おにゃのこが改造されるシーン素体9人目

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136名無しより愛をこめて
けたたましくサイレンが鳴り響く中、救急車のドアが勢いよく開いて搬送ベッドが運び出された。
「一刻を争います! 早く患者を!」「伊藤先生! 急患です! 至急集中治療室へ!」
ベッドに横たわっているのは、目を大きく見開いたまま硬直している20代のOL。
全身が烈しい痙攣を続け、顔色は死体のように青白く変色している。
「永井さん、生理食塩水を用意して。浅野さん、心臓マッサージの用意を」「はい!」
東京救急病院の集中治療室。宿直の伊藤医師が看護婦たちにてきぱきと指示を出す。まだ20代半ばの若い女医だ。
女医は、患者の脈を取ろうと近づいた。その時、ベッドに横たわったOLの身体に、驚くべき変化が現われた。
「・・・え?」「・・・な、何!?」
白い指が緑色に染まり、ムクムクと伸びて植物のツルのように姿を変える!
太股の柔らかい肌をブチブチと貫き、ストッキングを引き裂いて、中から植物の芽がスルスルと伸びる!
鮮やかな緑色に染まった髪の毛が束になって次々と枝分かれし、イバラの草むらのようになる!
そして襟元からニョキニョキと伸びるツタの群れに、美しい顔が隠されて見えなくなってゆく!
数秒後。OLはスーツを着たまま、見たこともない奇怪な植物状の怪物へと変貌していた。
「キャアーッ!」
医師と看護婦たちは恐怖のあまり、ドアに向かって殺到した。だが焦っているせいでロックキーがうまく外せず、
気密室になっている集中治療室のドアがなかなか開かない。
137名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:34:07 ID:iQAMrdOf0
ワャワャワャ!と奇怪な鳴き声を上げながら、怪物はベッドから起き上がった。女性の美しいシルエットを
わずかに保った怪物は、イバラのような手でスーツの胸を勢いよく引きちぎった。
ブラジャーがはじけ飛び、かつてふくよかな乳房があった場所に、丸い大きな吸盤状の器官が現われた。
そして、脅える看護婦のひとりを目がけて、吸盤の中央から緑色の液体がシャワーのように吹き出した。
「イヤッ!イヤァーッ!」「あ、浅野さん! 浅野さんッ!!」
液体を浴びたのは、まだ20歳そこそこの、愛らしい顔の看護婦だった。彼女はとたんに苦痛の表情を浮かべ、
全身を痙攣させて苦しみ始めた。
ふと彼女が違和感を感じて自分の手を見ると、白魚のような指がいつの間にか、怪物と同じツタのような形状に
変わっているではないか!
「キャアアーッ!!」
恐怖と混乱で絶叫する看護婦の身体に、徐々におぞましい変化が現われた。
髪がわらわらと伸びて緑のツタに変わり、長く伸びた脚が、そして細い腕が、イバラの束へと変わってゆく。
「いやッ! やだ! 助けて! 先生! せんせーい!」
看護婦の全身は、みるみるうちに緑色のツタに包まれた。やがて助けを求めて叫ぶ愛らしい顔が、ツタの
群れにすっかり覆い尽くされて、見えなくなった。
しばらくの後、看護婦が倒れた場所から、ナース服を着た植物状の怪物が一匹、ワャワャワャ!と鳴きながら
起き上がった。
「た、助けて! 誰か!誰かァ!!」
さっきまで看護婦だった生き物は、ガタガタと震えながらドアの下にうずくまっている女医と看護婦の方へと
向き直った。泣き叫ぶ哀れな女たちの方に、二体の怪物がゆっくりと迫ってくる。
そしてナース服を着た怪物が、胸元をはだけ、かつての同僚たち目がけて緑色の同化液を浴びせかけた。
138名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:34:35 ID:iQAMrdOf0
・・・1時間後。ウルトラ警備隊が東京救急病院に突入した時には、既に300人近い患者・医師・看護婦たちが
