おにゃのこが改造されるシーン 素体8人目

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466ダイレン
戦隊の世界は地続きということで、カクレンジャー時代の由美ちゃんです
日本妖怪ではなく、西洋妖怪のドラキュラです。カクレンジャー本編の外伝いう感じでお読みください。


由美も小学校最後の年なので思い出作りに励んでいた。中学校へ上がっても別に誰かがいなくなるわけではないのだが、今のクラスを大切にしたいのだ。
冬休み前だが、卒業制作の絵をクラスみんなで制作している。みんなが絆をここに残したいという願いからだ。
「由美ちゃん、そっちのペンキ塗ろうよ」
「うん。こっちも、黄色やろう」

着々と進行する中、裏側では数人の男子たちが集まっていた。
「おい、健一……お前そろそろ由美に告白しろよ」
「え……。む、無理だよ……恥ずかしいって……」
からかわれながら健一は友達にそう言われた。確かに、5年生の頃からずっと好意を抱いていた。
小学校に卒業する前に告白しようとは思ってはいたが、中々切り出せないでいた。
「じゃあ、俺が呼んできてやるよ」
「え……ちょ……宏司!!」
しばらくすると由美が来て、健一を囲んでいた友達は陰へ身を潜めた。また、女の子たちも由美の返事を楽しみに見守る。
「何?健一君」
「ゆ……由美ちゃん……。僕、僕……」
緊張して赤く染まりきった健一に対し、由美は全くと言っていいほど雰囲気にとらわれていない。
友達としか思ってない。彼女は恋ということじたいを知らないのだから。
「由美ちゃんのこと……す………す……」
「はぁーーい、みんな!帰る時間よ!」
467ダイレン:2008/01/08(火) 17:27:47 ID:YxHRf/qcO
その場は下校時間というタイムリミットで何事も起こらなかった。健一よりも、見守っていたクラスメートのがよっぽどショックだったが。
帰り道でも卒業制作の話しは尽きない。未筆店や修正点はまだまだある。
「……帽子の部分はもっとコンパクトに仕上げた方がいいと思うんだけど……綾ちゃん?」
「それよりもさぁ、由美ちゃんって本当に鈍感だよね〜」
「え?」
むしろ、子供たちにとっては恋愛に関しての方がよっぽど関心があるようだ。
「じゃあね由美ちゃん。また明日」
「ねえ、どういう意味?教えてよ!」
「その内わかるよ。バイバイ」
クスッと微笑しながら綾は自分の家の方向へ走っていってしまった。当の由美は悩みながら帰路を歩いている。
「あたし、なんかわかんない事あったっけ……?」

12月は暗くなるのが早い。もう夕日は見えなくなる寸前である。
家まではまだ600mはある。結構辛いものだ。由美は公園に入ってトイレを借りた。
出てみると、もう辺りは暗くなっていた。そんなに入ってなかったはずなのに。
「こんなに早いっけ?」
なんだか怖い。由美は急いで公園から出ようと、ランドセルを背負うとした。

゙キキキッ゙

「!!?」
その鳴き声はコウモリのようだった。由美は辺りを見渡す。しかし、コウモリどころか道行く人や鳥すら見当たらない。

゙キキキキキッ゙

だんだん近づいてくる鳴き声。由美は点灯し始めた街灯に照らされる自分の影を見て驚いた。
何匹ものコウモリが自分の背後に集まり、形を人のように変えていくのだ。
468ダイレン:2008/01/08(火) 17:32:07 ID:YxHRf/qcO
振り向くと、紅い目と黒い翼をした怪物が後ろに立っていた。
「きゃ……きゃああ……ぶっ!!」
悲鳴を上げようとすると、口を押さえられる。紅く光る目が由美に恐怖を与えていた。
「ぶ……う……」
「私はドラキュラ。西洋妖怪の一角だ。昔は美女を狙って暗躍し、ニンニクだの十字架に弱かったが……」
街灯が反射するほどの牙が光る。由美は口を押さえる手を退けようとするが、力の差から全く動く気配がない。
「今となってはそれを克服し、若さを求めて子供の血を好む……。ん〜〜いい表情だ。可愛いね〜」
「ん……はぶ…はぶげべ……
抱き寄せながら自分の顔を由美の側面へ持って行く。
「では、いただきます……」
「!!??!」
半分だけ肩に掛かっていたランドセルが落ちる。ドラキュラの牙は由美の首筋に突き刺さって、どんどん血を吸い取っていく。
「あ……あああ……んあ……くあ……ああ……」
もはや声が出ない。苦しさと痛み、自分という存在が飲み込まれるような感覚が由美を捉えていた。
「ばああ……ふぅ……んん……りひぁ……」
「ふぅ……美味い……」
牙を抜くと、どさりと倒れ込んだ。すると、由美はピクピクと体を揺らしながら、悶えはじめた。「ひひひ……ひ……はぅあ……るはぁぅひ!」
震える手を見ると、少しずつ爪が伸びて鋭くなってきていた。背中に痛みを感じるかと思えば、黒い翼が生えてきていた。
「ふ……いやああああ……」
目も紅く染まり、牙も伸び始めてきた。由美は変わっていく自分の姿に怯えながら、絶叫と共に意識を失った。

綾の家は両親が共働きで、弟と一緒に夕食を食べることが多い。今日も例外ではない。
「龍太、ちゃんと片づけてっていったでしょ?」
「はぁーい……」

゙ピンポーン゙
469ダイレン:2008/01/08(火) 17:33:25 ID:YxHRf/qcO
「誰だろう?こんな時間に……」
玄関へ行くと、そこには寒さに震えるように青ざめた顔をした由美が立っていた。
「由美ちゃん!?どうしたの?」
「綾ちゃん……あたし、あたし……温かい……欲しい……」
「温かい……何を……はぅ!!」
牙を抜くと、綾は倒れ込んで悶え始める。それは由美と全く同じように……
しかし、綾はヴァンパイア体にはならずに苦しみながら倒れ込んでいる。
「かぅ……あう……」
「お姉ちゃん、どうし……」
恐怖を感じざるを得なかった。倒れている姉と、よく遊びに来る由美の姿が化け物になっていることに。
由美と怯える龍太を抱き抱えるように優しく掴み、首筋に口を向かわせた。
「わ……わあああああ!!」


ドラキュラは廃工場に住み着いていた。西洋妖怪なので、大魔王の管轄外のため自由に行動しているのだ。
そこには由美を始め、5人の少女が集まっていた。ドラキュラが由美を指名すると、由美は足を前に進める。
ドラキュラは牙を抜き取り、潰してワイングラスへと中に凝縮された血を注ぐ。
牙はまた生え始め、由美はもといた場所へ戻った。ドラキュラは注がれた血を飲み、満足そうに頷いた。
全員の採取してきた血を飲み終えると、パチンと指を鳴らす。少女たちは音に合わせて姿をヴァンパイア体へと変貌させる。
「上出来だ。だが、もっと子供たちの血を集めろ……そうすれば私は強くなれる。行け、吸血少女隊!!」
「はい!!ドラキュラ様のために!!!」
少女たちは飛び去っていった。その様子をドラキュラは差し込む月明かりと共に見守っていた。

おわり