
【アジト マリオンラーヴァ】
「ホッホッホ。今日もまた大漁じゃの。ピチピチじゃわい。でかしたぞ!マリオンヘイルにスパイダーマリオン!」
「てへへ〜褒められちった。」
マリオンヘイルはスパイダーマリオンのほうを向いて無邪気に笑う。スパイダーマリオンは跪きながら微笑で返す。
骸教授は檻の中の女子高生達を嘗め回すような目で見る。
「1匹、ちょっと年食ったのがいるようじゃが、まあ、よかろう。ホッホッホ。年功序列とやらでコイツから改造してやろう。
おい、そこのプペロイド、こいつを手術台へ持って行け!」
「い、いやぁ〜〜〜〜!」
可愛らしいルックスで予備校生たちからも人気のあった23歳の予備校事務員がプペロイドに引きずられていく。
プルンと形のいい胸があらわになり、全裸にされ、手術台に載せられる。
マリオンラーヴァは不気味に鼓動を繰り返す。
「きゃぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・」
悲鳴とともに彼女は飲み込まれていった・・・・・・・・
「ホッホッホ。アオスジアゲハかぁ・・・・ホッホッホ。ブルーラインマリオンと名乗るがよい。蝶は美しいのぉ。」
「ありがとうございます。ヘルマリオンに栄光あれ!」
「アオスジアゲハ、アゲハ〜 きゃはははははははは。コレね〜私が捕まえたんだよ。」
マリオンヘイルは嬉しそうにはしゃぐ。
「ホッホッホ、そうじゃったかぁ。孫のためにも頑張るのじゃぞ。ブルーラインマリオンよ!」
「かしこまりました。骸教授様」
「そうじゃ、マリオンヘイル。好きなの檻から選んで来るがよい。」
「え?いいの?じいちゃん、でも、どれ選んでいいかわかんない・・・」
「マリオンヘイル様、わたくしが手伝いましょう・・・・」
傍に控えていた何体かのソルジャードールの中からホーネットマリオンが名乗り出た。
「たわけ!出すぎた真似をするな!ホーネットマリオン!身の程を知るのじゃ!引っ込んでおれ!」
骸教授が怒鳴り声を上げると、ホーネットマリオンは一礼して元の位置に戻った。
ビクッとした、マリオンヘイルは泣きそうになっていた。マリオンヘイルは泣き出すと超強力な破壊音波を出す。
(・・・しまったわい!ワシとしたことが・・・・・)
骸教授自身も慌てていた。が、そのとき、
「マリオンヘイル様、ではわたくしと選びましょう・・・・」
咄嗟にスパイダーマリオンが歩み寄った。
「うん。クモちゃん。クモちゃん大好き。」
機嫌が直り、みなホッとため息をついた・・・・
「ホッホッホ。スパイダーマリオンよ、お前はほんとうに気が効くのぉ・・・(誰かと違って)」
骸教授がホーネットマリオンに対する皮肉を込めて言った。
「じいちゃん、こいつにする。クモちゃんと選んだんだよ。てへへへへ」
ショートボブの健康的なタイプの女子高生だった。
「離せ!このやろー!」
マリオンヘイルにつかまれながらも暴れている。
「フフフ、言葉の汚いこと・・」
横で、スパイダーマリオンがつぶやく。
「!!!(このクモの化け物、見覚えがある!捕まるずっと前にもどこかで・・・・・・・)」
女子高生は暴れながらも思いだそうとしていた、そしてソルジャードールの中のある者を目にしたとたん思い出した。
立てひざの体勢で跪いて控えてるソルジャードールの集団の中に見覚えのある顔が・・・・
(・・・・後藤先輩!?)