怪物化し、院内のいたるところにはびこっていた。怪物に普通の銃弾は通じず、やむなくウルトラ警備隊は
火炎放射器で怪物たちを一匹残らず掃討した。
焼け残った怪物の組織を調べた結果、怪物は同化液によって被害者の細胞を遺伝子レベルで変異させ、
自らと同じ遺伝子情報に書き変える能力を持つ、驚くべき未知の新生物であることが判明した。


夜な夜な出現しては、人間を無差別に襲う植物状の怪物。「生物X」と名付けられたこの怪物に襲われた者は
たちまち生物Xと同じ姿に変貌して、また別の人間を襲い、その数をネズミ算式に増やしてゆく。
怪物化した人間を元に戻す手段は現代の科学には無く、銃弾もレーザーガンも効かないこの怪物を倒すには、
強力な火炎放射器で一気に焼き尽くすより他に方法は無かった。
幸い、怪物の出現地は今のところ、閑静な住宅街を中心とした一部地域にとどまっており、人口密度の高い
繁華街はまだ襲われてはいない。
仮に都心がこの怪物に襲われれば、大変なことになる。政府はこれ以上の被害を防ぐため、都内全域に対し
夜間外出禁止令を発令した。そしてウルトラ警備隊が怪物の出現箇所を詳しく調べた結果、この怪物の最初の
出現地らしき場所が徐々に絞られていった。その場所とは・・・。
139名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:34:53 ID:iQAMrdOf0
「・・・非常に危険な怪物が町をうろついています。都民の皆さまは夜間は決して外出せず、ドアに鍵を
堅くかけ、窓をすべて閉じて家から動かないで下さい。政府広報でした。」
アナウンサーが緊張した声でTVから呼びかける。東京、S区の高級住宅地。旧華族の血をひく石黒家の
邸宅では、地球防衛軍に勤務する石黒隊員の若い妻、美津子と、若い家政婦の二人が、おびえた表情で
TVを見つめていた。
「・・・怖いわ、しずさん。怪物だなんて・・・ねえ、この近くにも現われているんでしょう?」
「・・・だ、大丈夫ですわ、奥様。だんな様は地球防衛軍のエリートでいらっしゃいます。怪物もきっと恐れて
近づきませんわ!」
その時、テラスに面した大きなガラス扉の向こうに、奇怪に蠢く異形の影が現われた。
「キャアッ!」「お、奥様っ!」「あ、あなた! 助けて! 誰か来てェーッ!!」「だ、だんな様ァーッ!!」
「どうしたんだ、美津子!」バタバタと足音を立てて、2階から石黒隊員が現われた。
「あ、あなたッ。怪物が、怪物があそこにッ!」
「怪物?」石黒隊員はガラス戸を開けて、外を確かめた。「何もいないじゃないか。」
「け、警察に連絡しなくちゃ・・・」
「やめなさいッ!!」石黒は怒気を荒げるように叫んだ。
「地球防衛軍隊員の家が襲われたなど、いい物笑いになるだけだ。絶対に連絡してはいかん!」
「だんな様!」家政婦の静香が不満気に叫んだが、美津子が制した。「しずさん! 彼の言う通りにして。」
石黒はやさしく微笑み、妻を抱きかかえてソファに座らせた。
「・・・美津子。東京は物騒だ。明日の朝、箱根の別荘に行こう。」
「・・・ええ」うなずく美津子の顔にようやく笑みが戻った。
石黒は真顔になり、今度は家政婦の方に向き直って言った。
「しずさん。後で僕の部屋に来てくれ。渡したいものがある。」
140名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:35:13 ID:iQAMrdOf0
「だんな様。参りました。」「ああ、入りたまえ。」
静香がおずおずと石黒の私室に入ると、石黒はなぜか、部屋の鍵を掛けた。「・・・だんな様?」
「気にしないでくれ。常に部屋に鍵を駆けておくのが、宇宙ステーション勤務での癖なんだ。」
石黒は妖しい笑みを浮かべながら、静香を自分のデスクの方に手まねきした。
「・・・渡したいものって、一体何でございますか?」
「ああ、これを見たまえ。」
石黒はデスクの一番下の引き出しを開けて、銀色に輝く岩のような奇妙な物体を取り出した。
