このスレはお気に入りキャラが負けたり、死んだりする可能性があります。
また、スレの性質上ネタバレを多く含んでいます。
上記を承知の上で、このスレを覗いてください。
2 :
名無しより愛をこめて:2007/07/31(火) 22:26:25 ID:ctRNZzJvO
うっさいハゲ
―――不幸にして幸運なる参加者達をここに記す。
【555】3/5
○乾巧/○草加雅人/●園田真理/○影山冴子/●北崎
【カブト】3/5
●天道総司/●加賀美新/○日下部ひより/○矢車想/○神代剣
【ブレイド】2/5
●剣崎一真/●橘朔也/○上条睦月/○キング/●伊坂
【龍騎】2/5
●城戸真司/○秋山蓮/●北岡秀一/●浅倉威/●佐野満
【アギト】3/5
○津上翔一/○氷川誠/○小沢澄子/●木野薫/●水のエル
【RX】4/5
○南光太郎/○霞のジョー/○シャドームーン/●グランザイラス/○ジャーク将軍
【響鬼】2/5
●日高仁志/●佐伯栄/●財津原蔵王丸/○安達明日夢/○天美あきら
【ZO&J】2?/5
●麻生勝?/●瀬川耕司/●望月博士/○ガライ/○ドラス
【ストロンガー】2/5
○城茂/●岬ユリ子/●立花藤兵衛/○ジェネラルシャドウ/●マシーン大元帥
【V3】1/5
●風見志郎/○結城丈二/●珠純子/●ドクトルG/●ヨロイ元帥
【ジョーカー】
○相川始/○リュウガ
残り―――25?名
ルールは唯一にして絶対―――自分以外は全て敵である。皆殺しにしろ。
【能力の制限について】
超人的なプレイヤーは能力を制限される。 また、超技術の武器についても同様である。
※体術や技術、身体的な能力について:原作でどんなに強くても、現実のスペシャリストレベルまで能力を落とす。
※魔法や超能力等の超常的な能力と超技術の武器について:効果や破壊力を対個人兵器のレベルまで落とす。
不死身もしくはそれに類する能力について:不死身→致命傷を受けにくい、超回復→高い治癒能力
変身制限時間は10分。解除後2時間変身不可。(オルフェノク・上級アンデッドを含む)
トレーラー以外の乗り物は全て使用不可。一般の車などは可。
リモートによる復活は10分のみ。その後カードに戻る。
ディスクアニマルの活動範囲は半径100mまで。
契約モンスターの活動時間は1分。その後2時間は使用不可。
神崎の目的は優勝者の命を捧げての妹の復活(描写あると良いかも)
首輪により能力が制限(別記参照)されている。
変身アイテムの支給は本人以外不可。物理的に可能ならば、一般人が既存の変身アイテムを使うことは可能
(例/明日夢がカイザ等)
原作での設定が曖昧な場合、書き手の裁量で決める。
【首輪と禁止エリア】
参加者は全員、神崎によって首輪を取り付けられている。
首輪の爆弾が発動すると、その参加者は死ぬ。
この首輪は参加者の生死を常に判断し、神崎に参加者の生死と現在位置のデータを送っている。
また、参加者には説明されないが、実は盗聴機能があり音声・会話は全て筒抜けである。
首輪が爆発するのは、以下の条件の時である。
・定期放送で指定した禁止エリア内に、参加者が入ったとき。(首輪が自動で爆発)
・首輪を無理やり取り外そうとしたとき。(〃)
・一週間で、一人も死者が出なかったとき。(一週間で空間が崩壊する為)
・参加者が、神崎に不利益な行動をとろうとしたとき(ただの脅し。実際には不可能)
・神崎士郎、リュウガなどミラーモンスター勢は首輪をつけることで異空間に半永久的に存在することが可能。
つけない場合、存在できる時間は1分。
【放送】
放送は6時間ごとに行われる。放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去6時間に死んだキャラ名」「残りの人数」 禁止エリアは一度の放送で3区画ずつ(2時間ごとに1区画ずつ)増えていく。
―――これは、物語を記す者の為のルールである。
・予約
キャラ被りを防ぐため、自分の書きたいキャラクターを予約することができます。
期間:予約当日から1週間。予約期間後は、他の人が投下してもOKです。
途中報告:2〜3日目に1回と、5〜6日目にもう1回、進行を報告してください。
予約しなくても投下することはできますが、その際は他に予約している人がいないか十分に確認してから投下しましょう。
また、ひとりリレーを防ぐため、投下した書き手は投下終了から二十四時間一切予約禁止、
投下作品に出たキャラは更に百二十時間禁止
・トリップ
投下後、作品に対しての議論や修正要求等が起こる場合があります。
書き手は必ずトリップをつけてください。
・投下宣言
投稿段階で被るのを防ぐため、投稿する前には必ず議論スレで 「投下します」 と宣言をして下さい。
いったんリロードし、誰かと被っていないか確認することも忘れずに。
・キャラクターの参加時間軸
このロワでは登場キャラクターがいつの時点から召集されたかは「そのキャラクターを最初に書いた人」にゆだねられます。
最初に書く人は必ず時間軸をステータスにて明言してください。ステータスについては下記。
・ステータス
投下の最後にその話しに登場したキャラクターの状態・持ち物・行動指針などを表すステータスを書いてください。
テンプレは↓
【キャラクター名】
【○○日目 現時刻】
【現在地】
[時間軸]:ここはキャラの登場時間軸。できるだけわかりやすく
[状態]:(ダメージの具合・動揺、激怒等精神的なこともここ)
[装備]:(武器・あるいは防具として扱えるものはここ)
[道具]:(ランタンやパソコン、治療道具・食料といった武器ではないが便利なものはここ)
[思考・状況](ゲームを脱出・ゲームに乗る・○○を殺す・○○を探す・○○と合流など。
複数可、書くときは優先順位の高い順に)
最後に、このスレについての基本的なルールを告げる。
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)
―――以上だ。さあ、語るべき言葉を持つ者は書き連ね、持たぬ者は読み進めるがいい。
―――それのみが、この冷酷な世界を動かす力なのだから。
スレ立て乙です。
前スレ全部投稿する前に容量オーバーになってしまった。
スレ立てて投稿すればよかったですね。
重ね重ね申し訳ないrorz
◆vHOqGgdf1U 氏GJ!
ついに浅倉まで死んだか…でも地獄の底から這い上がってきたりしてwww
>>9 あああ……前スレで書く前にリロードしていれば・・・・・・。
本当にすみませんでしたorz
>>1 スレ立て乙であります!
>>9 GJ!
浅倉の壮絶な死に様、北岡の死により揺さぶられるキングの心情が
魅せてくれる作品でした!
>>11 投下楽しみにしてます!
スレ立て乙です。
vHOqGgdf1U 氏>GJ!!
これぞ死闘!!剣と浅倉の血みどろの総力戦に
ドキドキしながら読んでしまった。
キングが非常にらしい描写で読んでて実に腹が立ったww
コイツTVシリーズでも戦わないのにイロイロ引っ掻き回してくれて
手こずらせてくれたからなあ…誰か剣崎に変わって天罰を加えてやってくれ。
スレ立て乙&vHOqGgdf1U 氏GJです!
北岡を殺した浅倉が北岡に思い入れを持ったキングに殺された。
形はどうであれ北岡の仇討ちになったのはまさに因果応報ですね。
お待たせしました、投下を開始します。
鳴り響くのは放送を告げる不快な合図。
市街地の西に存在する高層ビルの中で、城茂、安達明日夢、天美あきら、津上翔一、霞のジョーは死に逝く者の名を聞いていた。
屋上の一階下、景色を楽しむために設けられたのであろうレストランの一室で、彼らは悲痛な表情を浮かべている。
特にあきらは高級絨毯に力なく座り、身体を震わせていた。
茂にはかける言葉も無い。いや、誰も彼女に言葉をかけることができない。
「ヒビキさん……天道さん……」
虚空に消える悲しみの声。耳に入ると同時に、茂の胸を締め付け、やるせない気持ちにさせている。
彼女と同じ恩人を持つ明日夢も悲しげな表情を浮かべている。
当然だろう。あきらの話では、弟子のように接していたという。
やはり自分が行くべきだったのでは?
(いや、俺は木野と乾を信頼した。なのに疑ってどうする。あいつらがミスをしたなら、俺がフォローすればいい)
茂はそう思って、窓から地上を見下ろす。
放送で乾たちは告げられていなかった。天道という人物を助けることはできなかったが、何らかの決着はつけたのだろう。
それならここに向かってくる可能性も高い。
(あいつらは戦った後で傷ついているはずだ。なら、俺がすることは……)
泣き声しか聞こえない一室で、パーフェクトゼクターを置き、立ち上がる。
茂は自分に視線が集中しているのを確認して、
「外を見回ってくる。乾たちが近くにいるかもしれないし、そうでなくても敵がいると厄介だからな。
津上とジョーは万が一ここを襲われたときに備えてくれ。パーフェクトゼクターは置いておく」
と告げる。周りは不意を突かれたような表情をしている。確かに、親しい者が死んだのは悲しいだろう。
だが、いつまでも悲しみに沈んでいるわけにはいかない。
いずれは歩かなくてはならない。皆が歩むのに疲れても、自分だけはへっちゃらだという態度を示さなければならない。
でなければ、明日夢やあきらのような子は儚く崩れてしまう。
そうはさせない。茂はその一心で立ち上がって進む事を決意した。
「頼んだぜ」
「城さん、帰りを楽しみにしてください。俺、料理して待っています」
「ああ、楽しみにしてるぜ。でも先に食べてていいからな」
「はい。期待していてください」
津上もまた進む事を決めたのだろう。その表情に迷いはない。
彼も仮面ライダーだと聞いた。頼もしい後輩だ。
彼とジョーならここを任せられる。茂は希望を紡ぐため、外へと出る。
明日夢はあきらの泣き声を聞き、悲しむふりをしながら、放送で八人も死んだことにホッとする。
この殺し合いは化け物ぞろいだ。善人にしろ悪人にしろ数多く死んでもらわなければ困る。
そして、放送で上がった名に心に漣が立つ。しかし、それも一瞬。
(ヒビキさん……あなたもこの殺し合いで死んでしまいましたか。でもしょうがないですよね。
生き残れるのは、帰れるのは一人だけ。それはヒビキさんではなく僕です。
だから、ヒビキさんが死んでしまうのも当然のことです。できれば僕の盾にでもなってから逝って欲しかったですが、過ぎたことはしょうがない。
最初から最後まであなたは使えない人でしたが、あなたの教えは僕の生きる糧になっています。
あなたの想いは僕が引き継ぎましょう。それでは、永遠にさようなら)
時間にして数秒の思考。たったそれだけで明日夢は恩師の死を切り捨てた。
彼の心に宿るのは光ではない。ただの生き残る執念。そして……
(天美、そんなに泣かなくてもいいよ。城さんがいない今、あなたたちには用はない。
こんなにも早く始末できる機会が出来た。だから、ヒビキさんと同じところに逝きな。
仮面ライダーに僕が選ばれないなら、仮面ライダーの天美が死ねばいいんだ。そうすれば僕はいい気分になれる)
少女に対する嫉妬があった。
□
翔一は厨房にて、小屋で調達した食材で料理を始める。
元は高級レストランで、多くの人間が働いていただろう場所に一人ポツンと立つ。
それでも彼は野菜を切る手を緩めない。
食事は、美味しいってことは人を笑顔にする。
あの少女は大切な人が亡くなって泣いている。少年も苦しんだような顔をしていた。
ジョーは無力さを噛み締めるような顔をしていた。茂は死を覚悟した男の顔をしていた。
誰も彼も美味しくない想いを抱えている。
こんな殺し合いに巻き込まれ、多くの知人が死んでいく中、そういった感情を抱くのが当然だろう。
だが、生きることは美味しいことだと考える翔一には、それがたまらなく嫌だった。
ここにいる限り誰も美味しく生きられない。
(橘さん、見ててください。神崎を倒して俺が皆を元の世界に返しますから)
翔一は決意を固めて己の持てる術を持って料理の仕上げに取り掛かる。
しかし、彼の背後で悪意は迫ってきた。
明日夢は料理を盛り付ける翔一の背中を確認して、声をかける。
「津上さん、もうできたんですか?」
「お、元気なったのかな。ちょうどよかった。明日夢くん、みんなの料理を運んでくれないか?」
「分かりました」
笑顔で答え、シチューを持って厨房を後にする。
誰も疑っていないことに安心した。ジョーはなぜか水のエルを殺した事を話す気はないらしい。
ありがたいことだが、いつ漏らすか分からない。だから最初は彼に死んでもらおう。
市街地で拾ったデイバックを開け、支給品を取り出す。
鶏の頭を模したような杖。その『ドクターケイトの杖』から毒をシチューに一滴垂らす。
素早く事を終えた明日夢は何食わぬ顔でその場を後にした。
明日夢は知らないが、それは彼が最初に殺した岬ユリ子の命を奪った道具だった。
懐中時計を握り締め、霞のジョーは死んだ水のエルに想いを馳せる。
ムカつく女の声が彼の死を肯定した。そして、その犯人は明日夢である。
もちろん、彼を恨む気持ちがないといえば嘘になるが、それでも救ってやりたいと思う気持ちが勝っている。
彼はこの殺し合いの犠牲者だ。真に恨むべきは、倒すべきは主催者、神崎士郎。
(大丈夫だ。仮面ライダーたちがいる。俺たちはきっと勝てる)
懐中時計のオルゴールを起動し、風景を楽しむ場所で静かな音楽を鳴らす。
見下ろす風景は戦闘跡が見える場所もあり、ささくれた心を音楽が癒す。
「綺麗な音楽ですね……」
「……ああ。こいつは俺たちを助けた恩人からもらったんだ。……放送で呼ばれてしまったけどな」
「ごめんなさい!」
「いいよ。君も大切な人が亡くなったんだろう? おあいこさ。
それに、君を攻めたらそいつに怒られる」
「……素敵な人だったんですね」
「人じゃない」
「…………え?」
彼女の疑問を示す声を聞き、空に顔を向ける。
日は沈み星が顔を覗かせてきた。あの瞬く星の一つに彼はなれたのだろうか?
「水のエルっていう、心優しい怪人さ」
「怪人?」
「知らないのか? 怪人にもいい奴はいるんだぜ。
兄貴なんてクジラ怪人っていうのに一度命を助けられたって話さ。
……そういえば水のエルもクジラの怪人だったな。どうもクジラの怪人にはいい奴がいっぱいいるみてえだな」
そう言うとあきらは笑ってはいと答えた。
彼女を笑顔にできたことに水のエルに感謝し、彼の使命を忘れないように懐中時計を握り締める。
(アギトを倒す。大丈夫、忘れねえから)
アギトについて何か知らないかあきらに尋ねようとしたとき、その言葉は中断される。
「料理できたみたいです。ジョーさん、天美」
食器を配る明日夢に感謝しながら受け取る。
シチューの匂いが鼻孔を刺激し、腹の音がなる。
それにあきらの笑い声が響いて、いっけねえとおどけて見せた。
明日夢も笑っており、彼が立ち直ってきたのだと確信できる材料が見つかって、安堵する。
失ったものは多く、二度と取り戻せないものもある。それでも前へ進まなければならない。
霞のジョーは決意を新たにシチューを見つめる。
厨房より翔一がやってきた。
「さて、準備もできましたし、夕食にしましょう。いっぱい作ってあるので遠慮なくお代わりしてくださいね。
城さんの分はあらかじめ取って置いてあります」
「じゃあ、遠慮なく」
ジョーはスプーンでスープをすくって、口につける。
飲み込んだその時、腹が焼けるような痛みが走り、椅子を蹴飛ばして倒れる。
「ジョーさん!!」
明日夢がいち早く駆けつけてくる。
血反吐を吐いて彼を安心させるために顔を見つめる。
目がぼやけて彼の顔が見れない。
「……だ、大丈夫だ。か、霞のジョー……は不死身……だから」
だが言葉とは裏腹に、彼はもう駄目だと確信する。
毒にやられたらしい。誰がやったかは知らないが、彼は一つの思いが浮かび上がるのみだった。
(悪い……明日夢。俺は……お前の兄貴に……なるって……約束したのに……叶えられそう……にもない。
お前は生き残ってくれ…………)
霞のジョーは自分を殺した人間を探るよりも、一人の少年の生き残りを願った。
その目に一滴の涙を流して、彼の記憶を探す長い旅は終わった。
ジョーの死を確認して、明日夢はほくそ笑む。
水のエルの話題を出していたときはゾッとしたが、自分のやったことは話してなかったらしい。
しかも、死に際まで毒を仕込んだかもしれない自分を案じていた。
救いようのないお人好しである。
「うわぁぁあぁっ! ジョーさん!」
「っ! 明日夢くん、いったい何が……」
「近寄るなっ!!」
鋭い声を出して、二人を遠ざける。あきらの様子を伺うと、事態を飲み込めていないらしい。
この殺し合いでも守ってもらってばかりだった所為だろう。不公平だと感じながら、翔一のほうを向く。
今は彼をしとめるときだ。あきらをどうにかするのは最後にする。
「お前が毒を仕込んでいたんだろ?」
「違う、俺は……」
「嘘をつけ! 放送で呼ばれたジョーカーはお前じゃないのか?
ジョーさんを返せっ! 人殺し!!」
「違う。俺はアギトとして人を救うために……」
罪を擦り付けるついでに放送の『ジョーカー』を利用しようとした矢先、自分に都合のいい単語が聞こえてきた。
彼が水のエルの言っていた倒すべき『アギト』。そしてこの場にはジョーからその存在を知らされたあきら。
都合がよすぎてつい笑みが浮かびそうになるが、押し殺して糾弾を続ける。
「アギト? 水のエルが人類の脅威といっていた奴じゃないか!
やっぱり僕たちを殺そうとずっと様子を探っていたんだろ! 信用できない!」
言いながら走り、パーフェクトゼクターを取った。剣先を構えてその場を去る。
「待って、明日夢くん!!」
翔一の制止する声を振り払い、途中でデイバックを回収して出口へと走る。
茂はしばらく外にいるだろうが、彼らが茂と連絡を取らないようにするためだ。
(生き残る。そして帰る!)
ただその一念で、少年は走り続ける。
明日夢が消え去った先を悲痛な表情で見送った翔一に視線を向ける。
明日夢は彼を殺人鬼だと決め付けたが、あきらにはそう思えなかった。
自らが恐怖を感じた殺人鬼に勇敢に立ち向かったと聞く。
それに、自分と巧を救ってくれ木野の仲間だ。疑うはずもない。
もちろん、疑問もある。あの毒は誰が入れなのだろうか?
(ジョーさんを殺したのは安達くん? ううん、違う。彼は優しい人だから、それはない。
もしかして、私たちの前に誰かここに潜んでいるんじゃ……)
ドレイクグリップを握り、万が一に備える。
続けて、翔一に向き直る。
「安達くんを追いかけましょう」
「あきらちゃん……」
「話せば分かってくれます。彼は特殊な状況に追い込まれて、ヒビキさんを亡くして混乱しているだけです。
彼の誤解を解いてから、犯人を捜しましょう」
「……そうだね。それじゃ、彼を助けに行こうか」
翔一に頷き、明日夢を探す。ヒビキはもういない。
彼を一人にさせてはいけないと、地面を蹴り続けた。
レストランの出口に佇む明日夢を見て、翔一は安堵のため息を吐く。
遠くに行かないでよかったと考え、ゆっくりを歩みを進める。
「くるなっ!」
明日夢がパーフェクトゼクターをガンモードに変え、こちらに向けている。
放たれる銃弾が頬を掠めて照明を打ち抜いた。
(あれに当たったら痛いだろうな)
翔一は場違いな事を考えながら更に歩みを進める。
明日夢の身体は震えている。怖いのだろう。
(それじゃいけない。明日夢くんは助けなければ)
「やめて、安達くん。津上さんは……」
「いいんだ、あきらちゃん。これは毒が入っていることに気づかなかった俺のミス。
だからもし、彼に撃たれても仕方がないんだ」
「でも……」
「大丈夫。俺は死なない」
翔一はあきらに告げて止まっていた歩みを再開する。
銃弾が肩を抉り、血が吹き出る。だが、翔一は僅かに呻くにとどめた。
「くるなっ、くるなっ、くるなぁ〜!!」
数度血が花火のように爆ぜる。
膝を崩しそうになるが耐え、一歩一歩確実に明日夢に近付いていった。
両手で彼の肩を優しく掴む。ビクッと震えた少年を安心させるため、いつもの笑顔を浮かべる。
「捕まえた」
明日夢はパーフェクトゼクター・ガンモードの反動に翻弄され、上手く狙いを定めることができなかった。
一発一発撃つごとに身体が泳ぐ。苛立たしげに連射をし、死ねと思いながら引き金を引く。
本来の予定なら、恐怖に押しつぶされたフリをして一発でしとめるつもりだった。
場所ももっと近くに来てから撃つ予定であった。
それらが無駄になったのは、翔一を見た瞬間わきあがった恐怖が原因だ。自然と身体が震える。
相手は仮面ライダー。しかも水のエルが脅威というほどの能力『アギト』を持つ人間。
スマートバックルで対抗できるか自信はない。
十発ほど外したころ、ようやく銃弾が肩に当たり、翔一が僅かに揺らぐ。だが、彼は怯まず、明日夢に近付いてきた。
変身もしない。怯みもしない。
そんな翔一を理解できず、得体の知れなさに恐怖心が膨れ上がった。
咽に唾が粘りついて、飲み込むのにも一苦労。
恐怖心を押さえ込むように、無理矢理唾の塊を飲み込んで、銃弾を放った。
やはりぶれる銃身では人を捉えることは困難であった。それでも一、二発は当たっている。
だが、敵は止まらない。やがて、翔一は明日夢の前に立った。
怖くて顔が見れない。一瞬で変身されれば自分は死ぬ。
腹に巻いているスマートバックルに手をかけようとした瞬間、肩を掴まれる。
(間に合わなかった? 殺される!)
脳裏に浮かぶのは岬ユリ子の死に様。あんなふうに死ぬのは嫌だ。
自分は生きる。生きて家に帰る。そう考えていても身体は動かなかった。
「捕まえた」
明日夢は身体を震わせ、生きたいと願った。みっともなくてもいい、ユリ子や加賀美のようになるのはごめんだった。
命乞いをしようかと迷っていると、翔一が先に話しかけてくる。
「ごめん。ジョーさんが死んだのは俺の責任だ。毒が仕込まれていたなんて、気づかなかった。
君の言っていることは正しい。たとえジョーカーじゃなくても、ジョーさんを殺したのは俺だ」
「津上さん!」
「あきらちゃん、俺は料理をして、毒を仕込まれた。人に美味しいって言ってもらう人間になりたい俺にとっては、最悪のことだ。
だから、君たちは俺が必ずもとの世界に戻す。一人で無理なら、城さんの、木野さんの、多くの仮面ライダーの力を借りる。
もう、怖がらないでくれ。明日夢くん」
(何を言っているんだ? こいつは?)
明日夢は銃を撃った自分を殺そうとしない彼に疑問を持った。
彼は身体中に怪我を負い、痛みに顔を顰めている。その原因になった自分を救うと宣言している。
(馬鹿だ……この人は)
内心呟いて、目の前の彼を否定する。しかし、明日夢の目には涙が流れていた。
―― 俺が一緒に背負う! お前の犯した罪も悲しみも裏切りもだ!! ――
そう言った彼はいない。なぜなら、自分で殺したからだ。
だいたい自分が殺したと、少し考えれば分かるはずだ。なのに、疑おうともしない目の前の青年に対して、なぜか涙が止まらない。
それが悲しみからか、疑われていないと知っての安堵からか、自分自身にも分からなかった。
確実にいえるのは、ヒビキの死とジョーの死は、胸がポッカリ開いた気分になったということだ。
認めたくなかった。認めてしまえば、今までの自分を否定してしまう。
今がチャンスだ、殺せと頭が命令するが、腕はパーフェクトゼクターを力なく落としてしまう。
その様子に翔一が微笑む。それは、出会ったときのヒビキの笑顔を思い出してしまった。
室内に明日夢の泣き声が響く。
どうやらもう明日夢が混乱することもないだろうと、あきらは安堵のため息を吐いた。
翔一が振り向く。その顔には、魔化魍を倒した後のヒビキたちのような爽やかな笑顔があった。
「一件落着ってね」
「はい。それじゃ、毒を仕込んだ人を探しに……」
あきらの声は最後まで続かなかった。
翔一が血を吐き出し崩れていったからだ。ぐらりと彼の身体が崩れていく。
コマ送りのように身体が傾く様子を追いながら、あきらの耳に人の倒れる音が聞こえた。
そのあきらの視線の先には、血に染まった果物ナイフを持つ明日夢がいる。
「安達くん……なんで……?」
あきらの声は震えていた。
明日夢の持つ、ドクターケイトの毒が塗られた果物ナイフを翔一の脇腹に突き刺す。
人の肉を貫く感触は少し気持ち悪かったが、何のこともない。
むしろ簡単すぎて驚いた。
倒れた翔一を見下ろすが、何の感慨も沸かない。ヒビキの死もジョーの死も、もうどうでもいい。
(僕はあの人たちの死を乗り越えたんだ。これも優勝するための第一歩。
そうですよね? ヒビキさん)
あきらを見つめると、ドレイクグリップを握っている。
怒りが蘇り、睨みつける。
「安達くん……なんで……?」
まだ状況を分かっていないらしい。明日夢はわざとらしくため息を吐き、笑い出す。
意識して笑ったわけではないが、絶望に染まったあきらの顔がおかしくてつい吹き出したのだ。
だが彼女には狂ったように見えたらしい。
「こんなところに連れてこられて混乱しているだけだよね?
ヒビキさんが死んでショックを受けているだけだよね?
すぐにいつもの優しい安達くんに戻ってくれるよね? 手を貸して。津上さんを助け……」
「まだ分からないのか? 天美」
明日夢は呆れたように喋り続けるあきらを中断させる。
自分でも驚くほど冷たい声。更に殺意を乗せながら言葉の刃をあきらに抉りこむ。
「ジョーさんも、津上さんも僕が殺したんだよ。津上さんが助かるわけないだろ。
このナイフには毒が塗ってあるんだからな」
「何でそんな事をっ!」
「帰りたいからさ! 誰かに守られ続け、仮面ライダーに偶然選ばれたお前には分からないだろうなっ!
僕はこの殺し合いで銃を突きつけられたよ! 斬り殺されかけたよ! 炎を吹き出す魔化魍に焼き殺されかけたよ!
対してお前は何だっ!? ぬくぬくとあの乾って人と一緒にいて、守ってもらったんだろ? 僕と違って!!」
「ちが……」
「僕はお前が憎いっ! 変身ッ!!」
スマートバックルを倒し、その身体を光が包み込む。
ライトブラウンの鎧を装着した黒い強化スーツの超人へと明日夢は姿を変える。
銀のOを模した単眼は憎しみを持ってあきらを睨みつけていた。
落ちていたパーフェクトゼクターを剣に変えて持つ。
先程よりは軽く感じる。
「天美は毒で殺さない。僕のこの手で直接殺す」
明日夢は更に絶望に染まるあきらの表情を、仮面の下で愉悦の笑みを浮かべて見ていた。
ライオトルーパーが出鱈目に振るう剣をあきらは必死で避ける。
素人が使うことによって、剣筋が読めず、白い肌に切り傷を二、三つける結果になった。
「死ねぇぇ!! 天美ぃぃぃぃ!!」
友達だった少年の怨嗟の声にあきらの心が抉られる。
彼がこの殺し合いでどれほど辛い目にあったかを思い、涙が一筋流れる。
痛みを感じるが、それは罰なのではないかと考え、ドレイクへと変身ができない。
あきらも明日夢も知らないが、二人の環境にそれほど差があるわけではない。
あきらも帰るために闇へ落ちかけた。明日夢を守ってくれる者はいた。
ただあるのは、闇より抜け出した者と、闇にはまる者の違いだけだった。
あきらが明日夢を説得できる言葉を捜していると、青い影が鳴きながら明日夢の腕を弾く。
「ッ!! これはぁ〜!!」
ドレイクゼクターが現れ、あきらに変身しろと促している。
だが、あきらは一向に構える気にはならない。
「駄目だよ。友達と戦えないよ!!」
「友達? お前なんか友達じゃない。天美、邪魔だ!!」
否定の言葉にショックを受けるあきらの手のドレイクグリップに、ドレイクゼクターが自ら接続する。
ライオトルーパーが焦りながら剣を振るうが、それより先に変身を開始する電子音が発せられた。
―― HENSHIN ――
構成する六角形の金属片。そのうち一つがギリギリ剣を受け止め、室内に金属がぶつかり合う甲高い音が響く。
反動で離れるライオトルーパーとドレイク・マスクドフォーム。
涙で濡れる顔をヤゴの仮面に隠し、あきらの変身したドレイクは力無く立ち尽くしていた。
「戦えというの……? ドレイクゼクター……」
再び振るわれるパーフェクトゼクターの衝撃によろめきながら後退する。
痛みを胸に感じ、ドレイクは机を巻き込んで倒れる。
「何で斬れないんだよぉ!!」
あきらはその答えを知っている。刃物などは刃筋を通さねば、どんなに切れ味のいい得物でも対象を切り裂けないと。
弦の修行をしたときに教えられたのだ。
どの『鬼』でも太鼓、弦、笛の修行を教えられるため、魔化魍を効率よく斬りつける術も習った。
ドレイクはいまだにその教えを覚えている。
今のライオトルーパーが使っている限り、パーフェクトゼクターは金属の棒としてしか活用されないだろう。
だが、それでも自分は殺されかねない。
ライオトルーパーに変身し、怪力を得た彼なら撲殺で充分人を殺せる。
実際、血を吐き出し、マスクからポタポタ漏れている。
(どうしたらいいんですか? イブキさん、天道さん……)
答えは返らない。正面には殺意を持った友達がいる。
そう、『友達』が……
「うおぉぉぉ!!」
ドレイクは自然に身体が動いて、剣を避ける。
パーフェクトゼクターが床を砕いて、高級絨毯を斬り裂く。
(安達くんは友達だ。私が立ち直ったのは天道さんと巧さんのおかげだから……安達くんを立ち直らせるのは私がやる!)
「動くな!」
「イヤ! 安達くんを助けたいから……私はここで死ぬわけにはいかない」
「うるさい! お前に何が……」
「私だって巧さんを殺そうとしたよ。怖い人にいきなり襲われたよ。
だけど、脱出を諦めない人がいるから、ヒビキさんが頑張っているから、私は皆を信頼している。
それは安達くんが教えてくれたことだよ!」
昔、彼が魔化魍の縄張りに迷い込んできたことがあった。
電車の中で妊婦に席を譲るという、当たり前の行いをしない彼に少し苛立ちを覚えた。
危険なところに来て、ヘラヘラしている彼をあまり好ましく思わなかった。
だがイブキに諭され、彼と接しているうちに優しい人だというのが分かった。
周りを考える余裕ができて、イブキや周りの人たちに変わったと言われた。
自分はその変化が嫌いじゃない。
その事を教えてくれた『友達』は闇に落ちている。
変わってしまった彼を元に戻すのは自分だ。そして一緒に脱出する。
それがもう死んでしまったヒビキや天道に報いることだと信じる。
その彼女に答えるようにドレイクゼクターが震える。
特に銃の後ろのレバーが大きく震えており、指をかけ、引っ張る。
青と銀の鎧が迫り上がり、エネルギーが待機音を引き連れて鳴る。
「だから正気に戻って!!」
「僕は正気だ!!」
ドレイクが引き金を引く。
―― Cast Off ――
電子音と共に鎧が高速で弾ける。その欠片の一つがライオトルーパーを弾き飛ばした。
「ガァッ!」
「安達くん!」
心配する声を駆けると同時に、脱皮を終えた事を告げる音が響く。
―― Change Dragonfly ――
羽のようなゴーグルに悲しみを秘めた瞳を携え、ドレイク・ライダーフォームに姿を変えた。
心配するドレイクを追い払うようにライオトルーパーは腕を振るって立ち上がる。
剣を杖代わりにし、息を荒くしてこちらを睨みつけている。
「よくも……やってくれたな……」
「あなたが元に戻るまで……戦う」
ドレイクはライオトルーパーの怒りの声に静かに返す。
覚悟を決めた者だけが放てる宣言だった。
「うぉぉぉぉ!!」
迫るライオトルーパーの装甲が厚い部分を狙って銃弾を撃ち込む。
火花が散って衝撃を与え、幾度か揺さぶるもの、彼は突進をやめない。
彼をなるべく軽傷で済ませたいドレイクは躊躇しながら撃っている。
あきらの年齢にしては狙いが正確だが、連射をして足止めをすることができないのは大きかった。
対して、ライオトルーパーは技術は拙くても、こちらを殺すために動いている。
あっという間に間合いがつまり、力任せに振るわれる攻撃はドレイクにダメージを蓄積させていく。
ライオトルーパーの剣がドレイクの脇腹に直撃し、コンクリートの壁に叩きつけられた。
「グゥ……」
思わず呻き、痛みに身体が震える。
あまりの激痛に骨が折れたのだろうか心配になる。
だが、動けるならまだいい。彼を救うまで持てばいいのだから。
雄たけびを上げながらライオトルーパーが迫ってくる。
魔化魍のような、人とは思えない唸り声に、ドレイクの鍛えられた戦闘技術が反応する。
何度も何度も練習し、最早反射に至った行為。それを彼女は後悔した。
「痛いぃぃぃ!」
銃弾がライオトルーパーの脚を貫いて、花火のように血が吹き出る。
魔化魍に奇襲されたとき、とっさに反撃できるようにも鍛えたことがある。
その結果無意識とはいえ、友達を傷つけたことにショックを受ける。
「安達くん!」
「ハッ、何が救うだ。結局自分の命が惜しいんだろ!? 絶対に許さない。天美ぃ!」
ドレイクは足を引きずるライオトルーパーに責められ、絶句して立ちすくむ。
だが、彼女を鼓舞するようにドレイクゼクターが再び震えた。
(ドレイクゼクター……諦めるなって言っているの?
そうだね、諦めない!! もう二度と、巧さんを襲ったときのように諦めない!!)
ドレイクゼクターの羽をたたみ再び尾を引っ張る。
エネルギーが迸り、銃口へと集中される。そのことに恐怖を感じたライオトルーパーが無理矢理立ち上がり、一足飛びに迫る。
だがこちらが引き金を引く方が早い。
「目を覚まして! 安達くん!!」
―― Rider Shooting ――
青い光弾が放たれる。反動を身体に感じながら、ドレイクは正面を睨みつけていた。
ドレイクはぺたりとへたり込んだライオトルーパーに近付き、優しく声をかける。
「安達くん、もうやめよう。あなたが罪を背負ったなら、私が一緒に背負う。
巧さんと天道さんがしてくれたように」
彼女が紡いだ言葉は、偶然にも霞のジョーと同じ言葉だった。
ライダーシューティングは最初からライオトルーパーを狙っていない。
彼の脇を掠め、天井を打ち砕いた。
「うるさいっ!」
再びガンモードとなっていくパーフェクトゼクター。
ライオトルーパーはそれを構えて、赤いボタンを押している。
―― KABUTO POWER ――
―― HYPER CANNON ――
放たれる光弾をやすやすと避け、彼の目の前に立つ。
後ろで天井が撃ちぬかれた音が聞こえる。
「行こう、城さんのところへ。私が傍にいるから……」
ドレイクは手を差し出す。握り返して欲しいと心から思う。
どれほど時間が経ったのだろうか。やがてライオトルーパーは銃を降ろして、手を握り返した。
「安達くん……」
「…………ぇ……」
ドレイクは安堵のため息を漏らす。ライオトルーパーが何か呟いているが聞こえない。
耳を寄せて聞き取ろうとすると、ドレイクの身体が引っ張られた。
「死んでしまえ!!」
―― KABUTO POWER ――
―― Hyper Blade ――
エネルギーを纏った剣に胴を切り付けられ、ドレイクの視界に天井が入る。
ドサッと衝撃を感じたと同時に、倒れる自分の下半身を見つける。
真っ二つにされたのだと気づき、絶望に染まりながらあきらは息を引き取った。
「ハハッ、あっけない」
変身を解いた明日夢は笑い、脚を引きずって進む。
ドクターケイトの杖を窓から投げ捨てた。
屋上に近い部屋で戦ったのが幸いして城に気づかれていない。
誰かに襲われたことにして怖がり、彼の保護欲を刺激する。
そうすれば帰れる。守ってもらうことには自信がある。
加賀美やジョーのように彼を利用する。
「僕は生き残る……」
呟いて進むと、パラパラと埃が落ちて上を向く。
天井が崩れて、瓦礫が落ちかけてくる。
(まずい、天美の攻撃の所為だ。このままでは死んじゃう。早く行かないと)
明日夢は離れようとするが、怪我のおかげで思うように進まない。
バキバキと音を立てて、瓦礫が自重に耐えれずに明日夢へと襲い掛かってきた。
「うわぁぁぁぁ!!」
悲鳴をあげるがヒビキも加賀美もジョーもいない。
(嫌だ、死にたくない。誰か、助け――――)
明日夢は目を瞑りながらも必死に足掻く。
瓦礫が落ちる音が耳に入る。だが、身体に痛みは無い。
恐る恐る目を開くと、アギトが瓦礫を支えていた。
「早く……逃げて……」
忠告通りに這い出す。
振り向くと、アギトは膝を崩して瓦礫に押しつぶされる。
「何で僕を……」
「……もう……誰にも……死んで欲しくないから。
人を殺すのは……俺で最後に……して、あきらちゃんと……一緒に生きて……」
それっきり彼は喋らなくなった。変身が解かれ、瓦礫に押しつぶされていく。
ナイフに塗った毒の量が少なかったのか、アギトの力のおかげかは分からないが、まだ生きていたらしい。
おそらく今まで気絶していて、自分が押しつぶされかけたときに目を覚ましたのだろう。
(僕は運がいい。今まで危険な目に遭っても生きている。
これは僕に生き延びろってことか。素敵だ、神様)
声を押し殺して笑う。
不気味な笑い声をあげる明日夢の耳に、足音が聞こえる。
おそらくは茂なのだろう。大声を張り上げ、明日夢は叫ぶ。
「城さん、助けて! 急に怪人に襲われて皆死んじゃったんだ!」
「待っていろ! 明日夢、今駆けつける!」
茂の声が返り、明日夢は馬鹿が罠にかかったと、足を引きずって入り口に向かう。
(あの入り口が、僕の帰り道の過程になるんだ。全員殺して帰る! 僕ならできる!)
執念の右手を入り口に伸ばす。自然と浮かぶ笑み。
だが、彼の頭上に瓦礫が落ち、ズシンと音を立てて、右手を残し全身を潰した。
脳漿が飛び散り、血が床に広がる。伸ばされた右手は栄光を掴むように、パーフェクトゼクターを強く握っていた。
この瓦礫は、明日夢がハイパーキャノンを外した結果落ちたのだ。
彼の帰り道は、彼自身の手によって断たれる結果となった。
□
展望レストランの中央で、茂は崩れ落ち、身体を震わせている。
彼の傍らには真実を知る剣、パーフェクトゼクターと残された右手、四人の残した荷物のみだった。
もちろん、茂はドクターケイトの杖に気づかなかった。明日夢のスマートバックルは破壊されている。
ドレイクグリップも瓦礫に埋まっているため、茂は気づくことができなかった。
窓が割れているのを確認し、茂は怒りを再燃させる。
本当は明日夢が翔一を撃ったときに割れたものだが、彼の最期の言葉を信じ、空を飛べる怪人によって破壊されたと思ったのだ。
「また……守れなかった……」
ユリ子、風見、北岡に続き茂は誰も守ることができなかった。そのことで自分を責め、惨状を引き起こした怪人に怒りを持つ。
「許さない……許さないぞ!! 怪人! 神崎士郎!!」
仮面ライダーの慟哭が月に照らされた室内で響く。
目からは血の涙が流れていた。
ジョーの形見の懐中時計が悲しい音楽を奏でている。
【安達明日夢 死亡】
【天美あきら 死亡】
【霞のジョー 死亡】
【津上翔一 死亡】
残り21人
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-5】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:全身に負傷中。疲労中。応急処置済み。守れなかったことによる後悔。
[装備]:V3ホッパー。パーフェクトゼクター。
[道具]:支給品一式×4(茂、霞のジョー、加賀美、影月)。サイ。オルゴール付懐中時計。鬼笛。
[思考・状況]
1:謎の怪人に怒り。みんなの仇を討つ。
2:木野と乾の合流を待つ。
3:浅倉を倒す。
4:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
5:明日、ジェネラルシャドウと決着をつける。
6:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
※明日夢の言葉を信じたため、謎の怪人によって全滅したと思い込んでいます。
[その他共通事項]
※1:破壊されたスマートバックル、ドレイクグリップ、果物ナイフ数本はE-5エリアの高層ビルのレストラン内部、瓦礫の下に放置されています。
※2:ドクターケイトの杖はE-5エリア内の高層ビル付近に落ちています。
※3:アクセルレイガンは樹海エリアC-4に放置されたままです。
投下終了。
誤字や矛盾の指摘をお願いします。
GJ!
毒をもった時点で誰か犠牲者が出るとは思いましたが、まさか城を除いて全滅とは。
ハラハラと爽快感と鬱の絶妙なブレンドが良かったです。
明日夢の犠牲者がこれ以上増えなくなったのは幸運と言えば、幸運なのかな。
気になった点というか、重箱の隅ではありますが、毒薬が支給品として存在しているので、ケイトの杖の存在が唐突といえば唐突かな?
GJです。
結果はどうであれ、生き残ったストロンガーには悲劇の連鎖を断ち切って欲しいです。
仮面ライダーである彼に、希望を託します。
GJ!
明日夢……今までの行動の報いという形でも、少し可哀相です。
実際、一番生に固執していましたからね。
翔一君が死んでしまったのはびっくり。彼なら残り10人くらいに残ると思っていたけど。
そういえば、これで響鬼勢は全滅ですね。
そして報告。日付が変わる頃辺りには投下できると思います。
響鬼勢はなんだかんだで善人ばかりだし、相手は獣だし、やっぱり向いてないのかも知れませんね。
そして、響鬼勢と霞のジョーの死亡で、一般人も残りは小沢の姉御ただひとり。
>>52 どうなるか期待してます。
アギト・・・RX以上に戦闘でいい所がなく逝ってしまった・・・合唱
実際、翔一君は動かしにくいと思う
GJ!
それぞれの心情が痛い程伝わって来た。
死に際の無情な感じもロワらしく面白かったです。
もう一度GJ!
>>52 楽しみにしてます!
投下乙です!
生々しくて鳥肌たちました。
あ、巧がドラス戦以前に一時でもチーム組んでた人が城除いて全員死んだな。
しかも殆んどがこの短期間で。流石に不幸だ。
響鬼勢も全滅か…
そういや明日夢が浅倉と並んで殺害数トップになったのか。
ライダーでも怪人でもない明日夢がまさかここまで事態を変えてしまうとは思いもよりませんでした…改めてGJです!!
…これで平成主役ライダーは巧だけになったか…。
さて、報告によればそろそろ来るらしいから
携帯電話の0を三回押してスタンバイしなきゃ
俺はさっきから何回も右腰を連打してるぜ
予定より遅くなりましたが、今から投下します。
「……よっと。」
シャドウは眠ってしまった冴子を助手席に座らせる。
何の気なしにシャドウは睦月の方を向いた。
「おい……ここは一体何エリアだ?」
いきなり睦月が震えた声で聞いてくる。
「D7エリアだが・・・・・・どうしてそんな事を聞いたんだ?」
「……ウワァァァ!!」
突如睦月は声を上げ、方向を急転換させた。
「おい、落ち着け!一体どうしたというんだ!」
突然の奇行に、シャドウは声を上げた
一方の睦月は、この場所について一切動じないシャドウに苛立ちを覚えていた。
「放送を聞いてないのか!ここは今朝七時、既に禁止エリアになっているんだよ!」
「何を言っている、七時に禁止になったのはA1エリアだろう!」
「何だって!?」
シャドウのその言葉に睦月は自分の耳を疑った。
「それって……どういう……」
「聞いたとおりの意味だ。」
明らかに驚いた顔をする睦月に、淡々と言うシャドウ。
「ま、とりあえずジャークには伝えておくがな。」
そう言ってシャドウは奥へと引っ込んでしまった。
「………ッッ!」
シャドウの姿が奥へと消えた後、睦月はある事を考えた。
(確かにキングはD7エリアが禁止エリアだと言った。)
キングの言った言葉は今でも耳に残っている。
ここに来てはじめて死の恐怖を味わった瞬間でもあるからだ。
だからこそ、自分はそれを信じて進んできた。
(だがシャドウはA1エリアが禁止エリアだと言った。)
二人の間に生じる食い違い。
もう一度キングの言った事を思い出す。
『何か珍しいものをレンゲルがもっていたら、トレードしてあげるよ』
キングはそう言って言葉巧みに自分をゲームに乗せた。
今考えれば、キングが約束を守るとは限らない。
彼は仮にもアンデッド。しかもカテゴリーキング。
その気になれば、今生きている参加者の何割かを殺すのだって可能なはずだ。
最強のライダーである自分でも、生身を襲われたら勝てるかどうかわからない。
ならば、どうしてのあのとき自分を倒さずにゲームに誘ったのか。
それは別に考えがあったという決定的な証拠。
そして、シャドウには今の自分を騙す理由がない。
これから導き出される結論は――――。
「あいつ……この俺を騙しやがったな……」
そう。キングは、自分に対して嘘をついた。
言いようのない怒りがこみ上げてくる。
もう、許さない。
例え約束どおりラウズカードを持ってきたとしても。
今すぐキングを倒したい。
自分をコケにしたキングを倒したい。
これまで感じたことの無い憎悪が睦月を支配する。
今、車を運転していると言う事さえ忘れさせるほどに。
「……しまった……」
いくら倒したくても、場所がわからない。
深く考え込むと、睦月はある事を思い出す。
『3回目の放送までにH3の遺跡付近で待ってるよ』
そうだ。確かキングは場所を指定していた。
丁度方向は今向かっている場所と同じ。
場所が近づいたらそこで降ろして貰えばいい。
睦月はとりあえず安堵する。
そして憎悪は、心の奥底に沈んでいった。
―――睦月は気付いていなかった。
―――その憎悪こそが、カテゴリーエースの欲しているものだということに。
◆
「ジャーク、ちょっといいか?」
シャドウが衝突に口を開いた。
禁止エリアの件を伝えるためだ。
「ん?何事だ?」
ジャークが近づき、話を始める。
ガライは、壁に寄りかかって目を閉じている。
起きてはいるようだが、ほとんど何のアクションを起こさない。
その中で、リュウガは脱出の考えを練っていた。
(睦月とあの女は前に居るからいいとして……。)
頭を上げガライの方を見上げる。
(こいつは確かに強いが頭に血が上りやすい、扱うのは簡単だろう。)
ちらりとジャーク将軍とシャドウのほうを見る。
(問題なのはこの二人だ。一人一人なら何とかなるかもしれないが、二人同時だと流石にまずいな。)
リュウガが頭を捻っていると―――。
「ちょっと!返事位しなさいよ!!」
「……おわッ!?」
甲高い小沢の叫びで無理矢理現実に戻される。
深く考えすぎて呼びかけられていることに気付かなかった。
「いつまでボサッとしてるの?さっさと始めるわよ。」
「……どういうことだ。」
小沢の余りに突拍子もない発言に、リュウガの頭には疑問符が飛び交った。
「あなたが戦うの。あいつらに一泡吹かせてやるのよ。」
作戦を語る小沢の目は、とても生き生きとしていた。
「だが、こんな状態ではどうにも・・・・・・。」
「あら、もう紐は解けてるわよ?」
……は?
支援
支援
一瞬、リュウガは小沢の言っていることが理解できなかった。
「よく見てみなさい。」
「……!」
小沢の言うとおり、いつの間にか手を縛っていたロープは解けていた。
「一体、どうやって……。」
「あれくらい、根性があればどうにでもなるわよ。」
すぐに答えを返してきた小沢に、リュウガは心底呆れた。
「こんなもの、目隠ししてだって取れるわよ。それと……ハイ、これ。」
「これは……」
「カードデッキ。あなたが持ってたカードは中に入れておいたから。」
「…………どうやって取った?」
嬉しい反面、リュウガは素直に小沢澄子と言う人間に驚いた。
「そこに置いてあったわ。まだ変身は出来ないだろうけど、持ってなさい。」
「………流石だ。」
リュウガがカードデッキに向かって手を伸ばすが、小沢はその手を掴み、呟く。
「約束して。城戸君の分も生き延びて、必ずこの戦いをぶっ壊すって。」
この答えに意味はない。なぜなら何が帰ってくるかがわかっているからだ。
少しの沈黙の後、返事が返ってくる。
「……勿論だ、俺は約束した。ひよりを守り抜くと。」
期待通りの答えを聞くと、小沢が少しだけ満足げな表情を浮かべた。
「OK、それじゃあ手筈通りにね。」
◆
「ねぇあなた。」
小沢がガライに向かって話しかける。
「……何だ。」
うまく話しに乗ってくれた。ここまでは作戦通り。
「少しは動いたらどうなの?ずっと同じところに居て目障りったらありゃしないわ……あなた人形?それともマネキンか何か?」
「……………………っ!」
小沢は口から出るままにガライを煽る。
見る見るうちにガライの頭に血が上っていく。
「それに何?その耳飾おしゃれのつもり?悪いけどぜんぜん似合ってな……!」
「貴様……頭に乗るなよ……」
ガライが小沢の胸倉を掴み上げる。
「…………今よ。」
不適に笑い、小沢が短く呟く。
「ハァッ!」
同時に、ガライ目掛けてすばやくリュウガが足払いをした。
「……!?」
その顔に驚愕の色を浮かべるガライ。
「……フン!」
ガライが体制を崩している間に、人間で言う鳩尾の所に素早く拳を叩き込む。
予想外の攻撃を受けたガライは、そのまま眠るように気絶した。
「……凄いわね。お見事。」
「お陰様で。」
小声で驚きの声を上げる小沢に、相槌を打つ。
支援
「待て。」
臨戦体制に入るシャドウをジャークは静かに下がらせる。
「何故だ。一人より二人の方が……」
「お前は先程の戦いで体力を消耗しすぎている。」
シャドウは反論するが、短く切り捨てられてしまう。
「……大丈夫だ。変身は出来ずとも、生身の人間に遅れは取らん。」
余りに自信に満ちた言い方に、シャドウはもう言うことが無くなってしまった。
「……わかった、俺は手を出さん。だが、負けるなよ。」
「フン、余を誰だと思っている?クライシス帝国最高司令官、ジャーク将軍ぞ!」
背中越しに聞こえるその声は、とても威厳に溢れていた。
「おい、御託は終わったか?」
声がする方に顔を向けると、リュウガが武器を構えて立っていた。
その手に握られているのは装甲声刃。
ガライに支給された、鬼戦士を強化する武器。
「そう急かすな、どうせすぐに終わるのだからなァッ!」
刹那――――ジャーク将軍がリュウガの頭を掴み、床に叩きつけた。
じたばたともがくリュウガを静かに見下ろす。
「安心せい、苦しむのは一瞬だけだ。すぐに――――」
ジャークはリュウガを砕かんと杖を振り上げる。
「あの天道総司の元へ送ってやる!」
「!?」
間一髪、頭すれすれで杖はGトレーラーの床を貫いた。
「おい、今なんて言った!」
リュウガは感情のままに疑問をぶつける。
「ウヌ、まだ言っていなかったか。天道総司は死んだ。」
「そんな……天道君が……」
小沢が消え入りそうな声を上げる。
「グゥッ!」
突所ジャーク将軍が苦しそうな声を出した。
見ると、リュウガの足が的確にジャーク将軍の後頭部を捉えていた。
「決まった、これでますます死ねなくなった。」
ジャークから開放されたリュウガが改めて決意を新たにする。
装甲声刃で切りかかるも、ひらりと身をかわされてしまった。
「ここでは戦うにはちと狭いな……ついて来るがよい!」
言うが早いか、ジャーク将軍は後ろの扉を開けて天井へと姿を消す。
リュウガもそれに続いて上ると、ジャーク将軍は悠然と立ちはだかっていた。
「さぁ、始めようではないか。」
ジャーク将軍が楽しそうに語りかける。
「……此方から行くぞ!」
いきなり、リュウガはジャーク将軍に向かって蹴りを入れる。
「ハァッ!」
が、その蹴りはその腕によって止められてしまった。
「そちの力はその程度か?」
ジャーク将軍があざ笑うように言う。
だが、本当の攻撃はここからだ。
右足を掴ませたまま、それを軸にして左足をジャーク将軍の即頭部へとめり込ませる。
「グォッ……」
軽い脳震盪を起こすジャーク将軍。
その隙にリュウガはジャークの手から脱出する。
「誰の力がこの程度だって?」
リュウガが軽い皮肉を込めて呟く。
「これは失礼した、その力本物のようだな。」
その口調は落ち着いているが、仮面の下の目は反撃のチャンスを伺っている。
一触即発の空気が張り詰めた、その時、
ピ〜ン♪ポ〜ン♪パ〜ン♪ポ〜ン♪
場違いな音が天から鳴り響く。
一瞬、二人の意識がそちらへと向けられる。
今日三回目となる、放送の為だ。
その内容は、ジャーク将軍にとって衝撃的なものだった。
それもそのはず。死んだはずの人間が、今目の前に立っているのだから。
「馬鹿な!?城戸真司が死んだだと!ならばそちは一体……」
ジャークは困惑の色を浮かべるが、次の一言によって全てを悟った。
私たち、一人参加を隠している人がいたのです。
「そうか……そちが神崎の手の者、ジョーカーだな?」
「元……だがな。」
ジャークは、その一言で自分の考えが正しいことを確信する。
「一応名を聞いておこう、そちの名は?」
「……リュウガだ。」
その会話が合図となり、互いに獲物を構えて走り出した。
装甲声刃とジャークの杖が交わり、互いの体に衝撃が走る。
鍔迫り合いの最中、ジャークが話しかけてきた。
「一つだけ聞かせて貰おう!リュウガよ、そちが城戸真司でないのなら、そちは一体何者だ!」
その問いに、リュウガは短く答える。
「……俺は俺さ。五十ニ番目のライダー、リュウガだ!」
会話を済ませると、両者同時に飛び退く。
「中々やるようだな……ならばこれはどうだ!?」
言葉と共にジャーク将軍のマントが伸び、視界を覆う。
そのマントが晴れたとき、其処には誰もいなかった。
支援
「……何処だ!?何処に居る!!」
周りを見渡すも、その姿は見えない。
すると、後ろから声がする。
「後ろががら空きだ!」
しまった――――――――!
リュウガが反応する前にジャーク将軍の攻撃が決まる。
ガンッ
小気味よい音を立てて、杖が左腕に命中する。
「グァァァァァァッ!!」
叫び声を上げ、その場に蹲るリュウガ。
右手で左腕を押さえる。
「どうだ、折れるまではいかなくとも、しばらくは動かんはずだ。」
ジャークが杖を構えながら歩み寄ってくる。
それは、リュウガ自身が一番理解していた。
ヒビが入った状態で、無理に動かせば骨は簡単に折れてしまう。
(ここまでか……………ッ!)
リュウガまで後数歩という所まで近づいたとき――――。
ガタン!
Gトレーラーが大きく揺れる。
あわせて、ジャーク将軍の体が揺らいだ。
「おっと……」
瞬間、ジャークにわずかな隙が生まれる。
その隙をリュウガは見逃さなかった。
「ッハァ!」
最小限の動作で足払いをし、態勢を崩させる。
「グゥ……」
ジャークが鈍い声を出す。
一瞬だけ怯んだ隙に懐へ――――。
「ゼヤァァァァァァ!」
「グゥオッ!」
カァンッ!
甲高い音が鳴り響き、装甲声刃がジャークの杖を下の扉に弾き飛ばす。
「……チェックメイト、だな。」
装甲声刃を構え、リュウガはさっきまでとは打って変わってじりじりと迫っていく。
一方、ジャークはどんどん追い詰められていった。
「……!」
突如ジャークが何かを察知したらしく、下へと飛び降りる。
「待てッ!」
リュウガもそれに続き屋根から飛ぶ。
――――その時だった。
「グァァァァァァッ!!」
刹那、風の様に現れた黒い影がリュウガを外へと突き出す。
腹に当たったものはレンゲルラウザー。
それを持っているのは、生身の睦月だった。
「ム、よくやったぞ睦月!」
それを見たジャークが賛美の声を上げる。
ジャークはこれを見越して飛び降りたのだ。
「………クッ!」
間一髪、扉を掴むことが出来た。
足がうまく地面を蹴れずに時折浮くが、この際しょうがない。
「さっさと落ちろッ!」
睦月がレンゲルラウザーで執拗に攻撃を加えてくる。
何度も、何度も。
「……しつこいんだよッ!!」
一際強い一撃が額に直撃した。
「グアッ…ッ!」
額から暖かいものが流れる。
頭で考える前に、目の中に流れ込んで広がる赤い色が、血だと教えてくれた。
「……ウォォォォッ!」
一瞬でハッチから手を離し、レンゲルラウザーの刃部分を掴む。
そのまま腕の力だけで跳ね上がる。
そして、その勢いで睦月の眼前に向かって――――――。
「……グァッ!」
――――――有りっ丈の力で、頭突きを食らわせた。
「……このォッ!!」
睦月はリュウガ目掛けてレンゲルらウザーの刃を突き出してきた。
(当たった――――!)