彼女はサマースクールで拉致された彼女たちと同じ高校の下級生であった。スパイダーマリオンに改造される前の西村小夜子とも1度は
顔を合わせたことがあったのだろう。無意識に記憶していたのかもしれない。そして彼女はラクロス部員であった。スコーピマリオンに改造
される前の後藤結の部活の後輩である。
(サマースクールで行方不明になった上級生達は皆、こいつらに拉致されたんだわ・・・・しかも化け物になんかにされて・・・・・・)
「ご、後藤先輩ですよね!先輩!わたしです!1年の辻沢ひかりです!助けてください!」
聞こえているはずなのに、スコーピマリオンはピクリとも反応しない。
「あら?私達の後輩?うれしいわ。スコーピマリオン、あなたと知り合いみたいよ?何か言ってあげたら?フフフ」
スパイダーマリオンがスコーピマリオンに声をかける。
「辻沢、久しぶりね。来年のレギュラー入り間違いなしだったよね。来年なんてもうないけど。あはははは。でもこれからはラクロスなんかより
もっと楽しいことがまってるわ。ようこそ。ヘルマリオンヘ。辻沢ひかりさん・・・なにマリオンになるのかな?楽しみね・・・・あははは」
「・・・せ、先輩・・・・・そ、そんな・・・・」
辻沢ひかりは尊敬した先輩がすでに人間でなくなっていることが見た目からもわかっていたのだが、もしや・・・・という一縷(いちる)の望み
も絶たれてしまい、絶望のふちに立たされてしまった。
「い、いや・・・・触らないで・・・近寄るな!」
大声をあげ、無駄な抵抗を続けたが、いつの間にか全裸にされてしまった彼女もまた、マリオンラーヴァに吸い込まれていった。
触手に絡まれたあともしばらくは抵抗を続けたが、次第に大人しく従順になり、新しい体へと作り変えられていった。
「ここまで抵抗するとはのぉ。ほっほっほ。改造後が楽しみじゃ。」
骸教授は下品な笑みを浮かべた。
「わ〜い、出けた、出けたぁ〜 わ〜〜い」
マリオンラーヴァから手術台が排出されてきた。
「ほほぉ!これは驚いたわい!アシナガ蜂か・・・ホーネットマリオンやビーマリオンとほぼ形状は同じじゃが色合いがちがうのぉ・・ホッホ。
ペーパーワスプマリオンと名乗るが良かろう。いや、ワスプマリオンと名乗るがよい。」
「ありがたき幸せです!蜂の力を存分に発揮させていただきます・・・・・・・・」
「うむ。良い心がけじゃ。期待しておるぞ。」
(ホッホッホ。ようやく正統派の蜂のソルジャーマリオンが出来たわい。ボディの基本色も青ではなく黄色ベースでまさに蜂そのものじゃ。)
骸教授は不敵な笑いを浮かべて、ホーネットマリオンの方を見た。
「同じ部活とやらのよしみでスコーピマリオンと組んで任務をこなすがよかろう。おい、スパイダーマリオンよ、可愛い後輩にアジトの中を案内
してやれ。」
「はい。かしこまりました。フフフ、とても素敵な姿よ。ワスプマリオン。さあ、行きましょ。」
ワスプマリオンはスパイダーマリオンに連れられて、訓練場の方へと向かっていった。
【アジト 研究室】
骸教授はモニターを見ていた。
「わがアメリカ合衆国、およびその同盟国は今、世界を騒がしているヘルマリオンなるテロ組織に決して屈することはないでしょう。こうして
ここホワイトハウスで主要国指導者が一同に介し声明を発し、我々の結束が強固なものであることをヘルマリオンに対して示すのであります!
我が国のボルチモア、フランスのストラスブール。この2つの都市が無残にも破壊され、罪のない何十万人もの市民が犠牲となりました。
平和で穏やかで幸福に満ちた彼らの人生そのものを奪ったテロ組織を断じて許すことは出来ません!犠牲となった市民に哀悼の意を示す
とともに、彼らを弔うべく、世界規模で大規模な軍事作戦を行うことを検討しています。平和に対する挑戦を我々は受けてたちます!・・・・・」
アメリカ大統領の演説が流れてる。世界中に同時中継されているらしい。
「ホッホッホ。第7艦隊と中堅都市ひとつでは懲りていないようじゃの。おろかなヤツじゃ。そうじゃ、マリオンヘイルよ、ニューヨークと
ロスアンゼルスで遊んできなさい。そうじゃ、それとガッジーラも連れて行きなさい。」
「はーい!じいちゃん、みんな殺してくればいいの?」
「おお。そうじゃ。皆殺しにしてきなさい。兵隊さんともよく遊んでやるんじゃぞ。」
「やったー!戦争ごっこだぁ〜!わーい」
無邪気に喜びながら、信じられない速度でマリオンヘイルは邪念獣ガッジーラとともに東の空へ飛んでいった。
<完>