ラグビーボール大のその物体は、中から緑色の不気味な光を放ち、ウィウィウィ!と奇怪な音を出している。
「・・・だんな様、これは一体?」
「これは、石黒隊員の姿と記憶、そして知能を、僕の身体に電送するための電子頭脳だ。」
「え?・・・今、なんて?」
「この電子頭脳のおかげで、僕は石黒の姿と知能を保っていられる。そして電子頭脳からの電波が変調する度に
僕はもとの姿に戻り、知能を失い本能のまま、仲間を増やすためにこの星の人間を襲うようになる。」
静香は顔面蒼白になり、ガタガタと震えながら後ずさった。
「・・・だ、だんな様は・・・い、いったい・・・」
石黒はニヤリと笑った。その髪の毛が、トゲだらけのイバラのようなものに変わってゆく。
「キャア・・・ッ・・・む、むぐっ・・・!!」
静香は悲鳴を上げることができなかった。石黒の伸ばした腕が緑色のツタになって、静香の口めがけて
勢いよく飛び込んできたからだ。
「・・・ん・・・んぐぅ・・・・むーん!・・・むーん!・・・」
静香の身体は勢いよく床に倒れた。両手両足はツタにからめ取られ、まったく身動きが取れない。
静香は自分の置かれた状況をはっきりと理解していた。人間を襲い、際限無く仲間を増やす恐ろしい怪物、
その正体はなんと、だんな様だった。そして自分は今、怪物に襲われてその仲間にされようとしているのだ。
141名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:35:31 ID:iQAMrdOf0
嫌だ嫌だッ。怪物になんかなりたくないッ! 助けて! 誰か! お願いッ!!
半狂乱になりながら、静香は首を激しく振って抵抗した。だがツタは容赦なく、口の奥深くまで侵入を始めた。
ツタの先端が割れ、中からピンク色のツルツルした亀頭のような器官が姿を現わした。ピンク色の亀頭は、
先端に開いた穴から緑色の同化液をピュッ! ピュッ!と放出しながら、静香の喉の奥深く潜り込んでゆく。
甘酸っぱい味が口の中いっぱいに広がり、脳天まであふれ返ってむせかえるように気が遠くなる。
「・・・ムグ・・・ムグ・・・ムグゥ・・・・・・」
手足をバタバタと痙攣させ、涙をポロポロとこぼしながら、静香は石黒の笑うような声を聞いた。
「さあ、我らの新しい同胞よ。この『種』を受け取るがいい!」
石黒の声は、もはや静香には届いていなかった。肌の色が緑色に変わり、両手両足がイバラの束のように
変わってゆく。襟元からツルがスルスルと伸びて、涙を浮かべた静香の顔を徐々に覆い尽くしてゆく。
・・・そして1分も経たないうちに、静香は、完全な植物状の怪物へと姿を変えていた。
石黒は、かつて静香だった生き物からツタの拘束を解いた。
静香の口だった部分から、ツタが勢いよく引き抜かれる。ツタの先端には、ピンク色の亀頭は付いていなかった。
家政婦の衣裳を着た、女性っぽいシルエットの植物が、ワャワャワャ!と鳴きながら立ち上がった。
石黒は人間の姿に戻ると、デスクの上に置いた電子頭脳を再び手に取り、目の前の怪物の前にかざした。
電子頭脳は緑色の光を放った。すると、怪物の姿がみるみる元の静香の姿へと変わってゆく。
「まだしばらくの間、その姿を取っているがいい。この電子頭脳が収集したデータが、おまえをその姿に
留めてくれる。この家から決して離れてはならぬ。離れれば、おまえはたちまち元の姿に戻ってしまうだろう。
戻りたくても我慢をしろ。おまえに渡した『種』を、あいつに植えつけるまでの辛抱だ。」
静香は、いや、さっきまで静香だった生き物は、妖しく微笑み、石黒に礼をすると部屋を出ていった。
142名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:35:49 ID:iQAMrdOf0

               ※      ※      ※

“それ”は、宇宙のさいはての星で、突然変異によって誕生した。
生まれたのは、遺伝子を強制的に書き換える酵素を作り出せる、一個のバクテリアだった。バクテリアは