その手ごたえで確信する睦月。
――――それはYESであり、NOだ。
確かに刃は、リュウガの手のひらを的確に捉えていた。
だが、リュウガは意にも介さず、刃に握力を掛けていく。
どんどん刃が手に食い込んでいき、その手からはダラダラと止め処なく血が流れていく。
バキッ、と耳障りな音を立てて、レンゲルラウザーの刃はあっけなく砕けた。
その間にもリュウガの手からはぽたぽたと血が流れ、床に小さな水溜りを作る。
「……ヒィッ!」
余りの出来事に、睦月は腰を抜かした。
額から血を流しながら、頭突きを食らわせてくる。
そして尚、幽鬼のように立ち上がり、こちらににじり寄って来た。
その様を見て、ジャーク将軍は無意識のうちに呟いた。
「……何という執念……」
―――執念。
今リュウガは、恐ろしいまでの執念の力で立っていた。
例え体の至る所に傷を負っていようが、だ。
「ウワアアアアアッ!」
怯えた睦月は無茶苦茶にラウザーの刃を振り回す。
が、刃は皮膚の表面や服を切るだけでなかなか当たらない。
「当たれ!当たれよォッ!」
其の思いとは裏腹に、刃は虚しく空を斬った。
「ええい、埒が明かぬ。シャドウ!烈斬をくれ!」
言葉と同時にジャーク将軍は手を出してくる。
「ん……あ、ああ……」
言われたとおりに烈斬を投げ渡すシャドウ。
――――――どうしてこの時やるべき事をせずに此処で止まっていたのだろうか。
この事を、後にシャドウは後悔することになった。
「これで、終わりだッ!」
烈斬を片手にジャーク将軍が叫ぶ。
ズブッ。
肉に硬いものがめり込む音。
刃が腹部を突き刺したのだ。
額だけでなく、口からも血が溢れる。
「ッ……」
一瞬、意識が飛ぶ。
だが、一瞬死んだ天道と城戸の顔が頭をよぎり――――――。
「ウォオォォォオォオオォッ!!」
渾身の力を込めて、烈斬に装甲声刃を叩きつけた。
バキィッ!
音を立てて、真っ二つに折れる烈斬。
「クッ……」
今の一撃で、リュウガは限界を感じる。
「フンッ、落ちろ!」
リュウガに―烈斬を捨てて杖に持ち替えた―ジャーク将軍の一撃が決まる。
――リュウガが、ここまで傷を負っていなければ、或いは避けられたかも知れない。
だが、体中ボロボロの今のリュウガにとっては、避けるのは愚か攻撃するのも無理難題と言う物だった。
「ッ、アァアァァアアアァアァ!」
ついに車体から投げ出された。
体が宙に浮き、薄暗くなった空が視界に入る。
遠ざかっていくGトレーラー。
リュウガの目には、それがまるでスローモーションのように見えた。
(天道、城戸――――――)
再び、二人の顔が頭に浮かぶ。
(――――――今回は、助けられたな。)
朦朧とする意識の中で、リュウガはそんな事を考えていた。
「リュウガーっ!」
朦朧とした意識の中、声が聞こえてきた。
声のした方を向くと、小沢が何かを持っている。
そしてそれを投げつけ、リュウガは無我夢中で掴む。
視認する暇もなく、地面に転がり込んだ。
「それを持って、みんなのところに戻って!」
小沢が叫ぶ。それに答えるが如く、リュウガは右手を天に掲げた。
「……おい!今何を投げた!?」
「まぁ、待て。何を渡したかは大体見当がつく。」
我に返った途端、すぐにでも掴みかかりそうな睦月を、ジャークは静かに押さえる。
「……フン。」
「慌てずとももうすぐ研究所につく。我等以外にここが研究所だと知るものは居ないから、先を越されることもなかろう。」
地図を広げて、確認する様に指さす。
――――その指の先にはJ3エリアの廃屋を指していた。
「そして、こいつに首輪を外させる。」
小沢の顔を見て、ジャーク将軍はにやりと笑う。
「そうすれば、この面倒な制限ともおさらばよ!ハハハハハハ!」
すっかりご機嫌になり、大声で高笑いを上げた。
その高笑いの脇で、浮かない表情をした者が二人。
「あなた……気付いてる?」
「………ああ。」
小沢がシャドウに話しかけ、答える。
「どうしたのだ?言いたいことがあるのならいってみよ。」
その様子に、ジャークが尋ねた。
「……あー、つまり、その……」
狼狽ながら目を逸らすシャドウ。
やがて意を決したらしく、小沢が口を開く。
「……今……」
「…………今、このGトレーラーは誰が運転しているの?」
言ったそばには、溜息をつくシャドウの姿。
ジャーク将軍と睦月が顔を見合わせる。
「「……あ。」」
――――――運転手のいないGトレーラーが木にぶつかったのは、その直後。
支援
【小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:城戸を救えなかった後悔。
2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:天道の死に悲しみ。
4:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています)
5:Gトレーラーをもうちょっと大事にしてほしい。
6:神代に怒り。
[備考]
※1:クライシスと神崎士郎が手を組んでいる可能性は低いと考えています。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:ジャークミドラに改造後。
[状態]:頭部に中程度のダメージ。三十分変身不能。
[装備]:杖、変身後は大刀。
[道具]:支給品のデータブック(ハイパーゼクターを除く支給品のデータが記載されています)
ネタばれ地図。首輪(ヨロイ)。ライダーブレス(コーカサス)。変身鬼弦・音錠。
ハイパーゼクター。ベルト(カブト)。壊れたザビーゼクター。精巧に出来たモデルガン。
ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。3人分のディパック(ジャーク、グランザイラス、城戸)
[思考・状況]
1:睦月、お前という奴は……。
2:もうひとつの研究所(J-3エリア)へ向かう。
3:ラウズカードを集め、戦力の強化。
4:首輪の解析。
5:上城睦月の闇を引き出す。
6:神崎士郎を殺し、脱出する。
7:RXを殺す。
8:リュウガを始末する。
※1:ジャーク将軍は睦月より、ブレイド世界の情報と剣崎、始、橘、キング、伊坂、北岡、リュウガの情報を得ました。
※2:ネタばれ地図には支給品以外のラウズカードの隠し場所も書かれています。
※3:支給品のデータブックは、支給されたアイテムの効果が記載されています。
余裕ができ、中身を確認したのはGトレーラー内が初めてです。
各参加者の初期支給品も記載されています。
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編開始前。
[状態]:火傷(中程度。再生中)。 気絶中。三十分変身不能。
[装備]:ガライソード。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ジェネラルシャドウからサタンサーベルを奪い、勝つ。
2:どんな手を使っても生き残る。
3:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。
4:ついでに生贄を手に入れる。
5:神崎士郎は残酷に壊す。
6:脆弱な生き物と組むのは気に入らない。
7:さっさとこの首輪を外したい。
※折れた烈斬はD-7に放置されています。
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。頭部に打撲。その他、身体に軽傷多数。疲労困憊。
カテゴリーAに取り込まれかけています。三十分変身不能。
[装備]:レンゲルバックル。ラウズカード(スペードのJとQ、ダイヤの3とQ、クラブのA〜6、10とJ)
ギャレンバックル。ラウズカード(ダイヤのA、2、5、6)
[道具]:配給品一式(橘)。Gトレーラー(G3ユニット、GM−01、GG−02、GS−03、GK−06、ガードアクセラー)
[思考・状況]
1:じ、事故った……。
2:ジェネラルシャドウからカードを奪う。
3:ジャーク将軍に対する僅かな信頼。今は言うことをきく。
4:自分を騙したキングへの怒り。
5:ジョーカーを倒す。
6:橘さんが死んだ?
※1:睦月は橘を偽者だと思っています。
※2:睦月は無免許でGトレーラーを運転しています。
※3:レンゲルラウザーの真ん中の刃が砕けました。
※4:キングとの約束のため睦月はH-3エリアに着くとGトレーラーを降りるつもりです。
※5:橘と戦ったことは忘れています。そのため、ジャーク将軍にもそのときのことは話していません。
ただし、何かの拍子に思い出すかも知れません。
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夕方】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲と大火傷。三十分戦闘不能。
[装備]:サタンサーベル、トランプ内蔵ベルト
[道具]:ラウズカード(ダイヤの4、8。スペードの4。ハートの3、4、7、10、J、Q、K。クラブの7、Q、K)
麻生勝の首輪(但し、分解済)。配給品一式×5(シャドウ、ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)。
[思考・状況]
1:睦月を叱り付ける。
2:ジョーカーを倒す。
3:明日、ストロンガーと決着をつける。
4:情報収集のため、ジャークと情報交換。
5:スペードのA、クラブの8が暗示するものを探す。
※シャドウ剣はF2エリアの壁に刺さっています。
【影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-7】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩にかなりの深さの裂傷。睡眠中。三十分変身不能。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:首輪(園田真理)。アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。
2:ジャーク将軍の下で、首輪の解除方法を探す。
3:あきらと巧に復讐。
※冴子は最初からずっと寝ていたので今回のことは何も知りません。
「クッ……」
一歩一歩足を出すたび、口から声が漏れる。
だが、今はそれに構っている暇はない。
じわりと熱を持つ腹部が、どんどん意識を蝕んでいく。
今は、それが足を動かす糧となる。
「待っていろ……必ず助けに向かうからな……」
転びそうになるが、その度に強く足を踏みしめ歩きだした。
(天道……見ていてくれ。お前の守ろうとしたひよりは、俺が絶対に守り通す。)
時折立ち止まり、今は亡き大切な仲間に思いを馳せる。
(……城戸。お前の死に際に立ち会えなかったのは残念だ。)
そして、ついに会えなかったもう一人の自分を想う。
(……だから、俺が何時かそっちに行ったとき。その時が、戦いの時だ。)
顔を上げ、再び戦う決意を固める。
こんな所で死んでたまるか。
一刻も早く仲間の下に辿り着き、この戦いを終わらせる。
その信念だけが、今のリュウガを突き動かしていた。
龍は進む。助けを待つ仲間のために。
龍は進む。守るべき者を守るために。
(それまで、これは俺が使わせてもらうぞ。)
その手の中に、二つのカードデッキを持ちながら。
【リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地D-7】
[時間軸]:劇場版登場時期。龍騎との一騎打ちで敗れた後。
[状態]:体の所々に負傷。特に背中。応急処置済み。左手の骨にヒビ。額、腹部、右掌から流血。かなりの疲労感。三十分変身不能(リュウガ)。
[装備]:カードデッキ(龍騎)。カードデッキ(リュウガ)。装甲声刃。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:皆の元に戻り、一刻も早く小沢を助ける。
2:必ず生き残り、バトルロワイアルを終わらせる。
3:自分の今の感情の名を知りたい。
4:天道の遺志を継ぎ、ひよりを守るために戦う。
5:神崎に反抗。
6:城戸の死んだ現場に行きたい。
[備考]
※1:ドラグブラッカーの腹部には斬鬼の雷電斬震の傷があります。
※2:コンファインベントはリュウガのデッキに組み込まれました。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
※Gトレーラーは、前方部分(運転手側)を破損しました。再び同程度の衝撃を同じ場所に受けると動かなくなる可能性があります。
◆ooH1rChbak 氏ご苦労様です
睦月……やはりどんな事になっても橘の弟子だな……
推敲足りないかな? と少しだけ思ったけれど(レンゲルらウザーとか)
◆TJ9qoWuqvA氏の展開の後だったのでコメディタッチ風に読めて少し安心しました。
両氏とも大作グッジョブです!!
GJ!
小沢さんの姉御っぷりとリュウガの気迫が良かったです。
頑張れリュウガ!
最後のオチもGJでした!
100 :
名無しより愛をこめて:2007/08/02(木) 10:49:17 ID:blD7neeCO
姉御と怪人勢が組むとギャグ化する傾向があるな…
最近じゃこういうロワもありだと思えて来たよ。
とにかく乙です!
◆ooH1rChbak 氏、GJ!!
龍騎inリュウガに期待してもいいんですね?(ややこしいw)
ジェネラルシャドウと小沢さんの掛け合いが好きです。
睦月もアホで素敵w
リュウガが一人シリアス……
もう一度GJ!!
さすが最強ライダー睦月ww
ところで剣のライダーシステムってアーマーは壊れても自動修復するらしいから
レンゲルラウザーの壊れた刃もシステムに含まれてる以上は自動的に修復しそうな気がする
まあvs桐生レンゲルのときのギャレンラウザーも銃口弾け飛んだけど、次のカットでは直ってたからな。
106 :
長文ゴメン:2007/08/03(金) 06:06:37 ID:qORNJBe9O
思ったんだが、怪人はライダーに変身できるのか?その、規格的に。
キングや影山は人間形態からの、だからわかるけど。
ジャーク将軍とかシャドウムーンみたいな元形態が人間でない場合はどうなんだ?
プライド的になるかどうかは別として。
ゼクト製やブレイドのは(外見が)人間の装着を前提にしてるみたいだし。
龍騎はその辺りは万能そうだが…
体格的にほぼ人間のそれと変わりないから問題なし。
ドラスの角や尻尾はともかく。
劇場版555で木場がホースオルフェノク疾走態からオーガへ変身した前例もあるからな
とりあえずシャドームーンは人間態になれるぞ
555系は元々オルフェノクが使うのが前提だから
あまり参考にはならんだろ
そういえば小沢さんにG3装着のフラグが
つーかGトレーラーに武器残ってるのか?
かなり支給品として持っていかれてるような…
剣が無意識に浅倉に擬態!?剣自身は気付いておらず、次にゾルダと会ったときに剣の中の浅倉が目醒める!?
というのを妄想してます
そんな餌に(ry
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader4/index.php?file_id=0000017476.gif マップ&進行表更新。
指摘などありましたらお願いします。
あと、茂の状態表を以下に修正お願いします。
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:全身に負傷中。疲労中。応急処置済み。守れなかったことによる後悔。
[装備]:V3ホッパー。パーフェクトゼクター。
[道具]:支給品一式×4(茂、霞のジョー、加賀美、影月)。サイ。オルゴール付懐中時計。鬼笛。
[思考・状況]
1:謎の怪人に怒り。みんなの仇を討つ。
2:木野と乾の合流を待つ。
3:浅倉を倒す。
4:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
5:明日、ジェネラルシャドウと決着をつける。
6:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
※明日夢の言葉を信じたため、謎の怪人によって全滅したと思い込んでいます。
[その他共通事項]
※1:破壊されたスマートバックル、ドレイクグリップ、果物ナイフ数本はE-4エリアの高層ビルのレストラン内部、瓦礫の下に放置されています。
※2:ドクターケイトの杖はE-4エリア内の高層ビル付近に落ちています。
※3:アクセルレイガンは樹海エリアC-4に放置されたままです。
>>115 ご苦労様です。
指摘ですが、浅倉と神代の位置情報が間違っています。
リュウガは皆がどこに集結しようかなんてわかりませんからね。
場所的にドラス&キング組みと遭遇か、運良く回避したとしてもすんなり会えるかははなはだ疑問。
まあ意外とリュウガ以外に不運が舞い降りたりしてね。
草加とドラスのシバキ合いに期待しております
冷静に見るとマーダー生き残りすぎで
まともに脱出しそうな奴が残ってないな・・・・ぼっちゃまや草加、始は故あればマーダーに転じるだろうし
残ってないじゃなくてほとんど残ってないって訂正
ジャアク将軍は?
非マーダー:乾、小沢、キング、ひより、城、氷川、南、矢車、結城、リュウガ、(麻生)
合計10名
マーダー:始、影山、神代、ガライ、草加、シャドームーン、シャドウ、ジャーク将軍、ドラス
合計9名
サラマンダー:蓮、睦月
合計2名
あと、マーダーの中にも脱出派はいるから、まだ目はあるんじゃない?
>>123 マーダーが生き残って脱出も面白そうだよな
つか、未だに「影山」を見て、「あれ?弟出てたっけ?」と一瞬考えてしまうw
>>124 死者スレでの影山の活躍を見ると彼が見せしめでも良かった気がする
最近ZOを見直したがラストバトルに感動した。
麻生に希望を託したくなりましたよ
>>125 それだとやぐるまさんが最初からやさぐれるからだめ
影山は持ち前の姑息さでバトルを引っ掻き回してくれそうだぞ
「あ、あいつは脱出派の敵だ!倒せ!」
「イライラs(ry」
「うわぁぁぁぁぁぁ」
こうじゃね?
影山がいたらファイズの海堂と絡ませたかった
ファースト一文字も見てみたいな。
北岡みたいに悪ぶってもいい人みたいなキャラだし。手塚にそっくりだし
ロワでのライダー見てると、みんな精神力強いなと思うよ。
子供番組だから目立たないけど、みんなそれならの修羅場くぐってるし、精神力の強いこと。
他のロワだと、結構壊れ多いのにな。
あんまり強いと草加みたいになる。
流星塾生はリアルバトロワの様相を呈していたからなあ
……過疎ってる、な。
っつーか、誰か予約してくれよ
俺には文才ないから今書き手になって予約するなんてとてもできないけど、その分他の書き手さんには頑張ってほしいと思ってるんだからさ
書きたいのは山々だが、如何せんアイデアが……。
138 :
閉話休題:2007/08/07(火) 02:11:39 ID:uxaywEhD0
仮面ライダーバトルロワイヤル
最終話【希望を胸に】すべてを終わらせる時・・・!
仮面ライダーハイパーRX「おのれ!くらえ!必殺リボルケイン!!」
オーデイン「さあ来いRX!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
グ サ ッ
オーデイン「グアアアア!こ、このバトルロワイヤルの主催者であり
妹大好きのエゴで棒読みで全裸の、この神崎士郎が・・・こんな飛蝗の化け物に・・・
バ・・・バカなアアァァァァ グアアアア」
大首領「神崎がやられたようだな・・・」
ゴルゴム創世王「フフフ・・・奴はラスボスの中でも最弱・・・」
乃木「飛蝗の化け物ごときに負けるとはラスボスの面汚しだねぇ・・・」
仮面ライダーハイパーRX「ハイパーマキシマムボルティックシューターサイクロン!」
ドカーン
一同「グアアアアアアア」
139 :
閉話休題:2007/08/07(火) 02:13:21 ID:uxaywEhD0
ハイパーRX「やった・・・ついに部下を倒したぞ・・・
これで黒幕のいる部屋の扉が開かれる!」
藤岡弘、「よく来たなぁRX!!待っていたぞ!!」
ハイパーRX「お・・・お前は、クライシス怪人!!」
藤岡弘、「RX・・・闘う前に一ついっておくことがある
君たちは此処を出るのに「首輪を外す事」が必要だと思っていたようが・・・
別に外さなくても脱出できる」
ハイパーRX「な、何だって!?」
藤岡弘、「そして死んだ参加者のみんなは生き返らさせて元の世界に解放しておいた。
タイムパラドックスが起きたらおっそろしいからなぁ・・・ あっはははははは!!」
ハイパーRX「おのれ・・・クライシスの手先め・・・俺も一つ言っておくことがある
このRXの変身能力はバイオやロボには変身できないと思ってたけど
別にそんなことなかったぜ!」
藤岡弘、「そうか」
ハイパーRX「行くぞ、トゥア!!」
藤岡弘、「ライダー変身!!」
ご愛読ありがとうございました!
隊長wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww普通にいい人じゃんwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
>>138 オーディンは神崎の「代理人」であって神埼ではないぞ。
ついでに言えば、カブトのラスボスはどちらかと言えば乃木じゃなくて三島だ。
アイディアはある。
次の放送を迎えるまでの構想があって、そこまでいくのに9から10SSといったところ。
放送ネタまで今回はあるし。
でも、如何せん暇がない。
俺も構想はあるんだけど如何せん文才がないもんで。
城茂予約します
>>141 そこはあえて乃木で行くことが面白いんでは?と言ってみる
始と小沢姉さん出会ってほしいな
テスト
初めてですが、頑張ってみます。
相川始予約します。
がんばれー!!
ここまで来たら執筆だーーー仮面ライダーブラァーックアールエックス!!
氷川誠、ひより、南光太郎予約します。
ここで書くのは初めてだけど、頑張ってみます。
新規書き手がいっぱい増えたですね。
皆さん、頑張ってください。
自己リレーになりますが、リュウガ予約します。
期待!!
しかし順風満帆と思われている悪役チームも盗聴機や監視方法について何も対処していないという間抜けな一面があるんだよな
ではそのちょっと抜けてるGトレーラー組を予約します
(小沢澄子・ジャーク将軍・ガライ・上城睦月・ジェネラルシャドウ・影山冴子の6名)
>>158 ちょっと抜けてるw組楽しみにしてます!
ふと思ったが、一番上の参加者名簿で一番最初に名前があるのって、乾巧なんだな。
したらばに試験投下しました。
自分も修正点みつけたので早くて深夜、こちらに投下できそうです。
>>161 乙です。
自分は特に問題ないと思います。てか、良繋ぎだと思っています。
感想は本投下後に。お待ちしています
なんという仕事の早さ
それでは投下したいと思います。
日も沈みかけ、樹海はただならぬ静寂に満ちようとしてる。
方位感覚が失い迷ってしまえば二度と出てはこれないだろう。
その中を駆ける鉄騎、それに跨る死神が一人。
彼の名は相川始。
真の名を"ジョーカー"。
駆けるなか、始はある決意を固める。
血染めの決意、前の様に様子を窺い漁夫の利を狙うのではなく、自分から挑んでいく。
始はこのバイクを利用した策を打って出ることにした。
始の狙いは剣崎達と別れたころから定まっている。それは彼らにとって障壁の一つ。
(争う気は無いらしいが、今後剣崎達がヤツらと戦ったとして、前者が勝つかと聞かれたらYESとは断言出来ない。ならば、剣崎達が勝てるようにパワーバランスを調整してやればいい。
恐らく放送で言っていた警告は、ヤツらに宛てたものだ。つまりヤツらの妨害も殺し合いの促進するために存在する"ジョーカー"としての役目か。)
相川始として"ジョーカー"としての今すべき行動が一致する。
(正攻法でいけば戦力的に不利。五人相手に一人で仕掛けるなど愚かだ。
だがあのトレーラーを動かしているのは、
「狙ってください」
と言っているようなもの。
走行中であれば外からの攻撃には対応しきれないだろう。)
支援
「そろそろか。」
西に2ブロックほど進んだあたりでそう呟くと、バイクを止めて機首を90゜左に回す。
始は深く深呼吸をした。
樹海にはエンジンが唸る音のみ響いている。
その中で始は各部の傷の治り具合を確かめる。
胸部の抉れまだ残っているが、腹部の切傷は完全に塞がっていた。
始は腹部を撫でる。
そこはこのバトルファイト当初、トレーラーの乗車メンバーの一人につけられた切傷があった部分。
始はその人、ジェネラルシャドウついて思う。だが、もうヤツは始の眼中にない。
(アイツが探しているクラブの8とスペードのAが示すもの…即ちドクトルGは俺が倒した。
それどころか奴の言葉が今の俺を突き動かしている要素の一つ。
あいつが俺に勝つ要素はない。)
そしてもう一人…上城睦月について。
(再びカテゴリーAに乗っ取られかけている。あいつはせめて、解き放してから殺してやりたい。
正義のライダーとして。
過去、共に戦った仲間として。)
―――そもそも、始がこの方角に向かったのには訳があった。
彼はあのトレーラーが自分とほぼ反対方面に逃げたことを覚えてる。
後ろから追うよりも迂回し先回りしたほうが、自らの安全を考えれば得策である。
始はほとんどの生存者は共に戦う仲間、あるいは獲物を求め、D−6の周辺9ブロックに密集しているとみた。
後者は誰かと組んでいる可能性は低い。それ故点在している可能性が高い。
遭遇した場合は間違いなく攻撃を仕掛けてくる。
そして縦3のラインに禁止エリアはない。つまり最南端まで行ける。
その為、西回りに大きく迂回する道を選択した。
彼は進む先を黙視しながら、心中でおおまかな要領を確認する。
(このまま真っ直ぐにG-3あたりまでトップスピードで走る。
そこから東へ進み探知機を使い、トレーラーを見つける。走行中であることが望ましい。
トレーラーの死角からバイクを使い奇襲、遊撃戦を展開する。
もしも誰かと戦闘中ならば都合がよい。
そこを掻き乱せば、ヤツらの所持品を簡単に奪える。)
始は前に戦ったことのある黒い龍の男と、何処かで見覚えがある女性が一緒であることも忘れてはいない。
(彼らを救出してやってもいいが、それは有り得ない。どうせ何時か殺さねばならない…)
奪えるものは奪い、殺せるヤツは殺す。
後には引けない。これは相川始、及び"ジョーカー"としての戦いであり、闘いである。
始は力強くアクセルを飛ばし、一直線に駆け抜ける。
だが彼にとって予想外な出来事がジャーク御一行に起こっていようと知るよしもない。
そして…進む道の先に何が待っていようとも。
(汚れ仕事は俺が全て請け負ってやる。)
一途、天音ちゃんと剣崎のために…
【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:樹海C-3】
[時間軸]:本編後。
[状態]:胸部に多少の抉れ。30分間変身不可(カリス)
[装備]:ラウズカード(ハートのA、2、5、6)、HONDA XR250
[道具]:サバイブ(烈火)。アドベントカード(ギガゼール)。首輪探知機(レーダー)。
[思考・状況]
1:天音ちゃんを救う。
2:剣崎を優勝させる。
3:Gトレーラーを急襲、所持品の強奪。
4:睦月は正義のライダーとして殺す。
5:ジェネラルシャドウを含め、このバトルファイトに参加している全員を殺す。
[備考]
※1:相川始は制限に拠り、ハートのA、2以外のラウズカードでは変身出来ません。
※2:HONDA XR250は制限により、あらゆる能力で変化することが出来ません
※3:神丘零に関しては、小沢澄子と接触すると明確に思い出すかも知れません。
投下終了しました。
誤字や矛盾点などの指摘をお願いします。
>>171 GJ!
始の今後の方針を上手く理由をつけて決定した、良作だと思いました。
小沢さんとの絡みが楽しみにw
新生クライシス帝国と始の戦いの行方が気になりました。
素晴らしい。
乙です!
158でGトレーラー組を予約した者ですが、
ちょうどこちらが立てたプロットの最終部分でGトレーラー組が
>>165-168で指定された始のルート上にさしかかることになりましたので
相川始を追加予約してもよろしいでしょうか。
ただ、そうなると目算で1時間半〜2時間分の行動を一人で書くことになりそうなので
予定より手前で切り上げて他の方にリレーするほうが良いのかも、とも考えたのですが。
(現在7割方完成で6000字弱です。始を入れると確実に一万字は超えます)
ところで研究所の場所を知らない始がなんで3ラインを南下を選んだんだろう
運命って怖いw
>>173 大丈夫だと思います。
てか、楽しみが増えましたw
たしかに運命って怖いねw
>>173 wktkせざるをえない
楽しみにしてます!
>>173 皆が良いなら全然構わないと思いますよ。
あと、少し狙ったんですがG―3にはあれがあるので始が…
頑張ってください!
◆ATtb3XkGu2氏GJ!!
G-3にあるモノ…アレを奪えたら始、かなり有利になるな!
所持してるやつがかなりの強敵だけど。。
それでは改めてGトレーラー組6名に加えて相川始を予約します。
睦月、始、アレ、のおかげで後半はほぼブレイド一色になりそうです。
ところで現時点で登場していないラウズカードは、キング=スペードKを除き
スペード:7・8 ダイヤ:10・K ハート:8・9の6枚であってますか?
>>176 そう、アレがあるんですよね。
ということは始だけでなく睦月にも影響が……
運命って怖いですね。
>>177 奪えるようなもの、残ってましたっけ?
見逃しがあると行けないのでもう一度確認しますね。
>ジェネラルシャドウついて思う
うん、やっぱこの辺り修正されてなかったな。
>>178 それであってます。
えと、出すつもりでしたか……?
あと状況報告。現在三割程度完成しました。期限までには投下できると思います。
>>180 どちらかというと消化的な意味合いもあったので、そちらで出す予定があれば合わせます。
こちらで出すことを想定していたのは重要度の高い順に ダイヤK>スペードの2枚 です。
>>181 了解しました。
こちらはハートの8と9、ダイヤの10で出させてもらってよろしいでしょうか?
>>182 OKです。よろしくお願いします。
途中経過は今晩か明日の朝にあらためて報告します。
>>179 なんで気がつかなかったんだろ…俺。やっぱ甘いな。
とりあえずしたらばに修正した部分を投下しておきますので、まとめサイトの管理人さんはお手数ですが、そちらを載せてください。
孤立したストロンガ−がどうなるのか気になるが…
避難所へ試験投下してみました。
指摘有りましたら、お願いします。
投下します。少しでも力になれたらと思います。
守れなった。ただ、自分の無力に絶望する茂。
そして、怒りに心を震わす茂を見つめる剣、パーフェクトゼクターは思う。
彼が怒りに震える理由。謎の怪人に襲われたというあの少年の言葉。
だが、それは嘘なのだ。本当は、その少年が全ての命を奪ったのだから。
だが、我にはそれをこの男に伝える術などない。
パーフェクトゼクターは、ただ茂を見つめるしか無かった。
茂は、立ち上がる。絶望していても何の意味もない。
(俺は仮面ライダーとして戦うと決めた。この戦いを作り出し、多くの大切な命を奪った者を倒しこの戦いを止める為に。)
鉄の拳を強く握り締めると、茂は思い出す。翔一の笑顔、あきらの悲しみ、ジョーの優しさ、そして・・・・・・無力な少年の瞳を。
その時、茂はひとつの事を思い出した。あの少年、明日夢のあきらを見つめる深い闇に満ちた目を。
ドレイクゼクターを手にしたあきらを、明日夢は妬むように見つめていた。
あの時、明日夢が話した内容。絶命する瞬間の、生を渇望するような絶望の叫び・・・・・・。
茂の心に1つの疑念が浮かぶ。そんなことは信じたくはない・・・・・・だが。
思い出せば、これは殺し合いなのだ。
事実、俺自身も一度の迷いとはいえ――殺し合いに乗った。望みを叶えるという甘言に誘われて。それが、力のないただの人間。
それも少年ならばどうだろう?仮面ライダーでもない、無力な少年の生に執着したあの瞳。
――俺が置いていったこの武器が、何かを知っているのなら聞いてみたいもんだが。
「なぁ、お前。・・・・・・まぁ、武器のお前に聞いても答えてくれないか。」
茂の言葉に応えるように、剣は月夜に照らされ光り輝く。
まるで彼の疑念を、正しいかとでも言うように。
茂は、続ける。自分の決意を、剣に誓うように。
「聞いてくれ・・・・・・俺は、たとえ殺し合いに乗って仲間が死んでいったとしても、
決して憎みたくはない。憎むべきは、殺し合う人達じゃない。
本当に許せないのは・・・・・・命を弄び、そうさせている奴だ。」
茂は、涙を拭う。そして、誓う。希望と絶望の中で、死んでいった仲間達へ。
そして、共に戦い熱き血潮を分けた6人の仮面ライダーへ誓う。
1号ライダー、2号ライダー、ライダーマン、X、アマゾン、そしてV3。
(風見さん、仮面ライダーは不滅です。俺は7人の仮面ライダーが
強大な大首領を倒せたように、必ずこの絶望に勝ってみせます・・・・・・!!)
岬ユリ子。もう彼女は戦士を名乗ることもない。
彼女は、戦いを忘れて今は平和な世界で俺を待っている。
(ユリ子・・・・・・いつか世界が平和になったら、だったよな。
悪いが、まだお前のとこには行けそうにもない。すまねぇな。
だが、俺は必ずこの世界を救ってみせる。お前が望んだことを、俺がやってみせる。
だからよ、美味いコーヒーでも作って待っててくれよな。)
茂の心は燃え上がる。本当に倒すべきは誰なのか、憎むべきは誰なのか。
茂は歩みを始める。――この先に待つ同じ志の者を救う。
たとえ、この命が燃え尽きようとも絶望に心を乱されようとも。
それだけでもいい。
――俺の名は仮面ライダー、力無き者達の自由と平和を守る戦士なのだから。
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:全身に負傷中。疲労中。応急処置済み。守れなかったことによる後悔。
[装備]:V3ホッパー。パーフェクトゼクター。
[道具]:支給品一式×4(茂、霞のジョー、加賀美、影月)。サイ。オルゴール付懐中時計。鬼笛。
[思考・状況]
1:明日夢の言葉に疑念。しかし、信じたくない思いもある。
2:木野と乾の合流を待たず、自ら動き出す。E‐5へ移動。
3:浅倉を倒す。
4:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
5:明日、ジェネラルシャドウと決着をつける。
6:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
※明日夢の言葉を信じたため、謎の怪人によって全滅したと思い込んでいます。
[その他共通事項]
※1:破壊されたスマートバックル、ドレイクグリップ、果物ナイフ数本はE-4エリアの高層ビルのレストラン内部、瓦礫の下に放置されています。
※2:ドクターケイトの杖はE-4エリア内の高層ビル付近に落ちています。
※3:アクセルレイガンは樹海エリアC-4に放置されたままです。
投下終了しました。
ご指摘や感想などありましたらお願いします。
乙ー。
ドレイクグリップが埋ってるけど、ゼクターはパーゼクでよびよせられるんだろうか?
GJ!
城が動く理由がしっかりと説明されていて、これから城が動いたことにより、乾、南、影月に与える影響が楽しみになる作品でした。
まとめサイト、早速更新させていただきました。
>>192 GJ!
それだけでいい、のくだりが、仮面ライダー(新)のEDテーマをもじっていたので、ニヤリとしました。
城茂の新たな決意、戦いへの序曲、全てが高いレベルでまとまっていると思います。
>>197 特に問題は感じないかと。
詳しい感想は本投下後にしたいのですが、一つだけ。
いいぞ、小沢さん。もっとやれw
>>197 大変、面白く読ませていただきました。
早く続きが読みたいと思う作品ですし、小沢女史の絶好調ぶりが最高です。
指摘はGトレーラーとGトレイラーが混じっていることぐらいでしょうか?
完成を期待して、お待ちいたします。
>>197 番長とエビフライの人との会話で「思い切り嫌そうに」が「思い切り癒そうに」になってます。
それ以外はいいぞ小沢さんもっとやれwwwwwwwwwwwww
睦月も本編でただ黒モードを引きずるだけなら、このくらい揺れてたらよかったのに
指摘事項はもうないみたいですね。
ただ一言あるとすれば
いいぞ!小沢さんもっとやれ。
ラウズカードの種類までは説明書には書いてないわけか。
さて、気絶しているガライがどんな感じで出るか楽しみです。
>197
>守れなった
ホントだ・・・指摘ありがとうございます。申し訳ない。
感想もありがとうございました。
見れないんだが
普通に見れるぞ?
スマン、誤爆したorz
>>204 乙ですが、自分も見れませんorz
なぜ?
すみません、ステータス表のなかに変な文字がコピペされてたのが原因かもしれません。
本文とステータス表(本文一番下から)を分けて見ました。
推敲にはもう少し時間をかけようと思っているので、よろしければ可否だけでもお願いします。
……うまく表示されれば、ですが。
>>210 再び乙です。
感想は本投下後に(ry
指摘ですが、剣崎の死体は神代の手によって埋葬されています。
ペンダント発見→墓を発見→遺体確認
という流れが現実的な修正案かな?
>>211 ありがとうございます。
剣崎の状況確認時に「折れる剣」までしか見なかったので勘違いしていました。
確認前のプロットでは埋められてることを想定してたので逆に助かった……w
次からはもう少し丁寧に確認するようにします。ありがとうございました。
というわけでご指摘頂いた点を修正しました。
これで問題なければもう一度通して前後関係を確認し、推敲しますので
本投下は明日の朝にしたいと思います。
>>212 特に問題はないかと。
ああ、早く感想が書きたいw
小沢さんフィーバーになるな
おはようございます。
それでは予定通り、Gトレ組+相川始の話を投下致します。
運転台から、Gトレーラーのエンジンを切った小沢澄子が降りて来る。
「まったく、もう少し大切に扱ってほしいわね」
長い髪を一つにまとめ直しながら、彼女は愚痴をこぼした。次いで上げた視線は、自然と運転手たる少年に向かう。
すでにジェネラルシャドウに大目玉を食らった睦月は、しょげ返りつつも反抗的な暗い瞳でこちらを見つめていた。
「あなた、免許持ってるの?」
「……バイクのなら」睦月がぼそりと呟く。
「基本は変わらないんだからこの機会に覚えたらどう?あ、ちょっとそこの白い怪人さん、ボンネット開けて」
気軽に怪人さん呼ばわりされたジェネラルシャドウが、思わず唖然となる。代わりに訊ねたのはジャーク将軍だった。
「そちは何をするつもりだ」
「念のため、エンジンルームの様子を確かめておかないと。それとも、いつ煙やら火やら吹くかわからないサスペンスがお好き?」
先だっての挑発とは別種の強気な口調に、クライシス帝国の指揮官にして最強怪人たるジャークも我知らず気圧される。
「そちが手伝え」
気を取り直して睦月に命じ車内に戻ろうとしたジャークを、小沢は気安く呼び止めた。
「手のあいてる怪人さんはその辺から食べ物でも探して来て。あと水」
「水だと?」
「ラジエーター回りがおかしくなってたら、予備のクーラントを補給する必要があるわ」
立場さえ考えなければ、至極真っ当な言い分である。
「食料ならあとで支給品を漁れ。水は探して来てやる」
ジャーク将軍は、様子を見守っているシャドウに呼びかけた。
「ここはそちに任せても良いか」
シャドウが頷くのを確かめ、通りを歩き出した。が、不意に足を止めて支給品リストを取り出した。しばしの間それを眺め、再びしまい込んで歩き出す。
衝突時に落ちた街路樹の枝が、ジャーク将軍に踏み折られて乾いた悲鳴を上げた。
小沢は街灯の明かりに照らされるGトレーラーの、ひしゃげた前面にため息をついた。睦月がボンネットを開けると、油の臭いと蒸気を含んだ風が吹き出して来る。
「あーあ、酷使されちゃって。ちゃんと見たほうがよさそうね。懐中電灯と工具箱取って来て」
「あんたみたいな弱い人間に、指図される筋合いはない」
「なに、その自分は怪人です、みたいな言い草。あなたは人間でしょ」
虚勢をぴしゃりと封じられて、睦月がより不機嫌になる。小沢は気にせず畳み掛けた。
「それに私だって訓練は受けてるのよ。仮にも警官だもの」
「だけどあんたはライダーじゃない。変身もなにもできないだろ」
「変身しただけじゃ、強くはなれないわ」
半分は信念、半分は虚勢だった。変身しただけで強くなれるわけではない。とはいえ、変身すら出来ない自分はこの状況でまぎれもなく弱い。
おとなしく工具一式を持って戻って来た少年に、彼女は問いかけた。
「このトレーラーに何が乗ってるか、見た?」
「なんか青いプロテクター」
「G3ユニットよ。私が作ったの。ある程度の適性があれば、あれを使ってライダーになれるってわけ」
小沢は手と口を絶え間なく動かし続けた。端からは、恐るべき敵に囲まれた緊張感でおかしくなったように見えるかもしれない。
「あれの装着員は氷川君っていってね。あなたと同じでちょっとヌケた所があるけど、私にとっては最高の英雄よ」
ヌケた、という言葉に睦月があからさまに眉をしかめる。そこに不器用な氷川の面影を見て、小沢はくすりと笑った。
「あなたは、英雄になれるかしら」
「俺は強いんだ」
答える睦月の言葉は力みすぎて、修羅場を踏んで来た小沢の前では微塵も説得力がない。
「強いとか賢いとか、それだけじゃダメなの。氷川君が英雄なのは、給料貰ってG3ユニットを装着してるからじゃない。その力を使って、何かを成し遂げようという強い意志があるからよ」
小沢は睦月、というより半分はエンジンを相手にご自慢の部下を語った。相手が聞いているかどうかは二の次だった。
「ガードアクセラーを取って来てくれない?」
「なに?」
「電磁警棒。ちょうどいいつっかい棒になるから」
必要ならその辺から手頃な棒切れを探しても良かったはずだが、小沢はあえて自ら開発した武器を求めた。簡単に特徴を説明し、収納されているはずの場所を教える。
睦月はおとなしく車内へと消えた。
「いつまでかかるのだ」
ジェネラルシャドウが、いぶかしむように訊ねる。時間稼ぎを疑っているのだろう。無理もない。
「こういうのは掛ける時間に比例して安全を買えるものなのよ。白い怪人さんは危険がお好き?」
「……ふん」
「そうよね、仮にも責任ある立場みたいだもの、ギャンブルみたいな真似はしないわよね」
挑戦的な口調はシャドウの気性を試すためでもあった。完全に無視されたことで、その冷静さを再確認する。
それでも不機嫌だったことは、シャドウの次の台詞で知れた。
「睦月、来い。訓練の続きだ。カードが欲しいのだろう?」
トレーラーから降りて来た睦月に、命じるように呼びかける。どうしたものかと自分を伺う睦月に、小沢は笑顔で答えた。
「いってらっしゃい。あ、それはこっちに」
逃走の隙ができるか、とほくそ笑んだ小沢の思惑を、助手席のドアが開く音が打ち砕く。目を覚ました冴子が、様子を見に降りて来たのだった。
小沢はすぐに逃走を諦めた。自分が死んだら首輪の解析は出来ず、仲間達も救えない。管理官として人の上に立つ彼女には、責任をになう者の自覚がある。ギャンブルまがいの真似が出来ないのは、本当は彼女のほうだった。
横から差し出された警棒を受け取ろうとしたとき、睦月と目があった。少年は、もう一つ別のものを手にしている。
「食いもの、欲しいって言ったよな。俺の荷物にあったから」
「何かな」
「八丁味噌のおにぎり」
これは笑うところなのか。一瞬虚をつかれた彼女だったが、すぐに屈託のない笑顔を作って答えた。
「ありがとう」
「俺は強くなる。力を手に入れて……」
少年が低く声を絞り出す。小沢はその腕を軽く叩いた。
「がんばりなさい。君が英雄になれたら、焼き肉奢ってあげるわ。おにぎりのお返しに」
むっつりとしたまま、少年が背後で待つシャドウのほうへと歩いてゆく。それをしばし見守り、小沢は改めてトレーラーに向き直った。
怪人どもを相手に軽く舌戦を交わし、睦月相手に喋り倒したおかげで少しは気が晴れた。相手に策士が多いならば、頭脳戦でそれなりに渡り合える自信がある。とはいえ、決して楽観視はできない。
殺戮を恐れない怪物達と、その意のままに操られる軟弱な少年。自分が桁外れに危険な状況に置かれていることは間違いない。その恐怖に打ち勝つためにも、作業に没頭して緊張を忘れる必要があった。
再び工具を手にした彼女の耳に、少年の雄叫びが聞こえて来る。続いて背後で響く、木の棒が打ち合わされる音。
それにしてもあの睦月という子。血迷ってこそいるようだが、完全に悪に染まっているとも思えない。ジャーク将軍やジェネラルシャドウに対する態度は単なる従属やへつらいではなく、どこか信頼や尊敬に似たものを感じさせる。
同じように自分にも好意を持ってくれれば、いざという時に心強い味方になってくれるかもしれない。なにせ、いやしくも仮面ライダーなのだ。
……それにどこか氷川君と似て不器用で、放って置けない所があるしね。
今一度杖を構えて、睦月はシャドウに打ちかかる。剣道を思わせる上段からの振り下ろし。シャドウは棒を掲げて受け流すと、軽い動きで横合いから剣を滑らせた。あわてた睦月は飛び退き様、棒を横に振ってそれを弾く。
距離を取って向き直ったが、シャドウが仕掛けて来る様子はない。睦月は杖を握る手に力を込めると、一息に駆け寄った。突き出される剣を二度、三度と払いのけ、シャドウの右脇に流れた杖の角度を変えて下から上へと一息に振り抜く。
だがその動きは見透かされていた。シャドウは一歩前へ踏み出すと、腕を返して睦月の首筋に静かに棒を下ろした。
代わりに得たものは辛うじて相手の肩をかすっただけの弱い手応え。落胆する睦月に、シャドウは厳しい叱咤を浴びせた。
「これが訓練で幸いだったと思え。実戦ならば、お前はこの一太刀のために命を落としていたぞ」
睦月が返す言葉もなく、ただ俯く。
「まあいい。一太刀は一太刀だ、カードはくれてやる。お前が選べ」
ジェネラルシャドウが、目の前に十枚以上に及ぶラウズカードを手にざっと広げる。睦月は慌てて顔を上げ、食らいつくようにそれに見入った。
本当ならばクイーンを選ぶべきだったろう。ラウズアブゾーバーが手に入った時、最初に必要になるのはそのカードなのだから。だが強さに心惹かれる睦月が手を伸ばしたのは、カテゴリーキングのカードだった。
最強のカテゴリー。最強の力。
エヴォリューション・タランチュラのカードを握りしめた彼の脳裏に、不意に声が響いた。
お前は、本当の仮面ライダーになったんだ。
街路樹の青い匂いを含んで吹き抜ける風は、少年の耳元に遠い記憶の言葉を運んだ。かつてカテゴリーエースの呪縛を打ち破った自分を迎えてくれた、橘朔也の優しくもどこか寂しげな面影が目に浮かぶ。
己の弱さに泣き崩れる自分を支えてくれた望美の腕、業火とともに弾けとぶスパイダーアンデッドの身体、まるでその炎が焼き付けるかのように、背に負った火傷が痛む。
「どうした?たった一枚で満足なのか」
シャドウの問いに、睦月は我に返った。その瞳の奥に光と闇を宿して、はっきりと首を振る。
「カードは全て貰う!」
叫んで杖を握り直した少年に、シャドウは頷いて身構えた。
「よく飽きないものだわ」
小沢の脇で車体にもたれていた冴子が呟く。
「結構なことよね」
ホースを締め上げながら小沢が相づちらしきものを打つ。
冴子は口元を手で隠すと、小さくあくびをした。目を細め、妖艶な笑みを訓練に興じる二人に向ける。
「でも熱心な子は、好きよ。育てがいがあるわ」
「そうかもね。あ、そこのスパナ拾って」
やはり小沢澄子は話を聞いていなかった。
差し出されたスパナを受け取ろうとして、彼女はそれを握る硬質な腕に気づいた。
「水だ」
奇麗な水の満たされたバケツが、足下に置かれる。どうやらジャーク将軍は、本当に水を探して来たらしい。
「……ありがと」
小沢は素直に礼を言った。少なくともこれで、手を洗うことはできる。
小一時間の修理の後、小沢はようやくボンネットを閉じた(正確には、睦月を呼んで閉じさせた)。その手は無造作にガードアクセラーを握っている。
「これで一応は安心だと思うけど、できるだけきちんとした道を走ったほうが安全ね。可能な限り市街地を行きましょう」
その提案は、出来るだけ仲間達と距離を短く保っておく努力でもある。睦月とともに運転台に乗り込もうとする彼女に、ジャーク将軍がたずねた。
「性懲りもなくこれにやらせる気か。また事故を起こしたらどうする」
「どうせここには警察はいないでしょ、っていうか私が警官だし。私有地なら免許無しで走っても問題ないわ。私が教官やったげるから」
小沢は完全に落ち着きを取り戻していた。こういうときは、自分のペースを保つことが一番大切なのだ。正確には、相手を自分のペースに巻き込むこと。
この怪人さん達は、ご親切にも首輪の解析が出来る場所に連れて行ってくれるという。ひとりきり逃げようもない今は、いっそそれに乗るのも悪くない。
首輪の解析が済むまでは彼らも自分を守るほかないのだし、そもそも首輪の外し方がわからないことには仲間達も助けようがないのだから。
協力や強制ではない。利用してやるのだ。たとえ先に怪人たちの首輪が外れることになったとしても、首輪に替わる弱点を見つけ出せばいいだけじゃない。そのために、私には灰色の脳細胞っていう武器があるんだわ。力を持ってしては奪い得ない、最強の武器が。
運転席に乗り込んだ睦月は心配そうにハンドルに手をおいている。まずはこの子と少し話しあってみようーーーーそう考えて助手席のドアに手をかけた小沢を、低い女の声が止めた。
「私もお付き合いするわ」
車体が街灯を遮っているせいで、影山冴子の表情は伺い知れない。仕返しに、小沢はとびきり嫌そうに顔をしかめた。
「監視ってこと?」
「そうなるわね」
二つの視線が交わされる。熱くかたくなな光を帯びた小沢のそれと、冷たく鋭い闇を宿した冴子のそれ。互いに抱いた警戒感は戦士としての本能によるものか、それとも女の直感に類するものか。
先に視線をそらしたのは小沢のほうだった。
「ま、どうせ私たちの会話も主催者様には多分筒抜けなわけだし」
軽く伸びをしながら言い放った彼女の言葉を、ジャーク将軍と話し合っていたジェネラルシャドウが聞きとがめる。
「筒抜け?スパイがいるとでも言うのか」
見当はずれの言葉に、小沢は大げさにあきれかえってみせる。
「首輪よ首輪。まさかあなたたち、あの全裸コートの露出狂よろしい変態男が双眼鏡を手に現状確認してると思ってたわけ?日本野鳥の会じゃないんだから」
「いずれはクライシス野鳥の会になる!」
見当違いの反駁をしておいて、ジャーク将軍は慌てて厳かに言い直した。
「余の言葉を聞きたければ好きなだけ聞くがよい。余はクライシス帝国最高司令官なるぞ。神崎とやらなど恐れはしない」
「聞かれて困るような後ろめたいことは、俺は口にせん」ジェネラルシャドウが唱和する。
悪の帝国が誇る偉大なる幹部諸兄に於かれましては、実に負け惜しみ感の漂う宣言であった。
と、その宣言でふとあることを思い出し、小沢は聞こえよがしに口にした。
「クライシス帝国とやらは主催者とつるんでるから、筒抜けでも平気ってわけ?」
「我が帝国を侮辱する気か!あのような小僧と手を組むいわれはない」
ジャーク将軍の激昂に、やはり手を組んでいるというのはガセだと確信する。
「それは悪かったわ。ちょっとそういう噂を小耳に挟んだものだから」
小沢はそれ以上話を広げないことにした。さすがに敵である彼らに懇切丁寧なアドバイスをしてやるほど、彼女もお人好しではない。本当に説明が必要になったらしてやればいい。
「あーあ、それにしても肩凝った。こういうときは冷たいビールがおいしいんだけど、贅沢言える状況じゃないか」
場違いな物言いに応じたのは、冴子のつややかな声だった。
「残念ね。ここが私の店なら、一杯奢ってあげることもできたのに」
むろん小沢はそれが殺しのサインだということなど理解していない。
「焼き肉出してくれるなら、喜んで奢られに行くわよ」
あながち社交辞令とも言い切れない台詞だった。
ジャーク将軍は、運転席の窓を杖でノックした。ドアを開けた睦月に、手にした二枚のカードを差し出す。
「ダイヤのKだ。持っておけ」
睦月はそれをむしり取り、カードの中で静かにこちらを伺うカテゴリーキングを睨んだ。
金居の声が、挑発的に語りかけて来る。
実現させようぜ。
君の望んでいた、平和ってやつを。
「俺は、お前に騙された……」
エヴォリューション・ギラファのカードを、睦月は今にも折ってしまいそうなほど強く握りしめた。つぎの言葉は解っている。金居は鋭く言い放つのだ。
俺の平和に、人類など不要だ!
睦月は唇を噛んだ。
たしかに、自らの心に語りかけるアンデッド達の声を聞き、その思いを感じ、彼らとの和平を望んだ時があった。だが、その希望を裏切ったのもまたアンデッドだった。
ふと、先刻の戦いが脳裏をよぎる。脱出を餌にライダー達を騙し仰せたジャーク将軍。自分がライダー達の側にいたら、やはりあの提案を信じたことだろう。
そして裏切られたことだろう。
……とどのつまり、頼れるものは自分の力しかない。誰の言葉も信じるな。
心の奥でそう囁く声がする。
と、それを吹き消すようにドアの隙間から風が吹き込み、それに乗って聞き覚えのある声が耳に響いた。
百回人を裏切った奴より、百回裏切られてバカを見た人間のほうが、
ぼくは好きだな。
その言葉に覚えはなくとも、その言葉を口にしたのであろう朗らかな笑顔の青年はすぐに浮かぶ。いい歳こいて手に牛乳瓶を握っているユーモラスな光景まで思い出された。
次の瞬間、ジャークの声が少年を現実に引き戻す。
「もう一枚のカードは『はずれ』だな。それともジョーカーのようなものか?余にはわからぬが」
コモンブランクのカードを、ジャークはそう評した。
睦月は、ブレイドと肩を並べて戦っていたカリスの姿を思い出す。あの人はジョーカーじゃない。相川始、人間に魂を売ったアンデッドだ。
違う。人間の心を手に入れたーーーー人間だ。剣崎さんが自らの存在を賭けて守り抜いた、一人の人間だ。
オイルのこびりついた髪を解いて指でくしゃくしゃにしながら、小沢はジャーク将軍に話しかけた。
「あなたも面白い怪人よね。人間であるあの子の世話を焼くなんて」
「出自はともあれ、あれは今は余の部下だ。余は指揮官として、あれを鍛え、戦士として立派に戦わせてやる義務がある」
むろん、最終的には余の目的のために。そこまではジャーク将軍は口にしない。見抜けないほどの愚か者なら、それまでのことだ。
小沢が暢気な声で返したのは予想外だったが。
「なんかわかるわ、その苦労。中間管理職ってつらいのよね」
「最高司令官を中間管理職と申すか!」
「上になんかいなかったの?王様とか皇帝とか神様とか」
「皇帝陛下がおる!」
「じゃあ中間管理職で合ってるじゃない」
どう見ても高級管理職です、本当にありがとうございました。そんな突っ込みを許さぬ勢いで、小沢は決めつけた。
「苦労人だから結構人間もできてる、ってわけ?って怪人だったか。人間じゃないのが惜しい位よね。あ、褒めてんのよコレ」
手にした警棒で軽く自分の肩を叩く。
「あなた、いっそ人間になってみない?金ぴかなのは、ヤスリかなんかつかってテカリを落とせばちょっと黄疸、くらいでごまかせないこともないし」
「人間ごときの醜悪な美的感覚でものを語るな!そもそも、そちの髪型はなんだ!まとまりなくふわふわさせおって、たてがみのつもりか!」
「どんな髪型しようと私の勝手でしょ」言いながらも、小沢が慌てて髪をまとめ直す。
「金ぴかなのも余の勝手だ!」
一帝国に冠絶する名将と、一国の警察が誇る天才科学者。しかしそのやり取りが端から見ればまるきり漫才であることに誰も気づかないのは、凄惨な環境が人から笑いを奪うことの証明だったのかもしれない。
いつの時代の人間が築いた営みの証だろうか。今はかつての面影もない遺跡のシルエットは、月に照らされ遠い地平にかぎ裂きのごと醜い影を浮き立たせていた。
凍り付いたさざ波を思わせる風景の中を、そぐわぬエンジン音とともに疾走する一つの姿がある。遺跡の色に似たベージュのコートを翻してバイクを狩る男を、人は蔑みの名で呼んだ。
すなわち、ジョーカーと。
あたりに広がる死んだ風景は彼にとって慰めだった。命あるものの名残を見れば、背負った罪科に苛まれざるをえない。ヒューマンアンデッドが彼に与えた残酷な祝福は今も生きていた。人を殺し、未来を奪う行為は、そのつど彼自身の心と身体に傷を刻む。
人を憎んでいるのではない。愛しているからこそ、目の前の人間を憎み、殺さねばならない。統制者が彼に与えた宿命はいま、神を気取る別の存在の手で彼を縛っていた。
ふと視界にヘッドライトを映し返す小さな輝きを認め、始はバイクを止めた。ライトをつけたまま、そのきらめきに歩み寄る。
瓦礫の奥に透明な小箱がひっそりと、日の目を見るときを待ちわびていた。中身はスペードの7と8。
これは剣崎の持つべきカードだ。自分が見つけたのも運命というもの、他の人間に渡してはならない。
始は瓦礫をのけ始めた。力を込めるたび、腹部に追った傷に痛みが走る。それを堪えるため、彼は幾度となく虚空に叫んだ。
だが風さえも彼には答えない。
ようやく小箱を引きずり出すと、始はその場に腰を下ろして息をついた。
朽ちた廃墟の中、このケースだけはほとんど埃を被っていない。その事実が、苦難の始まりからさして時間が経っていないことを彼に思い知らせる。
苦難は短ければ短いほどよい。自分のためではない。故なく渦中に投じられた少女のために、出来るだけ短く済ませたい。たとえ自分は苦難の続く間だけしか生きられないとしても。
始はカード今一度眺めてをポケットにしまい込み、風の導くまま再びバイクを発進させた。
崩れ落ちた岩壁が排気音で震える。長い間沈黙を保って来た風にとって、その音は冒涜にも近い。だが考えてみれば、ジョーカーそのものが全ての生命に対する冒涜とも言えた。ならば今更、このささやかな悪行をとがめるものがどこにいよう。
トレーラーは無事に市街地を抜け、隣接する遺跡へと乗り込んだ。小沢の指導のおかげでエンストや急ブレーキの回数も減り、スピードもなんとか安定している。
あともう少し先で南に折れれば、車に負担のかかる海岸地帯は最短距離で通過できるだろう。
「がっかりしてるんでしょう。お仲間が助けにこなくって」
小沢の耳元で冴子が囁いた。
「まあね、でも覚悟はしてたわよ。あなた達全員をぶちのめすには、ちゃんと準備が必要だし。ほんと、悪役商会真っ青だものね、あなたたち」
強がりながらも、小沢は残された仲間達のことを思う。新たなる脅威にさらされてはいないだろうか。リュウガは無事に彼らと合流できただろうか。
普段の調子のおかげで強がりが強がりに聞こえないのは、せめてもの幸いだった。
ヘッドライトが照らし出す道は土がむき出しで、ところどころに地割れが入っている。よほど長い間雨に恵まれていないのだろう。この土地に降る雨を自分は見ることがあるのだろうか。小沢は柄にもなく思いを馳せた。
崩れた瓦礫の欠片が目の前を塞いでいるのを見て、小沢が迂回を指示する。
「えっと、これだっけ……」
睦月がなぜかヘッドライトを上下させた。
「ああもう、ウィンカーとか出さなくていいから」
小沢が睦月を押さえようとする脇から、不意に冴子が手を伸ばした。
「待って。何か見えるわ」
そう囁いて、自分でヘッドライトを動かす。睦月と小沢は何のことか解らず、それを見守っている。冴子は目を細め、意識を集中した。オルフェノクの鋭い視覚で、砂塵の中に光と呼応してきらめく何かを確認する。
「っていうかまず止めて」
小沢の命令に睦月が慌ててブレーキをかけ、車体が派手に揺れた。
「何の騒ぎだ!」荷台から苛立たしげな声でガライが叫ぶ。どうやらお目覚めらしい。
「ジャーク将軍、このエリアに支給品はあったかしら」訊ね返したのは冴子だった。
「いや、ないはずだが」
「……気になるわね。見に行きましょう。ライトはそのままにしておいて」
冴子が助手席の扉を開けるのを見て、小沢は足下の工具箱から懐中電灯を抜き取った。
「私もついて行くわ」
「どうぞ、ご自由に」
睦月は呼ばれなくても黙ってついて来た。どうやら純体育会系の見かけによらず、一人にされると寂しくて死んでしまう小動物系の神経を持ち合わせているらしい。
その一帯は壁や床もろとも完全に崩れ落ちていた。だが砂塵に覆われてない所を見ると、崩れたのはごく最近だ。
ヘッドライトをたよりにある程度まで近づき、回りが暗くなると感じた所で懐中電灯をつける。その瞬間、確かに何かが瓦礫の中で輝いたのが見えた。冴子が近づいてそれを拾い上げる。
輝いていたのは、剣を模した銀のペンダントだった。ヘッド部分はスペードのマークを象っている。瓦礫に引っかかって切れたのだろう、鎖の部分はその側に落ちていた。
価値を確かめるようにそれを目の前に掲げた冴子を見て、睦月が表情を変えた。飛びついて女の手からそれを奪い取る。
「どうしたの?」小沢が懐中電灯を手に駆け寄った。
「これは、剣崎の……」
銀のペンダントには黒い血の染みがついている。睦月は爪でそれをこすり落とそうとする。
小沢が照らす瓦礫の中に、明らかに何かを引きずった跡がある。睦月は小沢の手から懐中電灯を奪い取り、その跡をつけた。
やれた家屋の裏側の一角が、不自然な空虚を宿している。瓦礫が取りのけられ、平たく慣らされた土の上には、十字の形に石が置かれているのだ。
おそらく剣崎はこの場所で誰かと戦い、敗者がここに葬られたのだろう。冴子はすぐに背を向けた。
「行きましょう。死んだ者に構う必要はないわ」
「待て」睦月がうなった。
興味があった。剣崎が誰を殺したのか。ブレイドより強いことを証明するためには、剣崎よりも強い相手を倒さねばならない。
死者への冒涜などという考えは、闇の音色に耳を傾けている睦月の心にはなかった。手で軽く払いのけるだけで、満足に踏み固められていない土は簡単にえぐれる。
様子がおかしいことに気づいたのだろう。トレーラーから残りの三人が降りてくる。冴子の目配せに、ガライが肩をすくめた。
乱暴に地面を掘り散らかしていた睦月の手が、何かに触れる。光を当てられて青く光ったそれに、睦月が血相を変えた。
スペードの意匠が彫り込まれた、樹脂製のキューブ。
慌てて腕全体を使い辺りの土を払った睦月の前に、そこで眠っていた男の顔が現れる。
「……剣崎、さん…………?」
少年は擦れた声で呟いた。
小沢は睦月の傍らに膝をつき、男の手の指を握ってみた。ほとんど曲がらない。つまり、死んで半日以上ーーーーこの感じだと、一日近く経っているということだ。
考えてみれば剣崎の名が死者の列に連なったのは最初の放送が行われた時点。計算は合う。
そう告げる小沢に、睦月は激しく首を振った。
「あり得ないですよ!だって剣崎さんはさっき……」
はたと言いよどみ、あらためて小沢を見つめる。
「小沢さん、教えてください!あなたと一緒にいた剣崎さんが本物なんですよね?!」
睦月の声は悲鳴に近く、その言葉も確認ではなく懇願だった。
自分は策士などではないな、と小沢澄子は内心で苦笑した。敵と言うべき者たちの前で、陽動のためにも嘘を突き通すべきだとわかっていながら、少年の悲痛な声と神代への怒りにその嘘を口にすることを躊躇ったのだ。
そのためらいが、睦月にとっては何より明瞭な答えとなった。
「そんな……じゃあ、こっちの剣崎さんが、本物……?」
ただ呆然と言葉をこぼす。冴子が低く冷たい声で訊ねた。
「どういうことか、説明してもらえるかしら」
小沢は今一度躊躇った。本当のことを教えないほうが、彼らには不利になる。敵である以上、彼らに便宜を図ってやる必要はないーーーーはずだ。
が、結局彼女の中でも怒りが勝った。
「神代剣よ」
嫌悪の感情を押し殺しながら、小沢は吐き出した。
「彼には人の姿をまねる力があるの。おそらく彼が剣崎君を殺して、その記憶を手に入れたんでしょうね」
話してしまうと少しだけ楽になった。と同時に、頭が冴えて来る。この先目の前の怪人たちは、神代と出会えば敵と認め、戦うだろう。少なくとも神代は『殺し屋』、自分にとっても敵だ。死んだところで胸は傷まない。
睦月がすがるように死者の腕を引き寄せると、青い樹脂製のブレスレットが抜けた。
「剣崎さん……」
剣崎の冷えきった身体を覆っているのは土ばかりではなかった。乾いた赤黒い血がその身体に染みを作っている。赤い血……アンデッドのそれではなく、まぎれもない人間の。それに気づいた睦月の脳裏に、ひとつの疑問が浮かんだ。
この世界に集められた人間は、必ずしも同じ時代から呼び寄せられたのではないらしい。目の前に横たわっているのは、どの時代の剣崎なのか。
もしアンデッドの力を手に入れる前……カードを数枚しか持たない剣崎だったとすれば、あっけなく敗れたとしても納得がいく。
しかしーーーーもしこれがキングフォームになる前の剣崎だとしたら、自分の来た世界は誰が救ったのだろう。まさか、いざ脱出しても帰る世界がない、なんてことになるのだろうか。
このゲームの主催者には、全ての世界の歴史を狂わせるほどの力があるのか。だとすれば、戦って勝ち残ることに、何の意味が……?
