先ほどナイトサバイブ(ダークレイダーモンスター形態)、一泊おいてアギト、カブト、
さらに若干の間隔を置いてクウガが駆け抜けていった定点カメラの前を
今現在生き残っている他のライダーたちが続々と通過しつつあった。
一周目で先頭集団に属していたライダーたちと第二集団に属していたライダーたちだが、
いまや彼らの順位は大きく変動し
渾然一体となった大集団を形成している。
トップ4人の驚異的な加速とギャレンのクラッシュを目の当たりにしたことで
大なり小なりの心理的ブレーキが働き微妙に減速してしまった第一集団に対して
「先行するライダーたちは、自分より先にパワードイクサーに激突するはずだ」と認識している第二集団の面々が、
本来であれば勝負を投げてもおかしくないほどの大差を無視して猛加速を始めたためである。
さらに。
『ムチャよ氷川君! ガードチェイサーの限界速度を振り切っているわ、
今すぐ減速しなさい! でないと、いつエンジンが爆発してもおかしくはないのよ!?』
「構いません! 彼をアレに、1人で立ち向かわせるわけにはいかない!」
我と我が身を省みず、先行する友のために疾走するG3-X。
「残念ですね。もう三周もあれば、間違いなく優勝できたはずなんですが」
一周目で全コースの最適なライン取りを記憶し尽くしたために、
二周目開始直後から瞬く間に順位を上げてきたオルタナディブ・ゼロ。
「あんのコウモリ野郎!! 絶対にブッチ切ってやるぜえ!!」
分かりやすい目標があると誰よりも真面目に頑張る電王ソードフォームなど、
これまで比較的劣勢だと思われていたライダーたちの思わぬ健闘により、
もはやこの中の誰がクウガに追いついてもおかしくないほどの接戦状態である。
なお、この集団を構成する他のメンバーは、
ファイズ、ギルス、アナザーアギト。サソード、ドレイク、ザビー。そしてゼロノス。
後方から、とうとうフロートで空を飛び始めたレンゲルのグリンクローバーが猛烈な勢いで接近しつつあるが、
そこにブレイド、そしてカリスの姿は無かった。