海藻の一種に取り込まれ、たちまち共生関係を築き上げて“それ”となった。
“それ”に小魚が触れた。“それ”は身体をよじらせて小魚を捕え、全身から液体を分泌して包み込んだ。
その液体は、触れたものの遺伝子を“それ”の遺伝子と同じものに書き換える、同化液だった。魚はたちまち
“それ”と同じ姿となり、逆に“それ”は、魚を同化したことで遊泳能力を得た。
海の中を泳ぐ“それ”は、魚やクラゲを次々と襲っては同化し、その能力を取り込んで進化を遂げていった。
“それ”が望むことはただ一つ。「繁殖」だった。“それ”は飽くなき繁殖欲で触れた生物をことごとく同化し、
爆発的な勢いで数を増やしていった。それはもはや動物でも植物でもない、奇怪な未知の生物だった。
やがて、海鳥を取り込んで飛行能力を獲得したことで、“それ”はその星すべてを掌握する力を得た。
“それ”が誕生してから、星が6回ほど自転した頃には、この星にはもう“それ”以外の生き物は
存在していなかった。星じゅうのあらゆる生き物が、“それ”によって同化され尽くしたのだ。
星じゅうを埋めつくすように拡がる、蠢く緑色の生き物。やがて“それ”は、烈しい繁殖欲にかられながら
大空をうらめしそうに仰ぐようになった。
この星の外に出ていって、もっと仲間を増やさねばならない。知性を持ってはいなくとも、“それ”の本能は
そのことをはっきりと自覚していた。
143名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:36:05 ID:iQAMrdOf0
ある日。“それ”に幸運が訪れた。遠い星からの来訪者が、この星に着陸を試みたのだ。
宇宙船から降りた飛行士たちに、“それ”は勢いよく襲いかかった。異星の客を同化したことで、
“それ”は、ついに知性を獲得した。直立二足歩行するようになった“それ”は、異星人の宇宙船を調べ、
その仕組みを理解するに至った。9.5光年離れた場所に、同じ異星人が大量に住んでいることも知った。
“それ”は自らの一部を宇宙船に乗せて、異星人の故郷目指して送り出した。その星の生き物すべてを
同化し、同胞へと変えるために。
異星人の故郷で、“それ”は無差別に異星人に襲いかかり、同化を繰り返した。星が7回自転する頃には、
その星は“それ”によってすっかり埋めつくされるはずであった。
だが母星の“それ”は、9.5光年離れた星から遅れて届くテレパシーで、異星に送り込んだ自らの一部が
星が1回も自転しないうちに焼き尽くされ、滅ぼされたことを知った。
驚いた“それ”は、失敗の原因を必死に探った。原因は、“それ”が「個」という概念を持たない、
すべての個体がたった一つの意識を共有する、「群体」のような存在であることにあった。
星を覆いつくす“それ”には、たった一つの意識しかなかった。知性を持った頭脳も、ひとつしかなかった。
自らの一部がどんなに離れていても、“それ”は同じ意識、同じ頭脳を共有することができた。
だが9.5光年離れた場所に移動した“それ”の一部にまで、テレパシーで母星の“それ”の意思が伝わるには、
とほうもない時間がかかった。“それ”のテレパシーは、光速を超えることはできなかったのだ。
異星に送り込まれた“それ”の一部は、母星の意識から切り離された、知性を持たない、本能だけの存在に
なり下がっていたのだ。
144名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:36:20 ID:iQAMrdOf0
失敗を悟った“それ”は、次の機会を狙って新しい策を練った。母星の“それ”の意識と知性を代行する
電子頭脳を組み上げ、それと一緒に自らの一部を送り出すという作戦だ。たとえ母星からどんなに離れていても
こうすれば自らの一部は本能に溺れることなく、抜け目無く同化作戦を遂行することができる。
だが、そうやって新たな星で同化を達成しても、そこに住む同胞は、知性を持たない下等動物にしかならない。