睦月の手から今にも滑り落ちそうなブレスレットに気づき、シャドウは記憶を反芻した。目の前で変身した白いタキシードの青年。彼は、スペードの刻印されたベルトを使って変身した。
「これが、スペードのエースで変身していた男か」
睦月が頷くのを見て考え込む。この男が本物のスペードのエースとなれば……。
「クラブの8に心当たりはあるか?」
「ポイズンスコーピオン、俺のカードです。俺の……」
答える睦月の声はうわずっていた。
皮肉なことに、ジェネラルシャドウは剣崎を装った男がサソードゼクターの資格者であり、スコルピオワームであることを知らない。知っていたら、即座に答えを断定していたことだろう。
死んだ剣崎の操るスートはスペード、目の前にたたずむ少年の握るスートはクラブ。手に入れるべき切り札のうち、片方は永遠に失われたということか。
「残念だったな、この男がお前のためにカードを残しておいてくれなかったのは」
慰めともなく口にした言葉に、睦月は掠れた声で叫んだ。
「そんな言い方はやめてください!剣崎さんは……」
……これ、仕事だから。
誰から押し付けられたわけでもない、
俺が選んだ、命を賭ける価値のある仕事だ。
はにかむような笑顔で答えた剣崎の顔は、今もよく覚えている。冗談半分のその言葉の、真実の部分は命を賭ける価値という言葉にあった。
剣崎一真は英雄だった。その力ゆえではなく、その力の使い道を知っていたがゆえに。一人でも多くの人間を守るために力を費やし、命を賭けることもいとわなかった。
世界とか人類とか、そういう形だけの言葉を守っていたのではない。目の前の人間を、見知らぬ誰かであれ友であれ、分け隔てなく救おうとした。
友と世界を天秤に賭けることを拒み、自らの生に変えてその両方を救った。
睦月の前で、彼の英雄は静かに眠っている。
強くなりたいと思った。剣崎さんのように。橘さんのように。そして……。
そして、何をする?
遠く彼方から渡ってきた潮風が、睦月の心を冷たく吹き抜けた。
俺にはない……戦う理由なんてないんです。
自分自身がうつむきがちにそう答えるのが聞こえる。
俺は、剣崎さんみたいにご両親を助けられなかった過去もないし、
橘さんみたいに、恋人を殺されたわけじゃないし。
彼は手の中のブレスレットを見下ろした。
二枚のカードを手に入れるために思わぬ時間を食った。始はそのことを呪いもしたが、剣崎のカードを持っているということに安らぎも感じていた。
また一つ、剣崎と再会する理由が増えた。
が、目安にしていた地点に近づいて首輪探知機を確かめた時、改めて自分を呪うことになる。
標的の存在を示す光点は、すでに前方に集まっていた。
機を逸したかと思ったものの、それらは同じ場所を僅かに移動する程度だ。取り込み中であれば、まだチャンスはある。
始はバイクのエンジンを切り、適度な距離まで押していって瓦礫の背後に隠した。そこから、人の姿でも鋭敏な感覚で獲物たちを伺う。
シャドウの白い出で立ちが、夜の闇の中亡霊のように浮かび上がっている。そして黄金の輝きを放つジャークの姿。今一人、純白をまとったガライとその向うに女が二人、そして睦月は何かの上にかがみ込んでいる。
耳をそばだてると、信じられない会話が聞こえて来た。
剣崎が、死んだ……?
言葉の意味を理解する前に、始は反射的に飛び出していた。食い入るように見つめたその目に、血と砂にまみれて穴の中に横たわる剣崎の姿が映る。
「どういうことだ。お前が殺したのか、睦月!」
怒りの叫びに、少年が振り返った。その目は充血し、顔は涙で濡れている。
「違うわ。彼はとっくに殺されていたの。あなたも放送を聞いたでしょ」
割って入ったのは警官の制服を身につけた女だった。その厳しい視線に、始は今も携えている一枚の写真を思い出し、胸に手を当てた。
ある家族の笑顔が語りかける写真ーーーー彼に取って全てはそこから始まった。そして彼自身がまだ己の心を信頼できずにいる時、アンデッドである自分を信頼してくれた者たちがいた。剣崎と、もう一人。
自分を信じてくれた者と同じ光を宿す女に向かい、始は問い返した。
「剣崎は生きていた。お前たちもその目で見たはずだ」
「それが、剣崎君を殺した本人だったみたいね。彼、擬態できるんですって」
口を挟んだのはもう一人の女、影山冴子だった。研ぎすまされたナイフを彷彿とさせる冷笑が始を打つ。
「あなたは自分のお友達を殺した人間に手を貸したってわけ。皮肉なものね」
「天むすは黙ってて」
小沢は冴子の挑発を遮った。もしも彼が神代の敵となりうる存在なら、ぜひとも味方に引き入れたい。
「とにかく、あなたは騙されたのよ。睦月君も、何もしてないわ」
「そうか」
相川始は乾いた声で呟いた。
夜風が砂塵とともに吹き付ける。だが相川始はまばたき一つしなかった。アンデッドに痛みはない。ジョーカーは涙を流すことを知らない。
「そうか。いずれにしろ、俺がお前たちと戦わなくてはならないのは同じだ」
「相川さん……?」
睦月の喘ぎを、彼は躊躇なく切り捨てた。チェンジ・マンティスのカードを手に、強く宣言する。
「俺は戦う。戦って、剣崎を救う……今はすべてが俺の敵だ!」
「ちょうどいい。なにか壊してやりたいと思っていたところだ」
踏み出したガライを、ジャーク将軍の腕が遮る。
「睦月、そちの力を見せてみよ」
睦月の知り合いならば光を奪うにはちょうどいい。すでに知り合いの死を見せつけられて壊れかけている少年の心は、底知れぬ闇に落ちるだろう。
ジェネラルシャドウが睦月の腕を掴んで起こした。呆然と立ちすくむ少年の胸に、持っていたラウズカードを押しつける。
睦月は逃げるように後ずさった。途端、自分で掘り返した穴に足を取られて瓦礫の中に倒れ込む。
「どうした。力が欲しいのではなかったのか」
シャドウが彼に歩み寄り、その首を締め上げる。
「戦わない戦士に生きる意味はない。お前が力を拒むというなら、この場でお前を殺して俺がその力を受け継いでやろう」
止めに入ろうとした小沢の腕を冴子が掴む。振り返った小沢に艶やかに笑いかけつつ、彼女は握った腕に爪を食い込ませた。
睦月は怯え切った目で手を伸ばし、カードの束を握った。ようやくシャドウの腕から解放されてその場に崩れ落ちる。
砂埃に咳き込む少年の耳の奥で、誰かが叱咤の声を上げた。
光と闇に、操られるな。
自分との戦いに、終わりはない。
睦月は打たれたように身を起こし、マンティスのカードを手に自分を眺めている相川始を見上げた。
「おかしいですよ……」
カードを握りしめて立ち上がる。
「おかしいですよ、相川さん。あなたが、ジョーカーに戻るなんて」
訴えながら、少年は剣崎の身体を越え、一歩一歩を踏みしめた。
「剣崎さんは、あなたがジョーカーに戻ることなんて望まなかった。戻らないと信じていた!あなたには、自分との戦いを続ける勇気があると信じていたはずだ!」
「知ったような口をきくな」
始は冷ややかに応じたが、睦月は足を止めない。
「剣崎さんはあなたを信じて、自分も永遠に自分自身と戦い続ける道を選んだ!それを裏切ったあなたに、剣崎さんは救えない!」
「ならばお前が救えるというのか?」
「わかりません……それでも!」
睦月の胸の奥で、カードに封じられたアンデッド達が呼びかける。力への渇望、勝利への執念、眷属への愛情ーーーーそれぞれの、平和という悲願。と同時に、背に負う怪人達の視線に同じ類の思いを感じた。その重さに胸がつまり、涙がこぼれる。
戦う理由などない。ただ戦いがあっただけだ。戦いがあったから力を求め、勝利を求め、理由を求めた。
けれど誰もが本当に求めていたのは、それぞれの平和。
彼らの思いを全て受け止めるには、今の自分は弱すぎる。
睦月は剣崎のブレスレットを左腕にはめた。腕時計のバンドに樹脂製のキューブが打ち合わされて、安っぽい、だが心をなだめるように柔らかい音を立てる。
「せめて剣崎さんの思いだけは、俺が継ぎます!」
睦月はレンゲルバックルを腰に当て、死者を悼むように左手で顔を覆った。右手は、痛みを感じるこの胸の上に。
目の前に、透き通った青が色を落としている。
「変身!」
渾身の力で叫び、両腕を振り下ろす。バックルが開かれ、目の前に光のゲートを展開した。
Open Upーーーー心の扉を開き、風の声を聞け。
睦月はバックルに導かれるまま、輝く扉をくぐった。
仮面ライダーレンゲルは恵まれた存在だった。短い生の間に、暖かい家族と、支えてくれる恋人と、導いてくれる師と、受け止めてくれる友と、それら全てを与えられていた。
敵であるはずのアンデッドの中にすら、彼に道を示し、光を掲げるものたちがいた。だから愛を当然のものとして捉え、失うことを恐れない。
ジョーカーは違う。孤独に生まれ、永遠の歳月を憎悪だけを向けられて生きて来た。天音ははじめての家族であり、剣崎ははじめての友だった。ヒューマンアンデッドの呪縛は、ジョーカーをしてはじめて手に入れた暖かい感情に執着を抱かせていた。
人を守ろうとする愛が人を強くする。かつて剣崎を前に抱いたその感想を、相川始はいま皮肉な形で実践していた。
「変身」
呟いて、手にしたカリスのカードをゆっくりとベルトに滑らせる。
Changeーーーーその身もろとも変わるがいい、戦うだけの獣に。
始はベルトに命じられるまま、狩人の魂を身に帯びた。
カリスアローの最初の斬撃は、レンゲルラウザーの柄に弾かれた。先だって砕かれたはずのラウザーの刃は既に修復され、鈍く光っている。カリスは腕を返して今一度斬り下ろし、レンゲルがそれを受け止めた瞬間を狙って蹴りを叩き込んだ。
レンゲルは小さく喘ぎながら一枚のカードを引き出し、ラウザーに滑らせる。
『フロート』の声とともにその身体が舞い上がり、カリスの斬撃は空を切った。
「なぜ人間が空を飛ぶ!」
驚いてそう漏らすガライに、ジェネラルシャドウが答えた。
「借りたのだよ、アンデッドの力を」
「飛び道具相手に空中戦って、不利な気がするけれど」
冴子が冷静に呟く。小沢はようやく冴子の手を振り払った。
カリスが見えない弓弦を引く仕草で空中に狙いを定める。それに気づいたレンゲルは身を翻すとダイヤの5と6、二枚のカードをスラッシュした。金色のつま先に灯がともり、辺りを明るく照らし出す。
「バーニングスマッシュ!」
睦月の叫びとともに振り下ろされた蹴りは、とっさに身を庇ったカリスの腕を直撃した。
「あなたの心を取り戻す。それが出来ないなら、この手で封印する!」
「お前は何も解っていない」
「わかってないのはあなたのほうだ!」
いい放ち、クラブの3と4をラウザーに通す。続いて突き出した穂先はカリスアローの振り上げに弾かれ、二人のライダーはあらためて互いに距離を取った。
「偉そうなこと言った割に、カード頼りなんだ」
次から次へとカードを切るだけの睦月のやり方を、小沢澄子はあきれてそう評した。
「手駒が有り余っているなら、使い捨てるのも策というものだ」ジェネラルシャドウが応じる。
シャドウには見えていた。睦月は弱い。心も体も、ただ一人戦ったなら簡単に負けてしまうほど弱い。睦月を強くするのは睦月自身の力ではなく、彼を支える力なのだ。
それはラウズカードであり、アンデッドでありーーーー少年を愛してくれる人々だった。かつて陽炎のように自分に呼びかけた者たちが、まさにそれなのだろう。
と、小沢が何かに気づいて叫ぶ。
「って、なんか数字、もうすぐゼロよ!」
その声にはっと顔を上げたレンゲルを、横合いからカリスの斬撃が襲う。幾度も斬りつけられながら、睦月は二枚のカードを取り出してスラッシュした。アブソーブサーペントとエヴォリューションギラファ。減っていた数値が一気に上昇する。
「え?あれはさすがに反則じゃないの?」
呟いた小沢に、ジャークが返す。
「そちは悪法も法、という言葉を知っているか?」
「それ、地球の格言よ」
「いや、クライシス帝国の格言だ」
「地球よ。ギリシャの格言。ソクラテスが言ったの」
ねえ、と同意を求められて、冴子が黙って微笑んだ。
体勢を崩したレンゲルから一歩引くと、カリスはラウザーを弓にはめ、二枚のカードを引き出した。ハートの5と6。
弓から発せられる『スピニングアタック』の宣言とともに、黒いシルエットが竜巻に踊る。レンゲルは慌ててカードを抜いた。
クラブの7。『ジェル』の音声が響く。次の瞬間、カリスの蹴りがレンゲルの胸部を狙いーーーーレンゲルは異様なほどの柔軟さで身をのけぞらせてそれを避けた。
「あー、マトリックスだ。生で見るとは思わなかった」
小沢が思わずため息をつく。
レンゲルが体勢を立て直す間にカリスが再び手にした二枚のカード。レンゲルもまた二枚のカードを抜く。
『スピニングアタック』『ブリザードクラッシュ』
二つのラウザーが競うように声を上げ、それに答えてライダー達が宙に舞う。
激しい風が砂塵をまき散らし、鋭い冷気に瓦礫が凍り付いた。
大きく弾きとばされたのはレンゲルのほうだった。先に身を起こしたカリスが、もう一度二枚のカードを手にする。
そこで躊躇うように見せた数秒の間を、レンゲルは見逃さなかった。自らも一枚のカードを引き抜いてラウザーに滑らせる。
『リモート』。
白い光がカリスのカードを打ち、そこに封じられた二体のアンデッドを解放した。
トリロバイトとバッファロー。意外な姿にレンゲルが一瞬動きを止める。
カリスは素早くカリスアローを振るい、激しく蹴りつけて二体のアンデッドを打ち倒した。それに巻き込まれて、レンゲルまでもが弾きとばされる。彼らが体勢を立て直す前に、カリスは身を翻して瓦礫の裏に転げ込んだ。
間髪入れず、エンジンの音が当たりに響き渡る。
「逃げるんですか!相川さん!」
「心配するな、お前は俺が倒す」答えは凍てついた瓦礫に、冷ややかに響いた。
「燃料切れ、というわけね」
同じくらい冷ややかな影山冴子の言葉に、睦月ははっと気がついた。
カリスのラウザーには、もう一度スピニングアタックを放つだけのAPが残されていなかったのだ。カリスは彼と違って上級カードを持たず、チャージが出来なかったのだろう。
獲物を求めて周囲を見回す二体のアンデッドに、不意に白い影が襲いかかった。鋭いパンチを立て続けに見舞い、ぐらついたバッファローの首を締め上げる。
さらに襲って来たトリロバイトを蹴りとばすと、貴公子然とした表情を僅かにも変えないままバッファローを力づくで地面に叩き付ける。
かちゃり、と音がしてバッファローのバックルが開いた。レンゲルは空白のカードを抜いて、なおも蠢くアンデッドに向かって放った。
バッファローアンデッドは緑色の光と化してカードに吸い込まれ、ライダーの手元に戻った。
その間にもガライはトリロバイトを蹴倒し、踵を幾度となくのど元に叩き込んでいる。レンゲルはもう一枚のコモンブランクを手に、その様子を見守っていた。
アンデッドの身体が震えるばかりになってようやく、ガライは蹴るのをやめた。
「少しは気が晴れたか、ガライ」ジャーク将軍が訊ねる。
「この程度で誰が。脆過ぎる」
レンゲルが再びカードを投げた。
市街地まで一気に走り抜け、始は建物の影にバイクを止めた。我知らず遺跡の方角を振り返る。遠くから眺める地平はやはり形を失った死の風景だ。
彼はいずれそこで朽ち果ててゆくほかない剣崎を思った。
あの場でジョーカーの力を使わなかったのは、睦月を倒しても追手やそれ以外の戦闘に巻き込まれた時無力になっては困るからだ。そう自分を納得させようとする。それでも睦月の言葉と、神丘令の面影を持つ女の視線を脳裏から振り払うことは無理だった。
彼らの前で人の仮面をかなぐり捨て、ジョーカーの本能に身を任せきることは出来なかった。
お前は、人間達の中で生き続けろーーーーそれが、剣崎が彼に贈った言葉だった。
お前は俺に生きることを願った。俺もお前に同じことを願っている。お前が俺に与えてくれた命を、お前に返したいと望んでいる。お前が教えてくれた心を奪われるくらいなら、お前のために死んだほうがいいと感じている。
自分の命も顧みず誰かを助けるのが人間だと、お前は言った。だがそれはお前に対する裏切りだと睦月は言う。どちらが正しいのか、人間ではない俺には解らない。
お前の言葉だけが正しいと信じたい。それなのに、睦月の言葉に痛みを感じる。
始は自分を見つめる少年の瞳の色を呼び起こした。
上城睦月は戦いの本当の恐ろしさを知らない。たった一度騙されることが即破滅を意味することを知らない。バトルファイトに巻き込まれたときでさえ周囲の愛情に守られていた少年は、やはり戦いをカードゲームの延長程度にしか思っていなかったに違いない。
それが彼の強さでもあり、脆さでもある。
せめて戦いの真の苦しみを知らないままに死なせてやろう。彼もまた、自分の友人なのだ。もし睦月が自分を倒すほどに強くなっていればーーーー。
睦月は本当に、剣崎を救うかもしれない。
次に向かうべき道を選ぼうと、始が顔を上げる。
俺たちは二度と出会うこともない。触れ合うこともない。
……それでいいんだ。
後悔の影すらない笑顔でそう言って背を向ける剣崎の姿を、始は道の果てに見たような気がした。
睦月は剣崎の指から銀色のリングを抜いた。
眠りについた者は、ここに残して行くほかない。だからこれからは……剣崎さんに代わって、俺が戦う。俺だけじゃない。相川さんは、きっと人間の心を取り戻してくれる。橘さんだっている……はずだ。
血に汚れたペンダントは、剣崎が心を通い合わせた相川始に。右手にはめた指輪は、かつて剣崎を教え導いた橘に。彼らに届け、相川始は人間の世界へと連れ戻す。
彼はかつて剣崎が始の心を取り戻した時のことを今もはっきりと覚えている。ハートのスートの十三枚を全て揃えたことで、始はジョーカーの本能を押さえ込んだ。ならば今度だって上手く行くだろう。
それでも叶わないなら、剣崎さんに代わって……。
睦月は目の前にたたずむジャーク将軍を見上げた。
「言い忘れてましたけど、俺、この先で降りますから」
「勝手なことは許さぬ」
帰って来る声音は厳しい。だが睦月は恐れなかった。
「約束があるんです。信用できない奴との。あいつの力が、今の俺には必要だから」
睦月は剣崎のライダーシステムをキングが持っていることなど知らない。そしてキングを封印し、彼の持ち物を回収すれば二つのスートのカードが完全に揃うことも。知ったところで、キングを倒す理由が増えるだけのことだった。
力が欲しい。心からそう思う。力そのものの為でなく、その力で人の笑顔を守るために。戦う理由のない者たちを、血の洗礼から救うために。
手の中の指輪を握りしめる睦月を見て、ジャーク将軍が気づいたように問うた。
「信用できないやつ、と申したな」
「……はい」
「そやつが、約束通りにやって来る保証はあるのか」
「…………あ。」
睦月が先ほどまでの深刻な様子と打って変わって間の抜けた表情を晒す。この少年の最大の弱みは、この純朴さだろう。彼の師であった橘はそれを時に強さに変えた。同じことが、彼にできるだろうか。
「約束はともあれ、そやつと出会ったら打ち倒せば良い。それでどうだ」
「……それでも…………いい、です」
困りきって答えた睦月に、今度はジェネラルシャドウが問う。
「お前に、スペードのエースは使えるか?」
「……ブレイバックルがあれば、多分。そしてキングを倒せば、俺はもっと強くなれます」
少年の言葉で、シャドウは満足したようだった。
「ならば共に手に入れようではないか。切り札を……スペードの、エースを」
睦月が深く頷く。それを確かめたシャドウは、Gトレーラーへと戻って行った。
「一つだけ、聞いてくれる?」
黙って一連のやり取りを見守っていた小沢が、低い声で呟いた。
「英雄になるってことは、死に急ぐこととは違うのよ。それを忘れないで」
自ら封印したG4システムを思いながら、小沢は少年に言い聞かせる言葉を自分にも向けて反芻した。黙りこむ睦月をしばし見守った後、その場に膝をついて剣崎の身体に土をかけてやる。
あなたは十分に戦ったわ。だから今は、ゆっくりおやすみなさい。
睦月ものろのろと腕を動かし、彼女の真似をする。土の上に時折熱いしずくが落ちて、暗い染みを作った。
元通りに埋め終わり、少年の肩に手を置く。こちらを向いた睦月はすっかり顔を泣きはらしている。小沢はその背中にそっと手を延ばし、無言で抱きしめてやった。
「脆いものだ。ジャーク将軍もシャドウも、なぜあんな生き物に入れ込む」
トレーラーにもたれたガライが苛立たしげに吐き捨てる。シャドウは平静にそれをなだめた。
「奴は鍵を握っているのかもしれん。このゲームに勝利するための鍵をな」
「なんだと?」
「確かではないが、その可能性がある」
「ああも脆い生き物に、そのような力のあるはずがない!」
「眺める分には、儚い命も素敵だけれど」影山冴子が歌うように囁く。
仲間としては、自分を脅かさない程度に強いほうがいいわよね。
氷の刃のごとき冷たい視線の先には、小沢澄子の肩に顔を埋めてすすり泣く睦月の姿があった。
以上です。
株優プチだとバイさるはスルーできても普通の連投で蹴られるのに気づきませんでしたw
時間がかかって申し訳ありません。次はもう少し人が多い時間に投稿します。
なお、最初のレスの名前欄は株優機能確認のためなので気にしないでください
なお仮うpしていたファイルもステータス表も含めて今投下した文章に更新しましたので
まとめサイトにはそのまま丸コピペをしていただければ管理人さんの手間が省けるかと。
問題点など残っていましたら改めて修正しますので、ご指摘よろしくお願いします。
って、ステータス表忘れてた。
■相川始(単独行動) 行動開始時刻20:00@C-3
南下+G-3で戦闘+離脱で約一時間消費
現在時刻21:00 現在地点:市街地G-4
【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地G-4】
[時間軸]:本編後。
[状態]:胸部に多少の抉れ。2時間変身不能(カリス)
[装備]:ラウズカード(ハートのA・2・5・6)、HONDA XR250
[道具]:サバイブ(烈火)。アドベントカード(ギガゼール)。首輪探知機(レーダー)。
[思考・状況]
1:天音ちゃんを救う。
2:偽の剣崎(神代剣)を殺し、ブレイバックルとカードを取り返す。
(始はブレイバックルとカードをキングが持っていることを知りません)
3:睦月との決着はこの手で。それがどのような形になろうとも。
4:このバトルファイトに参加している全員を殺す。剣崎のためにできることはそれしかない。
5:手持ちのラウズカードでは心もとない。戦力強化の必要がありそうだ。
[備考]
※1:相川始は制限に拠り、ハートのA、2以外のラウズカードでは変身出来ません。
※2:HONDA XR250は制限により、あらゆる能力で変化することが出来ません
※3:死んだ剣崎が別のブレイド世界(劇場版)から来たと言う認識はありません。
■Gトレーラー組(+小沢澄子) 行動開始時刻19:00@E-7
E-7にて修理(30分前後)+徐行移動(1時間弱)+G-3下車で約2時間消費
現在時刻21:00 現在地点:遺跡G−3(剣崎の埋葬場所)
グループとしては今後J-3で小沢に首輪の解析と解除を行わせることを計画しています。
■Gトレーラー組の共通事項
首輪に盗聴・監視装置が仕掛けられている可能性を認識しました。
それぞれ違う世界・もしくは同じ世界の違う時間軸から連れて来られたことを再認識しました(大集団と同様)。
前回の襲撃時に敵対勢力と思われる大集団の構成、および戦力をほぼ把握しています。
Gトレーラーは小沢が応急修理を施しましたが、不安な状態であることに代わりはありません。
悪路や衝撃などによっては動かなくなる可能性があります。
【小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。自分のペースをとりもどして前向き。
[装備]:なし
[道具]:ガードアクセラー
[思考・状況]
1:仲間達(大集団)の安全を祈願。これ以上誰も犠牲になってほしくない。
2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:目の前の怪人たちと上手く渡り合うため観察・可能な限り情報を引き出す。
4:睦月に同情。もう少し話し合えないだろうか。できれば味方につけたい。
5:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています)
6:神代に怒り。相川始に疑問。ジャーク将軍には怒りと同時に一目おいています。
7:かならず仲間の元に戻ってみせる。そのための手段を探そう。
[備考]
※クライシスと神崎士郎が手を組んでいないことを、ジャーク将軍の発言より確信しました
[元大集団メンバーとしての共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。頭部に打撲。その他、身体に軽傷多数。疲労はやや回復。
2時間変身不能(レンゲル)
[装備]レンゲルバックル+ラウズカード:クラブのA〜7、10〜K
ギャレンバックル+ラウズカード:ダイヤのA〜6・8・Q・K
ラウズカードのみ:スペードの4・7・8・J・Q ハートの3・4・7・10〜K
剣崎のブレスレット(単なるアクセサリー。特殊効果はありません)
[道具]:配給品一式(橘)。Gトレーラー(G3ユニット・GM-01・GG-02・GS-03・GK-06)
剣崎のペンダントと指輪(いずれもシルバー製アクセサリー)。
[思考・状況]
1:剣崎の死・始のマーダー化を自らの目で確認し、激しく動揺。
2:ハートのラウズカードを集め、始を人間に戻す。無理なら封印もやむなし。
3:キングは信用できない。封印するしかない。
4:ジャーク将軍を藁をも掴む気持ちで信頼。この人なら、ライダーとの同盟も可能では?
5:小沢澄子に、自分を支え続けた望美と同じ暖かさを感じる。
※1:睦月は死んだ橘が偽者であってほしいと強く願っています。(偽物という確信が揺らぎました)
また劇場版の世界を知らないため、死んだ剣崎は自分の世界の過去から連れて来られたと考えています。
※2:睦月は現在小沢の指導の元、無免許でGトレーラーを運転しています。
※3:橘と戦ったことは忘れています。そのため、ジャーク将軍にもそのときのことは話していません。
ただし、何かの拍子に思い出すかも知れません。
※4:ショック療法と大量のラウズカードで暫定的にカテゴリーエースの意志を抑制しました。
また睦月は始のマーダー化をジョーカーの本能に飲み込まれたと解釈し、
ハートのスートを揃えて与えることで元に戻せると考えています。
【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:ジャークミドラに改造後。
[状態]:頭部に中程度のダメージ。
[装備]:杖、変身後は大刀。
[道具]:支給品のデータブック(ハイパーゼクターを除く支給品のデータが記載されています)
ネタばれ地図。首輪(ヨロイ)。ライダーブレス(コーカサス)。変身鬼弦・音錠。
ハイパーゼクター。ベルト(カブト)。壊れたザビーゼクター。精巧に出来たモデルガン。
ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。3人分のディパック(ジャーク、グランザイラス、城戸)
[思考・状況]
1:ラウズカードを集め、戦力の強化。
2:もうひとつの研究所(J-3エリア)へ向かう。
3:首輪の解析。
4:上城睦月に相川始を殺させ、後戻りが出来ないようにする。
5:神崎士郎を殺し、脱出する。
6:RXを殺す。リュウガを始末する。
7:人質である小沢澄子に対し、有能な指揮官・技術者として相応の敬意。
※1:ジャーク将軍は睦月より、ブレイド世界の情報と剣崎、始、橘、キング、伊坂、北岡、リュウガの情報を得ました。
※2:ネタばれ地図には支給品以外のラウズカードの隠し場所も書かれています。
※3:支給品のデータブックには、支給されたアイテムの効果が記載されています。
余裕ができ、中身を確認したのはGトレーラー内が初めてです。
各参加者の初期支給品も記載されています。
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夕方】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲と大火傷。
[装備]:サタンサーベル、トランプ内蔵ベルト
[道具]:麻生勝の首輪(但し、分解済)。配給品一式×5(シャドウ、ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)。
[思考・状況]
1:ジョーカーを倒す。
2:明日、ストロンガーと決着をつける。
3:情報収集のため、ジャークと情報交換。
4:スペードのA、クラブの8が暗示するものを確かめる。そのためには睦月が有用か?
※スペードのAが暗示するものは剣崎(ブレイド)であろうとあたりをつけました。
クラブの8についてもラウズカード=ブレイド勢に関連があると考えています。
※シャドウ剣はF2エリアの壁に刺さっています。
【影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩にかなりの深さの裂傷。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:首輪(園田真理)。アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。
2:ジャーク将軍の下で、首輪の解除方法を探す。
3:あきらと巧に復讐。
4:小沢澄子に警戒心。首輪を解除させ情報を引き出したら殺したほうがよさそうね。
5:上城睦月の確変に警戒心。これ以上強くなればいずれ障害になるのでは?
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:本編開始前。
[状態]:火傷(中程度。再生中)。
[装備]:ガライソード。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ジェネラルシャドウからサタンサーベルを奪い、勝つ。
2:どんな手を使っても生き残る。
3:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。
4:ついでに生贄を手に入れる。
5:神崎士郎は残酷に壊す。
6:脆弱な生き物と組むのは気に入らない。特にでかい口を叩くこの女(小沢)は。
7:さっさとこの首輪を外したい。
※折れた烈斬はD-7に放置されています。
【追記】
上記7名は神代剣が剣崎を殺して擬態していたという情報を得ました。
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今度こそ投下終了です。もたついて申し訳ありませんでした。
GJ!
ヘタレていた睦月が、始に説教できる程、成長していく過程は凄く良かったです。
始もそれを感じつつもジョーカーをやめようとしないのもらしいなと思いました。
姉御の傍若無人ぶりとジャークの掛け合いが楽しい。
ガライと冴子の不審ぶりも後々を考えると楽しみです。
そして、シャドウがもつ始死亡フラグも蒔いた身からすれば、芽が出たのは素直に嬉しい。。。
サイトは本日中には更新します。
まさかジャーク将軍がここまでの勢力を持って、いろんなキャラと関わるとは
ロワの最初からは思えなかったなあ……
この集団がどうなるかに期待です。グッジョブ
GJ!
小沢さんが妙に馴染んでいるww
ジャークとの掛け合いは先に言われたけど、本当に面白い。
ジェネラルシャドウが睦月の師匠してて実にいい!
反面、冴子さんが怖いw
マジGJ!
GJ!!面白かったです!!
その上人物描写だけでなくあたりの風景やら空気の様子などが
所々にちりばめられていて
一つ一つのシーンが映像になって目に浮かぶようだ!!
小説として普通にレベル高いよ!!本当にGJ!!
小沢番長と冴子さんは相容れなさそうだから怖いよな…
やり過ぎを心配していたんですが、楽しんでいただけたようでよかったです。
でも自分で日本語の間違い一カ所見つけてしまった……
一日開けてから読むと、間の取り方とか、改善する部分が山ほど見つかって
恥ずかしくなりますw
気を取り直して、負け犬のなかに狼が一匹カルテット
(秋山蓮・乾巧・草加雅人・矢車想)を予約します。
今回は繋ぎで短めに行くつもりです。
で、私の記憶にはないのですが、この4名で酒が飲めない
もしくは意図的に飲まない設定のキャラはいましたでしょうか。
(巧が未成年とか猫舌だから熱燗は無理とかは除く)
もしご存知の方がいたらご指摘お願いします。
蓮は作中でワイン飲むシーンがあったよね。
まとめサイト修正・更新しました。
>>254 同じく飲まない設定のキャラはいなかったように思えます。
ヤサ車さんなら飲んでいてもおかしくはなさそうですが。
あと、256さんの指摘通り、蓮がワインを飲む描写はありました。
ところで今日が期限の二人の進行具合はどうだろう?
延長が必要なら今日中にお願いしたいけど。
はい、今から投下します。
なんか、期限通りに投下できるのって久々な気がする……。
「……ウ……ァ……」
寂れた町の駐車場で、苦しそうな声を上げる男が一人。
その男―――リュウガ―――。
息を吐くたび、体に刻まれた傷から血が流れていく。
いくら強い執念でも、先程の傷跡は拭えなかった。
あれほどの傷を負ったのだ。死ぬまで行かなくても、しばらく安静にしなければならない。
だが、彼は止まらない。止まれない。
約束したからだ。この戦いを終わらせる、と。
(そうだ……こんなところで……死ぬわけには……)
震える体に活を入れ、立ち上がる。
壁に凭れ掛かりながら歩いていくと、階段が見えた。
その先を目で追っていくと――――――。
「……ここ……は……」
今まで気付かなかったが、どうやら何かの店らしい。
小さな看板には、ただ『Jacaranda』と刻まれていた。
「……ハカランダ……?」
聞いたことのない名に、聊か引っかかるものがあったが、無視して進むことにした。
扉を潜り、中に入る。
さっぱりとしたカウンターと、それに合わさる形で置いてあるいくつかの椅子。
其処で彼は気付いた。ここは喫茶店だと。
「…………ハァ。」
その辺の椅子に腰掛け、体重を背凭れに預けた。
それに伴い、視線が自然と上を向く。
ぼんやりした頭で、真っ白な天井を見上げた。
支えてくれるものがある所為か、少しだけ安心する。
(この戦いの中で安心する時が来るとは……俺も変わったものだな。)
表情には出さなかったが、リュウガは心の内でそっと自嘲の笑みを浮かべた。
店の中を見渡し、あぁ、そうかと納得する。
何故自分が安心できたのか。
ここは、あの花鶏に近いものを感じる。
(そういえば、あいつを吸収した場所も花鶏だったな。)
ここに来る前のことを思い出す。
今にして思えば、あの時以前の事を思い出すのは初めてだったかもしれない。
(あいつも、こんな気持ちだったのか……)
コツン。
「……?」
音と共に、足元に感じる違和感。
見ると、三枚のカードがご丁寧にもケースに収まって置いてある。
それぞれ、蛾と駱駝、そしてカメレオンが意匠化されていた。
リュウガは、そのカードが何なのか知っていた。
今まで戦ってきたライダーの何人かがこれと同型のカードを使っていた。
――――その名を、ラウズカード。不死の怪物を封じ込める札。
瞬時にこのカードを使える四人の人物が頭に浮かぶ。
まず、ギャレン。本来の装着者である橘は先程の放送の通り既に死亡しているが
それを木野が受け継ぎ、新しいギャレンとして戦っていた。
続いてブレイド。こちらも正装着者の剣崎は死亡してしまったが
神城が擬態し、剣崎としての意識もあったはず。
この二人に渡せば、まず心配ないだろう。
それにもう一人。カリスと呼ばれる黒衣のライダー。
最初に戦ったときはともかく、ジャークとの戦いに加勢してくれた時、その瞳には正義の炎が宿っていた。
多少不安要素はあるが、このカードのうち二枚はカリスの操るハートスート。
力を活かすという考え方で行けばこちらに渡す方がいいのだろうか?
レンゲルは………最早論外だ。
カードを懐に仕舞いこみ、席を立った。
扉を開け、一度だけ振り返る。
が、すぐに前を向きなおす。
外に出ると、やけに盛り上がった土が目に入る。
近くに駆け寄り、少し掬い上げてみた。
「軟らかい……」
土を握り締めたリュウガは、何故こんな物があるのかと考えを巡らせる。
(土が軟らかいということは、ここが一度掘り返されているということ。)
リュウガの頭の中でいくつかの考えが浮かんでは消えていった。
(仮に物を託すためだとしても、誰も気付かなければ無駄骨になるし、第一埋める必要がない。)
其処まで考えて、頭の中である一つの可能性に行き着く。
ここを掘り返して、何かを、いや――――。
(もし、埋めるという行為自体に意味があるとしたら……!)
――――“誰か”、を……?
「……まさか!?」
手が泥に塗れるのも構わず、リュウガは其処を一心不乱に掘り出した。
他人の墓を掘り返すというのは余りいい気のするものではないが、そんな事を考えている余裕はなかった。
土を掘っていくうちにだんだん手応えが出てくる。
そうして出てきたものは、リュウガの予想していたものと同じだった。
「……城戸、真司……ッ」
そう、もう一人の自分。
土埃を被って所々汚れてはいるが、その顔を見間違えるはずはない。
「おい。」
体を揺さぶりながら呼びかけるも、返事はない。
「城戸……ッ。」
呼びかけるリュウガの目から、少しづつ雫が零れ落ちる。
瞬間、リュウガはあることに気付く。
「今なら……城戸を……」
そう。今なら、自分の悲願だった城戸真司を吸収することが出来る。
城戸真司を吸収し、最強のライダーになって――――。
「………?」
………そして、どうするんだ?
城戸真司を吸収し、その後はどうするんだ?
リュウガの脳裏にある出来事が再生される。
◆
それは、丁度太陽が今の月と同じ場所に在った時。
あの時天道と共にシャドームーンを退けた後、皆の元へと向かっている途中の出来事。
「会いたい者に会えないと言う物は辛いが、心配するな。」
突如、天道が口を開いた。
「……!」
「そんな顔をしている。まるでさっきまでの俺のようだ。」
リュウガが疑問を口にする前に、その口から答えを出す。
「………お前に何がわかる。」
「お婆ちゃんが言っていた。傍にいないときは、もっと傍にいてくれるってな。」
天道はなんでもないといったように、祖母がかつて自分たちに伝えてくれた格言をリュウガに伝える。
「そいつとお前がどういう関係なのかは知らないが、お前が想って居る限り、心はお前の傍にある。」
その言葉を聞き、リュウガの足が止まった。
◆
回想を終え、リュウガは再び城戸と向き合う。
「……城戸、もしお前の心が、今も俺のそばに居るのなら……」
――――もし、俺なんかの傍に居てくれるのなら――――
「……その骸は、俺の中に仕舞っておく事にしよう。」
――――せめて、いつでも会えるように――――
リュウガは、誰に言うわけでもなく、一人呟いた。
横たわっている城戸の手を取り、ゆっくりと自分の中へと沈めていく。
半分ほど行った所で体を起き上がらせ、慎重に体を重ね合わせる。
結合部が光を放ち、段々熱を帯びて、二つの体は一つになった。
「…………。」
軽く手を結んだり開いてみる。
これと言って、余り変化がない。
だが、少しだけ体が軽くなった気がする。
―――彼には知る由もなかった。
もし、ここに来なかったらどうなっていたのかが。
掘り返した墓を元通りにし、静かに黙祷する。
すっくと立ち上がり、歩き出そうとしたその時――――。
「……俺の出来なかった分まで、頑張れよな。」
聞こえてくることのない声を耳にし、すぐさま振り返る。
無論誰も居るわけはなく、在るのは簡素な墓の跡だけ。
すっ、と風が頬をなでる感触。
聞こえるはずない。聞こえるはずないのに。
窓の方を見ると、呼んでも居ないのにドラグブラッカーがこちらを見ていた。
いや、それだけじゃない。
龍騎の契約モンスター、ドラグレッダーも居た。
「……何の用だ。」
呼びかけてみるも返事はない。それも当たり前の話なのだが。
星が光る空を向き、語り掛ける。
「心配するな、俺は死にはしない。絶対に生き残り、このふざけた戦いを終わらせる。」
その様はまるで、自分と、自分の中にいるもう一人の自分に向かって言い聞かせているようだった。
しっかりと前を見て、力強く足を踏み出す。
(……そういや、皆が何処に居るのか知らなかったな。)
回りを見渡していると、一際大きな建物が目に入る。
(とりあえず、あの建物に上って探してみるか。)
リュウガが目指しているのはE-4エリア。
それは奇しくも、仲間が集う場所であった。
(出来れば、しばらく歩いていたいな。)
そんな事を考えながら、リュウガは足を進めていった。
【リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-6】
[時間軸]:劇場版登場時期。龍騎との一騎打ちで敗れた後。
[状態]:体の所々に負傷。特に背中。応急処置済み。左手の骨にヒビ。額、腹部、右掌から流血。
[装備]:カードデッキ(龍騎)。カードデッキ(リュウガ)。装甲声刃。
[道具]:ラウズカード(ダイヤの10、ハートの8と9)
[思考・状況]
1:一刻も早く小沢を助ける。
2:必ず生き残り、バトルロワイアルを終わらせる。
3:E-4エリアのビルに行き、屋上から皆を見つけ次第合流。
4:天道の遺志を継ぎ、ひよりを守るために戦う。
5:神崎に反抗。
6:自分の今の感情の名を知りたい。
[備考]
※1:ドラグブラッカーの腹部には斬鬼の雷電斬震の傷があります。
※2:コンファインベントはリュウガのデッキに組み込まれました。
※3:城戸真司の遺体はリュウガに吸収されました。本人の意思により、解放が可能です。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
以上です。ご意見ご感想等ありましたらよろしくお願いします。
ああ、なんだかいつにも増して粗が見える気がする……。
GJ!
リュウガと真司、死んだ天道との邂逅がもの悲しい雰囲気を出していました。
リュウガの決意も熱く、面白かったです。
一つ誤字の指摘。
>>263 >神城が擬態し、剣崎としての意識もあったはず。
「神城」ではなく、「神代」です。
まあ、些細で間違いやすいところですが。
投下乙。
ついにリュウガ一体化したか。
戦闘になったときどう化けるかが楽しみだ。
ひとつ指摘。
城戸がハカランダの裏に埋葬されていることリュウガ知ってるんじゃないかな。
埋められた話だと城戸を埋めに来たみたいなこと言ってたし。
首輪外れたらリュウガは存在できなくなるって話だったが、これで一人の人間になったってことかな?
ドラスみたいに制限解除とはいかないんだろうけど。
>>273 今見てきましたが、小沢さんたちが真司を埋めて
リュウガと合流した後は(見た限りですが)真司を埋めた場所は伝えてなかったと思います。
見落としがあったらすいません……。
GJ!
リュウガと城戸とのフラグの消化により、リュウガのキャラクターにより深みが出てきたと思います。
そして、これでラウズカードがケルベロスを除き、出揃いましたね。
ワイルドカリスが見れるのか、個人的には楽しみです。(今の人間関係だと辛そうですが)
俺も改めて読んだけど、真司を埋めるために寄ったと記載されていたから、少なくともハカランダで真司が死んで、埋葬したということは知っていたということじゃないかな。
明確には示されてないけど。
まあ別に知らなかったとしても事前にも言ってなかったと取れるから細かいことさ。。。
>>152で予約された書き手さん、どこまで仕上がっているのでしょうか?
>>278 乙です。
後に感想をとっておくため一言だけ。渋い……
>>152氏は期限が切れているので、一部自己リレーになりますが、
氷川誠、日下部ひより、南光太郎、シャドームーン、結城丈二、城茂予約します。
今回は自己リレーなしでいけそうだと思っていたんですが……
>>278 乙です。
いい意味で新風ですね。
指摘事項ですが、2つほど矛盾点がありました。
・パーフェクトゼクターの名称を知っているのは時間軸から神代とデータブックを持っているジャーク。
そして、パーフェクトゼクターを城が保有していることを知っているのは乾のみなので、乾が話さない限りは他の3人は知らないはずです。
・同じく水のエルも味方だったことを知っているのは霞のジョーのみなので、ジョー⇒乾or木野⇒他の3人というルートを通らないと、名前は出てこないと思われます。
以上です。
本投下を楽しみにしております。
>>279 シャドームーンの向う先、楽しみにしております。
>>280 ご指摘ありがとうございます。
その辺りを中心に
>>278に修正を入れてみました。
これで問題がなければ日付けが変わった頃に投下したいとおもいますがいかがでしょうか。
>>281 詳しい感想は後にとっておくとして
投下心待ちにしています!!
キャラ紹介、加賀美修正版、斬鬼の二つ
したらばに投下してきました。
いつもの如く追加修正がありましたらお願い致します。
なんか細かいことなんだけど、
「〜〜〜。」みたいに、会話の文の最後に句点つけるのって変じゃない?
