あぼーん
あぼーん
あぼーん
タイムピンク・ユウリは焦りを感じていた。
すでにみんなに連絡は済ませてある。
あとは応援の到着まで持ちこたえればいいだけだ。
だが・・・・
「なんて数なの!?」
はじめは数人だったゼニットの集団は、既に二百を超えただろうか。
なぜこの場所にこんな数の器械戦闘員たちがいるのかはまだ分からない。
倒しても倒しても次々に襲いかかってくる。
「とぉ!やぁっ!」
ユウリは冷静さを保つように自分に言い聞かせ、
確実にゼニットを駆逐していく。
すらりと伸びた華奢な足。
そこからは想像できないほど彼女の回し蹴りは強力だ。
「無用な変身は避けたいところだったけど・・・」
ユウリは意を決し、クロノチェンジの構えをとった。
が、その時・・・。
「!?」
(ねらわれてる!?)
背後に気配を感じたユウリはとっさに回避する。
が、一歩遅かった。
「しまった!」
ユウリの背後から発せられた光線は、ユウリの背中を捉えた!
「きゃっ!」
軽いショックを感じた。が、痛みはない。一体何が起こったのか。
瞬間、ユウリにできた隙を逃さず、ゼニットの蹴りがユウリの頬を打った。
「うっ!?」
思わずのけぞるユウリを後ろのゼニットが羽交い締めにする。
「このっ、離しなさい!」
ユウリとてこれしきでやられるわけはない。すぐさま肘打を見舞い、反撃に転じる。
右から迫る敵にパンチ、振り向きざまにハイキックが決まる。
即座に間合いを取り直す。
少し息は上がるが、完全に体制を立て直した。
先ほどのショック光線はただのこけおどしだろうか。
数は多いがゼニットしかいないこの集団ではその程度かもしれない。
「とにかく、今度はこっちの番!! クロノチェンジッ!」
今度こそ変身を決めるユウリ。
だったが・・・。