何光年も離れた先にある身体の一部と、テレパシーで同じ意識を共有することには、やはり無理があった。
そこで“それ”は、同化される前に持っていた能力、種子による繁殖という手段を、復活させることにした。
母星にはもはや、“それ”以外の生物はいなかった。だが自己受粉であっても、遺伝子の組み替えは起こる。
“それ”が苦労して作り上げた「種」は、“それ”とは異なる遺伝子情報を持った異なる存在、別の自我であった。
この「種」が新たな星で目覚めれば、知性を持った“それ”が新たに根づき、繁栄することができる。
あとは、新しい異星からの客が来るのを待つだけであった。“それ”は辛抱強く、何年も、何百年も待ち続けた。
そして、ようやくその日がやって来た。新たな星から送り込まれた探査機を確認した“それ”は、母星の
奥深くから掘り出した金属で作った「殻」に、「種」のひとつを体内に宿した自らの一部と電子頭脳を乗せ、
故郷に引き返そうとする探査機にへばり着かせたまま、宇宙の彼方へと送り出した。
145名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:36:38 ID:iQAMrdOf0
地球から15.7光年離れたチルソニア星系の第5番惑星、ワイアール星に送り出された探査機サクラ4号は、
超空間ジャンプを繰り返しながら地球圏内へと無事帰還した。
ペダン星やアンノン星に送り出されたものと同型の、最新鋭の外宇宙探査機であった。
回収にあたったのは、地球防衛軍の宇宙ステーションV3に勤務する、石黒隊員であった。
石黒は帰還したサクラ4号の底面に、奇妙な銀色の物体が貼りついていることに気付いた。
調査のために石黒が物体に近づくと、突然銀色の物体がパックリと口を開け、中から植物のような奇怪な怪物が
飛び出してきた。怪物は石黒を気絶させると、自分の代わりに銀色の物体の中に押し込んだ。
そしてラグビーボール大の銀色の物体を掲げると、怪物の姿はみるみる、石黒隊員の姿へと変わっていった。
「・・・お前はまだ、我らの同胞に迎え入れるわけにはいかぬ。いったん同化されれば、それまでの記憶は消えて
しまうからだ。お前はその殻の中で、この星の住民についての知識や、我らにとって障害となるものについて、
情報をこの電子頭脳に送り続けるのだ。」
本物の石黒隊員を詰め込んだ銀色の物体は、サクラ4号から離れ、人工衛星のように地球の周囲を回り始めた。
石黒隊員に化けた“それ”は、何食わぬ顔でV3に戻り、地球に戻れる日を待った。帰還時の所持品の検査を
避けるために、電子頭脳は別の隕石を装って地球に降下させた。無用意に隕石に近づいたこの星の住人を電波で
洗脳して、地球に降り立った石黒隊員のもとに届けてもらうようにすればいい。
そして石黒隊員に化けた“それ”はホーク2号に乗って地球に降り立った。そして“それ”を追うように、
地球の周囲を回りつづけていた「殻」も、流星を装って地球に降下し、石黒邱の庭にゆっくりと着地した。
146名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:37:04 ID:iQAMrdOf0
地球に降りた“それ”は、電子頭脳の命じるままに、地球の調査を開始した。同化の実験も開始した。
電子頭脳からの指令を受けた石黒は、“それ”本来の姿に戻って地球人を無差別に襲い、仲間を増やして
いった。だがこれはまだ、本格的な繁殖ではない。データを取るための単なる実験に過ぎなかった。
この星の住人は同化がたやすい。特に「女性」という存在は我らの同胞にきわめて適している。
星が3回自転する頃には、この星じゅうの住民を我らの同胞に変えることも不可能ではないだろう。
だが石黒から得た情報だと、この星には我らにとって障害となるものがいる。
ウルトラセブンとウルトラ警備隊だ。どちらもだし抜くのが困難な強敵だ。ひとつ間違うと命取りになる。