地の文ならいいんだけど、会話に。が最後についてると切迫した状況でも変に落ち着いてるように感じるんだが
それでは予定通り、秋山蓮・乾巧・草加雅人・矢車想の4名の繋ぎを投下します。
今回は10レス程度で終わると思います。
何かをこらえるように目を伏せて天井を仰いだ矢車に、草加が冷淡な言葉をかける。
「木野が倒せなかった以上、奴は追って来るかもしれない。すぐに移動する必要があるな」
巧が顔を上げ、こちらを睨む。その手は木野の血で濡れている。汚い、と思う。その感情が顔に出たのか、巧が更に怒りに燃える目で彼を睨み据える。
矢車が立ち上がると、厨房に足を踏み入れて棚を調べ始めた。
「何探してんだ」巧がいぶかしげに訊ねる。
「ウィスキーかブランデーか、何でもいい。強い酒だ」
「飲むのか」
「違う。気付けだ」
矢車はやや声を荒立てたが、すぐに酒瓶を見つけて戻って来た。手早く栓を抜き、蓮の口をこじ開けて少しずつ流し込む。
四口ほど含ませた時、蓮が出し抜けに激しく咽せて身を起こした。喉を鳴らして咳き込みながらその場にうつぶせになり、磨き上げられたリノリウムに唾液を吐く。
「むさ苦しい眠り姫は、お目覚めまで薄汚いと見えるな」草加が皮肉った。
「お前が気絶したら、鼻からテキーラを流し込んでやる。お望み通りにな」蓮が一息に吐き捨てて、再びむせる。
ようやく落ち着いて顔を上げた時、彼の視界に横たわる黒い影が映った。
「木野……?」
問うというより確かめるに近い言葉に、矢車が押し殺した声で答えた。
「デッキは、草加が持っている」
様子を見守っていた巧が草加へと視線を移す。草加が懐に手を入れる時、わずかに渋ったのが解る。巧は彼に歩み寄ると、その手からカードデッキを奪い取って蓮に投げつけた。
「一刻も早く他の人たちと合流する必要がある。歩けるか」
「歩けない、と言ったらおぶってくれるのか?」
表情一つ変えずに訊ねるせいで、蓮の諧謔はなかなかそうとは聞こえない。それが冗談に過ぎないと解ったのは、彼自身が矢車を押しのけて立ち上がったからだった。
「どうした、置いて行くぞ」
言い捨てて店を出て行く蓮を、草加が早足に追う。
矢車は蓮が最後に店内を振り返り、木野に別れを告げる視線を送るのを見逃さなかった。
街に人の姿はなく、ただ所々に灯りだけが宿っている。往き交う車も、動物達の姿もない。昨日まで普通の生活が営まれていた場所から、忽然として命あるものだけが消し去られたかのような、美しく不気味な風景である。
「変なホラー映画みたいだな」
巧がぽつりと言った。
「相手がわかっている分、ホラー映画よりマシだろう」草加がやり返す。
「ヒーローが勝てるかどうかわからない分、ホラー映画よりたちが悪いがな」
そう口にした蓮に向かい、草加は皮肉な視線を向けた。
「お前がヒーローだとは知らなかったよ」
考えてみれば、蓮は当初殺し合いに乗り、それが元で草加に殺されそうになった立場である。この男にだけは言われたくないというものだった。
待ち合わせ場所に指定されたビルに近づいた時、矢車が足を止め、腕を上げて残りのものを遮った。
「なんだよ」
巧がその腕を振り払うより前に、草加が舌打ちする。
「やられたな」
道路に散らばるガラスの破片。模型のようにすまし返った街角にはあまりにも不自然だ。
巧は反射的に空を仰いだ。
ビルの最上階が何かに吹き飛ばされたかのように形を失っている。その無惨なシルエットは、室内からこぼれる光でくっきりと夜空に描き出されていた。
「畜生!」
叫びとともに巧が走り出す。矢車が慌ててそれを追い、蓮は草加と顔を見合わせた。
無感動な蓮に対し、草加はどこか見下すような目をしている。
それでも次の瞬間には、二人もまた駆け出していた。
ゆるやかに上昇してゆくエレベーターの中、巧が苛立ち気味に最上階のボタンを叩き続けている。矢車は青年の代わりに覚悟を決めることしか出来ない。最悪の予想をし、最悪の光景を目の当たりにする覚悟。
エレベーターの扉が開いた瞬間に、冷たい霧が全身に吹き付ける。壊れたスプリンクラーが嫌がらせのように廊下に雨をまき散らし、赤い絨毯の敷かれた廊下は完全に水浸しになっていた。
「城!あきら!明日夢!津上!ジョー!」
叫びながら必死に廊下を走る巧の身体に、機械仕掛けの豪雨は容赦なく打ち付ける。水を含んだマットに足を取られて床に転げた瞬間、彼は感じた。
足下を流れる水に混じった、血の匂いを。
床をなめるように顔を上げると目に映るのは赤い筋。
「嘘だろ……」
侵入者ごと汚れを洗い流そうとでも言うように、ビルはただひたすら彼らの上に雨を降らせ続けている。立ち上がれずにいる巧の脇を抜けて奥の店舗に踏み込んだ矢車は、足を止めて顔を背けた。
深くため息をつくと、血の匂いが鼻を突いて逆に怖気に襲われる。
レストランの入り口を塞ぐ瓦礫の下からは、大人のものというにはわずかに幼い手だけが覗いていた。
もう一台のエレベーターの到着を告げるチャイムが、水音に紛れて白々しく響く。
蓮とともに追いついて来た草加が瓦礫に歩み寄り、それに手をかけた。
「何か持っているかもしれない。貴重な支給品を無駄にするつもりはない」断るつもりか、そう吐き捨てて力任せに瓦礫を押しのける。
乱暴に片腕を残して跡形もなく潰された少年の身体。酸鼻という言葉ではあまりに穏やか過ぎるそれに、巧が喉を鳴らし蓮が顔を背けた。
二人とも異形の怪物とは戦って来ただろうが、生身の人間の無惨な死に様には慣れていないのだろう。むしろシャドウの任務柄、あらゆる手段でワームに殺された人の死体を見慣れている自分のほうがおかしいとも言える。
ゼクトの新入隊員にこれを見せたら、おそらく一人や二人は嘔吐する者が出る。ましてや、顔を見知ったものがこうなったら正気でいられる者は多くあるまい。取り乱さないだけ彼らは強靭だった。
「君たちは休んでいろ。俺がやろう」
矢車は腹を据えて背広を脱ぎ、黙って見ている蓮に預けた。袖をまくりながら辺りを見回した彼の目に、別の瓦礫の上に泊まっているドレイクゼクターが映る。近づくと、ドレイクゼクターは名残惜しむように瓦礫の上を数度旋回してから窓の外へと飛び立って行った。
それだけで、矢車にはゼクターの言わんとすることがはっきりとわかった。
見つかったのは四人分の死体だった。瓦礫の下敷きになった明日夢と津上、なぜか胴をなで切りにされた状態で潰されていたあきら、そして奥で血を吐いて絶命していた霞のジョー。
荷物もすべて持ち去られているーーーーただひとつ、あきらの血まみれの手のなかにあったドレイクグリップを除いては。
「剣を使う者の仕業か。さて、誰が裏切ったのかな」
草加は手近なテーブルから紙ナプキンを取り、しきりに手を拭いている。
「不安を煽るのが君の作戦か。今俺たちが仲間割れをしたら、君にも都合が悪いと思うが」
矢車が冷淡にそう評したのは、むしろ自分の中に溢れる行き場のない怒りを押し殺すためだったのかも知れない。巧と同様無惨な死体など見慣れていないはずなのに、平然と遺留品を漁る態度に嫌悪を感じた。それは同時に、無力だった自分へのいらだちでもある。
時間が必要だ。痛みと悲しみを飲み下すための時間が。
「一旦どこかで休もう。生き残りとどうやって合流するか、落ち着いて策を立てる必要がある」
反論する者はいない。誰もが疲れ切っていた。
彼らは向かいにあったホテルの一室を仮の宿と決めた。ここならば、誰かが集合場所に向かって来ても見逃すことはないはずだ。
無人のフロントから鍵を取り、階段を上る。趣味の良い調度が飾られた廊下はやわらかな灯りに満ち、ロビーに生けられた花も瑞々しい。
通りに面した部屋のドアを開けると、青い画面だけを映したテレビが部屋をぼんやりと照らしていた。
草加が濡れた服を脱ぐのももどかしくバスルームに飛び込む。さすがにこの男も吐きたくなったのかと思ったが、単に手を洗い始めただけだった。
巧は糸が切れたようにベッドに倒れ、身体を丸める。クローゼットからハンガーを取って背広を掛ける矢車をよそに、蓮がミニバーの前にしゃがみ込んだ。
矢車はベルトに通していたトランシーバーを外し、電源が入っているのを確かめてデスクに置いた。コートの裾を踏んだことに気づいて一歩下がった彼に、蓮が手にしたグラスを突き出す。矢車はその手を振り払おうとした。
「こんな時に酒など飲めるか」
「さっき俺に無理矢理飲ませたのはどこのどいつだ」
蓮はやり返し、膝を抱いた格好でベッドに臥せっている巧を見た。「お前もやるか」
「おい、未成年に飲ませるな」
「あとで密告したらどうだ。氷川さんでも小沢さんでも好きなほうに」
目の前のサイドテーブルにグラスを置かれ、巧が首だけをもたげた。ワインの栓を備え付けのソムリエナイフで抜く様子を複雑な表情で見守る矢車に、蓮が小さく嗤う。
「矢車。お前、今ほんとに考えたな」
「……くだらない」
「で?赤か、白か」
「……白をくれ」
蓮は白ワインのハーフボトルとソムリエナイフを投げて寄越すと、二つのグラスに赤ワインを注ぎ、片方を取って一息に飲み干した。矢車があきれたように首を振る。
「なんだ、赤も飲みたかったのか」空のグラスを再びワインで見たしながら、蓮が訊ねる。
「いや……そんな飲み方をする奴は初めて見た。あまり飲みつけていないのか」
「飲まないわけじゃない。紅茶程詳しくはないだけだ」
矢車は瓶のラベルを指で追った。
「……ブルゴーニュの白は好きになれない。泥臭くて料理の味を濁らせる。サヴォアの白はそれ以下だ。舌触りが軽過ぎて何も残らない」
「お前に言わせりゃ不協和音か?」蓮がヤジを飛ばす。
「料理を選ばず一番美しいハーモニーを奏でるのは、ボルドーの白だな」
矢車はそう言いながらも栓を抜きにかかった。
バスルームではずっと水の流れる音がしている。草加はいつまで手を洗っているつもりだろうか。少しばかりいぶかしみながらも、ロックグラスに生暖かい瓶の中身を注ぎ、一口飲み下す。
「で、あんた的にそいつの評価は」いつのまにかベッドにあぐらをかいて自分の分のワインをなめていた巧が、面白くもなさそうに訊ねた。
「これはワインじゃない。酢だ」
ミニバーの脇という温度の高い場所に長い間放置されていたせいだろう。元々酸味の強いシャブリがすっかり酸化して、風味の欠片も残っていない。
「が、まあ……飲んだくれるにはちょうどいい」
ネクタイを緩めながら自重気味に呟いた矢車に、バスルームから出て来た草加が吐き捨てる。
「お前が飲んだくれたら、困るんだよ」
「わかっている。ほんの冗談だ」
草加は厳しい顔のまま大股にミニバーに近づくと、冷えたビールを取り出して栓を抜いた。黙って窓際のソファに腰を下ろし、中身を煽る。
矢車はワインの入ったグラスを目の前にかざし、誰にともなく言った。
「俺の家に、サンテミリオンの上物がある。上司から貰ったものでね」
先日加賀美を部下として預かった時、挨拶ついでに贈られたものだ。
息子にもやろうと思ったんだが、あいつは私からは受け取らないだろう。なにより味が解っていない。いずれ、君から教えてやってほしいんだ。
その青年も、すでにない。
「白か」蓮が訊ねる。
「赤だ。サンテミリオンでは赤しか作らない」
矢車はグラスの中身を一口飲んだ。
「無事に帰れたら、君たちに飲ませてやろう。俺の手料理と一緒にな」
「未成年は飲んじゃダメなんだろ」巧がさして中身の減っていないワイングラスを手にむくれる。
「心配するな。氷川さんと小沢さんも呼ぶ」
「ひでぇよあんた」
「他の皆も呼ぶんだ。あの二人を外すわけにはいかないだろう」
矢車は無理に笑顔を作り、生温いワインを煽った。草加が音を立てて空になった瓶をサイドテーブルに置く。
白ワインの瓶を手に取る蓮を見て、矢車は手に持っていたグラスを差し出した。眉を潜めた蓮をよそに、歳若い青年二人を振り返る。
「君たちは今のうちに少し眠ったらどうだ。この先どうするにしろ、疲れ切っていたのでは話にならない」
巧は少しの間不機嫌な顔でこちらを見ていたが、黙って横になった。と、すぐさま身を起こし、自分の荷物の中から何かを取り出して矢車に投げる。
「これは?」
「あんたのシャツ、汚れてるから」
既に小奇麗とは縁遠い格好をしているのは皆同じだ。違いがあるとすれば、矢車のシャツには瓦礫を掘り返す作業でついた血の跡がなお鮮明に残っていることだろうか。
矢車は首を振り、それを巧に返した。
「まだしまっておいてくれ。本当に必要になったら借りる」
「……遠慮すんなよ」
「ああ」
巧はシャツを丸めて枕にすると、再び横になった。
矢車が改めて草加に向き直る。
「君も寝たほうがいい。心配するな、寝首は掻かない」
草加は何も言わず横になった。
灯りを落とした部屋の中、静寂に混ざる穏やかな寝息が耳に痛い。蓮は備え付けのラジオのスイッチを入れた。
誰が放送しているともわからないラジオは、取り繕うように上品な室内楽を流している。それに耳を傾けていた矢車が、不意に口を開いた。
「俺はグレン・グールドが嫌いだった。彼の演奏にはハーモニーがない。しかも演奏中に鼻歌を歌うと来ている」
「……よくわからん」蓮が呟く。
「一言で言えば、天道総司のような男だ」
矢車が握るグラスには、ワインとは別の琥珀色の液体が揺れていた。
「そのグールドが、嫌っていたシューマンの作品のうち一つだけ、録音を残している。作品番号47ーーーーピアノ四重奏曲だ」
目を閉じて、ラジオから流れて来るたゆたうような旋律に耳を傾ける。
「グールドほど自分勝手な男でも、ハーモニーを受け入れることがある。そして共演者とともにハーモニーを奏でる時、一人ではどうしようもない欠点も互いに補うことが出来る」
人間は一人で強くなれるわけじゃない。俺は加賀美にそう言った。
チームの勝利なくして、本当の勝利はない。
己を信じず、仲間を信じずして勝利が得られるはずがないのだ。その信念を捨てることは、矢車自身の敗北を意味していた。
蓮は何も答えない。唐突な話に呆れているのだろう。矢車は話題を変えた。
「何が好みだ」
「なに?」
「紅茶の話だ。少しは詳しいと言ったじゃないか」
「ああ……最近はニルギリだな」
「いい趣味だ」
矢車は残っていたウィスキーを一息に飲み干した。
「コトー・ド・ラングドックを試してみろ」
「お前が奢ってくれるならな」
「いいだろう」
新しいウィスキーの小瓶を開けて中身をロックグラスに注ぐ。それを持ち上げた時、蓮がブランデー入りのワイングラスを矢車に差し伸べた。
「乾杯だ……木野薫に」
矢車は一瞬驚いたが、すぐに唱和した。
「……天道総司に」
「城戸真司に」
「加賀美新に」
「あきらちゃんに」
「明日夢くんに」
「霞のジョーに」
「津上翔ーに」
「響鬼って男に」
「橘朔也に」
「北岡秀一に」
「園田真理に」
二人がグラスを合わせた時、背後で誰かが呟いた。
「くたばれ、神崎……」
巧が枕にしていたシャツを抱えて寝返りを打つ。
「来いよ、ぶっとばしてやる」
どうやら寝言だったらしい。二人は苦笑とともにグラスを口に運んだ。
飲み終えてグラスを置いた時、蓮は奇妙な音に気づいた。よく聞くと、矢車が僅かに鼻歌でラジオから流れる旋律を追っている。
「お前、酔ったな」蓮は窓際のくずかごを足で引き寄せた。
「そんなことはない」
「実は酒癖悪い、とかは勘弁しろ。付き合いきれん」
空になった瓶を端からくずかごに放り込む彼に、唐突に矢車が訊ねる。
「お前……今、俺を嗤ったか?」
「別に」
矢車は彼のほうを横目で見やったきり、再びグラスの中身を煽った。
草加雅人は彼らの会話を聞きながら、目の前で寝返りを打つ乾巧の後頭部を薄目で睨み据えていた。
使える奴も大分減った。つまり手強い敵も随分いなくなったということだ。
待っていろ、真理。俺は必ずお前の復讐を果たし、お前をこの手に取り戻す。
視界の端で、トランシーバーの赤いダイオードが鈍い光を放っていた。
歌うようにゆるやかに、時は進み、彼らは歩いてゆく。
それは死の行進か、それとも凱旋への道か。
■秋山蓮・乾巧・草加雅人・矢車想 行動開始時刻19:30@D-4
E-4へ移動(1時間弱)→所持品整理(30分程度)→休息で2時間弱消費
ここでの休息時間次第で消費時間と疲労状態は変化します。
正確な休息時間については、次の書き手さんにお任せします。
現在時刻 21:00〜 現在地点:市街地E-4
集合場所だった高層ビルに近いホテルの道路側の一室で休憩しています。
■共通事項
今後の具体的な方針は定まっていません。
室内に置かれたトランシーバーのスイッチが入っています。
手に入れたスピリッツの小瓶は、重傷でない気絶者を起こす・
傷を消毒する・飲んで気分を高める、等の使い方ができます。
【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:34話龍騎サバイブ戦闘前後。
[状態]:中度の負傷。
ほろ酔い(一時間程度で元に戻ります。戦闘能力に影響はありません)
[装備]:なし。
[道具]:配給品一式。 カードデッキ(ナイト)。サバイブ(疾風)
コニャックの小瓶2本 ソムリエナイフ
[思考・状況]
1:戦いのために犠牲は問わない、その覚悟だったはずだ……。
2:神代を逃がしはしない。
3:リュウガに話がある。
4:矢車の様子がおかしい気がする。酔っているだけならいいが。
5:互いに信用できないとはいえ、仲間の存在に奇妙な脱力感と安心感。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:34話龍騎サバイブ戦闘前後。
[状態]:中度の負傷。
ほろ酔い(一時間程度で元に戻ります。戦闘能力に影響はありません)
[装備]:なし。
[道具]:配給品一式。 カードデッキ(ナイト)。サバイブ(疾風)
コニャックの小瓶2本 ソムリエナイフ
[思考・状況]
1:戦いのために犠牲は問わない、その覚悟だったはずだ……。
2:神代を逃がしはしない。
3:リュウガに話がある。
4:矢車の様子がおかしい気がする。酔っているだけならいいが。
5:互いに信用できないとはいえ、仲間の存在に奇妙な脱力感と安心感。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【乾巧@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:中盤くらい
[状態]:全身に中度の負傷。応急処置済み。
ほろ酔い(30分程度で元に戻ります。戦闘能力に影響はありません)
睡眠中(慣れない酒に酔っているので寝起きが悪いかもしれません)
[装備]:ファイズドライバー(ファイズポインター、ファイズショット、ファイズアクセル)
[道具]:ミネラルウォーター×2(一本は半分消費) カレーの缶詰 乾パンの缶詰
アイロンを掛けた白いシャツ(抱き枕にされたせいで少し皺になりました)
リキュールの小瓶2本
[思考・状況]
1:自分にも主催者にも言いようのない怒り。神崎は絶対ぶっ飛ばす。
2:浅倉とドラスを倒す。
3:さっさと生き残りと合流したい。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【草加雅人@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:ファイズ終盤。
[状態]:背中に切り傷。全身に強度の打撲。参加者全員への強い憎悪。ドラスに特に強い憎悪。
仮眠中(眠りは浅いため、起こされればすぐ行動できます)
[装備]:カイザドライバー(カイザブレイガン、カイザポインター)。
[道具]:救急箱。精密ドライバー。バタル弾。配給品一式×5(北岡、木野、キング、睦月、草加)
ディスカリバー。 GA-04・アンタレス。ウォッカの小瓶2本
[思考・状況]
1:このメンバーを利用して、ドラス、冴子に復讐。
2:ゲームの参加者の皆殺し。
3:馬鹿を騙し、手駒にする。そろそろ役立たずは切り捨てることも視野に。
4:デルタドライバーを手に入れたい。
[備考]
※バタル弾は改造人間のみに効果あります。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【矢車想@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:8話 ザビー資格者
[状態]:疲労と悲しみと絶望と。
酩酊中(精神の高揚と引き換えに若干戦闘能力が下がっています。1時間程度で元に戻ります)
[装備]:ライダーブレス(ザビーゼクター破壊)
[道具]:ホッパーゼクター&ホッパー用ZECTバックル。ゼクトマイザー。3人分のデイバック(佐伯、純子、矢車)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能。電源が入っています)。
スコッチの小瓶2本
ドレイクグリップ(現在、資格者は存在しません)
[思考・状況]
1:仲間が刻々と減ってゆく現実に焦燥。
2:パーフェクトハーモニー実現に執念。
3:戦闘力の確保。
4:リュウガに僅かに不信感。
5:仲間の死に冷淡な草加に不快感。
[備考]
※1:クライシスと神崎士郎が利害の一致で手を組んでいる可能性が高いと考えています。
※2:ゼクトマイザーは制限により弾数に限りがあります。現在、弾切れです。
[大集団全員の共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
以上です。
改行多過ぎる本文長過ぎると叱られたのでわたわたしてたら
蓮のステータスを二重投稿してしまいました。すみません。
>>278も今回投稿した文に修正済みです。
問題点が残っていましたらご指摘ください。
>>283 かぎかっこと句点については、
全体で統一されていればどれが正しい、どれがおかしいと言うことはないようです。
実際に、学校で句点をつけるよう教えられた世代と
つけないよう教えられた世代があるようですよ。
どちらを選ぶかは書き手さんに任せればよいのでは。
表現の問題や語法の間違いまで突っ込んで行ったらきりがありませんし。
ところで……このスレ的には夏のギャグ回ってアリですか?
GJ!
男だけの酒盛りって渋くて素敵です。そのワインと音楽の知識も豊富で羨ましい。
死人を思っての乾杯しかけるときの、巧の寝言が演出的によかったです。
夏のギャグ界は歓迎ですが、できそうなグループは……奴ら?
>>283 基本、「〜〜」か、「〜〜。」のどちらかに統一していれば問題ないはずです。
書き手しだいでしょう。
奴ら、だな。
GJです!!矢車隊長モードにあのセリフを言わせるとは…
夏のギャグ会…だんだん深刻になっていくロワでそういう話が出るのは面白いしある意味貴重だと思います!
s.0z/S/80k氏 AppnCvvfGU氏 GJです!!
矢車さんにヘンなフラグがww誰を弟にするつもりなのかww
このメンバーだとたっくんが迫力負けするわなあ…
27歳の矢車隊長はともかく草加と蓮って若くてガード固そうなのに
悪いことは一通り知ってそうな雰囲気あるよね。
夏のギャグ話面白そうですね!!ゼヒ読みたい!!
夏のギャグ話
とりあえずそういうのは死亡者側のスレのほうでやってくれ
あっちがわ向けだし
GJ!矢車さんはどうなるんだww気になるww
本当渋くていい、乾杯の流れがとても好きだ
>>308 ロワであえてやるってのがいいと思うが…
ロワはロワでも仮面ライダーロワ、お馴染みの夏のギャグ回をやるのは面白そうだ
できそうな「奴ら」が現時点でいるわけだしな
俺は夏のギャグ回見てみたいw
死者スレは基本ギャグとはいえ、本編に影響出すほどじゃないと思うし。
けどあんまりギャグ要因いないじゃん…
昭和キャラはキャラ壊しすぎると文句出てきそうだし
小沢さん+怪人のはいつもの事だし
ドラスとキングくらいしかいなくない?
序盤の太陽の子が帰ってくるのか?wktk
やっとシリアス突入しそうなのに…<太陽の子
太陽の子はTJ氏が予約されてるからそれはないとおもうぞ。
夏のギャグ回も楽しみだが、影月戦もwktkして待ってます!
やはりギャグ回は賛否両論ありますね。
自分ではギャグ回のくせに結構重要なフラグを立てるつもりでいるので
今の段階で歓迎してくださっている方でも実際ご覧になったら
これはどうよ、と考える可能性も十分あると思います。
でもやっぱりネタの披露はしてみたいので、今まで通り本投稿前に一度目を通していただいて、
さすがにやりすぎ、と思ったら没ネタ(番外編)扱い、ということではどうでしょう。
採用さえしなければ、本編への影響は出ないわけですし。
>>308 生存組がバトロワエリア内でやることに意義があるので、死者スレは全くの畑違いですね。
向いているのはあえて言えば没ネタ投稿スレのほうでしょうか。
そんなわけで、おおかたサトラレ済みとは思いますが一部自己リレーで
Gトレーラー組(ジャーク将軍・ジェネラルシャドウ・ガライ・影山冴子・上城睦月・小沢澄子)と
神崎士郎・スマートレディを予約します。
>>307 矢車さんは知識としては悪いことにも詳しい(隊長時代は手は出してない)
蓮は過去形で結構悪いことにも手を出した経験がある、
草加は現在進行形で必要だと思ったら悪いことには平気で手を染める
個人的にはそんなイメージがありますね。
悪い大人3人に囲まれて、今回は巧がちょっと幼過ぎましたが
ハードボイルド風を狙ったので皆さんに渋いと言っていただけたのは嬉しいです。
あんまり濃いギャグはあれな気もするが、Gトレーラー組なら許せる気もするwww
>>315 楽しみにさせてもらいます!!どうぞがんばってください。
蓮は恵理がいるし結局城戸にほだされてたから
悪ぶってみた所でたかが知れてる気がするなあww
草加はちょっとしたチンピラ程度なら手玉にとりそうだし
引き際も心得てそうだ。キャラ紹介にもあったがホントに性質が悪いww
そういえば蓮って四輪の免許持ってんだよな。
>>318 ジェノサイダー登場辺りで運転してたな
巧も蓮も教習所ではイヤな教官が相手でもキレずに頑張ったんだろうな
>>319 イヤな教官に最初は我慢するも途中でキレて
教官に向かってバイクで突っ走り直前でジャックナイフで止まって
「ジャックナイフは何点減点よ?」
とガンくれる蓮
4輪運転してたキャラって
アギト:氷川、小沢
龍騎:城戸、蓮、北岡、浅倉、佐野
555:草加
響鬼:ヒビキ
くらいだっけ?
先生! ライドロンは四輪に入りますか?
龍騎はガイも運転してたでしょ。
ガイ出とらんがな
ガイは出てたらいいステルスマーダーになりそうだな。
RXに瞬殺されそうだがwww
まあRXにも制限かかってるしガイは防御力が高いから瞬殺は無いだろ。
制限が取れた場合は………言うまでも無いな。
橘さんなみに銃扱えたマーダーなら首輪に一発当てて終わらせてたかな
橘さんはスコープのカード使わずにあの命中率だからな
せっかく1話で「カテゴリー8か、面白い」とかもったいつけて封印したのに
まとめサイト更新しました。
次のSSが投下されれば、このロワも100作目ですね。
>>329 乙です!
RXは時間軸上リボルケインの存在は知らないんですよね?
だがガタックゼクターとの戦いの時に使ってた
知らなかったけど、ガタックゼクターをホームランするために使ってる。
あ、ホントにやってた。
これを期に一通り読み返してみるか。
よりにもよってアレというのがRXの迷走ぶりを表しとるw
>>329 いつも乙です
小沢澄子と愉快な仲魔たち、もといGトレ組の中間報告です
アバンとAパートは完成、BパートとSHTがそれぞれ半分、合わせて7割程度の進行具合です。
期限までには少なくとも仮アップできると思います。
進行報告。
後推敲を残すのみですので、今日中には投下できます。
連絡が遅れて申し訳ありません。
先生!ヒビキさんは数に入れないほうがいいと思います!
更新するの忘れてたあああああああああああ○| ̄|_
RXがゲル化すると首輪が外れてしまう件。
だから一話からの参戦なのかな。
仮にロボやバイオに変身できたとしても制限がかかるだろう。
ま、これから次第だな。
正直な話し、今までの首輪に関する描写からすると、ゲル化したらあっさり外れそう。
ドラスなんか、わざわざ核に巻いているぐらいだから。
現実的にはゲル化しても外れないじゃなくて、ゲル化できないってした方が打倒だな。
もちろんゲル化して外したっていうのも、場合によっては(終盤とか)ありだと思う。
ところで、龍騎勢はミラーワールドには入れるんだよな?
窮地に陥ったとき咄嗟に・・・・・・とか。
>>344 入れないつもりで書いていたので、今更ミラーワールドに入られても結構矛盾が……
ミラーモンスターはありで、龍騎ライダー勢はなしでいいのでは?
それでは、投下します。
今回タイトルは某神MADに影響を受けました。
閑散としたコンクリートの壁。地図でF5エリアと呼ばれる土地の北西に位置する雑居ビルにて、シャドームーンは宿敵を待ち続けている。
ビル内に荷物はない。もともと誰も使っていたわけではないのだろう。
血の跡が、隣に放置されている結城に続いている。怪我人である彼を連れ回した結果だ。
シャドームーンは柱に背中を預け、両腕を組んでいる。
月光を銀のボディに反射させ、金属特有の光を発する。その姿は第三者から見れば、幻想的だと感想が返ってきそうだ。
事実、彼を見つめる結城はそう感じている。だが、シャドームーンは意に介さない。
彼の興味は宿敵、南光太郎とサタンサーベルのみに向いている。ただ静かに緑の瞳を雑居ビルの入り口に向けていた。
「……言ったはずだ。南は来ないと」
結城が喋るが、無視をする。伝言が伝わったなら、時間がかかっても必ずここに来る。
南光太郎を知るシャドームーンの結論だ。
だからただ、身体に夜風を感じ、ざわめく風の音を聞き、ひたすら待つ。
記憶の無いシャドームーンが拘れるのは、最早南光太郎との決着と、サタンサーベルだけだからだ。
そのうち一つが待つだけでこちらに来る。シャドームーンは、たとえ身体に赤錆が浮くほどの時間が経とうとも、その場で待ち続けるつもりだった。
「シャドームーン、そうして待ち続けて、たとえ南が来たとしても戦って何になる?
南を倒して記憶が戻るわけではない。お前としてのより所が蘇るわけではないんだぞ!?」
「だが、区切りはつく。新たな自分のより所を得るためのな……」
待つのにもさすがに飽きたのか、シャドームーンが答える。
放送で死者の列に並んだ天道とか言う男の言葉を思い出す。『何のために戦うか』その言葉を頭の中で反芻させ、答えを構築させていった。
南光太郎との戦いは己の中にある欲求にしたがっているにすぎない。理由も判らず、彼との決着に拘る。
失った記憶が関係しているのだろうが、思い出せない『今の自分』には関係ない。
今の自分が望む南光太郎との決着の理由。それは自分が一歩も前に進めないからだ。
記憶のあるなしに関わらず、彼との戦いは胸が熱くなり、決着の先にあるものがつかめそうな気がするのだ。
あの時のように身体が熱くなるなら、決着の理由としては充分だ。ゆえに、ここにつれてこられてから決着を望み続けていた。
誰かの足音が聞こえ、入り口に視線を向ける。マイティアイを使い、南光太郎ではないことに落胆する。
「結城!!」
入ってきた男は結城丈二の知り合いらしい。シャドームーンは目の前の男と対峙した。
□
時間は少し遡る。
城茂は失意を抱えながら歩道を歩き、皆を殺した謎の怪人を探していた。そこで、血痕を見つける。
「もしかしてこいつが……」
自分の仲間を殺したのではないのか。茂ははやる気持ちのまま駆け出す。血の跡を追い、公園につくと、墓らしき場所を発見した。
顔を顰め、両手を合わせて供養をする。斧と盾が置かれていたが、おそらく誰かのために戦った感謝として墓を作ってもらったのだろう。
数秒して踵を返し、再び血の跡を辿る。雑居ビルまで続いており、入り口まで一気に駆ける。
ビル内に静かに佇む、銀色のライダーの傍には、自分のよく知る男がいた。
「結城!!」
「城……近くにいたのか……」
結城の言葉に反応するかのように銀のライダーが立ち上がる。
茂は構えて様子を探る。付け込む隙が無い。しかし、銀のライダーはどこか戦いを戸惑う様子を見せた。
「……おい、結城を離せ」
「南光太郎が来れば、離してやる。それまでは駄目だ」
「そうかい。なら、無理矢理奪い取る!」
茂は黒いグローブを脱ぎ捨て、コイルの巻かれた両手をぶつけて火花を散らす。
暗い室内が一瞬だけ光に照らされ、すぐに闇が戻る。歯を剥き出しにして茂はシャドームーンを睨みつけた。
「待て、城。ここは退いて、俺たちの後輩の力になってくれ。
俺なら大丈夫。このシャドームーンを説得し、駆けつけるから」
「……駄目だ、結城。俺は風見さんを一人にして、結果死なれてしまった。
もう二度と、あんな事を繰り返すわけにはいかない。
おい、お前に一つ尋ねたいことがある」
「何だ?」
「今から一時間くらい前、あの一番高いビルへ来たか?」
「いいや、俺はここで南光太郎を待ち続けていた」
「城、シャドームーンの言うことは本当だ。ずっと俺とここにいた」
「……そうか」
落胆しながらも、茂は正義の炎を燃やして両腕をそろえて右方向へと突き出す。
その瞳はシャドームーンを睨んでいた。だが、敵の視線は自分に注がれていない。
「来たか! 南光太郎!!」
「ああ、また会えたな。信彦……いや、シャドームーン!!」
声に気づいて茂は振り返る。そこには、茂自身は知らないが、未来の彼の後輩となる、十一番目の仮面ライダーがいた。
光太郎は自分に振り返る男を通り越し、向かいに佇むシャドームーンを見つめ続けた。
かつて、自分と共にゴルゴムへ連れさらわれ、改造を受け自分の敵となった親友。
そして世界の命運をかけ、死闘を繰り広げた宿敵。
そのシャドームーンが、自分の敵として再び立ちふさがった。
だが、光太郎の心は燃えている。シャドームーンはゴルゴム時代の記憶を失っているらしい。
なら、信彦の記憶を呼び戻すことは無理でも、仮面ライダーとして目覚めさせることはできるはずだ。
事実、シャドームーンに守られていた時期がある二人が傍にいる。
光太郎は一歩踏み出す。
「南……」
「大丈夫です、ひよりさん。俺がシャドームーンと戦いますが、殺しません。
氷川さん、ひよりさんを頼みます」
頷く氷川を確認し、更に歩き出す。
そう、もう二度と殺さないと、光太郎は決意を固めていた。
こちらを見つめる茂と目を合わせる。彼はここを退けといっているように見えた。
茂に対して、光太郎は微笑み、前へ出る。
「あなたがストロンガー……城さんですね。結城さんから話は聞いてます」
「だったら、ここは結城を連れて退け。奴は俺が……」
「駄目です。奴との決着は、俺の宿命なんです。
あいつの親友として、仮面ライダーとして、決して退くわけにはいきません」
「……僕からもお願いします。南さんをシャドームーンとの決着をつけさせてあげてください」
氷川が光太郎の後ろで頭を下げる。その真摯な瞳の援護を受け、茂が沈黙している。
そのまま彼は無言で右拳を繰り出した。光太郎は腹を狙ったその一撃を、左手で受け止める。
電気がバチッと火花を散らし、皮が焼ける匂いが漂う。
だが、光太郎の視線は揺らがない。射抜くような厳しい視線をただ黙って受け止めた。
「……俺はここに来て、何人もの仲間を失った。お前まで死ぬんじゃないぞ」
「俺は死にません。信彦も、結城さんも、氷川さんも、ひよりさんも、誰も殺させはしない。
俺は闇を切り裂いて、光をもたらす……」
更に前へ出て、シャドームーンと対峙する。ここに、太陽と月の名を持つ世紀王が揃った。
「仮面ライダーですから!」
声が虚空の闇へと消えたが、熱い思いはその場にいる全員の心を灯した。
「シャドームーン、結城さんを放してくれ」
「貴様が来たならもう用は無い。好きにしろ」
シャドームーンが結城を放り投げる。
怪我人である彼を茂が受け止め、光太郎はホッとしながら構えた。
「無事か? 結城」
「ああ、だがシャドームーン……お前は本当にそれでいいのか?」
「もとより南光太郎、RXと決着をつけるのが俺の本望!」
光太郎は顔を歪ませ、シャドームーンを見つめた。
何もかも失い、ゴルゴムを倒し、今また友と死闘を繰り広げなければならない。
だが、その痛みも友を仮面ライダーにするための痛みだと思えば苦にならない。
「変ッ! 身ッ!!」
右腕をまっすぐの天に伸ばし、月と重ならせる。
ありったけの光を体内に収めるように振り下ろし、続けて横一文字に走らせる。
そのまま右手を腰溜めに構えた後、左手を逆横一文字に走らせ、肘を曲げて構える。
光太郎の瞳に火花が散り、顕在したベルトが光のエネルギーを取り込む。
黒いボディに変化したRXは膝を抱えて跳び、敵を正面から睨みつける。
二本の触覚が風を受けて揺れ、大きな丸い複眼は正義に満ちている。
「俺は太陽の子! 仮面ライダーBLACK! RX!!」
悪夢を振り払うように、腕を振り回しながらRXは宣言する。
彼が仮面ライダーであることは、現在、過去、未来全てが証明していた。
カチャリという特徴的な足音をたてながら、シャドームーンは右に移動する。
それに合わせるように、RXも速度を同じく移動を開始する。
さすがに隙は少ない。だが、諦めずさぐり続ける。
「いくぞ! RX!!」
「来いッ! シャドームーン!!」
その声を合図に、シャドームーンは突撃を開始する。
突撃の勢いそのままに右拳を振うが、RXは腰を捻って紙一重で避けている。
だが、その動きはシャドームーンの想定内だ。肘を曲げ、エルボートリガーを至近距離で放つ。
「くっ!」
だが、RXは右肘を受け止め、エルボートリガーは僅かに頬を掠っただけだった。
(さすがはRX! そうでなくてはなッ!)
シャドームーンは猛る心のままにRXの顔面を鷲掴みにする。
「ムゥン!!」
低い声を放ち、壁へ投げ飛ばす。叩きつけられ、呻くRXを静かに見つめ、脇腹に痛みを感じ僅かに膝を折る。
投げ飛ばす瞬間、RXは渾身の力を込めて脇腹を蹴ったのだ。
境地においても活路を見出す自らの最大の敵を前に、シャドームーンのテンションは天井知らずに上がっていく。
両拳をつき合せ、二振りの剣を召還した。長短のシャドーセイバーを手に、立ち上がったRXを睨み続ける。
(つ、強い……)
RXは瓦礫を跳ね除け、立ち上がる。目の前でサタンサーベルとは違う剣を召還したシャドームーンを前に気圧される。
RXとなって戦闘経験が少ないこともあるが、止めるために戦うため、今一歩踏み込めずにいた。
それは、BLACK時代、信彦をとり戻そうと戦っていた日々を思い出す。
殺せず迷いが混じった攻撃をするBLACKに対し、シャドームーンは容赦なく攻撃をしてきた。
今また、記憶が無いという事実に縋り、あの時と同じ事を繰り返しているようにも思う。
それでも、無二の親友が仮面ライダーになるというチャンスを捨てきれない。
RXはたとえ甘いといわれても、シャドームーンを救えるこのチャンスを逃す気は無かった。
ベルトに右手を持っていき、RXも自らの剣を召還する。
「リボルケイン!!」
ベルトのエナジーリアクターから光が剣の形に象られ、右手に収まる。
そのまま引き抜き、刃に光を纏った剣を構える。
再び膠着する戦場。シャドームーンも自分の隙を探っているのだろう。
辺りは完全に闇に包まれ、静寂が支配する。
お互いに相手の動きを予測する。
風が吹き、空き缶が転がって音を立てると同時に、二人は激突を再開した。
シャドームーンの右手が振られ、長剣が迫る。それをRXはリボルケインで弾き、手刀で敵の短剣が握られている左手の動きを止める。
ボディががら空きと判断して、更に深くもぐりこむ。だが、シャドームーンは信じられない速度で回転し、剣を横一文字に振るった。
その一撃をリボルケインで受け止め、バックステップで間合いをあけようとする。
しかし、シャドームーンの手から光線が放たれ、RXの身体が爆ぜる。
「グゥ……」
「どうした、もう終わりか? RX」
「ま……まだだ! 俺は負けるわけにはいかない!」
「それでこそ俺の好敵手!」
吠えるシャドームーンの刃を受け止め、膝蹴りを腹に叩き込む。
空気を吐き出しながらもシャドームーンは剣を離し、裏拳が右頬に叩き込まれた。
長剣を蹴飛ばし、短剣はリボルケインで弾く。だが、シャドームーンはリボルケインの柄尻を蹴り、宙に回せる。
地面にシャドーセイバーの短剣とリボルケインが突き刺ささる。
RXは怯まずに顎にアッパーを打ち込む。後退する敵にたたみかけようと地面を蹴って進む。
しかし、早くもシャドームーンは体勢を立て直しており、拳のラッシュを打ち込んでくる。それを両腕でガードし、耐える。
RXは重い衝撃を受け止めきり、反撃に転じる。
同時に、シャドームーンも動いている。
「RXパンチッ!」
「シャドーパンチッ!」
二人の右拳がぶつかり、衝撃が走る。
反動で離れるが、それも一瞬。すぐに距離はつまり、嵐のような攻防が繰り広げられる。
RXの手刀が捌かれ、返す刀でシャドームーンの拳が迫る。
顔を横に逸らし辛うじて避け、右脚でシャドームーンの左脇腹を狙う。
しかし、疾風のような速さを持って繰り出したにもかかわらず、シャドームーンは左腕で受け止めていた。
微動だにしないシャドームーンは月の光を反射するエルボートリガーを振り、RXの胸を逆袈裟に切り裂いていく。
胸の傷は熱を持ち、痛みにRXの仮面の下で表情を歪めるが、それでも攻撃の勢いを緩めない。
RXは続くシャドームーンの左の拳を受け止め、渾身の力を込めて左ストレートをぶち当てる。
後退する隙を見逃さず、宙に舞い、両膝を抱える。
「RXキック!!」
両足を揃えて伸ばし、必殺の一撃を放つ。だが、シャドームーンは冷静に右腕をこちらに向ける。
シャドービームが身体を焼くが、RXも怯まない。
この程度の痛みは覚悟済み。砲弾のような勢いの蹴りはシャドームーンの胸板を砕く。
「グゥゥゥ!!」
シャドームーンが呻きながら、金属がハンマーにぶつかったような轟音をたてて吹き飛び、壁を砕く。
だが、即座に立ち上がり、両拳をベルトの両脇に構えている。
その技にRXは見覚えがある。即座に自分も同じ構えをとった。
「キングストーン……」
「シャドー……」
「「フラッシュ!!」」
二つの声が重なるとき、誰も止められないエネルギーがほとばしる。
太陽と月の世紀王の定めを破壊せんと、RXはエネルギーを吐き出す。
しかし、RXに対する執着心しか残らないシャドームーンも、己の全てをかけてエネルギーを放っている。
二人の全てをかけた力は、閃光に変わり十数秒拮抗し、やがて爆発のエネルギーへと変わった。
粉塵が建物に舞い、RXは壁に勢いよく叩きつけられる。痺れる身体に活を入れると、粉塵を切り裂いて紅い刀身がRXの首に突きつけられた。
「俺の勝ちだ。RX」
冷酷な声にRXの背筋が凍る。
二人の戦いは互角だった。だが、止めるために戦うRXはシャドームーンに気迫で僅かに劣ってしまった。
「静かに眠れ。俺の最大の敵よ……」
シャドームーンの剣がRXの咽を貫くために振るわれた。
(これまでか!? すまない、城さん、結城さん、天道さん)
覚悟を決め、最期の時を待つ。しかし、その結末は緑の疾風によって邪魔される。
「ひよりさん!!」
氷川の悲痛な叫びが耳に入る。
粉塵が晴れ、視界が取り戻されたとき、RXを庇うようにひよりの脇腹がシャドーセイバーに貫かれていた。
「シャドームーン…………駄目だよ……こんなことを……続けちゃ……。
お願い……だから仮面ライダーに……」
最後までその言葉が告げられることは無く、目の前の少女は倒れる。
シャドームーンは目の前の少女を知っていた。彼女は結城に利用されていたとはいえ、一時期共にしていた娘だ。
その娘が腹を貫かれ、血を流している。そして、それを行ったのは自分だ。
もっとも、戦いに割り込んだ目の前の少女が悪いとも思うが、嫌な気分も浮かんでくる。
(何だ……! この感情は……?)
「ひよりさん! しっかりしてください!!」
「揺らすんじゃない! 氷川くん!」
結城が厳しく声を張り上げる。その様子にしばらく見とれていたが、思い出したようにRXへとシャドーセイバーを掲げる。
「……まだやる気か!?」
城と名乗った男が怒りのまま黄金の剣を構えた。だが、RXがそれを制止している。
「……僅かでも信彦の記憶が蘇ると期待していた。
だが、今は違う! シャドームーン、許さんッ!!」
高速で迫るRXの肩を突きで迎撃する。右肩を貫くが、RXは更に深く突き刺さるのも構わず前へ走る。
剣を引き抜こうとするが、筋肉が収束して抜けない。身動きの取れないシャドームーンをRXがアッパーカットを繰り出す。
脳が揺さぶられ、後退する。肩から剣が音をたてて落ち、傷から血が吹き出るがRXの猛攻は止まらない。
「RXパンチッ!」
ストレートを受け止めるが、先ほどとは重さが段違いだ。銀の装甲にひび入る。その腕でRXの傷口を殴る。
カブトがとった戦法を真似したのだ。だが、RXは僅かに呻いた後、右回し蹴りを放った。
身体に重い衝撃が駆け巡り、宙に浮く。懐にもぐりこまれたままではシャドービームを放てない。
距離をとるため、蹴りの勢いを利用して後ろに跳ぶ。
「逃がさんッ!」
だが追撃を開始するRXと距離がとれず、仕方なくラッシュをかける。RXにその全てを捌かれ、胸板に蹴りを叩き込まれる。
(先ほどとは違って重い……。怒りか。そういえば、あの時バトルホッパーを殺したときも……。
何だ、バトルホッパーとは? 何か思い出せそうな……)
しかし、シャドームーンに思い出す暇などは無い。怒りを込められたRXの左拳を受け止め、腹を蹴って飛び退く。
数メートル間合いが開き、二人はそれぞれ蹴りの体制をとる。
勢いよく跳ぶRXに合わせてシャドームーンも無音で跳ぶ。
「RXキック!」
「シャドーキック!」
二人の両脚が宵闇の空間でぶつかり、爆ぜる。
「「ぬぅぅおぉぉぉぉぉぉ!!」」
二人の雄叫びは閃光に身体を包ませながら、響いていた。
再び破壊音がコンクリートの壁を破壊して轟く。
「南さん!」
その声に彼は目を覚ました。右手側にある己の剣を掴み、瓦礫を跳ね除け立ち上がる。
見つけた敵の首をめがけて剣先を突きつける。
星の煌く夜天の下、倒れたままの影と、勝利を決めた影が対照的に存在する。
ただ無言で数秒時が流れ、空気が震えた。
「今度は俺の勝ちだ。シャドームーン」
「……どうやらそのようだな」
大の字になり、一歩も動かないシャドームーン。
右手にリボルケインを掴み、先ほどとは逆の立場となったRX。
世紀王の戦いに、今また決着がつこうとしていた。
「どうした? 殺さないのか?」
「…………くっ!」
「殺さなければ、俺はお前と戦うのを辞めないし、邪魔するものは殺す」
「分かっているさ」
「やめろ! 南!!」
結城の制止の声を振り切り、RXは親友を殺す覚悟を決めた。
シャドームーンはひよりを傷つけた。それを許すのは、彼自身の正義が許せなかった。
二度も友を殺さねばならない事実に、RXの心が悲鳴をあげている。
その痛みを無視して、リボルケンを持つ手に力を込めた。
だが、二人の間に割って入る影があった。
「!? ひよりさん!?」
「…………駄目だ、南。シャドームーンは悪くない。
悪いのは危険なのを分かって入っていった僕なんだ。だから、シャドームーンを殺さないでくれ」
「ひよりさん……」
彼女の言葉にささくれていたRXの心が癒される。自分を傷つけた相手を救って欲しいと心から願っているのだ。
自分の親友であった男は、まだ誰かに必要とされている。なら、RXがすることは決まっている。
RXの身体からエネルギーが抜けていき、南光太郎の姿へと戻った。
「…………殺さないのか」
「シャドームーン、何度でも俺のところに来い。
今は結城さんとひよりさんを治療しないといけないから離れるが、必ずお前を仮面ライダーに……信彦に戻してみせる」
ふらりと力が抜けたひよりを片手で支え、仲間の元へと向かう。
駆け寄ってくる氷川を確認して、光太郎は後ろを振り向いた。
シャドームーンはひよりを見たあと、視線を月へと移している。
脱力しきっている彼は何を思っているのか、光太郎は気になったがその場を離れていく。
シャドームーンを仮面ライダーにできる、たしかな手ごたえを感じながら。
□
「彼女の傷はたいしたことは無かった。傷も残らないだろう」
「よかった……」
「シャドームーンが直前で剣を逸らしたんだ。おかげで僕の傷も酷くない」
ひよりの言葉に結城が微笑む。想定していた事態より、二番目にいい結果に満足しているのだ。
一番よかったのはシャドームーンが仮面ライダーとなること。だが、今がそのときでないなら、何度でも機会を持てばいい。
結城はそう考え、城に向き直る。お互いに少し笑みを浮かべて、情報を交換始めることにした。
「……そうか、浅倉という男が風見さんを殺したのか」
「すまん、俺が殺したようなものだ」
「……風見さんなら、お前を攻めはしないさ。それに、仮面ライダーとして戦うこと決意し直したんだろ?」
「……まあな。あの時、シャドウに会わなかったら危なかったぜ」
茂の言葉を少し意外に思う。結城の知る茂のジェネラルシャドウに対する認識はもっと厳しいものであった。
だが、今の彼はどこか敵に感謝の気持ちを持っているのが伺える。その声色には奇妙な友情さえ感じられた。
ふと周りを見渡すと、氷川とひより、そして光太郎が苦い顔をしている。
「どうしたんだ?」
「……ジャーク将軍とそのジェネラルシャドウが組んで、天道さんが死んでしまったんです。
そして、小沢さんとリュウガさんが連れさらわれてしまって……」
その声に場が沈黙に支配された。そして、茂が立ち上がる。
「……なら俺がシャドウたちを探す。奴との決着は明日だが、これ以上犠牲者を増やすわけにはいかないしな」
「一人でですか? 危険すぎます」
氷川が制止の声を告げると、茂は不敵な笑みを浮かべた。
「大丈夫だ。仮面ライダーを舐めるなよ、後輩。結城、頼みがある」
「何だ?」
「このデイバックに俺の仲間の荷物……形見がある。これを乾という男に渡してくれ。
俺たちの後輩、仮面ライダーファイズにな」
「形見……?」
結城は茂の瞳に深い悲しみを認め、理由を聞き出すべきか迷う。
だが、茂は脱力したような悲しい笑みを浮かべ、続きを告げる。
「俺には四人の仲間がいた。霞のジョー、安達明日夢、天美あきら、津上翔一……。
こいつらは死んでしまった。だから、俺は仇を討ちにいかないといけない。もし、シャドウたちが殺した可能性があるなら、俺は……」
「津上さんがッ!?」
「……お前、津上の知り合いか。すまん、俺が油断していた」
「そんな……」
氷川が絶望に崩れる。天道の死と同じくらい、絶望している様子を見せた。だが、その目が死んでいないことに、結城は気づいた。
彼は自分の助けを必要とせず、立ち直れる。その真実に少しだけホッとした。
そして、結城は並ぶ霞のジョーという名に、目を伏せる。
彼は今ここにいる未来の光太郎の弟分。悲しんでやるのは、その事実を知る自分だけでいい。
「なあ、お前。少しその剣を僕に貸してくれ」
突然ひよりが頼む。
断る理由も無いのだろう、茂はあっさりとパーフェクトゼクターを渡した。
瞬間、閃光が彼女とパーフェクトゼクターから一瞬だけ発せられた。
「ひよりさん?」
「大丈夫だ、氷川。でもこれで分かった。その怪人が殺されたって、何で思ったんだ?
もしかして、明日夢という少年に言われたんじゃないか?」
「何で分かったんだ?」
茂が驚いたように目を見開き、尋ねる。
結城自身も同意見だ。後輩の反応を見るに、ひよりの言葉は真実なのだろう。
彼女は少し目を伏せ、告げるべきかどうか迷っているように見えた。
だが、その口から驚くべき真実が告げられる。
「僕には、機械の言葉が分かる。そして、その少年は嘘をついている。
だって、彼らを殺したのは…………」
最悪の結末が結城の頭に浮かぶ。その言葉を聞いて茂は正気を保てるだろうか、心配になった。
だが、彼はただ先を促すだけである。何を考えているかは読み取れない。
「その、明日夢という少年だから。お前を騙すために嘘をついただけだから……」
衝撃の真実に、氷川と光太郎が驚愕の表情を浮かべる。
一方、当事者である茂はやはりと、真実を認めた。
そして、茂は顔を月へと向ける。
「俺は救ってやれなかったんだな。あの、怖がっている少年の心を……」
そして、天に向かって吠える。茂のその姿は、泣いているように結城には見えた。
悔恨の叫びが終わり、茂はパーフェクトゼクターを手に立ち上がる。
真実は知った。だからこそ、二度とあの悲劇を繰り返さないように、悪を倒さねばならない。
「一人では危険すぎます!」
光太郎が告げるが、茂は歩みを止める気は無い。
「お前たちは怪我人を頼む。結城、後は任せろ」
「相変わらず、お前はせっかちなんだな。もう少し落ち着け」
「そういうなって。それにしても、お前老けてないか?」
「苦労しているからな」
「そうか……」
「いや、冗談だ。詳しいことは余裕のあるときに教える」
答えを聞き、茂は静かに笑みを浮かべて、その場を立ち去ろうとする。
だが、彼の前に立ちふさがる者がいた。
「たしか、氷川といったな。何か用か?」
「ええ。僕もジャーク将軍たちを探しに行きます。一緒に行かせてください」
「何を言って……」
「結城さんとひよりさんの護衛なら、ここで二時間休憩すれば南さんに頼めます。
そして、僕はリュウガさんと小沢さんを助けに行きたい。だから、僕も一緒に行かせてください!」
その瞳に僅かに気圧される。自分の知らない後輩たちを知ることができ、茂は僅かに心に火が灯る。
結城に向くと、彼は微笑みながら頷いた。
氷川を見て、ふと思い出す。今の自分は、まるでいつかの乾のようだ。
「分かった、二時間後だな」
「はい!」
こうして、茂は氷川と共に、ジェネラルシャドウたちの探索へと向かうことにした。
□
漆黒の闇の中、特徴的な歩行音が響く。
カシャ、カシャという音の中、シャドームーンは傷だらけの姿を見せた。
誰一人としていない静寂な街。彼の胸中に襲来するものは何か、自身にも分からなかった。
(サタンサーベルを探そう。それなら、俺がRXに拘る理由も見つかるはずだ。その後に……)
響くのは自分の歩行音のみ。
シャドームーンは心と同じく、ただ彷徨い続けた。
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-5】
[時間軸]:RX27話以降。
[状態]:疲労、及び負傷大。二時間戦闘不能。
[装備]:シャドーセイバー
[道具]:なし
[思考・状況]
1:何のために戦うのか?サタンサーベルを探し出し、手に入れればわかる?
2:サタンサーベルを手に入れた後、RXと再戦をする。
3:相川始に借りを返す。
[備考]
※第二回放送を聞き逃しています。
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:全身に負傷中。疲労中。応急処置済み。真実を知り、守れなかったことによる後悔。
[装備]:V3ホッパー。パーフェクトゼクター。
[道具]:支給品一式(茂)
[思考・状況]
1:二時間休憩後、ジェネラルシャドウたちの探索。
2:浅倉を倒す。
3:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
4:明日、ジェネラルシャドウと決着をつける。場合によっては、もう少し早めに決着をつける。
5:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
※真実を知りました。
[その他共通事項]
※1:破壊されたスマートバックル、ドレイクグリップ、果物ナイフ数本はE-4エリアの高層ビルのレストラン内部、瓦礫の下に放置されています。
※2:ドクターケイトの杖はE-4エリア内の高層ビル付近に落ちています。
※3:アクセルレイガンは樹海エリアC-4に放置されたままです。
【結城丈二@仮面ライダーV3】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:仮面ライダーBLACLRX終了後。
[状態]:中度の負傷。貧血気味。右腕切断、腹に刺し傷(応急処置済)。ドクトルGに罪悪感。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×4(結城(名簿を除く)、霞のジョー、加賀美、影月)。サイ。オルゴール付懐中時計。鬼笛。
[思考・状況]
1:二時間休憩後、他メンバーと合流。
2:シャドームーンを仮面ライダーにしたい。後でまた接触する。
3:右腕なしで戦う方法を考える。とりあえず右腕とカセットアームの回収に向かう。
4:ドラスを倒す。
5:首輪の解析。首輪の解析のための施設を探す。
6:死んだらドクトルGに謝りたい。
[備考]
※1:カセットアームと右腕はE5エリアに放置されています。
※2:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※3:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:第1話、RXへのパワーアップ直後
[状態]:疲労、及び負傷大。二時間変身不可(RX)。
[装備]:リボルケイン
[道具]:カラオケマイク(電池切れ)。トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。首輪(ドクトルG)。
[思考・状況]
1:二時間休憩後、他メンバーと合流。結城とひよりの護衛。
2:打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す。
3:シャドームーンを仮面ライダーにしたい。
4:草加を始め、闇に落ちた仮面ライダーを救う。
[備考]
※1:黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。
※2:ガタックゼクターへの誤解は解けました。
※3:ドラスをクライシスの怪人だと思っています。
※4:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※5:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【氷川誠@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:最終話近辺
[状態]:中程度の負傷。胸に大火傷。一時間変身不可(ガタック)。
[装備]:拳銃(弾一つ消費)。手錠等の警察装備一式(但し無線は使えず、手錠はF-4のビル内に放置)。
ガタックゼクター&ベルト。GX−05ケルベロス(但し、GX弾、通常弾は全て消費)
[道具]:但し書きが書かれた名簿。デザートイーグル.357Magnum(4/9+1) 。
デイバック五人分(氷川、ひより、リュウガ、岬、明日夢) 。
[思考・状況]
1:二時間休憩後、ジェネラルシャドウたちの探索。
2:リュウガを信頼。
3:小沢、リュウガの救出。
4:救出後、みんなとの合流。
5:此処から脱出する。
6:神代と決闘。
[備考]
※1:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※2:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
日下部ひより@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:本編中盤 シシーラワーム覚醒後。
[状態]:右肩に重傷(応急処置済み)。右脇腹に刺し傷(応急処置済み)。わずかの打撲。二時間変身不可(シシーラワーム)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:二時間休憩後、他メンバーと合流。
2:天道と加賀美の死に深い悲しみ。
3:シャドームーンを仮面ライダーにしたい。もう一度会う。
[備考]
※1:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※2:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
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以上、代理投稿終了です。手落ちがあったらフォローお願いします。
代理投下、ありがとうございます。
誤字、脱字、矛盾などの指摘、お願いします。
>>368 GJ!
誤字発見したんで報告しときます
>>356、下から5行目
『リボルケイン』が『リボルケン』になってます
GJ!
ついにシャドームーン、仮面ライダー化のフラグが現実味を帯びてきましたね。
しかし、その先にはサタンサーベルもあったり、禁止エリアもあったりでどきどきです。
指摘事項としては、氷川がガタックに変身可能になっているはずということぐらいでしょうか。
>>369、
>>370 『リボルケイン』はミス、状態表は前の消し忘れですorz
まとめのさいには、
>>356の『リボルケン』を『リボルケイン』に差し替え、
氷川の状態表の『一時間変身不可(ガタック)』を削除してください。
あいかわらずのGJです!
ただ一点気になったのが、茂が結城と呼ぶところ。
原作どうだったっけ?確かに呼び捨てにしそうだけども・・・。
少し違和感がありました(^^;
でもとにかくGJ!お疲れ様でした☆
投下乙
あと指摘だが、ドレイクグリップは矢車が回収してる
乙です。
>>357の
〜情報を交換始めることにした。
ここは『情報交換を始めることにした』でしょうか
「……風見さんなら、お前を攻めはしないさ。それに、〜
正しくは、『責めはしないさ』ですね
一時投下スレに修正部を投下しました。
まとめではそちらの方での修正をお願いします。
>>372 本編見て、V3に敬語、ライダーマンに君呼ばわり、少し悲しくな(ry
いや、Xやアマゾンにも似たような態度でしたが。
なので、城はライダーマン以降は先輩というより、仲間意識が強いかなと思って呼び捨てにしました。
377 :
名無しより愛をこめて:2007/08/24(金) 10:39:37 ID:k7oJ/b7o0
とりあえずいくつか指摘を
>おもむろにギャレンバックルを取り出した睦月に、ジャークが厳しい視線を浴びせる。その顎は湯気で曇っている。
ジャーク将軍の顎は露出しているので、曇っているという表現はおかしいのでは?
>小沢はぎこちない仕草で右腕の物体を掴み、回した。『Rider Kick』
コーカサスゼクターで発動するのはライダービートです。
>龍騎は最終回の1話前で死ぬ。草加が木場に殺されたのは、草加役の役者が脚本家に「木場にだけは殺されたくない」と言ったから。主人公もアンデッドになる。変身するのは京介。
ネタが多すぎてすべり気味。特にギャグ回とはいえ、参加している作品のことを話すのはどうかと。
>神崎が首輪をしているのは、
神崎の口調に違和感がありましたが、それはさておき。
以前書かれたSS67『魔王』において、神崎が今ジャークたちがいる空間に行った場合、空間が崩壊するという説明がなされていますので、
神崎がジャークたちの前に姿を現すことは出来ません。
>次回予告
自分はあった方がいいと思います。
感想は正式な投下後いたします。
・お湯を沸かしたという描写がないので、ペットボトル系統かと思ってしまう。
・移動方向に畳を展開したら、ギャレンバックルもレンゲルバックルもついてこれないと思う。
ちなみに。
コーカサスゼクターは羽根ではなく後方からジェット噴射のようなもので飛びます。
>貞子は双子
リング0のことかー!!
だからギャグ話はやめろと言ったんだ…
>>376 指摘しようとしたら、既にされていた。
基本は
>>377氏と同意見です。
個人的にはその世界に滞在できる貴重な一分間を股間蹴られるために出てきてくれw 神崎ww
いや、ギャグ回は別にいいんだ。
だが、ギャグが多すぎてキレがないから、gdgdになる。
ここはもうちょっとネタを厳選して、リズムをつければ、グッと面白くなると思う。
ご指摘ありがとうございます。
今からAパートを中心に直しとシェイプアップに入ります。
明日中には修正稿とステータス表を上げたいと思いますが、
そうなると決定稿の本投下は日曜以降にならざるを得ないので
期限延長をお願いできますでしょうか。
決定項までは常に手直しをしているので、他にも指摘があればまだまだ伺います。
>>377 ・コーカサスの必殺技
おもちゃでは他のカブティックと共通なのでライダービートですが
映画ではライダーキックですのでそちらを採用しました
資格者的にもキックのほうがよいかと思うのですが、いかがでしょうか
ちなみにおもちゃだとキャストオフもあるようですが、その扱いはどうしましょう
・次回予告
これは読み手の方以上に他の書き手の方々に対して
フラグの押し売り的な印象になるのが自分で気になっています
折る時は折るから大丈夫だよ!というのであれば結構なのですが……
とりあえず現段階では保留にしておきますね
>>378 ・ペットボトル
それだ。いただきます。
・変身畳
そもそも慣性の法則を無視する畳というのが……w
もう少し弄るか削除の方向でいきます
>>381 否定的な方が多くいらっしゃるようでしたら、私自身は却下に意義は唱えません
>>384 指摘事項の修正だけでいいと思いますよ。
後コーカサスですが、映画ではハイパーゼクターを使ってライダーキックやっていたんで、今回はライダービートかなと思います。
フラグに関しては、折る必要があるときは折るんで問題ないかと。
まあその分、自分のフラグが折られても文句いえないんですが。
自分の立てたフラグ折ったときもありますし。
>>385 了解しました。では鉄拳制裁に修正します。
リレー小説は初めてなので、どこまでフラグを明言していいかのさじ加減が
いまいち掴めず右往左往です。みっともなくて申し訳ないです。
個人的にはむしろ派手なフラグはブラフに……いえ、なんでもありません。
あ、
>>386はIDとトリップ変わってましたが私です。
さるさん対策で専ブラ増やしすぎて混乱してきた……
俺はギャグ回楽しみにしてますよ!
こういうのも、ロワスレにあって良いんじゃないかと。
余りにも行き過ぎたギャグは原作を馬鹿にしているように思えるけどな。
>>389 毒吐き向きだな。
ここで言うことじゃない。
>◆s.0z/S/80k 氏
読ませて頂きました。
パロロワならではの面白い内容ではないかと思いました。
自分も個人的に楽しみに投下をお待ちしております。
自分も楽しませてもらいました。
感想は投下の後で・・・ということで
心待ちにしております。がんばってください!!
