163 :
藤宮の日記:
ヤプールたちの差し金でゾンネルとギールが犠牲になり、その様子を目の当たりにした我夢はショックのあまり座り込んだ。
地球怪獣たちに言われた時から覚悟を決めるように言われていたが、それにしてもあんまりじゃないか!
破滅招来体の『主』も壬龍も、どう言葉をかけていいか迷っている。
堪り兼ねて黒我夢=サタンビゾーが無理矢理立ち上がらせようとした時…
「…せ…ね」(我夢)
我夢の身体が輝き始めた。まさか?!
「 許 せ な い ね !」(我夢)
「これは…もしや!」(破滅招来体の『主』)
「皆、離れよ!」(壬龍)
壬龍の言葉で、その場にいた者全員が我夢を遠巻きに見る。
「 返 せ … 地 球 怪 獣 た ち を 返 せ ! 」
その言葉と共に我夢の周囲から眩い光の柱が発せられ…次の瞬間、我夢はガイア・スプリームヴァージョンの姿になっていた。何で?!
「地球のエネルギーポイントを観察したところ、元に戻りつつある。
そこへゾンネルとギールの事による怒りの力もあって、そうさせたのかもしれぬ」(壬龍)
「しかし、その『至高の姿』になったって、まだ完全に力は…」(黒我夢=サタンビゾー)
「我には感じる…大切な友たる地球怪獣に犠牲が出た悲しみが、そのように仕向けたヤプールたちへの怒りがな。
ガイアを怒らせて無事に済んだ者はいないと聞いたが…こうなった以上、我らでも止められぬよ。
ガイアの内に眠れる力が暴走したらしたで、彼の気が済むまで見守るしかなかろう」(破滅招来体の『主』)
…いいんだろうか?