だが強敵であるからこそ、利用のしがいもある。ウルトラ警備隊のメンバー、その中で最も怪しまれにくい
人間に、我らの「種」を植えつけよう。種は生長して、電子頭脳なしでも知性を発揮できる、この星における
我らの王となるだろう。ウルトラ警備隊の中枢を手中にすれば、この星の掌握はたやすい。
この石黒隊員の身体は、既にウルトラ警備隊に怪しまれはじめている。正体がばれるのも時間の問題だ。
だからこの身体は、「種」を植えつける間の陽動に利用しよう。ウルトラセブンと交戦し、そのデータを
取るのもいいだろう。石黒が変身した我らの同胞が倒されて、事件が解決したとウルトラ警備隊が安心した時。
その時こそが我らの本当の、繁殖開始の時なのだ。

               ※      ※      ※

147名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:37:20 ID:iQAMrdOf0
石黒隊員と妻の美津子が箱根旅行に出掛けてしばらく経った頃、ウルトラ警備隊のモロボシ・ダン隊員と
友里アンヌ隊員は、石黒家の家政婦・静香からの、怯えた声の電話で呼び出された。
「すぐに来て下さい! 机の引き出しの中から、変な音が聞こえてくるんです!」
ダンが石黒のデスクの引き出しに見つけたのは、ウィウィウィ!と奇妙な音を立てて緑色に明滅する、
ラグビーボール大の銀色の物体だった。
「・・・地球上の物体ではないな。よし、割ってみよう!」
静香から借りたハンマーでダンが銀色の物体の外殻を割ると、中から精密機器のようなものが現われた。
「これは・・・発信器付きの電子頭脳だ!」
その時、ダンのビデオシーバーに、アマギ隊員からの驚くべき報せが届いた。
「おい驚くなよダン。例の銀色の物体から、石黒隊員が出てきたぞ。」「何!? 石黒隊員が!?」
さらに間を置かずに、緊急招集の指令が飛び込んできた。
「ダン! 箱根行きロマンスカーに乗っていた石黒隊員が突然怪物に変身し、乗客を襲い始めたらしい。
至急急行してくれ!」「了解! そうか、やっぱり石黒隊員は偽者だったのか!」
「ダン、わたしも行く!」駆け出したダンの後を追おうとするアンヌの腕を、静香が掴んで引き止めた。
「アンヌさん。実は、もうひとつ、見ていただかなければならないものがあるんです。ぜひこちらへ・・・」
148名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:37:40 ID:iQAMrdOf0
「しずさん、見せたいものって、一体何でしょうか?」
静香がアンヌを案内したのは、ワインと食料の保管庫に使われている、石黒邱の地下室であった。
静香はアンヌの方を振り返り、無表情な顔で話し始めた。
「アンヌさん。あの電子頭脳は、そろそろ原子力電池が寿命だったんです。だからもう用済み。そろそろ、
電子頭脳の代わりに『種』を根付かせないといけない頃合いなんです。」
「え? 一体何を言ってるんですか!?」
静香はそれには答えず、フフフと妖しい笑みを浮かべたまま、ブラウスのボタンをゆっくりと外し始めた。
「・・・しずさん? 一体何をしてるの!?」
静香は勢いよく、胸元をはだけた。豊満な乳房の代わりにそこにあったのは、緑色のツタに囲まれた、
巨大な吸盤のような器官であった。
「キャアッ!!」
アンヌが叫んだ瞬間、静香の胸元からツタが何本も飛び出して、アンヌの両手両足にからみついた。
クスクスと笑う静香の髪が、緑色のイバラに変わってゆく。そして襟元から伸びたツルの群れに静香の顔が
隠れてゆき、みるみるうちに静香の姿は、女性の服を着た奇怪な植物人間へと変貌していた。
「た、助けて! 助けてダン! 誰か! 誰か来てェ!!」
アンヌは半狂乱になって叫んだ。これから何が起ころうとしているのか、彼女にははっきりわかっていた。
この怪物は、わたしを仲間に仲間にしようとしているんだわ。嫌だ! 怪物になるなんて絶対に嫌だ!