>>376を、ご指摘頂いた点を中心に修正しました。
これ以上問題がないようでしたら、ここから推敲に入ります。
>>393 乙です。問題は特にないかと。
本投下お待ちしています。
第3回放送後も中盤か……
4回放送後はチャージアップの制限も解かれるから楽しみだ。
半日ちょい期限に遅れましたが、Gトレ組と主催者コンビを投下します。
名前欄は2証が不調なので株優効いてるかの確認です。無視してください。
小沢が睦月の腕を取り、ようやくトレーラーの前まで連れて来る。誰とも目を合わせず運転席に乗り込もうとした彼を、冴子が止めた。
「そんな状態じゃ満足に運転できないでしょう。私が代わるわ」
「運転できるの?」小沢が訊ねる。
「大型車は初めてだけれど」
涼しい顔で答える冴子を、ジェネラルシャドウはいささか訝しんだようだった。
「……なぜもっと早く運転を申し出なかった」
「少し休みたかったの。それだけよ」
冴子はさらりと疑問を封じて運転席のドアを開けた。
「好きにさせておけ」
ジャーク将軍が短く制し、トレーラーの後部へと歩いてゆく。
今ひとたび吹き荒れた風が、遺跡の砂を巻き上げて青い車体を打った。
***
車内に戻ると、小沢は大股に奥へと向かった。ガードチェイサーのない車内はやけに広く感じる。
「そのへん適当に座ってて。お茶でも出すから」
「……いきなり何を言い出す」
シャドウの問いに、小沢は平然と答えた。
「だってさっきは腕縛られてたからそれどころじゃなかったじゃない」
「そういう問題ではなくてだな……なぜそのようなものを準備しておるのか、ということだ」
ジャーク将軍は警戒しているのか、腰を下ろそうとしない。もっとも、人質らしからぬ小沢の振る舞いに警戒をしない方が愚鈍というものだろう。
小沢は一向に気にする気配がなかったが。
「アンノウンを迎撃するときはこのトレーラーが私たちの基地になるんだから、当たり前でしょ」
「当たり前か?」
「当たり前よ」
「茶が」
「コーラもあるわよ、ぬるいけど」
両脇にペットボトルを抱え込んで、平然と返す。
人質であろうがなかろうが小沢澄子はGトレーラーのヌシである。それは誰にも否定できない現実であった。
「睦月君、その足下の扉のところ、何かお茶請けになるものが入ってると思うんだ」
「あ、はい」
睦月もつい勢いにのまれてコンソール下の扉を開けた。配線の影になにやら詰まったコンビニのビニール袋がある。引っ張り出してみれば、中身は鮭とば、さきいか、チーズ鱈ーーーーことごとく酒の肴であった。
ちょっぴり頭痛がしたが、睦月はそれをおとなしく小沢に引き渡した。そのついでに訊ねる。
「アンノウンって何ですか」
「私たちが追ってる生命体の通称。一人ターゲットを決めると、その血縁者も抹殺する奇妙な習性を持っているの。それも、人間には実現できないような方法でね。私たちは不可能犯罪と呼んでるわ」
小沢が鮭とばの袋を取り、三角に開く。
「無差別に殺すわけじゃないってことは、きっと彼らなりに何か理由があるってことですよね」
「そうかもしれないけど」
今度は睦月にクリップボードを持たせ、その上に紙コップを並べる。
「被害者が出ている以上、彼らから市民を守るのが警察の仕事よ」
「それが小沢さんたちの戦う理由、ですか」
「実際に戦ってくれてるのは氷川君だけどね」
小沢に笑顔で配るよう促され、睦月はおとなしくそれを怪人達の前に運んだ。うっかりすると紙コップを握りつぶしてしまいそうな相手に、慎重に茶を配る。中身の色を見て、ガライがあからさまに眉をひそめた。
「戦う理由を見つけた者は楽になれる。だが、そのせいで盲目になる者も少なくはない」
微妙に黄色っぽいお茶を受け取りながら、ジェネラルシャドウが低く告げる。
「気になるなら、カードに聞いてみたらどうだ」
「……そうですね、せっかくお茶もあることですし」
睦月は鮭とばの袋をジャーク将軍に押し付けた。後部扉に向かって、なにやら練習を始める。
「えっと、左手を握って、右手をこうして……よし」
「何をしている」ガライが心底軽蔑した視線を送る。
「すみません、ちょっと足引っ込めててください」
おもむろにギャレンバックルを取り出した睦月に、ジャークが厳しい視線を浴びせる。
「何の真似だ」
「リモートで嶋さん呼ぼうと思って……」
「そちは『アンデッドとお茶を飲むためギャレンに初変身』と語り継がれたいのか」
「でも、カードに聞けって言ったじゃないですか」
すがるような視線を受けて、ジェネラルシャドウがやれやれと首を振る。
「そういう意味ではない。未来が知りたければカードで占ってみろというんだ」
「占いって言われても……七並べならできますけど」
消え入るような言葉尻の睦月を横目で見ながら、小沢がペットボトルを引き寄せる。
「っていうか、男なのにトランプ占いが趣味って変わってない?」
「女子高生みたいですよね」
「余計なお世話だ!」
ジェネラルシャドウが膝に叩き付けたコップに、小沢はお茶のおかわりを注いだ。
*
「そういえばこのディスプレイって」
空になったコップを持て余した睦月が、小沢の腰掛けていたコンソールを見て訊ねた。
「ああ、これ?G3システムのオペレーションに使うのよ」
「動くんですか?」
「どうかな……ちょっと電源入れてみるわね」
小沢が慣れた手つきでスイッチを操作する。
灯りの入ったモニターに、水色の蝶と戯れる女性が映った。若い男の声が、誘うようなナレーションをかぶせる。
Life is frail. Life is limited.
So why don’t you think about true life.
Be smart, true life is your start.
「なに、これ」
「なんかのCMみたいですけど」
「企業イメージCMってどう考えても予算の無駄遣いよね」
小沢が評した瞬間、画面内の女がこちらを向いた。
「そんなこと言うなんて、もぉ〜お、ぷんぷん♪」
「気色悪いわ!」
画面に裏手つっこみを見舞って電源を落とそうとした小沢を、ジャーク将軍が止める。
「待て。その声、聞き覚えがあるぞ」
「覚えててもらえて、お姉さんうれしい☆」
小沢はわざとらしく片方の人差し指を耳に突っ込み、ジャークに耳打ちした。
「この気持ち悪い声のどこに聞き覚えがあるっていうのよ」
「わからんのか。この声、この口調……」
ジャーク将軍が言いかけた時、不意に車内に耳障りな高音ノイズが響き渡った。小沢が振り返って命じる。
「ちょっとハウってる!マイク切って」
睦月が慌てて端から電源を落とすが、耳を刺すような音は一向に止む気配がない。最後のスイッチを落とした瞬間、車内全体が真っ暗になった。
「灯りまで消さない!」
「うわあァーーッ!」
小沢のヤジに、睦月の間の抜けた悲鳴が重なる。
「来るなぁ〜〜〜〜〜ッ!」
激しく壁を叩いて訴える音に、小沢は慌ててコンソールに飛びつき、手探りで照明のスイッチを入れた。これで一安心、と車内を見回した途端、床に倒れている少年の姿が目に入る。
「睦月君が死んでる!」
「気絶しただけだろう、流れ的に」ジェネラルシャドウが冷静にお茶をすすった。
「暗くなっただけで気絶する?普通」
シャドウがお茶をすすっているだけですでにいろいろと普通ではないのだが、小沢澄子に大人の事情は通用しなかった。
「走行する車内といえば密室も同じ。つまり犯人はこの中にいるということね」
「自滅の可能性もあると思うが」
杖の先で睦月をつつくジャーク将軍の言葉に、ガライが頷く。
「なにせ草の出し殻を他人に飲ませるために変身しようとする奴だからな」
「草の出し殻って……普段どんな食生活してんのよ」
「どんなと言われてもな。地球にだってもう少しマシなものがあるだろう。恐竜は割と美味かったぞ、トリケラトプスとか」
内容はいわずもがな、チーズ鱈をほおばりながらでは一向に説得力のないフォッグの王子であった。
「そちもなかなか悪食だな」
「なあに、かえって免疫力がつく」
怪人二名の緊迫感のない会話をなじるように、不意にスピーカーが鳴った。
「お前たち、自分たちの置かれた状況をわかっているのか」
「そうよ、ほらそこ、死体に触れない!」
「そういう話ではなくてだ」
車内に響き渡る男の声に、小沢があからさまにいやな顔をする。
「誰かそれ切って!CMうるさいから」
「CMなどではない」
ガライが煩わしそうにスイッチを落とす。が、当然どれが正しいスイッチかなどわかっているはずもない。
再び闇に覆われた車内に、突如として柔らかな灯りがこぼれる。
いつの間にかまたモニターが灯り、痩せぎすの男が厳しい顔でこちらを見つめていた。切られたはずのスピーカーから、くぐもった声が漏れる。
「戦え。決着を付けろ」
「来るなぁ〜〜〜〜ッ!」
「あらよかった、目が覚めたのね睦月君」
小沢は実にさわやかな笑顔で車内の灯りをつけ直した。
「だから流れ的に気絶しただけだと言っただろう」
「睦月、そちもよくよく……」
「全く、人間とは脆弱にも程がある」
3名の怪人が、あきれ顔で茶をすする。ガライの背中にほぼ隠れてしまったモニターの中で、神崎が苦々しげに言葉を発した。
「少しは人の話を聞け」
やけにボリュームだけが上がったその声に、ようやく全員が振り返る。神崎は軽く咳払いをして続けた。
「お前たちがするべきことは殺し合いだ。こうしてのんびりとお茶を飲むことではない」
主催者の尊厳を掛けた宣告は、だが小沢澄子にあっさりと却下された。
「そんなこと言っても、移動中はお茶飲むか喋るか寝てるかぐらいしかすることないじゃないの」
「だからと言ってなぜ和む必要がある。お前たちは、戦うことだけを考えていればいい」
「命令される筋合いはない」
シャドウの言葉とともにひゅっと風を切る音がして、何かがモニターに突き刺さりーーーーそのまま画面の向うへと消えた。
モニターの中で神崎が頬を押さえる。指の間から一筋の血が流れた。彼の背後で笑顔をたたえて様子を眺めていたスマートレディが、大げさに口元を手で覆う。
「長生きしたければ身の程を知れ」ジェネラルシャドウが突き放す。
「ちょっと今の、どういう仕掛け?」
モニターを覗き込む小沢の前で、神崎はかがみ込んで彼を傷つけたカードを拾った。
「身の程を知るべきなのは、お前だ」
擦れた声とともに投げ返されたそのカードは、トレーラーの壁に深く突き刺さった。
「戦え。最後の一人になるまでな」
「お断りよ」
間髪入れず、小沢が反抗の言葉を投げつける。神崎に口を開く間も与えず、彼女は続けた。「私は必ず皆と一緒にここから脱出するわ。その時になってほえ面かかないことね!」
「忘れるな、お前たちはその首輪で……」
「外してやるわよ、こんなもの!」
モニター越しに、神崎と小沢がにらみ合う。と、そこにスマートレディが割り込んで来た。
「はぁ〜い、念のため確認で〜す」
ディスプレイに満ちる笑顔とともに、緊迫感のない声がスピーカーから響く。
「その首輪はぁ、スマートブレインの最新技術を使って作られています!だから、普通の人が気軽に弄ったりしたらーーーー」
女は何もない襟元を掴んでゆする仕草をしてみせた。と、ぴたりと手を止めて目を見開く。
一瞬の後、その顔は不気味なほど無邪気な笑顔に戻った。
「みなさんも見ましたよね?きゃあ、こっわぁい」
「その歳でぶりっ子できるあんたの神経のほうが怖いわ」小沢が呟く。
「だから、余計なことは考えず、安心して殺し合いに専念してくださいね!以上、お姉さんからのアドバイスでした〜」
点いたときと同じくらい唐突に、ディスプレイが落ちる。だがそこには、かすかに神崎の残像が浮かんでいた。
「お前たちに選択の余地はない。戦う他にはな」
今一度、スピーカーから神崎の声が響く。
「はいはい、もう切るわよ」
小沢は素っ気なくあしらってスイッチを切った。
一部始終を見守っていたジャーク将軍が、なおも床に座り込んだままの少年に視線を移す。
「睦月よ。なぜ倒れた」
少年は顔も上げずに答えた。「俺、暗い所、すごく苦手なんです……」
「男がそんなんでどうするの。少しは根性鍛えなさい」
叱咤とともに、小沢が照明のスイッチを落とす。
「うわァーーーーーーッ!」
睦月の悲鳴が、頑丈なGトレーラーの壁に高らかに響き渡った。
***
小沢は空になったペットボトルを潰すと、おつまみのパッケージとともにコンビニのビニール袋に押し込んだ。
「さて、今のうちに全員の手持ちのアイテムをチェックさせてほしいんだけど」
当然のように求める小沢に、ジャークが疑いの視線を向ける。
「なんのつもりだ」
「つもりもなにも。神崎は私たちが首輪を外すことは望んでないわけでしょう。だからいつ研究所を禁止区域にするかわからない」
答えながら、コンソールの上に散ったゴミを手で払う。
「調べものが残ってるのに満足な施設が使えなくなったら困るから、出来るときに全て済ませておきたいのよ」
彼女のいい分は確かに理にかなっている。ただ一点を除いては、だが。
「随分と協力的だな、人質が」
シャドウに揶揄されても、小沢は一向に動じる気配がなかった。
「協力してるわけじゃないわ。私は私自身と仲間達の利益を考えてるだけ。おまけで好奇心がないって言えば嘘になるけどね」
ここまで居直られれば敵ながらあっぱれと言う他はない。ジャーク将軍は好きにしろと言わんばかりに、自分の荷物を床に投げ出した。その上にかがみ込む小沢を眺めながら、先ほどの出来事について思索を巡らせる。
主催者たるものならば本来は大きく構え、不満があれば首輪で邪魔な参加者を排除すれば済むはずだ。それがわざわざ自ら戦いを促すために姿を見せ、あまつさえ首輪を外すなと警告をしていった事実が腑に落ちない。
もしや、参加者が戦わねば困るのは、主催者のほうなのではあるまいか。
*
小沢はジャークの荷物を紐解き、中身を改め始めた。貴重な情報の記されたデータブックと地図の中身を一瞥し、内容をできる限り頭に叩き込む。続いて目に入ったのは、天道が身につけていたベルトだった。
掌でその感触を確かめるうちに、怒りと悲しみが蘇ってくる。天道総司はこの男たちに殺されたのだ。死に様こそ見なかったとはいえ、死亡時刻からしてそれは間違いない。
睦月への対応を見ていると人格者と錯覚しかねないが、彼らはまぎれもなく怪人であり、殺戮を躊躇わない残虐なものどもである。
顔を上げた彼女の目に、ガライに命じられてぬるいコーラのペットボトルを開けている睦月の姿が映る。
どやされて涙目になっているところを見る限りでは、少しばかり気が弱いごく普通の高校生だ。それが自ら進んで怪人たちのために戦い、天道の死にも一枚噛んだ。
何かがおかしい、と思う。
神代剣のように、強い意志を持って殺戮者の道を選んだようには見えない。相川始のように追いつめられて武器を手にしたようにも見えない。それなのに、この少年の手はまぎれもなく善意の人間の血で汚れている。
何かが狂っている、としか思えない。そして狂わせたのは、あの神崎とかいう男に違いない。
彼女はベルトに大きな破損がないことを確かめ、傍らに置いた。
次に目についたのは、矢車が持っていたザビーゼクターだ。無惨に羽根を砕かれ、内部の露出したそれは、小沢の掌の上で僅かに身体を震わせた。
この機を逃せば、おそらく二度と修理するチャンスは巡って来ないだろう。そう考えて、ゼクターをベンチの上に置く。
データブックを片手に仕分けを進めて行くうちに、見覚えのある銀のブレスが目に入った。
「あれ、これザビーゼクターのじゃ」
「違う。コーカサスというゼクターの為の装着品らしい」
ジャークが静かに訂正する。
「言われてみれば色が違うか」
小沢が何気なくそれを利き手に填めた、次の瞬間である。
突如としてGトレーラーの天井を突き破り、握りこぶしほどの物体が姿を現した。
「うわ、なんかでたぁ!」耳元をかすめてとぶそれに、睦月が首を縮こませる。
金色の輝きが残像を残すほどの速度で車内を飛び回っていた物体は、小沢澄子の頭上で幾度か旋回するとその腕にぴたりと止まった。
様子を見守っていたジャークが足を踏む音が、車内に響く。
小沢は明らかに甲虫を模したゼクターを見つめて呟いた。
「え……これまさか、変身しちゃう?」
NGワード、もといキーワードを受信したマスクドライダーシステムが、『変身』の音声とともに彼女の身体をアーマーで覆っていく。
『Change Beetle』
数瞬のうちに、トレーラーの床に正座している黄金のライダーが一丁できあがった。
「ビートルズじゃなくてちょ、いやほんと、なんで私が!」
睦月が困ったような視線をシャドウと交わす。
「姉御」
「番長」
「フリーダムすぎる」
「金的蹴り」
「唯一の一般人」
「夏のギャグ回」
「フラグの消化」
「ライブ感」
「最強だから」
「それだ」
ぽんと手を打ったシャドウを、ジャークが低い声でいさめる。
「せめて『最も強く最も美しい者』くらい言ってやれ、社交辞令で」
「社交辞令って何よ!だいたいこれ男物じゃないのッヒゲとかついてるし!」
軽く拳を床に叩き付けただけで、そこがしっかりとへこむ。
「ああもう……誰かこれ外して!」
「嫌なんですか?強そうなのに」睦月が本気でうらやましそうに言った。
「ごつごつしてるもの」
「少なくとも人間よりはまともに見えるぞ」ガライが冷静に評する。
「怪人に言われたくないわ!」
「腕のゼクターなるものを外せば良いのではないか」
「……それもそうね」
小沢はジャークの指摘に頷くと、ぎこちない仕草で右腕の物体を掴み、回した。
『Rider Beat』
「方向違いますそれ絶対!」
「じゃあ逆に回せばいいの?」
力任せに動かすと、ゼクターはようやく外れて彼女の手の中に収まった。同時に武装も解除される。
小沢はゼクターとブレスを交互に眺めた。
「みんなよくこんなのつけてるわね。あらためて感心した」
「……まあ、慣れっていうんですか」
「余はもともとこうだが」
「俺やガライは割とついてないほうだ」
「変身すればいろいろつくぞ」
「狭くなるからやめて」
手の力を緩めると、ゼクターはゆっくりと舞い上がって小沢の肩に止まった。
「でもなんで金色」
「余を見るな」
「天道君が持ってた赤いほうが三倍速いとかない?」
「そんなことありませんよ」
睦月におそるおそる指先でつつかれ、ゼクターが威嚇するように羽を広げる。
「ライダーシステムに不備はないらしいです。だから多分ちゃんと考えてます。角度とか」
睦月の言葉に、小沢は先日のG3-X暴走事件を思い起こした。
「私だって設計するときは不備がないように気をつけてるけど、どこかしら問題が出て来るものなのよね」
彼女はブレスを外し、確かめるように幾度かそれをひっくり返した。
「ねえ、このブレス貰っちゃダメかしら」
「ダメに決まっておる!」
「あ、やっぱり」
コーカサスゼクターが不満を訴えるように耳元でぶんぶんとうなってみせたが、ジャーク将軍が耳を傾ける気配はなかった。
「でも、いきなり来られても使い方わかんないのよね。説明書もついてないし」
念のためデータブックを繰ってみるが、さすがに詳しい使い方までは記述されていない。
「言葉が通じれば便利だったのに」
なにやら八の字飛行を始めたゼクターを目で追いながら、小沢が呟く。
「当のゼクターとやらは、俺たちの言うことを理解しているようだが」
シャドウの指摘に、ゼクターがホバリングして角を縦に振った。見ようによっては頷いてると取れなくもない。
「なるほど。じゃあ、紙に使い方書いてもらおうかしら」
小沢が手を伸ばすと、ゼクターはおとなしくその手に握られた。
「書いてもらう、ってどうやるんですか」
「簡単なことよ」
彼女は立ち上がり、コンソールの上に転がっている筆記用具に手を伸ばした。
*
「これでよし、と」
ボールペンを抱え込んだ格好のゼクターを、そっと空中へ投げ放つ。
ぽとん。
ペンごとガムテープをミイラと見まごうばかりに巻き付けられたコーカサスゼクターは、やけにかわいらしい音を立てて床に落ちた。必死に飛び上がろうとするものの、ストローが詰まったような音を立てて転がるばかりである。
「あれ?飛ばない」
「羽を縛って飛べるほうがおかしいとは思わぬか」
ジャーク将軍がいささか呆れ気味に呟く。
「これって羽で飛んでるの?」
「余に聞くな」
「あの……」
床を転げて行くゼクターを見守りながら、睦月が訊ねた。
「角にだけ巻けばいいんじゃないですか」
「なるほど」
小沢はゼクターをひょいと拾い上げ、一息にガムテープを剥いた。これが大奥のお女中だったら「あーれー」くらいは言ってそうな勢いである。
「痛そうですね」
「機械っぽいから大丈夫よ。ね?」
むろんゼクターが答えを返せるはずもない。機械にしてはやけにぷるっぷる震えている辺りが答えと言えば答えか。
あらためてボールペンを下の角に沿え、ガムテープを巻き付ける。
「これでどう?」
手を離すと、ゼクターはふらふらしながらもどうにか宙に浮いた。小沢がクリップボードを引っ張り出してコンソールの上に置く。
「あー、そうそう。できたら技術的なことは英語で書いてもらえると助かる」
何気なく言われて、ゼクターがぎくりと身を固くした……ような気がする。
「英語、得意なんですか」
「私、向うの大学出たのよ。だから今でも専門用語は英語のほうがしっくり来るのよね」
小沢は平然と返して、荷物の仕分けに戻った。
「俺、来週英語のテストあるんですけど、あとで教えてもらえませ」
「そんなことしてる場合じゃないでしょ」
「……はい」
しょげ返った睦月をガライが乱暴によびつける。どうやらおかわりを要求しているらしい。小沢は荷物の山に視線をもどした。
「興味を引くものはあったか」ジャーク将軍が訊ねる。
「予備の首輪は、分解したのも含めて私が預かるわ。それに、せっかくだから、ザビーゼクターは直しておきたいわね。使えなくても、戦力になるものは多い方がいいでしょう」
「お前の仲間達にとっては、か?」
さすがに彼女の思惑に気づかないほど、ジャーク将軍も無能ではないらしい。ザビーゼクターも例に漏れず自らの装備者を選ぶ。そして、ザビーに選ばれてこの戦いに参加した者はまだ存命であることを、ジャークはわかっているのだ。
「迷惑かしら」
「余の首輪を無事外せたら、考えてやってもよい」
妥協というよりは、己の優位を見せつけるための言質であろう。小沢は平然と続けた。
「他のものは壊れてはいないけど、あなた達には使えそうにないわね。特にこのベルトは」
「なぜ、そう決めつける」
問われ、彼女は簡単に肩をすくめた。
「あなたたち悪人を、ゼクターは選ばないわ。ライダーになれるのは、正しい心の持ち主だけよ」
「賢しがるでないわ、小娘の分際で」
ジャーク将軍の声は低く静かだったが、それ故に相手を畏怖させる迫力があった。
「そちは所詮地球人、井の中の蛙に過ぎん。いずれそちらも知ることになろう……己の手が、どれほど汚れているかをな」
車内の全員の視線が集まる。ジャークの声には、それだけの響きが潜んでいた。
小沢すらも一瞬怯んだが、彼女はすぐに話題を切り替えた。別の物体に目を引かれたというのもある。
手のひらに乗るほどの機械の質感や形はゼクターに酷似し、その背にもゼクターと同じエンブレムが刻印されていた。
「これは?」
「わからぬ。データブックとやらにも記載されておらん」
「きっと、これを使うためのベルトがあるんでしょうね」
さらにそれを調べようとした小沢に、睦月が声を掛けた。
「こっちは終わったみたい、ですよ」
いろんな意味で疲れ切ったのか、コーカサスゼクターが腹を見せてクリップボードの上に転がっている。英語慣れしていない睦月の目には、ゼクターの書いた代物は達筆過ぎて解読不可能だ。
「うわっ、読みづら……」
思わず本音を漏らした睦月に抗議するように、ゼクターが襲いかかる。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!ほんとやめっ、ペン刺さるー!」
睦月は頭を腕で覆って縮み上がった。その様子を微笑ましく眺めていた小沢が、ふと思いついて立ち上がる。
「あ、そうだ。あなた、ちょっと中見せてくれない?あなたのイトコのザビーゼクターが怪我して大変なことになってるのよ。あなたの構造が解れば、ザビーゼクターも直せるんじゃないか、と、ってお、そこ!逃げない!」
一瞬おとなしく小沢に掴まれかけたゼクターが、大慌てで天井近くまで飛びすさった。
「帰ったら焼き肉でも砂糖水でも夕張メロンでも奢ってあげるから中みせて!」
ジャーク将軍の手から杖を奪い取り、どうにかゼクターを呼び戻そうとする。コーカサスゼクターは身を翻すと、睦月の首元からさっと服の中に潜り込んだ。
「あの、やめてください、べたべたします……」
小沢が使ったのはよほど強力なガムテープのようだった。
「賑やかなことね」
不意に冷ややかな声が車内にこだました。振り向くと、運転台側の入り口に冴子が腕を組んで立っている。
「す、すみません」
首を縮こめた睦月に、冴子は穏やかな笑みで応じた。ふとその視線が、傍らのコンソールに置かれたクリップボードに落ちる。
「……待て。運転は」
「もう、目的地についたわ」
冴子は顔を上げてシャドウの問いに答えると、意味深げな視線を小沢に向けた。
「じゃあ手遅れにならないうちに始めましょう」
その視線を無視してクリップボードを手に取った小沢の動きが一瞬止まる。
「どうした」
「……いえ、結構上手くできてるなと思って。これならザビーゼクターも直せるかもね」
ジャークの言葉にそう応じ、彼女はゼクターが書いたメモを畳んでポケットにしまった。
そこに2つのゼクターの使い方を記したコーカサスゼクターは、いつのまに出て来たのか側の紙コップに頭を突っ込み、ガライが飲み残したぬるいコーラをのんびりと舐めていた。
*
ジョウント効果が時空間の連続性を歪曲することで既存の物理法則を無視した移動を可能にするなら、時空間の歪曲をさらに進めれば完全に隔離された空間にも穴を穿てる可能性がある。
小沢はモニターに映る神崎士郎と、彼を傷つけたシャドウのカードを思い浮かべた。あの瞬間、二つの空間は明らかに繋がっていた。つまり、この空間には間違いなく他の空間と繋がっている場所がある。
この試練が始まった直後に出会った城戸真司の話を思い出す。神崎は以前から、鏡で現実と繋がれた異空間で彼らを戦わせていたと言う。
その「鏡」に相当するものを見つけ、周囲の時空間をゆがめれば、この空間から脱出するための道が開けるかもしれない。
彼女が我に返ったのは、不意に耳元で囁く声を聞いたからだった。
「ブルーにならないように気をつけてね」
虚をつかれて思わず唇を噛み締める小沢をよそに、冴子は静かに微笑んで出て行った。
*
立ち止まった小沢を促すジャークの声が、車内に響く。彼女はゆっくりと歩を進めながら思案した。
脱出方法はわかった。ではどうやってその手段を手中にするか。
第一の選択は、自分自身でハイパーゼクターを奪って脱出すること。
彼女はこの考えをすぐに却下した。そう簡単にハイパーゼクターを奪えるチャンスがあるとは思えないし、仮に手に入れても逃走が難しい。
コーカサスブレスまで手に入れられたとしても、圧倒的な戦力差の前では焼け石に水。仮に逃げ仰せたところで、合流前に他の殺戮者に見つかったら終わりだ。
第二の選択は、おとなしく救出を待つこと。
もっとも無難なのはこれだろう。時間さえかければ、仲間達の戦力は回復する。全面対決になっても十分に勝算はあるはずだ。
それまでに彼女自身が用無しとして始末されないないためには、首輪の解除方法がわかっても安易に解除してはならない。そして、脱出するには自分を殺せないことを理解させる必要がある。
問題は、脱出のためには彼女自身が救出されるだけではなく、二つのゼクターも奪う必要があるということだ。そのためには全力で戦い、ジャーク将軍を倒さねばならない。間違いなく被害が出るだろう。怪人達のうちにも、仲間達のあいだにも。
心配そうにこちらを伺う睦月と目が合った。
戦いになれば、この少年は死ぬかもしれない。ジャーク将軍につくとしても、仮にライダーとして小沢を守る道を選んでくれるとしても。妥協のない激戦を生き抜けるほど、彼が強いとは思えない。
第三の選択は……神崎を打倒するために、互いが手を結ぶこと。
戦略上はもっとも理にかなった選択だが、感情がそれをやすやすとは許さない。
仲間達の中には、ここにいる怪人たちを宿敵とする者もいる。何より、既にジャーク将軍は和平を餌に仲間達を騙し、そのせいで命を落とした者がいる。神崎を倒した後にもまた、血で血を洗う戦いが控えていることは間違いない。
そのような相手と、互いに手を取り合うことができるのか。
耳元で羽ばたくコーカサスゼクターが、殺された青年の記憶とともに怒りと悲しみを呼び起こす。
犠牲のない選択はない。犠牲なくして勝利はない。
ーーーーそれでも私は、正しいと信じる道を選ぶ。
*
降りる間際、ジェネラルシャドウは壁に刺さっていたカードを抜いた。
スペードの8。束縛された女……闘争や裏切りと同時に、解放と障害の克服をも意味するカードである。
カードが教えようとする意味を求め、シャドウは小沢澄子に目を留めた。
人質として縛に就いた女。彼女がもたらすのは闘争か、それとも解放か。
***
厳しい顔で鏡を眺める神崎の顔を、女が傍らから覗き込む。
「大丈夫?その傷、すっご〜く痛々しいですよ?」
神崎は頬の血を拭おうとするスマートレディの手を乱暴に振り払った。
「放っておいてくれ」
低くうめいて、鏡に映る自分の姿を見つめる。
死者を思わせる土気色の肌に、血のにじむ傷跡だけが色を添えていた。その赤の鮮やかさがあまりにも不自然だ。
さもあらん。優衣に新たな命を与えるために、現実世界を捨てたのだ。今更傷の一つも増えた所で、死人は死人に相違ない。傷の痛みや血の色が、彼に地上の生を返してくれるわけではない。
男の顔が蒼ざめているのは、その魂の奥底に満たされることのない空虚を抱えているからだった。
■Gトレーラー組(+小沢澄子) 行動開始時刻21:00@G-3
G-3からJ-3まで移動で約30分消費
現在時刻21:30 現在地点:海岸J−3(研究所前)
今から小沢に首輪の解析と解除を行わせることを計画しています。
■Gトレーラー組の共通事項
首輪に盗聴・監視装置が仕掛けられている可能性を認識しました。
それぞれ違う世界・もしくは同じ世界の違う時間軸から連れて来られたことを再認識しました(大集団と同様)。
前回の襲撃時に敵対勢力と思われる大集団の構成、および戦力をほぼ把握しています。
Gトレーラーは小沢が応急修理を施しましたが、不安な状態であることに代わりはありません。
悪路や衝撃などによっては動かなくなる可能性があります。
Gトレーラーの天井に、コーカサスゼクターにより小さな穴があきました。
【小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。脱出の目が出て来たためかなり強気。
2時間変身不能(コーカサス)
[装備]:コーカサスゼクター(ブレスがないため変身はできません)
[道具]:ガードアクセラー
分解済みの首輪(麻生勝)。首輪(ヨロイ)。首輪(園田真理)。
[思考・状況]
1:仲間達(大集団)の安全を祈願。必ず皆を連れて脱出する。
2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:仲間のために、コーカサスブレスとハイパーゼクターを奪わなくては。
4:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています)
5:睦月に同情。できれば味方につけたい。
6:神代に怒り。相川始に疑問。ジャーク将軍には怒りと同時に一目おいています。
[備考]
※クライシスと神崎士郎が手を組んでいないことを、ジャーク将軍の発言より確信しました
※データブックから全員の支給アイテムの大まかな情報を手に入れました
※コーカサスゼクターに資格者として認められましたが、ブレスを持っていないため現状では変身できません。
※ハイパーゼクターを利用してこの空間を脱出する方法に思い至りました。
ただしコーカサス以外のどのゼクターがハイパーゼクターを利用できるかは知りません。
[元大集団メンバーとしての共通事項]
時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。頭部に打撲。軽傷・疲労はほぼ影響のない程度に回復。
90分変身不能(レンゲル)
[装備]レンゲルバックル+ラウズカード:クラブのA〜7、10〜K
ギャレンバックル+ラウズカード:ダイヤのA〜6・8・Q・K
ラウズカードのみ:スペードの4・7・8・J・Q ハートの3・4・7・10〜K
剣崎のブレスレット(単なるアクセサリー。特殊効果はありません)
[道具]:配給品一式(橘)。Gトレーラー(G3ユニット・GM-01・GG-02・GS-03・GK-06)
剣崎のペンダントと指輪(いずれもシルバー製アクセサリー)。
[思考・状況]
1:剣崎の死・始のマーダー化を自らの目で確認し、激しく動揺。
2:ハートのラウズカードを集め、始を人間に戻す。無理なら封印もやむなし。
3:キングは信用できない。封印するしかない。
4:ジャーク将軍を藁をも掴む気持ちで信頼。この人なら、ライダーとの同盟も可能では?
5:小沢澄子に、自分を支え続けた望美と同じ暖かさを感じる。
※1:睦月は死んだ橘が偽者であってほしいと強く願っています。(偽物という確信が揺らぎました)
また劇場版の世界を知らないため、死んだ剣崎は自分の世界の過去から連れて来られたと考えています。
※2:睦月は現在小沢の指導の元、無免許でGトレーラーを運転しています。
※3:橘と戦ったことは忘れています。そのため、ジャーク将軍にもそのときのことは話していません。
ただし、何かの拍子に思い出すかも知れません。
※4:ショック療法と大量のラウズカードで暫定的にカテゴリーエースの意志を抑制しました。
また睦月は始のマーダー化をジョーカーの本能に飲み込まれたと解釈し、
ハートのスートを揃えて与えることで元に戻せると考えています。
※5:小沢澄子から、アギト世界の敵「アンノウン」について若干の情報を得ました。
【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:ジャークミドラに改造後。
[状態]:頭部に軽度のダメージ。
[装備]:杖、変身後は大刀。
[道具]:支給品のデータブック(ハイパーゼクターを除く支給品のデータが記載されています)
ネタばれ地図。変身鬼弦・音錠。ハイパーゼクター。
ベルト:カブト(現在、資格者は存在しません)
ライダーブレス:コーカサス(資格者:小沢澄子)
壊れたザビーゼクター(資格者:矢車想)。精巧に出来たモデルガン。
ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。
3人分のディパック(ジャーク、グランザイラス、城戸)
[思考・状況]
1:ラウズカードを集め、戦力の強化。
2:首輪の解析。
3:上城睦月に相川始を殺させ、後戻りが出来ないようにする。
4:神崎士郎を殺し、脱出する。
5:RXを殺す。リュウガを始末する。
6:人質である小沢澄子に対し、有能な指揮官・技術者として相応の敬意。
※1:ジャーク将軍は睦月より、ブレイド世界の情報と剣崎、始、橘、キング、伊坂、北岡、リュウガの情報を得ました。
また小沢澄子よりアギト世界の情報を若干得ました。
※2:ネタばれ地図には支給品以外のラウズカードの隠し場所も書かれています。
※3:支給品のデータブックには、支給されたアイテムの効果が記載されています。
余裕ができ、中身を確認したのはGトレーラー内が初めてです。
各参加者の初期支給品も記載されています。
※4:コーカサスゼクターの資格者が小沢澄子と判明したため、
ライダーブレスについては他のアイテムより注意深く管理しています。
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲と大火傷。
[装備]:サタンサーベル、トランプ内蔵ベルト
[道具]:配給品一式×5(シャドウ、ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)。
[思考・状況]
1:ジョーカーを倒す。
2:明日、ストロンガーと決着をつける。
3:情報収集のため、ジャークと情報交換。
4:スペードのA、クラブの8が暗示するものを確かめる。そのためには睦月が有用か?
5:スペードの8が暗示する存在、小沢澄子に注目。
※スペードのAが暗示するものは剣崎(ブレイド)であろうとあたりをつけました。
クラブの8についてもラウズカード=ブレイド勢に関連があると考えています。
※シャドウ剣はF2エリアの壁に刺さっています。
【影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩に深い裂傷。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。
2:ジャーク将軍の下で、首輪の解除方法を探す。
3:小沢澄子を利用して脱出。無理ならやはり優勝を狙うしかないか……。
4:あきらと巧に復讐。
5:上城睦月の確変に警戒心。これ以上強くなればいずれ障害になるのでは?
※ハイパーゼクターを利用してこの空間を脱出する方法に思い至りました。
ただし実行するためにはハイパーゼクターを扱える資格者の協力が必要です。
またコーカサス以外のどのゼクターがハイパーゼクターを利用できるかは知りません。
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:夜】
【現在地:海岸J−3】
[時間軸]:本編開始前。
[状態]:火傷(軽度。再生中)。
[装備]:ガライソード。
[道具]:なし
[思考・状況]
1:ジェネラルシャドウからサタンサーベルを奪い、勝つ。
2:どんな手を使っても生き残る。
3:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。
4:ついでに生贄を手に入れる。
5:神崎士郎は残酷に壊す。
6:脆弱な生き物と組むのは気に入らない。特にでかい口を叩くこの女(小沢)は。
7:さっさとこの首輪を外したい。
※折れた烈斬はD-7に放置されています。
以上です。
修正すべき箇所等、ご指摘がいただければ改めて直します。
GJ!
それにしてもこの怪人組、ノリノリである。
唯一冴子さんだけ変わってないのが怖いww
小沢さんがコーカサスに変身した後の睦月たちのやり取りが好きですw
乙ー
冴子の状態表でハイパーゼクターを・・・のくだりはミス?英語読めるってこと?
あと小沢は一時天道と一緒にいたから、カブトのベルトが使えると知ってるんじゃないかな。
GJ!
というかギャグ回のはずなのに全く違和感を覚えなかったw
所々伏線も張ってあったりさりげに話が進んでたりしてるのがまたイイ
小沢さん最高すぎるww
感想&ご指摘ありがとうございます
>>422 冴子さんはラキクロで非日本語ネイティブっぽいジェイと交流がありましたので
多少癖字の英語でも読めるだろう(少なくとも高校生の睦月よりは慣れている)、と推定しました。
で、もう一度確認し直したんですが。
天道から氷川・南・小沢・矢車・リュウガ・草加まではカブゼクがパーゼク使えると伝わってそうですね
あと、冴子が「ハイパーゼクター(と天道)は脱出フラグ」とジャークに教えてる下りがあるので
両者ともカブトがパーゼク使えると知っている扱いのほうがよいですね。
これがわかっていればコーカサス+ハイパーゼクターの時点で英語をさほど理解できてなくてもピンと来るでしょうし。
その辺がもう少し自然に繋がるよう手を入れたいので、本文は保留にしていただいてもよろしいでしょうか。
今日中に再修正を済ませるようにします。
小沢と冴子のステータス欄に関しては
ただしコーカサス以外のどのゼクターがハイパーゼクターを利用できるかは知りません。
↓
カブト・コーカサス以外にガタックゼクターもハイパーゼクターを使えることは知りません。
以上のように変更すればよいでしょうか。
今回投入されたゼクターでハイパーゼクターが使えるのはこの三つだけでしたよね。
GJww
マイナーですまんが、コーカサスゼクターがふたる日記のゴホンヅノカブトにしか見えねえww
>>428 乙です。
やばいwそんな風にしょげ返るコーカサスゼクターが見たいw
カブトゼクターって、天道以外には簡単に力は貸さないよね?
劇中ずーっとカブトゼクターは天道一筋だったからなぁ……。
案外そういうところは一途なのかも。
同じ「天〜」でカブト虫といえばあいつがいるな。
あの武器も持ってるし。
まとめサイト、修正分を適用して、更新しました。
いつもお疲れさまです
ゼクターも意志があるから、選ぶとしたら資格だけでなく
「天道本人が信頼してて尚且つ天道の意思を継いでる」やつとか?
ガタックゼクターも加賀美の想いを無駄にしないために氷川を選んだんだし。
そういう意味で言ったら二人いけそうだが…
>>434 いつもありがとうございます。
乙であります!
>>434 更新乙です。
ふと思ったが、ジェネラルシャドウがこうも重要人物になりつつあると誰が予想しただろうかww
>>434 乙です。修正の件、お手数をおかけしました。
また一部自己リレーになりますが、相川始・リュウガ・神代剣の3名を予約してもよいでしょうか。
これを書いたら少しお休みするとおもいます、多分。
>>441 楽しみに待っています。
休止するなんて寂しいことは言わないでorz
>>442 いえいえ、休止ではなく他の方からボールが戻って来るまで待機という感じです
盆休みの勢いで調子こきすぎました
リュウガやべええええええええ…と思ったらむしろやばいのはぼっちゃまだな。
城戸と剣崎の仇だし。ワームにしか変身できないし。
元ジョーカー、現ジョーカー、トップマーダーの三つ巴楽しみス
まとめを見ていてふと思ったんですが
ガライって「風の声を聞け」で始と睦月の戦闘時にアンデッドをボコボコにしてますよね
という事は「ミッシング・リンク」終了時は睦月と同様に90分ほど戦闘不能ではないでしょうか
>>445 書いた人間の立場で言いますと
純粋なルール的には
・ガライは変身せずに素でボコってるだけなので無問題
書いた意図としては
・リモートされたアンデッドは参加者より弱いという演出
(参加者間の戦いではないのでそもそも戦闘ですらない扱い)
リモートされた下級アンデッドごときが中盤まで生き残った参加者にとって手強いようだと
今睦月が30名以上のアンデッドに総員リモートかけて特攻するだけで
Gトレ組の残りもライダーチームも瞬殺確実なバランスになってしまいます。
原作でもリモートされたアンデッドはさほど強くありませんでしたし、
オプション武器程度の扱いがよいだろう、ということで意図的に弱くしました。
たとえば龍騎終盤みたいに、参加者以外の量産型の敵が跋扈して数で押される展開になった時に
全アンデッドをリモートして防衛線を張る、なんて燃え展開が来た場合は
アンデッドの戦闘力をもっと高く描写することもあるでしょうけど。
>>446 対応乙です。
それで今回のことで思ったんだけど、
・リモートで開放できるアンデッドは一度に二体まで。
・開放されたアンデッドは意思を持たない。
以上のルールを追加する事を提案します。
いや、毒吐き見て開放数が制限されないのはまずいなと思ったので。
あと意志に関しては、参加者を増やすようなことはやめといたほうが無難かなと。
>>447 意志はいいんじゃないか。
どうせ時間制限はあるんだし、レンゲルに操られるという設定なんだから。
それよりリモートの時間制限を3分程度にするか、変身が解除されたらリモートも強制解除にした方が。
ちなみに蒸し返すようで悪いが、俺もアンデッドが生身のガライにあしらわれたのは違和感感じた。
制限受けている参加者が、仮にも怪人であり、制限も掛かっていないアンデッドを生身で倒せるって、おかしくないか。
先にカリスにダメージを与えられてたとは言え、生身でそこまで打ち負かせるかは疑問に残るな。
特にトリロバイトは『メタル』のカードになるから防御力は高めだと思うし…
リモートされたアンデッドは弱体化してる、という前提は…?
むしろ弱体化させないと
>今睦月が30名以上のアンデッドに総員リモートかけて特攻するだけで
Gトレ組の残りもライダーチームも瞬殺確実なバランスになってしまいます。
で無理やりオチがついちゃうからな…。
格闘経験のある参加者の生身>>アンデッド>>ひよりなどの純粋一般人くらいとか?
>>446 個人的には、数で制限すれば解決、という安易な考え方には反対です。
そもそも、リモートされたカードは一時的にラウズできなくなるので
コンボ・チャージ能力=ライダー自身の戦闘力を犠牲にする大量リモートは
自ずと使える状況が限られてきます。
さらに、単純に数だけで枠を決めると、キャラや状況による戦略変化の演出幅が狭くなってしまいます。
たとえば、ぱっと思いつく範囲でも
・始や巧は一匹狼なのでもともとリモートを使わない
・光太郎や氷川は熱血単細胞なのでリモートなんて思いつきもしない
・草加は基本的に数の不利を解消するために使うが
ドラスに対してはぶちきれていきなり総員フルボッコに入るかも知れない
・矢車や小沢はもっとも状況に適応したアンデッドを選んでリモートするので
戦闘終盤のどんでん返しを期待できる
・睦月はカードコレクターなのでもっぱら自分より敵のカードに使う
くらいのバリエーションが考えられます。
加えて、本来リモートを多用しないキャラがあえて大量リモートを使う状況、というのもまた華のある展開です。
演出とバランスを考えてどのカードを何枚リモートするかを決めるのも書き手の仕事のうちですし
さしあたりこちらを信じていただいて、明らかにやりすぎた時にNGを出すのではダメでしょうか。
どうしても制限が必要というのでしたら、私からは以下を提案します。
・1変身ごとに上限を決める(チャージ→再ラウズで制限の裏をつかれないように)
・解放数上限は3〜5の範囲で。この数の根拠としては
3=1スートの上級をまとめて解放
4=1カテゴリーのアンデッドをまとめて解放
5=本編中の最大リモート数、かつキングラウザーの連続ラウズ上限
以上の理由でメリハリのある演出が可能になるから
・敵カードのリモートについてもこの制限に含めるかどうかも決めておく
・首輪解除後にこの制限が残るかどうかも決めておく
そんなことより、もう1体アンデッドを封印したあとでもリモートが使えるかどうか
そっちのほうが個人的に気になる点です。
バトルファイトではないので、全員封印してもリモート可能というのもおかしくないと思いますが。
そんな無茶な攻撃、書き手空気嫁か、上で提案されたように最大数に制限加えればいいんじゃない。
相対して、ブレイド勢が弱く見えてしまう。
>>448-449 更に補足しますと、あのときのアンデッドはレンゲルにリモート=支配されていますので
味方であるはずのガライには本気で反撃できない状態にあります。
はっきり言って動くサンドバッグですから、たとえ上級だったとしても
素手のガライに倒されるのは時間の問題でした。
>>450-451 自分の中では基本
・下級アンデッドは2〜3体で技中心に使ってライダー基本フォームと同等に戦えるくらい
単体では一般人より強い程度
・上級は最も強いカテKが決め技を使わないライダー基本フォームと同等
・ただしリモート使用者が効果的にアンデッドを配置した場合は
戦闘力以上の効果を発揮する可能性もある
くらいのバランスで考えています。
リモートを使う機会がこの先どれくらいあるかわかりませんが、
戦闘の中で決め手となるのは主に3番目の使い方でしょう。
それ以外の使い方はただの賑やかしと考えておくのが妥当ではないかと。
言っちゃ悪いですが、所詮は雑魚戦闘員みたいなものですから。
OK
現状維持でいいということですか?
今まで決めてなかったので、最初に書いた人に任せるということでいいと思います。
数は制限しないというなら、提案した自分はそれでいいと考えます。
補足を聞かなきゃ疑問符が付くSSって、修正対象じゃね?
では、さしあたりリモートについては(まだ)制限をつけない、でよろしいですか。
>>456 ガライの件については、私からの補足は済んでいますので、それをふまえて
・変身した扱いで対処(ステータス表修正+本文を若干修正)
・変身していない扱いで対処(わかりやすく本文を修正)
・このまま流す
あたりで住人の皆様の意見をまとめて頂ければそれに従います。
幸い、今から修正を入れても前後に影響はなさそうですし。
>>457 実害がない限りはリモートはそのままでいいかと。
修正に関しては、
・変身した扱いで対処(ステータス表修正+本文を若干修正)
あたりが一番無難だと思われます。
倒されたアンデッドにはペナルティなし?
消滅するとか、二度とリモートはできないとか
>>459 それだと剣ライダーにとって大幅な戦力ダウンに繋がるからその制限は無い方がいいと思う。
ガライの件は
>>458と同意見です。
>>457 個人的には補足されたことを本文に組み入れて、設定を強化することを提案いたします。
なんで、私は
・変身していない扱いで対処(わかりやすく本文を修正)
に一票。
シャドームーンを予約いたします。
>>460 別に剣ライダーを優遇(とはまた違うかも知れないが)することもなくね?
龍騎ライダーだってモンスター倒されたらブランク体に弱体化しただろ。
強力な手段には相応のリスクがあるべきだと思うが
>>457 読み専ですが
>>461に同意。
リモートされたアンデッドは怪人の通常体で倒せる程度、自律判断は非常に低いLv
(どれぐらい弱いかは書き手さんにおまかせします)とすれば
>>462さんの指摘する『剣ライダー優遇』にはあたらないと思います。
久々に響鬼の29話を見て思った。
やっぱ後半の響鬼の明日夢の選択は間違ってないと。
ここと比べたら、ねw
比較対象が悪過ぎるww
>>462 原作自体についてる制限とロワ内での制限をごっちゃにしない方がいい
すべての作品の原作の弱点と同レベルまで他の作品を弱体化してたら
最終的には全員変身も能力も封印でってことになる
投下します。
闇が深まっていく。
沈んだ太陽に代わり、天空を支配する月も、分厚い雲に覆われ、その光を失っていた。
辺りは漆黒に染まり、数メートル先を見通すことすらままならない。
そんな状況をまったく意に介さずに、独特の足音を立てながら、街を歩く男がひとり。
――シャドームーン
影の月。それが彼の名だ。
今のシャドームーンの心は、空の月と同様に、迷いという分厚い雲に覆われていた。
サタンサーベルを手に入れる。それが今の彼の目的だった。
シャドームーンの足は自然と南へと向く。サタンサーベルが南にあると確信しているからだ。
実際、サタンサーベルは、今、ジェネラルシャドウと共に、南の方角に存在していた。彼の目指す方角に間違いはない。
しかし、何故、それがわかるのか。シャドームーンにはわからなかった。
歩みを進め、街の出口が見えた時、シャドームーンの首元から奇妙な音が鳴った。
ピッ、ピッ、ピッ、とリズムを刻みながら、断続的に音が紡がれる。
シャドームーンは一時歩みを止めた。
その音が自分がしている首輪から鳴っていることを確認する。
禁止エリア。
一回目の放送はシャドームーンも記憶していた。
特定の場所に近づくと首輪が爆発するという情報は得ている。
シャドームーンは踵を返すと、今来た道を戻ろうとする。
だが、数歩進んだところで、シャドームーンは歩みを止めた。
勿論、首輪から鳴る音は止んでいない。
シャドームーンは思う。
止めこそ刺せなかったとはいえ、RXは倒した。だが、何かが変わる兆候は見られなかった。
再戦して止めを刺したとしても、結果は一緒ではないのか?
ならばと、サタンサーベルを手に入れればとも思った。
あれは俺の剣だ。そのはずだ。手に入れれば何かが変わるはず。だが、その剣は俺の呼びかけには応えない。
本当に俺の剣なのか?手に入れて何も変わらなければ、今度はどうすればいい?
仮面ライダーになれとでも言うのか?
馬鹿な。それで何が変わる。仮面ライダーになったからといって、何が変わる!
首輪が刻むリズムが激しくなっていく。
もう時間がない。
だが、それでもシャドームーンは、再び歩を進めることはなかった。
そして、一際大きく首輪が鳴った。
やがて――爆発音が響いた。
バンと何かが弾ける音と、そして、ボトンと地面に落ちた音。
結局、シャドームーンは、迷いという檻から抜け出すことはできなかった。
こうして、シャドームーンは世紀王としての記憶を思い出すことも、仮面ライダーになることもなく、幾度目かの死を迎えた。
首だけになり、シャドームーンの意識は徐々に闇へと沈んでいく。
シャドームーンは自分の死にすら何の感慨もわかなかったが、あることをふと思い出した。
この戦いの中で、唯一今までとは違った自分を感じた瞬間を。
ひよりを刺したときだ。
あのとき、自分はひよりを刺したことに罪悪感を感じた。
戦いの邪魔をするものは女子供であろうとも殺すことは厭わない。そのはずだった。
だが、あの瞬間だけは、まるで自分の肉親を傷つけてしまったかのように、激しい後悔の念を持った。
肉親。自分に肉親などいただろうか?そもそも俺は誰だ?
何故シャドームーンと名乗っている?
そういえば、南光太郎は俺を何と呼んでいた?
(……きょうこ?……あき…………づき?……………………そうだ、俺は……俺の名は……)
そこでシャドームーンの意識は途切れた。
しばしの時が流れ、ふいに突風が吹く。
分厚き雲は風に流され、月は再び輝きを取り戻す。
月の光は自分の化身の亡骸を照らした。
光を反射して、輝くシャドームーンの身体。
だが、月光がいくら辺りを照らそうとも、彼の失われた頭部が見つかることはない。
彼の傍らにある頭部は、シャドームーンではなく、ただの人間のものだった。
【シャドームーン 死亡】
残り20人
投下終了。
誤字、脱字、修正点、感想、その他諸々、
ご指摘があればよろしくお願いします。
GJ!
シャドームーン、禁止エリアのまま何もしないなんてさびしすぎるぞ・゚・(つД`)・゚・
向こうでは、日和の兄の天道×2と仲良くやってくれ……。
GJ!
なんというか……凄い……欝です。
シャドームーンが無様な死に方をするとはすげえ意外。
二回目の放送を聞いてなかったのが仇となったか。
そうきたか・・乙です
>>469 とても意外な死に方でビックリしたけど
シャドームーンならこれもアリかと思えた
GJ!
乙
次の放送でシャドームーンの死を知った光太郎の動きが楽しみです
秋山蓮、乾巧、草加雅人、矢車想予約します。
>>462 リモートくらい目をつぶってやれよ
初期なんて
龍騎勢→サバイブ以外コンプリート(王蛇はきちんとアドベント3枚契約状態)
剣勢→A,2,5,6のみ(メイン必殺技の3枚コンボ使用不可・カリスは実質2枚)
くらい開きがあったんだから
剣勢は上位フォームも条件厳しい上、実質ワイルドカリス以外封印だもんな
GJ!
なんてこった・・・光太郎さんが知ったらロボになるんじゃないかってくらい悲しい・・・
シャドームーンが死の間際に記憶を思い出しかけたのがまた悲しい
>>478 今後の行動が全く想像出来ない4人組ktkr!!!
……そろそろ奴が動きそうな…とにかく楽しみに待ってます!!!
剣勢、睦月ならギャレンJフォームならいけそうだけどアブソーバとダイヤのJはキングが持ってるしなあ…
例によって初稿を仮アップしました。
ttp://riders.suppa.jp/brtest/test5.html ご指摘がありましたらよろしくお願いします。
で、以前の分の修正ですが、ステータス修正が2票、本文のみ修正が2票なので
結局どっちにしたものか……。
私としては作業量は増えますが、せっかくなら本文のみ修正のほうがいい、
という気持ちがあるのですが。
>>480,482
個人的に、木野ギャレンの前例もあることですし
使用者にちゃんとフラグを立てればブレイドKもありだとは思うのですが
そのためにはまずキングをムッコロす必要がありますな。
Kラウザーだけでも使えると技の幅が増えて面白いんですけどね。
でもブレイドKの最大の難点は使ったら解除後その場で眠っちゃうことじゃないかと。
>>483 演出は良かったのですが、やはり時間が逆行しすぎていて状況把握に手間取ります。
時刻もありだと思います
◆s.0z/S/80k 氏
仮アップ乙です。本投下を楽しみにしてます。感想はその時に……
以前の分の修正ですが、自分も本文のみ修正に1票。
久しぶりに予約します。
氷川 誠・日下部 ひより・南 光太郎・結城 丈二・城 茂
よろしくお願いします。
◆s.0z/S/80k 氏
仮アップ乙です。本投下を楽しみにしてます。感想はその時に……
以前の分の修正ですが、自分も本文のみ修正に1票。
久しぶりに予約します。
氷川 誠・日下部 ひより・南 光太郎・結城 丈二・城 茂
よろしくお願いします。
そろそろ文面だけでは現在地がわからなくなって来たorz
>>489 マップ&進行表更新乙であります!
新作も楽しみにしてます!
>>479 まあ逆にラウズカードがあんまりなかったおかげで生き残っているという解釈もできなくはない。
しかし、リュウガの持っているラウズカードって微妙だよな。
ハートの8はともかく、ロワでは扱いが難しいリカバーに、文献によって記載が違うダイヤの10か。
使う機会はないかもな。
>>483 読ませていただきましたが、何が何やら。
自分は時刻を入れるより、時系列順に並び替える方がいいと思います。
全部とは言いませんが。
493 :
名無しより愛をこめて:2007/09/03(月) 22:42:24 ID:Iz6OkQQTO
リカバー>>ジョーカーの体力回復能力一時的にうpとかかな?リフレクトも制限つくだろうが原作で一回も使われてないはずだからどの程度跳ね返すのか分からんし。
ダイヤにいたっては実質対ムッキーカードだし。それに引き換えリュウガはサバイブだし本当に良い取引したなw
ダイヤ10ってシーフカメレオンだっけ?スチールベントみたいな効果しか知らんがティターンみたいな擬態効果もあるのかね?
>>484,492
うーむ、やっぱり奇をてらいすぎましたね。
順序を入れ替えずにどうにかなるか試行錯誤してみましたが
すかっとした解決法には至らず。
時系列通りに並べ直すのでしたら構成上割愛した部分も加筆したいので、
期限の一時延長をお願いできますか?
