平成歴代ライダー総出演の特別編

このエントリーをはてなブックマークに追加
219平成ライダーグランプリ(キャッスルドラン前・1)
ブレイドの発動した新コンボによって、巨獣たちの暴走による脅威は収束したものの
既にそれらの犠牲となった多数の怪我人を救うという救護スタッフの戦いは、
まだ終わってはいなかった。

「――この中に、外科医の資格をもつライダーの方はいらっしゃいませんか!?」

我先にドランの口の中へ飛び込んでゆこうとするライダー達に向って
拡声器で呼びかける岬。
とうとうゼクト医療班だけでは医者の手が足りなくなったのだ。

一介のカリスマメイクアップアーティストが仮面ライダーに選ばれてしまうこのご時世、
探せば一人くらい、医者が変身したライダーも混じっているだろうという
彼女の発想は実際正しかったのだが、

まだ逆転優勝の目があることを悟り俄然やる気になったライダー達の中からは、
その呼びかけに答えようとする者が現れるはずもなかった。
220平成ライダーグランプリ(キャッスルドラン前・2):2008/12/27(土) 17:48:38 ID:zqIOvLoB0
「……そんなんじゃダメだ! 貸してください!!」

絶望に打ちひしがれる彼女から拡声器を奪い取ったのは、
カブトとの相討ちで気絶状態のアギト=津上翔一を抱え、
G3-]のマスクを外して歩いてきた氷川誠である。

もはや自身のリタイアなど気にすることもなく、
ただ、傷ついた友を救いたいという熱い心の赴くままに、

彼は叫んだ。

「この中に!! 救いを求める怪我人全てを救う、闇の天才外科医の方はいらっしゃいませんか!!」

一台のバイクが、急ブレーキをかけ止まった。

「……俺がそうだが?」

アナザーアギト、木野薫脱落。
221平成ライダーグランプリ(キャッスルドラン前・3):2008/12/27(土) 17:49:40 ID:zqIOvLoB0
一方、実力的にほぼ全員互角な後続集団の中で
ここまで比較的良い位置をキープしてきたはずの仮面ライダーゼロノスは
ドラン城内突入寸前で、思いもよらぬ停止を余儀なくされていた。

「なんで止めるんだデネブ! 早く行かなきゃドンケツになっちまうだろ!?」
「だめだ佑斗! あの中に入っちゃいけない!!」
「なんで!」

「だってアレ…… お 化 け 屋 敷 じゃないか!!」

たしかに

タイミングをしくじった顔写真よろしく
大口を開け、白目を剥いた凄まじい形相で凍りついたドランの顔は

それ系のアトラクション入り口のように見えないこともなかった。




(続く)