アンヌは必死で腕をツタから振りほどき、腰のレーザーガンを取ろうとするが、怪物はとてつもない怪力で
彼女を拘束し、身動きひとつ取ることができない。やがて静香だった怪物は、ツルを巻き取るようにして、
アンヌの方へゆっくりと進んできた。
「助けてェ! ・・・誰か! 誰か! ・・・ダン! ダンッ!!」
149名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:37:57 ID:iQAMrdOf0
怪物の口にあたる部分から、巨大なツルが飛び出して、アンヌの口をふさぎ、その中に潜り込んできた。
「・・・む、むぐっ!!・・・ん!・・・ん!」
口の中いっぱいに広がりしきりに蠢く、不気味な感触。アンヌはあまりのおぞましさに失神しそうになった。
そして怪物の履いたスカートをめくり上げるようにして、別種のツタがゆっくりと頭をもたげた。
先端に淡く光を放つ卵のようなものを付けたそのツタは、アンヌの身体を舐めるように確かめ、やがて
その股間に狙いを定めた。細いツルが何本もアンヌの腰に回り、ベルトを緩めて警備隊の制服のボトムを
脱がせようとする。アンヌは何が起こっているのかわからないまま、必死で足を閉じて抵抗する。
《やめて! 何を、何をするの!?》
細いツタが、アンヌのふくよかな腰からパンティをそっと脱がせた。こんもりと盛り上がった恥丘と、
柔らかな茂みが露わになる。
両脚にからまったツタが、アンヌの股を急に開いた。勢い余ってアンヌの身体はバタンと床に倒れた。
細いツタが何本も伸びて、アンヌの制服を巧みに剥ぎ取り、脱がしてゆく。ブラジャーがむしられ、
豊満な乳房がさらけ出される。アンヌは触手のようなツタの群れにからまれたまま、ふくよかな白い裸身を
露わにして、地下室の床の上をうめきながらのたうち回っていた。
大きく拡げられた両股の間に、ピンク色の肉の襞が露わになっている。細いツタが何本も秘所に伸びて、
肉の襞をゆっくりと拡げようとする。ツタの一本がクリトリスをまさぐり出し、弾くように刺激を加える。
《あ・・・あ・・・やめて! お願い! やめて!》
うっすらと愛液がにじみ出た秘芯めがけて、卵のような頭部を持ったツタが、勢いよく突っ込んできた。
「・・・う、うぐッ!!」《キャアアッ!!》
処女膜を引き裂いて、ツタはアンヌの、未だ何物も受け入れたことのない聖地へとぐいぐいと侵入してくる。
《痛いッ! やめて! 痛いッ!》 真っ赤な血がほとばしり、アンヌは苦痛で顔をひきつらせた。
《ああっ・・・もう・・・ダメ・・・》 アンヌは涙をポロポロとこぼしながら激しく嗚咽していた。
150名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:38:14 ID:iQAMrdOf0
やがて、膣の最奥部まで侵入したツタは先端に付いた卵を切り離し、アンヌの子宮の内部へと導いた。
淡く輝く卵は、アンヌの子宮壁に着床し、表面から無数の触手を伸ばしてアンヌの肉体と同化していった。
卵を切り離したツタが、いったんアンヌの膣から引き抜かれた。ツタの先がブルブルと震え、何かが
ツタの中を通って先端に運ばれてくる。やがて、ツタの先が開いて、ピンク色の亀頭のような器官が
顔を覗かせた。先端に開いた穴から、緑色の同化液がピュッ! ピュッ!と吹き出している。
ピンク色の亀頭は再び、アンヌの膣に侵入を開始した。さっき処女を失ったばかりの肉の孔をまさぐり当て、
モゾモゾと蠢きながら膣の中をゆっくりと進み、最奥部に達した。そしてピストン運動を繰り返しながら、
アンヌの膣壁にとめどなく分泌される緑色の同化液を、ピチャピチャと塗り込めていった。
熱いものが股間から、全身に広がってゆくのをアンヌは感じていた。
ああ、私は怪物に犯されている。怪物に処女を奪われ、そしてもうすぐ怪物にされてしまう。
ウルトラ警備隊の一員だと言うのに、なんて不様な、なんて恥ずかしいありさまなの!
アンヌの全身が、真っ白な裸体が、徐々に濃い緑色に染まり始めた。アンヌはツタを振りほどこうと、
半狂乱になって身体を激しく揺すったが、それがかえって、股間から拡がる熱い感覚を全身に拡げていった。
それは、天国と地獄が交錯するかのような、世にも微妙な感覚であった。
《やめて! やめてお願い! なんだか、なんだかジンジンするの! もうだめ・・・もう、耐えられない・・・!》
朦朧とする意識の中、アンヌは薄目を開けた。そして、自分の腕が既にイバラの束のように変わっているのを
知って、あらためて絶望の淵へと落とされた。
ああ、私は人間ではなくなってゆく。生物Xの仲間になってしまう。悲しい。悔しい。でも、でも!!