ただ、今週はまとまった時間が取れるかわからないので、週末まで頂けると助かるのですが。
以前の分の修正もまとめてそれまでには仕上げられるはずです。
それは時間を取り過ぎ、ということでしたら今回の分だけでも速攻で修正にかかりますが……。
>>493 リカバーは
・その戦闘内での負傷をある程度直す(腕を骨折→動かせるようにはなる、位)
一度変身解除されたらそれ以前の負傷には無効
・回復速度が若干向上
・回復すると思っていたがそんなことはなかったぜ(痛みが減るとか血が止まる等、気持ちレベルの効果)
あたりの可能性を考えてましたが難しいですね。
リフレクトとメタルは共に敵の技を1回防御か軽減ぐらいが妥当でしょうか。
チャージできなければただのAPの無駄遣いかも。
シーフカメレオン=スチールベントと考えれば剣・龍騎以外のライダーにも効く気が。
ただしこれも1変身1ラウズに限定しないと反則っぽい感じがしますが。
まとめサイト更新。
シーフカメレオンは文献によっては透明になると書かれていたりしました。
他にもラウズカードは効果が安定しないのが多いので、難しいですね。
まあ書き手次第でしょうか。
お三方の投下を楽しみにしつつ、私も予約。
一部自己リレーになりますが、
キング・ドラス・ジャーク将軍・ガライ・上城 睦月・ジェネラルシャドウ・影山 冴子・小沢 澄子
を予約します。
しかもシーフはカデコリー10だからAP消費が激しいんだよなぁ。始が持ってるうちは(とゆ〜かムッキーもハートのスートは始から奪う事まずないだろうし)チャージも出来ないし制限かけなくても1ラウズが精一杯じゃね?
カードコンボを考えたらスチール×2なんてムッキーからカード奪うくらいしか考えられん。
にしてもリュウガは本当に微妙なカードを…リフレクトもリカバーもカデコリー8と9だからAP食う割にはコストパフォーマンス微妙だし。しかも効果が効果だから書き手さんが下手に書くと剣自重wwwの嵐になるし…
もう始アドバンテージ全然ないじゃないかw
>>495 更新乙です!
これで全パートに予約が入りましたね。
睦月vsキング・ドラス復活となるのか…楽しみに待ってます。
もしかしてそろそろ第4回放送に入る?
498 :
名無しより愛をこめて:2007/09/04(火) 17:49:34 ID:lxYjtQ6G0
どうでもいい
始めたいやつが始めればいいさ
微妙なカードを出したことを今更反省orz
どうせ誰もきにしてない
>>495 更新乙です。
何気に全パートに予約が入った……?
第四回放送も近そうですね。
新作楽しみにしています。
取り急ぎ
>>483を修正しました。この方向性ではどうでしょうか。
以前の分まではまだちょっと手が回ってませんのでもう少しお待ちください。
>>503 修正乙です。
特に問題はないかと。
本投下お待ちしています。
修正乙です。
一か所だけ誤字と思われます。
剣の所で
>魔法を掛けられた王子ではなく応じに魔法を〜
は
「王子」ではないかと。
本投下をお待ちしています。
投下します。
ホテルの一室に設置されている、ミニバーで矢車は仲間を待ち続ける。
氷川、南、結城、ひより、いずれも自分の完全調和に協力し、脱出を誓った仲間だ。
ドラスに対抗するのも、ジャーク将軍たちに対抗するのも、戦力が必要だ。
そのため、第四回放送まで待つ事を決め、その旨をこの場にいる仲間に告げた。
もともと眠りの浅い草加は頷き、再び横になって休憩を取っている。巧は起きたときに伝えるつもりだ。もっともも、彼は反対はしないだろうが。
蓮は自分と共に見張りをおこなっている。最初にそのことは伝えた。
その事を脳内で確かめ、矢車はため息を吐いた。時間ができたため、これまでの事を思い出しているのだ。
ザビーゼクターを失ったときはどん底まで落ちたが、心強い仲間と出会い、脱出の糸口を得るまでに至った。
そこまで這い上がったのに、今またどん底に落ちている。
脱出能力を持ち、頼りになる天道は死んだ。脱出の鍵であるハイパーゼクターと首輪の解析ができる二人は敵に捕らわれている。
しかも最大の敵、ドラスは生きており、信頼ができない草加に頼らざる得ない状況だ。
再び、矢車はため息を吐いた。その様子に怪訝な表情の蓮が話しかけてくる。
「どうした? もうギブアップか?」
「まさか。俺は脱出するため、完全調和を成し遂げて見せる。
秋山、このまま俺の…………仲間になれ」
「悪いが、俺はまだ優勝を諦めたわけじゃない。叶えなければならないことがあるからな」
「……そうか。だが、しばらくは手を組むんだろ?」
「……まあな。ドラスには借りがある」
そう告げる蓮の瞳には、怒りの炎が宿っている。ヒビキを殺したドラスが許せないのだろう。
自分とて同じだ。前のキックホッパーの変身者、麻生勝を取り込み、天道を捕らえた怪人を許せるはずがない。
天道が言うことが正しければ、キックホッパーはもともと自分の物らしい。しかし、自分のゼクターはザビーという意識の方が強い。
だから、どうしてもキックホッパーは麻生の物な気がしてならない。
とは言え、無い物ねだりはできない。一時期はカイザのベルトに期待をかけたが、今では天道の命を奪った忌まわしい物へと認識を変えている。
今、自分が使えるのはホッパーゼクターと蓮の持つナイトのカードデッキのみ。蓮自身の戦力を考慮すれば、ホッパーゼクターで戦うことになるだろう
もちろんそこに不満はない。だが、自分の左腕にあるライダーブレスを見つめると、つい物思いにふけてしまう。
直してくれると宣言した小沢は、彼女自身の命も危うい状況だ。ドラスを倒したあとは、最優先で救出に向かわねばならない。
またもため息が出る。いっそのことこのまま優勝を目指そうか。
疲れからか、矢車は一瞬本気で思ってしまった。皮肉気に笑みを浮かべ、どうせ俺なんかと自嘲する。
「やはり疲れているようだな。一人でも見張りはできるから、お前も休んだらどうだ?」
蓮がそっけなく告げる。しかし、自分を心配をしての言葉なのは分かった。
矢車は、なぜこんな奴が殺し合いに乗ったのか不思議に思う。
まだ大丈夫だと返そうとしたとき、後ろから声がかけられた。
「俺も充分に休んだ。交代してやるから、今度はお前が休め」
「草加か」
「安心しろ、寝首はかかない」
「そいつは皮肉か? まあ、いいさ。言葉に甘えるとするか」
自分が草加に言った言葉を受け止め、矢車はベットの柔らかさに身体を預け、シーツに包まる
ふと気がかりなことが頭に浮かんで、矢車は草加に声をかける。
「移動は……四回目の放送の結果次第で動こう。
内容を確認すれば、少なくとも南たちの状況を予測することができる」
「まあ、妥当だな。南が生きていれば、ここで待つ意味もあるしな」
確認が終わり、矢車は身体を横にする。
起きているのが殺し合いに乗っていた二人なのは気がかりだが、ドラスという強敵を前に戦力を削るのは彼らのマイナスにしかならない。
それに、草加はともかく、蓮は寝込みを襲うような人柄だとは思えなかった。
疲労も手伝い、矢車は寝息をたて始める。
やがてその場は沈黙に支配された。
沈黙の時が十数分ほど流れたあと、瞳に蔑視を乗せて草加が口を開き始めた。
「……やけに静かじゃないか」
「お前と仲良く談笑など、死んでもごめんだな」
「ああ、たしかに悪夢だな」
草加は皮肉気な笑みを浮かべた。
草加が最初に会ったのはこの黒いロングコートの青年である。
もともと、残り五人になるまでは手を組むという約束の下、行動を共にしていた。
草加にはその約束を守るつもりは、今も昔もない。蓮の性格を考慮するなら、なるべく早くに始末していた方が後々有利である。
まあ、戦力になる分、ひよりだのという完全な足手まといよりはマシではある。
せいぜい、ドラス戦で捨て駒として奴に幾らかのダメージを与えてくれれば御の字だ。
「……草加、お前に聞きたいことがある」
「ふん、何かな?」
「お前はまだ殺し合いに乗っているのか?」
蓮の言葉を聞き、草加は呆れる。後ろで巧が完全に寝入っているのを確認し、口を開く。
「当たり前だ。真理を生き返らせなければならないからな」
「そうか……」
それっきり、蓮は黙った。
「当たり前だ。真理を生き返らせなければならないからな」
「そうか……」
蓮は押し黙り、草加の目的が自分に近いことに気づく。
もともと自分は恵理を救うためにライダーバトルへと身を投じた。
城戸を殺そうとしたのもそのためだ。
もっとも、城戸は神代に殺されてしまった。あの時、親友と認めた男の心臓に剣を突き刺せずに終わったのは、幸運なのか、迷いを断ち切れなかった不幸なのか、自分自身にも分からない。
あったのは加害者である神代に対する怒りだけである。
結局、いまだに自分は足踏みをしているだけだ。一応、ドラスを殺すことを一番の目標にしているが、所詮は怪物。自分の迷いを砕くほどの存在ではない。
草加と出会ってから、蓮は自分が理想とする精神状態は彼が一番近いように思えてきた。
城戸が知れば酷く怒ることだろう。
だが、草加の目的のためならいかなる犠牲も厭わず、他人の事をいとも簡単に切り捨てられる信念は、今も昔も蓮が求めていたものである。
(この場に優衣はいないし、城戸は死んだ。もう、俺には恵理しかいない)
それでも、蓮の心はまだ定まらない。
蓮はある種の呪いかもしれないと、薄く笑った。
草加の様に全てを切り捨てる強さがあれば、多少は楽なのにとため息を吐きたくなる。
だが、自分は草加にはなれない。人の命を軽く受け止めることなど、城戸の言うように蓮には無理なのだ。
蓮の心が磨耗しても、恵理の笑顔だけを頼りに茨の道を進む。
(だが、今このときだけは……)
ただ、ドラスを倒すため、自分を庇ったヒビキの仇を討つため、『仲間』の輪にいる。
それが、ほんの一時の安らぎで、いずれ手を下さないといけない相手だとしても。
血に濡れた手で、恵理を抱くことは叶わなくても。
やはり、再び沈黙を破ったのは草加だった。
「そういうお前はどうだ? まだ女のために優勝を目指すのか?」
「お前も似たような目的だろ。俺は優勝を諦めはしない」
草加の口元に浮かぶのは、嘲笑だ。
(無理だな。お前は反吐が出るほど甘すぎる。そこにいる、乾のようにな)
いつか、オルフェノクを庇った巧の姿を思い出す。
草加は怒りに任せたまま三原を殴ったが、巧には頬をかすらせただけだ。
もっとも、怒りと呆れの天秤が絶妙なバランスで揺れ動き、ファイズの戦闘力を考慮して打算のまま怒りを収めただけにすぎない。
今の状況も、それと似たようなものだ。
草加一人ではドラスとジャーク将軍のグループに対抗できない。この脱出派のグループともいずれは殺しあわねばならない。
オルフェノク同士の争いを放置したように、連中を潰し合わせて漁夫の利を得る。
自分と真理以外、誰がどうなろうが興味はない。むしろ、憎悪すら抱いている。
さらに、草加はドラスに囚われている麻生に対しては、より強く憎んでいる。
真理を守れきれなかった、最も罪深き男。草加の彼に対する認識は、その程度だった。
だから、草加はただ静かに牙を磨く。そして……
(この説明書、拾っていてよかった。ドクターケイトの杖か。都合の良さそうな物が支給されているもんだ。
支給品によっては説明書がついてないものもあるが、こいつはそうでなかったようだな。
向こうに落ちていたとなると、誰かに回収されたのか、もしくはまだこの付近に落ちているのか。
探しに行くのもいいかもな)
その心、闇に落として、草加雅人は微笑んだ。
ひたすら、真理との再会を夢見て。そして、草加は蓮とは違い、血に濡れた手で恋人を抱くことに、何の迷いもなかった。
□
巧は周りを認識できないほど暗い道をオートバジンで進んでいた。
いくら進んでも終わりの見えない道に、巧はこれが夢の中である事を気づいた。
第一、神崎に連れてこられて以来、オートバジンを操ってはいない。
やがて見えた人影に、バイクを停止させる。
現れた人影は……否、現れた異形の影はオートバジンのライトに照らされ、狼を模した姿を見せた。
「お前……ッ!」
巧は驚き、自分のもう一つの姿、ウルフオルフェノクを睨みつける。
無言で佇むウルフオルフェノクが何をいいたいか、巧には分からない。
しかし、目の前の『力』は巧の忌むべき存在である。一度、自分の意思で使ったことがあるが、そのときの記憶はいまだにない。
その記憶を失っていた間に、無力な人を傷つけたのではないのかと不安でしょうがない。
実はその時守ろうとしたのが真理であり、草加であったことは、その事を教えられる時間軸の前に連れてこられた巧では知る術はない。
真理の危機にもう一度使い、グランザイラス、ジャーク将軍たちから仲間を守るために使ったが、それも止めてくれるであろう天道や仮面ライダーの存在があってのこと。
巧は目の前の自分の力、ウルフオルフェノクとは向き合えない。
オートバジンに積まれてあるベルトを取り出し、腰に装着する。
続けて、ファイズフォンに5を三回押してエンターコード。
―― Standing by ――
天に向けてファイズフォンを掲げ、天の道を行くという男を思い出し、巧の表情が歪んだ。
「変身!!」
嫌悪のまま決意の声を吐き出し、ベルトへとファイズフォンを収める。
―― Complete ――
血よりも赤いラインが巧の身体を包み込み、黒の強化スーツを作り上げる。
黄の瞳はもう一人の自分を見つめ、オートバジンのグリップにミッションメモリーを差し込み、引き抜く。
フォン……と、断続的に続くレーザーの唸り声は、目の前のオルフェノクの鳴き声にも聞こえた。
ファイズはそのまま、剣を右手に携えて、感情のままに雄叫びながら突進する。
「うおぉぉぉぉぉ!」
疾風のように剣を薙ぎ払うが、ウルフオルフェノクは軽やかなステップで剣を避ける。
そのまま宙を回転しながら飛び、ファイズの右肩に爪痕が刻まれる。
クッ、と呻きながらファイズは再び剣を横一文字に振るう。
まるでファイズの考えが分かるかのように、ウルフオルフェノクは懐にもぐりこんで、サックをはめた拳で腹を殴りつけた。
ファイズの腹に重い衝撃が走り、空気を吐きながらよろよろと後進する。
ウルフオルフェノクはその隙を見逃さず、拳のラッシュをファイズに叩き込んだ。
ファイズは五発目にして右手を掴み、ウルフオルフェノクの腹を蹴る。
敵は自分自身。ゆえに動きが読まれる。だが、
(俺もこいつの動きが分かる!)
跳躍しようとするウルフオルフェを予測して、ファイズは剣を上空に振るう。
剣先が胸板を抉って、ウルフオルフェノクは体制を崩して落ちる。
ファイズは静かにファイズフォンのエンターキーを押す。
―― EXCEED CHARGE ――
腕のラインを赤いエネルギーが通り、剣に伝わる。
ファイズは剣を逆袈裟に振るい、フォトンブラッドの波がウルフオルフェノクを包み、動きを止めた。
そのまま地面を蹴り、剣を腰溜めに構える。
「おぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
ファイズは胴を薙ぎ払い、『Φ』の文字がウルフオルフェノクに切り刻まれるのを確認した。
安堵のため息を吐きながら振り向くと、そこにはウルフオルフェノクの姿は無かった。
あったのは、上半身しかないあきらの姿。
「巧さん…………私……帰りたか……」
巧は思わず駆け出し、伸ばされたあきらの手を握ろうと必死右手を伸ばす。
最早彼はあきらしか見ておらず、自分の変身が解けている事実にも疑問を示さない。
巧があきらの右手を掴んだ瞬間、
「あきらぁぁぁぁッ!!」
「帰り……た……」
あきらの身体は、色をなくしていき、無生物の色を宿して、灰となって崩れ落ちていく。
巧にはそれを止める手段はない。両手から灰が、あきらの涙のように零れ落ちる。
やがて巧を支配するのは、後悔と無力感。肩が震え、天を仰ぐと、身体はウルフオルフェノクと変わっていた。
「ウオォォォォォォォォォッ!!」
獣の咆哮に、ウルフオルフェノクはいっそのこと、心も化け物になれれば苦しまずに済むのにと、絶望の呟きを吐いた。
「そうだよ。巧は……」
急に現れた真理が、何かを呟きながら迫る。
ウルフオルフェノクは何を言いたいかを瞬時に理解して、ただ黙って真理の言葉に耳を傾ける。
「人類の敵、オルフェノクなんだから」
もちろん、これはただの悪夢。本来の真理なら言うことのない言葉。
しかし、自分に絶望する巧には、唯一の真実に聞こえた。
ウルフオルフェノクは、絶望のままファイズエッジで己の首を刎ねる。
その瞳から、血の涙が流れていた。
□
荒い息を吐きながら、巧は静かに目を開く。
蓮と草加には届いていないらしい。歯を食いしばり、己への怒りで震える。
汗でシャツがべたついて気持ち悪い。だが、それよりも身体はまだ睡眠を欲していた。
巧はもう一度起きたらシャワーを浴びようと考え瞼を閉じる。
悪夢に脅えながらも、悪夢でもいいから真理とあきらに会いたいと願ってしまい、矛盾する思いを抱えて眠りへと落ちた。
(やっぱり俺は……オルフェノクなのか?)
まだ彼は、絶望を抱えている。
月は天に上り続け、星が瞬く。
一日の終わりを告げる放送は、もう近い。
戦士たちの運命はどう流れるか、星にも分からないことだ。
流れ星が一つ流れて、すぐに消える。
まるで、人の輝きのように。
【秋山蓮@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:34話龍騎サバイブ戦闘前後。
[状態]:中度の負傷。
[装備]:なし。
[道具]:配給品一式。 カードデッキ(ナイト)。サバイブ(疾風)
コニャックの小瓶2本 ソムリエナイフ
[思考・状況]
1:戦いのために犠牲は問わない、その覚悟だったはずだ……。
2:神代を逃がしはしない。
3:リュウガに話がある。
4:矢車の様子がおかしい気がする。酔っているだけならいいが。
5:互いに信用できないとはいえ、仲間の存在に奇妙な脱力感と安心感。
[備考]
※1:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※2:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【乾巧@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:中盤くらい
[状態]:全身に中度の負傷。応急処置済み。睡眠中(慣れない酒に酔っているので寝起きが悪いかもしれません)
悪夢による精神消耗。
[装備]:ファイズドライバー(ファイズポインター、ファイズショット、ファイズアクセル)
[道具]:ミネラルウォーター×2(一本は半分消費) カレーの缶詰 乾パンの缶詰
アイロンを掛けた白いシャツ(抱き枕にされたせいで少し皺になりました)
リキュールの小瓶2本
[思考・状況]
1:自分にも主催者にも言いようのない怒り。神崎は絶対ぶっ飛ばす。
2:浅倉とドラスを倒す。
3:さっさと生き残りと合流したい。
4:自分はオルフェノクとしてしか生きれないのか?
[備考]
※1:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※2:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【草加雅人@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:ファイズ終盤。
[状態]:背中に切り傷。全身に強度の打撲。参加者全員への強い憎悪。ドラスに特に強い憎悪。
仮眠中(眠りは浅いため、起こされればすぐ行動できます)
[装備]:カイザドライバー(カイザブレイガン、カイザポインター)。
[道具]:救急箱。精密ドライバー。バタル弾。配給品一式×5(北岡、木野、キング、睦月、草加)
ディスカリバー。 GA-04・アンタレス。ウォッカの小瓶2本 。ドクターケイトの杖の説明書。
[思考・状況]
1:このメンバーを利用して、ドラス、冴子に復讐。
2:ゲームの参加者の皆殺し。
3:馬鹿を騙し、手駒にする。そろそろ役立たずは切り捨てることも視野に。
4:デルタドライバー、ドクターケイトの杖を手に入れたい。
[備考]
※1:バタル弾は改造人間のみに効果あります。
※2:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※3:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
【矢車想@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地E-4】
[時間軸]:8話 ザビー資格者
[状態]:疲労と悲しみと絶望と。
[装備]:ライダーブレス(ザビーゼクター破壊)
[道具]:ホッパーゼクター&ホッパー用ZECTバックル。ゼクトマイザー。3人分のデイバック(佐伯、純子、矢車)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能。電源が入っています)。
スコッチの小瓶2本
ドレイクグリップ(現在、資格者は存在しません)
[思考・状況]
1:仲間が刻々と減ってゆく現実に焦燥。
2:パーフェクトハーモニー実現に執念。
3:戦闘力の確保。
4:リュウガに僅かに不信感。
5:仲間の死に冷淡な草加に不快感。
[備考]
※1:クライシスと神崎士郎が利害の一致で手を組んでいる可能性が高いと考えています。
※2:ゼクトマイザーは制限により弾数に限りがあります。現在、弾切れです。
※3:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※4:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
二度もさる規制にorz
しかもたった2レスで……
投下終了、誤字、矛盾など指摘をお願いします。
支援多謝。
投下乙!!&GJ!!
蓮のコートが矢車さんに渡る日が来るのだろうかww
放送聴いたらたっくんきっと凹むだろうなあ…
そして今草加がディスカリバー持ってることに気付いた
フェンシング部の部長さんならコレだけでかなり強そうだ。
投下乙です!
それでは投下を開始します。
Iterum secundo abiit, et oravit, dicens:
”Pater mi, si non potest hic calix transire nisi bibam illum,
fiat voluntas tua.“
イエスは今一度祈りに赴き、言った。
「父よ、この杯が去らず、私が飲み干さねばならないのでしたら、
御心の通りになりますように」
(マタイによる福音書 26章42節)
***
始は冷え込んで来る夜気にコートの襟を合わせてみたが、それだけでは逃れられない寒さが身体の芯から彼を凍えさせた。
剣崎は既に死んでいた。剣崎を殺した男が、剣崎を装って自分を騙したのだ。騙されたことに対する怒りより、友人の名を騙られたことに怒りを覚えた。
償いを、と思う。だが、どんな償いを求めているのかが自分でもわからなかった。神代剣という男を殺すことはいうまでもない。いずれ優勝のためには排除する必要がある。
勝ち残るためにはただすべての敵を倒せばいい。至極簡単なことだ。自分が勝ち残れば剣崎に新たな生を与えることができる。それ以上なにも望むことはないはずなのに、それだけでは許せないと感じる自分がいる。
剣崎なら、何を望むだろうか。
ーーーーおそらくは、何も望まないだろう。剣崎は、自分のために何かを望んだことは一度もなかった。そのことが、余計に彼を絶望させる。
始はポケットから折り畳まれた地図を取り出した。
最後に剣崎を……神代剣を見た地点は市街地の北部に当たる。そこまで一気に突っ切って、レーダーを頼りに周辺を探索する。レーダーがあれば他の参加者との正面衝突は避けられるし、最悪まともにでくわしてしまった時もトップスピードで走れば振り切れるはずだ。
地図をしまい込むついでに、ふと思い出した胸の傷跡に触れてみる。幸い塞がっては来たようで、押さえれば痛みは感じるが常に自分を苛むほどではない。
彼は心を決めて今一度車上の人となった。
***
幸いにも足となる道具を手に入れた者もいれば、自らの足で歩まねばならない者もいる。
リュウガは疲れに足を引きずりながら、人気のない通りを下っていた。街灯が導くように列をなして辺りを照らし、枝葉の落ちた街路樹の影をアスファルトの上に刻み込んでいる。
身に負った傷は思いのほか深く、歩き続けるのは辛かった。それでも不思議なほどに身体が軽い。全身を締め付ける痛みと自分自身の意識が切り離されたかのような感覚だ。絶え間ないめまいに方角を見失いそうになるたびに、足を止めて空を仰ぐ。
市街地とは思えない満天の星の間、高く昇った月が彼を見守るように輝いている。
彼はショーウィンドウにもたれて息をついた。
磨き上げられたガラスに映る自分の姿は、夜目にもひどく汚れている。トレーラーから突き落とされたときについた額の傷は、土の色も混じってどす黒い染みのようになっていた。
思わずそこに手を当てて、腕までもすっかり血と砂にまみれていることに気づく。手の甲の傷を拭うように舐めると、塩辛い味とともに焼け付くような感覚が走った。
痛い。
歯を食いしばると、砂を噛むじゃりっとした音が顎に伝わる。味ですらない苦さだ。
思い切って額の汚れを手でこする。何かが引き裂かれるように痛い。乾きかけた傷から血がにじみ、顔と手を赤く染めて行く。吹き抜けた風に染み通る痛みが、もうろうとした意識を目覚めさせる。
今、自分が二本の足で立ち、何かのために歩き続けようとしている、そのことを思い出す。
行かなくては。
どこからか、水の流れる音が聞こえてくる。その音に喉の乾きを思い出し、彼は再び歩き始めた。
***
湿った冷たさが頬を撫で、彼はぼんやりとした意識のままで呟いた。
「……じいや、毛布……」
大気に吸い込まれた自分の声に、はっと目を覚ます。
空々しくこちらを見下ろしている影が冬枯れの木々だと気づくまでには時間が必要だった。夜の闇を月だけが無慈悲に照らし、辺りはぼんやりと霞みがかっている。
ここは神代家の邸宅などではないことを、彼はようやく思い出した。
ーーーー自分が神代剣などではないことも。
彼は神代剣という男を殺し、その記憶を奪って青年に成り済ましたワームだった。青年から家族を奪い、与えられるべきだった愛情を盗み、あまつさえその姿で人間と恋に落ちた怪物だった。魔法を掛けられた王子ではなく王子に魔法を掛けた醜い悪魔。
ならば王女が口づけを与える前に裁かれねばならない。すべての呪いを解く最後の魔法を残して。
もし事が成就して世界が生まれ変わったなら、神代剣はミサキーヌに出会えるだろうか。
ワームのない世界にはゼクトもない。ワームを追うという目的があったからこそ彼は岬と出会った。加賀美や天道と出会ったのも、同じ目的のために戦っていたからだ。ワームのいない世界では、彼は良き友を得られないかも知れない。
それでも、ワームに未来を奪われるよりはましに違いない。
……少なくとも、彼はこの重荷を背負わなくて済む。
彼は時計を確かめた。九時半が近い。たっぷり一時間以上気を失っていた事になる。それに気づくと同時に胸の傷が疼き出す。手で押さえると、生温く濡れた感触が残る。白かったシャツには大きな染みができていた。
傷など見たくもない。思い出したくもない。傷に涙を流せるような状況ではないのだから。
それにこのままでいれば夜の寒気により体力を消耗するだろう。彼はさしあたり夜をやり過ごす場所を探すため、市街地へと戻ることにした。
***
道路沿いの建物の間に、幾何学的な作りの噴水が柔らかな音を辺りに響かせていた。回り続ける銀のオブジェが波立つ水盤に光のかけらを落とす。植え替え前なのだろう。周囲の花壇は掘り返され、黒い畝の傍らに苗を収めた箱が並べられている。
リュウガは噴水の縁に膝をついて身を屈めた。そのまま水面に顔をつけて水をすする。どこかで切ったのか、冷たい水が口の中にしみた。
あらためて顔を上げ、濡れた顔を手でこする。触れた場所から、水の冷たさと傷の痛みが広がった。手で水をすくって繰り返し顔を洗い、手の汚れも落とす。
続けているうちに、指先の感覚がしびれて来た。なおも手をこすりつづけ、終いにはもどかしくなって水盤のなかに飛び込んだ。
頭上から降り注ぐ水が、全身をゆっくりと包み込む。
冷たい水に体温を奪われるほどに痛みも消えて行く。目を閉じれば何もない虚空に、自分の意識だけがはっきりと浮かび上がる感覚。
自分がこの世に存在する、生きている、という実感。
傷つくことにも、死ぬことにも、もはや何の恐れもない。生きてゆける、そして何かを守れる、その喜びだけで十分だ。
痛みを感じることのできる今の自分は、幸せだと思う。
水に濡れたせいで、一度は乾きかけた手のひらの傷から再び血がにじみ出す。それは啓示を得たものに刻まれる聖痕にも似ている。
*
レーダーの反応に気づき、始はバイクを物陰に停めた。
この近くにたった一人、身を潜める者がいる。物陰から獲物を狙う殺戮者か、それとも仲間とはぐれた脱落者か。いずれにせよエンジン音で無駄に注意を誘う必要はあるまい。
始はバイクを押したまま、ゆっくりと探知機が示す方向に近づいた。
連なっていた建物が突然途切れ、虚ろな空間に聞く者を苛立たせるような水音が響いている。見る者もいないだろうに無表情に回り続けるオブジェが、目障りな光を当たりにばらまいていた。
その傍らで、誰かが座り込みしきりに土を弄っているのが目に入る。警戒している様子は微塵もない。
今なら簡単に命を奪えるだろう。それなのに、なぜか狩ろうという気持ちには至らなかった。
広場の入り口からじっと様子を見つめていると、しばらくして相手が顔を上げた。
「あんたか」
薄やみの中ではっきりしないこちらの顔を確かめるように、目を細めて呟く。
笑顔だった。
「何をしてる」
「休憩」
始の問いに短く答えながらも、リュウガは一向に手を止めない。始はバイクをその場に止めて青年に近づいた。
リュウガが、傍らの箱から花の苗を取って目の前の溝に置いた。
「誰かが植えるために持って来たんだ。でも、このままにしといたら枯れるから」
慣れない手つきで畝を崩して、苗の回りを埋めてゆく。
「なぜお前がそんなことをする必要がある」
低く訊ねた始に、リュウガは当たり前のように応じた。
「この世界、俺たち以外には誰もいないだろ。あんたも手伝ってくれよ」
別の苗を取って始の前に突き出す。
「無駄なことだ。一週間もすれば、この世界はなくなる」
「そんなの、どうせ神崎が言っただけじゃないか。ほら」
無視して踵を返すのは簡単だった。それができなかったのは、差し出される花にある光景を思い出したからだ。
ほんの数日前、ハカランダの店先に植える花を買いに天音を連れて出かけた。花のことはわからないからと天音の選ぶに任せていたら、案の定余ってまってもう一度新しいプランターを買いに往復する羽目になった。
あれから何日も経っていないのに、ひどく昔のことのように記憶はかすんでいる。
リュウガが彼の足下に苗を置いて促す。始はついに折れてその場に膝をついた。
傷ついた四本の手が、黙々と花壇を整えてゆく。
「なあ、あんた、他の奴らを見なかったか」
ふと思い出したようにリュウガが訊ねた。
始が手を止めて記憶をたぐる。最後に会った時、この青年は他の多数のライダー達の元から連れ去られる所だった。つまり彼らのことを指しているのだろう。
仲間と言う言葉を口にする奴だとは思わなかったが。
「お前の仲間達は、このずっと南に向かっているはずだ」
「そっか」
短い返事には、それ以上何の追及もない。代わりに質問が続いた。
「あんたは、これからどこに行くんだ」
「死んだ人間に会いに行く」
聞く者によっては謎めいて響くその言葉すらも、リュウガは追及しない。
最後の苗を植え終えて花壇を見回した青年の目に、折れた花のつぼみが映った。彼はそれを取り、少しの間灯りにかざしてからポケットに突っ込んだ。と、何かに気づいたのかポケットの中を探る。
「持って行きな」
三枚のラウズカードを差し出され、始が顔を上げる。
「なぜ、俺に渡す」
「お前なら、人を守るためにこのカードを使ってくれるだろう」
この男がなぜそう信じるのかが始にはわからない。彼は人を傷つけるために戦っている、それに気づかないことそのものが理解できない。そう思った刹那、同じ疑問をかつて抱いたことに気がついた。
剣崎も、彼を信じてカードを渡したことがあった。
始は黙ってそれを受け取ると、ラウズカードとは異なる二枚のカードを取り出した。
「俺が持っていても無意味だからな」
無感動に口にして、リュウガの胸元に押し付ける。リュウガはそれを取って、絵柄を確かめた。
「この力は、必ず戦いを止めるために使う」
サバイブのカードを食い入るように見つめる。
「あいつの思いは、俺が継ぐんだ」
覚悟を決めた、思い詰めたというよりはむしろ嬉しそうなその表情に、始は疑問を抱かざるを得ない。
「死人の望みを叶えようというわけか」
「いや」
リュウガは握ったカードごとポケットに手を突っ込んで立ち上がった。
「死んだ奴は何も望まない。生きてる奴が勝手に、死んだ人間に赦しを願っているだけなんだ……自分の犯した過ちを、認めることができないから」
答えながら、土で汚れた手を服の裾で拭く。
「なぜそう言い切れる」
「俺の中には、死んだ人間がいる」
いぶかしむというより突き放すに近い始の問いに、リュウガはいとも容易く答えた。
「あいつは、確かにここにいる。でも、何も答えてくれない。赦してもくれない。ただ、あいつの気持ちがほんの少しわかる気がするだけで」
そう言って汚れの残る手を街灯にかざす。そこには、はっきりと赤黒い傷が刻まれている。
「俺を赦すことができるのは俺だけなんだ。だから生きて罪を背負い、俺自身を赦せるようになるまで償うしかない。あいつがそうしてたように、目の前にあるものを一つ一つ片付けて行くしかないんだ。他の誰でもない、俺自身のために」
リュウガは足下の土を軽く踏み固めた。月の光と似て淡い色をした花のつぼみは、訪れることのない春の到来を信じて深い眠りについている。
「じゃあ、俺は行く。南だったな」
「……F5エリアのビルだ」
リュウガは頷いて歩き出した。
*
始はゆっくりと、だがしっかりした足取りで広場を出てゆくリュウガの姿を無言で見送った。
後ろ姿だけでも、腕で無意識に身体を庇っているのがわかる。つまりそれだけ深刻な傷を負っているということだ。それに引き換え、自分が負った傷はもう治りかけている。あまつさえジョーカーに変身することもできる。
今襲えば簡単に倒せるのは明らかだった。
それができない理由が自分でもわからない。おそらく、わからないことそのものが思い切れない理由だった。
以前見たときはあれほど殺気を帯びていた青年の目が、見るからに穏やかになっていたことに疑問を抱く。穏やかでありながら、意志の炎は以前よりも更に激しく燃えていた。
あれは生きることに恐れを抱かない人間の目だ。
始はその光を脳裏から消し去ろうとでもいうように首を振ると、再びバイクのエンジンをかけた。
彼が去ったあともなお、噴水は水音とともに月の光を辺りに揺らめかせている。
***
なだらかに下る山道からは、市街地に向かって点々と連なる街灯の光が降誕祭のキャンドルサービスのように見える。
物心ついた頃から、彼はいつも蝋燭を手に他の子供達を率いる役だった。イギリスの伝統通り、真夜中の聖餐に列席するのが神代家の習わしだった。
今年は神代剣にとって、初めてその習慣を破るクリスマスになるはずだった。名家の伝統を反故にしてでもやりたい事があったのだ。
その願いが叶わずに終わったのは、果たして幸いだったのかどうか。
傷を深くせずに済んだといえばそうだろう。けれど、神代剣は初めてのデートを楽しみたかっただろうとも思う。神代剣として生きていた彼自身がそう思っていただけかも知れない。
少なくとも彼は確かにその時を待ち望んでいた。
*
未だに残る煙の匂いと血の気配。見覚えのある界隈にたどり着き、彼はバイクを止めてあたりを見回した。
予想していたことだったが、やはり人の気配はない。町並みそのものが、数時間前の戦いに疲弊しきったかのように沈黙を守っている。
神代のことを語ったときの小沢の様子からして、あの男が他のライダーたちに同行している可能性は薄いだろう。自分が残した言伝を考慮すれば、主立ったライダーたちはここから南西、シャドウムーンが待つ場所に向かったはずだ。
北と西は禁止区域として封印されている。となればまず東に抜けた後、市街地内に身を潜めたか樹海に退避したか。
そう結論付け、彼は車首を日の昇る方角に向けた。
ヘッドライトを受けた路上に一瞬だけきらめくものがある。爆風で砕け散ったガラスの破片は、片付ける者すらなくそこに散らばっていた。
*
一区画分ほど走った所で、始は突如として濡れた路面にタイヤを取られそうになった。それだけではない。文字通り、冷や水を浴びせかけられて身がすくむ。
転倒寸前で車体を止めて振り返ると、道路脇の縁石から勢い良く水が吹き上げていた。
趣味の悪い噴水でもあるまいになぜ縁石からーーーー彼が抱いた疑問はすぐに解けた。
縁石と思ったものはコンクリートではなく、銀色の金属の固まりだったのだ。どちらにしても奇妙だと思って辺りを見回した彼の目に、銀色の短い柱のようなものが映る。
消火栓だ。水を吹き上げているのは、何物かに壊された消火栓の残骸に違いない。
よく見ると、周囲のガードレールも所々が噛み裂かれたかのように奇妙にちぎれている。町並みが整っているだけに、その光景は異様だった。
悪食の生き物の宴の跡は、とぎれとぎれに南に向かって続いている。それが北に向かうことを決意させた。
進むうちに建物がまばらになり、辺り一面に冬枯れの原が広がる。死に絶えた色のこの景色は、朝になれば経帷子にも似た霜で覆われるだろう。
悼むものすらいない死の風景の幻覚は、始にかつて訪れかけた世界の終わりを思い出させた。自分自身の考えから逃れようと彼はバイクを飛ばす。
目の前の道は深い森の中、緩やかな曲線を描きながら天へと続いている。
***
近づいて来るバイクの音に、剣は我に返った。慌てて路傍の木の影に身を隠す。
この世界ではなぜかバイクも車も数が限られている。そして目の前で最後にバイクを駆っていたのは相川始だ。
ならばこの場は剣崎の力を借りて切り抜けるべきだろう。そう考えると同時に、薄汚れた白いタキシードは機能的な黒いブルゾンに変貌していた。
そのまま木にもたれ、相手が現れるのを待つ。
カーブの向うから現れた始の視線が彼を捉えるまで時間はかからなかった。
「剣崎……」
苦しげに漏らす声は風に煽られ、葉を失った木の枝に千々に裂かれて消える。
「また会えたな、始」
言いながら浮かべた笑顔は、手負いの獣をなだめる猛獣使いにも似た狡猾さを僅かながら帯びていた。淡い月影に見て取れるほどの色ではなかったが。
「でも、会わないほうがいいんじゃなかったのか」
「お前じゃない」
続けようとした彼を、始がはねつける。
「剣崎は死んだ。お前が殺した、そうだな」
「何言い出すんだよ、急に」
言葉を遮ろうとしても、もはや始は聞く耳を持たなかった。
「そして俺を騙した。その顔で、その声で!」
神代剣の中に宿る剣崎の記憶が、苦しげに唇を噛む。人に近い感情を手に入れたとはいえ、始はもともとは孤独の運命を強いられ、信頼とは無縁の残酷な生き方を強いられて来た。理由が何であれ、騙したという事実が始の心を深く傷つけたことは想像に難くない。
剣崎の記憶が抱く後悔と自らの憤りに締め付けられながら、彼は口にした。
「こいつを殺せば、俺の存在は消えてしまうんだぞ」
「俺は剣崎を殺した男を殺す。それだけのことだ」
答える始の声音は想像以上に無感動だった。
もはや擬態には何の意味もない。むしろ剣を苛むだけだ。
「俺のノブレス・オブリージュが理解されるとは思っていなかったが」
彼は呟いて擬態を解いた。
薄暗い風景に、白い礼装をまとった姿が浮かび上がる。弱々しい月明かりのおかげで、胸元のシャツに醜い糊づけを施した血の色も大分かすんで見えた。
「……本当に、お前が殺したんだな。剣崎を」
「俺たちはそのために集められた」
言葉を紡ぐ度に、大気が白く濁る。
「そうだ。そして俺は、剣崎のためにすべての参加者を殺すと決めた」
始のかすれた声に、剣崎の心を宿した右の胸が疼く。剣崎は親友が再びその手を血に染めることを望んではいなかった。ジョーカーの宿命から逃れることだけを願っていた。
ーーーー剣持つ者のさだめが、たった一人の願いだけで変えられるはずもない。
支援
「ならば、俺たちが成すべきことはただ一つ」
神代剣は自分に言い聞かせるように宣言した。戦い、勝利を手に入れ、すべての者に平安が与えられる世界を作る。手を汚すのは自分ひとりでいい。
「俺は、この世界を愛することにかけても頂点に立つ男だ。それを教えてやる」
誰に聞かせるともなく呟く始の声が、辺りを包み始めた夜霧のなか虚ろにこだまする。
「俺は愛することを知らない。俺の心が命じるままに戦うだけだ」
次の瞬間、木々は侵入者たちの姿を見失った。
*
ワームとアンデッド、異形の獣の暗く濁った姿は夜の闇に紛れたが最後、常人の目では到底見分けることも叶うまい。だが人ならざる彼らにとっては問題ではなかった。
雷撃のごとき素早さで延ばされた銀の触手を、ジョーカーの鎌がすんでの所で切り払う。触手の一本は傍らの立ち木に突き刺さり、先端の爪から滴る毒液はたちまちのうちにそれを朽ち果てさせた。
ジョーカーが隙を狙ってスコルピオワームの懐に飛び込む。振り上げた鎌は、しかし右腕の爪に振り払われた。追撃を避けて飛び退ったジョーカーに踏みしめられ、夜露に湿る枯れ葉が苦しげに鳴った。
ジョーカーが身を隠した木に向かい、ワームが力任せに爪を振り下ろす。巨木と言ってもおかしくないその木がただ一撃で切り倒され、枝をまき散らしながら地上に横たわった。
「貴様などに、俺を止められはしない!」
膝をついた立ち木にか、それともその向うで彼を見つめるジョーカーにか、スコルピオワームは叫びをぶつけた。そのまま突進して来る重厚な体躯を、ジョーカーは身をひねって受け流す。
背後を取られたと感じるや、ワームは死角の敵に向かって力強い肘打ちを見舞った。手応えが曖昧なのは、すでに避けの姿勢に入られていたからだろう。
「どうした。逃げるだけか?運命から目を背けることしかできないのか?」
振り向きざま、相手の姿すら確かめずに腕を振り下ろす。リーチの長い爪の先が、わずかにジョーカーの胸元をかすめ、鎖のように連なった触覚の一部をちぎり取る。ジョーカーは僅かに身体を開いて踏み込み、鋭い回し蹴りをワームの脇腹に叩き込んだ。
ワームが一歩後ずさり、距離を計る。堅い表皮に防がれたのか、いささかの痛痒も覚えている様子はない。
スコルピオワームの動きは鋭敏かつ力強かった。サソードの動きが軽快に舞う騎士達のエペだとすれば、ワームの動きは騎馬民族の伝統を引いた鋭いサーブルの閃きを思わせる。
それに加えて、異形のものならではの力が一撃に宿る。最強のワームと自称したのも伊達ではなかった。
バトルファイトの切り札と称されたジョーカーを持ってしても、その技量は軽んじ得ないものだった。だが幾度となく身をかわし、受け流すうちにあることに気づく。
一撃の動きは鋭いが、次の動きへのつながりに一瞬の間がある。よほどの疲労か、身に負った傷のせいか、あるいは冷気に体力を奪われたのかも知れない。それでも駆り立てられるように攻め込むことをやめない、そのせいで余計に身体のバネが緩み、動きの連鎖が崩れてゆく。
勝機を見いだしたジョーカーとは逆に、標的を得られない苛立ちはスコルピオワームを徐々に追いつめていた。
「俺は高貴なる者の義務を果たす。救ってみせるーーーー姉さんを……カ・ガーミンを……神代剣という男を……ワームのために死んだすべての者たちを」
言いながら地面を踏みしめるワームの姿に、ジョーカーは身構えて鎌を握った。
「死んだ者たちの望みを、幸せを、俺がこの手で叶える。俺は償うことにかけても頂点に立つ!」
駆け寄って来るワームから目を離さず、ジョーカーがが独白する。
敗者に何の望みがあるものか。
駆け寄ってくる相手に向かい、力を込めて鎌を投げつけた。スコルピオワームの爪が、それをいとも簡単に払いのける。
ジョーカーが狙っていたのは、その動きが造り出す一瞬の隙だった。
右腕をまっすぐに突き出し、刃をワームの胸元に刻まれた表皮の継ぎ目に突き立てる。
ワーム自らの体重とスピードに助けられた刃が甲殻を割り砕き、半ばまで相手の身に沈んだ。
それと気づいたワームが爪を振り下ろすより先に、ジョーカーは身を屈め、飛び退いて戻って来た鎌を受け止める。
なおもにじり寄ろうとするワームの身体がこらえきれずにゆらぎ、その場に倒れ込んだ。枯れた下生えが滴った血を受けて暗く染まる。
「馬鹿な。こんなことは許されない」
スコルピオワームの口から、怒りの言葉が漏れた。
死を覚悟していなかったといえば嘘になる。このような死に方を望んでいなかっただけだ。
「俺の望みは……ただ一つ」
喉の奥に流れ込んで来た血とともに、最後の思いを吐き出す。
世界にワームが存在しなければ、神代剣もその姉も死ぬことはなかった。渋谷隕石が東京に災害をもたらすこともなく、記憶とともに人生を奪われる者たちもいなかった。
……彼がミサキーヌと出会うこともなかった。
ワームさえいなければ誰も悲しまずに済む。自分さえいなければ、彼も苦しまなくて済む。
ただ一つの望みを果たさずに死ぬことは許されない。
地面に爪を立て、必死に起き上がろうとあがく。その背中に、無慈悲な死神の鎌が振り下ろされた。
押し殺したため息にも似た音が、ワームの喉から漏れる。
「俺は、望むことさえ許されなかった」
その鎌から指をほどきつつ、ジョーカーは呟いた。
人間の目には醜悪に映るワームの輪郭が崩れ、青年の姿に戻る。背に負った傷から血が溢れ、白い死に装束を鮮やかな赤に染め上げてゆく。
辛うじて動いた唇は、最後に彼が生きて戻ることを望んでくれた者の名を紡いだ。
神代剣という人間は、平穏な日々を送ることを望んでいた。神代剣に与えられるはずだった平穏な日々を自ら生きたことで、スコルピオワームも同じ事を望むようになっていたのだろう。
神代剣の死と言う事実が突きつけられる事さえなければ、それが叶う日もあったのかも知れない。
死者はなにも望まない。ただ生き延びた者だけが、死者の名において天に祈るのみ。死者の願いに命をかけるのは、自らの死を願うのと同じこと。
ワームが人間と同じ平穏を生きることなど許されるはずもないーーーーそう信じたからこそ、彼は自分でも知らないうちに死を望んでいたのだ。自分が抱く願いの罪深さを受け入れていれば、スコルピオワームの未来は変わっていたかもしれない。
少なくとも彼は、望むことを許されていたのだから。
*
ジョーカーは神代剣の荷物を改めたが、剣崎から奪われたはずのブレイバックルは見当たらなかった。
青年の身体を改めようと抱き起こした時、不意に死者の唇が動いた。
聞き慣れない声が、まぎれもなく聞き慣れた名を呼んでいる。
「始……」
人間の名で呼ばれ、ジョーカーの身が震える。
腕の中にあるのは神代剣の骸。この声も、間違いなく神代剣のものだ。だが、誰が自分を呼んでいるのかを、彼は本能的に理解した。疑いようもなかった。
「始……これからは、俺の代わりに皆を守ってくれ」
「剣崎……」
友人に呼びかけても、答えは返って来なかった。
霧の深まり始めた森の中、彼は道を見失ったかのように天を仰ぐ。
「剣崎、なぜ……」
辛うじてこぼれた言葉は、咎めの響きを帯びていた。
剣崎、おまえはなぜ俺のために望んでくれないーーーー自分自身が救われることを。
なぜ誰も、俺の望みを聞き入れようとしない?
死者を悼むようにその場にうなだれる相川始の姿を、月は冷ややかに眺めていた。
***
ノブレス・オブリージュとは剣持つ者のさだめである。古来、帯剣を許されたものはその名誉とともに民を守り、敵と戦う義務を負った。力を与えられた者としてその力に奢ることは厭われ、むしろ携える剣にふさわしい高貴な振る舞いが求められたのである。
剣のさだめを負うがゆえに、彼らは剣を以て裁かれる栄誉を得た。世俗の者が家畜同様荒縄で首を括られるのと異なり、剣持つ者は剣によって首を刎ねられ、血を流すことで誇り高く罪を購うことを許されたのだ。
神代剣は剣によって死んだ。
***
Tunc ait illi Iesus:
"Converte gladium tuum in locum suum.
Omnes enim, qui acceperint gladium, gladio peribunt.“
そこでイエスは彼に言われた。
「おまえの剣をあるべき場所に収めよ。剣を取る者はみな、剣にて滅ぶ」
(マタイによる福音書 26章52節)
【神代剣 死亡】
残り 19名
■神代剣(単独行動) 行動開始時刻19:30@C-7
21:30過ぎまで昏睡→相川始により刺殺(22時前)
デイパックと基本支給品は死体の側に残されています
■相川始(単独行動) 行動開始時刻21:00@G-4
D−6方面>D-7>C-7と移動+途中停車30分ほど+戦闘10分弱で一時間消費
現在時刻22:00 現在地点:樹海C-7
【相川 始@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:樹海C-7】
[時間軸]:本編後。
[状態]:胸部に傷。1時間変身不能(カリス) 2時間変身不能(ジョーカー)
[装備]:ラウズカード(ハートのA・2・5・6・8・9、ダイヤの10)
HONDA XR250
[道具]:首輪探知機(レーダー)。
[思考・状況]
1:天音ちゃんを救う。
2:ブレイバックルとカードを取り返す。
3:睦月との決着はこの手で。それがどのような形になろうとも。
4:世界のすべてに絶望。
[備考]
※1:相川始は制限に拠り、ハートのA、2以外のラウズカードでは変身出来ません。
※2:HONDA XR250は制限により、あらゆる能力で変化することが出来ません
※3:死んだ剣崎が別のブレイド世界(劇場版)から来たという認識はありません。
■リュウガ(単独行動) 行動開始時刻19:30@E-6
E-6からE-5へ休み休み移動+休憩で2時間消費
現在時刻21:30 現在地点:市街地E-5
【リュウガ@仮面ライダー龍騎】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地E-5】
[時間軸]:劇場版登場時期。龍騎との一騎打ちで敗れた後。
[状態]:体の所々に負傷。特に背中。応急処置済み。左手の骨にヒビ。額、腹部、右掌に傷。ずぶぬれ。
[装備]:カードデッキ(龍騎+サバイブ烈火)。カードデッキ(リュウガ+コンファイン)。装甲声刃。
[道具]:アドベントカード(ギガゼール)。プリムローズの蕾。
[思考・状況]
1:一刻も早く小沢を助ける。
2:必ず生き残り、バトルロワイアルを終わらせる。
3:F-5エリアの仲間と合流
4:天道の遺志を継ぎ、ひよりを守るために戦う。
5:神崎に反抗。
6:自分の今の感情の名を知りたい。
[備考]
※1:ドラグブラッカーの腹部には斬鬼の雷電斬震の傷があります。
※2:城戸真司の遺体はリュウガに吸収されました。本人の意思により、解放が可能です。
以上です。
以前の修正分(
>>533)も含め、まだ問題点など残っていましたら、ご指摘をお願いします。
投下乙!
坊ちゃまもついに退場ですか。まあ、キングに道具を奪われたあたりから死臭が強くなっていたから順当な結果ですね。
戦闘シーンが落ち着きながらも緊迫していて、各表現が綺麗なのが羨ましい。
クライマックスGJ!!
乙です。
これを機に始が脱マーダーにならないかなと期待してしまう。
彼が劇中で叫んだ言葉「本当に強いのは、人の思いだ」これが彼の心に再び灯ることを願ってます。
乙ー。
ついにぼっちゃま退場か…がんばったな。
でもさ、リュウガはサバイブのカード知ってるのか?
たしか映画では龍騎はノーマル状態でリュウガと闘ってその後にサバイブだから、時間軸的に知らないんじゃ?
なんらかの特殊なカードってことはわかるだろうけど。それでも城戸が使ってたとまでは…
ドラス戦で蓮がサバイブ使ってたの見てたと思うから使い方や強化変身することは知ってるんじゃないかな?
『疾風』と『烈火』の違いまでは知らないかもしれないけど。
GJ!
ぼっちゃまの退場にふさわしい悲しく美しいSSだと思いました。
始の「俺は、望むことさえ許されなかった」の台詞がとても印象に残りました。
実は今日が期限なのですが、まだ完成しておりませんので三日間の延長ルールを使わせてください。
よろしくお願い致します。
>>562 すごく……たのしみです……
期待しています!!
まとめサイト更新しました。
進行状況ですが、8割から9割程度です。
たぶん期日には投下できると思いますが、遅れるようでしたら、また明日、申請いたします。
>>564 まとめ更新乙です。
新作楽しみにしています。
申し訳ない。
推敲のため、1日延長申請させてください。
明日には必ず。。。
待っています
投下いたします。
「よ〜し、2時間だっ!」
キングは時計の長針が8を指したのを確認し、声を上げた。
午後7時40分。ドラスの制限が解ける時間だ。これでドラスは復活することができる。
二人が居る場所はD7エリアの廃材置き場。場所の選択も完璧だ。
ドラスは金属物質から自分の身体を生成することができる。ドラスにとって、金属物質が豊富に揃っている廃材置き場は宝の山といえた。
「それじゃあ頼むよ、ドラス」
返事をするかのように、一度ドクンと球状の身体を伸縮すると、ドラスはキングの手元よりふわりと浮いた。
そして、廃材置き場の中心に進むと、身体の内から光を放ち始めた。
光に照らされる廃材。その中の金属物質を含む廃材の数々はドラスの呼びかけに応えるように、宙に浮くと、ドラスを中心に回り始めた。
廃材は元の形から、徐々に銀色をした金属の塊へとその姿を変えていく。やがて、それらをドラスは取り込み、ひとつの新しい形を造っていく。
「うぉぉぉっ、スゲェ〜」
頭部より長く伸びた触角。昆虫のような赤い複眼と鋭き牙。人型ながらも獣のような爪と硬質的な鋼色をした身体。
それはキングが以前見たドラスの姿とまったく同じ姿。
究極の生命体の復活である。
「ありがとう、キング君。おかげで再生できたよ」
ドラスは新たに造られた自分の身体を確認する。
「でも、まだ不完全だね」
「不完全?」
「うん。エネルギーが不足しているんだ。ほら」
ドラスは左腕を上げる。すると、その左腕はバチッと青い火花を上げ、腕の状態から金属で組まれた骨組みの状態へと戻る。
しばらく見ていると、腕の状態に戻るが、また、しばらく見ていると骨組みの状態になった。
「あ〜、身体が安定しないってこと?」
「そう。お兄ちゃんの力の供給を受けているとはいえ、さすがに無尽蔵というわけじゃないんだ。
逆に力の総容量が大きいだけあって、全快までにはもうちょっと時間がかかるみたい。
とはいっても僕の計算によれば、後2時間ってところだろうけどね」
ドラスは右腕を振り回したり、宙に浮いたり、尻尾で素振りをしたりなどして、自分の身体の調子を確かめている。
確かにその動きは以前と比べると、圧倒的に遅い。本気ではないのだろうが、今の状態では複数の仮面ライダーを相手にするなど、とても無理だろう。
「だから悪いんだけどキング君。もうしばらくの間、僕を運んでもらっていいかな?
この姿を維持することは、出来なくはないけど、球体でいる方がエネルギーの消費が少なくて済むんだ。
ああ、もう金属を吸収する必要はないよ。一度、吸収してしまえば、内部に保持していられるからね」
「OK。わかったよ」
「ありがとう」
言うが早いやドラスはまた球体に戻った。キングはそれを担ぎ、移動しようとする。
「おっと!……なんか凄く重いんだけど」
「見た目は元通りだけど、金属は吸収したからね。その重さが加算されているんだよ」
質量保存の法則。物質の形態は変化しても、その質量は変化しない。
数々の物理法則を無視していながら、変なところで律儀である。
だが、笑えないのがキング。
「よいしょ!」
青年の姿とはいえ、上級アンデッド。普通なら多少重くても、持ち歩くことに苦労はない。
だが、今は首輪の制限が掛かり、浅倉、神代との戦闘で傷を負い、疲労も溜まっていた。
その上、多数の支給品に今までの倍の重さのドラスとあっては、かーなーりつらい。
「はぁ、仕方ない」
元々堪え性のない性格だ。
キングは身体に力を込めると、アンデッドの力を解放した。
頭部から黄金の角が生え、ひ弱そうな青年の身体から屈強な戦士の姿へと変わっていく。
キングの真の姿。コーカサスビートルアンデッドの姿へと。
その力は人間の姿の時と比べ物にはならない。ドラスを入れたディパックを軽々と持ち上げる。
これで当面の問題はなくなった。とはいえ、この姿を保持できるのは10分間。移動はその間にしなければ、行わなければならない。
「ふぅ、さてと、次はどこに行こうかな?」
早速、キングは次なる目的地を照準し始めた。
(西は誰かと会いそうだな。今は戦いたくないしパスっと。北の小屋に行ってもいいけど、今更戻るのも面倒。
東には誰もいなそうだけど、それはそれでつまらないし。となると、南かな。
うーん、3回目の放送には間に合わなかったけど、次の放送でレンゲルが来るかもしれないし、ラウズカードはいっぱい集まったし、待ち合わせの場所に行くのもいいかも知れない)
「そうと決まれば」
キングは一路、目的地に向けて走り始めた。
▽
「ふぅ、疲れた」
10分間をひたすら走り続け、コーカサスビートルアンデッドへの変身が解けたキングは、まず汗を拭う。
制限が解けるまで走った結果、キングはG6エリアまで歩みを進めていた。
一休みするには市街地は都合がいい。夜になり、闇が支配する中、建物に身を隠していれば、まず見つからないだろう。
そこが禁止エリアに近い建物となれば、尚更だ。
キングは禁止エリアであるG5エリアに隣接する建物を選ぶと、その中に入り、腰を下ろした。
壁に背を預け、ふぅと息を吐く。
(待ち合わせ場所まではまだ遠いなぁ。まあ、また2時間経ったら、変身して走ればいいか。
ああ、でも、もしレンゲルが襲ってきたら、変身できないのはまずいなぁ。ドラスに任せるのもいいけど。
地道に歩くしかないのかなぁ。地道っていうの嫌いだけど)
ふと、キングは懐にあるものを手にする。北岡が持っていたゾルダのカードデッキだ。
キングはゾルダのカードデッキとラウズカードはディパックに収めず、自分の懐に入れていた。
(これを使えば、アンデッドの姿を温存できるけど……)
カードデッキをかざし、その中心に位置する牛の紋章を見つめる。
(でも、な〜んかヤダな。他になんかなかったっけ?)
ディパックの中身を再度確認する。ギザギザの剣。白黒のベルト。トカゲの腕。様々なものが散乱するなか、キングはもうひとつのカードデッキを見つけた。
「黒いけど、似たようなデザインだな。どれどれ」
キングはそのデッキからカードを抜き取る。そして、その中にバイクのような絵が描かれたカードを発見した。
「おっ、これもしかして、乗り物を召喚できるのかな?なんだ、はじめからこれを使えばよかったんじゃん」
とりあえず移動方法は決まった。もし、この場で誰かに襲われてもこれを使えばいい。
問題が解決すると同時に、ドッと疲れが押し寄せてくる。アンデッドとはいえ、疲れはする。
「ふわぁ〜〜。うぅん、ちょっと寝るか」
キングは身を沈ませると、眼を閉じた。
――1時間後
「な、なんだ?」
突然、鳴った爆音にキングは眼を覚ます。
爆音が聞こえたのは西から。つまり禁止エリアからだ。
「誰かが首輪を爆破させたのか?」
キングは外に出て、音がした方向へと眼を凝らすが、雲に覆われた月からは光が届かず、確認することはできない。
「そうだ。携帯電話」
キングはディパックから携帯電話を取り出す。そして、機能を撮影モードへと切り替えた。
「たぶんこの辺りかなっと」
ボタンを押し、手当たり次第に撮影を始める。
暗闇の中、ギャレンを撮影できただけあって、この携帯電話のカメラ機能は中々に高性能だ。
撮った画像を確認すると、首のない男の姿がしっかりと映し出されていた。
「誰だ、こいつ?」
しかし、キングには見覚えがない。
「面白そうなネタなんだけどな」
仕方なくキングは携帯電話を懐に入れると、もう一休みするため、建物へと戻って行った。
キングの携帯電話に写った男は銀色の体躯をしていた。
大きな車体を揺らし、海岸の砂を撒き散らせながらGトレーラーは走る。
今の運転手は影山冴子。死という終わりを迎えながら、オルフェノクとして、新たなる生を許された女。
一度、死を経験しているからこそ、生への渇望は誰よりも強い。
この戦いを何としても生き残り、元の世界へと帰還する。そして、オルフェノクの王を光臨させ、永遠の命を得るのが彼女の目的だ。
その目的を達成するためには……
冴子は強くアクセルを踏む。
今回、冴子が運転手に名乗りを上げたのは、考えをまとめる時間が欲しかったからだ。
このチームで自分はどう立ち回るべきか。
内部からかき回し、崩壊に導くべきか。それともチームの一員として、チームの勝利のために尽力するべきか。
現状ならば、後者だろうが、不安要素もある。
上城睦月――
はじめは変身が出来るだけの軟弱な子供としか思わなかった。精神には揺らぎが見られ、甘言を弄すれば利用するのは容易そうだ。
ジャーク将軍もそういったところがあって、仲間に引き入れているのだろうと思った。
だが、ジョーカーとの戦闘を見て、冴子の評価は変わった。
睦月は強くなる。
精神に揺らぎがある者は容易く利用できる分、立ち位置が安定しない。
自分を脅かさない程度の強さならいいが、凌駕するほどの力を身に付けられたら、後々障害になり兼ねない。
あの木場勇治のように。
自然とハンドルを握る手に力が篭もる。人間でありながら、人間の心は捨てた。冴子はどんな手を使っても必ず生き残る決意を改めて固めた。
眼前に崩壊した建物跡が見えてくる。ジャーク将軍が指定した目的の地だ。
冴子はブレーキを踏み、ゆっくりと減速していく。そして、トレーラーが完全に止まると、サイドブレーキを引き、その場へと固定した。
身を翻し、運転席から仲間がいる車内へと出る。何やらやたらと賑やかだ。
「賑やかなことね」
冴子が思ったことをそのまま口に出すと、睦月は怒られたと思ったのか、首を縮めた。
その様子に冴子は笑みを浮かべる。無論、心の中はその笑顔とは逆の心根が蠢いているのだが。
ふと、冴子の視線がコンソールにあるクリップボードへと向いた。
クリップボードに挟まれたメモには達筆な英語で何やら記述されている。
冴子はその内容を頭の中で訳する。
(これは)
「……待て。運転は」
「もう、目的地についたわ」
ジェネラルシャドウの問いに手早く答えると、冴子は小沢を見やった。
「じゃあ手遅れにならないうちに始めましょう」
小沢は冴子の視線を無視すると、メモを手に取る。その内容を確認するやいなや、小沢の動きが止まった。
「どうした」
その行動を訝しがったのか、ジャーク将軍が声をかける。
「……いえ、結構上手くできてるなと思って。これならザビーゼクターも直せるかもね」
小沢は適当に応じると、メモを畳んでポケットへと閉まった。
自然に見せようとしていたが、今までの小沢の人物像からすると、その行動はあまりにも不可解だ。
冴子は確信した。自分が訳したメモの内容が正しいことを。
――コーカサスゼクターは、ハイパーゼクターを使える。
▽
冴子の報に従い、Gトレーラーから、全員が降車する。
そこには瓦礫の山が積まれていた。おそらくここで戦闘が行われたのだろう。
瓦礫の所々には焦げが付着しており、灰も大地に積もっている。そして、なにより――
「わあっ!し、死体ぃっっ!首のない死体があるっ!」
大地に伏している首無し死体がその仮説を証明していた。
「あの趣味の悪い格好はヨロイ元帥?すると、ここは」
小沢はその場の光景を見て、愕然とした。その場所は以前に自分が城戸と共に居た場所だ。
ヨロイ元帥を介抱するために運び入れ、城戸と別れ、隣にいる男と交戦し、そして、自分が吹き飛ばした場所。
「ここに研究所とやらがあるのか?」
小沢と同一の感想を持ったのだろう。小沢の気持ちを代弁するかのようにガライがジャークに訪ねる。
「うむ。この地図によると、ここの地下に設置されているようだ。だが、これではどこが入り口なのやら」
「ならば、俺に任せてもらおう」
ジェネラルシャドウは一歩前へ出ると、鞘からサタンサーベルを抜き放った。そして、それを横一文字に薙ぐ。
サタンサーベルから放たれる強力な衝撃波。台風を思わせる風が瓦礫の山を次々と吹き飛ばしていく。
あっという間に平地となったその場所にはひとつのマンホールが存在していた。
「うむ」
その威力に満足したのだろうか、シャドウはサタンサーベルの赤い刀身を見て、何やら頷く。
「ほぉ、さすがサタンサーベルよの」
「なんという力だ」
サタンサーベルに羨望の眼差しを送るガライを横目に、ジャーク将軍はマンホールへと向かっていき、その蓋を上げた。
「ここが研究所の入り口か」
そこには地下へと続く、梯子がかかっていた。
▽
Gトレーラーの護衛のためにジェネラルシャドウを残し、ジャーク将軍たちは梯子を伝い、地下へと降りていく。
大地へ足を付けると、眼の前には、壁も床も赤く塗られている一本道の通路。その奥には赤の扉。
扉まで10メートルもないが、何事も用心に越したことはない。
「ふむ、トラップがないとも限らぬな。睦月よ、先に進め」
「えぇっ!」
「いいからさっさと進め」
睦月の非難の声をジャークは右から左へ受け流し、睦月を先頭に据える。
ビクビクと怯えながら、睦月は通路を進む。恐怖のためか、その速度はナメクジのごとく。
たかが数メートルの距離というのに、時計の秒針が一周しようとしていた。
―――ビー!
「ひっ!」
睦月がドアまで後1メートル程に迫った時、電子音と共にドアが開いた。
何のことはない。ただの自動ドアだ。
だが、恐怖に身を竦ませていた睦月には予想以上に効果的だったようで。
「………」
「………」
ジャーク将軍に抱きついていた。
「睦月ぃーーーーー!」
「ごめんなさーーーーい!」
先程まで一歩進むにも手間を要していたというのに、睦月はジャーク将軍から離れると、一目散に奥の方へと進んでいった。
「まったく、あやつは。少しは使える奴になったかと思えば」
「やっぱり中間管理職ね。なんか悲哀を感じるわ」
頭を抱えるジャーク将軍に、小沢は同情して、そんなことを呟いた。
▽
自動ドアを抜けると、そこは広間になっていた。
ジャーク将軍たち全員が入っても、まだ余裕があり、例えここで戦闘になったとしても、充分に戦える広さだ。
右手側には別の部屋に通じているのであろう、3つの扉が設けられており、この施設の広大さを窺わせる。
だが、小沢が驚愕の声を上げたのは、広いからではない。その広間の様相についてだ。
扉とは対象の位置にある左手側の壁には無数の計器類とモニターが埋め込まれ、そして、前方には演者が立つ為なのだろうか、高台が設けられている。
「あの計器類は何かを監視するため、あの高台は命令を告げるため。そう考えれば、ここは研究所というより、何かのアジトって感じね」
「恐らくはその通りだ」
「どういうこと?」
ジャーク将軍は左手を叩いていた杖を上げると、広間の一番奥、高台の上にあるものを指した。
そこには黄金の蠍のレリーフが飾られていた。
「あれがどうしたの?」
「あれはデストロンを示すレリーフだ。余も実際に見たわけではないが、資料で読んだことがある。
仮面ライダーV3なるものと戦った秘密結社デストロン。そのデストロンの基地と、ここは酷似しておる。
おそらくここはデストロンのアジトのレプリカか何かであろう」
「秘密結社のアジト?確かにそれなら納得のうさんくささだけど、なんでここにそんなものがあるわけ」
小沢の質問にジャーク将軍は憮然と答える。
「神崎が何を考えているかなど、余が知ることではないわ」
「それもそうか。ところで睦月はどこに行ったのかしら?」
「あの3つの扉のうちのどれかであろう。それより時間が勿体無い。おぬしはさっさと首輪の解析を始めろ」
促された小沢は素直に頷く。それに関してはジャーク将軍の言うとおり、いつここが禁止エリアになるとも限らない。
戦いは未だ続いている。
▽
3つの扉を、ジャーク将軍は端から開けていく。1つ目の扉は研究室への扉。工具や精密器具などが多数あり、首輪の解析には最適と言える場所であった。
ジャーク将軍は小沢に首輪の解析を行うよう指示を飛ばし、冴子を見張りに付けた。
続いて、開けた2つ目の扉は、書庫のようだった。多数の学術書や医学書に、オカルトの専門書のようなタイトルも見える。
図書館とまではいかないが、学校の図書室程度は蔵書がありそうだ。だが、ここにも睦月はいない。
そして、ジャークは3つ目の扉を開ける。
「………」
そこに睦月はいた。
「これ、睦月よ。何をやっておる。休むのは構わんが、所在はハッキリとしておけ」
「………」
睦月はジャーク将軍の声に応えない。何かに心を奪われているようだが。
「一体、何を見て……これは!?」
ジャーク将軍も思わず言葉を失った。
その部屋はガレージのようだった。
コンクリート打ち放しの床に、数々の整備用工具。そして、何より1台の車がそこには鎮座していた。
分厚い装甲のような赤いボディ。敵を威嚇するようにボンネットからルーフに伸びる角。そして、バンパーからは鉄の牙が突き出ている。
「これはライドロン!」
そう、それはジャーク将軍たちクライシス帝国が幾度となく煮え湯を飲まされたRXの車、ライドロンであった。
「神崎め。何故このようなものをここに。いや、それよりも」
ジャーク将軍はデータブックを確認する。Gトレーラー内にいる間、このデータブックとネタバレ地図の内容は全て頭に入れた。
その中にはライドロンの記載はなかったはずだ。それなのに眼の前にはライドロンが確かに存在している。
「やはり載っておらぬ。まあよい、このようなもの残しておいては碌なことにはならぬ。余が破壊してくれるわ!」
ジャーク将軍が杖を振り上げると同時に、杖から電撃が発せられる。
「ちょ、ちょっと待って……うぎゃぁっ!」
ライドロンを庇おうと、前に飛び出した睦月に電撃が降り注ぐ。
ジャーク将軍はその睦月の行動に怒りを顕にした。
「邪魔をするな、睦月!」
「だ、大丈夫ですよ。だって、これ動かないんですよ」
「動かないだと?」
ジャーク将軍は睦月の言葉に、振り上げた杖を降ろすと、ライドロンを調べ始めた。
確かにエンジンは掛からず、機器を弄っても何の反応も示さない。
最初は自らの意思を持つライドロンのこと、死んだふりでもしているのかとも思ったが、よくよく考えればそれはないだろう。
意思があるのならば、RXの呼びかけに応え、すぐにこんな所から脱出しているはずだ。
そこでジャーク将軍はひとつの可能性を思いつく。
ライドロンは次元すらも超える車。以前、RXを別の次元に孤立させたときも、ライドロンは自らの意思で助けに来た。
(救援に来られぬよう対策を施したというところか。ならば、これは使えるやも知れん)
「いいだろう。これは破壊せずに放置しておくとしよう」
「ぁぁっ、本当ですか?」
たちまち笑顔になる睦月。それにつられて、ジャーク将軍の口も笑みを形作る。
??ライドロンを動かすことが出来れば、脱出することは可能。
▽
研究所の探検を終え、ジャーク将軍たちはそれぞれがそれぞれの仕事に従事していた。
ジャーク将軍は書庫で役に立つ資料がないかの調査を行い、小沢は首輪の解析。冴子とガライは小沢を交代で監視している。
睦月だけは何もやることがなく、広間で椅子に座り、のんびりと天井を眺めていた。
「随分と暇そうだな」
「シャドウさん!」
ジェネラルシャドウがその場に現れると、途端に睦月は椅子から立ち上がり、直立不動になる。
どうやら今までの教育が相当効いているらしい。
「研究所という話しだったが、まるでデストロンのアジトのようだな。まあ、そんなことはどうでもいい。
睦月、そろそろ放送が近い。遺跡まで行って見るか?」
「遺跡へ?」
「うむ。お前の話しだと、約束は3回目の放送の予定だったのだろ?
ならば、相手が約束を果たす気があるなら、次の放送の時にでも、また顔を出すかも知れん」
ジェネラルシャドウの申し出は睦月にとって、願ってもないことだった。
強くなるためにはキングを倒すのがもっとも手っ取り早い。それにジェネラルシャドウが着いて来てくれるんなら百人力だ。
「俺、行きます」
「うむ」
ふたりはジャーク将軍に許可を取ると、一路、遺跡を目指した。
Gトレーラーの護衛はガライが引き継ぐことになっている。
海岸に敷き詰められた砂に足を取られ、多少、時間を喰ったが、放送前に遺跡には辿り着いた。
「誰もいませんね」
「次の放送まで様子を見るとしよう。もしかしたら、そのキングとやらの名前が呼ばれるかも知れんからな。それまで、特訓といくか」
「えっ、またですか」
睦月が露骨に嫌そうな顔をする。
ラウズカードは全てもらった。睦月はこれ以上、シャドウと特訓する意味はないと思っていた。
「嫌そうな顔をしなくとも、俺がお前を特訓するのはこれで最後だ。ただし、相手は俺ではないがな」
「へっ?」
「出て来い、ガライ!それで気配を消したつもりか?」
ジェネラルシャドウは声を張り上げる。すると、岩陰から白装束の男が姿を現した。
その男の名はガライ。誇り高きフォッグの王子である。
▽
ガライはジャーク将軍からGトレーラーの護衛を変わるように指示を受け、その指示通りにGトレーラーの前で佇んでいた。
監視に護衛と、つまらぬ仕事ばかりを割り振られ、ガライのフラストレーションはまた溜まっていた。
首輪を解除するため、ここから脱出するためと自分に言い聞かせても、戦いへの欲求は治まらない。
すこしでもそれを解消しようと、Gトレーラー内にあった剣、GS−03を構え、素振りを続ける。
ガライにとって、GS−03は中々面白い剣だった。持ち手に付属しているトリガーを引くことで、刀身が振動し、切れ味を増すことができる。
これで誰かを切り刻むことが出来たら、大層、面白いことになるだろう。
しかし、所詮は相手のいない素振り。いくら敵を思い描こうとも、ガライの飢えが満たされることはない。
「つまらなそうね」
声が聞こえた先を見ると、女が一人立っていた。
「何か用か、女」
「影山冴子よ。名前ぐらい、覚えて欲しいわ」
「ふん、脆弱な生物の名前など覚える必要はない」
「脆弱……でも、あなたは本当にその脆弱な生き物より強いのかしら?」
冴子の言葉にたちまちガライの頭に血が昇る。眼を剥き、冴子を鋭く睨み付ける。
「試してみるか。貴様ごときを壊すのに一分も掛からんぞ」
対照的に冴子は、そんなガライを見て、薄く笑みを浮かべた。
「やめておくわ。それより、その怒りはシャドウと睦月にぶつけてみたら、どう?」
「シャドウと睦月……」
共に行動してはいるが、ガライは二人にいい感情を持っていなかった。いや、憎んでいるといってもいいだろう。
二人とも、実力では自分に劣っているというのに、ジェネラルシャドウはサタンサーベルの力で自分の上をいき、睦月はジャーク将軍とシャドウに入れ込まれている。
ガライはそれがたまらなく妬ましかった。
「嫌いなんでしょ、彼らのこと」
自分の心情をストレートに言い当てられ、ガライの中の怒りが、憎悪が、益々膨れ上がっていく。
「なら……壊しちゃいましょうよ」
冴子はガライの肩に手を掛け、耳元で囁いた。
▽
「今から貴様らを壊してやる」
ガライは拳を、眼の前で握り締め、シャドウを挑発する。
だが、シャドウは一切動じない。
「ふん、ついに動いたか」
シャドウは気付いていた。ガライが自分に敗れて以来、ずっとサタンサーベルに注目していたことを。
大方、自分との実力の差をサタンサーベルの所為にでもしているのだろう。
「これが欲しいかガライ?」
シャドウはサタンサーベルを鞘から抜き去り、月光に翳した。
月光に照らされ、赤く輝くサタンサーベルの美しさに、ガライは思わず眼を奪われる。
(図星。なんともわかりやすい)
「欲しいなら、サタンサーベルを賭けて、ひとつゲームをしよう。もし、お前が勝ったらサタンサーベルはくれてやる」
「それは本当か?」
「本当だ。シャドウ、嘘吐かない」
思わぬチャンスにガライは喜々とした。
睦月はともかく、シャドウを壊すためにはサタンサーベルをどうにかする必要があった。
それを自ら手放してくれると言っているのだ。それは同時に命を手放すと言っているのに等しい。
「いいだろう。ゲームのルールを言え」
「睦月と戦え」
「睦月だと」
ガライの視線が睦月に移る。突然、名前を出された上に、獣のような鋭き視線を浴びた睦月はたちまち萎縮する。
「睦月と戦って、勝ったらサタンサーベルはくれてやる」
「ふっ、脆弱な人間に勝てとは。なんとも簡単なゲームだ」
右耳に付けたイヤリングをガライは弾く。イヤリングが不思議な音を響かせると共に、何処からか発生した霧がガライを包んでいく。
その霧が晴れたとき、ガライは白きコブラの怪人へと変貌を遂げていた。
「睦月、お前もさっさと変身しろ」
「そんな、シャドウさん!」
「卒業試験のようなものだ。いい加減、模擬試合にも飽きただろう。変身して、そいつを倒せ」
懐からレンゲルバックルを取り出すが、踏ん切りがつかないのか、睦月はカテゴリーAを装填するのに躊躇いを見せる。
「睦月!それでも最強の仮面ライダーか!」
「……わかりました」
シャドウの怒号に、睦月はしぶしぶといった様子でカードを装填した。
たちまちレンゲルバックルはベルトを伸ばすと、睦月の腰へと絡み付いた。そして、右手は顔に、左手は腰へと添える。
「変身」
掛け声とともに開くレンゲルバックル。クラブの紋章から放たれたカテゴリーAの光が、睦月に絡みつき、その姿を仮面ライダーへと変えていく。
濃緑の身体に、金色の装甲を纏った最強のライダー、仮面ライダーレンゲルの誕生である。
レンゲルはレンゲルラウザーを手にすると、収納されているシャフトを伸ばした。それに連動して、刃が展開し、天、地、人の刃が形成される。
くるりと手に馴染ませるように軽く回転させると、レンゲルはガライに刃を向けて構えた。
対するガライはGS−03を右手に、掌より精製したガライソードを左手に構えた。
ガライソードの刀身は蛍光灯のように光り、周りの闇を照らしている。
(大丈夫だ。あの時から俺は大幅に強くなっている。こいつにだって勝てる)
レンゲルとガライが戦うのはこれで二度目になる。
以前はガライの身体能力がレンゲルを上回り、ガライの圧勝に終わっている。
しかし、今のレンゲルは多数のカードを手に入れた。
(まずはスペードの8、マグネットで武器を吸い付けてやる。他の攻撃はスペードの7、メタルで防御。
ハートの7、バイオで拘束して、クラブの3、スクリューとクラブの6、ブリザードのコンボでとどめだ!)
レンゲルは脳内で、ガライ撃破のためのプランを作成する。勝利間違いなしの完璧なプランだ。
だが、睦月のプランはジェネラルシャドウの一言で瓦解した。
「睦月、カードは使うな。お前自身の力でそいつを倒せ」
「えぇっ!」
動揺する睦月。その隙をガライは見逃さない。
「いくぞ」
ガライは一瞬で間合いを詰め、ガライソードでレンゲルの胸の装甲を切り裂いた。
ファーストアタックはガライの一撃から始まった。
▽
ジェネラルシャドウはレンゲルとガライの戦闘を、数メートル離れた場所から観戦する。
(カードを使う睦月は強い。
様々な能力が発動するラウズカードの能力も然ることながら、それを使うセンスは並々ならぬものがある。
カードを充実させた今の睦月なら、あのジョーカーにさえ、遅れをとることはないだろう。
だが、あくまでそれは直接戦闘という分野に限っての話しだ。
カードが使えるからこそ、睦月は強い。
カードを使えない戦闘。裏切りや、疑心暗鬼が渦巻く、心理戦では睦月はまったく無力だ。
睦月の行く末は知れている。ジャークなり、影山冴子なりに散々利用された挙句、やがて野垂れ死ぬだけだ。
現に今、誰であろうこのシャドウに利用され、死ぬ目にあっているのだからな)
「どうした、この程度か」
最初の一撃以降、落ち着きを取り戻したのか、レンゲルはレンゲルラウザーでガライの攻撃を次から次へと捌いていく。
だが、ガライの攻撃が止むことはなく、中々攻撃に転じることが出来なかった。
「くそぅ!」
戦いにおいて、間合いは重要な意味を持つ。
ガライの持つ武器はどちらとも近距離を想定した剣。一方のレンゲルの持つ武器は中距離を得意とする槍。
通常なら、リーチの長いレンゲルの方が有利。だが、一度間合いを詰められれば、そのリーチの長さは即座に利点から、欠点へと転じる。
レンゲルが反撃するためには、ガライからある程度の距離を取らなければいけない。しかし、その隙を与えてくれる程、ガライは甘くはない。
自ずとレンゲルは防戦を強いられることになった。
(くそっ、落ち着け。攻撃は見えてるんだ)
ガライの一撃、一撃がレンゲルには見えていた。絶え間ない攻撃に、反撃こそ出来ないが、捌くことはわけない。
(捌き続ければ、きっと業を煮やして、大振りの攻撃が来る。そこを狙って……来た!)
待ち望んだ大振りの攻撃。レンゲルはそれの力の方向をずらすことで、ガライの体制を崩す。
そして、すかさずレンゲルラウザーの柄でガライの身体を押し、更に体制を崩させる。
その隙を狙い、レンゲルはバックステップ。ガライと距離をとることに成功した。
(今だ)
レンゲルは右腰に付けられたラウズバンクから必殺のカードを取り出そうとする。しかし??
「痛っ!」
シャドウの手により、放たれたトランプがレンゲルの指を切り裂いた。
「カードは使うなと言ったはずだ」
「あっ、つい」
思わず取ってしまった行動。それはそのまま隙へと直結する。
「もらったぞ」
ガライソードがレンゲルラウザーを跳ね上げる。握りが甘かったレンゲルラウザーはレンゲルの手から離れ、地面に転がる。
レンゲルを守るものはない。
GS−03が唸りを上げて、レンゲルの肩口を斬る。高周波を発生させる刃はあっさりとレンゲルの装甲をすっぱりと切断した。
続けて、ガライソードが最初の一撃で切り裂いた場所とまったく同じ場所を切り裂く。
装甲に邪魔されて生身の肉体に届かなかった一撃も、今度はそうはいかない。
切り裂かれた場所から血が吹き出る。
「ぎぃやぁぁっ!」
吹き出た血はガライに降りかかり、白い体を赤く染める。ガライは自分の今の姿を想像して、にやりと笑う。
「いい悲鳴だ。もっと聞かせろ」
ガライの意思に応え、ガライソードが鞭のように変化する。ガライはそれを振るい、レンゲルの身体へと巻きつかせた。
そして、力を込めると、レンゲルを投げ飛ばした。
「ふぎゃっ」
蛙を潰したかのような悲鳴を上げるレンゲルにガライは益々愉快になり、二度、三度と同じことを繰り返していく。
「ふぐっ!……ふぎゅ!……ふげぇ!……ふごぉ!」
「ふふっ、ははっ、あーはっはっ」
最後に剣ごと、レンゲルを投げ捨てると、ガライはついに大爆笑を始めた。
今まで溜まりに溜まったフラストレーションが爆発したのだ。
「はぁはぁはぁ」
一方のレンゲルは息も絶え絶えで、もう立ち上がる気力すらない。
だが、今が逃げるチャンスだと、大地を這いずり、息を荒げながら、懸命に前へと進む。
すると、眼の前に真っ白な足が現れた。ジェネラルシャドウだ。
「シャドウさん、助けてっ……」
シャドウの足を掴み、助けを求めるレンゲル。だが、シャドウはその手を振り払うと、伸ばされたその手を足で踏みつけた。
「っぎゃぁ」
悲鳴を上げると、今度は蹴りがレンゲルの顎を捉える。あっさりと大地に転がるレンゲル。
前門にはガライ、後門にはジェネラルシャドウ。もはや、レンゲルに逃げる道はない。
「ぅぅぅっ……誰か、誰か助けて」
レンゲルはただ助けを求めて、声を絞り出すしかなかった。
??睦月よ
その時、身体の内から声が聞こえた。それと同時にレンゲルの意識は闇へと沈んでいった。
▽
影山冴子はガライを送り出した後、Gトレーラーの前で佇んでいた。
時折、吹く風が心地よい。
「ガライくん、上手くやってるかしら?」
わずかな時間ではあったが、彼が短絡的で感情のコントロールが利かない人物であることはわかった。
彼のようなタイプは非常に操縦しやすい。現に軽く焚きつけただけで思い通りに動いてくれた。
正直、二人とも殺すのは高望みしすぎだと思うが、睦月だけでも始末できれば御の字。
もし返り討ちにあったとしても、参加者が一人減ることになる。自分は何も痛まない。
「フフッ」
冴子の口元に笑みが浮かんだ。
「冴子よ。こんなところで何をやっておる?」
突如、掛けられた声。思わず冴子は身を震わせる。
「あら、ジャーク将軍」
後ろにいたのはジャーク将軍。気配はまったく感じなかった。
冴子も流石にこの男だけには格の違いを感じる。
「小沢の監視はどうした?」
「ちょっと、外の空気を吸いたくなったの。すぐに戻るわ」
踵を返し、アジトへと戻ろうとする冴子。
「待て」
告げられる制止の声。ジャーク将軍は杖で左手を叩くと、冴子に問いを投げかけた。
「ガライを知らぬか。奴にはGトレーラーの護衛を命じていたはずだが」
「さあ。私がここに来た時にはいなかったけど」
わずかな淀みも見せず、冴子は答えた。
「………」
「………」
しばし静寂がその場を支配する。やがて、ジャーク将軍はにやりと笑った。
「そちも中々豪胆な奴よの」
「何のことかしら」
「まあ、よい。そちやガライの心情にはシャドウも気付いておる。放っておいても、シャドウならば、なんとかするであろう。
だが、冴子よ。これだけは覚えておくがよい。余はそちの闇に惚れ込んで、仲間に引き入れた。しかし、所詮は何の繋がりもない、インスタントチーム。
障害になるようならば……ふん!」
杖より発せられた電撃がGトレーラーに命中する。電撃が巻き起こす火花はエンジンに引火し、たちまち爆発を引き起こした。
ドカンと派手な音を立てて、Gトレーラーは炎上を始める。
「っ!」
冴子は燃え盛るGトレーラーを前にして、呆気に取られ、声も出ない。
「ウワハッハッハッ!」
その様子を満足気に見詰め、ジャーク将軍はアジトへと戻っていった。
▽
「ここは」
意識が戻った睦月が立っていたのは薄い霧に包まれた幻想的な空間だった。
そこは嶋さんたちと会い、三人の男女と邂逅を果たした場所。
ここが一体どこなのか、睦月にはわからなかったが、ここに来れば、誰かが自分に力を与えてくれることはわかる。
今度は誰がいるのだろうか?内心、睦月は期待に満ちていた。
「睦月よ」
「カ、カテゴリーA」
そこに現れたのは三つ目に緑の体色をした蜘蛛のアンデッド、スパイダーアンデッド。
睦月をレンゲルへと変身させるカテゴリーAに封印されているアンデッドだ。
「く、来るな」
「睦月よ。俺はお前を助けてやりたいのだ。いつまでジャークやシャドウなどという怪人にへこへこしているつもりだ。
お前は最強のライダーだ。誰にも頭を下げる必要はない。さあ、俺の手を取れ、そうすればお前は最強になれる」
スパイダーアンデッドの後ろにはいつの間にか、以前、会った三人の男女に加え、吉永、新名、金居の三人が立っていた。
最強という言葉に惹かれ、睦月はその手を取ろうとする。
「待つんだ、睦月くん」
手を取ろうとした睦月にかかる制止の声。後ろを振り向くと、嶋昇、城光、大地の姿。
「嶋さん」
「そっちに行ってはいけない。そっちに行ったら、君は闇に取り込まれてしまう。僕が言ったことを思い出すんだ」
「馬鹿な。そんな曖昧なままでは真の強さは得られない。よく考えてみろ。ブレイドも、ギャレンも、そんな曖昧な状態のまま戦い続けたために死んだのだ」
「橘さんが……死んだ?」
スパイダーアンデッドの言葉に睦月は衝撃を受ける。
「睦月くん。残念だが、それは事実だ。風が教えてくれた」
睦月の脳裏に記憶が蘇る。スパイダーアンデッドに操られていたときの記憶。ギャレンと戦ったときの記憶。
「カテゴリーA!」
「そうだ。あのとき戦った橘は本物だ。だが、それがどうした。あのとき戦っていなければ、レンゲルバックルは取り上げられていた。
お前もゴミのように死んでいたのだ。俺はお前に生き残って欲しいのだよ。今、生きているのは闇に染まったジョーカーだけだ。
奴に対抗するためには、お前にも闇の力が必要なのだ」
ーー光と闇に、操られるな。自分との戦いに、終わりはない。
以前、嶋が言った言葉が思い出される。この後、睦月はスパイダーアンデッドを倒し、仮面ライダーレンゲルへとなった。
だが、その後、自分は連戦連敗。まともな勝利を得られていない。嶋さんの考えが正しくても、生き残るためにはカテゴリーAの手を取るべきなのではないのか。
そして、剣崎、橘の二人が死んだという事実は睦月の心を大きく揺らした。
「睦月!」
「睦月くん」
「どうすれば、どうすればいいんだ」
ーー最後までお前は誰かの助けを求めるのか?
その時、声が響き渡った。その場にいる誰かが発したのではなく、空間そのものに響いた声。
「この声は」
「シャドウくん」
「甘ったれるな!!」
響く怒声にその空間は一瞬にして消え去る。
急速に覚醒していく、睦月の意識。眼を開けると、闇の中、光る月がひとつ。
睦月は自分が戻ってきたのだと理解した。自分の身体はまだレンゲルへと変身中で、身体中がずきずきと痛んでいる。
「シャドウさん……」
レンゲルは半身を起こして、後ろにいるジェネラルシャドウを見た。
「戻って来たか。まったく、どいつもこいつもお前には甘すぎる」
ジェネラルシャドウはサタンサーベルを抜くと、レンゲルの首元へと突きつける。
「答えろ、結局、お前は何がやりたいのだ?
仮面ライダーとして、誰かのために戦いたいのか?
怪人として、ジャークの元で働きたいのか?
人間として、誰かに守って欲しいのか?」
「お、俺は、剣崎さんの遺志を継いで、仮面ライダーとして、人の笑顔を守るために、戦う理由のない者たちを、血の洗礼から救うために戦います。
そして、カードを集めて、相川さんに人間の心を取り戻します」
睦月は震えた声で精一杯答える。だが、シャドウは首を振った。
「違うな。それはその剣崎とやらがやりたかったことだ。俺はお前に聞いている。お前は何がやりたいのだ?」
「俺は……」
ーー俺にはない……戦う理由なんてないんです。
自分が以前言った言葉が頭の中を反芻する。
「戦う理由は誰かに決めてもらうことではない。自分で決めるものだ。答えろ睦月!お前が何者かを!!」
「俺は、俺は、うわぁぁぁぁぁっ」
「答えぬなら、死ぬだけだ!」
シャドウはレンゲルの首目掛け、サタンサーベルを振り落とした。
(死にたくない!)
咄嗟にレンゲルはレンゲルラウザーを拾い、それを受け止める。
「ほぉ、俺の剣を受け止めたか」
「シャドウさん、俺にはわかりません。自分が何者で、何をしたらいいかなんて、そんなのわかりません。
俺にはない……戦う理由なんてないんです」
「ならば死ぬか?」
サタンサーベルに力が込められる。
「それも嫌です!」
だが、レンゲルラウザーにはそれ以上の力が込められた。
レンゲルラウザーを跳ね上げ、サタンサーベルを振り払う。
「うわぁぁぁっ!」
??ガツン!
そして、レンゲルは自分の額に思いっきり拳を打ち付けた。
その一撃に、レンゲルの額にある三つ目にヒビが入る。
「だから!だから、考えますよ。俺の戦う理由。カテゴリーAの声も、嶋さんの声も、もう聞きません。
今度は自分だけの力で答えを出します」
「……ふん、よかろう」
シャドウは鞘へとサタンサーベルを収める。
「だが、俺が鞘を収めても、そいつは収めてはくれんぞ」
「壊れる準備は出来たか?」
ジェネラルシャドウの視線の先ではガライがGS−03のモーター音を響かせている。
「お前も律儀な奴だ。わざわざ待ってくれるとはな」
「俺は学んだのだ。楽しみは後に取っておけばおくほど、美味くなる」
「獲物を前に舌なめずりか。さあ、どうする?睦月」
レンゲルラウザーを強く握り締め、レンゲルは決意の声を上げた。
「切り開きます。自分の力で」
レンゲルは痛みに悲鳴を上げる体を無視し、自らガライへと向かっていった。
「また心地よい鳴き声を聞かせろ!」
GS−03を真一文字に振るうガライ。レンゲルはそれを身体を反らし、避けると、その反動を利用して、ガライに頭突きを行う。
「ぐっ、この!」
まさかの直接的な攻撃にガライはわずかに怯む。だが、素早く体制を整えると、GS−03を今度は逆方向に振るった。
しかし、レンゲルは自ら地面に倒れこみ、それをかわすとブレイクダンスの要領で、ガライに足払いを打ち込んだ。
「ぬぉ」
流石に体制を崩したガライは仰向けに地面へと倒れこむ。すかさずレンゲルはガライに馬乗りになり、マウントポジションをとる。
そして、そのままガライの顔に連打を打ち込んだ。
「ガッ、グッ、ゴッ」
こうなるとGS−03では反撃しようとしても、それは叶わない。一方的にガライはレンゲルの拳を打ち込まれていく。
「調子に乗るな、脆弱な生物が」
ガライはレンゲルの腹に手を添えると、頭の中で形成せよと念じる。
すると、掌から三叉の爪。ガライクローが生成され、レンゲルはそれに吹き飛ばされる。
ガライクローの威力に押され、上空高く突き上げられるレンゲル。
(今の内だ)
ガライは立ち上がり、形勢を立て直そうと、GS−03とガライソードに眼を向けた。
だが、それがこの勝負を決める要因となった。
「な、なに?」
ガライの背中に斬り付けられた痛みが広がる。
最初はシャドウが割って入ったかと、視線を向けた。
だが、そこにジェネラルシャドウの影はなく、あったのは大地に突き刺さったレンゲルラウザーだった。
「俺と同じように、武器を投げたのか……」
レンゲルに投擲武器はないと判断したことがガライの敗因。それは奇しくも彼に感情を与えたヨロイ元帥が敗北した原因だった。
▽
「はぁはぁはぁ」
ジェネラルシャドウは、荒く息をつき立ち上がるレンゲルを見遣る。
レンゲルは、睦月は真の意味で強くなった。
睦月の身体能力は決して悪くない。修行の甲斐もあってか、シャドウの一撃さえも見切れるようになっている。
その能力発揮を阻害しているのが、精神力の弱さだった。
だが、睦月は自らの意思で『迷い』という答えを見つけた。
自分が迷っていることを自覚しているのと、自覚していないとでは雲泥の差だ。
迷いは睦月に苦難を与えるが、同時に眼をそむけない限り、答えを導き出そうとする勇気も与えてくれる。
(もはや揺らぐことはなかろう。手駒という意味では使いにくくなったかも知れんがな)
ジェネラルシャドウはもう一人の男にも眼を向ける。
「ば、馬鹿な。お、俺が脆弱な生き物などに」
流石は怪人といったところか、大地に両足で立てる位には回復したようだ。
だが、ガライの場合は、肉体的なダメージよりも、精神的なダメージが大きい。
一度は圧倒した相手に、有利な条件で負けたのだから。
「ガライ、ゲームはお前の負けだ。もっとも、仮にお前が勝ったとしても、サタンサーベルはお前には渡らなかったからがな」
「なんだと?」
ガライが怒りに首を擡げる。シャドウはあまりにも挑発に乗りやすいガライに苦笑した。
「確かにこの剣が俺に限界以上の力を与えているのは肯定しよう。
だが、お前如きがサタンサーベルを持ったところで、俺には勝てん。一度、渡した後、改めて、俺が奪い返すだけのこと。
何故ならお前は、俺から見れば、お前が脆弱だと馬鹿にする存在と、何ら変わりがないからな」
「なっ!」
「それだ。その感情の爆発。易い挑発にたやすく乗り、冷静さを欠くその精神。それを脆弱と言わずして、何と言う。
お前が影山冴子の口車に乗ったのが、何よりの証であろう?」
「ぐっ」
シャドウは冴子が焚きつけたことも読んでいた。
誰かに焚き付けられなければ、ガライはジャーク将軍の命令に背いてまで、自分たちを襲うとはしまい。
自分達を徴用したジャーク将軍が命令を出すとも、人質である小沢の言うことを聞くとも思えない。
ならば、不穏の眼を向ける冴子しかいないのだ。
「元々、俺たちの間には信頼関係などといったものはない。利害の一致のため、一時的にチームを組んでいるに過ぎない。
だが、一度チームを組んだ以上、足の引っ張り合いは困る。内部で足を引っ張り合う集団など、全滅するだけだからな」
それはデルザー軍団という集団に所属していたジェネラルシャドウだからこそ言えること。
改造魔人たちは、実力ではストロンガーに勝りながらも、内部抗争により、チャンスを活かすことが出来ず、次第に崩壊へと突き進んでいった。
「お前も感情をコントロールできる術を覚えろ。どんな状況においても常にクールであれ。そして、敵を決して侮るな」
ジェネラルシャドウはGS−03とガライソードを拾い上げ、ガライへと渡す。
続いて、レンゲルラウザーを拾い、これをレンゲルに渡した。
「ガライ、睦月、変身は解くな。まだ、戦いは終わっていない」
「えっ?」
「何?」
シャドウは遺跡の方角を見詰める。
「出て来い。さっきからこっちを見ていることは判っている」
「な〜んだ、ばれてたのか」
遺跡の影から一人の青年が現れる。
なにやら重そうにディパックを抱え、ふらふらとした頼りない足捌きだ。
だが、見た目に騙されるジェネラルシャドウではない。ジェネラルシャドウは以前、嶋に感じた強大な力と同じものを感じていた。
「貴様がスペードのKか」
「そうだよ。はじめまして」
おどけた調子で挨拶するキング。
4回目の放送を前に、ジェネラルシャドウは眼の前の敵を鋭く睨みつけた。
【ジェネラルシャドウ@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:37話前後
[状態]:多少の打撲と大火傷。
[装備]:サタンサーベル、トランプ内蔵ベルト
[道具]:なし
[思考・状況]
1:眼の前の青年(キング)と話す。
2:明日、ストロンガーと決着をつける。
3:脱出のため、ジャークに力を貸す。
4:ジョーカーを倒す。
5:スペードのA、クラブの8が暗示するものを確かめる。そのためには睦月が有用か?
※スペードのAが暗示するものは剣崎(ブレイド)であろうとあたりをつけました。
クラブの8についてもラウズカード=ブレイド勢に関連があると考えています。
※シャドウ剣はF2エリアの壁に刺さっています。
【上城睦月@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:本編後。
[状態]:背中に大火傷。胸に深い傷。身体の各部に打撲。レンゲルに変身中。
[装備]レンゲルバックル+ラウズカード:クラブのA〜7、10〜K
ギャレンバックル+ラウズカード:ダイヤのA〜6・8・Q・K
ラウズカードのみ:スペードの4・7・8・J・Q ハートの3・4・7・10〜K
剣崎のブレスレット(単なるアクセサリー。特殊効果はありません)
[道具]:配給品一式(橘)。剣崎のペンダントと指輪(いずれもシルバー製アクセサリー)。
[思考・状況]
1:戦う理由を自分で見つける。
2:ハートのラウズカードを集め、始を人間に戻す。無理なら封印もやむなし。
3:キングは信用できない。封印するしかない。
4:ジャーク将軍、ジェネラルシャドウを信頼。
5:小沢澄子に、自分を支え続けた望美と同じ暖かさを感じる。
※1:劇場版の世界を知らないため、死んだ剣崎は自分の世界の過去から連れて来られたと考えています。
※2:睦月は始のマーダー化をジョーカーの本能に飲み込まれたと解釈し、ハートのスートを揃えて与えることで元に戻せると考えています。
【ガライ@仮面ライダーJ】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:本編開始前。
[状態]:コブラ男に変身中。火傷(小程度。再生中)。 背中に切り傷。
[装備]:ガライソード、GS−03
[道具]:なし
[思考・状況]
1:脆弱な生き物(睦月)に勝てなかったことにショック。
2:眼の前の敵(キング)を警戒。
3:どんな手を使っても生き残る。クールに?
4:ジャーク将軍と協力して、首輪を解除する。
5:神崎士郎は残酷に壊す。
6:脆弱な生き物と組むのは気に入らない。特にでかい口を叩くこの女(小沢)は。
※折れた烈斬はD-7に放置されています。
【キング@仮面ライダー剣】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:キングフォーム登場時ぐらい。
[状態]:全身に負傷中。わき腹に刺し傷。オルタナティブ・ゼロに2時間変身不可。
[装備]:カードデッキ(ゾルダ)。ドラスの核。ブレイバックル。
ラウズカード(スペードのA、2、3、5、6、9、10。ダイヤの7、9、J。クラブの8、9)
[道具]:デルタフォン、デルタドライバー。 カードデッキ(オルタナティブ・ゼロ)。怪魔稲妻剣。
ファイズブラスター。 グランザイラスの破片。サソードヤイバー(怪魔稲妻剣によるダメージ有)。
陰陽環(使い方は不明)。携帯電話。ラウズアブゾーバ。
剣崎の装備一式。二人分のデイバック(風見、北崎)。
[思考・状況]
1:ドラスと今の状況を楽しむ。
2:レンゲルと交渉。他の2人は誰?
3:この戦いを長引かせる。そのため、支給品を取り上げる。
4:戦いに勝ち残る。まだまだ面白いものも見たい。
5:今は戦うつもりは無い。
※音撃金棒・烈凍はC-5エリアの森に放置されています。
※携帯電話にはシャドームーンの死骸が写されています。
【ドラス@仮面ライダーZO】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:遺跡G-3】
[時間軸]:仮面ライダーZOとの戦闘で敗北し死亡した直後
[状態]:ネオ生命体本体部のみ。能力を発揮すれば人間大になることも可能です。
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:体力回復済。場合によってはキングの手助けに入る。
2:望月博士なしで神になる方法を考える。
3:首輪を外しこの世界を脱出する。
4:首輪の解除のため、冴子を利用する。
5:他の参加者は殺す。ただし、冴子とキングには興味あり。
[備考]
※1:ドラスの首輪は胴体内部のネオ生命体本体に巻かれています。(盗聴機能は生きています)
※2:ドラスはドクトルG、ヨロイ元帥、ジェネラルシャドウ、マシーン大元帥の情報を得ました。
※3:麻生は首輪が外れたため、死亡扱いになりましたが、ドラスの中で生きています。ただし、ドラスが死ぬと麻生も死にます。
※4:赤ドラス化は能力発揮中のみ使用可能です。通常時は普通のドラスに戻ってしまいます。
※5:制限が緩められ、戦闘時間、戦闘不能時間に影響があるかもしれません。
[備考]
※GM-01改4式(弾切れ)、拡声器はD6エリアに放置されてます。
【ジャーク将軍@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:研究所J-3】
[時間軸]:ジャークミドラに改造後。
[状態]:頭部に中程度のダメージ。
[装備]:杖、変身後は大刀。
[道具]:支給品のデータブック(ハイパーゼクターを除く支給品のデータが記載されています)
ネタばれ地図。ライダーブレス(コーカサス)。変身鬼弦・音錠。精巧に出来たモデルガン。
ハイパーゼクター。ベルト(カブト)。壊れたザビーゼクター。
ディスクアニマル(ルリオオカミ、リョクオオザル、キハダガニ、ニビイロヘビ)
トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。ライドロン。
配給品一式×8(ジャーク、グランザイラス、城戸、シャドウ、ドラス、立花藤兵衛、麻生勝、天道)
[思考・状況]
1:ライドロンを動かす方法を調査。
2:首輪の解析。
3:上城睦月に相川始を殺させ、後戻りが出来ないようにする。
4:神崎士郎を殺し、脱出する。
5:RXを殺す。リュウガを始末する。
6:人質である小沢澄子に対し、有能な指揮官・技術者として相応の敬意。
※1:ジャーク将軍は睦月より、ブレイド世界の情報と剣崎、始、橘、キング、伊坂、北岡、リュウガの情報を得ました。
※2:ネタばれ地図には支給品以外のラウズカードの隠し場所も書かれています。
※3:支給品のデータブックには、支給されたアイテムの効果が記載されています。
余裕ができ、中身を確認したのはGトレーラー内が初めてです。
各参加者の初期支給品も記載されています。
※4:ライドロンは現時点では動かすことは出来ません。
※5:Gトレーラーはトレーラー内の装備(G3ユニット・GM-01・GG-02・GK-06)ごと、大破しました。
【影山冴子@仮面ライダー555】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:研究所J-3】
[時間軸]:本編最終話あたり
[状態]:肩にかなりの深さの裂傷。
[装備]:オーガドライバー(オーガストランザー付属)
[道具]:アドベントカード(SEAL)。配給品一式。
[思考・状況]
1:生への執着。
2:ジャーク将軍に畏怖。共に首輪の解除方法を探す。
3:あきらと巧に復讐。
4:小沢澄子に警戒心。首輪を解除させ情報を引き出したら殺したほうがよさそうね。
5:上城睦月の確変に警戒心。ガライは成功したのだろうか?
【小沢澄子@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:研究所J-3】
[時間軸]:G3-X完成辺り。
[状態]:多少の打撲と火傷。自分のペースをとりもどして前向き。
[装備]:ガードアクセラー
[道具]:麻生勝の首輪(但し、分解済)。首輪(園田真理)。首輪(ヨロイ)。
[思考・状況]
1:仲間達(大集団)の安全を祈願。これ以上誰も犠牲になってほしくない。
2:首輪の解析(道具と仕組みさえ分かれば分解出来ると考えています)
3:目の前の怪人たちと上手く渡り合うため観察・可能な限り情報を引き出す。
4:睦月に同情。もう少し話し合えないだろうか。できれば味方につけたい。
5:ザビーゼクターを修理する(パーツと設備、時間さえあればザビーゼクターを修理可能だと考えています)
6:神代に怒り。相川始に疑問。ジャーク将軍には怒りと同時に一目おいています。
7:かならず仲間の元に戻ってみせる。そのための手段を探そう。
[備考]
※クライシスと神崎士郎が手を組んでいないことを、ジャーク将軍の発言より確信しました
投下終了。
予想通りさるさんorz
誤字、脱字、指摘事項がありましたらよろしくお願いします。
また、記載が解けたら、改めて、記載いたします。
----
代理投稿は以上です。
一部、本文長過ぎ・改行多過ぎ規制が入りましたので
独断でレスを分割させていただいた所があります。
支援ありがとうございます。
誤字、脱字、指摘事項がありましら、お願いいたします。
今回はかなり蒔いたと思いますんで、ご意見いただければ幸いです。
G3ユニット出番なしwww
GJ!
ジェネラルシャドウがガライと睦月の師匠やってカッコイイ!!
冴子の今後の動向も気になるし、キングとの遭遇で引きなんて、めちゃくちゃ気になる!
ジャーク将軍のジェネラルシャドウに対する信頼の見せ方もかなりよかった。
途中ゼロノス混じって笑ったw
ところでライドロン、お前自分できたんかいww
さすがぶっちぎりマシンww
キングの動きもかなり気になる。
GJ!!
今後の展開がかーなーり気になる終わり方でした!
それにしても睦月は怪人達に人気があるなw
これからの睦月の成長にも期待!!
GJ!まさかライドロンが来るとは………
これはRXの脱出フラグが増えたかw?
一人だけバイオライダーでの首輪解除フラグももってるくせにw
>本当だ。シャドウ、嘘吐かない
誰だコイツと言いたくなった
乙です。
睦月の人気に嫉妬w
ジャーク将軍もさすがの迫力ですな。
4つほど指摘。
>>581中ほど
「研究所という話しだったが、〜→「研究所という話だったが、〜(送り仮名は不要)
>>589下から7行目
〜ガライの体制を崩す。→〜ガライの体勢を崩す。
>>595 ーー光と闇に、操られるな。自分との戦いに、終わりはない。
これは嶋さんではなく虎姐の台詞(42話)です。
その直後 仮面ライダーレンゲルへとなった。
→〜仮面ライダーレンゲルとなった。 もしくは
〜仮面ライダーレンゲルへ(と)○○した(任意のサ変動詞) でしょうか
ところでライドロンの稼働条件ってどんなになるんでしょう。
条件によっては他の脱出フラグを華麗に叩き折りまくるのもいいかな、とか
密かに思ってたんですが。
それから◆4wyf44BgsEさんの投下が来たらそろそろ次回放送の準備かな?
621 :
sage:2007/09/12(水) 08:40:43 ID:StSIPq++O
GJ!
ライドロン来ましたね!
冴子さんが今後どうでるか……
とても楽しみです。
そしてシャドウかっこいいな。
城との決戦も近い!
投下は今日の夜かならず致しますのでよろしくお願い致します。
朝はちょっと時間がありませんでした。
すみません。
Gトレーラーがお亡くなりに…
小沢姐さん知ったら怒りそうだなww
>>621 ◆4wyf44BgsEさんかな?投下、お待ちしてます!
いよいよあと20人か〜
誰が勝ち残るかまったく予想できない。
放送近いし、禁止エリアになる場所をそろそろ決めるべきでは?
キングはオルタナティブ・ゼロではなくてアンデッド形態に二時間変身不可、じゃね?
621は自分です。ageてしまってすみません。
大変遅くなりました。
投下します。
621は自分です。ageてしまってすみません。
大変遅くなりました。
投下します。
階段を上る足音が近づく。
振り返るとトレイを手にした南光太郎が立っていた。
リビングにアールグレイの特有、ベルガモットの芳香が広がる。
「下の喫茶店でコーヒーでも入れてこようと思ったんですが、あいにく紅茶の専門店みたいですね」
屈託のない笑顔で五つのカップに紅茶を注いで行く。
「ひよりさんもどうですか?」
ひよりは、のんびり紅茶なんか飲んでる時じゃないと南を睨み付けた。
南は視線に気が付きもせず、結城、氷川と二、三、言葉を交わした後、窓辺に持たれ、じっと外を見つめている。
その方向はシャドームーンが去った方と同じ。ひよりがそれに気付いた時、ふと、南が振り向いた。
「どうかしたんですか?」
先程と同じ笑顔を向けてきた。太陽みたいな笑顔、そう思った。
「……なんでもない」
ひよりは首を横に振り、紅茶に手を伸ばす。
(暖かい……南の入れてくれた紅茶も、南も。こんな状況でも、笑顔で気遣ってくれる。
シャドームーンとの戦いで、体も心も一番傷ついているのは南なのに)
そう思うと南の背中が少し寂しげに見えた。
「氷川、手伝ってくれ」
城が奥の部屋から出てきた。両手に抱えたシーツをダイニングチェアの上に積み上げる。
紅茶を一口飲み、眉間に皺を寄せ「柄じゃないな」と呟いた後、引っ張り出してきたシーツをビリビリと勢い良く引裂き包帯を作る。
「清潔とは言えないが無いよりはマシだろう。肩と腹の傷に巻くと良い。止血だけでなく体の支えにもなる。」
半ば命令とも聞こえる、だが温かみのある口調でそう言い何枚かを差し出した。
ひよりは少し間をおいて「ありがとう」と小さな声で精一杯答えると、
傷口を拭くようにと、氷川が用意したタオルを共に受け取り奥の部屋へ向った。
窓辺に置かれたベッドに腰を下ろし、濡れたタオルで傷口を拭く。
応急処置が適切だったのか、出血はもう殆ど無かった。
(すごい傷だ。でも、歩けない程じゃない。天道はもっと傷だらけだった。加賀美だって……)
痛みを堪えるのと、泣くのを堪える為、奥歯を噛締めながら脇腹と右肩の傷口に包帯をキツく巻付ける。
少し不格好だが、城の言う通り痛みで力の入らない体の支えには丁度良い。
手当てを終え、一つ長い溜息を吐き出した時、サイドテーブルに飾られたフォトフレームが目に留まった。
少年とあどけない少女の写真。
(兄と妹か……あいつと僕も)
我慢していた筈の涙が、頬を一筋伝う。
(お兄ちゃん……一度くらい樹花ちゃん見たいに、思い切り甘えてそう呼んでみたかったな)
ひよりは感情を表に出すのが苦手だった。
涙や笑顔で、自分以外の誰かに訴える。
同世代の女の子達が普通に遣って退ける事。それは、ひよりにとってとても難しい事、だった。
だが、天道や加賀美と出会い、Bistro la Salleでの毎日が、少しずつひよりの閉ざされた心を変えていった。
天道が兄と分かってからも口にすることは無かった言葉を、声に出して呟いてみる。
「お兄ちゃん……」
生きていれば、きっと優しい微笑を返してくれただろう。
「加賀美……」
此所に来てから、一度も顔を会わせる事なく逝ってしまった。
もう、二度と会うことが出来ない。
それが、突き付けられた現実。
大声で叫んだり、泣いてしまえば少しは楽になるのか?
そんなことで発散できる程、自分が強くないのは知っている。
感情を吐き出したところで受け止めてくれていた天道や加賀美はいない。楽になれる筈が無い事は解っていた。
喉元に何かが熱くこみ上げてくる。それが嗚咽に変る前に、ベッドに体を横たえ顔は枕に埋めた。
支援
一人暮らしの自室で、眠りに着く前に何時も包まれていた。
一日の仕事を終え疲れた体を癒す、明日もまた天道や加賀美と過ごす楽しい時間を期待させてくれたのと同じにおい。
(――帰りたい……でも、帰ったら一体どうなっているんだろう……天道も加賀美もいない世界)
違う時間軸から集められて来た52人。
無事に脱出して元の世界に戻った時、此所で起きた事がどんな影響をもたらすのか?
いくら考えてもひよりに答えは出せなかった。
ドアの向こうから、微かに氷川達の声が聞こえる。
(氷川、南、結城、城、リュウガや他の皆、そしてシャドームーン。
これから先の戦いで、誰かが犠牲になったとしたら……僕はそれを受け止められるのか?
今、シャドームーンはたった一人でどうしているんだろう)
ドアの内側にノックの音が響く。
四、五回聞こえてから涙を拭くと、ようやくひよりはドアを開けた。
§
「あの娘、一人で泣いてるんじゃないか?」
氷川の目を真直ぐに見つめ、小声と言うには少し大き過ぎる声で城が耳打ちした。
「氷川、俺に二時間待てと言ったな。俺もお前に二時間やろう。
これは制限の為じゃない、あの娘の涙を受け止めてやる時間だ。失敗は許されない、いいな?