151名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:39:06 ID:iQAMrdOf0
アンヌの子宮深くに根付いた“それ”の種が、“それ”の種族的な記憶をアンヌの脳に伝え始めた。
薄まりゆく意識の中、怒濤のように押し寄せる異質な記憶。母星を埋めつくす蠢く緑の生き物のイメージ。
もっと仲間を増やさなければ! この星の生き物をことごとく、わたしたちの同胞にしなければ!
もっと、もっと同化するのよ! そうよ、わたしの同僚たちを、わたしたちの仲間に引き入れるのよ!
わたしの・・・? わたしは、わたしは誰なの!? 私はアンヌ。友里アンヌ。それは変わりがない。でもわたしは、
もう今までのアンヌじゃない。わたしはもう地球人じゃないの。そう、わたしは、仲間を増やすために、
はるばるあの星からやって来たの!
アンヌの両手両足を縛り、口を覆っていたツタがアンヌの身体から離れた。アンヌは腰を浮かし、
甘い嬌声を上げながら夢中で全身をくねらせ、“それ”に変身する喜びを味わっていた。
ああ、何て幸せなんだろう。わたしは、今、本当のわたしに生まれ変わってゆくの!!
アンヌの全身を、柔らかな皮膚を突き破って、植物の芽のようなものがニョキニョキと伸びてきた。
黒いつややかな髪が緑色に染まり、やがて、イバラの群れへと変わっていった。
ふくよかな乳房がパックリと割れ、緑色の巨大な吸盤状の器官が現われた。
そしてアンヌの全身は、女性のシルエットをとどめた、ツタとイバラの群れへと変わっていった。
愛らしい美貌がツタの群れに覆い隠されると、そこに横たわっているのはもはや、友里アンヌではなかった。
アンヌが変貌した植物状の怪物は、ゆっくりと起き上がった。その姿は静香たちと何ら変わりがなかったが、
ただひとつ、下腹部にオレンジ色のうっすらとした光を宿しているのが特徴的な違いであった。
152名無しより愛をこめて:2008/02/09(土) 02:39:26 ID:iQAMrdOf0
怪物は、手のような器官をそっと前に伸ばし、顔のような部分の前で交差させた。
すると! 怪物の全身にからみついたツタが、どんどん短くなってゆくではないか。
怪物の頭部のイバラは女性の髪のように変わり、脚部のツタは細いしなやかな女性の脚へと変わってゆく。
胸部の吸盤はふくよかな乳房へと変貌し、やがてアンヌの、愛らしい美貌がツタの中から現われた。
10秒もたたないうちに、奇怪な植物状の怪物は、全裸の友里アンヌの姿へと変身を遂げていた。
アンヌは、目の前にいる怪物の前に手をかざした。すると、怪物の姿がみるみる、静香の姿に変わってゆく。
アンヌと静香は目を合わせ、そしてそろって、妖しい笑みを浮かべた。


地球防衛軍のメディカルルーム。待機している3名の看護婦たちを、友里アンヌ隊員が呼び出した。
「アンヌ隊員、見せたいものって何でしょうか?」
「これよ。」
アンヌはいきなり、制服の胸をはだけた。乳房の代わりに、緑色の巨大な吸盤がふたつ露わになった。
「キャアッ!」
驚く看護婦たち目がけて、アンヌは胸の吸盤状の器官から、緑色の同化液をプシューと勢いよく噴射した。
「助けて! 助けて・・・アッ! ああっ!・・・・ああ・・・」
1分も経たないうちに、3人の看護婦たちは、ナース服を着た3体の植物状の怪物へと姿を変えていた。
アンヌは制服の胸元を直すと、怪物たちの前に手をかざした。すると、怪物たちの姿はみるみる元の
看護婦たちへと変わっていった。看護婦たちは妖しい笑みを浮かべながら、アンヌが出す指令を待った。
「さあ、仲間を増やしに行きなさい。人知れず、気付かれないように。どんどん増やすのよ。
この星の生き物がすべて、わたしたちの同胞になる、その素晴らしい日まで!」
                                      (おわり)