お前とは一緒に死線を潜り抜けて来たんだ、少なくとも俺たちの中では一番適任だろう」
「岬ユリ子と言う女とお前のようにか?死線をくぐり向けてきたパートナー……お前にそんな人がいたと聞いたことがある」
支援
支援
結城の問いを、城は自嘲気味に笑う。
「フッ。その秘密はお前達には明かさん。ただ、また俺はアイツを救ってやることは出来なかった。それだけだ」
わざとおどけて言う城の姿が、内心の後悔を浮き彫りにしていた。
「そんなに、自分を責めないでください」
南が口を開いた。
「責めてなどいないさ……さて、俺は今のうちに結城と昔話でもするか。なぜそんなに老け込んだかもだ。
二時間あれば充分だろう」
「シャドームーンを仮面ライダーに。それが今ひよりさんの唯一の心の支えなのかも知れないな……」
結城の呟きに氷川は軽く頷く。
「僕も気になっていましたし、様子を見てきます」
そして、冷めかけたひよりのカップに熱い紅茶を注ぐとひよりのいる部屋へ急いだ。
「紅茶、もう一杯どうかと思ったんですが……」
何回目かのノックで10cmほど扉が開いた。
「良かったら、少し話しませんか?」
「……何を?」
愛想の無い答えかただったが、下をむいたまま一歩下がると部屋に招き入れた。
ティーカップを受け取るひよりの頬にうっすらと残る涙の後が残っている。
細い肩が、ひどく頼りなく、儚く思えた。
§
「今日は散々な一日でしたね……、……ん?何でこの紅茶こんなに渋いんですかね。
南さんが入れたときは美味しいと思ったんだけど、おかしいな?」
支援
「氷川が入れてくれたんだろう」
カップには茶葉が浮き、ベルガモットの香りも台無しだ。
(しょうがない、氷川の不器用さは麻婆豆腐を皆で食べた時から知っている)
覚悟して紅茶を一口飲む。
紅茶の渋さに少し咳き込んだ。
ひよりの顔を心配そうに氷川が覗き込む。
保護者のような氷川が可笑しくて、久しぶりにひよりは笑った。
「僕は、大丈夫だ」
傷を庇いながら、氷川に支えられ部屋の窓を開く。
見上げれば、空を覆う雲は風に流されて行く。
流れは海へ向かい速く、速く、暗雲を導いていく。
月は、時折顔を見せながら雲の間を漂うだけで、夜は闇に包まれている。
(シャドームーンは月を見上げた後、向こうへ歩いて行った)
ひよりは大きく息を吸い込んだ。
冷たい空気が、喉と肺を満たして行く。
悲しみや痛み不安、溜め込んでいた思いは深呼吸に乗せてすべて吐き出す。
(もう少し、頑張ってみよう。早くシャドームーンを捜す、そして、もう一度話をする……仮面ライダーになってって)
髪を、頬を撫でる冷たい風が、なぜだかとても心地好く感じた。
その時、何かが聞こえた。
――……きょうこ?……あき…………づき?
……………………そうだ、俺は……俺の名は……――
「今の何だ……誰の声だ?」
「城さんの声ですか?」
確かにドアの向こうからは、時折、城の声が聞こえる。だが、先ほどの声は城や南、結城の声とは違った。
もちろん、氷川の声では無い。
(空耳かもしれない、何を言っているのかも判らなかったし……気にするのはやめよう)
そうは思う、何故か心を不安が渦巻く。
一瞬、リュウガの青いジャケットが脳裏を過ったが声のイメージと重ならない。
雲が晴れて、月光が長く部屋に差し込む。
空に浮かぶ月と伸びてゆく影。
(まさか、シャドームーンに何か?)
2、3時間待って他の仲間と合流してから捜しに行けばいい。
4回目の放送を待ってからでいい。
いくら自分に言い聞かせても、胸に芽吹いた不安が払拭できない。
「ひよりさん?」
氷川の声が、後ろから追い駆けてくる。
「嫌な予感がするんだ。シャドームーンを捜しに行ってくる」
答えを待たずにひよりはドアを開けた。
唖然とする一同を横目で見た後、傷口が開くのもかまわずに階段を駆け下りた。
§
「ひよりさんが急にシャドームーンを捜すと言って……すぐに連れて帰って来ます。
ひよりさん!待ってください!」
慌てて出て行く氷川に向かって城は、失敗したのか?と言わんばかりの視線を遠慮なく投げつけていた。
「全く、煽ってどうするんだ」
呆れ顔の城の横で南がスックと立ち上がる。
支援
支援
「俺も行かせて下さい。シャドームーン、いや、信彦の事ならばじっとしている訳にはいかない!」
すぐさま追い掛けようする南を、城が制した。
「南、落ち着け!地図を見てみろ。ここからすぐそこはもう禁止エリアだ。
そして向こうは海岸へ続く。市街地の外れや海岸部には体を休められる建物など見当たらない。
シャドームーンだって制限がある。狙ってくれとばかりに傷付いた体のまま人目に付く様な行動取るとは思えないが」
「しかし、だからと言って二人を放ってはおけないでしょう」
――シャドームーン、そして禁止エリア……
二つの言葉がぐさりと音を立て、結城の心に引っ掛った。
「ちょっと待ってくれ。この近く禁止エリア、G5エリアに入れなくなったのは何時だった?」
突然の質問に、戸惑いながら城が答える。
「何時って2回目の放送だったと思うが」
「ええ、確かに2回目の放送後の13時でした。それが何か?」
結城は南と城の顔に視線を走らせた。
(知らない?俺が告げなければ、シャドームーンに知る術は有ったのか?
いや、知らないからと言って足を踏み入れる可能性は低い。心配のしすぎだろう)
すぐに、この辺りを探索し尽くした氷川とひよりが戻ってきて、自分の杞憂だと笑い飛ばせる。そう思いたかった。
(だが、ひよりさんの慌て様は何だ?まさか、虫の知らせを受けたとでも言うのか)
掌にじんわりと嫌な汗が滲み出る。
(相川始、彼が教えている可能性もあるが。いや、そんなものは根拠の無い希望的観測に過ぎない)
「結城、それが一体なんだって言うんだ」
妙な様子に気が付いた城の言葉を遮り、結城が南の肩を掴んだ。
「だめだ。知らないんだ……2回目の放送の時、気絶していた。
シャドームーンは知らないんだ。G5が禁止エリアだと言う事を……」
§
「ついて来なくていい」
「そう言う訳にはいきませんよ。少し休みませんか」
ひよりの扱いにはもう慣れた様子で、氷川はベンチに腰掛けると空を見上げた。
「綺麗ですね……」
その一言は胸に痛い。
どんな時も、美しい物は素直に美しいと感じる事が出来る。氷川の心はどれだけ純粋なのだろう。
ひよりの心とは裏腹に空は晴れ、月は美しく輝いていた。
「こんな時なのに、お前には月がキレイに見えるのか……」
「ええ、まあ。でも、ひよりさんもそう思ったでしょう?」
「そうだな……」
月明かりに照らされた氷川の横顔を見つめ、ひよりは思う。
辛い状況でも、笑顔で困難に立ち向かっていく……氷川も仮面ライダーなんだ、と。
「なぁ氷川、闇を切り裂いて光をもたらすのは太陽だけじゃないよな。
だって月の光は、こんなに優しく闇を照らしているから……
シャドームーンや僕は、南さんや真理って子見たいに太陽みたいにはなれない。
だけど、月の様に、闇を照らす光になることなら出来るのかもしれない……」
「ひよりさんなら、きっとなれますよ」
(氷川は、ここに来てからずっとそばに居てくれた。感謝の言葉も口に出さずに振り回してばかりいる)
「悪かったな。氷川はこれからリュウガと小沢さんって人を、助けにいかなきゃならないのに……」
「帰りましょう。もうこの先は禁止エリアです。禁止エリアの中まで捜すつもりじゃないでしょう?」
素直に頷き、二人は来た道を戻る。
突然、氷川が歩きだしたひよりを制した。何者かがフェンスに影を写し移動している。
支援
支援
「氷川さん!ひよりさん!ここにいたんですか……」
フェンスを越えて顔を出したのは南だった。
「氷川さん少しいいですか?」
氷川と何か小声で話している。
様子を見に来たのだろうか。その割には真剣な顔をしている。
話に入れずその場を持て余す。
(あっちが禁止エリアか)
見た目には、今立っている場所と、禁止エリアに何の違いも無い。
誰もいない筈、ひよりの目を引く物など見つからない筈の空間。
だがそこでひよりは目に銀色の光を捉えた。
道の中央、月明かりのスポットライトを受け、アスファルトに何かが転がっている。
吸い込まれるように数歩くと、その正体を知った。
ごろりと転がる頭部はシャドームーンのそれでは無く、人間の顔をしていた。
銀色の体は唯の物になってしまった。
思考や感情、何も持たない、唯の、物に。
――仮面ライダーになって、その声はもうシャドームーンに届くことが無い。
(シャドームーンは仮面ライダーに………月の光になら、なれるって…僕は……)
雑踏で倒れた時と同じ、強い眩暈に襲われる。
膝を突いて座り込む。
支援
支援
二つの人影が近づく。
「信彦…………信彦……信彦ォーーーー!!!」
ひよりの横を南がふらふらと過ぎる。
制止する氷川を南が振り切り、シャドームーンだった物に駆け寄ろうとする。
一歩、また一歩。
ピッッピッッピッッピッッピッッピッッ――
警告を告げるアラーム。
無機質な音がひよりの鼓膜を突き刺した。
鼓動、脈動、動悸、体中のあらゆる律動がアラーム音のリズムに同調して行く。
タタタッタッタッ――
南を連れ戻そうとする氷川の足音と、二人の首輪から響くアラーム音が神経を逆撫でる。
ひよりは恐怖に、反射的に耳を塞ぐ。
音が閉ざされると、叫び出したくなるほど視界が鮮明に映った。
規則的に点滅する首輪の赤いLEDが絡み合う。南の物が一つ、氷川の物が一つ。
月光を受け鈍く銀色に光るシャドームーンだった、躯。
支援
支援
必死で手を伸ばす南の白いジャケットが、ひよりの眼に焼きつく。
シャドームーンの名を叫び続ける南へ。
首輪の警告音が速まる。
ピッピッピッピッピッ――
視界が霞む、涙のせいなのか?
混乱する、眩暈のせいなのか?もう、ひよりには解らない。
ピピピピピピ――
一際早くなった警告音。心臓が激しく高鳴る。そして、心が堰を切った。
――デシマウ…
シンデシマウ…
シャドームーン――首…ガ…ナクナル……………
壊………レタ…天……灰ニナル…行イッテシマウ……逝ッテシマウ
南 氷川 皆………死ンデシマウ… 嫌………嫌ーーーーーー!!!!!!――――
深く、深く、意識は沈んでいく。
駆け寄る氷川の姿も、名を呼ぶ南の声も、深淵へ落ちて行くひよりを捉まえることが出来なかった。
§
眼が覚めて最初に見えたのは、長髪で切れ長な眼をした男の心配そうな顔だった。
ゆっくりと体を起そうとしたが体中が痛い。幾つかの見慣れない顔が悲痛な面持ちで僕を見ている。
「ひよりさん?」
長髪の男が、誰かの名前を呼んでいる。
薄暗い月明かりに視界と意識がぼんやりとする。
「ひよりさん?」
男が僕の手を握った。優しく暖かい温もりが伝わってくる。
「ひより……それが僕の名前なのか?」
ズキンッ頭の奥が痛んだ。なにも、わからない、もう少し眠りたい。
「ひよりさん、まさか……」
その後に続く言葉を聞かずに、再び僕は眠りに落ちた。
【日下部ひより@仮面ライダーカブト】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:本編中盤 シシーラワーム覚醒後。
[状態]:右肩に重傷(処置済み)右脇腹に刺し傷(処置済み)打撲。記憶の混乱
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考・状況]
1:睡眠中
[備考]
※1:精神的なショックで目覚めた後も記憶の混乱、あるいは喪失しているかもしれません。
支援
§
「せめて、放送が終わるまで眠っていた方がいいでしょうね」
そして氷川は名残惜しげにドアを閉めた。幸いにも時刻は11時50分、眠りに付いたひよりが起きる心配は無いだろう。
「そうだな、さっきの様子じゃ記憶を失っているかも知れないが……しばらくは、そっとして置いた方がいい」
城が髪をかき上げなら言った。
「心因性の健忘だ。精神的な原因によるもので、強いストレスや心的外傷(トラウマ)によって引き起こされる。
覚えていては辛いことを、忘れることで精神の安定を保とうとする。
一時的なものか、どこまで記憶がはっきりしないのかは、しばらく様子を見ないとわからないだろうが……
すまない。俺のせいだ」
「結城、お前のせいじゃない」
立ち上がりパーフェクトゼクターを手にした城が結城の肩を叩く。
「心因性……クッ。俺のせいです。俺が取り乱したりしなければ」
南は両手を握り締め、唇をかみ締めた。
「南のせいでもない。倒すべきは、こんな戦いを仕組んだ神崎司郎だ。南、結城を頼む。氷川、ひよりのことは頼んだぞ」
デイパックを手にして城は階段を下りていく。
「アームを回収して、俺もすぐ追いかける」
結城の言葉を、城は自らの決意で制する。
「だめだ、傷つくのは俺が許さない。
お前はもう十分戦ってこの世界に飛ばされてきた。正義を貫いたんだ。そうだろう?今度は俺の番だ」
「僕は一緒に行きます」
氷川が城を見据えた。
「ひよりを頼むそう言っただろう」
背を向けたまま城は言った。
支援
「でも、一緒に行かせてください」
引き下がらない、それが不審に感じた。
「何故だ?復讐の為か」
銃口の様な視線で氷川を睨んだ。
先程とは状況が違う。仲間を失い、ひよりも心を打ち砕かれた。
復讐心が狂気となって氷川を蝕んでいるともかぎらない。
「確かに、目を覚ますまで側にいたい気持ちはあります。
でも、それよりも、ひよりさんを早く平和な世界に戻してあげたい。
囚われている小沢さんやリュウガさん達、その為にも僕は戦わなくてはならないんです!」
真摯な必死な想いが城の体を貫いた。
―それは、正義だ。それが、氷川誠の正義か……
城は一瞬でも氷川を疑った事を恥じた。
そして、最大の賛辞を込めて言った。
「わかった。行くぜ!仮面ライダーの兄弟」
「はい!」
【城茂@仮面ライダーストロンガー】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:デルザー軍団壊滅後
[状態]:全身に負傷中。疲労中。応急処置済み。真実を知り、守れなかったことによる後悔。
[装備]:V3ホッパー。パーフェクトゼクター。
[道具]:支給品一式(茂)
[思考・状況]
1:ジェネラルシャドウたちの探索。決着をつける。
2:殺し合いを阻止し、主催者を倒す。
3:殺された仲間たち、ひよりの敵討ち。
4:自分に掛けられた制限を理解する。
※首輪の制限により、24時間はチャージアップすると強制的に変身が解除されます。
※制限により、パーフェクトゼクターは自分で動くことが出来ません。
パーフェクトゼクターはザビー、ドレイク、サソードが変身中には、各ゼクターを呼び出せません。
また、ゼクターの優先順位が変身アイテム>パーフェクトゼクターになっています。
※真実を知りました。
※ひよりが記憶を失っていることを知っています。
[その他共通事項]
※1:破壊されたスマートバックル、果物ナイフ数本はE-4エリアの高層ビルのレストラン内部、瓦礫の下に放置されています。
※2:ドクターケイトの杖はE-4エリア内の高層ビル付近に落ちています。
※3:アクセルレイガンは樹海エリアC-4に放置されたままです。
支援
【氷川誠@仮面ライダーアギト】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:最終話近辺
[状態]:中程度の負傷。胸に大火傷。
[装備]:拳銃(弾一つ消費)。手錠等の警察装備一式(但し無線は使えず、手錠はF-4のビル内に放置)。
ガタックゼクター&ベルト。GX−05ケルベロス(但し、GX弾、通常弾は全て消費)
[道具]:但し書きが書かれた名簿。デザートイーグル.357Magnum(4/9+1) 。
デイバック 。
[思考・状況]
1:城と共にジェネラルシャドウたちの探索。
2:小沢、リュウガの救出。救出後、みんなとの合流。
3:もうひよりに悲しい思いをさせたくない。
4:此処から脱出する。
5:神代と決闘。
[備考]
※1:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※2:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
※3:ひよりが記憶を失っていることを知っています。
§
城と氷川が去って行った後でも、結城の憂いは晴れなかった。
二人の話では、首輪が爆発するまでは少しの猶予があった。
なのにシャドームーンは、なぜ逃げなかったんだ?
RXを倒す、その狂気のみに取り付かれていた。
いや、その目的だけがシャドームーンの存在意義だった。
シャドームーンは、自分で自分を消し去ったのだ。
俺はシャドームーンの事を考えて仮面ライダーにしようと思っていたのか。
ひよりさんや南の様に、シャドームーンのことを考えて……
――そうじゃない。
ドクトルGの時と同じだ。
彼は悪人ながらも忠義貫いて死んでいった。
悪人とは何だ?俺は最初から、正義を貫いてなどいない。
俺のやったことは、老獪なやり口で彼らを駒の様に扱っただけだ。
今の俺に「ライダーマン」を名乗る資格があるのか?
【結城丈二@仮面ライダーV3】
【1日目 現時刻:夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:仮面ライダーBLACLRX終了後。
[状態]:中度の負傷。貧血気味。右腕切断、腹に刺し傷(処置済)。ドクトルG、シャドームーンに罪悪感。
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×4(結城(名簿を除く)、霞のジョー、加賀美、影月)。サイ。オルゴール付懐中時計。鬼笛。
[思考・状況]
1:シャドームーンの死に深い後悔。
2:死んだらドクトルGに謝りたい。
3:ひよりが心配。
4:ドラスを倒す。
5:首輪の解析。首輪の解析のための施設を探す。
[備考]
※1:カセットアームと右腕はE5エリアに放置されています。
※2:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※3:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
※4:ひよりが記憶を失っていることを知っています。
§
ひよりさんと結城さんを頼みます
デイバックを手渡し、出て行く氷川と城の背中を見送った後、階下の喫茶店に南は一人佇んでいた。
(今度こそ、信彦を闇から救ってやれると確信したはずだったのに、なぜだ?)
信彦は死んだ、その事実から逃れることは出来ない。
眼を瞑ると、唯一無二の親友の笑顔が見えた。
「……信彦…」
楽しかった日々、幸せだった。
ひよりさんもきっと掛け替えのない思い出を築き、幸せな時を重ねて来ただろう。
……悪がすべて奪ったのだ。それぞれの時、友、思い出までも……
だが、感傷に浸る時では無い。
ゴルゴム、神崎司郎、そしてクライシス!悪が滅びるまで俺は何度でも立ち上がる。
必ず奴等の野望を打ち砕く。逝ってしまった仲間達…闇に囚われたライダー達…ひよりさんや皆の為に!
決して負けない。仮面ライダーブラックRXとして!
熱い思いが、光太郎の体中を駆け巡る。
体内に埋め込まれたキングストーン。
それがRXの新たなる決意、そして深き悲しみと共鳴を始めつつ在る事を、光太郎はまだ知らない。
支援
【南光太郎@仮面ライダーBLACK RX】
【1日目 現時刻:真夜中】
【現在地:市街地F-4】
[時間軸]:第1話、RXへのパワーアップ直後
[状態]:今までに無い深い悲しみ、
[装備]:リボルケイン
[道具]:カラオケマイク(電池切れ)。トランシーバー(現在地から3エリア分まで相互通信可能)。首輪(ドクトルG)。 四人分(ひより、リュウガ、岬、明日夢)
[思考・状況]
1:シャドームーンの死に深い悲しみ。
2:打倒主催。その後、元の世界に戻ってクライシス帝国を倒す。
3:他メンバーと合流。結城とひよりの護衛。
4:草加を始め、闇に落ちた仮面ライダーを救う。
[備考]
※1:黒幕はクライシス帝国、神崎はその手の者であると勝手に確信しています。
※2:ガタックゼクターへの誤解は解けました。
※3:ドラスをクライシスの怪人だと思っています。
※4:時間軸にずれがあること、異世界から連れてこられたことは情報として得ました。
※5:仲間である人物と敵であろう人物の共通認識がされました。
※6:ひよりが記憶を失っていることを知っています。
投下終了です。
誤字脱字、指摘、よろしくお願い致します。
支援してくれた皆様に感謝しております。
遅くなって申し訳ありませんでした。
>>625 市街地からアンデッド化し、エリア移動してから1時間ほど休息。
50分間何をしてたかはしらないけど、それからオルタゼロに変身して
ホイールベントで遺跡まで移動したんだよ。
だからキングはアンデッド化出来て、オルタゼロには変身できない状態。
ついでにいえばドラスも2時間休んだからフルパワーの状態だ。
乙!!いよいよ来るか・・・RX怒りの王子。
投下乙。
早速指摘で申し訳ないんですが、
>>655 >「南のせいでもない。倒すべきは、こんな戦いを仕組んだ神崎司郎だ。南、結城を頼む。氷川、ひよりのことは頼んだぞ」
の神崎士郎が、神崎司郎になっていました。
ひよりが記憶を失う……でもそれほどの状況には追い込まれていますね。
城と結城の会話がお互いの時間の差を感じてしまいました。
氷川さんの紅茶の失敗も、不器用な彼らしかったです。
南の怒りと悲しみはあのフラグですねw
GJ!!
ロボライダーフラグきたよこれ
早速の感想はやっぱりうれしい。
>>673 指摘ありがとうございます。
そして、ええあのフラグですとも!
自分でも誤字を見つけました。2、3あるのでまとめて修正いたします。
いつもながらすみません。
そいやもう真夜中だからそろそろストロンガーのチャージアップ制限も解けるんでは?
放送後に解けるな。シャイニング翔一くんも見たかった……。
アギト勢は木野さんくらいにしか見せ場なかったからな・・・・いや水のエルもかなりいいキャラしてたか。
話の都合上しょうがないけど、せめて残ったガタック氷川には頑張ってもらいたい
GJです!!
この後にシャドウ(サタンサーベル)vs城(パーフェクトゼクター)の戦いがあると思うと少し感慨深い…
言い忘れた。投下乙。
>>680 シャドウ本人に剣を持ったストロンガーなんてライダーじゃないって言われたから、使わないんじゃね?
>>679 G3ユニットもだ!
>>678 一時的になったじゃないか。すぐにトリニティフォームになったけど。
龍騎サバイブになれなかった真司や
王蛇鯖イブになれなかった浅倉や
キングフォームになれなかった剣崎や
ジャックフォームになれなかったダディや
装甲響鬼になれなかったヒビキさんに謝れ
>>683 ほとんど同意だが上から二番目違う上から二番目違う
ハイパーになれた天道と加賀美は恵まれてる方だなあ、こう考えると
禁止エリアだけど、今まだ1つも埋まってないラインは
横軸:B・E・H・J
縦軸:3・4・7・9
それと周囲の禁止エリアも考慮して選ぶなら、この辺が候補かな
市街地:E-4 E-7
樹海:B-3 B-9
海岸:J-4 H-9
>>685 妥当だと思う。
J-3エリアが禁止エリアにならない理由は放送、もしくは(いたら)神崎側SS書く人に一任するか。
>>684 序盤の強化は死亡フラグ、を全速で駆け抜けたがな・・・
まあハイパーゼクターは脱出フラグでもあるから仕方ないっちゃ仕方ないが。
にしても、加賀美・天道・天道´とハイパー〜になったやつみんな速攻で死んでるな。
小沢さんヤバス
GJ!
放送の前にシャドームーンの死を知った皆の描写が見事。
彼が与えた影響はこの5人の後々の展開に大きく影響しそうで楽しみです。
>>620 ご指摘ありがとうございます。
当該箇所、修正いたします。また、あわせてオルタナの変身について、
状態表を見なくてもわかるように最後の描写を多少修正したいと思います。
第4回放送前に、他に予約がないようでしたら、神崎士郎を予約したいのですが、宜しいでしょうか?
皆様乙です。
こちらは2本ほど考えたネタがどちらにしても放送後までかかってしまうんですが、
放送が終わるまで予約は待った方がいいんでしょうか。
放送前に誰かが死ぬとかじゃなければ、待った方がいいんじゃないか。
そういえばオーディンはどうなるんだろうか?
修正箇所をしたらばに投下しました。どうぞよろしく。
>>690 オーディンを投入する必要もないペースでバタバタ死んでるけど
脱出を着々と進めてるGトレーラー(もうないけど)組に投入されるかもしれんね
このスレも「電車男」みたいに小説にならいかな?
>>693 パロロワの同人誌化なら、過去に実例があったりする
利益云々ではなく添削で揉めたらしいが
>>693 パロロワはそもそも二次創作
それも人様の作ったキャラを勝手に殺しまくってるんだから
エロ同人より遥かに日陰者だって認識はしといた方がいい
やっぱり小説化は、無理か(涙)
こんなキャラ変えまくったもん(特に昭和怪人勢)が小説化なんか出来るか
同人にするにしたって、著作権を持っている人が多数いるからな。
全員に許可を取るのは事実上、不可能に近い。
>>697 どさくさ紛れに毒吐きかい。
キャラが違うことを指摘したいなら指摘しろよ。
指摘しないなら、永久に黙っておけ。
>>699 そういうけんか腰の物言いこそいらん波風を立てると思うんだが
否定的な意見の1つ2つぐらいスルーしろよ
>>690 一本は前回始とリュウガを中途半端な時刻で切ってしまったので、
そこを埋めないと放送ができないなら自分で繋ごうかと思ってました。
では取りあえず放送を待って、どなたも触らないようなら後付的に出しますね。
もちろん他の方が繋いでくださるならむしろ喜んでお任せします。
もう一本も含め、放送を待つ間に書き貯めておきます。
トリがばれてしまったorz
と、言うことで次レスでニュートリ。
次以降、こちらで投下します。
ハア、簡単すぎたか。
TJ9qoWuqvA の検索結果 約 11,600 件中 1 - 10 件目
さすがにこれじゃ使う前から割られてるようなもんでしょう
せめてキーは無意味な文字の羅列にするか
トリッパーに適当な単語突っ込んで探すのが吉
そういや、まとめサイトの「輝」に誤字あったな
「烈斬」が「烈雷」になってた
まとめサイト更新。
自分の分と、4wyf44BgsEさんの修正、ついで「輝」も修正いたしました。
結局、もう予約はないってことでOK?
>>706 ネタがないんでお任せです。
放送後の話は自分も練っていたり。
四回目の放送試案も土曜までには仕上げときます。
それでは投下いたします。
―SWORD VENT―
ゴルドバイザーから音声が鳴り響くと同時に、オーディンの両手にゴルドセイバーが握られる。
オーディンは両腕を鳥のように広げ、相手を威嚇した。
その様に眼の前の2体のモンスターが警戒を強めたのがわかる。
2体のモンスターの1体。赤き鳥の魔物、ガルドストームは戦斧を手に、右へと回り込む。
そして、もう1体。緑鳥の魔物、ガルドミラージュはリングナイフを握り、左へと回った。
「挟み撃ちか」
「アォォォォォッ!」
「ギヤァァァァッ!」
2体のモンスターは空中高く跳び、同時にオーディンへと迫る。
だが、オーディンは余裕を崩さない。
「ふん!」
気合一閃、2体の攻撃が当たる瞬間、オーディンはその場から消えた。
突然の消失に、勢い余った2体のモンスターはお互いの身体を切り裂き合う。
「クワァァァッ!」
「ギィヤァァァッ!」
悲鳴と共に飛び散る火花。
「はっ!」
そして、再びオーディンの声が響くと同時に、2体の周りを無数の黄金の羽根が舞った。
それ自体が爆発力を持つ黄金の羽根は身体に触れると同時に爆発を引き起こし、2体の身体を削っていく。
「止めだ」
何時の間にか2体の目の前に出現したオーディンはゴルドセイバーを手に突進した。
既に戦意を失い、足元もおぼつかない2体をオーディンが切り裂くのは一瞬だった。
まず、右手のゴルドセイバーでガルドサンダーの胴を両断、続いて、左手のゴルドセイバーがガルドミラージュを真っ二つにする。
2体から4体になったモンスターの身体が大地へと落ちる音がオーディンの耳に届く。
「他愛もない」
目的を果たし、踵を返すオーディン。その時、4体の内の1体が蠢いた。
「フォッォォ!」
ガルドストームの口から炎が吐かれる。
「なに!?」
オーディンの身体を包み込む炎。その様を満足そうに見やるとガルドストームは、ガルドミラージュと共に爆発した。
▽
モニターに映し出されるオーディンの姿。
そして、別室にてオーディンの戦いを観賞するふたりの男女。
言うまでもなく、神崎士郎とスマートレディである。
「あらあら、オーディン油断しちゃいましたね」
「………」
スマートレディの感想に、神崎は何も返さなかった。いや、返せなかったというべきか。
神崎士郎はオーディンを戦わせたことに2つの目的を持っていた。
その1つ目はオーディンを投入する時のことを考えての腕試し。
オーディンには首輪を装着している。首輪を装着した状態でのオーディンの戦略を測定するためだ。
結果は芳しくない。
スマートレディは油断と評したが、オーディンが油断したのも当然といえる。
本来なら、ゴルドセイバーの一撃でモンスターの命は完璧に絶たれていた。
黄金の羽根で倒せていてもおかしくはない。それほどの戦力差があるはずなのだ。
オーディンの戦い方にも問題はある。オーディンは自ら攻めるより、相手の攻撃を避けてのカウンターを得意としている。
1対1ならばともかく、10分という制限時間で複数の敵を始末することは難しいだろう。
それに加え、制限の加わった状態では、切り札のタイムベントを使えるのは1回の戦闘で1度だけ。
それも戻れる時間は制限時間内に限られていた。
これでは投入したとしてもどれほどの戦禍を上げれるものか。
(やはり最後の一人になるまで、奴らには殺し合いをしてもらわなければいけない)
制限と異世界への定着は表裏一体。神崎にも首輪の制限はもどかしいものだった。
▽
「お待たせしました」
丁寧な言葉と共にオーディンは神崎とスマートレディがいる部屋へと入る。
「お疲れ様〜☆」
ねぎらいの言葉をかけるスマートレディを華麗にスルーして、オーディンは神崎の前に立った。
「首輪を」
「はっ」
オーディンは自らの首輪に手を書け、それを力任せに引き千切る。
爆発は起きない。起爆装置は、首輪から解除済みだ。
神崎はオーディンから首輪を受け取ると、部屋を移動した。
移動した部屋には研究機器と未使用の首輪が置かれていた。
神崎は椅子に座ると、未使用の首輪とオーディンから受け取った首輪の比較を始める。
これがオーディンを戦わせた2つ目の目的だ。
――首輪の制限装置が誤作動を起こして、僕の制限がだいぶ緩んでいるんだ。
麻生を吸収したドラスの言葉だ。
制限の緩み。それは神崎にとって、捨ておけぬ問題だった。
この殺し合いにおいて、能力の制限は非常に重要な役割を担っている。
殺し合いは魂を研磨する。
得られる力を強力にするため、参加者のおよそ8割はなんらかの修羅場を潜ってきた者ばかりを集めた。
だが、その反面、そのままの状態で戦いが行われれば、終結には長い時がかかることだろう。
そのための制限だ。実際、その効果は充分に生かされている。
殺害数トップの安達明日夢は、わずか2割の普通の人間なのだから。
しかし、比較していく内に、神崎自身も予想だにしなかったことが判明する。
(これは……)
首輪の制御を司る箇所が、わずかだが焼けていた。
それは拡大鏡で見なければわからない微量な変化ではあったが、神崎にとっては致命的な欠点だった。
首輪の制限は完璧なものではなかった。
人外の力を抑え込むためには非常に多量なエネルギーが掛かる。
神崎は首輪を着けた人物のエネルギーを吸い取り、それを還元して制限を加えていた。
しかし、制御部には、エネルギーをコントロールする分、首輪を着けられた人物が、人外の力を行使しようとすれば、するほど負荷がかかり、制限が緩むようになっていた。
つまり、時間が経てば経つほど、制限は緩むようになる。
ドラスの場合は、麻生という制限が掛からない強力なエネルギー源を得て、首輪の制御部が一気に劣化したというところか。
首輪の思わぬ欠点は神崎の不安を増幅していく。
心配のしすぎだと、神崎は思う。
劣化するといっても、それはわずかなものだった。
数日程度ではドラスのようなイレギュラーを除き、調子がいい程度の認識しか得られない。
起爆装置に影響を及ぼすわけでもなく、それに制限が完全になくなる頃には空間の方が崩壊している。
何より殺し合いは順調に進んでいる。今回の放送も、前回の放送と同じく、告げる名前は8人。
割合で言えば、殺し合いは加速している。
(だというのに、なんだ、この胸騒ぎは)
神崎が抱える言い様のない不安。順調に行き過ぎているが上の不安感だと、自分を説得するが、どうにも拭いきれない。
「神崎さ〜ん♪そろそろ放送ですよ〜、禁止エリアどうしますぅ?」
スマートレディが放送の時間を告げる。
既に放送の内容はメモに記してあった。それに気付いたスマートレディはそのメモを取ろうとする。
「いや、待て」
神崎はメモを奪い取ると、一箇所だけメモを修正して、改めてスマートレディに渡す。
その修正した内容を見て、スマートレディは大げさに驚いた。
「いいんですか、これ???」
「構わない」
「わかりました〜☆」
スマートレディはメモを手に、その部屋を後にした。
「これでいい」
神崎が修正したのは禁止エリア。J3エリアを、J4エリアへと変更した。
ジャーク将軍が何をやろうとも、この計画は必ず成功する。わざわざ介入する必要はない。
それは言い知れぬ不安に対しての、神崎の精一杯の強がりといえた。
――その虚勢が神崎の計画に綻びを生むことになるか、今はまだわからない。
投下終了。
誤字、脱字、感想があればご指摘をお願いします。
あと、今回も相当根幹に関わる部分を書いているので、不都合があれば、いくらでも修正しますので、ツッコミお願いします。
オーディンが戦った場合の制限とか、J4エリアを禁止エリアにすることとか、首輪の原理とか。
ちなみに個人的にはストロンガーのチャージアップの理由付けのつもりです。
GJ!
最初ミラーモンスターが反乱を起こしたかと思いましたw
神崎強がりww なるほど、制御装置が劣化するから、一日経てばフォームチェンジが解禁されるんですね。
その発想はなかったので、感心しました。
>>707 もし差し支えなければどのグループを想定しているか教えていただけませんか。
こちらはまず旧Gトレ組を狙ってるんですが、
この先の勢力図を大きく書き換えかねない内容なので被るようなら少し考えようかと……。
……もう8割方書いちゃったんですけど!w
>>718 乙です。制限解除の理由付けは上手いと思いました。
個人的にはこの先オーディン投入も考えていたのですが
この形の制限であればむしろ好都合……いえいえ。
禁止エリアはJ4の他はどこになるのかな。B9、E4あたり?
port80規制orz
公式p2(p2.2ch.net)だけでも書き込めるようにしていただけませんか?
>>724 設定を変更しました。
これでどうですか?
いけました。お手数おかけしました。
>>718 GJ!
制御装置が劣化→チャージアップ解禁。
なるほど、目からウロコだ!
放送後の構想が拡がるなぁ。
そしてまとめサイト更新乙であります。
修正の方もありがとうございました。
E4とF5を禁止エリア指定にしてしまえばおのずと場所は決まるんじゃないか?
首輪と言えば、オーディンと同じ存在であろうリュウガはどーなってるなんだ?
城戸と同化して人間になったのか、ドラスみたいに制限緩和なのか。
でも人物のエネルギーを吸い取るってことは、純粋な機械であるG3は制限なかったってことかな?
ジャーク将軍w
そもそもG3ははじめから電池切れがある件
お約束のエネルギーを吸わせまくって破壊戦法も使えるかな
今更だがジャーク将軍はいい加減今闘ってる場所が故郷だという事に気付けW
そう言われてみればw
でも、気付く要素なくね
アトリにハカランダにデストロン基地とかあるし
こんだけいろんな施設があると流星塾さえどこかに埋まってるかもと思ったw
ピ〜ン♪ポ〜ン♪パ〜ン♪ポ〜ン♪
元クライシス界の街は月に照らされ、その激闘の跡を淡く映す。
この殺し合いはさまざまな傷を多くの人間に刻んだ。肉体だけでなく、心にも。
癒す者は何もなく、ただ風が虚しく吹いていた。
『みなさぁ〜ん、こんばんわ〜。
よい子はお休みの時間かな? このライダーバトルもちょうど一日経ってしまいました!
拍手〜〜〜!!
それでは、今日一日を惜しくも越えれなかった可哀想な子を発表します☆
浅倉威さん、安達明日夢さん、天美あきらさん、霞のジョーさん、神代剣さん、木野薫さん、シャドームーンさん、津上翔一さん。
以上、またも八人死んじゃいました。残りは十九人、皆さん殺し合いが大好きですね〜☆
お姉さん、ちょっとこわ〜い。身の危険感じちゃう、えーん。
さて、恒例の禁止エリア発表です☆
一時に海岸J4エリア。三時に樹海B9エリア。五時に市街地E4エリアで〜す。
放送も四回目になると、結構言うことなくなりますよね〜。
ああーっと、いい忘れてました〜。首輪で亡くなった子もいますので、本当に皆さんは気をつけてね☆
あ・と、首輪を外しちゃういや〜んな子、お仕置きが待っていますよ〜。
そんないけない考えは、駄・目・だ・ぞ☆
それじゃ、五回目でまた会いましょう☆』
ピ〜ン♪ポ〜ン♪パ〜ン♪ポ〜ン♪
甘く残る声の残滓。
それは生き残りの何人かの心を斬り裂くには、充分だった。
投下終了。
早速ですが、
ジェネラルシャドウ、上城睦月、ガライ、ジャーク将軍、小沢澄子、影山冴子、キング、ドラス、城茂、氷川誠予約します。
>>738 リュウガの体内に真司がいるはずじゃなかったのか?
>>741 死人は基本的に死んだ場所にしています。
ゆえに、伊坂も場所を移動させていません。
麻生さんは復活の可能性があるので、ドラスと同じ位置に移動しています。
放送投下そしてマップ更新いつもながら乙であります!
そして新作には期待大!
楽しみにしてます。
放送までのまとめサイト更新。
相川 始、日下部 ひより、南 光太郎、結城 丈二、秋山 蓮、乾 巧、草加 雅人、矢車 想を予約します。
誰にも予約されないリュウガ可哀想……。
>>744 まとめ乙です。
新作楽しみにしています!
>>740 >>744 お二人とも更新(と投下)乙です!
何やら気になる組み合わせ・・・楽しみに待ってます!!
誰か足りないと思ったらリュウガか。
乙です。
今ライフ見てるんだが、睦月の中の人がカッコヨス。
ロワでの凛々しい睦月も違和感なく見れそうだ。
リュウガ予約します。
そして大事な事を書き忘れていたorz
>>740.741
お二人とも更新乙です。
いつもありがとうございます。
アンカーミスった。
失礼しました。
>>744 まとめサイト更新乙です。
そしてお二人とも新作楽しみにしてます。
全パート予約入りましたね〜
皆さんの新作、楽しみにしてます!
>>754 乙です!
ありがとうございます。早速投下させてもらいます。
うめ?
うめうめ
うめこ
一号うめ
760 :
名無しより愛をこめて:2007/09/20(木) 21:01:22 ID:s49N6inW0
菊地美香
某所みたいにライダーロワのMADとか欲しいね。
曲はRXの運命の戦士で。
あと絵も欲しいよねw
アニメとかとくらべたらちょっと難しそうだな
765 :
名無しより愛をこめて:2007/09/22(土) 00:34:35 ID:9RomCW9aO
うめ
766 :
名無しより愛をこめて:2007/09/22(土) 14:13:27 ID:817lxm6y0
8 :名無しより愛をこめて:2007/09/19(水) 18:04:50 ID:mhgZkmZLP
最後に、このスレについての基本的なルールを告げる。
第1条/キャラの死、扱いは皆平等
第2条/リアルタイムで書きながら投下しない
第3条/これまでの流れをしっかり頭に叩き込んでから続きを書く
第4条/日本語は正しく使う。文法や用法がひどすぎる場合NG。
第5条/前後と矛盾した話をかかない
第6条/他人の名を騙らない
第7条/レッテル貼り、決め付けはほどほどに(問題作の擁護=作者)など
第8条/総ツッコミには耳をかたむける。
第9条/上記を持ち出し大暴れしない。ネタスレではこれを参考にしない。
第10条/ガイドラインを悪用しないこと。
(第1条を盾に空気の読めない無意味な殺しをしたり、第7条を盾に自作自演をしないこと)
第11条/無意味な1000取り合戦を避けること。
―――以上だ。さあ、語るべき言葉を持つ者は書き連ね、持たぬ者は読み進めるがいい。
―――それのみが、この冷酷な世界を動かす力なのだから。
うめ?
ふと思った。
もし、主催者が大首領だったらラストに再生怪人大量投入みたいになったりするのかな
昭和怪人が再生してライダーたちが千切っては投げて千切っては投げて。
今のライスピのような感じで?
次回があるなら、主催者は大首領が適任だな。
俺はゴルゴムの創生王を推すぜ!!
やはりモノリスだろう
案外、その中に神崎を裏で操る真の主催が居たりしてww
もし次があるとしたらライダー作品以外からもエントリーしないかな。
ウルトラ・戦隊・超星神シリーズ・牙狼とか
でも昔の特撮ロワの様なことになりそうだね…orz
>>773 やってはみたいんだけどね。
とりあえず全部把握しているが、もし本当にやるならレンタルされていない作品は避けた方が無難。
エンペラー星人だけは勘弁な
>>773 影の支配者・・・やはりクライシス皇帝だなw
「フフフ・・・影の支配者も私だ」
石ノ森先生が見せしめという失礼なネタを考えてしまったwww
779 :
名無しより愛をこめて:2007/09/23(日) 07:19:55 ID:kuCoJCZ80
影の支配者=ゴッドネロス
組織の構図もそっくりだな RXはメタルダーのまねごとか
>>778 むしろ、石ノ森先生が主催者というのを想像してしまったWW
>>777 ユーゼス自重。
奴が来るならズバットが来ないとな!!
>>780 どこのA木H彦先生ですかww
どこかの馬鹿がスターピースに「最強の特撮キャラは誰?」と願い事を……
それだとトンボーグが審判の格闘大会になりそうだwww
正義:悪の比率ってどのくらいが理想かな?
ライダーは戦隊ほど明確に分かれてはいないから線引きが難しいか…
正義 昭和主役ライダー、平成主役ライダー
中間 平成ライダー脇役、ライダーマン
見たいな感じかな
「悪」じゃないけど「邪悪」ってのがいるだろ。
草加と浅倉みたいなのは「邪悪」
それだったら、原作リュウガも邪悪な部類に入るかな。ロワのリュウガのキャラも好きだけどw
微妙なのは思い付くのだと蓮・北岡・木場・睦月(スパイダー支配下)・歌舞鬼・影山…
埋め
梅子
最終話 希望を胸に すべてを終わらせる時…! 仮面ライダーバトルロワイヤル第1巻は、発売未定です。
天道「チクショオオオオ!くらえ神崎!マキシマムハイパーサイクロン!」
神崎「さあ来い天道!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ザン)
神崎「グアアアア!こ このザ・フジミと呼ばれるシスコンの神崎が…こんなシスコンに…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
神崎「グアアアア」
根岸「サイアークがやられたようだな…」
大首領「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」
クライシス皇帝「人間ごときに負けるとはラスボスの面汚しよ…」
天道「くらえええ!」
(ズサ)
3人「グアアアアアアア」
天道「やった…ついに四天王を倒したぞ…これで真の敵のいる時空の扉が開かれる!!」
擬態天道「よく来たね♪カブト、待っていたんだよぉ〜」
(ギイイイイイ)
天道「こ…ここが時空の狭間だったのか…!感じる…奴の気配を…」
擬態天道「カブト、戦う前に一つ言っておくことがあるだけどさ〜
君はここを出るのにハイパーゼクターが必要だと思っているようだけど、別になくても脱出できるんだよ?」
天道「な 何だって!?」
擬態天道「んで、殺されたまんまじゃみんな可哀想だから元の世界へ解放しておいたよ〜 あとは僕を倒すだけだね♪えへへへ」
(ゴゴゴゴ)
天道「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある このオレに生き別れた妹がいるような気がしていたが別にそんなことはなかったぜ!」
擬態天道「あ、そう」
天道「ウオオオいくぞオオオ!」
擬態天道「てぇぇぇぇい」
天道の勇気が世界を救うと信じて…! ご愛読ありがとうございました!
― 仮面ライダーバトルロワイヤル〈外伝〉 完 ―
サイアークのままになってるぞ
なんて終わり方だ・・・
梅子
埋めネタついでに各キャラ感想。
1:相川始@仮面ライダー剣
栗原親子を人質にされ、原作バトルファイト同様、ジョーカーとして活躍しようとする。
しかし、剣崎、ヒューマンアンデッドの影響から、サラマンダーとして道を歩んでいた。
ドクトルG、剣崎に擬態できる神代を殺し、現在はジャーカーとして覚悟を決め、修羅の道を歩んでいる。
同じく元ジョーカーのリュウガが、栗原親子の位置を探っているため、彼と睦月が始の今後の鍵か?
2:秋山蓮@仮面ライダー龍騎
参戦時期により殺し合いに乗るが、原作同様サラマンダー道を歩む。
草加と縁があり、別れたあと、また組んでしまった。
真司を目の前で殺されたり、ヒビキが自分を庇って死んだり、精神的にはキツイ目に遭っている。
現在、始と遭遇中。
3:浅倉威@仮面ライダー龍騎
ザ・マーダー。戦績も、仮面ライダー3人、グランザイラスとかなり高スコア。
王蛇のカードデッキを失ったあとは、北崎のデルタドライバーを主に暴れ続ける。
その最期が皮肉な演出だったのは、上手い。
4:麻生勝@仮面ライダーZO
真理と出会い、戦いを止めるべく動いたが、拡声器の呪いからか碌な目に遭っていない1号
マシーン大元帥は倒すものの、冴子に騙され、ドラスにパワーアップアイテム扱い。
首輪が解除されているため、今後彼の復活するか否かが、ライダー側の今後を決める鍵となっているのでは?
5:安達明日夢@仮面ライダー響鬼
原作と違い、悪意に目覚め、一般人マーダーとして活躍を続けた少年。
岬ユリ子を殺し、加賀美に取り入り、水のエルを殺し、チームを全滅に追いやった。
ヒロイン2人、主人公1人、ラスボス級怪人1人と、戦績が凄すぎる。
6:天美あきら@仮面ライダー響鬼
明日夢と同じく、マーダー化フラグが立っていたもの、巧と天道のおかげで立ち直る。
巧と恋愛フラグが立ち、ドレイクとなるもの、活躍も少なく、信じていたものに裏切られる最期を迎える。
死んだあとも、巧の悪夢に出て、本人の望まない影響を巧に与えている。
とりあえず6人。
あくまでも埋めネタなので、このスレを使い切ったら次スレの埋めネタに。
GJ!
思えばいろいろあったもんだ。
799 :
名無しより愛をこめて:2007/09/30(日) 18:18:00 ID:8JsS/L1S0
______________________
|| ||
|| 仮面ライダーは韓国が起源ニダ! ||
|| 。 ∧_∧ ||
|| 謝罪と賠償を要求するニダ! \ <`∀´丶> ||
||_______________⊂( )_||
∧∧ ∧∧ ∧∧ | | |
< ∧∧ < ∧∧ < ∧∧ ヽ_ヽ__>
〜(_< ∧∧ __< ∧∧__< ∧∧
〜(_< ∧∧_< ∧∧_ < ∧∧
〜(_< ,,>〜(_< ,,>〜(_< ,,>ハ〜イ、先生
〜(___ノ 〜(___ノ 〜(___ノ
Wake Up... Wake up... Wake Up...
光のオーロラ身にまとい 君は戦う人になれ
傷つく事を恐れたら 地球は悪の手に沈む
Wake UP!The HERO!燃え上がれ
光と闇の果てしないバトル
Wake UP!The HERO!太陽よ
愛に勇気を与えてくれ
仮面ライダー!黒いボディ
仮面ライダー!真っ赤な目
仮面ライダーBLACK RX!
優しさよりも激しさが 大事な時があるものさ
君よ怒りを稲妻に 変えて宇宙に解き放て
Wake Up!The HERO!胸の奥
君の知らない君がいるのさ
Wake Up!The HERO!目を覚ませ
誰がピンチを救うのか
仮面ライダー!きらめく稲妻
仮面ライダー!愛の戦士
仮面ライダーBLACK RX!
7:南光太郎@仮面ライダーBLACKRX
最強の仮面ライダーとして名高い、チートヒーローとは彼のこと。
だが、能力を制限されたバトロワではギャグキャラ?に配属され迷走を繰り返す。
だが、シャドームーンとの一騎打ちを経てついに真のヒーローとしての本領を発揮。
さらに親友の2度目を死を目の当たりにし、悲しみが臨界点をぶっちぎりついにあの?フラグが立った。
制限が解除されて、王者の石が本領を発揮する時、悲しみの連鎖を打ち破る太陽の光が荒野を照らす。
草加の強襲などぶっちぎり、光をもたらせ!!仮面ライダーBLACKRX!!
801 :
名無しより愛をこめて:2007/10/02(火) 00:28:01 ID:MRb4BfxsO
うめ
うめ
うめ
うめ
うめ
1
2
3!
「ライダーキック」
―― RIDER KICK ――
―― thread over ――
811 :
名無しより愛をこめて:2007/10/07(日) 16:01:07 ID:atUeUTwy0
812 :
名無しより愛をこめて:2007/10/07(日) 16:50:12 ID:4eHoiXrv0
すまないが平成ライダーの一行小説スレって次スレ立ってないの?他に聞ける所ないんだ。
814 :
名無しより愛をこめて:2007/10/07(日) 21:19:27 ID:4eHoiXrv0
ありがとう
|:::f || \ | | / || ノ::| |::|、
j:::|___||_,,..-ヽ/-――――''''''フ:::| |::::}
/::::\___ヽ――'_,,.-''''゙゙,二~'|}::::|:|:::j
|:::::::::゙ト、__,,,,..----..―:': ̄:.:ノ ヽj::|::|:::|
|::::::::::|| (:⌒::、|. | j゙ヾ―''´ ,ノ 〈::::}::|::| 「侑斗、よく言った!!これで大丈夫だ」
{::::::::j∧_,,゙=''j :| /''~^\`~''' \|:::|::}
|:::::::ノ|/ /' ヽ |::/ \  ̄ ̄}|::::|:::|
\:::ヽ / ヽ:|/ _,,,,_、_\_,,,j::::::|::::}
゙ヽ:::レ_,,,イ⌒゙ヽ、ソ-'''~ 二二 ̄|::::/:::::|
゙ヽ:::::l l::::::二二:::::―'ー~ ̄:::://::::/:/:::::::::|
`、::ヾ、ィ--、_,r-、二 ̄ ̄::ノ/::::/::/:::::::::ノ__
_j:::::\ヽ=-' |::i::::゙`ー‐'''/三三三三三三}
{三三三ヽ::::::::|::|:::::::::::::::f´ii/:.::.::.::.::.:.::.::.::.::.:.::|
|:.::.::.::.::.゙、ii|丶-^ヽー―''|iiii|:.::.::.::.::.:.::.::.::.::.:.::.::゙ ̄`ー―、_
__,,,j:.::.::.::.::.:.:|iii|三三三三三|iii|:.::.::.::.::.:.::.::.::./::/:.::.::.::.::.:.::ヽ三三三
三j^/:.::.::.::.::l、:.::.::.::.::.:|iiii|三三三三,/iiiii|:.::.::.::.::.:.::./:::::/:.::.::.:::.:::.::.::.ヽ三三三
//:.::.::.::.::.:.::.:\ヾ:.::.::.|iiiiil三三三/iiiiii/:.::.:::.::.:./::.::.::.::.:.::.::.::.:/^|:.::.::.|三三三
/::/^|:.::.::.::.::.:.::.::.ヽ二::ヽヽ三三/iiiiii/:..::/):.::.::.::.::./):.:.:.::./ /:.::.::.|三三三
うめ?
埋め
818 :
名無しより愛をこめて:2007/10/11(木) 07:49:53 ID:qLurnTAsO
埋め
うめ
梅子
うめ
ライダー……うめ! とぅ!!
埋めましょか
埋め
埋め一号
埋め二号
埋め3
埋め四号は君だ
埋め5↓
埋めんライダーブラック!6
埋めんライダーブラック!6
832 :
名無しより愛をこめて:2007/10/14(日) 23:50:56 ID:iADJv3eJ0
うめこ
ライダーロワの無事完結を祈願しながら埋めるぜ!
うめ
俺も完結祈願しつつ埋め!
836 :
名無しより愛をこめて:2007/10/15(月) 19:17:50 ID:cGsspON9O
埋めレンジャー
、 ,
ヽ /
,ヽ-;‐;-i!.、
, '⌒i!| |/!⌒`'、
/:.:.:.:。|!| |:|!:.:.:.:.:.:ヽ
i:.:.:.:.:/|!| |:|'、:.:.:.:.:.:.!
l、_;ノ┘| |└ヽ、_;;ィ
ト'´;:、 -‐- 、`‐-!
ヽ、\. : | /`>::.!
,:=ノ、ヽ _,/-'/ト、
lヾ、:::`::─::::':´::./:::.ヽ
_,. ;-‐'::"´\:ヽ:::::.::::::::::::/;':::::::.``‐-、___
/::::::::/|:::,::::-‐'´::ヽ\_;::::-‐´::``‐-:、::.∧:::::::.``' 、
/::::::::::::/'´::::::::::::::::::::::::`'Y'´::::::__::::::::::::::::``ヽ:::::::::::::::.ヽ
|__:::::::/:::::::::::::.:. . .:.::::::::|::.:.((⌒しメ、:::::::::::\_,::-‐┤
/::::7‐'´|::::::::::.:..:. . .:.:::::::::|:::.:.:`´::::´::::::::::::::::::::|::::/´ ̄\
//:::::::::::\:::::::::::::. :.::::::::::人:::::::::::::::::::::::::::::::::::/、i:::::::::.:::::::. \
//´::::::::::::::::イヽ、__::_;/!±\_____;//\ :::::-='´;:::::.\
/´;'/´::::::::::::::::/ | .::::. ̄ ̄|±±±コ|:. ̄ ̄ ̄.::ヾ〈 .\ソ/:::::::::::::.ヽ
:::::ゞ、ヽ:::::::::/´ ├‐::=─|±±±コ|==─=-‐/, ‐'::´ ̄`ヾ::::::::::::::.}
:::::::::::::ヽ;/ |;::.-=─:!±±±フ;‐==─, -‐、;´.:.:.::::::::::::::::::.\:::::;-'
:::::::::::/ L___ヾ≡/', -‐''::´:ヾ=ィゞ!::::::::::::::::::::::;. -‐'´
/ く二ニ二_r =彡;-‐'; -‐':´_;;::」---‐''" ´
´ | .:.:.:.|! ○`、-;U"´:::. ̄´´!
」:─┴t──´‐,┴──‐┤
許さん!!
rヶ
マ __ /
ヽ , -‐''i´ i``''ー-、 /
ヽ,/;;;;;;;;;;;;;;| |;;;;;;;;;;;;;;;` /、
/ヽ、;;;;;;;;;;;;;l !;;;;;;;;;;;;;〃;;;ヽ
/;;;;;;;;;;;ヽ、;;;;;;;;;;l |;;;;;;;;;〃;;;;;;;;;;;',
/;;;;;;;;;;;;;;;;ヽヽ;;;;;;| |;;;;/ /;;;;;;;;;;;;;;」
〉ー-、_;;;;;;;;;;ヽヽ;;| l;/ /_, -‐''´ l
l `` ー- 〇 〇´ l
| ◎ l
|ヽ_, -, -── 、 ,. -── マ7~!|
l l l三,/:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.', l:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;;l !|
lヽヽ=l::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,l! |',:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:l;/ /|
l ヽヾヽ:.:.:.:.:.:.:.:.:/ ! | ヽ、:.:.:.:.:.:.:/// .,!
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ヽ 〉〉;;;;〉〉! |ヽヽ;;}}/
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841 :
名無しより愛をこめて:2007/10/16(火) 09:31:11 ID:m4YNWb5e0
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|| ヽ ノ:..:..:..::.|:::| |::| |:::| | ト-|.:.:..::.l /|
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844 :
株価【86】 :2007/10/17(水) 15:55:57 ID:yPRk4ggH0
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| | >、 ィ ´ ヽヽ /
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| /V {::.::.::.::.::.::.::. : .ノ| O/ ヽ
| / ∨ ヽ __ , ィ´,ノ /./ ::.l
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|.| \ _ ===‐┘、 ./ ./{ :.::./ 埋めついでのテストだ
. l.|__ -‐  ̄ .// ヽ \/ヽ `' 、//ヽノ
. |/ ── 、//、 ヘ /、 ヽ_ 7./
.__└ ´ ̄ ̄.ヽ/ \ V ヽ_ /_//
ヽ、__/_ ` ' 、 ヽ、 ヽ、 ∠//
`ヽ、 ィ= 、_` 、 ` 、 `' 、._/ //
ィ ─ヽ´ヽヽ ̄/  ̄`' 、 `/ ̄ .ヽ//
/ | \/、 ` ' 、 `
ィ===l \ ヽ
845 :
名無しより愛をこめて:2007/10/17(水) 19:59:54 ID:QwlqiUxzO
なかなか埋まらないな…
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γ´ヽヽ \/` >、 , ー─-- 、
/ ヽヽヽ/ / l / ヽ
| /´⌒ヽヽ /( `,l/ lヽ , -─`
| ゝ __ ノ\・ lゝノ.| ノ )_ /´
/\ --──\l─、l / .//
ヽ// 丶' // / ´ヽヽ
ゝ ヽ -一 ' /_ノ /ゝ | l ライダーマン、結城丈二の最後を見ろ!
(二`ヽ= ー ニ´)、γ\/ `ヽノ l うわあぁぁぁっ!
 ̄──┐ ./ヽ/⌒ )\ \/` - ´
/. | ./ /`ヽ`´\ \ \) ヽ
| | / `ヽノ \_ヽ_ノ |
| | /`ゝノ /ノヽ |
ヽ ノ /ノ \ /
君は 君は 君はライダー ライダーマン 強くやさしい君はどこにいる 海から風が教えてくれた
君は 僕の 僕の胸に生きている 君はライダー 仮面ライダー4号だ
t'、 ,,,,,,,,,,, //
t'、,,、-ー''t,~~ヽ, ,r"~''',r'ー、, .//
,,r-'、t'、't;::::::::::t, " .r":::::::r'~'//、,
,,r'" .ヽt'、. t;:::::::::t, r":::::::r" ,r'/ ヽ,
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